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【活字】おたく板で小説書いてみようぜ【中毒】

1 :おたく、名無しさん?:2007/07/21(土) 00:55:36
過去にいくつかあった小説スレが落ちてしまった今、
職人がいりゃ盛り上がる!そんな淡い期待を胸に再度立ち上がったこのスレ。
萌え系でも純文学でも気軽に書いてみたらいいじゃない。

【注意事項】
・荒らしは華麗にスルー!構うチミも同レベルの荒らしでゴワス
・批評する側は無意味な罵倒は控えて、どこが悪いのかを指摘してあげると良いかも

【関連スレッド】
そもオタクなのだから萌え小説でも書くと致そう
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/otaku/1081774997/
おたく板で小説を作ろうぜ!
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/otaku/1160472787/

2 :荒野の1ドル銀貨 ◆dollar/Agg :2007/07/21(土) 01:01:52
お!代行ありがとう!

3 :荒野の1ドル銀貨 ◆dollar/Agg :2007/07/21(土) 01:45:37
重複してしまったので本スレ上げ

4 :おたく、名無しさん?:2007/07/21(土) 13:49:38
どんな話を


5 :おたく、名無しさん?:2007/07/22(日) 03:07:48
重複sage

6 :おたく、名無しさん?:2007/07/22(日) 15:43:36
みんなはどんな話が読みたいのん?

7 :おたく、名無しさん?:2007/07/23(月) 01:31:20
age

8 :荒野の1ドル銀貨 ◆dollar/Agg :2007/07/23(月) 01:34:05
誰も書かんのか!

プロットのプの字も出来てないけど、個人的に面白いと思うアイディアは浮かんだので
出来たら投下してみるべか

9 :らきどろあ ◆LUCKYc0U62 :2007/07/23(月) 07:15:59 ?2BP(0)
俺もちょこちょこ書いていこうと思う。
とりあえずは明日以降。

明日できることは今日やらずに、今を快適に生きる

10 :高見さん ◆.oHIGhtPms :2007/07/23(月) 18:39:44
スレ立ちましたか。気づかなかった
俺もこのスレ用に小説を書いてみますかね。
もち、俺の小説はオナニー小説けどねorz

11 :荒野の1ドル銀貨 ◆dollar/Agg :2007/07/24(火) 02:37:07
本スレあげ

12 :らきどろあ ◆LUCKYc0U62 :2007/07/25(水) 04:25:09 ?2BP(0)
俺の妄想スタート。


ツンツン、と背中をとがったものでつつかれる感触で目を覚ました。
ぼんやりとした意識の中で、窓から射す午後の日差しのせいで顔の左半分が熱い、
ということだけを感じながら少しずつ意識を覚醒させる。
長い時間机に突っ伏していたせいで軋む背骨を伸ばし、後ろを振り返った。
「君の椅子の下のあたりに消しゴム落としちゃったんだけど」
そこには、そう言いながら無表情で机に肘を突きながら
先ほど俺の背中をつついたと思われる
シャーペンで下方向をちょいちょいと指す女生徒がいた。
化粧っ気が無く、長い睫毛にスッと通った鼻、薄い唇に、腰あたりまである黒髪、
出来のいい顔のパーツを隠すように目の下まで来る前髪が印象的だった。
不思議と暗いという印象は無いが、なんとなく近寄りがたいイメージを抱かせる。
どこか猫を思わせるような少し細い目が、寝ぼけた自分の顔を映しこんでいた。
(見慣れない顔だな・・・)
と、半分眠った頭のまま椅子の下を覗き込むと、自分の二つの足の間に
あまり使い込まれていない感じの消しゴムが一つ転がっていた


13 :らきどろあ ◆LUCKYc0U62 :2007/07/25(水) 04:26:21 ?2BP(0)
やや無理な体勢のまま消しゴムを掴んで
机に頭をぶつけない様に気をつけながら起き上がると、
「コレ?」
と言いながらまた後ろを振り返った。
「ソレ。ありがと。ごめんね、起こしちゃって」
とその女生徒は相変わらずの無表情のまま、
先ほど下を指差していた手で消しゴムを受け取った。
「ああ。じゃ、俺寝るから。おやすみ」
そう言って未だ睡眠を欲する頭で、窓から来る日差しを避けるように腕を伸ばし、
その影に頭を埋めた。
「うん、おやすみ。瀬能くん」
その声に見送られるように、俺、瀬脳和人の意識は沈んでいった。


ツンツン、と背中を柔らかいものでつつかれる感触で目を覚ました。
少し意識が覚醒しただけで、脳につられて目をさました体が、
日差しの熱さと、日差しが当たっていた部分に大量の汗をかいていることを認識する。
不快感と休息を十分にとったおかげか意識はすぐさま浮上してくれた。
「授業終わったわよ。帰りの支度したほうがいいんじゃない?」
後ろから女性にしては少し低めの声で声をかけられた。
「寝癖、酷いよ」


14 :荒野の1ドル銀貨 ◆dollar/Agg :2007/07/25(水) 04:27:34
ニヤニヤ

15 :らきどろあ ◆LUCKYc0U62 :2007/07/25(水) 04:27:52 ?2BP(0)
振り返ると、先ほども俺を起こしたときのままの無表情をした女生徒がそこにいた。
どうやら背中をつついたものの正体はこの女の指らしい。
(この女の名前・・・なんだったかな・・・)
「汗かいたせいで髪がゴワついてるからかな。あ、起こしてくれてありがとう」
頭に浮かぶ疑問をそのままに、とりあえず礼を述べて帰り支度にとりかかった。
「君、いつも寝てるね。大丈夫なの?」
教科書は持ち帰らないので筆箱と新品同様のルーズリーフの閉じられた
ファイルだけを鞄に詰め込みながら、
「まあ、うん。赤点とらない程度には」
と適当に答えた。
「ふーん。それじゃあたし帰るから」
「ああ、じゃあな」
「さよなら。瀬能くん」
そう言って軽く手を振ると、俺の席を離れていった。
(なんだかよくわからん女だな。マイペースというか)
と思いながら勉強をするにはボリュームの少ない鞄を肩にかけて席をたった。
「結城さん!昼休みのアンケート帰る前に出してくれるかな?」
すると教室の出口のほうからよく通る声が響き渡った。
見てみると、やや背の低い女生徒が誰かに話しかけていた。
明るい茶色でショートカット、ボブカットというのだろうか。
そういう髪型にくりくりとした大きな目と少し低めの鼻。
薄いピンクのルージュをひいた口に合わせるように全体的に施した化粧は
その女の魅力を程よく引き立たせている。
世間一般に言うナチュラルメイクというやつだろうか。
いかにも雑誌に載っていそうで、男連中に受けそうな『かわいい』感じの女だった。
確か名前は琴瀬久美。
クラスでも目立つ存在だったので覚えている。
アンケートを集めているのも確かこの女がクラス委員長をやっているからだろう。

16 :らきどろあ ◆LUCKYc0U62 :2007/07/25(水) 04:29:09 ?2BP(0)
「ああ、忘れてた。コレでいい?」
それに答えた少し低い声の主は声対照的なやつだった。
というか、さっき俺を起こした女だ。
「うん!ありがと結城さん。ごめんね引き止めちゃって」
と、女性にしては背の高い結城に下から覗き込むように謝った。
「別にいいよ。じゃあね」
本当に別にどうでもよさそうにそう言って、長い髪を揺らしながら無表情で
今度こそその女、結城は教室を出て行った。
(ああ、そういや結城って名前だったっけ。下の名前は知らないけど)
などととりとめもない事を考えながら俺も出口に向かった。
「あ、瀬能くん!瀬能くんもアンケート出してないよね?」
出口に差し掛かったところで旧に横から琴瀬に声をかけられた。
「え?ああ、そういえば」
二人のやりとりを見ていながら気付かなかった自分を間抜けに思ったが、
気をとりなおして自分に席に戻って机を漁りはじめた。
すると中から先ほどしまった教科書に潰されてクシャクシャになった
アンケート用紙が出てきた。
内容は『校内におけるイジメについて』。
どこにでもありそうな、特に興味の無い話題だ。
設問を読むのも面倒なので全て『はい』に○をつけた。


17 :らきどろあ ◆LUCKYc0U62 :2007/07/25(水) 04:31:46 ?2BP(0)
「もう。もっとマジメに答えなきゃダメだよ、アンケート。面倒なのはわかるけどさ」
少し頬を膨らませた琴瀬が上目遣いでこちらをかわいく睨んできた。
(つくづく男受けしそうなやつだな・・・家で練習してたりするのか?)
と関係ないことを思いながらも、
「次からはちゃんと書くよ」
とその場凌ぎの返答をして、紙を渡した。
と、その時前に出したやつのアンケート用紙がちらりと見えた。
そこには名前欄に『結城朋』と書かれていた。
「もう!次からはちゃんと書くんだよ。約束だからね!」
「ああ、わかったよ。じゃ、帰るから」
琴瀬にそう答えながらも、頭では
(あいつの下の名前って、朋っていうのか)
なんてことを考えていた。
「もう。まぁいいけど・・・。じゃあ私これ先生に渡してくるから。じゃあね瀬脳くん」
「ああ、じゃあな」
そう言って、走っていった琴瀬を見送った。
都合よく頭に引っかかっていた疑問も解消でき、少し軽い気分になった俺は、
(帰りに牛丼でも食べて行くか)
などと本当にどうでもいいことを考えながら鞄を肩にかけなおし、教室を後にした。


昨日一昨日は飲み会と軽い二日酔いでダウンしていたので遅れました。
なにやらちょっと長くなりそうなになりそうな悪寒。

>>14
そこ、ニヤニヤしない

18 :荒野の1ドル銀貨 ◆dollar/Agg :2007/07/25(水) 04:34:21
>>17
早速誤字発見

>「もう。まぁいいけど・・・。じゃあ私これ先生に渡してくるから。じゃあね瀬 【脳】 くん」

19 :らきどろあ ◆LUCKYc0U62 :2007/07/25(水) 04:40:03 ?2BP(0)
なぜか俺のワードさんは一度した変換を記憶してくれない・・・。
と、思ってメモ帳でやったら変換記憶してくれた。
次からはメモ帳でやろう。

誤字とか矛盾があったらビシバシ指摘してください。
ちゃんと指摘に対応するかは知りませんがね!

明日か明後日あたりに続き書きます

20 : ◆I1QQQQQ03I :2007/07/26(木) 20:02:44
「ねぇ、育クン私の事好き?」
「な、なんだよ急に…」
「ねぇ〜好き?」
「ここ街中だぜ?」
「も〜!」
「あ、愛してるよ・・・」
「えっ…、もー素直じゃないんだからっ♥」
「私も育クンの事愛してるぜぃ!」
「そ、そんなにくっ付くなよ…」

21 :らきどろあ ◆LUCKYc0U62 :2007/07/26(木) 23:37:39 ?2BP(0)
続き

「おはよー」
翌日、いつも通りに登校してきた俺はいつも通りに自分の席に行き、鞄を置こうとした。
「おはよう、ああ、おまえそこ前の席だろ。昨日席替えしたじゃねーか」
挨拶を返してきたクラスメイトが、やや呆れた顔をして言った。
「ああ?ああ…そういえば…そんなこともあったな」
昨日は1日寝ていたので、くじ引きも適当に引いて済ませたような気がする。
「いいんだよ。テストも終わったばっかだし、あとは夏休みを待つばかりだし」
「まぁそれもそうだけどなー。先生に目ぇつけられないように気をつけろよ」
「ああ」
おざなりな返事をして、自分の席替え後の席に移動する。
自分の窓際の後ろから二番目だった。
すると俺の席の後ろ、窓際の一番後ろの席という人気の高いポジションに、
やたらと長い髪を窓からの風に泳がせながら頬杖をついて外が眺めている女がいた。
(えっと…たしか)
昨日アンケート用紙に書かれた名前を見て、こいつの名前を知ったはずだ。
(結城朋、だっけか)
少し苦労して名前を思い出し、なんとなくすっきりした所で自分の席に鞄を置いた。
その鞄の音に反応したのか、こちらを向いた結城と目があった。
「おはよう。瀬能くん」

22 :らきどろあ ◆LUCKYc0U62 :2007/07/26(木) 23:38:50 ?2BP(0)
「あ?ああ。おはよう結城」
声をかけられるとは思っていなかった。
今まで席替えをするまでは名前も知らなかったような女なのだ。
会話をしたのも昨日の2,3度程度だったので
(以外に気さくなやつなのか?)
などと思いながら挨拶を返した。
すると結城は細い目を少し大きく開き
「あたしの名前知ってたんだ。意外」
などと言った。
「ああ、一応な。といっても昨日知ったんだけど」
少し失礼なやつだなと思いつつも、自分も人のことは言えるほどじゃないので
事実をそのまま返しておいた。
「ああ、そういうことね。なんかわかるわ」
とまた失礼なことを言われた。
「なにがわかるのか知らんが、人を社交性が無いみたいに言うのはやめてくれ」
「あ、ごめんね。そういう意味じゃなかったんだけど。でも社交性に富んでるようには見えないわよ」
痛いところを突かれた。
「まぁそんなに積極的ではないけどな。結城もそうは見えないけど」
ちょっとした仕返しのつもりでそんなことを言ってみた。
どうやら俺はくだらない所で意地を張りたくなるらしい。
「まぁあたしもそんなに社交的ってわけじゃないけど。クラスメイトの名前ぐらいは覚えてるよ」
「全員か?」
「うん、全員」
「完璧に?」
「うん、完璧」
即答だった。
特にどもることもなく、目も泳がない、というか無表情のままなのでたぶん本当なんだろう。

23 :らきどろあ ◆LUCKYc0U62 :2007/07/26(木) 23:39:57 ?2BP(0)
キーンコーンカーンコーン…
その時、それきり止まった空気を打ち破るようにチャイムが鳴った。
「HR始まるよ。鞄しまわなくていいの?」
「あ、ああ。そうだな。じゃな」
席が前後なので「じゃな」も何も無いのだが、なんとなく口をついて出てしまった。
ただの会話で動揺してしまっている自分を少し情けなく思いつつ、
俺は少ない鞄の中身を机の中に押し込み始めた。



キーンコーンカーンコーン…
チャイムの音で目を覚ました。
時計を見ると昼休みの時間だった。
寝たのが確か一時間目の最後だったから、およそ二時間ほど眠っていたことになる。
(我ながら少し危機感を覚えるな…)
先生に目をつけられていないか少し不安を抱えながら体をほぐし、
朝にコンビニで買っておいたパンとペットボトルのお茶を出し、もそもそと食べ始めた。
「寝てすぐ食べると牛になっちゃうわよ」
後ろから声がかけられる。
振り返ると結城が相変わらずの無表情で自分の弁当に入っていた
コロッケの端くれを挟んだ箸でこちらを指していた。
「箸で人を指すな。あと普通寝ると食べるが逆だろう」
自分でも少し幼稚だな、と思える返答をしまたパンを食べ始めた。

24 :らきどろあ ◆LUCKYc0U62 :2007/07/26(木) 23:41:05 ?2BP(0)
「失礼。それより君、一緒に食べる友達とかいないの?」
朝に続き、またもや痛い所を突かれた。
「ああ、たまに一緒に食べるときもあるけど大体一人かな」
「やっぱ社交性無いのね」
「断じて違う。社交性が無いわけじゃない。一応友達もいる。ただ向こうから誘われない限りは一人だ。
いわゆる来るもの拒まず、去るもの追わずってのをモットーにしてるんだよ」
我ながら少し苦しいながらも物はいい様だな、と思った。
「ふーん。物はいい様ね。少し苦しいけど」
「…」
もはやぐうの音も出なかった。
「まぁいいんじゃないそういうスタンスも。あたしも似たようなものだし」
「それ、フォローのつもりか?」
「一応。朝からなにかと厳しいこと言ってるような気がしたから」
「自覚あるならやめてくれ。なんか虚しくなってくるから」
言っているそばから既に少し虚しい感が否めないが、毎日会話する度にこれでは辛いものがある。
「そんなつもりで言ってたんじゃないんだけどね。ごめん。まぁ今はあたしと食べてるからいいじゃない」
「…まぁそうだけど・・・。まぁいいや…」
もはや考えるのも少し面倒になってきたのでとりあえず自分の食事を続けることにした。
気をとりなおして二つ目のパンをあけてかぶりついた。
「瀬能くんってお弁当とか学食じゃないんだね」
「ん?ああ。学食とか購買は人が多いからな。人ごみは苦手なんだ」
「お弁当は?」
「親が共働きで朝早いからな。金だけ置いていってもらってる」
俺の親はもともと父親しか働いていなかったが、中学を過ぎたあたりから母親も働き始めた。
別に家計が厳しいとかそういうわけではないのだが、母が
「あたしも主婦で家にいるのも暇だし働くことにしたから。アンタの自立にも役立つだろうし」
と、とってつけたような理由をこじつけて働き始めた。
昔から仕事が好きだったようで、家でテレビを見たり井戸端会議に参加するような
生活には以前から飽きていたようだ。
俺も特に反対する理由は無かったし、何より家で一人の時間が増えるという自由さに魅力を感じ、
二つ返事で了承した結果、今の状況にあるというわけだ。

25 :らきどろあ ◆LUCKYc0U62 :2007/07/26(木) 23:42:23 ?2BP(0)
「なるほどね。あたしも人ごみは苦手だな。だからお弁当」
そう言って自分のお弁当箱を示すようにカツカツと箸でお弁当箱を軽く叩いた。
「自分で作ってるのか?」
「ううん。お母さんに作ってもらってる。朝そんな時間ないし。寝癖とかひどくて」
まぁ大体の家はそうだろう。
自分でお弁当を作るなんてことは俺だとしたら一人暮らしをしたとしても、
最初の一週間ほどしか続かないだろう。
「なるほどな。そういえば確かに結城は髪型寝癖つきやすそうだもんな」
お世辞にもオシャレとは言いがたい髪形だ。
腰まで伸びたロングはサラサラしていて艶もあり、女子の大半から羨ましがられそうな髪質だが、
それを打ち消すように前髪が目の下まで伸びていて、まさに放置していたら伸びた、といった感じだ。
そう考えると、後ろの腰まである髪もただ伸ばしただけ、という感じがする。
「うん。朝起きると下側にあった髪が膨らんじゃってたり、逆にぺちゃんこになっちゃってたりね」
「もう少し短くすればいいんじゃないのか?美容院で切ってもらってるのか?」
「ううん。お母さんに切ってもらってるわ。お母さんそういうの得意だし」
年頃の女子高生ならば皆美容院に行ってそうなものだが、確かに美容院で
切ってもらっていればもう少し垢抜けた髪型になっているだろう。
「ふぅん。じゃあもう少し短くしたらどうだ。その前髪邪魔にならないか?」
「まぁ確かに邪魔なんだけどね。短ければ短いで寄ってくるのよ」
「寄ってくる?」
いきなり主語を省かれた会話をされても理解できない。
「寄ってくるって何がだ?前髪が短いと寄ってくる虫でもいるのか?」
「そうね。以前前髪を短くした時は、明らかに自分がかっこいいと思ってるようなのとか、
 軽そうなチャラチャラした虫が寄ってきたわよ。食事を食べてる時とかにね。それも数匹ほど」

26 :らきどろあ ◆LUCKYc0U62 :2007/07/26(木) 23:44:10 ?2BP(0)
「ああ」と、納得した。
たしかに結城は顔は悪くない。むしろ美人の部類に入るだろう。
そんなやつが一人で昼飯を食べていたらそういう虫の一匹や二匹寄り付いてくるだろう。
「だからね、これは虫除けなのよ。近づくなって警告みたいなもの」
だとしたらその試みはこれ以上無いぐらい成功していると言っていいだろう。
長い前髪で完全に目を隠した女が一人で昼食をとっていても、声をかけようという気にはならない。
そんな女に声をかけるぐらいなら、他にもっといい女を探したほうが良いと思うだろう。
「なるほどね。でも俺はいいのか?一緒に飯食べてるけど」
「別に。席が前後だし。それにそういう部類の男には見えないしね」
「それはどうも」
そう言って食べ終わったパンの包みを丸め、ペットボトルのお茶を飲み干した。

キーンコーンカーンコーン…

タイミング良くチャイムが昼休みの終わりを告げる。
結城の方もちょうど弁当を片付け終わった所のようだ。
「じゃあ。俺寝るから」
「食べてすぐ寝ると牛になるわよ」
「うっせ。おやすみ」
「ん。おやすみ」
短いやりとりの後机に申し訳程度に教科書とノートを広げその上に突っ伏した。
心地よい満腹感と、少しばかり強すぎる午後の日差しを感じながら、俺の意識は落ちていった。


たぶんまだ全体の1割いってるかいってないかぐらい。
あー書き始めるまではのらりくらりしてるけど、書き始めると気付いたら二時間ぐらいたってた。
意外にのめりこむ。妄想万歳

27 :高見さん ◆.oHIGhtPms :2007/08/05(日) 10:25:33
 冒頭だけ書いてみたぜ。続きをかける気がしねぇ
 まったくこの世は地獄だぜ
 
天気雨の夕暮れの事だった。太陽がビルの屋上に沈み、ビルの屋上に配されたネオンライトが下品な光を放ち始めた夕暮れに、ある高等学校の屋上に少年が壁を背にして座り込んでいた。
 壁に「立ち入り禁止」と関われていたであろう看板が、幾重にも塗り重ねられた殴り書きをされた状態で設置されていた。転落防止用のネットが屋上の4辺を囲んでいる。
 よどんだ色の酸性雨が、彼の頭の上ではじける。幸い屋上には天井がある。
 ネットの上部同士を繋ぐアクリル板が天井の代わりを果たしている。アクリルを叩く雨音に少し身じろぎしながら、太陽の輪郭が透けてみえる天井を見上げた。
 快晴に近い曇り空だった。
 影が差した。光をさえぎる何者かが少年と太陽の逢引を妨げている。
 少年はうっすらと瞳を開いた。眼前をさえぎるワンピースを見つめ、それから上を向いた。曖昧な笑みを浮かべた少女が、ワンピースに麦藁帽子をかぶり少年を見下ろしていた。
 梅雨時の湿り気がシャツをべたつかせていた。しかし少年の体は、湿り気とある種の興奮によって汗ばみ始めていた。 
 サイズの合っていない半袖シャツから覗く腕は、細く青白い。日光を好まない人間特有の肌だ。少年はターコイズグリーンの髪を掻き揚げ、少女の顔をじっと凝視した。
 これから忘れようとしていた顔だった。忘れようと努力していた顔だった。少年は気落ちしたように目を伏せた。
 かすかに焦げた麦わら帽子の臭いを漂わせながら、少女は少年の横っちょに立った。少年は、壁に背中を預けながらゆっくりと立ち上がる。こうして並んでみると少女はいかにも華奢で小さい。
 少年も華奢ではあるが、少女よりも頭2つ分ほど大きいせいだろうか、体躯は細くともひ弱には見えない。
 「ここから飛び降りた子、どこいったんだろうね」


28 :高見さん ◆.oHIGhtPms :2007/08/05(日) 10:30:05
少女は身を乗り出して、フェンス越しにコンクリート敷きの地面を見下ろした。
 少女の視線の先にはビニールテープがあった。血痕に沿うように人の形を作ったビニールテープである。
 「目撃者が何人もいて、血痕も残ってるのに、死体だけ見つかってない」
 「不思議でしょ」
 少女はニコッと頬を緩め、笑みを浮かべた。 人懐っこい笑みではあったが、その表情には幾らか悪意が見え隠れしていた。
 その証拠に少女の瞳は、軽蔑とほのかな怒りをたたえている。
 「若草君、手伝ってくれるよね?」
 少年は黙りこくっている。視線を落とし少女を見ようとさえしない。
 「君に断る権利はない。ただ、わたしに従う義務だけがある。そうでしょ?」
 少女はワンピースの裾を掴んでヒラヒラと揺らしながら、芝居がかった台詞を言って見せた。演劇部にでも入っていればヒロインの役を射止めたに違いない。
 少女の挑発に少年は動じない。ただ頬をゆるゆると汗が流れているのを少女は見逃さなかった。
 「自殺しないの?」
 皮肉と敵意を込めて、再三少女が言ってきた言葉である。自殺しないの?なんで生きてるの? 二人の間に根づいた軋轢がそういわせているのは間違いない。
 「なに?」
 少年が初めて表情らしきものを見せた。眉を潜め目をつぶり、前歯で唇を挟んだ。苦渋と孤独を含んだひどく老成した表情である。
 「した方がいいんじゃない?」
 少年は何も言い返さない。かわりに尻ポケットから煙草を取り出し、口にくわえ火をつけた。
 煙草の淡い芳香。
 少女が少年の頬をはたいた。少女のこぶしが少年の頬を二度叩く前に、少年の右手は少女の首を掴んでいた。
 「痛いだろ、馬鹿女」

 少年が右手に力を込める。
 少女は少年の手首に爪をつきたてた。
 「そうやって、私も殺すの」
 少女は真っ赤になった目で少年を見すえた。
 「ちがう、オレは殺してなんかいないんだ」
  少女が、無言のまま、煙を上げている煙草を叩き落とした。
 「頼むよ。吸ってもいいだろ」
 少年はそういって、顔を手で覆った。

29 :あるペディ男 ◆FaZLauH2T6 :2007/08/05(日) 11:25:00
ここってオリジナル専用?

>>24
>「…まぁそうだけど・・・。まぁいいや…」
表記ゆれ。3点リーダが中点3つになってる。
同じ行内だったから気になった。細かくてごめん。

30 :おたく、名無しさん?:2007/08/18(土) 18:11:57
age

31 :荒野の1ドル銀貨 ◆dollar/Agg :2007/09/07(金) 01:06:01
二人とも途中放置かッ!

ちょっとだけ書いてみようかなあ
そのうち

32 :らきどろあ ◆LUCKYc0U62 :2007/09/07(金) 03:09:57
いやすっかり忘れていた。

明日学校が台風の影響で休みなのでちょろっと書いてみる

33 :おたく、名無しさん?:2007/09/07(金) 21:46:50
BL小説執筆中です。まだ少しですが、もしよろしければ覗いてって下さい。
http://blog.livedoor.jp/nahanaha9001/?blog_id=2507476


34 :代官 ◆J7XVJyC8Go :2007/09/19(水) 20:16:08
すでに完成してる作品でもいいの?
新しく書いたほうがいいのかな。
短編はロクなのがないので新しく書くか……。

35 :代官 ◆J7XVJyC8Go :2007/09/19(水) 22:11:16
本文が長すぎますorz
分割投稿がまんどくさいで、すまんけど外にあげた。

http://ameblo.jp/yamahiko23/entry-10047810424.html

次はもっと短くするよ。

36 :あるペディ男 ◆FaZLauH2T6 :2007/09/20(木) 07:09:47
>>35
これ続きは書くの?

37 :代官 ◆J7XVJyC8Go :2007/09/20(木) 07:22:19
眠れん……。

>>36
続きはナッシング!
長編は別のを書いてるから、それと平行して書くのは無理でおじゃる。
とはいえ、今回のはちと尻切れトンボだったなあ。

次はシスプリか苺ましまろのSSにするよ。

38 :代官 ◆J7XVJyC8Go :2007/09/22(土) 03:56:39
シスプリというと亞里亞の靴下で自慰する兄とか、
可憐が包丁振り回したりとか、
そんなんばっかしか書いてなかったけど、
このスレは健全なほうがいいよね。
とりあえずエロと殺しはやめておこう。

しかしそうなると書けない予感も。

39 :らっきー ◆LUCKYc0U62 :2007/09/22(土) 04:13:33
SSは葉鍵ものしか読んだことないけどそういうジャンルも新鮮かも。
ちょっと読んでみたい

40 :らっきー ◆LUCKYc0U62 :2007/09/28(金) 07:55:53
続き


次の日の朝。
ベッドで布団にくるまったまま目を開け自分の目覚めを認識する。
布団ののけ、体を起こして軽くのびをする。
目覚めは悪くない。
「お、珍しい」
ベッドの頭上に置いてあった目覚ましを見るとまだ起床予定時刻より20分ほど早かった。
「また二度寝すると起きられそうにないな…。支度するか」
和人はそうつぶやくとベッドから降りて一階に降りていった。
「おはよう、兄」
「おはよう、妹」
一階のリビングに降りると妹の翠(あきら)が朝食をとっていた。
「今日の朝飯なに?」
「ご飯炊けてるから適当に冷蔵庫のもの使って食べてくれと母が」
「あいよ」
そのままキッチンへと足を運び、冷蔵庫の中を覗いてみたが納豆ぐらいしかなかった。
仕方なくご飯をよそい納豆のパックを持ってリビングに戻る。
「納豆ぐらいしか無いじゃねーか」
「そうだね。だから私も納豆だよ、兄」
そう言って翠は納豆をかけたご飯を口に運んだ。
「…ところで毎度思うんだがその言葉遣いはなんとかならんのか」
「何を今更。これは個性だよ。それに兄もよくノってくれるじゃないか」
翠は俺より一つ下の高校一年生で同じ学校に通っている。
容姿は母さんに似たのかそれほど悪くないのだが、あまりファッションだとか
そういうものに興味が無いらしく、休みの日でも出かけるときは制服を着ていったりする。


41 :らっきー ◆LUCKYc0U62 :2007/09/28(金) 07:57:43
前に私服は着ないのかと聞いたら「私服は面倒だし。制服を着ていられるのは学生のウチだけだからね。
それ以降はコスプレになってしまうから今のうちに着て堪能しておくんだよ。
私が学生時代に制服を着足りなかったせいで卒業後に制服を着て街を闊歩してもいいというのなら何も文句は無いぞ、兄よ」
と、相変わらず妙な口調で力説されたことがある。
その時は妙な迫力におされて引き下がったが、今考えると色々とおかしな論理である。
学校ではどんな生活をしているか知らないが、家ではいつも漫画や小説を読んでおり部屋には
漫画や小説が本棚に収まりきらずひたすら積み上げてあったりする。小説といっても昔の文豪が書いた名作と呼ばれるものは
あまり読んでいないようで、ライトノベルにカテゴライズされるものが主なようだ。
そう、翠はいわゆるオタクである。
「別に俺はおまえのそういう口調は嫌いじゃないからいいけどな。
あまり世間一般に良い印象はもたれないと思うぞ」
「世間の目なんか気にしてたらオタクなんてやってられないのだよ。
それに私の言葉遣いやキャラを理解してくれる人としか友達を持とうとは
思わないからね。全くもって問題は無い」
「それもどうかと思うけどな…」


42 :らっきー ◆LUCKYc0U62 :2007/09/28(金) 07:59:54
しかし学校で廊下で会ったりしてもよくオタクではない人とも話しているのを見るし、
本人の言うとおり特に問題はないのかもしれない。
「ところで食べないのか兄よ。納豆が腐るぞ」
「納豆は既に腐っとるわ。醤油とってくれ」
「うむ」
翠がこっちに醤油を渡してくれる。
「ん?」
その時何か違和感を感じた。
「おまえのその納豆…なんか白くないか?」
「ん?んあぁほれは」
口の中に納豆ご飯を入れたまま妹が答えた。
「これはな。マヨネーズを混ぜているんだよ」
「うわっ。気持ち悪」
反射的に素直な感想が口をついて出る。
気付けば翠側のテーブルの端にはマヨネーズが置いてあった。
「気持ち悪いとはなんだ兄よ。食べもしないで否定するのはよくないぞ」
「いやだってマヨネーズだろ?納豆とは合わないだろ普通に考えて」
俺がそういうと翠は不敵に笑った。
「ふっふ。普通な考えしかできんとは堕ちたな兄よ。一度やってみればわかる。
それじゃあ私は先に行くよ。ふっふ」
翠は不気味に肩を揺らしながら食器をさげにキッチンへと消えていった。
「ホントかよ…とてもじゃないがうまいとは思えないぞ…」
そうは言いつつもこれ見よがしに置いてあるマヨネーズに興味をそそられてしまう。
(クッ…翠め…アイツが言うとなぜか試したくなる…が、試したら負けな気がする…!)
30秒ほど心の中で葛藤した挙句、ついに俺の手はマヨネーズをしっかりと掴んでいた。


43 :らっきー ◆LUCKYc0U62 :2007/09/28(金) 08:01:28
(これはネタだ。話のネタに試してみるだけだ。ああそうだ。
決して翠の言うことが気になったわけじゃない…)
心の中で自分に言い聞かせながらおそるおそる少量のマヨネーズを納豆に投入する。
(こんなもんでいいのか…?)
とりあえずかき混ぜまずは納豆だけで食べてみる。
「…?」
もう少しマヨネーズを足す。
「ん…?」
納豆だけで食べる。
「んん…?」
今度はご飯にかけて食べてみる。
「バカな…うまいじゃねーか…」
そのままご飯をかき込むように平らげた。
「ふう…」
朝の胃に心地よい満腹感に浸りながらソファーの背もたれに身を預ける。
しかし胸のうちには敗北感に似た何かが支配していた。
「翠め…だが俺は負けたわけではない。これはあくまで話のネタとして試しただけだ。
だから翠の口車に乗せられたわけでは決して…」
「ふっふ」
ビクリとして戸のほうを見ると覗き見るようにして上半身だけ出して
不敵な笑みを浮かべている翠がいた。
「チョロいな、兄よ」
俺は完膚なきまでに敗北していた。


誤字脱字とかはチェックしてない。
翠はあきらと読みます。ミスじゃありません。
ちなみに翠はこんな妹がいたらいいと願う俺の妄想の賜物。
続きいつ書くかは未定

44 :らっきー ◆LUCKYc0U62 :2007/09/28(金) 08:03:31
あ、納豆食ってるはずなのに翠普通に喋ってるわ。
飲み込むシーンを脳内補完してください

45 :「2ちゃん私立おた板学園」:2007/09/29(土) 05:03:01
注:この物語に登場するコテハン達は、実在するものとは一切関係ありません


この学園に訪れてから3年と数ヶ月の月日が流れたが、その「珍奇な生き物」とその生き物が発する
超音波染みた鳴き声に一日足りとも疑問を持たなかった事はない。
校門から第一校舎へと続く道の両脇には、お決まりのようにイチョウがズラリと並べて植えてあり
そのうちの一つは彫刻刀か何かで「トイレ →」とイタズラ書きならぬイタズラ彫りがされている。
「珍奇な生き物」はきまって朝8時になると、その木の天辺に現れ「ペーチュンチュン」と鳴くのだ。
一般的にスズメの鳴き声はチュンチュンと擬音語化されるが、頭にペーをつけて鳴くことはない。
イチョウの頂で決まりごとのように鳴き声を披露するこの生き物はスズメでは無いのだ。

過去に何度かその姿を確認しようとイチョウの木を見上げてみたのだが
僕の視力が悪いのと、目に毒なのではないかと思う程強い朝日のせいでその試みは全て失敗に終わった。
何故木の頂上にいると分かるのかと言えば、「珍奇な生き物」が鳴いている間は付近の枝が絶えず揺れているから
そこにいるのだろうと推測しているだけで、実際にペーチュンチュンと鳴くソレを見たわけではない。
何故だか分からないが雲が陽光を遮るような日に、ソレは決して現れない。
だが晴れてさえいれば木が折れてしまいそうな強い風が吹こうと、光化学スモッグ注意報が出ようと
フンドシ姿の男が木にめがけてチャリオットタックルしようと、そんな事はお構いなしに淡々と「仕事」をこなすのだ。
そして8時15分きっかりに鳴き声は止み、枝の揺れもピタリと止まる。
しばらく木の頂を目を細めながら見ていても移動する気配はなく、まるでそんな生き物は最初からいなかったかのように沈黙するのだ。

46 :「2ちゃん私立おた板学園」:2007/09/29(土) 05:04:28
僕が校舎の階段を3階分、60段上がって自分の教室へ入り、席へついた時
黒板代わりの大型モニター中央上部に表示された時刻は28分から29分へ変わるところだった。

学園は通常の学校システムとは大きく異なり、在校期間によって等部分けがなされ
入校時期でどの組に入るかが決定される。
入校期間1年から2年が初等部、3年から4年が中等部、5年以降が高等部とされ
1月から5月を初期、6月から8月を中期、9月から12月が後期に分類される。
僕は3年前の9月初秋に校門をくぐったので中等部の後期組になる。
初等部は第1校舎、高等部は第3校舎と割り振られており、初期、中期、後期の順に上の階へと上る。
その為、15分までペーチュンチュンを聞いてから教室へ急いだのでは、例え校舎同士の各階が渡り廊下で繋がれているとは言え
第2校舎3階に位置する教室へ辿りつく頃には、朝のホームルームが始まる直前になってしまうわけだ。
それでも僕は、股間部分にテントを設置しながら「やらないか」とにじり寄ってくるボクシング部主将に追いかけられた
一度を除いて教室までの道のりを走って移動した事はない。

質素ながら悪くない座り心地の椅子に腰を下ろし、机の引き出しから現れた「じゃがりこ」の破片を口に運ぶか否か決断しかねていると
カラカラとドアが元気の無い音を立てて開き、酷く痩せこけた鶏がらのような男がいかにも調子が悪いといった様子で教壇の中央に立った。
その鶏がら男を見るなり、教室にいた生徒達の頭上には「!?」が飛び出し、驚きと恐怖の入り混じった言葉を口々に漏らした。

47 :「2ちゃん私立おた板学園」:2007/09/29(土) 05:07:42
「生きてたの・・・?マジで?」
「リアルリビングオブザデッドだお^^」
「お客様の中に陰陽師はいらっしゃいませんか!?」
「誰だよ死んだっつったやつは!誰だよ死んだっつった奴は出て来いよ!ぶっ殺してやるよ俺が!ヒデーなマジ肺ガン肺ガンとか言ってマジで!
享年30歳とかデマじゃねーか!そういう小説じゃねえからコレ!」

鶏がら男は、着ているスーツの胸ポケットから取り出したタバコに火をつけ、ゆっくりと煙を吸い込み吐き出した。
そして少し気恥ずかしそうな笑みを浮かべてから、か細いが教室の隅にまで行渡るハッキリとした声量で喋り始めた。

「えー、まずは皆さんに大変ご心配かけた事を謝りたいと思います。
噂で聞いていたとは思うけどちょっとばかし重い病気にやられて入院してました。
死んだとか言われてたみたいだけど、俺ちゃんと生きてるんで
今日から職務に復帰します。皆さん改めてよろしくお願いします」

しばらくの間「ざわ・・・ざわ・・・」が宙をうごめいていたが、1人の名も無き生徒が発した言葉がその独特のフォントを掻き消した。

「禁止先生が帰ってきてくれて俺達 ハ ゲ しく嬉しいです!!」

鶏がら男の頭部は、2年程前には生い茂っていたはずの毛髪の姿は見られず
その筋では学園トップと言われる教頭「アナザー一見」も真っ青な荒地が広がっていたのである。

48 :荒野の1ドル銀貨 ◆dollar/Agg :2007/09/29(土) 05:10:10
肝心のタイトルに誤字があるたぁお釈迦様でも気付くめぇ

正しくは「2ちゃん市立おた板学園」

49 :荒野の1ドル銀貨 ◆dollar/Agg :2007/09/29(土) 05:14:57
さらに問題点発見
>>46の9行目、校舎説明に中等部の校舎が第2である説明が抜けておる

もう疲れたので寝る

50 :らっきー ◆LUCKYc0U62 :2007/09/29(土) 05:37:38
ワラタ。

これある程度たまってきたら作品別に分けて
簡単な批評会的なものやったら面白いかも

51 :らっきー ◆LUCKYc0U62 :2007/09/29(土) 08:51:30
続き

「うーっす」
教室に着くと、まだクラスの半分以上は登校していなかった。
「あれ瀬能、おはよう。珍しいな。まだ15分は余裕あるぜ」
クラスメイトの伊藤が話しかけてきた。
「朝早く起きたからな。目覚めも良かったしせっかくだからそのまま来た」
「ふーん。まぁ二度寝して遅刻するよりはマシだね。いい心がけじゃん」
「ああ。たまには余裕があるってのもいいな。今後はいつになるかわからんけど」
「まぁ別に期待はしてないけどね。俺には関係ないことだし」
そう言いながら屈託なく笑う。
言っていることは腹が立ってもよさそうなものだが、それでもそういう気にならないのは
こいつのキャラというか人柄のなせる技だろう。
「そうかい。あ、今日ってなんか授業中に指されるような宿題とかあったっけ?」
「特にないんじゃない?あったら隣の席のやつにでも教えてもらえよ」
「それもそうだな。サンキュ」
おう!と元気のいい返事をして伊藤はもといたグループの中に戻っていった。
自分の席についてとりあえず鞄を下ろすと、後ろの席には既に結城がいた。
相変わらずいつものように頬杖をついて窓の外を見ている。
「よう、おはよう結城」
「ん、おはよう」
視線をそのままに、全く同じ姿勢を保ったまま簡潔な返事を返してくる。


52 :らっきー ◆LUCKYc0U62 :2007/09/29(土) 08:52:24
なんとなく遠ざけられているような気がして、そこから先の言葉が
思い浮かばなくなってしまった。
とりあえず少ない鞄の中身を机の中に入れ、鞄を机の横に下げる。
少し逡巡した後、特にすることもないのでいつものように
上半身を机に投げ出し、腕を枕にして寝る体制をとった。
「また、寝るの?」
すると後ろから声がかけられる。
体を起こし後ろを振り返ると、頬杖をついたまま顔の向きだけを変えて
こちらをやや呆れた目で見ている結城がいた。
なんだかいつも色んな事に無関心なこいつの興味を惹けると少し勝ったような気分になる。
「これで今日は一勝一敗だな…」
「なんのこと?」
結城が少し怪訝な顔をする。
「いや、大したことじゃないんだが」
「そう。じゃあいいわ」
また顔を窓の外に向ける。
「いや、待て。もしかしたら面白いかもしれないだろ」
「だって大したことじゃないんでしょ?」
「もしかしたらお前にとっては面白い話かもしれない」
そういう態度をとられるとまた何かに負けた気分になりそうだ。
「ふうん。じゃあ話してみてよ」
別に今朝の妹との1件なんて俺にとってはあまりいい記憶では無いので
話すつもりもなかったが、気付けばなぜか話さざるをえない状況になっていた。


53 :らっきー ◆LUCKYc0U62 :2007/09/29(土) 08:53:05
(なんでこんなことになったんだ…?)
胸に浮かぶ疑念を払いのけつつ今朝のことを話す。
「実はな…」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「そういうわけで俺は朝から負けたような気分になったわけだ」
話しおわると結城はいつも通りの表情で
「ふうん」
とだけ言った。
「で、どうだった?感想は」
「面白い妹さんね」
「たしかに翠は変なキャラだからな。で、俺の話はどうだった?」
「それって君の話し方が面白かったかってこと?」
「うーん…なんか違うような気もするが、まあ遠くはないな」
「うーん…そうね」
そう聞くと結城は少し考えるような表情をした後
「別に、普通」
とだけ言った。
「そうか…普通か…」
俺は本日二度目となる敗北感に打ちひしがれながら項垂れた。
結城は無表情のまま続けて
「別に気落ちしなくてもいいじゃない。私何かを面白いと思うことなんてあまりないし。
それにあなたの話し方は普通だったけどつまらないわけじゃないし
話の内容自体は結構面白かったしね。
別に落語家目指してるとかそういうわけじゃないんでしょ?」
と言った。
「まあそれはそうだけど」
「ならいいじゃない」
まさか結城にフォローされるとは思わなかったが、言っていることは確かなので
素直に受け取っておくことにした。


54 :らっきー ◆LUCKYc0U62 :2007/09/29(土) 08:54:00
もっとも結城に自分がフォローしているつもりがあるかはわからないが。
「それにしても妹さん…翠さんだっけ?いつもそんな口調なの?」
結城はどうやら翠という人間性をまだ信じきれないらしい。
確かに話を聞いた限りでは翠の口調やキャラは多少作り話のように聞こえるかも
しれないのでもっともな疑問ではあった。
「ああ。別にキャラを作ってるわけではなさそうだし家族の前でその必要も
ないだろうしな。たぶん素だと思う。
小さいときからいっつも漫画とか読んでたからその影響じゃないか?」
「そうなの?私も漫画とかは少しぐらい読むけど、
そんな口調の登場人物なんてなかなかいないわよ。
私の読んでる漫画にいないだけかもしれないけど」
「俺も翠からはたまに漫画借りて読むけど、そんなキャラはいないな。
まあ特定のキャラじゃなくて昔から呼んでた漫画の色んなキャラに
影響受けるとああなるんじゃないか?
アイツの部屋ほとんど漫画にスペースとられてるようなものだし」
「そんなにたくさんあるの?」
結城が少し驚いたような顔をする。
そういえば結城の表情は無表情かやや呆れたような表情しか
見たことがなかったかもしれない。
「ああ。普通にあるのは勉強机とベッド、あとは衣類棚ぐらいかな。
それ以外はほとんど漫画だ。
普通の家具より漫画の方がたぶんスペースとってる」
「漫画ってそんなに種類があるものなのね…。少し驚いたわ。
でもそんな風に何か趣味があるのっていいわね」
結城が少し遠い目をした表情を浮かべる。
そういえば結城は教室でもいつも窓の外ばかりみていたりするだけで
何か本を読んだりとか別のことをしているのを見たことがない気がする。


55 :らっきー ◆LUCKYc0U62 :2007/09/29(土) 08:54:40
「結城は何か趣味とかないのか?」
「これといって無いわ」
そう答えたときには結城はいつもの表情に戻っていた。
なぜか少し残念な気がしつつも、俺は会話を続ける。
「じゃあ家ではいつも何してるんだ?」
「そうね。新聞を読んだり、テレビを見たり」
「テレビってどんな番組?」
「どんな番組といってもどういうのがあるのかよく知らないから…
大体はニュースとかかな」
なんだかどこかにいそうな主婦のようだ、と思った。
「なんか女子高生らしくないな…暇を持て余してる主婦みたいだぞ」
「え、主婦…私が…?」
結城は少し驚いたような顔をした後、少し考えて
「そう言われればそうかもしれない…」
落ち込んでいた。
「いや、落ち込むなよ。趣味がないって言ってもまだ俺達高校生じゃんか。
これから趣味を探すってのもアリだと思うぜ」
いつも飄々としている結城が落ち込むという自体を目の前にして
少し驚きつつもとりあえずフォローを加えておく。
すると結城はまだ表情に影を落としながらも
「そうね。まだそういう手もあるものね」
と答えた。
少し痛々しい。
「でも、趣味を探すって例えばどんなの?
家庭菜園とかの本はたまに本屋で見かけたりするけど、私バイトとかしてないし
そういうお金のかかるようなのはできないわよ」


56 :らっきー ◆LUCKYc0U62 :2007/09/29(土) 08:55:22
家庭菜園という言葉にまた少し主婦くささを感じたが
また傷をえぐりかねないので黙っておくことにした。
「そうだな。といっても俺も翠に借りて読む漫画以外には
そんなに趣味がといえるものがあるわけじゃないからいいアドバイスはないけど…。
なんなら誰かに漫画でも借りて読んでみたらどうだ?」
「ああ。それはいいかもしれないわね。
瀬能くんも妹さんに漫画借りて趣味みたいになってるわけだし」
お金のかからない形といったら誰かに何かを借りるぐらいしか
思いつかなかったのでとりあえずといった感じで提案してみたのだが
どうやらお気に召していただけたらしい。
結城はそのまま少し悩むような顔をした後
「でも何かを借りるといってもなかなか思いつかないわね。
今まで趣味を持とうとも思わなかったわけだし。
それに何かを借りるといっても貸してくれるような友達に心当たりがないわ」
とやや深刻ともとれることをさらりと言ってのけた。
しかし今更友達を作るところから始めていたらキリがないだろう。
事態は予想以上に困難を極めているようだった。
「うーん、困ったな…じゃあとりあえず翠に頼んで漫画借りてくるから
それを結城が読んでみるっていうのはどうだ?」
結城は少し悩んだ後
「それぐらいしか思い浮かばないわね。
でもそれなら私が直接妹さんに会って借りるわ。
趣味の事を言えば力になってくれるかもしれないし」
と言った。
少しは気を持ち直してきたらしい。
「そうか。じゃあ翠にメールしてみるから少し待っててくれ」
そういって俺は携帯を取り出すと早速翠にメールを送る。
(ウチのクラスにおまえの漫画を貸して欲しいって人がいるんだけどいいか?
本人は一応おまえと会ってついでに悩みも聞いて欲しいらしいんだが…
こんなもんでいいか)
簡単な用件だけをまとめて送信した。


57 :らっきー ◆LUCKYc0U62 :2007/09/29(土) 08:58:11
「よし、送っておいた」
「ありがとう。
さっきの話を聞いてちょっと妹さんがどんな人が想像つかないけど、
少し会うのが楽しみな気もするし不安な気もするわ」
「まあ変なやつだけど非常識ってわけでもないから。
そんなに気難しいような人間でもないから多分大丈夫だよ」
そんなやりとりをしているうちに俺の携帯が震える。
「お、返ってきた。えーっと…
『こちらは問題ないぞ兄よ。都合が合うなら今日の昼休みにでも
その人と一緒にうちのクラスに来るといい』だそうだ」
俺がメールを読み上げて承諾の件を伝えると、結城は
「ほんとにそんな喋り方なのね。やっぱり少し楽しみで不安だわ」
と答えた。
その表情は俺には微かに笑っているように見えた。
かくして俺達は昼休みに翠の教室を訪ねることになった。



ちょっと朋の口調が大人っぽくなってまいりました。
忘れられてると思いますがちなみに朋ってのは結城のことです。
それにしてもなんか一気に書いた気がするなぁ。
自分でも翠と朋が絡むとどうなるのか
はっきりいって予想がつかないわ。困った困った。
とりあえず続きはまた近いうちに

58 :あるペディ男 ◆FaZLauH2T6 :2007/09/29(土) 12:56:10
>>54 13行目
>昔から呼んでた漫画の色んなキャラに
昔から読んでた漫画の色んなキャラに

59 :らっきー ◆LUCKYc0U62 :2007/09/29(土) 21:58:14
>>58
毎度指摘サンクス。
本データのほうを直しておきました

60 :らっきー ◆LUCKYc0U62 :2007/10/02(火) 03:41:04
ちょろっと書いた


昼休み。
俺と結城は1年生の廊下に来ていた。
あの後また少し翠とメールをやりとりし、翠の教室で一緒に昼食をとろうと
いうことになったのだった。
「翠さんの教室はどこなの?」
隣を歩く結城が尋ねてくる。
その手には赤いハンカチに包まれた今日の分のお弁当がぶらさがっている。
俺も昼食のパンは朝のうちにコンビニで購入済みだ。
「翠は4組だったな確か」
翠が入学式を終えて家に帰宅したときに聞いただけなので
かなりおぼろげな記憶だった。
「なんだか曖昧ね。大丈夫なの?」
じと目で睨まれる。
長い髪の隙間からそういう目つきが眺められるといささか怖い。
「まぁクラスのやつに聞いてみればいいじゃないか。翠はあんなのだからたぶん
それなりに学年でも有名ではあるだろうし。いい意味で有名かは知らないけど」
「もう。適当ね」
「クラス間違えたって結果的に会えればいいんだし気になさんなって。ついたぞ」
4組のプレートが掲げられているドアの前に着いた。
幸運なことにドアは開いている。このまま中を覗けば誰かを呼ばなくても
探し出せるだろう。
「んー、翠は…っと」


61 :らっきー ◆LUCKYc0U62 :2007/10/02(火) 03:41:52
一通りぐるっと教室を眺めてみる。
「どう?いた?」
「んー」
横から結城が話しかけてくる。
だがパッと見回した感じでは、目に映るのはいくらかの下級生の視線だけで
肝心の翠は見当たらない。
「トイレにでも行ってるのか?」
「電話してみたら?」
「うん、そうだな」
携帯を取り出す。
ブルルルッ
その瞬間に携帯が震えた。着信は…「翠」。
少々うんざりしながら通話ボタンを押し、携帯を耳に当てる。
「翠、今どこだ?俺たちのこと見えてるんだろ」
「ふっふ。察しがいいな兄よ。どこにいると思う?」
「いいから出てこいっつの。腹減ってんだからさ」
そう言いながらも辺りを見回してしまう。
ここの位置が見えるとしたらこの廊下の両端か…いない。
となると…後ろの窓から見える理科実験室や音楽室が入っている特別棟を見る。
その屋上に小さな人影が確認できた。
「おまえは…何やってんだ。いいから早く下りて…」
…フッ。

62 :らっきー ◆LUCKYc0U62 :2007/10/02(火) 03:42:18
「うひゃあ!!」
突然隣から聞こえた悲鳴に驚いて顔を横に向ける。
そこには耳を押さえて呆然としている結城と、
腕を組んで満足そうな表情をしている翠の姿があった。
「な…あれ…翠?じゃああれは…」
「思い通りのリアクションをありがとう二人とも。ちなみにあの屋上の影は
ダミーだよ。さっき設置しておいて、私は隣の教室に隠れていた」
こいつは本当に何を考えているんだろう。
毎度ながら踊らされている俺も俺だが、わざわざあんな小道具を
使ってまで俺を驚かせようとするこいつの思考は理解できない。
「ほんとにおまえは…おい、結城、こいつが妹の翠だ」
「あ…え…?あ、ああ。よろしく。翠さんだったわよね?」
結城も俺の声でようやく気を取り直したらしく、やや戸惑いながらも挨拶をした。
「さんはいらない。翠でいいよ。結城先輩でよかったかな。
こちらこそよろしく。いつも愚兄が世話になっているよ」
そう言って右手を差し出す翠。
「ええ、わかったわ、翠」
結城も倣って右手を差し出して握手をした。
「よし。じゃあ早速本題に入ろうぜ」
俺がそういうと翠も頷いた。
「そうだな。挨拶も終わったことだし。早速教室で昼餉を囲おうじゃないか」
「ええ、わかったわ」
結城も同意し翠の後に続いて窓際の一番前の席に向かっていった。
「さて、どうなることやら」
多少の不安を抱えつつ、1年生の好奇の視線に晒されながら俺も二人の後を追った。


全然場面は進展しておりません。翠書くのは楽しいなぁ

63 :あるペディ男 ◆FaZLauH2T6 :2007/10/02(火) 03:45:58
あきらかわいい。

64 :らっきー ◆LUCKYc0U62 :2007/10/05(金) 20:15:33
>>63
なんか自分の想像したキャラを褒められると
娘を褒められているような気分になりますね。サンクス。
早速続き

「ここの席だよ。まぁ適当に座ってくれ」
案内された場所では既に4つの机が2つずつ向かい合うように
寄せられてセッティングされていた。
そしてこちらから入ってきたのとは対角の位置にある机には先客がいた。
「えっと、この子は?」
「あの、始めまして。か、鏑木結羽(かぶらぎ ゆう)といいます。
えっと…よろしくお願いします」
結城の問いかけに対してその鏑木結羽という子は立ち上がって
ややつまづきながらも自己紹介をする。
なんというかクラスに1人か2人はいる気弱そうな子だ。
淡い栗色の柔らかそうな髪が儚げな印象を与えるが、その髪は
腰まで伸びており、前髪で顔の上半分をも隠しているのでどこか近づきがたい。
「ああ、よろしくな」
「こちらこそよろしくね」
自己紹介してからやや間があったのに不安を覚えたのか結羽が少し
表情を曇らせた(ような気がする)ので少しあわててこちらも返事をする。
(なんだか結城みたいな感じだな)
そんなことを思いながら椅子に座る。


65 :らっきー ◆LUCKYc0U62 :2007/10/05(金) 20:16:15
「さて、早速相談と行きたい所だが結羽がなぜここにいるかも
疑問だと思ってるだろうし、まずは食事にしよう。
食べながらそのへんを説明することにしようか」
「ああ、わかった」
「ええ」
…コクン。
翠がうまく場をまとめてくれたので三者三様に返事を返して食事の支度を始めた。
翠はそれぞれが自分の食事を用意できたのを確認すると
「まぁ食べながら聞いてくれ。初対面だから少し緊張したりするかもしれんが、
肩の力を抜くといい。この子も結城さんと同じだからね」
と『焼きたらこ』と書かれたコンビニのおにぎりのビニールをはがしながら言った。
「同じ?」
結城が首を傾げる。
「うむ。朝に兄とメールで打ち合わせをした後、
結羽も悩みがあるといって相談を持ちかけてきたんだ。
 兄達との話もあることだし、どうせならまとめて相談にのろうというわけだよ」
そういって翠はコンビニのおにぎりを齧った。
なるほど、そういう意味で結城と同じというわけだ。
結城も納得したという風に頷いている。
「というわけで、早速相談に乗ろうと思うのだが、どちらからにする?」
翠が結城と結羽を交互に見る。
「えっ?あ…じゃあ結城さんからで…」
結羽が少し遠慮気味に言う。
「私からでいいの?じゃあ手短に話すわね」
「うむ、どっからでも来るといい」
翠は無駄に気合の入った言葉と共におにぎりをもう人齧りすると、
体ごと結城に正面に向かい合って聞く態勢をとった。


66 :らっきー ◆LUCKYc0U62 :2007/10/05(金) 20:17:08
結城もそれに合わせてやや姿勢を正す。
「私今趣味を探してるの。色々瀬能君とも話してみたんだけど、どれもピンと来なくて。
そしたら瀬能君の妹さんが漫画が好きでいっぱい持ってるって
話を聞いたから、私に協力するつもりで貸してもらえないかなって思ったのよ」
結城が要点だけをかいつまんで話す。
他にも主婦くさいとかそういう話もあるのだろうが、
短い昼休みの中で2人分の相談をするとなると
短くまとめたほうがいいと考えたのだろう。
「なるほど。趣味探しか。わかったよ。私でよければ協力しよう。
幸い漫画だけならいくらでもあるから1冊ぐらいは気に入るのがあるだろう。」
翠も問題ないといった感じですんなり了承した。
「ありがとう。助かるわ」
結城が少し肩の力を抜いて礼を述べる。
「そういえば、何か好きなジャンルとかはあるかな?
希望があるなら言ってくれ」
翠がつけたすように言う。
確かにあの漫画の山の中から選ぶとなるとやや大変だろう。
それに趣味を探すのだから、多少なりとも興味をそそるもののほうがいいかもしれない。
「そうね…じゃあサイコサスペンスみたいなものはある?」
「うむ、あるぞ。中々通なジャンルを選ぶじゃないか。他にはあるかな?」


67 :らっきー ◆LUCKYc0U62 :2007/10/05(金) 20:19:23
「うーん、そうね…」
結城は少し顎に手を当てて考えた後
「恋愛ものがいいかな」
と答えた。
「了解。それじゃあ用意しておこう」
翠がメモを取りながら答えた。
結城がサイコサスペンスというのはなんとなく納得できたが、
恋愛ものを希望するとはいささか意外だった。
しかしそれを口にするのも失礼だろうし、まだ結城と話すようになって
間もないので俺の勝手な先入観もあるだろう、ということで口にしないでおいた。
「よし、それじゃあ結城先輩の相談はひとまずこれでいいかな?」
「ええ。次は鏑木さんの相談ね。鏑木さんはどんな悩みがあるの?」
翠の確認に結城が答え、今まで黙っていた鏑木に話を委ねる。
3人の視線が一斉に集まったせいか、少し萎縮したような様子だったが、
意を決したように話し始めた。


眠い頭で書いてるので間違いとか矛盾がありそうな悪寒。
ともあれ新キャラです。
一応他にもまだ出してないキャラで設定だけ作ってあるのとかいるので
今後もどんどん出る予定。
話がわからなくならないように気をつけないといかんなぁ

68 :らっきー ◆LUCKYc0U62 :2007/10/05(金) 22:26:00
なんかなんとなく書いてたら結構書いてたのでまたカキコ


「あの、私…自分というものが無いんです」
鏑木は開口一番にそんなことを言った。
自分が無いとはどういうことだろう。
よくわからないまま鏑木の話が続く。
「えっと…なんていうか…周りの皆は自分なりにオシャレしたりとか
 部活に打ち込んだりとか、自分を表現できる何かを持ってると思うんです。
 でも私はそういうのがなくて…」
鏑木は自分でもなんと言ったらいいかわからないらしく、
一生懸命に言葉を捜しながら説明しようとしているようだった。
「ふむ。要約すると結羽は他の人のように『自分を自分として表現できるもの』
 が欲しい、ということかな?」
翠がとっさにフォローを入れる。
「は、はい。そんな感じです」
鏑木も出された助け舟に飛びつくように同意する。
つまり鏑木は、自分ならではといったものが無いということに悩んでいるらしい。
このへんも少し結城と似ているような気がする。
「なるほどね。ということは鏑木さんは部活には入ってないの?」
結城も事情を把握したようで、納得できたところで早速質問をする。
「はい、特に入っていません。特に興味もやる気もないのに入部しても
 長続きするかわからないし、他の人の迷惑にもなるかもしれませんので…」
なるほど、と思った。
彼女が言っていることは最もだが、少しネガティブだ。


69 :らっきー ◆LUCKYc0U62 :2007/10/05(金) 22:26:48
一般的に部活なんてものはやる気のある人もいれば
なんとなくとか、友達に誘われたからとかの理由で入る人間も少なくないだろう。
確かに、そういうものが原因で問題も起こるかもしれないが
高校生活における部活なんてそんなものだろう。
おそらく彼女は真面目な性格なのだろう。
だがここで「部活なんてそんなものだ」と言っても、もし実際に
そういったことが原因で問題が起きてしまったら意味がない。
ここは黙って少し様子を見ることにした。
「ふむ、でも結羽には勉強があるだろう。
それは結羽の求めているものには繋がらないのか?」
翠が口を開く。
「鏑木は勉強できるのか?」
勉強もあるレベル以上できるならば、部活で活躍している人と
同じように自分ならではのものになり得るだろう。
俺が翠に確認すると
「うむ、学年では大体3位以内に入っている。上位3人は大体常連が10人ほどいて、
 結構入れ替わりがあるが、結羽はその中に常に入っている。
 だから上位3人はいつも結羽とあと2人、といった感じだな」
翠は飄々と告げているが、それはかなりすごいことだろう。
「すごいな。それだけのものがあるなら十分な気がするけど。それじゃ駄目なのか?」
俺がそんな立場にいるのなら思わず自慢して回ってしまいそうだ。


70 :らっきー ◆LUCKYc0U62 :2007/10/05(金) 22:27:45
俺が聞くと
「勉強はやらざるを得ないものですから…私実は奨学金を貰っているので
 がんばっていい成績とらないといけませんし…。
 それにPTAに笠原さんっていう方がいるんですが、その方が私の
 後見人みたいな方で、奨学金の話とか色んなことを手伝ってくれているんです。
 その方のためにも頑張らなきゃいけないっていう感じなので…。
 私が自主的にしていることではないんです」
と結羽が説明してくれる。
「なるほど。何かをするにしても主体性が欲しいわけか」
翠は2つ目の『焼きたらこ』と書かれたおにぎりのビニールをはがし、
がぶりと食いついた後、ふーむ、といった感じで考え込んでしまった。
「難しいわね…」
結城もいい案は見つからないようで顎に手を当てて何かを考えている。
(そんなに難しく考えることかな)
俺はそんな二人を見ながら考えていた。
何か打ち込めることといっても、とりあえずでも何かをやってみないことには
やりたいことを見つけるのは難しいのではないだろうか。
それならばいっそ、色んなことに手当たり次第にチャレンジしてみるのもいいと思うのだ。
もしかしたら俺の考えが浅はかすぎるのかもしれないが、
この結羽という少女にはそれぐらいで丁度いいような気がする。


71 :らっきー ◆LUCKYc0U62 :2007/10/05(金) 22:28:26
「なんだ兄よ。何も考えていないようだが何かいい案でもあるのか?」
どうやら呆けた顔でもしていたらしく翠がジト目でこちらを見ていた。
翠が口に物を入れながら喋ったせいで、具の焼きたらこが少し飛んできた。
「おまえは焼きたらこ飛ばすなよ…。
まぁ俺としてはそんなに深く考えなくてもいいんじゃないかと思うんだけど」
「というと?」
俺が焼きたらこを手で払いながら言うと結城が次を促すように聞いてきた。
「うん。何かを探すにしてもまずは何でもいいから手をつけたほうがいいと思うんだ。
 他の人に迷惑がかかるのがいやなら最初に言ってたオシャレとかでもいいと思うし。
 たぶん鏑木は真面目すぎるんじゃないかな」
「真面目すぎる…ですか?」
鏑木がきょとんとする。
「ふむ。さすが我が兄。なかなかいいことを言うな。
そういうアプローチもアリかもしれない」
翠も同意するように言う。
「そうね…。まず何かをやってみるっていうのは大切かもしれないわ。
 私も漫画に興味があるわけじゃないけどとりあえず借りてみるわけだし。
 なんでもいいならとりあえず瀬能君が言ったオシャレでもしてみたら?」
そういえば結城も別に漫画が好きというわけではないのだった。
少しネガティブな鏑木も結城も同じような条件ということなら動きやすいだろう。
「そうですね…オシャレっていうのもどうしたらいいのわかりませんが、
 とりあえず挑戦してみるのがいいかもしれないですね」


72 :らっきー ◆LUCKYc0U62 :2007/10/05(金) 22:29:07
本人も納得したようだ。
「よし。じゃあ決まりだな。どうオシャレするかは私がフォローしよう。
 資料になるようなものを明日持ってくるよ。
 結城先輩の漫画も明日持ってくるということでいいかな」
「ええ。問題ないわ」
結城が答え、話がまとまると、皆少し力が抜けたようで空気が少し軽くなった気がした。
「よし。それじゃあ後は気楽に話でもしながら食事の続きと行こう」
翠がそう号令をかけ、おにぎりにかぶりつく。
それに倣うようにまた皆で食事を始める。
お互いの悩みを打ち明けあったせいか、その後は最初に比べて和やかな
ムードで食事が行われた。

キーンコーンカーンコーン

食事も終わり、ひとしきり話した所で予鈴のチャイムがなる。
「それじゃあ今日はお開きにしよう。一応連絡先を教えておくから
 用があったらいつでも声をかけてくれ。赤外線は使えるかな?」
翠が携帯を取り出しながら結城に問う。
「ええ、使えるわ。この際みんなの連絡先を交換しておきましょうか」
結城も携帯を取り出し、翠と連絡先を交換しながら提案する。
「そうだな。たぶんまた集まることになりそうだし。
俺の分は翠から教えてもらってくれ」
「あ、あの…私もいいんですか?」
鏑木がおずおずと聞いてきた。
「もちろんよ。お互い頑張りましょう」


73 :らっきー ◆LUCKYc0U62 :2007/10/05(金) 22:29:52
結城が珍しく柔らかい表情で答える。
「俺も構わないぞ。俺のなんか知っても役にたつかわからないが」
「い、いえ!嬉しいです。こういうことを話せる仲間がいなかったので…」
最後のほうが消え入るような声になっていたが、表情は本当に嬉しそうだ。
おそらく今まで友達と呼べるような人間もあまりいなかったのだろう。
「いやいやこれで兄は、なかなか役に立つぞ。期待しておくといい」
翠がなぜか得意気に言う。
「おまえは無責任なこと言うなよ。俺にできることなんてないぞ」
なぜか翠はよく俺を持ち上げるようなことを言う。
自分でも役に立つような人間でもないと思うし、役に立った記憶も無いのだから
そんなに期待されても困るのだが。
「いえ…なんだかわかるような気がします」
鏑木までそんなことを言い始めた。
「頼りにされてるわね瀬能君。頑張らなくちゃ」
結城が無表情のまま茶化すように言う。
「知らんぞ俺は…」
もう何を言っても無駄な気がするのではぐらかしつつ、
翠経由で来たメールを確認する。
本文には『結城朋 090xxxxxxxx』とだけ書いてあった。
実に結城らしさがにじみ出ている。
「まぁ兄いじりもここまでにして、連絡先の交換もしたことだし解散としよう」
「ああ」
「そうね」
「わかりました」
それぞれ頷くと俺と結城は荷物を持って廊下に出る。


74 :らっきー ◆LUCKYc0U62 :2007/10/05(金) 22:30:32
鏑木と翠は同じクラスなのでその場に残っている。
「それじゃあまた、結城先輩。じゃあ家でな、兄よ」
「ああ、またな妹よ。鏑木もな」
「またね、翠、鏑木さん」
「はい。あの…先輩方、一つお願いがあるんですが…」
鏑木の言葉に帰る態勢だった体をまた少し戻す。
「どうしたの?鏑木さん」
結城が少し覗き込むように聞く。
椅子に座っているときはわからなかったが、結構身長差がある。
もちろん高いほうが結城だ。
「あの…結羽って呼んでもらえませんか?翠ちゃんも名前で読んでるし…その…」
俺と結城は少し顔を見合わせた後、少し表情を緩めあう。
「わかったわ。じゃあまたね。結羽」
「結羽。また近いうちにな」
結城がまた覗き込むようにして結羽に言い、俺も後に続く。
すると結羽はぱっと顔を輝かせて
「は、はいっ!また!楽しみにしてます!」
と嬉しそうに笑った。
その拍子に長い前髪の隙間から見えた顔は、白い肌に、
やや赤みが差した頬が印象的で魅力的だった。
俺はそのまま踵を返しながら
(オシャレしたら化けるかもしんないな)
なんてことを考えていた。


75 :らっきー ◆LUCKYc0U62 :2007/10/05(金) 22:31:54
あれならばオシャレをして外見が明るくなれば周りの接し方も少なからず
変わってくるだろうし、それが本人の目的に繋がればいいと思った。
ふと、携帯が鳴る。
確認すると、
『鏑木結羽です。よろしくおねがいします、和人先輩。090xxxxxxxx』
と書いてあった。
(和人先輩ねぇ)
何がどう働いたのかわからないが、信頼されたのだろうか。
横を見ると結城も同じように携帯を見ていた。
「朋先輩、だって。かわいい娘ね」
結城が薄く笑う。
そういえば今日の結城はよく表情が変わる(それでも他と比べたら少ないが)。
もしかしたら結城は母性みたいなものが強いのかもしれない。
鏑木…結羽も母性本能をくすぐるようなタイプだし、相性はいいのかもしれなかった。
「俺も部活とかやってないから後輩らしい後輩ってのは初めてだな」
「なら頼られてるみたいだし責任重大ね。和人先輩」
結城がまたからかってくる。
「どうしたらいいのかわからないけど…まぁ善処するよ」
なぜかなんとなく気恥ずかしくなって誤魔化した。
頼られるという間隔はどうもむずがゆくて苦手だ。
しかし、頼りにされている以上は力になってあげたいと思うし、
初めての後輩なので自分なりに努力してみることにしよう。

キーンコーンカーンコーン…

授業開始の本鈴が鳴る。
俺は結城と教室へ急いだ。


>駄目だ。
眠いので寝ます。誤字脱字矛盾表記ゆれ指摘ビシバシどうぞ。
たぶんいっぱいある

76 :進行係? ◆VPI3ZrcL.g :2007/11/01(木) 23:30:35
先生、居るんでしょ!
出てきてください!
もう、締切りは過ぎてるんですよ!

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