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新生 えなりの冒険実録

1 :作者の都合により名無しです:2007/06/21(木) 18:08:05 ID:vOPNwAQ40
これはえなり2世の数奇な運命を追った「えなりの奇妙な冒険」のリニューアル版である

書き込む際の最低限のルール
・ストーリーの流れは把握すること
・メインは漫画家。漫画のキャラは極力出さない
・誤字脱字の訂正は最小限に抑える
・細かい設定、言葉遣いの失敗には優しく対応
 書き手も人間、失敗はあるもの
・指摘は優しく。罵倒とは違う
・リレー小説に割り込みは付き物
・展開予想は書き手の負担になるので極力しない
・アンカーを付けて、どの話の続きかわかりやすく

現在「したらば」に新スレ立てるか検討中

追加ルール【人数制限】
漫画家達のごった煮となり、良くも悪くもカオスとなった前シリーズ
スレ衰退を防ぐため、今回から登場人物の人数制限が設けられた

・登場漫画家は50〜60人まで(一般兵などの雑魚きゃらは除く)
・漫画家の登場、退場(死亡、完全封印など)を書かれた方は、作品の最後に
 登場人数、退場人数、残り人数を書く
・定員以上の漫画家を出したいときは、誰かの退場まで待つこと。但し、
 出したいからといって瞬殺はNG。納得のいく退場描写を
・書きたいキャラがいたら早い者勝ち

関連スレ
【リレー小説】えなりの奇妙な冒険〜冨樫の遺産編第27部
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/ymag/1135882824


2 :作者の都合により名無しです:2007/06/21(木) 19:06:37 ID:+NOsBSpxO
あえて言おう
2ゲットだ

3 :書き忘れ:2007/06/22(金) 23:45:52 ID:GXYDf0daO
≪注≫この物語はフィクションです。実在の人物(特に漫画家)、地名、団体名などとは一切関係ありません。

4 :プロローグ:2007/06/23(土) 01:26:30 ID:MCMIYCcb0
あのトーナントが終ってから3年後…

えなりチームの面々は集英社で宴会をしていた。
いつも通りの平和な日常。

しかし―

バ ン!!

その日常は、一人の訪問者により破られた。

5 :作者の都合により名無しです:2007/06/23(土) 02:27:32 ID:5nVGMVlO0

                   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
                 /             \
     く^ゝ         /                  ヽ 楽天の六つ目山下が遊びに来たよ。
      H         l:::::::::.                  |      ,..、
      ヾ~ヽ    __,,,,-(●)(●)(●)(●)(●)(●)  / ノ
     __,.-| i―'''"" )))|:::::::::::::::::   \___/     | )/  /
    /;― | i!- 、 )))))ヽ:::::::::::::::::::.  \/     ノ )) ヽ  i
   /    ` " : ヽ、:::::::::))))::::::::::::::::)))))))::::::::::::))))::::::|  |
  /          ヽ::::::::::::::::::::)))))))::::::::::::::)))):::::::::::::::/  ヽ
  /           i)))::::::::)))):::::::::::::::)))),、'"  `ー-J
  |            | ;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,,.-''" | 楽天のシーマン中島が遊びにきてやったぜ。
  |    ノ  \   | ;:::::::::::::::,,,,--'''"" ̄ ̄〉'"ヾ、ノ
  |   ━┓  ━┓ ! ,.-" ̄)/////// ,.-'"
  ヾ    ,  、   i,,.--=二、_,,,..-‐'"
   ヽ  (__人__)  /      `ー-'
    ヽ  ` ⌒´ ノ
     `ヽ、_,,,,-'



6 :プロローグ:2007/06/24(日) 16:26:20 ID:sPbqe6hXO
漫画家をはじめとした「クリエイター」が、人知を越えた力を持つ世界。
これは、そんな世界の闘いに生きた一人の読者、えなり2世の物語である。

一面の黒い空間に点在する沢山のドア。その中を飛び続ける二人の姿がある。
一人は、二つ分けた金髪と赤いゴスロリ調ドレスの、えばら渋子。
もう一人は、流れる銀髪と十字の縫われた黒いドレス、
そして服と同色の翼を背に生やした千道万里。
急ぐようにして彼女達は黒い空間−−nのフィールド−−を飛ぶ。
「後ろに追っ手は?」
「いないみたいね。nのフィールドを通った甲斐があったわぁ」
えばらの問いに、後ろをみながら千道が答える。
「その代わり時間があまりないわ。さっきネジを巻いてから20分は経ってるのだわ。早く彼のもとへ行かなくては……あれは?」
黒い彼方から、一点の小さな光が飛んできた。
−−人工精霊。彼女達PEACH-PITの生み出した、薔薇乙女に付き添いし存在。
「ホーリエ! 戻ってきたのねぇ。彼は探し出せたの?」
見知った存在の帰還に、千道は心なしか嬉しそうだ。
「ちゃんと探し出せたみたいね。彼はこの先真っ直ぐにある鏡の前にいるわ」
「この事態をなんとかできる希望の一人なのよねぇ。
疑うのもなんだけど、大丈夫なの、彼って?」
その千道の問いに、えばらは前を見据えて答える。
「彼に辿り着けば、自然と同志が集まってくれるはずなのだわ。
そう、『えなり2世』のもとへ行けばきっと」
そう語る彼女の目には、確かに希望が伺える。
「一刻も早く仲間を見つけ出す、これが私達の義務なのだわ」
「確かに、『彼女』があっち側に捕まった今、それしか方法がないからねぇ」
始まってしまった悪夢を食い止めるために、二人はえなりのもとへ急ぐのだった。



7 :プロローグ:2007/06/24(日) 16:29:05 ID:sPbqe6hXO
深夜の東京タワー、赤い体はいつものままだが、その展望部分にはこれから始まる悪夢の中心人物達がいた。
一人目は、黒い衣に身を包む長身の魔女、大川七瀬。二人目は、制服を着た小柄な少女、猫井椿。三人目は、何故か大量のコードに埋もれる白い少女、もこな。
あと一人いがらし寒月もいるはずだが、今彼女はこの場にはいない。
「PEACH-PITの二人は、もう見つかったん?」
「駄目ね、彼女達はこの世界はいない。nのフィールドに逃げ込んだようね」
「そこも捜したらえぇやんか」
「簡単に言うけど、あの世界は無限に広がっているの。かなりの重労働よ」
まぁ、今なら幾分か楽だけどと、大川は付け足した。
もこなはコードに埋もれたまま、一言も喋らない。もっとも、喋ったところで出てくる言葉は「ちぃ」だけだ。
そんな三人の近くに空間の歪みが生まれ、いつのまにか一人の少女がそこにいた。
手には星を模ったピンク色のステッキ、服装はこれまたピンクの活動的かつ飾りの多いドレス。
彼女達CLAMPの四人目、いがらし寒月だ。
「遅かったやないか、いがらしさん」
「『戻(リターン)』のカードでPEACH-PITのお二人が何処へ向かわれているかの手懸かりを探していたんです」
「それで、成果は?」
「お二人は、えなり2世という少年のもとに向かったそうです」
「えなりいうたら、『えなりん』っちゅうバンド組んでるはずやで。たしか今日も演奏や」
「では先回りして、兵を幾らか送っておきましょ」
「同人作家達をサイボーク化した“エンジェル部隊”ですね」
「せやな、わたし出動命令してくるわ」
言うと猫井は、携帯で連絡をするため場を離れる。

「それにしても、『戻』のカードは魔力消費が激しい部類。彼女の力があって成功したようなものですね」
「えぇ、そうね。私も捜索の時に使わせてもらったわ」
大川といがらしの視線の先には、液体とともにガラスの中に眠る女性。
白く長いドレス、そのほぼ中央である胸の辺りには、銀色の輝きがある。
「“銀水晶”、あの膨大な魔力と同盟さえあれば、私達の計画は完璧だわ」
武内直子−−CLAMPに捕らえられた、月の女王である。

登場人数:7
退場人数:0
現在の人数:7/60

8 :このスレたてた>>1:2007/06/24(日) 16:33:00 ID:sPbqe6hXO
スレたてた張本人なのに、投稿遅れて正直スマン。
PEACH-PITの二人のイメージは
えばら渋子…真紅
千道万里…水銀燈
の方向で

9 :作者の都合により名無しです:2007/06/24(日) 19:51:29 ID:JrOq20vp0
いきなり登場人物がマニアックで分かんねえ

10 :作者の都合により名無しです:2007/06/24(日) 21:53:05 ID:sPbqe6hXO
漫画家とそれぞれの代表作は

CLAMP(大川・いがらし・猫井・もこな):『CLAMP学園探偵団』『魔法騎士レイアース』『ちょびっツ』など

PEACH-PIT(えばら・千道):『ローゼンメイデン』

武内:『セーラームーン』

それと大川の名前は大川緋芭に脳内修正してくれorz

11 :作者の都合により名無しです:2007/06/26(火) 14:58:07 ID:mYXb3DUe0
……都内に林立するビルの中の一つに、二人の男がいた。
夜の闇も届かぬ町の住民であることに変わりは無いが、どうやら常人ではないようだ。
それは彼らの居る小さな部屋の様子からも窺い知れる。
電灯は煌々と灯っているというのに、その部屋は暗い…いや、黒い。
かといって闇や暗黒物質といった物の作用ではないようだ。この色は、そう…まるで墨を流したよう。

二人の男はどうやら何かについて話し合っているようだ。
片方の男……若者とも中年とも判断のつかぬ…或いは老人かもしれない…男が口を開いた。
「だからね、君はあまりにも映画的すぎるんだよ。映画には映画の、そして漫画には漫画の文法がある。」
もう片方の、西部開拓時代のような帽子を被った男がそれに反論する。
「確かに……しかし、それを言うならあんたも俺に負けず劣らず映画的じゃないか?」
「ふむ……確かにそれは否定しない。だが僕は自分なりにその手法を漫画的に」

ドン!ドン!ガチャ……

白熱しそうになった議論は、突然のノックと返事を待たずに開いた扉に中断を余儀なくされた。
扉を開いて部屋に入ってきたのは、ひどく狼狽した様子の眼帯をした男。数刻前から降り出した雨の中を駆けてきたようだ。
気のせいか、部屋の黒さが更に増したような気もする。

「なんだ、君か…。どうしたんだい、そんなに焦った顔をして…」
年齢のわからない男が口を開く。どうやら味方か、少なくとも知人であるようだ。
その後ろでは、西部劇風の男が腰につけたホルスターからゆっくりと手を離していた。

眼帯の男が答える。
「少々…いやかなり……やばいことになった……ピ…PEACH-PITが…」
「PEACH-PIT?彼女らとの交渉は今井君に任せておいたじゃないか。僕にいわれてもな…。
それに失敗してもともと、決定的な遺恨を作る前に手を引くことになっていたはずだが……。」
「その今井から連絡があった……今日二度目の交渉のためにPEACH-PITの家に向かったところ、
家は破壊され、二人は行方不明……だとさ。」

12 :作者の都合により名無しです:2007/06/26(火) 14:59:53 ID:mYXb3DUe0
「な…んだと……!?」
「なにい!?一体…なんでそんなことが!!」
年齢不詳の男も西部劇風の男も、さすがに驚きを隠しきれないようだった。

やや長めの沈黙の後、眼帯の男が口を開いた。
「……誰がやったかはわかってる。」
「本当か!?どいつだ!!」
西部劇風の男が吼える。
「まあ落ち着け…と言っても無理だろうな。僕も興奮しているから、説得力がない。
とりあえず、誰がやったのか、それと何故そいつの仕業だとわかったのか。教えてくれ。」

「ああ…まず今井が破壊された家を探索中に、名刺の切れ端のようなものを見つけた。
奴の持ってるデータと照らし合わせた結果、どうもマガジンの編集部のものらしいということがわかったってよ。」

「マガジン!!?何であんな健康優良不良少年御用達の雑誌が……!!」
西部劇風の男が叫ぶが、年齢不詳の男にたしなめられる。
「だから落ち着け。それにそれは数年前までの認識だ。今では赤松を筆頭に結構そっち方面の需要と供給もある。」
「な、なるほど…よし、それでマガジンがそのPEACH-PITに用があるとする。
じゃあ何であんたら…いや俺達みたいにやらないでそんな乱暴な手を使うんだ?」
西部劇風の男の問いに答えたのは、今度は眼帯の男。
「そうだな…断られて、他の奴らに渡すぐらいなら…とか考え付かないでもないが、いくらなんでもそれは無いだろうしな…。
俺の勘じゃあ、彼女らに用があんのは編集の連中じゃなくて漫画家個人だね。
安全第一で動いてる編集者どもがこんな手を使うとは思えねえ。」
「で、その動いている漫画家というのは誰だい?
一般層にはあまり知られていないとはいえ、PEACH-PITの二人もかなりの手練だ。並みの漫画家ではそこまでできるとは思えないが……。」
次の問いを発したのは、年齢不詳の男。
そしてそれに対する答えは……

「お前らも知っての通り、俺はマガジンの方にも関わってる。そのコネを使って調べてみたんだが、どうやら……
…………CLAMPだ。しかも四人全員。」

13 :作者の都合により名無しです:2007/06/26(火) 15:01:31 ID:mYXb3DUe0
長い沈黙。
その場にいる誰もが、会話を次の段階へ進めることを恐れているかのようだった。

「…CLAMP、か。」
その沈黙を破ったのは、西部劇風の男。
「そいつらは…今どこにいる?」
「あ?ああ、――東京タワーにいるみてえだな。何をやってるかまでは『見え』ねえけど。」
「そうか……ありがとよ。そこまでしっかりわかるとは思わなかったが…まあ都合がいいや。」
「待て。」
今にも席を立とうとする西部劇風の男を止めたのは、年齢不詳の男。
「何だい?」
「君の性格からして、これから何をするつもりかはよく解る。」
「そうかい?なら止めたって無駄だってこともわかるだろ?」
「まあ聞くんだ…まだここに来て日が浅い君は実感としてはわからないかもしれないが、ここの漫画家たちはみな『はぐれ者』だ。
もう俗世間の人気取りだの読者への媚だの漫画家同士の確執だのと関わらずに、静かに暮らしたいと思う人も多い。
君がCLAMPと事を構えたら、下手をするとマガジン…講談社との全面対決になる。彼らを巻き込むことになりかねない。」
だが、西部劇風の男の表情は変わらない。
「未来をしっかりと見て進むことも大事だろうけど……俺は、そのために今を見捨てたくはない!
CLAMPがPEACH-PITを襲ったというなら……俺はそいつらをそのままにしておくなんてことはできねえ!!」

「……戦いとなれば……、僕たちが戦うということは…
…深夜とはいえこの『不夜城』東京には多くの人がいる。無関係の人を巻き込む可能性は非常に高い。ほぼ100%だ。
たった二人のために、100人単位の人を危険に晒せるのかい?」
「……そんな時は昔から、こう言うと決まってるだろ。」
西部劇風の男の目の光が、一層強くなった。
「一人も百人も、両方助ける。それをやってのけるのが俺たち、漫画家の仕事だ!!!……ってね。」
「わかった。…いやすまなかったね。どうしても君の『覚悟』の程を知っておきたくて。」
年齢不詳の男の目が戦士から漫画家に戻った。西部劇風の男を認めたということだろう。
「じゃあ、もう話はいいな?行ってくるぜ!」
そう言うと西部劇風の男…皆川亮二は、窓を開けた。
その足が異形に変化し…夜の中へ飛び立っていった。行く先は東京タワー。

14 :作者の都合により名無しです:2007/06/26(火) 15:03:16 ID:mYXb3DUe0
「……彼を見ていると、僕まで血が滾ってくるよ。つくづく自分が少年漫画家だということを思い知らされる。」
しばらく皆川が飛び立っていった窓を眺めていた年齢不詳の男が溜息をついた。
「やっぱり今でも週刊が恋しいかい?」
眼帯の男が応える。
「そりゃあね。あの熱い心は僕の原点だよ。今だって宿直でさえなければ皆川君と一緒に行きたかったぐらいさ。」
「……じゃあ行ってこいよ。俺が代わりにやっといてやるから。」
「そうかい?すまない。恩に着るよ。」
「いいっていいって。俺は編集の連中にこの件を報告しないといけねえし、まだネームも残ってるからよ。
それにCLAMP全員が相手じゃさすがの皆川も分がわりいだろ。」
「…確かに。でも本当にいいのかい?何なら次の君の宿直のとき代わろうか?」
「必要ねえよ。大体俺はあんたのこと一人の漫画家としてどっちかってーと尊敬してんだからよ、荒木飛呂彦さん。」
「それはどうも…。じゃあ今回はお言葉に甘えさせてもらうとしようかな、大暮維人君。」
どこから取り出したのか奇妙な仮面とマントを着けた年齢不詳の男……荒木飛呂彦は、皆川の出て行ったのと同じ窓から
こちらはどういう原理か雨粒の上を歩きながら、皆川を追った。

そして眼帯の男…大暮維人は…
「ちっ…やっぱ俺も行きたかったな……。まあ、またの機会を待つとするか。
自分の漫画の登場人物に何百年って単位で機会を待たせといて自分自身はほんの数日か数週間も待てねえなんて、笑い話だ。」
彼の掴んだ情報を編集たちに伝えるべく、ウルトラジャンプ編集部のドアを叩いた。

                    To Be Continued...

登場人数:10(7+3)
退場人数:0
現在の人数:10/60

15 :作者の都合により名無しです:2007/06/26(火) 19:29:54 ID:KBAo9iNqO
このスレにも遂に書き手の方達が来てくれた……
あまりにも嬉しいと涙が出るという事を今、心で理解した

16 :作者の都合により名無しです:2007/06/27(水) 00:21:19 ID:kdRUPY810
ウルジャンの面子は強力すぎる……
島流しとはいうが、実際ものすごい豪華メンバーだよなあ

17 :作者の都合により名無しです:2007/06/27(水) 10:25:03 ID:TGNI4AjL0
そのころえなりは、自分がボーカルを務めるバンド、
「えなりん」の売り上げ不振により、多額の借金を背負っていた。
その額数千万。高利貸しから借りた金が、あれよと言う間に膨らんでしまったのだ。
もはやまともに返せるような額ではない。
サラ金からは毎日のように来る電話は、えなりの胃の状態をどんどん悪化させていく。
そんな状況に頭を抱えながら、
えなりは今日もガラガラのステージを終え、寂しく控え室に戻っていった。

えなり「はぁ…もうどうしたら…」
??「ククク…大変だな」
入った控え室の中に一人の男がいた。
えなりは驚いてそちらを見やる。
えなり「だ、誰です!? まさか…借金の…」
慌てて逃げ出そうとするえなり。
男がまあまあとそれをなだめた。
??「あぁ、心配はいらない。そんなんじゃあないからな」
男は懐からメモを取り出すと、内容を読み上げ始めた。
??「えなり3世、職業はメジャーバンド、「えなりん」のボーカル。
   メジャーデビューしたバンドボーカルとなれば世間から見れば勝ち組だが、
   その実CDはまったく売れず、運営費用がかさむ一方。
   仕方なくサラ金から金を借りたはいいが、返す当てもなく借金は膨らみ続け、
   そして今現在の借金総額は…」
えなり「…………」

??「約2千万」

18 :作者の都合により名無しです:2007/06/27(水) 10:26:12 ID:TGNI4AjL0
えなり「あああああああああああああああ」
??「ククク…この金額、どうやって返済するつもりだ…?」
えなり「ほっといてください! あなたには関係ないじゃないですか!
    ていうかなんでそんなこと知ってるんですか…公表した覚えはないですよ?」
??「これを見せてもらった」
男は一枚の紙をえなりに見せた。
??「明細書、荷物のなかにあったのを見せてもらった」
えなり「……!? あんた勝手に…!」
えなりは取引明細書を男から取り返した。
??「多額の借金があるとは聞いてたが、まさかそこまでとは思わなかったよ」
えなり「うるさい! あんた一体僕になんのようがあるってんだ!」
その問いに答える前に男は一旦の間を置いた。
??「…クク…まあ落ち着け。ステージ上がりで疲れてるだろう。
   とりあえず一杯どうだ?」
男は冷蔵庫から缶ビールを2本取り出した。
一本をえなりに手渡し、もう一本は自分に。
訝しがるえなりだったが、自分の疲れはごまかせなかった。
缶ビールを開けると、一気に自分の喉を潤す。
??「いい飲みっぷりだ」
男の方も缶に口を付ける。
その後、少しの間無言が続いた。

19 :作者の都合により名無しです:2007/06/27(水) 10:28:08 ID:TGNI4AjL0
??「借金……返すあてはないんだろう?」
えなり「…………」
えなりは答えない、だが答えない事が答えになっていた。
??「その返す当てを作ってやろうと思ってな」
えなり「え?」
不信感の募っていたえなりだが、さすがに今の言葉には興味を惹かれた。
えなり「一体どうやって?」
??「ククク…」
男は答えずに、一枚の紙をえなりに手渡した。
??「興味があったら、明朝にこの場所に来てくれ。
   その時に全部の質問に答えよう」
部屋の外に出て行こうとする男に、えなりは慌てて言った。
えなり「待ってください。これだけ…なんで僕に声をかけたんです?」
??「ん? ああ…あんたのファンだから、かな」
男は笑いながら答えた。
??「ククク…来るか来ないかの判断は自由だ。まあ明日までよく考えてくれ」
男はドアノブに手をかけ。
??「ああそうそう、まだ名乗ってなかったな」
再びえなりの方に振り向く。
福本「俺は福本伸行だ。話に興味が湧いたならまた明日合おう、えなり君」

控え室に残されたえなりは、手の中の缶ビールの残りを飲み干した。

20 :作者の都合により名無しです:2007/06/27(水) 14:58:05 ID:Fw/dfo140
荒木に福本……2ch的な大物がいきなり出てきたな

21 :作者の都合により名無しです:2007/06/27(水) 16:02:54 ID:LRyjCCSu0
しんしんと雪の降り積もる人里離れた山中で、二人の男達が死に瀕していた。
一人は盲人で、その顔はいかに過酷な暴行を受けたものか、ずくずくに腫れ上がっている。
もう一人の少年も同じく手酷い暴行を受けたらしく、顔に無数の深い傷跡が刻まれている。
二人に浴びせられた過酷な暴力は両者の身体と心を蝕み、既に両者共に身動きも儘ならない。
誰が信じようか。この瀕死の二人が鬼畜・劣情・勝利を旨とする少年誌の第4勢力「秋田書店」
元過激派幹部の一人「山本賢治」とその弟子「佐藤健悦」である事を。


ここで、かの「山本賢治」とその弟子「佐藤健悦」がこのような惨状に陥った経緯を説明しておこう。

数年前の秋田書店と小学館の全面戦争は秋田書店の惨敗に終わった。
秋田の一騎当千の外道達といえど、小学館との圧倒的な戦力差の前には意味を成さなかった。
山をも投げる背負いも、不退転の任侠の拳も、驚異的な繁殖力で増加する各種BM軍団も、
鋼鉄の切り札も、悪を滅す一人一殺の覚悟も、不屈の信念(サムライ)も全て戦力差に踏み躙られた。
世界を巻き込んで行われた秋田書店と小学館の全面戦争は秋田書店の惨敗に終わったのだ。

小学館が秋田書店に休戦協定で提示した条件は実に屈辱的な物であった。
秋田の所有する「神の力」の小学館への一部移譲、「水島」「浜岡」「板垣」の三巨頭の完全封印、
作家の小学館への一部移譲、チャンピオンの印刷証明付発行部数発表、その他多数の項目を
休戦協定に盛り込んできたのである。

既に小学館と戦う力の無い事を認識していた秋田書店上層部は血を吐く思いでそれらを受け入れ、
「水島」「浜岡」の両者もこれ以上の損害を避けるべく自らを秋田書店の地下数千メートルへ封印した。
しかし「板垣」を初めとする過激派は上層部の決定を良しとせず秋田書店を脱退、「RED」や「いちご」、
「烈」等の部隊を独自に結成し、ゲリラ的な対小学館抵抗活動を始めたのである。

これに対する小学館の弾圧は熾烈を極めた。
ゲリラは拠点確認次第その数倍の戦力が送り込まれ、投降も捕虜も認めず即座に抹殺される。
山本賢治に佐藤健悦の所属する新生「RED」第2支部も例外ではなく数日前襲撃を受けて壊滅、
二人は二日間に渡る制裁の後、山中に放置されたのであった。

22 :作者の都合により名無しです:2007/06/27(水) 16:31:00 ID:LRyjCCSu0
雪の降り積もる中、疵の手当ても無いまま大木に縛り付けられ放置された
二人の命は正に風前の灯であった。

「健悦 健悦 己の顔はどうなっている?耳はあるか 鼻はあるか」
小学館との抗争で光を失い、二日間の制裁でありとあらゆる拷問を受けた山賢には
最早自分の肉体を確かめる事も出来ない。
「あなた様のお顔は まるで稚児のよう…」
人の物とは思えぬほど惨く膨れ上がった山賢の顔を佐藤健悦はそう称した。
それを聞いた山賢はただ静かに気を失った。

しばらくして佐藤健悦は子守唄を歌い始めた。永遠とも思える長きに渡る暴力からやっと
開放された師匠がせめて命を引き取るまでは安らかでいられるようにとの願いを込めて、
降り積もる雪の中で静かに子守唄を歌い始けた。
                                               続く?

23 :作者の都合により名無しです:2007/06/27(水) 16:40:34 ID:LRyjCCSu0
…勢いに任せて大仰な設定出しちゃったけどいいのかなコレ。
あと名前だけの人やそれっぽいイメージだけの人は登場人物に入れなくていいかな。

ついでにイメージ
・山賢(カオシックルーン・ガイスターバーン)…山賢作品で暴行を受けてボロボロな男
                             +目の病気で休養中の山賢本人
・サトケン(舞HiMEシリーズ・聖痕のクェイサー)…クェイサーのサーシャ

登場人数:12(11+2)
退場人数:0
現在の人数:12/60

24 :作者の都合により名無しです:2007/06/27(水) 16:53:58 ID:ToLY6NSqO
大丈夫だとは思う。名前出たからって本人登場するまでは状態わからないし。
そんなことより、何故題名がないんだ?

25 :作者の都合により名無しです:2007/06/27(水) 23:27:28 ID:lsGKpSCA0
いきなり最新のネタktkr
しかし能力を考えると、二人の配役が逆だなw

26 :11:2007/06/28(木) 11:19:46 ID:tNU853eQ0
>>24
単なる書き忘れだが、わざわざ付け足すのも野暮かと思ったのでそのままにしておいた。
題は『Over The Night』。

ところで、前の設定を出すのはどの位までにしておいたほうがいいんだろうか。
あまり使いすぎるとリセットした目的の一つである新規参加者の引き入れが難しくなると思うのだが。

27 :作者の都合により名無しです:2007/06/28(木) 16:29:04 ID:Cm54rhb00
だいたいの漫画家は性格と能力はそのままで変えるのは人間関係だけいいと思う。
ただ《メル欄》だけは根本からどうにかしないと

28 :作者の都合により名無しです:2007/06/28(木) 18:04:01 ID:UJk+4MtL0
>>26
設定に関しては、前の使い回しでも新しく見る人間を置いてきぼりにするんじゃなくて
ちゃんと誰にでもわかるように説明がなされてれば幾らでも使っても構わんと思うよ。
性格や能力に関しては書く人間次第だな。そんなもん議論で強制するのは自由度を狭めるだけ
残したい人間は頑張って自発的に書いていくべき。

29 :作者の都合により名無しです:2007/06/28(木) 21:07:26 ID:zh3pWZlc0
早朝の公園に煙草を吹かす男がいた。
ベンチの背もたれに手をかけ、のんびりとくつろいでいる。
福本「…来たか」
えなり「…………」
福本「話に乗る気になった…と解釈していいわけかな?」
えなり「…あんた、漫画家なんだな」
福本「クク…一応、調べて来たわけか。漫画は読んでくれたかい?」
えなり「…………」
えなりは答えない。答えずに自分の疑問を突きつけた。
えなり「あんたみたいな人が、僕に一体なにをさせようっていうんですか?」
昨日以上に不信感を持っているのは明らかだった。福本は内心で苦笑を浮かべる。
福本(ククク…俺の漫画は読んできたみたいだな。
   それも何を読んで来たのかは、この反応で容易に想像できる…)
福本「まあその話は、おいおいしていこうじゃないか」
彼はそう言うと、ベンチから腰を上げた。
福本「まずちょっと野暮用を片付けたくてね。
   本題とは違うが、手伝ってくれたら日当10万だそう」
えなり「へ? 野暮用って……あ、ちょっと、どこ行くんですか!?」
公園の外へ歩みを進める福本。
あわててえなりもその後に続いていった。

30 :作者の都合により名無しです:2007/06/29(金) 18:34:25 ID:ZmttIa3b0
なんかボンボンが休刊するらしいね
月ジャンに続いて、漫画界もリアルに激動しとるのー

31 :作者の都合により名無しです:2007/07/01(日) 17:53:33 ID:eMuz9qQH0
えなり「ここは…?」
目の前の建物を見上げるえなり。
二人が来た場所は、場末の小さな雀荘だった。
えなり「こんなところに一体何の用があるってんですか?」
福本「クク…ここに来たら、やることは一つだろう?」
えなり「麻雀すか…? え、手伝うて麻雀? 僕、麻雀なんてやったことないですよ?」
福本「そうなのか?」
えなり「はい。ルールも、役とかいうのも知らないし。ついでに金ないですし」
福本「金の心配はいらない。俺のサシ馬だからな。
    ルールは……やりながら覚えてくれ」
えなり「そんな無茶な…って勝手に行かないで下さいよ!」

雀荘の中はガラガラだった。
誰一人として麻雀をしている人間の姿は見当たらない。
ただ隅の雀卓に二人の男が座っているのだけが目に入った。
えなり「あの人達ですか?」
福本「ああ」
二人はその男達に近づいた。
??「来たか」
福本「ああ、少し待たせちまったかな」
男は手に持った煙草を灰皿に押し付け潰した。
??「それじゃあ早速始めようか、福本先生」
福本「そうですね、星野先生。それにさいふうめい先生」
えなりを置いてけぼりにしたまま、彼らの戦いが開始された。

32 :作者の都合により名無しです:2007/07/01(日) 18:00:42 ID:eMuz9qQH0
描写を少なくしてテンポよく、見やすくしてるつもりだけど
こういうのより状況や心情を細かく書いた方がよかったりするのかいね?

33 :1:2007/07/01(日) 18:04:25 ID:dQOO59oiO
福本出してくれたのは嬉しいし、書いてくれる事自体は感謝してる
けど一つだけ言わせてくれ


えなりの元へ向かったPEACH-PITは完全無視ですか?

34 :作者の都合により名無しです:2007/07/01(日) 18:18:35 ID:eMuz9qQH0
気づいてないようなのでちょっと言うと
このえなり、えなり2世じゃなくてえなり3世なんだなこれが

35 :作者の都合により名無しです:2007/07/01(日) 18:21:58 ID:eMuz9qQH0
なんにせよ先の展開にそれほど未練がある訳じゃないので
やりたいことがあったらちゃっちゃと割り込んでくれ
3は誤植扱いでも別にかまわんよ

36 :作者の都合により名無しです:2007/07/01(日) 18:23:44 ID:dQOO59oiO
つまり、えなり2世そのままだしてもいいと?


37 :作者の都合により名無しです:2007/07/04(水) 06:48:47 ID:aahnPMKV0
えなりです。
いやー、いくらお金に困ってても、知らない人についてっちゃあいけませんね。
気がついたらルールも知らない麻雀をやらされる事になってしまいました。
しかも聞く所、僕の借金が霞んで見えるほどのとんでもない金額を賭けてるようです。
お金って、あるところにはあるんですねぇ。
しかしサシ馬だから負けても僕に被害はない、なんて言ってましたけど、
よくよく考えたらそんな保証はないんですよね、あとで負けの責任を追求されたらどうしようか悩んでいる今日この頃です。

さあ次回のえなりの冒険は、

「闇に舞い降りた天才、えなり」
「初めての役萬」
「バレなきゃイカサマじゃねえんだぜ」

の3本でおおくりしまーす。
んがんぐ。

38 :作者の都合により名無しです:2007/07/04(水) 06:54:05 ID:aahnPMKV0
…などと現実逃避している場合ではない。
一体この状況……どうしたものでしょうか。
とりあえず勝負は半荘5回戦で先に3勝した方の勝ちだそうです。半荘ってなんでしょう?
点数は福本さんと星野さんという人のサシ勝負で、僕とさいふうめいさんて人の点数は関係ないそうです。
少し安心しました。

他にもいろいろ話してましたが、言葉の意味がまったくちっともこれっぽっちも分かりませんでした。
自動雀卓を使わない、って所だけはわかりましたが。

まず東西南北の4つの牌を裏返しにして一人一人引いて、座る場所を決めました。
僕は東を引きました。この東を引いた人を基準に、それぞれ座るのが決まりみたいです。
福本さんは北、星野さんて人は南、さいふうめいさんは西。
ここまではいいんですが、ここからが訳が分かりませんでした。

起家、ようするに親をここから決めるらしいですが、
それにサイコロを使うそうなんです。降るのは東に座ってる人、僕です。
降りました。3と4の7でした。
この出た目で東家の場所が変わるそうです。
3、7、11は南に座ってた人が東になる、南は星野さんだからそこが「東」になって、
僕の座ってる場所は「北」になりました。福本さんは「西」、さいふうめいさんは「南」に。

2回戦からは順位が一番だった人を東扱いにして、その人が一度サイコロを振って親を決めるそうです。
もうサイコロだけで勝負決めればいいのに…

39 :作者の都合により名無しです:2007/07/04(水) 06:58:14 ID:aahnPMKV0
そして今度は洗牌、裏返した牌を全員でがちゃがちゃ回すやつです。
十分に混ざったら17×2牌をそれぞれが集めて2段を作りました。
んで今現在の親の人がまたサイコロを振って、出た目の場所の人の所から牌を持って来る。
星野さんがサイコロを振りました、出た目は1、1の2。南家の人が作った牌山からもってくることになりました。
このとき、さっき出たサイコロの数字分だけ南家の牌山の右側の列を区切るそうです。この場合2列でした。
これを王牌と言って、全部で14牌をゲームで使わない牌として扱います(ドラとかなんとかで使うらしいですが)
足りない分の王牌は、下家の牌山の左端から必要な分だけ区切るんだそうです。

そして南家の区切った場所から親から時計回りに4牌ずつとっていき、13牌目だけ1枚ずつ取る。
取る牌山は半時計回りだそうです。ややこしい。

ここまでやって、やっと準備完了しました。
もうお腹いっぱいです、帰っていいですかね?

そんな自分の内心とは裏腹に、とうとうゲームが始まってしまいました。
そしていきなり事は起こりました。











星野「天和、国士無双。ダブル役萬」

40 :作者の都合により名無しです:2007/07/04(水) 07:29:35 ID:aahnPMKV0
時計回りと反時計回りが逆だった…
正確には牌を取る順番は親を頭に東南西北の順で
牌を取る牌山は開門の位置から東北西南の順でってことで

41 :薔薇の誓い:2007/07/04(水) 14:22:26 ID:+m3Sf4N/O
>>6 >>19 >>39

テーブルに向かいながら、僕、えなりは昨晩の事を思い出す。そう、指にはめられた薔薇の指輪を見ながら−−

福本が去ってから、僕は思い悩んでいた。たしかに借金は返したい、がしかし−−
(相手は漫画家、しかもギャンブル物を描いている福本さんだ。当然用事っていうのもそっち関係だろうし。どうしよう、賭け事は強くないのになぁ)
これが普通の競馬などならまだいい。だが福本さんのギャンブルともなると裏の世界に通じているような気がしてならない。罠のような状況に僕は溜息をついた。
「本当に、これからどうしよう」
「随分と悩んでいるようね」
「そうなんですよ、借金は重くなるばかりだし……て、うわッ!?」
突如として後ろからした声に驚いた。鏡台を見ると、小さな2体の西洋人形がこちらを見ていた。声をかけてきたのが彼女達だとわかると、僕は何者なのか聞いてみた。
「いっ一体何なんだ、 アンタらは!?」
「レディに対してその言い方は礼儀がなっていないわ。紳士たるもの、まず自分の名前を言うものよ。えなり2世?」
さらに困惑したよ。何時からこの2体、いや2人はいたのか。そもそも何処から入ってきたのか。
「自己紹介させてもらうわ。私は漫画家PEACH-PITのえばら渋子よ」
「同じくPEACH-PITの千道万里よ。『ローゼンメイデン』って漫画、知ってるでしょ?」
そう言われて僕は思い出した。そういえば本屋に行った時に、そんな漫画もあったっけ。
「今日は漫画家に何で連続して会うんだろう」
「あら、私達の前に、誰か貴方に会いに来たの?」
「えぇ、まぁ。『カイジ』を描いている福本先生ですよ。借金の返済を手伝ってくれるって来たんですけど」
そう返事したら、今度は千道さんがこう言ってきた。
「借金返済よりも、これからは更に辛くなるわよぉ。私達はそれを知らせに来たんだから」
更に辛く? この借金地獄よりも辛い事なんてあるのか?
「貴方はこれから、否応なしに漫画家達の戦いに巻き込まれる。そう言いにきたのよ」
えばらさんがそう言ってきたが、僕には何の事だかさっぱりだ。そう言うと彼女はこう切り出してきた。
「矢吹健太朗という漫画家をご存知?」
「あぁ、それなら知ってますよ。ジャンプで『BLACK CAT』っていう漫画を描いてたパクリ作家と

42 :薔薇の誓い:2007/07/04(水) 14:24:49 ID:+m3Sf4N/O
言われてた人でしょう? でも確か、作画担当になってもうパクリから手を引いたはずですけど」
「確かに彼はパクリを止め、まともな漫画家になったのだわ。それ自体は素晴らしいことよ。けど、それが予期せぬ事態を招いたの」
「予期せぬ事態? それって一体……」

「CLAMPが計画を実行し始めたの」

「CLAMP……って、確か4人組ですよね。その人達が何を?」
ますます事態が飲み込めなくなったので更に2人に質問をした。
「矢吹がパクリを止めたことで、漫画家における負の力が一つなくなったのだわ。それを狙って、CLAMPはマガジンの主な漫画家と手を組み、世界を手に入れようとしているのよ」
「少女漫画家達はそれをいち早く察知したんだけど、恋愛物ばっかりで戦う力もろくになかった。どうなったのかは、考えればわかるでしょ?」
「それはわかりますけど、じゃあ、どうして僕なんです? どうして僕の所へ来たんです?」
そう聞くとえばらさんは壁の方を見ながら答えた。いや、壁じゃなく別の物を見ながら。
「数日前に武内先生が言っていたのよ。冨樫先生の占いで、いずれ起きる災いを止める鍵の一つが貴方だと出たとね」



43 :薔薇の誓い:2007/07/04(水) 14:26:34 ID:+m3Sf4N/O
「それで、貴方は明日行くの?」
暫く休んだのち、えばらさんが聞いてきた。
「あぁ、福本さんですか? 一応、行ってみようと思ってますけど」
「どうせなら、私達の助け、欲しくなぁい?」
「助け……ですか?」
「福本という男は話によると相当の勝負師。素人の貴方では、すぐに借金を悪化させるだけなのだわ」
(言われたくはないけど、確かにそうだよなぁ)
「それにこの先、何時戦いに巻き込まれてもおかしくはないのだわ。だから……」
そう言うとえばらさんと千道さんは、僕の目の前に指輪のついた手を差し延べて告げた。

「「誓いなさい、この薔薇の指輪に」」

44 :薔薇の誓い:2007/07/04(水) 14:29:00 ID:+m3Sf4N/O
途中で切れてしまった部分が発生した
本当にスマンorz

45 :作者の都合により名無しです:2007/07/04(水) 16:28:51 ID:aahnPMKV0
じゃあ後よろしく

46 :作者の都合により名無しです:2007/07/04(水) 16:55:02 ID:1IYoKvNF0
お、本編が動きそうだな。
一読者として期待。

47 :Majestic Fire:2007/07/04(水) 16:57:17 ID:1IYoKvNF0
「はーーーッ!!!」
「うりゃあぁぁぁあッ!!!!」
猫井と皆川、両人の右足が空気を引き裂く音を立てて交錯した。
と見えた次の瞬間には、既に1m程度の間合いを開けて油断なく構えを取っている。
猫井の構えは見たところ我流であるが、隙が見えないのは本人の卓越した技量の故か。
対する皆川はおそらく中国拳法であろうが、こちらも具体的にどの流派かまではわからない。
推測ではあるが、さまざまな流派の特徴を取り入れた半オリジナルだろう。

二人がこうした戦いを始めて、もう20分ほどにもなるだろうか。
東京タワーに飛び込んできた皆川の問い――『何の目的でPEACH-PITを襲ったか』
に対し、CLAMPの返答は――拳であった。


そして今現在、猫井はまだ皆川と互角の戦闘を繰り広げている。
もこなは何か外からはうかがい知れぬ――恐らくはおぞましく邪悪な――目的のために相も変わらずコードの山に埋もれている。
大川といがらしは猫井と皆川の激戦を、まるで面白い見世物でも見るかのような眼で眺めている。
その余裕は恐らく、武内、そして銀水晶が自分達の手にあることから来ているのだろう。
皆川は――当然、猫井との闘いの最中だ。

間合いを取って睨み合い、数合の打ち合いの後、再び距離を開ける。
傍から見れば舞いにも似た、妙な美しさを持った戦いは当分続くかと思われたが、
十何回目かの殴り合いのために、二人が動いたと見えたそのとき――

「『炎の矢』」!!!!
大川が叫び、迸る炎がまさに矢のように皆川を襲った。

「な…んだとおおぉぉッ!!!」
予想だにしていなかった方向からの攻撃に動きが止まった一瞬――

48 :Majestic Fire:2007/07/04(水) 16:59:12 ID:1IYoKvNF0

 ズ ン

猫井の正拳がボディに叩き込まれ、皆川亮二は数メートルも吹き飛んだ。

「ぐわああぁぁぁッ!!!
て、てめえら……やり方が汚ねえぞ!!!」
「そうだよ大川さん!!私だけでも勝てたのに!!!」
横槍に憤る皆川と猫井。
しかし、よく見ると大川、そしていがらしまでもが切羽詰った顔をしている。
「そんなことを言ってる場合じゃないわ……急いでここから離れるの。」

「そうよ……。何か…姿は見えなかったけど、恐ろしい何かがここに向かっているわ!!
『今の』私達なら大丈夫だとは思うけど……用心はしてもし過ぎるってことはないからね。そこの彼に邪魔されるかもしれないし。
椿!!私達二人を信用できるなら今すぐもこなと武内を連れてここから逃げるわよ!!!」
「うん…大川さんといがらしちゃんがそう言うなら……。」
さすがに完成されたチームワークで撤退の準備をするCLAMP。
だが、皆川が彼女らをみすみす逃がすわけもない。

「てめえら…俺を無視して、勝手に話を進めんじゃねえ!!!
何かだかなんだか知らねえけどよ、俺もてめえらにはたっぷり用があるんだよ!!!」
さすがに猫井のパンチが効いたのか口から血を流しているが、その気迫には僅かの衰えもない。
だが、既にCLAMPの誰にも皆川の相手をするつもりはなかった。
ただいがらしが振り返り、
 ファイアリー
「  火  」!!
巨大な火球を撃ったのみ。
そして4人…いや捕らわれの武内を含めれば5人は後ろを振り返ることすらもしようとはせず、闇色の空へと消えて……

49 :Majestic Fire:2007/07/04(水) 17:00:24 ID:1IYoKvNF0

バシュッ

遥か後方から放たれた何かが、彼女らを掠めて飛んでいった。
「な、なに!?今のは…」
「後ろから来たよ!!!」
「もし当たってたら…死んでたかも。」
「ちぃ?」
「とにかく、いったい何があったのかを確かめ………

………!!!!」
4人……いやもこなを除いた3人が振り向いた視線の先にいたものは……

『小娘ども…逃さぬぞ!!!!』

砲身と化した右手を突きつけ、第二ラウンドの開始を告げる魔獣。
   ホワイトラビット
ARMS『白 兎』と『ジャバウォック』を発動させ異形と化した、皆川亮二その人であった。


                    To Be Continued...

50 :44:2007/07/04(水) 23:32:21 ID:+m3Sf4N/O
このスレには神がいるよ
凄いぐらいに皆川vsCLAMPがかっこいい


>>45
後よろしくと言われても……
麻雀のルールなんてしらねぇ
調べてみてもいまいちわからねぇOTZ

51 :作者の都合により名無しです:2007/07/05(木) 01:09:44 ID:+x6/qoey0
>>50
ああ悪いちょっと読み違いしとった
てっきり勝負終わってその次の日になってたのかと

52 :44:2007/07/05(木) 01:40:07 ID:xpw/V0uAO
>>51
いや、別にいいんだ。こっちも分かりづらい書き方してスマン


ところで、このスレ100までいったら、したらばに新スレたてる?

53 :作者の都合により名無しです:2007/07/05(木) 01:44:41 ID:+x6/qoey0
より過疎になりそうだからやめといた方がいい気がする
そもそもここ、3人くらいしかいないんじゃないか

54 :作者の都合により名無しです:2007/07/07(土) 22:38:10 ID:7Ey1YmZG0
福本「ククク、いきなり仕掛けてくるとはな…」
親のダブル役萬、ツモ上がりの為点数は32000all。
開始点は25000なので…
えなり「星野さん以外、いきなり全員0点…」
ハコ点と言う。
これにて一回戦、終了である。

星野「いやあ、ラッキーでした」
いけしゃあしゃあと言う。
福本(クク…あからさまに積み込んどいてよく言う…)
しかし気がつかなければイカサマではないのだ。
それに自動雀卓を使わない事は福本もOKしている、
それで積み込みに気づけなかったのならこちらが油断したということだ。

55 :初心者(俺含む)の為の麻雀講座:2007/07/07(土) 22:39:42 ID:7Ey1YmZG0
えなり「あの福本さん、今何が起こったのか説明してほしいんですけど…」
福本「ん? ああ」
煙草を口にくわえて火をつけ、解説を始めた。

福本「天和って言ってな、親が最初の一発目でいきなり上がることで、特例として役萬として扱われるんだ。
   役萬くらいは分かるな? 麻雀で一番高い点数をもらえる牌の集め方だ。
   国士無双ってのもその役萬の一つで、

   『萬子(マンズ)』(萬の字が入った数字牌のこと)
    それと『筒子(ピンズ)』(サイコロの目のような丸い点の入った数字牌)
    あと、『索子(ソウズ)』(緑色の棒線の数字牌、1ソウだけは鳥の絵になってる)

    その三種の中のヤオ九牌、1と9の牌だな、これを全種一つずつ揃え、

    最後に字牌全種、
    風牌の『東(トン)、南(ナン)、西(シャ)、北(ペー)』、
    三元牌の白(ハク、真っ白なの)、發(ハツ、発の字)、中(チュン)
    これら7種も一枚ずつ揃えたのが国士無双という役だ。

    で、親は子よりも点数が多くもらえるワケだが…役萬は子の場合32000点もらえるところ、親は48000点になる。
    その役萬を二つ同時に出したので更に+48000点。

    ツモ上がり、要するに引いた牌で上がった場合は、他の3人が均等に点数を割って支払う。
    (親が子に上がられた場合はちょっと違い、親が勝った時にもらえるのと同等の点数を子に支払う)

    今回は96000点を三人で割って32000、開始の点数が25000だから、
    全員いきなりハコ点になって終了、というわけだ」

56 :作者の都合により名無しです:2007/07/07(土) 22:46:17 ID:7Ey1YmZG0
えなり「はあ……」
よくわからないままただ頷いた。
しかしある疑問を抱き、再び口を開く。
えなり「あの…そんなことってそうそうあるものなんですかね?」
福本「…ククク。一度でもあれば、一生他人に自慢できるだろうな」
その言葉にえなりも気づいた。
えなり「てことはこれは…」
福本「ああ…連中、サマをやってる」

えなり「分かってるなら言わないんですか?」
福本「イカサマはその場で言わないと意味はない。
   それに不覚だが、気づかなかったしな」
えなり「そんな…それじゃあまたやられたら…」
福本「どうしようもないだろうな」
その場に座り込んで頭を抱えるえなり。
福本は笑いながらその肩に手を置き、
福本「まあそう心配するな」
そう言って星野達の方へ視線を移した。
福本「同じ手を二度くらうほど、間抜けじゃないさ」
えなり「でも対処法が分からなきゃ…」
そこで言葉を区切った。福本から鋭い威圧感のような物を感じたのだ。
福本「まあ、なんとかしてみせるさ」

えなりの耳に、「ざわ…ざわ…」という音が聞こえた気がした。

57 :作者の都合により名無しです:2007/07/07(土) 22:53:25 ID:7Ey1YmZG0
>>55は自己満足部分なので飛ばしてOK

58 :作者の都合により名無しです:2007/07/11(水) 13:29:57 ID:r4QUUXqk0
麻雀2回戦。
親決めのサイコロを振るのは1回戦トップだった星野。
出た目は2、3の5。親は再び星野へ。
えなり(なんでこう都合良くサイコロの目が出るんだろう…)
疑問に思うのも無理はない。
彼はサイの持ち方と投げる時の力加減で出る目を操作しているのだ。
最近の麻雀ではこれができないように、雀卓の中央に自動でサイコロを振れる装置がついているのだが、
今回は自動雀卓を使わないという約束で開始されている為、サイコロも人の手から直接振る事になっている。
星野(機械の入る余地がなければ、そこは完全に牌人の領域。
   こちらを甘く見て普通の雀卓でいいと言ったんだろうが…後悔させてやる!)

親が決まった所で洗牌へ。
全ての牌を裏返して、全員で牌を混ぜ合わせる。
そのとき、星野とさいふうめいはある事に気がついた。

「中」がない。

理由はすぐに分かった。えなりだ、
えなりが牌を4つ、露骨に抱え込んでいた。

2回戦が始まる前、えなりは福本にある作戦を託されていた。
福本「えなり君、2回戦の頭、洗牌の時になんとか「中」を4枚分かる位置に確保してくれないか?」
無論えなりはそんなこと無理だと言ったのだが、それが勝つ為の唯一の方法だと言われ、しかたなく実行したのだが…

59 :作者の都合により名無しです:2007/07/11(水) 13:31:46 ID:r4QUUXqk0
えなり(自然に…自然に…)
本人は必死に気づかれないように4枚の牌を確保しようとしているが、
周りから見ればその意図はバレバレであった。

星野(こんな素人に…舐めたマネを…)
さい(ちょっと露骨すぎるぜ、坊……星野。作戦かもしれねえ)
星野(この挙動はどう見たって素人ですよ。やってやりましょう)
テレパシーのように「通し」(仕草で会話)で話し合う二人。
二人の作戦が決まったところで、牌山を作る「砌牌」(チーパイ)に移った。

えなり(よし、このまま「中」を僕の山に…)
そう思って手を伸ばした瞬間、他からのびて来た手が、えなりの確保していた牌を奪って行った。
えなり(あ!)
思った時には遅く、牌はあっという間に南家の山に詰まれてしまう。
えなり(しまった…すいません、福本さん。でもこれが僕の限界です)
すまなそうに福本の方を見るえなり。
えなりの視界に映る福本に、特にこれといった反応はなかった。

再び星野の振ったサイコロの目は1、1の2。また南家の牌山から配牌だ。
えなり(終わった…)
星野とさいふうめいの二人が好きなように詰んだ山は、また天和を起こすだろう。
どう考えたって勝ち目はない。
その場のほぼ全員がそう思った、

が――

60 :作者の都合により名無しです:2007/07/11(水) 13:33:02 ID:r4QUUXqk0
星野(「中」がない!)

「中」がなく、代わりに「四萬」が配牌の中に混じっていた。
星野(一体どうして…まさか!)

福本(ククク…素人が、狙った4牌を抱えるなんて出来るかよ。
   裏返って混ざり合う牌を、たとえ4つだけとしても素人が覚えられるわけがないだろ…
   まして同じ牌を4枚なんてな。なんとか挑戦しても、全然違う牌を抱える事になるのさ。
   で、俺がそれをカモフラージュにして本当の「中」を抱え込む。
   あんたらは見える方の4牌に惑わされたってわけだ。
   それに――)

福本「ククククク…あんたら、国士無双狙い過ぎなんじゃないのか?」

2回戦東一局。
天和、ならず――

61 :作者の都合により名無しです:2007/07/13(金) 14:19:03 ID:ofSzIR8d0
お、麻雀編結構進んでるな。
俺も何か書いてみようかな…

62 :作者の都合により名無しです:2007/07/15(日) 23:15:15 ID:LsHYR2vWO
書き手の方は大歓迎ですよ


63 :作者の都合により名無しです:2007/07/19(木) 19:46:17 ID:GcJQdizx0
2回戦、東一局、第一巡目。
親の星野、「白」をツモ、手出しで四萬を切ればテンパイだが―


星野(…「中」がなければこの国士無双は絶対に成らない)

その「中」は福本の手によって押さえられてしまった。

星野(手を崩すか…目指すのならチャンタだが―どう考えても時間がかかる。
   もしくはいっそ、竹内さん((さいふうめいの本名))に上がってもらう方が早いか?)
さい(いや待ちな、坊。まだその役萬、消えた訳じゃないぜ)
星野(え…?)
さい(福本の旦那は牌を詰む時に「中」を確保したわけだ。
   だったら、旦那の山までツモを回せば―)
星野(「中」を引く確率がある、というわけですか?
   しかしそれまでに相手に上がられたら終わりですし。
   そもそも王牌((引かない牌山。今回の場合、南家(さいふうめい)の牌山の右二列と、
   西家(福本)の牌山の左から5列))に「中」4牌全て詰まれていたら、どうしようもないですよ!)

東(星野)  22222221000000000
南(さい)  000000000000000[22
西(福本)  22222]222222222222
北(えなり) 22222222222222222

こういう状況、[]内が王牌。

64 :作者の都合により名無しです:2007/07/19(木) 19:47:45 ID:GcJQdizx0
さい(その可能性もあるさ。
   だが、よく考えても見ろ、「中」を4牌も確保してるんだぞ。
   隠すのも手の一つだが、もう一つ別の使い道があるだろう)
星野(…自分で使う)
さい(そうだ、三元牌の暗刻が確定ともなれば用途は多い。
   最悪「中」のみでもいいからな。使わない手はあるまい)
星野(しかし…誰かが鳴けばツモ順が変わって自分では引けなくなります。
   自分たちが引けば役萬が確定するわけですし、
   そんな危険を冒してまで、「中」をつんだりするでしょうか?)

さい(その考えは分かるが…そういう危険を承知で実行をしてくるのが、この男なんだ)

65 :作者の都合により名無しです:2007/07/19(木) 19:54:13 ID:GcJQdizx0
結局、星野は手出しで4萬を切る。
彼らの意見は国士無双を狙って行く事に決まった。

さいふうめいたちの思惑の通り「中」が牌山につまれていた場合、問題となるのは鳴くか否かである。
ポンでもチーでも、鳴けばツモ順が変わり、引く牌がずれる。
その為、想定していた物と別の場所の牌を引く事になり、積み込みが不発に終わることになる。
しかし逆に、こうなることを想定して牌を積んでいれば、鳴くことで相手の罠にかかることになってしまう。
鳴くか否か、鳴くとすれば何度鳴くかで、先の展開が決定されることになる。

さい「チー」

6巡目、さいふうめいは、一鳴きで牌をずらすことにした。

さい「チー」

10巡目で2鳴き。これでツモ順は大きくずれることになる。
さい(さあどう来る、福本の旦那)
しかし福本は動かない。ただ淡々と手を進めて行く。

そうこうしているうちに13巡目、えなりのツモの時に―

えなり(あ…)

最初に「中」を引いたのは、北家のえなりであった。

66 :作者の都合により名無しです:2007/07/19(木) 19:58:53 ID:GcJQdizx0
鷲巣麻雀並みの遅さですまん
もうちょい待っての


67 :作者の都合により名無しです:2007/07/23(月) 18:49:10 ID:3yK2j4210
なにこの麻雀スレ

68 :作者の都合により名無しです:2007/07/23(月) 23:27:56 ID:HdIpS23l0
ヤマジュンはおkなの?

69 :このスレの>>1:2007/07/24(火) 00:05:19 ID:KXzpaeNoO
書いておkというより、
むしろ書いて下さい、お願いします
このスレまだ書き手が少ないんで

70 :“跳んだ”時:2007/07/24(火) 23:02:07 ID:KXzpaeNoO
まさに異形。今の皆川を表すにはその言葉が一番だった。俗世を捨てたとはいえ、その存在感は四人の精神を凌駕していた。
「このままでは、間違いなく負けるわね」
「どしたらえぇんや、大川さん」
このままでは訪れるだろう絶対なる死−−−そう誰もが思っていた。しかし、
「ちぃ」
「どうしたのですか、もこなさん? えっ、アレ(・・)を使えばいいって?」
「そうね、今こそアレ(・・)を使うべきね」
もこなの突然の申し出。それを大川は、懐から何かを取り出しながら承諾する。
それは銃弾だった。一見すると、やや長細いだけの普通の銃弾だ。それを大川は、あろうことか皆川に直接投げ付けた。
金属音をしながら、弾は皆川に当たった。
『小娘どもが、何をするかと思えば弾をそのまま投げるなど……ぬぅ!?』
突如として皆川の周りに異変が起こる。空間が歪み、黒い渦が覆った。
「それでは皆川先生、しばしのお別れを」
彼は悟った。このままでは四人を逃してしまうと。
『ふざけるなよォーッ! 小娘どもォーッ!』
罵声を言うも周りの黒い渦は収縮していく。完全に収縮したとき、

皆 川 の 姿 も 無 く な っ て い た 。


71 :“跳んだ”時:2007/07/24(火) 23:03:55 ID:KXzpaeNoO
−−火花、煙、爆発音。それらと共に先程消えた筈の皆川が姿を現す。どうやら異形のままだ。
『何だったんだ、さっきの銃弾は……あの小娘どもは!?』
辺りを見渡してもCLAMPの姿はない。唯静かな空間が広がっている。
『何が……一体何が起こったというのだ!?』
「どうしたんだい、皆川くん。CLAMPの四人は何処へいったんだい?」
『!?』
皆川が振り向くと、そこには遅れて出発した筈の荒木飛呂彦がいた。
『荒木、何時の間に!?』
「何時の間にって……雨粒の上を歩いて来たからなぁ、一時間弱かかってしまったんだかなぁ」
皆川は荒木の言った事実に驚き、壁の時計を見ると、明らかに時間が30分以上進んでいた。
一体何が、何が起きたというのだろう。訳がわからない。
怒りや憎しみより驚きが勝っていき、次第に皆川は普通の姿に戻った。
「何故、こんなに時間が経ったんだ!? 一体何が、どうやって!?」
普通の慌て振りじゃない。荒木にはそう見えた。
「君に何が起きたのか、ちょっと調べてみるとしよう。その前に……」
そう言うと荒木は、皆川に指を指しながら叫んだ。
「予めスタンドが見えるようにしておこう。皆川くん、準備はいいかい?」
「洗脳とかは好きじゃないが、この際だ。頼む」
「よし、ならば……ヘヴンズ・ドアー!」
天国の扉(ヘヴンズ・ドアー)、それは荒木が持つ能力−−スタンドの一つだ。皆川の事を本に変えると、即座に書き込んだ。
「『スタンドが見える』っと。これで君にもスタンドが見えるようになったから、検証を行うとしよう。『ムーディー・ブルース』! 皆川亮二を再生しろ!」
『ムーディー・ブルース』の額に付いたデジタル時計巻き戻され、ある程度の所で再生が始まった。
「俺が猫井と戦っている所だな。20分近くはやっていた筈だ」
「ならばこの辺りは早送りしよう」
暫くするとスタンドが横遣りを喰らった所、そして異形になった所を再現しだした。だがここで二人は予想外の事実を知ることとなった。
「何でスタンドの再生を止めちまうんだ? 動かなくなったぞ」
「そうじゃない、この先が何らかの理由で再生出来ないんだ」
「再生出来ない? 一体何故?」


72 :“跳んだ”時:2007/07/24(火) 23:05:21 ID:KXzpaeNoO
「おそらく、瞬間移動の類いで何処かに飛ばされたんだ。だが、それでは皆川くんが此処にいた理由が分からない……まさか」
荒木はおもむろに携帯電話を取り出すと電話をかけ始めた。
「大暮くんかい? 済まないがマガジンについて聞きたい事があるんだが……」
一通り聞くと、荒木は一礼しながら電話を切った。
「大暮に何を聞いたんだ?」
「取りあえず謎は解けた。だが、この戦いはかなり苦戦する事になるかもしれない」
荒木が大暮に聞いた、空白の時間の正体。それは、

「B・C・T・L−−強制時間跳躍弾という相手を未来へ送り飛ばす弾丸だ」

73 :作者の都合により名無しです:2007/07/25(水) 06:46:19 ID:/oQ4Jy2G0
強制時間跳躍弾ってネギまのアレか
あの弾丸さりげなく結構反則だよな

74 :作者の都合により名無しです:2007/07/25(水) 12:10:26 ID:Ryyrmh+I0
しまった、このところあまり投下がなかったから油断してた……。
まあこの続きになるように細部を修正すれば何とかなるか。

75 :作者の都合により名無しです:2007/07/25(水) 22:39:57 ID:iBBy+8j20
えなり(「中」をツモっちゃったけど、どうしたらいいのかなこれ)
えなりはすでに事態を飲み込めずに混乱の極地にいた。
自分が「中」4枚の確保に失敗したのに天和にならず普通に局が進み、
そして今自分の手に違う山からツモった「中」が一枚。
えなり(一体どうなってんだよ…)
訳が分からない。訳が分からないが…
手としては、この「中」は切りたいところだった。

えなり手牌
 ___________________________  __
│四│四│五│五│六│六│五│六│七│四│八│  │  │|  | 
│索│索│索│索│索│索│筒│筒│筒│萬│萬│北│北│|中|

テンパイまであと一歩のイーシャンテン
あと一つの順子(数字の並び)か、暗子(同じ数字3つ)が揃えば上がりである。
理想は三萬か五萬を引いての両面待ちだ。

同じ順子が2つで、一盃口
1と9の数字を使っていないので、断ヤオ九、略してタンヤオ
えなりが福本から教えてもらった、数少ない役だ。
ド素人のえなりがここまで手を進められたのはそれ自体が奇跡と言える。

えなり(「中」は確保しといた方がいいのかな…?
    けど入れる意味がないし…変えるとすれば八萬だけど…)

だけど、自分の思惑外に事が進んでいる今、最初の指示を引きずる意味はなさそうに感じたえなりは、
「中」をそのまま捨てることにした。

えなり、打「中」
そして、それはもちろん―

76 :作者の都合により名無しです:2007/07/25(水) 22:42:16 ID:iBBy+8j20
星野「ロン」
えなり(あ!?)
しまった、と表情に浮かべるえなり。
星野の役は、もちろん先ほどと同じく、「国士無双」

星野「48000点、そして一人飛んで2回戦も終了だな」
勝ち誇る星野。安堵を浮かべるさいふうめい。

しかし―

福本「ククククク…」
福本は笑っていた。その表情は毛ほども揺れていない。
星野「何がおかしい?」
福本「ククク…勝ち誇るには、まだ早いってことさ」
自分の牌を晒して、宣言する。

福本「ロン、頭ハネだ」

頭ハネは、捨て牌で二人以上が同時に和がった時、
捨てた人から見て上家の人間の方が優先されるというシステムだ。
つまり今回和がれるのは、えなりの上家の福本だけである。

77 :作者の都合により名無しです:2007/07/25(水) 22:43:53 ID:iBBy+8j20
星野「福本さん、あんた…!」
福本「中、三色同順。3900」
えなりから3900点受け取り、福本28900点でトップに。

さい(今のは狙っていたな…こっちがツモ順を変えると事前に予想して、
   「中」を左手芸(自分の山の端に積んでいた2牌と手牌の2牌を入れ替える技)で自分の手牌に加えて、
   もう一牌の「中」はこちらの鳴き数を1回か2回と予想して積み込んでおき、
   自分でツモるか、えなりという男からの頭ハネで上がるかの2択として用意していた、というわけか…)

さい「やってくれるな、福本さんよ」
福本「ククク、運が良かっただけですよ」
星野(ち、言ってくれるぜ)

三人の間に火花が飛び散る中、蚊屋の外のえなりは一人ごちた。
えなり(帰りたいなぁ)

なにはともあれ、2回戦東1局終了。
戦線は東2局へと移り変わる。

78 :作者の都合により名無しです:2007/07/25(水) 22:47:26 ID:iBBy+8j20
一方その頃、遠くはなれた集英社で異変がおきていた。
尾田「ぐああああああああ!」
吹っ飛び、倒れふしたのは現在の集英社筆頭格の尾田栄一郎。
よほど強力な攻撃を受けたのか、体全体に大火傷のような傷を負っている。
彼だけではなかった、大勢の集英社の漫画家達が、同じような状態でその場に倒れている。

岸本「一体なんのつもりですか!」
啖呵を切ったのは、集英社出世頭の岸本斉史。
目の前の男を、必死の形相で睨みつける。
岸本「なんであんたがこんな事をするんですか!」

男は答えない。左手をかざして、岸本の方へと向ける。
岸本は防御の態勢を取りながら、それでも言葉を紡ぎ続けた。
岸本「どうして答えないんです!? なんとか言ってください!!」
男の腕に寒気を感じるほどの力がみなぎっていた。
岸本の体全体から冷や汗が吹き出てくる。
しかし彼は問わずにはいられなかった。

岸本「どうしてなんですか、車田正美先生!?」

左手から放たれたオーラは、岸本の体を覆い、その姿をかき消してしまった。

79 :作者の都合により名無しです:2007/07/30(月) 11:27:34 ID:W3K+6Sfj0
登場人数:15(12+3)
退場人数:0
現在の人数:15/60

そしてageだ

80 :作者の都合により名無しです:2007/08/02(木) 22:46:28 ID:3ZUN/snaO
車田がどんな技使ったのかわかんねぇ
岸本がどうなったのか分かれば続きいけそうなんだが

81 :作者の都合により名無しです:2007/08/03(金) 21:21:45 ID:H50o9Hfo0
単純に小宇宙の塊か、拳圧による衝撃波を叩きつけただけじゃないのか?
先の展開をどうするかは基本的に先に書いた者勝ちだから好きなようにすればいいと思われ

82 :作者の都合により名無しです:2007/08/04(土) 02:33:27 ID:/bSRv6pJ0
早い者勝ちだから好きにやっちゃえばいいのよ
そもそも先の展開なんて何にも考えてないんだから、俺
麻雀どう決着つけようかな…

83 :セカンドステージ:2007/08/12(日) 17:12:41 ID:YUQ9hcXB0
どこかの地下室に、四人の魔女と一人の姫がいた。
地下室――と書いたが、床は板張り、三方は障子、おまけに明かりは電気でなく木製の燭台に立てられた蝋燭。
窓の無いことを除けば、高位の貴族か或いは皇族の館の一室であると言っても疑う者はいないだろう。
そしてその部屋に光と音を与えているのは、CLAMPと武内直子。
未だ魔の眠りに捕らわれている武内、無数のコードに囲まれて何かを探しているもこな、
そして何かが起きるのを石と化したかのように身じろぎもせず待つ三人――大川、猫井、いがらし。

彼女らがこの部屋に現れてからそろそろ一時間も経とうかとする頃……
遂に、もこなが動いた。
言葉でない何かの情報が部屋に満ち、CLAMPの残り三人が立ち上がった。
彼女らが得た情報に眼を邪悪に輝かせながら部屋を出ると、再び地下室を静寂が支配する。
武内はただ昏々と眠り続ける。王子の訪れを待つ茨姫のように。
もこなももう動かない。働いているのか休んでいるのか、いや外から眺めただけでは生きているのか死んでいるのかすらわからない。

大川、猫井、いがらしの三人は、部屋を出てこちらはやや和洋折衷といった風情の廊下を渡り、そしてエレベーターへ乗り込んだ。
しばらくは沈黙を保っていたが、長いエレベーターの退屈な時間に耐えかねたのか誰ともなく口を開く。
「散々手こずらせてくれたけど、どうやらこれでお終いのようね。」
「そうね。えなり二世……つまりPEACH-PITの居場所は………」
「雀荘『天』。どうして麻雀なんかやってるのかは知らないけれど、もこなが間違えたことはないわ。」
「どうせ隠れ麻雀狂だったとかでしょ。どうでもいいわよ、そんなこと。」
大川が物憂げに答える。その言葉は自分達の力に対する自信の表れだろう。
えなりになど興味はない、声がそう言っている。

「そうだね。それよりも問題は、どうやら戦いは避けられそうに無いってことだよ。
風の噂じゃあ、そのえなりって人は3年前の戦いにも関わってて、結構大物ともやりあって生き延びてるそうだし。」
猫井の声には僅かに未知のものに対する恐れがあったが、すぐにいがらしの言葉にかき消された。
「大丈夫よ、そんな心配しなくても。それとも、自分の力に自信がないの?」
「そうだね。私達だって押しも押されぬ大御所だ。それに……。」
「そう、あの武内直子と銀水晶が私達の手にある限り、負けることなんてないわ。」
「そうそう、えなりとやらがどれほどのものか知らないけど、ちゃっちゃと片付けちゃいましょ。
……お、着いた。」

84 :セカンドステージ:2007/08/12(日) 17:14:14 ID:YUQ9hcXB0
ようやくエレベーターが目的の階に着いたようだ。チャイムが鳴り、扉が開く。
そして三人が降り立ったのは――国会議事堂一階。
「ふう、やっぱりあの部屋地下深くすぎない?」
「いいのよ、その方がすごそうだから。」
「だからってねえ……」
「まあまあ二人とも、そういう話はあとにして、今はやらないといけないことがあるでしょ。」
「そうね。」

他愛の無い会話をしながら議事堂を出た彼女らを、二つの影が出迎えた。
降り続く雨の中、ゆっくりと口を開く。

「ほらね、僕の言ったとおりだろう?」
「ああ……。しかし、よくこんなとこに隠れ家を持ってるってわかったな。」
影は二人とも男らしい。そしてその両方とも、大川、猫井、いがらしの誰もが知っている声だった。

「なに、以前彼女らをランチパーティーに招待したことがあったり、
そのほかにもいろいろ縁があったから、成り行きで漫画のほうも結構読んでたんだ。」
何年も前から知っている声。
「なるほど、で、俺があいつらは『退却』したみたいだって言ったから、一旦ここに戻ってきたんじゃないかって考えたわけだな。」
そしてつい先ほどまで聞いていた声。
「そういうことさ。東京都庁かここかは少し迷ったけど、君の言っていた服装…つまりキャラならこっちだと踏んだ。そして……」
「大当たりだったってわけだ。」

「なんてこと……!!!皆川亮二、それに……」
「……荒木飛呂彦……先生…」
「『恐ろしい何か』が…まさかあなただったとはね……」
さすがのCLAMPも動揺を隠せない。いや、CLAMPだからこそかもしれない。
彼女らは四人全員がジョジョ、そして荒木のファン。かつてはジョジョの同人誌を出していたという伝説すらあるほどだ。
その荒木が目の前にいる。しかも、恐らくは敵である皆川と一緒に。
「でも、どうして荒木先生が皆川と!?」

85 :セカンドステージ:2007/08/12(日) 17:16:09 ID:YUQ9hcXB0
「………思い出した。だいたい、サンデーがPEACH-PITに用があるはずがないと思っていたわ。
皆川亮二……あなたもあそこに行ったのだったわね。」
大川が訊く。
「そういうことさ。今の俺はウルトラジャンプの漫画家、皆川"ピースメーカー"亮二だ。
ってわけで、個人的にてめえらのやりかたが気に食わないのに加えて、上の方針でもあるらしいんだな、PEACH-PITの保護は。」
皆川が答える。
「そう……。だったらどうするの?ここを見つけたのはすごいけれど、その次は?」
「決まってるだろ…。言ったはずだぜ、てめえらのやりかたが気にいらねえってな。」
空気が帯電し、殺気を帯びた風が吹き始める。
だがしかし、その直後に出されたのは拳でも魔法でもなく、声だった。

「待って大川さん………皆川は私にやらせて。」
声の主は猫井椿。数刻前まで皆川と戦っていた猫井だ。
「椿……あなたが?」
「そうよ。やっぱり、きちんと決着をつけておきたいしね。
それに……。」
猫井が振り向いた先にいたのは、大川と皆川の口論の間中沈黙を守っていた荒木。
そしてその荒木と向き合い、こちらは尋常ならざる緊張からだろう、同じく一言も発さぬいがらし。
「そうね。私はあちらに行くわ。」
そう言うと大川は音もなくいがらしと荒木のほうへと移動し、猫井と皆川だけが残された。

「決着をつけたい、か。同感だな。まあ、勝つのは俺だけどよ。」
「あら、私の間違いでしょう?」
再び東京タワーの上でそうしたようににらみ合う二人。
だが、今度はどちらにも撤退の手はない。
どちらかが倒れるまで戦いは終わらないだろう。

そして大川がいがらしに囁く。
「あちらの邪魔をしては悪いわね。移動しましょう。」
「そ、そうね……。大川、あなたも手伝ってくれる?」
「ええ。あの荒木飛呂彦が相手ですもの……。
できれば戦いたくはないけれど、でも今の私達なら……」

86 :セカンドステージ:2007/08/12(日) 17:17:26 ID:YUQ9hcXB0
議事堂の屋根の上。異能の者達の戦いの場所としては、恐らく最上級の舞台効果を持つであろう場所。
大川、いがらしと共にそこに立つ荒木が言う。
「一応言っておこう。
君達がなにをしようとしているのか、僕は知らない。
僕が知っているのは、君達がPEACH-PITの家を襲い、そして今も彼女らを狙っているということだけだ。
僕の基準で言えば今持っている情報から判断する限り、君達は『悪』だ。
自分のために他人を傷つけようとする……な。
何か、今のうちに言っておくことはあるかい?」
「いいえ。ありません。……いや、一つだけありましたね。
私達の邪魔をするつもりなら……荒木先生、例えあなたでも容赦はしません!!!」
大川の登場にようやく立ち直ったいがらしが言い放つ。
大川も後ろで肯定するようにうなずいている。

「そうか…じゃあ仕方がない。
ここで君達を止めさせてもらおう。」
荒木と大川、いがらしもまた、戦いの構えを取る。
雨はますます強く、五人の上に降り注ぐ。


                    To Be Continued...

87 :作者の都合により名無しです:2007/08/13(月) 09:41:20 ID:dDons9sh0
続ききた!!これで勝つる!!

88 :作者の都合により名無しです:2007/08/14(火) 19:29:31 ID:JG9j89l0O
荒木とCLAMPって本当に因縁があるからなぁ
前作で出なかったのが不思議なくらい

89 :作者の都合により名無しです:2007/08/17(金) 21:35:48 ID:6JUFiKb60
星野「ロン、平和のみ。1000点」

2回戦東二局は思いがけず静かに終わった。
さいふうめいが星野に振り込んで1000点上がり。
早くも東二局が終わり、東三局へ、親は西の福本。

さい(ここがヤマだぜ。ここと次のえなり坊主の親を蹴って、
   南一局、星野が再び親になった時が勝負よ。
   次はもうあんな技にはかからねぇぜ)
星野とさいふうめいは早上がりを目指して手を進めてくる。
しかも左手芸も使って配牌時に有効牌を確実に手にしている。
よほど配牌とツモが良くない限り、手のスピードで勝つ事は出来ないだろう。
福本(ククク…まあそうくるか。
   だが、それだけじゃあうまく行かないのが麻雀…)
福本の配牌は驚くべき物だった。
2索、4索、發の対子に、5萬の暗子が一つ、最もポピュラーな役萬の四暗刻も狙える手だ。
当然狙っていくだろう、そう思われたが…
福本、打、發。
いきなり対子を崩す暴挙。しかしその場にそれを気づく者は一人もいなかった。
その暴挙に反して、ツモは好調であった。
しかも9萬の2連続と、続いて2索、4索と有効牌4連続ツモ。
4巡にして対子が一つに暗子が3つ。こうなるとつくづく發切りが悔やまれるところだが…

7巡目、なんと9萬を引いて暗子が4つ揃った。四暗刻テンパイ。単騎待ち。
宣言はないが、星野とさいふうめいの二人はその雰囲気になんとなく気づく。
星野(張った…か?)
さい(まあ流石、ってところか)
気づく二人に対してえなりは―
えなり(揃わないなぁ…)
バラバラの手牌に四苦八苦して雰囲気に全然気づいていなかった。

90 :作者の都合により名無しです:2007/08/17(金) 21:37:15 ID:6JUFiKb60
10巡目、星野テンパイ。しかしリーチはかけない。
星野(下手にリーチすれば福本の当たり牌を無防備に出しかねんからな…)
そして11巡目、不要牌をツモる。
星野(流れが悪いな…)
福本の捨て牌を確認して、その牌が安全かどうか確認する。
星野(…大丈夫…だろう)
ツモ切り。が―

福本「ロン」
星野「!」
四暗刻、成立。
待ちは――なんと、發。
星野「一巡目の發で待ち…クソ、こんな簡単な罠に―」
さい「やられたな、こちらの焦りをきっちり見抜かれてる」
興奮して台を叩く星野、それをたしなめるさいふうめい。
さい「落ち着けよ坊、そんな調子だと、次も取って食われるぜ」
星野「…はい」

えなり「福本さん!」
えなりが驚きと喜びを表情に浮かべる。
福本「ククク…これで一回戦の借りは返した、って所かな」

二回戦、星野が飛んで終了。
戦績は1勝1負。
決着は次の局に持ち越されることとなった。

91 :作者の都合により名無しです:2007/08/18(土) 00:44:53 ID:MxdonRxy0
フリテンなのにはツっこんでいいのかな。

92 :作者の都合により名無しです:2007/08/18(土) 06:13:22 ID:G5Gb7rN90
ああしもうた
素でやってもうた
修正した方がいいかな
いらんかな

93 :作者の都合により名無しです:2007/08/18(土) 06:53:33 ID:G5Gb7rN90
福本の配牌が
2萬暗子、3萬が対子。
一巡目にさいふうめいが打った4萬をえなりがチーして234の明子に、
そしてえなり打1萬。
福本がすかさずチー宣言するが、スジ食い換えは無しと星野陣営から注意が入る。
えなりが素人という店も考慮してチョンボはなしに。
(福本の手牌が見れた点も優位になれると踏んだ)
結局えなりは鳴かずに手を進める事に。

数巡後、3萬を引いた星野が、
さっきの福本の鳴きを思い出し、さらにその辺の牌を捨てていないことから大丈夫と踏んで打3萬。
そこをすかさずロン。
四暗刻で2回戦終了。


こんな感じに進んだ事にしといて下さい。
失礼しました。

94 :作者の都合により名無しです:2007/08/18(土) 13:17:16 ID:r2q160gz0
おー、なんかまた進みだしたな。
どっちのルートも期待。

>>メール
人が少ないだけだろうし、書きたいことを好きなように書けばいいと思うけどな。

95 :作者の都合により名無しです:2007/08/19(日) 22:18:10 ID:iYC8ZU+30
集英社入り口前。
破壊活動を終えた車田正美が、出入り口から悠々と歩いて来る。
多少の傷を負っているものの、そのほとんどがかすり傷程度のようだった。
その彼に、拍手を送る影が一つ。
車田「フ、あんたか」
車田を出迎えたのは、秋田書店の筆頭格、板垣恵介であった。
板垣「さすが、ってところかな」
車田「フン」
不機嫌そうな車田に対し、板垣は常に皮肉げな笑みを浮かべている。
板垣「やっぱりあんたが強いのか、それともジャンプの作家が弱いだけなのかね?」
車田「さあな。それよりも、これで約束は果たしたぞ」
板垣「そうだったな」
再び手を叩きながら、板垣は車田に告げた。
板垣「おめでとう、秋田書店への忠誠の証をしっかり見せてもらった。
   これであんたも立派な秋田書店の人間だ」
いちいち皮肉っぽい板垣の言葉に苛立ちを覚えながらも、車田は何も口にはしなかった。

96 :作者の都合により名無しです:2007/08/19(日) 22:22:46 ID:iYC8ZU+30
板垣「それじゃあ、新人君にさっそく仕事だ」
車田「なに?」
板垣が一枚の紙を手渡してきた。一応内容を確認する。
車田「福本伸行? 講談社の人間か…」
板垣「ああそうだ。そいつをやってきてもらおうか」
車田「こんな仕事、下っ端にやらせればいいだろう」
板垣「だから、やらせてるんじゃねえか」
車田「なんだと…?」
さすがに車田の表情が変わった。怒りを隠そうともせず板垣を睨みつける。
車田「貴様、口には気をつけろ」
板垣「ククク…悪い悪い」
車田の放つコスモの威圧感を、華麗に受け流す板垣。
板垣「だがな、あんたが新人であることには変わりねえんだ。
    少しでも信用してほしければ、多くの仕事をこなすんだな」
車田「…ち」
不満を抱きながらも、車田は反論しなかった。
分かった、とだけ答えて、テレポーテーションでその場を去る。
板垣「まあ頑張ってくれや」
いなくなった者に口だけの激励を送って、その場を去ろうとしたその時。
板垣「あっと。見かけによらず策士だから気をつけろって言うのを忘れちまったが…
   まあいいか」

97 :作者の都合により名無しです:2007/08/19(日) 22:24:16 ID:iYC8ZU+30
所変わって雀荘。
休憩も終わり、運命の三回戦が始まろうとしていた。
えなり「勝てますかね?」
福本「クク…どうかな」
えなり「そんないい加減な…」
福本「勝算がまったくないわけじゃないから、そう心配するな」
相棒を適当になだめて、椅子に座った。
四人とも準備が整い、二回戦トップだった福本がサイコロを振ろうとした。
その時であった―

えなり(ん?)
違和感のようなものを感じたえなりが、部屋の隅に視線を移した。
そこに見慣れない一人の男がこちらを見据えていた。
えなり「誰?」
彼の言葉に気づいた他の3人が、えなりと同じ方向に顔を向ける。
この場にいる人間の知り合いではなさそうだった、誰一人として声をかけようとしない。
男は視線が集まることなど気にも留めずに、値踏みをするように雀卓に座る四人を見回している。

98 :作者の都合により名無しです:2007/08/19(日) 22:26:02 ID:iYC8ZU+30
福本はその場に立ち上がると、星野達にこう告げた。
福本「悪いな星野さん、勝負の続きはまた今度だ」
星野「なんだと? なにを勝手に…」
福本「クク…金どころか命に関わる事でね。
   あんた達もどっかに行かないと、巻き添えを食らうぞ」
やばい雰囲気は感じていたようで、星野達は意外とあっさり引いた。
星野「分かった…だが必ず決着を付けるぞ」
福本「ああ」
星野達がその場を去っていく。男は二人に興味がないようで、すんなりと彼らを見逃した。
ついでにえなりも去ろうとし―
福本「君はダメだ」
えなり「ええええええ、何でですかぁ!」
福本「ククク…ここで君に帰られちゃあ、呼んだ意味がないんでね」

??「福本伸行だな?」
福本「ククク…人違いじゃないか?」
??「戯れ言はいい」
男は拳を構えると、福本に宣言した。
車田「貴様の命を頂戴する」
男―車田正美が拳から放ったコスモが、えなり達に襲いかかった。

99 :作者の都合により名無しです:2007/08/19(日) 22:27:36 ID:iYC8ZU+30
ここまで書いて板垣が封印されていることを忘れてた
ミスばっかだなもぉ…
誰か変わりになる人おらんかな

100 :作者の都合により名無しです:2007/08/19(日) 22:43:35 ID:wNaYvQeZO
いや、たしか板垣は封印されてないぞ

101 :作者の都合により名無しです:2007/08/19(日) 22:55:32 ID:iYC8ZU+30
そっかゲリラ活動してたんだっけ
すっかり忘れてるな…
もう一度読み直してくる

102 :作者の都合により名無しです:2007/08/20(月) 00:10:42 ID:ec9k6vog0
これまでの流れを軽くまとめるぜ。

・えなり 借金地獄。福本に唆されて勝負師伝説 哲也の2人と麻雀打ってたら車田兄貴が殺しに来て大ピンチ。

・集英社 交渉相手のPEACH-PITをCLAMPに拉致られたのでウルジャン一味がCLAMPの隠れ家を急襲。
      一方本社は車田兄貴に襲撃を受ける。現ジャンプ軍団たぶん重傷。

・講談社 ドエレー何かを手に入れる為に武内直子とPEACH-PITを拉致ったらウルジャン一味が攻めてきた。
      多分赤松暗躍中。哲也の2人はここの所属かどうかは不明。

・秋田書店 以前調子こいて小学館に喧嘩売ってボロ負け。水島と浜岡封印。山賢や板垣等の一部勢力ゲリラ化。
        小学館の襲撃を受け山賢&サトケン瀕死。板垣の指図で車田が集英社に特攻んだ後えなり急襲。

・小学館 秋田書店のゲリラ化した一部勢力の掃討中。山賢&サトケンを三日三晩暴行したらしい。

今のところ小学館や角川、スクエニ、電撃などの動きは殆ど無い。

103 :短編:2007/08/21(火) 17:43:40 ID:f+QJyUOW0
板垣恵介の指図で車田正美が集英社の本社に襲撃を掛けて数時間後
とあるビルの薄汚い部屋の資料の山の中で、チビでデブで不細工な男が頭を抱えていた。
「山本に続いて板垣のアホまで先走りおって!このケツどない拭けっちゅうんじゃボケが!」
集英社に手を出せば、資本的に結びつきの深い小学館、白泉社が当然黙ってない。
つい最近小学館に大敗したような勢力に三社連合に対抗する戦力が残ってる訳も無く
軽率な行動は慎むようにと自社並びにゲリラ勢力に通告を出したばかりだったのだ。
彼の名は青山広美。麻雀誌や小学館を渡り歩き今は秋田書店に所属する漫画家である。
彼が頭を抱えていたのは今回の襲撃事件に関する事情聴取の為の小学館への出頭期限が
刻一刻と近づいているにも拘らずマトモな策が何一つ出てこなかったからであった。

「落ち着けよ青山先生。バカと貧乏人は立ち入り禁止とか言っていい気になってるだけの
 小学館のキラキラエリートお星様連中なんてカモの群れだろう?いつも通りやればいい。」
隣に座っている銀髪でブレザーの青年が軽くそう答える。ハーフらしくすっきり整った顔立ちに
オーバルの眼鏡を合わせ耳にはワンポイントのピアス、それにブレザーの上下をすらりと着こなした
彼の外見は青山とは対照的である。何故かシャツの襟を立ててるのはアレだが気にしないでいい。
彼の名は山根和俊。彼も青山同様に秋田書店へ流れ着いてきた漫画家である。

「そりゃ相手が普通の連中ならな。ただ今回はそうもいかん。…差出人見てみぃクソガキ!
 あのクソ野郎が!よりによってアイツが出張ってきよったんじゃ!」
青山が小学館からの書状を投げつける。山根はそれを受け取り差出人を確認する。

 小学館 ビッグコミックスピリッツ支部長 浦沢直樹

「…極上だな。」 青ざめた顔で山根が呟く。
「…ああ、極上だ。」 仏頂面のまま青山も答えた。
                                                    つづく

登場人数:18(16+2)
退場人数:0
現在の人数:18/60

トム&ゴッキーのイメージで。ゴッキー語が適当なのは目を瞑って頂戴。

104 :作者の都合により名無しです:2007/08/22(水) 01:21:08 ID:rPNHP4hE0
このコンビ大好きだw
しかしこの二人、本性はバリバリのバトル漫画家なんだよな
そのギャップがまた面白い

105 :薔薇乙女と聖闘士:2007/08/30(木) 09:27:31 ID:ohavxKZZ0
車田から放たれるコスモ。聖闘士の一撃は一般人ならば即死だろう。えなりも当然それを本能で理解していた。
ところで、人は死ぬ瞬間に今までの人生が走馬灯の様に思い起こされ、あたかも時間が
ゆっくりと進むような感覚に陥るといわれているが―――
それにしては一向にあの衝撃がやってこない。もう自分の体が吹き飛んでもいいはずだと思いながら目をゆっくりと開けた。
そこにいたのは、意外な人物だった。


「えっ、えばらさんと千道さん!?」


そう、昨晩契約をしたPEACH-PITの二人がそこにいたのだ。えばらは赤い防御壁で、
千道は黒い翼であの衝撃を防いでくれたのだ。
「どうして二人がこんな所に!?」
「窓ガラスの中から覗いていたのだわ。イカサマで惨い目になっていないか見ていたら、
 こんな事になっていたのだわ」
「貴方はもう私たちの下僕――ミーディアムなんだから、死なれちゃ困るでしょ」
「下僕って……」
下僕扱いされたことは悲しかったが、二人の手助けには素直に心の中で感謝するえなりだった。
と、えばらは視線を福本の方に向ける。その目には、明らかな警戒の色が窺えた。
「福本さん、ですね」
「あぁ、誰かは知らないが、護ってくれたのは感謝すr」
福本が言い終わろうとする前に、えばらは彼の首元に何かをつきたてた。よく見れば、美しい細工が施された「庭師の鋏」だ。
「えばらさん何やってるんですか!?」
「彼は講談社の人間、つまりCLAMPと少なからず接点のある者よ。訊きたい事が山程あるのだわ」
彼女の返答はひどく冷静だ。そして福本も動じていない。
「否定はしない。だが、今は言える事はない」
沈黙だけが、その場を支配しているようだった。


106 :薔薇乙女と聖闘士:2007/08/30(木) 09:59:30 ID:ohavxKZZ0
だが時間は、車田の言葉で動き始める。
「お前たちが何者かは知らんが、そこを退け。俺は福本という男に用があるんでな」
車田正美――かつてはかの少年ジャンプに君臨した漫画家の一人だ。それが今、
刺客として目の前にいる。
(千道、私たちで真っ向から彼に勝てると思う?)
(無理でしょうね。いくらなんでも、実力の開きは大きすぎるわぁ)
確かにPEACH-PITの二人には、今やえなりというミーディアムがいる。力も十分に
発揮できるだろう。
だが相手が相手だ。元来戦闘が主体ではない二人と違い、車田は一流の戦士だ。
戦って勝てはしない。だから、彼女たちの決断は一つ。

「「逃げるのだわ(よ)!!」」
「えぇっ!?」

驚くえなりと福本の手をとり、PEACH-PITは窓ガラスへ向かう。
「逃すか!」
それを追う車田。板垣に従うのは癪だがやる以外にない。
「スィドリーム! 如雨露を!」
妨害の為、千道は人工精霊に「庭師の如雨露」を召喚させる。
「私の如雨露を満たしておくれ。甘い水で満たしておくれ」
紡がれる言葉に合わせ湧き出る水を空中に撒く。細かい水滴が室内の濃霧を作り出す。
だが車田は、そんなものに怯みはしない。
「愚かな、俺には第六感がある。そんな霧程度で……のわっ!?」
車田の脚に何かが絡み付き、勢いよく転んだのだ。
見れば、それは入り口付近に置かれた観葉植物の根だ。「庭師の如雨露」の力で、急速に
生長させたのだ。
(第六感が鈍ってしまったのか!?)
軽いショックを受けた車田を残し、四人は窓ガラスの中へ溶ける様に消えていった。 

107 :薔薇乙女と聖闘士:2007/08/30(木) 14:15:52 ID:ohavxKZZ0
日本某所で、三人を乗せた車が走っている。
一人は中年男性、その隣でハンドルを握る若い男は額に手拭いを巻いている。
後部座席には女性が一人乗っているが、こちらはどういう訳か窮屈そうにしている。
「一体、私をどうする気ですか」
女性は前に座る二人に問いかける。半分は自分で知りつつも。
「とりあえず、君の身柄はスクエ二に引き渡した方がいいな。彼らはこちらより接点が多いし」
「目的の為にも、スクエ二の人たちとは提携を取りたいっスからね」
質問に答えた男に、運転手も話しかける。
「そうだな。「姫」を救い出す為にも、今は少しでも多く仲間がほしい。集英社も襲撃を受けたみたいだしな」
「小学館も秋田書店とのゴタゴタの後始末に追われてるみたいっスから」
運転手と隣の中年――福地翼と冨樫義博は今後の方針を話し合っていた。
そもそもは、もはや休載というレベルではなくなっていた冨樫が妻の武内を救出しようとした折に、打ち切り同然の
福地と知り合ったのが始まりだ。
その後、とあるライブハウスの前を通りかかったとき、講談社のエンジェル部隊、それと何故か部隊長になっていた
東まゆみ――マックガーデンが講談社と手を組んだと前情報があった――を知っている事を問い詰めようと捕虜にしたのだ。
ちなみに、彼女は冨樫の念能力で拘束され、部隊は二人で全滅させた。
東の負け惜しみととれる独り言を無視して、車は目的地へひた走る。


登場人数:21(18+3)
退場人数:0
現在の人数:21/60

108 :間違えた:2007/08/30(木) 14:17:47 ID:ohavxKZZ0
>>107の題名は【三人が乗る車】に脳内修正してくれ

109 :作者の都合により名無しです:2007/08/30(木) 22:58:43 ID:6hqqWFhHO
ageだ

110 :作者の都合により名無しです:2007/08/31(金) 10:09:26 ID:3FRxXOCZO
終わったと思ってたのに復活してる…!
これは全力で保守だあああああ!

111 :作者の都合により名無しです:2007/08/31(金) 18:47:44 ID:Y5renC/E0
「………なんたる!」
車田は怒りに肩を震わせた。
憤りもあらわに、近くの柱を殴り倒した。
「あんな奴らに不覚を取るとは…!」
「お言葉ですが…」
何者かが車田の言葉に口を挟んだ。
車田は声のした方向の気配のみ察知するが、そちらに振り向こうとはしない。

「『エピソードG』、岡田芽武か…」
車田の背後に一つの影が現れた。獅子の聖衣を着ており、車田に対して跪いている。
「先生は先ほどまで集英社の者達との戦いをしてきたばかりです。
 疲れが出て当然かと…」
「あのような連中相手に疲れるものか。もし疲れたとするなら…」
再び怒りが再燃する。その対象は、まごうことなき自分自身。
「…まあいい。それはともかく、先の事を考えねば。
 岡田、貴様一人ではあるまい?」
「……はい」

もう一人が岡田の隣に姿を現した。
「『風魔』、由利聡。推参しました」
岡田と同じく、由利もその場で跪く。学生服と木刀が印象深い。
「うむ」
車田は返答に満足そうに頷くと、彼らの方へと振り向いた。
「貴様らに命じる。
 今先ほど我がもとから逃れた福本とその一味を探し出して俺に知らせろ。
 可能ならば、その首を持ってこい!」
『はっ!』
岡田と由利の二人は即座に走り出し、えなり達の足取りを追い始めた。


「俺をこけにした礼は、きっちりと返してくれるわ…!」

112 :作者の都合により名無しです:2007/08/31(金) 21:57:45 ID:zLdzoVQTO
強い二人がIN!
だが自分、この二人の事は全くわからんので他の人に期待!

113 :作者の都合により名無しです:2007/08/31(金) 22:40:29 ID:u0uZ9k1F0
なんか最近スレの速度が上がってきたな。
いいことだ。

114 :作者の都合により名無しです:2007/09/01(土) 01:20:55 ID:JiO3NBCbO
投下ペースも早くなって嬉しいかぎりだぜ

115 :作者の都合により名無しです:2007/09/01(土) 19:03:46 ID:XPN8mQaRO
保守するぞ
職人がくるまで

116 :作者の都合により名無しです:2007/09/02(日) 21:38:56 ID:hU6ZNhoLO
講談社って、シリウスとボンボンに妖怪と怪物がいるな
それより保守

117 :作者の都合により名無しです:2007/09/02(日) 23:07:40 ID:/J2Qjd1S0
しかしボンボンはもう……
高山が「こんな雑誌、俺の手で滅ぼしてやる!」とか言って出奔しそうだな

118 :ゼロの山賢:2007/09/03(月) 03:19:49 ID:IvnbBX600
しんしんと雪の降り積もる人里離れた山中で赤子の様に安らかな表情で眠り続ける山賢。
だが彼の安寧は佐藤健悦の子守唄に混じる十数匹の獣の唸り声により妨げられた。
山賢が晴れ上がった瞼を何とか抉じ開け周囲を見渡すと、果たして爛々と輝く幾つもの目が
こちらを凝視している。この時二人は自らの流した血の匂いに引き寄せられた餓えた獣の群に
完全に取り囲まれていたのである。
半死半生の重傷を負っている上に大木に荒縄で厳重に括りつけられている今の二人には
只の獣の襲撃を防ぐ手段さえ無い。あえなく二人は襤褸雑巾のように食い散らされてしまった。

獣が去った後、瀕死の重傷を負い再び薄れ行く意識の中で山賢は愛弟子の名を呼び続けた
「‥‥健‥悦‥‥健‥悦‥健‥悦‥‥健‥悦‥‥健‥‥悦‥‥」と弟子の名を呼び続けた。
だが彼からの反応は無く先程までのあの子守唄ももう聞こえない。ふと彼はこのまま死んでしまおうと思った。
いかなる状況でもゴキブリ以上の執念と生命力で生き延びてきた彼が今初めて生きる事に絶望したのだ。

その時、彼は強烈な光に包まれた。強烈な光に包まれて‥‥どこかへと消えてしまった。
後には未だ血生臭い大木の下には犬に弄ばれた襤褸布のように横たわる佐藤健悦のみが残された。


「宇宙の果てのどこかにいる、私の下僕よ!強く、美しく、そして生命力に溢れた使い魔よ!
 私は心より求め、訴えるわ!我が導きに応えなさい!」
少年少女たちの見守る中、制服の上にマントを羽織った小柄な少女がピンク色の長い髪を靡かせて叫ぶ。
彼女の名はヤマグチ・カナリア・グリーングリーン・ストライクウィッチ・ノボル。通称ゼロのヤマグチ。
大手漫画出版社からするとある意味異世界なMFの「アライブ」における看板作家ながら漫画家としての能力がゼロ
と言う理由で上記の有難くない二つ名を頂戴している。この日は編集部立会いの下で自分の手足となる絵師を
使い魔として召還する儀式を行っていた。そして叫び声と共にいつもの様に巻き起こる大爆発。ただ今回はいつもと
少し様子が違って爆発の中心で何かが蠢いている。儀式は成功だ!そう思って近づいた彼女は酷く後悔する事になる。

身に纏っている衣類らしき物は原形を留めぬ程にボロボロで、身体も満遍なく何らかの獣の爪でズタズタに
引き裂かれている。肉を食い千切られたらしき箇所も複数に及び、右目の眼窩からは目玉が臍の辺りからは
小腸や大腸が盛大にはみ出して大便の臭いを放っている。手足はそれぞれ一本ずつ欠損し、残りの手足も
指は食い千切られ殆ど残っていない。頚動脈からの出血も激しく生きているのが不思議な位だ。

このスプラッタな物体を見たヤマグチは瞬時に気絶したのであった。                         つづく

119 :死後第1節:2007/09/03(月) 12:39:23 ID:IvnbBX600
山賢がファンタジーな世界でグロい事になってる一方で、サトケンもサトケンで奇妙な事になっていた。
それまで雪が降り積もる中で山賢師匠と樹に縛られて放置されて獣共に喰われていたはずなのに
気が付くと電柱が異常に立ち並び空には電線が張り巡らされた路地にいる。おまけに服装はそれまでの
フード付きの黒い上着と黒いズボンからフリルの豊富な上着に膝上20センチのちょっと動いたりするだけで
ぱんつ見えそうなスカート、そして白のニーソックスとセクハラ一歩寸前のメイドちっくな制服に変わっている。
僕は何でこんな格好をしているんだ。僕はオトコなのに。

前方に目を向ければ地面から女の子の足がまるでシンクロの様にゆっくりと逆さまにせり上がって来る。
足から腰、腰から胸、胸から頭そして腕と、弓のように身体を反らしながら黒いセーラー服姿の少女が
せり上がって来る。おまけにその隣からもゆっくりと片目をウエーブの掛かった髪で隠した黒いドレス姿の
年齢不詳の胡散臭い女がせり上がって来る。あり得ない。いよいよ気でも狂ったのか僕は。

「お迎えに来たわ。健悦さん‥‥」年齢不詳の女の方がそう話しかけて来た。こんな変態だらけの所にいられるか!
僕は自分の部屋に帰る!と背を向けて走り出したが何故か回り込まれている。あり得ない。こいつ悪魔か死神か何かか。
「フフフ、最初は皆そう考えるものよ。」人の考え読んだ?あの女何者だ。「あなたと同じ身の上よ‥‥」一緒にするな。

いいから帰らせてくれ。そう言おうとした瞬間に黒いセーラー服少女が無言でネジを1本差し出してきた。
こんな物どうしろっていうんだ。要らないよ。「よしなさい、吉富。」また人の考えを呼んだのかあの熟女。
そう思っていたらいきなり少女がネジをコリコリと食べ始めた。この娘もあの熟女と同類のヘンな人なのか。

「さて‥‥”死神”という言葉が出てきたところを見ると自覚しているみたいね?自分が亡くなったって事を‥‥」
熟女がそう話す。もう死んでようがいまいがどうでも良い。死後の世界がコレでこんな連中と付き合う羽目になるなら
まだ神曲に出てきた地獄に落ちたほうがマシだ。ってか夢だ。これ夢だから。イヤなヘンな夢‥‥

その時少女がネジを噛み砕いた。目の前に逆さまに自分の葬儀の光景が映る。たくさんの人が自分の霊前に花を添え
親しい友人達が涙に暮れている。そうか、僕は本当に死んでいたのか。「俺が‥俺が送ってきゃよかったんだ‥‥
俺が送ってかなかったから‥‥」と松山せいじ師匠も涙に暮れている。イヤ、松山師匠が一緒だとスーパーHなトラブルに
巻き込まれかねないから気持ちは嬉しいけど結構です。

続いて場面が移り変わる。見ると上半身裸の山賢師匠がつるぺたミニスカ幼女とベッドに腰掛けて何か語らっている。
頭の中がグルグルとピンクな想像で染まり始める。「やめてよ‥‥ねぇ‥‥や‥‥やめてェ――――――――ッ!」
サトケンが叫ぶと同時に空間が爆発し始めた。

120 :作者の都合により名無しです:2007/09/03(月) 13:44:36 ID:IvnbBX600
サトケンの感情の爆発に合わせて路地も眼前の光景も全て弾け飛ぶ。熟女が落ち着きなさいと声を掛けるも
彼の耳には全く届かない。ただ彼はひたすらに師匠が幼女とっつかまえて何かエロい事しようとしていた
‥‥っぽい光景を否定しようとイヤだイヤだと叫び続けている。
少女はバレリーナの如くキレイに開脚しながら逆さまに宙に漂いこの光景を傍観するだけで役に立たない。

師匠が幼女とベッドの傍で腰掛けているって事はその後やる気まんまんって事で師匠のプレイはハードで
多分アレだから相手が幼女だったらどう考えても色々裂けちゃって幼女が死んじゃって師匠の家や仕事場に
家宅捜索が入って仕事場でも色々ヤバイ物が見つかって執行猶予無しの実刑判決食らってクビになって
無職になって貧乏になってプラモが作れなくなって師匠が死んじゃう!
考えれば考えるほどサトケンの思考は混乱してそれにつられ世界も砕けていく。熟女も大弱りである。

と、その時コートの男がサトケンの頭にポンと手を置く。その動作でサトケンは我に帰った。
「お前が落ち着け、光原。」コートの男が熟女へ静かにそう呼びかける。
「よ‥葉介さん‥‥。」熟女も男の言葉で冷静さを取り戻す。この人は一体何者なんだ。
「高橋‥‥高橋葉介‥‥”ツレビト”だ。」男はそう答えた。ツレビトって‥‥?
「死んだ人間の魂を連れて行く者。」男が答える。口数の少ない人だ。
「そう‥‥死の世界に通じる門まで‥‥そういう役目よ。あ‥‥決して死神ではないからね、あしからず。
 人は1人で門に行く事は出来ないの。私たちがいるのはそのためよ。」熟女が説明を加える。
死の世界に通じる門‥‥ってじゃあここは?「ここは‥‥生と死の間だ。」男が答える。

熟女の説明によるとここは隣り合わせの生と死がわずかに交差し、生と死の世界が融合した場所で、
ここには空間や時間の概念が存在しないらしい。電柱が異常に立ち並び電線が空に張り巡らされ
黒いセーラー服の少女が普通に宙に浮かんでいる珍妙な光景はそうした理由で存在しているらしい。

これまでの説明を受けて大体の事情はサトケンにも飲み込めた。なら肝心な事を聞いておくか。
「あなたにとって残念だけど‥‥」by熟女
「ここに居るお前は魂だけの存在だ。」by男
「アンタは死んだ。もう元へは戻れない。」by少女
「イヤ――――――――ッ!」byサトケン

「厄いわね。」by熟女
                                                          つづく

121 :作者の都合により名無しです:2007/09/03(月) 14:00:50 ID:IvnbBX600
イメージ

・ヤマグチノボル(ゼロの使い魔:原作)…釘宮
・高橋葉介(学校怪談)…ヨースケ作品のコート姿のあの人
・光原伸(アウターゾーン)…ミザリー
・吉富昭仁(EAT・MAN ブルドロ ツレビト)…ツレビトのミヨ。時々ネジ喰ったりする
                             スク水とかおつかれちんちんはまだナシ。

・生と死の間(ツレビト)…電柱がやたら立ち並ぶ涅槃っぽい場所。死んだらここに来る。
・アライブ…MFが出してる雑誌。他にはるるるとかkashmirがいる。山賢絶賛休載中。

登場人数:29(25+4)
退場人数:0
現在の人数:29/60

‥‥今回人を出し過ぎたから次があったらちょっと削ろうかな。

122 :作者の都合により名無しです:2007/09/04(火) 00:02:03 ID:zUyqEJQjO
まだ半分はあるし大丈夫ではないかと
まぁ、そろそろサンデー、マガジン、ガンガンあたりから出ないときついな

123 :作者の都合により名無しです:2007/09/04(火) 23:41:13 ID:rvZzX8M/O
職人を待つって、保守することでしょ?

124 :作者の都合により名無しです:2007/09/05(水) 15:00:58 ID:ZLupoP99O
保守

125 :作者の都合により名無しです:2007/09/05(水) 20:51:18 ID:DUUiJatcO
ところで質問なんだが、えなりが関わった3年前の戦いって前シリーズの事?
それともまた別?

126 :作者の都合により名無しです:2007/09/05(水) 21:03:07 ID:TAJH3v6m0
>>125
前シリーズのようだ。
でもあまりこだわらなくてもいいというかこだわらないほうがいいだろう。
あの肥大化した設定をそのまま持ち込むと書き手、特に新規参入者が大変だし。

127 :作者の都合により名無しです:2007/09/05(水) 21:26:56 ID:9e8LboR50
>>125
まあ過去に似たような戦いがあった平行世界が今シリーズであるとでも考えておけばいいと思う

128 :作者の都合により名無しです:2007/09/06(木) 00:32:48 ID:LFveB+CpO
前のとは別物だって考えてる

129 :作者の都合により名無しです:2007/09/06(木) 05:57:51 ID:vS14LBsL0
「ここまで来れば大丈夫なのだわ」
車田の魔の手から逃れた4人は、遠くはなれたデパート内に退避していた。
「そうね、追ってくる様子もないみたいだし…ここらで一息入れましょうか。それに」
千道はキッと福本を睨みつけ、
「そろそろあなたから聞き出さないといけないこともあるからね」
「ククククク…」
余裕を含んだ福本の笑いに苛立ちを覚えた千道は、
背中の黒い翼から羽を一枚福本へ向けて放った。
羽は福本の頬をかすめて後方の壁へと突き刺さり、遅れて福本の頬から一筋の血が垂れる。
「無理矢理聞き出してもよくってよ。
 いくら力に差があるとは言え、こちらは三人がかりなのだから」
(…………え? 僕も入ってる?)
正直、どちらにも加担したくないえなりが心の中で焦る。
「ククク……」
状況を楽しむように何も答えない福本。
PEACH-PITの二人はその様子に不満をあらわにした。
「馬鹿にしてるのだわ」
「少し痛い目にあってもらうのが早そうね」
戦闘態勢に入る二人。
えなりはただ一人とても困っていた。
その時だった。

130 :作者の都合により名無しです:2007/09/06(木) 06:03:06 ID:vS14LBsL0
「後ろ」
福本がつぶやいた。
えばらがそれに釣られて後ろを見る。彼女達の後方はガラス窓であった。
「えばら、そんな安い手に引っかかるんじゃないの」
千道は福本を見据えたまま視線を動かさなかった。
今の言葉が、罠だと予想していたからだ。
だが、えばらの様子は違った。
「伏せて!」
千道に多いかぶさり、その場に押し倒した。
次の瞬間、とてつもない衝撃でガラスが粉砕。破片が彼女達へと降り注いだ。

「先制攻撃、失敗だな」
「うるせェ、倒しゃいいんだ、倒しゃ」

声の主達は破壊した壁穴から入って来た。
片方が学生服を、もう片方が黄金の鎧を着ている。
PEACH-PITの二人はすぐさま立ち上がり、その二人から距離をとった。
「あなた達は…車田の!」
「ククク…そう簡単に逃げられる訳がない、ってことか」
そう、二人は車田の部下、『エピソードG』岡田芽武と、『風魔』由利聡であった。

131 :作者の都合により名無しです:2007/09/09(日) 20:37:17 ID:78qhvTOAO
桃種の二人がピンチ

えなり、お前も含まれてるんだよ

132 :作者の都合により名無しです:2007/09/09(日) 21:45:38 ID:djBp6+N70
爆発音が引っかかったのか、音に気づいた誰かがしたのかは不明だが、
デパート内は警報音が響き渡っていた。
客の大半は逃げ出したのか、辺りに彼ら以外の人の気配はない。

(私としたことが…!)
千道は怒りに震えていた。
えばらにかばわれなければ直撃を受けていた。
そうなっていればただでは済まなかったろう。
だがそれ以上に、事前に背後からの攻撃を察知することができなかった自分に憤りを感じていた。
(絶対に…許さない!)
自分への怒りは行き場を変え、目の前にいる二人の男へと向かった。

そして、
有無を言わさずに多数の黒い羽を二人に向けて放った。
「おっと!」
間一髪でかわす二人。
攻撃はかすりもしていないようだった。
「仕返しのつもりか? んなちんけな攻撃、効かねーンだよ」
「だまりなさい!」
千道の怒声が響く。
「おーこわ」
『風魔』由利聡が茶化す。千道はそちらを睨みつけ、再び羽で攻撃をした。
「うお、あぶねえ!」
遠くに飛んでこれをかわす。
「おまえは後回しよ」
そう言って彼女は、『エピソードG』岡田芽武の方に視線を移した。
「まずはあなた。最初に私に屈辱をくれたあなたを……殺してあげる!」

133 :作者の都合により名無しです:2007/09/09(日) 21:51:03 ID:djBp6+N70
「まずいのだわ……怒りで周りが見えなくなってる」
冷静になるように言いたいえばらだったが、怖くて声をかけられない。
かわりに彼女は、後ろで傍観している二人を見やった。
「あんたたち! ぼーっと見てないで手を貸しなさい!」
「えー…そんなこと言われましても」
「ククク…悪いがもう歳なんでな、そういう荒っぽい事は若いのにまかせるよ」
「何さらっと勝手な事を言ってるのだわ! もともと狙われてるのはあんたでしょうが!」
「おかげで助かってるよ」
「がーーーーーもうこのおっさんはーーーーーー!
 いいから手伝うのだわ! あんた達二人で、そっちの学ランの人をなんとかして。
 こっちはあたし達がやるから!」
そう言ってえばらは、千道の加勢へ向かった。
「まかされちゃったけど、どうしましょうか…」
「しょうがないさ、火の元はこっちだしな。楽をとりすぎるわけにもいかんさ」
(僕はまったく関係ないような…)
納得はいかないが、無視するわけにもいかないので、えなりは渋々手を貸す事にした。
「まあそれに、あっちの金色のやつよりは、こっちの方がずっとマシだからな。その分は、楽をできそうだ」
「へ?」
「俺たちの相手の方が、向こうのより数段弱いってことさ」
「…そうなんですか?」
じっと見てみるが、えなりにはレベルの違いと言うのが見えてこない。
「ククク…じゃあ始めるか」
福本はそう言って、『風魔』由利聡に向かって歩き出した。

134 :作者の都合により名無しです:2007/09/10(月) 13:33:21 ID:bF7OTlr8O
続きが気になる…!

wktkしつつ保守

135 :作者の都合により名無しです:2007/09/10(月) 14:44:17 ID:zvq9t2wa0
えなり達が、車田の放った刺客達と交戦状態に入ったのと、ほぼ同時刻──

街の上空を、一組の男女が高速で飛行していた。
否、正確には飛行しているのではなく、断続的なテレポートを繰り返す事によって空を移動しているのだ。
故に、その速度は超音速で空を飛ぶ戦闘機並になっている。
「今度は○○デパートで戦闘開始ぃ!?クソッ、あっちこっちでチョコマカと!!」
しかしながら、『nのフィールド』を通じて移動可能なPEACH-PITの位置を捕捉するのは容易ではない。
ましてや彼女達が戦闘中というのであればなおさらだ。
テレポートを行っていたスーツ姿に眼鏡をかけた男──椎名高志が舌打ちする。
「何だったら、私を置いて、椎名君だけで先に行って。貴方一人の方が遥かに速くなるでしょう。私は後から急いで追いかけるから」
椎名の後方の空中に居る女性──高橋留美子が、そう提案する。
彼女には飛行手段はあるものの、テレポート能力は持たない為、今の移動は椎名の能力に頼ったものだ。当然、椎名は余計に力を多く使う事になる為、必然的にその速度は落ちる。それを考えれば、留美子の提案は妥当なものだが──
「いや、それはいけない! 最近は秋田書店残党のテロ活動が頻発している……単独行動は危険だ!」
椎名は断固として、その提案を却下した。それは一見、第三者が見れば仲間の身を案じての発言だと思うだろう。
もちろん、実際にそれも嘘ではないのだが───
「……貴方のイヤラシイ視線が無ければ信じるところなんだけど、ね」
椎名の粘つくような視線が、移動を開始してからずっと己の胸元に集中しているのに気付いている留美子は冷たい目で椎名をジト見する。
実際、テレポートの度に、赤い衣と袴に包まれたプレイメイツ顔負けの極端なほど起伏に富んだ肢体がダイナミックに躍動する様は、椎名ならずとも男の視線をブラックホールのように奪いさるであろう破壊力を秘めていた。主に性的な意味で。
「いいいいいイヤだなあ!ぼ、ボカぁ、そんなヤマしい考えなんてこれっっっっっっっぽちも思ってませんからッ!なーははははっ!!」
真意がバレバレだった事に気付いた椎名が焦りまくって弁解にもならない言葉の羅列を吐き出し始めるのを見て、留美子は呆れたように溜息をつく。
椎名のセクハラは毎度の事であるため、付き合いの長い留美子にとっては、この程度はいちいち怒るに値しない。少なくとも入浴や着替えを覗かれる事に比べれば、まだ可愛いものだ。


136 :作者の都合により名無しです:2007/09/10(月) 14:45:34 ID:zvq9t2wa0
「ハァ……もういいから。とりあえず先を急ぎましょう。周囲の警戒は怠らないで」
「は、ハイィィィ!……ってアレ?」
二人が飛んでいる位置から、十数メートル先のビル。その屋上に立つ不審な人影が二人の視界に飛び込んできた。
その人影は、長身で体格の良い男で、その顔は道化のような仮面で覆われた異様な出で立ちだ。そして、両手には長い棒状の何かを持ち、それを大きく振りかぶっている。
それに気付いた二人の表情が変わる。

「 弧  月 」

キシャアアアアア!!
裂帛の気合いと共に、人影は棒状の凶器を振り抜くと、三日月の形をしたエネルギーの塊が、凄まじい速度で大量にこちらに殺到した。
「こっ、こいつ───っ!!」
突然の奇襲に椎名が即座に再度のテレポートを行おうとするが、テレポートの直後のタイミングをつかれた為、回避は間に合わない。
ガ ポ ン!!
咄嗟に椎名がPK(サイコキネシス)による障壁を張り、三日月のエネルギー群を破壊する。だがこの一瞬で全てを防ぎきれるものではなく、威力の余波が、椎名と留美子の体中に細い切り傷を刻む。
「くうっ、こんのおおっ!!」
 ボ  ン!!
不意の襲撃に怒りを覚えた留美子が、口から特大の火炎を吐いた。猛炎が謎の襲撃者に殺到する。だが相手は──
「火は赤、赤は南なり、夏なり羽なり!「己」になる「戌」を方角西南より東北へ!!」
キュアアアア……
その両手に持った棒状の何か──錫杖を前にかざし、呪文のようなものを唱えると、あろうことか炎は自ら軌道をそれたかのように相手を避け、
 ゴ ア !!
「な、何っ!?」
そのまま、炎を放った留美子の元へ返り、その赤い舌で彼女を舐めつくした。
留美子は、火鼠の毛で織った衣を纏っている為、大した火傷は負っていないが、自身の攻撃を完璧に跳ね返された事については怒り心頭だった。
「それなら……雷ィ!!」
ドカカカ!
今度は、留美子から凄まじい雷が、襲撃者めがけて降り注ぐ。しかし――
「木気『雷』、『己』になる『戌』方角西南より東北へ!」
ドカカカカカ!!
「くうううっ!!」
放った雷はあろうことか、全て襲撃者の錫杖によって先ほどの炎と同じく受け流され、そのまま威力を保ったままこちら側に戻ってきた。


137 :作者の都合により名無しです:2007/09/10(月) 14:52:34 ID:zvq9t2wa0
「この技は見たことがある……しかし、そんな馬鹿な!!」
一連の攻防を見た椎名が驚きの叫びをあげる。
「散魂鉄爪!!」
その間にも、留美子は再度つっかけ、鋭い爪による連続攻撃を見舞う。
だが、相手は見事な杖さばきと体捌きで、攻撃を全てはじき落としながら、懐から一斉にある物をバラ撒いた。
「これは法力僧が使う独鈷!?それにこの念の力は!!」
仏具であり、明王が武器としても使ったという、独鈷。それのひとつが留美子の肩に突き刺さる。
「乾」
ガ  ン!!
「くあああっ!!この技は……やはりっ!!」
肩が血しぶきをあげて吹っ飛ぶのにも構わず、留美子が疾走する。
「あなたはァア!!」
男は即座に飛びのいたが、地からすくいあげるような爪の一撃が、男のゴーグルと半ヘルメットをこそぎ飛ばした。
その下から現れた男の素顔は――――

「 藤 田 和 日 郎 !! 」

週間少年サンデーの中でも、その力はトップクラス。
柔軟な思考と強靭な肉体から繰り出す数々の奥義は、サンデーでも最強の一角とさえ呼ばれた男。
かつて、その実力と人柄で同僚の誰からも一目置かれていた筈のその男は、今はその顔に見る者をゾッとさせずにはおかない、凄まじく『イイ笑顔』を浮かべながら、椎名達を冷たく睥睨していた。

←TO BE CONTINUED

登場人数:32(29+3)
退場人数:0
現在の人数:32/60


ぼちぼちサンデーの連中を登場させてみた


138 :作者の都合により名無しです:2007/09/10(月) 14:56:05 ID:zvq9t2wa0
×男のゴーグルと半ヘルメット
○男の道化の仮面

最初はバイクでの襲撃と2パターン考えてたもので

139 :作者の都合により名無しです:2007/09/10(月) 15:29:32 ID:dVtG/3GT0
留美子か……。
前シリーズじゃああんまりいいとこなかったから今回に期待したいな。

俺も早く続き書かないと。

140 :作者の都合により名無しです:2007/09/10(月) 16:17:37 ID:m52pOi6zO
留美子はね……前シリーズじゃ
登場≒暴走+ボロボロ(+エロス)
だったもんな

141 :作者の都合により名無しです:2007/09/10(月) 17:21:33 ID:ESDILeqzO
あんまり話を横に展開しすぎると
無駄に複雑になって前シリーズの二の舞になる悪寒

142 :作者の都合により名無しです:2007/09/10(月) 23:56:26 ID:m52pOi6zO
そこは書き手を信用しよう
保守

143 :作者の都合により名無しです:2007/09/11(火) 09:04:04 ID:d/0yMQhi0
「消えなさい!」
千道が先ほどを遥かに上回る数の羽を同時に放った。
対する岡田は、何故か避ける素振りすら見せない。
直撃か――そう思われた瞬間、
「!?」
千道が驚愕の表情を見せた。
放った多数の羽のその全てが叩き落とされたのだ。
それも、ほとんど同時に。
「こんな単純な攻撃が、通用する訳ねーだろ」
余裕の言葉を吐く岡田。彼はその場から一歩も動いていなかった。

(相手の動きが見えなかった…これは…)
千道には一つ思い当たる節があった。
「噂に聞く、光速拳ね」
光の速さで打ち出す高速の拳は、常人の目に映る事すらなく、その威力は星すら砕く。
「車田正美の得意技とは聞いてたけど、まさか部下のあなたまでが使うなんてね」
「フン、伊達にこの聖衣を預かってねーよ」
誇りを持って自らの着た黄金の鎧を親指でさす岡田。
その姿は自信に満ちあふれていた。

(超スピードで殴るだけ。ただこれだけのとても単純な攻撃なのに…ここまでやっかいなんて)
遠距離攻撃は今のように全て叩き落とされてしまう。
逆に近づこうと思えば、その拳の弾幕を抜けていかなければならない。
そして攻撃の見えない千道に、その弾幕を抜ける術はない。
(となれば、動きを止めるしかないわね。けどどうやって…)

「次はこっちの番だな」
そう言って岡田が一歩踏み出した。
千道は一歩下がって防御態勢をとる。自分が下がった事に屈辱を覚えるが、気にしている暇はない。
「くらえ…」
岡田のコスモがふくれあがる。
「雷光電撃(ライトニングボルト)!」

144 :作者の都合により名無しです:2007/09/11(火) 09:08:07 ID:d/0yMQhi0
「きゃあ!」
光速の拳が千道を襲う。
彼女はその場から吹き飛ばされ、背後の壁に体ごと突き刺さった。
距離をとって、さらに防御態勢であったにも関わらず、避けるどころか防ぐ事も出来なかった。
いやそれどころか、見る事すら不可能だった。
(車田正美を相手にしてるわけでもないのに…ここまで差があるなんて…!)
「一撃じゃ無理か。だが、次で終わりだ」
再びコスモを高めていく。千道は死も覚悟した。
岡田は右手に拳を作り、今まさに攻撃をしようとし――
その時、鞭のように連なった薔薇の花びらが、岡田の体にまとわりついた。
「なに…?」
「今よ、千道!」
鞭の主は、えばらであった。
今まで攻撃の隙をうかがっていたようだ。
そして千道の動きは素早かった。
えばらが言うよりも一瞬早く、岡田に向けて羽を放つ。
ローズテイルで動きを封じられた岡田になす術はない。
こんどこそ致命傷を与えられる――
はずだった、

「フン!」
岡田は乱暴に鞭をつかむと、強引に自分の方に引き寄せた。
「え? きゃあ!」
予想外の行動に、鞭をつかんだままえばらも一緒に引き寄せられる。
岡田は飛んで来たえばらの首根っこをつかむと、自分の目の前に突き出した。
「受けるのも面倒なんでな。盾になってもらおうか」
(しまった…!)
慌てて身をよじって逃げようとするが、岡田の豪腕はビクともしない。
そして、時間もなかった。
「えばら!」
千道の叫びが、デパートのホールに響き渡った。

145 :作者の都合により名無しです:2007/09/11(火) 09:13:22 ID:d/0yMQhi0
「でどうするんですか?」
デパートの屋上に『風魔』由利聡を誘い出したえなり達二人だったが。
えなりは福本の指示にしたがって動いただけで、その後どうするかは聞かされていなかった。
「おいおい分かるさ」
福本は何も答えようとはしない。だがその言葉には余裕を感じられた。
「どこまで逃げる気かしらんが、無駄だって事がまだわかんないのか?」
二人に向けて木刀を突きつける由利。対するこちらの口調には、苛立ちの色が見えた。
「まあ、もうちょっと我慢してくれや」
福本はそう言うと、屋上の隅に向かって駆け出した。えなりもその後に続く。

「こんなに走って、逃げ切れるんですか?」
「逃げる訳じゃないが、走るのはもう少しさ」
「もう少しって…え?」
えなりの視線の先に奇妙な物があった。
巨大な板が、デパートの屋上から隣のビルの屋上に向かって設置されていたのだ。
「もしかして、あれを渡るんですか?」
「そう、急げよ」
慌てて板の上を渡る二人。板は厚さ、幅、安定感とバランスがよく、安心して全力疾走が出来た。
「くそ、待ちやがれ!」
二人が渡りきった頃に、由利もその後を追って板の上に乗ろうとした。
しかし、福本が隣のビルに設置されたボタンを押すと、板が崩れさり、変わりに一本の幅が数十センチ程度の棒がその場に残った。
「なんだこりゃ?」
由利が素っ頓狂な声を上げる。
それもそのはず。ただ逃げるのなら、わざわざこんな棒を残しておく意味はない。これではまるで…
「渡ってこい、そういうことか」
『クク…意図は理解してもらえたかな?』
拡声器で由利に呼びかける福本。
「け、下らん仕掛けをご苦労様だぜ」
とは言うもののこの上を渡るのはなかなか至難の業だ。時間もかかるだろう。
それなら、デパートを出て隣のビルに向かった方が早いかもしれない。
しかし福本はそんな彼の思考を読み取ったかのように言葉を紡ぐ。

146 :作者の都合により名無しです:2007/09/11(火) 09:15:24 ID:d/0yMQhi0
『ああ、もしも君がこの橋を渡る以外の方法を考えているんだったら、やめた方が良い。
 このビルには、いろんな移動方法を用意してあってな、
 君が降りている間に、手の届かない場所に行く事も可能だ』
「いつの間にそんな用意してたんですか…」
えなりがあきれたようにつぶやく。
「何言ってやがる。それはこの橋渡るのに時間かけたら一緒じゃねえか」
『その変わり、だ。もし君がこの橋を渡ってこっちに来るのなら、我々は逃げずにこの場で待ってやっても良い』
「なに?」
思いがけない提案に、由利は驚いた。
『ククク…悪い話じゃないだろう?』
確かに悪い話ではないが、保証がない。由利は必死に考えを巡らせたが、
『考えたって無駄だろ? ここで逃がしたら使命を全うできないんじゃないか?』
「……」
気に食わないが、確かに他に選択肢もない。
仕方なく、彼は覚悟を決めて、第一歩を踏み出そうとした。
『おっと、一つ言い忘れた。橋には直接触れないように注意した方が良い。電流が流れてるからな』
「そうかい」
予想はしていたので適当に聞き流して、最初の一歩を踏み出した。
踏み出して、

「!?」
地面の様子がおかしい事に気づく。
橋の上から見える地面にアスファルトが一切存在せず、一面が全て、泥沼になっていた。
「これは……」
驚く由利に福本が答える。
『ククク……あんまり神通力とか超能力とかは好きじゃないんだが、今回は使わせてもらったよ。
 これは抽象の泥沼。落ちたら二度と這い上がれぬ、心理を具現化した泥沼さ』
二度と這い上がれない。
その言葉を聞いて由利はゴクリと唾を飲み込んだ。
『さあ、頑張ってくれたまえ』
福本の言葉が、彼の耳には悪魔の声に聞こえた。

147 :作者の都合により名無しです:2007/09/12(水) 00:52:55 ID:jbInG1QkO
wktk

148 :作者の都合により名無しです:2007/09/13(木) 19:15:05 ID:TsHTpQ0+O
荒木の人にも期待保守

149 :作者の都合により名無しです:2007/09/15(土) 17:13:06 ID:JwSoc2lOO
保守

150 :(fly higher than) the stars:2007/09/16(日) 01:17:09 ID:QwUyJp+Q0
硬いものがぶつかる音、空気が震える音、そしてときの声が響く。
猫井と皆川が互いの全力を挙げて戦っているのだ。
猫井の蹴りが皆川を捕らえたかと見えたら、次の瞬間には皆川の拳が猫井の脳天を狙っている。
しかしそれも一瞬のこと、気付けば限界まで距離を詰め、互いに急所を狙う。
両者の力量はほぼ互角。決着がつくにはかなりの時間がかかるだろう。

しかし、どうにも奇妙なことに、皆川の動きにいつもの切れがない。
達人が目を凝らしても見えぬほど微小な違いだが、今回の猫井のような実力伯仲の相手には致命傷となりかねない。
皆川の動きを鈍らせるものは何か?痛みではない。戦う意味などというものでももちろんない。
荒木である。荒木が大川、いがらしの二人に勝てるかが不安なのだ。

無論、荒木とて相当の使い手だ。尋常の相手ならば苦もなく倒してしまえるだろう。
だが、あの二人は漫画界でも知られた強豪、CLAMPの一員。しかも二対一の形だ。
その上、議事堂に来る前の荒木の言葉が不安を煽る。

『さすがに、あんたはすげえな。そのスタンドを自在に切り替えられるわけだ。向かうところ敵なし、なんじゃないか?』
『いや、そううまくはいかなくてね。スタンドの切り替えには、ひどく時間がかかる。だいたい一分ぐらいはたっぷりね。』
『一分…か。確かに、戦闘中、状況に合わせて切り替えるには長い時間だ。』
『ああ。だから今回はこいつ(キャッチ・ザ・レインボー)でやるしかないね。』
『? 何でだ?今のうちにやつらと戦う時に有利なスタンドに変えときゃいいじゃねえか。』
『……皆川君、君ならわかってくれるだろう?そんな野暮なことをいうもんじゃないよ。』
『野暮…か。確かに、それもそうだな。』

あの時は荒木の雰囲気に飲まれて納得してしまったが、今考えると狂気の沙汰としか思えない。
如何に鬼才、荒木飛呂彦といえど、あのようなひどく効果が限定されたスタンドでCLAMPを二人も相手にできるのだろうか?
荒木が大川といがらしに勝つのは、御神苗優がロードス島の青銅巨人と正面から殴り合って勝つのと同程度に難しく思える。
そこまで考えたとき、皆川はようやく自分が鈍い痛みとともに空中にいることに気付いた。
直後、壁に叩きつけられる。無意識のうちに受身を取っていたものの、やはりダメージは大きい。
そこに至ってようやく、自分に何が起こったのか皆川にも理解できた。
猫井の蹴りをまともに受け、議事堂の入り口近くまで吹き飛んだのだ。

151 :(fly higher than) the stars:2007/09/16(日) 01:18:27 ID:QwUyJp+Q0
「ちっ……俺としたことが、らしくねえな。」
そう呟きながら立ち上がった皆川の目から、ようやくかすかな濁りが消えた。
欠けたピースを嵌め込んだか、或いはバグフィクスが終了したのだ。
「人の心配をする前に、まずは自分のほうを何とかしないと……いけねえよな!!!」
叫び、上着を脱ぎ捨てる。
「まず、AMスーツに頼ってんのがそもそもの間違いだ!!」
放り投げたスーツがずしりと鈍い音を立てて地面にめり込んだ。

「確かに、その重そうな強化服を捨てて身軽になったみたいだけど……」
いつの間にやら皆川から1メートルと離れていないところまで近付いていた猫井が呟く。
「ああ……わりいな、待たせちまって。
もういいぜ。…で、『だけど』なんだ?」
「だけど、それは同時に攻撃力も、そして防御力も落ちたということじゃない?
もう一回さっきみたいなのを喰らったら、それで終わり。違うかしら?」
まさにその通り。実際、あの蹴りを受けて皆川が立ち上がり、今また戦おうとできるのもAMスーツの力によるところが大きい。
だが、
「あんたらは確かにすげえ。よく考えるもんだと感心するよ。背景世界、魔法だのなんだのの原理、それに漫画の売りかたまでな。
でも……そんなあんたらにゃあ、俺は理解できねえだろうよ。」
皆川の根底にあるのは、人間賛歌、そして希望と可能性への惜しみない賛美。
悲劇と耽美を縦糸、読者受けを横糸として物語を織り上げるCLAMPにとって、
最もとは言わないまでも、相当に理解しがたい感覚だろう。

「そう?それじゃあいいわ。わかるまで話を聞くより、あなたを立ち上がれなくするほうが話が早そうだし。」
猫井が再び構える。その姿を形容するならば、まさに獲物に飛びかかろうとするライオン、といったところだろうか。
「だな。……結局最後は殴りあう羽目になっちまう。いやなもんだ。
でもよ、その先に光が見える限り、俺は止まらねえ!!!」
皆川も構える。こちらはさしずめ、古代ローマの拳闘士といった風情か。

雨は降り続く。人間達のちっぽけな戦いなど意に介さずに。

152 :作者の都合により名無しです:2007/09/16(日) 05:12:31 ID:ILF/7t9A0
スタンドを切り替えるのに一分かかるって設定はいいね
前作だとあまりにも万能すぎたからな荒木は

153 :作者の都合により名無しです:2007/09/16(日) 07:40:29 ID:NCAjmFPCO
考えてみたら、荒木も最前線から退いた身なんだよな
なんか悲しいな

154 :作者の都合により名無しです:2007/09/16(日) 09:52:30 ID:Yth2xBZA0
最前線というのを週刊少年誌とするなら、そうなるな
ただ個人的には荒木の漫画力は今なお進化し続けてると思うけど

155 :作者の都合により名無しです:2007/09/17(月) 10:33:34 ID:YB/dPwr20
秋田書店の一角では青山広美と山根和俊が相変わらず小学館対策に頭を悩ましている。
自棄を起こしたくなる程すべてが上手く行かないその時、不意に青山の非常用直通電話が鳴った。

「おう、ワイや。」
「大変だ青山先生!板垣恵介が集英社付近で謎のルチャドールと交戦開始したらしい!」
「な、なんやてええええええ〜〜〜ッ!?」

某ゴラク作品で主人公に一杯食わされた悪徳不動産屋のような面構えで青山が大声を上げる。

青ざめた下品な顔に脂汗を浮かべて青山が電話で報告を受けている傍らで山根は首を傾げていた。
(変だな。板垣と車田が集英社に襲撃をかけてからそれなりの時間は経過している。
 あの二人ならばそれだけの時間があれば十分逃げられるはずなのだが…)


その頃、板垣恵介は謎のルチャドールの蹴りをマトモに食らって宙を浮いていた。
全身のバネを利かせた好敵手の凄まじい蹴りの威力を反芻しながら獣のような笑みを浮かべていた。

「 ダ イ ブ 」

謎のルチャドールがボソリと呟いた。

登場人数:33(32+1)
退場人数:0
現在の人数:33/60

156 :作者の都合により名無しです:2007/09/17(月) 10:50:11 ID:d/deYbKy0
まさかヨクサルか!?

157 :作者の都合により名無しです:2007/09/17(月) 23:12:20 ID:YB/dPwr20
「エエか!オドレは今から何とかして板垣とルチャ野郎の様子を逐一録画してコッチに送るんや!
 せや!奴等には絶対に気取られるな!ほな一旦切るで!」
青山が電話を切り頭を抱える。ただでさえ小学館対策で大変なこの時期に余計なゴタゴタを
 寄りによって元同僚に集英社付近で起こされた事が恨めしくてならなかった。

「いくら板垣が何らかの理由で離脱にもたついたとはいえ、他社の増援が到達するにはまだ少し早い。
 恐らくそのルチャ男は集英社の人間。しかもあの板垣に正面から格闘戦を挑むとなると相当の強物。
 いくら板垣と言えども他社からの援軍が到達する前に短時間でそいつを片付けるのは至難の業だ。
 あの暴力馬鹿と配下のゲリラ連中にもまだ使い道はある…秘密裏にでも誰か送った方が良くないか、青山先生?」
濃い目のコーヒーをさりげなく出しながら山根が尋ねる。

それに対して不味そうにコーヒーを一気に飲み干した青山が仏頂面で答える。
「オドレはまだあのアホの事をよく知らないからンな事言えるんや。離脱にもたつく?援軍?アホぬかせ!
 いいかクソガキ!恐らくアイツが中途半端に離脱に遅れた理由ってのは…」

その時PCに動画が配信され始めた。薄ら暗い路地裏で獣臭を感じさせる男が一回り身体の小さいルチャドールの
淀みない蹴り技に一見サンドバックにされているように見える。ただ獣じみた男はその怒涛の攻撃に全く下がらない。
むしろ前に出ているくらいである。顔には野獣じみた笑みを浮かべ、時折人とは思えぬ咆哮を上げながら反撃を返す。
その姿は言わば群れから外れたカモシカを捕食しようとじりじりと追い詰める巨体の肉食獣といったところか。

「…まさか、行きがけの駄賃として集英社の誇る格闘漫画家と闘いたくなった、と言う事か?」
「と言うより喰いたくなりよったって所や。ワイが思うに集英社襲撃は車田がメインで板垣は後詰めの雑魚掃除や。
 あいつの性格からすると喰い足りん退屈な仕事やったろうからな。エフッ!エフッ!…全くあのアホが!」


その頃、数ダースの蹴りを全力で叩き込まれても倒れる素振りも見せない板垣に対して
謎のルチャドールには少し疲労と焦燥の色が見え始めていた。

「 相 変 わ ら ず か 。 怪 物 め 」

謎のルチャドールがボソリと呟いた

158 :作者の都合により名無しです:2007/09/19(水) 07:37:04 ID:lgyEMjsCO
板垣は前シリーズよりも本能丸だしの感じがするな
保守

159 :作者の都合により名無しです:2007/09/20(木) 21:51:08 ID:HKroqfqFO
保守

160 :集英社にて:2007/09/21(金) 17:27:46 ID:Fkog/iSG0
「くっ、遅かったか…」
襲撃された、集英社本社に3人の男がやって来た。
鳥山明、和月伸宏、富樫義弘。
いずれもジャンプの主力作家だ。

「と…鳥山先生…」
瓦礫の中、負傷して横たわる尾田が呟いた。

「尾田か!!よかった、生きてたか…」
「大変です。車田の奴が…」
「車田だと…!?」

尾田はこれまでの経緯を鳥山に説明した。





161 :集英社にて:2007/09/21(金) 17:38:59 ID:Fkog/iSG0
「ふっ、それはおもしろいな」
トランプを弄びながら、富樫がニヤつく。
「やられた、やり返すしかねーよな!!」
和月は壁に向かって二重の極みを放つ。

それを見ながら、岸本がため息を漏らす。
「本当に大した奴ですよ。車田先生は… 本当に勝てるかどうか…」
岸本は、一人胸を撫で下ろした。


162 :集英社にて:2007/09/21(金) 17:44:20 ID:Fkog/iSG0
登場人数:36(33+3)
退場人数:0
現在の人数:36/60

イメージ
鳥山→青年悟空
富樫→ヒソカ
和月→佐ノ助


163 :作者の都合により名無しです:2007/09/21(金) 17:48:10 ID:AZuThzJr0
ぎりぎりだった。

「大したモンだな」
岡田はそう言うと、手につかんだえばらを地面に叩き付けた。
「きゃ…がは!」
強い衝撃が肺を圧迫し、彼女は強く咳き込んだ。
衝撃は器官にもダメージを与えていたようで、地面に倒れたまま咳き込み続ける。

しかしそれだけだった。
彼女の体に、他に傷らしい傷が見当たらない。
「あの状態で、あの攻撃を全て防ぐとは…」
岡田の盾にされて多数の羽の脅威に晒されたえばら。
しかしその羽は一枚たりとも彼女の所まで到達せず、全て地面に落ちていた。多数の薔薇の花弁と共に。
向かってくる多数の羽を、えばらは全て薔薇の花弁の防御壁で防いだのだ。

地面に倒れたまま必死に呼吸を整えようとしているえばら。岡田はその姿を冷ややかに見つめていた。そして、
「フン」
岡田は鼻を鳴らすと、目の前のえばらを思いっきり蹴り上げた。
「!!!?」
落ち着きを取り戻す前に更なる攻撃を受けたえばらは、吹っ飛んでいる自分を認識出来なかった。
目を白黒させながら、現状に身を任せる。
彼女がようやく自分を取り戻したのは、千道に受け止められて、自分の名を三度目に呼ばれた時だった。
「…ばら、大丈夫!?」
「ん…うん」
やっと落ち着きを取り戻したえばらは、ようやくけり飛ばされた横っ腹に痛みを感じ始めた。
脇を抱えてその場にうずくまる。

164 :作者の都合により名無しです:2007/09/21(金) 17:50:58 ID:AZuThzJr0
「身動き取れない相手にこの仕打ち…ただの外道ね」
えばらを気遣いながら、岡田に言葉を吐き捨てる千道。
岡田は特に反論しない。めんどくさそうに聞き流している。
「それにしてもなんなの…あの強さ。あれじゃあまるで…」
「多分…あの聖衣が…けほ、原因…けほ」
「聖衣?」
聖衣――クロス。岡田や車田が着ていた黄金の鎧の事だ。
「近づいた時…あれ…けほ、あれから別の人間の…力を感じたのだわ」
「まさか…」
千道の言葉に、えばらはうなづいた。
「車田正美…岡田はあの聖衣から、車田の力を得ているのだわ」

岡田や由利のような車田の部下は、車田から預かった物から力の恩赦を受けていた。
岡田は獅子の聖衣、そして由利は一本の木刀から。
その力に相まって元の力も加われば、並の漫画家では太刀打ち出来ない。
そうとな恩恵と言っても過言ではないのだが、
『風魔』、由利聡は、その力の恩恵が無意味な状態に置かれていた。

「…………!」
一歩、また一歩。すり足で細い柱の上を渡っていく。
四分の一ほど歩いただろうか。大分進んだはずなのだが、彼にはまったく進んでいないように感じられた。
(なんでこんなことをしているんだ俺は…!)
自問するが、答えは渡る前に出尽くしている。任務を全うするには、とにかく進むしかない。
自分を納得させて、また少し前進していく。

その一方対岸のえなりは、ハラハラしながらそれを見ていた。
「どうしたえなり君。冷や汗が出てるぞ」
「いやその…なんか見てるだけなのに緊張しちゃって」
「クク…楽しんでるみたいだな」
「楽しむなんてそんな…ヒヤヒヤするだけですよ」
「それを楽しむ、と言うのさ」
福本の言葉の意味がよくわからず、えなりはただ首を傾げるだけだった。

165 :何故に:2007/09/21(金) 21:42:55 ID:+s2/QC5KO
スクエニまで少しの道程となった所で、福地は車の中で少々やさぐれていた。
「なにもさー、鳥山先生達からの連絡があったからっていきなり行かなくてもいいじゃないッスか。
そりゃ冨樫先生の性格は分かってたッスよ。己の快楽優先で他人は気にも懸けないし。
この前の戦闘だってやったの殆ど俺で、先生は後ろでカレー食べてたし……俺、先の戦争じゃ後方支援専門だったのに」
集英社に行ってくると言って、冨樫はGIのカードで文字通り飛んでいってしまったのだ。目的地までもうすぐと言えど、秋田書店の件もあり福地はかなり心細かった。
愚痴は幾ら挙げてもきりがない。そう思い始めていた時に、目の前にスクエニのビルが見えてきた。
「やっと着いた。長かったよ此処まで」
「結構苦労してたのね」
「判りますか。あの人と一緒だと精神的に疲れるッスよ」
「私も昔は矢吹様の秘書やってたのに、何処で人生狂っちゃったんだろ……」
アスファルトに昨夜の雨がつくった水溜まりが輝いている。二人は溜め息をつきながら車を降りた。
と、福地の脚に違和感が生じる。何かと見てみると、


影から出た腕が、彼の脚を掴んでいた。


不意を突かれ対応が遅れた間に、残りの部分が現れて来る。
その姿を見た彼は、驚愕の色しか表せなかった。
「あっあんたは……」
その人物はわざとらしく紳士のように礼をした。
「はじめまして、赤松という者です」


166 :何故に:2007/09/21(金) 21:44:57 ID:+s2/QC5KO
「赤松……だって……」
マガジンの漫画家、赤松健。どう考えても敵にしかなりえない人物が目の前にいる。
福地は自分でも知らぬ間に“手ぬぐいを鉄に変える能力”によって作り上げたこん棒を握り締めていた。
だが、赤松は手で止めるよう示す。
「今回は戦いに来たのではありません。貴方にお話したい事があるのです」
「まさか捕虜を引き渡せとか言うんスか?」
「いいえ。上の決定で、東さんにはクビになっていただきました」
後ろの方で絶望の呟きとともに倒れこんだ気がしたが、今はそれどころではない。
「近くのデパートで、えなり少年とPEACH-PITが何者と戦っているみたいですよ」
「なっ、何故それを……」
福地は冨樫からその三人について少なからず聞いていた。もちろん彼らがこの闘いにおいて重要だということもわかっている。
だからこそ分からない。この男がそれを告げる意味が。
(引っ掛けか!? 向かおうとしたところを攻撃する気なのか!? せめて触れられればメールで確認できるが……)
「あんたがそんなことを言うのに、一体なんの意味があるんスか!」
「福地さん、貴方もこの争いに重要な一人なんですよ。CLAMP達の予言によればですがね」
そんな言葉を残して、赤松は消え去った。水を媒介にした転位魔法だ。


167 :何故に:2007/09/21(金) 21:48:11 ID:+s2/QC5KO
その場に二人だけになるやいなや、福地は踵をかえして何処かへ行こうとする。
「……たしがクビ、私がクビ、私が、て何処行くの!?」
突然のリストラに意気消沈していた東が我に返って問い掛ける。
「予定変更ッス。今から助太刀に行くんスよ」
「今からって、いくら近いって言ったって、直ぐ行ける距離じゃないはずよ!?」
「だからこそ、こいつを使うんスよ。俺は後方支援専門だったんスよ。建設、保管、運搬は完璧ッス」
何処からともなく取り出したのはヘリコプターの玩具。福地はそれで遊ぶような動作をしたあと、能力の一つを発動した。
「“オブジェ(模型)”を“実物”に変える能力!!」
閃光と共に現れたのは本物のヘリコプターだった。見るとさっきまであった車が今度は模型に戻っていた。
二人はヘリで向かう。えなりとPEACH-PITを救う為に。


登場人数:37(36+1)
退場人数:0
現在の人数:37/60

今更ながらそれぞれのイメージ
福地:『うえきの法則』の佐野
東:『EREMENTAR GERAD』のシスカ
赤松:『魔法先生ネギま!』のナギ(ローブは黒)

168 :何故に:2007/09/21(金) 21:50:44 ID:+s2/QC5KO
勝手ながら、都合で暫く書けそうにない
他の書き手さんには申し訳ない

169 :作者の都合により名無しです:2007/09/22(土) 01:36:19 ID:obmreQ+E0
多分、登場人物は36人だな。



170 :まとめ:2007/09/22(土) 02:17:55 ID:tJzZh4qD0
「状況報告。CLAMPと集英社の皆川、荒木が国会議事堂付近での交戦の形跡を確認した。」
「報告!報告!RED部隊『エピソードG』岡田がPEACH-PITと、『風魔』由利が福本、えなりと交戦開始!」
「大変だ!!小学館幹部の高橋留美子&椎名高志があの藤田和日郎と交戦開始との情報が入った!」
「こちら偵察部隊。赤松健の瞬間移動らしき形跡を発見。これより情報収集へ移行する。」

ここは秋田書店の一角。先程から各地での状況報告の為に青山の非常用直通電話が鳴リ続けている。
「ケッ!どいつもこいつも顔付き合わせれば戦争おっ始めよって!」
不細工な顔をいよいよ不細工にして青山がボヤく。
秋田書店が大敗してから数年の間、寝る間も無く働いてやっと事態が落ち着いてきた所にこの事態である。
彼の有休取って金髪巨乳の極上ねーちゃん達を侍らせて夜通し馬鹿騒ぎな夢はまだ当分叶いそうにない。

そうこうしている内にまた電話が鳴る。
「報告!集英社前にて現ジャンプ軍団と鳥山明、和月伸宏、富樫義弘が合流!」
「報告!岡田、由利とPEACH-PIT、福本、えなりが交戦中のビルに謎のヘリが接近しているとの情報を入手!」

「だああ〜!いい加減にせェよオドレら!…おい、クソガキ!」
「落ち着けよ青山先生。今までの情報は僕が纏めておいたよ。」
にこやかな笑みを浮かべながら山根が眠気覚ましのタブレットを添えて資料を差し出した。

「…そうか、それなら早く説明せぇ。」
資料を受け取った時の青山の頬が心なしか赤いような気がする。この胸をドキドキさせる魔法使いめ。

171 :まとめ:2007/09/22(土) 02:43:47 ID:tJzZh4qD0
「今までの状況をかいつまんで説明すると…」

・えなり 借金地獄。福本に唆されて勝負師伝説哲也の2人と麻雀打ってたら車田の襲撃を受ける。
      間一髪福本と共に逃げるも由利の追撃を受けて現在交戦中。援軍らしきヘリが向かっている。

・集英社 交渉相手のPEACH-PITをCLAMPに拉致されたのでUJ一味がCLAMPを急襲して交戦状態。
      一方本社は車田に襲撃を受けて現ジャンプ軍団は重傷負うも鳥山、和月、富樫が合流。

・講談社 何か凄い力を手に入れる為に武内直子とPEACH-PITを拉致したらUJ一味が攻めてきた。
      福本と赤松が暗躍中。哲也の2人はここの所属かどうかは不明。

・秋田書店 以前小学館との戦争で大敗。水島と浜岡封印。山賢や板垣等の一部勢力ゲリラ化。本社自体は存続。
        小学館の襲撃で山賢&サトケン瀕死。板垣の指図で車田が集英社に襲撃後えなりを急襲する。
        その事で小学館で近日尋問を受ける予定。現在岡田がPEACH-PITと、由利が福本、えなりと交戦中。

・小学館 秋田書店のゲリラ化した一部勢力の掃討中。山賢&サトケンに暴行。
       そして原因不明だが高橋留美子&椎名高志が藤田和日郎と交戦開始。

登場人数:37
退場人数:0
現在の人数:37/60

「…って所だ。」
「上出来や、クソガキ。」
青山の背後で何か好感度が上がるっぽいメロディがピロリラリン♪と鳴った気がするが今はキニシナイ。

「で、あのアホの状況はどうなっとる?」
「あの暴力馬鹿はまだルチャ男と戦っているが鳥山、和月、富樫が合流した地点と奴が今いる路地裏は
 かなり離れている。少なくとも今即座に3人の襲撃を受ける心配はないよ。」
それを聞いた青山がほっと胸をなでおろす。

172 :まとめ:2007/09/22(土) 03:18:08 ID:tJzZh4qD0
その時再び電話が鳴った。

「ヤバい!ヤバいぞ!板垣とルチャ男の交戦地点に最短距離で何者かが疾風の如く向かっている!」
「外見は!」
「漆黒の甲冑を身に纏って何か馬鹿デカい物背負っているのに矢鱈と動きが早い!化け物か!」
「!?」
「剣?いや、剣にしてはあまりにも大きすぎる!これ程大きく、ぶ厚く、重く、大雑把すぎる剣など!
 これはまるで…鉄塊!?こちら偵察部隊!もう少し距離を詰めて詳細を確認する!」

「待て!それ以上は!」
青山が叫ぶのとほぼ同時に巨大な何かが叩きつけられて全身の骨が砕ける音と
偵察者の断末魔が受話器から響いた。
「クソッ!」
青山が受話器を叩きつける。どうやら一難去ってまた一難、彼には胸をドキドキさせる暇もないらしい。


その頃、漆黒の甲冑男は板垣と謎のルチャ男が戦う路地裏を目指して常人の目にも留まらぬ速さで
何者かに導かれるように集英社近くの繁華街をひた走っていた。
「ヨクサル…!」

登場人数:38(37+1)
退場人数:0
現在の人数:38/60

173 :作者の都合により名無しです:2007/09/22(土) 03:19:39 ID:jv/s84sv0
勢力が個人個人じゃなくて出版社ごとに分かれてるのがわかりやすいな

174 :まとめ おまけ:2007/09/22(土) 03:40:55 ID:tJzZh4qD0
青山 「ところで、他の出版社に目立った動きは無いんか?」
山根 「今はね。ただそろそろ角川辺りが動くと思うんだ。」
青山 「ほお、何か理由でもあるんか?」

山根 「ああ、次は『真!機動戦士ガンダムSEED ASTRAY R 〜世界が燃え尽きる日〜』の予定だからね。」
戸田 (聞いて無ェぞそんな話。)

青山 「出来もせん事をホイホイ口に出すなや、このクソガキ。」
戸田 (そりゃそーか。)

175 :作者の都合により名無しです:2007/09/22(土) 10:07:49 ID:jesxXuh00
>真!機動戦士ガンダムSEED ASTRAY R 〜世界が燃え尽きる日〜

メッチャ読みてえw
ぶっちゃけ最近はアストレイも詰まらなくなってきてるからなあ…
OOも始まるし、種ももう本格的に終わりだね

176 :作者の都合により名無しです:2007/09/23(日) 23:21:37 ID:Ymyso9mdO
このスレも加速し始めたな
えなりは今度こそ主人公らしくなれるかどうか

177 :回想:2007/09/24(月) 12:05:11 ID:jNU+tEcQ0
鳥山達が、尾田、岸本と合流した時には、他の連載作家達は見当たらなかった。
(まさか、もう…)
鳥山は、そう思った。

「あのー、許斐先生は見ませんでしたか?」
ふいに、岸本が口を開いた。
「許斐… あー、あのテニスの王子様の…?」
「ええ、車田の襲撃を受けた時、一人だけ最後まで闘い抜いたんです…
 だけど、チィ… 不運なことに…」
最も、岸本は、その時気を失っていたので、正確なことはよく覚えていなかった。

刻は数時間前…

車田襲撃の時刻に遡る。

178 :回想:2007/09/24(月) 12:06:34 ID:jNU+tEcQ0
「ふははははは!!!!こんなものか!!!!」
車田は、岸本たちを見下しながら、笑い叫ぶ。
車田の一方的な攻撃に岸本達は追い詰められていた。

―その時―
「まだまだだね」
一人だけ無傷のテニスプレイヤーがそこに立っていた。
許斐剛、ジャンプきってのCOOLなスポーツ漫画家だ。

「ふん、まだ生き残りがいたか…だが所詮、ただのスポーツ漫画家。
 この俺に盾突くなど、100年早いわ
 喰らえェィィ!!! ペ ガ サ ス 流 星 拳!!!」
車田の光速の拳が許斐に襲い掛かる。
しかし…

「動 く こ と 雷 帝 の ご と し!!」

許斐は一瞬で車田の背後に現れる。

「何ィィーーーゴブっ!!!」
さらに、雷を纏ったテニスボールが車田の顔面に直撃した。
「ぐおぉぉぉッ!!!」
車田は陽光を背に遠くまで吹っ飛ばされる。

(ば、馬鹿な…俺と同じ光速の動きだと…これがスポーツ漫画家の力なのか…)

179 :回想:2007/09/24(月) 12:08:33 ID:jNU+tEcQ0
そして、トドメをさそうと、車田に近づく許斐。
勝負が決しようとしたその時…

ズドドォォーーン


突然、天井のシャンデリアが落下してきた。

!!
許斐はそれに反応しきれず、後頭部にシャンデリアが直撃した。


登場人数:39(38+1)
退場人数:1
現在の人数:38/60



180 :まとめ おまけの続き@:2007/09/24(月) 22:08:05 ID:VvttAQ/Y0
来るべき近未来ッ!人類は未曾有の戦乱の時代を迎えていた!!
その戦乱の中恐怖と畏敬の念を込めて語られる一体のロボットがあった。
その名は――――――


「…って感じで始まるんじゃないかと思うんだがどうかな、先生。」
「黙れクソガキ。」
秋田書店の一角で青山と山根の2人がこんな感じの馬鹿話をしている間も板垣と謎のルチャ男、
いや元白泉社、現集英社所属の格闘漫画家、「エアマスター」柴田ヨクサルの戦いは続いていた。

反撃の暇を与える事無く、ヨクサルの蹴りが立て続けに板垣に襲い掛かる。

頭部。
顔面。
胸。
腹。
背。
鎖骨。
肝臓。
そして心臓。

フェイントもコンビネーションも無い、一発一発に一撃必倒の気迫を篭めた蹴りである。

小手先の技術は不要。
もし一撃をガードするのならそのガードごと叩き潰せばいい。
もし一撃を避けられたなら次の一撃を全力で叩き込んで倒せば良い。

我流の喧嘩から始まって空手、柔術、拳闘、レスリング、総合、合気道、忍術、中国武術ほか
様々な武術をマスターした格闘漫画家の彼があえて上記の原始的な格闘術に立ち返ったのは
数年前に板垣と闘い、にべもなく叩き伏せられた苦い経験の為であった。

181 :まとめ おまけの続き@:2007/09/26(水) 15:36:53 ID:n/v/+6qh0
数年前にヨクサルが初めて立ち会った時の板垣はまさに獣だった。

相手が間合いに入るや否や恐るべき豪腕で凄まじく速い打撃を繰り出し叩き潰す。
「オーガ」と称され恐れられる板垣の格闘術は、その実シンプルな打撃技。

確かに打撃は恐ろしく速く強く、直撃すれば俺も只では済むまい。
だが速く強い、ただそれだけの獣の如く単純な打撃だ。

フェイントも連携も無い単純な打撃など、格闘家に何発出そうが当たらない。
そしていかなる打撃も当たらなければ、どうという事は無い。
所詮は獣、俺の技量なら十分に御し得る―――――
そう自惚れていた。

甘かった。

ヨクサルがいつもの様に軽くステップを踏み、跳ねる様に牽制の前蹴りを出そうとしたその瞬間に
既に板垣は倍以上大きく踏み込んでおり、蹴り足を伸ばす前に顔面を右拳で打ち抜かれていた。
その一撃でヨクサルの意識は完全に頭から弾き出されていた。

三浦健太郎の咆哮で意識が戻る。どうやら板垣が完全に自分に背を向けて三浦と闘っているらしい。
俺が顔面を打ち抜かれた直後に真っ先にあいつが板垣に背後から突っかけたという事か。

待て、三浦。
奴の相手は俺だ。
奴との勝負はまだこれからなんだ。
待て、板垣。
板垣―――

板垣の一撃が完全に全身に効いていたヨクサルは身動きする事もできずに、三浦達と板垣の
引き起こす喧騒を耳にしながら、目にうっすらと涙を浮かべて独りただ空を見上げていた。

182 :作者の都合により名無しです:2007/09/27(木) 23:29:55 ID:r2CnAB40O
保守

183 :作者の都合により名無しです:2007/09/28(金) 20:52:53 ID:N/IS1bX0O
えなりが来るには……ageるしかねぇのかッ

184 :作者の都合により名無しです:2007/10/01(月) 00:50:44 ID:+PXWEoCQO
皆、このスレを忘れちまったのかな……
時期を改めて立て直そうかな……
OTL

185 :作者の都合により名無しです:2007/10/01(月) 01:45:14 ID:jtQ5RyYd0
まあ焦るな。週数本のペースはSSスレとしちゃ悪くない。


どうしても、というなら自ら投下しちゃえ。

186 :ローゼンとやらを知らずに書いてる誰かヘルプ:2007/10/01(月) 05:30:39 ID:SaY905Ym0
「他人の力であんな自信たっぷりなのね…あいつ」
千道が憎々しげにつぶやく。
「それに関してはあたし達も人の事言えないような気もするのだわ」
えばらがすかさずツッコミを入れるが、千道は棚に上げて答えた。
「あたし達はそういう能力なんだからしかたないでしょう?」
彼女達はミーディアムと呼ぶ人間から力を得ている。そして彼女達にとってのミーディアムは、言うまでもなくえなりである。
「そんなことよりも、今後の対策をしましょう。
 あの鎧から力を得ていると言う事は、つまりあの鎧をなんとかすれば、あいつに勝てるっていうわけね」
「あんまり思い込まない方がいいのだわ…鎧から力の流れを受けているのは感じたけど、どこまでが本人の力なのかは…」
得ている力は微々たるもので、ほとんど全てが本人の力である可能性もあった。
「試せば、分かる事よ」
「それはそうだけど…それが出来たら苦労はしないのだわ」
「それはそうねぇ…」
本気で困った二人は、その場で考え込んでしまった。
しかしそんな時間があるはずもなく、

「なにぶつくさ言ってやがンだ。来ないんなら、さっさと終わらせるぞ」
指の骨を鳴らしながら、岡田がゆっくりと近づいて来た。
あわてて警戒態勢をとる二人。しかし、攻も守も圧倒的に差がある現状では、警戒したところでどうしようもない。
(どうしたものかしらね…せめてあの二人もいればなんとかなったかしら)
しかしいない人間の事を考えても仕方がない。
(なんとかするしかないわね)
覚悟を決めて、彼女は打開の為の最初の一手を打って出た。

187 :作者の都合により名無しです:2007/10/01(月) 05:34:22 ID:SaY905Ym0
「?」
岡田が不思議そうに眉をひそめた。
千道が放った黒い羽が、彼にまで届かずに地面に突き刺さったのだ。それも一度だけでなく二度三度と。
えばらも薔薇の花弁を地面に向かって放っている。
その意図が見えない岡田の目には無駄な行動にしか映らない。
「なんのつも――」
言いかけて、とっさに理解出来た。とても単純な戦略。
しかしもう遅かった。

「!」
岡田の足下が崩れ去った。
足場の状態を悪くして相手を不利に導く。基本中の基本だ。
対処が間に合わなかった岡田はバランスを崩して下の階へと落ちていった。
「ち、こんな小細工!」
「まだ小細工は続くわよ」
千道が続けて攻撃を放った。今度は岡田本人へと向かって。
それを防ぐ為に岡田は落下したままとっさに光速拳を放つが、体勢が悪く、数発を為損じてしまった。
「ぐ…だがこんな程度……!」
数発程度ならなんら支障はない。

はずだったのだが


188 :作者の都合により名無しです:2007/10/01(月) 05:35:57 ID:SaY905Ym0
「なに!?」
岡田はすぐに気がついた。自分の動きが鈍くなっている事を。
光速拳もスピードが落ち、千道の攻撃を防げなくなりつつあった。
岡田を追って千道とえばらの二人も下の階へと降りて来た。
その二人を睨みながら岡田が問いを投げかけた。
「なにをしやがった…」
「フフフ、ご自慢の黄金聖衣を見てみたら?」
言われるままに自分の聖衣に視線を下ろす。

思わず口から声が出た。
「……なんだこりゃ?」
黄金の聖衣に、何枚もの黒い羽が張り付いていた。
その纏わりついた黒い羽が岡田の動きを封じたのだ。
「フゥ、とっさにしては悪くない作戦ね」
えばらが安堵のため息をつきながら言った。
なんの合図もなかったが、彼女は千道の行動をすぐに理解してそれに続いたのだ。
「やろうと思えば、なんとかなるものね」
千道は地面に落ちた羽を一枚拾い上げて、その先を岡田へと向けた。
「さあ、今まで好き放題やってくれたお礼を、どうやって返してあげようかしら」
クスクスと怪しい微笑みを浮かべて、千道は楽しそうにつぶやいた。

189 :死後第2節:2007/10/01(月) 20:26:59 ID:EabcCRhq0
前回のあらすじ
犬に食われてたサトケンが目を覚ましたらそこはやたら電柱が立ち並ぶ生と死の間だった。
あとちょっと動くだけでパンチラ放題なメイド服姿になっていた。

光原(熟女)、吉富(少女)、ヨースケ先生(紳士)から話を聞いて分かった事は

・生と死の世界は非可逆的でかつ完全に断絶しているらしい。
・ツレビトは生と死の間にいて死者が来たら手を引き死の世界の門へ連れて行く存在。
・ツレビトでいる間はここ、生と死の間に留まり生の世界を眺める事はできる。
・死人が生と死の間に長い間留まっているとバケビトと呼ばれる自分が何者かも忘れた
 生と死の間を彷徨うだけの存在になってしまう。
・もしツレビトになっても一定期間死者を連れて行かなければバケビトになってしまう。

どうしても生の世界に未練があるのならツレビトになれ、とヨースケ先生は言ってくれた。
…正直そのまま死んでもツレビトになっても碌な事にならないのは気のせいか。

と、その時また目の前の風景が大きく変化した。今回はごく普通の寄宿舎の一室らしい。
隅のベットの傍ではつるぺたロリでピンク色の長髪が特徴的な女の子が全身包帯グルグル巻きの
目付きがヤバいモミアゲ男にツンデレな台詞と何らかの呪文を口にしながら接吻しようとしている。

「これは‥‥」
「今からここで人が死ぬ‥‥大勢‥‥」
「‥‥っていうか逃げてそこの女の子!」

遅かった。彼女の唇が男に触れる前に、男は彼女の細い体に手加減無しのボディーブローを叩き込む。
その勢いで床に倒れこみ激痛に悶える彼女を尻目に、男は仰々しい怪物が描かれたカードを差し出す。
「デス・レックス!」ヤバい目付きを更にヤバくして男が叫ぶと、カードから2本の骸骨の腕が伸びる。
その2本の骸骨の腕は男の胸に深々と突き刺さり、男の胸を出血も無く大きくムリムリと抉じ開ける。
その抉じ開けられた胸からは竜を思わせる程に大きな口が飛び出し、彼女を一息に喰らってしまった。

「やはり青い果実は丸ごとに限るな」
                                                            つづく

190 :作者の都合により名無しです:2007/10/01(月) 20:36:40 ID:EabcCRhq0
登場人数:37(38▲1)
退場人数:1
現在の人数:37/60

ヤマグチノボルが摩擦0も下着を洗わせる事もツンデレする事もなく退場。

191 :作者の都合により名無しです:2007/10/01(月) 22:02:33 ID:NGN6yVjK0
なんという・・・
最近のゼロ魔SSブームに一石を投じるシュールさwww

192 :作者の都合により名無しです:2007/10/02(火) 00:27:32 ID:YGy9w6wlO
>>188
ネタバレと長文に耐える覚悟があるならば、ローゼンメイデンについて此処に載せてもいい?

193 :読みたくない人はすっ飛ばし推奨:2007/10/02(火) 14:35:10 ID:YGy9w6wlO
今後必要になりそうなので、ローゼンメイデンについて書いとく

ローゼンメイデンの基礎用語
ローザミスティカ:
ローゼンメイデン(以下ドール)の命であり魂。これを失うと只の人形になる

庭師の如雨露:
人の心に育つ『心の樹』を成長させる
過剰に栄養を与えて腐らせ、人の心の成長を妨げ悲しい記憶に縛り付けることもできる

庭師の鋏:
『心の樹』の成長を妨げる雑草(トラウマなど)を取り除く
心の樹の必要な枝を切り落とし、その人の心にしまわれた大切な記憶を奪うこともできる
薔薇の指輪:
媒介がドールと契約を交わした際に付けられる指輪
ドールに力を供給し、ドールが力を使うと指輪が光り熱さを伴う
ドールが力を使う際に媒介は体力を失い、疲労や気だるさといった形で現れる
大きな力を使うほど媒介の消耗は大きく、力を使いすぎると媒介は指輪に取り込まれて消滅する
契約が解かれるか契約したドールが敗れるまで消えず、契約中の媒介は自由に外すことが出来ない。無理に外すと肉が剥がれる

人工精霊:
ドールを援護する、光り輝き浮遊する物体(壁は通り抜けられない)
戦闘の援護や回復等の役目を持つ
ドールとは意志の疎通が出来、単独行動も可能である

鞄:
眠る時に入るトランクケース
高級そうな作りで、革張りの表面に金色の薔薇の彫金が施されている



194 :読みたくない人はすっ飛ばし推奨:2007/10/02(火) 14:37:18 ID:YGy9w6wlO
nのフィールド:
現実世界と表裏一体をなす空間
無数の『誰かの精神の世界』で構成され、扉がそれを繋いでいる
透明な光を反射する所や、人工精霊のスィドリームやレンピカの力で夢の中から入る
人間が脱出が出来ない場合はその間は昏睡状態に陥り、脱出不可能な状態が永続することになれば現実世界では『死亡』とほぼ等しい状態となる
自分の持つイメージが曖昧だと、自分の具体的な姿を表す事も出来ず、声を聞く事や物を見る事すら出来ない

夢の世界
nのフィールドの一部
翠星石と蒼星石は近くにいる睡眠か失神状態の人間の夢の扉を強制的に開き、直接入ることができる

心の樹
その人自身が夢の世界のどこかに持つ樹
樹はその人の心の状態を表している



195 :読みたくない人はすっ飛ばし推奨:2007/10/02(火) 14:39:08 ID:YGy9w6wlO
ドールの戦闘法

水銀燈
・羽根を弾丸の様に飛ばして相手を切り裂く
・ダーツの様に狙った場所を突く
・羽根を対象に纏わりつかせて動きを封じる
・翼で身を覆い防御する
・翼を龍に変貌させる
・翼や羽根を青い炎に変えて燃やす
・羽根を集めて剣を召喚する
・契約よりは効率が悪いが、誰からでも力を奪える

金糸雀
・バイオリンを使った音波攻撃や風の様なものを巻き起こす(曲名の違いは『必殺技辞典』に詳しく載っている)
・弦の強度は弱く、それを切られると技が使えなくなる(多少の損傷ならば人工精霊のピチカートにより修復が可能)

翠星石
・夢の世界に生えている『世界樹(精神世界に生える巨大木)』の一部分や心の樹の枝、現実世界の植物を如雨露で操り、敵を束縛したり自身を防御する

蒼星石
・大柄な庭師の鋏(鋏は普通に使って戦う)を使用した大振りな接近格闘

真紅
・ステッキを用いた接近戦と薔薇の花弁による遠距離攻撃や防御壁
・「薔薇の尾(ローズテイル)」(自動追尾攻撃)という技を使用
・肉弾戦に持ち込むことも多い

雛苺
・苺轍(苺の実がついたツル)を操る能力で人一人を軽く持ち上げたり、一時的に相手を束縛する事が出来る


196 :作者の都合により名無しです:2007/10/03(水) 02:43:32 ID:MyF8ssuy0
出来れば漫画版の能力限定で…
さらに出来れば実物見た事ない俺が変な事を書く前に誰か乱入を

197 :作者の都合により名無しです:2007/10/03(水) 16:59:11 ID:FESB6yk4O
漫喫やブクオフ等で斜め読み程度でもいいから目を通しておけばいいんじゃね

198 :ゼロの山賢A:2007/10/06(土) 08:08:58 ID:1cjUdAQ70
前回のあらすじ
ヤマグチ:か、勘違いしないでよ!こんな事するのはあくまで契約のためなんだから!
ヤマケン:デス・レックス!
ヤマグチ:ギャー

獰猛な笑みを浮かべながら胸からズルリと出てきた巨大な口でヤマグチを咀嚼する山賢。
一噛み毎に傷は癒え、わずかに見える肌には張りとツヤが戻っていく。
ヤマグチを完全に喰い切った山賢が全身をグルグル捲きにしていた包帯を自ら引き剥がすと、
つい先程まで全身に満遍なく残っていた大小様々な傷がきれいさっぱり無くなっていた。
山賢の「相手を喰うと相手の能力吸収と同時に体力回復も出来る」能力のお陰である。

引き剥がした包帯を部屋の脇のゴミ箱に片付けながら山賢はこれからの事を考える。
あのロリの話によるとここはアライブとかいう学園物を手掛ける漫画家の多い場所で、
集英社&小学館のクソ野郎共とも、講談社のカス共とも、秋田の腰抜け連中とも少し距離を
置いた勢力らしい。なら上手くやればあの鬱陶しい小学館の追撃から一時的にでも身を隠せる。
前に俺をコケにした小学館の虎皮ビキニの偉そうなデカ乳年増女を苺って嬲って殺って犯って
喰ってやるのが遅れるのは気に入らないが今は体力回復を優先すべきか…

そんな事をつらつら考えていると部屋の外からカレーのいい匂いが漂ってきた。
この匂いは各種スパイスを効かせつつもお腹に優しい本格的なキーマカレーだ。
「カレーの王子様」の異名も持つ山賢、思わず部屋を出て匂いを辿り台所へ向かっていった。

少し歩いた所でばったりと漫画家らしき女と出くわした時も(主にカレーの為に)事を荒立てまいと
山賢にしては珍しく、比較的にこやかに挨拶を交わす。

「イヤ─────────ッッッ!!変態!!」

そりゃ目付きの悪いフルチン野郎(山賢)がいきなり目の前に現れたらそうなるか。
                                                        つづく


199 :明日の山賢 その1:2007/10/08(月) 03:24:07 ID:a3+nE78B0
前回のあらすじ
カレーの匂いに釣られて山賢がうっかり廊下に出たら偶然通りかかった女に裸を見られた。

「バカ!バカ!変態!」
女が激しく頭の大きな白リボンとデカ乳を揺らしながら木刀で思いっ切り引っ叩いてくる。
何らかの武術の覚えがあるらしく、一撃一撃がかなり鋭くて重い。ってかマジ痛い。
そりゃ昼間っから木刀携帯している女なら大体そんなキャラだな。袴も穿いてるし。

って余計な事を考えている場合じゃない。まずあの木刀をどうにかしないと
こちらが本気でKOされかねない。振り下ろしてくる木刀にタイミングを合わせて…

  ム ニ ュ 

「…………………………あ。」
「………どこ触ってるんですか。」
「………えー、その、これはその(ry」

「 こ の 変 態 ───────ッッッ!!」

その瞬間、山賢は女の横薙ぎの強烈な一撃で思いっ切り意識ごと吹っ飛ばされていた。

何だコレこんな馬鹿一なんざ今時あのサンデーのラブコメ漫画でも有り得ねェよド畜生犯すぞオイ
ってかラブコメは嫌いなんだよ俺は全くあ痛の小学館の虎皮ビキニ年増デカ乳痛ェぞオイ
と戦った時もよく考え痛ェんな展開でいきなりボコられた痛んじゃねェか許せねェあの年増
今度戦る時痛速攻で犯痛殺し痛た犯痛ェ──────!

壁に叩きつけられた衝撃で山賢が我に帰った。何かもう二人とも全身を震わせ、顔を真っ赤にして怒っている。
「もう我慢なりません!この変態!あなたのような変態は秋田書店月刊チャンピオン恋愛部門担当にして
 現アライブ恋愛部門臨時担当のこの私!みなもと悠が浮羽神風流の奥義で直々に性根を叩き直します!」
「うるせぇ!俺を誰だと思ってる!俺は秋田書店の山本賢治だ!」

「「…秋田書店!?」」                                                つづく

200 :作者の都合により名無しです:2007/10/08(月) 03:29:19 ID:a3+nE78B0
登場人数:38(37+1)
退場人数:1
現在の人数:38/60

みなもと悠 月刊チャンピオンでムチムチのぷりんぷりんのぼーんぼーんなエロコメ漫画を描いている人。
        アライブでも別名義で描いてたりした(単行本未収録)。代表作は「明日のよいち!」

201 :跪いて足をお嘗め:2007/10/13(土) 22:15:58 ID:JXbHNX7xO
講談社ビルの地下に一般人の知らない不可思議な一角がある。全体的に暗く、燭台が朧げに照らす中、台が一つあるだけの部屋だ。
その上には、一人の男が微動だせず横たわっている。当然だ。彼は既に息絶えているのだから。
そこに誰かが入ってきた。金の長い髪をした、黒いドレスを身に纏った女性だ。
彼女は台の近くに着くと、おもむろに指先の皮膚を静かに噛み切る。傷からは真っ赤な鮮血が滴り始めた。
「私の血で、蘇るがよい」
そう言いながら台に横たわる男−−安西信行の口元に血を垂らすのだった。

部屋から出た女性に、執事姿の男が近づく。
男は手に持った救急セットの中から包帯を取り出し、女性の手の噛み切られた部分に巻き付けた。
「今回は、他に死体はないのだな?」
「はい。姫様、テラスでえなり様がお待ちしております」
女性の問いに、男は恭しく応える。
「そうか。ご苦労だったな、畑」
女性−−光永康則は執事服の畑健二郎に礼を言いながらテラスへと続くエスカレーターに向かう。


登場人数:41(38+3)
退場人数:0
現在の人数:41/60

202 :作者の都合により名無しです:2007/10/13(土) 22:43:40 ID:jHpIbBSP0
怪物王女だっけ?
畑が小学館から離れてたり、えなりが待ってる発言等、謎だらけな展開だな

203 :作者の都合により名無しです:2007/10/13(土) 23:16:08 ID:JXbHNX7xO
いやさ……えなり姉のつもりだったんだがな……
分かりにくかったのは重々承知だが、名前が思い付かなくってさ
畑は久米田関連でいると考えてる

204 :作者の都合により名無しです:2007/10/14(日) 21:34:22 ID:NWfQzZJ10
「あつっ…!はぐぅうぅ〜〜〜ッ!」
熱いコーヒーをこぼした青山が素っ頓狂な声を上げる。

ここは秋田書店の一角。板垣と車田の集英社襲撃から続く一連の事件の為に
「バード」青山と「極上」山根の二人が長い事缶詰になっている狭い部屋である。
ここまでの長丁場になるとは二人とも思っていなかったので洋服の替えを
あまり備えておらずそろそろマズイなと思ってた矢先に青山がやってしまったのだ。

「……………」
「……?」
「青山先生……」
「……何やクソガキ」
「脱ごう。作業続行だ!」
「言われんでも脱ぐわこのボケ!」

コーヒーの染み付いたズボンを青山が脱ぎ捨てる。キュートなヒップがまぶしい。
プリプリと腹を立てながら青山が着替えを探すと、果たしてズボンの替えがない。
仕方なくパンツ一丁にYシャツをラフに羽織ったセクシーな姿で彼は机に戻った。

「…で、板垣の事はどうする先生。交戦中のルチャ男と先程情報があった甲冑男の二人を相手にして
 万が一の事態が起こるリスクを考えると、そろそろ誰か救援を送ってもいい頃だとは思うが。」
それまでのどこか飄々とした雰囲気から一転した凛とした様子で、山根が青山に話しかける。

「あのアホはそない二人程度に殺られるようなタマや無い。」
「なら?」
「だが、救援を送るってのは悪くない案や。」

「何故だ?」
首を傾げながら山根が尋ねる。
「そらな、あのアホと二人を殺った後に来る連中との相性が最悪やからだ。」

205 :作者の都合により名無しです:2007/10/15(月) 00:18:18 ID:D9PUUGcc0
「連中?」
「鳥山、冨樫、和月の3人や。いくら何でも2人相手に大暴れしていれば気づかれるやろ。」

「成程。で、最悪というと?」
「考えてもみぃ。板垣のアホは根っからの近接格闘タイプで、普通にブン殴りあえる相手なら
 余程の事がない限り簡単に殺られる事は無い。資料によるとルチャ男も甲冑男も基本的に
 近接戦闘タイプや。実力は中々あるようやけど、アイツの暴力なら普通に纏めて殺せる。
 やけどそれを察知して速攻で駆けつけるだろう鳥山、冨樫、和月の3人はかなりマズイ。
 3人とも本質は近接戦闘だけやなく、空中戦闘や遠距離攻撃も可能な万能型や。」

「万能型…」
「遠距離から超広範囲に攻撃可能な鳥山、高威力の設置型トラップを仕掛けられる和月も厄介やけど
 一番マズイのは冨樫や。あの変態は相手の斜め上を行きながら最も有効で確実な戦略を立てよる。
 猪突猛進の格闘バカの相手なんぞ、お手の物やろうな。教科書通りに何らかの手段で動きを止めて
 あいつの射程外、恐らく上空から体力を削って、トドメに3人の一点集中の全力攻撃で一巻の終わりや。」

「…………」
「まあ、一番問題なのはこのまんまだと板垣がルチャ男と甲冑男を縊り殺した上であっさり3人に殺されて、
 集英社の連中にまた秋田に攻め込ませる口実を無駄に与えてしまう事なんやけどな。」
「そうか。つまり誰かが板垣が2人を縊り殺して完全に逃亡するまで鳥山、冨樫、和月の3人を足止めするか
 若しくは板垣達が大暴れして、鳥山、冨樫、和月に気づかれる前に間に入って板垣を逃がせばいいのか。
 …前者は?」

「無理や。力押しで時間稼ぎ出来る連中やない。かといってあの冨樫相手に口先で時間稼ぎするのも
 今は無理や。施川や倉島がいれば何とかなったかもしれんがな。今、可能性があるのは後者だけやな。」
「…後者も中々難しいぞ。板垣と正面から板垣と殴り合える相手との戦いに割り込んで止めるんだからな。
 まさか先生や僕が今出て行く訳にも行かないだろう?」

2人共考え込んでしまう。現状の打開策が思いつかないまま、部屋の空気が煮詰まっていく。

206 :作者の都合により名無しです:2007/10/18(木) 22:27:09 ID:7UY50RhJO
戦い方は漫画家で様々ってとこか
満員になったら一回分類するのも面白そうだな
それよりさぁ、えなり姉の名前どうしよう?
何か案ある?

207 :作者の都合により名無しです:2007/10/19(金) 03:22:34 ID:Tc2ZgSVc0
ここは秋田書店の一角。重苦しい空気に耐えかねて、山根がふとPCの画面へ視線を移すと
そこでは板垣とルチャ男、いや柴田ヨクサルの激しい戦いが依然として続いていた。

妙だ。机上の資料によると数年前にヨクサルは板垣に立ち会いを申し込むも一撃で敗れている。
それが今は既に10分、いや12分程度は板垣相手に渡り合っている。いくら路地裏が空中殺法を
主力とするヨクサルにとって最も得意な環境とはいえ俄かには信じ難い状況である。

「…前言撤回やクソガキ。いくら板垣でも今のあのルチャ男はそう簡単には殺せん。」
青山がポツリと漏らす。どうやら彼も資料を遥かに上回る、ヨクサルの今の実力を認識したらしい。
「血の小便を流し尽くしてきた感じだな。確か集英社のどこぞへ移籍したらしいが?」
「ヤングジャンプさ。」

「ヤンジャン…」
山根の返事を聞いて青山が顔をしかめる。
「…ケッ!奴等も生きとったかッ!」
(…奴等?生きていた?)
「まあええ、それなら作戦変更や。」

                                                  つづく

208 :作者の都合により名無しです:2007/10/21(日) 17:48:04 ID:mZgxvMmt0
ヤンジャンで青山が厄介がる面子というと、甲斐谷や迫あたりか
特に甲斐谷はモデルが秋山程度だったらまだいいが、渡久地ベースだったら真剣にヤバいw

209 :明日の山賢 その2:2007/10/22(月) 15:07:04 ID:08rQrAxq0
前回のあらすじ ラブコメ展開

両者の口から出た「秋田書店」という言葉に山賢&みなもと悠の二人が少し落ち着きを取り戻す。
とはいえ同じ秋田在籍の漫画家でも週刊&REDの山賢と月刊のみなもとの間に面識もない上に、
先程まで木刀でブッ叩いていた人間と叩かれていた変態じゃ間に流れる空気が少し気まずい。

「……………………」
「……………………」
「……あの、山本さん?」
「あぁ?」
みなもとの問いかけに山賢が無愛想に答える。
「あの、その、まず何か着てくれませんか?そのままだとその、何と言うか目のやり場に…。」
言われてようやく山賢は自分が全裸だった事を思い出した。
といってもここに来るまで着ていた服は既に拷問と獣の襲撃のせいでボロボロになっている為、
仕方なくみなもとのチョイスで何か着る物を持って来てもらう事にした。

みなもとが服を持ってくるまでの間、山賢は脳内でこれまでの状況を整理する。
●小学館に拷問を受ける→山で獣に喰われる→いきなりここに連れて来られる→ミニスカ幼女ツンデレ
 →ついミニスカ幼女を喰う→カレーの匂いに釣られて全裸でま部屋を出たらみなもと悠に殴られる
…何なんだこの経過。どこから突っ込めばいいのか分からねぇ。どうすりゃいいんだこの状況。

そんな事をつらつら考えているとみなもとが戻ってきた。とりあえず彼女が持ってきたマントとカーゴパンツを
山賢が身に付ける。地肌にカーゴパンツは股間が地味に痛いがそこは我慢せざるを得ないところか。


そんなある意味ほのぼのした光景を光原、吉富、高橋葉介、サトケンの4人組が生と死の間で眺めていた。
ハンカチを噛み締めながら何かもう涙目なメイド服姿のサトケンを尻目に三人はじっとその光景を見据える。
と、その時彼らの背後に三人と同じ雰囲気の黒ずくめの人達がちらほら現れ始めた。

「もうすぐね。」
光原が物憂げそうに呟いた。
                                                             つづく

210 :二人の奇妙な着陸方法:2007/10/23(火) 09:11:52 ID:2HsxOQVO0
由利聡が2分の1を越えた現在も、えなりには己の中に渦巻く感情の正体がいまいち解らない。
気を紛らわせようと隣の福本に話しかける。
「もう半分越えちゃいましたよ。本当に此処まで辿り着いたらどうするんですか?」
「ククッ、まだ終わるまで解らんさ」
このまま続きそうにない。雑談は諦め、彼は空を見上げることにした。
「あれっ、何だろあのヘリ?」
えなりは、青空の中をデパートに向かってくるヘリコプターを見つけた。


「見えてきた。あれが例のデパートッスね」
福地は意気揚揚と目的地を確認している。対して東は、あまり乗り気ではないようだ。
「何で私まで付いてこなきゃならないのよ。そりゃ、さっきクビになったけどさ」
「えなり君はかつての戦いで活躍してるし、予言にも彼が必要だって出てるッスよ。
 それに東さんも彼と一緒に戦えば、力も最大限まで使えるはずッスよ」
「そうかもしれないけど……」
東はそう言いながら、帽子をずらして自らの額に手をのばす。そこには、普通なら存在しない
筈のものがあった。
――孔雀石の輝き――
彼女は人間ではない。他人と同契(リアクト)することで武器に変身する種族エディルレイドだ。
鉄を切る剣にも、仲間を護る盾にもなれる。
だが今迄は同契しようにも、矢吹を含め周りの漫画家達は自分の力だけで充分という雰囲気だった
ので活躍の場がなかった。更に同契は一度した相手以外とは絶対にできないため
慎重に選ぶ必要があったのだ。

211 :二人の奇妙な着陸方法:2007/10/23(火) 09:29:46 ID:2HsxOQVO0
突然、福地がヘリの進路を変えた。拍子に東は倒れそうになる。
「何で急に上昇すんのよ! 私に怪我させる気!」
「誰かが建物間で綱渡りしてたんスよ。このまま着陸すれば、風圧で確実に落としちゃうッス。
 こうなりゃ、緊急時用の着陸方法をとるしかないッス」
そう言いながら、おもむろにマントをはおり、掌からモップを取り出す。
「一体、何を……」
その次の瞬間を、彼女は一生忘れないかもしれない。なにせ、

「ヒャアァァァァァァァァァァッ!!」

ヘリが突然消失するなどまずないだろうから。

「“マント”を“翼”に変える能力&“モップ”に“摑(ガチ)”を加える能力!!」
あわや地面に真っ逆さまだった東をモップで捉えながら福地は飛行する。
そして二人は、えなりと福本の後方に着陸するのだった。

to be continued

212 :作者の都合により名無しです:2007/10/25(木) 18:28:38 ID:FqevHBPoO
前シリーズにおいて、何故えなりは影が薄かったのかを自分なりに考えてみたんだ
安西と比較してやっと分かった
えなりに足りなかった物、それは



ラブコメだ

213 :角川編プロローグ:2007/11/02(金) 21:29:26 ID:iiNOMCAx0
地球を遥か離れた宇宙の彼方、「神」を名乗る異形と人類の熾烈な戦いが、
まもなく、人類の完全敗北で幕を下ろそうとしていた。

漆黒の宇宙が遥か彼方まで黒く見えない程に集結した異形の集団を前に人類側の残存戦力は
旗艦の「木馬」以下ごく僅か。その状況下で今なお鉄仮面の男が部下に激しく指示を出している。

「被害報告!」
「報告!敵艦隊の攻撃の第4波でエクセリヲン級戦艦の40%及びアークグレン艦隊の60%が大破しました!」
「本艦『木馬』の出力55%まで低下!高度持ちません!」「第28ナデシコ艦隊が襲撃の第3波を受け消失!」
「補修活動急がせろ!弾幕!これ以上敵を近づけるな!ATフィールドも展開しろ!」

「白兵戦部隊はどうなっている!」
「モビルスーツ部隊及びガンメン部隊、エヴァンゲリオン部隊押されています!大和田ザク小隊及び
 長谷川クロスボーン小隊・島本シャッフル同盟の奮戦により何とか食い止めていますが、このままでは!」
「∀部隊を送り込め!月光蝶の発動も承認する!」

「時空改変システム!どうなってんの!」
「システム『タニガワ』及びシステム『ノイジ』、共に激しい干渉を受けています!時空改変システム作動しません!
 現在展開中の閉鎖空間、局地的非侵食性融合異時空間、共に敵艦隊からの放射線に侵食されていきます!」

これで何回目だろうか。人類を集結させ「神」に戦いを挑み、傷一つ付けられずに敗北するのは。
眼前に見えるは、惑星よりも遥かに巨大な異形の戦艦3隻を中心とした「神」の尖兵たる異形の艦隊。

今までの情報分析で分かった事は敵中心に陣取る3隻の異形の超巨大戦艦には強力なバリアが展開されており
惑星破壊レベルの攻撃では傷一つ付けられないという事と、何の原理か知らないがその3隻が悠久の時を経て
合体すると、ビックバン級の超エネルギーが発生して宇宙が滅ぶ事ぐらいである。

「もういいでしょう、先生。」
ふと背後から黒いサングラスに顎鬚の男が話し掛けて来た。

214 :作者の都合により名無しです:2007/11/03(土) 11:35:03 ID:X2sfwlsm0
神Tueeee!!
あれか、虚無の彼方に行ってしまった人なのか

215 :作者の都合により名無しです:2007/11/03(土) 11:44:30 ID:Ce2wzP5S0
いきなり話の規模が神話クラスになっててバロスw
地上で、えなり達を巡って小競り合いしてる漫画家達が馬鹿みたいじゃねーかw

216 :作者の都合により名無しです:2007/11/03(土) 12:44:02 ID:XNP3XDA60
http://news23.2ch.net/test/read.cgi/news/1193895727/l50
藤田先生なにやってるんですか

217 :角川編プロローグ:2007/11/04(日) 21:07:23 ID:6+7yUoIX0
「貞元君…。」
「現戦力ではあの3隻に傷を付ける事すら出来ません。トップレス部隊が失われ、
 システム『タニガワ』『ノイジ』の時空改変能力に高屋先生の『次元連結システム』、
 麻宮先生の『相転移システム』、そして貴方が富野先生から受け継いだ『巨神』が
 敵艦隊から発せられる未知の放射線により出力20%以下に押さえ込まれている状況では
 万に一つの可能性もありません。正に『抵抗は無意味』です。」
「………」
「今回の世界も間も無くあの異形の為に燃え尽きます。恐らく次の世界も、その次の世界も
 同じ結果に終わるでしょう。それでも『神』を相手に戦い続ける道を選ぶのですか、先生。」

「…ああ。」
長く、重苦しい沈黙の後に鉄仮面が答える。
「先生。」
「貞本君。私は人の心の力を信じている。あの時『アクシズ』で感じた暖かな光を信じているんだ。
 あの光を覚えている限り、いかなる理由があろうと無慈悲に人間を滅ぼす『神』に屈する訳にはいかん。」

「…分かりました先生。それでは艦隊主力の残存勢力を召集し、再び時空転移を実行します。」
意を決した貞元が各艦隊へ指示を出す。終わりなき戦いにまた次の世界も巻き込む事への罪悪感と
『神』を相手に絶望的な戦いを再び挑む事への恐怖を押し殺しつつ時空転移の為の準備を進めていく。


貞元先生の出番はプロローグだけの予定。

218 :作者の都合により名無しです:2007/11/15(木) 10:24:09 ID:KkNVByUI0
講談社の長い通路を3人――久保帯人、星野桂、河下水希が大きな袋を引きずって進む。
彼らは集英社の裏切り者だ。車田が襲撃する数日前には、既にCLAMPの仲間になっていた。それも自らの意思で。
向こう側から誰かが歩いてきたが、彼らは誰なのかもう知っている。その名は真島ヒロ。
パクリ四天王の1人に数えられる男。戦闘時ではないのに、禍々しいオーラが渦巻いている。
「命令通り、“アイツ”を連れてきたな?」
真島の言葉に、3人は袋の口を開けると、中には1人の男が眠らされていた。
驚くべきことに、彼こそは世界を牛耳ろうとし、えなりが戦った矢吹健太朗だったのだ。
と、環境の変化に矢吹は目を覚ました。
「なっ、何だ此処は!?」
「よう、久し振りだな矢吹」
驚いている矢吹に真島は邪悪な笑みを向ける。
「お前は、真島ヒロ!」
「なんだよその体たらくは。えなりに負けて毒が抜けちまったか?」
「すぐに集英社に戻してくれ! 原稿が描き終わってないんだ!」
矢吹の状態はかつてのパクリ四天王の1人ではなく、普通の漫画家になっていた。それを見た真島ヒロは
3人に命令する。
「こいつを久米田の所まで連れて行ってくれ。洗脳装置で根性を叩き直すんだ」
「「「了解(しました」」」
「嫌だ!! それは止めてくれ!!」
嫌がる矢吹は3人に引きずられていった。

唯1人になった真島は、矢吹の現状を見て呆れていたが、後ろから誰かが来たのを感じた。
「誰だ?」
「私ですよ、真島さん」
「その声は赤松か。何の用だ?」
「そろそろ“彼”の蘇生が完了するとのことです」
「遂にか。これで俺たち全員が揃うわけか」
その報告に、真島は楽しそうに歩を進める。その先には地下直行のエレベーター。
「待ってろよ、安西。また楽しくなるんだからな」


219 :作者の都合により名無しです:2007/11/15(木) 10:45:51 ID:9iqazfD80
でもリアルだと、四天王で未だに現役バリバリのパクリ野郎は真島だけだな
最近は岸本を代わりに入れていいと思うんだ

220 :作者の都合により名無しです:2007/11/15(木) 10:55:47 ID:KkNVByUI0
暗闇の中、安西信行は覚醒――否、蘇生した。
(アレッ、何処だココ?)
なんだか今までの記憶が確かではない。彼はこれまでの事を整理してみた。
(確か、秋田書店のゲリラ連中に囲まれたんだよな。で、対抗しようとしたけどリンチにされて……)
その先を思い出そうとした時、部屋に誰かが入ってきた。安西にはすぐに誰かわかった。
        ・・・・
少なくとも、彼の顔見知りではあったから。
「もう起きてたのか、安西」
「お前は真島!? それに赤松!?」
「御久し振りですね、赤松君」
「すまんが率直に言うぜ、安西。お前は死んだ」
一瞬なにを言われたのか理解できなかった。いや、理解したくなかったのかもしれない。
「貴方は光永さんの血によって蘇生したんです。ですからここは地獄ではありません」
「しかも今のお前は半不死だ。出血多量でも、斬首でも死にゃしねえ」
安西は理解した。あぁ、自分はあの時に――死んだのだと。
では自分はどうしてここに居るのかは、それは分らなかった。真島の次の言葉を聞くまで。
「話変わるけどよ、お前小学館に復讐したくねえか?」
何を言い出すんだと思いたかったのに、安西には反論ができなかった。
「お前サンデーやめたんだってな。聞いたぜ、自分の居場所がないってな」
「ほっといてくれ」
「いいや、ほっとけねえな。4人で仲良くやらねえか? また昔みたいによ」
「黙ってくれよ」
安西には真島の言葉が無視できない。耳も塞げない。
「小学館の奴らが憎かねえか? 俺らと組めば、仕返しなんて幾らだって」
「もう黙ってくれよ!」
彼は嫌だった。また悪魔のような自分になるのが。自分は新人として一からやり直したいだけなのに。
だが次の言葉で、彼の心が、決意が揺らぐ。




221 :作者の都合により名無しです:2007/11/15(木) 11:04:09 ID:KkNVByUI0
「ここにはな、お前の師匠もいるんだぜ?」
「えっ?」
「ちょっと前にな、CLAMPに攻撃してきたんだ。今は洗脳を受けて俺たち講談社の仲間だがな。
 師弟水入らずで復讐ってのも、悪かねえだろ?」
安西の心はもはや決まっていた。小学館への復讐心に。

登場人数:44(41+3)
退場人数:1
現在の人数:44/60

訂正箇所
×赤松君→○安西君


222 :角川編プロローグ:2007/11/15(木) 14:12:26 ID:wkxz14YE0
各部隊への通達から60分経過、多くの犠牲を払いながらも何とか時空転移の準備が完了した。
エクセリヲン艦隊、ナデシコ艦隊、アークグレン艦隊、ネェルアーガマ艦隊他主力艦隊も集結した。
全てこれまで幾度と繰り返してきた対「神」時空転移シミュレーション通りだ。

これで我々はまた1つの世界を見捨て、もう1つの世界を神の創り出す地獄に巻き込む事になる。
この神と人間の終わり無き闘争の輪舞で、我々はどれ程の血を流し続けるのだろう。
あと何度それぞれの剣を持ち神に抗う自由の代償として運命の業火に砕かれた世界を見るのだろう。
やめよう。今はこうした事を考えている時じゃない。

「先生、時空転移の準備が完了しました。」
貞元が鉄仮面に報告する。後は転移開始の指令を出せば時空転移が実行される。
しかし鉄仮面は黙したまま動かない。
「…先生?」
「悪いなぁ、そうホイホイ逃げられっぱなしってのも何なんで、ちょいと細工させて貰ったぜぇ。」
「!?」

鉄仮面の急な態度の変化にたじろぐ貞元を尻目に鉄仮面が右手をひょいと動かした。
その刹那、各モニターから悲鳴にも似た各戦艦からの異常報告が響き渡る。
「あばよ。」
「貴様、まさか!?」

その瞬間、貞元以下艦橋の全員が銃に手を伸ばすも彼らが銃を取り出すより前に鉄仮面の
ワルサーP38が火を吹き、艦橋の全員が成す術も無く胴を打ち抜かれた。致命傷であった。
激痛と流血の為に薄れていく意識の中で、貞元は赤いジャケットの粋な男が
「木馬」の何らかのコードを入力するのを見たような気がした。

それからしばらくして、月面のとあるクレーターの底に大量のMSの残骸と共に押し込められていた
本物の鉄仮面が轟音に目を覚ました。天も砕ける程の轟音の正体を確かめるべく月面に出ると
…眼前でエクセリヲン艦隊、ナデシコ艦隊、アークグレン艦隊、ネェルアーガマ艦隊、そして木馬が
自爆していた。全ての希望が打ち砕かれていくその光景を前に、鉄仮面は独り咆哮を上げた。

次回 角川編プロローグ最終話 「宇宙を駆ける」(嘘)

223 :作者の都合により名無しです:2007/11/20(火) 19:43:21 ID:daTHfnfC0
モンキーパンチの登場!? 神ってアレなのか!?
ところで、失礼ながら荒木はどうなったん?

224 :作者の都合により名無しです:2007/11/21(水) 11:59:43 ID:wGa6otri0
いきなり壊滅…いったいどうなるのやら。
ロボ系は詳しくないから先の展開が全く読めない。

>>223
失礼ながら書く時間が取れない状況。
一応決着までの流れはできてるけどいつになるかわからないんで
そんな悠長なこと言ってられるかという人は続きをどうぞ。

というかそもそも各人が好き勝手に続きを書いて際限なく膨らんでいくのがリレー小説なわけで。
展開が思い浮かんだらそれこそ先代初期のような短文でもいいからどんどん書き込むのが本来の姿だと思う。
いかん、支離滅裂な文章になってしまった。

225 :作者の都合により名無しです:2007/11/25(日) 01:39:22 ID:Cawjn0eS0
仕切り直しても何とか編とかいっていろんな話が展開する悪癖は結局抜けなかったな

226 :角川編プロローグ 早く本編に合流させたいのでちょっとだけ進める:2007/11/25(日) 03:40:23 ID:HK2IwDpX0
それから先は地獄だった。神を打倒すべく集結した同士達の絶望と死は
ニュータイプ能力を持つ鉄仮面の中に流れ込み、彼の心を激しく蹂躙した。

しばらくすると完全な静寂が訪れた。全てが死に絶えたような静寂だった
どれ程の時間が経過したかも分からぬまま彼は漆黒の宇宙を見上げていた。

「ぐ…うおぉ…!何故…何故だ…何故殺す…!」
何者も居ない宇宙を見上げ、うわ言の様に鉄仮面が呟く。
その瞬間、数十体のロボットが轟音を上げて彼の傍に次々と舞い降りた。
赤い翼を背負った悪魔、いや魔神を想起させる鉄(くろがね)の機体を中心に
獣を思わせる異形達が武器を構え彼を完全に包囲している。逃げ場は無い。

227 :作者の都合により名無しです:2007/12/03(月) 04:15:59 ID:cyenwsNY0
マイナー漫画家ばっかで糞になったな
前のえなりは髪だったのに、もういいよお前ら

228 :角川:2007/12/03(月) 13:40:31 ID:TYZzClX30
虚ろな目でぼんやりと宇宙を見上げたままピクリとも動かない鉄仮面に止めを刺さんと
魔神と鋼鉄の獣達が腕を振り上げる。その刹那、一筋の旋風が異形を巻き込み彼の前を駆け抜けた。
旋風の駆け抜けた方角を見ると、果たして漆黒の機体が鋼鉄の異形集団を一掃していた。
超高速移動と瞬間移動を駆使して相手を翻弄し、重力フィールドを展開した強烈な体当たりで
目標を各個撃破していく、この特殊な攻撃パターンに彼は覚えがあった。

成程、彼ならば戦艦が不意に自爆しても脱出は可能か。
「……安彦先生!」
生きていたんだな、麻宮君。だがもう無駄だ。恐らく奴らは予め少しの誤差を計算に入れた上で
この魔神まで送り込んでいるのだろう。私はもういい。君だけでも早くここから離脱するんだ。
「……安彦先生!」
高機動スラスターをパージして魔神に叩き付けたか。短期決戦でけりを付けるべく早々に切り札を切った訳だな。
だがそれでもあの怪物を撃破するにはまだまだ足りまい。もういい。君だけでも早くここから離脱するんだ。
「……安彦先生!」
ああ、あれはルストハリケーンだな。奴め、確実に殺す為にまず機動力と装甲を削りに来たか。
もういい。麻宮君。もういいんだ。
「……!」
無理だ。もういい。もういい。頼む。頼むからやめてくれ。

その時、ミサイルで動きを止められた麻宮の機体に魔神のロケットパンチが二発叩き込まれた。
拳は重力フィールドを貫通し、外装を粉砕し、本体の赤い機体の左腕部に右脚部を吹き飛ばした。
麻宮の死を予感した安彦は思わず目を伏せる。だが麻宮はこの瞬間を見逃さなかった。

「勝負だ……!」
重力フィールドと特殊な外装の為に先程の攻撃でもまだ機動力は完全には死んでない。
加えて奴が両腕を外した今は胴がガラ空きだ。なら奴は胸部からの熱線攻撃でトドメを刺しに来るか、
両腕を戻すか、いずれにせよその前に一撃を叩き込める。甘く見たな、永井。これで終わらせる!


金属が金属を砕く爆音の後に再び静寂が訪れた。ふと安彦が頭を上げて前方を見やると
麻宮の赤い機体がその右拳で魔神の胴を打ち抜いたまま静止していた。
麻宮の赤い機体の瞳からは血涙の様にオイルが静かに流れていた。

229 :角川:2007/12/03(月) 15:18:31 ID:TYZzClX30
その機体から麻宮がゆっくりと転がり落ちた。魔神との戦いに勝利を収めたとはいえ
心身ともに消耗が激しく、一国の猶予も許さぬ状況にある。しかし、
「……俺のことは…いい……。それより……早く……空間転…移を……安彦先生…!」
息も絶え絶えに麻宮は安彦に空間転移を促した。

「何故だ?何故そこまで?」
「……先生が…一番…近くで……触れた…から…。あの…アクシズの……光…に……。」
「!」
「……あれが…人間の…持つ……世界を変える…力…なんだろう……?」

そう言うと麻宮は胸元から水晶を取り出して、安彦に手渡した。
「……チューリップ…クリスタル……。これが…あれば……生体…時空…転移……出来……。」
「出来ると思ったか?」

その獰猛な声に振り向くと、鉈の様に大振りなナイフを持った獣のような大男がそこにいた。
鋭い牙をむき出しにして、燃えるような瞳で二人を見据える男は間違いなく、あの男であった。

「久しぶりだな、安彦?」
「……馬鹿…な……貴様は……俺が…さっき……倒……」
「邪魔だ!」
麻宮が全てを言い終わる前に男のナイフが肩口にざっくりと突き刺さった。
そのナイフはバターでも切るようにあっさりと麻宮の右腕を斬って落とした。

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