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LAS小説投下総合スレ16

1 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/23(金) 05:23:39 ID:ptWd/jxY
LASを投下しましょう。甘LAS、シリアスLAS、イタモノLASなどジャンルは問いません。
また、LARSやハーレム物の中で描かれるLASなどもOKですが主軸はLASで。他カプが主軸なら該当スレへ。

エロ分が多ければエロパロ板へ投下で、当板は全年齢対象です 。
原作にどれだけ直球な表現があったからといってもエロ分が多いとスレ削除を食らいます。

あなたがLASと思えば、それはLASなのです。

過去スレ
01 http://anime.2ch.net/test/read.cgi/eva/1122558487/
02 http://comic5.2ch.net/test/read.cgi/eva/1109570903/
03 http://comic5.2ch.net/test/read.cgi/eva/1110008498/
04 http://comic5.2ch.net/test/read.cgi/eva/1110645039/
05 http://comic5.2ch.net/test/read.cgi/eva/1111194171/
06 http://comic5.2ch.net/test/read.cgi/eva/1111941594/
07 http://comic5.2ch.net/test/read.cgi/eva/1112530302/
08 http://comic5.2ch.net/test/read.cgi/eva/1113068736/
09 http://comic5.2ch.net/test/read.cgi/eva/1113238483/
10 http://comic5.2ch.net/test/read.cgi/eva/1114138826/
11 http://anime.2ch.net/test/read.cgi/eva/1115760691/
12 http://anime.2ch.net/test/read.cgi/eva/1117711790/
13 http://anime.2ch.net/test/read.cgi/eva/1136124490/
14 http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/eva/1140426670/
15http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/eva/1179413945/

evaFF転載板
ttp://yy10.kakiko.com/yy11307819/

2 :1:2007/11/23(金) 05:28:03 ID:???
あ…過去スレちょっとミスった…orz

済まん、吊ってくる

3 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/23(金) 05:44:21 ID:???
明け方乙!

4 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/23(金) 07:20:03 ID:???
>>1


前スレ容量オーバーでdat落ちしたのね

5 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/23(金) 08:28:24 ID:???
ちょうど連載も全部終わったし、ちょうどよかったかもね
新作投下マチー

6 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/23(金) 08:32:33 ID:???
>>1
そして投下待ち

7 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/23(金) 08:43:43 ID:???
>>1
容量オーバーか

8 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/23(金) 19:55:56 ID:QS+oFaIV
削除以来出して来い

9 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/23(金) 21:22:23 ID:???
>>1乙です。
容量オーバーか…。一瞬焦ったぞw

とりあえず街。

10 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/24(土) 23:25:30 ID:GlTQPQRm
ちょwwアスカとシンジでSMスレ落ちた?
せっかく新作できたのに・・・ここにはスレチだよね。


11 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/24(土) 23:26:43 ID:???
エロスレは全削除されました

12 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/25(日) 00:33:59 ID:???
>>10
>>1参照
投下するならエロパロ板のこっちへ

【初号機】新世紀エヴァンゲリオン【出撃】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1174105047/

LAS読みたいって住人も居たから喜んでくれるかも

13 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/25(日) 05:44:35 ID:QLFCfrFv
>>12
わざわざありがとうございました!
でもあっちでSMはあまりなかったのと、エヴァの世界観があまりなかったので、投下はやめました。


14 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/25(日) 06:13:02 ID:???
投下するしないは、職人さんの自由だからかまわないけど、ちょっと読みたかったなw
あと、sageてやってほしいです

15 :パッチン:2007/11/26(月) 01:38:05 ID:???
「ハッピバースデイトゥーユー・・・♪
ハッピバースデイトゥユー・・・♪
ハッピバースデイディア、アスカ〜・・・♪
ハッピ…」
「もういい。アンタの歌聴いてるとハッピーになれないわ」
「・・・じゃあサッサとロウソク消してよ」
「ふぅ〜〜〜〜っ
はい。アスカちゃん27歳おめでとぉ〜」
パチパチパチ
「おめでとう。さて、ケーキ切ろうか」
「はぁ〜…。暗い誕生日パーティーだこと。アンタと2人きりって…」
「不満なら出て行っていいよ。彼氏と遊んできなよ」
「彼女の誕生日に仕事いれるような奴とは、とっくに別れましたよ〜だ」
「・・・えっと、22人目だっけ?」
「ぶ〜っ!30の大台に到達しました〜」
「ねぇ、やめなよポイポイ男変えるの」
「ふんっ!アタシに捨てられないような男がいないのが悪いのよ!
・・・ところでさぁ
・・・アタシ今『誰の物』でもないよ?」
「はぁ…。またなの?」
「あんな男と付き合ってたと思ったらイライラすんのよ!
…1回リセットしたいの」
「・・・わかったよ。シャワー浴びてくるから…」
「そのまんまでいい」
ガタンっ
「うわっ!?」
「うふふっ、シンジぃ〜♪」
「アス…カ」

やっぱりおかしいよ。こんな関係

16 :パッチン:2007/11/26(月) 01:40:24 ID:???
〜愛しき日々〜

翌日、ネルフ本部

僕はパソコン画面と、昨夜の情事による寝不足で完全に疲れきった目をグシグシと擦る
「ねむ…」
スパーン!!
「痛いっ!!なにすんだよ!!」
後頭部に強烈な刺激。振り返ると、丸めたテキスト片手にしたアスカ課長
「画面ぐちゃぐちゃよ馬鹿」
「へ?・・・うわっ!!」
いつの間にかキーボードの上にもたれかかっていたらしい
「す、すいません…」
「以後気をつけなさい!
・・・さて、お昼の時間だし食堂行きましょ」
自らの左手に付けた高級腕時計(17番目の彼氏による贈呈)を、僕の目の前にグイッと近づける
「あ、わかりました。ちょっと待ってください…」
家にいる時はタメ口で話しているが、会社ではアスカが上司だから敬語を話さなくてはならない
少し気持ち悪い感じもするけどね
「はぁ!?アンタ上司の言うことがきけないの!?」
このように上司面されることなんか日常茶飯事だ
「唐揚げ定食奢りますので…」
「うん、じゃあよろしい。手伝ったげるから早くランチにしましょ」
隣の椅子に腰掛けて、資料書類達に物凄いスピードで目を通していくアスカ課長
「さすがキャリアウーマンですね…」
「うるさい駄目シンジ」

17 :パッチン:2007/11/26(月) 01:42:46 ID:???
ただの同居人かといわれたら違う
ただの上司かといわれたら違う
愛する恋人かといわれたら絶対に違う
じゃあ…なに?
僕とアスカの関係を表す言葉って存在するの?

食堂に着いた僕とアスカは唐揚げ達が乗ったトレイをテーブルに置き、向かい合って座る
「ったく情けないわねぇ…。あんくらいで寝不足だなんて」
「僕はアスカと違って、ああいう不潔なことに慣れてないんだよ」
唐揚げに醤油をかける僕
ソースをかけるアスカ
「ふんっ悔しかったらアンタも他の女で練習しなさいよ
ネルフで誰か紹介してあげようか?」
「・・・」
「あっ!ごめ〜ん♪アンタ、ホモ説ながれてるんだったわね。あははっ」
「ながれたんじゃなくて、ながしたんだろ…。アスカが…」

あれは去年のバレンタインデー
アスカ以外の女性とは話す事も苦手な僕は、予想以上の量のチョコを貰って困り果てていた
そしてその事をアスカに相談したら…
『アタシにまかせなさい』
の一言を残してアスカは次の日、女性達が僕を白い目で見てくれる魔法の言葉をネルフ中に振り撒いてくれた

「あれから、うっとおしい女が近づかなくなったでしょ?感謝しなさい」
「時々うっとおしい男が近づいてくるんだけどさ…」

18 :パッチン:2007/11/26(月) 01:45:32 ID:???
「ところでアンタ、誰かいい男知らないの?」
「知らないよ。人気イケメン俳優まで捨てた女に似合う男を僕が知ってると思う?」
2年前、週刊誌の記者が撮影したスキャンダルをネルフが揉み消した事件は本部内では有名な話だ
「つまんないの〜
・・・あ。ごめんシンジ、隣行くわ」
不機嫌そうに唐揚げを箸でこねくり回していたアスカは、更に不機嫌顔になり、僕の隣の席にトレイごと移動してきた
「惣流くん。一緒にお昼どうかな?」
そしてやって来のは、毎日が常夏の日本とはいえ、冷房キンキンの食堂で、汗を大量に滴らすネルフNo.1のスケベっ子親父『里崎マサオ博士』
「え、えぇ。よろこんで」
顔をひきつらせながら答えるアスカ
なるほど。里崎が隣に座るのを回避するべく、僕の隣に座ったのだろう
案の定、里崎は僕の方を軽く睨みつけている
「おや、碇君もいたのかい?これはこれは」
「あ、いえいえ僕は失礼します。仕事がありますので」
そう言うと、口いっぱいに唐揚げを放り込み、僕は退散する
「な゛っ!!ちょっと待ちなさいよシンジ!!」
「惣流課長はゆっくりお食事しててくださいね♪
あ、そうだ!最近彼氏と別れたらしいし、里崎博士に相談したらどうですか?」
「おぉ!それは可哀想に。惣流くん、相談にのるから話してごらん?」
「え?あ、あはははっ…」(ギロリ)
隣に座った里崎はアスカの肩に手をまわし、異常に顔を近づける
食堂が一気にキャバクラに変化していく
「じゃあサヨナラ〜」
そして僕はアスカの殺意ムンムンの視線を背に、仕事場へと引き返していった

19 :パッチン:2007/11/26(月) 01:49:02 ID:???
夕焼け空の下、風をきって帰路を走る赤いスポーツカー

「ったく!あのエロ親父が!!ぬぁ〜にが『僕なら君に涙を流させない』よ!!あぁ〜気持ち悪い気持ち悪い!!」
ハンドルを操作する僕の隣で、体中をかきむしるアスカ
よっぽど嫌だったんだろうなぁ
「もとはといえばアンタがアタシを見捨てたから…」
「今さぁ」
「なによ!?」
「夕飯をハンバーグにしようか、野菜炒めにしようか悩んでるんだ」
「・・・ハンバーグ」
「おっけぇ」
車はスーパーの駐車場に滑り込んでいった



停止した車内でアスカは僕にビシッと指差して、命令する
「ビールとポテチとアイスクリーム買ってきなさい!」
「そんなに買ってどうすんだよ…」
「アンタばかぁ?明日から日曜日なのよ!なんの予定も無い日は、たくさん食べて、たくさんヤるしか無いでしょ!?」
そう言うと、僕のポケットから財布をふんだくり、お札を何枚かむしり取る
「薬局行ってくる!ゴム無なかったでしょ」
「ちょ、ちょっと…」
バンっ!!
「もぉ〜…」
1人車内に取り残された僕は、ハンドルにもたれかかり、意気揚々と薬局に走るアスカを眺める

夕日に照らされたアスカの金髪は悔しいほど綺麗だった

20 :パッチン:2007/11/26(月) 01:51:34 ID:???
翌日
昼の1時を過ぎたあたりで目を覚ました僕は、隣で眠るアスカを見やる
「幸せそうな顔…。なんか1人で悩んでるのが馬鹿みたいだ…」

僕とアスカはこの先どうなるんだろう…
いつまでこんなダラダラな…でもこの上なく心地良い関係でいられるのだろう…

脱ぎ散らかしたパジャマを再び着込む
先程まで温かいアスカに包まれた僕の身体は、冷えたパジャマを拒絶するように一瞬プルリと震えた



1時間後、キッチン
「ふわぁぁ〜ぅ、おはよシンジ…」
「おはよ…って服着てよアスカ…」
全裸で登場したアスカは、ダイニングの椅子に腰掛けると、テーブルをコンコンと叩く
「コーヒー?今作るから待ってて」
「んふふ〜♪うんっ♪」
『コンコン』でコーヒープリーズが伝わったのが嬉しかったのか、寝ぼけ眼で笑顔を作るとジ〜ッと僕を見つめている
・・・全裸で
「…なんだよ」
「毒入れないか見てるのよ♪」
「ふぅ〜ん。・・・本当に入れたらどうする?」
「う〜ん…。そうねぇ〜」
僕が先程アスカがコンコンした部分に出来上がったコーヒーを置くと、カップに視線を落としたアスカは小さく口を開いた

「・・・飲めるわよ。・・・アンタが入れた毒なら飲める」

21 :パッチン:2007/11/26(月) 01:53:46 ID:???
その後、昨日買ったカップ麺で昼食をとった僕らは、もう1度セックスした

夜になり、再びカップ麺で食事をとった後、昨日買ったお菓子を食べながらTVゲームをした

そして今はソファーに座り、正面から抱きついているアスカを抱えながら、ビールを一緒にチビチビ飲んでいる
・・・全裸で

「・・・ねぇ?なにやってんのかなアタシ達…」
「知らない。・・・でも、とりあえず僕はこれでいい
ううん…。これがいい」
食べ散らかしたお菓子の袋
コントローラーがいなくなったゲームキャラクターは、どうしていいかわからず、ピクリとも動かない
「アタシもこのままがいい…
もう男なんかいらない…。お金もいらない…。愛もいらない…。」
「明日も仕事だよ」
「やだぁぁ…。ずっとこうしとくぅぅ…」
ソファーの上で僕にしがみつくアスカは更に両腕に力を込める
「お風呂入って寝よう?ね?」
「ふぇっ…ひっく…」
涙が僕の右肩を濡らしていく
「明日なんかいらない…。時間止めてよシンジぃ…」
「・・・・・」
僕もそうしたいよ
でもできないよアスカ
明日は来ちゃう

当たり前のように、馬鹿みたいな日々が過ぎていく

22 :パッチン:2007/11/26(月) 01:57:56 ID:???
今回ここまでです
EOE後、ダラダラ生きる2人を書いてみました
アスカが他の男とヤリまくってる設定です。ごめんね
ファンフィクションだから許してね

23 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/26(月) 03:14:58 ID:???
おー、新作来たか。
ここはイタモノもおkのはずだから問題ないと思うよ。
とりあえず続きが気になる。

24 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/26(月) 07:33:30 ID:???
乙。

25 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/26(月) 18:50:36 ID:???
>>22
そういうことは、異性系イタモノという宣言だけにしといて、
中身は作中での描写で勝負しないと。
作者が言ってしまうと話が安っぽくなるぞ。

26 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/26(月) 19:40:37 ID:???
乙!
GJです!

27 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/26(月) 21:35:32 ID:???
俺も何か書いてみようかな……

28 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/26(月) 21:49:17 ID:???
>>27
頑張れ

29 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/26(月) 21:52:45 ID:???
>>25
仕方ない。世界観が飛びまくってるから今回のパッチン氏の文章だけでは
理解出来ん。

それにレベルが低いから修行の為に、ここで書いてるんじゃね?
実際でらとかレベルのものがかけるなら普通に投稿してるでそ。

30 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/27(火) 18:26:55 ID:???
>>15
GJ
こういうのも好き

31 :パッチン:2007/11/30(金) 20:42:28 ID:???
12月4日から3ヶ月が過ぎた3月某日

27歳になったアスカは、あれから彼氏を作らなくなった
理由なんかわからないけど、仕事の日以外はずっとマンションで生活している
そしていつも外ではイラついている。部下である僕らは、いい迷惑だ
「なんで最近イライラしてんの?」
「イライラしてる?そうかな?・・・うん、そうかもしれないかな。あはははっ♪」
そして家ではいつもこの調子。ボーっとして、時々笑って…
「よし、セックスしましょ」
こんなことばかり



ネルフ本部
『あっはははっあーっはっは!!』
用を足して男子トイレから出てきた僕の耳に届いたのは、女子トイレから響き渡る笑い声
アスカだ…。他に人の声は聞こえない
「アスカ…?」
「あはっ?シンジじゃな〜い♪なんで女子トイレにいんのよ?あははっ」
「ききたいのはこっちだよ…。なんで1人で爆笑してるの…?」
トイレの鏡で自分を見つめながらケラケラ笑うアスカ
不気味以外のなにものでもない
「ふふふっ、今日は早退しましょ。海行こ海♪」
アスカは笑顔でそう言うと僕の手を握り、女子トイレから飛び出した
「ちょ、ちょっとアスカ!?」

なんなんだよもう…

32 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/30(金) 20:45:41 ID:???
おー来てる来てる
支援

33 :パッチン:2007/11/30(金) 20:47:15 ID:???
ザザーン…
赤い海が広がる砂浜に僕と、先程と打って変わって沈んだ表情のアスカが並んで座ってる
「妊娠しちゃったみたい…なのよ…ね」
海に着いての第一声がそれだった
ポケットからデジタル式の妊娠検査薬が顔を出している
「何ヶ月とか詳しくはわかんないけど、『ここ』にいるのは間違いないと思う」
アスカはお腹をさすりながら、ポツポツと話す

ザザーン…
「なんか言いなさいよアンタさぁ…」
「・・・なんて言えばいいんだよ」
色々言いたいことはある。でも…
「結婚・・・しない?」
「したくない…」
「・・・ぷっ、あはははっ!言うと思ったぁ〜♪」

ザザーン…
「アタシみたいな使い古し女と結婚はイヤですか?シンちゃん?」
別にアスカが何人の男に抱かれてようが…
「僕とアスカって、そんなんじゃないと思ってたから…」
男と女だとはわかってた
「まぁ嫌がっても無理やり結婚するけどね。『多分』アンタの子供だと思うし」
「産むの?アスカ子供嫌いじゃ…」
アスカと僕の子供・・・なんか気持ち悪い
「楽しみじゃない。どっちに似るかとかさぁ♪」

ザザーン…
「・・・まぁ確かに楽しみは楽しみかな」
「じゃあ決定ね。結婚しましょ」

34 :パッチン:2007/11/30(金) 20:50:12 ID:???
ザザーン…
「べつに愛してくれなんて言わないわよ。結婚して、この子の父親になってくれたらそれでいい」
スーツ姿のアスカが母親ぶった顔になる
妙に気味が悪い…
「まぁアタシもアンタのこと愛してないから安心しなさい
戸籍にアタシとアンタを繋ぐ線を書くだけよ」
「愛のない結婚か…」
アスカのその言葉は、僕に心にのしかかる重圧を少し取り除いてくれた気がした

ザザーン…
「アスカは僕と結婚していいの?もう男遊びとかできないよ?」
「どうでもいいわ。アンタ以外の男は結局みんな同じだったしね」
「みんな同じ?」
なんか僕が変わり者みたいな言い方だな
平凡な性格してる自信はあるんだけど
「そっ。アンタ以外の男はみ〜〜んな同じ
ほれ、『これ』見て嫌がらないのはアンタだけよバカシンジ?」
ブラウスの下3つのボタンを外して、お腹をペロンと出すアスカ
「あぁ…それか…」

ザザーン…
13年前、ネルフのプールで水着姿のアスカが見せた可愛らしいお腹は、量産エヴァが喰いちぎっていってしまった
あとに残ったのは無惨に変色してズタズタになった…
「確かに気にしなくなってたね僕」
「ホントよね〜。昔はお腹見る度に謝ってクセに」

35 :パッチン:2007/11/30(金) 20:52:36 ID:???
「これ見たら、ほとんどの男は逃げるわね。まぁ目逸らしながらヤる男もいるけど
この前なんか『コスプレが好きなんだよ〜』とか言いながら、着衣セックス必死に求めてくる奴もいたし」
そんなことを言いながらアスカはケラケラと笑っている
・・・でも、僕はアスカを抱いた男達に猛烈にイラついていた
嫉妬とか同情なんかじゃない
アスカの男に対して感情を抱くなこと今まで無かったのに…

ザザーン…
「このお腹に耐えられた奴も、アタシの過去知ったら苦笑いしながら逃げていくしね」
「・・・・・」
「いくら世界の英雄でも『戦自殺し』みたいな面倒くさい肩書き持った女は嫌なんでしょ」
アスカの笑顔はまだ崩れない
でも僕のアスカに対する見方は完全に崩壊していた
僕の心の中で、お気楽に毎日を生きていたハズのアスカが

ザザーン…
「あははっ、アンタのこと騙したのよアタシ
本当はさぁアタシが男に捨られてんの」
「…もういいよ、わかったから」
「男と一緒にラブホ行って、帰りは1人で帰んの
ピロートークで戦自の話したら、血相変えて逃げてくから」
「ききたくない…」
「あははははっ」
「・・・」
「あはは…ははっ・・・はぁ…」

ザザーン…

36 :パッチン:2007/11/30(金) 20:55:24 ID:???
「・・・もう帰ろうか?夕飯の準備もあるしさ」
僕は立ち上がると、膝を抱えるアスカに手を伸ばす
「1人で立てる?妊婦さん?」
「・・・結婚」
「は?」
「ファイルアンサーしてない…。結婚するの?しないの?」
アスカは、うつむきながら僕の返答を待っている
「するよ。『愛の無い結婚』でしょ?
だいたい僕が子供作って逃げる男だと思ったの?」
「・・・アンタの子供じゃないかも…しれないん…だよ?」
ああ、確かにそうかもしれない
そのことをあんまり気にしてない自分は異常なのかな?
「アスカのお腹にいる時点で僕に無関係じゃないし、結婚するだけでアスカが満足ならそれでいいよ」
「・・・変な奴」
「あははっ、僕もそう思う
じゃあ、もう帰ろ。結婚祝いに今日はワインでも開けようか?」

アスカに子供がデキて結婚

昔の僕なら、頭から血が吹き出すほど悩んだだろうなぁ…
僕を同居人から婚約者に変えた女性は、僕の性格も大きく変えてしまったらしい

ザザーン…
「僕ら結婚したら何か変わるかな?」
「アタシは変わらないわよ。アンタに対する気持ちなんか今更変わりようがないし」
愛の無い結婚…
それが2人で一緒に出した僕らの結果だった

「あっ!でも子供産んだら週間セックス量増やしましょ♪夫婦なんだしさ♪」

37 :パッチン:2007/11/30(金) 20:59:42 ID:???
今回ここまでです
感想、ご指摘、ありがとうございます
なんか嫁がインフルかかったり、仕事増やされたりして書くの遅れてますw

38 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/30(金) 21:01:44 ID:???
乙!
嫁さんは大事になー

39 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/12/01(土) 00:19:06 ID:???

続きが気になる

40 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/12/01(土) 01:04:05 ID:???
GJ!
できのいい作品をコンスタントに書くいてくれてありがとう!

41 : ◆8CG3/fgH3E :2007/12/04(火) 07:44:23 ID:???

アスカ誕生日記念SS


アスカ21回目の誕生日の朝。外では雀がさえずっている。ほんの少しだけ隙間の開いたカーテンからは日の光が一筋の光線となって、部屋を切り裂いていた。
アスカの部屋。窓側の壁に密着して置かれたベッドの上には人形のようにアスカが横になり、窓の方を向いて眠っている。
ベッド脇の小さい机の上には朝日で光る水差と、小さいコップが置かれ、水差の中に残っている水は半分に減っている。
左の壁際にはラックが置かれている。上にはいくつかの写真立てが置かれ、そのどれもに共通して、二人の男女が新婚の夫婦のように笑いあって写りこんでいる。
右の壁際にはデスクが置かれ、その上に備え付けられた棚には分厚く、高そうな辞書や、文庫本サイズのアスカの愛読書が並んでいる。
電気スタンドもあるが、ついてはいない。
ドア横の壁にはドイツの風景写真が添えて載せられたカレンダーが架けられ、十二月の頁が捲られて冬季風景のドイツが見えている。
フローリングの床にはパッチワークの美しい絨毯が敷かれ、ぬいぐるみやクッション、洋服に下着などが散乱している。
どうやらアスカは酷くだらしがないようだ。
「ん……。」
小さい呻きと共にアスカの体が、空気の入り始めた風船のような身じろぎをする。衣擦れの音。
彼女の瞼が薄く開かれるが、部屋を照らす朝日の明るさに再び閉じられる。
右手が布団の中から這い出し、肌寒い中を探る。枕元を何度かまさぐったその手が、やっと目覚ましに行き着く。
目覚ましを鷲掴みにした右手は、獲物を捕えて巣穴に引き込むウツボのような動きですぐ布団の中へ引っ込む。
アスカの瞳は蛍光塗料の塗られた時計板を見た。
時刻は十時三三分。数分の狂いはあるかも知れないが、今は彼女にはそれほど重要な事ではない。
しかしそこでアスカははっとする。そう、今日はアスカの誕生日なのだ。
ムクリと起き上がり、アスカはボサボサに乱れた長い髪をワシャワシャと掻き回した。少し頭を動かすが、アスカはピタリと止まったまま動かなくなる。
「いたぁ……。」
アスカは頭を右手で押さえて呻き、何度か頭を摩る。
「昨日呑みすぎた……。」


42 : ◆8CG3/fgH3E :2007/12/04(火) 07:47:54 ID:???

痛々しい台詞を吐き捨てて、頭を気遣いながらアスカはベッドから降りる。
アスカの寝間着は綿の詰まった暖かいパジャマ。かなりの上等品のようで、「季節が戻り始めてるから」と十八の誕生日に貰った物だ。
これのお陰でアスカはこの寒い冬でも快適に眠る事が出来るし、大きめに選んであるので、
21になった今でも、修理をちょくちょく入れて大切に着る事が出来ている。
フカフカとした絨毯の上をアスカが歩き、デスクの抽斗を開けて『鎮痛剤』『胃薬』とラベルの貼られたふたつの小壜を取り出す。
内容のピルは、既に半分程減っている。
アスカはもう一度絨毯の上を歩いてベッドの上に座り、小壜からピルを数粒取り出して口に含んでサイドテーブル上のコップに水を注いで飲み込む。ピルが一緒に嚥下される。
アスカはコップの水を飲み干すとそれをテーブルの上に戻し、再び立ち上がる。
チェストから着替えを取り出し、小脇に抱えてドアへ向かう。アスカはドアノブを捻り、ドアを開けた。
寝室のすぐ外はリビングだった。向かって左はベランダ、右にはバスルームとトイレに外へ続く廊下への扉がある。
リビングの中ほどに進むと、右にはダイニングとキッチンに続く扉がある。部屋は殆どフローリング張りだが、リビングにはカーペットが敷かれている。
アスカは乱れた髪を手で撫でつけながら、右の扉に向かう。
床にある炬燵のスイッチと、壁にある備え付けられた暖房器具のスイッチを入れてからドアノブを回し、廊下に出た。
アスカは出てすぐに右の扉に入る。
ドアを開けたアスカの正面にはトイレへの扉がある。そこは脱衣所だった。
左にはバスルームがあり、昨夜彼女の設定した通りに湯が沸いていた。
アスカはパジャマと下着を脱いで脱衣籠に入れ、そのすぐ横の洗濯機の上に着替えを置いた。
「あ〜ダルい……。寒い……。」
とアスカは呟く。
彼女は体を両手で摩りながらバスルームの扉を開けた。
シャワーを温かくなるまでバスに空出しし、それから湯を浴びる。
丹念に髪を洗っている段になって、アスカの頭痛は薬のお陰で大分軽くなっていた。
髪を洗い、全身にお湯を浴びてサッパリとした表情で、アスカは風呂から上がった。如何にも気持ちよかったと言う風な顔だ。



43 : ◆8CG3/fgH3E :2007/12/04(火) 07:48:50 ID:???

着替えは、余り飾りのない下着に見た目からして暖かそうな厚手のセーターとナイロンのズボンだった。
寒い脱衣所から飛び出したアスカは「寒い、寒い」とひっきりなしに呟きながら、直ぐにリビングに入る。
その部屋は、アスカがシャワーを浴びるうちにすっかり暖かくなっていた。息を吐きながら至福のふやけ顔をするアスカ。彼女は直ぐにリビング中央の炬燵に足を突っ込んだ。
「あ〜、やっぱ炬燵は良いわねぇ。」
かつて同居していたミサトの家で初めて体験した炬燵であるが、アスカはすっかりお気に入りになっている。
その上彼女の口調がミサトの口癖「やっぱビールは良いわねぇ」と同じである事にアスカは気が付いたであろうか?
しかし彼女が、炬燵の上に置かれた籠に入った蜜柑に手を伸ばした時に、ぐぅ〜と腹の虫がなる。誰もいないものの、アスカの顔が羞恥で赤く染まる。
「そういや……。」
お腹が空いた。とアスカは炬燵から抜け出す。ダイニングを過ぎてキッチンに向かう。
寒い室内。アスカは扉を閉めずに、ダイニングとキッチンにリビングの暖気を招き入れる。
「めんどくさ〜い。」
本当に面倒臭そうにしてアスカは冷蔵庫から食材を取り出そうと、開けた。
時計の針十一時三十分をさした時、アスカの家のベルを鳴らす者があった。
ピンポーンとインターフォンの呼び出し音が、アスカの耳朶を打つ。
「何よ、もう!」
と苛立たしげにアスカは玄関に向かう。
寒いのが嫌いなアスカだ。この上雪まで積もる外への扉を開けるなど、彼女の性格から推測するに、本心では居留守まで使う選択肢まで浮かんでいるのだろう。
しかしアスカの今就いている仕事の性格上、仕事関係の宅配も考えられる。
よって居留守の選択肢は消滅し、残る選択肢はカーディガンか何かを羽織ってから外に出るという物だけだ。
結局アスカは寝室に散らばっていたカーディガンを羽織り、玄関へ向かった。
靴をつっかけてチェーンと鍵を外してドアを開ける。
「は〜い、どちら様?」
機嫌の悪そうな顔をしてアスカが出ると、そこにいたのはお盆の上に覆いを載せた物を両手に持った青年がいた。
「おはようございます。××レストランのモーニングデリバリーサービスでございます。」


44 : ◆8CG3/fgH3E :2007/12/04(火) 07:50:07 ID:???

××レストランと言えば、第3新東京髄一の良質サービスと料理を誇る一流レストランだ。
「え? そんなもの頼んでないわよ?」
目を丸くしてアスカは言った。
「失礼ですが、惣流アスカラングレー様でございますね?」
確認に肯首するアスカ。
「でしたら間違いございません。こちらのお食事は特務機関ネルフ様よりのご注文でございます。」
なんでネルフが? と訝みながらも受け取ってサインするアスカ。
青年は深々とお辞儀してから仰仰しく辞した。
扉が閉められる頃になると、アスカの興味は、寒さから謎のデリバリーに完全に移動している。
誰が何の目的で? とアスカは考える。しかし誰も思い浮かばない。ミサトにそんな気が回る訳はないし、他の職員にいまだかつてしてもらった事がない。
銀の盆を持ったアスカはリビングに行き、それを炬燵の上に置く。頬杖を突いてアスカはぼんやりと考えている。
しかし誰の顔も浮かばない。結局、おかしな物なら保安部が来るだろうと思い、蓋を開けてモーニングを食べるアスカだ。
中身はアスカにぴったりの独逸料理だった。
ふかふかの柔らかいパンに、明らかに本場独逸の物だとわかるヴルストと湯気が立ち上り水面が金色に輝くオニオンスープ。そして保温機に納められ、温もりを失わない芳しい薫りが鼻孔を刺激する紅茶。
新鮮な果物まで付いている。どれも一見しただけではその味は分からないが、一口食べれば調理人がどのような苦心と工夫で作り上げた料理か分かろうという物だ。
アスカの味覚神経はたちまちに刺激され、口腔内に唾液が分泌される。思わず唾を飲み込むアスカ。
「怪しいもんじゃないわよね……ネルフからのなんだから。」
確認と言うより、自分にいい聞かせる為に味覚神経が言わせていると言うような口調だ。
アスカはチラリとキッチンの方を見る。アスカが先に確認した冷蔵庫の中には、ミルク、ビールと酒のツマミ程度しか入っていない。それもアスカの食欲を余計に駆り立てる。
それに空腹のアスカが堪えられる訳は無かった。

久し振りのまともな朝食を終えたアスカは、炬燵に潜り込んで顎の下にクッションを置いてパソコンに向かっていた。どうやら寝そべって仕事をしているらしい。




45 : ◆8CG3/fgH3E :2007/12/04(火) 07:51:07 ID:???

ブラインドタッチで次々と文章が打たれていく。まだ21だと言うのに随分と熟練した指捌きだ。
ウィンドウに打たれているのは、どうやら外国小説の日本語翻訳文らしい。
パソコンの横には、原稿用紙が数枚置かれ、そこには印刷された英文が羅列している。炬燵の上には茶封筒に百枚以上の原稿用紙が入ったままになっている。因みにこの他にも未処理の茶封筒がいくつかある。
仕事を始めてから30分ほど経った所で、アスカは肩をポキポキと鳴らす。すると炬燵の上に置かれた携帯のバイブレーションが震えた。
「ん……。」と呻いてアスカが体を擡げ、炬燵の上に置かれた携帯を取る。携帯のデジタル時計は十二時五分を示している。彼女はプライベートウィンドウを見てから、通話ボタンを押した。
「なぁに? ミサトぉ?」
如何にも面倒臭そうな口調でアスカが通話相手に話し掛けた。
「ヘロー!」
電話越しでこのテンションは酔っ払いとしか思えない。
「まさかミサト? デリバリー注文したの。」
「あたり! アスカも誕生日くらいまともなご飯たべなきゃね〜。愛しい恋人の手料理を食べれないアスカにプレゼントってとこね。」
恐らく、デリバリーの配達時間をアスカの遅い朝食ぴったりの時間にしたのもミサトだろう。
アスカの白磁のような頬が真っ赤になる。
「う、うっさい! 一言多いわよ!」
と吐き捨ててアスカは通話を切る。携帯を炬燵の上に置いて赤く染まった頬に手をやるアスカ。ミサトがもし見れたなら「あら、処女みたいに恥ずかしがっちゃって。」と冷やかしただろう。
顎の下にあったクッションを両手で抱えたまま悶えること三十分。やっと落ち着いたアスカは、蜜柑と暖かい紅茶を口にしてから仕事に戻った。


アスカは時計を見た。壁掛け式のそれは十二時三十分を示している。この生活スタイルなら、そろそろアスカが遅い昼食を取る頃だ。
「ん〜……。」
アスカが起き上がり、伸びをする。何度か体を揺らし、全身の筋肉をほぐす。
「はぁ……。」
一息吐いて肩をほぐしたアスカはムクリと立ち上がってキッチンに向かった。「寒い寒い」と連呼しながら体を摩るアスカ。
どうやら昼食をとる様子だ。


46 : ◆8CG3/fgH3E :2007/12/04(火) 07:54:03 ID:???

そんなアスカの様子を見計らったかのように再び呼び出し音がなった。まさかと言った風にアスカが玄関を開けると、朝と同じ配達の青年が立っていた。
「御待たせいたしました。××レストランのランチデリバリーサービスでございます。」
「やっぱり……。」
とアスカが呟くと青年は「はい?」と首を傾げる。
「いや、なんでもないわ、ありがとうね。」
気恥ずかしいのかウブなのか、青年は顔を赤く染めて辞した。頬を赤く染めた青年は、どうみてもアスカより何歳か年上に見える。だがしかし、やはりアスカの日本人離れした容姿と大人っぽい雰囲気で年上に見えてしまうのだろう。
「昼は何かしらね。」
蓋を被った盆を両手に持ったアスカは軽く首を傾げながら呟く。
リビングに戻ると直ぐに炬燵にそれを置き、蓋を開けるアスカ。
料理のメインディッシュはアスカの予想通り、彼女の故郷、独逸の料理だった。それはいかにも昼食らしく、腹を満たすために朝よりヴォリュームが増している。
そのメインディッシュは独逸で比較的ポピュラーな煮込み料理であるアイスバインだった。蒸かしたジャガイモが添えてある。左下の皿には輝くようなライスが盛られ、右側に置かれた小皿には水々しいサラダが装られている。
全ての料理は日本人向けに調整されていが、日本人の味覚に近いアスカにはぴったりだろう。
豚の脛肉は鹿児島の黒豚。野菜も全て無農薬有機栽培の良質なものである。
そして米はセカンドインパクトから復興した米所、新潟県産の新コシヒカリだ。
適度な味の塩梅に、肉の柔らかさに野菜の形が崩れない程度の絶妙な煮込み加減。
肉の柔らかさは、まさに口の中で蕩けるような秀逸の歯触りだ。
「やだ、これスッゴク美味しいじゃない!」
久し振りに食べる本格的な故郷の味に、舌鼓を打つアスカ。如何にも幸せだといった至福の表情だ。
結局、米の一粒まで食べ尽してしまったアスカだが、その顔は体重を考える余裕もない、幸福の絶頂と言った風だ。
暫く食後の休憩を取っていたアスカだが、ふと思い出したようにパソコンを炬燵の上に上げて操作をしだす。
翻訳文をフォルダに保存し、彼女はメールを打ち出す。





47 : ◆8CG3/fgH3E :2007/12/04(火) 07:57:07 ID:???

ここしばらくご無沙汰だったメールの遣り取りであるが、今日は流石にアスカ自身の誕生日であるし、なにも連絡を取ってはいけないという法はない。
極端に割り切った気っ風のアスカであるが、らしくなく様々なメールの文体をウィンドウ上に打ち出しては消していく。髪を弄りながら思案するアスカ。しかし中々文体は纏まらない。
元々他の外国人と変わらず、日本語における形容詞などに疎いアスカだ。しかし、それにしても随分悩む。
同居していた時はそれほど気を遣ってはいなかったアスカであるが、一旦活字に起こしてみようとすると、アスカは悩む悩む。
考えているのは文体から口調や漢字に至るまで全てだ。
強く書いてあまり寂しくないというようにすると彼はすねるし、あまりデレデレと想いのままを綴ると逆につけ上がる。アスカも気苦労が絶えない事だ。

思案すること三時間。たったメールひとつでここまで悩む人もそうはいないだろう。
結局アスカは伸びをして立ち上がり、欠伸を掻く。自室に戻り、着替えを持って風呂へ向かう。
熱い湯船につかって体全体の筋肉をほぐしたあと、パッと上がってイエローのティーシャツと白のショーツにホットパンツを穿く。因みにノーブラである。
リビングに戻ったアスカはさっさとパソコンをしまう。どうやらメールを諦めたようだ。
「お腹空いたわね。」
時刻は七時。二度あることは三度あるという諺がアスカの脳裏に浮かぶ。玄関の方へ向かうアスカ。
夕食のデリバリーを期待しているのだろう、心なしか顔の筋肉が緩んでいる。
外では十五センチ積もった雪の上に新たな雪が降り積もっている。
何が来るのかと少し楽しみにしながら、アスカは玄関の床に腰掛けて土間に足を降ろしている。
案の定インターフォンが鳴る。待ってましたと言わんばかりにアスカは扉を開けた。しかしそこに立っていたのは、デリバリーの配達では無かった。

「どうも、こんばんは! 早い安い安心丁寧がモットーの松代ガマガエル急便です! お荷物をお届けに参りました!」
男が帽子を取って挨拶すると、軽く積もっていた雪がはらりと落ちた。
帽子の下から現れたのは人の良さそうな中年男性だった。胸の名札から正規社員だと言うことがわかる。





48 : ◆8CG3/fgH3E :2007/12/04(火) 07:58:22 ID:???

「……は? デリバリーじゃないの? ……。」
「はい?」
目を丸くするアスカに、配達員は怪訝そうにして聞き返す。
「いや! なんでもないのよ。」
取り敢えずサインをして荷物を受け取るアスカ。
「おじゃまいたしました!」
再び脱帽する配達員。
「ご苦労様〜。」
バタンと扉が閉まる。
箱は段ボールだった。貴重品のステッカーが貼られ、差出人は故意に削ってある。代わりに貼ってあるのは、ネルフから転送したというステッカーだ。
アスカは取り敢えずそれをリビングの炬燵に置き、携帯でミサトに電話する。
数回の呼び出し音の後、機械的な声が聞こえてくる。
「……電源が切られているか、電波の届かない場所にいるためお繋ぎできません……。」
「まったく! 肝心な時にいないんだから!」
苛立たしげに回線が切られる。カーペットの上に投げ出される携帯電話。
腕組みをしてアスカはジッと段ボールを観察する。なんらおかしい所は見付からない。差出人は消され、新たに転送とネルフ名義の差出人のサインが書かれてはいるが、それ以外は極々普通の段ボールだ。
結局宛てにならないミサトは諦めて、再び携帯のボタンをプッシュする。
「はい、伊吹の携帯です。」
出たのは真面目一本のマヤだ。なるほどマヤならどうとでもなる。
「あ、マヤ? アタシ、アスカだけど、アタシん家にネルフから転送されて来たって荷物があんだけどさ、調べてくんない?」
「良いわよ。すぐに調べるわね。」
携帯の置かれる音と、端末がタイプされる音。それがしばらく続いた後、ようやくマヤが電話に出た。
「確かに転送されてるわね。で? 何かあったの?」
「いや、なんでもないわよ……。」


49 : ◆8CG3/fgH3E :2007/12/04(火) 08:02:01 ID:???

アスカは通話を切り、携帯を炬燵の上に置く。
「まぁ怪しいもんじゃないわよね。」
段ボールを閉じるガムテープを乱雑に剥がしていくアスカ。几帳面に貼られたそれを剥がし終わると、早速段ボールを開けた。中には段ボールが敷かれていた。その上には一枚の封筒が置かれている。
アスカは左手でそれを取り、右手でビリビリと乱暴に封を切った。中の便箋にはこう書かれていた。

ハッピーバースデイ、アスカ。
おめでとう。アスカもついに21歳だね。アスカが僕と同じ歳になって本当に嬉しいよ。仕事はどうですか? 捗っていると僕も嬉しいけど。
もうあの日から三年経ったんだね。アスカがずっと僕を待っていると言ってくれたあの日。今更だけど、僕は本当に嬉しかった。
本当はあの時に僕も何か言えれば良かったんだけど、結局何も言えなかった。今この手紙にそれを書くことも出来るけど、やっぱりそれは直接アスカに伝えようと思う。ごめん。
だけどクリスマスには言える。と言うのも、二十日後のクリスマスイブから三ヶ日の期間に許可が降りたんだ。君の所へ行く許可が。
正直、下りる訳ないと思っていたから凄く嬉しい。
だから年末年始にはアスカが誉めてくれた料理を、腕によりを掛けて作るよ。
自分で言うのもなんだけど、この三年間に随分腕を上げたんだ。きっと美味しいと思う。
今年のバースデープレゼントは、貯めたお金で少し奮発したんだ。
驚かせようと思って、ミサトさん名義で料理を送って貰ったんだけど、食べてくれたかな。アスカは不精者だから、きっとインスタントだけだったでしょう?
それで、このプレゼントが最後のバースデイプレゼントなんだ。
アスカ、誕生日おめでとう。
シンジ

アスカは口許に手を宛てて上品に微笑み、便箋と封筒を段ボールの傍らに置いた。
アスカが中に敷かれた段ボールを取ると中には落ち着いた紫色の指輪ケースがひとつ、綿に囲まれて納められていた。





50 : ◆8CG3/fgH3E :2007/12/04(火) 08:04:45 ID:???

「これ……。」
驚いたアスカは段ボールを床に置き、指輪ケースを両手で包み込むようにして持ち上げた。目を丸くしてそれを見つめる。
彼女が蓋に手を掛けてゆっくりと開くと、クッションに納められた小さい指輪が姿を現した。それは飾り気のないシルバーリングだった。
明らかに高いものではないが、それでもアスカはまるで砂の欠片を扱うような手付きで手に取ると、慎重にリングが手の中で回転させる。リングの内側には、ドイツ語でこう書かれていた。
『Zu Asuka, den Shinji liebt.』
それを読んで、アスカはフフフッと微笑む。
「シンジが愛するアスカへ……か。気障なことすんじゃない、バカシンジの癖に……。」
言葉は乱暴だが、言い方には棘がない。それは妙に柔らかい印象を与える。アスカは左手の薬指に指輪を填めて、電気にかざして見てみる。シンジからの贈り物に、思わず顔か綻ぶ。
顔をにやけさせたアスカが絨毯の上に仰向けとなり、嬉しそうに転がる。
シンジが帰って来るんだ! シンジがお金を貯めて、アタシにリングをプレゼントしてくれたんだ!
まさに有頂天、幸せの絶頂と言った風だ。そしてもう一度左手をかざして薬指を見る。
アスカは立ち上がり、ノートパソコンを畳む。そして携帯を持って食事も取らずに自室へ篭った。中からは話声が聞こえてくる。


アタシよ、アタシ。……いいじゃない、今電話してんだから……まぁまぁね。
……ほら、そんなすねないの! ……わかったわかった、嬉しかったわよ。……ふふっ、そうなの? ……ん、わかってる、楽しみにしてるわよ。……そうなの、それでね……。


幸せな誕生日を迎え、二十日後のクリスマスを世界で一番心待ちにしている“少女”が、今ここにいる。


        終


51 : ◆8CG3/fgH3E :2007/12/04(火) 08:06:36 ID:???
短編です。
ドイツ語については自信ナッシング(´・ω・`)
英語の方がよかったかなぁ……なんて。

52 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/12/04(火) 15:16:30 ID:???
GJ!

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