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エヴァの主人公が真ゲッターの竜馬だったら〜4号機

1 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/15(木) 19:43:48 ID:???
スレタイ通り。
初代スレ241氏により小説「E meets G」も連載中です。

初代スレ
エヴァの主人公が真ゲッターの竜馬だったら
ttp://anime2.2ch.net/test/read.cgi/eva/1128738308/
2代めスレ
エヴァの主人公が真ゲッターの竜馬だったら〜弐号機
ttp://anime2.2ch.net/test/read.cgi/eva/1171270696/
3代目スレ
エヴァの主人公が真ゲッターの竜馬だったら〜参号機
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/eva/1190249228/

「E meets G」まとめサイト
ttp://homepage3.nifty.com/kousena_1226/egi.htm

2 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/15(木) 20:42:40 ID:???
2ゲット
スレ立て乙です。

3 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/15(木) 20:51:16 ID:???
チェ〜〜〜ンジ、ゲッタァーーー3!

4 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/15(木) 20:53:00 ID:???
エヴァンゲリオン4号機は現レスをもって破棄、ゲッターと認定する

5 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/15(木) 21:32:51 ID:???
>>1
躊躇せず思考ノータイムでエンペラー喚んだァー!?
逃げて逃げてレリエル逃げてー

ところで最弱使徒ことマトリエルって一切触れられてないような気がする。
ロンギヌスランサー刺しに潜る前にレイ(ユイ)にやられてるんだろうか。

6 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/15(木) 21:46:57 ID:???
  . .   ゚  . o    ゚  。  .  , . .o 。 * .゚ + 。☆ ゚。
               。       。  *。, + 。. o ゚, 。*, o
  ゚  o   .  。   .  .   ,  . , o 。゚. ,゚ 。 + 。 。,゚.。
 ゚ ,   , 。 .   +  ゚   。  。゚ . ゚。, ☆ * 。゚. o.゚  。
。 .  .。    o   .. 。 ゚  ゚ , 。. o 。* 。 . o. 。 .
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 ゚. o * 。゚。゚.。゚。+゚ 。 。 ゚。 ゚ 。  ゚
゚` .゚ .゚. ゚. . ゚  .  ゚  .   ,  .     .  .   。      ゚ .
 .  .     . ,     。       .           .  ,    .
      。                 ゚   .           。

                     ,.'´ `ヽ
     。               リ __ ,i …乙、と言うのだぞ
                 ,.'´`ヽ⊂ヾi_i_i
.   .             !  ii /!/ii|リ
                 /!/ii| 〉く/_|_. 〉
      ‐''"´'''"""''"`''""`"""''''''"´'''"""''"`''""""'''"''''''
うん、>>1おつーおつー!!


7 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/15(木) 22:10:15 ID:???
エンペラー呼んじゃったよ(゚д゚)

8 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/15(木) 23:56:55 ID:???
>>1乙!

すんげえ展開で全く予想ができん!

9 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/16(金) 00:14:29 ID:???
[He_47121.zip] pass ryouma

整理せずテキストに切り出しただけの超手抜き仕様だが一応まとめ。

10 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/16(金) 02:13:24 ID:???
そうだ…俺たちは未来永劫、時の狭間の中で>>1に乙するために…

11 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/16(金) 02:28:50 ID:???
>>10
sageじゃなくてsageだぞ

12 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/16(金) 07:49:22 ID:???
久しぶりだなぁ、>>1
どうやってスレ立てたか知らねぇが今度こそ乙してやるぜぇっ!!

13 :名無しさん氏んでも代わりがいるもの:2007/11/16(金) 15:44:36 ID:???
とうとうエンペラーまで降臨しました。でもこのSSの設定なら、どんな作品
とのクロスも出来るから、ワクワクします。

14 :前スレ891:2007/11/16(金) 16:21:15 ID:???
>>1乙&作者氏GJ!
エヴァはTV版と。なるほど竜馬とゲッターの介入によってドラスティックな
変化を遂げるなら、多少健全化のフォローが入ってるという触れ込みの新劇場版
(近隣に上映館無くいまだ確認不能orz)よりも何かとズンドコな旧世紀版の方が
より効果的という事でしょうか。次の休みにTV仕様のリボルまとめ買いしてこよう。

15 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/16(金) 19:55:57 ID:???
そういえば、新ゲッターの1話にゲンドウが出てるよね…

竜馬に刀で切りかかる基地外だけど…

16 :>1乙 >9光栄のキワミ つづき:2007/11/16(金) 22:55:54 ID:???
 無限空間をレリエルごと切り裂いて、その球体の内部からゲッターと初号機が再び第三
新東京市の上空に現出していく。
 レリエルの空間は影が入り口で、球体が出口だったのだろうか。
 外からは攻撃が通じなくとも、内部は別だというのであろうか。
 それらは、結局わからずじまいだったが、ゲッターはレリエルの血しぶきを撒き散らし
ながら第三新東京市を赤く染めていく。

「げ、ゲッターロボ出現! 初号機も健在です。で、でも、うう、うぇぇっ……」

 と、その様子を直視するマヤが血まみれのゲッターの姿に耐えきれず、椅子をずらして
屈むとコンソールにかからないように、胃液を戻していた。
 他の人間も、唖然としている。
 初号機が影に飲み込まれ、ゲッターがそれに突入していったと思ったら、そのあと大し
た時間も掛からずにゲッターは球体の方から初号機をかかえて現出したのだ。

「なにが、どうなってんの……?」

 だれも解るはずもなかった。
 ゲッターが初号機をゆっくりと地に降ろす。

「とりあえずシトはぶっ潰せたか……シンジ、生きてるだろうな」

 竜馬が初号機に通信を試みた。
 すると、意識は回復していたのであろうか。反応があって、竜馬のイーグル号のモニタ
に彼の顔が映った。
 それは少し生気の欠けたような表情であったが、たしかに彼は生きていた。
 シンジが答える。

17 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/16(金) 22:57:10 ID:???
「……ええ。大丈夫、です。竜馬さん」

 その姿はむろん、ゲンドウのベアー号にも映っていた。

「シンジ」

 と、彼も呼びかける。

「大丈夫だよ。父さん……助けに来てくれたんだね。でも、もう大丈夫」

 その声と共に、初号機が起き上がって街のエヴァ回収ポイントに向かって歩行する。
 はっきりとしない結末だが、一段落ではあった。







 正体のつかめない第九シトとの戦いが終わって、またしばらく経った。
 全てを飲み込むという脅威の敵を相手にして民間人も含めて、死傷者を出さずに済んだ
ことは特筆すべきことだったといっていいだろう。
 ただ、リツコが飛び込んだ影の先から戻ってこなかった。
 竜馬とゲンドウによれば、影の中で呼んだゲッターエンペラーへ行ったのだという。
 かならず戻るという言葉をのこして、だ。

18 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/16(金) 22:58:26 ID:???
 いまや、ネルフの原動力たる二人の言葉だから、みな信じるしかなかった。
 特に竜馬は彼女と浅からぬ関係だから、なおのことである。
 誰かが関係を言いふらしたわけでもないのだが、男女間の感情などいくら隠そうとも雰
囲気に出てしまうものだ。

 竜馬自身がどう思っているかわからないが、ネルフの特に女の職員の間では司令の愛人
を奪った男として、彼の名は翼が生えたかのようにあちらこちらを飛び回っている。
 竜馬をあつかう話題としては、ゲッターロボのパイロット云々よりも、その人間関係を
追ったほうが彼女たちには面白いらしい。

「最近ヒゲと赤木、冷めてんね」
「赤木さん、新しい男を見つけてきたんだよ」
「うそ。誰だれ」
「流さんだってさ。あの狂人のどこがいいんだろ」
「赤木の趣味はおかしいって。ヒゲとかもあり得ないし」
「ていうか、上の人達みんな変だよね。葛城部長なんか家族ごっこやっちゃってるし」
「葛城は加持とヨリを戻したんじゃなかったっけ。それで彼女つきの別の男と同棲してる
って……ねえ。相当キテるよね」
「そのせいだって、赤木さんがたまに変な目で葛城さん見てるの」

 こんな具合である。
 マヤあたりが聞けば「不潔」のひとことが飛び出すであろう。
 まあ、それはこのあたりで置いておく。

 それよりも、一時的であるにせよリツコがネルフから失われたことによる問題のことの
方が重要であった。
 エヴァをはじめとするネルフ所有の兵器の維持・管理はむろんのこと、もうひとつ、

「ダミーシステム。完成は間に合わなかったか」

19 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/16(金) 22:59:41 ID:???
 と、独りセントラルドグマで天井につり下げられたエントリープラグを見てゲンドウがつぶやいた。
 さて。
 ダミーシステムとは、エントリープラグに細工がほどこされたものであり、エヴァに挿
入すると人間と同じ波長をエヴァに送り込み、動かすことを可能するものだった。
 これの開発者がリツコである。
 ターミナルドグマで、竜馬とレイがその目的を明かした際に、彼女はゲンドウとの手切
れ金代わりに完成させるとはいったものの、結局、果たせず仕舞いとなった。

「まあ、最初から手切れ金を受け取る権利など無いのだが……」

 ゲンドウがいった。
 これの開発はリツコもあまり乗り気でなかったうえ、レイ、そしてユイも存在を快くお
もわなかった代物である。
 なぜならダミーの波長をつくるために、数あるレイのクローンをLCLと化して封入した
ものが使われているからだ。

 レイは、静かだが道具扱いされることは嫌う。
 それと同化しているユイも、また彼女には同調していた。
 ダミーシステムはゼーレが人類補完計画に最重要の項目のひとつとして認識し、開発か
ら実用までの権限をゲンドウに一任しているものでもあったが人類補完計画を阻止する側
にまわったゲンドウには、すでに重要な存在ではない。
 どうしてゼーレが重視するのかは、すぐあとに書くがともかくゲンドウは、

 ――いっそ破棄してしまうか。

 と厄介にすら思うほどだった。
 ただ、迷いもある。
 ゼーレが最終的にたたきつぶさねばならない相手といっても、まだ倒さねばならないシ
トが出現するのが予測される、この時点であからさまな反逆に出て、いいものかどうか。

20 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/16(金) 23:00:48 ID:???
 それを迷っていたのだ。
 だが、その迷いはおもわぬカタチによって解決されることになる。
 独りたたずむゲンドウが、何者かの気配を感じて後ろを振り返った。

「何者だ」
「早乙女じゃ。儂のことは竜馬から聞き知っていよう、彼女の抜けた穴を埋めにきた」
「ゲッターの開発者……あなたもエンペラーから来たのか」
「うむ。だが、このダミーシステムとやらは不完全のようじゃ。少し細工をしておこう、
お前さんがたのいうゼーレに気づかれぬようにな」
「……わかった。全て、任せます」

 これらは、会話ではなかった。
 すべて暗闇でゲンドウが独りごとをつぶやいていたのみである。
 だが、彼の目と耳には、はっきりと映っていた。
 白衣を着た小柄で丸く太った、ぼさぼさの白髪と長いアゴ髭をたくわえた老人が。
 そんなゲンドウに、懐にいれた携帯端末に通信が入った。
 彼は、なにもない暗闇の先に目礼してから、端末を取り出した。
 相手は冬月であった。
 以下、司令と副司令の通信内容である。

「碇、大変なことになったぞ。米国、ネルフ第二支部が消滅した……連中が勝手に造った
ゲッター炉心を4号機へ搭載しようとしてメルトダウンを起こしたらしい。
 爆心地から半径四九キロ……なにもかも、消滅した」

「炉心のコピー計画があったのか? 私は聞いていないな……赤木博士の研究内容が盗ま
れていたのか。ゼーレもなりふり構わなくなってきたな。
 しかし、人類補完計画を遂行しようとする者にゲッター線が味方をするわけがない」

21 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/16(金) 23:01:51 ID:???
「ゲッターのことは君から聞いた。趣旨は理解するよ……だが、ゲッター炉心の事故が起
きたとなれば、ゼーレからの監視が厳しくなるぞ。
 この事故は当然、裏死海文書のシナリオにない出来事だ」

「時にはシナリオにない事も起きる。老人共にはいい薬さ……監視の点は、加持リョウジ
と岩鬼組に協力を申し込んで対処しよう」
「そう、か。まあ、これで海外の連中も少し大人しくなるだろうよ……で、残りの3号機
だが、米国は怖じ気づいてこちらへ送ってよこす気になったそうだ」
「わかった。すぐ上に戻る」

 ここで通信は終わる。
 さて、米国での事故のことを少し書かねばなるまい。
 まずエヴァが海外でも製造されていたことについてだが、ゼーレのもくろむ人類補完計
画は、世界を包むほどのアンチA.Tフィールド発生させることだ。

 そのために、制御できる人類の始祖であるリリスの分身、初号機をキリストにみたて、
同じく制御できるアダムをその使徒にみたてた他一二体のエヴァを、それぞれロンギヌス
の槍にて処刑することで、儀式的に人類補完計画を遂行する腹づもりなのは、すでに書いた。
 この一三という数にこだわるのが宗教に凝り固まったゼーレの偏執さといえよう。
 世界をつつむアンチA.Tフィールドの発生には、一〇体もあれば間に合う計算だった。

 ともかく、このためにすでに建造された零号機、初号機、弐号(號)機をふくめて残り
九体が必要である。
 建造を急ぐために世界を動員させていたわけだ。
 なお、先のダミーシステムをゼーレが最重要視したのは、最終的には初号機もふくめて
パイロットの意思に動きが左右されて計画に支障がでないように、ダミーシステムでもっ
てすべてのエヴァを動かすつもりだったからである。

22 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/16(金) 23:02:53 ID:???
 だが、その際に問題となるのはエヴァの活動範囲のことだった。
 アンビリカルケーブルが外れれば、内部電源ではものの数分しか活動することができな
い。これも計画の遂行に支障がでるであろう。
 シトがその体内にもつS2機関なる、無限の動力を取り込むことが考えられたがサンプル
を入手したものの(第四シトが原型をとどめている。これのS2機関がサンプルだ)問題は
解決をみなかった。

 まだ、搭載には時間がかかると判断されたのである。
 そこで、ゲッター線に目が付けられた。
 これもS2機関と同じに、無限の動力をもたらしてくれるうえ、すでに人の造った機械で
あるゲッターロボに搭載できている。

「これがS2機関の代用品になりはしないだろうか」

 と、ゼーレは企んだ。
 ちょうどリツコがゲッターの研究に掛かりきりになっていたことも作用し、あの手この
手でネルフからゲッターに関する情報を、ゼーレは引き出していく。
 そして、ゼーレにとっても厄介な竜馬がいる日本以外のネルフに対して、ゲッター炉心
の製造と、建造中のエヴァへ炉心を搭載させる指令が飛んでいたのだった。
 その中で、もっとも早くゲッター炉心のコピー、製造に成功したが米国である。

 彼らは喜び勇んだ。
 すでにプラズマボムスなる未知のエンジンが日本でエヴァ弐号機に搭載されたことによ
る焦りも、ゲッター炉心の製造と搭載を助長した。
 なお、プラズマボムスについては出所と制作過程が謎につつまれていることと、どうや
らエネルギーが有限であることから、ゼーレからは扱いを度外視されていた。
 だが、それこそは彼らの大きな過ちといえる。

23 :ここまで:2007/11/16(金) 23:05:33 ID:???
 ゲッター線の制御は、プラズマボムスはもとよりS2機関よりも難しい代物なのだ。
 竜馬がユイと共にゲンドウたちへ語ったゲッターの歴史のなかには、やはり今回の事故
と同じような結果を招いたこともあったという。

 リツコも、炉心のコピーは夢のまた夢と思っていたのに、扱いに慣れぬ者どもが安直な
行動をした結果、上記のとおりの事故がおきた。
 サードの扱いにはならないが、セカンド・インパクトの二の舞である。
 人類は、まったく懲りていなかった。

 もっとも、その懲りない精神こそが人類の進化の源であるのだが、今回ばかりは事故の
内容がセカンド・インパクトの恐怖を、米国の人間達に嫌というほどに思い起こさせた。
 結果として米国政府は威信もどこへやら覇気をなくしてしまい、後始末を日本に押しつ
けてきたわけだ。
 覇気をなくしても、こういうところはちゃっかりしている。
 ともかくも、そのような経緯でエヴァ3号機は日本へ送られてくることになった。

「人類補完計画の駒が、またひとつネルフで制御できるか。阻止には有利になるな。
 だが、ユイの話ではたしかシトの温床になるということだった」

 ゲンドウがいう。

「さて、これをどう処理するかだな……」

 つぶやきながら、彼はセントラルドグマから上層部へと戻っていくのだった。




ちょっと尺たらずだった。ごめん。

24 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/16(金) 23:06:21 ID:???
早乙女のジジイイイィィィ!!支援

25 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/16(金) 23:07:05 ID:???
お疲れ様です。・・・ついに・・・早乙女のジジイのお出ましか!

26 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/16(金) 23:42:07 ID:???
メルトダウンした4号機が地中に潜って分裂・進化を繰り返していませんように

27 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/17(土) 00:08:51 ID:???
「でたな!聖エヴァンゲリオン!」
人類補完計画を単独で遂行できるエヴァができますな

28 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/17(土) 00:17:16 ID:???
ん?早乙女博士にヒゲ?
チェンゲの博士か?

29 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/17(土) 01:10:33 ID:???
細かいことを気にするな。ヒゲるぞ

30 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/17(土) 01:33:59 ID:???
竜馬を狂人扱いてwww



超乙

31 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/17(土) 05:30:34 ID:???
>>28
ヒゲはTVアニメ、マンガ、OVAの全ての早乙女博士にあるぞ。 

32 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/17(土) 09:18:15 ID:???
ネオゲ早乙女博士が白髪? なのに声が富田さんで違和感炸裂したのは自分だけなのか?

33 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/17(土) 12:42:35 ID:???
もはやゲンドウもゲッター戦に取り込まれてるな

34 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/17(土) 12:49:36 ID:???
戦じゃなく線な。

ところで、前スレ落ちるまで放置プレイか?w


35 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/17(土) 21:16:14 ID:???
素晴らしく愉快な流れになってるな。

36 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/18(日) 00:07:06 ID:???
遅れながら、小説新作GJ!
次の展開は多分…
シンジが使徒に取り込まれて、それを見たゲンドウがシンジを火炎放射器で焼き殺すに違いない。

「小型火炎放射銃!片手で扱えるから2丁拳銃も可能じゃ、カッコイイ!」

とか言いながら、焼き殺すに違いない…
そして、「シンジが呼んでる・・・」とか言いながら、新型ゲッターを開発して
最期はゲッター炉を暴走させてサードインパクトを起こすに違いない!


37 :つづき 10レス予定:2007/11/18(日) 21:09:33 ID:???
 視点は、地上の少年たちへ映る。


「センセ! 頼む、このとおりやっ」

 と、学校の階段の踊り場でシンジの正面から、がっぷりと彼によって掌をまっすぐにこ
すりあわせるのは鈴原トウジであった。
 そのまま頭をたれて、神仏にすがる様だ。
 なお「センセ」というのは、いつの間にかシンジのあだ名としてトウジがそう呼んでい
るものである。
 シンジが竜馬と行動を共にしていることが多いからだろうか。
 トウジは、竜馬を兄貴分とみて一種の憧れの念を抱いているようだった。

 かれら二人はこの日、共に下校前の掃除当番であったがトウジの提案により、適当に掃
除をするフリをしながら雑談にふけっていた。
 その雑談の内容は様々であるが、シンジもトウジも、一四歳の少年だ。
 性に関してもっとも多感な彼らが取り上げる話題の中に同クラスや、近い位置にいる女
の子たちのことを浮かび上げてくるのは自然のなりゆきであろう。

 まあ、それでも明暗の個人差はある。
 シンジは餌に食いつく魚ほどに過敏な反応はしないが、活発なトウジは別だった。
 彼には、同級の中に気になる娘がいるらしい。名を、洞木ヒカリといった。

「クラスの委員長で、家庭的でかわいくて、ちょびっと気の強いところが好みなんや」

 トウジがいう。
 だが、

「……ふうん。トウジはそういう人が好きなんだ」

 シンジは、気のない返事である。

38 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/18(日) 21:10:41 ID:???
 そういう話題をするのが恥ずかしい……というより、あまり興味がそそられないといっ
た風だった。
 それを見たトウジは、いよいよシンジの肩に組み付くと顔を近づける。

「せやけど、本人目の前にするとど〜にもならん!! こう、バァーいうて溢れる一杯な気
持ちをうまく伝えられんのや。
 流の旦那といつも一緒におるシンジなら、こう、男のアイデアが浮かぶやろ!? 
 頼む、わしに力を貸してくれえっ」

 懇願するトウジ。
 よほど惚れてしまっているのだろう。竜馬は頼りになる、というイメージだけが先行し
て色恋ごとを相談してもどうにもならない人間であることを忘れてしまっている。
 その影響下にあるシンジとて同様だ。

「僕にいわれても……」

 やはり、当のシンジの返答は困惑したものであった。
 だがトウジはなおも諦めきれずに、シンジに組み付いたまま「そこをなんとか」と食い
下がっていく。
 といっても階段の踊り場でのことだ。
 興奮しすぎて足下がおろそかになり、そのままじりじりと動くと、足を踏み外し二人し
て階下へむかって転落していってしまう。
 ドタンバタンと盛大な音とホコリを撒き散らしながら、少年二人はもつれあいながら転
がり最後には、階下に置いてあった台の足にぶつかって止まった。

「あたたた……す、すまんシンジ」

 トウジがうめく。
 ちょうど、シンジをクッションにする形で地べたに伸した形になってしまい、トウジは
あわてて立ち上がろうとする。
 が。

39 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/18(日) 21:11:45 ID:???
「おっ」

 と、いうままにトウジはその背後に忍び寄っていた何者かによって腕を取られて引き上
げられ、ふわりと立ち上がった。
 トウジは引き上げてもらった礼をしようと、同じくシンジの手をとって彼をひきあげな
つつ振り向いた。
 だが、引き上げてくれた人物がよくなかった。

「げえっ、委員長!」

 後ろにいたのは、おさげになった髪をちょこんと垂らした小柄で可愛らしい娘、シンジ
達のクラスの学級委員長である、洞木ヒカリその人だった。
 つい先ほどまで、トウジがシンジの知恵を借りてまでして想いを伝えたい、としていた相手である。
 トウジは言葉につまってしまうが、しかし彼を見るヒカリの目はそういうことを聞くよ
うな色をしていなかった。

 学級委員長になるくらいの彼女である。
 掃除の当番を任されていたはずの人間が騒いで勝手をやっているのをみて、笑顔を継続
するような性格はしていない。
 対してトウジは学級で決められたルールの違反常習者として名高いような生徒だった。
 ヒカリの目がどんどんきつくなっていくと、ついには

「鈴原ぁ!!」

 といって掴んだままの腕をひねる。
 トウジが悲鳴をあげた。

「まじめに掃除しないどころか、碇君にケガさせてどういうこと!?」

 ヒカリはそういって、ようやく立ったシンジの腕を指さす。みれば、階段から落ちた際
に角で切ってしまったのか二の腕から血が垂れていた。

40 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/18(日) 21:12:47 ID:???
「碇君、保健室で手当しないと」
「いや……大丈夫」
「だめ! ばい菌でも入ったら大変じゃない」

 そういってヒカリはシンジの腕をとると、保健室へ直行しようとする。
 その背にトウジのつぶやきのような、

「あの、わしもケガしとるんやけど……」

 という、呼びかけがあったがヒカリは、

「あんたは掃除してなさい!!」

 と、だけいってさっさと廊下を曲がっていってしまった。後にのこされたトウジは、
がっくりと膝を落として、

「とほほ……」

 と落胆するしかなかった。
 そしてシンジはヒカリに連れられて保健室に入っていく。
 彼は椅子にすわり、彼女に腕を差し出して消毒の手当をほどこされるが、その間に、

「いいの? トウジを放っておいて」

 と、複雑な表情をしているヒカリにむかって聞いた。
 すると本人は、ぷい、と首で空をきってそっぽをむくと「いいのよ、あんな奴」と吐き
捨てるようにいうが、どうもその声色がおかしい。
 シンジが「本当に?」と追求する。
 しかしヒカリはその質問にはこたえず逆に、

41 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/18(日) 21:13:13 ID:???
支援

42 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/18(日) 21:14:50 ID:???
「碇君って、あいつと仲いいよね。どうして?」

 と問う。
 するとシンジはコンピュータが情報を検索するようにすこし止まった後、ふと言った。

「一緒にいて楽しいから。柄はちょっと悪いけど」

 その言葉にヒカリは「うん」といい、うなずいた。
 シンジが首をかしげる。

「えっ」
「……あっ、いやっ、なんでもない!」

 ヒカリは頬を赤らめて諸手をぶんぶん振る。
 それをはて、といった感じで見つめたシンジはしばらくすると、少し抑揚の落ちた声になっていう。

「……実はね、僕からいっちゃっていいものかどうか解らないけどいっちゃう。トウジは
ね、委員長のことが大好きなんだって」
「え……」

 時間が、一瞬止まったようだった。
 ヒカリは口をぽかんと開けたまま焦点のあわない目で虚空のどこかをみつめている。
 シンジはしばらく待ってみたが、反応が戻ってこないので

「どうしたの」

 と呼びかけると、やっとそれで現実に引き戻されたのかヒカリがはっ、と頭をあげた。

「嬉し……げほ。で、でも困るっていうか、私は別になんとも思ってないしっ」
「いま嬉しいっていわなかった?」
「いってない!」

43 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/18(日) 21:16:06 ID:???
「いや、確かにいった」
「しつこいなぁ、もしかして私をからかってる? 碇君でも怒るよ!!」

 ヒカリはさらに顔を真っ赤にしてわめいた。
 それにシンジが、なおも首をかしげる。

「じゃあ、委員長はトウジが嫌いなの?」
「き、嫌いなんかじゃ……」
「じゃあ、どうでもよくて思考には入らない?」
「そんなこと!」

 シンジの追求に、言葉につまらせるヒカリ。
 するとどの問答も明確な答えが返ってこないことに、シンジはいよいよ抑揚のなくなっ
た声でいった。

「おかしいな。好きでも嫌いでもどうでもいい相手でもなくて、ならどういう感情がある
のか……本当に人間っていうのは解らない存在だ」
「……碇君?」

 ヒカリの手が止まった。
 シンジのいっている事がおかしく感じたのと、もうひとつ。
 今のいままで、自分が手当していたはずの彼の二の腕から、一瞬にして傷口が無くなっ
てしまったのだ。
 シンジが固まるヒカリから腕を引いていった。

「まあ、いいや。どうせ……」

 といってシンジが椅子からゆらり、と立ち上がる。
 それと同時にカサリ、と乾いた音がシンジの背中からした。
 異様な感覚をうけたヒカリも立ち上がってシンジから一歩しりぞくが、ふと見た彼の黒
目がいつの間にか、人間にはあり得ないほどの細さに狭まっていることに気づいた。

44 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/18(日) 21:17:08 ID:???
「碇、君……?」

 恐怖を覚えたヒカリが震える。
 それを捉えるシンジがニタリと表情を崩していく。

「どうせ、人類など我らの宿り先に過ぎない。まずは君からだ……」

 その言葉と共に、保健室の床に映るシンジの影がふくれあがる。
 ごぼごぼと音をたてて変容していく目の前の人間だったはずのモノを見て、ヒカリの顔
がひきつっていく。
 悲鳴があがった。

「い、嫌、嫌ぁぁあッ!!」

 ヒカリは脱兎のごとく駆け出して保健室を抜けだそうとするが、戸に手を掛けた瞬間、

「ぐぇっ……」

 ヒカリを背中から鋭くとげが茂ったイバラのようなものが貫いた。
 大人の男の腕ほどはありそうなほど太い風穴が、彼女の胴体に空いていく。
 ぶわ、と鮮血が辺りにまき散った。
 壁、床、天井、いたるところが紅い模様に彩られていく。
 己の身になにが起きているのか解らないヒカリが目を白黒させるが、その間にもイバラ
はヘビのようにのたうって動き、彼女の口内に進入していく。

 それは、ソバでもすするかのようにヒカリの体内へと吸収されていき、やがて全て飲み
込まれて消えていく。
 体を貫かれたヒカリはその場に、どっと崩れ落ちた。
 溢れ出る紅い液体が円となって広がっていくなか、シンジはヒカリだったものを踏み越
えて、保健室を後にする。

45 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/18(日) 21:17:23 ID:???
試飲

46 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/18(日) 21:18:20 ID:???
 だが、何事もなかったかのように廊下をゆくシンジの姿は、ワイシャツとスラックスの
制服に身を包んだ何ら、変哲のないものであった。

 やがて、さきほど転がりおちた階段へとシンジは差し掛かる。
 そこにはまだトウジの姿があった。
 想い人にそっぽを向かれたのがよほどショックだったのか、つまらなさそうに壁に背を
もたれて腕をくんでいる。
 だがシンジの姿に気づくと、

「おお、シンジ。ど、どないやった委員長は」

 と、困ったような表情で聞いた。
 それにシンジは、

「トウジに想うことが一杯だってさ。保健室に行ってごらん、たぶん、まだいるよ」

 その言葉にトウジは、

「ほんまか! さ、サンキュウなっ」

 といってその場を駆け出す。
 だが、シンジは消え去るトウジの背をみることもなく、階段に足をかけて下へと下って
いくのだった。
 下校しようというのだろう。
 そして廊下をどんどんと行くが、やがてそれを引き留める人物がいた。

「おーい、碇ぃ」

 と、小走りに寄ってくるのはケンスケだった。

47 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/18(日) 21:19:35 ID:???
 なにやら期待に満ちみちたような表情をしているが、シンジに駆け寄るなり、今度は真
顔になった。
 それをうけてシンジは人形のような無表情となる。
 が、すぐに微笑へと戻った。

「なあ碇、ちょっと気になる情報を仕入れたんんだ。屋上で話をさせてくれよ」
「……いいよ」

 そういうと二人はつれだって屋上へと昇った。
 階段を上がり、屋上への扉を開くなり、すこし傾いた陽の直射が辺りを照らしている。
 屋上の広場に出るなり、う、とやや苦しそうなシンジ。
 だがケンスケはそれには気づかずに、彼の前にでるといった。

「なあ、エヴァ3号機が来るんだろう」
「……なに、それ?」
「あれ、なにも聞かされてないのか。パイロットは末端だからかな……実はまた親父のデ
ータ盗み見たんだけど、エヴァは弐号機以降も世界で建造されているっぽいんだよ。
 で、詳細は不明だけどアメリカで建造されてた4号機が事故で消失して、残った3号機
は日本に送られてくることになったんだって。たしかいま、空輸している最中のはず」

 そういって、ケンスケは空を指さす。
 その指さす方向をみて、シンジが面白そうな表情になる。

「へえ……本当だ」
「えっ」
「いや。それで?」
「それでさあ……まだパイロットは決まってないみたいなんだよ。そこで碇に相談だ。
 ぜひ君の口から、俺を4号機のパイロットに推薦してくれないか!
 ゲッターは流さんが相手にしてくんないし、可能性があるのはこれだけなんだよ。
 な、初号機に乗ってる碇なら男のロマンもわかるだろ!? 頼むよ!」

48 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/18(日) 21:20:38 ID:???
 と、濁流のような勢いで語りまくるケンスケ。
 シンジはそれを黙ってみていたが、やがて目をつむるといった

「いいよ。ケンスケはエヴァ3号機に乗りたいんだよね」

 確認するかのようにいった。
 それを、承諾の言葉と思ったケンスケが飛び上がらんばかりに喜ぶ。

「本当か!? あ、ありがとう碇っ、どうしても乗りたいんだエヴァに!」
「ああ、いいとも。いますぐ乗せてあげるよ」
「え……?」

 まだ到着してもいないのに、とケンスケが言おうとした瞬間、シンジが躍りかかってそ
の首を絞め上げていく。
 せつなの出来事にケンスケは混乱したが、すぐに正気に戻ってシンジの腕を放そうと抵
抗する。
 が、その力が異様に強く、ケンスケの腕力程度ではどうにもならなかった。
 首にかかる圧力が、じわじわと強くなっていく。

「ぐぁっ……あ、な、なにすんだ、碇ッ……!!」
「乗りたいんでしょ。あのつり下げられた黒いエヴァに。だから乗せてあげるよ、思うが
ままに操れるように!」

 そういい、シンジは右手を挙げるとケンスケの顔面を覆い被すようにつかんだ。
 ケンスケがうめくまま、シンジはその手に力をこめていった……。


 そして、場面はトウジの向かった保健室へと移る。

49 :いけたらあと1レス:2007/11/18(日) 21:22:21 ID:???
「なんや……これ……」

 シンジの言葉に従って保健室の戸を開けたトウジを待っていたものは、胴体に空いた穴
から臓物が飛び出し、血みどろの無惨な姿となって倒れ伏したヒカリの姿だった。
 戸を開けた瞬間から凄惨という文字そのもののような空間を視覚させられたトウジは、
しかし脳の処理が追いつかず突っ立ったまま、しばらくそのままだったが、やがて足下の
ヒカリのうめきに正気へもどされる。
 トウジは、血にまみれるのも構わずヒカリを抱き起こした。

「い、委員長……ッ!!」
「す……スズハラ……碇君が……」
「シンジがどないしたんや!!」
「あれは……碇君じゃ、ない。逃げてっ。鈴原、ここにいたらだめ、逃げて……」
「しっかりせえ!」
「おねがい逃げて、鈴原……も、意識が……うう、ウアアッ」

 意識が、といったあたりからヒカリの声質が変わった。
 なにか機械の複合音声でも聞いているような異様な声にトウジはぎょっとするが、しか
しヒカリを離さず懸命に呼びかけた。
 すると。

「スズハラ」

 と、ヒカリが急に落ち着いたようになっていった。

「ずっと好きだったの……」

50 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/18(日) 21:23:50 ID:1Zl3DyOO
ドキドキほっす

51 :ここまで:2007/11/18(日) 21:24:27 ID:???
 その言葉のつぎにはヒカリはふわりと動き、支えるトウジを逆に押し倒した。すでに出
血多量で屍も同然だったはずである。
 その体から流れ落ちる血液がトウジのジャージに染まっていく。
 呆然とするトウジ。

「委員長……?」

 トウジは一瞬、なにかタチの悪いいたずらでも受けているのかと思ったが、その考えは
黒目の異様に細まったヒカリの顔を見て打ち消される。
 そしてトウジを降ろし見る彼女の口がぐわりと開き、剣山のように鋭く尖った歯が肉を
貫きびっしりと生えていった。
 ヒカリが、滑るようにトウジに迫っていく

「う……うあ、ぎゃああああ……ッ!!」

 トウジの絶叫が校舎中に響きわたった。


・・・

52 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/18(日) 21:25:01 ID:???
インベーダーが来ちゃったか……

53 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/18(日) 22:17:06 ID:???
禍が来ることは予告されてたがきついなあ。シンジも寄生されたままだし。

54 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/18(日) 22:42:50 ID:???
これはどっちだ?インベーダーか?

55 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/18(日) 22:48:33 ID:???
えーと・・・・・・・展開が急すぎて頭が付いて逝けん。otz

56 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/18(日) 23:02:30 ID:???
まさかシンジがストナーサンシャインで消されるのか?

57 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/18(日) 23:03:18 ID:???
あぁ・・・

58 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/18(日) 23:03:30 ID:???
>>36がシャレにならなくなったーーーー!?
仮にチェンゲのインベーダーか何かだとして、寄生された宿主が
五体満足でキレイに生還できる可能性ってあったっけ………

……いや、諦めてスレタイ読み返そう。
ここは「エヴァの主人公が真ゲッターの竜馬だったら」なんだ……
シンジが主人公だとはどこにも書いてないのだった………

59 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/18(日) 23:23:06 ID:???
>>53のレス読んで「はて?バケモノは出ても猿はいなかったような・・・」と2回読み返した俺

しかしこいつは土暗かインベーダーか。前者ならまだ助からないとも言い切れないが・・・

60 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/19(月) 01:25:10 ID:???
「竜馬さん、ミサトさん、リツコさん、綾波、アスカ!
……あと一応、父さん!
僕が引いたレールも最後だ。あとはみんなの力で切り開くんだ、人類の未来を!!」




呼ぶ人多すぎだし、そもそもレール引いてないねシンジきゅん

61 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/19(月) 01:51:00 ID:???
まぁシンちゃんは補完から分離した実績(?)はあるけどアレとはチト勝手が違うからなぁ・・・

62 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/19(月) 02:49:18 ID:???
ちょwww

さよならシンジ…

63 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/19(月) 07:01:13 ID:???
前スレ500で埋まったな
ラストがジーグでワロタwww

64 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/19(月) 09:00:24 ID:???
待て、このシンジがインベーダーに寄生されているとは限らない。
本物のシンジは別の所に居て、このシンジは擬態しているだけかもしれないぞ。

65 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/19(月) 09:39:18 ID:???
前の回から考えると、そういうこともあるかもしれない。

66 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/19(月) 10:39:10 ID:???
するとこのシンジの正体がカヲルかもしらんのだな

67 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/19(月) 12:16:58 ID:???
トウジやケンスケはともかくシンジは死んでも艦隊からスペアが供給されそうな悪寒

68 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/19(月) 15:02:24 ID:???
>>64のいうこともわかるが、自分はやはりレリエルのときに寄生されたとみる!
そして、竜馬のいっていたゲッターにシンジを記憶させるということの意味がわかるときがくると思う。
具体的には2人目のシンジの登場。

69 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/19(月) 18:46:24 ID:???
>>68
真シンジVSネオシンジだな!

「リョウくん、行かせてっ!!このままじゃシンちゃんが!」

「あまったれんじゃねぇっ!!俺たちにはこの先もっと残酷な(ry







すんませんでした

70 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/19(月) 22:36:30 ID:???
あー、レリエルん時に憑かれたか?

密かに脇役3人気に入ってたんだが、
ゲッター的展開では助かりそうにないなァ・・・

71 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/19(月) 22:38:38 ID:???
>>69
シンジ「うぉぉぉぉ…降ろせぇぇぇ!降ろしてくれぇぇぇぇ…!」

ゲンドウ「熱い血も流れねぇ使徒ども!これがテメェが恐れていたゲッター線だぁ!」

シンジ「オ…親父ィィィィィィィィィ!」

…ドワオ!

やばい、変な電波を感じた…。

72 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/19(月) 23:36:30 ID:???
弐号虎機inアスカと、黒ゲinシンジ1人

インベーダーに寄生されて身体機能のリミッターが外れたシンジと、
そんなシンジを何とか元に戻そうと苦戦するアスカ

ゲッターに乗って戦ってる内に、シンジに寄生していたインベーダーが
捕食物であるゲッター線(炉芯?)に反応して活性化、暴れ出す

それによってシンジが意識を取り戻しかけるも、インベーダーはまだ取り付いているので入れ替わり立ち替わりグダグダ

シンジの乗るゲットマシンのコックピット内にもう1人の影が・・・

響く銃声、開かれるハッチ。動かなくなったシンジを抱えた竜馬が出てくる。

真ゲ異聞のような感じの電波を受信したようです。

73 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/20(火) 07:31:08 ID:???
まったく関係ないがエヴァ世界では恐竜帝国の連中はどうしているんだろう?
やっぱリリスとかの子孫なんだろうか?
穏健派に率いられているから地上の事に干渉しない?
彼らの御神体は青いネコ型ロボ…





74 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/20(火) 10:23:45 ID:???
サンダルフォンが未参戦なのはやっぱ恐竜帝…

75 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/20(火) 11:19:10 ID:???
>>73
恐竜帝国には北海道サイズの立方体空間の聖地があるのかよwww

76 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/20(火) 21:38:47 ID:???
竜の騎士吹いたwwww



ゲッター知ってからあの映画観ると、どうしてもテラ恐竜帝国wwwとか思ってしまう………

77 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/20(火) 22:26:05 ID:???
「地上最強のエキスパートチームGIジョー」の敵コブラ軍団も
当初は単なる奇人変人テロリスト軍だったのが実は氷河期に地上から追われた
爬虫人類の逆襲の尖兵だったと明かされたもんだった。


78 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/20(火) 22:41:06 ID:???
つ「ダイノサウルス作戦」豊田有恒

79 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/20(火) 22:46:43 ID:???
>竜の騎士
マントルの海の中や空中、空間・時間跳躍も可能な大型戦艦を何隻も所有していながら
地上戦では古式ゆかしい騎馬戦や攻城櫓しか用いない、よくわからん連中だったなあ

80 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/20(火) 23:51:36 ID:???
>>79
異種族の価値観が人間には理解できないのは当然だとおもうぜ。

81 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/21(水) 01:26:25 ID:???
>>80
いや、技術力の問題でしょ。
あの後、地下世界でも恐竜たち(が進化した竜人)が安全に暮らせ、文化を発展させていけるように
ドラえもんがそれらの未来の超技術を記した装置か何かを置いていったんじゃないかと脳内妄想。

ドラの歴史改編により穏やかな種族の国家となった恐竜帝国では青ダヌキの神像が奉られ、ガーディアンとしてサンダルf(ry

82 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/21(水) 01:31:47 ID:???
その連中の中に某アメフト漫画世界に脱走して暴れてるのがいるぞ!w

83 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/21(水) 07:27:01 ID:???
D&DのPCゲームにも出てきたな、気候変動で地上の支配者の座を追われた爬虫人類の逆襲は。
洋の東西を問わず燃える定番ネタなんだろうな。

84 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/21(水) 08:04:04 ID:???
>>81
どっちかっつーと平和を脅かすものとして恐竜帝国に始末されたんじゃ………>サンダルf(ry


>>83
西欧はもとより中近東やキリスト教圏下じゃ、爬虫類系のドラゴンは倒されるべき『悪』となってることが多いし。

85 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/21(水) 13:11:02 ID:???
>>84
「倒されるべき悪」としての竜の話が出るとマップスのダード・ライ・ラグンを思い出す。

「竜にさらわれた沢山のお姫様の中に一人くらい、竜と一緒に居たかった女の子も居たよね?」
というラドゥの言葉と「いや・・・やはり姫君は勇者に返すとしよう」というダードの言葉に俺は
漫喫で読んでたにも関わらず泣いちまったよ。

86 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/21(水) 15:02:03 ID:???
そういえばアーク編のカムイは一代雑種だから帝位を継いでも子孫残せねえんじゃね?

87 :つづき:2007/11/21(水) 18:03:16 ID:???
 ところは変わり、同じく校舎内のアスカに視点は移る。

「でぇいッ!!」

 斬、と一閃。
 アスカが目の前に立ちふさがった異形の化け物を、将造から譲り受けた軍刀「村田刀」
を縦一文字に振るい一刀両断にして飛び退く。
 だが、一体倒しても周りを見れば似たような怪物がぞくぞくと集まってきた。
 アスカはそのまま身をひるがえすと、息をきらせながら独り校舎を走ってわめいた。

「なんなのよコイツら!! ふざけないでよッ」

 アスカはそう叫びながら、この日起きたことを走馬燈でもみるかのように次々と思い出していく。
 彼女の行動を追う前に、その内容をまず記述しておく。

 さて。
 アスカはこの日、いつもの通りに授業をうけ、そして夕刻になっていつものように下校
しようとしていた。
 彼女は日常が続くことを疑わなかった。
 しかし。
 アスカが帰り支度をしようと、友人の数人と雑談をしながら教室に居たとき……丁度、
シンジがケンスケと屋上に行った頃のことだ。
 職員室で作業をしていたはずの彼女たちの担当教師「根府川先生」が、ふらりと顔を覗かせた。

「先生、どうしたんですかぁ?」

 と、女生徒の一人が彼に駆け寄ったときだった。
 根府川が倒れ込んできたかと思うと、次の瞬間にはその腕からまるでゲッターレザーの
ごとく生えた刃がその女生徒の首をはねたのだ。

88 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/21(水) 18:04:22 ID:???
 女生徒は、むろん即死だった。
 首が空を舞って血が飛び散り、それを見た生徒たちの悲鳴がこだまする。
 日常が、地獄絵図の世界に移り変わった瞬間だった。
 教室がパニックに包まれる。
 あとは、襲いかかる根府川を跳ねとばして教室を抜け出し、何人かと連れだって学校か
ら脱出しようと試みたが、その途中で先の根府川のように人外と化した教師や、生徒たち
だったものがわらわらと現れてきた。

 無我夢中で逃げたが、ふと気づくと、アスカは独りとなっていた。
 おそらく、みな走る力も尽きて、怪物の餌食となってしまったのだろう。
 アスカは将造から、テロリストにもなれるほどの戦闘訓練を受けている。たとえこのよ
うな状況でもそう簡単に命を落としたりはしない。
 が。
 脱出しようにも、階段や通路のいたるところに怪物と化した彼らがうろついており、さ
しものアスカも退路がなかった。

(嫌だな……あたし、こんなところで死んじゃうのかな)

 一瞬、あきらめが彼女の脳裏をよぎった。
 だが同時に、希望もよぎる。

(……そうだ! パパから貰ったアレがロッカーに!)

 と、アスカこの窮地を脱するべく武器を求めた。
 将造から譲り受けた軍刀「村田刀」である。
 アスカは近頃将造の影響がいよいよ強くなり、銃刀法違反もどこふく風で刀を持ち歩く
癖がついていた。
 それを思い出して、危険を承知でロッカーのある我が教室へ戻った。
 すでに根府川の姿はなく、首をはねられた生徒の骸があるのみであった。

89 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/21(水) 18:05:23 ID:???
 だが、軍刀を取り出す最中に、その生徒が起き上がってくる。
 悲鳴をあげる間もなく襲いかかられたがアスカは軍刀を腰にやって、将造からおそわっ
た居合いの技をあびせてこれを撃退。

 軍刀の切れ味は異常なほどに鋭く、相手の胴体を真っ二つにして切り裂いてしまうほどだった。
 おそらく、将造が敷島あたりに頼んで必要以上に強化させた代物だったのであろう。
 ともかく、アスカはこの地獄でクモの糸にすがりつくことに成功した。
 刀を持ち歩くことで普段は白い目で見られるだけだったが、よもやこんな形で役に立つ
とはアスカ自身、思いもしなかった。

「もし、パパに出会ってなかったら、アタシとっくに喰い殺されてた……」

 と、不思議な運命を感じながら、学校を脱出すべくひた走った。
 以上、彼女の回想である。
 アスカは身をひるがえして通路を走ると、その最中で、保健室へと繋がる通路にでた。
 すると、
 
「ぎゃああああ……ッ!!」

 と、前方の通路から聞き覚えある声が響いてくる。

「鈴原ッ!?」

 声のする方に走っていくと、保健室が見えた。なにやら、入り口付近に血液らしきもの
が飛び散って無惨な光景が広がっている。
 ばっ、と飛ぶように保健室にアスカが踏み込んだ。
 するとトウジに覆い被さるヒカリの姿が見えたがその胴体には、目を背けたくなるほど
の穴が空き、血にまみれた臓器が飛び出している。
 それが動いてトウジに覆い被さっているとなっては、アスカの目にも彼女がすでに人間
でなくなっていることは瞬時に知覚できた。

90 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/21(水) 18:06:42 ID:???
「ヒカリ、鈴原……」

 ぐちゃぐちゃと、エビやカニの身をむしるような音がする。
 それがヒカリによって食いちぎられたトウジの首筋から発しているものであることはす
ぐに解った。吐き気のするような異臭と共に、血だまり広がっていた。
 やがて、アスカの接近に気づいたヒカリが頭をあげる。
 トウジの最期の抵抗だったのであろうか、その眼球の片方が、つぶされていた。

「……」

 それを見てアスカはだまって一歩、下がった。
 そして。

「許して、ヒカリ」

 つぶやくと、ぶんと脚を振り上げてからその頭へ強烈な蹴りをあびせると靴底からおび
ただしい量の鉄のトゲが跳ねとばされるように生える。
 その勢いでもって顔面を串刺しにすると、ばしゃっと砕いた。脚を下げると、トゲは収納される。
 おそらくこれも将造から授かった戦闘靴なのだろう。

 ヒカリから解放されたトウジが、ぴくりと反応をしめす。
 だが、すでに生命が維持できる状態でないのは明らかである。
 助けようもなく呆然とするしかないアスカだったが、トウジはかすれる視界に、その姿
をみとめたのか食い破られた喉から空気を出しながらも、力尽きる寸前に、

「惣、流……碇に会うたら、殴ってすまん、いうといて、くれ……」

 と、わずかに聞き取れる言葉を残して果てた。
 無惨に崩れた友人たちを前に、アスカの心中に無念という想いの嵐が吹き荒れる。

「誰がこんなことしたのか知らないけれど、絶対に許さない……」

91 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/21(水) 18:07:44 ID:???
 ぎり、白木の柄を握りしめ唇をかみ切るように独白して、きびすを返した。
 保健室を後にして、そこに迫っていた怪物の一体を居合いで音もなく切り裂いくと、ア
スカはその骸が地に着く前に駆け出した。

「……ねえッ!! 生き残りはいないの!?」

 その叫びが校舎中にこだまする。
 すると、それに反応したのか走る廊下の側面の教室から、戸をぶちやぶって何者かが転
がり出てきた。
 怪物か、とアスカは軍刀を構えたが

「惣流さん……私。敵じゃないわ」

 顔をあげるのはレイであった。
 生きた人間の言葉に、瞬間安堵の息がもれた。
 軍刀を降ろして片手で乱れた髪をかきあげると汗をぬぐっていった。

「ねえ、どうなってんのよこれっ」

 もう訳が解らない、といった風に聞くアスカ。
 その問いが返ってくることはないだろうと思ったが、しかしレイは答えた。

「この怪物たちは……インベーダー。流さんたちが、戦ったことのある敵よ。
 生き物にも、機械にも、なんにでも寄生して増殖する敵」
「インベーダー……ヒカリも鈴原も、それにやられたのね」

 アスカが敵の名を復唱する。

 ――日常を壊した憎い敵の名はインベーダー。

 そう、胸に刻むためにだった。

92 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/21(水) 18:10:42 ID:???
支援した方がいいんかのう

93 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/21(水) 18:12:06 ID:???
「でも。それがどうしてこんなところに」
「インベーダーも本来、この世界にあるはずのない存在。それがこの世界に
干渉したとすれば、原因は異空間に繋がりのあった第九シト……かもしれない。
 あるいは第九シトそのものが、すでに寄生されていたのかも」
「まってよ……それじゃゲッターはまだしも、あれに飲み込まれたシンジは!?」
「……すでに寄生されていたと考えると、この事態の説明もつくわ。抵抗できない私たち
を最初の餌食にすれば、あとは楽に増殖できるもの」

 レイが答えた。
 非情の現実にアスカが、嗚呼、と深いため息をもらす。
 シンジは、ゲッターエンペラーを率いる竜馬がじきじきに守りにくるほど、この世界の
未来になくてはならない存在ではなかったのか。

「あいつが敵かもしれないなんて……どうすんのよ、これから……」
「とにかく、逃げましょう」

 レイの言葉に、アスカが彼女によってその胸ぐらをつかんだ。
 その表情はまるで般若のようになっていた。

「あんた、あんたの中には碇ユイの魂も入ってんでしょ!?
 自分の息子が死んだかもしれないってのに、なんで落ち着いていられんのよ!
 どうしてエヴァに関わる人間は、みんな冷徹なのよッ。あたしのママもそうだった!!」

 と、アスカは殴りかからんばかりに勢いで迫る。
 だがレイは言葉を選びつつ、懇願するかのようにいう……普段の彼女からは想像もでき
ないほどに、感情的な声色だった。

「お願い、心を静めて、惣流さん。ここで私達まで死んだら、なにも果たせなくなってし
まう。あなたのお義父さんだって悲しむ。
 それに私はゲッターの使徒としてこの世界に来ました。仮にシンジがインベーダーに寄
生されていたとして、この魂に代えても必ず助け出します」

94 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/21(水) 18:13:24 ID:???
 と、いうレイに、しかしアスカは唐突に言葉づかいが変容したのを見遁さなかった。
 いまのレイには碇ユイの魂が混在しているのは、すでに書いた。

「あんた……今は「ユイ」ね。悪いけどファーストの姿に敬語は使わないわよ」
「ええ」
「……取り乱して悪かったわね。確かにここでわめいてても仕方ないわ……ついてきて、
学校から脱出する。でも、あたし以外は戦闘できないんだから前に出ないでよ」

 レイの説得に、アスカが再び生気を取り戻す。
 頭をもちあげて脱出の経路をうかがうが、あちらこちらからインベーダーの呻きが聞こ
えている。

 ――果たして、軍刀の一振りだけでこれを切り抜けられるだろうか。

 アスカの額に冷や汗がにじむ。
 そう思った時だった。
 急に背後から、急にパンパン、と手を打ち鳴らす音がきこえる。
 はっ、と振り向くとそこには、

「いや、立派立派。ご立派」

 いつもの制服に身を包んだ彼の姿があった。

「シンジ!?」

 それに一瞬、アスカが歓喜の色を浮かべたが、すぐに打ち消される。
 なぜなら、彼の着ているワイシャツがはだけて、その内からのぞく肌は一部が黒ずんで
腐敗したようになり、ときおりそれが、もぞもぞとうごめいているのだ。
 そして邪悪といっていいほどの笑みを表情にうかべているが、逆にその眼は、まるで死
人のように生気がなかった。

(やっぱりシンジが寄生されていたのね……)

95 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/21(水) 18:14:26 ID:???
 アスカは心で嘆き、しかし口元を引き締めて軍刀を構える。
 たとえシンジがインベーダー化してしまおうとも、こんなところでむざむざと殺される
つもりはない。
 アスカには守らねばならないものがあるのだ。
 岩鬼組の若頭が、たかが寄生生物ごときに倒されたとあっては岩鬼の名に傷が付く。
 そう思うと、心の炎がめらめらと燃え上がっていくのを感じて、

(負けるか! シンジを取り戻してインベーダーにはオトシマエをつけてやる!!)

 と、眼光もするどくにらみ付けた。
 すると邪悪な笑いのままシンジがいった。

「怯えることはないんだ、アスカ。僕たちは、人類補完計画を経て一つになるだけだから
……さあ、心を開いて進化の道を……」

 そういってアスカに手を伸ばすシンジ。
 その瞬間、ひゅんと振るわれた刀の一撃に腕がばさりと斬られ、落ちた。
 シンジは先の無くなった腕の付け根をきょとん、と見つめている。
 だが……血が、出ていない。それどころか、腕の中には黒い不定形のなにかがごそごそ
とうごめいているのがみえる。
 それを見てアスカが一瞬、言葉に詰まる。
 が、やがて吐き捨てるようにいった。

「寄生虫なんかに、求愛されるほど落ちぶれちゃいないのよ」
「知り合いだったから、優しくしたかったんだけど……仕方ない」

 と、いってシンジは指をならす。
 それを合図に壁を、天井を、床を、窓を突き破ってインベーダーに寄生された生徒たち
のなれの果て次々と群がってくる。
 その数、ざっと数十はくだらなかった。
 アスカたちは瞬く間にとり囲まれて身動きがどれなくなってしまう。

96 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/21(水) 18:15:32 ID:???
 その様をみるシンジが、

「この肉体は非常にみずみずしかった。おまえたちはどうかな?」

 と、ケラケラ笑った。
 まるで、首の筋をナメクジに這われる感覚を受けたような、嫌な笑い方だった。
 これにいままで冷静をつとめていたレイが、激高をみせる。

「……インベーダーッ!!」

 詰め寄ろうとするが、今度はアスカがそれを止めた。

「バカっ。必ず助けるっていった直後に特攻してどうすんのよ!? あんたら親子はそろい
もそろって、ホンッとに駄目ねッ!!」
「ご、ごめんなさい……」

 アスカはレイを引き戻すと、お互いを背にした。
 むらがるインベーダーに背中を見せずに済むようにだ。

「ファースト、後ろから敵が近づいたら言って。たたっ斬るから」

 アスカが軍刀を構えていう。
 だが、いくらひとかたまりになろうと多勢に無勢である。一度に攻め込まれたら、ひと
たまりもないだろう。
 二人は額に汗をにじませる。
 そのときだった。

「祭り会場はここけぇのお!?」

 と、野太い声がしたかと思うと突如天井に空いた穴から轟音がひびき、さらに弾丸の暴
風雨が吹き荒れた。

97 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/21(水) 18:16:35 ID:???
 銃弾は掃射されてアスカ達をとりかこむインベーダー共の肉をぶち破り、周囲のものを
粉のように砕きながら一気に掃射されていく。
 インベーダー共の奇妙な悲鳴がひびく。
 それと共に左腕に巨大なガトリングガンを備え付け、もう片方にはゲッタービームガン
を抱えた将造が降ってきて、どすん、と着地した。
 それを認めたアスカの声が華やぐ。

「パパ!!」

 アスカの視線の先に映るのは狂喜に満ち満ちた将造の表情だった。
 その顔のまま、ぐるりとアスカに振り向いて彼は言う。

「おおアスカぁ。ワレぇ楽しいことするようになったけぇ! わしも混ぜちゃれや!」

 だが、他のインベーダーを盾にしてガトリングの弾幕を逃れていたシンジが将造むかっ
て飛び出してきた。

「人間が一人増えたところで、なにができる!?」

 その口を大きくあけて、喉の奥からおびただしい量の甲殻類かなにかに丸い目がぎょろ
りとついたようなものを吐き出してくる。
 シンジに取り憑いているインベーダーの一部といったところだろうか。
 それが将造にたかるように襲いかかっていった。

「パパぁっ!!」

 アスカの悲鳴がひびく。
 だが、将造はそれを素手で受けると、もの凄い形相になり、

「なんじゃあ紫色のカニなんぞ出しよって! こんなもんは」

 と大口を開けると、一気にすくって飲み込んでいってしまう。

98 :ここまで 支援ども:2007/11/21(水) 18:17:50 ID:???
 がばがばと、まるでソバでもかきこむかのような勢いだった。
 それを見たシンジが笑う。

「アハハ、自分から寄生されにいったか。賢明な判断だ」

 だが。

「……わはははは!! カニはいくらでも出せ! わしのメシになるだけじゃあッ」

 と、インベーダーを一気に飲み込んだ将造はしかし寄生されることもなくケロリとして
言い放ったあとに、盛大な屁を放って大笑いした。
 呆然とするシンジ。
 自分からインベーダーを飲み込もうものなら、普通はあっという間に腹を食い破られて
しまうはずだったからだ。

「ば……バカなっ!?」
「がんぼたれえ。わしを誰やと思うとる……」

 将造がニヤリと笑って、ガトリングガンを外すと右手にかかえていた、ゲッタービームガンをセットする。
 がしゃりと構え、叫んだ。

「オレは極道兵器だ!!」

99 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/21(水) 18:36:36 ID:???
ちょwwwwインベーダー食いやがったwwwwwwwww

100 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/21(水) 18:37:25 ID:???
GJ!初めてリアルタイムで見れた。しかし将造、インベーダーを飲み込むてw

101 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/21(水) 18:37:49 ID:???
ちょwwwww若wwwwwww

102 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/21(水) 18:40:06 ID:???
屁ぇこくなwwwwww

103 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/21(水) 18:57:03 ID:???
エヴァのりてえと言ってシンベーダーになにかされたケンスケだけ生き残ったら皮肉だな。

104 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/21(水) 19:30:29 ID:???
インベーダーとなるとこりゃあシンジは助かりそうもねぇな・・・


って思ったら将造wwwwwwちょっと望みが出てきた気がする。

105 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/21(水) 19:54:52 ID:???
流石極道兵器wwwwwwwwwwwwwwww

106 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/21(水) 21:21:01 ID:???
いまさらだが
こいつ人間じゃねえwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

107 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/21(水) 22:00:53 ID:???
岩鬼がインベーダーを食ってるところを読んで
ゲッターでもエヴァでもないがガイバーのアプトムに融合捕食されそうになっても
普通に主導権を奪った上に「こいつはスゲェ身体じゃぁぁ!!これでわしは極道バトルクリーチャーじゃい!!」
とか言い出しそうだと思ったw

108 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/21(水) 22:07:12 ID:???
>>107
いや、きっと将造がアプトムを融合捕食するんだよ

109 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/21(水) 22:11:49 ID:???
極道という未知のエネルギーの顕現だろこの男ww

110 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/21(水) 22:14:07 ID:???
てかどうやったら死ぬんだこの人

111 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/21(水) 22:15:07 ID:???
さすがにアンリ・マユの泥は無理だな

112 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/21(水) 22:38:08 ID:???
型月厨は巣穴から出てくるな

113 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/21(水) 23:00:40 ID:???
なぜみんな邪鬼王を忘れているのだ

114 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/21(水) 23:40:50 ID:???
ちょwwwww
こりゃさすがの旦那でも喰えそうにないな。

115 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/21(水) 23:53:56 ID:???
慎一も忘れるなよ

116 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/22(木) 04:48:10 ID:???
インベーダー食いやがったwwwしかもそれが別に不思議ではないのが素晴らしいwwwww
どこぞの悪の泥だろうが怪獣王も苦戦するヘドロだろうが核爆弾だろうが喰いそうだ

117 :つづき:2007/11/22(木) 15:04:53 ID:???
「オレは極道兵器だ!! うらぁッガキどもっ、わしの背に隠れえッ」

 その言葉と共に、かつてイスラフェルとの戦いで使用されたときよりも太くなったゲッ
タービームが発射されて洪水のような緑色の光が校舎中に溢れていった。
 大量のゲッター線を浴びせられるインベーダーたちが、その体を崩壊させていく。

「く、に、人間めっ!!」

 あふれかえっていたはずのインベーダーを瞬く間にせん滅させられていく様に、さしも
のシンジも恐怖を覚えたのか背後にあった窓ガラスを後ろ飛びに飛んでぶち破ると、その
まま空に浮いて逃げ出した。
 将造は、

「逃がすかボケぇ!」

 と、ゲッタービームガンをそのほうに向けて狙い撃ちしようと右目のレーザー照準を撃
ち出すが、アスカがすがりついて止めた。

「ま、まってっ」
「なんしよんじゃアスカ!! おどれも寄生されたかッ」

 攻撃の邪魔をされて将造が恐ろしい声をだす。邪魔をすれば義娘でも容赦しない、と
その血走る目がいっていた。
 それがすこしの冗談でもないことは、アスカが一番よく知っている。
 だが、彼女はシンジをどうあろうとも助けると心に決めたのである。
 ここで消滅させてしまったら、それはかなわなくなる……そこでアスカは将造を止める
一計を瞬時に思いついた。

「シンジはあたしが婿にもらって次期組長にするから殺しちゃ駄目っ!!」

 むろん、口からでまかせである。
 さしもの将造もこれには呆気にとられた。

118 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/22(木) 15:06:44 ID:???
「あぁん!?」

 と、素っとん狂な声をだして攻撃の手を止めると背後からすがりつくアスカへ向いた。
 そのアスカが続ける。

「あたしにもやり方があるの、それに文句つけるならたとえパパでもぶち殺す!」

 と、威勢よく言う。
 まあそれはよかったのだが、しかし奥歯がガチガチと振るえてしまって、いまいち迫力
にかけている。
 インベーダーを相手にするよりも、将造に逆らうことの方がよほど恐ろしいらしい。
 だが、そんなアスカを見て将造はなにかを思い出したかのように笑った。
 この時すでにシンジの姿は見えなくなっていた。

「うはは……昔、わしが親父にいったのと同じこといいよる」
「ううっ」
「まあええ。あんガキにわしの組がつとまるは思えんが……たぶん、わしもいつまでもこ
こにゃ居れんじゃろう。次期組長は、ヌシの好きにせえ」
「えっ……?」
「じゃかしい。アスカ、もうここはゴキブリの巣じゃ。一匹でも残せばまた繁殖しよる。
 元から絶つぜ!」

 そういうと、将造はゲッタービームガンを外して床においた。

「こいつの炉心を融解させるんじゃ。ゲッター核爆発で始末しちゃる」

 そのパネルの一部を開くと、現れたボタン類をなにやら操作してから再び閉じた。 
 自爆のコードでも入力したのであろう。
 敷島の性格ならば、まちがいなく自爆可能なように設計するはずだった。
 将造はかたわらのガトリングガンを装着し直すと、それを肩にかつぎ、

「脱出じゃあ!」

119 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/22(木) 15:08:56 ID:???
 そう叫んでから、三人は一目散に外へ向かって駆け出した。
 脱出経路を行く内にぱらぱらと生き残ったインベーダーが現れるが、すべて将造のガト
リングガンからいずる、弾丸の嵐に粉砕されていく。
 あっという間に校庭へ出た。
 そして門から通りへ駆け出したころに、背後の校舎が緑色の光につつまれながら大爆発
を起こして消え去っていく。

 たとえ小型ゲッター炉心といえども、メルトダウンすれば校舎のひとつ程度の敷地はゆ
うに吹き飛ばす威力がある。
 アスカ達まで吹き飛ばされずに済んだのは、幸運だったかもしれない。
 激震にレイがつまづいて転んだ。
 アスカが手を差し出して起き上がらせると、ふと頭をあげた彼女の目に消えゆく学校の
姿が入った。

「ヒカリ、鈴原……みんな。仇は討つから」

 そういって、再び駆け出して、やがて安全なところまで離脱する。
 レイが走り疲れて、その場にへたり込んでしまう。
 アスカはまだ立っていられるが、極度の疲労を顔に表している。
 平然としているのは将造だけだった。

「よし……ヌシらはネルフへ行け、いま竜馬の野郎は大空で敵と戦争してよる。もぬけの
カラの本部の守りについてこい。あのガキが来ないとも限らん」
「敵って……シト?」
「おおよ。エヴァとシトとインベーダーの融合体じゃあ!!」

 将造はガトリングガンを天に突き上げていうのだった。


・・・


120 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/22(木) 15:10:11 ID:???
 時は幾分か巻き戻って、アスカ達の第壱中学校が地獄と化する以前のことになる。
 ジオフロント、ネルフ本部はそれよりも早く混乱に包まれていた。

「何!? 空輸中の3号機が襲われただと!?」

 と、作戦司令室で受話器ごしに叫ぶのは冬月であった。
 通話の相手は、先の4号機ゲッター炉心メルトダウンの件でエヴァ建造に怖じ気づいた
米国から、その3号機を空輸するために飛び立った輸送機の乗員からだった。
 乗員は悲鳴まじりに空輸中の3号機に突然、正体不明の物体が衝突して、すぐに異変が
起きたことを伝えている。

 四〇メートルの物体を収納することは不可能だったため、船底につり下げる形で運ばれ
ていた3号機が、物体衝突後に勝手に動き出したというのだ。
 この報告にゲンドウと冬月は、レイが3号機に浸食型のシトが接触することを予告して
いたことを真っ先に思い浮かべた。
 しかし、

「もうシトに浸食されていたのか!? だが、飛行能力のない3号機を空中で乗っ取ったと
ころでどうするつもりなのだ……」

 と、冬月がいったが通話の相手は、

「3号機は、輸送機まで浸食して同化しているんだ!!」

 と泣くような勢いでいった。そして、

「もはや機が持たん、我々は自爆を試みる。それでも駄目ならあとは頼む!!」

 それが、最後の会話となった。
 受話器ごしに爆音が聞こえ、あとはノイズだけが残る。

121 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/22(木) 15:11:13 ID:???
 冬月は渋い表情になり、受話器を静かにおいた。
 するとゲンドウが応じてオペレーターに輸送機の位置をレーダーで監視するように指令
を飛ばす。
 それにはシゲルが応じた。
 が、レーダーに映った点は輸送機が今だ健在であることを示していた。

「……依然、輸送機は日本上空の領域へむかって進行中です」

 シゲルが力なくいう。
 冬月がしかめっ面をして頷く。

「自爆も失敗……か」
「ああ。完全に予想外の出来事だ。シトもシナリオを変更しているということか」
「いや……シトにしちゃあ、やり方が派手すぎる」

 と、二人の会話に割り込んできたのは珍しく作戦司令室に居た竜馬だった。
 彼はこの日、偶然にもシンジたちの登下校に付き合わず暇を持て余して、シゲルと雑談
していたところである。その最中で4号機消失と3号機の件を知ったらしい。
 竜馬へ向かって頭上の冬月が身を乗り出す。

「どういうことかね」
「俺の直接体験じゃねえが……知ってるんだよ。かつて、こういうやり方で攻めてくる奴
らがいたのをな」
「本当か」

「ああ。俺たちはインベーダーと呼ぶが、ゲッター線を喰って宇宙をさまよう寄生虫だ。
 奴らがどっかから来て、シトもろとも3号機を乗っ取ったのかもしれねえ。
 だったとすりゃ、厄介だぞ。生半可な攻撃を加えてもいくらでも再生してくるうえ、下
手に近寄りゃ有機体も無機物も見境無しに寄生されちまう」

 竜馬がいった。

122 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/22(木) 15:12:31 ID:???
「ゲッター線を喰うだと……それではゲッターロボでも対処できんではないか」
「そこは逆手を使う。奴らが吸収しきれねえ量のゲッター線をあびせて、飽和状態にして
ぶち殺すんだ。それができねえなら、復活できねえぐらい徹底的に叩きつぶす」

 このあと、それを将造がアスカ達の学校で実行することになる。
 先に書いたゲッタービームガン炉心の融解である。

「……難儀な相手だな」

 ゲンドウがいった。
 だが、竜馬はその拳をボキボキと鳴らして笑った。

「それだけ戦いがいもあるってもんよ。どのみち空を飛ばれちゃ弐號機以外のエヴァには
手出しできねえな……俺が出る」
「一人で大丈夫か」
「俺を誰だと思ってんだ。それよりゲンドウ、非番の連中をとっとと集めやがれ」
「ああ、わかっている」

 竜馬のいう非番の人間は、ミサト、マヤ、そして学校にいっているはずのシンジ、アスカ、
レイの五人だった。
 だが竜馬は、その学校で異変が起きていることをまだ知らなかった。
 彼は走ってゲッターの格納されている第八ケイジへむかう。
 タラップを伝い、すでに合体状態になっているゲッターの頭部コクピットに飛び乗ると
すぐに炉心に火を入れた。
 ギュオー……ン、という音と共にブラックゲッターが眼を覚まし、黄色い目に赤くぎら
ついた瞳が浮かび上がる。
 竜馬が叫んだ。

「ゲッターロボ、発進!!」

 ぶわりと黒いマントがたなびき、解放された天井の射出口むかってゲッターが飛び出していく。

123 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/22(木) 15:13:47 ID:???
 ゲッターは黒いマントに身をくるんで頭だけを露出させた状態で一気に地上へと駆け抜
けると空へ舞い上がり、弾丸のような勢いで虚空へ突っ込んでいった。
 久しぶりの一人乗りでの出撃である。
 ゲッターは通常、三人のパイロットが揃うことでフルパワーを発揮するので、今、この
ゲッターは単純計算で三分の一の力しかないことになる。
 それでも、出力を改善されたブラックゲッターの飛行はそれ以前のフルパワー状態より
も、かなり上回った速度で可能なようだった。

「この世界でゲッターをいじくれる奴に逢えたとはな。世の中解んねえもんだ!」

 竜馬が珍しくコクピットで迫り来る圧をものともせずに独り言をつぶやくと、視界に
3号機に乗っ取られた輸送機の姿があらわれる。
 すでに高度は一〇〇〇〇メートル。
 大気が薄くなり、辺りの色彩がくっきりと鮮やかになった世界に、これが元は機械だっ
たものかと疑いたくなる、まるで生き物の内臓が超高々度を飛んでいるような物体にゲッ
ターが迫っていく。
 それが元輸送機であると確認できるのは、唯一、姿がほとんど変わっていない3号機が
つり下げられていることだけだった。
 それを見て竜馬がいよいよ大声になって叫んだ。

「やはりインベーダー野郎か! なにをしに来たか知らねえが……今度こそは、根絶やし
にしてやるぜええッ!!」

 叫びと共にマントにくるまれたゲッターから紅い光線が次々と乱射されていく。
 ゲッタービームの乱射だ。
 この原理だが、ゲッターをくるむマント、つまりゲッターウイングは一種のバリア的な
性能も備えており、この中でゲッタービームを乱反射させて撃ち出している。
 当然のことながらそんなことをすれば、本体のゲッターもダメージをうけてしまう。
 少しも臆すということを知らない竜馬だからこそ可能な荒技だった。
 ゲッタービームの雨が襲いかかり、すぐに3号機がA.Tフィールドを展開するものの紙
のように破られていった。
 が、その本体に命中する前に輸送機の巨体かすべてビームを吸収してしまって、ビクともしない。

124 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/22(木) 15:15:34 ID:???
 すぐさま反撃がきた。
 内蔵のような輸送機の一部を切って撃ち出してくる弾丸だ。

「ちっ!」

 だが、竜馬はその場を横っ飛びに離脱してなんなく回避する。
 そんなゲッターに、地上のネルフから通信がはいる。

「戦闘中だ話しかけんな!!」

 と言いながらも竜馬は通信をうけた。
 コクピットのモニタにミサトの姿うつった。非常招集をうけて到着したばかりなのだろ
う息が乱れているようだった。
 その彼女が、モニタにかぶりつくような勢いでいう。

「リョウ君! 聞いて、今、MAGIから3号機にコンタクトできたんだけど、パターンが青
とオレンジ、白を繰り返してるのよ!!」
「何ィ……」

 竜馬が驚いたのは、こういうことだ。
 ネルフのスーパーコンピュータMAGIは目標の生体反応を色分けしたパターンで表示して
いる。このうち青がシト、オレンジはヒト、白は正体不明、という意味だ。
 今回における正体不明は間違いなく竜馬のいったインベーダーであろう。
 つまり目標は、シトとヒトとインベーダーの生体反応を内包していることになる。

「シトがインベーダーに喰われてたってことか。だが、ヒトってのはどういうことだ」
「刺さっているだけのはずのプラグ内部にシンジ君の同級生、相田ケンスケ君と照合される
ヒトが乗っているの! でも、何度呼びかけても反応がないのよ」

 ミサトがいう。
 彼女は状況がまったく理解できない、という風だったが竜馬は「そうか」と、なにかピ
ンと来た様子で敵の攻撃をかわしつつもいった。

125 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/22(木) 15:17:20 ID:???
「ミサト。3号機に衝突した正体不明の物体てえのが、たぶんケンスケのことだ」

 暗い声でいった
 どうして、というミサトの問いに竜馬は間髪をいれずに

「恐らくケンスケがどこかでインベーダーに寄生されて飛んできやがったんだ。じゃなき
ゃ、そこにあいつがいる理由がねえ」
「そんな。なんとか、救助しないと……」

 人命を気に掛けるミサト。
 だが、竜馬はモニタの中で頭をふった。

「奴らに寄生された人間は、まず助からん。最良の手段はこれ以上、苦しまねえように跡
形もなく消滅させてやることだけだ」

 と答えた。

「そ、そんなッ!」
「ミサト。ためらうんじゃねえ……人間の弱さにつけこむのが奴らの狙いだ!
 俺はコイツをぶっ潰すッ!! ゲンドウ、解ったか!!」

 竜馬が叫び、ミサトが、ゲンドウにばっと振り向いた。
 それにゲンドウが席をたって応じる。

「仕方あるまい。現時点をもって3号機は破棄。以降、目標を第十シト・バルディエル、
およびインベーダーとして認識する」

 ゲンドウはつとめて冷静な声でいう。
 敵の出方がどうであろうと、ここで司令官が慌てたり、ためらうそぶりを見せれば現場
の士気などはあっという間に崩壊してしまうだろう。
 彼の判断は賢明といえた。
 だが、ミサトはケンスケごと敵を消滅させることに迷いを捨てきれない。

126 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/22(木) 15:18:44 ID:???
「シンジ君にどう話せっていうんです……」

 ぎり、と親指の爪をかむ。そんな時だった。
 外部からの通信を受け取ったマコトが顔面蒼白となってわめきたててきた。

「葛城三佐っ、そのシンジ君たちが!! 諜報員からの情報です、第壱中校内で今の
インベーダーという存在に酷似している敵が出現!! すでに大多数に死傷者が出ている模様ッ」
「な、なんですって……ッ」

 マコトの報告に、ミサトが度を失った。
 生徒の大多数……ということは、シンジ達が生命をつないでいる可能性はごくわずかでしかないだろう。
 それを聞いていた竜馬が再び割り込んでくる。

「おいっ! 今の話は本当か!?」
「本当ですよ!!」
「なんで学校なんざに……まさか、あの球野郎の時にシンジに……?
 チッ……おいミサト!! 加持に連絡とって将造の野郎に協力しろって言え! 学校に向
かわせろッ。早くしねえと街中がインベーダーで溢れかえっちまうぞ!!」

 竜馬はそういい、あとは通信を遮断した。
 そしていよいよコクピットの中で凄みの効いた笑みを浮かべるとレバーを思い切りひいいてから、ぐんと倒して叫ぶ。

「ケンスケ……先に地獄で待っていやがれ!!」

 ブラックゲッターは竜馬の叫びでマントを解放すると、両腕を十字に組んでそのままつ
り下げられた3号機改め、バルディエルに突撃していく。
 バルディエルは上部の輸送機ボディを引きちぎった弾丸を飛ばして接近を阻止しようと
するが、竜馬はゲッターが損傷を受けても構わず突っ込んで激突する瞬間に、大きく腕を開くと抱きつく様に体当たりした。
 A.Tフィールドが展開されるが、それも素通りするかのように破って、勢いを殺さぬま
ま輸送機からバルディエルを引きちぎると、離脱していく。
 腕の中でバルディエルが暴れるが、ゲッターは飛びながら凄まじい腕力のブリーカーをかけていった。
 バキバキと拘束具が砕かれていき、エヴァだった素体の部分が露わになる。

127 :ここまで:2007/11/22(木) 15:21:36 ID:???
 バルディエルは口をあけ、苦しそうにうめく。
 それで反応が鈍くなったとみるや、ゲッターはぐわりと両の手で敵を持ち上げると地上へ向かってぶん投げて落とした。
 凄まじい勢いで落ちていく敵をすかさずゲッターも急降下して追うと、右の脚をつきだしてその腹にぶち当てた。
 さらに落下速度は増していく。
 落下先は日本列島を飛び越え、北京のあたりだった。
 みるみる内に地上が大きくなっていき、やがて墜落して叩きつけられる。

 大地に激震が走って、まるで隕石でも落ちたかのように辺り一帯に衝撃波が広がって地面がえぐれていく。
 もうもうと舞う土砂と共に、高度一〇〇〇〇メートルから落とされて全身を砕かれたバルディエルから血液だのオイルだの
液という液が噴き出していくが、ゲッターはすぐに立ち上がると、トゲの生えた拳でもってやたらめったらと殴りつけていく。
 そしていよいよ相手が動けなくなったと見るや、びゅんっと飛び下がって両腕を開きつつ竜馬が叫んだ。

「ゲッターッビイイイィムッ!!」

 収束されたビームを一点に集中照射され、バルディエルは蒸発するように消滅。直後、大爆発が起きる。
 さきほどの土砂に加えて、さらに大地がえぐられ吹き上がり辺り一面は何も見えなくなるほどになった。
 その中に竜馬のゲッターチェンジの声がひびく。ほどなくして、

「ゲッターミサイル!!」

 土砂の空間の中から、巨大なミサイルの二発ずつが上空へ向かって二〇回ほど連射で撃ち出されていった。
 ゲッター3最大の武装だ。照準は、バルディエルから切り離した輸送機である。
 ミサイルは一気に空へと駆け上って主を失い制御不能になっていた輸送機めがけて命中し、高々度で爆散し果てた。

 ゲッターミサイルには超高濃度のゲッター線が封入されている。
 インベーダーと化した輸送機も、これを四〇発も喰らったことでゲッター線の過剰吸収となり飽和状態になったのだった。
 やがて土砂から再びブラックゲッターが飛び出して、日本へ向かって飛んでいく。
 だが竜馬はそのコクピットの中で、鬼のような形相で前を見つめ、

「インベーダーめ……俺の舎弟を可愛がってくれた礼をしてやる。覚悟してやがれ」

 そう、つぶやくのだった。

128 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/22(木) 15:36:08 ID:???
GJ!
しかしこれでアスカ、レイ、未登場のカヲルを除いたチルドレンと候補生は全滅・・・

129 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/22(木) 16:11:43 ID:???
もはやシナリオも何もあったもんじゃないくらいに混沌として来てるな

130 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/22(木) 16:17:40 ID:???
インベーダーsueeeeeeee!
それより極道兵器tueeeeeeeeeeee!!
さらにそれより竜馬Tueeeeeeeeeeeeeeeeeee!!!


131 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/22(木) 16:47:04 ID:c6Kj2gIQ
虚無っちゃダメだ…虚無っちゃダメだ…

132 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/22(木) 19:07:58 ID:???
完全にエヴァがゲッターにのまれたなwwwエヴァ涙目www


133 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/22(木) 19:09:44 ID:???
まだだ…まだ分からんよ

134 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/22(木) 20:43:46 ID:Ul3peKV6
石川信者はこんなので満足だろうがどう見ても最低系踏み台クロスです本当に(ry

135 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/22(木) 20:46:44 ID:???
まぁなかなか無茶クロスだからなぁ戦力的に

136 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/22(木) 20:53:26 ID:???
確かにエヴァが踏み台にされてるなとおもう

137 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/22(木) 21:02:47 ID:???
ダイナミック系の作品とクロスすると大概こうなるよ。もうなれたぜ

138 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/22(木) 21:18:29 ID:???
>>134-136
うるせえ!てめえらもエヴァもゲッター線のおににみこまれちまったんだ!
運命だとおもってがまんしやがれ!

139 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/22(木) 21:32:21 ID:???
ちなみに将造がインベーダーを飲み込んで平気なのは体内に搭載された超小型ゲッター炉心のおかげだと思う。
食ったはしからゲッター線で飽和させてるんだな、きっと。

140 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/22(木) 21:35:16 ID:???
つうか元々参号機は踏み台

141 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/22(木) 21:35:25 ID:???
>>134〜137、石川版ゲッターとのクロスだとエヴァのキャラが薄すぎるから仕方がないと思うのだが?
デモンベインとかみたいに竜馬とかに対抗できるだけの精神力とか勢いがないと食われるのは仕方がない。

142 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/22(木) 21:44:58 ID:???
まあ牛とか髭とかいちおくえんとか言わないだけマシだと思っとくか

143 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/22(木) 21:47:19 ID:???
>>139
喰われたインベーダーが、たまたま生き残って進化したらどうなるんだろうか

144 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/22(木) 21:50:56 ID:???
>>141
いやデモベは勢いだけだろw

まぁエヴァ原作はこの辺から坂を転げ堕ちるような感じだったからな
寧ろ竜馬の活躍でエヴァ勢が皆助かって幸福になったとかの方がありえない展開w

145 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/22(木) 21:52:23 ID:???
オマイらせめてトウジと委員長に対して哀悼の意を示せよ







ついでで良いからケンスケにもな〜w

146 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/22(木) 22:05:46 ID:???
というか『主人公が真ゲッターの竜馬』の時点で
エヴァは踏み台どころか土台にすぎない。

147 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/22(木) 22:13:19 ID:???
そんな信者に冷や水をぶっ掛けるのが俺のジャスティス

148 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/22(木) 22:44:35 ID:???
むしろ石川作品以外でゲッターと並べる物を挙げてほしいぐらいだ

149 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/22(木) 22:50:22 ID:???
>>148
間違いなくグレンラガンと言い出すやつがいるな

風呂敷を畳む(笑)

150 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/22(木) 22:53:38 ID:???
トミーノとか

151 :つづき:2007/11/22(木) 22:54:34 ID:???
・・・


 深い暗闇の中で、五人の醜悪なる老人が立ち並んでいる。
 彼らは巨木ほどもある大きさの、中に橙色の溶液が満たされたカプセルを取り囲むよう
にして、なにやら詮議にふけっていた。
 彼らこそは今まで何度か打倒されるべき存在と目されてきた、ゼーレの幹部である。
 その内の一人で、もっとも年かさに見えて肥えた老人がいった。
 機械仕掛けの目隠しのようなものを着けていて、その目の色をうかがい知ることはでき
なかったが、歪む口元は彼が不機嫌であることを知るに十分だった。

「あの流竜馬という男が来てからというもの、シナリオは狂いに狂った」

 その言葉に、他の老人達も連鎖するかのように、

「そう。もはやシナリオも何もあったものではない」
「修正は不可能といっていい」
「ゲッターの出現、碇とネルフの行動、鈴の裏切り、チルドレン候補の全滅……すべて予定外の出来事だよ」
「これ以上だまってみている訳にはいかん。我々は人類補完計画を遂行せねばならぬ」

 と、口々にわめきたてはじめた。
 彼らの信奉する、この世の歴史の全てがつづられたという「裏死海文書」に書かれてい
ない内容の事件が次から次へと起こったのだ。
 ゼーレに大きな焦りが生じ始めていた。

 もっとも、たかが古びた本の一冊がこの世の在り方をすべて記述していて、それに従っ
て人間がうごくなどというのは滑稽な話で、そこに書かれていないことが現実に起きるこ
となど、当然のことと考えるのが普通だ。
 だが旧約聖書……すなわち、ユダヤ教の聖典を妄信しすぎて、ねじ曲げるほどの彼らは、
文書に書かれていることこそがこの世の全てであり、その内容を実行する自分たちこそは
人類の導き手と思っていた。

152 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/22(木) 22:56:04 ID:???
 ゼーレの老人たちは、その計画を無理にでも進めるためにみずからシナリオを変更して
人類補完計画を推し進めることを考えていた。
 もはやその時点で、彼らの信奉する文書に何の効力もないことが実証されているような
ものだが、それを決して認めようとはしない。

 ――ひたすらに人間は神に懺悔せねばならぬ。

 それだけが老人達の考えることだった。
 世を生きるにあたって、人が宗教の力を借りることは健全なことだ。
 不毛の大地に、裸一貫で投げ出された人間の心は、なんとも弱いものである。
 そこで己を大きく超える神という存在を創造してそれに付き従えば幸せが訪れると考え
ることで、あらゆる困難に打ち勝てるのなら、これ以上の健全はない。

 だが、やがて困難に打ち勝って豊かな生活を手に入れたあともなお、自分たちの考えた
ぐう話を妄信して思考停止するのは、愚かの極みといっていいだろう。
 人間は地球の生物において最も高い知能を得たが、それにおぼれた者の行動原理など、
昆虫以下と成り下がるのである。
 だが、それに彼らが気づくことは永遠にないだろう。

 例の機械のバイザーをつけた老人が、カプセルに手をやった。
 その中に浮かぶ、銀髪の少年の姿をみつめた。
 あごが鋭く目鼻立ちは整い、その肉体の彫刻のようなしなやかさは、まったくの美少年
といっていいほどだった。

「そろそろ……我々の切り札に目覚めてもらおう。タブリス、我々のシナリオの要よ」

 そういうと、反応したのかタブリスと呼ばれた少年が閉じたゆっくりと目を開く。
 さて、ここでこの物語において最後の人物紹介をしよう。
 彼らがタブリスと呼ぶこの少年……もう一つの名を、渚カヲルという。
 今後は、カヲルという名称をもって彼を呼称することにする。

153 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/22(木) 22:56:10 ID:???
>>149
ここにはいろんな作品のファンがいるからキチガイじみたアンチ発言も程々にな

154 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/22(木) 22:58:02 ID:???
 生年月日二〇〇〇年、九月一三日。セカンドインパクトと同日とされているが、これは
いつわりだ。それ以外の経歴は一切不明。
 おそらく、その本当の年齢は人間など、とうにおよばぬほど、悠久の時を生きながらえ
てきた存在であろう。
 彼はアダムより生まれし最後の子供、最終シトである。
 様々なシトに特殊能力があったが彼のもつ能力とは、ひとつ。
 アダムおよびリリスのコピー、つまり、エヴァを自在に操ることができる能力。

 ゼーレは彼を初号機に、そして残り一二体のエヴァにダミープラグを用いて、人類補完
計画の儀式を行う腹づもりであった。
 だが、それにはまだ、倒さねばならないシトが三体残っている。
 それも裏死海文書に書かれたことらしいが、ゼーレは思いのままならないネルフを切っ
て、カヲルによって残りのシトをせん滅、計画を実行する予定だった。
 本来、彼の出番はネルフによってすべてのシトが撃破された後の出来事だったはずなの
だが、ゲッター出現からはじまったシナリオの狂いがが、ゼーレの行動を早めた。

 また渚カヲルというのは、ネルフに潜入して最終的にはエヴァを奪取するまでに用いる
偽名であった。
 すでに彼の戸籍情報は上の生年月日をもって登録され、最後のチルドレンとしてネルフ
に配属される予定が決まっていた。

 カプセルの中に浮かぶ、裸体のカヲルを前に老人達がぶつぶつとつぶやいている。
 異常な光景であった。
 そして、まるでそれを戒めるかのごとく、音もなく彼らの背後に近寄った影から嘆息がもれた。

「はあ……これが最後のシト。結局、行き着く先は人間とは……所詮は太陽系の生物と、いうことか」
「何者ッ!?」

 侵入者に五人の老人達がいっせいに振り向いた。
 そこにいたのは、

「しょ、初号機パイロットが、なぜここにいる!?」

155 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/22(木) 23:00:53 ID:???
 シンジだった。
 片腕を失ったが、なおも残った腕で警備についていたのであろう人間の頭をわしづかみ
にして、たたずんでいる。
 そして彼は掌に力をこめると最初、肉に指が食い込み血が噴き出したかと思うと、次に
は頭がい骨ごとその頭をぐしゃりと砕いてしまった。
 頭部の中を構成する物質があたりに撒き散らされる。
 シンジは手についた血と肉と骨の残骸を、ぺろりと舐め取るとニタリと笑った。

「あなたたちの人類補完計画を、さらに補完してあげようと思った来たんです」
「……なんだと」
「人類は神に懺悔する必要はない……だが、生命のスープとなってひとつの生命体に変わ
るのはいいことです。なぜなら」

 というと、シンジの無くなった片腕から次々と将造に襲いかかったのと同じ甲殻類のよ
うなモノが連なって老人達に襲いかかっていく。
 それは老人達の体にまとわりついて、あっというまに全体を埋め尽くしていく。
 そのおぞましさに、彼らは声にもならない悲鳴をあげた。

「それが僕たちにとってもっとも、都合がいいから」

 シンジは五つの人間だったものを無視して、カヲルの入ったカプセルを見上げた。
 彼は、その眼をかっと見開いてシンジをみつめている。
 今、起こった出来事をすべて見ていたのだろう。その口を半開きにしていた。
 シンジが失った方の腕を掲げる。
 すると、一瞬で骨が再生してその周りに肉が巻き付くように生えていき、瞬く間に再生
させると突然カプセルに殴りかかった。

 ごんっと鈍い音が、暗闇にひびきわたる。
 破壊するつもりのようだった。
 一撃で割ってしまう事はできなかったが、もう一発、さらに一発と殴りつけるとカプセ
ルは全体にヒビを走らせて、橙色の液を漏らし、そのあと一気に砕け散った。
 あふれる液体と共にカヲルがカプセルから解放されていく。

156 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/22(木) 23:03:52 ID:???
支援

>>153
そんな風に見下すから評判悪くなるのに……

157 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/22(木) 23:04:13 ID:???
 彼は、空に浮くと飛んでシンジから間を取るように離れた。
 そして濡れた銀の髪をかきあげると、静かにいった。

「……やあ。予定していたよりも早い出会いだね、碇シンジ君。僕に用かな?」

 そういうと、シンジは目をつむった。
 そして「んんっ」と喉を鳴らし、

「ガンガンガンガン、若い命が真っ赤に燃えて〜♪」

 と、妙にハイテンションな唄を唱いはじめた。
 これに呆気にとられたカヲルが両手をだらり、とたらしてしまう。
 すると、シンジは唱うのをやめ、笑顔でいった。

「歌はいいねえ、リリンの生み出した文化の極みだよね……そう思うでしょカヲル君」
「……なぜ、その名を知っているんだ」

 渚カヲルの名を知る者が現時点でゼーレ以外にあるはずはなかった。
 彼をネルフに配属する計画は、完全な極秘裏に行われていたのだから。
 ゼーレのスパイを続けていた加持ですらも、まだその核心までには至っていない。
 だが、その答えはシンジにとって簡単なことだった。

「僕たちは個にして全。そこの年寄りから聞いたんだよ、今しがた」

 老人達の記憶とも同化したと、彼はいう。
 それにカヲルが眉をつりあげた。

「インベーダー……レリエルとバルディエルを喰い、なおも僕やリリンすらも食い尽くそ
うというのか。どん欲だね」
「喰う? それは違うよカヲル君、より優れた生命体が宇宙の覇者となる。それは他の生
命体と戦うことなく同化できる、我々インベーダーにこそ相応しい。喰うのではなく一つになるだけさ」

158 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/22(木) 23:05:49 ID:???
「同じことじゃないか。でも、これをみて確信したよ……そこの死体共がなにを思っても
リリンの力は宇宙に必要だってことを。
 自分で進化することも忘れた君たちのような寄生虫を消し去るためにね」
「寄生虫よばわりとは……ずいぶんだなぁ、カヲル君。でも、すぐにでも僕たちのすばら
しさは理解できるようになる」

 そういうと、シンジは含み笑いと共に空を飛んだ。
 彼は人類補完計画に必要なカヲルをも同化しインベーダーの仲間に引きずりこむつもり
だった。
 瞬時にカヲルへ寄って腕を伸ばすと、しかしカヲルもその腕を振り上げてA.Tフィール
ドを発生させるとシンジの接触に抵抗する。
 それにシンジがまた嘆息した。

「さすがシト。そのサイズでもこれだけ強力なA.Tフィールドを展開できるんだね」
「A.Tフィールドは心の壁……誰だって持っている。悪いけど君たちインベーダーは好意
に値しないんだよ」
「それはどういう意味?」
「嫌いってことさ」
「じゃあ無理にでも好きになってもらおうかな」

 というと、シンジはかつてゲッターロボがサキエルにやったように、カヲルの展開する
A.Tフィールドに腕を突っ込むと、力任せにそれを引きちぎりはじめる。

「くっ……」

 カヲルの表情が歪んだ。
 彼の想定以上に、インベーダーと化したシンジの力が強大だったのだ。
 必死にA.Tフィールドの強度を維持しようと力むが、じりじりとフィールドをこじ開けられていく。
 さながら、相撲でもとっているかのような勢いだった。
 やがて軍配はシンジにあがる。

159 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/22(木) 23:07:18 ID:???
 さきほどカプセルにやったように、ある程度までカヲルのA.Tフィールドをこじあける
と後は、せきを切ったかのような勢いで完全にフィールドが破られてしまう。
 カヲルにシンジの魔の手が迫った。
 とっさにカヲルはそ腕を掴み払おうとしたが、掌に激痛が走った。
 しまった、と思った時にはすでに遅い。
 掴んだ部分からざわざわとインベーダーがカヲルの掌を通じ、その体に浸食していく。
 シンジが高笑いをした。

「ハハハ、ハハハハッ。バカだな、僕に触れればどうなるか解ってるだろう」
「うぐ……ッ」
「シトもヒトも、インベーダーと一つになる。それが最良の選択だよ、カヲル君」

 そういってシンジがカヲルの腕を掴み返した。
 そこからも、さらにインベーダーが肉をやぶり、血管を通って浸食していく。
 血が滴りおちた。
 シンジが怪力でカヲルをぐいっと引き寄せていく。
 額と額が接触するほどになって、シンジの眼がカヲルの眼を覗き込んだ。
 その眼は濁って何の生気も感じさせなかった。
 見たくないとばかりにカヲルが目をつむる。

「残念、ここまでか……だけど、今の接触でわかったよ。君たちはゲッターエンペラーを、
そしてエヴァ終号機を異様に恐れているね。それが恐いから今、その主が庇護下を離れた
時を狙って同化しようとしてきたわけだ。無様だよ。
 リリンは無限に進化していく。寄生しなきゃなにもできないインベーダーごときが敵う
相手じゃないよ。僕を同化したところで、彼らは止められない」

 罵るようにいった。
 カヲルの言葉にシンジはしばし止まったが、やがて、

「……黙れ」

 と、竜馬やゲンドウあたりが喋ったのではないかと思うほど低いを声をだすと、口を大きく開ける。

160 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/22(木) 23:07:41 ID:???
しえーん

>>156
キチガイじみたは余計だった、ちょっと反省してる。
だが見下してる点では>>149も大概だと思うぞ。いちいち(笑)とか付けてるし。

161 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/22(木) 23:08:42 ID:???
 そして中からカサリと何かがうごめいたのが見えると同時に、カヲルの口を塞いだ。
 カヲルがうめいた。
 シンジの喉が、異様なまでに波を打っている。
 インベーダーが流れ込んでいるのだろう。しばらくそのままだったが、やがて喉の波打
ちが止まるころになると、カヲルの反応が鈍くなった。

 それを確認したシンジが、掴んだ腕を放して彼から離れる。
 すれば、支えを失ったカヲルがその場にどさりと倒れ伏した。
 シンジが無表情でそれを見つめている。
 やがて、倒れたカヲルがぴくりと反応し両腕で地面をつかむと、むくりと顔を上げる。
 その眼は、シンジと同じように濁っていた。

「起きたか。じゃあいこうか、カヲル君」
「うん、そうだね、シンジ君……」

 カヲルが、不気味に笑った。







「結局、シンちゃんは行方不明、か……リツコも戻ってこないし」

 と、自宅マンションで酒をあおりながらいうのはミサトだった。
 例の学校壊滅のあと、ネルフ本部にもどったアスカ達の口からゲンドウをふくめてネル
フの職員は事のてん末をすべて聞かされていた。
 その中でも、一番ショックを隠しきれないのはミサトだった。

162 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/22(木) 23:09:42 ID:???
支援
ちょwwwww二人組完成wwwww

163 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/22(木) 23:09:56 ID:???
急展開だな

164 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/22(木) 23:10:16 ID:???
 ミサトはシンジとの共同生活の中で、彼の保護者的なイメージを内にかかえつつあった
が、彼の危機に瀕して彼女はなにをすることもできなかった。

 テーブルの上に、いくらかのつまみを置き、それを時々口にしながらうわごとのように
同じことを何度もつぶやいている。
 その向かいに座っているのは竜馬とアスカだった。
 テーブルの下ではペンペンが、エサのイワシを丸呑みにしている。

「ミサト、飲み過ぎだ」

 無愛想に竜馬がいう。
 それが気に障ったのだろうか、ミサトは目をつりあげると竜馬にくってかかる。

「なによッ!! もとはといえば、リョウ君がしっかりシンちゃんを見てないからあんなこ
とになるんじゃないっ。彼を守りに来たって一番最初に言ったのはウソだったわけ!?」

 と、ミサトは酔いの勢いも手伝ったのかまるで竜馬に喧嘩をもとめるかのようだった。
 だが喧嘩っ早いはずの竜馬は乗らない。

「言い訳はしねえよ」

 と、一言いうとつまみを口に放ると腕を組んで黙ってしまった。
 気まずい沈黙が流れる中、アスカが無言で座った椅子に脚をぶらぶらさせていた。


 そして、ジオフロント、ネルフ本部のゲンドウ執務室。
 その異様に広く、ぽつんとその一部に机がおかれただけの部屋においても同様の
空気が流れていた。
 ゲンドウが冬月を相手に将棋を将棋を指しているが、なかなか次の一手が出てこない。
 冬月がつぶやくようにいった。

165 :ここまで 支援ありがとう:2007/11/22(木) 23:11:27 ID:???
「碇、お前の番だぞ」
「わかっている」
「息子のことが心配なのは解るが……」

 と、いいかけた時だった。
 その机のかたわらの電話機が激しく鳴り響く。
 すぐに冬月がとった。

「私だ」
「副司令ですか」

 という通話の相手は、加持であった。
 だが受話器越しに彼はいつもの飄々とした調子ではなく、焦りが感じられた。
 それを察知した冬月がいった。

「まて、わかった。要点だけいってくれ」
「助かります。ゼーレの幹部にシンジ君が接触した形跡があるんです。今後の彼らの動向
に注意してください、何が起こるか解りません」
「碇の息子が、だと……」

 その言葉に、ぽろりとゲンドウの手から飛車の駒がぽろりとこぼれるのだった。

166 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/22(木) 23:17:34 ID:???
誤字……だよね?>終号機
違うとしたら物凄いwktkしてしまう字面なのだが。

167 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/22(木) 23:19:39 ID:???
カヲルまでインベーダーの踏み台に…ククッ…
ゼルエルなら、ゼルエルならきっと…(つかサンダル、マトリ、イロは欠番すか?)
こうなったらゼルエル、アラエル、アルミサエルでゲッターエンジェルチームを…

168 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/22(木) 23:22:23 ID:???
それにしても職人さんマジで超人です。一ヶ月もしないでこのボリュームを書き上げるとは・・・
体を大事にして欲しい。無理をしないでくださいね。それにしてもGJ!!

169 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/22(木) 23:26:05 ID:???
恐るべしインベーダー……
残りの使徒が全て食われてる気がしてきた
GJ

170 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/22(木) 23:27:02 ID:???
>>166
前スレの904あたりでエンペラーと一緒に宇宙食いまくってたエヴァじゃね?
つかまとめサイトまだあ?
理想郷あたりで
「ゲッター(石川版)と他のロボットアニメとのクロスの名作を捜しています」
とか捜索願いが出たらすぐに紹介すます。



171 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/22(木) 23:30:42 ID:???
>>167
隼人あたりが残りの使徒と交渉してヒト&シトの共同戦線が…
で、擬人化したゼルエルあたりが率いるゲッターエンジェルチームとEVAチームが体育会系な喧嘩を…

172 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/22(木) 23:31:36 ID:???
>>170
理想郷の屑は帰れ
あそこのガキが流れこんで来たらスレが死ぬ

まさにインベーダー

173 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/22(木) 23:33:57 ID:???
>>170
言い出しっぺの法則



と、言いたいが理想郷の厨房かよ……

174 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/22(木) 23:34:09 ID:???
>>171
ありえなくも…ないか。
『アーク』の恐竜帝国との共闘とゲッターザウルス出撃という例もあるし。

175 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/23(金) 01:01:53 ID:???
そんなやばいの?理想郷の住人って。

176 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/23(金) 01:22:02 ID:???
>>175
やばいってレベルじゃねーぞ



管理人はいい人だが

177 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/23(金) 01:30:55 ID:???
一言で表すなら『ピラミッド』
良識ある人ほど少なく、モラルの欠如した人ほど多い
管理人の心痛は計り知れない

178 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/23(金) 05:20:31 ID:???
なんか凄い方向に進んでるなあ
ゲッター詳しくないから分からないけど、これはいいと思う
エヴァが踏み台じゃなくて土台になってる所とか
人の死に方とか救い無さそうな雰囲気はエヴァっぽい
アスカとレイだけが無事なのはどうなんだろう?
調べたらゲッターではミチルって女の人が死んでるみたいだし
とにかく作者さんGJ

179 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/23(金) 09:51:40 ID:???
>>171
擬人化使徒のデザインは吉崎観音かw

180 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/23(金) 09:59:21 ID:???
良い作品があり、良い管理者が居る。
だがそれゆえにそれに倍する電波作品と更にその数倍のDQNが住まう場所。

それが理想郷クォリティー

181 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/23(金) 11:20:48 ID:???
DQNの例は>>170

こんな風に紹介されたせいで流れこんできたDQNに神スレを潰されたことがある

182 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/23(金) 14:34:41 ID:???
今までにゲッペラーからスペアが配達された奴っている?

183 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/23(金) 14:36:35 ID:???
危険な流れだな…これじゃまとめどころじゃないな。
一応前スレ保存しといて良かった。

184 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/23(金) 14:40:19 ID:???
理想郷から厨が流入されちゃたまらんからな

185 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/23(金) 14:50:26 ID:???
>>172の言う通りまさにインベーダー

一度侵食されたらスレを完全に食い潰すまで離れないしな

186 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/23(金) 15:14:56 ID:???
理想郷とやらがどこの事かググッても一見わからなかったが知らない方がいいかな?

それはそうと>>182
『アーク』に出てきた分艦隊――あれでもたぶんごく小規模な――にも
ムサシ司令官のスペアが常備されていた事を考えると、こないだ本艦隊に
文字通り身を投じたリツコがいまごろネルフ主要メンバーを量産ベースに乗せて
いつでも派遣OKにしてるのでは。
もっともあれも思想面でかなりヤバい方に逝っちゃってるから手放しでは
安心できないけど。

187 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/23(金) 15:27:42 ID:???
>>186
知らない方が幸せかもしれない
が、どうしてもというならURL貼るがどうする?

188 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/23(金) 15:41:45 ID:???
ありがと、でもやっぱりいらない。
余計な火種に持ち込む事になったら申し訳が立たん。

189 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/23(金) 16:08:08 ID:???
「理想郷で紹介します」と書いて
「このスレを潰します」と読む

190 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/23(金) 16:08:25 ID:???
Arcadiaでググレ

191 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/23(金) 16:12:32 ID:???
いい加減理想郷の話題やめないか?

192 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/23(金) 16:19:34 ID:???
アルカディアと言い換えるとハーロックが出てくるぞ?
近年では芋づる式に999とかヤマトとかもついてきます

193 :つづき:2007/11/23(金) 17:49:03 ID:???
 冬月は加持へ身辺に注意するように、とだけいって通話を終えると、受話器をおいて
ゲンドウの方をみた。
 それに応じたゲンドウが、眼鏡のズレを直していう。

「ゼーレが強硬手段に出てくることは予想していたが……これは」
「なぜ、彼がゼーレに接触したか解らんな」
「可能性があるとすれば、インベーダーの手による人類補完計画の発動だ」
「む……碇、それは……そうかっ」

 と、いって冬月がゲンドウの飛車を封じるようにブロックを仕掛けながらいった。
 これに、はてといった表情になったゲンドウが次の手を考えて、駒を手中でもてあそび
ながら話をつづける。

「流によれば、インベーダーは相手に寄生することでその勢力を伸ばす存在だ。なら彼ら
にとって人類補完計画発動後の、生命のスープと化した人類はまさに蜜だろう」
「……そのために初号機パイロットに寄生したのか。たしかにリリスのコピーたる初号機
を制御下におけば、ガフの扉が開かれた後の世界を自由にできる」
「奴らは、我々の地球を他の宇宙への侵攻の拠点にするつもりなのかもしれん」
「ふざけた話だ」
「好きにはさせんさ。ここは我々の住みか……む、王手だ」

 と、ゲンドウが角を指す。
 それに冬月がうっ、となって止まった。

「……ううむ」

 気づけば、辺りは敵兵に囲まれている状態だった。
 しかし、

「参った」

 とはいわない。

194 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/23(金) 17:50:15 ID:???
 まだまだ、なにか手があるはずだと長考に入る。
 しばらく腕を組んだまま硬直していると、やがてゲンドウが盤から目をそらして執務室
の巨大なガラス張りに首を回した。
 それを見て、冬月が席をたつ。

「降参か?」
「いや、喉が渇いた。碇、上の自販機で茶でも飲まんかね」

 降参してたまるか、という表情をする冬月にゲンドウが珍しく吹きだすと、やがて自身
も席をたっていう。

「手の込んだ長考だな……まあいい。付き合おうか」

 この現在、時刻は午前の三時半。深夜であった。
 ミサトたちは明日の勤務を考えれば酒を飲んだくれている時間ではないし、ゲンドウた
ちが、執務室で将棋を指しているような時間でもない。
 シトに加えて現れた、インベーダーという敵の出現が、それが瞬時にしてシンジをはじ
めとする、チルドレンたちを飲み込んだ衝撃が、彼らに極度の緊張を与えていた。
 エレベーターに向かいながら、ゲンドウがいった。

「もう王手だ。再戦にすればいいだろう」

 それに冬月が、

「私は諦めるのが嫌いな性分でね。ついでに再戦も嫌いだ」

 と、いつになく雄弁にいう。
 ただその言葉が、単純に将棋の勝負を指していっているのではないことはゲンドウにも
理解できた。
 エレベーターの手前に立つと、その到着を待つ間、静かにいう。

195 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/23(金) 17:51:22 ID:???
「やはり、冬月先生はいうことが違う。なに……私も諦めやしませんよ」

 そういうと、丁度エレベーターがやってきた。
 二人は乗り込み上層を目指す。
 すでに食堂は閉まっているが、最近設置された冷凍食品の解凍自販機もあるので、茶と
共に軽食を取ることもできた。
 夜勤の供としては最良であろう。
 しかも、職員価格で購入できるのは助かった。
 もっとも、この二人は飲食に関する金銭を気にするような経済状態ではないのだが。
 そして上層にあがり、茶で喉を潤しながら冬月がつぶやいた。

「……加持君は、突っ込みすぎだ。命取りになるぞ」

 加持は、もともとゼーレ・政府・ネルフの三重スパイだった。
 このうちでもっとも世界への影響力が強く力をもつのがゼーレであり、この組織を裏切
るということは、それすなわち裏切り者の生命が絶たれることを意味する。
 ゲンドウが紙のカップをわずかに握りしめた。

「彼はセカンドインパクトを起こした、人間を恨み尽している。
 それでも……私に復讐するよりゼーレを叩きつぶすことを選んだ。私にできる償いがあ
るとすれば、その方向に全力を注ぐしかない」

 ゆっくりいうと、手に持ったカップを口に付けて中の茶を一気に胃へ流し込んだ。
 そして冬月がだまってそれを見つめているのだった。

 間。

 やがて場面は移り、いずこかの日も当たらぬ地下通路へ。
 そこの臭く、狭い通路の壁に、寄りかかるようにして加持がいた。
 みれば、体のあちこちから出血している。
 もっとも酷いのは右肩で、その付け根の部分が散弾に撃ち抜かれたのか、ざくろの様に
なってはじけていた。

196 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/23(金) 17:52:24 ID:???
 すでに体をめぐるべき血液が足りなくなってきているのであろう。
 加持は、そのままずり落ちるように床に転がった。

「ぐ……」

 と、うめく。
 生き残った方の腕で血だらけのワイシャツの胸ポケットに手を伸ばすと、たばこの箱と
ライターを取り出し、口にくわえると火を付けた。
 そして苦しそうに煙りを吸ってはいたあとに、たばこを放り捨ててつぶやいた。

「へっ。ここまでか……もう少し生きたかったがな……」

 しばらく虚空を見つめていたが、やがて携帯端末を取り出すと、血に塗れた指で滑りな
がらもなんとか操作をしてコールをかけた。
 通信先は、ミサトの住むマンションだった。
 数コールの後に浮かない声のミサトが相手にでる。
 それを確認した加持は、なるべく息を吸うようにしてから喋りはじめた。

「よお。葛城……元気か」
「あんまり元気じゃないわ」
「そりゃ、そうか。だが俺もちょいと元気じゃないんだ」
「か、加持君……?」
「悪ぃ……ドジっちまった。血が出すぎて、もう、動けそうもねえや。最期に女の声聞き
たいなんて我ながら情けないと思うが、どうしても話しておきたくてな。許せ」

 その言葉に、通話先のミサトがふっ、と息を吸ったようだった。
 愁嘆場になりそうだな、と思った加持はそこで彼女がなにか言う前に我が身が砕けんば
かりに苦しいのを抑えて先手をきる。

「葛城。シンジ君のことを頼むって流君にいっておいてくれ」
「でも!」
「あばよ。生きてられたらまた会おうぜ」

197 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/23(金) 17:53:28 ID:???
 それだけいって通話を切った。
 喋り終えると、残っていた体力を使い切ってしまったのだろう、その視界がだんだんと
にじみ、ぼやけていくのが知覚できた。
 そして奇妙な眠気が加持を包んでいく。
 そのとき、彼を見下ろす形で子供ほどの小さな影がぼんやりと映るのが見えた。
 かすれゆく意識の中で、加持はそれをかつて見捨てた兄弟たちの魂だと思い、いった。

「やあ……迎えにきてくれたのか?」

 それに、ずい、と影が近づいた。


 一方、ミサト。
 通話が切れるや、持っていた受話器を粗々しく叩きつけるように置くと、あとは机に突っ伏した。
 残る竜馬とアスカも、受話器から漏れる会話は聞こえていた。
 竜馬は腕を組んだままじっと瞳を閉じて瞑想のようになり、アスカは両の拳をにぎりし
めて膝の上におき、うつむいている。
 しかし、すぐに立ち上がった。すたすたと自分の部屋に歩いていき、トートバッグと軍
刀を持ち出すといった。

「ちょっと散歩にいってくる」

 それにミサトは答えず竜馬が、

「……気をつけろよ」

 と短く答えた。
 アスカはうんというと、玄関で靴に履き替えると外出していく。
 そして竜馬も椅子を立ち上がると、

「俺は寝る」

198 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/23(金) 17:54:32 ID:???
 といって納屋の自室へと消えていった。
 そこは、極度に狭いながらも、うまいこと仕切りで分けて竜馬とシンジの両人が使用し
ていた部屋だ。
 竜馬がふとシンジが寝ていた布団を見ると、すでに戻ることのない主を待つ、DATの再
生機やレコード盤や、チェロが寂しげに置かれていた。
 なお、DATというのはデジタル・オーディオ・テープの略称であり、むずかしいことを省
いて説明すれば要するに従来のカセットテープよりも高音質を求めることのできる音声メ
ディアである。

 さらに、レコード盤は管理や使用に際して神経を使わないとすぐに痛めてしまう不便な
ものだが、じつはCDのようなデジタルメディアではカットしてしまう、人間の可聴域を超
えて聞こえない領域の周波数までも収録しているゆえ、視聴者にとっては、より生の演奏
に近い感覚が得られるという。
 人間は、聞こえる音のみで空間を把握しているわけではないからだ。
 こういう少し踏み入った音の世界が、シンジの趣味のひとつだったのであろう。

 人付き合いが苦手ゆえに、逆に音楽という人間の感情がこめられて奏でられる時間に、
何か深く感じ入るものがあったのかもしれない。
 シンジ自身は、チェロを弾いたりマニアックな再生機で音楽をたしなむことを「なんと
なく続けたから」の一言で済まして、本人も納得してしまっているフシがあるが、人間の
心は何となくで済むほどに単純ではないだろう。
 普通の少年として生まれて歳を経れば、あるいはこういう趣味人として生きる道もあっ
たかもしれない。
 むろん、竜馬がそんなわずらわしい感情など考えることはなかったが。
 
 竜馬はどすんと、汚れに汚れた我が布団に寝っ転がると、腕枕をして天井を見るとやが
て目を閉じた。
 しばらくそのままにしていると、閉じたはずの納屋の戸がすっと開く。すでに居間の電
気は落とされて光が差し込んでくることはなかったが、風が動くのを感じた。
 ミサトであろう。
 竜馬は、だが、目を開けずにそのまま動かなかった。
 そうしているとミサトがいよいよ竜馬に近づいてきた。

199 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/23(金) 17:55:47 ID:???
 さらに黙っていると、彼女はその手を竜馬のごつい腕の上にのせてくる。
 この時点で、竜馬が目を開いた。
 そして、

「なに考えてやがる」

 と、低くいった。
 ミサトがビクリと反応するが、かまわず続ける。

「おめえ、ふざけんじゃねえぞ」
「ご、ごめんなさい……そんなつもりじゃ……」

 ミサトが身を引くと、すぐに竜馬が身を起こす。
 太い首をゴクリと鳴らし、横目でミサトを見ながら立ち上がっていう。

「おい、てめえのフェラーリの鍵をとってこい」
「えっ」
「いいから早くしろ」

 竜馬はそういうと、黙って玄関へ歩いていってしまう。
 仕方なくミサトは言われたとおりに愛車の鍵を探して手にとると、すでに消えた竜馬を
追って階下へ降りていった。
 そしてマンションの駐車場にたどり着くと、そこには竜馬のバイク、隼がエンジンの唸
りをあげて、フェラーリ328GTSの前で待っていた。
 ミサトがおかしな顔になる。

「なんなのよ」
「いいからさっさとエンジンかけてついてきな」
「ま、待ってよ。暖気しないと……」
「そんなもん走りながらやれ」

200 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/23(金) 17:55:56 ID:???
支援
加治さあああああああん!!

201 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/23(金) 17:57:17 ID:???
 竜馬にいわれて、ミサトは渋々車のドアを開くと中に滑り込むように乗り込んだ。
 そして鍵を差し込みエンジンに火を灯す。
 旧い車ゆえに始動に手間取っていたが、やがてグオン、と独特の重低音が響き渡る。
 それをみて竜馬はバイクを外に向けて発進させていく。
 あわててミサトもギアを入れ、その背を追いかける。

 竜馬は誰も走ることのない国道に出ていくと、最初はゆっくりと四〇キロほど速度で流
すように走っていき、やがていくつかの交差点を経たあとに、どこまで続く長い直線の道
へと躍り出て、そこで停車した。
 バイクから降りてミサトに近づいていくと「俺の横に並べ」と手で指図した後に、ニヤ
リと笑っていった。

「チキンレースしようぜ。曲がりに差し掛かる前、早くブレーキかけた方が負けだ」
「なっ……嫌よ、そんなこと!」
「やれ」

 竜馬はいやがるミサトにどすん、とシートの横に拳を突いて脅す。
 いつになく凶悪な表情になっている竜馬に恐怖を覚えたミサトはうめきながらも、了承
してハンドルを握った。

「よし」

 というと竜馬がバイクに戻る。
 そしてお互いに並ぶと、竜馬が三本指を掲げて、アクセルを、一吹かしする。
 三回吹かしたらスタートしろという意味であろう。
 さらに二回目が吹かされ、三回目が吹かされた直後ミサトの車が急発進した。
 わずかに遅れて竜馬がつづく。

 始まってしまえばもはや後には戻れない。
 気を抜けば大クラッシュを起こして次には命がないだろう。
 ミサトがハンドルを持つ手に集中した。
 互いに超高性能車である。

202 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/23(金) 17:58:29 ID:???
 みるみる内に速度が上がって延々と続いているはずの直線の終わりが、あっという間に
見えてきた。
 竜馬がミサトを追い越していく。

「……さすがハヤブサ。ゼロ加速がハンパじゃないわね」

 と、舌打ちしながらミサトもアクセルを目一杯に踏んでいくと、次第に迫るビルの壁が
巨大になっていく。
 ちらりと前を行く竜馬をみるが、まだ止まる気配がない。
 すぐにミサトの感じる限界地点が迫ってきた。
 死の恐怖が彼女を支配する。

(……もう、ダメッ)

 瞬時に脚を踏み換え、ブレーキペダルを車がスピンしないように踏み込んだ。
 ぐっ、とシートベルトに体を押さえつけられ、辺りに派手なスキール音を撒き散らしな
がら車が速度を減少させていく。
 やがて停止して、

(リョウ君はッ!?)

 と、顔をあげた。
 しかし竜馬のバイクは止まらずにビルの中心へと突っ込んでいく姿を最期に衝突し、空
に舞い上がってその身を包むカウルとフレームを砕きながら散った。
 ドンッ、と爆音が響く。ガソリンに引火したのだろう、深夜の街に紅蓮の炎があがる。
 それを見るミサトの眼が大きく開かれて、悲鳴があがった。

「嫌ァァァッ!!」

 頭を抱えて絶叫する。
 だが、ぬっとドアの横に人の気配を感じて、頭を向けてみると、

203 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/23(金) 17:59:33 ID:???
「隼人のようにはいかねえか……許せ、ハヤブサ」
「はぇ!?」

 いつの間に脱出したのだろうか、竜馬が破片で切れた頬からつたう血をぬぐっていた。
 すかさずミサトがシートベルト解除して外に飛び出すと、ふわりと舞って平手が竜馬の
頬に飛んだ。

「なにしやがる」
「馬鹿!! なんでこんな無意味なことすんのよ、死んだらどうするつもりだったわけ!?」

 かなきり声でいうミサト。
 だがその問いに竜馬は答えずに、逆に彼女に聞いた。

「恐かったか」

 そういうと、ミサトはいよいよ激情し、竜馬の胸ぐらへ掴みかかった。
 目を、竜馬のようにつり上げ、腹の底から怒りを吐き出すように、

「当たり前じゃないッ!!」

 と叫ぶと、竜馬はふっと息をはいて、

「なら、まだ大丈夫だな」

 と応じた。ミサトが「えっ」となるが、そのまま竜馬がつづける。

「人間が本当にやべえのは、死ぬのが恐くなくなった時だ。なにしでかすか解ったもんじ
ゃねえからな」
「あんたはどうなのよ!」
「俺は常になにしでかすか解んねえから、いいんだよ」
「くっ……」
「後追いでもしそうな感じだったんでな、試してみた。が、俺の考えすぎだったようだ。悪ぃな」

204 :ここまで:2007/11/23(金) 18:01:19 ID:???
 会話になっているようで成立しない会話に、ミサトは疲れを感じて黙って車に乗り込ん
でしまった。
 どうせ脚を失ったから竜馬も乗ってくるだろう、とそのまま待っているが、いつまでた
っても助手席のドアは開かれない。
 それどころか竜馬は、

「どうした、帰らねえのか」

 と、きょとんとした顔でいってくる始末だった。
 あきれてミサトがいう。

「どうしたって、リョウ君バイク壊しちゃったでしょ。乗らないの」

 というと、

「おお、なかなか度量あるじゃねえか。怒って帰るかと思ってたぜ」
「早く乗れッ」

 ミサトが一喝すると、竜馬が乗りづらそうにして助手席に滑り込んできた。
 当たり前だがフェラーリの車にサルーンの様な乗り心地はない。
 やがて転回すると、再びマンションに向けてもどっていく。見れば既に日が昇りかけて
いる時間であった。

「……帰ったら出勤の準備ね」

 ミサトが漏らすのだった。

205 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/23(金) 21:29:00 ID:???
GJ。・・・加持も寄生されちゃったかしらん?

206 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/23(金) 22:31:27 ID:???
加持さんちょっと口調が編だたなあ

207 :つづき:2007/11/23(金) 23:03:28 ID:???
 一方、彼らが深夜の街を暴走している最中、アスカは軍刀を片手に、機能の生き残って
いる繁華街を散歩していた。
 あからさまな凶器を手にうろつく少女に、だれかが通報しているようだったが、それは
意味を成さない。
 彼女が刀を持ち歩くことは、すでに黙認するように各機関へ指令が飛んでいるのだ。

 アスカがいく。
 既に将造によって心身ともに鍛えられたその精神は、若干一四にしてすでに鋼のように
強固となっていたが、それでも自身が想った人間が死ぬのは耐えきれなかった。
 自暴自棄になるほど追い込まれはしないが、自宅で寝るような気分にもなれない。
 つまらなさそうに歩いていく。
 そしてしばらく街を往くと、その視界に見覚えのある顔が飛びでくる。

「あ……菅原さんに、高倉さん」

 と、彼女が呼ぶのは岩鬼組の重臣ともいえる二人だった。
 なにやら困った顔になっていて、彼らはアスカを見つけるとぱっと駆け寄ってきた。

「おお、姐さん! ちょうどええところに」
「どうしたの」
「若と、ついでに敷島のじじいがどっかに消えよったんじゃ。姐さんと一緒かと思ったん
じゃが知りませんかのう」
「知らないわ。ねえ、パパまで消えちゃったの……?」

 アスカが度を失う。
 まさか将造に限って、と思うが加持の死を伝えられた直後である。
 それも、加持と将造は互いに連絡を密に取り合っていたという事実もある。
 あるいはその余波で、将造も命を狙われたのでは……と弱気になるのも仕方なかった。
 菅原と高倉は、アスカも将造の行方を知らないとみると、二人で「一旦、事務所へもど
るか」と合点して、アスカに向いて頭を下げる。

208 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/23(金) 23:05:16 ID:???
「とにかく、わしらは若い衆を総動員してさがしますけえ」
「姐さんも心配でしょうが、いまはお勤め、頑張ってください」
「う、うん……」

 アスカが答えると、二人は風のように走っていってしまった。
 街往く人々は、強面の男ふたりに頭を下げさせる少女は何者だ、という目で彼女をみつ
めていたが、しかしその本人は雑踏の中で独りたたずむのみであった。

(嫌……あたしを独りにしないで。どうしてママもパパもあたしを捨てちゃうの……)

 そう思っても、答える者はだれもいない。
 悔しそうに握りしめた軍刀を見ると、夜の闇に紛れるように走り出すのだった。

・・・

 やがて、夜が明けた。
 結局アスカも出勤前にはマンションに戻ってきて、ネルフへ出向く準備を整える。
 登校は、もちろんない。
 すでに校舎が消滅してしまい、他はこの地に通うべき場所がないのだ。
 まさか、エヴァのパイロットが他県に転校するわけにもいかないだろう。
 そうだとすれば、彼女にのこされた仕事はネルフにおいて、万が一のシト襲来にそなえ
て待機することのみであった。

 ミサトは竜馬のおかげで多少は覇気を取り戻しているが、やはり生気がない。
 作戦司令室には全体的に暗く落ち込んだムードが漂っている。
 そんな中のことだった。

「……フィフスチルドレン?」
「うむ」

 と、ミサトの疑問に答えるのは冬月だった。

209 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/23(金) 23:07:02 ID:???
 冬月がいうに本日付で、損失したシンジの代わりにエヴァ初号機のパイロットとして新
たな人材が送られてくるのだという。
 それにミサトが首をかしげた。

「言いたくないのですが、第壱中学校の子たちがチルドレン候補だったんでしょう。それ
が全滅したのにどうして……登校拒否児なんて居なかったはず」
「それが、どうやらゼーレから直接、送り込まれることになった。名を渚カヲルという。
 レイと同じく過去の経歴が一切不明のチルドレンだ」
「……どうも、臭いますね」

「やはりそう思うかね。昨日、加持君から連絡があってな……ゼーレに初号機パイロット
が接触した可能性があるといっていた」
「加持君が……」
「……ああ。下手をすれば、ゼーレはインベーダーに乗っ取られている可能性がある。と
すればそれが送ってくるチルドレンは」
「刺客そのものの可能性が高い、と」
「まだ確定ではないがな。監視は怠れん」

 そんなことを話していると、だんだんと時間が過ぎてフィフスチルドレンがやってくる時間になった。
 これを迎えるためにミサト、竜馬とアスカが動員される。
 ゲンドウ、冬月、レイ、マヤ、マコト、シゲル、他オペレータ各員が固唾を呑んでフィ
フスチルドレンを連れてくるのを待った。
 竜馬とアスカがミサトに随行したのは、万が一、カヲルがゼーレの、いやインベーダー
の刺客だった場合を考えて、それが牙を剥かないように、あるいは剥けば即座にせん滅で
きるようにしていためだ。

 それゆえ竜馬にはサブマシンガンが持たされている。
 アスカはいつもの軍刀だ。
 さらに、ゲンドウと冬月を含めた各員も武装して、なんとも物々しい待遇であった。
 それを受ける側のカヲルも雰囲気はしっかりと感じ取っていたようで、竜馬に出会うな
り苦笑いしていった。

210 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/23(金) 23:08:55 ID:???
「やあ、あなたが流竜馬さんだね。ウワサ通り、凄そうな人だ」
「なぜ俺を知っている」
「流竜馬、ゲッターロボのパイロット。この業界じゃ知らない人はいないよ……失礼だけ
どあなたはもう少し、自分の立場を自覚したほうがいい」
「けっ、口のへらねえ小僧だ」
「それが僕の取り柄みたいなものだから」

 というと、カヲルはまた笑顔を作ろうとするが、竜馬の顔を見続けるとすこし苦しそう
な表情になって額をおさえた。
 どうしたの、とミサトが覗きこむ。
 それにカヲルは、

「くっ……い……いや、なんでもないんだ」

 といって平静を装うが、それは誰の目に見ても異常があるように見える光景だった。
 アスカがそれをみていった。

「こんなのでシンジの代わりになるの?」

 そのものずばりである。
 だがそこで落ち着きを取り戻したカヲルがアスカを流し目でみる。
 そして、

「シンクロテスト。してみれば解るさ」

 といって後は黙った。
 アスカはいけすかない野郎だ、と思ったがこれ以上口に出せば自身のストレスも相まっ
て大騒動を起こしかねないと思ってこらえた。
 やがてカヲルは作戦司令室に通されてゲンドウをはじめ、各員に挨拶を交わした後に
早速、初号機でのシンクロテストを行うこととなった。

211 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/23(金) 23:11:14 ID:???
 カヲルのプラグスーツは黒一色。細身のその体に張り付く黒色は、よりその姿を細くみ
せて彼の端正な顔立ち共にミステリアスな印象をもたせた。
 同時にアスカとレイもプラグスーツに着替えて、各々のエヴァに乗り込んでいく。
 やがて、シンクロテストが始まった。
 リツコがいないので、技術部のサポートとリツコに師事しているマヤを中心にその行方を見守る。

 しばらく、マヤは各機のシンクロ率の度合いを示すグラフに見入っていたが、その目が
みるみる内に驚愕の色に染まっていく。
 初号機のシンクロ率がバネのように跳ね上がっていくのだ。
 既にその率は八〇パーセントを超えていた。

「信じられない」

 と、マヤが思わず漏らす。
 レイは初号機を起動させるに足るシンクロ率を得るまでに七ヶ月の時間を要し、アスカ
も記録はないが、弐号機を自在に動かせるようになるまで、それなりの時間が要ったのは想像に難くない。
 即日に動かせたシンジでも、シンクロ率は四〇パーセント止まりだったのである。
 それが、この得たいの知れないチルドレンはいきなり八〇パーセントの数値をたたき出
してみせ、なおも、その率は上昇していくようだった。
 作戦司令室の人間たちが固まる。
 ミサトが爪を噛みながら思案にふけっていた。

(これほどとは……ゼーレお墨付きだけあって、天才児なのか、それともやはり)

 渚カヲルは、インベーダーと化したシンジによって取り込まれたゼーレからの刺客か。

 というのがミサトも含めた全員の思惑であった。
 プラグ内にモニターされる映像の中のカヲルはそれを知ってか知らずか、目を閉じなが
ら不敵な笑みを浮かべているのだった。
 不気味な沈黙が流れる……。
 誰かがそれに耐えかね、口を割ろうとした、その時だった。

212 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/23(金) 23:13:01 ID:???
「……あっ。こ、駒ヶ岳付近にパターン青の反応!!」

 と、レーダーに異変を察知したシゲルが振り向いて叫ぶ。
 それと同時にコンソールを操作するマコトが、その周辺の映像を作戦司令室のメインス
クリーンに映し出した。
 ネルフの全体に、総員第一種戦闘配置の指令が飛び回って警報が鳴り響き、新たなシト
の姿が明らかになる。
 どうやら、山岳の上に浮いていることから飛行能力があるようだった。
 ただ、

「なんだ、あのビラ付きのまんじゅうみてえな野郎は……」

 それを見て竜馬が変な声をだす。
 そういうのも無理はない。今までもシトは生物とも機械ともつかない、妙な姿をしたも
のばかりだったが、今回のシトもご多分に漏れず、奇っ怪な姿をしていた。
 全体像は首のない人間、といった感じで最初のサキエルや、イスラフェルと同型ともと
れるスタイルをしていたがそれらと違うのは、凄まじいまでの寸胴だということである。

 竜馬がまんじゅうと称したのんは、この辺りからであろう。
 胴長で、あるのだかないのだか解らない魚のヒレのような脚がちょろりと生え、さらに
腕に当たる肩から下も、蛇腹に折りたたまれた、紙のようなものがひらひらしているのみだった。
 お世辞にも強そうといは言えない相手である。
 だが、竜馬は言う。

「ああいう、ふざけた格好のやつに限ってとんでもねえ野郎だったりするもんだ」

 このシトを、ネルフは第十一シト・ゼルエルと名付けた。
 倒すべき敵を確認した作戦司令室はにわかに喧騒につつまれ、パイロット達も出撃準備
に入っていく。
 隊の構成は飛行可能なゲッターと弐號機による同時攻勢。
 バックアップはネルフの戦闘部隊によって行われる。

213 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/23(金) 23:14:56 ID:???
 初号機は、カヲルの信頼性から待機。零号機はその見張りとして同じく待機だった。
 万が一ゲッターと弐號機が敗北するならば、飛び出していく算段だ。

(うちの最強の二体。まず、そんなことは無いと思うけど……)

 とミサトは思うものの、迫るシトから感じる威圧感に、ただごとならぬ不安感を隠しきれなかった。
 各ケイジからゲッターと弐號機が出撃していく。
 空に飛び上がって一気にシトのいる方向へと向かって直進していく。
 先手必勝である。竜馬が叫んだ。

「アスカ! まず俺が弾幕を作る。そいつを壁に近づいてA.Tフィールドを中和しろ」
「わかったッ」

 そういうと、空に浮かぶゼルエルの姿がみえてきた。
 竜馬が照準をそれにあわせて、叫んだ。

「トマホゥゥゥク、ブーーメランッ!!」

 ドシュン、とゲッターの肩から巨大な戦斧がいくつも飛び出し、ゲッターはそれを器用
に指に挟んでつかむと一気に敵に向かって放り投げた。
 回転するゲッタートマホークの大群が襲いかかり、ゼルエルはA.Tフィールドを展開。
 それがバルディエルと同程度のものならば、弐號機の力を借りずともフィールドを突破
できる算段だったが、竜馬も新しい敵相手にそこまで油断はしない。
 予想通り、襲いかかったトマホークは玩具のようにはじき返されてしまった。

「やはりダメか」
「あんたにばっかり手柄取られてたまるもんですか!」

 と、トマホークを壁にゼルエルに取りついた弐號機が自身のA.Tフィールドを展開して
ゼルエルのフィールドを中和していく。

「よーしっ。見てなさい、こてんぱんに……」

214 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/23(金) 23:16:55 ID:???
 といったときだった。
 ゼルエルの頭(人間でいうところの首もと辺り)らしき、頭骨もどきの目の穴がぎらりと光った。
 それを見た竜馬がとっさに、まずい、と感じ弐號機に向かって跳ね飛んでいく。

「アスカ、離れろッ」

 そういうが、途端に腕の蛇腹な紙のようなものがしゅるりと動き、弐號機に巻き付く。
 アスカが気味の悪さに悲鳴をあげた。

「なにこれぇッ!! やだ、離れられないっ……」

 そういう間にもゼルエルの目穴の光りはいよいよ、大きくなっていく。エネルギーチャ
ージ完了といった風体だった。
 その光景に、かつてのラミエルを思い出した竜馬が叫ぶ。
 ゲッターが弐號機に迫った。

「アスカッ!」

 そしてゲッターが弐號機を跳ねとばすのと、ゼルエルの目穴から怪光線が発射されるの
は、ほぼ同時だった。
 間一髪。
 なんとか光線の軸から外れて二体は山辺に激震と共に転がるが、外れた怪光線が一瞬で
光軸にあった山間部を蒸発させながら空間へ消え去っていくのが見えた。
 強い。
 かつて竜馬が戦ったラミエルの加粒子砲をかるく上回る威力だった。
 それを目の当たりにした弐號機がゲッターを引っ張り起こしながら、ゼルエルから
距離を取るように後退していく。

「なんて威力なの……竜馬。うかつに接近するのは危険だわ、離れてっ」
「うるせえ、俺は敵に背中見せるのは好きじゃねえんだよッ!!」
「ちょっと竜馬!?」

215 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/23(金) 23:20:30 ID:???
 アスカの判断はこの場では賢明といえたが、今の攻撃で竜馬の闘争心にめらめらと火が
ついてしまったらしい。
 ゲッターが弐號機の制止を振りほどいて、再びゼルエルに激突していった。
 その頭部に蹴りをみまうと、一瞬、よろけたゼルエルにがっぷりと組み合う。

「この野郎、ぶっ殺す!!」

 と、語気もあらくコクピットでレバーを荒々しく倒す竜馬。
 ゲッターの全身が唸りをあげて、ゼルエルを潰そうと覆い被さっていく。
 だが。
 ゼルエルは蛇腹の紙のような腕を横に伸ばすと、それを一度細切れにしてから再度あつ
めて人の腕を形作ると、ゲッターの両腕を引き離すように掴んだ。
 力比べの様相になる。
 だが、ゲッターのパワーに自信のあるはずの竜馬の顔がうかない。

「ぐ、ぐぐ、ぐおおおお……ッ!!」

 額に血管をうかべて力むが、ゲッターの腕はぎりぎりとゼルエルに引きはがされていく
とやがて、バキン、とその関節に異常な音が発生して、血液のようなオイルがゲッターの
腕の節から噴き出していった。
 ゼルエルの力は彼の想像を超えて恐ろしいまでの領域にあったのだ。
 だが、それに竜馬はコクピットで口の両端をつり上げて不気味に微笑む。

「け、やるじゃねえか……久しぶりだぜてめえみたいなのはッ!」

 と威勢はいい。
 しかし次の瞬間、ゲッターはその両腕をゼルエルにもがれて衝撃で後ろに吹き飛ばされていく。
 それでも竜馬はゲッター最大の武器を叩き込むべくレバーを全力で倒して叫んだ。

「ゲッタアアアッ! ビィィィイィイムッ!!」

 のけぞって吹き飛ばされるゲッターの腹から、球体がのぞいて極太の光が溢れるようにゼルエルに直進していく。

216 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/23(金) 23:22:40 ID:???
 一矢でも報いてやるという竜馬の闘志がそのままぶつけられたものだった。
 ゲッタービームは先ほどの怪光線のお返しとばかりに、ゼルエルを包み山を砕いて貫いていく。
 が。

「ゲッタービームが……ッ」

 吹き飛ばされるゲッターを救おうと寄るアスカが、ゲッタービームの洗礼をあびてもビ
クともしない敵の姿を見て、言葉につまった。
 さらに次の瞬間、ゼルエルの目穴が光った。
 怪光線である。
 だが、

(早い!?)

 さきほどよりも発射までの動作が短いのだ。
 焦るアスカが倒れるゲッターを引きおこそうとするが、間に合わずゼルエルの怪光線が
二体をつつんでいく。
 アスカはとっさにA.Tフィールドを展開してゲッターを守ろうとするが、ラミエルの加粒子砲
よりも威力の高い怪光線である。
 防ぎきれるはずもなく、まともに直射をあびてしまう。

「キャアアァアアァッ」

 アスカの悲鳴がひびいた。
 やがて、照射が終わるころには弐號機は全身をズタボロに溶かされていた。
 弐號機がぐわらりと崩れ落ちていく。

217 :ここまで:2007/11/23(金) 23:25:10 ID:???
 ゲッターの方は弐號機が影になったおかげで、致命傷を免れていた。しかし、やはり満
身創痍となっている。
 それでもなお立ち上がった。
 竜馬がアスカに通信を入れる。

「生きてやがるか」
「……くぅぅ……へ、平気、こ、これぐらい……っ」
「まだ飛べるか?」
「プラズマ、ボムス……まだ動くわ。でも、戦闘はもう……」
「動けりゃいいぜ。俺が囮になる間に退けッ!!」

 というと、竜馬は返答を待たず弐號機をゼルエルの正面から外れるように蹴り飛ばすと
同時にゼルエルに突撃した。
 突撃ばかりで果たして利口な戦法とはいえなかったが、こうなってしまった以上は離脱
する間にも怪光線に撃ち抜かれてしまうだろう。

 助かるためには、スキを作らねばならなかった。
 それにはどちらかの犠牲が必要だ。
 両腕を失い、そこからオイルを吹き出す痛ましい姿のゲッターが、ゼルエルに再び肉迫していった。

218 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/23(金) 23:31:21 ID:???
乙です!
久し振りにリアルタイム遭遇!

あああゲッターが、ゲッターがあああああ…
犠牲が必要って、どうなっちゃうのー
シンジやカヲルのことも気になるし
加持さんも…

しかしこの物語、誰にも荒らされたくないけど
ここだけに置いておくのはあまりに惜しい…
ううむ…


219 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/23(金) 23:33:26 ID:???
ううう…ゼリエルならゼリエルならやってくれると信じていたっす…

220 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/23(金) 23:34:10 ID:???
>「俺は常になにしでかすか解んねえから、いいんだよ」 
ひでえwwwwww自覚してんのかよwwww


って投下早ェ!?規制対策ですかい?

221 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/24(土) 03:48:46 ID:???
なんか板変わった?前の方が使いやすかったんだけど

222 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/24(土) 08:58:54 ID:???
逆境ですね

さて、カヲルはどう動く?
将造×敷島コンビの行方は?
リツコさんは戻ってくるのか?(個人的にココが一番心配)


それにしても、このハイペース…
職人さんの執筆部屋は通常の十倍のゲッター線濃度なのかしら

223 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/24(土) 10:29:52 ID:???
それでも真ゲッターなら…!

224 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/24(土) 13:35:09 ID:???
>>218
惜しくない惜しくない。ここだけに置いとけ
万が一やるんなら全部終わってからだ!

225 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/24(土) 13:36:46 ID:???
>>218
理想郷に帰れ

226 :218:2007/11/24(土) 14:01:37 ID:???
別に理想郷とやらの住人じゃないよ
つかそういうところがあるってここのスレで聞くまで知らなかったし
行ったこともない場所の住人に認定されても困る

ただ、これだけの素晴らしい物語なのにここにだけ置いてあるのは
もったいないなあと思っただけ
人に気軽に紹介できる場所じゃないしね


227 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/24(土) 14:15:40 ID:???
スレ違いだ余所でやれ、それとあまり連呼すると検索に引っ掛かる可能性があるから止めろ

228 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/24(土) 14:34:26 ID:???
その出自に関わらず、出張ると邪魔だ。黙ってろ

229 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/24(土) 17:09:57 ID:???
その理想郷の住人が来たらどう荒れるの?
作者をけなしまくるとか?

230 :名無しさん氏んでも代わりはいるもの:2007/11/24(土) 17:41:34 ID:???
だから、もうその話はやめましょう。紹介をする必要はスレの平安のためにも必要ないです。

231 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/24(土) 17:49:51 ID:???
ゲッター線に導かれた者は自然とこのスレにたどり着く筈だ
宣伝など無くてもな、俺やあんたらがその証拠だ

232 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/24(土) 18:23:36 ID:???
とりあえず、理想郷で紹介された場合だとまともな人だけじゃなくおかしなのも見る可能性があるからじゃないか?
具体的にはAAや埋めで荒らしまくっている基地外とか?
あとゲッタークロスオーバーWikiでもつくろうか?


233 :名無しさん氏んでも代わりはいるもの:2007/11/24(土) 19:15:43 ID:???
それが最善だとおもいます。常に最悪の事態を想定した方がいいと思います。

234 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/24(土) 19:21:49 ID:???
まぁ今まで「エヴァを踏み台にしてる」うんぬんいって荒らされなかったのが不思議なくらいだしなぁ。
そっとしておくのが一番かな。

235 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/24(土) 21:00:24 ID:???
たまに他作品を引き合いに出してその作品のファンを煽るおばかさぁんはいるけどね

236 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/24(土) 21:03:14 ID:???
>>235
おばかさぁんで吹いたw
寛平ちゃんは反則だよ

237 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/24(土) 21:03:28 ID:???
なんだか「ゲッターと弐號機があればネルフ最強だぜwww」って流れが覆ったな。
この後何が起こるか。リツコも帰ってこないのに敷島行方不明じゃメカニックが・・・

238 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/24(土) 21:08:41 ID:???
大丈夫、隼人、武蔵、弁慶を引き連れて帰ってくるから

239 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/24(土) 21:53:41 ID:???
うっかりアニメ版のを連れてきちゃってみんな涙目

240 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/24(土) 22:04:59 ID:???
ついでに真ゲッター持ってきたりして

241 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/24(土) 22:05:06 ID:???
いや、アニメ版でも十二分に戦力になると思うぞ。リョウなんか比較対象がアレだから
「大人しい」とぁ「優等生タイプ」と称されるけど、刀振り回して鬼を斬殺する高校生を
普通は大人しいとは言わないよねぇ。

242 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/24(土) 23:00:20 ID:???
ゲッタークロスものでいうと「少年兵シンジ」の作者がナデシコとゲッター
のクロス書いてたな
ナデシコよう知らんので読むの途中で挫折したが

243 :名無しさん氏んでも代わりはいるもの:2007/11/24(土) 23:29:59 ID:???
>>241
たしかに、原作漫画版のは名前が同じだけのは完全に別な高次元の戦闘生物ですから。


>>242
ああ、あれですね。ナデシコとクロスするのはいいですが、黒アキト逆行要素がある時点でTT
むしろ、逆行ではなく始めからTV版とのクロスにして、ここのSSように、ナデシコを土台にして
良い意味塗りつぶして(ナデシコ世界にゲッターによる粛清の嵐を!!)いく感じにしてくれれば良かったのに。
特にナデシコは、劇場版で嫌いになりました監督のエゴがひどい、なぜあれが指示されているのかわからない。
復讐のスタンスも生ぬるいし、石川先生のキャラを見習えといいたい。

244 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/24(土) 23:55:31 ID:???
>>235
さっそく来たよ、そのおばかさぁんが


なあ、>>243

245 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/24(土) 23:59:13 ID:???
>>244!ゲッタースルーだ!

246 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/25(日) 00:18:40 ID:???
甘いな!粘着ビースト!

247 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/25(日) 08:27:56 ID:???
誰も突っ込んでないけど>>207にでてくる岩鬼組の菅原と高倉の元ネタは菅原文太と高倉健だな。

248 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/25(日) 10:11:00 ID:oivBow2q
>>239
TV竜馬はなにげに真っ黒

249 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/25(日) 15:25:20 ID:???
>>248
kwsk

250 :つづき…の前に:2007/11/25(日) 18:34:59 ID:???
とりあえず紹介とかはナシで。
気に入ってそういってくれた人、ごめんね。


つづき


 その様子が、作戦司令室にもはっきりと伝わっている。
 彼らは最初ゲッターと弐號機があまりにあっけなく敗れる様を信じられない、といった
風だったがすぐに現実に戻って、初号機と零号機の発進許可を求めた。
 よろしいですね、と確認するミサトにゲンドウが応じる。

「やむを得ん。初号機と零号機を発進させろ」

 というと、すぐにミサトが手をふって采配ふるった。

「エヴァ両機はただちに発進、零号機をバックアップに初号機を前衛に出せ」
「りょ、了解ッ」

 ミサトの指示を皮切りに、オペレータたちが機械の駆動部品のようになって動く。
 
 そして視点を戦場へ戻そう。
 両腕を失ったブラックゲッターがゼルエルに激突する寸前、竜馬がレバーを引き戻すように操作し、

「喰らいやがれ!!」

 と、上半身のイーグル号が分離した。
 ゲッター本体のダッシュと、ゲットマシンのロケット噴射の二段加速による勢いでもっ
てぶち当たり、イーグル号がスリングショットの弾のごとく弾かれ飛んだ。

251 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/25(日) 18:36:32 ID:???
 瞬間、どうっと盛大な音が響いてゼルエルがゆらめき、バランスを崩し横転していく。
 そのスキにイーグル号がゲッターの体に戻り、再びブラックゲッターと変じて大地に降
り立つが、まるで体力の尽きた人間のように立て膝をついてしまう。

 もはや、これ以上の戦闘はできそうにもなかった。
 コクピットのコンソールには機体各部のダメージが限界に達していることをパイロット
に伝えており、外から見てもあちらこちらから溢れるオイルと共に放電を起こして今にも
爆発してしまいそうな状態だった。

 だが、竜馬はコンソールの警告を無視してゲッターに最後の力を振り絞らせると、ふわ
りと舞い、起き上がろうとするゼルエルにボディプレスを見舞った。
 すれば敵が一瞬ひるみ、同時にゲッターは転がり落ちて仰向けの状態になる。

 即座に竜馬がコクピットから脱出するが、逃げるつもりではないようだった。
 彼はとなりに伏すゼルエルの巨体を横目にゲッターの胸を滑って降っていき、そして腹
にたどり着くと、その一部にある小さな突起を押した。
 と同時に、いくつかのボタンが並べられたパネルが顔をあらわす。
 竜馬がそれを操作しながら、

「追い詰められた人間が、なにをするか見せてやるぜ」

 といった。
 その姿は、先の将造の行動を思い出させる。
 将造は学校にてインベーダーをせん滅するために、ゲッタービームガン炉心の融解を実
行したが、竜馬は同じ事をゲッターそのものでやろうとしているのだ。

 フルサイズのゲッター炉心が自爆すれば、その破壊力はどれほどのものになるかは見当
もつかないしそれによる被害も予測できない。
 しかも、だからといってゼルエルを撃破できるとは限らないのだ。

252 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/25(日) 18:37:43 ID:???
 自爆すれば竜馬自身の命も同時に吹き飛んでしまうだろう。それでも彼はミサトが指摘
したとおり、我が命を少しも惜しむことなくそれを実行していく。
 竜馬の瞳に銀河のような渦が巻いた。

 だが、自爆コードの入力まであと少し、というところで、あろうことかゼルエルが体勢
を立て直していってしまう。
 竜馬が憎々しげにゼルエルを睨んだ。

「チッ、少しは遠慮しやがれってんだ」

 というが、それしきで行動を待ってくれるほどシトも甘くはない。ゼルエルにしてみれ
ば相手は今まで散々シトをいたぶってくれたゲッターとその操縦者だ。
 どうして遠慮をしなければならないのか、というところだろう。
 ゼルエルが起き上がり、ゲッターを見下した。

 竜馬が見上げる。
 すると頭蓋骨もどきが貼り付いたようなゼルエルの顔が、気のせいか竜馬をあざ笑って
いるように歪んでみえた。
 まるで、

 ――思い知ったか。

 と、ゼルエルがいっているようであった。

「……いい気になってんじゃねえぞ、コラ」

 竜馬が反撃するように、ニタリと表情を崩す。
 凄惨な顔だ。
 それは婆娑羅や阿修羅がこの世に降臨すれば、おそらくこういう表情をしているだろう
と思わせるほどのものだった。
 するとゼルエルが一瞬動きをとめた。シトにも恐怖の感情があるのだろうか。

253 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/25(日) 18:38:45 ID:???
 と、思っているとその背後が爆裂して凄まじい音が鳴り響いた。
 それに反応したのだろう、ゼルエルはくるりと体を反転するように振り返ると、離れた
場所にパレットライフルを構えた零号機の姿があるのが見えた。
 どうやら、発進が間に合ったようである。

 さらに零号機が弾幕を張って相手を牽制すると、次にはゼルエルから死角となっている
山陰の部分から初号機が射出されて空を舞った。
 初号機に弐號機のような飛行機能はないが、リフトオフする前から機体の拘束を解除し
て射出時の反動を利用したようだった。
 空中でケーブルを強制排除すると、その勢いのままゼルエルに降りかかってくる。
 カヲルの声が響いた。

「下がった方がいいよ流さん」
「来るのが遅えんだよ!」

 応じた竜馬がゲッターのコクピットに再び駆け込み、地を滑るようにして離脱するのと
初号機がゼルエルに衝突したのは、ほぼ同時だった。
 竜馬がコクピットに収まりながらゲッターを後退させながら叫ぶ。

「組み付くな! てめえじゃ初号機のパワーは引き出せねえ!!」

 シンジでなければ、無理だ。
 そんなニュアンスを含めた言葉だったが、それにカヲルは、

「どうかな」

 というと、プラグの中で悶えるような仕草をみせた。
 同時になにか黒いものがカヲルの口から吐き出されていって、やがてプラグを満たす
LCLに溶けるように広がっていく。

254 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/25(日) 18:39:51 ID:???
 その間、初号機はゼルエルに組み付いたまま停止しており、相手はこれを機と見て再び
怪光線の発射準備に入る。
 だがその瞬間、初号機が自身の頭を抱えたかと思うと、顎の拘束具をみずから引きちぎり、

「ギャアアアアァァ……ッ」

 と、悲鳴のような咆吼をあげた。
 そして次には怪光線を発射する寸前のゼルエルの頭を掴むと、それを力任せにねじりあ
げて引っ張っていく。
 ゼルエルが抵抗して紙のような腕を伸ばすが、それも初号機の余った方の腕につかまれ
れうと本物の紙細工のように破られ、地に放り投げられていく。

「なんだと……あれはっ」

 離脱しながら、その初号機の姿をみとめる竜馬がつぶやいた。
 たしかに初号機の行動の一部に、シトに対して真の力を解放して当たったことがあるの
をユイの知識を得た竜馬も覚えていたが、それはあくまでシンジが命の危機にさらされる
という状態に、ユイが反応した結果のはずだった。
 しかし、いま初号機に乗っているのはシンジでなくカヲルだ。

 どういうことだ、と竜馬が思う間もない。
 初号機はうなり声を発しながらゼルエルの頭を引っ張っていき、その下にあった赤黒い
肉ごと餅のように伸ばした挙げ句に、ぶちぶちと音をたて引きはがしてしまう。
 同時にぶわりとその血液が噴水のように撒き散らされる。

 それを浴びた初号機はいよいよ大きく顎を開けると、まさに人間のそれと同じような歯
をのぞかせて顔のあった部分へ噛み付き、そのまま頭をふって食いちぎった。
 激痛が走ったのであろう、ゼルエルがびくんと跳ねる。

255 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/25(日) 18:40:59 ID:???
 すれば初号機は、肉食獣のように次々とゼルエルの表面に手をかけては破り、露出した
内壁に鋭く歯を突き立てて喰らっていく。
 その姿は飢えた獣の、そのものといっていい。

 初号機は得物をあっという間に喰らいつくしていき、ものの数分でゼルエルは骨と皮だ
けの骸と化して果てていた。
 やがて食事を終えた初号機がゆらりと立ち上がった。
 そして、

「フフフ……これでS2機関の取り込みは完了したか」

 と、プラグの中でカヲルが笑うのだった。

 その状態のまま数分……いや、数秒だろうか。
 間が流れた。
 変貌した初号機の姿に、倒れた弐號機の中でアスカが唖然としている。
 竜馬は初号機から少し離れた場所で、腕を失いながらも仁王立ちするゲッターの中で、
口を真一文字につぐんで初号機を睨んだままだ。

 そして作戦司令室の人間たちは、マヤが初号機の姿に耐えられず嘔吐したのをはじめ、
その他も眉をひそめて光景をみつめていた。
 だが、なんとか気を取り直したマヤがひとつの異変に気づく。

「……あれ。初号機のシンクロ率が……そんな、どうして!?」

 と混乱するようにいう。
 エヴァに起こった異変ならリツコが対応するのだが、本人がいない。
 ミサトが代わりにマヤによって訳を問うが、しかし返答を待つ必要はなかった。
 なぜならマヤが監視するエヴァ各機のシンクロ率を表示するモニタを覗き込むと、そこ
に信じられない数値が浮かび上がっているのが見えたからだ。
 その数字は、

256 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/25(日) 18:42:04 ID:???
「シンクロ率、ゼロ……」

 であった。
 あわててミサトがメインスクリーンに映る初号機を見返すが、それは、いまもなお口を
半開きにしたまま虚空を見つめてゆらめいている。

「あり得ない……」

 ミサトがうめいた。
 専門家でないにせよ彼女もエヴァに関する基本的な知識はある。
 エヴァは、パイロットとのシンクロがあって初めて動くものだ。

 その率がゼロでは、パイロットが乗っていないのも同じことである。本来なら、起動す
ることもかなわないはずだった。
 では、なぜ目の前の初号機は動いているのだ。
 ミサトが思考をめぐらしていくと、やがて一つの結論に達していく。

(彼を初号機に乗せてしまったのは失策だった……やはりフィフスチルドレンの正体は)

 その答えを口にしようとすると、以心伝心したのか離れた竜馬やアスカまでもが彼女と
同じことを一斉に叫んだ。

「インベーダーか!!」

 と。
 そういうのと同時に、プラグの中のカヲルが高笑いをはじめる。
 その通りだ、と認めているようにいった。

257 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/25(日) 18:43:10 ID:???
「ハハハハ……甘いねえ、君たちは。僕を見かけるなり射殺すればよかったのに」
「いまからそうしてやるぜ」

 竜馬がいう。
 それにカヲルがなおも笑い、

「その満身創痍の姿で、どうやって僕を止めるつもりだい。零号機は役にたたないよ」

 と、零号機を指さした。
 すると、さきほどまでライフルを構えていたはずの零号機が、その場にへたり込むよう
にしてうずくまっているのがみえた。
 別にゼルエルに攻撃されたわけでもなければ、機体に故障があったわけでもない。
 だが、その異常はプラグの内部、つまりパイロットが示していた。

「あ、あぐっ……」

 レイがLCLの中で四肢を抱えるようにして震えているのだ。
 その様子は作戦司令室からも確認できた。

「どうしたの、レイ!」
「私じゃ……ないわ。ユイさんが……碇ユイの魂が……」

 ミサトの問いかけにレイが呻くように答える。
 ユイが苦しんでいる、という答えにゲンドウがハッとした。

「初号機の中は現在のユイがいる……もし初号機がインベーダーに乗っ取られれば、未来
のユイへ影響が出る」

 顔面蒼白となっていうゲンドウ。
 緊迫する中で、初号機が数歩あるいてから腕を振り上げた。
 そして、

258 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/25(日) 18:44:13 ID:???
「人類補完計画を阻止しようとする未来の彼女は邪魔なのさ。だから眠っててもらうよ。
そして、本来の碇ユイは僕たちの奴隷になってもらうとしよう……ねぇ、シンジ君」

 と、カヲルがシンジの名を呼ぶ。
 すれば、初号機の肩の装甲板がうごめいたかのように見えたあと、粘土のアニメーショ
ンでも見ているかのように、人の姿が形作られていって、やがてそれは制服を着たシンジ
へと変じていく。

「おつかれさま、カヲル君」
「てめえ、シンジ!!」
「竜馬さん久しぶり……友達ができたんだ、紹介するよ。彼は第一四シト、タブリス。
 またの名を渚カヲル」

 かつてと何ら変わらぬ面影に、しかし邪悪な笑みを浮かべた彼が初号機の上でいった。

「それじゃあ、仕上げにロンギヌスの槍を土産に貰おうか」

 その言葉と同時に、地鳴りが響くと地下から何かを砕くような響いて、それがだんだん
と大きくなると、やがてネルフの施設の一部を下から貫いてロンギヌスの槍が空へ飛び出
していく。
 ぎゅんと飛び、初号機の手の内に収まった……かと思えば、次には初号機の背からオレ
ンジ色の光が発して、背に十字に形にA.Tフィールドが現れる。

 さらに形を変えて左右に四対の菱形の羽根となり、それに揚力を得たのか同時に初号機
が空に浮かび上がっていく。
 初号機の肩に乗るシンジが肩を上げて笑った。

「これでよい。あとは一二体のいけにえを用意するのみよ!」

 それにカヲルも同調して、

「我らの計画はもはや達成される。人間共は残るシトを相手に遊んでおればよい!」

259 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/25(日) 18:45:20 ID:???
 といった。
 二人とも唐突に口調がかわった。
 それにおかしい、と竜馬が思う。インベーダーに寄生されていようが、言動のベースに
なるのは寄生された人間はずなのだ。

 シンジとカヲルがこんな古めかしいしゃべり方をするはずがなかった。
 やがて竜馬がなにかに感づいたように、ボロボロのゲッターを無理に飛ばしながら初号機
に向かって叫んだ。

「コーウェン、スティンガー! まだ生きてやがったかあッ!!」

 そう呼ばれたシンジは、口が張り裂けるのではないかと思うほどにニタリとなり、

「あの時いっただろう、我らは不滅だと! 今更気づいても遅い、ロンギヌスの槍によっ
て真の力を得た初号機は止められん」

 と、カヲルと共に言葉の音を重複させながら、迫るゲッターを初号機の腕の一振りで跳
ねとばすと、ぐんと高度をあげていく。
 小さな点と化していく眼下の竜馬達を見下しながらシンジがいう。

260 :ここまで:2007/11/25(日) 18:46:23 ID:???
「さよなら竜馬さん。あなたに逢えて楽しかったです」

 と、シンジらしい言葉づかいに戻って竜馬とゲッターをあざけながら、そして虚空へ消
えていった。
 あとに残されたのは、地に叩きつけられて転がるゲッターと焼死体のような弐號機、そ
してうずくまったまま動かない零号機だけだ。

 みな、消えゆく初号機を見つめているしかなかった。
 それが完全に消え去ってしまうと、やがて雨の数滴が降り注いだあとに、ばっと降り出
していく。
 辺りに無惨な敗北感が漂った。

「……現時刻をもって戦闘終了とみなします。ゲッターと、エヴァを回収して」

 作戦司令室でそれを見つめながら、ミサトが力なくいうのだった。

・・・


261 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/25(日) 19:22:50 ID:???
コーウェン君とスティンガー君もキター。後使徒は3体だけど雑魚しかのこってないから
さっくり使徒戦は終わりそうだな。

262 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/25(日) 19:45:32 ID:???
なぁ、やばくね…?
初号機とロンギヌスは取られるわシンジは寄生されるわ。
後は将造と敷島博士、リツコが何とかしてくれるしかないかも。

263 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/25(日) 19:54:55 ID:???
コーウェン君「スティンガー君みえるかいついに我々もでれたね」
スティンガー君「う、うんみえるよコーウェン君」

264 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/25(日) 19:58:01 ID:???
やばいほうがおもしれえんだよと竜馬なら言うに違いない

265 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/25(日) 20:14:41 ID:???
スパロボαのごとく寄生したコーウェンとスティンガーのみをストナーサンシャインで焼き払ってくれるに違いない!
マジでGETTER CROSSOVER SS倉庫つくりました。
まだラミエル戦が終わったところまでしかUPできてませんが(Wikiは#brでないと改行できないからな……編集に多少、手間取る)
SS職人さんに追いついたらアドレスUPします。
、てかタイトルがないので「エヴァの主人公が真ゲッターの竜馬だったら」にしてるんですが(最初が、「ちょっとスレタイ通りに書いてみた」だったので )

266 :名無しさん@お腹いっぱい:2007/11/25(日) 21:21:39 ID:???
これは虎の兄貴を呼ぶしかないか!? それとも魔獣の降臨を待つしかないの!?

267 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/25(日) 21:22:42 ID:???
俺たちの戦いはこれかr(ry

268 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/25(日) 21:24:56 ID:???
さすがにもう風呂敷をたたむ段階だからもう新たなイシカワキャラはこないだろう。

量産型エヴァはかなりむちゃくちゃな性能になってそうだがそれでもこのぼろぼろのゲッターとエヴァ2機でなんとかするしかない。

269 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/25(日) 21:40:17 ID:???
次回作は
>もしルイズが召喚したのが岩鬼将造だったら
>もし凛が召還したのが流竜馬だったら
>ひょっとして情報統合思念体ってゲッターエン(ry
どれがい

270 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/25(日) 21:57:44 ID:???
>>267
いやいや、リツコがエンペラーに召ばれたのも将造に敷島博士が行方をくらませているのも、逆転のための伏線に決まってるって。
ところで、インベーダーと戦っているんなら真・チェンジ!ゲッターの隼人もいるんじゃないのか?



271 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/25(日) 22:09:42 ID:???
>>270
出てたじゃないか 名前だけだが

272 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/25(日) 22:26:24 ID:???
いや、文の感じからするとチェンゲの隼人じゃなくて、ゴウ(漢字がでてこない)でもアークでも置いてかれた漫画版のほうの隼人って感じだったから。

273 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/26(月) 00:39:12 ID:???
>>265
(「ゲッター號」トクマ版1巻ラスト調に…念の為)
「とりあえずよくやったとほめておく…
  早く追いついてアドレスうpしに来ーーーーーい!!」
「バカが三人(スレ立て人・職人・まとめ立て人各位)、そろったかな。」

274 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/26(月) 16:22:57 ID:???
>>269
一番上はマロンにスレがあるな。>ルイズが召喚
スレタイこそ永井豪キャラだけど実質ダイナミックプロ作品総合だな。

275 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/26(月) 19:02:33 ID:???
そういや今日本屋で石川版初代?の愛蔵版ってのを見掛けた。

276 :名無しさん@お腹いっぱい:2007/11/26(月) 22:53:05 ID:???
神州纐纈城を読みましたがあれは良かった。でもEDがいつものでしたが。
もっともあれは石川先生の責任ではなく原作でもみかんなので致し方なし。
石川テイストのダイナミックな漫画を書けて、しかもキレイに完結させる漫画家はいるのだろうか?
個人的には藤田和日朗先生なら、作品に負の情念やら怨念を込めていただければできる気もしますが・・・無理かな・・・。

277 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/26(月) 23:00:12 ID:???
あ〜藤田は魔猿でケチが付いたからまだ同意出来るほど信頼回復してないや、俺的には。

278 :名無しさん@お腹いっぱい:2007/11/26(月) 23:08:12 ID:???
>>277
ああっあれですね。あれは確かにTT。
もっともガチリンとバネアシは良かったと思うので、徐々に回復しているとは思います。
あとはどれだけ作品に良い意味で怨念を込められるかですね。
あの絵のテイストは石川作品張りにダイナミックなスピリットをこめられると私は思うのですが。

それと石川先生の武蔵伝も読んで見ようと思います。

279 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/27(火) 04:30:47 ID:???
>>275
買ったが、大都社のゲッターロボ2巻までの内容+ミサイルマシンガンの話だった

280 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/27(火) 07:54:55 ID:???
>>275
サーガ版の再録だと。ガンバレ!ムサシがはぶられてるし買う必要はあんまり無いかと。

281 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/27(火) 08:19:09 ID:???
>>277
藤田版EVAですか…
音流布寺の一人息子のシンジがいいつけをやぶり地下の「どぐま」の秘仏を見てしまう
そこには二股の赤い槍につらぬかれた青い髪のまっぱの少女が…

つうSSを見たことがある

282 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/27(火) 14:30:33 ID:???
>>281
く、狂おしくkwsk!

283 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/27(火) 18:59:13 ID:???
“音流布寺”で調べたらそれらしきものが見つかったよ

284 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/27(火) 20:07:51 ID:???
しかし正直、號後半でゲッター線の意志なる概念が登場して以来約十五年、
ここまでゲッター側が追い詰められた場面というのはおよそ記憶にない。
アークのラストシーンやチェンゲの世界一時壊滅や新の四天王襲来でも
ゲッターならどうとでも逆転するさとタカをくくって、事実乗り切ってきた訳だが
今回ばかりは読めない…やはり作者は魔界転生してきた石かドワオ

285 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/27(火) 21:49:03 ID:???
>>282
「しんじとれい」で検索

286 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/27(火) 22:14:17 ID:???
>>283>>285
サンクス。みっけた。

287 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/27(火) 23:36:58 ID:???
>>286
実はとら役がトウジというのも「めぞんEVA」にあた
トウジ→大阪→阪神→虎
という発想だろう


288 :つづき:2007/11/29(木) 00:11:21 ID:???
 やがて、二週間ばかりの時が過ぎた。
 ぼろぼろとなったのはゲッターやエヴァばかりでなく、それを操る者、援助するもの、
導くもの……と、すべてにおいてネルフは打撃をうけていた。
 まずゲッターとエヴァの修理はリツコがいないために作業効率が著しく低下している。

 ゲッターはリツコ以外にまともに扱える者がおらず、竜馬立ち会いの下、細々と修理が
続けられるだけだし、エヴァの方は、あれからゼーレからの支援がぷっつりと止まったせ
いで、ネルフの自腹と政府の援助のみであたらねばならず、資金繰りが追いつかない。
 地下に大量に廃棄されていた零号機以前の試作機の一部を使い回したりまでしなければ
ならない有様だった。

 まともに動けるのは唯一、零号機だけだったが、それも今はパイロットのレイが倒れて
床に伏せている状態だ。初号機の中にいるユイがインベーダーに浸食されたことで、未来
の彼女までもが自我を保つのに精一杯の状態であり、その肉体も影響下にあった。
 レイにすれば、とんだ災難だというところだろう。

 一応、レイの肉体そのものにはスペアがある。
 彼女はいわばリリスの魂を封じ込めた人造人間だからだ。
 そのスペアを使ってユイのためにもう一つ器を用意することも提案されはしたが、そも
そもどうやってレイからユイの魂だけを引きずり出せばいいのか、竜馬に聞いても解らず
仕舞いでどうにもならなかった。
 竜馬いわく、ユイをレイへ導いたのはエンペラーであり、その意思と己の意思はイコー
ルではないのだという。

 さらに、ターミナルドグマのリリスから勝手に抜けて地上へ突き出たロンギヌスの槍に
よって、ネルフの施設そのものにも大小の被害が出ている。
 通常の業務には差し支えないが、一部の防衛システムが作動しなかったり、非常電源に
支障が出ていたりと、緊急事態になれば問題があると予測されていた。

 壊滅的……とまではいかないが、もし今またシトやインベーダーの襲来を受ければ、

「その勝率は、わずか五パーセント……と、MAGIは判断しているわ」

289 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/29(木) 00:12:32 ID:???
 ミサトのいうように、間違いなく負けるだろう、と誰もが思った。
 支える盾を次々と失ってしまい、みなが弱気になってしまっている。
 そんな状態であるから、できればゲンドウとしては現在敷いている、特別厳戒態勢を解
除したくなかったが、ネルフは秘密組織ではあっても特殊訓練を施された人間だけで構成
されるわけではない。
 この状態でさらに長い間の緊張を各員に強い、逆効果を引き起こしてしまうのを恐れて
厳戒態勢は一時解除とした。

 職員たちは二週間ぶりの働きづめから解放されて、それぞれの居所へと帰っていく。
 それは竜馬たちもまた同様であった。
 自宅のマンションに戻ると、二週間分のほこりが蓄積した部屋が待っていた。
 玄関を開くなり、ミサトがうんざりとした表情になる。

「はぁ……掃除する気分にもなれない」
「いつものことだろうが」
「うるさいわね」

 といっていると、奥からペンペンが走り寄ってくる。
 長い間の放置にもめげず、自分なりに食料を調達して飢えを凌いでいたようだった。
 大した知能である。
 ミサトがごめんね、と抱き上げるとコツリと彼女の額をつついて不満を露わにした。
 しかし、

「今後のことを考えると、あんたもどこかに預けないとならないわね……」

 と、ミサトは悲しげに漏らすのだった。
 なお、アスカは帰っていない。
 岩鬼組ではいまだに将造の姿が見あたらず、大わらわとなっていて彼女もその騒動に巻
き込まれる形となっていた。
 アスカ自身も二週間働きづめの後でヘトヘトであるが、それでも生まれてはじめて、心
から親代わりとなってくれた人間を捜すため、疲れた体に鞭を打って彼女は岩鬼組本家に
戻ったのだ。

290 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/29(木) 00:13:35 ID:???
「あの馬鹿野郎が。どっかでのたれ死んでんじゃねえだろうな」

 と、竜馬が将造の行方を口は悪いながらも案じる。
 すればミサトも我が友人の身を想った。

「リツコ、どうしちゃったのかなぁ」
「あいつは戻ると言や、必ず戻ってくる。そういう奴だ」
「あーあ。旧友より解ってくれる人が出来るなんてリツコも裏切り者だわ。
 ……でもまじめな話、いつに戻るかあてにならないのは困るのよ。聞きたいんだけど、
逆にゲッター艦隊ってやつをこっちに呼べないの」
「バカ言うな。地球の上であいつらを呼んだら、この星ごと潰されちまう。それにだ」

 と、竜馬は真顔になるとミサトに顔を寄せて、さらにいった。

「エンペラーがどう思おうが、俺自身はなんでもかんでもゲッターに取り込むのは好きじゃねえんだよ。
 確かに俺はエンペラーの意思もあってここに来たが、この世の行く末はおめえらの手で
始末をつけるんだ。そうでなきゃ、お前達の進化してきた意味がなくなっちまう」

 これにミサトは納得したような、していないような、珍妙な表情になりつつ居間のダイ
ニングテーブルの椅子にどさりと腰を下ろすと、そのまま深いため息をはく。
 心底疲れた、といった様子であった。
 それからしばらく上の空となっていたが、腹の虫が鳴ってして空腹だったことを思い出すと、竜馬をみていう。

「おなかすいた」
「なんで俺を見ていうんだよ」
「おなかすいた」
「……」

 繰り返すミサト。
 普段、お前から迷惑ばかり受けているんだから、そのぐらいはしてくれてもいいだろう
といわんばかりのジト目で竜馬を見続ける。

291 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/29(木) 00:14:36 ID:???
 その本人は「なにを言いやがるんだ」という目で見返していたが、今日ばかりはなぜか
ミサトの方が目力で上回っていた。
 にらめっこに負けた竜馬は、

「わあったよ! なんか用意すりゃいいんだろが、畜生」

 と、悪態をついて適当に冷蔵庫から即席の食料品を取り出していく。
 この男にどんな形であろうと勝つのだから、ミサトも大した女といっていい。
 しかし、これは正解でもあった。
 なぜならミサトは極度の料理オンチであり、彼女に調理をやらせるとレトルト食品や即
席麺といった調理に失敗のしようもない品々が、なぜか珍味も真っ青になるほど劇的な味
の変化を遂げてしまうからだった。
 以前、ぐうぜんシンジとアスカが居ない時にミサトの作ったものを口にした時は、普段
なんでも食えると豪語する竜馬も思わず吐き出しそうになるほどだった。

「めんどくせえ」

 言いながら、湯を注いだりレンジの操作をする。
 あまり似合う光景ではない。ミサトが作るよりマシだとはいえ、やはり、彼には戦う姿
が相応しく美しい。そういう星の下に生まれた男なのだ。

 まあ、それはともかく。
 竜馬は出来上がるまでもない品々を乱雑にテーブルの上に並べていく。
 内容はボンカレーが二皿に、即席の味噌汁が二つ、さばの味噌煮の缶詰一つが、缶のま
ま開封されて置かれているだけだった。

 貧相にも程があるといえたが、竜馬が悪いのではなく、これぐらいしか食えるものがな
かったのだ。他の物はペンペンがあらかた食い尽くしていたため、これ以上を食いたけれ
ば買い出しに行かねばならない。
 しかし、二人ともその元気はない。

「ほらよ」

292 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/29(木) 00:15:45 ID:???
 と、ミサトの分を差し出すとそれに彼女が「恩に着ります」と仏に拝むような動作で感
謝を表してから、差し出した方よりも早くがっついていった。
 どこも恩に着ていないようだが、竜馬もその程度のことはいちいち構わない。
 すぐに彼も食事に口をつけていった。
 絶対量が少ないのと、空腹ゆえに瞬く間にそれらは片付けられてしまう。
 食事を終えて、ミサトが静かに席を立った。

「ごっそさん。はぁ……シャワー浴びてくるわ……覗いちゃダメだかんね」
「さっさと行け」

 反応の薄い竜馬に、なにやらミサトはぶつぶつ言いながら風呂場に入っていくと、竜馬
は気にもとめず椅子に深く腰掛けたまま、静かに目をつむって瞑想に入る。
 しばらく奥から聞こえるシャワーの水音と共に思案にふけっていたが、その途中でなに
やら風呂場から水音すらもさえぎって、桶かなにかが叩きつけられる音が響いて同時に、
ゴン、という音がした。

「なんだ」

 と、それに竜馬が目を開けると風呂場にミサトにむかって「大丈夫か」と呼びかけるが
反応がない。
 一瞬、嫌な予感が脳裏をよぎる。

(まさかインベーダー)

 そう思ってからは、行動が早かった。
 カヲルを迎えた時から所持しているサブマシンガンを引ったくって持つと、躍り込むよ
うにして風呂場に突入するとそれを構えた。

「ぬお!!」

 と、叫ぶが、風呂場から現れたのは湯気ばかりで敵の姿は見あたらない。
 はて、と見回せば足下に気配があって、それに頭を向けると裸のミサトが倒れている。

293 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/29(木) 00:16:49 ID:???
「どうした」

 というが、反応がない。
 竜馬はこんな場所で倒れた彼女の身を案じつつも、同時にインベーダーに寄生されてい
るとすれば容赦なく撃ち殺すつもりで、ミサトへサブマシンガンを突きつけるように構え
たまま、しばしの間じっと傍観した。
 息は、しているようだった。
 さらに耳を済まして鼓動を聞く。もしインベーダーに寄生されていれば、やつらが体内
でうごめく気配があるはずだと竜馬は思っている。

 その状態のまま数分動かなかったが、やがて構えたサブマシンガンを静かに降ろす。
 どうやら寄生は認められないようであった。
 ふっ、竜馬にかすかな安堵の吐息がもれる。
 しかし、それならばとサトが風呂場で倒れた理由はなんだろうかと次に考えた。
 竜馬は最初、湯あたりか何かかと思ったが、

「シャワーで湯あたりなんざ聞いたことねえぞ」

 というと、その考えを打ち消す。
 おそらく心労でも祟ったのだろう、と思うことにしてミサトを起こすべく何度か呼びか
けてたが、やはり反応がない。

「本当に手間のかかるやろうだ」

 せっかくの休息を邪魔しやがって、とばかりに毒づくが、倒れているのを放っておくわ
けにもいかず引きずり起こすと、風呂場から持ち出した。
 それでもミサトは眼を覚まさない。
 仕方なしにそのまま担いで、本人の部屋まで連れていき敷かれたままだった布団に彼女
を転がすように置くと適当に布団をかけた。

 そしてすぐにきびすを返えすと、その太い首をゴクリと鳴らしながらミサトの部屋を退
出して居間へ戻ると、テーブル椅子に深く沈んで腕を組み、再び瞑想に入る。

294 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/29(木) 00:17:59 ID:???
 いままで未知の世界に独り来て戦ってきたのだ。竜馬といえども疲れていたのだろう。
 瞑想は、たいした時間も経たぬ内に睡眠へと移り変わっていった。

 やがて、数刻過ぎた頃である。
 窓に暁の色が映り込んで世界が動きだそうとしはじめると、竜馬も目覚めて垂れていた
頭をあげる。
 すると、なぜか向かいの椅子に座ってテーブルに突っ伏したまま、いびきをかいている
ミサトの姿が映った。
 竜馬が変な顔になる。
 さきほど自室に転がしておいたはずである。
 そう思うと、ミサトが寝言なのか「お父さん」とつぶやくのが聞こえた。
 竜馬は頭をかくと、

(どうもこいつらといると、調子が狂う)

 散々周りの調子を狂わせてきたことは棚にあげてそんなことを思ってから、さっと立ち
あがり窓際に歩いていく。
 外を覗くと、生まれたばかりの太陽が燃えあがっていた。
 竜馬はそのまぶしさに目をしばたかせると、

「エヴァ、か……どうも、ゲッターとは違う役割を背負ってるように思えてきた。終号機
は、エンペラーとは全く違う存在になるかもしれねえなあ。
 だがシンジがインベーダー野郎に食われちゃ、それもうたかたの夢よ。くそ……厄介になってきたぜ」

 そんな、ずいぶんと長い独り言を漏らすのだった。

 ……やがて太陽はすっかり空へと登り、この日も朝がやってきた。
 朝が来れば多くの人は起きて働きに出てゆく。それは竜馬たちとても同じ事だ。厳戒態
勢は解除されていても通常業務がある。ネルフ本部へ出向せねばならない。
 竜馬は足に使っていたバイクが大破してしまっているので、現在はミサトの車に便乗し
てネルフまで移動する。

295 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/29(木) 00:19:18 ID:???
 彼女の車はオープンカーにもなった。
 天井を解放して朝の空気を一身に浴びる中、竜馬はミサトの話し相手となっている。

「昨日は迷惑かけちゃったわね」
「体調管理にゃ気をつけな」
「うん、そうする……ところでリョウ君、足がないと不便でしょう?」
「違いねえ」
「でしょ。だから新しいバイクを探してきたのよ。良い出物があったの、CBのナナハン」

 そのような会話を交わしながら、車はネルフへと突き進んでいった。
 なお、ミサトの話に出てきたCBのナナハンとは、ホンダ・ドリームCB750FOURのことである。
 西暦一九六九年の当時、速度・耐久性・操作性の全てにおいて最高の性能を持った車両
として、世界に対して日本の工業力を認めさせる一翼となったバイクだ。
 その時から出でた流れは、この二〇一五年の現在に至るも、エヴァを代表とした各技術
の分野において、なお続いていた。

 久々に穏やかな時間が訪れていたが、ネルフに到着するころにはそういう余暇の話題を
持ち上げる時間も消え失せてしまうことになる。
 ミサトの車がネルフ本部へ足をかけるか、かけないかの内に警報が鳴り響いたのだ。
 アナウンスがシト接近の報と、対空迎撃戦の用意を施設の全体に伝えていく。

 竜馬とミサトが作戦司令室に飛び込む頃には、すでに他の職員たちは集結しておりメイ
ンスクリーンに発光体だけで作られた鳥の影のような物が映し出されている。
 さながら鳳凰でも連想させるような姿だった。
 それが衛星軌道上に浮かび、何をするでもなく地球を周りを漂っている。

「軌道を離れませんね」
「ネルフ本部から一定距離を保っています」
「降下の機会をうかがっているんでしょうか……」

 と、その様子をマコト、シゲル、マヤの順でそれぞれ報告していく。
 それを基にミサトがシトの行動パターンに探りをいれる。

296 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/29(木) 00:20:26 ID:???
「あるいは、降下する必要もなくここを破壊できるのか」
「それならとっくにやってるだろうよ」
「どうして、そうわかるの」
「ゲッター艦隊はそうやって惑星を侵攻するからだ。宇宙から惑星を攻撃するときは、み
な似たようなもんだ」
「と、するなら……」

 破壊が目的ではないのか、と思案は錯綜していく。
 ただ、シトの目的が破壊であるにせよないにせよ現在のネルフにはひとつ、大きすぎる
といっていいほどの問題があった。
 そう。
 それはまともに稼働できる兵器が、零号機ただの一台しかないということである。
 弐號機はなんとか起動できる程度には修理が進行していたが、専門技術者のいないゲッ
ターは組み立てすら終わっていない状態だった。
 しかも前述の通り、動ける零号機も主たるパイロットが倒れている。
 MAGIにも、このまま戦えば次は必ず負ける、と嫌な太鼓判をもらっている。

 状況は最悪といえた。
 しかし、応戦しないわけにもいかないということで、まずミサトによって零号機のシス
テムをアスカ用に書き換え、彼女に零号機を運用してもらおうという案が提出されたが、
彼女独特の精神波長が零号機に合致しないせいで、シンクロ率の確保がむずかしかった。
 なにより彼女は弐號機以外のエヴァに乗ることを好まない。
 もっともこの状態で、そんな悠長なことをいっている余裕などはないのだが。

 これに割り入って発言したのが竜馬だった。
 ゲッターも動かないのに、なにか案でもあるのかと周囲の視線があつまるなか、彼の提
案した用件は至極単純かつ荒唐無稽なものだった。

「なら、零号機には俺が乗る」

 で、ある。
 この言葉には、竜馬という人間に慣れたさすがの職員たちも閉口せざるを得なかった。

297 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/29(木) 00:22:07 ID:???
 エヴァは一四歳の少年・少女で、かつ、エヴァのコアに宿った魂と適正のある人間でな
いと動かせないのは、さんざん既出のことであろう。
 だのに、この男はなにを世迷いごとをいっているんだと周囲の視線がしらけていく。
 だが竜馬は一切ひるまない。

「やってみなきゃ分かんねえだろ。いいから乗せやがれ!」

 この一点張りである。
 竜馬が言い出せば、赤ん坊も真っ青になるがごとく誰の言うことも聞かなくなるのは、
これもネルフの職員達がよく承知していることだった。
 やがて、ゲンドウがいった。

「……いいだろう。乗ってみたまえ」

 竜馬の求めに許可をだしたのだ。
 これに、

「正気ですか!?」
「下手をすれば、流さんと零号機まで失うことになりますよ!」

 と、いくら司令でも血迷ってもらっては困る、と職員たちから非難が飛びかかったが、
ゲンドウもまた、人の言うことを聞かないのにかけては一流だった。
 他の意見を抑えつけて、

「構わん。どのみちシトに負ければ誰にも未来はないのだ」

 という。
 竜馬がその対応に満足そうな笑みをみせる。
 司令の命令であれば、みなも従わざるを得なかった。ここでストライキなど起こしても
なんの意味もなさないのだ。
 すぐに零号機のパーソナルデータの書き換えがなされ、体格に合わせた専用のプラグス
ーツも急造されて竜馬が零号機のエントリープラグにぶち込まれていくのだった。

298 :ここまで:2007/11/29(木) 00:23:51 ID:???
 なお、プラグスーツは淡い緑色を基調としているデザインのものだった。
 それを着てプラグ内の座席に収まる竜馬に、ミサトの声がひびく。

「まずLCLを注入するけど、窒息はしないから慌てないで」
「わかってる」

 そういうと、竜馬の足下から橙色の液体が満ちていき、プラグ一杯に満たされる。
 竜馬は最初すこし気持ち悪そうにしていたが、しかしすぐに慣れた様子だった。
 つづいてミサトが静かにいう。

「では、シンクロテストを開始します」

299 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/29(木) 00:24:00 ID:???
支援しとこうかな

300 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/29(木) 00:37:57 ID:???
GJ。
やはりエヴァ終号機というのは誤字ではなかったのか……
本来ならゲッペラーに匹敵する超存在になるはずだったという事だが、
実際にはどうなるのやら。
そしてゲッター艦隊の意外な欠点。惑星・星系規模の殲滅戦に特化したせいで
小回りがきかないのか。

301 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/29(木) 00:47:36 ID:???
毎度GJ!!!

でも

竜馬がプラグスーツ…
竜馬が…
ダメだあまりの衝撃展開に整理がつかん
一体この作者はどれだけの宇宙を脳内に抱えているんだ?

302 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/29(木) 02:08:10 ID:???
追い詰められたせいか空気が一気にエヴァっぽくなったな。
これがこれまでの揺り戻しだとするとまだまだ沈むんじゃないかとか戦々恐々。

303 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/29(木) 09:44:56 ID:???
う〜む・・・・・ミサトの料理を食すのは流石に竜馬でも無理だったか。(爆)

304 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/29(木) 10:27:34 ID:???
言っても詮無いことだが
CB750か…
Zじゃないのか…
カワサキじゃないのか…


305 :つづき:2007/11/29(木) 18:05:38 ID:???
「おう」

 というと、竜馬が瞳を閉じた。
 彼なりに零号機とシンクロしようとしているのだろう。
 しばらくそのままだったが、やはり零号機は竜馬を受け入れないのか、マヤの監視する
シンクロ率を表示するグラフはうんともすんともいわなかった。

(だめか……)

 ミサトがそれを見て思った。
 あれほどの大口を叩いた手前、竜馬ならなんとかしてしまうのではないかと、ひそかに
淡い期待を抱いていたのだが、そうそう上手く事は運んでくれないらしい。

「リョウ君、やっぱりダメよ。大人にエヴァが動かせるなら、私たちだって子供に命をか
けさせたりしないわ」

 諦めてそういうが、しかし竜馬は応じない。
 それどころか、閉じた瞳をかっと開けると怒ったような顔になる。

「零号機!! 寝ぼけてんじゃねえぞコノヤロウッ!
 いまは地球の一大事なんだ、てめえが動かなきゃどうにもなんねえだろうが!!
 それでも眠っていてえなんて抜かしやがるなら……」

 がぼがぼと、LCLの溶液の中でそういう内容のことをいうと、いよいよ竜馬は目をつり
上げて、

「プラグごと食っちまうぞこの野郎!!」

 と、がぼりと叫んでからトリガーを目一杯に引いた。
 あまり強く引くので、トリガーが壊れてしまいそうだったが、その迫力たるや、初号機
がゼルエルを食ってしまったかのように、本当に竜馬が零号機を食ってしまいそうな勢い
だった。

306 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/29(木) 18:06:40 ID:???
 すると、どうだろうか。
 零号機が竜馬の恫喝に恐怖したかのように、拘束されているはずのケイジ内でびくんと
震えるように見えたと同時に、シンクロ率のグラフがストローを通る水のような勢いで伸
びていく。
 それを受けてマヤの悲鳴のような報告が作戦司令室に響いた。

「シンクロ率一二〇パーセント! ぜ、零号機が起動します!!」
「うそおッ!?」

 と、ミサト。
 起動するだけならまだしも、シンクロ率までが異常に高い。
 カヲルのようなシトとは違って竜馬は、あくまで人間である。シンクロ率の操作などで
きるはずもなく、この数値は紛れもない真実だった。
 ミサトにはそれが信じられなかったのだが、この状況で嘘をいう意味などないだろう。

 零号機のいるケイジの様子はここからしっかりと監視できているのだ。そこでは零号機
全身を振るわせながら、自ら拘束具を引きちぎって起動していくのが見えた。
 起動は成功である。
 プラグ中の竜馬はしてやったり、といわんばかりだった。

「一つ目小僧のお目覚めだぜ。操縦法はイメージだな、こいつなら訓練はいらねえ。
 悪かねえシステムだ。さて……それじゃあ作戦会議といこうじゃねえか」

 その言葉で、第一二のシト・アラエルへの抗戦がはじまった。
 宇宙から直接飛来してきたシトは、サハクィエルにつづいて二体目であるが以前のもの
は単機にて大気圏を離脱できるゲッターロボによってせん滅された。
 だが、いまはそのゲッターが動かない状態だ。
 エヴァにはそういう能力がないし、零号機は弐號機のように空を飛べるわけでもない。

307 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/29(木) 18:08:16 ID:???
 ではそのエヴァ単体でどう対処するかといえば必然と、地上からの直接射撃による攻撃
が考えられるだろう。
 しかし現在のアラエルの位置から距離を算出すると、たとえ陽電子砲を用いたとしても
射程がたりなかった。
 仮に届いたとしても射程が長すぎ、大気圏を抜けるまでに陽電子が消耗してしまって敵
の敵のA.Tフィールドを打ち抜けるだけの威力にならないだろう。
 それではなんの意味もないのだ。

 ミサトが頭を抱えた。
 これに対しても、また竜馬が泥船にしか見えないような助け船持ち出してきた。
 彼は、

「なら無理にでも届かせりゃいいんだ」

 といって、次の作戦を提案する。
 その内容はまず、組み立て途中のゲッターの利用だった。

 この内、メインのゲッター炉心を搭載してゲッタービームの射出機ともなるジャガー号
を稼働させる。機体として稼働できないなら、炉心とロケット推進だけでも利用し、これ
に零号機を縛り付けて宇宙に飛び出してからゲッタービームを近距離で浴びせる。

 零号機の大気圏の離脱・突破にはイーグル号からマント状のゲッターウイングをむしり
取って零号機にまとわせることで無理矢理対応させようとした。
 原理は不明だが、あのマントは高機能のシールド能力があるらしい。
 ともかく……要するに力ずくで敵に近づいて攻撃するという、いつもの竜馬パターンだ。
 名目上、作戦という名をかたってはいるが作戦とはいえるレベルのものではなく、

「リョウ君にかかったら何でも力ずくねえ……それで成功するから凄いけど」

 と、ミサトをして呆れさせるほどだった。
 しかし現状の戦力を考えると、いくら論議してもこれ以外には手段も見あたらない。
 仕方なしに竜馬案が採用されることになった。

308 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/29(木) 18:09:47 ID:???
 ただ、ゲッターから装備をもぎ取るのにも技術が要り、その準備にやや時間を要するの
が難点だったが、幸いにしてシトはこちらの出方をうかがっているのか、自分から攻勢に
出る気配がなく作業は順調に行われていく。

 そして零号機にゲッターの部品をくくりつける間に竜馬は一度エヴァを降りて、LCLに
塗れた口を潤すために、自販機のあるフロアへと足をむけた。
 ふとその目に先客の姿がうつる。

「誰かと思ったらアスカか」
「なによ、ジュース飲んでたら悪い? どうせ弐號機は動けないんだもの」

 と、つっけんどんにしながら「それにしても」と付け加えていう。

「まさかプラグスーツ姿のあんたを見るとは思わなかったわ……しかも微妙に似合ってい
るのが嫌すぎる」
「こういう服はゲッター用のパイロットスーツで着慣れてんだよ。色も同じだ」
「ゲッターにもパイロットスーツなんてあったんだ」
「ああ」

 というと、竜馬は自販機に寄ってコインを投入すると、コーヒーを選ぶ。
 彼は本来その食の好みが完全に和の物に寄っており、飲料もコーヒーより茶の方が好き
だったが(もっといえば清酒だが)リツコの影響かいつの間にやら多少の変化があった。
 竜馬は出てきたカップに口をつけながら、首をごくりと鳴らうと、やがていった。

「将造は見つかったか」
「……ううん。組の総出で探してるけど、全然見つからないの」

 竜馬の問にアスカが覇気なく答える。
 やはり、親代わりを失うかもしれないという不安が大きいのだろう。
 彼女は将造のおかげで、岩鬼組の若頭として自らの存在意義を明確に確率することがで
きた。それがある限り自我の安定は保たれるはずだ。

309 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/29(木) 18:11:00 ID:???
 しかし、それとは別に将造を通して見た肉親への情景が離れないのだ。
 アスカが弱いのではない。
 わずか一四歳の子供が親の愛を求めるのは、当たり前の欲求である。
 竜馬ですらも、ゲッターに出会う前の幼い頃は父、一岩から受けた影響は強く、彼の宿
願だった「武道を立て直したい」という想いを果たすことが生きる目的だったのだから。

「将造の野郎は」

 と、その竜馬がいった。

「そう簡単にゃくたばらねえよ。俺が保証してやる」

 昨日の自身にも言い聞かせるかのようにいう。

「そうかな……まあ、パパの不死身さはハンパじゃないのは確かだけど……」
「俺が、いや俺たちがこのまま追い詰められたままでいるかよ。なんとしてでも反撃に移
ってインベーダー野郎共を皆殺しにしてやるんだ。お前がそんなでどうすんだ」

 とアスカを叱咤しているとと、アナウンスが竜馬を呼んだ。
 どうやら零号機の作業が終了したようだ。
 竜馬はのみかけのコーヒーをアスカに「くれてやる」と押しつけ、そのまま身をひるが
えすと零号機のいるケイジへと走っていった。
 残されたアスカは、

「いらないわよ人の飲みかけなんて」

 というと、そのままゴミ箱に捨てて自身も作戦司令室におもむくのだった。
 することが無いといっても、このままサボるわけにはいかない。

 やがて、全ての準備は整って、人っ気の完全に消えた第三新東京市の中に、発射台に垂
直に固定されたジャガー号と、それに縛り付けられるように零号機がジョイントされてい
るのが見えた。

310 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/29(木) 18:12:59 ID:???
 さらに上から黒いマントのようなゲッターウイングでくるまれている。
 その様子を、不安げにみつめながらミサトがいう。

「いい、エヴァに空間戦闘はできないし稼働時間も五分程度しかないわ。そのことだけは
覚えておいて頂戴」

 五分では、ぎりぎりの時間しかないだろう。
 零号機を動かすのはシトを撃つ時だけで、あとは全てジャガー号に頼ることになる。
 成功確率はMAGIがいった通り、極めて低いだろう。
 だが、誰かがやらねばならなかった。
 竜馬は気を引き締め直す。

「わかってる」
「あとは武運を祈るわ。では、ジャガー号点火!」

 ミサトの伝令で、ジャガー号がスペースシャトルよろしく、後部のロケットノズルから
噴煙をはげしく吹きだして地上を離れていくが、スペースシャトルと違うのは、バッタが
跳ねるような勢いで空に飛び上がっていくことだ。
 あっという間に成層圏にまで達した頃、しかしそれまで停止していたアラエルに活動の
兆候がみられた。
 アラエルの体躯がいっそう輝きはじめるが、それを作戦司令室が感知する前に、アラエ
ルから光の渦が発せられて零号機に浴びせかけられていく。
 作戦司令室が警告する間もない出来事だった。

 瞬間、零号機のプラグの中の竜馬がなにか胸騒ぎのようなものを感じると、同時に自身
の深層記憶を次々と呼び起こしていく。
 それは父一岩の教え、ゲッターロボとの出会い、竜や鬼との戦い、歴史をさかのぼった
思い出や、ゲッターの見せる未来に絶望したこと、さらに絶望から希望を見いだしてゲッ
ターを支配するまでに至ったことまで、彼の記憶たる記憶であった。
 この状況を引き起こしたのが零号機を包むアラエルの光であることは、竜馬にも容易に
想像がついた。

311 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/29(木) 18:14:01 ID:???
「……俺の記憶を覗いている? シトが人間を知ろうとでもいうのか」

 アラエルの光でなにも見えない視界に、竜馬がいう。
 彼はしばらく目を閉じていたが、零号機が大気圏を離脱し始めたのだろう、明るいだけ
の視界が真っ赤に染まっていく。
 ここで、竜馬が目を開けた。
 そして言う。

「だがな。人様の過去を探るなんてえのは、ヒトの間じゃ一番無礼とされてんだよ!」

 叫びと共に零号機が大気圏を離脱しきって、アラエルが肉眼で見える位置まで来ると自
身をくるむマントを剥がしてジャガー号から分離していく。
 ジャガー号を下部から頭上にかかげて持つと、さらに叫んだ。

「人間を知ろうってなら礼儀から覚えて出直してきやがれぇッ!!」

 それと同時に、ジャガー号の先端が開いて紅色のゲッタービームが発射されるとアラエ
ルの光を包み返すようにして迫っていった。
 その光景が、作戦司令室から確認されている。

 ゲッタービームの美しい光がアラエルを包み込むと紅く染めあげて、真に鳳凰の姿のよ
うになって焼かれていくのだ。
 不思議とA.Tフィールドは発生しなかった。
 まるで、シトが竜馬の叫びを聞き入れてその洗礼をすすんで浴びたかのようだった。

 そして、ゲッタービームを発射するジャガー号も、その本来以上の出力を示して自身の
砲身が焼き切れてしまうほどに巨大なビームを放出するが、なおその勢いは止まらない。
 あまりに反動が凄まじく、背後のロケットによる逆噴射でもそれを抑えることが出来ず
に零号機は、だんだんと地球に向かって後退していってしまう。

 そして整備途中のものを使ったせいか、限界が来たのであろう、ジャガー号のあちらこ
ちらにヒビが入るとそこから放電がおきていく。

312 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/29(木) 18:15:14 ID:???
「ちっ! A.Tフィールド展開!!」

 まずい、と思った竜馬がA.Tを展開しつつジャガー号から離れるが、次には爆発がはじ
まってしまう。
 炉心が融解すれば、いかにA.Tフィールドとても耐えられる保証はない。
 いや、間違いなく零号機は吹き飛ぶと思ったほうがいいだろう。
 それを見ていた作戦司令室の面々が、

「だめだ、間に合わない!!」

 と声をそろえて叫ぶ。
 だが、その瞬間のことだった。
 別のモニタで誰もが見ることなく映し出されていた、月の地平線がきらりと光ったよう
に見えると同時に、爆発するジャガー号の方へなにかが突っ込んでいった。
 月との距離を考えると、光速並の速度が出ているだろう。

「なんだ」

 と、いうと光は一瞬で速度を落としていくと、やがてその影がはっきりとしてきた。
 それは爆炎を背にして人型のなにかが零号機を抱えている。
 よくみるとそれは、

「げ、ゲッターだ!」

 誰かが叫んだ。作戦司令室のモニタに、どんどん速度を落としていく紅いゲッターロボ
の姿あったのだ。
 だが、少し形が違う。
 全体的にゲッターロボよりも大きいし、そのデザインも鋭角的だ。
 背中には悪魔の様な二対の翼が生えてそれが左右に大きく広がっていて、それがさらに
体を大きく見せている。

313 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/29(木) 18:16:24 ID:???
 やがて、ゲッターに似たものが空間で制止した。
 すでにアラエルはゲッタービームに包まれて消え去り、ジャガー号も霧散している
 勝利とみていいだろう。
 しかし、それより今はこの謎の物体の方がきにかかる。
 零号機の竜馬がうめくようにいった。

「真ゲッターだと……誰が乗っている」

 その問いかけに、ふっと零号機のモニタに女の姿が浮かびあがった。
 女は純白に赤く太いラインの走ったデザインのタイツの様に体に張り付いたスーツを着
てその細い肢体を示し、金髪の端正な顔に微笑を浮かべている。
 竜馬がそれを見るなり、ニヤリとなった。

「リツコか」
「ええ。今帰ったわ」
「来るのが遅えんだよ。おかげでジャガー号が粉々になっちまった。零号機も」
「代わりに持ってきたじゃない、真ゲッターロボを」
「だが、そいつはエンペラーになる前の……」

「私が造ったの。エンペラーの記憶を借りてね」
「どうやら、なにもかも覚えてきたらしいな」
「ええ。あなたたちの過去も、私たちの未来も。エンペラーのこと、終号機のこともね。
でも未来のシンジ君はエンペラーとは違う道を取ることを選んだわ」
「そうか……やはり、そうか。リツコよ、あとでとっくりと話してもらいてえな」
「もちろん。でも、今はみんなのところへ帰りましょう」

 会話は、すべて作戦司令室にも聞こえていたが、それが何の会話をしているのかは当人
同士以外には解るはずもなかった。
 その真理はこれから物語の終局にむけて語られていくだろう。

314 :ここまで:2007/11/29(木) 18:17:26 ID:???
 竜馬のいう真ゲッターロボは零号機の首筋に触れると、まるで水の中に腕をいれるよう
に突っ込んで中から竜馬の乗ったプラグを取り出してしまう。
 そして自身の胸に当てた。

 すると、プラグは真ゲッターに融合されるかのように消え去ってしまい、次に竜馬は真
ゲッターのコクピットへと身を移していた。
 まるでマジックを見ているようだった。

「零号機はもう大気圏突破には耐えられないわ。残念だけど……ここで放棄しましょう」

 リツコがそういうと、真ゲッターはふわりと零号機を体から離すと、しばらくそれを見
つめるように宇宙にたたずんだ後、くるりと地球の方へ向いてそちらへ向かうのだった。

315 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/29(木) 18:20:15 ID:???
ところで、
>>265
わざわざありがとう。
タイトルはそのまんまでどぞ。

316 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/29(木) 19:43:58 ID:???
GJ!
真ゲッターキタ───(・∀・)────!
てかプラグスーツ姿披露したり気合いでEVAをシンクロさせたり…やっぱり先がサッパリ読めないなw

317 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/29(木) 20:28:02 ID:???
零号機を失ったネルフは新たな希望、真ゲッターロボを手に入れた
帰ってきたリツコのいうエンペラーの記憶とは、終号機とは何か。謎は深まるばかり
シンジは、カオルは、レイとユイ、初号機の運命やいかに!
次回もこのスレッドにチェェェンジ、真ゲッタァァァァワン!

感想書こうと思ったら大決戦の次回予告みたいになっちまった。

318 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/29(木) 20:53:25 ID:???
走り出せ 夢見た明日へ 必ずいつか捕まえる

319 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/29(木) 22:54:31 ID:???
 __[警]
  (  ) ('A`)>>走り出せ 夢見た明日
  (  )Vノ )
   | |  | |

320 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/29(木) 23:14:31 ID:???
しかし回が進む度に面白くなってきているな
構成力が凄いよ

321 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/29(木) 23:35:17 ID:???
面白いという言葉すら追い付かない面白さ!
乙です!

しかし竜馬、プラグスーツ似合うのか…そうなのか…
なんか想像すると妙にドキドキするなw

322 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/30(金) 00:43:53 ID:???
アニメ版の、というか早乙女研究所時代のユニフォームを思い浮かべればいいのかな

323 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/30(金) 12:18:31 ID:???
貞本絵の竜馬ってどんなかな?

324 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/30(金) 13:07:32 ID:???
アスカのスーツの色違いだったりしてw

325 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/30(金) 14:08:19 ID:???
>>324
それは8話でアスカの予備のプラグスーツ着た
シンジ状態ということ…か?

326 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/30(金) 20:56:03 ID:???
>>273
>>315
ようやく、おいつきましたのでアドレスをUPします。
ttp://wikiwiki.jp/gettercross/です。
もっともゲッタークロスオーバーでググれば普通にでますが

327 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/30(金) 22:13:27 ID:???
>>326
うおおおお乙! 激しく乙! 凄まじく乙!
これは読みやすくていいなあー
まとめて読むと迫力や感動がまたひとしおだね

しかしこんなもの凄い量になってたんだ…
改めて神職人さんに敬服と乙です

328 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/30(金) 23:31:43 ID:???
職人さん凄いハイペースで書いてるもんなあ

329 :名無しさん氏んでも代わりはいるもの:2007/12/01(土) 00:28:20 ID:???
マジで超人としか言いようが無いです。ここまで凄まじいペースは見たこと無いです。

330 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/12/01(土) 08:05:26 ID:???
実は既に最終回まで書き溜めたのを推敲して投下してるんじゃないだろうか、ってくらいのハイペース

331 :名無しさん氏んでも代わりはいるもの:2007/12/01(土) 09:25:42 ID:???
>>330
合理的な手法ですな。確か、作家の篠田真由美氏も同じように作品を
書いていると聞きました。

332 :つづき:2007/12/01(土) 20:39:03 ID:???



 真ゲッターが地上に降りてくる。
 悪魔のようなコウモリ羽根を天高く広げ、零号機の代わりとなって帰ってくるその姿は
ネルフ本部の作戦司令室でもしっかりと確認されていた。
 それが新しいゲッターロボであることは、姿形や竜馬やリツコが乗っていることからす
ぐに理解できた。

 が、月の裏側から一瞬で地球にまで接近したことや、A.Tフィールドの防護もなく大気
圏を突破してきたはずだというのに、なにごともなかったかのようにしている様から、こ
のゲッターが果たしてどのような代物なのかは、誰にも予測がつかなかった。

 真ゲッターは、その身を第八ケイジへ降ろしていく。
 そして竜馬とリツコの二人が機体から降りて作戦司令室に入ると、ミサトをはじめとし
て全ての職員が待ちかまえていたかのように二人を迎えるのだった。
 まずゲンドウがリツコの生還に簡単な祝辞を述べると、本題に入っていく。
 彼女が見聞きしてきたことを、全て聞き取らねばならない。

 もはや、リツコが独断で身を隠したことについては誰も咎めようとはしない。そんな常
識で物を考えて行動する状況は、すでに去って久しいのだ。
 それよりも彼女のもたらした真ゲッターと情報が、この行き詰まった事態に対してどう
影響してくるのかが、リツコの帰りを待っていた者たちが知りたいことだった。
 やがて、リツコがゆっくりと口き、

「エンペラーでの出来事を話すわ」

 といった。
 さて、このあとは彼女に代わって筆をとろう。
 レリエルのディラックの海から、ゲッターエンペラー率いるゲッター艦隊に単身乗り込
んだリツコを待っていたものは種々にわたるが、順を追って説明していく。

333 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/12/01(土) 20:40:21 ID:???
 エンペラーの内部に入ったリツコはしばらく何も見えないままだったが、やがて気づい
た頃にはエンペラーの艦橋にいた。
 艦橋といっても、その空間が果てしなく四方に広がっており、とうてい人間の知覚力で
はその広さをつかめないほどだった。
 辺りには誰もおらず、リツコはしばらく呆然としているしかなかった。
 
 そうしていると、しばらくしてどこからか人影が現れた。
 本当にどこからともなくだった。
 リツコいる周囲は、広く見渡せる場所で死角になるものなどあるはずがないのに、いき
なり視界に現れたのだ。
 見えてきた人物に集中していくと、近づくにつれてその正体が明らかになっていく。
 と、その時リツコが息に詰まったような感覚を覚えた。

 なぜなら、己を出迎えたのであろうその人物は、流竜馬だったのだ。
 ぼろぼろのトレンチコート羽織ったいでたちのせいか、いつもより年を食ってみえるが
明らかに竜馬である。
 やがてそれは自分の目の前に来た。

「よく来たな」
「あ、あなたはゲッターロボの中にいたはず」

 驚くリツコを前に、彼女を出迎えた竜馬はこう言う。

「俺たちは様々な次元から集ってきた流竜馬だ。さっきまでお前と一緒にいた竜馬は、
その中の一人に過ぎん」

 さらりといってのける。
 リツコは、混乱しそうになりながらも、かつて竜馬から聞き知ったゲッターに関わる人
間たちは多次元に渡り、やがてエンペラーに集ってくる、という説明を思い出して頭脳を
冷却していく。

334 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/12/01(土) 20:41:24 ID:???
 が。
 必死に冷却しているところに、さらに超高熱の熱源を置かれるような事態が起こった。

「さて。お前をわざわざ呼んだのは他でもねえんだが……まあ、俺が説明するよりあいつ
に任せた方が早えだろう。おい、ナオコ。こっちに来な」

 ナオコ、という言葉にリツコがびくんと反応した。
 それは母の名前ではないか。
 単に同名の別人物だと思いたかったが、竜馬が二人も三人もいるような状況では死んだ
人間が出てきてもおかしくない。
 はたして、その予想は的中することになる。

「ひさしぶりね」

 と、どこからともなく白衣に身を包む妙齢の美人が現れる。

「か、母さんが、ど、どうしてここにいるの!?」

 完全に頭脳の冷却が追いつかなくなったリツコが、頭から湯気を出しそうになりながら
舌を噛み噛み、いう。
 するとそれに対して竜馬が、ナオコの肩を抱いてぐいと引き寄せると、

「いい女だったから俺のものにした」

 などと言い放つし、当のナオコもまんざらでなさそうな顔をしているのを見て、リツコ
は卒倒しそうになってしまう。

「どういうことなの、これは」
「ユイさんが私を覚えていたみたいよ。初号機の記憶を得たエンペラーが私を再生した。
 ……リツコ、そんな恐い目で見ないで、あなたの流竜馬を取るつもりはないから」

335 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/12/01(土) 20:42:43 ID:???
「ああッ」

 リツコは感情的に「なにをいっている」と叫びそうになったが理性がそれを止めた。
 冷静に考えればナオコのいっていることは、おかしいことではない。
 最初にいわれた通り、いま彼女の隣にいるのは自分が知る竜馬とは別次元の存在であり
ディラックの海で別れた竜馬とは別人物だ。

 たしかにそう考えるとこの竜馬は、自分の知るのとは女に対する態度も含めて、幾分か
違う部分があるのが見えてくる。
 まず最初感じた通り、歳をすこし食っている。
 それに自分の知る方は乱暴者ながらも行動の端々にちょっとした愛嬌があった。
 が、こちらは同じ粗暴であっても、どこか哀愁めいた冷たさを感じるのだ。
 通過した人生経験の差であろうか。

 考えれば解るのだが、しかしいざ現物をみると混乱もするし嫉妬を隠せない。
 が、そのあとになってさらに数人現れた竜馬を見てからは、もはや考えるのをやめた。
 その中の一人などは非常に若く、高校生ほどに見える上にやたらと礼儀も正しい。
 リツコは、

(もうなんでもいいわ)

 と現在の思考を放棄して一回深呼吸すると、今度は別の思考が回った。

(結局、同じ男に惹かれるとは。血は争えないのね……)

 である。
 はあっとため息をつくリツコ。
 母越えはならなかったか、と思うと同時に、こうなってくると些細な感情など、どうで
もよく感じてきてしまって含み笑いが漏れてしまう。

336 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/12/01(土) 20:43:47 ID:???
 これを落ち着いたか、という目でみたナオコが口を開く。

「あなたを呼んだ理由を説明する前に、現状の未来がどうなっているか教えるわ」

 あとの語りは以下に代筆していこう。
 それは、このようなことだった。

 ユイと共に宇宙をさまよっていた初号機と、LCLと化したシンジを含む地球生命のなれ
の果てがゲッターエンペラーに取り込まれその記憶の一部となると、ゲッター艦隊に生命
がLCL化していく被害がでたのは書いた通りだが、これはその元凶だったシンジを過去で
ゲッターに乗せて記憶させることで完全に処理した。

 ゲッターに元凶のこころを理解させることで、ヒトがLCLに還ってしまう事象を解き明
かして、次に細胞が侵入する異物への防壁を構築するかのごとくして、LCL化現象を停止
させたのである。

 そしてゲッターとひとつになった初号機は、やがてゲッター線の力を得てエヴァンゲリ
オン終号機として再生していった。
 それこそがディラックの海の中でみた、エンペラーと同じように宇宙を喰っていく果て
しない大きさの初号機の正体だ。

 だが。
 過去でシンジは竜馬から戦う意味を学び、父親との和解で心の居場所を見つけて確固た
る自我を成立させると、その影響を受けて終号機にもさらなる変化が生じてきた。

 自我を確立した人間が次に求めるものは、己が住まうべき社会の防衛だ。
 自分たちの文明をシトに、ましてやゲッター線にも奪われたくないという欲求がシンジ
の心の内にわき上がる。

 これに終号機は己のとるべき行動を再考し始め、やがてその思考は、我はただ時天空を
倒すための僚艦になるべきではない、という確信にまで至ったようだった。

337 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/12/01(土) 20:45:45 ID:???
 これを竜馬たちは承認する。
 なぜなら、ゲッター線の存在理由は対時天空用の兵器ということに過ぎないが、竜馬た
ちは、自分たち生命がそれのみでよしとは思っていない。
 だから自分たちを戦うための兵器として仕立て上げて躍らせた、大いなる意思も倒すつ
もりであったし、さらにその後の宇宙をどうするか、ということまで考えて戦っていた。

 ふるさとがあった場所(この場合は宇宙になるだろう)を守りたい、というのは生き物
が戦いにおもむく根源的な感情であるからだ。
 だが、それを考慮にいれて倒せるほど時天空という存在は甘くない。あるいは宇宙とい
う概念を消滅させなければ倒せないかもしれない相手だった。
 では、なにもかもを犠牲にした上で、時天空を倒し、大いなる意思をも打倒することに
なんの意味があるのか。

 竜馬たちは密かに悩みもしたが、その中でエヴァが竜馬たちを驚かせたことがあった。
 終号機は最初こそエンペラーと同様の進化を遂げたが、進化を重ねていくにつれて、だ
んだんと戦う神というよりも、世界を生み出す神という性格が表れていったのだ。

 それは終号機の内部にまるで、太陽系を模したかのような小さな宇宙が構築されていく
ことで表現される。
 住まうべき世界が欲しい、というシンジの願いによるものだろう。
 エヴァンゲリオン、すなわち「福音」の名に相応しい進化だった。

 竜馬たちはこれにひとつの希望を見いだしたのだ。
 どれだけスケールが大きくなろうとも、乱世には英雄が、治世には能臣がそれぞれ自分
たちの世界というものを守る。人の世とはそういうものだ。

 つまり、時天空という全宇宙の危機を打破する力がゲッターならば、全てが終わった後
の宇宙に平定をもたらす知恵はエヴァにこそある。
 それでこそ、真に自分たちの戦いは終結に向かうと考えたのだ。

338 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/12/01(土) 20:46:53 ID:???
 だが、過去において人類補完計画を阻止できなければ、せっかくの可能性を見せた終号
機も再びもとの姿へと還り、すべてはうたかたの夢となって潰えてしまう。
 それは、虚しいことだ。
 さらに過去ではシンジにインベーダーが寄生し、終号機の可能性どころか地球の生命体
の可能性すらも奪われようとしている。

「そこで、リツコ。あなたが必要になる」
「私が?」
「私たちの世界からインベーダーという寄生虫を一掃するための力、真ゲッターロボをあ
なた自身の手で造って、過去に持ち帰るのよ。そしてエヴァの可能性を紡いで。
 そのためのエンペラーの記憶を全て伝えるために私は居る」

 そこから先、どのようにしてナオコからエンペラーの記憶を継承したかはリツコ本人も
覚えていなかった。
 ただ無我夢中で真ゲッターロボを造っていたことだけが、強烈なイメージとなって残っ
ている。
 完成までにどれほどの時間がかかっただろうか。
 たった一人での作業だ。
 もしかすると、数百年の単位が流れていたかもしれない。
 気の遠くなるような作業の末、やがて完成した機体に乗り込むリツコに、竜馬が白いパ
イロットスーツと、もうひとつ淡い緑色のスーツを手にもってやってきた。
 それをリツコに押しつけながら言う。

「よくやってくれた。俺の手でインベーダーをぶっ殺せねえのが心残りだが、お前の会っ
た竜馬は戦闘力にかけちゃ一番だ、こういう事にゃ適任だろう。バカだがな」
「人の男にケチつけないでほしいわね」
「俺の文句を俺がいってなにが悪い。さあ、もう行け」

 と、リツコは追い出されるようにエンペラーから離脱すると、コクピットの中でレバー
を握って真ゲッターに息吹を与える。

339 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/12/01(土) 20:47:57 ID:???
 すれば、今まで経験したこともなかったような軌道で空間を跳ね返るように動きながら
亜空間に突入していき、気がつけば遠くに地球が見えるところに居た。

 そこでリツコはふと、先の真ゲッターの異常機動に何事もなく耐えられた自分の体に違
和感を覚えた。かつてのゲッターでさえ、乗りこなすのに特殊スーツが要ったのに、今着
ているものは単なる繊維素材を縫い合わせたものに過ぎない。
 ではなぜか、という自問をするがいくらやっても答えが出ない。
 やがて考えるのにも疲れて、

「エンペラーにいる間に体も強化されちゃったのね、たぶん」

 と、思うことにした。
 ゲッターに触れていると論理的思考をことごとく否定されてしまうので、感覚で信じる
しかないのだ。
 そして、宇宙で危機におちいっていた竜馬を救出してネルフ本部に帰るに至った。
 これがリツコがエンペラーの中で経験してきたことの全てである。
 
 さて。
 ここまでリツコの弁を代筆してきたが、彼女は上記のことを水が流れるように喋ったあ
と、最後にゲンドウを見ていった。

「碇司令。母から言い伝えがあります」
「……なにかね」
「遊びすぎて正妻から、じいさんは用済みなどと言われません様に。だ、そうですわ」

 ネルフ職員の面前で、しれ、と言い放つリツコ。
 これにしばらくゲンドウは反応を見せずにいたままだったが、やがて、ふっと顔を下げ
た後に息を大きく吸ったかと思うと、空砲でも撃ったかのように大笑いしだした。
 あまりに笑いすぎて息がつづかなくなるほどであり、寡黙なゲンドウのイメージが、が
らがらと音をたてて崩れ去るほどだった。

340 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/12/01(土) 20:48:39 ID:???
支援

341 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/12/01(土) 20:49:03 ID:???
 隣に立っていた冬月ですらも、ゲンドウの気が違ってしまったのではないかと不安げに
その姿を見ていたが、しばらくして笑いが収まる頃になるとずれた眼鏡をなおしながら、
こういうのだった。

「そうか。彼女がそういっていたか……忠告は承っておくとする」
「それはよかった。まあ、痴話はこの程度にしておきましょう……それよりも、そろそろ
来ます。最後のシトが」

 というと、リツコは作戦司令室のメインスクリーンに振り向いた。
 それとほぼ同時に箱根の山岳部上空に、ヒトのDNA構造がそのまま巨大な立体となって
円を描いたような光り輝く物体が現れる。
 シゲルがその波長パターンを確認すると、

「青、パターン青です。間違いありません、シトです」

 リツコのいうことを裏付けになった。
 少なくとも裏死海文書を信じるとすれば、カヲルがインベーダーに寄生された以上はこ
れがシトとの最後の戦いになるであろう。

 ネルフの目的がゼーレの壊滅である以上、職員たちも既に敵のシナリオは知っている。
 下級の職員たちは今まで自分たちのしてきたことの、ほとんどが予定調和の出来事だっ
たという事実に反感を覚えもしたが、逆に倒すべき敵の姿が明確になったことで意思の統
一もはかられた。
 それゆえにシトの出現そのものを驚くことはないが、シトの正体や特徴、形まで予測で
きていたわけでない。
 第一、そこまで解っているならばカヲルの侵入を防げていただろう。

 まあ、それはともあれこの場では最後のシトに抗戦せねばならない。
 ネルフはこの第一三シトをアルミサエルと名付けた。
 しかし対策を考えるミサトが、螺旋状の帯が空中をただよう姿を見ていると、ヒトの
DNAを連想するというよりも巨大な単細胞生物でも見ているような気分になってしまい、

342 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/12/01(土) 20:50:30 ID:???
「うぅん。なんかネタ切れしましたって感じねぇ……」

 と、呆れ半分になる。
 たしかに今までの相手に比べるとヒモが空中に浮いているようであり、戦意というもの
をおよそ感じられない姿ではあった。
 だが、ゼルエルのように鈍重そうな外見でその実、ゲッターすら圧倒する凶悪な性能を
もっていたりする可能性もあるので油断はできない。

「幸い新しい戦力があるけど、敵の動きが解らない以上は……」

 と心配するミサトをよそに、竜馬は「作戦なんかいらねえよ」とリツコを引き連れてケ
イジに走るかたわら、アスカに顔をむけた。

「なによ」

 と、アスカが嫌な予感を感じてひき気味に応じると、予感があたった。

「することがないなら、おめえも来い!」

 嫌だ、とアスカは意思を示そうとするがその前に腕を取られて、かつてシンジが強制的
にゲッターに乗せられたのと同じように、彼女は拉致されてしまう。
 もの凄い力で引っ張られるアスカが痛みを訴えて竜馬から離脱するが、この男が一度言
い出せば、どんな事でも無理矢理実現してしまうのを思い出して、逃げるのは止めた。
 しかしだからといってただ大人しくは従うほど従順ではないのが、惣流・アスカ・ラン
グレーという人物だった。
 彼女は真ゲッターに乗る条件として、

「イーグルに乗せなさい。同じ赤なら気も紛れるから」

 と主張する。

343 :ここまで:2007/12/01(土) 20:57:16 ID:???
 実際は色はどうでもよく、せめてメインパイロットなら面目も保てると考えたのだが、
ゲッター1を主とする竜馬からは反発が来るかと思いきや、乗る、となったらあとは大人
しいもので、

「好きにしろ」

 というだけだった。
 アスカは、

(加持さんみたいに大人びてるかと思ったら、シンジより子供っぽい言動もするから本当
に理解しにくい)

 と思いながらも竜馬の背中を追いかけて、やがて第八ケイジにたたずむ真ゲッターに辿
りつくと、真イーグルの部位あたる胸に乗り込んでいった。
 なお真ジャガーが竜馬、真ベアーがリツコの順だ。
 アスカの視界に初めて座るゲッターロボのコクピット風景が映る。
 操縦はシンジから聞き知った程度の知識で十分だ。
 彼女の学習能力が高いのもあるが、それだけゲッターの操縦は容易なのだ。
 しかしアスカは、

「それでもエヴァに慣れてると複雑に見える。操縦システムはエヴァの方が上ね」

 と、小生意気に自分優位を崩さない。
 ただそういう生意気な言動に出られるということは、少し元気が出ている証でもある。

「能書きはいいからとっとと起動しやがれ!」
「わかってるわよ! 真ゲッターロボ、起動開始!!」


>>326
超GJ。これで他のSSがいつでも読めるようになる。
……ちなみに、書き溜めとか無理。ここまで書けたのも全部のレスが参考になってです。本当に感謝。

344 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/12/01(土) 21:10:04 ID:???
最後の使徒?あれ2体ほど少ないような。まあこの世界ではゲッター線の影響で
死海文書が書き換わったんだろうな。原作だとレイが自爆することになった使徒だけど
真ゲッターのかませにしかならんだろうな、ロボット物のお約束として新機体が出てきたときの敵
は瞬殺されるからな

345 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/12/01(土) 21:19:42 ID:???
コミック寄りの真ゲッターvsアルミサエル……壮絶な融合同化合戦の予感…

346 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/12/01(土) 21:23:09 ID:???
初パワーアップ合体回なのにフルボッコにされる奴を見た気がするが何だったか忘れた。

347 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/12/01(土) 21:33:47 ID:???
というか、ゲッターに限っては新メカ初登場回大苦戦も大いにありでは。
テレビ版なんか
プロトゲッター(初登場回で撃墜され乗員全員死亡)
無印ゲッター(死ななかったのが不思議な惨敗)、
ゲッターG(第一話で結局敵を倒せない程の苦戦)
という有り様だし。

348 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/12/01(土) 21:48:57 ID:???
>>343
ほとんど即興でこれだけの内容をこれだけのハイペースで書いていなさるんならその方が凄いよ、
っつうかあなたの部屋はゲッター値が通常の100倍以上に達してるんじゃありませんかい?

349 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/12/01(土) 22:03:40 ID:???
よみがえったケンイシカワが書いてるに違いない。

350 :名無しさん@お腹いっぱい:2007/12/01(土) 22:07:55 ID:???
>>348
激しく同意!! ・・・もはや言葉もありません。


351 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/12/01(土) 22:18:40 ID:???
ブラック真ゲッター到着記念パピコ。
インベーダーに寄生された真ゲみたいだわw
あと職人さんGJ

352 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/12/01(土) 22:30:10 ID:???
竜馬だらけwww
TV版もいるのかw

353 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/12/01(土) 22:45:14 ID:???
いつぞや引用されてた竜馬会議も日常的にやってるんだろうなあ。

354 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/12/01(土) 22:55:50 ID:???
チェンゲ竜馬出た!そして新竜馬をバカ発言wwwまさにゲッター会議www
竜馬がジャガーで良かった。ベアーに乗ったら全部持っていきかねんww

どっちにせよ今来たアルミは掟破りの逆融合で取り込まれるんだろうがな。

355 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/12/02(日) 00:49:28 ID:???
職人さん本当にGJ

この話の竜馬は新ゲverだったのか
ずっとチェンゲのやつで想像してたよ
リツコがあった竜馬達の中にはすごく筋肉隆々で顔に傷がある長髪の空手師範とか
リツコは竜馬のバリエーションだと思ったけど実は號だった、とか
え、この小坊主も竜馬?みたいな実はタイールとか
いろいろいたのかね

356 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/12/02(日) 02:45:20 ID:???
そういえば一応ゲットマシンに分離はしてるんだ?>ここの真ゲッター
エントリープラグをすり抜けるように抜き取ったり吸収したりしてたんで
原作版號時点の一体化モーフィングチェンジ式かなとも思ってたんだが

357 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/12/02(日) 08:05:06 ID:???
チェンゲなら隼人とかもいるんだろうな
顔に傷のあるハンサム(キチ)ガイとか
みんなの父ちゃん弁慶とか

にしても本当ムサい

358 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/12/02(日) 09:18:35 ID:???
それがイイんじゃないかぁ!>ムサい
誰も少女漫画的に超絶美形なゲッターチームなんぞ求めとりゃせんわ
きっとorz

359 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/12/02(日) 13:20:45 ID:???
>>358
>少女漫画的に超絶美形なゲッターチーム

全次元の中にはそういうのもいたりしてw
他にも北○○拳っぽいのとか高○留○子っぽいのとか
藤○不二○っぽいのとか色々と
でもこいつらお互いになんて呼び合ってんだろ?
みんな竜馬だもんなあ…ややこしいw







関係ないけど、チェンゲ竜馬とナオコさんが出来上がってて
ちょっちショックを受けた自分にorz

360 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/12/02(日) 13:35:48 ID:???
アークを見る限り竜馬は押しに弱そうだ

361 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/12/02(日) 15:28:10 ID:???
漫画版はあれよあれよという間に「なんでこんなことに」ってタイプだなw

362 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/12/02(日) 15:58:30 ID:???
>>359
師範さん(漫画版)
TVさん
真さん
ネオさん
新さん
ひろしげさん
こんな感じじゃね?

あ、ひろしげは行ってないか

363 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/12/02(日) 16:03:24 ID:???
小説だっけ?>ひろしげ

364 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/12/02(日) 16:56:16 ID:???
>>363
うん
つかこれだと名前がひろしげみたいだな

365 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/12/02(日) 17:02:59 ID:???
たかしげ?

たかしげ宙+皆川コンビのゲッターが見たかった。
そんな時期が俺にも(ry

366 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/12/02(日) 17:05:39 ID:???
やべーひろしげで納得してたwww

たかしげ版は続いてほしかったな。

367 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/12/02(日) 18:01:32 ID:???
あれwww
ひろしげだと思ってたwww

この後作品にバグが出て来たら大変な事になるね

368 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/12/02(日) 20:19:56 ID:???
>>354-355
以前の描写等から漫画版の竜馬っぽくもある。エンペラー経由で記憶が混ざってるのかもしれないが。

369 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/12/02(日) 20:24:26 ID:???
この竜馬の中にはムサシが出撃できない竜馬と隼人の変わりにジャンボマシンダーと犬を
ゲットマシンに乗せた時にウ○コ漏らした竜馬もいるんだろうかw

370 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/12/02(日) 20:44:04 ID:???
記憶と経験は共有してるが、性格と身体能力はそれぞれ違うとかそんな感じかね

371 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/12/02(日) 20:51:38 ID:???
>>369
だとしたら新ゲ竜馬あたりが真っ先にこっぴどくからかいそうだなw

372 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/12/02(日) 21:42:36 ID:???
そして命がけの大ゲンカ勃発w

373 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/12/02(日) 21:50:49 ID:???
ファイナルゲッタートマホークvsファイナルゲッタートマホーク

374 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/12/02(日) 23:42:43 ID:???








375 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/12/03(月) 01:56:38 ID:???
多元宇宙の無限さからすれば、
『竜馬と武蔵が前後して死に、来栖丈と大枯文次が隼人と組んで
  その後の歴史を紡いでいった』世界とか、
『一岩・竜馬・拓馬の親子三代でゲッターを動かし戦った』次元とかも
あったりしたのだろうか。

376 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/12/03(月) 02:30:41 ID:???
そりゃあ無限だからな。
恐竜軍団の生き残りが強奪したGでゲッターチームを撃破した後、目覚めちゃった世界なんてのや
博士、ミチル、達人での家族ゲッターチームやら(達人死亡後Gで元気搭乗)
早乙女、敷島、風巻での博士チームもあったかもしれないなあ

377 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/12/03(月) 05:43:16 ID:???
一号機 ゴール
二号機 ブライ
三号機 號と見せかけて清明

何と戦うのやら

378 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/12/03(月) 07:39:44 ID:???
>>377
そこは清明よりランドウじゃないか?

379 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/12/03(月) 16:55:50 ID:???
>>377-378
何かそんな敵を大決戦コミックで見たような…

380 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/12/03(月) 18:55:41 ID:???
ゲッターウザーラ(ブライ操縦:ウザーラがモチーフ)
ゲッターダイ(ゴール操縦:無敵戦艦ダイがry)
ゲッタームウ(ランドウ操縦:デビラ・ムウがry)
総称は…ゲッターデーモン、だったかな?
それにしてもあの三人超ノリノリであるだったが。

381 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/12/03(月) 19:40:36 ID:???
神谷声の竜馬と石川声の竜馬がいるわけか。

382 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/12/03(月) 21:03:34 ID:???
>ゲッターウザーラ(ブライ操縦:ウザーラがモチーフ)

真ドラゴンかよ!

383 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/12/03(月) 21:26:10 ID:???
OVAチェンゲの最終決戦とどっちが先だったっけ?

384 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/12/03(月) 22:45:59 ID:???
ゲッターウザーラは大決戦のアンソロだからOVAの方が先のような希ガス。

385 :つづき:2007/12/03(月) 22:51:04 ID:???
「わかってるわよ! 真ゲッターロボ、起動開始!!」

 アスカの言葉と共に、真ゲッターの両眼に黒い瞳が宿った。
 その悪魔のような羽根が左右に開き、そして真ゲッターの頭部が出撃してゆくべき空へ
つながる天井へと向く。
 なお、エレベータはかつてのゲッターの時はサイズが合ったので使用することもできた
が大型化している真ゲッターは、自力で飛び立つしかない。
 真ゲッターにとってエレベータ口は狭く、傷を付けないように発進するのはすこし手間
が要るだろう。
 アスカは出撃すべくレバーを握りしめるが、このとき竜馬から通信が割り入る。

「抑えろよ。こいつの出力はハンパじゃねえ、下手に全開をかますとネルフが吹っ飛ぶ」
「う、うるさいわね! 素人じゃないんだから発進から全開なんてしないわよ!」

 と、派手好きなのが災いしてうっかり全開に倒してしまいそうだったところに図星をつ
かれて顔を真っ赤にするアスカが、そっとレバーを倒した。
 しかし、

「ひぇっ」

 と悲鳴が漏れるほどの圧力が体全体に掛かったかと思うと、真ゲッターは一瞬でエレベ
ータ口へ突入して上昇していってしまい、途中の曲がり角を全て破壊しながらあっという
間にネルフ上空まで到達してしまった。
 結局、発進は失敗に終わった。竜馬の激が飛ぶ。

「バカヤローッ! だから抑えろっていったろが!!」
「抑えたわよ! い、いいのよ敵を倒せば!」

 アスカはそう言いながらも、壊してしまった射出口を見る。
 ネルフがただでさえゼーレからの支援が止まって資金繰りにあえいでいることを考えて
気分が重くなったが、しかし、出撃してしまった以上はシトを倒さねばならない。

386 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/12/03(月) 22:52:38 ID:???
(なにさ! ゲッターぐらい操ってみせるわよ!)

 と、気合いを入れ直して再びレバーに手をかけるとさきほどの失敗を参考に、力そのも
ので御そうとはせずに、エヴァの時と同じように感覚で動かした。
 すれば、今度は面白いほど思い通りに動いていくれる。
 前進、後退、上昇、下降、旋回、停止、全て思うがままだ。
 しかもそのどれもが、普通の人間であれば瞬時に内蔵を潰されて死んでしまうであろう
驚異的な速度をもって実現する。

 さらに感覚を深めていくと、直線を瞬間移動のように動いては停止し、そしてまた別の
ベクトルに向かって瞬間移動していくという、力学を完全に無視した動きすら真ゲッター
は披露していく。
 ちょっと思いついてみて、五芒星……つまりクリスマススターの形になるように一筆書
きの要領で動いてみれば、まさに指で星の形を描くかのように飛び回る。
 さすがのアスカもこの無茶苦茶さには、ため息をついた。
 これだけの動きについてこられる相手など、少なくとも地球上にはあり得ないだろう。

「悔しいけど、これは凄いと認めるわ」

 というが、逆にそれを聞く竜馬の方はアスカに驚いていたようだった。

「初乗りで真ゲッターをここまで操れるとは……将造が見込むだけのこたぁあるな。だが
遊んでる場合じゃねえぞ、敵はすぐそこだ!」

 竜馬のいう通り、アルミサエルが目前へと迫っている。
 アスカが真ゲッターに戦闘態勢を取らせぐっ、とボクシングのような体勢に屈む。
 するとシトが、定点回転を止めると形状を変えてくる。今度は一つのリング状の姿にな
るとムチのようにしなって動いてきたのだ。
 最初、威嚇しているようにも見えたのだが、どうも様子が違う。

「なんか、妙に動きがコミカルなんだけど……」

387 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/12/03(月) 22:53:41 ID:???
 と、こちらへ襲いかかってくるでもなくヘビのようにのたうち回るアルミサエルを見て
アスカが毒気を抜かれたような顔になる。
 それが作戦か、と構えもしたが、それでも敵は襲ってこない。
 だが、下手に先制攻撃を仕掛ければ、どんな罠が待ちかまえているかもわからないので
真ゲッターは屈んだまま体勢で固まったまま、こう着状態となってしまう。
 どうしたらいいのか解らず、アスカが、

「なんなのよコイツ!」

 と、しびれを切らしてわめいた。
 リツコが「落ち着いて」となだめるが、もともと竜馬に負けず劣らず喧嘩っ早いアスカ
だからどうにもならない。
 もう攻撃する、といわんばかりの表情になってレバーに手をかけると、その時アルミサ
エルが再び形を変えていくのが見えた。
 それは、

「ひ……ヒト!?」

 丁度、マッチで棒人間を作るかのような形状になっていくアルミサエルは、真ゲッター
の前で直立する姿勢になると、やがて棒一本の腰を折り曲げて、上半身といえる部分を下
げてきた。
 つまり「おじぎ」の姿勢を取ったのだ。

「バカにして! 絶対にぶっ殺す!!」

 これにますますアスカが怒りをたぎらせていくが、ここでふと竜馬がなにかに感づいた
ようだった。

「待て、アスカ――前のシトは人間の心を知ろうとした。もしやこいつ、俺が礼儀を知れ
といったのを実践しているのかもしれん」
「あんたバカぁ!? いやバカでしょ!!」
「うるせえ! 見ろ!」

388 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/12/03(月) 22:54:55 ID:???
 と、竜馬がいうとアルミサエルが形作る棒人間は、つぎに腕に当たる部分を差し出してきたのだ。
 握手、ということだろうか。
 これを見て、

「いいだろう」

 と竜馬が、真イーグルから操縦系統を奪うと真ゲッターの太い腕を差し出してアルミサ
エルのそれへと重ねていく。
 そして、腕と腕が完全に重なり合ったとき、それは起った。

(……アラエルにより、我らアダムの子はついに真の使命を悟った。我らはタブリスを救
い全てを彼に託す。そのための力、いまこそゲッターに貸そう)

 竜馬にリツコにアスカに、真ゲッターに乗った三人の頭のなかに深く響く声が幾重にも
なって反響していく。
 それはまごう事なきシト、アルミサエルの声だった。
 さらに流れ込んでくるものは声のみでない。
 人間がエンペラーのような超存在をイメージするのと同じに、シトを理解すべきイメー
ジが濁流のように流れ込んでくるのだ。

 そのイメージから察するに。
 やはり先のシト、アラエルが放った光は竜馬のいった通り、ヒトの心を理解しようとす
る行動であったようだ。
 そして竜馬から全時空の有り様を学び取った彼らの下した結論は、人類との対立ではな
くエヴァンゲリオンが終号機へと成熟するまでの間、その番人となることだった。
 進化もできず、寿命により死ぬこともできないが、ならばこそ永遠の命をもってでしか
成しえない守護を果たそうと、彼らは想った。
 その溢れるようなイメージを受け取る竜馬がいう。

「じゃあおめえは身を犠牲にしてシンジとカヲルを救う気か。健気なこった」
(我らにとって、生と死は等価値だ。恐れる必要はない)
「そうかよ」

389 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/12/03(月) 22:55:57 ID:???
 そうしてアルミサエルがひときわ大きく光り輝いたかと思うと、棒人間だった形が崩れ
て不定形と変じていく。
 そして真ゲッターの腕に触れていた部分へと集約していき、同時にその全身にアルミサ
エルの光が宿っていくと、青白く発光した。
 まるで光の巨人だ。
 各コクピットの視界は真っ白となるが、しかし機体の状態を示すモニタにはゲッター線
エネルギーが急上昇していくのがはっきりと示されていた。

「すごい……」

 思わず、リツコが漏らす。
 自身が一から造った機械であっても、その能力は未知数なところが多いのが実のところ
であったのだ。
 これがシトの融合によるものなのか、それともゲッターロボ自身がシトの意思を受けて
潜在能力を発揮しはじめたのか、それらは果たして推測するしかない。

 そして、その様子は作戦司令部からでもはっきりと視覚できていた。
 こちらでは、発光する真ゲッターから感知される精神波長のパターンが青、オレンジ、
赤、白と目まぐるしく変化していくのが確認できた。
 パターンの意味は再度記すが、各波長の色は青がシト、オレンジがヒト、赤がこれで初
登場となるがゲッター線を示すものであり、白が正体不明だ。

「な、なにが起こっているの……」

 ミサトがうめいた。
 先から理解に苦しむ出来事ばかり起きるが、今度もそれを見ているしかない人間たちに
とっては何が起きているのかまったく理解ができない。
 せいぜい、ゲッターとシトが融合していくという物理的事象を観測できる程度だ。
 しかも上のように波長が目まぐるしく変わるものだから、それがゲッターによる行動な
のかシトの攻撃なのかすら判断できない。
 だが、とりあえず竜馬達が危機にさらされた訳ではないことは、やがて発光が収まった
真ゲッターより、通信が入ったことではっきりする。

390 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/12/03(月) 22:57:16 ID:???
同盟が成立しやがったwwwww支援

391 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/12/03(月) 22:57:35 ID:???
 メインスクリーンに現れた竜馬を見て、ミサトがコンソールに食いついた。

「ど、どうしたのリョウ君、なにがあったの!? シトはっ」
「心配するな。奴は力を貸してくれる」
「えっ……?」
「とらわれのシンジ姫とカヲル姫を助けるってぇ、共通目的が出来たんだよ」
「でも、インベーダーに寄生された者を助けることはできないっていったじゃない」
「確かにそういった。だがな、どうやらこのアルミホイルとかいうやつもインベーダーみ
てえな能力があるらしいぜ。こいつとゲッターの力が合わされば、あるいは」

 アルミサエルよバカ、とミサトが言いかけて飲み込んだ。
 シトには悪いがそんな重箱の隅をつつくようなことはこの際、どうでもいい。
 それよりも、予想だにせぬシトの助太刀により、絶望的と思われていたシンジの救出に
一筋の光が差してきたことは特筆すべき事柄だったろう。
 真ゲッターが帰還してくる。
 その通信越しからは、アスカが操縦を取るなとわめき立てていたが、いまは誰もそれに
反応している余裕がない。

「シトとヒトが、手を組む時が来るとはな。厄介な敵も時には良い作用を働かせる」

 冬月がつぶやくと、ゲンドウが応じて頷くのであった。

「これで、いよいよ敵が動くな」
「奴らがどうしてくると思うね」
「人類補完計画を実行しようとするならば、その邪魔となる我々は消そうとするだろう。
情報によれば、各国で量産型が相次いで完成しているそうだ」
「早いな……こちらの戦力を整えさせる気はない、ということか」
「ああ。おそらく我々以外のゼーレ関連組織はすべてインベーダーの占領下にあると考え
ていいだろう。奴らとてゲッターを甘く見ているとは思えん。大攻勢がいまに始まる」
「我々は孤立無援ということか」
「……そうとは限らんさ」

392 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/12/03(月) 23:01:26 ID:???
「ん。どういうことかね」

 いぶしかむ冬月にゲンドウはニヤリと意味深に笑って茶を濁すのだった。

・・・

 そして、アルミサエルが真ゲッターの内に姿を消してからしばらくの時が流れた。
 インベーダーの大攻勢を見越したゲンドウの指示によってネルフの各位は、対抗戦に向
けて残った戦力をいつでもフル稼働できるように、再び不眠不休となって復旧作業に没頭している。
 特に今まで難航していた兵装と施設の修繕はリツコの復帰によって、見違えるほど効率が上がった。

 いや、というよりもリツコの持つ技術が、その姿を消す以前とは桁違いにハイレベルな
ものへと変貌していたのだ。
 彼女が加わった後は瞬く間に弐號機が復活したのは無論のこと、ロンギヌスの槍によっ
て受けたネルフ本部の被害もほぼ元通りとなった上に、資金が許す限りの追加武装が施さ
れて、さながらジオフロントは地下要塞ともいうべき様相を呈していた。
 以下にはその詳細を記していこう。

 まず、リツコの持ってきた真ゲッターだが、これをいつでも実戦可能なように調整して
いるのはいうまでもないだろう。
 今後の戦闘において、主軸となるのは間違いない。
 ただし、あまりにも出力が高すぎるゆえに、かつてゲッターに乗ったことのあるミサト
やゲンドウも耐えることができず、事実上のパイロットは竜馬とリツコだけだ。
 レイはいまだ倒れたままで、それどころか日を追うごとに容体が悪くなっていく始末で
戦うことは到底できそうにないし、アスカは弐號機に搭乗するので、除外する。

 その弐號機の改修強化策だが、ジャガー号の損失により事実上の戦闘不能となったブラ
ックゲッターより、さらにベアー号を解体して得られた装甲素材「合成鋼G」を加工して
弐號機の装甲板として用いた。
 原理は不明だが、合成鋼Gを身にまとうことで素体を拘束する必要がなくなってエヴァ
本来の力を引き出す事に成功したのと、また肩に設置されたコンテナ部に収納できるスペ
ースが異常増大している。

393 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/12/03(月) 23:02:37 ID:???
 これに、いくつかの追加装備を内蔵させた。
 ひとつはマゴロク・エクスターミネート・ソードという、白兵装備だ。
 形状は日本刀の中で最も長大な大太刀を、そっくそのまま四〇メートルの巨人サイズに
巨大化させた様な代物であるが、たたら製鉄によって造ったということはない。
 仮に造ったとしても自重で崩壊してしまうだろう。

 リツコいわく真ゲッター用のゲッタートマホークを参考にしているとのことだったが、
その威力がどれほどかは、書くまでもなく知れ渡っているだろうから省く。
 この刀の破壊力はそれに追随するはずだ。
 それにアスカ自身が軍刀の扱いに慣れているので、大きな戦力となってくれるだろう。

 加えて、専用火器として対空ミサイルマシンガンを二丁製造した。
 これは敷島のエヴァ用の新型火器案として以前の稿で出現しているが、その名の通りに
対空ミサイルを、雨あられと撃ち出す脅威の兵器だ。
 片腕で用いることのできる設計を活かして、二丁の同時射撃による大破壊を望めた。
 資金に限りがあるゆえ、弾は装弾した分のみの使い切りとなったが、数が許す限りのN2
弾頭を組み込んで当初の敷島案通りの破壊力を実現している。

 N2爆発による被害は、計画では命中と同時に弐號機のA.Tフィールドを飛ばして標的を
包囲することで抑える予定である。
 が、うまくいくかどうかは解らない。インベーダーという途方もない敵が相手であるの
でもはや被害には目をつむっているのがじつのところだった。

 また、余ったイーグル号だがこれにはベアー号のブースターを追加して真イーグル並の
飛行速度を持たせた。
 ただし、単純に出力を増加しただけなので、ただでさえ扱いにくいのが、もはや制御不
能の暴走弾丸と化してしまっている。
 ほとんど特攻機にしか見えないということで、技術部のスタッフたちから桜花というあ
だ名がつけられてしまった。
 桜花とは、旧海軍によって大戦末期に製造された特攻専用機だ。巨大な爆弾を背負って
敵艦に体当たりするという豪儀なものだが、敵の機体にくらべて絶対速度が足りないせい
で、その犠牲に見合った戦果が得られない代物でもあった。

394 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/12/03(月) 23:03:46 ID:???
 ただ本物と違うところは、このイーグル号がひとたび発進すれば敵が感づいた時にはす
でに命中しているということだった。

 そしてネルフ本部そのものの強化だ。
 本来、戦闘施設としての役割は第三新東京市そのものが担っているので、ネルフ本部は
あくまで司令部としての能力しか持っていない。
 むしろ、エヴァを初めとした人類補完計画を推し進める上での研究施設としての性格の
方が強いであろう。もちろん、今は計画に対抗する拠点であるが。

 すでに第三新東京市そのものは度重なる損害で、要塞としての能力を失っている。
 仮に市が生きていたとしても相手はゼーレやシンジを取り込んだインベーダーであり、
こちらの構造を完全に把握しているのだ。
 潜られてジオフロントに侵入されれば一巻の終わりである。

 そこで、ネルフ本部そのものを改造して戦闘に対応できるようにした。
 もっとも資金が限られているし、その多くは真ゲッターと弐號機へ回っていったので、
出来たことは少ない。
 リツコは残り少ない資金を活用するため、ネルフ本部の各箇所にトラップを仕掛けてい
った。まるで忍者屋敷のように仕掛けを知らぬ者が踏み入れば、たちどころにそれらが作
動して仕留めていくようになっている。

 そして、こちらが重要なのだがネルフの頭脳、というより全館の維持を司る生命線とも
いえる統括コンピュータMAGIの防衛だ。
 いくら物理的に防衛しようとも外部からのクラッキングによりMAGIを占拠されてしまえ
ば、たちどころにネルフ本部は機能を停止させてしまう。
 リツコは対策を考えていたが、ひょんなことからその手段は講じられることになる。
 彼女が真ゲッターの調整作業をしている最中、接続したコンピュータのモニタに、ふと
「イロウル」という単語を示す数字が現れたのだ。

 最初、どこからかクラッキングを受けたと思ったリツコは防衛しようとコンピュータの
キーをタッチしていたが、いつの間にかプログラムの打ち合いによるチャットをしている
ような状態になっていった。

395 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/12/03(月) 23:04:51 ID:???
 不思議な対話を続ける内、やがて「イロウル」というのが、どうやら一種のファイアウ
ォールのような存在だということが解ると、最後に「イロウルをMAGIへ」というメッセー
ジが現れてコンピュータがフリーズしてしまう。

 原因がわからず困り果てていると、コクピットの外で変な音がした。
 驚いてコクピットから顔を覗かせてみれば、真ゲッターの体からいくつもの管が伸びて
あちこちの壁に付き刺さっているではないか。
 リツコはアルミサエルに真ゲッターを乗っ取っられたかと思って、それを竜馬へ知らせ
るべく急ぎ作戦司令室へと走ったのだが、たどり着いてみるとなにやらマヤが黄色い声を
あげている。

「どうしたのっ」

 と、聞いてみると、

「先輩! これはゲッターの能力なんですか!?」

 と、マヤはそのMAGIを制御するモニタのひとつを指してはしゃぎながらいった。
 見れば新しいプログラムの適用が表示されており「イロウル」と表示されている。
 調べてみると、たしかにファイアウォール型のプログラムがいつの間にかMAGIに流れ込
んでいたのだ。
 調査すると「イロウル」はまるで人体におけるマクロファージのような性能をもってい
ることが判明する。
 なお、マクロファージとは白血球の一種であり体内に侵入したウィルスや細菌、死んだ
細胞などを捕食して消化する働きをするものだ。

 さらにリツコを驚かせたのは「イロウル」は未知の種のプログラムが相手であっても、
それに合わせて自己進化・自己増殖を瞬時に行い、あらゆるクラッキングに対応し、逆に
クラッキング元へ、上記と同様の性能を破壊活動に転化させたエージェントを送り込む事
すら行うものであることだった。
 まさに難攻不落の要塞プログラムである。

396 :ここまで:2007/12/03(月) 23:06:00 ID:???
 この「イロウル」が真ゲッターから流れ込んだのは、MAGIを構成する各パーティション
であるバルタザール・メルキオール・カスパーのそれぞれに物理的に接続された謎の管を
見てもわかる。
 が、リツコはそれが真ゲッターの能力ものでなく、おそらくアルミサエルによるものだ
ろうと推測した。

 というのも、ゲッター線によって成立する存在はどちらかというと、理論は無視してな
んでも力任せに攻撃したり防衛したりする傾向があるからだ。
 たとえば、ゲッターロボは自身にクラッキングを受けたとすれば、そのクラッキングを
している相手の元へ直接飛んで物理的に叩きつぶすだろう。
 たとえ時空の壁を越えてでも、だ。

 データの応酬をデータでする、などという回りくどく地味な方法は絶対に取らない。
 永い時間をエンペラーで過ごしたリツコには、そう確信するものがあったのだ。
 そう思って解析していくと、どこかで「アルミサエルより」という意味を示す数字が羅列
されている部分を発見した。

「やっぱり。シトも可愛いところがあるのね」

 と、リツコが独りで笑うのを、他の職員が不気味そうに見つめていた。

397 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/12/03(月) 23:08:09 ID:???
イロウルもktkrwwwwwwww
支援!


398 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/12/03(月) 23:12:03 ID:???
と、終わってしまったか



まずはGJ!
アルミサエルが融合したり弐号機がパワーアップしたりイロウルがファイアーウォールになったりと展開が全く読めないぜwwwww

399 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/12/03(月) 23:19:05 ID:???
予測をはるかにぶっとんでるぜ。まさかこうなるとはな。さあ次回はインベーダーゼーレとの全面戦争だ

400 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/12/03(月) 23:50:40 ID:???
GJッ!!
でも終わりに近づいてるっぽいから寂しくなるなぁ(´・ω・`)

401 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/12/04(火) 00:00:07 ID:???
ここまでワクワクするSSは初めてだで!

402 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/12/04(火) 00:06:02 ID:???
使徒がこんなに可愛い奴らだったともっと早く分っていたら
傷つけあわずに済んだのに・・・。

403 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/12/04(火) 00:10:00 ID:???
人とシトの共闘…感動でマジ体が震えた…

しかしなんて凄い神職人が現れたんだ
リアルタイムで接することができて、
このスレにいる皆と感動が分かち合えて、
ホントに幸せだよ

404 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/12/04(火) 00:40:21 ID:???
誰か今回の真ゲッターとアルミサエルの握手とか、プラグスーツ竜馬とか
ゲンドウ呵呵大笑とかインベーダーシンジ君カヲル君とか、あるいは
エヴァ終号機の想像図とか描いてのけるゲッター線重度吸収済神絵師はいないのか

405 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/12/04(火) 01:26:36 ID:???
>>404
眼で見るんじゃない、心で見るんだ。
ほら、もう見えているだろう?

406 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/12/04(火) 01:35:50 ID:???
試しにやってみたら「ド」と「ワ」と「オ」の文字しか見えなかったぜ

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