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あの作品のキャラがルイズに召喚されました part67

1 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 23:17:17 ID:EHJ3Ers6
もしもゼロの使い魔のルイズが召喚したのがサイトではなかったら?そんなifを語るスレ。


あの作品のキャラがルイズに召喚されました part66
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1190989916/

まとめwiki
http://www35.atwiki.jp/anozero/
避難所
http://jbbs.livedoor.jp/otaku/9616/

--------------------------------------------------------------------------------

    _              ■ 注意事項よ! ちゃんと聞きなさいよね! ■
    〃 ` ヽ  .   ・雑談、SS、共に書き込む前のリロードは忘れないでよ!ただでさえ勢いが速いんだから!
    l lf小从} l /   ちゃんと空気を読まないと、ひどいんだからね!
   ノハ{*゚ヮ゚ノハ/,.   ・投下をする前には、必ず投下予告をしなさいよ!投下終了の宣言も忘れちゃだめなんだからね!
  ((/} )犬({つ'    ・ 投下してるの? し、支援してあげてもいいんだからね!
   / '"/_jl〉` j,    ・興味のないSS? そんなもの、「スルー」の魔法を使えばいいじゃない!
   ヽ_/ィヘ_)〜′   ・まとめの更新は気づいた人がやらなきゃダメなんだからね!
              ・議論や荒らしへの反応は、避難所でやりなさい!

--------------------------------------------------------------------------------
     _
     〃  ^ヽ      ・クロス元が18禁作品であっても、SSの内容が非18禁である場合は本スレへの投下で問題ないわ。
    J{  ハ从{_,     ・SSの内容が18禁な展開をする場合はクロス元に関わらず、本スレではなく避難所への投下をお願いね?
    ノルノー゚ノjし      ・クロス元が型月作品のSSは、本スレでも避難所でもルイズの『錬金』のように危険よ。やめておいてね。
   /く{ {丈} }つ     ・クロスはお互いを尊重しなきゃだめ。一方的なのはモテないわよ?
   l く/_jlム! |      ・不要な荒れを防ぐには、sage進行もいいんじゃないかしら。
   レ-ヘじフ〜l         ・次スレは>>950から。お願いね?テンプレはwikiの左メニューを参照よ。

2 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 15:56:00 ID:QWPwQdOq
スレが被ったんで、ちょっとテストに使わせて頂きます。悪意ある書き込みではないので、ご了承を…orz

あいうえおかきくけこさしすせそたちつてとなにぬねのはひふへほばびぶべぼぱぴぷぺぽまみむめもらりるれろあいうえおかきくけこさしすせそたちつてとなにぬねのはひふへほばびぶべぼぱぴぷぺぽまみむめもらりるれろあいうえおかきくけこさしすせそたちつてとなにぬねの

3 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 15:57:51 ID:QWPwQdOq
あいうえおかきくけこさしすせそたちつてとなにぬねのはひふへほばびぶべぼぱぴぷぺぽまみむめもらりるれろあいうえおかきくけこさしすせそたちつてとなにぬねのはひふへほばびぶべぼぱぴぷぺぽまみむめもらりるれろあいうえおかきくけこさしすせそたちつてとなにぬねのはひふ

4 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 17:27:36 ID:qbXMyaXk
文字数チェックご苦労様です。
一応、こっちのスレは(残ってれば)part68として再利用すると思います。

5 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 20:10:47 ID:TxUuDSbd
前スレ

あの作品のキャラがルイズに召喚されました part67
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1191161817/l50


★お知らせ★★★★★★★★★★★★★★★★
まとめwikiのお絵描き掲示板が正式稼動しました。
それに関連して避難所に絵板スレが立っています。
絵師さんがいましたら是非一度ご確認ください。
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★


6 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 23:40:43 ID:BYstP3dL
こ、このスレは「あの作品のキャラがルイズに召喚されました part68」なんだからね!間違えないでよね!

7 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 01:22:29 ID:v6mOKUHO
いい>>1に弱い僕は、誘われるままにホイホイ乙しちゃったのだ♪

8 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 05:58:01 ID:ZKlQGIdz
乙れー

9 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 10:19:34 ID:y2oX890z
>>1
乙!
…というか今ニコ動でEAT-MAN見て時間つぶし中ww

10 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 11:20:13 ID:B28OPufV
>>9
ニート乙
チラ裏乙

11 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 12:38:51 ID:z8tffdH9
前スレ>>849
この板のスレの最大容量がだいたい500KBで、それを超えるとレスできなくなるんだよ。
でもって500KBゲットおめでとう。

12 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 12:41:17 ID:iQh+cunJ
恒例の1000取りがないと少し寂しいな

13 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 12:42:30 ID:gUGWBjgw
そういや容量オーバーで次スレって初めてじゃね?

14 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 12:47:36 ID:hfXC8o81
見てきた
29、30が500KBで次スレだった

15 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 12:52:23 ID:gUGWBjgw
じゃあ今回が3回目か。
ssの投下が多いってことだから、我々読者にはありがたいことだなぁ

16 :前スレ849:2007/10/03(水) 12:52:26 ID:QXxtoClR
>11
わざわざ説明してくれてサンクス
ただ、自分が書き込む前に既に500になってたんで誰なのかな?と思ったんですよ

17 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 13:15:31 ID:VUSLDDAZ
いや、多分お主は意味解っていないと思うw
まあなんだ専ブラの左下の方をじっと見れば、このスレには書き込めないなーとか解るもんなのだ。
大概は書き込もうとしても出来なくてそこでやっと気付くことが多いが、あの流れならそれもありえない訳で。

18 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 15:06:09 ID:aW3QEauU
ふむ、寄せて上げるものか。

19 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 15:09:18 ID:OWhAILZx
無いものは無い。

20 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 16:02:24 ID:vQHk3uPr
誰か秘伝のバストアップマッサージ法を会得してるキャラを召喚すれば吉
そして揉んで貰えば吉

21 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 16:32:06 ID:kOUL3Hs+
キャラクターが全て巨乳になるような作品から呼んだらどうだ
いつの間にか感染して不自然なバストになるルイズ・タバサ

22 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 16:32:59 ID:W5DcILtK
>>21
ロボぽん?

23 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 16:37:09 ID:HNglHGKa
>>22
それだと足の太さも凄いことになるな

24 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 16:40:39 ID:j80N6cb2
トライガンからガンホー全員召喚ってのはどう?

25 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 16:51:25 ID:/bPZdWOF
エイケン……

26 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 16:52:57 ID:AUItWAQZ
魔乳忍法乳流れとかどうだろうか?

27 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 17:09:48 ID:B28OPufV
>>24
一発ネタにしかなんねーよ

28 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 17:11:48 ID:/AItw1KX
>>21
後期のこち亀

29 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 17:12:38 ID:4APFqP/g
静留さんなら喜んで揉んでくれるだろう。
もれなく喰われるけどw

30 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 17:16:27 ID:AT04xQVx
シズルさんって聞いて一瞬安楽椅子使い魔とか連想したよ。
安楽椅子っつーかベッドから出ないで何でも推理する使い魔。
「ルイズ、その犯人はミス・ロングビルよ」

31 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 17:19:52 ID:71s2QXiF
恐怖のキョーちゃん召喚したら物凄い事になりそうだ

32 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 17:28:18 ID:eyt4uXRD
龍造寺淳平、小宮山愛理、井上律子、セシリア・マクレールの4人と呪文のかけらが召喚され、
元の世界に帰るために、(なぜか)メイジにプリントされた呪文を探して旅をする
名づけてメイジを狩る者たちはどうだろうか?

33 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 17:34:23 ID:czWYtDSO
残念ながら既出だ。
狩る対象は虚無の担い手だが。

34 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 17:37:40 ID:NWuR0EdF
>>15
SSの投下が多いというよりも、雑談が少なくなっているんだと思う。

>>32
それ小ネタであった。

「ゼロを狩るモノたち」

http://www35.atwiki.jp/anozero/pages/1458.html

35 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 17:43:01 ID:6/KtMGe8
EAT-MANか。ボルト召喚はどうなんだろ?

・・・いや、むしろハードの方が合うかな?

36 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 17:44:05 ID:znuH6H7N
作品を投下します

三回目で駄文ですが、お願いしますね

37 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 17:44:50 ID:zEtWl4he
あs

38 :GTA:LCS-0 第三回:2007/10/03(水) 17:45:23 ID:znuH6H7N
ここの貴族と言うか、メイジと言うか、股の緩いのが多いのか?思春期と言うのはどいつもこいつもこんな感じか……。いやいや、そんな
事を考えている暇なんてない。
「あれは……ゼロのルイズの……」
俺の姿を見て反応する二人。まぁ当然か。人間呼んだだけでもあの騒ぎなのだ、そんな俺が全力疾走で駆けていれば嫌でも目立つだろう。
横を見ずに駆け、突き抜けるように表に飛び出す。しかし状況に猶予はない。明らかに後ろからルイズとそれ以外の人間の声が聞こえる。
「いいから捕まえて!!」
まずい、見下していたがこうも行動が早いとは……庭に出た俺は、咄嗟に持って来た手榴弾のピンを抜いて明後日の方向に投げ、何食わぬ
顔でそのまま走り抜ける。

ドゴオオォォォォオオン……!!

「キャア!!」
「なっ何!!?」
手榴弾が炸裂。爆音に驚いた後から来たルイズ達は地響きと共に尻餅を付いている。少しばかり時間稼ぎできるか……余計に別の学生が
何人か色めきたててしまったが、ここから先は何とかなるだろう。急いで別の入り口に飛び込み、今度は逆にメイジを探す事にした。何せ
コルベールの部屋を知らない。ちんたらしていても、地の利で負ける。

39 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 17:45:39 ID:wKUiFHB7
支援

40 :GTA:LCS-0 第三回:2007/10/03(水) 17:48:53 ID:znuH6H7N
手榴弾の効果は予想以上に効果的だったようだ。探すまでもなく、大勢のメイジが賑やかに(?)騒いでいる。大方手榴弾の炸裂に驚いた
メイジのガキ共だろうが、興奮しているこいつらではダメだ。一歩下がった奴に……丁度良いのが居た。
「姉ちゃん姉ちゃん、そうそうアンタだ」
金髪で前髪をオールバックにして、大きな赤いリボンをつけた後ろ髪が満遍なくロールしている姉ちゃんが一歩離れた場所で事の推移を
確かめている。そんな姉ちゃんに声をかけるとキョロキョロと見渡すが、自分以外誰も居ないと悟ると自分に指を指して『私?』という
ジャスチャ―をする。
「貴方はゼロのル……」
「すまねぇ、悠長に話している時間がねぇんだ。少しトラブルが起きて、つるむ事になったルイズが癇癪起してな、Mr.コルベールを
 呼びたいのだが生憎と部屋が分からなくてね……」
大げさにするために半分大嘘を並べて言うと、ニコニコと笑いながらこう答えた。
「有り得るわね。それは困るでしょ……いいわ、付いていらっしゃい」
「助かったぜ、恩に着る」
助かった。喧騒を背に俺はこの姉ちゃんの背に付いていき、やれやれ、何とかこの場は切り抜けることが出来たか。
「ねぇ、さっきのけたたましい音は何が起こったのかしら?」
「ああ、あのルイズが俺に魔法をかけたんだよ」
本当は俺の手榴弾だが、こう言っておけば切り抜けられるから不思議だ。ルイズには悪いがこう言っておく必要がある。
「ここよ」
「助かったぜ姉ちゃん、この借りは必ず返すぜ……姉ちゃん名前は?」
「モンモランシー・マルガリタ・ラ・フェール・ド・モンモランシ」
こりゃまた長い名前だな……。
「待ちなさい、貴方の名前は?」
「トニー・シプリアーニだ、恩に着るぜ」

41 :GTA:LCS-0 第三回:2007/10/03(水) 17:51:02 ID:znuH6H7N
――…コルベールの自室。
「……それは困りましたな……」
「あの『お嬢様』には困ったものだ」
半分嫌味にしか聞こえない言い方で言う。
「俺にはこの世界の金や財と呼べるものがない。食事とかの手配を頼みたいのだが……」
「……うーん……そうか、厨房に行って話をつけましょう。一人分の食事くらい準備できるでしょうから」
「流石教師の立場にある人だ、話がわかるぜ」

――…食堂。
「美味いな……恩に着るぜ、Mr.コルベールとえーと……」
「マルトーだ」
この世界に強制的に来させられて初めての食事だ。しかしながら空気の良さや思った以上に高級と言っても差し障りない物が出て来て
相当美味かった。
「すまないな、こんな美味い料理を用意してくれてな。ママ以上に美味い」
礼のつもりで言った言葉だが、マルトーは少々眉をぴくっとさせる。
「それはどう言う意味かい?」
ああ、なるほど。けなされたと思ってしまったのか。
「ん?……ああ、別の意味で捉えてしまったか。俺たちイタリア人はな、どんなに美味い飯を食べても最後には『ママの料理の方が美味い』
 って言っちまう人種なんだよ。習慣的なものでね……意味合い的には飛び切り美味いって言ってるんだよ」
そう補足するとマルトーは表情を崩す。てっきり馬鹿にされたと思ったのだろうよ。
「口が上手いな、気に入ったぜ。腹減ったら来ると良い、一人分の食事を用意するくらい手間じゃないぜ」
「有り難い」
「子供とは言え貴族だ……舌肥えちまって文句ばっかり出てきやがる……その点、今の言葉は嬉しかったぜ」

42 :GTA:LCS-0 第三回:2007/10/03(水) 17:53:24 ID:znuH6H7N
そこまで嬉しがられるとは思わなかったが、言われて気分が悪い物ではない。だが、食事が終わり一息ついた頃、大勢の生徒が食堂に乗り
込んできた。勿論ルイズが先頭で。
「見つけたわよ!!」
「遅ぇよ」
俺の姿を見た大勢のメイジ達は一瞬で棒切れのような物を此方に向けてくる。これが拳銃かなんかだったら、チェックメイトなんだろうがな。
「やめなさい!手を下ろしなさい!!」
そんな光景を見たコルベールは一瞬で生徒達を一喝する。大方の生徒たちはコルベールの姿を見て『なんで先生が居るんだ?』と言う顔で
思わず手を下ろす。だがルイズとキュルケ、応急処置された金髪の優男は手を下ろそうとしない。
「Mr.コルベール、その男は危険です!!」
「言うに事欠いて何を言ってるんですかミス・ヴァリエール!……それ程説教を受けたいと言うならそれも良いでしょう……ミス・ヴァリエール
 とミス・ツェルプストー、Mr.グラモン、三名とも私の自室に来なさい……」
穏やかそうな人が怒ると怖いものだ、あっという間に全員パクられた。大勢居たメイジも戦意喪失したのか、しげしげと集団が解散されていく。
「しかし何があったんだ……アンタ…そう言やアンタの名前を聞いてなかったな」
「トニー・シプリアーニ、トニーと呼んでくれて結構だ」
「トニー、どうだい?ここにワインがあるんだが飲むか?」
おお、今日の夕食には酒付きか……こりゃ有り難いな。
「それは嬉しいな、頂くよ」


今回のおまけ

mission completed!


ルイズの部屋に棍棒が届いた。

43 :GTA:LCS-0 第三回:2007/10/03(水) 17:55:28 ID:znuH6H7N
今回はこれでおしまいです。

失礼します。

44 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 18:30:18 ID:lKVqlQuy
なんというGTA
こいつは間違いなく群衆の中でショットガンをぶっ放す

45 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 19:29:52 ID:dULR5myf
( ・3・)アルェ〜?

46 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 19:49:36 ID:LobCXr/s
世渡り上手いなトニーw

47 :子守唄:2007/10/03(水) 19:51:41 ID:coPf9xWr
箱根のみなさーん! 投下するものですよー!


48 :白き使い魔への子守唄 1/7:2007/10/03(水) 19:53:25 ID:coPf9xWr
「出たな土くれのフーケ!」
ハクオロが威勢よく叫ぶかたわらで、タバサが竜巻を、キュルケが火の玉を魔法で出す。
だが竜巻がぶつかっても、炎に焼かれても、ゴーレムはものともしない。
「退却」
タバサが呟き、三人は小屋から飛び出した。
どうせもう天照らすものは奪還している、逃げ切れば任務は達成だ。
森の中へ逃げ込もうとしながら、ハクオロはルイズの姿を探す。
ゴーレムは自分達を追いかけようとしていて、ルイズは、そのゴーレムの後ろ。
杖を向けて詠唱をしていると思ったら、ゴーレムの頭部が爆発した。
キュルケとタバサの魔法でも傷ひとつつかなかったゴーレムが、
失敗魔法の爆発で頭部を吹き飛ばされる。

   第8話 集う力

「やった!」
確かな手応えにルイズは喜んだが、ゴーレムの頭部はすぐさま新たな土がふさいでしまった。
どうやら地面についている足から土を補給したらしい。
「ルイズ! いくら攻撃しても復元されてはいずれ追い詰められる! 逃げるんだ!」
「嫌よ! あいつを捕まえて、私が『ゼロ』じゃないって事を証明するの!」
ゴーレムは天照らすものを持つハクオロ達と、攻撃をしてくるルイズに挟まれ、
どちらの相手をしようか迷うような素振りを見せた。
立ち止まってデルフリンガーを抜いたハクオロは、ゴーレムに向かって剣を構える。
「よう相棒、いきなりピンチみてーだね」
「ルイズ! 君が『ゼロ』でない事は私が知っている、無茶をするんじゃない!」
言葉の通りピンチ真っ盛りだったためデルフリンガーの言葉はスルーされた。
そしてハクオロはルイズに説得の言葉を向けながらも、遠目ながらに彼女の目を見て、
強い意志の色を感じ取り口で下がらせるのは無理だろうと悟る。
それを肯定するように、ルイズは叫び返した。
「私にだって貴族としてのプライドがあるわ。だから絶対に退けない!
 魔法を使える者ではなく、決して敵から退かない勇敢な者をこそ貴族と呼ぶのよ!」
「聞く耳持たずか……!」
ゴーレムは矛先をルイズに決め、その巨体を向け拳を振り上げた。
一歩も退こうとしないルイズは再び魔法を詠唱、ゴーレムの胸を爆発させる。
人間一人分くらいのくぼみができたが、ぶ厚い胸板の前では小さすぎる穴だった。
構わずゴーレムは拳を振り下ろす。
間に合わ――。

「ウインド・ブレイク」

ハクオロの横を突風が駆け抜け、ゴーレムの拳よりも早くルイズに直撃した。
「ひゃあっ!?」
吹っ飛ばされたルイズがいた場所を、地響きを起こすほどの力でゴーレムが殴る。
土砂が飛び散り、数メイルほど飛ばされ地面に転がったルイズの髪にかかった。
ハクオロは一瞬だけ背後へ視線を向け、タバサが杖を突き出している姿を確認。
心の中で礼を言いながら、ハクオロはゴーレムの股の下を潜り抜けルイズを抱き起こした。
「大丈夫か!?」
「お、お星様がぐるぐる回ってるぅ〜」

49 :白き使い魔への子守唄 2/7:2007/10/03(水) 19:54:51 ID:coPf9xWr
どうやら頭を打ったらしく、すぐには動けない様子だ。
そこに再びゴーレムの拳が迫る、今度は横から払うようにだ。
ルイズを突き飛ばし、拳の軌道からそらしたハクオロは、
自身も拳に当たらないよう後ろに跳ねつつ、
眼前の地面をえぐった巨腕にデルフリンガーを力いっぱい振り下ろす。
「ぬぅん!」
刀身の長さの問題があって切断には至らなかったが、
見事ゴーレムの腕を半ばまで切り裂いた。
ゴーレムが腕を上げるや、切れ込みのせいで肘から先を支え切れず、
切り込みの部分からブツンとちぎれた腕が地面に落下する。
その隙にハクオロはルイズをもう一度抱き起こした。
「早く逃げるぞ」
「うっ、うう……イヤよ、私は……」
駄目だ。ルイズが自発的に逃げようとしてくれなければ、どうにもならない。
ルイズを抱きかかえて逃げようとしても、ゴーレムに追いつかれて潰される。
今すぐ行動を起こさねばゴーレムの次なる一撃を受けてしまう。
どうすれば。
「乗って」
舞い降りる空色のドラゴン。
「これは!?」
「タバサの使い魔、風竜のシルフィードよ!」
風竜の背中に乗っていたキュルケが、風竜の着地と同時に両手を伸ばす。
その両手に、ハクオロはルイズを押し付けた。
緊急事態なので、キュルケは急いでルイズを引き上げる。
続いてハクオロも乗り込もうとしたが、突然シルフィードが飛び立った。
同時にハクオロは振り向き様に剣を構え、迫っていたゴーレムの拳を刀身で受ける。
「グアッ!」
数メイルほど地面を転がるハクオロ。
構わずタバサはシルフィードを上昇させる。下手に助けようとしたら、こっちまで危ない。
「タバサ! ダーリンを助けないと!」
「……隙を作らないと無理」
キュルケは駄目で元々と思いファイヤーボールを使おうとしたが、
精神力の無駄遣いは避けた方がいいとタバサに咎められ、自分達の無力に苛立った。
と、そこでルイズの頭の中で回っていたお星様が消えた。
「うぅっ?」
まだ少し頭がクラクラして目がチカチカするが、とりあえずまともな思考が可能になる。
「うー……あれ? ここどこ?」
「シルフィードの背中よ」
「シル……えっと、確かタバサの使い魔。……ハクオロは?」
「下」
タバサが短く答え、ルイズは言われた方向を見た。
ゴーレムの振り回す拳をギリギリでかわし、避け切れない時は剣でガードし吹っ飛ばされる。
「は、ハクオロが! ハクオロを助けないと!」
「だから、今手を考えてるんじゃない! あんたはちょっと黙ってなさい!」
「でも……あっ!」
ルイズはタバサが持っている黒い箱を見ると、いきなりそれを掴み取った。
その行動にタバサが驚くと同時に、ルイズはシルフィードから飛び降りる。
「もうっ! アレを使うつもりなんでしょうけど……」
キュルケはレビテーションでルイズの落下を遅めながら、
天照らすものにディテクトマジックをかけた時、何の反応も示さなかった事を思い出した。
形や使い方こそ知らないものの、噂では天照らすものは強力なマジックアイテムで、
凄まじい破壊力を持つ魔法を放てるという物らしい。
しかしそれは眉唾だったようだ。
ディテクトマジックに反応しない、すなわちマジックアイテムじゃない。
天照らすものは、何の能力も持たない、ただの装飾用の、

50 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 19:55:02 ID:zEtWl4he
グレンラガンまだ〜

51 :白き使い魔への子守唄 3/7:2007/10/03(水) 19:56:35 ID:coPf9xWr
「腕輪!?」
黒い箱を開けたルイズは、中から出てきた腕輪を見て、一瞬困惑した。
変わった装飾の腕輪には、蒼く輝く丸い宝石がついており、
その中で蒼い光が渦が巻いているという非常に美しい球だった。
だが、きっとこの宝石にすごい魔力が秘められているのだろう。
ここに来る途中、天照らすものの形や使い方をみんなで想像してみた時、
キュルケが噂話で強力な破壊の光を放てるっぽいような感じだとか言っていた。
真偽はともかく、今はそれに賭けるしかない。
ルイズは右手で天照らすものを掴むと、箱を放り捨て、左腕に装着した。
少々ゆとりを持って着けれる程度の使いやすいサイズ。
ルイズは、ゴーレムの頭と同じくらいの高さまで降りている事に気づくと、
左腕を真っ直ぐゴーレムに向けて叫んだ。

「天照らすものよ!」

デルフリンガーを杖代わりにして身体を支えているハクオロが、
その声に気づいて見上げ、ルイズが何をしようとしているのかに気づく。
ゴーレムもまた、ルイズに気がつき顔を上げた。

「あのゴーレムを……」

ルイズはコモンマジックしか使えない。系統魔法はなぜか爆発する。
でも、マジックアイテムなら話は別だ。
使い方さえ解っていれば、平民でさえ扱えるのだから。

「やっつけなさい!!」

叫んでから気づいた。
ノリでゴーレムに天照らすものを着けた腕を向けてるけど、使い方、知らない。
効力を発揮させるためにどうすればいいのか?
何かキーワードを言えばいいのか、腕を決まった形に動かせばいいのか、
あるいは魔力を流し込むだとか、何らかの魔法と併用して使うのではとか、
とにかく使い方が全然解らないのにこんな恰好つけて登場して使えませんでしたでは、
相当恥ずかしい上、ハクオロどころか自分も殺されかねない危険な状況。

ルイズは、左腕に、力を込めた。
ルイズが自覚して起こした行動はそれくらいだった。
ただ蒼い宝石の腕輪に、天照らすものに、どうか力を発揮してと願って……。

空が、天が、光る。

52 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 19:58:00 ID:LobCXr/s
支援

53 :白き使い魔への子守唄 4/7:2007/10/03(水) 19:58:01 ID:coPf9xWr
「え」
ルイズは眩き閃光を呆然と見つめた。
「これは……」
ハクオロは天空から降り注ぐ光の柱がゴーレムを撃つのを見た。
「天照らすもの……」
キュルケは呆然と、その秘宝の名を呟く。
「……雷光?」
タバサは光の正体に気づき驚愕する。

稲妻、雷を操る魔法は高等技術だ。
風系統のメイジ、最低でもトライアングル、理想を言えばスクウェアの実力者が、
風と水の系統を絶妙なバランスで融合させ制御しなければ、電撃は発生しない。
仮にできたとしても、精々人間一人を攻撃する程度が限度のはず。
とはいえその威力は絶大。
特別な防具でもつけていない限り、メイジの放った電撃は確実に命を奪うほど強力無比。
だというのに、今目の前に降り注いでいる稲妻の柱は十本近くある。

青白く放電する雷撃の柱はバツの時を描くように降り注ぎ、
ゴーレムの巨体に五本以上の稲妻が突き刺さって消えていった。
威力は相当のものらしく、表面がボロボロと崩れ落ちゴーレムは一回り小さくなる。
だがまだ戦えるとばかりに両手を振り上げてルイズを捕まえようとした。
その途端、ルイズにかけられていたレビテーションが切れ急速に落下する。
「ひゃあっ!?」
天照らすものの威力にキュルケが驚いたため切れたのだが、
それが幸いしてゴーレムの手から逃れたルイズは、下にいたハクオロにキャッチされる。
「ルイズ、大丈夫か!? ……まったく、無茶をする」
「つ、使い魔を見捨てるような奴を、貴族とは呼ばないもの」
「そうか」
ハクオロはルイズを地面に降ろしながら、青白い雷光を思い返していた。
何かが、記憶を、駆け巡る。
そして、突如思考がスパークする。

「タバサ! 雪風という二つ名、雪や氷を使えるならそれでゴーレムを攻撃しろ!」
言われて、タバサは即座に詠唱を開始した。
なるほど、一瞬でこんな作戦を思いつくなんて、彼はとても賢い。
しかしハクオロの作戦を瞬時に把握し、一番適切な魔法を唱えるタバサの洞察力も見事。
「ラグーズ・ウォータル・イス・イーサ・ウィンデ」
詠唱が完成、杖をゴーレムに向ける。
「ウィンディ・アイシクル」
何十にも及ぶ氷の矢が空中に生まれ、ゴーレムの全身に飛来する。
矢は次々とゴーレムの身体に突き刺さる。頭部、肩、腕、胸などに。
しかし氷の矢をいくら撃ち込まれても、ゴーレムはものともしない耐久力を持つ。

「キュルケ! ゴーレムに刺さった氷を炎で溶かせ!」
続いてハクオロの指示が飛ぶ。
もうこうなったら彼に任せようと、キュルケは短い詠唱をして、
杖の先から蛇のように細長い炎を放ちゴーレムに刺さった氷を狙って這い回させた。
氷を溶かすならこの程度の炎で十分だが、もちろんダメージは無い。

54 :白き使い魔への子守唄 5/7:2007/10/03(水) 19:59:28 ID:coPf9xWr
「ルイズ! 今一度『クスカミの腕輪』で稲妻を放て!」
天照らすものの使い方を本能的に理解している自分に驚きながら、
ルイズは左腕に、腕輪に、天照らすものに、魔法とは違う力を込める。
「降り注げ、天照らす雷光ッ!!」
スクウェアメイジにも不可能な雷撃の猛襲。
天空から大地へと突き刺さる光の柱は、ゴーレムに直撃し表面を走る。
しかし、ゴーレムに突き刺さった氷が、溶かされ水となり、染み込んで、
伝導体として働きゴーレムの内部にまで電流を走らせ蹂躙する。
ゴーレムの全身がヒビ割れていき、土砂崩れのように崩壊していった。

「やった……」
勝利のための最後の引き金を引いたルイズは、内から込み上げる歓喜に震える。
無論これが自分一人の力によるものではないと理解している。
ハクオロが命じ、タバサが氷を突き刺し、キュルケが溶かし、ルイズが稲妻を落とす。

四人の力が集ったからこその勝利。
それがどうしようもなく嬉しかった。

その喜びを、真っ先に彼に伝えようとして。
「ハクオ……」
「いかん! 逃げろ!」
突き飛ばされるルイズ。
離れていくハクオロ。
その上から降り注ぐ大量の土。
「うわ、あっ……」
ゴーレムの残骸の下敷きなり、土の中へと彼の姿が消えていく。
「は、ハクオロ! ハクオロー!」
完全にゴーレムが崩れ去り静かになると、ルイズは慌ててハクオロを掘り起こそうと、
大量の土砂を素手で必死に掻き分けた。
そこにシルフィードに乗ったキュルケとタバサも降りてくる。
「ダーリンが生き埋めだなんて! タバサ、風の魔法で土を吹き飛ばして!」
「解った」
「お待ちください」
タバサが詠唱を始めようとすると、森の中から制止する声がした。
振り向けば、ミス・ロングビルが杖を持って駆け寄ってきている。
「ミス・ロングビル! 今までどこに……来るのが遅すぎるわ!」
「ごめんなさいミス・ツェルプストー。それより、風の魔法で土砂を飛ばすなんて危険です。
 ここは土のメイジである私に任せてください」
そう言ってロングビルはキュルケとタバサを下がらせる。
そして、まだ土を素手で掘り返そうとしているルイズの左腕を掴んだ。
「さあ、ミス・ヴァリエールも」
「ミス・ロングビル! お願いします、急いで!」
「ええ」
微笑を浮かべながらうなずいたロングビルは、ルイズの左手首から、腕輪を抜いた。
その行為に、ルイズは「え?」と疑問の声を漏らす。
刹那、ロングビルは自身の左腕に天照らすものを着けると、後ろに跳んで距離を取った。
「杖を捨てて、その場から動かないで。逆らったらこの腕輪を使うわよ」
「み、ミス・ロングビル!? いったい何の……」
「さっきのゴーレムを操ってたのは、私よ」

55 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 20:00:37 ID:BsL2Mk/B
支援

56 :白き使い魔への子守唄 6/7:2007/10/03(水) 20:01:46 ID:coPf9xWr
そう言いながら、ロングビルは眼鏡を外し、その場に捨てた。
タバサが杖をロングビルに向けようとしたが、すぐさまロングビルは腕輪をタバサに向ける。
「動くな! そう言ったはずよ。雷に撃たれたくなかったら、杖を捨てなさい」
きゅっと唇をきつく閉じたタバサは、言われた通り杖をその場に捨てた。
それを見たキュルケも渋々杖を捨て、ルイズも杖を手放す。
するとフーケは、捨てられた杖をレビテーションで浮かばせると、
自分の足元まで移動させ、腕輪を着けた左腕を下ろして、杖を持つ右手を三人に向ける。
その動作の意図が読めず、ルイズ達は困惑した。
「さて、ミス・ヴァリエール。あなたに質問があるわ」
「……何よ」
「この腕輪、天照らすもの……どうやって使うのかしら?」
「……え?」
「実を言うとね、この『天照らすもの』……盗んだはいいけど使い方が解らなかったの。
 魔力を流しても効果は無いし、ディテクトマジックで調べても反応しないし。
 そこで学院から追っ手をおびき寄せて罠にかけ、
 使い方を教えてもらおうと考えていたのよ。まさか生徒が来るとは計算外だったけど、
 幸運にもあなたは使い方を知っていた……さあ、使い方を教えなさい。
 さもないと、あなたのお友達を殺すわ。その程度の魔法を使う力は残してあるの」
酷薄な笑みを浮かべ嬉々として語るロングビル、いや、フーケを前に、
ルイズは仲間を殺されるかもしれないという恐怖で身体がすくんでしまった。
天照らすものの使い方を教えれば、助かるかもしれない。でも。
「わ、解らないわ! 夢中だったから、どうやったかなんて、覚えてない」
「夢中……ね。まあ、信じて上げるわ」
「じゃ、じゃあ……」
「使い方のヒントは解ったし、覚えていないものを聞き出すのも難儀。
 ここで三人とも死んでもらうわ。さようなら」
フーケは杖を振り、唇を小さく動かし何事かを詠唱し始めた。
抵抗しようにも、杖はフーケの足元。
駄目だ、殺される。

自分達に向けられているフーケの杖を見ているのが怖くて、
ルイズは涙目になってうつむいて、それを、見た。

ルイズの足に絡むような、黒い、霧。

背後で轟音が響く。
何事かと振り返れば、土砂が噴水のように吹き飛び、その中からハクオロが現れた。
「ハク――」
「うおおおおおおおっ!!」
獣のような咆哮を上げたハクオロは、一直線にフーケへと飛び掛った。
咄嗟にフーケは杖をハクオロに向けるが、詠唱が間に合わない。
「でやあああっ!!」
デルフリンガーの峰がフーケの右腕に叩き込まれる。
「ぐぅっ!」
骨の折れる痛みにうめきながら、フーケは杖を落として後ずさった。
そしてハクオロはデルフリンガーを逆手に持ち帰ると、
柄でフーケの鳩尾を強打し昏倒させる。
「……ふぅ。何とか、間に合ったな」
気がつけば、ハクオロは自力で土砂を吹き飛ばし、
ルイズの足元のあたりにあったはずの黒い霧も綺麗さっぱり消えていた。

57 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 20:02:57 ID:UVpmimdX
シエン

58 :白き使い魔への子守唄 7/7:2007/10/03(水) 20:03:28 ID:coPf9xWr
こうして土くれのフーケを捕らえた一行は、フーケから杖を奪って拘束すると、
ルイズが空中で捨てた黒い箱を探して中に天照らすものをしまい、
馬車に戻って馬を学院へ向けて走らせた。
タバサの使い魔、風竜のシルフィードに乗って帰るという案もあったが、
タバサ以外のメンバーに見つからないようひっそりと後をついてきたため、
結構疲れてしまっているらしく一足先に学院へ帰してやった。

本来平民であり使い魔のハクオロが御者をすべきなのだが、
ゴーレムと格闘したり土に埋もれたりしたせいで負傷と消耗をしており、
「だったら私に任せて!」とキュルケが手綱を握っている。
タバサはのんびりと本を読みつつ、時折フーケの様子をうかがっている。
疲れた様子で座り込んでいるルイズだったが、ハクオロに声をかけられ顔を上げる。
「ん、何?」
「ルイズ、怪我はしていないか?」
「転んだ時にちょっと擦りむいたくらいだから、大丈夫よ」
「そうか。なら遠慮は要らんな」
そう言うや、ハクオロはルイズの頬を平手でパシンと打った。
その音に、キュルケとタバサが振り向く。
ルイズは、なぜ叩かれたのか理解できないとばかりにハクオロを見つめ返していた。
それから、叩かれた怒りが一機に沸き上がる。
「ななな、何するのよ!」
「口で言っても解らんのなら、こうせざるえん!」
ルイズの甲高い怒りの声に対し、ハクオロの低く響く怒りの声は、
問答無用で黙らせるだけの迫力があった。
ハクオロは小さく息を吐くと、今度は厳しい口調で言葉を続ける。
「なぜ逃げなかった。フーケのゴーレムが現れた時、君はなぜ逃げなかった。
 我々の任務にフーケの捕縛もあったが、天照らすものの奪還が最優先のはず。
 それを君は、一人で無謀な戦いを挑み、仲間を危機にさらした」
「や、やっつけたんだからいいじゃない!」
「使い方も解らん腕輪を、偶然使えるという幸運に見舞われたおかげでな。
 だがもし使えなかったとしたら、どうなっていたか解っているのか?
 君一人の無謀な行いに他の者を巻き込んで、それで貴族と言えるのか」
「で、でも、敵に背を向けるだなんて……貴族の……」
「自分の命を軽んじる者を、貴族だなどとは思わない。
 勇敢と無謀は似て非なるものだ。
 自分の勝手な都合で危険を冒すなど、ただの無謀でしかない。
 ルイズ、もう一人で死地に残るような真似をしないと約束してくれ」
ハクオロの言ってる事は、ルイズにも正しいと思えた。
でも、それでも、謝るつもりにはなれなかった。
せっかくみんなで力を合わせてフーケをやっつけ、宝を取り返したのに、
どうしてこんな風に叱られねばならないのか。
ルイズが黙りこくるのを見ると、ハクオロは「叩いて悪かった」と謝り、
それっきり彼もだんまりを決め込んでしまった。

無言で考える。あれはいったい何だったのかと。
土砂に埋もれた真っ暗闇の中、何が起きているのかなんて把握できなかった。
ただ、何か強力な、異質な力の波動を感じた。
次の瞬間、ハクオロは自力で大量の土砂を跳ね飛ばした。
人間が魔法を使わずにできる事ではない。
それに『天照らすもの』を『クスカミの腕輪』と呼びもした。
己が相棒と呼ぶこの仮面の男、ハクオロとはいったい何者なのか?
デルフリンガーはずっと考えていた。

59 :子守唄:2007/10/03(水) 20:06:35 ID:coPf9xWr
という訳でクスカミの腕輪でしたー。
ゼロ魔世界じゃ風系統が雷担当だけど、うたわれ世界じゃ水系統が雷担当だったり。
まー風+水で雷を使ってるようですが。

60 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 20:08:00 ID:GN9N9rQf
さすがハクオロさん皇だな支援

61 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 20:08:41 ID:KUBa04+i
投下乙&GJ!!

62 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 20:17:23 ID:JVU3RcOd
水と氷の魔法を使った電撃攻撃、考古学者だった時の記憶の残渣か
マクガイバーみたいに水を氷結させて膨張圧で破壊したりも出来そうだ

しかしこのハクオロとルイズはおとーさんとアルルゥになりそうだ

63 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 20:28:54 ID:aW3QEauU
オボロのように見えなくも無い。兎に角乙でした。

64 :Zero ed una bambola:2007/10/03(水) 20:35:33 ID:+7PZdEFo
投下予約
10分後に


65 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 20:43:39 ID:B28OPufV
さあカモン

66 :Zero ed una bambola:2007/10/03(水) 20:46:08 ID:+7PZdEFo
アンジェ、アンジェリカが目を覚ました!
ルイズは息を切らしながら医務室へと駆けていく。
バタンと大きな音を立て部屋を見渡した。

「アンジェ!」
「あ、ルイズさん」

ベッドから体を起こしたアンジェリカが何事も無かったかのように微笑んでいた。

「アンジェ、よかった…」

ルイズは目に涙を浮かべながらアンジェリカを抱きしめる。

「おはようございます。ルイズさん、どうかされたのですか?」
「どうかしたじゃないわよぅ。あんたずっと寝てて起きないから心配したんだからね」

そうは言うもののアンジェリカはキョトンとした顔をしている。まるで何を言っているのか理解できないとでもいいたげに。

「ルイズさんここはどこなんですか?ルイズさんのお部屋ではないみたいですけど」
「え? ここは医務室よ」

ルイズがそう答えるとアンジェリカは顔を歪めはじめた。

「あの、ルイズさん。私ルイズさんに何かご迷惑をおかけしましたか?」
「迷惑って…」

迷惑……ルイズの脳裏にはあの一連の惨劇が蘇る。だがここで迷惑をかけたと言ってしまえば姉に続き、アンジェリカにまで見捨てらてしまうのではないか、そんな不安がルイズの胸を過ぎるのだ。

「大丈夫よ。迷惑なんか誰にもかけていないわ」

気がつけばそんな言葉が口から出ていた。

「だからね? ゆっくり休んでいいのよ」

本心は早く以前の生活に戻りたいのだが、それを抑えて優しく語り掛ける。

「もう大丈夫ですよ」

アンジェリカは笑みを浮かべて答える。




67 :Zero ed una bambola:2007/10/03(水) 20:49:37 ID:+7PZdEFo
「どうなの?」

そう答えるアンジェリカに思わずモンモランシーを見るのだった。

「ええ!? わたし? えーと無理をさせなければ大丈夫じゃないかしら?」
「ハッキリしないわね」

ルイズは不満げに言葉を漏らす。

「しょうがないでしょ! 別に専門医って言うわけじゃないんだからね!」

声を荒げるモンモランシー
危うく口論になりかけた二人の間にノックの音が割ってはいる。

「頼まれた食事をもってきたぜ」

マルトーがスープを持って部屋に入ってきた。二人は思わず口を閉じる。

「久しぶりだな。もう大丈夫か?」

ぎこちない笑顔でアンジェリカに語りかけるマルトー。
だがアンジェリカは……

「あの、初めまして。スープ、ありがとうございます」
「おいおい。そんな冗談はよしてくれ」

アンジェリカは何も答えない。

「まさか…本気か?」




68 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 20:51:11 ID:B28OPufV
支援

69 :Zero ed una bambola:2007/10/03(水) 20:52:20 ID:+7PZdEFo
Zero ed una bambola   ゼロと人形



ルイズは学院の外で他の使い魔たちと戯れるアンジェリカを眺めていた。
そう以前と同じように見えるその光景。ただ違うのは他の使い魔たちは久方ぶりに合う友人と接するように馴れ馴れしく、アンジェリカは初めて会うものに接するようにしていることだ。

きゅるきゅる〜
親しげに近づくキュルケの使い魔のフレイム、おそるおそる体に触れる。

きゅいきゅい
空から舞い降りたタバサの使い魔、シルフィードに大きく驚くアンジェリカ。初めて見るわけではないのに……。

「アンジェ! 部屋に戻るわよ!」

もう見ていられない。アンジェリカを大声で呼び戻す。バイバイ、またねと使い魔たちに手を振って別れを告げるアンジェリカ、年相応に見れる姿にあの事件の面影はない。
アンジェリカの手を引いて歩くルイズ、自然と足早になるのであった。

「あれ? シエスタじゃないかしら」
「シエスタちゃん?」

よかった……シエスタのことは覚えているようだ。

「シエスタ、久しぶりね。見て、アンジェがようやく起きたのよ」

そう呼びかけるとシエスタは振り返った。

「あ…い…ぁ」

その顔は見る見るうちに青くなっていく。




70 :Zero ed una bambola:2007/10/03(水) 20:55:20 ID:+7PZdEFo
「シエスタちゃん、お久しぶりです」

対照的に笑顔でシエスタに近づくアンジェリカ。
恐怖に顔を強張らせたシエスタ、一歩また一歩後ずさりをする。

「どうしたのよ」

ルイズはシエスタに問いかけるが何も答えない。

「シエスタちゃん?」

どうかしたのかとアンジェリカがシエスタに手を伸ばそうとする。

「ひぃっ!」

その手を振り払うシエスタ。
振り払われた手を呆然と見つめるアンジェリカ。

「ちょっと何するの…」

その姿を見たルイズはシエスタを問い詰めようとするが最後まで言葉を告げることができなかった。
シエスタはその目には溢れんばかりの涙を溜めていたのだ。

「………」
「………」

少しの間、沈黙がその場を支配する。
何も言わないシエスタを睨みつけるルイズ。その視線、そしてアンジェリカの視線からも逃れるように顔を逸らすシエスタ。
一方のアンジェリカといえば、視線を忙しなく動かし、なにやら落ち着かない様子だ。
ルイズは先ほどから何度も口を開こうとするが言葉がなかなか出てこない。
それほど時間が過ぎてもいないはずなのにやけに長く感じられる。
意を決し言葉を紡ごうと口を開きかけたルイズだったが、それよりも先にシエスタは唐突にルイズに向かって頭を下げ、踵を返しその場から走り去った。

「ちょ、ちょっと」



71 :Zero ed una bambola:2007/10/03(水) 20:58:28 ID:+7PZdEFo
突然のことに驚きながらも呼び止めようとするも、シエスタは振り返ることもなくその場から逃げていく。

「何よ! 何なのよ!」

激しい憤りをおぼえるもそれも長くは続かず、ルイズはただ小さく溜息をつくのだった。

「アンジェ」

ルイズが呼びかけるとアンジェリカは少し悲しそうな顔をルイズに向ける。

「部屋に…戻るわよ」

元気を出して、そんなありきたりな慰めの言葉しか掛けてあげることしか出来ない。

「はい…」

アンジェリカはコクンと小さく頷く。

ルイズはそっとアンジェリカの手を優しく握るのだった。



Episodio 19

La vita quotidiana per scomparire
消え往く日常





72 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 20:59:03 ID:idHKbCn8
支援カムバック

73 :Zero ed una bambola:2007/10/03(水) 21:00:17 ID:+7PZdEFo
投下完了
支援頂いた方に感謝します

そいでは次回予告



戦争!戦争が始まるのだ。
公僕の手に捕まったモット伯が連れられたのは新兵の訓練所だった。
間近に迫る開戦のときに備えてシェイプアップさせるのがその訓練場の目的なのだ。

次回、モット伯・ザ・ブートキャンプ〜基礎・応用編〜








74 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 21:01:20 ID:B28OPufV
GJ!!
何か人いないな

75 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 21:03:14 ID:5jRC2cTj
ガンスリ乙です。

今、空いてます?

76 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 21:05:14 ID:botZbTwz
インスマス北産業

>次回、モット伯・ザ・ブートキャンプ〜基礎・応用編〜
モット伯、あなたは一体どこへ行こうとしてるのか……!乙っしたー
 
>トゥーカ
空いてるけど後もうしばし

77 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 21:06:13 ID:ClplYIEk
GJ……だけど、シエスタが切ない……仕方がないとは言え……

ひょっとして、アク禁くらった人が多いのかもしれない。


78 :ゼロのgrandma:2007/10/03(水) 21:06:49 ID:5jRC2cTj
それじゃ予約しまーす。

79 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 21:07:23 ID:LobCXr/s
>>73
投下乙です
ルイズ、アンジェをシエスタに会わせるなよ…
アンジェが腕を折ったことは知らないにしても折れた腕を持って引きずり回してるところは見てるだろうに

80 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 21:12:57 ID:4APFqP/g
GJ!
壊れる前にはなんとかなって欲しいが>シエスタ

81 :ゼロのgrandma:2007/10/03(水) 21:14:13 ID:5jRC2cTj
時間書いて無かった。21:20くらいから。
よろしくお願いします。

82 :ゼロのgrandma 1/8:2007/10/03(水) 21:20:14 ID:5jRC2cTj
基本的に、彼女の運は悪くない。
仕事の同僚には、
「意図せず幸運を呼び寄せるのが趣味」だの、
「不運を気付かずに通り過ぎる鈍感」だのと揶揄されたりもしたり。

もちろん、その辺りの事は自覚している。
過信するわけではないが、今まで派手な失敗をした事は無いし、致命的な事態に陥りそうな事で選択を誤ったことは無い。
誤りそうになった時には、必ず素晴らしい助言者を得られたからだ。
それは同僚であったり、夫であったり、息子であったりと様々だったが、常に誰かに助けられてきたことは間違いない。
ありがたいことだと思う。

逆に、自分は本当の意味で誰かの助けになっているのか? などと恐る恐る子供たちに聞けば、
「母さんがいなかったら、僕たちの『今』は無いんだ」と強い口調で窘められたりする。
嬉しいことだとも思う。

おそらく自分は人より運が良いのだろう。
いつも誰かと、気付いても気付かなくても、助けたり助けられたりしている。
そして、その結果を得ることが叶っているのだ。
人として、これほど幸運な事はない。

「そうね。少し怖いくらいな幸せって、ホントにあるのね」
エプロンの紐を結びながら、彼女は照れくさそうに笑った。
「わたしの周りは、みんないい子ばかりだから」
胸元にあるのは、昨晩、母の日のプレゼントとして貰ったブローチ。
それを夫の遺影に見せびらかして、楽しげに台所に向かう。

いつも通りの爽やかな朝。
だが、何故かその日の彼女は、どうしようもなくツいてなかった。

  ◆  ◆  ◆

83 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 21:22:29 ID:dg03xRj7
支援

84 :ゼロのgrandma 2/8:2007/10/03(水) 21:23:13 ID:5jRC2cTj
日が落ちた中、ルイズは幾度目かの杖を振るう。
手は痺れ、肩はほとんど上がらない。汗が目に入って痛い。

結果は同じ。
唇を噛み締め、ぐい、と袖口で目元を拭う。
拭ったのは汗だ。それ以外であるものか。断じて。
視界が滲むのを感じるが、気にせず詠唱を始める。ゆっくりと、先程と同じように。
同じ詠唱の二回目。ダメだった。耳が慣れてしまったから、今の爆音なんて聞こえない。
次は少しアレンジしてもう一度。
辺りには自分と、背後に立つ先生の二人だけ。
どんなアレンジをしようが、どれだけみっともなく杖を振ろうが、どうせ誰が咎めることも無い。
自分の頬を流れるものを無視して、ルイズは杖を振り続ける。

コルベール教師は、黙したまま微動だにしない。

目の前の少女以外の召喚儀式が終わった後、暫くは他の生徒ともに待機していた。
が、授業の中断には限度がある。撤収を告げた時の少女の表情を見て、彼は、彼自身にも予定外のことを口にした。
「ミス・ヴァリエール。春の召喚儀式を成功させなければ、落第となることは知っていますね?」
「はい」
「期日の延長はありません。再試験の機会もありません」
「……はい」
「ですから」
俯く少女を見ながら、コルベールは微笑む。
「儀式を成功させなさい。本日中に」
「……え?」
「私の授業は、他の方に頼んでおきます。最後まで付き合いますよ」
「はい!」
顔を上げた少女に、彼は満足げに頷いた。

  ◆  ◆  ◆

85 :sage:2007/10/03(水) 21:27:23 ID:VREmih6P
支援〜

86 :ゼロのgrandma 3/8:2007/10/03(水) 21:27:42 ID:5jRC2cTj
それから、何時間たったのか。
彼の生徒は杖を振るい続けている。
幾度かの休憩も、僅かな魔力回復を図るだけ。
手はマメだらけだし、明日、肩は上がるまい。足も棒のようだろう。声も掠れ始めている。
正直に言えば、成功する確率はゼロに近い。

(それでも、この子は努力しているのだ。無駄になるはずがない!)
コルベールは無表情を装いながら、内面で叫ぶ。
理解はしている。努力が必ずしも成功を生まないことは。
成功するのに、努力が必ずしも必要で無いことも。
才能、家格、環境、時代、どれでも努力に代わり成功を生み出す要因だ。
常ならぬ状況――例えば戦場で――幾らでも見てきたことでもある。

だが、だからこそコルベールは、努力が報われることを信じたい。
これほど頑張っている人間が、何の結果を得ることが出来ない? そんなはずがないのだ。
(ああ、それでも)
彼は首を振った。
(足りないものがあるとしたら、一つだけは否定出来ないか)
どんな時にも、どんなことでも最上位に位置してしまう要因。
(この子に、もう少しだけ『運』があったら)
などと考えるのは、少女に対して失礼だろうか?

その瞬間。
今まで以上の爆風が、彼と少女を覆い隠した。

  ◆  ◆  ◆

87 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 21:28:34 ID:VREmih6P
うわ、ミスったorz

88 :ゼロのgrandma 4/8:2007/10/03(水) 21:29:15 ID:5jRC2cTj
――落第が決まりそうな少女が、半泣きで杖を振るっていた頃。
彼女は一人、フライパンを振るっていた。

昼も近いが、まだ誰も起きてこない。
前日の夜、久々に息子夫婦と娘たちが揃い、ささやかながら彼女の為のパーティーを催したのだ。
自分が寝室に入った後も、四人の孫の声が微かに聞こえていたから、深夜まで盛り上がったのだろう。

「でも、匂いがしたら、起きてくるわよね♪」
ト、トンと柄を叩いて、半熟の卵焼きで具を包んでいく。
溶ける直前まで煮たにんじんと山菜、孫たちの分には細かく刻んだチーズを少し。
彼女特製、甘いオムレツをメインに据えた朝食は、結構好評で、苦手にしてるのは息子だけである。

「子供が見てる前で、食事を残したらダメよねえ」
彼がこっそりと孫に半分分けていたのは、いつの事だったろうか。
「だいたい、こっそりってのがよくないわよ。子供は親を見て育つのに」
綺麗に丸まったオムレツを皿に盛り、保温機に入れる。人数分揃うまでに多少水気が飛んでしまうが、それは考慮のうちで。
あと一人分。自分の分だから、味付けはもう少し甘くしよう。

コン。
と落ちた調味料のビンを拾おうと腰を屈めた。
その最中に何が起ころうと、中断出来ないような何気ない動作。
それでも、普段の彼女であれば、そのまま無警戒に立ち上がることは無かったかも知れない。

  ◆  ◆  ◆

89 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 21:29:55 ID:OoSN+4F5
支援

90 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 21:30:29 ID:m0bdQgf4
支援

91 :ゼロのgrandma 5/8:2007/10/03(水) 21:30:29 ID:5jRC2cTj
なるほど。
虫取り網で捕まえられる虫は、こんな感覚なのかも。
視覚外からいきなり被せられたら、しかも気配無しだったら、とか。

(……どうにもならないわよねぇ)
気が緩みすぎてたと自覚もしたが。
体を起こした途端に生じた状況で、妙に冷静に分析する頭と、全力で対処する身体の乖離に苦笑する。
無防備のまま、強制転送させられていく自分。
しかも対処が全く効かない。

完全な不意打ちだった。
悪意極まるモノだったとしたら、即死していないだけマシだろうか?
それとも偶発的な事故なのか?
(どうせ、さっぱりわからないけどね)
外的要因への対応は後回し。
自己防衛を全力で。先制されたのは仕方がないけど、反撃だけは出来るようにしよう。
とは言っても、何をするわけでもなく。したくても出来る状態でもないわけで。
着ているものはTシャツにジーンズ、そしてエプロン。
所持品は――まあ、最後の晩餐には事欠かないか。

(さあて)
終わりが見えてくる感覚。口元を引き締める。
彼女が本気で抗って対処出来なかった相手は、数えるほどしかいないのだから。

  ◆  ◆  ◆

92 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 21:31:49 ID:UilrJwmB
しえn

93 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 21:32:11 ID:VqD7Zq8H
誰だろう支援

94 :ゼロのgrandma 6/8:2007/10/03(水) 21:32:19 ID:5jRC2cTj
土煙の中、ルイズは杖を握り締めた。
(……成功……したの?)
カチカチと音が鳴る。何かと思ったら、自分の口元からだった。
歯が噛み合わない。
笑っているのか、泣いているのか自分でもわからない。
震える体を両腕で力一杯抑え付ける。膝も笑っている。気を抜くと倒れそうだった。
ダメだ。
これが成功でも失敗でも、もう動けない。
「やりましたね。ミス・ヴァリエール」
「……え?」
優しく肩を叩く手に振り返れば、コルベールが微笑んでいた。
「ミスタ? でででも、まだ何も」
見えない、と続けようとして、
「ほら」
ルイズはコルベールの指先を追った。
晴れつつある土煙の中、何かが立っている。
召喚は成功したのだ!
(けど、光ってる?)
何だろう。光るものを背負ってるって事は、火の属性ということ?
とすると自分の属性も火なのだろうか?

一瞬、仲の悪い同級生を思い浮かべて顔を顰める。
とはいえ、それならそれで、競争結果が明白になるから良いかも知れない。
同じ土俵だ。完膚なきまでに叩き潰せる機会が、やっと得られるということじゃないか。
徐々に興奮しつつある事を楽しみながら、ルイズは目を凝らして、
――現れた『もの』の姿に、息を呑んだ。

  ◆  ◆  ◆

95 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 21:33:14 ID:dg03xRj7
支援

96 :ゼロのgrandma 7/8:2007/10/03(水) 21:33:36 ID:5jRC2cTj
美しい女性だった。

二十歳前後だろうか。
緑色の長い髪を後ろで束ね、自然に流している。
顔立ちは柔和。
今は緊張した面持ちでこちらを睨んでいるようだが、それでも柔らかさは感じられる。
眉間には紋様らしきもの。何を意味しているかはわからない。

細身で均整の取れた身体。
見慣れない服に、エプロンのような前掛け。
なぜか右手にはフライパンのようなもの。左手は淡く輝いた光球を手にしている。
そして、それ以上の輝きを放つ、四枚の透き通った羽が背中から広がっていた。
肌に感じられるほどの、内包された圧倒的な魔力。
(精霊? 翼人? 先住魔法!?)

膝が落ちた。四つん這いになるのをかろうじてこらえる。
わからない。
わからないが、自分が何か、とんでもないものを呼び出したのは間違いない。
ルイズは、思わず叫んでいた。
「あ、あああんた、誰? 何なの!?」

97 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 21:34:16 ID:UilrJwmB
支援

98 :ゼロのgrandma 8/8:2007/10/03(水) 21:34:42 ID:5jRC2cTj
「誰、と言われてもねー……」
じとりとした視線を、ルイズと、主にコルベールに向けた彼女は、やや不機嫌そうに呟いた。
左手の魔力スフィアを消し、周囲を手早く観察する。
暗い。夜か、夜に準ずる状況。
大きな建物。宿舎、いや学校だろうか。
空には月が二つ。月光には指向性魔力無し。多分。
厳しい目で睨みつけてくる男性。立ち居振る舞いに隙が無い。軍人か、それに類する者。
膝をつき、震える体を抱きしめるようにしながら、涙目でこちらを見上げてくる少女。
言語は何故か近似。ミッドチルダではなく地球の?
(警戒されてるけど悪意は感じない……と思うけど……事故の類?)
早計かも知れない。
だが彼女の勘は、ここが未知の管理外世界だと判断している。
何よりも、馬鹿馬鹿しいほど大気に溢れた魔力が、体を軋ませているのが現実としてある。
制御に秀でた自分ですら、リンカーコアの暴走を全力で防がねばならない程の。
つまり、少なくとも彼女にとっては未知の世界。そこで孤立無援に?

――何故か、次元断層に落ちたのと変わらない気もしたが、今はとにかく。

「えーっと……とりあえず。あなたから名乗るのが、礼儀じゃないかしら?」
フライパンの中身が落ちてない事を確認してから。
彼女――リンディ・ハラオウン総務統括官は、にっこりと微笑んだ。

99 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 21:35:09 ID:UilrJwmB
支援&おつ

100 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 21:36:00 ID:OoSN+4F5
GJ!!

101 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 21:36:06 ID:VqD7Zq8H
乙ー。

102 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 21:37:10 ID:botZbTwz
乙ー


103 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 21:37:11 ID:dg03xRj7
味覚のおかしい提督か。乙!

104 :ゼロのgrandma :2007/10/03(水) 21:38:36 ID:5jRC2cTj
投下完了です。
ここで書くの初めてなので、緊張しました。
支援感謝。

今日はここまでです。
次は週末くらいに行きますね。

105 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 21:45:17 ID:znuH6H7N
しばらく投稿できなそうなので、予定を変えて
今投下してしまいます。
後5分後くらいに……。

106 :壺の使い魔:2007/10/03(水) 21:45:44 ID:LpBEZiKk
ちんけな作品ではありますが、ぜひ投下させて下さい。

107 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 21:47:21 ID:znuH6H7N
お先にどうぞ

108 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 21:47:48 ID:V5z3yN+h
リンディママンktkr!!
乙かレヴァンティン

109 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 21:47:52 ID:m0bdQgf4
カマン

110 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 21:48:13 ID:botZbTwz
予約状況
>>105>>106

111 :105:2007/10/03(水) 21:49:44 ID:znuH6H7N
申し訳ない、混乱するので私が先に落としますね

112 :GTA:LCS-0 第四回:2007/10/03(水) 21:50:57 ID:znuH6H7N
俺は昨日良い感じでワインを飲みルイズの部屋に何食わぬ顔で戻ったが、ルイズは深夜まで説教されていたらしく、その顔は不機嫌
そのもので疲れ果てていた。取り合えず余波を受ける事を避けたかった為、コルベールから受け取った毛布にくるんで寝ていた。
いや、正確に言えば寝た振りだがルイズは心底落胆していた。寝言は恨み言ばかりでまぁ無理はない、俺を呼んじまったからな。

翌朝、俺はルイズより先に起きてレオーネ・センチネルの車庫まで行き、マフィアの正装とも言われている黒いスーツを取りに行く。
所謂レオーネスーツと呼ばれているマフィア独特のものだが、着替えて部屋に戻る。
「ルイズ、朝だぞ……起きないとまずくないか?」
部屋に戻ると、ルイズはまだ寝ている。
「…なによぉ……ん!!?」
寝惚け眼のルイズは俺を見ると、ギョッとした様子で驚いていた。昨日寝るまでカジュアルでだらしないと思える服装の男が、朝
起きると恐ろしくびしっと決めている様は驚くに値するのだろう。
「え?え!?」
魔法が満足に使えない、呼んじまったのが俺、それに纏わる学友の嘲笑、そして昨日の騒ぎだ。多分面子も潰れプライドも自信も
恐らく深く傷ついたに違いない。本来知ったこっちゃねぇ事だが、流石に可哀相になってきたので今回は彼女の顔を立てる事にする。
「な…何!?どうしたのよ!」
「いや、認めたくはねぇが俺はお前の使い魔だろ。おかしな格好では面目がたたんだろ?」
ぶすっとした表情だが、その表情は少しばかり自信を取り戻したようにも見える。

113 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 21:52:57 ID:LobCXr/s
よし支援だ

114 :GTA:LCS-0 第四回:2007/10/03(水) 21:53:29 ID:znuH6H7N
ルイズの後を付いて来るレオーネスーツを着ている俺は、学院内で相当目立っていた。昨日の騒ぎもあったのだが、生徒はルイズと
俺が通り過ぎると、一歩離れて遠くから眺めるようになった。まぁこれには俺が睨みを利かせながらと言う理由もあるが。
「……なんでみんな私たちを遠くから見るのよ」
「さぁな、俺達が嫌でも目立っているからだろ」
まぁ、大方それは俺の所為だろう……そんな状況が教室に入るまで続く。ルイズは目立たないように後ろの席を取ると、俺は椅子を
後ろに引き、一歩下がった位置に腰を落とし、足を組んで座っている。
「……ちょっと、行儀悪いわよ」
「仕方ないだろ、隣に座ったらそれこそおかしいだろが」
だがこんな普通かもしれないやりとりでも、他の生徒はどう言う訳か俺達を見詰める。やっぱり目立っているのかと言うのを実感
させられる一瞬だ。それでもルイズは静々とノートに書き物をしているのはこいつが努力家なのかと考えさせられる。

暫くして授業が始まるとシュヴルーズとか言う少々豊満な女が教壇に立つと、大人しい物腰で話を始める……と言っても、これらの
話は俺たちにしてみると荒唐無稽と言うか何と言うか、おかしな物ばかりなのだが、普通に聞いている分なら幻想小説か何かの物語を
読み聞かせているようにも聞こえて飽きない。そうこうする中で、生真面目な表情を浮かべてルイズが教壇の前に歩む。試しに
やってみなさいというシュヴルーズの言葉に答えたものだが、俺は見逃さなかった。この女の表情が一瞬歪んだのを。そして教室中が
一瞬にして緊張に包まれた事を。
「なぁキュルケ、なんであの女不安そうに見てるんだ?」
「あ…あれはね……トニーを呼び出した前日に、錬金の授業で教室をふっ飛ばしたからだよ!」
俺は聞きたくも無い既成事実を聞いてしまったようだ。まぁ、魔法を満足に操れないと言う事を考えれば予想に足る事なのかも知れ
ないが、それでも多少の恐怖がある。現に俺を強制的に呼び出した昨日、ボディアーマーふっ飛ばしたからな。

115 :GTA:LCS-0 第四回:2007/10/03(水) 21:55:49 ID:znuH6H7N
だがそのミスは可愛らしい程呆気ないものだった。要は爆竹を一つ二つ破裂させた程度のものだったからだ。しかしながら、教室から
ルイズに対する野次や嘲笑、嫌味、からかっている声など様々な言葉が飛び出る。
「うるさい!うるさい!!」
そんな野次を気の強い彼女は生徒たちに背を向けて反応、これにはシュヴルーズはどうしたものか分からず狼狽している。なかでも
デブとも言える奴は余計にルイズに野次を飛ばしていた。

「デブ……もうそれ位でいいだろ、授業の邪魔だ……」
気が付いたら、俺は席を立ちデブの胸倉を掴んで自分の目線に届くように持ち上げていた。一気に場が凍りつき、ルイズに野次を
飛ばしていた連中はこの光景で黙り込む。ルイズもこの光景で反応が止まった。
「な…何するんだよ…平民……」
「反省が足りんようだなデブ……俺が教育してやる」
手に持っていた杖で何かしようとしたが、鳩尾に膝を入れると呆気なく杖を手放した。そして襟首に持ち替えると、俺はずるずると
教壇までこのデブを引っ張り、呆気に取られているシュヴルーズに一言こう言いおいた。
「ミス・シュヴルーズ、この豚少し借りるぜ」
そう言った後ずかずかと表に出る。シュヴルーズの表情は変わる事無く、俺を見送った。

116 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 21:57:14 ID:UilrJwmB
しえんた

117 :GTA:LCS-0 第四回:2007/10/03(水) 21:58:28 ID:znuH6H7N
「なっ…何するんだよ平民!」
「まだ自分の立場が分かってないようだな」
教室から引っ張り出すと、俺はデブを壁に叩き付けて額にピストルを突きつける。
「動くな、動いたら命は保証出来ん……俺が引き金を少し撃つだけでお前は死ねるぜ」
だが、ピストルを知らないこいつはやってみろと言う程、ふてぶてしい態度を取るが、その刹那俺は耳のスレスレを狙って発砲、それが
脅しではないと言う事を実証すると、デブは全身面白いほど震え、脂汗を滝のように流して指一本動かせる状態ではなかった。
「人の失敗を笑えばそれだけ敵を作る。あんまり余計な事をするな……」
多分これでは脅したりないと感じた俺は、こう付け加えた。
「……そうだな、俺たちマフィアの制裁方法にはこんなものがあるな……『ある晩にお前が消えました、探しても出てきません。
 翌日湖畔にお前さんの水死体が浮かんでました』とか、まぁいろいろあるが……どうするよ?」
この一言が効いたのか、このデブは首を横にぶんぶんと振りながらズボンを濡らし、回廊がびちょびちょなのが分かる。
「漏らしたのか……恥かしい奴だな。ほら、寄宿舎に行って着替えてこいよ……」
「ひっ…ひいいいいいぃぃぃぃぃいぃぃいぃぃぃいっっ!!!」
抑えを取り外すと、デブは半狂乱になって寄宿舎向かって全力疾走で駆けていった。だが問題は一つ、貴族が聞いたことも無いような
物騒な言葉と、聞いたことの無い銃声、デブの半狂乱の悲鳴にルイズのクラスだけでなく、他の生徒や教師も様子を見に来ていた。
「少しやりすぎたかな……ルイズすまないな、俺は邪魔らしい。見学も兼ねて学園を見回ってるよ」
こう言って翻る俺だが、ルイズの表情は不思議と不機嫌ではなかったのが印象的だった。

118 :GTA:LCS-0 第四回:2007/10/03(水) 21:59:35 ID:znuH6H7N
これで今回は本当におしまいです。

二度も駄文にお付き合いくださり、有難う御座いました。

119 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 21:59:41 ID:UilrJwmB
しえすた

120 :壺の使い魔:2007/10/03(水) 22:01:05 ID:LpBEZiKk
貴族の少女、ルイズは、使い魔召喚の儀式中にまーたいつも通り、失敗して爆発を起こしていた。
何回もやっている度にやっと召喚できたのは顔のような装飾が程された壺が一つだった。
壺といっても口は小さく花瓶くらいにしか利用できなさそうなものだった。顔の口は大きいが。
魚。
儀式で使い魔として現れたのだからただの壺ではないと思い、ルイズはこの壺と契約しようと試みる。
運よくこの壺には顔があり、契約のキスもできる。
「我が名はルイズ・フランソ(ry。」こんなみんな持っているような長い名前とセリフは以下略以下略。
しかしはっきり言って何も起こらなかった。
契約の証のルーンは壺に刻まれているが、壺におにぎりを保存しておくことも、全く無かったっていうか、穴が小さくて入らない。
逆さにしても何も出てこないただの壺だ。
よくよく見ると不細工な顔である。こんなのとキスしたと思うとルイズは・・・
しょうがないから花瓶に使おうと思ったルイズだった。皆はもはや嘲笑することもなく白い目でルイズを見るのだった。
ところで今の季節は春。色々な花も咲いており、もちろん花粉も飛んでいる。
皆が花をむずむずさせている。するとどうしたことか、壺が踊るように動き出した。
真っ先にくしゃみをしたのはいつも本を読んでいるメガネの少女、タバサであった。自分が今読んでいる本に、唾液がつかないよう口に手をあてて。
すると、突然ドグァーンという爆発音がした(ルイズの魔法ではない)
そして、壺の中から大道芸人としか思えない太った変な男が壺から飛び出したのだった。
「呼ばれて飛び出てジャジャジャジャーン!」
「使い魔が平民の手品師ー!?」
「いくらルイズでも、あれはなぃよな・・・」
「・・・こんなのでも使い魔は使い魔よ、ねえ平み・・・」
その男はルイズを見向きもせず、タバサに話し掛けたのだった。
「お呼びでごじゃるかご主人様」
「ええっ!?何言ってるの?ご主人様は私でしょ!」
突然の出来事に戸惑いを隠せないルイズをはお構いなしに、タバサが質問をする。
「あなたは・・・だれ」
「吾輩でごじゃるか?吾輩はハクション大魔王でごじゃるよ。あなたの召使でごじゃる」
大魔王・・・!この言葉に皆は息を飲んだ。
よくみると壺にはともかくこの男にはルーン文字は刻まれてない。
「ルーンが・・・ない!」
「当たり前だろ・・・ゼロに大魔王と契約できるわけがないだろ、常識的に考えて・・・」
しかしタバサは動じることもなく質問を続けた。
「あなたは、何ができるの?」
「ご主人様の望みを何でもかなえて挙げられるでごじゃる」
「何でも?」
「何でも」
「・・・本がもっと読みたい」
「かしこまりましたでごじゃる!アラビンドビンハゲチャビ〜ン!」
何ともコルベール先生をバカにした呪文であるが、空から本がドサドサと落ちてきた。
「・・・読めない」
タバサが読めないのも無理はない。この本は全部日本の文字なのだった。
「ももいい、壺に帰って」
「といわれましても、吾輩、今すぐに帰ることなどできないでごじゃる・・・」
・・・後ろから殺気。
「よくもこんな変な壺を押し付けてくれたわね・・・大事な使い魔を呼び出そうって時に・・・この豚ーっ!」
こんな間抜けな魔王になら勝てると思ったのか、ルイズは思いっきり杖を降り、ハクション大魔王の正面で大爆発を起こした。
「いきなり何をするでごじゃるか!アラビンドビンハゲチャビン!」
すると、ルイズの杖は蛇となって、ルイズにかみつこうと襲いかかってきた。
「き、きゃぁあぁああー」
「・・・・・」
タバサはB級映画をみるような目で二人をみていた。彼女がも一度くしゃみをすれば、魔王は壺の中に戻っていった。
・・・数時間後、ルイズは学院の自分の部屋でおちんこでいた。自分の部屋には他人の召使の入った壺。
こんな壺、割ってやろうかと思った。生き物の使い魔は死ねばまた新たに契約ができる。生き物出ないなら、壊せばそうなると思ったからだ。
しかし、壺の中には大魔王が入っている。そんなことをしたら今度はどんな魔法をかけられるか分からない。
外の空気をすって落ち着こうとルイズは窓をあけてみた、が、やはり春でも夜は寒い。思わずくしゃみをしてしまった。
ドカーン!
「お呼びでごじゃるかご主人様」
「えっ?」

121 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 22:03:58 ID:ZOjh/pT3
>>ルイズは学院の自分の部屋でおちんこでいた
ルイズにおち○こはやしちゃうなんてひどすぎる><
今日一番吹いたww

122 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 22:03:58 ID:/bPZdWOF
うおおおお!ハクション大魔王!!

123 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 22:04:17 ID:nogRIjOS
おちんこー☆

124 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 22:04:25 ID:UilrJwmB
なつかしすぎるw

125 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 22:04:53 ID:1GPqrVGS
なぁ…、誤字だよな。狙ってねえよな
支援

126 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 22:05:59 ID:/bPZdWOF
>>125
もろちんそうだろ?支援

127 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 22:06:04 ID:regpJZpU
お○んこ笑いがとまらねえwwww作者さんGJwww


128 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 22:06:37 ID:u08IHAlP
おち○こ支援

129 :GTA:LCS-0 第四回:2007/10/03(水) 22:07:33 ID:znuH6H7N
完璧な誤植、もう直せねぇw

……後で直してね

130 :壺の使い魔:2007/10/03(水) 22:13:30 ID:LpBEZiKk
元ネタの漫画は誤植でしたが、自分は、もろちん狙って書きましたw

131 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 22:26:32 ID:3V0GX/nC
原作準拠かよwww
GJ!

132 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 22:33:36 ID:Ha8oVYo1
>>130
GJwwwwwwwww

133 :ゼロ・HiME:2007/10/03(水) 22:38:15 ID:4APFqP/g
六話、投下してもいいですか?
進路オールクリア?

134 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 22:42:12 ID:OaCk0YeT
急に人がいなくなったな…
>>133
どうぞ

135 :ゼロ・HiME:2007/10/03(水) 22:42:55 ID:4APFqP/g
であ、いきます


136 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 22:43:11 ID:flZc8az/
構わん。やれ

137 :ゼロHiME〜嬌嫣の使い魔〜 第六話 1/3:2007/10/03(水) 22:46:38 ID:4APFqP/g
「ほな、厨房のほうへいってきます」
 「それじゃ、後で合流しましょ」

 掃除が終わり、一緒に食堂に向かったルイズと静留が入り口で分かれようとした時、中から食器が割れる音と小さな悲鳴が聞こえてきた。

 「あれは……!」
 「ちょっと、シズル!」

 悲鳴を聞いて駆け出した静留を追って食堂に入ったルイズが目にしたのは、散乱した食器の残骸と頬を押さえてうずくまるシエスタ、それを見下ろす金髪の巻き毛と胸に挿した薔薇がトレードマークの学友ギーシュ・ド・グラモンの姿だった。
 
 「一体、何があったの?」
 「ああ、あれ? そこのメイドが親切に落とし物を拾ったのが原因で、モンモンラシーとケティとの二股がばれちゃって、ギーシュが八つ当たりしてるとこよ」

 ルイズがそばにいたキュルケに尋ねると、馬鹿馬鹿しいといった感じで答える。

 「君のおかげで2人のレディの名誉が傷ついてしまった、どうしてくれるんだね?」
 「も、申し訳ありません、どうかお許しを」
 「シエスタはん、大丈夫どすか」

 ギーシュはシエスタに駆け寄る静留をちらりと一瞥しただけで、気にも留めずにシエスタへの糾弾を続ける。

 「大体、僕が知らないと言ってるんだから、適当に話をあわせて後でこっそり渡すとか機転を利かしてくれたまえ。まったく、これだから君ら平民は――ぷべらっ!」

 更に言葉を続けようとしていたギーシュは、急に奇声を上げて吹っ飛ぶ。いつの間にかシエスタとギーシュの間に割り込んでいた静留が、ギーシュの顔面に右の拳を思いっきり叩き込んだのだ。
 
 「なっ……!」 
 「なかなかやるわね」

 静留の行動にルイズや周囲が驚愕の声(キュルケは賞賛の声)を上げる。

 「へ、平民の分際で……父上にも殴られたこともないのに」
 「そらどうも失礼しましたな。かいらしいおなごはんが、あほうな男にしょうもない因縁をつけられてるんが許せへんさかい思わず殴ってしもたわ。大方、その殴ったことないあんたの父親いうんも息子と同じヘタレな男なんやろけど」

 頬を押さえて睨みつけてくるギーシュに向かって、静留は見下すような笑顔でしれっと言い放つ。

 「貴様、僕だけでなく父上まで愚弄したな! もう許さんぞ、決闘だ!」
 「決闘どすか、随分ともっさいプライドやねえ」
 「くっ……ヴィエストリ広場で待つ、逃げずに必ず来たまえ。君に貴族への礼儀というものを教えてやる!」

 ギーシュはそう言い捨てると、友人達を引き連れて食堂から出て行った。

138 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 22:48:06 ID:flZc8az/
ほほう。支援しようかソイヤ!ソイヤ!

139 :ゼロHiME〜嬌嫣の使い魔〜 第六話 2/3:2007/10/03(水) 22:48:39 ID:4APFqP/g
 
 「ああ、私のせいでとんでもないことに……一体どうすれば」
 「シエスタはんは気にせんでええよ、うちが勝手にこうた喧嘩やし」  
 「でも、相手は貴族なんですよ……シズルさん、殺されちゃいます……」

 ギーシュが出て行った後、静留は真っ青な顔でガタガタと震えるシエスタに優しく声をかけるが、シエスタは泣きながら走り去ってしまった。

 「シズル、あなた何やってるの! 貴族相手に喧嘩売るなんて!」
 「何ぞ、不味いことでもありますん?」

 シエスタと入れ替わりに駆け寄って来たルイズに、静留はけろっとした表情で答える。

 「当たり前でしょ! 平民が貴族に勝てるわけないんだから!」
 「おや、心配してくれはるの? うれしいおすな」
 「べ、別にそういう訳じゃ……と、とにかく、勝手に決闘して怪我なんかされちゃ主人である私の恥になっちゃうんだから、ギーシュに謝ってきなさい!」

 静留の妙にうれしそうな言葉にどぎまぎしながらルイズはギーシュに謝罪するよう命令したが、静留は首を振って拒否の意思を示す。

 「残念やけど、その命令だけはきくわけにはいきまへんな」
 「なんでよ」
 「ルイズ様、うちはおなごはんを泣かす男だけはどうしても許しておけへんのどす。せやから、この決闘、認めておくんなはれ」

 そう言うと静留は命令を拒否され、不満げに頬を膨らませるルイズをその緋色の瞳でじっと見つめる。
 ルイズも負けじと静留の瞳を見つめ返すが、やがて根負けしたのか大きなため息を吐いてぷいっと顔をそらした。

 「ああ、もう分かったわよ! 静留の好きにしなさい。そのかわり、受ける以上は負けたら承知しないんだから! いいわね、分かった?」
 「安心しておくれやす。ルイズ様のお墨付きもろうた以上は負けしまへん」
 
 (本当にこれでよかった――のかしら?)

 許可を出したものの、ルイズはいまいち自信が持てなかった。


 食事を終えた静留たちが広場に着くと、既にギーシュとその取り巻き、噂を聞いた大勢の野次馬が集まっていた。

 「諸君! 決闘だ!」

 ギーシュが胸に挿した薔薇の造花を手にして掲げると、広場から歓声が巻き起こる。

 「ギーシュが決闘をするぞ! 相手はルイズの平民だ!」

 (よくまあぎょうさん集まったもんやねえ。よっぽど暇なお人が多いんやろか)


140 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 22:49:13 ID:flZc8az/
あっソイヤ支援!ソイヤ支援!

141 :ゼロHiME〜嬌嫣の使い魔〜 第六話 3/3:2007/10/03(水) 22:49:59 ID:4APFqP/g
 「待っていたよ、ルイズの使い魔のお嬢さん。逃げずにここへ来たということは、この青銅のギーシュにさっきの非礼を詫びてくれるのかな? もっとも許しはしないがね」
 「青銅だかガランドウか何や知らんけど――うちは詫び入れなあかんことは何もあらしまへんえ、寝言は寝てから言いなはれ」

 優雅なポーズを決めて言い放った口上に対する静留のけんもほろろな返答に、ギーシュは顔を引きつらせる。

 「まったく主人に似てずいぶんと強情な使い魔のようだな。詫びを入れれば少し痛い目を見る程度ですませてやろうと思っていたが……いいだろう、存分に痛めつけてやるから覚悟したまえ――いでよ、ワルキューレ!」

 ギーシュが手にした薔薇を振るうと、花弁が一枚零れ落ち、青銅製の武装した乙女を模したゴーレムが現れた。

 「僕はメイジだ。だから魔法で戦う。よもや文句はあるまいね? これが僕のワルキュ……え?」

 ギーシュが自慢げにワルキューレの説明をしようとした瞬間、風を切るような音と共にワルキューレが切り刻まれ、ガシャガシャと音を立てて地面に転がる。

 「おやおや、大仰な登場のわりには、随分と脆いお人形さんやねえ」

 ギーシュを周囲が唖然としている中、ムチ状になった『殉逢』の刃先を収めながら静留が拍子抜けしたような口調で呟く。

 「な、なんだ、それは! どっから出した!」
 「別にどっからでもええやろ。それより、お人形さんがのうなったみたいやけど……まだ続けはりますん?」
 「くっ――誰がやめるものか! この青銅のギーシュをなめるなぁッ!」
 
 静留の言葉に怒り狂ったギーシュは6つのワルキューレを呼び出すと、一斉に静留に向かって突撃させた。

142 :ゼロHiME:2007/10/03(水) 22:51:55 ID:4APFqP/g
投下終了
相変わらず京都弁がへんだorz

143 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 23:03:54 ID:5jRC2cTj
静留さん乙です。

仕方ない。あれはネイティヴな進藤さん監修だもの。
普通は厳しいですよ。

144 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 23:06:38 ID:flm3NgSg
京都弁が変か、どうかそれは些細な問題だ!
話が面白ければ すべてOK!
今回の話もGJ!!
次の話も楽しみにしてるぜ!!

145 :エデンの中の人かもしれない:2007/10/03(水) 23:28:35 ID:M6DqlTRy
短編の投下はいいかしら
ごめんね、エデンはまだ半分くらいなんだ、ごめんね

146 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 23:31:09 ID:bj3G7v/R
かもんカモン家紋щ(゚Д゚щ)カモォォォン!!

147 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 23:31:36 ID:UVpmimdX
支援

148 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 23:32:40 ID:VqD7Zq8H
《投下しろよ、臆病者!》

149 :零の使い魔 1/3:2007/10/03(水) 23:32:51 ID:M6DqlTRy
じゃあいきます。
何か短編が進むんだ。



『零の使い魔』


 青年は一人、七万の軍を前に立っていた。
 そこにはひとかけらの恐怖もなく、ひとかけらの絶望もない。
 ただ前を向き進む意思だけがあった。


 青年は使い魔であった。
 気がつけば倒れていた森の中、彼は耳の長い女性に必死に謝られていた。
 女にとって彼は呼び出してしまった被害者だったから。
 それでも彼はうらみの言葉一つこぼすことなく、ただ食事と寝床の提供に頭を下げた。


 戦争が起こった。
 どんな戦争なのか伝聞で耳にしてあまりの主体性のなさに青年は頭を傾ぐ。
 聖地の奪還? そんな終了する目安のわからない戦争に何故皆が力を貸すのだろうか。
 だがどれだけ現状への違和感をぬぐえなかろうと、彼はだた恩義のために戦うのみ。

 ある日賊が村を襲った。
 戦争中には必ず出る盗賊、略奪と虐殺はどれだけ近代戦になろうとなかなか無くなりはしない。
 当然彼のいる村にもそういったやからが押し寄せた。

 無理難題を押し付ける彼らに、青年はあろうことか徒手空拳で立ち向かった。
 一人殺せば言うことを聞くだろう、そう思ったのか武器を振りかぶった盗賊は、彼の拳であごを強打されて意識を飛ばした。
 唖然と動きを止める彼らを見、彼は賊たちの扱いを考えた。

 ただ逃がせばさらに大勢を引き連れてくるだろう。ならばここで徹底的に釘を刺すべし。

 周りに自分を呼んだ女性や子供たちがいないことを確認し、彼は地面を蹴った。
 彼らが慌てて迎撃耐性に入れたのは半数以上が始末された後だった。

「撤退し二度と来ぬならば命は見逃そう。だが次はその命頂戴仕る!」

 それでも何度も何度も盗賊達は村に押し寄せてきた。
 戦争が長く深いほどそれは多くなる。
 とくにこの村には青年を呼び出した彼女がいる。
 好事家に高く売れると下卑た笑いを漏らした一団は、あっけなく再起不能にさせられた。

「金に代えうる命など無い!」

 戦争には意義や大義が必要だ。言い訳がなければならない。
 だが彼がどれだけ調べても、それは“良くわからない”だった。

 聖地を奪還する、それはよし。
 エルフがいるらしいから彼らを打倒し聖地を奪還する、そこまではいい。
 戦争とはあくまで政治的行動の一環に過ぎない。
 ならば当然利益を求めての行動でなければならないはずだ。
 つまりあまりにも意味がない戦争をしていることになる。

 まるで狂信者のごとき行軍。

 それはかつての彼の兄に従うものを思い出させた。

 ならば守り戦わねばならない、己は牙持たぬ人の剣なれば。

150 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 23:34:25 ID:botZbTwz
正調零式 支援

151 :零の使い魔 2/3:2007/10/03(水) 23:35:00 ID:M6DqlTRy

 サイトは戦場で傷だらけで立っていた。
 七万の軍勢の中たった一人、デルフを片手に孤軍奮闘。
 何故そうしたのかはわからない、何故死に挑んだかはわからない。
 だがサイトは一人デルフを杖に満身創痍で立っていた。

「美事よな。我がアルビオンにいれば英雄になれたろうに」
「うるせえよクソッたれが。誰が弱者を一方的になぶるようなクズの裏切り者に付くか」
「はっはー! 良いぜ相棒! そのおっさんも切り捨てて凱旋といこうじゃねえか!」

 その言葉を周りのメイジ達はあざ笑った。
 彼らにとって平民は、家畜となんら変わらないのだから。

「平民が少々死のうが何の問題がある?」
「別にいいだろ、大した命でもない」

 ああ、と、サイトは理解した。
 何故ルイズから離れなかったのか? 何故こんな無理のある戦場に一人残ったのか?

 気に入らないからだ、彼らが。

「理由には十分だろ?」
「あん? 何だよ?」
「こいつらは気に入らない、理由としては十分だろ?」
「はっ! 違いない!」

 周りのメイジ達が杖を構える。
 避けられない、わかってはいても引く気は無かった。
 自分たちに、価値がないなどと言わせはしない。

「手前らみたいなクズにやれるほど、安い命じゃないんだよ!」
「ほざけゴミが! 平民ごときに価値などあるか!」

 飛来する魔法、デルフで受け止め切り捌く。
 切って切って受けて切って、そのうち一つが直撃した。
 大した威力でもないエア・ハンマー、だが当たり所が悪かった。
 あごを掠めるように放たれた一撃が脳を揺らす。

「(あ、やべ、意識が……)」
「相棒! しっかりしやがれ!」

 デルフの叫びもむなしく、サイトの意識は闇に落ちる。
 意識が沈む直前、誰かの声が聞こえた気がした。


「(くそったれくそったれくそったれ! あと少し、あと少しあれば相棒の体を動かせるのに!)」

 無力感に打ち震えるデルフ、その横でレコン・キスタのメイジ達はサイトに止めを刺すために歩み寄る。

「まったく、てこずらせてくれた」
「本当に。平民ごときがなんとも偉そうに」
「ふん、所詮は雑草、ここで死ぬのが定めよ」

 メイジは杖を掲げ呪文の詠唱を開始する。

「否! 雑草という草はない!」

 誰かの声がさえぎった。

152 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 23:36:42 ID:botZbTwz
瞬着 支援

153 :零の使い魔 3/3:2007/10/03(水) 23:37:26 ID:M6DqlTRy

 そこにいたのは青年だった。
 二十手前くらいだろうか? 短く刈り込んだ髪と四角いメガネ、そして整った顔。
 その男が着る服は、サイトの認識の中では“詰襟の学生服”と呼ばれていた。
 右手に下げられているのは学生カバン。
 その硬そうなレギンスをのぞけばどこからどう見ても日本の学生だった。

「戦闘行為の停止を進言する! その少年にはもはや戦闘能力はあらず! 何ゆえ命まで奪おうとするか!」
「はあ? 何言ってんだ平民が」
「別に平民一人死んだところで問題があるのか?」
「敵を殺して何が悪い」

 同じく平民だろう彼に向けられる声は、やはり侮蔑が込められている。

「その少年の命に価値がないと言うか!?」
「当たり前だろう。大体何だ貴様、平民の分際で」

 青年の心が怒りに染まる。
 それは代弁する怒り、牙持たぬ弱者の悲しき怒り。
 正しい怒りをその胸に、彼は指を男たちに突きつける。

「その命を軽んじる発言、交戦の意思ありと認む!」
「まったく、変な平民が多いなあ」
「殺しておけ。面倒だ」

 彼らの言葉を気にも留めず、青年はカバンを地に落とす。
 そのあまりに重たい音に思わずメイジたちが杖を構えた。

「瞬・着!」

 カバンから放たれる光、それに包まれる青年。
 光が納まったときそこには、黒鉄の鎧に身を包む戦士が一人。

 それはか弱きものの怒り。
 戦う力持たぬ、弱者たちの代弁者。
 その拳にこめるは必勝の意思。

「覚」

「悟」

「完」

「了」

 それは牙持たぬ人の祈り。

「当方に迎撃の用意あり!」


以上です。
書いてるとき散様が混じって困った。

154 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 23:39:39 ID:kDS0aHoo
なんという不意打ちな登場……

支援しつつ投下予約

155 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 23:41:32 ID:5jRC2cTj
覚悟乙でしたー。

散さま全然OKじゃないですか。
仏っ契ったり無惨とかが入ると大変ですし。

156 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 23:42:54 ID:botZbTwz
乙っしたー
ついに来たかー この人は召喚するならテファでないと絶対無理だわw

157 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 23:44:15 ID:CW6bDxlq

このメイジどもはグロ死確定だな

158 :ウィザーズ・ルーン:2007/10/03(水) 23:49:13 ID:kDS0aHoo
予約いないみたいだし、投下しますね。

159 :ウィザーズ・ルーン:2007/10/03(水) 23:50:24 ID:kDS0aHoo
 トリステインの城下町、その中に隠れるように存在するうらぶれた武器屋。
 サイトはルイズに連れられて来たものの、未だ響く腰の痛さのほうが大きかった。
 決闘騒ぎ以来、何度かヘイズと自分の力について話したのだが、その結果わかったことは、
 ヘイズ曰く「お前には銃は向いてない」、だそうだ。
 なんでもヘイズのいた世界には「騎士」なる対魔法士専門の魔法士がいて、「騎士剣」と呼ばれる剣を操り、幾多もの魔法士を屠ってきたのだという。
 そしてサイトの能力は、騎士の能力「身体能力制御」に似ているらしい。
 なので銃よりも剣のほうが馴染みやすいはずなのだそうだ。

「随分と寂れた店だなあ……あだっ!」
「入って早々失礼でしょうが、恥ずかしいわね」
 店の中は未だ太陽の照りつける真っ昼間だというのに薄暗く、異様な雰囲気を醸し出していた。
 先客らしき黒髪の少年は壁にかけられた武具を見て、うーんとうなっている。
 店主らしき親父は、入ってきたルイズを胡散臭げに眺め、タイ留めの五芒星を見て、重々しく口を開いた。
「貴族の旦那。うちはまっとうな商売をしてまさあ。お上に目ぇつけられるようなことはしてませんぜ」
「客よ」
 ルイズはそれだけ言って、親父のほうにつかつかと歩み寄った。
「使い魔に剣を買うつもりよ。なにかいいのはないかしら?」
「こいつはおったまげた。最近は貴族が下僕に剣を持たせるのが流行ってますが、まさか使い魔にもたせるとは! いえいえ、ではここらへんでどうですかい」
 そう言って主人は、ハンドガードの付いたきらびやかなレイピアを取り出した。

160 :ウィザーズ・ルーン:2007/10/03(水) 23:51:35 ID:kDS0aHoo
「これじゃダメね。使い魔に持たせるんだもの。もっと大きくて太いのがいいわ。それと流行ってるってどういうこと?」
「最近土くれのフーケっていうメイジがあちこちで盗みを働きまくっているらしいよ」
 サイト達より先に店に来ていた少年が、こちらを向いて語りだした。
「何でも貴族を専門に狙って、あちこちを荒らしまわっているとか。貴族は怯えて下僕にまで剣を持たせる始末さ」
 魔法士相手に勝てる一般人なんて真昼にいくらいだよ、と呟きながらかぶりを振った。
 とそんなことを聞いているうちに、主人はさきほどのレイピアよりもきらびやかに装飾がされた大剣を持ってきた。
「旦那、これなんかはどうです。かの高名なゲルマニアの錬金魔術師シュペー卿の鍛えた作品でさ。魔法がかかっているから、鉄だろうと一刀両断です。おやすかあありませんぜ?」
 なるほど、刀身が鏡のようになめらかで美しく、装飾があちこちに散りばめられている。
 拵えもりっぱで相当の値打ち物であることが分かった。

「すげえ! これ欲しい!」
「や、これは辞めといた方がいいんじゃないかな……なんていうか鉄を型に流して固めただけだよ。刀身が輝いてるのは銀とかのメッキだし」
 はしゃぐサイトを遮るように、こんこん、と刀身を叩きながら少年が忠告した。
 鍛治で作ったならともかく、錬金で作った剣なんてそんなもんだよね、と嘆息する少年を尻目にどこからともなく声が聞こえた。
「おめ、ガキの癖に分かってるじゃねーか。はっは。親父、こいつにかかっちゃ、おめのぼったくりも形無しだな」
 声の主はどこだろう、とサイトは視線を巡らせる。
「やい、デル公! てめえは黙ってろ!」
 そういう主人の視線は、サビの浮いたボロボロの剣に向けられている。
 それは薄手の長剣で、ボロボロで見栄えこそ悪いものの、拵えはなかなかに悪くない。

161 :ウィザーズ・ルーン:2007/10/03(水) 23:53:11 ID:kDS0aHoo
「インテリジェンスソード!?」
 ルイズはしゃべる剣を見て、驚愕の声を上げた。
「へー、しゃべる剣なんておもしろいじゃないか」
 そう言って剣を掴むサイト。
「おでれーた。おめ、「使い手」か。悪いことは言わね。買うなら俺にしな」
「決めた。俺こいつにするよ。ルイズ、これを買おう!」
「ああ、それなら新金貨百で結構でさ。なあに厄介払いだ、売れてくれたほうがせいせいしまさ」
 サイトは剣を掴んではしゃぐが、
「いやよそんなの! 私はもっと見栄えのいいのが欲しいの!」
 ルイズは手をぶんぶん振りながら嫌がるが、
「でもルイズ。確か今日は新金貨百しか持ってきてないって言ってなかったっけ?」
 というサイトの鶴の一声で購入が決定した。
 そして少年はこの店で一番頑丈な奴ね、と注文をつけてナイフを購入した。
 なんでも自前のナイフを火のメイジに熔かされて、多めに予備が欲しかったからとか。

 店を出たサイトと剣は自己紹介をした。
 もはや二人は一蓮托生。相棒同士の交流というわけだ。
「俺は平賀才人だ」
「オレ様はデルフリンガーだ、デルフと呼びな」
 それを横目で見ながらルイズはまだぶつぶつ言っていたが、もはや財布の中身はスッカラカン。
 他の剣を買おうにも買えず、泣く泣く自分を納得させた。
 さて後は帰るだけだ、ということで少年と別れようとしたその時だった。

162 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 23:54:04 ID:9+DluP5D
支援

163 :ウィザーズ・ルーン:2007/10/03(水) 23:54:55 ID:kDS0aHoo
 店を出たサイトと剣は自己紹介をした。
 もはや二人は一蓮托生。相棒同士の交流というわけだ。
「俺は平賀才人だ」
「オレ様はデルフリンガーだ、デルフと呼びな」
 それを横目で見ながらルイズはまだぶつぶつ言っていたが、もはや財布の中身はスッカラカン。
 他の剣を買おうにも買えず、泣く泣く自分を納得させた。
 さて後は帰るだけだ、ということで少年と別れようとしたその時だった。
「また会ったな小僧。貴様に受けた傷が、貴様を思い出すたびに疼いたぞ。さあオレに貴様の焼け焦げるニオイを嗅がせてくれ」
 三人の前に、明らかにその界隈のものと判る姿をした男が現れた。
 顔に走った火傷の痕、真っ黒なマント、そして鉄棒みたいな杖。
 恐らく傭兵であろう、メイジの姿だ。
「僕は便利屋やってるんだけど、その時にあいつといざこざがあってね。何故か僕を目の敵にするから、痛めつけて逃げてきたんだけど、まさかここまで追ってくるとは思わなかったよ」
 ナイフと引き換えだったし死ぬかと思ったけどね、と言いながら少年は、先ほど購入した厚みの短剣を引き抜く。
 少年の表情に焦りの色が見える。
「杖も呪文も用いぬのに魔法を使い、人ならざる速度で駆け回る! ならば思わずにはいられまい! オレはこいつを殺せるのかとな!!」
 マントをばさりと翻し、男は杖を構えた。
「この『白炎』メンヌヴィルを相手に逃げ切ったのは、貴様が二人目だ。隊長殿を殺す前に、まずは貴様を焼き尽くさねばオレの心は晴れん!」
 無茶苦茶だよこの人、とため息一つ。少年はサイトたちのほうを向かないまま、叫んだ。
「ここは僕がなんとかするから、ふたりは逃げて。絶対になんとかしてみせるから」
 少年は自分が盾になって、ルイズたちを逃がすつもりなのだろう。
 しかし、少年の思いはあっさりと打ち砕かれる。
「貴族が傭兵風情を相手に逃げてなんかいられないわ」
「いくぜデルフ! 初お目見えだ!」
「おお!? 相棒、オレ溶かされるのは勘弁だぜ……」
 ルイズは杖をとりだし、サイトは剣を引き抜いて構えている。
 約一名――本?――を除いて、すでにやる気満々であった。
「みんな!? これは遊びじゃないんだよ!?」
 少年がいさめるもすでに、臨戦態勢。
 なによりメンヌヴィルがにたりと蛇を連想させる笑みを浮かべていて、もはや逃がしてくれそうにない。

164 :ウィザーズ・ルーン:2007/10/03(水) 23:56:49 ID:kDS0aHoo
「では、嗅がせてもらおうか。貴様の肉が焼ける香りをな!」
 男が杖を突き出し、炎の塊が次々と繰り出される。
 射線上の少年は、来るのが分かっていたかのようなタイミングで横っ飛びに回避。
 と同時に、サイトはメンヌヴィルに向かって駆け出す。
 援護するように、淡青色結晶の槍が男を取り囲み逃げ場をなくす。
 そして振り上げた剣はメンヌヴィルを斬り……裂かなかった。
「甘いわ!」
 杖を振るい周囲の結晶を焼き払う。が、それに呼応して大爆発が引き起こされた。
「く……!」
 爆風を覚悟して剣を構えたが、予想した爆発の衝撃はやってこない。
 気づけば、いつの間にやらサイトの傍まで駆け寄っていた少年が、片手を突き出している。
「風のメイジなの!?」
 ルイズは叫ぶ。
 氷の槍や風の防壁で爆発から身を守る技術。つまりそれは、「雪風」のタバサと同系統のメイジ。
「それとは少し違うんだけど……気をつけて。奴はまだやられちゃいない」
「嘘だろ! あの大爆発のど真ん中にいたんだぞ!?」
「いや、そいつの言うとおりだぜ相棒。よおく見てみな」
 爆発で生じた灰燼が消えてくると、その中から炎に包まれたメンヌヴィルが姿を現した。
 あの大爆発の最中にもかかわらず、傷一つ負っていない。
「オレは火のメイジ。故にオレの炎の鎧はオレの炎以下の炎など通さん。さあ、次はお前が焼け焦げる臭いをオレに嗅がせてくれ」
 にい、とメンヌヴィルは唇を歪ませる。

165 :ウィザーズ・ルーン:2007/10/03(水) 23:59:23 ID:kDS0aHoo
「もう四の五の言ってられないね。あれを防ぐような奴が相手だ。奥の手を使うから、少しの間あいつを引きつけて」
 少年は意を決したように、ナイフを握りなおすと、メンヌヴィルの横側に回りこもうと走り出した。
「させるか、小僧!」
 当然男は少年を狙おうと杖を持ち上げるが、
「てめえの相手はこっちだぜ!」
 その隙に接近していたサイトが剣を叩きつける。
 メンヌヴィルはたまらず、振り下ろされる剣を杖で受け止めた。
「小癪な。ならばまずは、貴様から焼き尽くしてやろう」
 そういってサイトに向けて炎球を放った。
「うあああっ!!」
 剣で受け止めるが、その火が刀身に燃え移り消えない。
「サイト!!」
 叫び声一つ、ルイズの失敗魔法がメンヌヴィルに叩きつけられる。
 爆発をまともに受けて、メンヌヴィルはうめき声をあげながらよろめいた。
 その一瞬の間にメンヌヴィルの死角に接近していた少年が、ナイフを突き刺し間髪入れず逆の手をメンヌヴィルに突き出す。
 するとメンヌヴィルを包み込む空間が、一瞬揺らめいたかと思うと、その刹那メンヌヴィルはどこかに消え去ってしまった。
「はあー。寿命が縮まったよ。できればもう二度と相手にしたくない」
 少年はため息ひとつ。ナイフをしまいながら脱力した。
 サイトとルイズも同じ思いだった。

166 :ウィザーズ・ルーン:2007/10/04(木) 00:01:17 ID:kDS0aHoo
 さて命からがら助かったということで、そういえば少年の名前を聞いてなかったなと思い出した。
 サイトが聞くと、ああそうだった、と頭を振って
「紹介が遅れたね。僕は天樹錬。便利屋をやりながら、あちこちで情報を集めてるんだ」
 と手を差し出した。
「俺は平賀才人。でこっちが俺のご主人様のルイズ」
 この世界には珍しい日本人風の名前だな、と思いながら、
「俺の知り合いにも一人便利屋がいるんだ。今は使い魔をやってて、名前はヘイズって言うんだけど」
「ヘイズ!? まさか、人食い鳩の!?」
「人食い鳩?」
 この世界にはヘイズという有名な鳥の使い魔でもいるのだろうか、と思いながら、
「ヘイズは人間だよ。なんかでっかい船を持ってて、船が使い魔なんだ。確か船の名前はHunter Pigeon……」
「間違いない! 僕の知ってるヘイズだ。ああそうだ……それならこれをヘイズに渡しておいて」
 そう言って少年は紙にサラサラと何かをかき、ルイズに手渡した。何か人名のようなものが英語の綴りで書かれている。
「えーと、エドワード・ザイン? あとはよく分からないや」
 英語の成績はあまりよくないサイトである。
 筆記体の入り混じった英文を読めるはずもなかった。
「とにかくそれを渡してくれれば、分かるはずだから!」
 それだけ言い残して錬は去ってしまった。

167 :ウィザーズ・ルーン:2007/10/04(木) 00:02:45 ID:eW/fPUKl
 Hunter Pigeonの操縦席。そこでキュルケが語ったのは、二人がいかにして出会いそして仲良くなったのかという話だった。
「ド・ロレーヌやトネー・シャラントたちが、髪と服を燃やされて塔から逆さづりになってたあの事件は、あんた達の仕業だったのね」
「ええ、そうよ」
 あきれたようなモンモランシーの声に、満足げに答えるキュルケ。
「しかし自業自得とはいえほとんどリンチみたいなものだね」
「貸し借りというよりは、キュルケ様が個人的に痛めつけたかっただけではないかと推測します」
 ギーシュとハリーは同様に、意見を述べた。
 ヘイズもおおむね同意見であった。
 が、ヘイズは気づいた。確かにそれは友情の証なのだろうと。
 ヘイズは思い浮かべる。
 何もかも失い、この世に絶望しきっていたあの日、食料目当てに押し入ったあの家で出会った恩師を。
 リチャード・ペンウッド。先生と呼ばせるあの男がいなければ、便利屋として今までやってくることはできなかった。
 タバサも留学生としてやってきた学校で、初めてできた友人。
 師弟と友人という違いはあれど、それは大きな存在だったに違いない。
 そう思い、ヘイズは思い立ったように言葉を吐き出す。
「よし、そういうことならオレも今日からタバサの友達だな。便利屋と雇用主でも使い魔と主でもなく、なんのしがらみもない友人同士ってことだ」
 そう胸を張って発言したのだが、
「今更キミは何を言ってるんだね?」
「あんたたち、もうすでに友人同士じゃないの」
「しゃべれるようになった動物でも、使い魔が主を呼び捨てになんてしないわよ、普通は」
 ギーシュにモンモランシーにキュルケに次々と否定された。
 さらにタバサはというと、
「雇用契約は破棄。そのかわりずっといっしょにいること」
 と無愛想な顔を赤くしながら呟いた。
 このあと、ヘイズがキュルケたちに散々からかわれたのは言うまでもない。

168 :ウィザーズ・ルーン:2007/10/04(木) 00:06:42 ID:eW/fPUKl
投下終了。
これが6巻話の伏線になるか、コッパゲの見せ場終了のお知らせになるかはまだ決まってません。
思いついたままに書いてますので。
少なくとも5巻話はこれで終了のつもりです。

錬がここで出たのは、この物語終幕の根幹に関わるアレを呼びつつ、アレをごまかすための重要人物なので。
あと便利屋設定が超便利。間諜活動しまくりでも違和感がないですもん。

169 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 00:10:57 ID:xz+D3r4N
GJ!

170 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 00:10:59 ID:VQLvtTV/
GJ!

ところでくだらないネタを思い付いたんだけど投下していい?

171 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 00:11:49 ID:zm6WsSrg
この世に下らないネタなんてない!
というわけで投下するべし!

172 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 00:12:25 ID:W485G7PM
GJ!

>>170
汝が欲する所をなすが良い

173 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 00:17:13 ID:xJXmN0c0
奮い立つか?なら投下してみろ!

174 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 00:22:37 ID:DU/G+5aH
ならば支援だ

175 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 00:26:53 ID:fa9D3Yy3
支援を、一心不乱の支援をッ!!

176 :アニメ化記念:2007/10/04(木) 00:28:42 ID:VQLvtTV/
何度かの失敗の後ついに召喚に成功したルイズ‥‥‥!

(やったっ‥‥! 成功‥‥! ついにっ‥‥!)

だがそこに立っていたのはなんと平民っ‥‥‥! 顔に火傷の痕がある以外はごく普通‥‥! 初老の男‥‥!

「ちょ‥ ちょっとアンタ何者よ‥‥!」
(‥‥‥‥‥‥)
しばらくの沈黙っ‥‥! そして‥‥‥

「残忍ながら‥‥‥‥‥
質問には一切お答えできません」
(う‥‥‥‥)

ざわ・・ざわざわ・・
「なっ‥‥‥
何を言うかっ‥‥‥!
バカにする気か! きさまっ」
ルイズ怒る‥‥! 無理もない‥‥ 使い魔に逆らわられるというのは言わばペットの反乱‥‥! 飼い犬に手を噛まれると同じこと‥‥!
「使い魔というのは我々の私の命令を絶対に聞くもの‥‥‥! 話して当然‥‥! 私には知る権利がある‥‥!」
「そうだっ‥‥‥!」
「そうだっ‥‥‥!」
「そうだっ‥‥‥!」
まくし立てる外野‥‥しかし‥‥!

「Fuck You」
(え‥‥?)

「ぶち殺すぞ‥‥‥‥‥‥
ゴミめら‥‥‥!」

ざわ・・ざわ・・ざわ・・
(う‥‥‥うう‥‥‥この男‥‥‥)


続かない


177 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 00:33:21 ID:xz+D3r4N
GJ……!GJ……!

178 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 00:33:59 ID:hblcW3YT
また濃いネタが来たなぁw
GJ!

カイジネタは出来れば続けて欲しいが。

っと、昨日やった一発ネタの続き書いたんで投下してみようと思うんだが。

179 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 00:42:54 ID:g/vMLopm
支援するっ!!

180 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 00:43:21 ID:VQLvtTV/
>>176
訂正

×我々の私の
○私の


181 :美的センスゼロの使い魔:2007/10/04(木) 00:44:31 ID:hblcW3YT
「宇宙のどこかにいる私の下僕よ! 強く、美しく、そして生命力に溢れた使い魔よ!
 私は心より求め、訴えるわ。我が導きに応えなさい!」

 ルイズがこれで十数回目の召還の呪文を唱え終わった瞬間、爆発が巻き起こった。
それ自体はいつもの事だ。珍しくもない。だが、今回はそれだけでは終わらなかった。
爆煙のたちこめる中に浮かび上がる巨大な人影。

「まさか!」
「ゼロのルイズが召還に成功したのか!」
「ありえない!」

 そんな生徒たちの動揺の声を圧して響き渡るのは、

「うわぁっははははははははははははははははひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!」
 
 という力強い高笑い。
力強さと高すぎるテンションのせいか、貫禄や高貴さと言った要素は皆無である。

「何だこの下品な高笑いは!」
「い、いったい、何者だ!」

 口々に発せられる誰何の声に、その人影は笑い声に劣らぬ大音声で応えた。

「ダーク・シュナイダー様の次に美しく!
 ダーク・シュナイダー様の次に強く!
 ダーク・シュナイダー様の次に偉大なる大魔導士!
 忠誠の蒼き爪持つ元・鬼道三人衆筆頭!
 それが私!ダァァァァァァァァァイ・アモォォン!」

 朗々たる名乗りの声と共に、アモンと名乗った人影がマント(どうやら、彼はマントを羽織っていたらしい)を翻す。
たちまち彼を中心として旋風が巻き起こり、たちこめる煙を一気に吹き飛ばしたその瞬間。
「て言うかダークシュナイダー様って誰よ?」と思う暇もなく。

「ってこれは日光ぉぉぉっぉ!昼間じゃねえかYO!ぶぉえぁ!」

 蛙を潰した様な悲鳴とともに人影は消え去り、煙の晴れたあとに残っていたのは白い灰の山であった。

「え?ちょっと、何今の!わたし召還に成功したの?それとも失敗したの?」

 凄い勢いで現れ、凄い勢いで退場して言った謎の存在。
いや、人語を操り人型のシルエットで日光で灰になる存在と言えば一つしかないので謎の存在ではないのかもしれないが、
登場して早々自滅したあの存在を、夜の貴族と言われる高貴なイメージのあの種族にカテゴライズするのは抵抗がある。

182 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 00:47:00 ID:Ek2s4pA4
し・え・ん♪

183 :美的センスゼロの使い魔 第一話2/9:2007/10/04(木) 00:47:28 ID:hblcW3YT
「さすがゼロのルイズ!」
「召還したのは灰の山かよ!」
「ゼロにふさわしい使い魔じゃないか! そのまま契約しちまえよ!」

 クラスメイトの嘲笑が痛い。
だが、この程度でくじけてなるものか。不屈の精神こそ私の唯一の取り得なのだ。
もう一度の挑戦をコルベール先生に願い出ようと決意した時。

『ククククク、やってくれましたね! だが、このダイ・アモン様は不死身! この程度では滅びませんよ!!』

 再び無意味にテンションが高い大声が響き渡る。
正直、大人しく滅びてて欲しかった。もう一度、もっとまともなものが出る事に賭けて召還に挑戦させて欲しい。

「なんだ、今の声は!」
「何処から聞こえてきたんだ!」
「おい、あれを見ろ!」

 言われたとおりに灰の山を見ると、ギャアギャアと鳴声を上げながら、
翼長2メイルに達しようかと言う巨大な蝙蝠が這い出してくる。

『今は日光に敗れましたが、次はこうは行きませんよぉぉ! 覚悟していなさい、下等な人間どもぉぉぉ!』

 ギャアギャア、キィキィと言う蝙蝠の鳴声とは別に、再び響き渡るダミ声。周囲の生徒たちの混乱にも拍車がかかる。

「いったいどこから聞こえてくるんだ、この声は!」
「ひょっとしてあの蝙蝠か!?」
「いや、あれはただのジャイアントバットだ!」

『ふはははははは! 私がどこにいるかわからないでしょう!』

 こいつら、本気で言ってるのか? だんだん頭が痛くなってきた。そう考えつつ、エアカッターの呪文を詠唱する。
成功はしないだろうけどそんな事は今はどうでもいい。

「この…」

『うひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!』

 周囲に響き渡る下品な笑い声。ギャアギャア、キィキィと鳴声を上げて飛び回る大蝙蝠。

「ド阿呆がぁぁぁぁぁ!!!」

 叫びながらエアカッター発動。いつものように巻き起こる爆発。
案の定、エアカッターは不発。だが、それでいい。いや、それがいい。その位置がちょうどいい!


184 :美的センスゼロの使い魔 第一話3/9:2007/10/04(木) 00:49:12 ID:hblcW3YT
『ぶげぎゃひゃおぶぇっ!』

 失敗魔法で発生した爆発が、大蝙蝠を直撃した。そのまま無様な悲鳴を響かせて墜落した蝙蝠に歩み寄ると、
その首根っこを全力で踏みつける。

『こっ、小娘ぇぇぇぇぇ! なぜ私が蝙蝠に化けているとわかったぁぁぁぁ!?』

「あの蝙蝠が声の主だったのか!」
「全然気付かなかったわ!」

 頭がくらくらしてきた。コイツといいクラスメイトといい、どいつもこいつも本気で言ってるのだろうか。

「アンタ馬鹿? こんなあからさまに怪しい蝙蝠、見たことないわよ!」

 怒りと侮蔑をこめて思いっきり踏みにじり、その辺に落ちてた人頭大の石を拾ってゴスゴスと殴りつける。
どうせこの手の連中は殺しても死なないのだ。徹底的に痛めつける必要がある!

『グギャァァァァァァァァ! やめてぇぇぇぇ! 暴力反対ぃぃぃぃぃぃ!』

「なんて容赦のない攻撃! まさに残虐非道ッ!」
「貧民街のゴロツキがやるブースボクシングよりダーティー!」
「ゲェ―――――っ残虐超人ルイズの誕生かぁーッ!」

 ギャラリーが好き勝手なことを言っている。後で覚えていなさい。
心の中の復讐手帳に各人の名を記入しながら殴っていると、蝙蝠はぐったりとして時々痙攣するだけになってしまった。

『ひ…ヒドイ…』

 ふう、今日のところはこれくらいで勘弁してあげるわ。血まみれになった石を投げ捨てて、
ようやく一息ついたところで、コルベールが近付いてきた。心なしか引き攣った笑みを浮かべているがそこは無視。
この状況で先生が私に言う事ってなんだろうなー。うわー、なんだか物凄く嫌な予感。

「良くやりましたね、ミス・ヴァリエール!
 さあ、そのまま契約してしまいなさい!」

 マジですか、コルベール先生。これと契約するのって凄くイヤなんですけど。
…でも、契約しないと留年なんだろうなあ…究極の選択ってこういうのを言うんじゃないだろうか。
しばらく考えこんでしまったが、結局「強力な亜人には違いないし、留年するよりはマシか」と言う結論に落ち着いた。

「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ヴァリエール。
 五つの力を司るペンタゴン。この者に祝福を与え、我の使い魔となせ」

 うう…これは儀式だし相手も人間じゃないから未確定…ッ! 成立していない…っ 不成立なんだっ…!
ファーストもクソもないっ…キスとしてはノーカウントッ…! ノーカウントなんだ…ッ!
ノーカウントっ…! ノーカウントっ…ノーカウントっ…!
 必死でそう自分に言い聞かせながら、唇を近づける。


185 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 00:50:23 ID:VkP0VWse
まぁ、ダイ・アモンが相手だと泣きたくもなるよね支援

186 :美的センスゼロの使い魔 第一話4/9:2007/10/04(木) 00:52:14 ID:hblcW3YT
『ギャー! やめてぇー! 二重契約なんてしたら青爪邪核呪詛(アキューズド)の呪いがぁぁぁぁ!』

 ああ、この蝙蝠うるさい! もう一発ぶん殴って黙らせた。
あと、アキューズドって何?とか思ったが、このルイズ容赦せんっ!
覚悟は出来てるか? 私は出来てるっ!

ズキュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン!!

 とかいう音がしたかどうかは知らないが(心情的にはこんな擬音がふさわしいくらいショッキングだった)、
唇が蝙蝠の口に触れた。うー、後で口を漱がなきゃ…

『ガマガエルになるのはイヤァァァァァァァァァァ!! って言うか痛ェェェってか熱ゥゥゥゥッ!!』

 そう叫びながら蝙蝠がのた打ち回る。左の翼に生えた指…というか、指先の爪に使い魔のルーンが浮かび上がり、
光を放っている。…なんで左翼だけ爪が青いのかしら。と思ったそばから爪の色がだんだん毒々しい紫に変わっていく。

『…あれ?』

 いったん大人しくなった蝙蝠がおもむろに起き上がり、左手の爪をしげしげと眺めている。
コルベール先生も一緒になって紫の爪の上に浮き出た使い魔のルーンを観察している。

「ふむふむ、これは珍しいルーンだ…スケッチしておこう」

 楽しそうですね先生。とか思ったら、

『あぁぁぁぁッ! 青爪邪核呪詛の術式に何か変な魔術文字が上書きされてるゥゥゥゥゥゥゥゥ!?』

 蝙蝠が叫びだしやがった。いちいちうるさい使い魔だ。

『仕方がありません…そこなちっこい小娘、この私、偉大なる真祖ダイ・アモン伯爵が
 使い魔となって差し上げますよ! せいぜい感謝しなさい!』

 なんか引っかかる言い方だが、まあ良しとしよう。使い魔にふさわしい態度は後々みっちり教育して行けばいい。

「はい、それじゃあ今日の授業はここまで。皆さん、それでは校舎に戻りましょう」

 コルベール先生の言葉に従い、使い魔召還を終えた生徒たちが校舎に向けて飛び立つ。
いつも通り飛翔魔法で飛ぶものが多いが、中には召還した使い魔に乗って飛ぶものもいる。
私はといえば、当然フライの魔法は使えないし、このジャイアントバットは図体ばかり大きいくせに
人を乗せて飛ぶほどの力はないらしい。…役立たずだ。そう言ったら

『うっせー小娘! フルパゥワァーの美しい私なら小娘一人抱えて飛ぶなんて造作もありませんよ!
 昼間に呼び出すテメーがワリぃーんです!』

 とか言われた。ううむ、ある意味正しいので反論が難しい。でも、好きで呼び出したわけじゃないし。
吸血鬼が出てくるってわかってたら昼間に呼んだりしない。
…いや、反抗的な吸血鬼を夜に呼び出したりしたら、そもそも契約できたかどうかが疑問だ。
やっぱり昼間に召還したのは正解だったかもしれない。

187 :美的センスゼロの使い魔 第一話5/9:2007/10/04(木) 00:54:49 ID:hblcW3YT
『で、マスターは飛んで帰らねーんですかぁー』

「うるさいわね! 私は歩くのが好きなの!」

 そういって帰ろうとしたら、この使い魔、
『灰の山を持ち帰って地面に埋めてください。そうしねーと何時までたっても復活できねーんですよ』
とか言い出したので、仕方なくマントに包んで持ち帰った。うう、このマント後で洗濯しないと…

 宿舎の裏に灰を埋め、ようやく部屋に戻ってきたらもう日が暮れていた。
凄まじく疲れたが、それも仕方がない。今日はやたらと肉体労働が多かった気がするのだ。
メイジとしてどうかと思うが。

『ここがご主人様の部屋ですか。小娘の分際で中々いい部屋に住んでやがりますねー』

 大蝙蝠はそう言って部屋に入るなり、天井の梁にぶら下がった。
しまった、蝙蝠だけに寝床は天井か!
床に毛布で寝させて立場をわきまえさせる作戦はいきなり失敗だ!

『で、とりあえず使い魔といっても具体的に何をすれば良いんですか?』

 良い質問だ。とりあえず、絡め手の作戦が失敗した以上は正攻法、普通の質疑応答で使い魔の立場を理解させなくては。

「まず、使い魔はご主人様の目となり耳となるのよ」

『感覚の共有と言うわけですねェ。まあ基本的な要素ですが…で、見えてますか?』

 意識を集中してみるが、何も見えないし聞こえない。

「…ダメね。なんでかしら。
 まあいいわ。次は、苔や硫黄とか秘薬の材料となるものを集めてくる事!」

『そんな雑用、使用人にやらせればいいでしょう。何で伯爵であるこの私がそんなことをしなくちゃいけねーんですか!』

「む、ご主人様に歯向かう気なの!?」

 そう言うと、蝙蝠は慌てて左翼の爪を見た。心なしか、だんだんと爪の色が紫から赤紫っぽく…

『いえ、逆らうなんて滅相もありませんよぉぉぉぉ!』

 あ、また紫に戻った。…どうやら逆らうと赤く、従うと青くなるみたい。なんなんだろう。
ついでに私は公爵家の令嬢であり、伯爵よりも偉いのだと言っておいた。別に公爵家の当主と言うわけでもないし
そもそも公爵位は姉が継ぐだろうから、私自身が伯爵より偉いわけでもないのだが…こういうヤツには
ハッタリの一つくらいはかましておいた方が良いだろう。

188 :美的センスゼロの使い魔 第一話6/9:2007/10/04(木) 00:57:35 ID:hblcW3YT
「で3つ目。これが一番重要なんだけど、使い魔は主人の身を守るの」

『力が戻ればその程度は容易い事ですよ』

 まあ、そうだろう。吸血鬼といえば強大な魔力を持つ不死身の怪物。この点だけは期待しても大丈夫なはずだ。

『まー夜限定ですけどねー』

 …最大の問題を忘れてた。強力な代わりに時間帯による制限が著しく厳しい種族だ。
使い勝手が悪いのと契約してしまったなあ。
とりあえず、使い魔の仕事について説明したんで今度はこっちが質問する番だ。

「とりあえず、名前はダイ・アモンでいいのよね?」

『Yes!』

 まあ、いきなり名乗ってたし。

「種族は吸血鬼?」

『Exactly(その通りでございます)』

 これも判り切ってること。ここまでは軽いジャブのようなものだ。ここからが本番。

「で、その紫の爪は何よ?」

『ギクゥ!』

 ビクリと体を硬直させ、脂汗を流し始めた。…あからさまな反応でわかりやすくて良い。

『ななななな、何のことか判りませんねぇぇぇぇ!』

「ふーん、とぼけるんだ?
 私に逆らうって事よね。いいのかしら? また爪が赤くなるんじゃないの?」

 無論、これも推測によるハッタリに過ぎないが、勝率は高いはずだ。

『…実は』

 勝った。

189 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 00:58:59 ID:VkP0VWse
アキューズドもたいがい外道な使役魔法だからなぁ支援

190 :美的センスゼロの使い魔 第一話6/9:2007/10/04(木) 01:00:09 ID:hblcW3YT
 ダイ・アモンと名乗るこの吸血鬼が言う事には、この爪は青爪邪核呪詛(アキューズド)と言い、
忠誠を強制するための太古の呪詛魔法らしい。忠誠心を示せば爪は青く、逆らえば少しずつ赤くなり、
その爪が真紅に染まった時、この呪いをかけられたものは肉体を分解されヒキガエルにされてしまうそうだ。

…悪趣味な呪いだなあ。

 で、以前にダークシュナイダーとかいう邪悪な魔法使いに敗れた時、この呪いで手下にされてしまったらしいのだが、
私がコントラクト・サーヴァントをかけたときに魔法同士が干渉し合い、結果として青爪邪核呪詛の忠誠の対象を
上書きしてしまったらしい。

「と、言う事はアンタは私に逆らえないわけね?」

『そのとーりですが、いい気になられては困りますね小娘! 確かに爪が赤くなるほどに逆らいはしませんが
 私が真に忠誠を誓うのは強く美しい者のみ! 私の主人に相応しい力を示さない限り、爪が青くなることはありません!』

 生意気なヤツだ。いいだろう、その挑戦受けて立つ。必ずその爪を青くして見せるわ!
…参考までに、そのダークシュナイダーとやらがどのくらいのメイジなのか聞いてみた。

400年生きて、炎系を中心としてあらゆる属性の魔術(ただし、何故か水系だけは使えないらしい)から呪詛、
果ては失われた古代の秘術をも使いこなす大魔法使い。鋼のゴーレムの軍団と数万の闇の軍勢を率いて大陸を
征服しようとした破壊と殺戮の権化。美形だが凄い悪人面の性欲大魔神。エルフが束になってもかなわないって。

…マジですか?

『ん? …こっ…これはぁぁぁぁぁ!』

 突然何事だ。そう思ったらいきなり翼を広げて飛びだし、開けっ放しになっていた窓に突っ込んだ。
どうやら夜空を見上げているらしい。

『ありえねーぐらい月の魔力が満ち溢れてると思ったら、月が二つぅぅぅぅぅぅ!?』

 当たり前ではないか。何を驚いているんだろう。

『ここは一体何処なんですか!
 ダーク・シュナイダー様の事を知らない人がいるなんて何かおかしいと思ったら!』

「ここはトリステイン王国よ。ハルケギニア大陸の」

 アモンが言うには、出身地には月が一つしかなかったと言う。
…コイツが法螺を吹いている可能性もあるので爪にかけて聞いてみたが、やはりコイツの出身地は
月が一つで正しいようだ。違う大陸の出身なのかもしれないが、それにしても月が一つしかない大陸なんてあるんだろうか。

191 :美的センスゼロの使い魔 第一話8/9:2007/10/04(木) 01:01:42 ID:hblcW3YT
『…むう、天界や魔界と言うわけでもなさそうですし、どうやら星単位か時空世界単位で転移してしまったようですね…
 これだけの大転移魔術、そうそうに実行できるはずがないのですが…平行世界理論はアビゲイル様にでも聞かないと…』

 なんだか良くわからない事を言い出した。何を言っているのかと聞いたら、説明しても多分わからないと言われた。
むかついたのでいいから説明しろといったら説明してくれたがやっぱり良くわからなかった。
なんでもカガクとか言う失われた秘術を理解する必要があるらしいが、それについてはアモンも大して詳しくはないらしい。
前の主、ダークシュナイダーとやらはカガクと言う秘術にも通じており、その配下だった暗黒神官アビゲイルとやらは
その道の専門家でもあるらしいのだが今ここに居ないので話を聞くことも出来ないとか。

『まあ、その辺は置いておきましょう。目下もう一つの問題ですが…
 吸血鬼の力が月齢によって左右されるのはご存知ですか?』

「それは聞いたことがあるような気がするわ」

『現在、夜空には月が二つ出ています。しかも、その両方が満月!
 夜の眷属がフルパゥワァーになれるエネルギー源がワンダフリャな事に二倍ニバーイぃ!
 日光で失った魔力を大幅に回復させる事が可能なのですよ!』

「それで?」

『これで処女の生き血が1リットルほどあればすっかり元通りになれるんで血をよこせやぁぁ!』

「却下!」

 んなもの用意できるわけがないだろうが。私の血は…まあ、条件にはあってるがそんなに血抜きしたら大変な事になる。
かといってコイツに他の女生徒を襲わせるなど持っての他だ。
そう考えてようやく気付いた。…吸血鬼は血を吸わなければ生きていけないのだ。コイツの食事はどうすればいいんだろう。

 聞いてみた結果、やはり人間の生き血が必要らしい。そんなものどうやって確保すればいいんだろう、と思ったが
極上の処女の生き血なら数滴で1日しのげるらしい。極上と言うのはどういうものか良く判らないが…
私の血でもおそらく大丈夫だとの事。つまり私は極上の処女と言うことか。これって喜んでいいのだろうか。
『まーチンチクリンな小娘は私の好みじゃないんですけどねー』とか嫌そうに付け加えていたので銀の置物でぶん殴っておいた。
吸血鬼に銀が有効と言うのは事実のようだ。勉強になった。


192 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 01:03:23 ID:i/QYsEKr
支援

193 :美的センスゼロの使い魔 第一話9/9:2007/10/04(木) 01:04:53 ID:hblcW3YT

『…とりあえず、数滴の血で良いんでよこしやがってください』

 その程度なら、という事で妥協する事にした。流石に食料なしと言うわけにも行かない。
指先をナイフで突いて血を垂らし、アモンに与えた。これで一晩待てばとりあえず人型に戻れる程度には回復するらしい。
人型に戻ったら、掃除や洗濯をやらせようと心に決め、今日はもう寝る事にした。
寝る前に「明日の朝、ちゃんと起こしてよね」と言ったら嫌がったので爪で脅したら、
『朝日が差し込まないように部屋の窓を閉め切っておく』事と、『専用の棺を用意する事』と言う条件で妥協した。
そうしなければ、朝が来ると同時にまた灰になってしまうので当然と言えば当然の条件か。棺の方も考えておこう。


 ルイズがベッドに入った後、ダイ・アモンは夜明けまでの時間を土の中で過ごした。
灰を埋めた場所はじめじめして日当たりが悪い場所である。これは吸血鬼が不浄な魔力を蓄える為に必要な条件だ。
多くの血を吸った土地や放置された墓場のような場所ならなお良いのだが、当然この学院内にそんな場所があるはずもない。
だが、土地がベストな条件ではなく、糧となる血も数滴程度しか啜っていないにもかかわらず、ダイ・アモンの魔力は
予想以上に回復している。最初は月が二つあるために魔力が増幅されているためと考えたが、それを計算に入れても
回復量が多すぎる。

『あの小娘の血…どうやら予想以上に夜の眷属に馴染むようですねぇぇぇぇ!
 これはラッキーかもしれませんよぉぉぉぉぉ!』

「やかましいわ!今何時だと思ってるのよ!」

 銀の置物が窓から降ってきた。
その夜響き渡った凄まじい悲鳴は翌日の学院内の話題となり、そこから派生した噂話が学院に新たなる怪談を
作りだす事になるのだがそれはまた別の話。

    第一話――END


194 :虚無界行:2007/10/04(木) 01:05:11 ID:mAtL0dtT
支援です。

そしてまたあまり話は進んでませんが、第2話が形になったので
投下予約したいと思います。

195 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 01:06:14 ID:ba69Cdhw
お後がよろしいようで。

196 :美的センスゼロの使い魔:2007/10/04(木) 01:07:48 ID:hblcW3YT
以上で終了です。

第一話は召還初日までと言う事で。
次はギーシュとの決闘まで行きたいと思ってます。

197 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 01:09:39 ID:gJ7n/OF5

決闘……できるのかな?w

198 :虚無界行:2007/10/04(木) 01:11:16 ID:mAtL0dtT
第2章 異界夜話

完全に覚醒し、周囲の状況を確認した瞬間、らしくもなく彼の思考は停止した。
      どういうことだ、これは?

排気ガスなどとは無縁の清浄な空気と、青い空。
春先を感じさせる風の流れと、一面の草原。

目の前には桃色の髪をした少女―――――年は10代前半だろうか。
そして向こうには同じく10代らしい子供の集団と、
一人だけ中年の、見事に禿げあがった頭頂部を持つ男性。
学生の集団と、引率の教師・・・という所だろうか?
(全員が揃いのマントを羽織り、杖を持っているのが奇妙といえば奇妙だ)
いずれにせよ、先ほどまで自分がいたエネルギー・ラインの中とは
まったくもって結びつかない情景が展開していた。

禿げ頭の男性が桃色髪の少女に話しかける。ハッとして受け答えをする少女。
頷くと、今度は自分の方に近づき、左手を覗き込み、
「ほほぅ・・・珍しいルーンですな」
学術的興味を顔に浮かべ、スケッチを開始する禿げ頭。
つられて己の左手に浮かんだ紋様を確認した。何だこれは。何時の間に?

一連の光景を、まるでテレビの画面の中で起きている出来事のように
現実感が無く見ていた南雲。
ただボーッとしていたわけではなく、彼の脳内ではすでに
100を越える可能性がシミュレートされていたが、依然確信に至る答えは出ないままだった。
だが直後、南雲はいったん思考を中断し、眼を見開かざるをえなかった。

禿げ頭の指示で、桃色の髪の少女以外が解散し移動を始めた。
『宙に、その身を浮かべて』

(ここは・・・いや、まさか・・・)
ある仮定が、にわかに浮かび上がってきた。

南雲は立ち上がり、未だへたり込んだままの少女へと声をかけた。
「・・・訊きたいことがある」と。

199 :虚無界行:2007/10/04(木) 01:13:39 ID:mAtL0dtT
夜に入って、学園の女子寮。
そのルイズの自室で、南雲とルイズは話し合っていた。
(最も、ルイズが話す方がずいぶんと多いが)
話す内容は、自分が南雲を使い魔として召喚したことの確認と、使い魔としての仕事の内容。

先刻の恐怖が完全に消えたわけではなく多少口調に覇気がなかったが、
話すうちに段々調子が戻ってゆき、最後には大分常態に復帰した。
中々の精神力の持ち主である。

―――――高圧的なその態度と、使い魔をやれという命令が、
この男にいかなる効果を与えるかは別として。

目の前のルイズが話し終えると南雲は
「・・・なるほど、な」
口の中でつぶやく。現在の自分の状況について考えが纏まったのである。
一言でいえば『ここは異世界である』と。

常人なら一笑に付すだろうが、南雲にとって『別の世界』が存在するというのは
特に笑うようなことではないのだ。
そもそもバイオニック・ソルジャーの戦いの相手には『人間以外』の超常的存在も想定されていた。
黒魔術師により招喚された魔物ども。外宇宙より飛来したエイリアン。
元の世界のイラク奥地では、異次元との壁にほころびが生じている場所があった。
世界が異次元の化け物共で埋め尽くされるのを防ぐため、すでに『こちら側』へ来てしまった
連中を始末するのもまた、バイオニック・ソルジャーの任務であった。
駄目押しに、夜空に浮かぶ2つの月を見て、南雲はここが異世界という事を確信した。

混乱はしない。バイオニック・ソルジャーとして、如何なる状況であっても
冷静さを保つために受けた訓練はまだ活きている。

200 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 01:14:38 ID:hblcW3YT
菊地ネタをやろうという勇者を支援

>>197
基本的に昼間行動できないんでネタ考えるのがつらいっすw

201 :虚無界行:2007/10/04(木) 01:16:59 ID:mAtL0dtT
そして、望んでもいない召喚を受けた南雲は、こう答えた。
「・・・『護衛』とやらの仕事だけはやってやる。

 だがそれ以外は自由にさせてもらう。口出しをするな」

南雲にしてみれば、単に勝手に呼び出されただけではなく、宿敵との戦いに水を差された形である。
ルイズに半身不随になるぐらいの傷を負わせた上で此処を出て行ったとしてもおかしくない。
それを考えれば、驚くほどの譲歩と言える。

だが、ルイズの方は納得しなかった。
先ほどの恐怖も一瞬忘れ、ヒステリックに叫ぶ。

「な・・・っ!?貴族の命令に逆らうっていうの!?」

―――――南雲をよく知る人間がこの情景を見たら、青褪めるか呆れるかした後に、
全員が同じ言葉を発するだろう。
「自殺するならするで、もっと苦しまない方法が幾らでもあるだろうに」と。

待ちかねたかのように―――――南雲の全身から気が噴き出す。殺気だ。
部屋を満たすそれによって、ルイズは本日2度目の真の恐怖を体感する事となった。 

この男はいまこの瞬間にも自分を殺せる。ありとあらゆる手段で殺しつくせる。
怖い。コワイ。殺される。このままでいたら・・・コロサレル。

吹き出す冷や汗を拭き取る事すら出来ない。
途方もなき気それ自体が、技に化けてルイズの全身を束縛していた。

フゥーッ・・・と長く吐き出される息。
腕がそれぞれ、もう片方の腕を抑え込んでいる。
―――――南雲なりに、衝動を抑えていたのである。

やがて、徐々に部屋を満たす殺気が薄まり始めた。

202 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 01:19:00 ID:gJ7n/OF5
ルイズ……危ない橋を渡ってるな支援

>>200
考え中かよ!!w

203 :虚無界行:2007/10/04(木) 01:19:15 ID:mAtL0dtT
「・・・口出しを、するな」
もう一度繰り返すと、立ち上がり部屋を出て行った。
―――――1人になりたかった。

ルイズはベッドに腰かけたまま、南雲が部屋から消えた後も身じろぎひとつしなかった。
―――――唐突に、全身の筋肉が弛緩する。
汗でグッショリと濡れた制服のままベッドに倒れこむと、ルイズの意識は
そのまま闇へと堕ちていった。

南雲が、ルイズの部屋から出て数十メイル離れた後の事であった。



女子寮の廊下を歩きながら、南雲は落ち着き場所を探していた。
春先とはいえまだまだ冷え込む夜だが、生体強化を受けた肉体は
零下40度の吹雪の中、通常装備のみでの活動を可能にする。
いざとなれば外でも構わない。

と・・内部に人の気配の無い部屋を見つけ、ドアノブに手をかける―――――開いた。
空き部屋を物置代わりに使っているらしい。
部屋の何割かを占める、家具や梱包された荷物。
薄く積もった埃が、もう随分と人の出入りも無いことを思わせた。

中に入り、隅にあったベッドに腰かける。
月明かりのなか、まずは所持品のチェックを開始した。
投擲用の五寸釘が100本。コンバットナイフが一振り。
南雲の手にかかれば、何の変哲もない釘はライフル弾並の威力で敵を貫き、
チタン鋼の刃は薄い鉄板など紙のように切り裂く。

しかし拳銃―――――スターム・ルガーP95DCは、予備弾倉を収めた
パウチとともにどこかに消え失せていた。
当面は有る物と現地調達でどうにかするしかあるまい。

チェックを済ませ、その後南雲は、しばし思考の海へと沈んでいった。

204 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 01:22:12 ID:hblcW3YT
支援

>>202
いや、ネタは考えてある…一応w
そこに至るまでがツラかったって事で

205 :虚無界行:2007/10/04(木) 01:22:49 ID:mAtL0dtT
この学園をさっさと出て行かなかったのは、ルイズに対し
何らかの義理や恩義を感じたわけでは勿論無い。

貴族の子女に高水準の教育を施すための施設。
ルイズの話によれば、この国の王室とも繋がりがあるらしい。
(メイジが全て貴族である以上当然といえば当然だが)
それほどの名門ならば、この国だけでなく、他の国の事を知るネットワークをも持っているはずだ。
誰か特定の存在を探すのならば、ここに留まっていた方が、
少なくとも自分1人がその辺の村々をまわるよりも
情報収集の効率も精度も高いものとなるだろう。
(情報を提供してもらうためには、また別種の手段が必要だろうが)

―――――それで本当に、あの2人を見つけることができるのか?
―――――そもそもあの連中は、『この世界』に来ているのか?
浮かぶ疑念を、軽く頭を振って払った。
どの道現時点でとれる手段は多くはない。ダメならまた別の道を探るだけだ。

ふと、元居た世界で会った、2人の女性の言葉が思い浮かんだ。

『これから、あなたは遠いところへ行くわ。そこは遠くて近いところ。とても暑いの。
 なんて暑いの・・・そして果てのないところ。
 あなたは・・・帰ってこない・・・二度と会えない・・・わ・・・』
―――――かつて共に戦い、魔戦の中でその身の半分を死人と変えた女。

『じきに、あんたは熱い国へ行くよ。多分、決着はそこで着く。
 いつになるかはわからないけれどね』
―――――宿敵、瓜生義龍を生んだ妖女。

ここが、あの2人の言う場所なのだろうか?
この世界こそ、真に決着をつける舞台であると。
ならば南雲としても望むところであった。

決着はつける―――――必ず。
その意志の前には、元の世界への感慨など微塵も浮かび上がりはしなかった。

ふと、顔を上げて窓から夜空を見る。
2つの月が、ハルケギニアの者にとってはありふれた日常として
―――――南雲にとっては異世界の証として、そこに煌々と存在した。


第2章―――――了

206 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 01:23:15 ID:C9EgO/JD
支援。

……誤植の悔しさもあるが、続きをちょっとの間投下できなくなるので
投下できる分を次に投下しますね。

207 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 01:58:58 ID:C9EgO/JD
やっと繋がった

では投下します……

208 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 01:59:02 ID:xz+D3r4N
GJ!
なんかしばらく2ちゃんに入れなんだ

209 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 02:01:50 ID:sMrmpr/o
剣風帖の人のはもー書かれてるのか。
外法帖の人で書いてみるかねぇ

210 :虚無界行:2007/10/04(木) 02:09:12 ID:mAtL0dtT
ああ、ようやく繋がった。今更ながら投下終了報告。
ううん、やはり展開が遅い。しかし今更文体を変えるのも難しい。
次はしばらく間が空くかもしれませんが、とにかく書くことだけは続けたいです。

そして支援、ありがとうございました。

211 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 02:11:06 ID:C9EgO/JD
GJ、御苦労様でした。

どう言う訳か重いですね。では、回線が生きているうちに落とします

212 :GTA:LCS-0 第五回:2007/10/04(木) 02:12:59 ID:C9EgO/JD
やりすぎたか?……いやいや、ああ言う世間知らずにはトラウマになる位の教育が必要だろうよ。煙草を吹かしながら学院をぶらつく。
どうやら俺はこの学院で知らない者が居ない状況になったようだ。興味本位で話し掛ける生徒が後を絶たない。
「トニー!トニーこんな所に居たの!!」
昼頃になると、ルイズが必死に俺を探していた。しかしおかしな話だよな、マフィアの俺をこんな風に呼ぶ少女と言う様はな。
「邪魔だと思っていたからな、そこらをぶらついていただけだ」
「一緒に居なさいよっ……早くこっちに来なさい!!」
やれやれ、子守りも楽じゃねぇなぁ……。

移動した先にはまぁ何と言うか、貴族らしいと言うか庭で昼食を催してやがる。随分と楽しそうな雰囲気だが、俺の姿が見えるとその
雰囲気は一変。先程の事態を知っている者は緊張の色が見え、嬲ったデブはトラウマでも植え付けられたのか逃げたす。本来はルイズの
話では召喚した使い魔の為にロクに授業がないと聞き及んでいたが、どう見てもこれは御茶会だな……。
「……」
しかしそれでも、この場が少々緊張に包まれているのが分かる。今までの流れを見てキュルケ辺りがルイズを馬鹿にしに来ると思うのだが、
キュルケとルイズが軽く一言・二言交わした後、火の付いたトカゲを連れてそのまま離れていく。だが、俺を見て一瞬ウィンクしたのを
見逃さない。
「あの姉ちゃんなら、お前を馬鹿にすると思ったんだけどなぁ」
「……アンタを恐れてるのよ」

213 :GTA:LCS-0 第五回:2007/10/04(木) 02:14:01 ID:C9EgO/JD
mission:『平民の使い魔:ギーシェ午後の災難』

恐れてる?そんな馬鹿な。あの姉ちゃんの性格なら構わずからかってそうだがな。現に今ウィンクしたしな。
「お茶持ってきてよ、トニー」
「何?それ位……まぁいいか、持ってきてやるよ」
今日はルイズの顔を立てるんだったな、面倒だったが茶ぐらい持って来てやる事にした。

しかし無駄に広い中庭だよな……そんな事を考えて茶を取りに行こうとした時、エプロンドレスを着た姉ちゃんにぶつかり、姉ちゃんが
持っていたケーキを拍子で落としてしまった。
「すまない、余所見をしていた」
「いえ、大丈夫です」
落としたケーキを拾ってやると、姉ちゃんは俺の左手の甲を見てこう言う。
「貴方は……ミス・ヴァリエールの使い魔になったと言う……」
「俺の事を知ってるのか?」
「平民が使い魔に召喚され、大暴れしたって噂ですよ?ミス・ヴァリエールの髪を兎のように引っ張り上げたとか」
嫌な噂の流れ方だな……まぁ事実だから仕方がないがな。
「俺にしちゃあ貴族なり平民なりは知ったこっちゃないがな」
だが、この言葉でこの姉ちゃんはさも当然にこう言いきる。
「魔法が使えるのが貴族で、それ以外は平民でしょ?」

214 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 02:14:49 ID:xz+D3r4N
支援

215 :GTA:LCS-0 第五回:2007/10/04(木) 02:15:43 ID:C9EgO/JD
「なるほど、単純なものなのか……じゃあ姉ちゃんも魔法使いなのか?」
頭に浮かんだ事をそのまま聞いて見る。だが、彼女の答えはこうだった。
「とんでもない、私はここで御奉仕させて頂いているシエスタと言う者で貴方と同じ平民です。貴方はトニー・シプリアーニさんですよね?」
「ああ、合っている。トニーと呼んでくれて結構だ」
だが話の途中で、昨日後ろから不意打ちした優男がシエスタにこう声をかけた。
「おーい、ケーキはまだかい?」
「はい、ただいま」
だが、直前俺は止める。ん?まて、対面に座っているのは昨日と女が違う……あの姉ちゃんは世話になったモンモランシーではないか……野郎。
「いや待て、それは俺が持っていこう」
「しかし、それは今……」
『落ちた』もんだよ、あのマセガキにはこれで十分……鬼畜?とんでもない、当然の憂さ晴らしだろ……。

俺が憂さ晴らしを込めて落ちたケーキを持って優男の所に行くと、昨日世話になったモンモランシーとまるで恋人のように茶を飲み、昨日呼んだ
であろう使い魔に頬擦りをしてモンモランシーに気味悪がられていた。
「お待たせいたしました」
モンモランシーは気が付いたがこの優男は俺には気が付かなかった。訳の分からない愛の語らいをやっている。
「ついでにお茶も頼むよ」
まぁ持ってきてやるよ、精々腹が下らない様気をつけるんだな……。

216 :GTA:LCS-0 第五回:2007/10/04(木) 02:18:31 ID:C9EgO/JD
今回は少ないです。ちょっと誤植に悔しい思いをして
書いて見ました。

駄文にお付き合いくださり有難う御座いました

217 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 02:20:51 ID:xz+D3r4N
GJでした!

218 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 02:22:48 ID:mAtL0dtT
GJです。

トニー・・・何という自由人w

219 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 02:26:26 ID:F41jN0VY
逢難が

220 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 02:43:38 ID:opcdZdwM
GJ なんという良スレ

グーグル先生に導かれ、保管庫より召喚されました
沙耶との話がお気に入り

221 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 02:55:41 ID:xJXmN0c0
GTAの作者仕事はえ〜w
何はともあれGJ!


222 :ゼロガー:2007/10/04(木) 05:33:20 ID:94lGK9lE
早朝の静謐な空気の中、キュルケは爽やかな寝覚めを迎えていた
ベッドの上に上体を起こし、大きく伸びをしたキュルケは新鮮な外の空気を吸おうと立ち上がる
キュルケは窓を開けた
窓の下にギーシュがいた
ビキニパンツ一丁で石を積んだトロッコを引いていた
「引く力こそ土のメイジの力だっ!」
ギーシュの隣りにバレスターがいた
やはりパンツ一丁だった
「そのトロッコを最後まで引くことができたときッ!この世界にお前に勝てるメイジはいないッ!!」
ギーシュが吼えた
全身の筋肉が板垣チックにうねる
バレスターも吼えた
「ハラショーッ!ギイィィィーィイシュッ!!」
キュルケは窓を閉めた
目眩を感じて蹲った
清々しい朝が完膚無きまでにブチ壊しだった
何か口直しが必要だった
室内を見回したキュルケの視線が、未だ眠り続けるルイズを捉える
キュルケの目がキュッと細められる
獲物を見つけたニシビワジマオオヤマネコの目だった
コモドオオトカゲみたいな動きでゆっくりとルイズに這い寄るキュルケ
ベッドの縁から身を起こす
ルイズの顔が目の前にあった
黙っていれば涎が出るような美少女だった
胸は虚無だが
スースーと規則正しい寝息を立てる可憐な唇目指して、キュルケはゆっくりと自分の唇を接近させる
あと5センチ、4、3、2、1、
キラリと光る黄金の光がキュルケの目を射る
ああ、何でも無い。朝日が金色の置物に反射しただけ…
金色の置物?
キュルケは顔を上げた
「ああ小生のことはお気になさらずどうぞ続きを」
ケルプだった

223 :ゼロガー:2007/10/04(木) 05:35:49 ID:94lGK9lE
「きゃおらッ!」
怪鳥音とともに跳び回し蹴りを繰り出すキュルケ
吹っ飛ぶケルプ
実はインパクトの瞬間に自分から後ろに跳んでいるので衝撃はほとんど無い
というかキュルケに蹴られてどうにかなるケルプではない
とはいえ正面から受け止めては傷付くのはキュルケの足の方である
まあ素直に避けしまえばそんな心配をする必要も無いのだが
主人のツッコミは全て受けきるというケルプの中の猪狩イズムがその選択を許さなかった
たまたまキュルケの奇声を聞きつけたワルドが何事かとドアを開け
ケルプの尻がワルドの顔面にめり込む結果となったのは不幸な事故としか言いようが無い

224 :ゼロガー:2007/10/04(木) 05:37:50 ID:94lGK9lE
『はっきりいって分の悪い賭けじゃぞ?』
オシリスは言った
「溺れるものは藁をも掴む」
朝食のサンマ開き定食を食べながらタバサが答える
タバサの母の容態は安定していた
別の言い方をすれば病状は悪化していない代わりに回復の兆しも無い
そこでタバサはオシリスに目を付けた
オシリスの半不死といってもいい再生能力は体内で生成される万能薬(パナケア)によるものである
それをタバサの母に投与すれば…
問題はオシリスの作り出す万能薬は不完全であり、他の薬と混じり合った場合どのような副作用が現れるか全く分からないという点だ
だがタバサは僅かでも可能性があればあらゆる手段を厭わなかった
シュートを打たなければ点は入らないのだ
『どうなっても知らんぞ…』
「それでどうやって治療を行うのだ?」
朝食後、タバサと母親に割り当てられた部屋に集合した全員を代表してガーゴイルが発言する
『どうやってもこうやっても無い、妾の体で作った万能薬をこの女に直接飲ませるだけじゃ』
大変シンプルである
「その場合やはり乳首から吸わs『お主は黙っておれ』ウォシャレッ!?!」
顔面にエスカリボルグ(レプリカ)を叩き込まれ口と鼻と耳と目から透過光を流しながら崩れ落ちるギーシュ
『始めるぞ』
オシリスが触手を伸ばす

225 :ゼロガー:2007/10/04(木) 05:40:45 ID:94lGK9lE
やつれたとはいえ往年の面影を充分に残した美熟女の口に、ヌラヌラと光るぶっといモノが捻じ込まれる
ピンク板だったら迷わずピストンしているところだ
やがてタバサの母の喉がゴクリと音を立てて何かを飲み下すと、オシリスは触手を引っ込めた
息を殺して見守る一同
タバサの母の瞼がゆっくりと開いてゆき…
ドンッ!!
ガーゴイルすら反応出来ない速度でタバサの母は跳躍し、天井に逆さに張り付いた
瞳孔が縦に裂けていた
口が耳まで裂けていた
「URYYYYYYYYYYYYYYYYY!!」
「これはいきなり予想外」
「飲んどる場合かーっ!」
落ち着き払ってコーヒーを啜るタバサの頭を、スリッパを手にしたキュルケがスパーン!とはたいた

投下終了

226 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 05:52:38 ID:zm6WsSrg
ちょw ママン吸血鬼になっとるwww

227 :名無しさん@お腹いっぱい:2007/10/04(木) 06:57:30 ID:d3tL62J7
虚無の人GJ!! 南雲の装備は釘100本とナイフだけか・・・。それでもワルド
には十分勝てますな。これでデルフが加わった日には・・・デルフはいらない子
にはまずならない(南雲の特性を考えると)でしょうが。でも違う意味で涙目になりそう。
ギーシュ死亡か!?でも南雲タバサあたりは気にかけそうですが。自分と同じ道を歩ませないために。


228 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 10:57:29 ID:7RFkTDXb
即興

「宇宙の(略
(略)
「決闘(略
(略)
「おでれーた(略
(略)
「宝物庫の(略

フーケ「これがオールドオスマン秘蔵のお宝・・・これは・・・!」

ルイズ「宝物庫は包囲されてるわ!杖を捨てて出てきなさい!」
大穴のあいた宝物庫を囲む群衆の中、最初の目撃者であるルイズが叫ぶ。
フーケ「ふははは!私は手に入れたぞ!この秘法の力を!」
ルイズ「なんですって?!」
フーケ「見なさい!」
そう言ってフーケは赤い宝玉をその手に乗せて空にかざす。
すると、宝玉からあふれた光は中空に巨大な杖を出現させ、宝玉は杖の核になった。
続けてフーケがその杖を一振りすると、彼女の纏った漆黒の衣装は姿を変え、
青と白コートに生まれ変わった。
フーケは宝玉からあふれる力を感じ、慢心の笑みを浮かべる。
宝物庫にあいた穴から飛び上がり、群集を見下ろし、杖を構えて叫んだ。

「魔法少女リリカルふーけ参上!」


キュルケ「キツイわ。年考えなさいよ」
タバサ「アウト」
モンモン「少女ってどうなのよ」
ルイズ「斬新だわ・・・」
様様なブーイングが飛び交う中、一人だけふーけに拍手を送るものがいた。

才人「ブラーヴォ!ブラーヴォ!すばらしい!我々の世界では、ご褒美です!」

ALL「え?!」

オチない

229 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 11:00:36 ID:WfZRyYLL
死んだのはフェレットか?!
魔王か?!

230 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 11:34:57 ID:IxlrX5ee
>>228
破壊の杖だけ別作品ってのはスレ違いだと思うんだぜ…
せめて才人じゃなくて関係者が思ってたけど言えなかった、
或いはいつも間近で見てますが何か的なネタだったら良かったのに。

231 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 11:55:16 ID:JSPIUuau
長編ならともかく、小ネタなら許容範囲内だろ。

232 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 12:23:00 ID:xz+D3r4N
過剰な自治はスレの停滞を招くぞ

233 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 12:31:55 ID:C9EgO/JD
今日はちょっと暇なようなので投下できるようです。
投下しますね

234 :GTA:LCS-0 第六回:2007/10/04(木) 12:33:12 ID:C9EgO/JD
「君の使い魔…キュートなところが君にそっくりだよ……」
稚拙で甘ったるい言葉だな、聞いていて思わずゲロが出そうだぜ。だが、モンモランシーはまんざらでもない反応を示す。なるほど、この
姉ちゃんはこの優男を悪く思ってないんだな。そうじゃなきゃ、こんな言葉を聞いた瞬間拳が出てもおかしくないぜ。
「僕は、君の瞳に嘘はつかないよ」
冗談は顔だけにしてくれ、お前大嘘ついてるじゃねぇか。
「でも最近、一年生と付き合っていると言う噂を聞いたんだけど?」
「うっ!……馬鹿な事を……君への想いに裏表なんてないんだ……」
察しがいいな、昨日の借りもある。少々首を突っ込んでみるか……。
「そう言えば……昨日は暗かったから両方黒と思っていたが、あの姉ちゃんのマント茶色かったかな……学年ごとに色分けされているのか」
余計な一言で付け加えた俺の言葉で焦りの表情がうかがえる優男と、疑念を滲ませるモンモランシー。
「とっ…とっとと仕事に戻りたまえ……ああ!ゼロのルイズの……!!」
「昨日は後ろから襲って悪かったな、じゃあな」
にこやかに去る俺を見たモンモランシーは一層疑念に満ちた顔で優男に問い質す。
「ねぇギーシュ何の話よ?トニーの言った意味を説明してちょうだい」
この優男の名前はギーシュと言うのか。野郎、二股ばれそうになって焦ってやがるな。
「あっ……」
これはこれは……昨日優男と一緒に乳繰り合っていたガキじゃねぇか。反応から察するに、襲ったのが俺だと言うのに気が付いてやがるな。
そしてバスケットを持って優男探しているところを見ると……破綻も時間の問題か。

235 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 12:33:15 ID:MPsrGbO7
ばっちこーいと紫煙

236 :GTA:LCS-0 第六回:2007/10/04(木) 12:34:42 ID:C9EgO/JD
「あ…あの、ギーシュ様は……?」
「ああ、ギーシュ『様』なら、あちらのテーブルですよ」
腹から来る笑いを堪えながら何食わぬ顔をして対応すると、多少疑問に持ちつつもこのガキは優男の元に走っていく。自重しても、ニヤケた
顔を止める事は後半になって無理になった。いや、笑うだろ?コレは。
「ギーシュ様ぁ♪」
まずいな、笑いがとまらねぇ。この先の顛末を容易に予想できる辺り我慢出来ないな……。
「ケ…ケティ!?」
「探しておりましたわ、ギーシュ様ぁ♪」
普通ならば、状況が普通ならば普通の恋人に見えるのだが、横に居るモンモランシーが笑いを誘う。
「昨日話しておいた手作りのスフレ、今日のお茶会にと思いまして」
このガキの一言でモンモランシーの疑念が最高潮に達する。
「昨日の?」
「よかったじゃねぇか色男、お前昨日嬉しそうに話してたじゃねぇかよ」
そこで止めの一言を投げかけた。
「き…君!?」
「本当の事じゃねぇか」
「さっきから君は何を言ってるんだ!彼女たちに誤解を……」
「誤解か?俺は事実しか言ってないぜ……あのまま俺に襲われてなかったら、そのまま草むらか何処かに連れ込んで犯っちまう手筈だったんだろ?」

237 :GTA:LCS-0 第六回:2007/10/04(木) 12:36:12 ID:C9EgO/JD
この一言に場が一気に緊張する。貴族は聞かないかもしれない下品な言い回しで攻め立てると、非常に苦し紛れだが優男は反論する。
「ヤるって何だ!?」
「知らないんかよ……そりゃ押し倒して××××××××しちまう事なんじゃねぇの?」
最後の下品極まりない一言に場は爆笑に包まれ、もう笑うしかない奴や、困惑する奴、赤くなる奴様々だった。モンモランシーとガキはこの一言が
止めとなり、全身全霊の平手打ちをこの優男に浴びせて背を翻していった。がっくりと肩を落としながらもしっかりと起き上がる。
「どうやら君は……貴族に対する礼を知らないようだな」
女二人に平手を浴びた優男の怒りは、はっきりと俺に向いた。
「知らねぇなそんな事は」
「よかろう」
しれっとした態度でこう言い返すと、優男は逆ににやけながら俺を見据えてきた。

「はぁ?決闘?」
優男は薔薇を此方に向けながら仰々しくこうのたまった。おいおい、二股掛けて破綻した自業自得だぞ?
「その通り君に決闘を申し込む、君は平民で、あまつさえ使い魔の分際でこの貴族であるこの僕を侮辱し、二人のレディーをも泣かした!」
格好よく決めたつもりなのだろうが、正確な状況を言い切ってやる事にする。
「泣くどころか、ブチ切れてたぞ」
そう言うと周囲は爆笑に包まれた。だが、それに怒りに油を注いだのかこの優男はやる気マンマンだ。
「決闘ねぇ……言い方は格好いいが、要は 殺 さ れ て も 文 句 は な い んだよな?」
真顔でこう言うと、一気に緊張する。さっき嬲ったデブなんか、奇声を上げて逃げていったぞ。
「かっ…覚悟はいいな!?広場で待っている!」

238 :GTA:LCS-0 第六回:2007/10/04(木) 12:38:13 ID:C9EgO/JD
今回はここまでです。

因みに作中の×と実際の字数は合ってません。
では失礼します。

239 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 12:41:11 ID:55ozS9F7
ギーシュぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅう!!

240 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 12:52:41 ID:l5/FdsFL
GJ!
トニーと正々堂々の決闘が出来るわけがないwwww
ギーシュがトライアドの魚工場の様な目にw

241 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 12:57:02 ID:uH/8nr02
ヒルダレイアを召喚したら……どうなる?

242 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 15:15:29 ID:6PGVfs1E
人居ないな

243 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 15:20:21 ID:RxYXJxcN
人居ないのでちとコネタ投下。

244 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 15:21:28 ID:55ozS9F7
しえん!

しない!

うそ!やっぱする!

245 :極楽ルイズ:2007/10/04(木) 15:22:10 ID:RxYXJxcN

 ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールは人生最大の試練に立ち向かっていた。
 何せこの使い魔召喚を失敗したら進級出来ず退学もありうる。
 まさに背水の陣、ルイズにとっては生きるか死ぬかの瀬戸際と言っても良い。
 ルイズは全身全霊を込めて呪文を唱える。

 「宇宙の果てのどこかにいるわたしのシモベよッ! 神聖で美しくッ、そして強力な使い魔よッ! わたしは心より
求め、訴えるわ……我が導きに答えなさいッ!!」

 呪文の成立とともに目の前が爆発し、煙が辺りを覆う。
 すわ失敗かと落胆するルイズだが、その煙が晴れてくると、そこに何かが要る事に気づき喜色満面となるも、煙が 晴れていくにつれ当惑の表情へと変化していく。
 召喚された物体は、彼女が思い描いていた使い魔とはあまりにもかけ離れていたからだ。
 するとそこにいた物体、手足の生えたりんごは、その渋い顔にマッチした渋い声で言った。

「俺が神聖で美しく強力な使い魔だ」

 召喚主であるルイズはおろか、周りで事態を見守っていたクラスメイト、さらには教師であり今まで数々の召喚儀 式を監督してきたコルベール出さえ、あまりの発言に言葉を失い戸惑う。
 と、その使い魔は絶妙の間をおいて言い放った。

「ウソだけど」

 ルイズは素早く足を上げると、思いっきり踏みおろした。
 果肉と果汁が飛び散り、見るも無残な轢殺死体が出来上がる。
 内心の怒りの為かさらに何度か踏みにじり、完全に粉砕すると何事も無かったように再び呪文を唱え始めた。

 「宇宙の果てのどこかにいるわたしのシモベよッ! 神聖で美しくッ、そして強力な使い魔よッ! わたしは心より
求め、訴えるわ……我が導きに答えなさいッ!!」

 見た事も無い服装をした平民の使い魔が召喚されたのは、その後しばらくたってからであった。


                           完

246 :極楽ルイズ:2007/10/04(木) 15:23:16 ID:RxYXJxcN
元ネタは「極楽りんご」と言うマイナー漫画です。
お目汚し失礼。

247 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 15:57:39 ID:1aOPoLEO
>>241
ヒルダレイアが有りなら 〜未確認浮遊生物〜ラッシィ召喚^^
あれで実は〜なんだが、それでも役に立たなさそうw

248 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 16:50:54 ID:eW/fPUKl
一発ネタができたので、投下します。

249 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 16:52:15 ID:eW/fPUKl
「なにこれ……」

 私は現状の理解が極めて困難であることを確認した。
 大陸を相棒と共に旅しまわった私だが、このような学校は始めて見る。
 まず全員が何故か魔術師のようなマントをしている。そして肩を震わせている顔を朱に染めた少女を含め、指揮者のタクトのような杖を持っている。
 もしやここは劇場団員の育成所なのかと類推するが、それにしては少年少女が大半で、大人と分かる人物は少々頭髪の後退が激しい男性のみ。

「さすがはゼロのルイズ! 使い魔に剣なんか召喚するなんてな!」
「おいおい、いくらサモン・サーヴァントができないからって、剣なんか持って来るなよ!」
「剣を使い魔にするなんて前代未聞だよ!」

 下劣な叫び声が広場を駆け巡った。
 私は其の声に耳を傾ける。
 使い魔、召喚、サモン・サーヴァント。
 観衆の粗野な野次の中から、いくつかの特徴的な単語を拾い上げることができた。
 どうやら何らかの呪法によって、あの少女にこの地に使い魔として召喚されたらしい。
 野次を飛ばされた少女のほうに目を向けると、とうとう我慢できなかったのか、男性に怒り交じりに叫びだした。

「コルベール先生! やりなおしを要求します!」
「それはなりません。サモン・サーヴァントは神聖な儀式。やりなおしは認められません。
さあ、次はコントラクト・サーヴァントを」

 コルベールと呼ばれた男は教師であったのか。それにしては体裁きに、軍人めいたものがうかがえるのであるが。
 ルイズと呼ばれた少女は、憎憎しげな表情ではあるものの意を決したようだ。

「私がまさか剣なんかを使い魔にすることになるなんて……わが名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。
五つの力を司るペンタゴン。この者に祝福を与え、われの使い魔と為せ」

250 :サーヴァント:2007/10/04(木) 16:53:47 ID:eW/fPUKl
 淡々とした声でなにやら呪文めいた言葉を唱え始めた。
 まあこの場合、呪文めいたというより呪文そのものなのだろうが。
 そしてルイズは一瞬逡巡したのち、剣の柄にある宝珠に口付けをした。
 つかの間の静寂の後、宝珠に古代のルーン文字が浮かび上がる。

「どうやらコントラクト・サーヴァントは成功したようだね。おめでとう、ミス・ヴァリエール」
「使い魔が剣だから成功しただけさ」
「そんなガラクタ。いったいどこで拾ったんだか」

 コルベールの祝辞は、またもや下劣な野次によって遮られた。
 おや、ルイズの表情が朱を越えて赤に変わろうとしているが、この子も私の相棒と同じく短気で直情径行型なのだろうか。

「全員終わったようだね。さあ、教室に戻るぞ」

 コルベールはきびすを返すと、驚いたことに体を宙に浮かべた。

「お前は歩いて来いよ、ルイズ」
「だってフライもレビテーションも使えないんだもんな」

 そして少年少女たちも、次々と宙に浮き出すではないか。
 これには私も開いた口がふさがらない。
 ここはミュータントか異能力者の育成施設でもあるのか。
 ならば私は認識を改めねばなるまい。

「せっかく召喚できたと思ったのに、それがこんな剣だなんてあんまりよ!」

 そう言ってルイズは剣を抱え、教室へと向かいだした。
 ……私の紹介がまだだったな。私の名はラグナロク。
 ガラクタと言われ使い魔にされたあんまりと評価された剣。それが私だ。

元ネタ:ラグナロクからラグナロク(エアストノイン)を召喚。

251 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 16:54:01 ID:c8vQyzGY
この世界に柊蓮司が呼び出されたらどうなるのやら……

252 :サーヴァント:2007/10/04(木) 16:55:47 ID:eW/fPUKl
投下終了。

249のほうタイトル入れ忘れちゃった……
同じしゃべる剣のディムロスと違うのは、実体を取れる点かな。
まあノルン攻撃が反則的に強いんだけど。

253 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 17:03:32 ID:Y6ToNrMK
>>252
乙!ラストの独白が彼らしくてよかった
で、リロイは放置プレイですかwww

254 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 17:13:35 ID:+IsZsM0K
>>137
不自然な決闘イベントはもういい加減にして欲しいです。
一気に覚めます

255 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 17:14:01 ID:ax9fjniu
召還シーンだけしか書かないんだったら
正直一発ネタの範疇にも入らないと思うんだが

256 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 17:14:33 ID:jNUZJkA4
本当にただ召喚しただけで終わってる「小ネタ」が多いけどさ、
正直「小ネタ」にすらなってなくね?
「〜〜から○○召喚キボンヌ」ってのと大差ない気がするんだが。
ネタを名乗るのならせめて一つくらいは山か落ちが欲しいと思う。

257 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 17:35:25 ID:T4FIjtJM
確かにちょっと山なしオチなし意味なし過ぎるよな。
初期のそういうネタが少ない頃はともかくもう数え切れないほど召喚されてきたのに
〜〜が召喚されるなんてっていう出だしのインパクトだけだと、〜〜が召喚されたらとかキボンヌ言ってるのと変わらん。

258 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 17:42:04 ID:eW/fPUKl
ここまでボコボコに叩かれるとは思わなかった。
これからは自粛することにします。

259 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 17:44:19 ID:opcdZdwM
あらまぁ、発想の種を潰すような発言ですね
幾千ものネタの中から名作は芽吹くものですよ

260 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 17:46:13 ID:RxYXJxcN
すまん、自分では落ちがついてると思っていたのだがそうではなかったようだ、自重する。

261 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 17:48:23 ID:g6FT3UF1
スレタイ通りの部分で止まってるんだよな。
読み手としては「召喚されました。そしてこうなりました」ってとこまで読ませてほしいんだがね。

正直出オチにすらなってない作品が多すぎる。

262 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 17:48:32 ID:erF8g8s+
俺ももう投下するのやめよ

263 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 17:49:31 ID:emLoi2Cd
別に召喚されとどうなるか妄想するスレなんだしいいじゃん
別にSSスレじゃないんだし

264 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 17:50:21 ID:LuTt0Yno
既出キャラでも書くのに問題ないというか正直夏休み前の作品なんて
すべて覚えてるわけじゃないし一発ねたにそう目くじら立てなくともいいんじゃね?


265 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 17:50:50 ID:F6Hog123
おいしい所だけつまみ食いされたら同じ作品で連載したい人が躊躇するんじゃ?
より面白いのを書けば良いっていう人もいるけど、心情的に遠慮しちゃう希ガス。

266 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 17:51:02 ID:+G3YAsG5
はいはい、いい加減ウザイから避難所の毒吐きに行ってくれ

http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/9616/1190529958/l50

267 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 17:52:15 ID:jM0ZButY
お前らはただ黙々と俺のためにSS書いてりゃいいんだよ
って、お客さんが増えたな

268 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 17:52:20 ID:CmsBu0z4
一発ネタから長編に化けた作品もあるわけで…

269 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 17:53:02 ID:Y6ToNrMK
俺は原作もこんな感じだったから別にいいんじゃないかと思ったけどな>ラグナロク
主人公が騒ぎに巻き込まれて、日曜大工とかで応戦して、片付いた頃に忘れられている相棒(剣)が自己紹介って流れ
極楽は……知らないんだ、スマン

正直、住民の目が肥えてきたというか厳しくなってきたというか、そんな気がしないでもないんだが

270 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 17:53:50 ID:+yoQ85QU
>>266
何でも毒吐きに行けば良いってもんじゃねえぞ

271 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 17:58:22 ID:kxItcwxM
両方とも元ネタ知らないから何とも言えないけど、
わかりやすいオチは確かに欲しいかもしれんねー

んでもまあ、>>1の注意事項に引っ掛かったり、
エログロとかじゃなければそんなに気にする事も無いわな。
読み手も書き手もおおらかに行こうよ、うん。

272 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 17:59:17 ID:+G3YAsG5
本スレでこんなことグチグチとやられるよりかはずっとマシだと思うが?

話題を変えよう。
ここのルイズって人間の姿をしたヤツ以外を召喚すると凄い成長するよね。

273 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 18:00:08 ID:CmsBu0z4
>>270
作家が創作意欲を無くすかもしれんからな
新人さんも寄り付かなくなるしな


274 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 18:00:58 ID:erF8g8s+
読み手がいないと書き手は書かないとかおもってんのか

275 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 18:01:01 ID:oddzWfbA
>>272
ギーシュも一緒に精神的に成長するケースも目立つな
ガンパレードのギーシュとか凄い男前やんw

276 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 18:01:52 ID:Er4+r+dH
肥えてきたんじゃない。わがままになってきただけ。
気に入らなければスルーすればいい。テンプレに書いてあんじゃん。
気軽に投下できる空気がなくなったら、一気に過疎るぜ?
俺に言わせれば、むしろ小ネタが王道。

277 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 18:02:43 ID:F6Hog123
>>272
人間だと地位の問題があるからルイズが頑なになり易いのかも
逆に人外だとストレートに付き合えるから成長し易いとか

278 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 18:04:01 ID:jNUZJkA4
一発ネタであっても山か落ちをつけてくれって程度でやる気をなくすのなら
山や落ちのないものしか書けないってことにならないか?

その程度でやる気をなくすかも、と思うことは逆に作家さんに対する侮辱じゃないか?

279 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 18:07:09 ID:Y6ToNrMK
動物だと普通に召喚成功だもんな、虚無の使い手としては失敗だけど
でも召喚時は誰も知らないしメイジとしては成功だからルイズも精神的余裕が出来るんだろうな

あと人間だと原作と似て非なる展開に制限されがちで難しいってのもある

280 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 18:10:23 ID:o2+vxXSN
>>277
立派に言語を操り文明を築き地位を持つ人外とか呼んだらどうなるかな
エルフは抜きで

281 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 18:17:20 ID:nxEk/6R0
>>280
……ロードスからフレーべ?

282 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 18:18:32 ID:jM0ZButY
ブリブリのアイドルを召喚して、衣装だけ見てどこぞのお姫さまと勘違いされるってのはどうだ?
問題は歌う以外に使い道が無いことだが。
戦わせるのも無理があるし。

283 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 18:20:37 ID:lbwkiSmH
>>280
grandmaがそうじゃね一応。
召喚で自動翻訳されているハルケギニアの言語(アニメ版設定)を
地球の言語と認識してる時点で間違ってるけど。

284 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 18:21:02 ID:jNUZJkA4
フレーべは人型だから亜人のようなもんだし、
どうせならマップスのガッハ・カラカラなみに人外キャラの方が面白いと思う。

しかし我ながらなんで「人型じゃない言語を操り文明を築き地位を持つ人外」で
思いついたキャラがガッハなんだろう?w

285 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 18:21:07 ID:5oFUFiYH
リン・ミンメイとか?

286 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 18:23:59 ID:nxEk/6R0
ソラリスの海召喚!

287 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 18:25:03 ID:RxYXJxcN
>284

猿の惑星の猿の科学者とか、地底世界ペルシーダの翼竜みたいな地底人とかも面白そうだな。

288 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 18:28:25 ID:KjxutpEz
>>287
ペルシダーとは懐かしい……はじめて読んだSFそれだった気がする。

289 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 18:28:31 ID:lbwkiSmH
ゴルグ・ボドルザー(映画版)
最強だろw

290 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 18:29:29 ID:OGq8CC6c
落花生の人まだー?

291 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 18:33:02 ID:apjpHWVB
>>282
一瞬
「765プロのアイドル達が召喚されました」
とか浮かんだがほのぼの日常しか書けないな
戦うアイドルならワンダーモモとかいた気がするが

292 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 18:35:35 ID:MNWqqxLL
最強の戦士にして技術者やパイロットとしての腕も超一流
その上に高い品格と名誉を持ち合わせてる人外が居るとしたら
SWのチューバッカかな、契約を交わしても言葉はウーウー言うだけ
それともヨーダが出てきてルイズを厳しく指導するとか

293 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 18:37:15 ID:tPKVMEF7
ヨーダはレア召喚の部類だな

294 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 18:39:01 ID:lbwkiSmH
>>291
ゼノグラシアのほうを召喚すればドロドロだぜ。ロボフェチの変態ぞろいだし。

295 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 18:39:25 ID:Y6ToNrMK
>>280
帝王ゴールとかブライ大帝とかギィムバグ将軍が思い浮かんだがどうなんだろう
別な意味で虚無の世界にご案内されそうだw

>>282
つ麻宮アテナ
前世?は天界のお姫様というか女神様というか

296 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 18:39:44 ID:RxYXJxcN
スタートレックからボーグ召喚・・・・・・1年もしないうちに全住民がボーグ化するな。

297 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 18:43:22 ID:o2+vxXSN
そうだグロンギがいた
と思ったがあいつら一応人間なんだっけ
ズの連中だと即ゲゲルだしメでも微妙に駄目っぽいし……えーと、ゴの中で最強のガドルなら大丈夫か
リントの戦士としか戦わないみたいな自分ルール持ってたはずだし。
……ゲゲル前の殺人はカウント外どころかルール違反らしいしちゃんと戦えるかが不安になるな
手加減しても普通に人死ぬ力してるし

298 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 18:51:24 ID:3QQXWYMl
>292>293
ヨーダなんて喚んだらエルフの長老にしか見えないだろw
気絶や失禁、恐慌状態ってレベルじゃねーぞ

299 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 18:52:34 ID:jM0ZButY
そういえば闘えるアイドルってのも結構いるな

星野スミレことパー子とか
サクラ大戦の面々もアイドルみたいなもんだし

300 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 18:54:26 ID:cU6CADnw
>>297
そこでバラのタトゥーの女を呼んで魔石ゲブロンを分け与えてだな(ry

301 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 18:54:44 ID:5oFUFiYH
あいつら光武無しでもけっこう強いんだよな

302 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 18:57:48 ID:Cke7sut/
>>297
つ【アンノウン】
正式名称はマラークっつーか、天使だけどな!!
黒ダミアンから指令が来なければおとなしいのもいるんじゃないだろうか。

303 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 18:59:19 ID:RxYXJxcN
>299
召喚されたのがXのメンバーで、シエスタの祖先が大神で村には光武F式がとか。

304 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 19:02:02 ID:lReMHzS2
オスマンのネズミが世界で最も有名なネズミ達(著作権の悪魔、電気鼠、トム&ジェリー)なんて電波が来た件

305 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 19:05:55 ID:LuTt0Yno
アルジャーノンとか?

306 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 19:08:09 ID:nxEk/6R0
>>305
モンモンの精神制御が外れてギーシュがシナプス弾撃をうつと!?

307 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 19:08:34 ID:xx/ZIuHT
戦うアイドルだとアイドル防衛隊ハミングバード。
操縦技術は問題ないし、陸戦は不明だが次女がスポーツ万能。
敵になる使い魔に、SNAPやフィーバーガールズをあてる。
特にフィーバーガールズと戦う時には、ルイズが張り切りそう。

308 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 19:09:28 ID:SEwX9EiG
>305
教授「わたしは、あいつキライよ」

309 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 19:11:55 ID:RxYXJxcN
>306
ベターマンか・・・むしろモンモンが撃つのではないかと、そしてギーシュとギーシュの子供とともに自爆。

310 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 19:12:00 ID:WLMUDQ7/
>>308
ミョズな教授を召喚してコッパゲと意気投合と申したか



コッパゲ飛行船のネジ一本閉め忘れて素敵な名前になりそう

311 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 19:12:47 ID:a96XA8t4
>>306

ベターマン繋がりでラミア…アニムス無いと変身出来ないかorz
シエスタの先祖が八七木さんと楓の子供とか、妄想は膨らむのだが

312 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 19:13:55 ID:Wf1ME5Sc
ベターマンかぁ、あのアニメはすごかったな。
カンケルってマジで怖かったし。

313 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 19:20:22 ID:RxYXJxcN
>311
インドだったかから出てきた外骨格少女ならいけるんで無い?
でもアレ人間とは結構思考形態違うみたいだから難しいか。

314 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 19:24:37 ID:bjLxyEnu
>>304
世界では有名ではないがネズミのキャラといえば「チュウ兵衛親分」と思い浮かんだ俺w

「ゼロのまんまで良いのかよ! ルイズ!」
っていう親分の叫びが聞きたい

315 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 19:26:08 ID:nxEk/6R0
>>309
や、キャスティングとしてはそうなんだろうけどさ、ギーシュはアルジャーノン感染者を制御できないw
モンモンが水の秘薬とか使って何とかするしかない。

316 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 19:26:15 ID:qFVbHhDN
リンディさんは・・・・正直無くないですか?

嫌味抜きに

317 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 19:26:57 ID:GB/BCs3S
>>298
呼び出されたらルイズに「この子には忍耐が足りない」って言ってくれる希ガス。
ついでにライトセイバーを持ってるか否かでデルフが幸せになれるか否かが決まりそうだ。

318 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 19:30:20 ID:gJ7n/OF5
>>298
エルフの長老がダメならエルフの子供はどうだろうと思った
……ルーミィしか思いつかねえ

319 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 19:31:37 ID:RxYXJxcN
>315
うむ、だが最後のシナプス弾撃はお腹に子供が居たから2人と認識され、一人では動かせないはずなのにシナプス弾撃を撃てたわけだから、
ギーシュだと撃てなくてそのまま治療されて終わる気が。
いや、ハッピーエンドで良いか(あの死に方は悲しすぎた)

320 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 19:40:04 ID:NoXXLoiI
初の投下により心臓がヤバイ。

ってことで120秒後くらいからぼつぼつ投下します〜

こ、こんなかんじでいいのか!?いいんだよな!?(臆病

321 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 19:40:04 ID:nxEk/6R0
>>319
大事なことを忘れている。
クロスさせたらギーシュが動かすのは多分……覚醒人じゃなくてワルキューレだorz


322 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 19:40:30 ID:t+1HkLg1
>>299
アイドルっていえばアイドル超人だろ。


323 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 19:40:31 ID:BazTQzIB
アーチェでも呼べばいいさ
どこの世界でもハーフエルフはアレだなぁ…

324 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 19:41:31 ID:raYUU2cC
かもん

325 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 19:41:57 ID:+yoQ85QU
>>320
男は度胸、何でもやって見るのさ。イヤマジで

326 :最速の使い魔:2007/10/04(木) 19:42:42 ID:NoXXLoiI
とある世界、とある場所。そこである一人の男の命が消えようとしていた。

激動の生涯だった。己の信念のままに。生き急いでる雰囲気すらにじませながら彼は短い一生を終えた。

それに不満はなかった。命を賭けるに値する人を見つけ、護るために戦い抜いた。

隣にいたはずの同僚と、弟分だった男は今、まさに自分の頭上で喧嘩をしている。限界を超え、どこまでも進もうとしている。それが少しばかりうらやましくはあったが。


――ああ、悪くない一生だった――

トレードマークでもあるサングラスをかける。それだけで全身に残された力が抜けたのがわかった。腕が下がる。ゆっくりと。

最後に思う。愛した女性が想うのは元同僚の男だ。堅物で生真面目な彼は滅多に彼女の元へは戻らないだろう。


「たまにはもどってやれよ…………んの……ところへ……」


穏やかに、それだけを呟く。本来なら、ここで彼の命は尽きていた。腕は椅子の肘掛に力なく乗せられるはずだった。

だが、もう一度、彼の腕が持ち上がる。反射的な行動だ。何度も繰り返したそのしぐさと同じように、サングラスにかかった前髪を跳ね上げようとして――

その指が、光に触れた。



“最速の使い魔”


327 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 19:43:09 ID:+yoQ85QU
支援

328 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 19:43:19 ID:55ozS9F7
まさか兄貴かぁ!?
支援!

329 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 19:43:33 ID:myFtAdTl
シャオとルーアン

330 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 19:44:19 ID:Tz91V/Of
兄貴支援

331 :最速の使い魔:2007/10/04(木) 19:45:16 ID:NoXXLoiI
ゼロ”のあだ名を持つルイズが召還したのは平民だった。それもただの平民ではない。

その平民は死に掛けていたのだ。割と切実に。学院中にその事実は失笑と共に広まる事となる。何しろ平民である。さらに死に掛けていたのである。

そして、ハルケギニアにはこんな言葉がある。「メイジの実力をはかるにはその使い魔を見よ」、と。人間。どう考えても使い魔としての格は低い。さらに死に掛けていたものを召還したのだから実力はその程度のモノ。

召喚者が“ゼロ”と呼ばれてるのも合さり、彼女たちに対する目線は小ばかにしたものだった。

もっとも、当の使い魔は秘薬と手練のメイジの看護にもかかわらず未だに眠ったままなのだが。


彼が召喚されて一週間。ルイズに対する目線がもはや“平民に近いメイジ”“貴族モドキ”というレベルに落ち込み。

――ほんの少しだけだが歯車が狂う。


「決闘だ!」

「望む……望むところよ!」


史実と違うのは拾うはずの使い魔がいなかったこと。そして神経が過敏になっていたルイズが香水に“気づいて”しまい、拾い上げたこと。それだけだが、さらにもう一つ変化していたことがある。

――ルイズ・ド・ラ・ヴァリエールはメイジではないのではないか?――

“失敗”ばかりする魔法に“瀕死の平民の使い魔”。無論召喚自体は成功していたのだが……その成功例は今病室である。決闘が禁ずるは貴族同士の、メイジの決闘であり。メイジとはいえない彼女と決闘することは法に触れない。どこかそんな空気が食堂にはあった。

ルイズ自身も感じていたことだった。自分がメイジとは言えないのではないかと。だから乗ってしまった。こんな八つ当たりじみた決闘に。そう。メイジとして生きれないならば、せめて貴族らしく、決闘で死にたいと。

ある意味破滅的な考えだったが、それを正してくれる友人はこの学園には居らず――もしかしたら友人となりえたかもしれない人間はいたがまだそこまでの交流は無い――ただ一人甘えることの出来る姉は領地。彼女の精神は限界だったともいえる。


学院で働くメイド、シエスタは呆然と立ち尽くしていた。決闘である。貴族同士の決闘であるから関係ないはずだが、彼女にはそう思えなかった。

香水の瓶には気づいていたのだ。だが、ちらりと下を見たギーシュの目が一瞬泳いだのを彼女は見ていた。だから、拾いもしなかったし声もかけず、ただとなりを通り過ぎた。

それが招いたのがこの事態である。平民であれば、確かにお叱りは受けるだろうが、決闘などということにはならなかっただろう。ひたすら這いつくばり、頭を下げ続ければいいだけだ。

貴族の少女は引くことをしない。それが彼女に残された最後の反逆だったからだ。メイジとしての誇りは無く、ただ貴族として死のうとしているからでこそ引かなかった。


自分のせいで、人が死ぬ。その事実に気づき、混乱するシエスタ。だが、彼女には何も出来ない。今更出て行っても無駄である。所詮は平民。メイジ同士の決闘において何の障害にもならない。

そこで、彼女は思い出す。使い魔は主人を護る存在であることを。“もしかしたら”というほんのわずかな望みを胸に。シエスタは走り出す。一分でも、いや一秒でもいい、速くあの使い魔の元に行くために。速く、速く。

332 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 19:45:42 ID:DJeB8pHi
まさか!兄貴かっ!

333 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 19:47:00 ID:o/9SLDDM
支援だー

334 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 19:47:17 ID:jNUZJkA4
このスレに足りないもの、それは!!

情熱思想理念頭脳気品優雅さ勤勉さ!
そして何よりも!!
支 援 が 足 り な い ! ! !

335 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 19:48:35 ID:vOIE448v
ならば支援だ

336 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 19:49:14 ID:mTeMMLlp
それならば支援

337 :最速の使い魔:2007/10/04(木) 19:49:22 ID:NoXXLoiI
広場ではしらけたムードが漂っていた。魔法の失敗を続けるルイズの爆発はそれなりに大きなものではあったがあからさまに見当違いの方向で炸裂し、見物人からの罵声の対象となっただけだった。

対してギーシュの用いる青銅のゴーレムはルイズを取り囲み、入れ替わり立ち代り攻撃を加えていた。攻撃と言っても撫でる程度のものだが、それでもルイズの体力は徐々に削られていく。


「そろそろ敗北を認めたらどうだね!ミス・ヴァリエール!」

「……ごほっ……お断り……よ!」


魔法学院の制服はぼろぼろになっていた。全身が砂にまみれ、倒されたときに小石で傷ついたのか白いブラウスにはところどころに血がにじんでいる。打撲や打ち身などは数え切れないほど多いだろう。それでも、震える足で彼女は立っていた。

(倒れない……。絶対に倒れない……!同じ倒れるのでも……前へ……!)


「そうかい……残念だよ。やれ!ワルキューレ!」


ギーシュからしてみればある意味憂さ晴らし、八つ当たりである。それだけのための決闘だったのだが、目の前の“メイジもどき”は降参するつもりは無いらしい。それが少し。少しばかりではあるが、彼の精神をいらだたせていた。

苛立ちを断つために放たれるのは一体のゴーレムによる拳。これまでとは違い、気絶させるために振り上げられた拳は、下手な場所に当たれば死すらありうる。だが、それを彼は気づかない。本気で“力”を使ったことなどないのだから。


速い拳だった。炸裂音と共に桃色の髪の少女が力なく大地に転がるのをダレもがイメージしていた。“眠りの鐘”をもって駆けつけた教師たちは間に合わなかったことに気づき、顔を青くした。遠見の鏡で見守っていたオールド・オスマンも炎蛇のコルベールも思わず腰を浮かせた。

338 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 19:49:31 ID:CUH5z6wH
支援する。

339 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 19:50:39 ID:+yoQ85QU
支援

340 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 19:51:06 ID:mTeMMLlp
兄貴支援

341 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 19:51:14 ID:9Lx3oQ4g
そういえば初期にクーガー書いた人……続きかいてくれないかな

342 :最速の使い魔:2007/10/04(木) 19:51:27 ID:NoXXLoiI
「……へ?」


誰かの口から間抜けな音が漏れる。誰もいない。ワルキューレがその拳を何も無い空間に向け突き出しているのが哀愁をそそる。


「ヴァリエール……様ですね?」


その言葉にその場の視線が集中する。ヴェストリの広場の片隅に男がいた。抱きかかえていたルイズを地面に立たせ、一礼する。


『……おい』『ああ……』『平民だぜ……』『“死にぞこない”の?』『ゼロの……』


ざわめく。それは、病室にいるはずの。“ゼロ”の使い魔。


「え……ええ、そうよ……」


目の前で起きたことが理解できない。ルイズの目の前に立つのは自分が召喚した男のはずだ。ただの平民のはずだ。そのはずなのに、彼は私を助けたというのか。どうやって。

彼女は知らない。彼の力を持ってすればそれが可能だということを。かってある大地において彼が“最強”とまで称された特異能力者であることを。



「……君はルイズに召喚された平民の使い魔だったね。決闘への乱入。ただではすまされないよ?」


静まり返った広場にギーシュ・グラモンの言葉が響く。彼が言ったことは間違いない。神聖なる決闘を邪魔したのだ。その罪は重い。


「いやぁ。聞けば使い魔というのは“主を護る”ものだそうじゃないですか。ならば、と思いまして」


直感的にギーシュは悟る。こいつは、丁寧な口調こそしているがこちらを明らかに下に見ている。不愉快だ。

(……護る、か。つまり……)


「君が相手をしてくれるとでも?」

「もちろん、その通り」


ざわめきが広がる。

『馬鹿だろ』『平民ごときが……』『おいギーシュ!舐められているぞ!』

当然だ。平民はメイジには勝てない。魔法という絶対的な壁がある以上勝てない。


「いいだろう。前に出たまえ!」

343 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 19:52:38 ID:nxEk/6R0
兄貴支援!

344 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 19:53:24 ID:mTeMMLlp
名前間違えなかったな支援

345 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 19:54:07 ID:Tz91V/Of
支援支援

346 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 19:54:43 ID:o2+vxXSN
支援

347 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 19:55:00 ID:f4UAJzDf
ロストグラウンド最強は兄貴だと俺は思う。


348 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 19:55:05 ID:nxEk/6R0
ヴェリエール様支援
ヴァリエールよ!
ああ、すいません。とりあえず支援します。

349 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 19:55:47 ID:gJ7n/OF5
アニメ版でいいのかな? 支援

350 :最速の使い魔:2007/10/04(木) 19:55:56 ID:NoXXLoiI
ギーシュからすればこれ以上女の子をいたぶる必要が無くなり、ある意味ほっとしていた。どんな仕掛けでルイズを助け出したか知らないが、所詮は平民。それに――

(これでやっと憂さ晴らしが出来そうだ)

ルイズに対してはやはりどこか遠慮があった。屁理屈で八つ当たりの相手をさせたに過ぎず、それすら満足に出来なかった。
平民なら、文句は言われまい。決闘をしても法には触れない。ぼろぼろにいたぶってやろう。


「ま……待ちなさい……って……」

前に進み出ようとする使い魔を苦しい息の下とめようとする。
勝てるわけない。平民は貴族に勝てない。この不思議な使いまでも……。

「勝てるわけ……ごほっ……無いわよ……」

「俺に追いつけるものなどませんよ」

「え?」


日の下で男が振り返る。実はルイズが彼の姿をはっきりと確認したのはこれが初めてだった。
自分が馬鹿にされる原因となった使い魔など見たくない。自分から近寄ろうとしなかったのも仕方ないだろう。それなりの長身。茶色の特徴的な髪型。青と白で構成された服。そして、特徴的な色の眼鏡。顔立ちはそれなりだがどこか二枚目になりきれないようなそんな雰囲気。


「すぐに終わらせるのでまっていてください〜」

気の抜けた声と共にギーシュの前に立つ。恐れも、不安も無く、自然に。堂々と彼はメイジの前に立っていた。

「いけっ!ワルキューレ!」

一体のゴーレムが男に襲い掛かる。ルイズに向けられていたものとは違う、本気の一撃だ。小ばかにしたような口ぶりの平民に誇りが傷ついた貴族の一撃だった。だが、当たらない。ひょいひょいと常人ならとっくに食らっているはずの攻撃を避け続ける。


「ええい……!」


いらただしげに声を上げ、ギーシュは造花を振るう。彼の魔法によりさらに三体のゴーレムが出現。四方から彼の退路を立つ。勝った。ギーシュのみならず、他の見物人もそう思った。
そして、また、同じことが繰り返される。広がるのは炸裂音ではなく、静寂。囲まれていたはずの使い間の姿はその中に見当たらない。


「これが……魔法使い……メイジの力か?」

「何!?」

声が放たれたのはギーシュの背後。

「いつの間にっ……!?」


恐れが混じり始めたその声に何人が気づいただろうか。平民が、まったく魔法を歯牙にもかけない。


「くぅ……」

「ここいらで手打ちとしないか?おぼっちゃん。争いばかりをするのは文化的とはいえないぜ?」

渡りに船といえる。決闘で勝者なしなのはいただけないが、この不気味な使い魔と戦いを続けるよりはましだろう。

(だがっ!……だがっ!)

351 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 19:56:18 ID:V78hjf6p
支援するしかない

352 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 19:56:44 ID:o2+vxXSN
兄貴なら速さでなんでもどうにかなるな
支援

353 :最速の使い魔:2007/10/04(木) 19:58:08 ID:NoXXLoiI
「僕にも意地がある!貴族としての意地が!平民ごときに引き下がってたまるものか!ああ、そうだとも!」

振るわれる造花。生み出されしゴーレムの数は先ほどの三体を合わせて七体。これがギーシュ・グラモンの全力……だった。そう、今までは。

(足りない!この使い魔を捕まえるには足りない!この小ばかにした平民を徹底的にぶちのめすために!)

さらに感情が高ぶる。どこか甘えが入っていた精神が引き締められる。

「はぁああああああああああっ!いっけぇ!ワルキューレたちよ!!!!」

さらに二体ものゴーレムが出現する。合計九体のゴーレムが戦列を組み、使い魔に向け全力で疾走。避けることなど許さず、押しつぶすための無骨な突進。ギーシュ自身は意識こそしていなかったが、この瞬間の力だけはラインに届こうかという強力なものだった。

「――なるほど。だが……まだ足りない!」

異様な光景が展開する。彼の周囲の大地が抉られた様に消失していく。そして、その削られた部分の代わりとでもいうように彼の足に金属の光沢が生まれる。変化は一瞬。
その足は、鎧のようなモノに覆われていた。

(それがっ……!)

354 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 19:58:47 ID:V78hjf6p
それがっ…… 支 援 だ !

355 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 19:59:41 ID:cU6CADnw
アルターって無機物を問答無用で分解&再構成するんだから
近くにいたらゴーレムも分解されるんじゃなかろうか支援

356 :最速の使い魔:2007/10/04(木) 20:00:17 ID:NoXXLoiI
「どうした!押しつぶせ!!」

妙な術だ。先住魔法かとも一瞬思ったが彼はどう見てもエルフとは言えない。なら何か、などと考える必要は無い。何をしようとも、この一撃で勝負を付けてやればいいのだから。

「はぁっ!」

一瞬。この日三度目、見物人たちは男の姿を見失った。今までと違うのは隊列の中心にいたワルキューレの胴に大穴が開いていること。そして、今までと同じく――

「足ァりないぞぉおおおおおっ!!!!」

彼の声によりその位置が分かったことだ。その位置は空。空中で加速し、ワルキューレの中に飛び込む。次の瞬間、ワルキューレがぼろきれのように宙を舞う。一体、二体、三体、四体!


「ちぃっ!?」

ワルキューレの一体を呼び戻す。もう作り出すほどの気力は無いのだ。

357 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 20:00:18 ID:2ADSqZwJ
アニメで水守助けたとき見たいに
音速超えて七万の頭上を走ればすべてふきとばせるから最強。
つうかアレだけ加速した蹴りってどんぐらいの威力あんのかな?

358 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 20:00:39 ID:o2+vxXSN
ん?ちょっと待てよ……
ラディカル・オデレータが出来る?
支援

359 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 20:00:54 ID:gJ7n/OF5
メイジの錬金や固定化に対してどうなるかは作者さんしだいだろうね支援

360 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 20:01:14 ID:4PcGuBOa
ゴーレムもアルターっぽい扱いなんじゃない? 作中で他人のアルターを分解&再構築してなかったし。
無粋なことを言った。
ここは支援をする場面です!

361 :最速の使い魔:2007/10/04(木) 20:01:19 ID:NoXXLoiI
「お前に足りないものはっ!それはっ!」

周囲のゴーレムを片付けた使い魔が朗々と声を放つ。

「情熱思想理念頭脳気品優雅さ勤勉さ!」


高速でその姿がかすむ。今までと違い位置がその砂煙でかろうじて分かる程度だ。


「そして何よりもっ!!!!」


瞬きをする暇もなく――何が起こったかもわからずギーシュはゴーレムごと跳ね飛ばされ、意識を失う。


「速さが足りないっ!!!」


この一言を締めくくりとして、決闘は終わった。

362 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 20:01:46 ID:9Lx3oQ4g
ラディカルグッドスピード脚部限定

363 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 20:01:54 ID:giuvBZ5B
ID:NoXXLoiI
かっこいいIDじゃないかよ支援


364 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 20:02:04 ID:V78hjf6p
支援

365 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 20:02:14 ID:o2+vxXSN
僕の玉は二つある!
支援

366 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 20:02:19 ID:q3SiDHFi
生き急ぎすぎた男に支援をっ!!

367 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 20:02:24 ID:apjpHWVB
ラディカル・グッドスピードを使ったデルフリンガーによる突きは多分強力だな

兄貴は剣使わないと思うけど

368 :最速の使い魔:2007/10/04(木) 20:02:57 ID:NoXXLoiI
生徒が散る。どこか興奮したような、それでいながら納得いかないような雰囲気を漂わせてはいたが。


「終わりましたよ、ヴァリエール様」

ルイズの目の前で男が眼鏡を持ち上げ、にやりと笑う。

「あ、あなた……」

「いったでしょう?すぐに終わるって」

「あ……」

馬鹿にしていた平民のはずだった。自分を貶めた憎むべき使い魔のはずだった。いや、憎んでいた。だが、彼はただの平民などではなかった。使い魔として、自分を護ってくれたのだ。

「……ありがと」

「どぉういたしまして」

なぜかあっけなく出た感謝の言葉。それに対する陽気な返答。それをどこか心地よく感じながら男を見る。

「そういえば、貴方の名前、まだ聞いてなかったわよね……なんていうの?」

眼鏡を前髪にかけ、ルイズの目を正面から見据え男は名を告げた。

「HOLDのストレイト・クーガーです」

369 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 20:02:58 ID:cU6CADnw
むう確かに無粋だったかもしれん
ということで支援設定年齢19歳蟹座のB型!

370 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 20:03:18 ID:mTeMMLlp
名台詞支援

371 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 20:03:58 ID:9Lx3oQ4g
>>369
び、美刑だ

372 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 20:04:04 ID:q3SiDHFi
そーいや、グリフォン涙目フラグがビンコ勃ちだなw

373 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 20:04:20 ID:vOIE448v
これが最速の支援だ

374 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 20:04:32 ID:AEhuqkVe
決め台詞間違えるなよ、クーガーw

375 :最速の使い魔:2007/10/04(木) 20:04:45 ID:NoXXLoiI
終わったああああああああ!途中何度も規制に引っかかった俺のなんてスロゥリィ!

雲慶が真剣にスゴク見えたぜ!

376 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 20:04:53 ID:o2+vxXSN
こう言わずにはいられない
>>369
美形だ!

支援

377 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 20:06:23 ID:PSCj0tsg
>>360
無粋ですまんが
記憶喪失時の劉鳳が相手のアルター分解したことあるんだぜ

378 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 20:06:30 ID:6apj1gUd
美形だ…支援

379 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 20:06:30 ID:V78hjf6p
>>375
乙!

380 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 20:06:39 ID:KjxutpEz
乙。だが最後の誤字はわざとなのか違うのか、まぁ何というかダイナシ感溢れるなw

381 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 20:07:32 ID:mTeMMLlp


382 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 20:14:19 ID:PSCj0tsg
別にHOLDは間違いじゃなくね?
HOLYはHOLDのなかのアルター能力者部隊ってことだったはずだし

383 :最速の使い魔:2007/10/04(木) 20:18:50 ID:NoXXLoiI
>>380
ご……誤字の場所が真剣に分からない俺は馬鹿だ……。どこでしょう!?

多大なご支援感謝!

384 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 20:22:13 ID:BO8M3ZfF
乙でした

ワルド様のグリフォンより早ーい!

385 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 20:24:15 ID:+DdDBYN4
パワポケ8の主人公を喚ぼうとしたけど、
茜がバッドENDに行ってしまう…

386 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 20:25:02 ID:KjxutpEz
>>382
……ぐはっ

>>383
馬鹿は俺でしたー!! すみません超すみません……

387 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 20:25:21 ID:BfqTV2IE
ルイズを肩車して疾走するクーガー兄貴が妄想されました?

388 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 20:27:01 ID:6vhJUAzU
そしてなにより乙が足りない!GJ!

>>384
ヒロインはドラゴンです。ゼロ魔的にも。

389 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 20:27:49 ID:O2DNo3CB
最速の漢乙!

クーガーのアニキなら大八車をラディカルグッドスピードで強化し
かっ飛ばして「グリフォンよりはやーい」をやってくれるはずwww

390 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 20:27:56 ID:S7qd/nXE
兄貴はいいなあ。
タルブの村にあるのはなんだろうかw

391 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 20:31:56 ID:Y6ToNrMK
>>385
お兄ちゃんも、リンお姉ちゃんも、茜を嫌いになってしまったのですか……?

だ、駄目だ。目が霞んで続きが打てない……。・゚・(ノД`)・゚・。

392 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 20:32:24 ID:A6E5m/iH
>>390
氷づけの恐竜とカズヤくんです

393 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 20:36:03 ID:O2DNo3CB
>>392
漫画の方の『s.CRY.d』かYo!

と、そろそろ雑談は自重しようぜ?

394 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 20:36:45 ID:xcuEe3WE
>>390
タイムマシン

395 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 20:38:19 ID:emLoi2Cd
>>385
パワポケ最強主人公か
8主人公はナイスガイ過ぎて困る

396 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 20:39:33 ID:RxYXJxcN
>392
で、ラスボスはガリアの無能王ジョゼフとその使い魔ギャランドゥーとな?

397 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 20:41:33 ID:BfqTV2IE
只の雑談は構わぬと思ふ

398 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 20:44:04 ID:o2+vxXSN
>>387
ルイズが風圧で凄いことになっちゃう
おもにスカートとかバタバタしちゃう
ひょっとしたらチビる

399 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 20:46:42 ID:ApI/ubXO
>>323
アーチェはあれで恵まれてるつーか
ファンタジアではエルフの里に出入りできないくらいで
人間にハーフエルフは差別されてない
まあロイド達の頑張りが有ったからだろうけど
つーかハーフエルフが迫害されてない作品ってどれくらい有るかね
現在まとめに投下されてるのは銃執事とソードワールドの奴くらいかね
(ソードワールドは地域によっては怪しいけど)


400 :ゼロHiME〜嬌嫣の使い魔〜 第六話 1/3:2007/10/04(木) 20:47:05 ID:O21fqfgp
>>254
具体的にどこが不自然?
それ書かないとまともな批評にならんよ

401 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 20:47:10 ID:Y6ToNrMK
というかパワポケ主人公は揃いも揃って超人と言うか、野球しろよと言いたくなると言うか

もうほるひすでいいよ
「ほるひすだよー
 ガンダールヴもするし
 ゼロ戦もするよー」

402 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 20:48:03 ID:BfqTV2IE

―――アンタって人はアッー!

403 :ゼロ・HiME:2007/10/04(木) 20:48:09 ID:O21fqfgp
ああ、作者として知っておきたいので

404 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 20:51:36 ID:jM0ZButY
いつもの奴、スレの空気を悪くしようと吐き捨ててる奴だ

相手にすんな、思う壺だ

405 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 20:55:35 ID:BazTQzIB
昔のギーシュがすでにもう不自然と言う話もあるw

406 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 20:56:05 ID:BfqTV2IE
・森へお帰り・・・ここは貴方の住む所じゃないのよ・・・(by風の谷の姫様
・態度と語調!エレガントさが足りませんよッ!


407 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 20:56:09 ID:emLoi2Cd
>>401
8主人公なんて野球やる必要性なかったしな

408 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 20:56:44 ID:jNUZJkA4
GBAのパワポケは全部クリアしたのにDSを持っていない貧乏人の俺に
上で語ってるパワポケ8について教えて欲しいw

409 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 20:56:59 ID:RxYXJxcN
>400
>254じゃないけど、サイトの代わりにシエスタがギーシュに八つ当たりされるのは、ギーシュの性格から言って不自然と言うことじゃないかな?
しばらく前に、そんな意見が出てた覚えがある。

自分は度が過ぎなきゃ気にしないが。

410 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 20:57:06 ID:BfqTV2IE

>>404やっちまったアッー!

とりあえず首吊ってくる

411 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 20:59:47 ID:BazTQzIB
原作だと拾っただけなサイトは見逃してたからでない?
その後サイトがバラでもしゃぶってろとか喧嘩売ったからギーシュが買っただけであって

412 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 21:00:38 ID:SYDv5BnV
>>409
避難所毒吐きスレ7の340あたりからの流れやね。

413 :ゼロ・HiME:2007/10/04(木) 21:03:33 ID:O21fqfgp
>>409
んじゃ、静留さんが香水拾って二股に切れればいいのかな
食堂いかないで厨房直行なんで拾いよう無いけどw

414 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 21:05:35 ID:xtHPOiPH
>>399
ファンタジーだと指輪物語とかD&Dとか

415 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 21:05:43 ID:EFP6eFx2
>>400
避難所の毒吐きスレを見てきたらどうですか?

あそこではゼロの蛮人が叩かれているが
岩明作品のキャラやシチュの文章化は貴重だから
俺はけっこう期待している

「ヒストリエ、ヘウレーカの作品世界にルイズが放り込まれたら」
として見れば悪くない

416 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 21:06:59 ID:xcuEe3WE
>>413
食堂以外の場所でモンモンかケティと会って二股発覚に遭遇する、とかの流れではどうでしょうか?

417 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 21:07:07 ID:apjpHWVB
無理して決闘させなくてもいいじゃん
もしくは香水拾いから始めるとかじゃあなくするか
別に食堂以外で香水拾ってもいいと思うけどな
必要なのは
取り巻きがギーシュに本命をたずねている場面
香水を拾ってギーシュの何かに切れる場面
この二つがあればいいんだから

418 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 21:09:28 ID:/a/h+ZN/
>散乱した食器の残骸と頬を押さえてうずくまるシエスタ、

ギーシュのキャラ設定がどうなっているのかわからないけど
原作準拠ならギーシュがシエスタに手を上げる事はありえないな

419 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 21:10:26 ID:RxYXJxcN
>412
毒吐きだったか、すまん。
こっちだと思ってた、申し訳ない。

>413
自分は別にクロスなんだからある程度の改変は妥協のうちだと思うが、シエスタの場合ギーシュが謝れと言えば素直に謝り、ギーシュもそれで面子が立ってお仕舞いになるから
さほど騒ぎにならないだろうと言う意見の人も居ると言うだけの話で。

420 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 21:10:31 ID:htwuElqa
ハーフエルフが差別されてないっていったら指輪物語だよな
人間の偉いさん連中自体がほとんどエルフの血が入ってる

このスレで指輪物語から召喚されたこと無いよな
ガンダルフとかアラゴルンとか・・・

サムに従者としてがんばらせてみようか

421 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 21:13:18 ID:LuTt0Yno
決闘イベント起こさないと学生だけでフーケ討伐の許可が下りるか不安です


422 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 21:13:23 ID:RWINrlhN
灰色のガンダルフは色々とないわwwwww

423 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 21:13:52 ID:emLoi2Cd
>>408
主人公はとある組織の凄腕エージェントです
とある任務の為モグラーズに潜入捜査します
ばれないよう野球頑張りながら捜査して犯人を見つけましょう
また敵はサイボーグです

424 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 21:15:01 ID:Y6ToNrMK
>>408
8のパワプロ君はサイボーグ捜査官で生身で改造人間と戦える
詳しく知るなら某ニコニコがいいと思う
パワポケの(彼女)攻略動画は1から9とダッシュまで大体見られるよ。何故か2はまだ無いけど

425 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 21:15:13 ID:RxYXJxcN
いっその事二股ばれて振られたギーシュが、責任とってこれから付き合えとシエスタに言い寄りシエスタ困惑とか。

426 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 21:16:03 ID:xfGu5Pzp
さすらいのナイスガイはどうだろうか?
強いしナイスガイだし元ヒーローだし別れの台詞も感動的でゼロ世界にピッタリ

「願い事をかなえるために召喚されてきた者は数あれど、
俺のように満足して退場していける者は少ない。さらばだ」

427 :ゼロ・HiME:2007/10/04(木) 21:16:22 ID:O21fqfgp
言われてみると不自然なんで、改訂版書いて投下することにします
失礼しました

428 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 21:16:41 ID:xcuEe3WE
>>423
それは本当に野球ゲームなのか!?

429 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 21:19:31 ID:9Lx3oQ4g
>>428
パワポケシリーズはそんなもんです

430 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 21:20:33 ID:gJ7n/OF5
>>425
いやいや、けしからん胸いっぱいのドリームを見てお仕置きをすることを決めるんだよ、モット伯的な意味で

431 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 21:20:57 ID:emLoi2Cd
>>426
9主人公レッド説は憶測に過ぎないからそれはどうだろ
だったら素直にレッド召喚でよくない?
召喚した時の台詞は

広い銀河の地球の星に
ピンチになったら現れる!
イキでクールなナイスガイ!
「レッド参上!!」

  ふ  は  は  は  は

諸君!
この私がきたからには安心したまえ!


>>428
野球ゲームじゃないよ野球バラエティだよ

432 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 21:21:40 ID:FMHbtDWf
>>422
メイジ系の使い魔かつ天才肌や説教臭いのは
一歩間違えばルイズの劣等感を過剰に刺激する恐れがあるのでは?
それと「実力を見るには使い魔を見ろ」と言っても
周囲の人間からは「使い魔無しじゃ何も出来ない癖に!」
とやっかみから陰口叩かれそうだし・・・

433 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 21:23:27 ID:cU6CADnw
>>431
レッドと聞いて「説明しよう!ルイズ・フランソワーズ・ド・ヴァリエールは
自分が召喚した戦士アルカールから授かった力によって、
正義の戦士ルイカイザーに変身するのだ!」という電波が

434 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 21:26:10 ID:GuUxlWOv
パワポケ関連は無闇に熱い台詞が多すぎるから困る。
ちなみに、上に出ている茜EDはグッド・バッドでこんな感じ。
イベント関係も折角だから載せちまえ。そして欝になっちまえ。
http://game11.2ch.net/test/read.cgi/pokechara/1143132822/326
http://game11.2ch.net/test/read.cgi/pokechara/1143132822/62
http://game11.2ch.net/test/read.cgi/pokechara/1143132822/314-316

435 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 21:29:19 ID:gJ7n/OF5
俺に来た電波は天体戦士という文字だった
礼儀正しく人付き合いを気にかける小心者の悪の幹部を召喚してもなあ……

436 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 21:31:01 ID:BfqTV2IE
でもあの人世話焼きだから結構使い魔としてはいいかも知れんよ

437 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 21:36:20 ID:gJ7n/OF5
ああそっか、ヴィンダールブにして怪人たちを出せばいいのか
……おかしいな、戦闘とかせずにひたすら虐げられる悪の秘密結社の日常生活をやる方が楽しそうだなんて

438 :美味しそうな匂いがする銀ちゃん:2007/10/04(木) 21:37:12 ID:8EH7pFZC
おーい銀ちゃんだよー規制喰らったから代理しておくれー

439 :MtL:2007/10/04(木) 21:45:34 ID:Kxy6tc3w
10時から投下したいのですが、進路相手増すかー?

440 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 21:46:06 ID:ag/eOkho
このスレのキャラってどんな人間が来ても平民扱いするよな・・・
もっと反論する奴はいないのか・・・
もしネギみたいな魔法使いキャラが来たらどうなるか分からんけど。

441 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 21:48:16 ID:BfqTV2IE
まあそこは書き手の技量。

つーか君、IDからとことんageなのね

442 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 21:50:08 ID:LQMi1ifs
ガラガラではないか、行け。

443 :ゼロのgrandma:2007/10/04(木) 21:50:32 ID:KratzA4t
今、予約状況どうですか?

439さんの後、予約しても大丈夫かな?

444 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 21:50:33 ID:wzYnppEL
>>316
かなり亀だが、俺も同感
と言うか、作者の人は介入が予想される時空管理局の取扱いどうする気だろう
ぶっちゃけルイズは今回、不可抗力とは言え実質向こうのお偉いさんを魔法で
誘拐してしまったようなもんだし、流石に誤魔化すのは容易じゃない気がする


445 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 21:50:47 ID:3jg76DZj
趙公明を見るんだ!

そして投下前支援

446 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 21:51:28 ID:Y6ToNrMK
銀代理→Mtl→grandma

でいいのかな?とにかく支援

447 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 21:51:41 ID:iQM4L+cX
>>440
それ以上にルイズがアホ子なのもデフォだな。
ザガクが優秀という話だけど、全くといっていいほど発想は貧弱なルイズしかいないよね。

448 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 21:54:21 ID:uNupgg4W
>>432
ネギまのエヴァンジェリンだったら
ルイズを子供扱いして説教した結果
「あんたの胸なんて私よりツルペタじゃない!」
「私は肉体年齢10歳なんだぞ〜 バカにするなぁぁ」と
低次元の喧嘩になってくれそうだ。

ダークシュナイダーだったら…
ヨーコさんもいないことだし、ルイズも食われるのか?

449 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 21:56:28 ID:RzvREGNH
>>447
座学が優秀ってのは、知識があるってことであって、非常識を非常識として理解できるってことじゃないと思うぜ。
俺だって、行き成り目の前に“魔法の力で異世界から遣ってきた神秘的存在です”とかいう奴が来たら、病院に通報jする。

450 :MtL:2007/10/04(木) 21:57:42 ID:Kxy6tc3w
代理投下がないようですので、投下準備に入りますねー。

451 :MtL:2007/10/04(木) 22:00:28 ID:Kxy6tc3w
マジシャン ザ ルイズ (19)白炎の紅蓮傭兵魔術師メンヌヴィル

「とっ、と、……話が違うぞ竜殿。あの船は未だ俄然健在のように見えるが?」
ばさりばさりと翼をはためかせる屍竜。その背に乗ったヴィンダールヴ・メンヌヴィルが横でホバリングする赤と青の竜に問いかけた。
「我は我の責務を果たした。墜落を免れたことは予想外であったが、なんにしろ当初の目的であるガンダールヴの無力化は済ませてある。後はメンヌヴィル、貴様の仕事だろう」
「全く竜殿はよく口が回る。そうまで言われては俺も人間の意地を見せねばなるまい」

飛び回っていた屍竜達が一度終結し、そして一斉に散開した。
それまで散発的無秩序に攻撃を加えていただけだった屍竜騎士隊が、ここに来て連携し、一つの意思の元に獲物を狙う空の狩人となる。
あるものは力場の効果範囲すれすれを飛び、またあるものはタイミングを合わせ別々の場所をブレスで攻撃する。
竜を焼き尽くす程の炎壁は同時には一箇所しか発生させることができないことを逆手に取った見事な指揮連携である。
そうして、最初の一匹が力場の死角へと潜り込んだ。

「さてと、どうやら、わしの出番のようじゃな」
「……はい、お願いします。オールド・オスマン」
オスマンとコルベールがお互いに頷く。
決意を秘めた瞳で、オスマンが立ち上がりブリッジの外へと続く扉に向かって歩き出す。
「オールド・オスマン!一体どこへ……?」
「ん、外じゃよ。ミス・ヴァリエール」
ちょっと散歩に出てくる、という気軽さで答えるオスマン。
「外って、そんな、危険です!」
「危険は百も承知じゃよ」
オスマンが懐からパイプを取り出して口に咥える、火はついていない。
「じゃがな、生徒を危険から守る、これは教師として当たり前の行為じゃ。例えどれだけの危険があろうとも、教え子を守るためなら喜んで危険に身を晒すのが教師というものじゃよ」
扉が横へとスライドし、外界への道を開く。
振り返らずにオスマンが何かを喋ったが、風の音にかき消されてルイズはその言葉を聞き取ることができなかった。

「私も行く」
ルイズの横に屈んで手を握っていたタバサが、すっと立ち上がる。
「タバサ!?あなたまで何を言ってるの!?」
驚きタバサを見上げるルイズであったが、見返したタバサの瞳はオスマンと同じ決意の色を示していた。
「今守らなければ、何もかもが壊れてしまう。……だから」
杖を片手に、ルイズに背を向けて歩き出すタバサ。
しかし、彼女を引きとめようとするのはルイズだけではない。
「ミス・タバサ止めなさい!外は危険だ、全て学院長、オールド・オスマンに任せるんだ!」
タバサはその声に一度だけ足を止めて、じっとコルベールを見つめた後、オスマンの後を追い外へと出て行った。

恩師と教え子、二人が戦場へと去った。
その姿を見てもなお、コルベールは一歩を踏み出せないでいた。

ここに、大きな罪を犯した男がいる、
その罪のあまりの大きさに、歩みを止めてしまった男がいる。
男の半生は、後悔と贖罪に彩られていた。
男は自身の破壊の力を再生の力と信じて、自分を騙した。
彼はいう、力とは使い道次第で様々な面を見せると。
しかし、彼は気付いているのだろうか?
破壊が再生であるならば、再生と破壊もまた、等価であることを。

「ふん、迎撃要員くらいはいるか」
目の見えぬ男、メンヌヴィルは温度で艦橋から出てきた二人を推し量る。
一人は老メイジ、もう一人は小柄な娘。
両者共に相当に腕の立つメイジであることが、歴戦の傭兵であるこの男には手に取るように分かった。
そうして、当然ながらこのことから読み取れる事実にも気がついている。
ブリッジから出てきた二人は、恐らく今このフネで動ける者の中で最も戦力的に優れた者達。
ならば今のブリッジに残された者達はどうか?
そんなことは決まっている。実力的に第三の位置につけている者が残っているか、非戦闘員が残されているだけだ。
甲板で屍竜騎士団の迎撃を行っている二人を相手にすることができないのはメンヌヴィルとしても残念なことであったが、今の彼は雇われの身であり、更には使い魔として契約している身でもある。
主人の意向を無視して行動することはできない。
「多少骨がある者が残っていてくれれば、楽しみようもあるのだがな」
そう呟いたメンヌヴィルの右手、かつて始祖ヴリミルが従えたという、あらゆる幻獣を操る使い魔ヴィンダールヴの手にあったものと同じルーンが光り輝く。

452 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 22:01:02 ID:KratzA4t
支援。

453 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 22:02:05 ID:RWINrlhN
支援
コルベール先生はカーン的な立ち位置か・・・

454 :MtL:2007/10/04(木) 22:03:33 ID:Kxy6tc3w
ハルケギニアに伝わる始祖ブリミルの伝承、その中で名を残す伝説の使い魔達。
その一節に謳われる『神の右手はヴィンダールヴ。心優しき神の笛。あらゆる獣を操りて、導きし我を運ぶは地海空』と語られる存在。
しかし現代に蘇ったヴィンダールヴは心優しい存在などでは決して無い。
それは邪悪にして獰猛な形に口を釣り上げ、老若男女貴族平民弱者強者全てを焼き焦がさんと欲する魔人。
「行くぞ!我が血を沸き立たせ、焼き尽くさんとする戦場へと!」
ヴィンダールヴが従えたあらゆる幻獣、そこにはドラゴンも含まれる。
そして彼が現在騎乗しているドラゴン・ゾンビもまた、神の右手の影響を受ける存在である。

ドラゴン・ゾンビは神の如き速さで飛翔すると一気に船尾へと回り込む。
更には皮膜飛翔の限界を超えて直角の軌道さえ取ってみせる、これこそ正に曲芸飛行。
死角を狙って飛び、瞬時にウェザーライトの懐へと潜り込んだメンヌヴィルの目標はただ一つ。
ブリッジの制圧。


「ミスタ・コルベール、外の二人をここから援護することはできないんですか?このフネには大砲とか、そういう武器は何か無いんですか!?」
コルベールは躊躇いの表情を見せながら、口を開く。
「……無いのだよ、この船にはそういった兵器は、一切装備されていないのだ」
「では、ミスタ・ウルザがやっていたみたいにすごい速さで動いて敵を振り切って逃げるとかは?そうよギーシュ、今はあんたが操縦してるんでしょ?すぐにぶっちぎっちゃいなさいよっ!」
「え、でも今飛んでる以上速度を出すと……」
「それもできないんだミス・ヴァリエール。先ほどまでの高速戦闘は、ミスタ・ウルザだから可能であったことなのだよ。彼がガンダールヴだからこそできたことで、アレを我々だけで再現することは到底不可能だ」
そう、この船はコルベールとウルザが共同で作り上げたものだが、同時にウルザにしか取り扱うことができない機能も数多くあった。
先ほどのように力場発生器を使って、魔法の効果を拡大して船を守る程度はできる。
しかし、力場発生器で『反射』の刃を作り出すことなど、『反射』のメカニズムを知らぬコルベールにできようはずが無い。
あれはウルザが秘密公文書館の中から見つけ出してきた資料を元に独自の研究開発の末に会得したものであり、コルベール自身が同じように使うことはできない。
「じゃあ……じゃあ、私が行きますっ!」
そう言うなり辛抱堪らずといった様子で駆け出そうとするルイズ、これには流石のコルベールも説明しながらもせわしなく動かし続けていた手を止めて、慌ててルイズの肩を掴んで引き止めた。
「止めたまえ!君が行ってどうなるというんだ!?」
「離して……っ、離してください!私だって何かの役に立つわ!だって伝説なんでしょう!?こんな時に役にたたないで何が伝説よっ!私が全部吹っ飛ばしてやるわ!」
オールド・オスマンとタバサ、二人が自分達を守る為に戦っている。
その姿は正にルイズが思い浮かべる理想の教師の姿であったし、理想の貴族の姿でもあった。
だからこそルイズは我慢することができない、自身がただ守られるだけの存在であることが。
ゼロのルイズであるからこそ人一倍誇り高い貴族であろうとした少女は、誰も守ることができない、守られるだけの存在である自分が許せない。
それはまた、あのアルビオンの舞踏会の夜、強くなると誓った自分自身への背信であるようにも感じられたのである。
「離してっ!」
「落ち着きたまえミス・ヴァリエール!」

「ふぅぅ……何ていうか、ホント酷い目にあったわ」
コルベールがルイズの手を掴んで必死に引き止めている最中、そう言いながらブリッジ後部の扉から現れたのは、縦巻きのブロンドに大きな赤いリボンをつけた少女、モンモランシーだった。
普段から自信に満ち溢れ勝気な雰囲気を漂わせている釣り目も心持かどこか元気が無く、本来なら完璧にセットされている縦ロールも所々乱れている。
「もう何なのよぉこのフネ。揺れないと思ったら突然揺れ出すし、トイレからは突然水が出るし……」
突如現れた空気を読まない闖入者に場の空気が凍る。
続けてよいものかどうなのか、ルイズが戸惑っているうちに、操舵席で座って(腰を抜かして)いるギーシュが声をかけた。
「ええと、モンモランシー?」
「何よ、私が大変なことになってる時に全然に助けに来なかった癖に」
モンモランシーの放った棘付きブローが、うかつなギーシュを襲った。
「う、ううぅ。それには深い訳が……」


455 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 22:03:32 ID:CmsBu0z4
>>447
きっとルイズはペーパー型
マニュアルに無い事態が起きると混乱するタイプ

あ、支援

456 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 22:06:27 ID:xz+D3r4N
カマン

457 :MtL:2007/10/04(木) 22:06:44 ID:Kxy6tc3w
この時、先ほどモンモランシーが現れた扉とは違う扉が、小さく音をたてて開いた。
ブリッジには二つの扉があり、一つはウェザーライトUの船内へと通じる扉、もう一つは甲板へと通じる扉である。
船外へと通じる扉が開いた以上、外から艦橋へと入ってくる人間がいるということだ。
ルイズはこれを見てオスマンかタバサが敵を退治して戻ってきたと目を輝かせ、一方のコルベールは正反対の事態を連想した。
「ミス・モンモランシ!伏せなさいっ!」
即ち外敵の侵入。
現れたのはコルベール自身も慣れ親しんだ四大元素の一つ『火』。
艦橋内部を舐め尽すように伸ばされた炎の舌、その色は白。
全てが燃やし尽くされる直前に立ちはだかる炎の壁、その色は青。
色の異なる二つの炎は空中で激しくぶつかり合い、お互いを滅ぼすようにして消滅した。
「面白い、思ったよりも骨のある奴が残っているようだな」
そう言って扉から一歩を踏み出したのは、鍛え上げられた肉体と炎の狂気と冷酷なる心を持つ忌まわしき焼却者、白炎のメンヌヴィル。

生きてきた場所が違う、そうと一目見ただけで分かる殺戮者の登場に、ブリッジの誰もが息を飲んだ。
ギーシュは操縦を続けながら先ほどとは違う、目前に現れた死神の気配に顔を引きつらせる。
ルイズは生まれて始めて感じる濃厚な戦場の臭い、それを一人で作り出したこの戦場の化身に戦慄する。
モンモランシーは、ほんの一メイル先でぶつかり合った焼炎の残滓に驚いて床にへたり込む。

コルベールは――
「五人か、うち倒れている者がガンダールヴだな。思ったよりも少ない人数で動かしているのだな、このフネは……む?」
――自分を追いかけ現れた、過去の罪と対面した。

「おお、お前は……。お前は!お前は!」
歓喜と狂気が交じり合った、正に狂喜という形容こそが相応しい様相に顔を歪めて叫ぶメンヌヴィル。
「お前こそは捜し求めていた温度!コルベール!おおコルベールっ!遂に出会えたぞコルベェェルッ!」
「貴様……」
いつかこうなる日が来ることは分かっていた。
罪に追いつかれる日が来ることは分かっていた。
けれど今日、この時、教え子達の前で無くとも良いではないか。
「俺だ!忘れてしまったのか?メンヌヴィルだよ隊長殿っ!おおお!久しぶりだ!懐かしいぞ!こんなところで会えるとはなっ!ハハハハハハッ!!」
「やめろ……」
「何年ぶりだ!?隊長殿!そうだ二十年だっ!二十年ぶりだっ!」
「やめてくれ……」
「どうしたんだ隊長殿!喜んではくれないのかっ!?懐かしい旧友との再会ではないかっ!」
「お願いだ、やめてくれ……」

「何……?何なの?どういうことなの?ミスタ、ミスタ・コルベール……この男は、一体何なの?」
両手を広げ、狂ったように笑い続ける男と、片手で顔を押さえて何かに耐えるようにしているコルベールとを視線で往復し、恐怖に身を震わせながらモンモランシーが呟く。
「ミス・モンモランシ……」
おぞましいものを見ているような恐怖に怯えるモンモランシーの瞳、それを見てしまったコルベールの顔に深い影がさしていく。
「学院生徒と一緒にいるということは、隊長殿は今は教師であらせられるのかっ!?これはおかしい、こんなにおかしいことはないぞっ!貴様が教師!?
最も似合わぬ仕事ではないかっ!何を教えているんだっ!?人殺しの方法か?人間を焼いた時の芳しい臭いについてか?それとも眉一つ動かさず村を滅ぼすやり方かっ!?」
コルベールの脳裏に沸きあがる焦土の光景、人が物が焼ける臭い、リアリティを伴う幻視。
「それ以上言うな副長ォォォォ!!」
憤鬼の形相のコルベールが振るった杖の先端から、その華奢な体に似合わぬ巨大な青炎の蛇が躍り出る。
対応してメンヌヴィルも鉄の杖を突き出し、怒涛の勢いで放射された白炎でこれを相殺した。

「ひっ!」
学院で見せたことの無いコルベールの激情、その豹変を目の当たりにしてモンモランシーが泣き出した。
「ミス……これは……私は、」
「やめてっ、来ないで!あなたは、私の知ってる先生なんかじゃないっ!」
あまりの事態の変化に動転したモンモランシーの言葉、それが刃物となってコルベールの心突き立てられた。
そんな二人の様子を見ながら、メンヌヴィルはまるで滑稽な喜劇でも見たかのように笑い出す。
「何だ隊長っ!?生徒には知られていなかったのかっ!?教え子に隠し事をするなんてなぁ、そんなことでは教師失格ではないか!しょうがない!では俺が教えてやろう!全部教えてやろうっ!おい娘、こっちを向け!」
無造作に一歩踏み出してモンモランシーを見下ろすメンヌヴィル。



458 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 22:06:52 ID:aPGsZx/y
亀レス
>>396
ジョゼフ「たすけてギャラン・ドゥ!あいつらが僕をいじめるよぉ!!」
ギャラ「そうかい、悲しいなぁジョゼフ……つーかぁ……使い魔に頼るな!」
ジョゼフ「ひげえええええっ!!!」

こうですか?

459 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 22:07:49 ID:tC+GnWPX
>>433
何のために戦うんだww

460 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 22:08:18 ID:v+Dh3vqJ
支援

461 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 22:08:52 ID:40NERwA2
>>448

ルイズを食べる時にキスをしてしまい、封印されてしまう支援。

462 :MtL:2007/10/04(木) 22:10:22 ID:Kxy6tc3w
「は、はい!」
モンモランシーがこちらを向いたことを確認してから、メンヌヴィルは大仰に、まるで自身が教師になったかのように高らかに語り始める。
「あの男はな、炎蛇のコルベール、俺たちの隊長殿だ。かつて俺が副長であった特殊な任務を行う実験部隊の隊長殿でな……。それは凄い男だったのさ」
メンヌヴィルが一つ語る度、コルベールの顔から一つ表情が欠けていく。
「隊長殿は当時二十をいくらも過ぎてない若造だったくせに、やたらと肝が据わってた。顔色一つ変えずに敵を焼き尽くすのを見て、俺は惚れ惚れとしたもんだ。特に凄かったのがグングルテールって田舎の村での作戦だった。
そこで疫病が流行って手がつけられないから焼き滅ぼせって命令が下って、俺達が駆り出されたんだ」
コルベールは動けない、ただ絶望と後悔が押し寄せるに任せた。
「その時の隊長殿ときたら、これがもう凄まじかった。何せ容赦が無い、女も子供も老人も、きっちり見境無く焼き尽くした。まるで竜巻みたいな炎を操ってな、村をあっという間に火の海に変えてしまったのだ。
更に傑作だったのは、その村は疫病でもなんでも無かった、信教徒狩りの口実に過ぎなかったってことなんだがな」
メンヌヴィルはそこで一度言葉を切ると、その巨体を窮屈そうに屈ませてモンモランシーに視線を合わせた。
「そして何より凄いのは……」
言ったメンヌヴィルが突然自分の左手に指を差し入れた。
「――っ!」
言葉にならぬ悲鳴をあげるモンモランシー。それを無視してメンヌヴィルはくちゅりという音を立てながら自分の眼球を引き抜いた。
「この俺から光を奪った男だということだっ!」
人の形をした炎が楽しそうにモンモランシーへと語りかける。
「どうして目を焼かれているのに見えているかか?」
メンヌヴィルがにやりと笑う、それはまるでいやらしい爬虫類のそれであった。
「蛇は温度で獲物を見つける。俺も炎を扱ううちに随分と敏感になってね。距離、位置、どんな高い温度でも低い温度でも、正確に数値を当てられるようになったのだよ。温度で人の見分けだってつく」
モンモランシーの恐怖は既に臨界を超えている。
こんな人間がこの世に存在することが信じられない。
「お前、怖がっているな?感情が乱れると温度も乱れる。お前は今怖がっているな水のメイジよ」
モンモランシーは自身の股間から暖かいものが広がるのを感じたが、今更そんなものは関係ない。
今このときに至って、恥じらいや誇りに何の意味があるだろう、目の前にいる男は戦場そのものなのだ。

「馨しい香りだ…、だがもっと嗅ぎたい」
メンヌヴィルが立ち上がる、手にはしっかりと握られた杖。
「……?」
「お前の焼ける香りが、嗅ぎたい」
瞬間、メンヌヴィルが振り抜いた杖から迸った白炎がモンモランシーを焼き尽くさんと踊り狂った。
だが、人間一人を瞬時に焼き尽くす程のその炎は、横から打ち込まれた青炎によって横へと逸らされた。

「私の教え子から、離れろ」
炎蛇のコルベール、魔法研究所実験小隊の隊長、仮面をかぶった様な無表情な男の姿がそこにはあった。
「やっとやる気になってくれたか隊長殿!やはりそうでなくてはなっ!」
飛び退いて距離を離す白炎のメンヌヴィル。その表情は心の底からの歓喜に満ち満ちている。
長い隔絶を経て、蛇と蛇、二匹の炎蛇が対峙する。

コルベールは小さく笑みを浮かべる、二つ名の示す蛇のような冷たい笑みを。
「ミス・モンモランシ。『火』の系統の特徴をこの私に教授願えないかな?」
噛み締めた唇の端からは血が流れていた。
それはコルベールの顎を赤く彩りながら、床へと落ちていく。
「破壊、ですわ……」
「『火』が司るものが破壊だけでは寂しい。私は二十年間、そう思い続けてきた」
コルベールは、表情はそのままに、声だけは普段のままで呟いた。
「だが、君の言うとおりだ。『火』は破壊しか生まない。君の『水』の様に人を癒したりは、できないんだ」


「ミス・ヴァリエール。ミス・モンモランシを連れて物陰に隠れなさい」
ルイズは頷いて、モンモランシーへと走り寄ろうとする。
そしてそれが、激突の合図となった。
走り出したルイズに向かって炎球を同時に三つ放つメンヌヴィル。
コルベールがそれらに向かって相殺の炎を同じく三つ発射する。
両者が放った炎のうち、二つまでがお互いを焼き尽くして消滅する。
だがその内の一つが互いにすれ違う。
追跡する炎球、蛇の如く狙った相手を追い詰めるそれが三つの炎球の内一つに紛れており、モンモランシーではなくコルベールを狙うために放たれていたのだった。

463 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 22:11:00 ID:nAxMl+Aq
誰もいなきゃんじゃgrandmaの後に代理投下するよ

464 :MtL:2007/10/04(木) 22:12:27 ID:Kxy6tc3w
「くっ!」
迫る炎球を咄嗟にかわしたコルベールのマントの端が燃え尽きた。
炎球はそのまま床へと衝突し、周囲に炎を撒き散らした。
ウェザーライトUのブリッジは一部木で作られているにも関わらず、耐火措置でも施されているかのように、燃え上がることはない。
「惜しい!マントが焦げただけか!しかし次は当てるぞ!俺は貴様の燃え尽きる臭いを嗅ぎたくて堪らんのだ!はは!ハハハハハハハ!」
連続して次々に白炎を発射するメンヌヴィル。
その勢いと狡猾さはコルベールの青炎を上回り、いつしかコルベールは防戦に立たされていた。
「どうしたどうした!?教師生活が長くて体が鈍ってしまったのかっ!?」
炎玉、炎波、火槍に火矢。
二十年間、絶えず戦場に身を置き続けてきた炎蛇の激しい攻撃。
二十年間、戦場から過去から罪から逃げ続けてきた炎蛇とは、錬度も精度もまるで違う攻撃。
かつての実験小隊の隊長と副長、しかしその実力は二十年で様変わりしてしまっていた。
コルベールに勝機があるとすれば唯一つ。だが、
(彼女達を巻き込むわけにはいかないっ!)
コルベールの術中、最強の秘儀。
それを用いれば、あるいはこの強敵を妥当することも可能だろう。
けれどそれは、近くのものを見境無く殺してしまう炎の特性そのものの呪文である。そのような魔法をこの密閉された空間で使えば、自分の生徒達を巻き込んでしまう危険性があった。
最強の切り札を使うことができないコルベール、その姿こそがこの二十年でコルベールが弱くなった証明でもあった。

「どうした?息があがっているぞ隊長殿」
興奮こそすれ、息一つ乱さぬ盲目の炎蛇メンヌヴィル。
一方のコルベールは、精神的重圧と二十年のブランクによって、既に息も絶え絶えの状態である。
一見してどちらが有利かなど、考える必要も無い。
だが、当のメンヌヴィルはこの戦いに失望の感を禁じえないでいた。
「どうしたというのだ隊長殿?その姿はまるで俺が敬愛する隊長殿のものとは思えないぞ?一体この二十年で貴様は何をしていたというのだ?人殺ししか能の無い俺達が、人殺しを忘れていたなど笑い話にもならん」
「うる、さい……」
ふむ、と杖を持たぬ左手を顎にやり、思索に耽るメンヌヴィル。
そうして一瞬の沈黙の後に、メンヌヴィルは顔を綻ばせた。
「そうか、これは俺としたことが失礼した。隊長殿には足枷があったのですな。確かにそれでは全力が出せないのも道理」
いかにも合点がいったという口ぶりで手を叩く狂炎の魔手。
「なんだ、と……?」
「とりあえず、そちらに隠れている娘二人を焼き尽くそう。そうだ、それがいい。そうすれば隊長殿は以前の隊長殿に戻ってくださるはずだ」

465 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 22:13:13 ID:+yoQ85QU
支援じゃあ

466 :MtL:2007/10/04(木) 22:14:35 ID:Kxy6tc3w


ゆっくりと杖を振り上げるメンヌヴィル。
そのとき、コルベールの世界が色を失い、速度を失った。

「っ―――!!」

息を飲む二人の、大切な、大切な女生徒達。

二十年、大切にし続けた二十年。

「やめ――」

飛び出そうとする、踏み込もうとする右足。

ゆっくりだ、何もかもがゆっくりだ。

もどかしい、何もかもがもどかしい。

気は急いても、色と速度を失った世界は、思うように足を進ませはしない。

体が重い、鉛のようだ。

それでも走る、必死に、懸命に。

無様でもいい、教師の威厳など火にくべて捨ててやる、この身を悪魔に差し出せば良いというなら喜んで差し出そう。

だから進め、足よ進め、彼女達を守る、その為に!!!!

「――ろおおお!!」


                     「実に馨しい香りだ。味の方はどうかな?」
                            ―――白炎のメンヌヴィル

467 :sage:2007/10/04(木) 22:16:21 ID:mqNz2DAK
>>440
ハルケギニアでは魔法使い=貴族だから見た目が自分たち並に整っていて杖を持っていないと
平民とみなされる。ちなみに服は多少よくても貴族っぽいデザインでマントつけてないとまず
貴族と見なされないと思われる。
逆に言うとそれを満たしてれば貴族と見なされるんで纏めのページのssをチェックしてみて

468 :MtL:2007/10/04(木) 22:17:28 ID:Kxy6tc3w
投下終了です。

余談ですが、wikiの方のフォローが凄い細かいところまで入っていて驚きました。

であー。

469 :ゼロのgrandma:2007/10/04(木) 22:18:50 ID:KratzA4t
乙でしたー。

代理の方から許可が出てるっぽいので、先に行きます。

470 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 22:20:12 ID:KjxutpEz
乙。爆炎は使えない罠。ルイズたちはどうなってしまうのか。
wikiをいじりながら待っていた甲斐が有った、次回までまたwikiをいじりながら待っていよう。
……クリーチャータイプ変更とか統合とか廃止とかされすぎなんだよ。

471 :ゼロのgrandma 1/8:2007/10/04(木) 22:20:51 ID:KratzA4t
「……ルイズよ。ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール!」
あら、とリンディは面白そうに笑った。
明らかに怯えている少女の、意外にもしっかりした反応に驚いたのだ。
恐怖を誤魔化そうとしたというよりも、
(気の強そうな子よね。プライドも高そう)
腰が抜けた風だったのに、もう立ち上がっている。理不尽なことからは一歩を引かないという、敵意にも似た意思の強さ。
高潔と言い換えても良さそうだ。
ただ、意地を張ってるのが丸わかりなのは、少し可愛い。

口に手を当て、クスクス笑うリンディに、ルイズは激高する。
「わ、わたしは名乗ったわよ! あんたも名乗りなさいよ!」
「あら、ごめんなさいね」
ちょっと待っててという仕草を見せると、リンディは、数メートル離れた場所に不可視力場で台座を作った。
簡単な持続性バリアで包んだフライパンを放り投げ、ふわり、と着地させる。
(何かあったら困るし。怒られるのも嫌だしね)
これを含む調理セットは、とても高かったのだ。息子の嫁と、一日かけて選んだ共有財産である。
「では」
次々と行使される先住魔法?らしきものに顔を引きつらせる、ルイズたちに向き直った。
「申し送れました。わたしはリンディ・ハラオウンと申します。えーっと」
「な、なによ」
視線を向けられたルイズがたじろぐ。
「ルイズさん、でしたわね。そちらがファーストネーム?」
「そうよ。家名がヴァリエール!」
「ありがとう。わたしもハラオウンが家名ね。それで――」
促されたのに気付き、コルベールが居住まいを正す。
「失礼。私はこのトリステイン魔法学院教師をしております、コルベールと申します」
丁寧な口調と共に、軽く頭を下げる。
「教師――先生ということですか? そして、こちらは学校? かなりの規模ですけど……寮とかもあるのかしら?」
「お察しの通り」
リンディは建物を眺めた。なるほど、宿舎らしき部分は学生寮ということか。
「魔法、学院」
確認するように呟く。

(魔法の何を、どうやって学ぶところかしらね)
ルイズ、の方はまだいい。おそらく裏表の無い人間だろうから。
問題は、先程から間合いを計っている教師の方だ。自然体に見えるが、明らかにこちらの一挙手一投足に備えた反応をしている。
名乗ったとき、頭を下げながらも視線は全く逸らさなかった。
それでいて、緊張感は漏らさない。おそらくは相当の訓練と実戦を重ねた人間の所作。
しかも、こちらがそれに気付いている事にも気付いている。
という事は、つまりそういう事だろう。

472 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 22:21:31 ID:Kxy6tc3w
クリーチャー・タイプ「貴族」絶滅しちゃったね(´・ω・`)

473 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 22:21:48 ID:RWINrlhN
GJ
そして支援

474 :ゼロのgrandma 2/8:2007/10/04(木) 22:22:07 ID:KratzA4t
「いい先生ですね」
「は?」
微笑んだリンディに対し、コルベールは訝しげに眉を上げた。
「そこまで生徒を大事にしていらっしゃる方なら、わたしも誠意をもってお話いたしますわ。ですから、どうぞ緊張なさらずに」
「――これは」
彼は苦笑した。
彼が計っていたのは、リンディとの間合いではない。ルイズと、退避経路との間合い。
何かあれば、彼は身を挺してでもルイズを逃がすつもりだったのだ。
それを見透かされていた事から気付く。目の前の女性は、ただ先住魔法の使い手というだけでは無い。自分以上の経験を積んだ存在だ。
彼は肩の力を抜いた。
「どうやら失礼をしっぱなしでしたな。これは申し訳ない」
「いえいえ」
微笑みあう二人を、ルイズが呆然と眺める。
「やはり一から聞かせて頂いた方が良いと思うのだけれど?」
「そうですな。ミス――」
「ミセスですわ。既婚ですの」
「失礼しました。お若いのでつい。それではミセス・ハラオウン」
煌々と輝く光羽に、人目を気にしたのだろう。彼は近くの木陰を指し示した。
「本来ならば立ち話も何ですが……その、申し上げにくいのですが、学院内にお招きするというわけにも」
「お構いなく。わたし、今は不審者ですものね」
「またまた、ご冗談を。それに当学院に入り込む不審者なぞ、そうそうおりません」
「あら。でも油断はいけませんよ? どんな場所でも万が一はあるものです」
「ご忠告、痛み入ります」

「……なんなのよ、もう」
何が何やら。
自分の儀式はどうなったのか。
と言うかアレは何なのか。実体でない羽を持った、先住魔法の使い手。翼人とかエルフじゃなさそう。御伽噺の妖精?
でも既婚とか言ってたし。
大体、属性とかさっぱり分からない。羽があるなら風とか?
それに、なんでミスタ・コルベールはあんなに和んでるのか。
アレはわたしの使い魔なのに。多分だけど。
(わけわかんない)
談笑しながら歩いていく二人の後を、ルイズは不満げについていった。

475 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 22:25:07 ID:+yoQ85QU
支援支援支援

476 :ゼロのgrandma 3/8:2007/10/04(木) 22:25:25 ID:KratzA4t
「……そうすると、わたしが使い魔にならないと、ルイズさんの進級はままならないと?」
「現時点では、そうなります」
「念のために伺いますけど、使い魔を送還したという記録は」
「全ての記録を承知しているわけでは無いのですが、私が知る限りでは残念ながら」
「死亡するまで解除出来ない?」
「そう聞いております。他に手段があるかどうかについては、寡聞にして知りませんが」
「そう、ですか」
リンディは溜息をついた。
(これ、よく今まで管理局に見つからなかったわよね)
事情を把握してみれば、はっきり言って次元犯罪になりかねない事だったからである。
今まで人間が使い魔として召喚されたことは無さそうだから、これは特異な状況なのかも知れない。運が悪かった、という単純な。
それはそれで問題だが。
しかし、通常はこの世界内で完結している儀式だとの事だが、果たして本当にそうだろうか?
人間以外だったとしても、自分と同様の事が、これまで全く起きていなかったとは断定出来ない。
そもそも、同意も無しに生命体を召喚し、契約を強要するというのは如何なものか。
(だけど、それについては幾らでも事例はあるものね)
管理局が把握している世界、主に管理外世界には、かなり理不尽な風習もあるし、残酷な状況も多々存在する。
確かに、それらは全てそれぞれの世界の管轄だ。外部からとやかく言うことでも、判断出来ることでも無かった。
ただし、次元間に影響が及ぶ場合は話が別だ。
他次元の存在を知らない世界からすれば、他からの干渉、主に犯罪等は、防げないどころか認識も出来ないからだ。
一方的な干渉は排除する。それは大原則の一つと言えた。
(どちらにしろ、現状で考えても仕方ないかな)
そういう判断をする業務からは、実のところ引退している。現役の娘の方が、よっぽど上手くやっているだろう。

(第一、それどころじゃないものね)
連絡するとか、帰る方法を探すとか以前の問題がある。
平然と会話を続けるのが、そろそろ厳しくなってきていたのだ。
体が軋む。神経が悲鳴を上げているのがわかる。
自分以外の高ランク魔道師が呼び出されていたら、場合によっては即死していたかも知れない。
おそらく、魔力暴走による自壊を起こして。
リンカーコア。
人における魔力制御の源。外界からの魔力収集、放出、制御等を統べるソレが、過負荷を起こし始めている。
周囲の魔力が多過ぎるのだ。
現に、魔力放出を行っている彼女の光羽――展開された特殊フィールドは、全力稼働中である。

かつてリンディは、自分の艦のバックアップを受けながら、小規模次元震を封じた事がある。
複数の世界を滅ぼしかねない事象を、戦艦から供給される膨大な魔力を利用することで、短時間ながら制御・抑制する。それが如何に非常識なことか。
制御において管理局有数の力を持つ、彼女だからこそ出来たことである。
その時も、光羽は余剰魔力の為に使用された。
『蓄積』する為に。
戦艦からの魔力のうち、余剰分を蓄積、随時利用する為のバッファとして。
もし完全開放すれば、一艦が供給する魔力を、全て放出することさえ可能な安全弁としても機能する、極めて稀少な力。
それが、ここでは不完全にしか機能しない。
周囲の魔力濃度が放出分を遙かに越えるという異常環境により、効率が激減しているのだから。

477 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 22:25:49 ID:KjxutpEz
>>472 1種しか居ない上にロードと被ったりしてましたからねぇ……そしてリンディさん支援。

478 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 22:25:53 ID:7HXvUUjl
>>449
後、ルイズには精神的に異世界云々は認められない
(自分の世界の枠から外れてしまう=平民として格下の扱いができない)
ってのもあると思う(本人は無自覚だろうが)。
馬鹿にされるような「平民」を喚んだ以上、完璧にそいつを従えることでしか矜持を保てないわけだ。

雑談スマン。支援だ。

479 :ゼロのgrandma 4/8:2007/10/04(木) 22:26:46 ID:KratzA4t
通常、魔道師のリンカーコアは、周囲の魔力を変換し、収集を行っている。人が呼吸するようなもので、使用した結果の魔力欠損を補おうとする。
過度に貯めることは無い。
もちろん、意識的に集積や圧縮を行うときには、全力で稼動する。
例えば、娘の親友が全力全開で戦闘するときなど、外部や圧縮されたカートリッジから供給される魔力を存分に吸収し、湯水のように使う。
それを受け入れられるキャパシティやコントロールする制御等の能力差、それがリンカーコアの能力差であり、魔道師のランク差となる。
当然ながら、訓練等でその差はある程度なら補える。
それも人の心肺機能と同様だ。

では、体内の濃度より、周辺の魔力濃度が遥かに濃かった場合はどうなるのか?
大規模戦闘が行われた空域や、特殊な閉鎖空間等でままある状態だが、基本的に問題は生じない。
一度魔道師が利用、放出した魔力は、即再利用出来る状態にはないからだ。
リンカーコア等での変換が行われなければ、再利用は難しい。
もっとも、再利用しやすい形で周囲にばらまき、土壇場で再収集・放出するような猛者もいるが、それこそ稀なケースである。
逆に。
体内に吸収されやすい形で、魔力が周囲に、膨大に存在した場合はどうだろう。
短時間なら耐えられるかもしれない。淡水魚が河口近辺で即死しないように。
塩分の少ない環境から徐々に慣らせば、ある程度の濃さまで耐えられるようになるのと同じで、時間をかければ対応も出来る可能性もある。
環境の異なる場所に慣れる為なら、方法は他にも色々あるだろう。
だが、いずれにせよ、淡水魚を死海に放り込めば、ほぼ確実に死ぬことは間違いなかった。

(この世界の魔法システムは、わたしたちと根本的に異なるんでしょうしね)
「――どうなさいました? ミス・ハラオウン」
「あ、いえ……そうですね」
リンディは生返事を返すと、こちらを睨み付けるようにしているルイズに目をやった。
自分の素性は話していない。
細かいことは言えない、と正直に言うと不満そうだったが、それでも自分を使い魔にすることは諦めないようだ。
使い魔としての契約。
感覚を共有し、死のみが分かつという絶対的な支配。
正直な話、リンディに契約する気は無かった。あまりにも一方的なモノだし、彼女自身、譲れないものがある。
それはルイズへの感情とは別のものだ。この小さなお姫様のことは、一目で気に入っている。
(だけど、時間が無いのも確かね)
光羽の魔力放出は、効率が百分の一以下に落ちている。全開を続けられる時間は、昼夜を徹して、もって数日。
眠ることは出来ない。リンカーコアの吸収効率が上がるうえに、制御も出来なくなる。
二度と目覚めることは無いだろうし、周囲を巻き込んでの魔力爆発を起こす可能性もあった。
だから。

480 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 22:27:37 ID:KjxutpEz
Sts見てないがリンディさんはコルベール先生と同年代だっけか支援

481 :ゼロのgrandma 5/8:2007/10/04(木) 22:28:15 ID:KratzA4t
「わたしなんかが使い魔でいいの? もしかしたら、いきなりいなくなっちゃうかも知れないわよ?」
「そんな事にはならないわよ」
ルイズは傲然と胸を張った。
「あんたはわたしが召喚したの! 勝手に逃げ出すなんて、許すわけないじゃない!」
「あの、逃げるとかじゃないのよ? ほらほら、わたし人間っぽくないんでしょ? ぱぁーっと消えちゃうかも」
「な・ら・な・い!」
睨み付けてくる。プライドとか自信とか、不安とか悲哀とかを一杯に抱えた目で。
「困った子ねえ」
リンディは、つい笑ってしまった。
「何で笑うのよ!」
「わかったわ」
肩を竦めた後、ぽんとルイズの頭に手をおいた。
「使い魔になってあげる。その代わり、衣食住の面倒とか、調べ物の手伝いとかはしてくれる?」
「……当たり前でしょ。役に立つなら、ちゃんと面倒みるわよ」
拗ねたように目を逸らす姿からは、はっきりと安堵の気配が伝わってきた。傲慢に聞こえる台詞は、ほとんどが照れ隠しなのだろう。
可愛いし、面白い。これからがとても楽しみだ。
(だけど、時間との勝負なのよね)
そう。
使い魔として契約すれば、この学院内に入ることが出来る。腰を落ち着けることも出来るだろう。外部からの害意も考えなくて済むはずだ。
その間にやるべきこと。
体を、この環境に慣らすことが出来るかどうか?
元の世界への帰還方法を探せるかどうか?
もし、それが叶わなかった場合、後から来るかも知れない捜索者に、この環境の危険性を遺さねばならない。
あとは――
(あの子たちなら、何の心配もいらないわよね)
ちら、と胸元のブローチに目を落とす。
夫を亡くしてから、一人息子と一生懸命やってきた。特に最初の頃は、あっという間に過ぎた年月だったと思う。
その息子も、もう26歳になっている。
いつの間にか、義理の娘が二人。孫が四人。そして子供の良き親友たちや、その家族との心温まる交流。
これほど充実した人生を過ごせるとは、あの頃には想像も出来なかった。
(うん、わたし、満足してる)
ブローチをそっと握る。
無論、リンディは諦観とは無縁である。どんな事だって、良い結果は必ず残せると思っている。
後悔や焦燥を抱えたって、良いことは何も無い。
彼女は単に、自分の置かれた状況を確認しただけなのである。

482 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 22:36:19 ID:LQMi1ifs
人妻支援

483 :ゼロのgrandma 6/8:2007/10/04(木) 22:36:24 ID:KratzA4t
「決まったようだね」
コルベールが頷く前で、二人は静かに相対した。
「じゃ、いくわよ」
「ええ」
ルイズの詠唱が響き始める中、リンディは自身のフィールドを強化する。
彼女は、息子のような目に見える形のバリアジャケット、即ち魔力で編んだ防護服を着用していない。
新しく生成する事は可能だが、今の状況では上手く出来る自信が無いし、必要も無いだろう。
もともと得意とする、同様のフィールド系防御魔法自体は、何とか行使出来ている。無駄に魔力が使用できる分、普段より効果が高いくらいだ。
不可視ではあるものの、極限まで圧縮・強化したフィールドを、皮膚の表面に沿うよう展開する。厚さはミクロン単位。
これで、契約の儀式とやらに対抗出来るかどうかはわからない。
一種の賭けなのだ。
魔力に基づいた契約は、ほとんどの場合、呪いとしての一面を備えている。
同意、非同意に関わらず、身体や精神に食い込む。状態を維持しようとするし、維持出来なくなれば、場合によっては改変を強いる。
「――我が使い魔となせ」
額に触れる杖。
ルイズと、そっと口付けを交わす。

やがて、唇を離すのを確認したコルベールは、ほっとしたように頷いた。

「コントラクト・サーヴァントは、無事に終えたようだね」
「はい、ミスタ・コルベール」
上気した顔を向けるルイズ。
成功した――成功した! 今日は、二つも魔法を成功させたのだ!
サモン・サーヴァントだって、何十回も失敗したからこそ、凄い結果に繋がったに違いない。
「これからよろしくね。えーっと、リンディ?」
満面の笑顔で振り返った。
そこで気付く。
彼女がたった今使い魔にした女性が、苦悶の表情を浮かべている事に。
「ど、どうしたの、リンディ?」
「く、あ……」
呻き声を上げ、体をくの字に折る。
相当な激痛なのか、自分を抱きしめるようにした指が、左右の腕に食い込んでいる。爪が一部の皮膚を裂き、血が滲むほどに。
「ちょ、ちょっと」
ルイズは慌てて、コルベールに向き直った。
「ここ、これって使い魔のルーンが刻まれてるだけじゃないんですか? もの凄く苦しそうなんですけど!?」
「そんなはずは」
コルベールは小走りで近寄った。
「使い魔のルーンが刻まれるときは、それなりの刺激があるという。例えば熱だ。だが、それもすぐに済むはずなのだ」
第一。
肌にすら感じられる――これほどまでに魔力が急激に集まっていく現象など、聞いたことは無かった。

484 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 22:38:45 ID:LlAAGqUc
支援

485 :ゼロのgrandma 7/8:2007/10/04(木) 22:39:08 ID:KratzA4t
唇が離れて数秒。
(何も起こらない……はずは無いわよね)
ルイズには申し訳ないが、物理的には触れなかった。
DNAや経年変異情報を得るための接触が成約条件なら、これで回避は出来ている。
魔法が絡むのだから、そういう条件はそれこそ少数派ではあるが。
それに。
(ここから、よね)
コルベールは何と言っただろうか。確か、無事に終えたと――
(来た……!)
それは唐突だった。
ぎしり、と押し潰されるような圧迫感がリンディを襲う。
押し潰す? 違う。
(取り込もうとしている!?)
彼女の体感としては、自分がフィールドごと溶かされてしまいそうな苦痛だった。全身の皮膚に劇薬を振りかけられたような。
魔力を注ぎ込んでも、その感覚は激しくなる一方だ。
「く、あ……」
体を抱え込む。
一瞬、ルイズと視線が合った。慌てている少女の顔。
おそらく、この術――呪詛は、既に行使したルイズの制御から離れている。停止させる方法とは関係無い。
あるいは、ルイズを殺害すればこの状況を打破出来るのかも知れなかったが、その選択肢は、リンディには選べない。
(何とかしなくちゃ、何とか)
何故、魔力で行使されたはずの呪詛に、魔力で抗うことが全く出来ないのか。
(まさか……)
気付く。
何らかの力が、リンディの存在そのものに食い入ろうとしているのなら。
存在そのもの。
それは、彼女が展開しているフィールド自体を、彼女自身と見取っているのではないか?

愕然とした。
フィールドはリンディが全力で展開している物だ。もしそれを自分自身だと定義されているなら、彼女は裸で相対している事になる。
肉体的にも、精神的にも。
(イヤ……)
それは明確な恐怖だった。
存在を浸食される。行使したルイズに悪意は無くとも、この呪詛自体には恐ろしいほどの悪意がある。
精神の改変。結果のわからない、改変された事すら理解出来なくなるかも知れない、人として最大の恐怖。
加えて、リンディには『浸食』という事象に対する、激しい拒否感があった。
心の中で明滅する情景。
それは、娘の職場に所属していた、精神を人為的に侵された姉と相撃った妹の姿であったり、
娘の親友が心身を侵され、別存在として世界を滅ぼしかけた姿であったり、
そして。
彼女の夫の乗艦が、消滅する直前に起きた怖ろしい情景――
「――イヤああああああっ?!」
絶叫と共に、彼女の視界は、緑色に染まっていった。

486 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 22:40:42 ID:RWINrlhN
やばいやばいやばい
支援

487 :ゼロのgrandma 8/8:2007/10/04(木) 22:41:06 ID:KratzA4t
「これは、一体?!」
コルベールはよろめくように、数歩後退った。
そのさらに数歩後方には、飛び退いた際に転んだルイズが、口をぱくぱくさせて見上げている。
それは塔だった。
緑色の光に輝く、四本の塔。屈み込んだリンディの背中から、高さ数十メイルにわたって羽が伸びている。
それが、膨大な量の魔力を天へと吹き上げているのだ。
まるで風のように実感出来る。
吹き上げられている魔力は、周囲から轟々と吸い上げているものだ。その様子は、まさに略奪と言っていい。
膨大な魔力を吸収し、それをそのまま、上空へと流している?
「何が起きている? 何の意味がある?」
杖を握りしめ、彼はその現象に向かって呟いた。

(体が、もたない……!)
バラバラになりそうな激痛の中、リンディは自身の精神だけを守っている。
何かをしようと思ったわけでは無い。それでも、自分の体の枷が勝手に外れたのは理解した。
リミット・ブレイク。
敢えて言うなら、そう言えるだろう。
本来の彼女が持つ『それ』とは異なる、この状況に合わせて発生した、自己能力の制限解除だった。
(死んじゃう、かもしれないけど。だけど、だけど!)
食い込んでくる呪詛は防げない。だとしたら。
洗い流せばいい。幸い、その為のものは幾らでもある。
身体の負荷を無視し、リンカーコアが凄まじい勢いで魔力を吸い上げ、呪詛ごと全て放出する。何の技術も無い力業だ。
これに成功したとしても、残る時間など無いかもしれない。
無駄な行為なのだろうか。
ただ、そうだとしても、自分が自分でなくなることに、彼女には耐えられなかったのだ。

「なんだ?!」
コルベールは、一瞬自分の目を疑った。
そびえ立つ緑色の塔の上空に、意味のある光が見えた気がしたのである。
(あれは、何かのルーンか?)
それは、瞬きするほどの短い時間。
光は、羽にまとわりつくように留まっていたが、やがて諦めるように上空へと上がり、粉々に砕け散った。
粉となったそれは、瞬く間に闇へと消えていく。
学院中に散らばったようにも見えた。何かしらの物質だったのであれば、回収出来る可能性もあるだろうか?
(いや、それはあるまい)
ここは今の状況の真下だったのだ。それらしきモノなど見当たらない。
チリ、と指輪をした指が痛んだような気もしたが、
「――リンディ!」
ルイズの叫び声に、慌てて意識を戻す。

倒れ伏したリンディ・ハラオウンの背中に、既に羽の輝きは無く――
先程までの状況が嘘のように、辺りは静まりかえっていた。

488 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 22:41:54 ID:o2+vxXSN
よくわからんが非常に危険ぽい?
支援

489 :ゼロのgrandma:2007/10/04(木) 22:43:17 ID:KratzA4t
投下完了です。

サーバが重くて?途中、凄く不安になりました。
それでは次こそ週末に。ギーシュ登場まで行けたらいいな。

490 :美味しそうな匂いの展開の銀眼(代理):2007/10/04(木) 22:45:15 ID:nAxMl+Aq
50分に代理投下しまっす

491 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 22:48:04 ID:aBkBCr9s

非常に興味深い展開でとても良い

492 :美味しそうな匂いの展開の銀眼(代理):2007/10/04(木) 22:50:05 ID:nAxMl+Aq
イレーネ、ルイズ、タバサ、キュルケが馬車の荷台に座り、ロングビルが御者を勤める馬車が街道を進む。
さすがに馬車の中だというだけあってデルフリンガーを突き刺してはいないが。
黙々と手綱を握るロングビル。本を読んでいるタバサ。座って目を閉じているイレーネ。
普段喧しいタイプのルイズとキュルケにとっては、ものスゴク居心地が悪い。

「あ、あの。ミス・ロングビル…御者なんて付き人にやらせればいいんじゃないですか」
重い空気を変えようとキュルケがロングビルに話しかけた。
「構いません。わたくしは貴族の名を無くした者ですから」
「でも、貴女はオールド・オスマンの…」
「差し支えなかったら事情をお聞かせ願いたいわ」
「聞かれたくない事を無理に聞くのはトリステインじゃ恥ずべき事よ」
ルイズにそう言われると瞬時にターゲット変更。イレーネに切り替わる。
「イレーネ姉さんは、『ゼロ』に召喚される前は何を?」
『ゼロ』の部分を強調して聞いてきたが、まぁ別に聞かれたくない事ではないので答えた。
「妖魔。こいつを斬り殺すのが我々の仕事だ」
「……吸血鬼みたいなものかしら」
「さぁな。吸血鬼というものを知らんからよく分からん。というか姉さんというのは何だ」
「それもそうね…呼び辛いし…『イレー姉さん』のがいいわね」
「…好きにしろ」

そんな話をしていると、馬車が森に入る。薄暗く、向こうなら妖魔の2〜3匹居そうである。
「この森って…確か、ここ1年の間で行方不明者が沢山出てるって噂の森じゃあ…」
「…そうなの?」
「噂なんだけどね…出るらしいのよ…色々と」
ビクゥ!とタバサが動いた気がしたが一瞬だったので誰も気付いてはいない。
イレーネも無意識に妖力探知を行う。こういう場所には大抵、妖魔が居るので習慣みたいなものだ。

493 :美味しそうな匂いの展開の銀眼(代理):2007/10/04(木) 22:51:14 ID:nAxMl+Aq
「……これは…いや、違うか…?だが他に考えられん」
聞こえない程度にそう呟くが、身体は警告を発している。
もちろん、確証は無いが。
「ここから先は、徒歩で行きましょう」
警戒しながら歩いていると開けた場所に出た。
それなりの広さで、真ん中ぐらいにボロい小屋がある。
「わたくしの聞いた情報だと、あの中にいるようです」
人の住んでる気配は全く無い。対象が妖魔であればすぐに分かるのだが、生憎そうもいかない。
イレーネを除いた四人が座って作戦会議を開いている。
タバサが絵を描いて説明しているが、ルイズが小屋に視線を向けると、背中のデルフリンガーを握ったイレーネが小屋に向け歩いていた。
「ちょっと作戦は…!?」
「時間が無い」

短くそう答えると、高速剣で壁を切り裂き壊す。
「…作戦…いらなかったみたいね」
「わ、わたくしは辺りを偵察してきます…」
ロングビルが駆け出しながら森の中に消えたが、イレーネは何か焦っているようだった。

小屋をガサ入れしていると、タバサがチェストの中から身の丈より大きい剣を見つけた。
重いし、全長も165サントとタバサよりかなり長いので、一杯一杯のようだったが、なんとか取り出す。
「『呪いの大剣』じゃない。宝物庫を見学した時に見たけど、あっけないわね」
「これが、この場所にあるという事は…やはり、読み違えたというわけではないか」
予想が確信に変わった。このまま、ここに留まるのは非常にマズイ。

494 :美味しそうな匂いの展開の銀眼(代理):2007/10/04(木) 22:52:21 ID:nAxMl+Aq
「…逃げるぞ。説明している暇が無い」
「フーケは?」
タバサが聞いてきたが、この状況はフーケなぞ比較にならない程危険だ。
だが、外から大きい振動と、ルイズの悲鳴が聞こえてくる。
「こんな時に…!」
「ゴーレム!」
屋根が吹っ飛び空がよく見える。憎たらしいぐらい青い空を背景にしているのはフーケのゴーレムだ。
タバサとキュルケが魔法を放つが、ビクともしない。
「行くか、相棒」
「悪いが構っている暇が無いんでな」
小屋の中から跳躍。吹っ飛んだ屋根の淵を足場を利用し再び飛びゴーレムに取り付く。
無駄な時間を使っている余裕は無い。ゴーレム自身の身体を足場にし肩に飛び乗ると、頭目掛け高速剣を放つ。
炸裂音が森に鳴り響くとゴーレムの頭が弾け、それを確認したイレーネが飛び降りデルフリンガーを仕舞った。

「行くぞ。説明している時間は無い」
杖を握って突っ立っているルイズにそう言ったが、叫ばれた。
「なにやってるの!うう、後ろーーー!」
「何!?」
振り向くと同時に迫ってきたのは鉄と化したゴーレムの拳。
高速剣で勢いを殺そうとしたが、拳が鉄に変化している事と、そのパワーで、完全には殺しきれずに吹っ飛ばされる。
覚醒者なら首を狩れば勝負が決まる。長年の習慣での行動だったが、迂闊だった。

「がはっ!かはっ!…くそ…脚が折れたか。…首を狩っても動くだと?覚醒者以上だな…」
致命傷ではないが、砕けた骨を治すのは、四肢接続より厄介だ。
冷静を保ち、妖力を回復に回す。冷静さに定評があるイレーネなら、そう難しい事ではないが、今はその時間さえも惜しい。

495 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 22:52:50 ID:XxQ3LbH+
投稿と投稿の間に、少しぐらい時間空けようよ

496 :美味しそうな匂いの展開の銀眼(代理):2007/10/04(木) 22:53:49 ID:nAxMl+Aq
「なにやってるの!逃げなさいルイズ!」
変わらない姿勢でルイズがゴーレムに杖を向け振ったが、ゴーレムの表面を爆発を襲ったが、すぐに再生されている。
「嫌よ!あいつを捕まえれば、誰もわたしをゼロなんて呼ばないでしょ!」
目がマジだ。こうなれば梃子でも動かないが、放っておくわけにもいかない。
自分もそう呼んでいただけに、責任もある。
「タバサ!シルフィードを!」
「間に合わない…」
もう、ゴーレムはルイズを潰そうと足を上げている。
風竜であるシルフィードとは言え、今からでは間に合いそうにない。
全員が目を閉じたが、ゴーレムが踏み潰す前に脚を治したイレーネがルイズを掴む。

そのまま、ゴーレムの足の範囲上からルイズを投げ飛ばすと自らも飛び、ルイズの頭を押さえる。俗に言う強制土下座のポーズだ。
「前に進むのもいいが…少しは身の程をわきまえろ。あれはお前が勝てる相手じゃないよ」
「で、でも!わたしは…!」
「そのために私が居るんだろ?道は私が拓く。お前はお前にやれる事をしろ」
「前は相棒に任せて、娘っ子は後ろで杖振ってりゃいいってこった」

ゴーレムが、その拳を振り上げ、それが飛んでくる。
途中で拳が鋼鉄に変わり、イレーネが居る場所に突き刺さった。
「イレーネ!」
潰された。そう思ったが、ゴーレムの腕の方から声が聞こえる。
「ようやく私の名を呼んだか。まぁ話は後だ。時間をかけると厄介な事になりそうなんでな…行くぞ!」
拳の腕に乗っていたイレーネが腕を伝うようにして駆ける。
速い。不安定な腕の腕とは思えない速さだ。
巨体とは言え、覚醒者に比べれば重鈍なゴーレムだ。
剣では仕留めきれないが、倒す方法はある。

497 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 22:54:22 ID:+yoQ85QU
しえん

498 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 22:54:25 ID:KjxutpEz
支援

499 :美味しそうな匂いの展開の銀眼(代理):2007/10/04(木) 22:55:07 ID:nAxMl+Aq
茂みの中でフーケが舌打していた。
あの大剣の使い方を知っているかと思っていたが、使わずに倒してしまった。
それも、あの『ゼロ』のルイズの魔法が決め手となってだ。
「それにしても…どうしたものか」
ゴーレムを失った以上、あの化物と正面から戦って勝てる気はしない。
こうなれば、ロングビルとして対応するしかない…と思い、茂みから出る。

「ミス・ロングビル!」
「申し訳ありません。捜したのですが、フーケと思われる人物は見付かりませんでした」
我ながら白々しいと思わないでもないが、今はこれしか手が無い。
ルイズ、キュルケ、タバサがゴーレムを調べていると、ロングビルが出てきた茂みから、誰かが現れた。
女だ。それを見てイレーネの表情が少しだけ変わる。
「思いのほか…出てくるのが早かったな…」
「まさか、フーケ!?でも…ミス・ロングビルの情報だとフーケは男だって」
もちろん、本人が居るから、それはフーケではない。イレーネを除いた全員が訝しげにしていると、女が口を開いた。
「どうしてここにクレイモアが居るのか知らないけど…あなた達四人…美味しそうな匂いがして…もう我慢できないのよね…」
美味しそう?匂い?そう思ったが、理由はすぐに分かる。
しばらく、ビキビキと音を立てていたが、爆発するかのような音が辺りに鳴り響き、木々から鳥が飛び立つ。
「…なに…こいつ…」
「なに…って…こんなの化物に決まってるじゃない!ルイズ!」

女の体が膨張し、膨れ上がり、背中から無数の鋭い触手のような物が蠢いている。
「ああ…生きたまま…内臓…食べたい…」
膨張が止まる。人型を保ちフーケのゴーレムに比べれば遥かに小さいが、禍々しさは比較にならない。
「とりあえず…あたなたち四人以外はいらないのよね…」
言葉が意味する事に気付いたのか、タバサが短く叫ぶ。
「逃げて!」
(な、なんなのーー!)
「……っ!」
シルフィードが急速上昇すると同時に、触手の刃がイレーネとシルフィードに向かう。

500 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 22:56:01 ID:xcuEe3WE
支援

501 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 22:56:23 ID:BK5LwLNV
支援!

502 :美味しそうな匂いの展開の銀眼(代理):2007/10/04(木) 22:56:37 ID:nAxMl+Aq
「あら…結構素早いのね」
「相棒、ありゃあ…」
「くそ…出てくる前に退くつもりだったんだがな…あれが覚醒者だ」
苦々しげに呟くが、デルフリンガーがイレーネの様子が何時もと違う事に気付いた。

「あら、あなた…懐かしい物持ってるのね」
覚醒者が、そう言った視線の先にはキュルケが引きずるように持っている大剣だ。
「懐かしいですって…!?まさか…この剣の…」
力を与える変わりに破滅的な呪いを与える大剣。その呪いでこうなったのかと、完全にビビったキュルケが後ずさる。
「まぁ…あなた達は後にするとして…邪魔な人を八つ裂きにしてあげないと」

瞬間、その場から覚醒者が消える。
「相棒!上だ!!」
瞬時に跳躍するが、続けて触手が飛んでくる。
空中でデルフリンガーを使い防ぐが、数発が掠める。

息が荒い。妖力も抑えたままだし、そんなに動いてもいないのに呼吸が乱れている。
「はっ…はぁ…はっ…くっ…!」
「相棒…どうしたんだよ」
カタカタと音がする。小さな音だが、発生源は他でもないデルフリンガーだ。剣を持つ右手が震えている。
「どうしたね。相棒なら、あんなのにでも遅れをとらねぇだろ」
確かにそうだ。高速剣の能力が半減しているとはいえ、一桁ナンバーの覚醒者とでもサシで渡り合えるだけの力を持つはずだが
ある一つの感情のせいで本調子を出させないでいた。
「…怖いんだよ…私は…あの時の恐怖が未だに身体にこびり付いて離れない…お前なら分かるはずだ」
戦士や妖魔なら、こうはならないだろうが、覚醒者の歪に膨張した妖気。
これを感じた瞬間、身体にこびりついたプリシラへの恐怖が再燃していた。
もちろん、それを感じ取ったデルフリンガーも驚いている。
「おでれーた…相棒にそれだけ言わせるなんて、どんな化モンだよ。って危ねぇ!」
「ち…!」
首に向け刃が迫る。普段なら、高速剣で防ぐところだが、思いように身体が動かない状態では、かわせそうにない。
首を撥ねられたテレサの姿が浮かぶ。その整った顔が歪み、辺りにドロリとした液体が散らばった。

503 :美味しそうな匂いの展開の銀眼(代理):2007/10/04(木) 22:57:51 ID:nAxMl+Aq
「痛いじゃない…残念だわ…生きたまま内臓を貪りたかったんだけど」
散らばったのは、赤ではなく、変色した青みがかった血。
タバサの『エア・カッター』が切り飛ばしたのだ。
軋むような音を出しながら覚醒者が顔を向け切り飛ばされた先を瞬時に再生する。
元は防御型だ。こうなると、首を落さない限りケリが付かない。
もっとも、防御型以前に覚醒者の動きを人が捕らえる事などできないだろうが。

今度はタバサに狙いを付け、再生させた触手を飛ばすが、今度は炎によって、それが焼かれる。
「…不思議な力を使うのね、この地域の人達って。でも、残念ね…あなた達じゃ私は倒せないみたい…」
焼かれた先は再生できないようだが、覚醒者自身がそれを切り離すと瞬時に再生を果たし、タバサとキュルケの顔が青くなる。
「無理よ…こんな化物…!」
「撤退…!」
一目散にシルフィードの元に逃げ出したが、覚醒者からすれば止まっているような速度だ。
「さて…と。それじゃあ…そろそろ行きましょうか。…あら?あなたは逃げないのね」
ルイズだ。ルイズがキュルケが遺棄した大剣の切っ先を地面に付けるような形で持っていた。
「お願い…!あれを倒す力をわたしに頂戴!」
柄を両手で握ったまま、必死になって呟いているが、当然何も起こるはずは無い。
「なんでよ!使い手に力を与えてくれる剣なんじゃないのこれ!?」
怒鳴ったが、怒鳴ったところで覚醒者が止まるはずもない。
「あなた…この四人の中で一番美味しそうな匂いがしてたのよね…」
目が一層光る。その異形に似合わぬ金色の両眼が。

504 :美味しそうな匂いの展開の銀眼(代理):2007/10/04(木) 22:59:01 ID:nAxMl+Aq
風切り音がし、ルイズを捕らえるべく触手が飛ぶ。
泣きそうになったが、泣く暇すらも与えてくれそうにない。
やけにゆっくり迫る触手を見たが、それより先に、長い銀色が目の前に飛び込んできた。
「逃げろ…今の私ではそう長く持たん」
本来なら歯牙にもかけない相手だろうが、身体が動いてくれない。
頭にも、あの時の恐怖が叩き込まれているのか、防御に徹する事だけで手一杯だ。
「うぉぉ!なんだこりゃ!気持ち悪りぃ!」
触手がデルフリンガーに絡みつき、奪おうとしている。
「く…!泣いている暇があるなら行け!」
「イヤよ…!貴族っていうの…は!敵に…!後ろを見せない…者を…!貴族って…呼ぶのよ…!」
顔を歪めて泣いているが、今のイレーネには、構っている暇は無い。
「それに…!使い魔を見捨てるメイジは…メイジじゃないんだから…!」
ここで逃げれば、一生『ゼロ』と呼ばれる。
いや、人からは呼ばれなくても、自分自身がそう呼んでしまうだろうと思っている。
だからこそ踏み止まった。

「残念ね…あなた頑張ってたけど…力も私の方が上…」
触手の力が一層強まり、デルフリンガーが持っていかれそうになる。
妖力解放で対処したいとこだが、覚醒者の妖気がプリシラの物と重なって解放できないでいる。
それ程、プリシラは圧倒的だった。

駄目かと思ったが、上空から風の刃と火球が飛来し、デルフリンガーに絡み付いている触手を切り飛ばす。
「まったく…無駄だって言ってるのに…今の若い子達は…」
「あなた、情熱ってご存知?あたしの情熱は全てを焼き尽くすの」
軽口だが、杖を持つ手は震えている。
一般人が妖魔に遭遇しただけでもヤバイのに、覚醒者と相対したのだから当然だろう。
タバサは無言だが、身の丈程の杖をしっかりと握っている。こちらも戦る気だ。

505 :美味しそうな匂いの展開の銀眼(代理):2007/10/04(木) 23:00:17 ID:nAxMl+Aq
「お前達では、やつの餌にしかならん。退け」
「あら、イレー姉さん。『微熱』の二つ名を持つあたしに、言ってくれるじゃない
  そりゃあ一人じゃ無理かもしれないけど、言ってたじゃない。あたし達が協力すれば大丈夫よ。仲間なんだから」
それに追従するかのように、タバサも頷く。
「そうか…そうだったな」

「あらあら…余所見してる余裕なんてあるのかしら」
ビキビキと音を立てながら、高速の触手がイレーネとルイズを目掛け飛ぶ。
ルイズも巻き込まれるが、死んだ後で内臓を食べればいいと思ったようだ。
「そんな小さな妖気で覚醒者と戦おうだなんて…身の程知らずもいいとこ……え?なによ…?この妖気…」

「すまんな…今回お前の出番は無いぞデルフ」
高速剣。迫り来る触手を無数の斬撃で削ぐかのように斬り落す。
数が集まればプリシラを倒せるとは思っていないが、ともかく今はこれで十分だった。
もう右手の震えは止まっている。
「後先を考えんやつだ…本当に呪いが掛かっていたらどうするつもりだ」
「だって…何もできなくて…悔しくて…」
「貸してみろ、使い方と私の中身を教えてやるよ」
文句あり気なデルフを背負うと大剣を握る。
印は違うが作りは同じだけあって、やはり馴染む。

覚醒者を見据えると、抑えていた妖気を限界近くまで開放させる。
「…せめてもの手向けだ。お前の印が刻まれたこの剣で葬ってやる」
7割の妖力解放。現状を考えるとこれが限界だ。
身体がビキビキと音をたてると、覚醒者目掛け飛んだ。

506 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 23:00:18 ID:KjxutpEz
支援

507 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 23:01:12 ID:BK5LwLNV
なんか重い……?

シ・エ・ン!

508 :美味しそうな匂いの展開の銀眼(代理):2007/10/04(木) 23:01:22 ID:nAxMl+Aq
「ガァア!」
今までで最大数の触手がイレーネに向かうが全て斬り落とされている。
「ガ…ガ…ア…!なによこれ…一体どういう…」
さらに地面を蹴り、加速したイレーネが覚醒者と交錯し、互いに背を合わせるような形で着地した。
「ば…化…物…」
「化物?冗談じゃない。私は…本当の化物というものを二人知っている」
一人は人として死に、その血肉はクレアに受け継がれ、もう一人は妖魔と化したあの二人。
まだ何か言いたそうだったが、言い終える前に細切れになり、辺りに無数の肉片と血が飛び散った。

剣を振り血を払うと、後ろから三人が恐る恐る近付いてきた。
「大丈夫!?呪われてない…?」
「ああ、今のところは大丈夫だ」
『今のところは』と言ったが、疲労と達成感と恐怖からの解放で、それは聞かれなかったようだ。
「フーケには逃げられたみたいですが、『呪いの大剣』は取り返せたし、あんなのと戦って命があったんだから良しとしましょう」
「そうね…でも疲れたぁ〜」
「あたしも…」
「以下同文…」
抜け抜けとフーケが言ったが、あんなのを見た以上、フーケだと出ればまず一瞬で解体される。
そう思ったようで、しばらくはロングビルとして学院に留まり、隙を見て逃げる事にしたようだ。
お宝は欲しいが、命あってこそナンボなのである。

四人が馬車に戻ったが、背負ったデルフリンガーが刀身を少し出し口を開いた。
「なぁ相棒…あの力、あまり無理して使わない方がいいぜ。少しづつだけど、アレと似た力が大きくなってきてんだ」
「…そうだな。そうしよう」
妖魔の力を使う以上、何時か訪れる限界。
限界が訪れた時、果たして覚醒せずに人として逝けるか。
そう、不安に思わないでもないが、今は人として前に歩くだけだ。
小さいが闘う資格を再び与えてくれた、三人の『仲間』と共に。







投下したッ!
この覚醒者、あっちにも出てないってとこで出すかどうか迷ったな…

509 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 23:04:43 ID:nAxMl+Aq
MtLのコルベールとメンヴィルの対決はいいな、まさに手に汗を握る。
コルベール先生が魔法学院に来ないで部隊長やり続けたらどんな強者になってたのかも気になる。GJ!

grandmaGJ!
この展開は珍しい、やっぱ魔法の使える世界から召喚されると魔力の使い方が気になるよね。
どんな差違があらわれてくるのか楽しみだ。

銀眼乙!
こんな時に覚醒者!?
っていうかフーケは無事なのか?
それにしてもこのデルフはけっこう報われてるな。



510 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 23:12:09 ID:8XweNuqM
GOd job!
神業でした!

511 :ソーサリー・ゼロ:2007/10/04(木) 23:15:05 ID:8XweNuqM
なんだか重いですが、投下予告。
前回の選択は多数決により「『ウィップアーウィル』号・一八九へ 」。

512 :ソーサリー・ゼロ:2007/10/04(木) 23:19:42 ID:8XweNuqM
一八九
 
 ルイズとギーシュはあまり気乗りせぬ様子だが、君の意見に強硬に反対する理由もないため、やがてふたりとも同意する。
 確かに、ごろつき同然の傭兵どもと同じ船に乗り合わせるのは危険かもしれぬが、おとなしく目立たぬようにしていれば厄介ごとは避けられるだろうし、
なにより船賃の安さは魅力的だ。
 『ウィップアーウィル』号に乗船すると決めた君たちは、急いで朝食をとり(体力点一を得る)、荷物をまとめて桟橋へと向かう。
 
 数百段はある長い階段をのぼり終えた君は、信じられぬものを目にする。
 山のような大樹が天をついてそびえ立ち、葉のつかぬ枝を四方八方に伸ばしているのだ。
「あれが桟橋よ。ほら、枝に船が泊まっているでしょ?」
 ルイズは、唖然とする君に説明する。
 彼女の指差す先を見ると確かに、舷側から翼が突き出した帆船らしきものが、いくつも枝にぶら下がっている。
 多くの人々が行き交う道を進み、大樹の根元に開けられた門をくぐってその内側に入ると、そこは巨塔を思わせる広大な空間だ。
 見上げると、壁いっぱいに木製の階段や、広々とした踊り場、荷の積み降ろしに使う起重機などが設けられている。
 どうやらここは、枯れた大樹の幹をくり抜いて、空飛ぶ船の発着する施設へと作り変えた場所らしい。
 木が相手では≪土≫系統の魔法も役に立たぬはずだから、人力だけで大樹をこれほどの施設に作り変えたのだろうか?
 
 きしむ階段を何段ものぼった君たちは、大樹の幹の内外を隔てる戸口のひとつを通り抜け、『ウィップアーウィル』号の停泊している幅広い枝の上に立つ。
 枝は上側が平坦になるように削られ、頑丈な手摺が設けられているため危険はないが、ラ・ロシェールを一望できるその高さに、君は息を呑む。
「高い場所は苦手かい?これから向かうところは、もっともっと高い場所にあるんだよ」と薄笑いを浮かべて言うギーシュに、
見くびるなと言い返した君は、酒の臭いをぷんぷんさせた船員に船賃を渡すと、甲板へと続く階段を上る。三八へ。

513 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 23:20:33 ID:BK5LwLNV
紫煙!

514 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 23:23:06 ID:STiwTPMw
>>496
不安定な腕の腕とは思えない速さだ。
腕の腕→腕の上
支援

515 :ソーサリー・ゼロ:2007/10/04(木) 23:25:32 ID:8XweNuqM
三八
 
 風を切る船体も、張り詰める帆も薄汚れた『ウィップアーウィル』号だが、船内はさらにひどい有様だ。
 君たちが座りこんでいる船倉は、そこかしこに酒の空き瓶や腐った食料などのごみが散らばり、異様な臭いがたちこめている。
 与えられた『座席』がこの船倉とは、船賃の安さにも納得がゆくというものだ!
 この『ウィップアーウィル』号の乗客は君たちだけではなく、すでに大勢の先客―――戦乱のアルビオンでひと稼ぎしようともくろむ傭兵ども―――が居て、
船倉のあちらこちらに腰を下ろしたり寝転がったりして、やかましく騒いでいる。
 彼らの話の内容は「貴族派につけば略奪も強姦も思いのままだ」といった、聞くに堪えぬものだ。
 
 ラ・ロシェールを出港して一時間も経っていないが、船倉内から消えぬひどい臭いと傭兵どもの下卑た笑い声に、ルイズとギーシュは耐え切れず、
弱音を吐きはじめる。
「やっぱり、他の船にしておけばよかったかも…」
 ルイズが眉をひそめて、君にささやく。
「ぼくはちょっと甲板に上がって、新鮮な空気を吸ってくるよ」
 心なしか青ざめた顔のギーシュがそう言って立ち上がると、ルイズも慌てて一緒に行くと言うので、君も腰を上げる。
 旅用のマントに身を包み頭巾を目深にかぶったルイズはともかく、黒いマントに飾りつきのシャツをまとい、胸ポケットに薔薇を挿したギーシュの姿は、
否応なしに目立ち、傭兵どもの注目を浴びる。
「お手洗いですかい、貴族の坊ちゃん!」
「見ろよ、女連れだぜ!いいご身分だ」
 冷やかしの言葉に反応せず歩を進めるギーシュだが、その端正な顔は怒りに赤く染まっている。
 君は、なにか言い返したくてたまらぬ様子のルイズに、無視するよう耳打ちするが、この判断は誤っていたようだ。
 嘲笑した相手である貴族が、魔法も脅しの言葉も使わぬことで、傭兵どもはいよいよ調子に乗る。
 浴びせられる嘲りにギーシュもルイズも肩を震わせるが、やがて甲板へと通じる階段にたどりつく。
 ギーシュが踏み板に片足をかけたところで、傭兵のひとりが足をひっかけてきて、彼を転倒させたので、船倉内は爆笑に包まれる。
「おいおい、ちゃんと前を見ろよ貧乏貴族の小僧が!痛ぇだろうが」
 足をひっかけた傭兵は謝るどころか、ギーシュをさかんに罵る。
「き、きさま…いい加減にしろよ…」
 歯を喰いしばり、相手の眼をじっと睨みつけながら、ギーシュが唸るような声で言う。
「餓鬼が!仲間の靴を汚しておいて、詫びの一言もなしか?さっさと頭を下げて、それから靴を舐めて綺麗にしてもらおうか」
 別の傭兵がにやにや笑いながら、腰に挿した剣の柄に手をやる。
「あ、あ、謝るのはそっちでしょう!今すぐギーシュに謝罪しなさい!」
 ルイズが声を震わせて叫ぶが、周囲をとり囲んだ傭兵どもは笑うばかりだ。
「なあ、やっちまおう。できの悪い親のかわりに、俺たちがこの餓鬼どもを躾けてやろうぜ!」
「半殺しにして、身ぐるみ剥いじまおうや」
 何人かの傭兵は、剣を抜き、石弓に矢をつがえる。
「や、やってみろ下郎ども!後悔するぞ!」
「誇り高いトリステイン貴族は、そんな脅しなんか怖くもなんともないんだからっ!」
 ギーシュは胸ポケットから薔薇を抜き、ルイズも小さな杖を構える。
 
 もはや事態は最悪だが、君の行動しだいではなんとか収拾がつくかもしれない。
 君は、ルイズたちを殴りつけてでも謝らせるか(八七へ)?
 武器を抜いて身構えるか(一四へ)?
 それとも、術を用いるか(一四七へ)?

516 :ソーサリー・ゼロ:2007/10/04(木) 23:28:47 ID:8XweNuqM
一四七
 
 どの術を使う?
 
 HOW・三三七へ
 FOF・四九六へ
 ZAP・四〇八へ
 DUD・三八一へ
 GAK・四七四へ

517 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 23:30:26 ID:nAxMl+Aq
DUD!DUD!


518 :ソーサリー・ゼロ:2007/10/04(木) 23:31:07 ID:8XweNuqM
四七四
 
 体力点一を失う。
 黒い仮面の持ち合わせはあるか?
 なければこの術は使えない。
 武器をとって一四へ。
 
 仮面を持っているなら、顔にあてがって術を使え。
 君たちをからかっていた連中が、急におびえて縮こまる!
 何事かと覗き込んだ他の傭兵どもも、君の顔を見るや否や恐怖に支配され、悲鳴を上げて逃げ出す。
 この術は勇気のある者にはあまり効果がないのだが、どうやら、ここに居るのは臆病者ばかりのようだ。
 なにが起きたのかと当惑するルイズとギーシュを、先に甲板まで上がらせ、君は仮面をかぶったままゆっくりと階段を上る。五四へ。

519 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 23:35:11 ID:nAxMl+Aq
恐怖を与えて追い払うとは凄いな…人心に影響を与える魔法がソーサリー魔法の強みだな支援

520 :ソーサリー・ゼロ:2007/10/04(木) 23:35:51 ID:8XweNuqM
五四
 
 甲板に上がった君たちは、めいめい胸を撫で下ろし、冷たく新鮮な空気を吸い込む。
 もっとも、緊張の糸が切れたギーシュは、へなへなとへたり込んだ姿勢なのだが。
「こ、怖かった…」
「だ、だらしないわねギ、ギーシュ!男の子なんだから、しゃきっとしなさい、しゃきっと!」 
 まだ震えのやまぬふたりをそっとしておき、君は今しがた上ってきたばかりの開口部をじっと見張るが、誰も姿を現さない。
 術の効果がなくなっても、臆病者ぞろいの傭兵どもには、君たちを追いかけて甲板まで上ってくる勇気はないようだ。
 吹きさらしの甲板上に座り込み、毛布にくるまって寒さをしのぐルイズとギーシュ、そしてそのふたりを護衛する君の三人は、はたから見れば異様な眺めだ。
 通りかかる船員はいずれも怪訝そうな眼で君たちを見るが、幸い、邪魔なので船倉に戻れと言う者は居ない。

 『ウィップアーウィル』号はそのまま何事もなくアルビオンへ向かって何時間も飛び続ける。
 眼下に広がるのは白い雲海だ。
「アルビオンだ!アルビオンが見えたぞ!」
 見張りの叫びを耳にした君が舳先(へさき)の方向に視線を転じると、雲の切れ目から黒い塊が垣間見える。
 やがて、その黒い塊が意味のある形を取り出す。
 それは鋸刃を思わせる連峰の稜線であり、麓には緑の森が広がっている。
 話には聞いていたが、こうやって実物を眼にしていてもいまだ信じられぬ眺めだ。
 雲と霧に包まれた大陸が、空中に浮かんでいるのだから!
 このような光景を眼にしたアナランド人は、いや、≪タイタン≫の住人は、おそらく君が最初だろう。
 生涯忘れ得ぬであろう光景を前にぽかんと立ち尽くす君に、
「驚いた?あれが『白の国』アルビオンよ。あたしも来るのは久しぶり」と、
ルイズが話しかける。
 彼女は浮遊する大陸の特性や、アルビオン王国の成り立ちについて君に説明するが、君は別のことを考えているため生返事を返すばかりだ。
 あれこそが、水大蛇の言っていた『我らの拠点』『いと高き地』に違いない。
 冥府より蘇った怪物どもは、あの戦乱の地でいったいなにを企んでいるのだろうか?
 王国を二分する内乱に、なんらかの形でかかわっているのだろうか?
 そして、君をカーカバードへ送り返す方法を知っているかもしれぬ、リビングストン男爵は無事なのだろうか?
 君の頭の中は疑問だらけだが、ひとつだけ確かなことがある。
 リビングストン男爵を探してアルビオンをさまよう旅が、危険きわまりないものになることは間違いない。二〇九へ。

521 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 23:39:24 ID:+yoQ85QU
支援だ

522 :ソーサリー・ゼロ:2007/10/04(木) 23:39:33 ID:8XweNuqM
はい、今回はここまでです。
次回、「戦場」。
来週も、ルイズと地獄に付き合ってもらう。
 
>>519
ただし、まとめて敵をなぎ払うような派手な攻撃魔法がないのが泣き所なんですけどね。

523 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 23:41:48 ID:BK5LwLNV
GJ!

524 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 23:42:24 ID:C9EgO/JD
GJ、お疲れ様です。
ゲームブックは私は好きです。

では、私は5分後に投下いたします。

525 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 23:44:01 ID:KjxutpEz
乙。そして次回予告がボトムズとは……渋い、渋いねえおたく。

526 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 23:45:51 ID:STiwTPMw
支援n

527 :虚無の王:2007/10/04(木) 23:46:54 ID:BK5LwLNV
試演!

あっしは524氏投下終了五分後辺りからトーカしたいと思います。

528 :GTA:LCS-0 第七回:2007/10/04(木) 23:47:02 ID:C9EgO/JD
「何勝手に決闘の約束をしてるのよ!!」
この状況に真っ先にルイズが蒼くなりながら噛み付いた。
「喧嘩売ったのはあの優男だぜ?」
だがルイズは俺の腕を引っ張ってこの場を離れようとする。
「あんた何も分かってない!貴族と喧嘩して、怪我で済めばいいほうなんだから!!……今ならまだ間に合うわ、ギーシュに謝るのよ!」
「謝る必要なんてねぇさルイズ……『殺られる前に殺れ』、これが俺たちの生き残る唯一の手段だ」
そう言って手を払うと、
「俺がまともに立ち合うと思うか?格好良くああ言っていたが、本当の命の駆け引きがどんなものかを身をもって教育するだけに過ぎんさ」
「もうっ!!使い魔のくせに勝手な事ばかり!!」

さてどうやって死なない程度に痛めつけ、且つ卑怯と呼ばせないか……俺は急いで一度ルイズの部屋に戻り、来た時のカジュアルな服に着替え、
スナイパーライフルと手榴弾、火炎瓶と棍棒を手にとり、そのまま引き返した。

――ギーシュを殺さない程度に痛めつけろ。卑怯と言わせない為に姿を晒してから攻撃しなきゃダメだ。

約束の広場に行くと広場の真ん中にギーシュが一人でおり、ギャラリーは一歩離れた場所で高見の見物である。この状況ではライフルは
使えまい。メイジが相手なら常識で考えたら死ぬ。かと言って手加減しなければこいつが死ぬ。仕方ない、手榴弾と火炎瓶を直ぐに出せる
ようにして奴の前にでる事にした。
「逃げずに来たのは誉めて……アッ―――――――――――――――――――――!!」
口を開いた瞬間俺は瓶をギーシュ向って放り投げ、一気に後ろに下がる。瓶が割れた瞬間炎が吹き出て中心にいたギーシュはマントから着火して
火だるまになった。

529 :GTA:LCS-0 第七回:2007/10/04(木) 23:48:43 ID:C9EgO/JD
火だるまになったギーシュは地を這いながら火を消そうとする。今まで談笑まで聞こえた雰囲気だったのが、一気に蒼ざめて悲鳴すら聞こえて
来た。宛ら地獄絵図ともいえる状況を黙って見ていた俺だが、身構えるのを止めなかった。答えは簡単、こいつがメイジだからだ。
「……何だこれは」
懸念は直ぐに現実の物になる。火だるまになりつつ魔法の詠唱を完了させたのだ……根性あるじゃねぇか。いやいや……俺の目の前に青い色
した女型の人形が現れる。こんな物を見させられると、ここが自分の生きている世界じゃないと実感させられる。
「……ワ…ワルキュ……ーレ……こ…いつを……生き……て返す……な」
イカレてやがる光景だぜ、まったく。
「ぐおっ!」
その刹那、人形の鋭いフックが俺の胸にヒットする。殴られた感触は……まぁ……金属で殴られた感覚だな……これは……。怯んだ瞬間に
次の手が俺の腹に入る。瞬間呼吸が厳しくなるがまだ立っていられる。だが今度は中段回し蹴りが俺の脇腹を深々と捉えた。
「トニー!!」
聞こえてくるルイズの絶叫。シエスタは横で背を向いて向いている。俺のような人種には日常茶飯事な光景だが、貴族のような連中や堅気の
人達には衝撃的な光景だろう。やってくれるぜ……リバティーシティーでも素手で此処までやられたことないぜ。
「ふはははは……貴…族である僕……達が、魔法使って……闘うなんて……当然じゃ無いか……」
やっぱクレイジーだぜ、まともにこんな人形と戦っていたらバラされかねん。俺は一気に後ろに下がり、ポケットから手榴弾を取り出し、
再び人形に向って前進すると口で安全ピンを抜き、際どい位置に手榴弾を押し込んで急いで後退する。
「逃げるのかい?……ふはは……あ?」

530 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 23:50:10 ID:KjxutpEz
支援

531 :GTA:LCS-0 第七回:2007/10/04(木) 23:50:30 ID:C9EgO/JD
ドゴオオォォォォォォォォォォオオン……!!

後ろに下がった俺を追いかけたこの人形は手榴弾が炸裂し、人形が空中分解したのだ。火だるまになった自分が見ている前で人形が爆裂した
様は衝撃的なものだろう。跡形もなく消え去った人形を見据えて『信じられない』と言う表情を浮かべる優男。俺は全身全霊の全力疾走で
優男まで駆け寄ると半分焦げた持っているバラを蹴飛ばし、腹目掛けて追い討ちの足蹴を食らわせ、一発目以降執拗に喰らわして行った。
「バカ、見てないで止めるんだよ!!」
キュルケと言う姉ちゃんは結構しっかりとした判断力を持っているらしい。俺が追い討ちを始めた直後危機感を感じたのか傍観者の面々に
こう呼びかけて止めに入る。これは後から聞いたことなのだが、召喚された時にルイズの髪を引っ張り上げた時の大よそ倍数の人間が俺に
飛び掛るなり羽交い絞めにするなりして止めに入り、騒ぎが収まった頃には男女問わないメイジ達がボロ雑巾になっていた。

正直な所、バラの杖を蹴飛ばした以降の記憶は曖昧なものだが、シエスタが言うにはずっと手の甲の紋様が光っていたと言う。


今回のおまけ

mission completed!
      $100


532 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 23:51:28 ID:VX3CK4lj
>>367
足が武器扱いされて常時発動だったりして…


533 :GTA:LCS-0 第七回:2007/10/04(木) 23:52:18 ID:C9EgO/JD
今回はこれで終了です。

次回は来週になってしまうかもしれません。
では失礼します。

534 :虚無の王:2007/10/04(木) 23:57:53 ID:BK5LwLNV
では投下します。

535 :虚無の王 Trick7 1/7:2007/10/04(木) 23:58:21 ID:BK5LwLNV
 “風”と“火”の塔の間に、ヴェストリの広場が在る。西向きの中庭で、日中も殆ど日が差さない。悪巫山戯には最適の場所だ。

「決闘だ!」

「決闘だ!」

「ギーシュ・ド・グラモンとゼロのルイズの使い魔が決闘だ!」

 その噂は瞬く間に広まった。
 学院の生徒は皆、貴族の子弟達だ。どだい、若い彼等が、節度と信仰と学問だけで満足出来る筈も無い。退屈な寮生活の、一服の清涼剤。珍しい見せ物を見逃してはならじ、と、挙ってヴェストリの広場を目指す。
 生徒達は口々に囁き合う。成り立ちそうも無い賭けに、残酷なショーを期待する声、ヘタレのギーシュが、負けないまでも、無様な勝負を見せるのでは、と言う意地の悪い憶測。皆、一様に酷薄な笑みを浮かべている。美しい庭園が、廊下が、道徳の下水道に変わる。
 そんな生徒達の列に、キュルケとタバサが居る。

「珍しいわね。あんたがこう言う事に興味を持つの」

 傍目には表情の見えないタバサだが、眉の動き、目の光、吐息、キュルケは極々僅かな仕草から、その意志を読みとって見せる。どうやら、空が目当てらしい。
 “雪風”の二つ名を持つメイジは、彼の持つ技術に興味を持っている。魔法を用いずに風を操る術。それが戦闘に転用可能か判断するのに、これ程打ってつけの状況は他にない。
 キュルケもまた、空と言う人間を見極めたい、と考えている。
 ルイズが小石を爆発させた直後だ。桃色の悪魔を口々に罵る生徒達は、一人の平民の、たった一睨みで口を閉ざした。その上で、空は一人一人の肩を叩き、“比較的平和な”言葉を駆使して“説得”する。
 所詮、学院の生徒達は貴族の子弟だ。法撃の爆音、銃鎗の煌めきに慣れ親しんだ、本物の貴族では無い。危険や暴力の臭いには脆弱その物。三人が空の言葉に曖昧な頷きを返した頃には、全員が顔を伏せ、恐るべき使い魔から目を背けていた。
 あの時、空が見せた目を思い起こすと、キュルケは今でも背筋がゾクゾクする。それは到底、善良と友愛と幸福との中で生きて来た人間の物では無かった。
 この男は危険だ。キュルケは直感する。腹の底に濃密な闇をたらふく溜め込んでいる。その背徳の香りが、彼女の“微熱”を煽り立て、理性と自制とをトロトロに溶かして行く。
 そして、この乱痴気騒ぎに注目しているのは、生徒ばかりでは無い。


536 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 23:59:24 ID:DX1+V591
支援だ。

537 :虚無の王 Trick7 2/7:2007/10/04(木) 23:59:41 ID:BK5LwLNV
 学院長室――――
 オスマンとコルベールは“遠見の鏡”を介して、広場の光景を見つめている。
 コルベールは言う。空は伝説の使い魔“ガンダールヴ”かも知れない、と。昨日はスケッチを取る事が出来なかったので、照合しない事には判然としないが、自分の記憶に残るそれは、『始祖ブリミルの使い魔たち』に描かれたそれと、瓜二つの物だった。
 だが、それだけで空を“ガンダールヴ”と決めつけるのは早計だ。丁度、その時、一人の教員が飛び込んで来る。ヴェストリの広場における決闘騒ぎ。
 オスマンは捨て置く様に命じた。一方で、“眠りの鐘”を手にした教師を待機もさせる。危険が無いとは言えないが、確認の為にも、やらせた方が都合が良い。
 それは、“伝説の使い魔”だけの問題では無かった。

「……彼は誤解している。“トロパイオンの塔”は……天国への階段でも、空へ至る“道”でも無い」

 オスマンは恩人の言葉を思い出す。

「天は怒りに震えている――――」

 最後尾を進むのは、当事者である空。そして主人たるルイズだ。

「ギーシュだって、謝れば……ああ、無理――――」
 口に出して考え事をするタチらしい。先刻から決闘を回避する方法を考え、度々、頭を振っている。

「あー、もう!なんで、あんな事したのよ!」
「ワイの国では、あれが作法やねん。薔薇なんて持ってへんし」
「そーじゃなくて……!あんたは、私の使い魔なのよ!何、勝手な事してるのよ!」
「せやな。ルイズの面子も考えんと、勝手に謝って悪かったわ」
「そっちじゃなくて……!それもあるけど……決闘よ!平民が貴族に決闘を挑むなんて前代未聞よ!考えられないわ」
「そーせんと、ルイズが喧嘩始めそうやったし。ケチな喧嘩に頭出張らす訳、いかへんやろ」
「始めないわよ!貴族同士の決闘は禁止されてるんだから!」

 もう一つ、気にいらない事が有る。

「“ついでに”て何よ。“ついでに”て。私がギーシュに二股かけられた二人や、平民のおまけだって言うの?」
「ルイズは散々、あの兄ちゃんやっつけてたやん。可哀相に、涙目やったわ。せやから、ついで。ワイに仇とって貰おう、て腹でも無いやろ」
「あのね、言っておくけど、平民は絶対に、貴族には勝てないのよ」
「言うたやろ。ワイは王様やて」

 怒り狂うルイズを笑顔であしらいながら、空は考える。目的達成の手段を平和的な物に限らないなら、交戦確率の高い相手――――メイジの能力を知っておくに越した事は無い。
ギーシュは最下級のドットクラスだと言う。メイジ全体を計るには物足りないかも知れないが、逆に危険も少ないだろう。初戦には手頃な相手だ。多分。
 マイペースな空の態度に、ルイズは呆れて唇を結ぶ。同時に、仄かな期待も胸に浮かぶ。
 空は元“王”だと言う。それが本当なら――――“道”が系統に匹敵する物であり、彼の力がスクウェア・クラスに相当するのなら――――脚のハンディを差し引いても、ギーシュなど相手にならない筈だ。
 この男は、本当に“空”を見せてくれるのだろうか。


538 :虚無の王 Trick7 3/7:2007/10/05(金) 00:01:03 ID:BK5LwLNV
 ギーシュ・ド・グラモンがヴェストリの広場に着いた時、そこには既に二桁の野次馬が集まっていた。口々に囃し立てる声に、片手で答えながら、ぐるりを見回す。
 相手はどこから来るだろう。ルイズが側に居るし、野次馬の目だって有る。道に迷ったり、余計な回り道は考え難い。そう計算すると、広場の奥まで足を進める。決闘に退路は必要無い。何より、今回は距離を保つ事が肝要だった。
 ギーシュは跪くと、両手を組んで祈る。

 偉大なる始祖ブリミルよ、あなたに成り代わり、不逞の徒に罰を下す事をお許し下さい。
 グラモン家の名誉を回復する為、我が杖に祝福をお与え下さい――――

 ギーシュは空を見くびっていない。自分とルイズの間に割り入った際に見せた、驚くべき速さ。呪文の詠唱に時間を要するメイジにとっては脅威だ。勝負は最初の数秒で決まるだろう。魔法の完成が遅れれば、刀鎗白打による不名誉な敗北を喫する恐れ無しとは言えない。
 本来、決闘は対等かそれに近い者同士でなければ成り立たない物だ。平民――――それもカタワ者を相手にするなど馬鹿げている。
 貴族は力によって君臨する。平民に敗北すれば、一切の名誉を失う羽目になる。
 それでも、この決闘は避けて通れない。肩章の家紋に上張りされた、見た事も無い紋様――――なんとしてでも、この恥を雪がなければならない。
 広場が騒がしくなって来た。野次馬がみるみる増えている。そして、歓声――――空が来た。ギーシュは立ち上がると、勢いよく振り向く。

「諸君!決闘だっ――――!!」

 回廊から降り立つ車椅子を注視しながら、ギーシュは高らかに宣言する。
 歓声がわっと大きくなり、耳を聾した。諸君、静かにしてくれ――――空との距離を測りつつ、ギーシュは内心で懇願した。彼に声をかけなければならない。それが、勝負の肝なのだ。邪魔をしないでくれ。
 幸い、手を振って応えている内に、声は静まった。空はゆっくりと近付いて来る。距離はまだ許容範囲。

「取り敢えず、逃げずに来た事は誉めてやろうじゃないか。ルイズの平民」
「申し込んだの、ワイやで?」

 車椅子を止めて、空は言った。良し――――ギーシュはほっとする。声をかける距離が遠すぎれば、相手は止まらずに近寄って来ただろう。かと言って、近すぎれば危険が増す。これは悪く無い間合いだ。
 さて、ここからだ。演出も兼ねて、もう一押し。少々、アンフェアなきらいもあるが、貴族にとって最大の恥辱は敗北だ。躊躇う必要も無いだろう。


539 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 00:02:27 ID:2ucdJxHI
支援

540 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 00:02:31 ID:DX1+V591
GTAの人、GJ! そして支援。

541 :虚無の王 Trick7 4/7:2007/10/05(金) 00:03:01 ID:BK5LwLNV
「さて、まずは礼式に則って、名乗りを上げるとしようか。僕の二つ名は『青銅』。青銅のギーシュ――――」

 ギーシュは造花の薔薇を一振り。花びらを一枚、宙に散らす。地に落ちたそれは、瞬く間に、甲冑の女戦士を象った。

「この青銅のゴーレム、『ワルキューレ』を以てお相手しよう」

 ワルキューレが数歩進んで、優雅に一礼すると、また歓声が上がる――――合図を待たずに魔法を使った事に対して、非難の声は聞こえない。巧く行った。こう言う場面では、ルールよりも空気を味方に付けた方が、事を有利に運べる。
 空は目の前で起きた出来事に、唖然としている。

(こら驚いた……HONDAの技術者が居ったら、顔ひきつりまくりやな――――)

 一方、ルイズは目に見えて不満な顔だ。マズイ――――ギーシュは機先を制する事にした。

「僕はメイジだ。だから魔法で戦う。よもや、文句はあるまいね?」
「好きにしたらええ。ワイも好きにやる」

 そのやり取りで、ルイズは抗議のタイミングを逸してしまった。

(勝った……)

 キザたらしく薔薇を持て弄びながら、ギーシュは確信した。

 計画通り――――っっ

(奴がどんなに速くとも、ワルキューレで進路を抑えれば、詠唱の時間は十分稼げる。後は残る6体を随時投入すれば、僕の勝ちは動かない――――っ)

「あんた、元“王”でしょう?ギーシュのワルキューレくらいに驚いてて大丈夫なの?」
「いやいや、あら本当に凄いわ。ワイの国は未だ、あそこまで動ける二足歩行ロボットは作れへん」
「ロボット?ゴーレムの事?遅れた国なのね」
「その分、別の分野は進んどる――――さ、離れとき」

 ルイズは不満と不安を綯い交ぜにした視線を残して、観客の中に消えた。元“王”と言う空の言葉が嘘なのではないか、と言う疑念と不満。決闘と名の付いた公開私刑になりはしないか、と言う不安だ。

「さてと、では始めようか」

 その声を合図に、双方は動き出した。


542 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 00:03:06 ID:o2+vxXSN
支援

543 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 00:03:25 ID:nAxMl+Aq
支援!

544 :虚無の王 Trick7 5/7:2007/10/05(金) 00:04:25 ID:BK5LwLNV
 芝生を踏みしめ、青銅の人形が迫る。思いの外、速い。人間並だ。これで土系統の最下級。最上級のスクウェア・クラスなら、どんな化け物を作って見せるのだろう。
 一歩、また一歩、疾走に併せて芝が沈む。その具合を見るに、中は空だろう。それでも重量はかなりの物だ。100sを超える体に、中軽量級のスピード。常人では先ず、勝ち目が無い。
 青銅の拳が唸る。強烈なフックが、風を巻き込んで迫り来る。
 空は後退してかわす。モーターは回していない。とりあえず、メイジの力を見てみたい。
 返しの左。間髪入れずに再び右。髪を、頬を掠める風圧が、その威力を物語る。空は車体を右、左、に捻る。
 ワルキューレが突進。回転が上がる。右から左から凶悪な鈍器が飛んで来る。まるで嵐だ。樹木を砕き、根ごと引っこ抜く鉄の颶風。
 空はそれ以上に速い。柔軟な指が駆動輪を前後に滑る。素早い後退。鋭いターン。時には片輪、時には殆ど横倒し。鼠花火もかくやの勢いで、車椅子が独楽と回る。
 観衆が沸き立つ。車椅子が見せる異常な速さに目を瞠る。
 逆の声も有る。かたわ一人に手こずるギーシュの不甲斐なさを詰る。

「どうした!逃げの一手か!」

 業を煮やしたギーシュは、次なる一手を打つ。薔薇を振るって、花びらをもう一枚。新たなワルキューレを作り出す。

(今だ――――!)

 二体目の投入が、一瞬空の注意を引いた事を、ギーシュは見逃さなかった。更に薔薇を振る。相手の移動を封じる魔法だ。土塊が駆動輪に絡み付き、車椅子をその場に縛り付ける。ワルキューレが無慈悲に拳を振るう。
 勝負有った――――ギーシュならずとも、そう考えただろう。だが、重く固い拳の棍棒は虚しく空を切った。誰もが唖然とした。
 頭上だ。空は逆立ちの要領で、ワルキューレの肩に乗っていた。尋常ならざる身軽さだった。そもそも、この男は脚を病んでいたのではないのか。どうやって、跳躍した?

「ん?……と、邪魔や」

 空は力任せにワルキューレを投げる。その勢いで一転、再び車椅子に納まった。
 青銅の塊が縦に転がる。首が折れ、腰が歪む。そこへ飛び込む二体目のワルキューレ――――こちらも思わぬ敏捷さを見せる。障害物を飛び越え、一躍空に襲いかかる。
 その時、ギーシュは今度こそ、信じられない物を見た。
 ワルキューレが弾き飛ばされた。まるで、鉄の壁に激突したかの様相だ。後に吹っ飛び、バラバラになる。そこでは、空が掌を突き出している。
 ワルキューレを突き飛ばした?素手で破壊した?そんな人間が存在し得るのか。パニックに陥りかけた時、空が動いた。魔法の足枷が振り切られる。

 マズイ――――!

 自分と空の間には何も無い。突進を阻む物が無い。

 マズイ――――!

 ギーシュは慌てて杖を振るう。一体目は未だ倒れたままだ。これで足りるか――――花弁を三枚落とす。
 空が加速――――騎士だってここまでは速く走れない。だが、食堂で見た程では無い。ワルキューレが生まれる。刀槍で武装した三体が突進。一体目もよろよろと立ち上がる。四体のワルキューレが、敵の行く手に立ちはだかる。

(え――――?)

 ギーシュの思考に空白が生まれた。何かが視界を過ぎり、一瞬、ワルキューレの背中を見失う。
 慌ててコントロールに集中――――だが、その手段は手元から失われていた。


545 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 00:04:38 ID:o2+vxXSN
支援

546 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 00:05:31 ID:/0CzgiMv
支援

547 :虚無の王 Trick7 6/7:2007/10/05(金) 00:05:42 ID:aLc9RA3A
 何が起きた――――?

 ギーシュは混乱した。空は半回転、勢いを殺しつつ、停止する。それは、左手、すぐ数メイル先での出来事だった。

 何が起きた――――?

 空の手には、自分の薔薇が有る。何時、奪い取られた?
 レビテーションで頭上から見物していた生徒達だけが、事態を正しく理解していた。広場の芝に、大きなS字が刻まれている。
 複数のワルキューレを同時に投入した事が、ギーシュの失策だ。自分を守る筈の防壁が、逆にブラインドとなり、空の姿を見失わせた。そして、視界の外から飛び込んで来る、超高速の対象に反応出来る訳が無い。

「ん……あの人形こさえるのに、これが無いとアカンやろ思ってたけど、コントロールも駄目なんか?」

 当たり前だ。杖無しに魔法を使えるメイジは居ない。
 歓声が上がった。笑い混じりの歓声だった。或る者は言った。平民がギーシュに勝った!――――或る者は言った。ギーシュが平民に負けた!
 ギーシュは唇を震わせていた。何が起きたかは判らなくとも、一つの事だけは理解出来た。自分は負けた。平民に負けた。魔法の力を以て君臨する貴族が、無力な筈の平民に負けた。これ程の恥辱は無い。
 だが、これは神聖な決闘の結果だった。潔く受け容れなければならない。内心の葛藤を押さえ込み、ギーシュはからからの喉から、声を絞り出した。

「ま……参っ……――――」
「ほな。これ記念にもろとくわ」

 最後まで言い切る前に、空が言った。自分の薔薇の事だと理解するのに、五秒かかった。

「な……――――」
「えーと、グラモン家やったっけ?……のまあ、何番目か知らんけど……その子息は、かたわの平民と決闘をして、負けてしまいました――――兄ちゃんが出世した時、園遊会で格好の話題になるやろな」

 ギーシュは真っ青になる。それは彼にとって、死の宣告に等しい物だった。思わぬ言葉に、観衆にもざわめきが走る。笑っている者も居るが、それは一握りだ。

「ぼ、僕を脅迫する気か!」

 恥辱と怒りと恐怖に震える少年に、空は冷たい目を返した。

「なんや……やっぱり、何の覚悟も出来てなかったんかい……これやから、半人前相手はいやや言うたんや」
「何……?」

 目と同じ、冷たい声。ギーシュは息を飲む。

「決闘言うたら、勇気を見せるもんやろ。根性見せて、名誉を回復するもんやろ。お前が何時、勇気を見せた。人形の後に隠れとって、使えなくなったら、はい、参りました?冗談やないで、ホンマ」

 空は手にした薔薇を、無造作に放り投げた。

「いらんわ。持って帰れ」


548 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 00:06:30 ID:7cxdWTme
支援!

549 :虚無の王 Trick7 7/7:2007/10/05(金) 00:06:50 ID:aLc9RA3A
 足下に落ちた薔薇を、ギーシュは表情の抜け落ちた顔で見つめていた。嘲笑が観衆のあちらこちらから巻き起こったが、それも耳に入らなかった。
 確かに、空の言う通りだ。自分は一つも勇気を示していない。
 思えば最終的には受ける形になったものの、この決闘は元々、自分が挑んだ物だった。あの時、自分はどんなつもりで決闘を挑んだ?名誉の為?
 違う。頭に血が上り、血気の勇に走っただけだ。ただ、空の侮辱的な態度が許せず、叩き潰し、身の程を判らせてやりたかっただけだ。いや、空が居なければ、その対象はルイズだった。
 自分はただ、魔法を使えない相手に、その力を示したかっただけだったのだ。そこには、一門の名誉を賭して戦う、どんな覚悟も有りはしなかった。そして、いざ決闘となれば、勇気では無く、小策に走った。
 大体、事の切っ掛けはなんだった。自分は一度でも、グラモン家の男に相応しい態度を取っただろうか。
 ギーシュは自分の振る舞いを恥じた。だが、決闘は終わったのだ。名誉を回復する機会を、自ら放棄したのだ。
 潔く負けを認めなければならない。そして――――どうする?足下の薔薇を拾い、背を丸めて立ち去る?
 ギーシュは内心で頭を振った。それだけは絶対に嫌だ。断じて嫌だ。
 なら、恥の上塗りになろうとも、すべき事は決まっていた。
 この時、ヴェストリの広場に集まった少年少女は、一様に声を失った。今まで見た事も無い物を、信じられない物を見た。

「申し訳ない、ミスタ」

 空に向かい、ギーシュは深々と頭を下げた。

「貴方の言われる通りだ。僕の振る舞いは名誉有る物では無かった」

 刹那、広場は爆笑に包まれた。貴族が平民に頭を下げた。なんと恥知らずな事だろう。
 無慈悲な笑い声は、当然、ギーシュの耳にも届いた。それでも彼は動じず、淡々と続けた。

「貴方を紳士と見込んで、お願いする。この未熟な男に、今一度、名誉回復の機会を与えてはくれないだろうか。綸言汗の如し。貴族の言葉は神の言葉に等しい。
一度、降参を口にした身でこの様な懇願をするのは、一門の名を辱める物かも知れない。だが、僕は貴族である前に一人の男だ。恥は知らずとも、意地が有る」
「――――機会も何も、おまえ、未だマイッタ、て言うてへんやろ。そっちがその気なら、幾らでも相手になるわ」
「有り難うございます。貴方の慈悲深い態度に感謝する。では――――」

 ギーシュは身を屈めて、薔薇の杖を拾い上げる。爆笑が絶頂に達した。また、馬鹿の一つ覚えのワルキューレか――――だが、この時、グラモン家の四男が見せた行動は、彼等の想像を絶した物だった。
 ギーシュは薔薇を、空に投げ渡した。
 下卑た笑いが渦巻く広場は、一転、沈黙に包まれる。

「まずは、奪り戻す。誇り〈エムブレム〉を」

 そう宣言すると、メイジの少年は、生身で駆け出した。


 ――――To be continued


550 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 00:06:57 ID:/0CzgiMv
支援

551 :虚無の王:2007/10/05(金) 00:07:49 ID:aLc9RA3A
支援有り難うゴザイマス

今回はここまで、ス

552 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 00:08:46 ID:7cxdWTme
乙!ギーシュ成長!

553 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 00:09:20 ID:/0CzgiMv
この時点でここまで格好いいギーシュは珍しいな。
GJ。

554 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 00:12:14 ID:PPKLTQl2
GJ
例えこの後ボロボロに負けたとしてもギーシュ、君は確実に成長した

555 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 00:12:33 ID:YHGbm+MX
ギーシュに覚悟が見えるぜ。
乙&次回を予約支援

556 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 00:16:02 ID:dYtSMUT7
なんかもうギーシュが主人公でも良い位だw

557 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 00:17:32 ID:HMbOFmeP
皆さん神!!乙でした!


>>440
うちの好きな声優の演じてるキャラ数人を例に挙げれば……

シャイニングウィンドのヒルダレイア→見た目からしてメイジ。

BLEACHの雛森 桃→可憐な容姿だが変な格好の平民の娘にしか見えない。実はトップクラスの鬼道の使い手
(=ハルギケニアで言えばスクウェアクラスのメイジ)

ミュウミュウの碧川れたす→平民の娘。能力的に亜人にカテゴライズされそう。

で言えば、動かしやすいのは平民扱いだけど実は……な桃とれたす。展開の中でだんだん関係が変わってくるからな。
いきなりメイジにしか見えないヒルダレイアを召喚したら敬意を払わなきゃいかんが……。
あ、ヒルダレイア召喚しても面白いかも。

558 :最速の使い魔:2007/10/05(金) 00:21:19 ID:vD5pODbO
亀レス
>>458の案が俺のプロットより面白そうな件……。
さらにどれかのレスに予言が書かれている件……。

才能が、足りない!

559 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 00:22:19 ID:kK58JSzh
GTAGJ!
やっぱりあの世界の人間はヤバいな、キュルケが血相を変えるのも無理はない。

虚無の王GJ!
本当に車いすなのか!?

560 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 00:24:59 ID:8f4XOMwB
>>388
竜恋のヒロイン召喚とな?

>>421
温厚な人を召喚した場合は
「不慮の事故」で彼のモグラを踏んだりする必要が有るね…

>>440
じゃあ三国無双の教祖様キボンヌ!
妖術で火山だって噴火させるよ!
杖も持っているからどこから見てもメイジ様

>>461
その後ルイズがピンチになった時にだけ解ける封印!
これならいける!

>>558
とある漫画で中国拳法に敗れた空手家は言いました。
「これからは中国拳法をパクリまくる!」


561 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 00:44:59 ID:MKefrlF3
定光の人が書き込めないらしいんで代理投下しても良いかな?

562 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 00:46:09 ID:GBr5e7Xu
無論

563 :使い魔定光@代理投下:2007/10/05(金) 00:49:08 ID:MKefrlF3
私にとって人生最悪の二日間といってもいい、あの流刑体騒ぎから数日が経った。
経っちゃったと言うべきなのかも…
あれから新たな流刑体が現れることもなく、比較的平和な日々が続いている。
私は退学にも停学にもならずに、普段どおりの生活に戻った。
角鍔との闘いで壊れた建物の修繕費や、怪我した人の治療費、その他もろもろの莫大な請求が来たことは来たけど、私本人をどうこうするといった事にはならなかった。

ポンコツの話じゃ、ここ数日で1000体もの流刑体がハルケギニアに降ってきたらしい。
1000体よ?1000体!信じられる?
私はとてもじゃないけど信じられない。
そのぐらい平和ってことなのかな。


ボンっと、爆発音が響いたかと思うと、あたり一面煤だらけ。
もはや何度目だろう。眼前には見慣れた光景が広がっている。
魔法失敗だ。

「またですか、ミス・ヴァリエール…」
「…すみません」
「もういいわ、席に戻りなさい。では代わりにやってくださる方?」

さすがにこう何度も失敗すれば、いくら温厚な人物でもうんざりしてしまう。
失敗したルイズの代わりに教師の目に留まった一人が、教壇に向かう。
言われたとおり席に戻るルイズとのすれ違いざまに、にやりと侮蔑のような笑みを浮かべるのが
が見える。
まわりからはヒソヒソ声どころか、ごく自然な声で「ゼロのルイズ」等と嘯く声が聞こえてくる。
これもまた、彼女にとって見慣れた光景だった。
彼らは、ルイズが角鍔と闘ったことを知らない。
一部の者以外には、流刑体の存在そのものが伏せられていた。
撃針についてもポンコツについてもルイズが呼び出した使い魔、としか説明していない。
角鍔の一件は、ある生徒が魔法に失敗したために起こった事故だと説明されている。

その偽の情報がルイズの立場を悪くしているとは、説明した教員達も知らないだろう。
ゆっくりと。だが確実に、あの騒ぎの中心にいたのはルイズだという確信が、学院全体に広がっていた。

『見事な爆発だったな、ルイズ』
「…あんたも嫌味言うのね?」
『いや、なにもない空間からあれだけのエネルギーを発生させるのは並大抵のことではない。
あれは水蒸気爆発か?回答の入力を』
「ただ失敗しただけよ。なーにはしゃいでんだか…」

席に戻ったルイズは、彼女のうしろに陣取っているポンコツを見やった。
知識欲旺盛なポンコツは積極的に授業を見学したがり、こうやってほぼ毎時間ルイズについて授業を拝聴している。
もっとも、最初に連れてきたときは、キュルケやタバサに生首を抱えてきたのかとずいぶん驚かれたものだが。
他の使い魔たちに混じって、ちょこんと床に置かれたポンコツはいささか場から浮いていた。
しかし、慣れとは恐ろしいもので、今では床に置かれた頭だけの甲冑も、まるで最初からそこにあった教室のオブジェかというほど馴染んでいる。


564 :使い魔定光@代理投下:2007/10/05(金) 00:51:14 ID:MKefrlF3
「改めて見ると奇妙な光景よね…」
『まったくだ。まるで流刑体の群れにでも囲まれている気分だよ』
「…違うわ。あんたのことよ。首だけの使い魔なんて聞いたことないもの」
『心外だな。…ところでルイズ』
「なによ?」
『なにか悩みがあるんじゃないか?私でよければ相談にのるぞ』

ポンコツから出た意外な言葉に、ルイズは一瞬ドキリとした。
よくもまぁ、気の回る使い魔だ。兜の分際で。

「急になによ?」
『君が最近うなされている様子だったのでね』
「…余計なお世話よ。変な気を回さないで」
『しかし…』
「余計なお世話って言ってるでしょ!」

根掘り葉掘りと尋問のようなポンコツの口調に、ルイズはつい語尾を荒げてしまった。
彼女がなにかを抱えていることはさすがのポンコツでも理解できた。

「ミス・ヴァリエール!授業中に使い魔との私語は禁止です!」

見かねた教師がルイズに大声で注意する。それはそうだ授業中の私語にしては声量が大きすぎる。
結局、その一喝によってポンコツの質問はうやむやになってしまった。


「で、教室に置いてかれちゃったってわけ?」
『ああ。今の私は文字通り、手も足も出ない状態だからね。感謝するよ』

ポンコツはキュルケの豊満なバストに抱えられていた
あの後、すっかり機嫌が悪くなったルイズは、授業が終わるとポンコツを放置したまま教室を出て行ってしまった。
今のポンコツには胴体、「ユマノイドデバイス」と呼ばれるものがない。
角鍔にやられ、大きく損傷したそれは、今現在はコルベールの研究室に安置されている。
当のコルベールは、一日眺めているだけでも飽きないと豪語し、他の教員や生徒達から不気味がられているのはまた別の話。
そういうわけで、今や頭だけの状態のポンコツは、自分の意志で動くこともままならなかった。

「まぁ、私もサラマンダーがいなかったら気付かなかったと思うけど」
『あれには私も肝を冷やしたよ』
「危機一髪」

キュルケの右横を歩いていたタバサも口を開いた。
サラマンダーとはキュルケの使い魔なのだが、ポンコツが甚く気に入った様子で
これまでは角を何度も甘噛みされる程度だったのが、今回はポンコツの内部が空洞だと知ったサラマンダーが頭を突っ込んだのだ。
精密機械がぎっしり詰まった内部で火炎を吐かれれば、さしものポンコツでもアウトであっただろう。
幸い、直前でキュルケとタバサがそれに気付き、ポンコツは窮地を脱したわけだが。


565 :使い魔定光@代理投下:2007/10/05(金) 00:52:17 ID:MKefrlF3
「でも、自分の使い魔を置いてっちゃうなんてひどいメイジよねぇ」
『いや、それは私にも否がある。私は完全に彼女の信頼を得ていないようだ』
「信頼ねぇ?」

キュルケは何気なくサラマンダーを見やる。
自分はこの使い魔を信頼しきっているだろうか?
そしてサラマンダーは私を信頼しているのだろうか?
サラマンダーは答えない。

「私は…」
「私はシルフィードを信頼している」

普段から口数が多いとはいえないタバサが進んで会話に参加するとは珍しい。
迷いなく言い切るタバサはいつになく覇気があり、キュルケは少し圧倒された。

「なんか羨ましいわね、そういうの」
『何事もそれ相応の時間と努力が必要、か』


566 :使い魔定光@代理投下:2007/10/05(金) 00:53:28 ID:MKefrlF3
その頃、ルイズは既に自室にいた。

「ルイズ、明日少し付き合ってくれないか」
「逢瀬のお誘いかしら?誘う相手を間違ってるんじゃない?」
「真面目な話なんだ」
「…それとできれば君の使い魔も連れてきたほうがいい」

先ほどあった会話を反芻する。
教室を出てすぐギーシュにつかまり、一方的に要件を告げられたのだ。
その時の彼の表情は、いつになく真剣でなにか思いつめている様でもあった。
あれが学院一の女たらしであるギーシュ本人とは信じられない程だ。

「明日は虚無の曜日よね…」

ただでさえ流刑体やポンコツで頭を悩ましている今、人間関係でゴタゴタするのは勘弁してもらいたい。
しばらく悶々とした時間をすごし、あまり考え込んでも仕方ないと不貞寝を決めこんでベッドに入ろうとしたところで、ポンコツが帰ってきた。
自分がよく知る人物に抱えられて。

「返しにきた」
「え、ええ…ありがとう、タバサ」
「メイジが使い魔を蔑ろにするのはよくない」
「へ!?あ、そうね。ごめんなさい…」

無言の気迫に押されたルイズは素直に謝る。
しかし、相変わらずセリフが原稿用紙一行分をこえない子だ。
ちょこんと胸元に抱えていたポンコツをずいっとルイズにむけて差出すと、タバサはそのまま回れ右で帰っていった。

「なんであんたがタバサといっしょに居るのよ?」
『私がこの星の文字を教えて欲しいと言ったら彼女が時間をとってくれたのだ』

嘘は言っていない。
もっとも、それはあくまでおまけのようなものであり、実際のところは
ルイズ自身の事や、最近のルイズの様子について友人代表としてキュルケ、タバサに聞いていたのだ。
素直に言えばルイズが気を悪くするのは明らかである。
そこまで空気の読めないポンコツではなかった。

「ふーん…じゃ私寝るから」
『ああ。おやすみルイズ』

なんとなく納得したような、そうでないような声でルイズは布団へともぐりこみ
ポンコツは胴体を失ってからの定位置であるタンスの上に無造作に置かれた。


翌日。

「ねぇ!タバサ聞いてよ!ちょっと!」

慌ただしく自分の部屋に転がり込んでくるキュルケに、タバサは付き合いが長い人間にしか判別できない程度に顔をしかめた。
こういうところがなければ彼女はいい友人なのだが。

「虚無の曜日」
「それがね!さっきルイズとギーシュが二人して出かけていったのよ!おかしいと思わない?あのギーシュがよりによってルイズとよ!?」

タバサの言葉など華麗にスルーし、かなり失礼なことをずけずけと言うキュルケ
なんというマシンガントークであろうか。
ちなみにこれは彼女が実際に門を出る二人を見たわけではなく、目撃者からの又聞きである。
目撃者の「でも、そういう雰囲気には見えなかったけどなぁ」という証言が削除されているのがなんとも。
「ポンコツ君はこのことを心配してたのかしらねー」などと言っているキュルケをよそに
タバサはその後の展開を予想し、深いため息をつきながら読んでいた本をパタンと閉じた。

567 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 00:55:52 ID:UohDV8n/
支援

568 :使い魔定光@代理投下:2007/10/05(金) 00:57:12 ID:MKefrlF3
「ちょっと、一体どこまで行くわけ?」

噂の二人はラ・ロシェール森にまで来ていた。
ギーシュが女性との逢瀬によく利用している場所だ。

「…ここまで来ればもういいな」

先行していたギーシュがそう呟き、立ち止まる。
いきなり立ち止まるものだから、ルイズは彼の背中に顔をぶつけそうになってしまった。

『君の目的はなんなんだ?』
「目的?そうだね…」

ギーシュのただならぬ様子と、森の冷たい静けさに、身の危険を感じはじめていたルイズの代わりにポンコツが口火を切った。
途端にギーシュは昨日見せた真剣な表情になる。

「ルイズ、そしてルイズの使い魔くん… 君達は例の食堂の騒ぎのときどこにいた?
騒ぎの中心にいたんじゃないかい?」
「そ、それは…」
『それが事実だとしたらどうするつもりだ?』

ポンコツの無機質な眼光がギーシュを射抜くように見つめる。
ギーシュは自分を落ち着かせるように深く空気を吸い込み、ルイズをまっすぐと見る。

「あの騒ぎでモンモランシーが傷を負ったんだ。鋭利な刃物で切られたようでね。
幸い治癒魔法で助かったが、切り口があと少しずれていたら…命を落としていたそうだ」
「!?」

怪我人が出たこと自体は知っていた。だが全員無事だと聞かされていたし
なによりモンモランシーの姿もあれから何度か見かけていた。

「僕は許せない!その場に居なかった自分を!そしてそんな騒ぎを起した張本人をね!」
「違う…私は!私はただ!」
『ルイズを責めるのは筋違いだろう』
「っ!! 君じゃないのか―――――!」

「なんでぇ!なんでぇ!おめぇさんはよぅ!?」
「きゅぃぃーい!!」

いきなり森全体に響き渡ったあまりに場違いなそれによって、ギーシュの激昂はかき消されてしまった。
二人、それまでの事を忘れて声がした方を見ると、木々の隙間からそれなりに見慣れた白い肌が
露出していた。
タバサの使い魔、シルフィードのものだ。

「キュルケ!タバサ!あんた達こんなところで――――」

今度はルイズの声を遮るように木々を蹴破り、馬のような生物が飛び出す。
ただ、普通の馬ではないことは明白であった。

「俺っちの走り場を荒らしてんじゃねぇやい!このスカポンタンが!」
「ちょっと!なんなのよこいつは!?タバサ、わかる?!」
「わからない」

かなり緊迫した状態にもかかわらず、キュルケの問いに、いつも通りの抑揚のない声で答えるタバサ。
結局彼女は、キュルケに乗せられ二人のあとをついていったようだ。
二人はルイズ達から少し離れた場所で、ルイズ達の様子を伺っていたのだ。
そこにこのハプニングである

569 :使い魔定光@代理投下:2007/10/05(金) 00:59:01 ID:MKefrlF3
「ぽ、ポンコツ!あれってまさか…!」
『流刑体だ!名は「馬躁(バソウ)」!』
「な、なんだ!何が起こっているんだ!?」

あまりの急展開に状況がまだ飲み込めていないギーシュ。無理もない。これが当然の反応であろう。
だが、すばやく胸元の薔薇に手をやっているあたり、度胸がある。

『ルイズ!私を装着するんだ!』
「…っでも!」
『迷っている暇はない!』

ギーシュの言葉がきいているのか、ルイズはポンコツを被ることに戸惑ってしまった。
その一瞬の迷いが命取りになることを彼女はまだ知らない。


570 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 00:59:53 ID:lXgjeEsN
時々キュルケがただの噂大好きなおばちゃんに見え……げふんげふん支援

571 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 01:00:58 ID:LQO0rzQ1
おっぱいの大きいが抜けている支援

572 :使い魔定光@代理投下:2007/10/05(金) 01:01:17 ID:MKefrlF3
『早く!』
「っ!わかったわよ!」

シルフィードに気をとられていた馬躁がこちらの存在に気付いた。
もはや一刻の猶予もない。

「おめぇさん…随行体かい?」

変身は一瞬だ。ルイズがポンコツを被ると同時にそれは完了していた。
服の下には、全身を守る超軽量の外骨格とも言うべき紺と白のナノスキンが広がっている
この感覚はいささか不快であり、おそらくこれからも慣れることはないのであろう。

「う、嘘…」
「……!」
「へ、変身した…?」

すぐ傍でそれを目撃した3人は、文字通り三者三様に驚いていた。
あのタバサでさえも、目を大きく見開き驚きを隠せない様子である。
それもそうだ。自らの身体を一瞬に変化させるなど、先住魔法でもなければ…


次の瞬間にはルイズの身体は宙に舞っていた。
一瞬の迷いが大きな隙を生む。変身完了とほぼ同時にルイズに飛び掛かってきた馬躁の
強烈な後ろ足による打撃が、ポンコツが物理保護を展開する前にルイズの腹部に直撃していたのだ。
壊れた人形のように宙を舞ったルイズは、そのまま自由落下の要領で背中から地面に叩きつけられた。

「随行体とやり合うほど俺っちもバカじゃねえ」

馬躁が、全身を地面にめり込んだまま動かないルイズに向かってはき捨てるように呟く。

「さぁて、もうひとっ走りするか…ん?なんでぇ、小僧」
「お、お前に聞きたいことがある!」

再び走り出そうと、体勢を立て直した馬躁の前にギーシュが立ちふさがる。
馬躁の首筋から、左右一対に一見手綱のように見える触手が生えていた。
馬躁の生まれもって持つ生体武器、振動触腕である。
先端からは鋭い刃が突き出ていた。ギーシュの心に疑念が沸き起こる。

「学院で暴れまわったのは…お前なのか?」
「なにを言ってるんでぇ?おめぇさんはよ。人違いじゃねぇのかい」

話にならないという様子で答え、馬躁は持ち前の脚力でギーシュの頭上を飛び越えようとした。
が、それは叶わない。

「質問に答えるんだ…!」
「おめえさん、俺っちとやろうってのかい?」

馬躁の行く手を阻んだものは、ギーシュの操るゴーレム、ワルキューレだった。
鋼鉄の女神。青銅のギーシュの二つ名にふさわしい。


573 :使い魔定光@代理投下:2007/10/05(金) 01:02:18 ID:MKefrlF3

「ちょっとちょっと!一触即発よ!タバサ!」
「手を出さないほうがいい」

キュルケとタバサは、吹き飛ばされたルイズの近くにかたまり、その様子を見ていた。
その方が安全だと言うタバサの提案である。
ルイズは落下のショックで気を失ってしまったのか、ピクリとも動かないが
一応呼吸はしているようだった。

「でもね…」
「いいから。手を出してはいけない」

有無を言わさぬタバサの物言いに、キュルケは黙って頷く。
こんなに強くものを言う子だったかしら、と少しばかりの疑問を抱いて。


『ルイズ……ルイズ……』
(ポン…コツ…?)
『そうだ私だ』
『私は今、君の脳に残留する極小端末を通じて君と話している』
(あいかわらず意味わかんないわね…)
『簡潔に言えば、君の意識に直接話しかけているということだ』
(私、どうなっちゃってるの…今?)
『馬躁に攻撃を受け失神している状態だ』
(そう……罰が当たったのかな…馬に蹴られてなんとやらってね)
『罰?』
(そうよ…モンモランシーに怪我…ギーシュの…)
『それは君の責任ではない』
(でも、私がもっとうまくやってればあんなことにはならなかったわ、きっと。
それに今だって…ね?わかったでしょ?ポンコツ。私は所詮ゼロの…)
『ゼロのルイズ、か?』
(な、なんであんたがそれを…!)
『すまないとは思ったが、君の友人に君の事を色々と聞いたんだ。
才能ゼロでゼロのルイズか…ひどく言われたものだな』
(事実だしね。私には才能がないのよ。向いてないのね、貴族だからって駄目なものは駄目なんだわ… ねぇ、ポンコツ。他の人じゃだめなの?)
『!』
(私には無理だったのよ、最初から…角鍔のはまぐれだったのよ。
でも、他の人なら、少なくとも私よりは上手くやれると思う…)
『……ルイズ。君はそれでいいのか?』
(え?)
『君は日頃から自分に魔法の才能がないことを嘆いていた。
そしてあの日、使い魔を決める召喚の儀式で君の魔法は初めて成功した』
(……)
『残念ながら呼び出されたのは、君が望む強く美しい使い魔などではなく、随行体の私と、流刑体の撃針だったがね』
『ルイズ。私が君に召喚されたことになにか意味があると思わないか?』
『君は角鍔によって傷付けられている人々のために立ち上がった。そして戦えたじゃないか』
『ルイズ…たしかに君の言う通り「協力者」は他にも居るだろう』
『だがルイズ…君はどうする?』

『「ゼロのルイズ」のままでいいのか?』

「!?」
『ルイズ…回答の入力を!』
「……っ!」


574 :使い魔定光@代理投下:2007/10/05(金) 01:03:20 ID:MKefrlF3
「きゃ!」
「…!」

がばりと勢いよく起き上がったルイズに驚き、傍に居たキュルケは小さく悲鳴を上げた。
彼女の桃色の髪が勢いにつられ、ばっと広がる。

「卑怯よポンコツ!人の痛いところついて!!」
「上等よ…! 1000体だろうが2千万体だろうが!一体残らず回収してやろうじゃない!
誰も私をゼロなんて言えなくなるまで、回収回収回収っ!回収しまくってやるわよ!!」
『ルイズ…』
「来るなら来なさい!流刑体!このルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールが相手になるわ!」
『ルイズ…』
「決めた!私今日この日から回収専門のメイジになる!」
『ルイズ!』
「なによ!?」
『ギーシュが馬躁相手に戦っている。が、危険な状態だ』

馬躁の振動触腕の威力はすさまじいらしく、彼のワルキューレは見るも無残な姿を晒していた。
ギーシュは劣勢だ。
ルイズはすぅ、と空気を吸い込む

「馬躁!あんたの相手は私よ!かかってきなさい!しかる後に回収してやるわ!」
『ほどほどにしておいてくれよ…』

馬躁は、派手に啖呵をきったルイズをじろりと見やる。
鼻息は荒く、興奮状態のようだ。

「突撃よ!ポンコツ!」
『了解』

重力制御によってふわりとルイズの身体が浮いたかと思うと、猛スピードで馬躁に突っ込んでいった。

「な、なんなのよ…あれ?」
「完全復活」

問答無用のルイズの勢いにキュルケは呆気にとられながら、馬躁に突っ込んでいく彼女の後姿を見つめた。
同じくルイズの背を見つめるタバサは、長年付き合っている人間にしかわからない程度の笑みを浮かべていた。

575 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 01:03:32 ID:LQO0rzQ1
回答を支援する!!

576 :使い魔定光@代理投下:2007/10/05(金) 01:04:22 ID:MKefrlF3
「ギーシュ!下がって!」

自分を庇うようにして立つこの少女の背中はなんと頼もしいのだろうか。
絶対に負けない。そんな決意が形となって目に見えるようだ。
ならば迷う必要はない。ギーシュの選択はもとよりそれしかなかった。

「…レディだけに戦わせては男が廃るな。援護する!」


「いやぁ、俺っちは惚れましたぜ姐さん!」

ルイズは既に変身を解き、馬躁の背中にまたがって揺られていた。

「手綱引っ張ったらおとなしくなるとか…最悪なオチよね…」
『そうは言うがな、ルイズ。君が馬躁の弱点を言い当てたときは私も驚いたんだぞ』

ルイズに抱きかかえられているポンコツが声を上げた。
馬躁の持つ強力な振動触腕は、最大の武器であると同時に弱点でもあった。
左右一対に生えるそれを後ろ向きに引っ張れば、馬躁の動きを止めることができるのだ。
まさに乗馬テクニックのそれである。
それなりに乗馬の心得のあるルイズにとっては容易なことであった。
もっとも、それはギーシュの援護もあってのことなのだが。
で、それに加えて厄介な問題がひとつ…

「俺ら一族はこれを最初に引っ張った相手に忠誠を尽くすっていう掟があるんっスよ
俺っちはそんな古臭ぇしきたりがイヤで母星(クニ)を出たんスけど。
ルイズの姐さんみてぇなお人に出会えるとは!やっぱ血には逆らえないもんスねぇ」

この有様である。
すっかり上機嫌な馬躁はどこか憎めない。
悪い奴じゃなさそうだと、結局ルイズは馬躁を回収しなかった。

『しかし、本当に馬躁を回収しなくてよかったのか?』
「人を傷付けたわけじゃないし、今から歩いて帰るのも気が引けるし…いーんじゃないの?」
「ホント、姐さんの優しさは五大陸を駆け抜けるぜぇ!」
『これでいいんだろうか…』

ちなみに馬躁は最初、ルイズを乗せたまま全力疾走しようとしたのだが、ルイズの「首がもげる」との一言で、ごく普通の馬並みのスピードで走っている。
上空を飛ぶシルフィードにはとうてい敵わない程度の速さである。
気付けば空を飛んでいた白い竜はもう見えなくなっていた。
余談だが、馬躁がギーシュを背に乗せるのを異常に拒んだので、彼はタバサ、キュルケと一緒にシルフィードに乗っている。

「そういえば変身するとこ見られちゃったな…」
『隠すこともないだろう。彼らは流刑体の存在も知っているんだ』
「そうそう!細かいことは気にしちゃいけませんぜ!ドーンと構えてもらわなきゃ!」

考えすぎないのもどうかと思うが…とポンコツは思う
だが、今回に限ってはこれでいいのかもしれない。
彼女の使い魔として、ある意味初めて一緒に戦った今回だけは。

「ところで姐さん、マホウガクインてな一体どこっスか?」

ルイズ一行が学院に帰れたのはそれから5時間後だったという。

577 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 01:05:01 ID:CT/GK5Q9
リンディさん、書くペース早いですねw

578 :使い魔定光@代理投下:2007/10/05(金) 01:05:48 ID:MKefrlF3
はい、ここまでです
ではよろしくお願いします

===============
以上、代理投下終了。改行が多すぎると出たので途中で分割したりしてしまって申し訳ありませんでした。
そして支援に多謝。

579 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 01:13:30 ID:5YFaIQ5M
リンディさんか・・・クロノ(小)辺りで書いたら面白いかな?

580 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 01:13:44 ID:7cydyq1W

このポンコツがアニメ版ならデルフに回収機能つけれるよな

581 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 01:28:13 ID:YrZAcpWX
>>448
遅レスだが
ルーシェだけをよんだら・・・




582 :薔薇乙女も使い魔:第3話:2007/10/05(金) 01:38:53 ID:BKdTw/Zn
えー、予約とか無いようでしたら
投稿しようと思います

583 :薔薇乙女も使い魔:第3話:2007/10/05(金) 01:39:56 ID:BKdTw/Zn
ジリリリリリ・・・・・
バシィッ!

 毛布の中でもそもそと寝返りをうち、目覚まし時計をぶったたいて止めた。

 メガネ、メガネ

 ぞりぞりと床の上を腕がはい回る。でも見つからない。
 うっすらと目を開く。まだ周りは薄暗い。
 夜明け前かな、まだ寝直しても大丈夫かな、そんな甘い誘惑に、再び眠りに落ちそうに
なる。
 ん…でも、ついでに…。ぼんやりと思いつき、ノロノロと体を起こした。

 横を見ると、鞄が二つ。真紅と翠星石は、まだ寝ているらしい。
 その向こうには大きなベッド。女の子が小さく丸まってすやすや寝ている。
 自分は床の上にひいた毛布にくるまっていた。硬い床の上で寝たせいで、体があちこち
痛む。

 鏡台に置いてあったメガネをかけて、周りを改めて見直してみる。
 まるで貴族のよう、というか貴族そのまんまな部屋の内装。家具も立派な年代物ばかり。
そんな部屋のはじっこに、おもいっきり場違いな自分のリュック。自分の毛布の横には、
殴られすぎてボロボロの、安物の目覚まし時計。
 だらだらと立ち上がり、ふわぁ〜と大あくびをしながらのびぃ〜っとした。




                 第三話  




 そっか
 昨日からルイズさんの所で、しばらくお世話になることにしたんだっけ
 ねえちゃん…一人で大丈夫かな、心配してるかな。連絡とれないし、一度戻らないとダ
メだよな
 第一、地球とハルケギニアで時間の流れ方が同じっていう保証すらないんだし、確認の
ためにも何度か往復しないといけないんだ。
 それに、往復のたびにヘロヘロになってる訳にもいかない。nのフィールドの近道も探
さないとな。金糸雀と水銀燈が地球側から探してくれてるけど、簡単にはみつからないだ
ろうなぁ。もともとルートを見つけれたのは奇跡みたいなもんだし、スッゲーむかつくけ
ど、ウサギ頭が協力してくれたおかげだろうしな。
 とにかく、行くとしよう。そんために、わざわざこんな早起きしたんだから・・・


 そんな事を考えながら、まだ寝ている3人を起こさないよう、抜き足差し足こっそりと
部屋を出て行った。


584 :薔薇乙女も使い魔:第3話:2007/10/05(金) 01:41:22 ID:BKdTw/Zn

 まだ夜明け前、空はうっすらとしらみはじめていた。
 音を立てないよう廊下を歩いていった。そして、一つの扉の前に立った
 ジュンは、その扉をジッと見つめた
 せつなげに、じぃ〜っと見つめた
 はあぁ〜っとため息をつき、肩を落とし、扉に背を向け、とぼとぼと寮塔を出た。

 トリステイン魔法学院は、全寮制のメイジ養成学校。城下町まで馬で三時間はかかる場
所に位置している。早い話が、遠目に見ると草原の中にポツンと建っていた。おかげで、
今のジュンには好都合だ。
 
 キョロキョロ

 ジュンは周囲に、そして頭上にも誰もいない事を確認して、翠星石が昨日生やした見事
な大木やメチャクチャに絡まるツタの間を抜け、とととーっと学院の外に走り出た。
 そして腰ほどの高さの草むらの中に入り、ズボンに手をかけて腰を落とそうとした。

「あーっ!ジュン様じゃないですかーっ!!」

 いきなり背後から、学院の門から声が飛び、慌ててズボンをはいて立ち上がった。門に
立っていたのはシエスタだった。
「あう!あ、そのあの・・・お、おはようございます」
「どーしたんですか?こんな朝早くに」
「いえ、あの、その…さ、散歩です。早起きしたんで、朝日でも見ようかなって」
「そ、そうでしたか。その、私は、朝食の準備をしていたんですけど、門から出て行く人
がいたので、誰だろうかなーって思って…」
 真っ赤になりながら、モジモジとするジュンは、誰の目から見ても、シエスタの目から
見ても「ああ、なるほど。アレですか」と察しがついた。察しがついたから、シエスタも
頬を赤くして、あさっての方を見ていた。ジュンが寮塔にいるのは知っていたので、アレ
で困ってしまったんだなーっと、すぐ気が付いた。

 シエスタもモジモジしつつ、どうしようかなーと悩んだ末に切り出した。
「あ、あのですね。コック長のマルトーさんがですね、ちょっと太めのおじさんなんです
けど、ジュン様に会ってみたいって言ってましたよ」
「あ、はぁ、そうですか」
「今、厨房にいるんですけど、その、会ってみませんか?」
「え、えっと、その、今はちょっと…」
「あのですね、多分、この学院に長くいる人ですから、色々と聞ける事があると思うんで
すよ。…その、困った事とか、相談事とか」

 ジュンは、照れながらポリポリと頬をかいた。

「そ、そうですか。じゃぁせっかくだし、会いに行こうかな?」
「ええっと、厨房は食堂の裏です」
「ありがとうございます。ん、んじゃいってきます」
 といってジュンは、平静を装いつつ、そそくさと走っていった
 クスクス笑うシエスタが彼の背を見送った。


585 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 01:42:22 ID:DS2W1uJQ
ふとネタを思いついたのだが・・・
異世界のルイズの位置にいるサイト(〜ヴァリエールと続く、やはりゼロのサイト)
を召還してしまうっていうのはここじゃ板違いだろうか?
あと思いっきり貴族という立場で自尊心高い人(しかも魔法使いならさらに良し)
を召還した場合どうなるのだろうかとか考え中

586 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 01:42:36 ID:LQO0rzQ1
目覚まし持ってきてるのか支援

587 :薔薇乙女も使い魔:第3話:2007/10/05(金) 01:42:36 ID:BKdTw/Zn
「よ〜お、落ち着いたか?ボウズ」
「はい、すいませんマルトーさん。ありがとうございました」

 厨房で大鍋をかき混ぜるマルトーが、晴れ晴れとした顔になったジュンに声をかけた。
朝食作りで若いコックや見習達が走り回る厨房に、大声が響き渡る。

「ハッハッハ!まぁしょうがないわなぁ。女しかいねぇ寮塔には、女子トイレしかないも
んな。学院の扉は夜、鍵がかかってっしよぉ。こっちの使用人のトイレは自由に使ってい
いぜぇ」
「すいません、ありがとうございます」
「なぁ〜にをかしこまってんでぃ!お前さんは俺たちと同じ平民だそうじゃねぇか!?し
かもまだガキじゃねぇか!それが見ろ!あの貴族のくそったれをのしちまったんだぞ!」
「いやあの、あれは僕じゃないんですけど」
「知ってるよ、お前さんの人形達だろぉ?いやはや、すげぇじゃねぇか!あんなのが沢山
ありゃぁ、ふんぞり返った貴族共に俺たち平民が一泡ふかせれるんだぜ。
 なぁボウズ、教えてくれよ。どこであんなとんでもない人形を手に入れたんだぁ?是非
俺も一つ欲しいぜ。こう見えても俺は学院のコック長だ、金なら結構もってるんだ」

 ジュンは、予想通りの展開だなぁと思いつつ、どう誤魔化そうかと考えていた。
 ローザ・ミスティカ捜索のためには情報が要る。急ぎたいので、一々姿を隠しては要ら
れない。協力を得るためには、こちらの力を見せる事も必要な事もある。ハルケギニアに
はゴーレムやガーゴイルが存在するので、真紅達ローゼンメイデンも、その一種と言い張
れる。
 そう思って、真紅達は姿を隠さない事にした。だが、この世界でもローゼンメイデンは
常識はずれの存在だった事に、今更ながら気が付いた。

「いえ、僕はロバ・アル・カリイエから来てるんです。ハルケギニアでは手に入らないと
思います」
「ああ!なるほど、ありゃエルフの技で作られてたのか。どうりで見た事ないほどスゲェ
わけだ!
 にしても、また遠くから来たんだなぁ…その年でけっこう苦労してんなぁ」
「いえ、あの、別に苦労はしてませんよ」
「バカいえ!聖地より遙か東の地から、たった一人でいきなり放り出されて、無理矢理使
い魔なんてワケの分かんねぇ事やらされて。これが、苦労でなくてなんだってんでぇ!」
「大丈夫です。ルイズさんも、よくしてくれてますから。
 ところで、あの、焦げ臭いですよ?」
「ん?・・・あーっ!しまった、やっちまった…」
 マルトーがかき混ぜていた大鍋から、煙が上がっていた。

「すいません、忙しい所お邪魔してしまって。それじゃ失礼します」
「おう、また来いよ!いつでも歓迎するぜ。この厨房には、困ってる子供をほっとくよう
な不届きものはいねぇからな!」
 ジュンは立ち去り際に、厨房を走っていたシエスタを見つけた。
「シエスタさん、その、あ、ありがとうございました。おかげで助かりました」
「あらあら、いいんですよー♪また来て下さいね、ジュン様」
「はい、でも、あの、僕は貴族じゃないから、『様』はいらないです」
「え?あ、はい、分かりましたわ。ジュンさん♪」
「はーい」
 ジュンは一礼して出て行こうとしたが、ジュンの背にシエスタが「あ、あの!」と呼び
止めた。
「えと、なんでしょうか」
 シエスタが、早朝のジュン以上にモジモジした末に、はにかんだように顔を伏せた。
「あの…、すいません。あのとき、逃げ出してしまって」
「ん?…ああ、昨日の?別にいいですよ。それじゃぁまた」
 なんでもないという風に厨房を出て行ったジュンを、シエスタはキラキラ輝く瞳で見つ
めていた。


588 :薔薇乙女も使い魔:第3話:2007/10/05(金) 01:44:38 ID:BKdTw/Zn
 来た時と同じように、誰にも見つからないようコソコソとルイズの部屋に戻ってきた。
扉を開けようと取っ手に手をかけた所で、いきなり視界がぼやけた。
 背後からヒョイッとメガネを盗られていた。
 驚いて後ろを向くと、小麦色の丸い物体が二つ、視界を覆っていた。

「?」

 視線を上に上げると、褐色の肌の女性がジュンを見下ろしていた。目の前にあったのは
ベビードール姿の彼女の、半ばあらわになった胸

「うわっひゃぁっ!!」
「あらやだぁ、そんなに驚く事ないんじゃなぁい?」
 キュルケがケラケラと笑いながら、ジュンのメガネを右手でクルクル回していた。
「かっ!返して下さい!」
「うふふ…ほぉら、取り返してごらんなさいなぁ」

 ジュンは思いっきり背伸びして、ピョンピョン跳びはねてメガネを奪い返そうとした。
だが、キュルケは彼よりずっと背が高いので、全然手が届かない。

 ぽふっ
「やんっ♪」
「うわったたっ!す、すいませんっ」
 キュルケは跳びはねる彼を、胸の谷間で受け止めていた。ジュンは真っ赤になって思い
きりあとずさってしまった。

「ふふふ…杖も持ってないなんて、どうやらあなた、ホントに魔法が使えないようね」
「そ、そうですよ。僕はただの平民です。満足したなら早く返して下さい」
「んん〜、どうしよっかなぁ〜。返そうかな〜?」
「冗談はよしてください。僕はメガネがないと困るんです」
「そうねぇ、返してあげてもいいんだけどぉ…それじゃ、代わりにねぇ」

 やれやれ、また真紅と翠星石の事か。どうせ、人形を貸せとかいうんだろうな
 そう予想して、どうやって煙に巻こうか考えていたジュンに、想像の範囲外なセリフが
投げかけられた。

「オネーサンに、キスしなさぁい♪」


589 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 01:45:40 ID:fp4WaoIR
しええんn

590 :薔薇乙女も使い魔:第3話:2007/10/05(金) 01:45:42 ID:BKdTw/Zn
「・・・・・。・・・・・?、??・・・・・え?」
「キスよ、きーすー」
「…主でしたら、ルイズさん一人で十分すぎるほど間に合ってます」
「やーねぇ、コントラクト・サーヴァントじゃないわよ。
 別に口でなくても、私の肌、好きな所を選んでくれていいわよぉ。軽くあたしの肌に口
づけしてくれたら、このメガネ返してあげるわ」
「え…いやあの、えと、その、僕、もう帰らないと」
 真っ赤になってじりじりと後退していくジュンを、じわじわとキュルケが壁際に追いつ
めていく。
「あら…恥ずかしいの?ふふ、可愛いわね」
「あの、ちょっと、そういう冗談は」
「ほら、力を抜いて。お姉さんにぃ、任せなさぁいねぇ」
 前屈みになるキュルケが、怯えるジュンの頬にすぅっと指を
 バンッ!
「ちょっとあんた!!あたしの使い魔になにしてんのよ!!」

 ルイズがネグリジェのまま、扉を吹っ飛ばしそうな勢いで飛び出してきた。
 鬼のような形相のルイズを見ても、キュルケは余裕でクネクネしていた。
「やぁ〜ん。だってこの子、メガネとるとなっかなか可愛いんだも〜ん」
「あんた、とうとうそんな子供にまで・・・」
「やーね、冗談よ冗談。はい、メガネ返すわね。ウフフ、ごめんなさいねぇ〜。んじゃ、
またねぇボウヤ」
 そう言って、キュルケはジュンにメガネを返して、自分の部屋に戻っていった。
「まったくあの女は…ちょっとジュン!あんたも鼻の下伸ばしてンじゃないわよ!?」
「し、してないよ!」
「いい?昨日も話したけど、あのツェルプストーの女はね、ヴェリール家とは宿敵で、ヴ
ァリエール家の者は恋人をことごとく奪われ続け・・・」
 そんなお説教をしながら部屋に戻っていく二人を、キュルケは扉の隙間から見つめてい
た。

「どうだった?タバサ」
「ただの平民」
 キュルケの部屋には、青い髪の小柄な少女が立っていた。キュルケが気を引いたスキに
ジュンへディティクトマジックをかけていた。そして探知した結果は、噂通りのものだっ
た。
 探知魔法はある種の『覗き見』。重大なマナー違反、ばれればタダでは済まない。
「ただ…」
「ただ、何?」
「あの子の左手の指輪。あれはマジックアイテムの一種」
「なるほど…あれで人形を操ってるんだ」
 タバサは首をふるふると横に振った。
「あの指輪、ほとんど機能してない。魔力をほとんど放ってなかった」
「ほとんどってことは、少しは何かに使ってるのね。どんな効果?」
 タバサは再び首を横に振った。
「謎の魔法人形、謎の少年使い魔、謎の指輪、か。おまけになかなか可愛い子達ねぇ。
 うふふ♪面白くなりそうねぇ」
 爽やかな朝のはずなのに、キュルケの部屋からは妖しい空気が漂っていた。


591 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 01:46:43 ID:fp4WaoIR
けしからんしえん

592 :薔薇乙女も使い魔:第3話:2007/10/05(金) 01:46:46 ID:BKdTw/Zn
 ルイズのお説教を聞きながら、部屋の中を見渡した。鏡の前に真紅がいるが、翠星石の
姿はない。
「なによ、人の話はちゃんと聞きなさいよ!」
「翠星石がいないけど」
「ああ。さっき鏡の中に入っていったわよ。薄緑と赤の、えと、人口精霊だっけ?それと
一緒に」
 と言ってる間に、鏡面が輝き波打って、二つの光と共に翠星石が出てきた。
「う〜ん、だめですねぇ。やっぱり簡単には近道は見つからないです。まだ、迷わないよ
うにするのがやっとですよぉ。ローザ・ミスティカも見つからないですねぇ」
「そう、しょうがないわ。物事そんな簡単に行かないものね」
 真紅もさしてがっかりしていない。ハルケギニアに来て、まだ3日目。それほどの成果
があがるとは、ジュンも人形達も考えていなかった。

「な〜にぃあんた達。朝からもう探検してたの?」
「ええ、時間は貴重よ。近道だけでも早く見つけないと」
「ジュンが魔法の勉強するためにはですねぇ、往復するために使うエネルギーと時間を、
出来るだけ減らさないとだめですぅ」
「あー、そーだよなー。僕、そろそろ魔法の勉強始めないとなー」
「ちょっとちょっとあんた達…」
 ルイズは呆れて首を振った。
「そんな最初から飛ばしてたら、体が保たないわよ。まずはじっくり足場を固めるのが、
筋ってものじゃないかしら?」
 ルイズにいわれて、三人も顔を見合わせて頷いた。

「納得したようね。ンじゃまずは…」
 ビシィッっとジュンに本を突き出した。
「これ読んで」
 ジュンは本を受け取り、開いた。
「これ、何?」
「今使ってる教科書」
「…読めない」
「…なんで?」
「見た事無い文字だから」
「それ、今私たちが話してる言葉よ」
 真紅も本をのぞいた。
「ルーンの効力、文字には及んでいないみたいね」
 翠星石は首をかしげた。
「しゃべれるのに、文字は読めないです。ヘンな話ですねぇ」
「ん〜…ということは」
 ルイズはアゴに指をあて、次いでジュンをピッと指さした。
「まずは文字を覚えなきゃだめね♪」
 真紅と翠星石がジュンをポンポンと叩いた。
「よろしくね、ジュン」
「頑張るですよー」
「へぇーい…」
 ジュンは、諦めの境地に達した気がした。


593 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 01:46:57 ID:LQO0rzQ1
引きこもりへの試練第二段支援

594 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 01:47:17 ID:EL44b8AS
支援

595 :薔薇乙女も使い魔:第3話:2007/10/05(金) 01:48:47 ID:BKdTw/Zn

 というわけで、ルイズはその日の朝食を、ジュン達と一緒に壁際のテーブルで食べなが
ら、ジュンにハルケギニア文字を教えた。
 そんな彼らの姿は周囲には、主と使い魔、というよりは、姉弟に見えていた。
 外からは使用人達がカーンコーンと、大木とツタを斧で切り倒す音が響いていた。


 ひそひそ…
「アー、ヴェー、セー。言ってみて」
「アー、ブえー、セー」
「ちょっと違う。アー、ヴェー、セー、もう一度。」 
「アー、ヴェー、セー」
「そうそう、その調子」
 ひそひそ…

「もしもしミス・ヴァリエール、それにミスタ・サグラダ。何をひそひそと話してるんで
すか?」
「ふぇ!?す、すいませんミスタ・コルベール!その…使い魔にハルケギニア文字を教え
ていました」
「ほぅ、それは立派です。ミスタ・サグラダも向学心をお持ちですね。でも、今は私の授
業中なので、後にして下さい」
 彼らはコルベールの『火の系統』の授業中に、こっそり文字を教えていた。
「すいません、コルベールさん。…あの、僕はサクラダ=ジュンです。ジュンで結構です
から」
「分かりました。…ああ、文字を覚えたいのなら、幼年学校の教科書を使うと良いでしょ
う。あとで私の研究室に来なさい、何冊か差し上げましょう」
「いいんですか?ありがとうございます!」
 頭を下げたジュンを見て、コルベールは生徒が増えた気がした。


 コルベールの研究室、というと聞こえはいいが、見た目はただの掘っ立て小屋。中には
試験管・薬品・地図に天体儀と、まさに化学実験室だ。異臭もすごい。ルイズ達4人は悪
臭に顔をしかめつつ、棚をゴソゴソ探るコルベールを眺めていた。


596 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 01:48:54 ID:3DjHEA/5
開け地獄の支援! そして予約

597 :薔薇乙女も使い魔:第3話:2007/10/05(金) 01:50:07 ID:BKdTw/Zn

「これです。もう使わない教科書なので、遠慮無く持って行きなさい」
「うわぁ、助かります。コルベールさん、ありがとうございました!」
「感謝致しますわ、ミスタ・コルベール」
 ぺこっと礼をするジュンとルイズに、コルベールも満足げだ。
「いやいや、いいんだ。しっかり勉強したまえよ」
 と言ってコルベールは、ルイズ達をしばらく見つめた。

 ジュンは「またか…」と、うんざりしてきた。
 真紅達も警戒心を露わにし出す。
 そんな使い魔達の表情にコルベールも気が付いた。
「ああ、すまない。そうだね、君たちもいい加減、あれこれ詮索されるのはうんざりして
きただろうね」
 ジュンは、ちょっとビックリして頭を下げた
「すいません。こんな世界の彼方から来た正体不明の連中ですから、最初はヘンな目で見
られるのも当然ですね。しばらくの間は我慢しますよ」
「うむ、哀しいが奇異の目で見られているのは事実だろう。次の食事時にでも、オールド
・オスマンから全生徒にクギを刺してもらおう。少なくとも、表立って君たちに絡んでく
る生徒は減るだろう」
「わざわざすいません。ぜひお願いします」
 ペコリと頭を下げたジュンにコルベールはウンウンと何度も頷いた。
「うん、君は平民の子供なのに勉強熱心だ。本当に立派ですぞ。親御さんも、さぞや立派
な方達だったんでしょう」

 親、と言われて、ジュンは少し表情を曇らせた。
 真紅と翠星石も、心配げにジュンを見上げる。

 そんなジュンの顔に、コルベールは慌てて弁解した。
「いや!すまない、君も家族の事は、その、こんな遠い異国のトリステインにまで来てし
まって、その、会うのは難しいかも知れないが、別にもう会えないわけでは」 
「え?いえ、そういう事ではなくて、あの、まぁ、ハルケギニアに召喚される前から、長
い事会ってませんでしたから」
「ぅん?そ、そうかね。いやまぁ、すまんね。君の家庭の事に他人がいきなり口出しして
しまって。すまなかった、この事はもう口にしないとしよう」

 コルベールは誤魔化すように、慌てて机の教材を片付けた。その教材の一つに、ジュン
は興味を惹かれた。


598 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 01:50:22 ID:fp4WaoIR
しえんった

599 :薔薇乙女も使い魔:第3話:2007/10/05(金) 01:53:06 ID:BKdTw/Zn

「あの、コルベールさん。これは何ですか?」
「おお!よくぞ聞いてくれました。これは私が発明した装置ですぞ。油と火の魔法を使っ
て動力を得る装置です!このふいごで油を気化させて、そして…」
 と言ってコルベールは円筒の横に空いた穴に杖を突っ込んだり、足でふいごをふいたり
した。
 円筒の上に付いたクランクが上下し、車輪が回転して、ギアを介し、箱からヘビの人形
がぴょこっぴょこっと飛び出した。
「・・・ヘビ君が!顔を出してぴょこぴょこご挨拶!面白いですぞ!」

 ルイズはぼけっとしていた。全然興味がないようだ。
 真紅と翠星石は、わーすごーい♪と机に登り、飛び出すヘビをペタペタ触っていた。
 ジュンは仰天していた。まさか、この魔法世界でエンジンの原型が見れるとは。
「すっ、すごい!これ、先生が作ったんですか!?」
「おお!君にはこの発明の素晴らしさが分かるのですか!?うんうん、やはり君は見所が
ある!私の目に狂いはなかった!確かに『火』は破壊を司る!しかし諸君、『火』は使い
ようですぞ。使いようによっては・・・」
 興奮するコルベールのマシンガントークにジュンは圧倒されつつも、頭がちょっと寂し
くてさえない教師を、思いっきり見直していた。
「凄いですよ先生!僕、先生を尊敬しますっ!この研究、ぜひ続けるべきです!」
「そ!そうかねウンウン♪いやー、ミス・ヴァリエール。君は本当に素晴らしい使い魔を
召喚したねぇ!まさか、こんなに真実と真理に対する洞察力が高いとはっ!全く、あのガ
ンダー」
 うぐっ
 コルベールは慌てて自分の口を両手で塞いていた。

「がんだ?」
 ルイズ達四人がキョトンとなった。

「うおっほん!失礼、興奮しすぎて何を言ってるか、自分でも分からなくなったようだ」
 コルベールは慌てて誤魔化した。
「さてさて諸君、そろそろ私も次の仕事にかからねばならない。ミス・ヴァリエール、彼
にしっかり勉強を教えてあげてくれたまえ。
 あ、それとジュン君」
「はい、なんでしょう」
「君のその左手のルーンなんだけど、やっぱり人間が使い魔に召喚、というのは前例が無
くてね。学院の者は知ってるけど、事情を知らない者には、やっぱりそのルーンはかなり
ヘンに見られると思う」
「…そうでしょうね」
「外部の者に会うような時は、包帯か手袋で隠した方が無難だと思いますぞ」
「そうですね、わかりました」


600 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 01:55:02 ID:fp4WaoIR
しえんんんん

601 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 01:55:16 ID:1WgRG0YB
支援

602 :薔薇乙女も使い魔:第3話 残2:2007/10/05(金) 02:01:04 ID:+kbE+k8X

 ルイズ達はコルベールの研究室を後にした。だがしばらく歩くと、真紅が少し顔をしか
めた。
「ちょっとルイズ、ジュンも。ホントにその本を使うの?」
「うーん、せっかくもらったし」
 翠星石も、鼻をつまむ。
「なんてすかこのにほひは〜、クハァイでふぅ」
「まぁまぁ、あの部屋にずっと置いてたらしいからなぁ。きっと、すぐ消えるよ」
 ルイズは顔の前で手をパタパタさせてる。
「はやいとこそれ済ませて、次の本に行きましょ」
「そ、そだね。んじゃ、さっそく部屋に帰ろうか」
「待ちなさいよ!そんな悪臭をあたしの部屋に付けないで。図書館行きましょ」
 ハーイという3人の返事がハモる。引っこ抜いた根っこの大穴を土で埋めてる使用人達
の横を通り、一行は本塔へと向かった。



 放課後の図書館、人影もまばらだ。
 夕日が差す窓際のテーブルに、小さな人影2つとさらに小さな人影が2つ。
 子供向けのおとぎ話を読んだり、童謡を歌ったりしている。


神の左手ガンダールヴ。勇猛果敢な神の盾。左に握った大剣と、
                     右に掴んだ長槍で、導きし我を守りきる。
神の右手がヴィンダールヴ。心優しき神の笛。
                  あらゆる獣を操りて、導きし我を運ぶは陸海空。
神の頭脳はミョズニトニルン。知恵のかたまり神の本。
                あらゆる知識を溜め込みて、導きし我に助言を呈す。
そして最後にもう一人…、記すことさえはばかれる…。
四人の僕を従えて、我はこの地にやって来た…


 歌声が図書館に響く。ほとんど人がいないので、文句を言う人もいない。唯一、彼らを
遠くのテーブルから、タバサが本を読みながら、横目でチラリと見ていただけだった。
 青い髪の少女は、すこし彼らの姿を眺めて、再び本に目を戻した。


603 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 02:02:42 ID:BY+SG3ic
支援なのだわ

604 :薔薇乙女も使い魔:第3話 残1:2007/10/05(金) 02:03:30 ID:+kbE+k8X

 とっぷり日も暮れて、空には少し雲に隠れた二つの月と星空。
 ルイズの部屋には、テーブルを挟んで勉強する二人の姿があった。

「ふぅわあ〜。つっかれたぁあ〜」
 ジュンが大あくびをした。
「はぁふぅ〜。そうねぇ、いい加減疲れたわねぇ」
 ルイズもぅうにいぃ〜っと伸びをする。
「あ、僕、ちょっと外に取ってくるものがあるんだ」
 と言って、ジュンは部屋を出て行った

「もうこんな時間ね。こっちもこれくらいにしましょうか」
「そうですねぇ〜。そろそろ寝ますかぁ」
 鏡台の前で真紅と翠星石は、nのフィールドを探索し続けていた。

 ルイズがネグリジェに着替え終えた頃、ジュンはわらの束を抱えて戻ってきた。
「これ、毛布の下に敷こうと思って」
「ちょっとぉ、あたしの部屋を汚さないでよねー」
「ゴメン、ルイズさん。でも、明日の朝片付けるから、夜だけお願い!」
「しょーがないわねぇ。ちゃんと自分で掃除するのよ」
「分かってるよ。綺麗にしておくから。それじゃ、おやすみなさい」
 そう言って、ジュンはさっさと毛布にくるまった。

「みんな、おやすみなさい」
「おやすみですぅ、また明日です」
 真紅と翠星石も、鞄に入り込んだ。

「まったく…子供の相手は疲れるわねぇ」
 先に寝床に入り込んだ3人を、ルイズは腕組みしながら眺めていた。

「ま、いっか」
 それだけつぶやいて、ルイズもベッドに入った。
 



第三話   『トリステイン魔法学院での一日』
                             END

605 :薔薇乙女も使い魔:2007/10/05(金) 02:05:58 ID:+kbE+k8X
以上で「薔薇乙女も使い魔」第三話終了です

非常にじみぃ〜な展開です


ではでは、失礼しました

606 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 02:18:09 ID:3DjHEA/5
薔薇乙女GJ乙女。…そろそろいいかな?早乙女乙女くん。

今晩は、松下です。ちょっと久しぶり。
プリンス趙公明の続きも完成しましたが、ついでにこんな駄文が出来てしまいました。
こっちも古代中国物ですが……はて、もはやこれを《召喚》と呼んでいいものか。そもそも元ネタが分かる人がいるのか。
しかし確かに《使い魔》は呼ばれているし、元ネタ自体もしっかりある。そしてギーシュは可哀想。
換骨奪胎というか演義翻案というか何ですが、まずは10分後に投下いたします。公明様は今日中に。

607 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 02:21:28 ID:crbZ0eW0
何だろう

608 :ルイズ伝・ゼロと竜と世界の話 第一章 1/5:2007/10/05(金) 02:29:23 ID:3DjHEA/5
では、投下開始。(「地球ネコ」を聴きながら)


ハルケギニアの歴史は《始祖ブリミル》から始まり、その三人の御子と一人の弟子が王国を築いて、
現代に至ったと伝えられている。始祖ブリミルはまだ神話の霧に覆われているが、四王国の存在は確かである。
それらは六千年以上前、大陸の西方に起こり、現在も戦乱はあるが続いている。

豊富な記録……精巧な魔法技術の数々……そして何よりも、王国を支える貴族、メイジの存在が……
その強大な王国の権力を表している。


《第一章 ゼロのルイズは如何にして魔法学院で竜を召喚したか》

「始祖ブリミルよ、生ける神よ、貴方と同じく臣にかこまれ、奴婢をおき、杖を振って魔法を使わしめたまえ。
 我ら子孫に幸いを与え、祟りなすことなく、王国の繁栄を給わりたまえ。
 トリステイン魔法学院の生徒、ルイズが祈りまする。我に『使い魔』を授けたまえ………」

『使い魔』とは、メイジによって召喚される禽獣で、しばしば魔法によって捕らえられ、奴隷やペットにされていた。
この王立魔法学院では、二年生進級の神聖な儀式として、召喚を行うのだが…。

「まて! ちょっとまちなさい! ミス・ヴァリエール!」
桃色の髪の女子生徒、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールの魔法失敗は、
ただ魔法が完成しないだけでなく、結構な破壊力の《爆発》を引き起こすのだ。
見かねた教師のコルベールが、彼女を止めた。

「……九十九、百、百一……やっぱり無理だよダメルイズ! もう百一回目のプロポーズだぜ!」
「数えてたのか、暇な奴だなあ」
「呼び出せないと、学院の規定通り、彼女は留年せねばなりません!」
「も、申しわけありません。もう一度だけ……」
「コモンマジックも満足に使えんのか! やっぱり《ゼロ》だ! ワハハハハハ」
もはやルイズは、息も絶え絶えだ。顔は煤と涙と汗でドロドロになった。
周囲の嘲笑が悔しすぎる。唇を血が出るほど噛み締める。

「仕方ないですな……座学は優秀ですし。特例で明日から三日間、補習として猶予を与えます。
 それまでに使い魔が出なければ、ヴァリエール公爵家に連れ帰ってもらいなさい!」
絶え間ない上、狙いの定まらない爆発にビクビクしていた一同は、ホッと一息つく。
「ほらルイズ、帰ってゆっくり休んで。いいから、帰りましょう」
友人のキュルケの情けが、なけなしのプライドを引き裂く。もう言葉も出なかった。

夢の中、闇の中。ルイズは、青銅色の恐ろしい顔を持つ悪魔たちに追い回されていた。
人間の心を貪るような異常な造型と、魂をひねり潰すような嘲笑。口からは牙をむき出し、意地悪い視線で蔑む。
(食い殺される! 私が召喚してしまったの? それとも私の絶望と恐怖の産物?)
キュルケに、モンモランシーに、ギーシュに、コルベールに似たような、おぞましい顔、顔、顔、顔。
足を滑らせて倒れたルイズに、仮面をつけた半裸の男が顔のついた大斧を振りかぶって、差し出された頚をズンと刎ねる。
「いやっ……いや――――――――――っ!!」

609 :ルイズ伝・ゼロと竜と世界の話 第一章 2/5:2007/10/05(金) 02:32:42 ID:3DjHEA/5
「おはよう、ルイズ。だいぶ、魘されてたわね?」

いきなりキュルケの巨乳が目に入った。もう朝か。
勝手に《開錠》の魔法を使うのは校則違反だが、余程呻いていたのか。
「あ…はあ……夢を……悪魔たちが、私を食べようとして……」
「まあ、可哀想なルイズ! 夢の中でも気が休まらないなんて。でも大丈夫よ、私が応援してあげるから。
 けど、運がいいわね。本当は留年だったのに、コルベール先生も人がいいんだから……」
「ツェルプストーに応援されても、あんまり嬉しくないの」

一方、学院長室。学院長オールド・オスマンが、コルベールに成績証明書を見せてもらっている。
「今学年の生徒の出来も、まあまあじゃな。外国人留学生に二人、優秀なのがいるようじゃが……」
「はい、二年生進級も無事終わりそうですが……約一名」
「ヴァリエールのゼロ娘か……ま、これでダメなら諦めもつくじゃろ」
二人は揃ってため息をつく。国一番の大貴族で優秀なメイジの娘が、なぜこうなのか。

「ともあれ、有為な若者を育てる事は、国家のためでもあります。
 それは魔法に限りません。学芸、武勇、礼節、倫理、柔軟な発想なども、健全に育成せねば」
「そうじゃのう、近隣諸国との関係もこじれておるし……姫殿下があとを継がれても、これからが大変な時じゃ……
 わがトリステインにも、アンリエッタ王女を補佐するすぐれた人物がいればのう……
 いやいや、マザリーニ枢機卿はよくやっとるが、政治・軍事をはじめ、より天下のことに通じた知恵者が……
 さすればわが国も……」
ドカアアアアンという爆発音が、せっかくシリアスになっていたオスマンのセリフを遮った。ルイズだ。
「ええい、またかね。期限はもう明後日じゃろ? いい加減にしてくれんかのう」

だが、丸二日経ってもルイズは使い魔を召喚できなかった。黄色い朝日が昇る。
「(フラ…)使い魔を……今日中に使い魔を呼び出せないと……人生終了ね……」
ルイズは《ヴェストリの広場》に向かっていった。すぐ爆発音が響き始める。

そこへ、朝食に向かう前のギーシュたちが、音を聞きつけて通りかかる。
「見たまえ皆、あそこにルイズがいるよ。自分の爆発で倒れている。ああ、杖も手落として……」
「そういや、今日中に召喚できないと留年ね。退学かも」
「はああ、可哀想。玩具にするには最適の可愛い娘なのに」
「あんた、そっちだったのキュルケ……」
モンモランシーがスザッと引く。大体フェロモン過多なのだ、この成金ゲルマニア女は。

「まてまて、僕に面白い考えがある」
ギーシュが意地悪く笑うと、モグラの使い魔ヴェルダンデに命じて土を掘らせ、
ルイズの傍まで行かせてから戻って来させる。咥えているのは、ルイズの杖。
「ちょっとギーシュ、今何したの?」
「《錬金》で作った青銅製の偽物の杖と、密かに取り替えておいてやったのさ。
 どうせ魔法なんか使えないんだ、杖が偽物なら爆発も起きないし、かえって安全だろう?」

イジメ、かっこ悪い。二人はしらけ切ってそっぽを向く。
「貴族の誇りに何するのよ、馬鹿。付き合ってらんない、行きましょモンモランシー!」
「そうね、頑張ってる女の子に意地悪なんて、人として軸がぶれているわ。ちゃんと返してあげなさいよ」
「ま、待ちたまえ君たち! ああ、ルイズがビックリする顔が見物なのに」
ギーシュは引っ込みがつかず、広場の入り口でうろうろしている。

610 :ルイズ伝・ゼロと竜と世界の話 第一章 3/5:2007/10/05(金) 02:35:06 ID:3DjHEA/5
やがてヨロヨロとルイズが立ち上がり、朦朧とした頭で意識を保つ。体が生命の危機を知らせている。
「もう三日三晩寝てないし、何も食べてない……。
 使い魔が来てくれればいいけれど、もし来なければ……このまま……」
悲壮な覚悟で、青銅の偽杖を振り上げる。だがもう、精神力も底を尽いた。しゃがみこんでしまい、動けない。
「ご先祖さま……始祖ブリミルさま……どうかルイズに、使い魔を一体、お与えください……
 ああ、気が遠くなってきたなあ……もし神さまがいるのなら……使い魔を………」

「ゼロのルイズ、どうですか?」
ハッ、とルイズが振り向く。声は聞いたことがあるような、ないような。
傍に立っていたのは、六十歳過ぎぐらいの小柄な老貴婦人。杖を持ちマントを羽織って、ルイズを見下ろしている。
学院の先生か、非常勤講師だろうか。そう考えるのが一番自然だった。
「あ……貴女は? なぜ私の名を…?」
「ほら、何かいるわよ」
地面に銀色の鏡が現れ、それが水面のように波立って、ザバッと猿のような獣が現れる。その顔は人間の老人にそっくりだ。
「きゃあ!!」
バシャンとしぶきを上げ、怪物は鏡面に沈む。尻尾がちらりと見えた。

「ふっふっふ、せっかくの獲物を逃してしまったわねえ」
「い…今のは…?」
「気にすることはないの。だいいち、その杖では使い魔は呼べないわ。貴女自身の杖でなければ……」
よくよく手元の杖を見れば、私の杖ではない。誰が取り替えたのだろうか、イジメかっこ悪い。
「心配しないで。私がもっといい場所を教えてあげる。その杖を持ってついておいで」
「あ…あの……? 貴女はこの学院の先生、ですか?」
「いいえ、もっと凄いものよ」

スタスタと先を歩く、余裕綽々たる老貴婦人に、ルイズはピンと閃く。
「貴女はもしや……私の呼び出した使い魔では……?」
「ばかをいわないで、私を使い魔などといっしょにするなんて。
 さっき貴女が呼び出しそこなったのは、水中に棲む猿に似た精怪。大したものではないわ」

ズンズン進む彼女に、ルイズは遅れないように着いていく。足も立たないはずだったが。
いつしか二人は学院を離れ、深い山奥へと迷い込む。
「近くにこんな所あったかしら……? いつ霧が……?
 それに、さっきまでは動くのもおっくうだったのに、今はやけに体が軽い……」
急にガラッと足元の地面が崩れる。あわてて下を見ると、なんと切り立った崖の上だ。
しかも眼前には、洋々たる大海が広がっている。

「こ…これは…? いつの間にこんな所に………」

「ここは《東方》の海の果て」
いつの間にか、老貴婦人は再びルイズの背後にいる。その髪は赤金色に輝き、顔はまるで磨いた銅のようだ。
「と…《東方》…!? しかし、そんな……も…もしや貴女さまは、始祖ブリミルさまですか!?」
「おっと、それは違うわ。まあいいから、そこから使い魔を呼んでみて。貴女は使い魔が欲しいのでしょう」
「で、でもこの杖は……」
「いいからとにかく、私のいう通りやってごらんなさい」

611 :ルイズ伝・ゼロと竜と世界の話 第一章 4/5:2007/10/05(金) 02:37:55 ID:3DjHEA/5
千載一遇のチャンスだ。高貴で強力なメイジが、私の手助けをして下さるとは。
藁をも掴む思いで、ルイズは前向きに気持ちを切り替え、杖を構えた。

「気を抜いてはダメよ。たとえ偽物の杖でも、全身全霊をこめて集中すれば、竜でも召喚することができるのよ!」
「りゅ…竜でも!?」
「そうよ、杖の先、舌の先に全身の魔力を集めるの。
 技術も力もいりはしない、ただ召喚をするという、ただそれだけのことを……
 純粋に……強く……念をこらすの」

言われるまま、ルイズは残った魔力を集中する。老貴婦人の鳶色の瞳は、なぜか四角い。
「貴女は、私が始祖ブリミルではないか、と言ったわね?
 そうじゃない、でも私は、時によってはそれ以上のもの。
 私は、貴女の純粋に《生きたい》という気持ち、使い魔を求める心に応じて現れた。
 一点の濁りのない、純粋な心で私を求めるなら、私は時には天をも動かす。
 けれど、少しでも心に濁りがあるなら、どれほど高位高官の者であろうとも、
 始祖ブリミルであろうとも、私にまみえることすらできない」

大海がドオオオオオと大波を立て、崖が震える。しかしルイズの精神は、小揺るぎもしない。
「純粋に……心を純粋にするのよ。一切の邪心も恐れも疑いもすべて捨てて、この大自然の中に身を投ずるの。
 どう、海の中が見えてきたでしょう? 杖の先に宇宙を感じるでしょう!
 さあ、呼んでみて、竜を!」

きた。

逆巻く海面が銀色に光り輝き、その中から巨大な、ワニのような頭部が姿を顕す。
頭には枝分かれした二本の角が、頚には鬣が、牙の並ぶ大きな口の周りには髯が生え、
鼻先に二本の長い鬚がある。眉毛の濃い突き出た眉間の下には爛々と輝く眼があり、
体は蛇のように長く、大きな青金色の鱗に覆われていて、力強い四肢には五本の爪があった。
全長は、何百メイルにも及ぶだろう。まさに竜(ドラゴン)。その神々しい姿に、ルイズは見惚れる。

「そうよ! よく竜を呼んだわ! もし貴女がこの気持ちを忘れず、もう一度私と会うことができるなら、
 いずれもっと大きな竜を呼ぶことができるでしょう!」

老貴婦人が嬉しそうに叫び、ルイズの周囲が光に包まれた。

612 :ルイズ伝・ゼロと竜と世界の話 第一章 5/5:2007/10/05(金) 02:40:19 ID:3DjHEA/5
その日の夕方、《ヴェストリの広場》の入り口に、今朝の三人が集まっている。
「なんですって、あのルイズ、まだやってるの?」
「ああ、もう夕方になるっていうのに、あの時のままずーっと杖をかまえて、使い魔を待っているんだ」
「あれから何時間経つと思っているの? 貴方が授業にもこないから、ルイズと浮気しているんじゃないかと思って、
 わざわざ様子を見にきたのよ。感謝しなさい!」
モンモランシーが頬を染めてツンデレする。しかし、その間の皆のスルーっぷりが悲しすぎるではないか。
キュルケも肩をすくめ、ため息をついた。

「流石に、杖が偽物なのに気づいたんじゃない?」
「気づいてないよ。呪文をブツブツ唱えながら、気絶したみたいに硬直しているんだもの。
 僕はずっと見ていたから知っている。可哀想な娘だね」
「「可哀想なのはあんたよ」」
ハモッてジト眼で二人が睨む。なんという馬鹿だ。

「あ…杖を振るわよ!?」
モンモランシーが動きに気づき、二人もルイズを注目する。
ぼんやりと地面が銀色に光り、鏡となった。三人は予想外の展開に、身を乗り出す。
「何か出てくる!?」「まさか!」「ああっ!!」

鏡面が水のように波立ち、杖を振り上げたルイズの手元に、一抱えもある大きな《鯉》が召喚された。
三人はあっと驚く。とうとうあのルイズが、《使い魔》を召喚したのだ。しかも、自分の杖ではない偽物の杖で。
使い魔が魚ということは、彼女の系統は《水》なのだろうか?
倒れこむルイズをキュルケが駆け寄って支え、ギーシュが大きな金ダライを作り、モンモランシーが水を張る。
《鯉》は青金色の鱗を煌かせ、悠々とタライの中を泳ぎ出した。


このルイズ、魔法成功率の低さから、皆に《ゼロのルイズ》と呼ばれた少女こそ、後の《虚無のルイズ》である。
ルイズは四十五年後、このトリステイン魔法学院で、再び竜を召喚するのである。

(つづく)

613 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 02:42:18 ID:3DjHEA/5
投下終了。諸星大二郎『太公望伝』から、竜(鯉?)と『あの方』モドキです。諸星大好き。
一応召喚されたのは、竜の稚魚ということで。この老貴婦人の正体は何者なのか? 待て、次回。
予定はかなり未定ですが、ルイズはこの後、四十年間世界を放浪したりします。

では、また。

614 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 02:44:30 ID:5Cv6lhyL
ン・バギ召還で「オンゴロの仮面」ネタを考えていたが、まさかこうこられるとは・・・
GJだ!

615 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 03:18:17 ID:NbDEBj1y
ママ!あかいゆうひがしずむやねのうえでGJ

諸星と聞くとあんとく様を思い出して眠れませんウウウ


616 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 03:29:18 ID:ehZ+4h9S
GJ!!
なんだろう、このルイズはとても応援したくなる

617 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 04:15:31 ID:tib3J2M5
タルブ村にいんへるのが有ると申したか

しえすた「みんな、ぱらいそさいくだ!」

618 :カラッポの使い魔 第二話 1/7:2007/10/05(金) 04:22:27 ID:J4MFd7QC
コルベールは目を見開いた
目の前に立っているのはオークの様な亜人では無い
目の前にいるのは自分と変わらない人間
それなのに震えが止まらない

「大丈夫ですか?」
目の前の男が聞いてくる
コルベールはそれに答えず、気力を振り絞って杖を構える

「!」

男が半身を後ろに下げ軽く拳を握る、彼独特の戦闘態勢

空気が張りつめる

「最初に聞きます。何で貴方は俺に敵意を向けるんですか?」
彼からしてみれば、使い魔の召喚に応えてこの場に来たに過ぎない
だから、この場にいる人間においてもっとも高い可能性を提示する
「それとも、貴方が俺の召喚者ですか?」

「だとしたら・・・・・・どうするのかね?」
コルベールは考える
この男が自分よりも遥かに強いことを、それを踏まえて横で気絶している自分の生徒を守る方法を
男は召喚者かと聞いてきた、ならば自分が使い魔として呼ばれた事を理解しているかもしれない
だが、彼がすんなりと使い魔になることを受け入れるとは思えなかった

しかし、彼の思いは裏切られる事となる


「有り難うございました!!」
「は?」


コルベールには何故、礼を言われるのかが分からなかった
「どういうことだね?」
気が付けばそんな言葉が口をついて出ていた




「なるほど、話は分かった。」
男から、話を聞き終えたコルベールは深くため息を付いた
彼がここでは無い何処か、彼はボルテクス界と言っていたが
そこで彼は閉じこめられていたのだと言う
言うなれば牢獄のような物だ、其処から救い出してくれた形になれば礼の一つも来るだろう
だが、彼が牙を剥かないと言う保証は何処にもない
いまだコルベールの右腕は杖を掲げている
「それで・・・だ、君は使い魔になる気があるのかね。」
コルベールは賭けに出た


619 :人修羅の人の代理:2007/10/05(金) 04:24:25 ID:J4MFd7QC
 人修羅の人の代理で書き込みます。
 すいません、宣言しとくの忘れてました

620 :カラッポの使い魔 第二話 2/7:2007/10/05(金) 04:26:41 ID:J4MFd7QC
返答は軽かった
「あ、かまいませんよ。」

男は元よりそのつもりであったのだ
あの何もない牢獄から出してくれたのだ、使い魔にでも何にでもなってやると決めていた
仲魔ではないが問題はないだろう
あの牢獄に居ることの方が苦痛だったのだから
「それで、使い魔って何をするんですか?」




コルベールは自分がなにかとんでもないモノを相手にしていると自覚はあった
だが、同時に彼に対して好意も持ち始めていた
この短い時間で・・・だ
彼は素直なのだ、よく言えば純真、悪く言えばまるで自分が無いかのようにカラッポ
コルベールが長い教師生活で培った人を見る眼は曇っていない
最初に感じた重い圧力もそのままだが、それが余り苦痛だとは感じなくなってしまっていた
それよりも、彼に教師として教えを説きたいと思ってしまうほどに
彼は先程まで上げていた右腕を降ろした



「さて、何処から説明したものでしょうか。
 まぁ、基本からいきましょう。君を呼びだした呪文は『サモン・サーヴァント』といって使い魔を呼び出す呪文です。
 春の使い魔召喚の儀式は『サモン・サーヴァント』で呼び出した使い魔候補と
 『コントラクト・サーヴァント』によって契約することで正式に使い魔と言うことになります。」
「春の使い魔召喚の儀式?」
「春の使い魔召喚の儀式というのは、トリステイン魔法学園の伝統でしてね。
 二年生に進級する際、『使い魔』を召喚し、それによって今後の属性を・・・・」
其処まで言って気が付いた
目をやれば、彼を召喚した少女は今、気を失い倒れている
「済みません、私は彼女を医務室へ連れて行かねばなりません。」
男はその言葉を聞き、申し出た
「俺が連れていきますよ。どうも、俺を召喚したのはこの子みたいですから。」
この言葉にはコルベールが驚いた
「私は何も言っていないはずですが。」
男は笑って
「簡単ですよ、貴方が言ったんです。ここが学園で有ること、使い魔召喚は二年生に進級する時にすること、そして貴方はどう見ても教師

だ。
そうすれば、俺と貴方の他にもう一人居るこの子が俺を召喚したと考えるのが自然だと思いますけど?」
言いながら、男はルイズを背負う
「それで、医務室はどこですか?」
「ああ、こっちだ。」
二人は歩き出す
向かう道の途中でも話を続ける
トリステインという国のこと、魔法学園の概要など大ざっぱではあるが、男はこの世界ハルケギニアの事を理解した
そして、医務室のある建物の前に立った時
「ちょっと、待って欲しい。」
「?」
「非常に言い辛いんだが、彼女が気絶した原因なのだがね。その・・・君が出す『覇気』みたいなモノに当てられたようなのだよ。」
男が困ったような顔をした
「じゃあ、俺はここで待ってます。」
それが本当ならば医務室の医師もまた気絶するかも知れない
コルベールはルイズを連れて医務室に入っていった


621 :カラッポの使い魔 第二話 3/7:2007/10/05(金) 04:28:50 ID:J4MFd7QC
入り口の横の壁にもたれかかって男は考え事をする
『覇気』の押さえ方を考える
向こうに居たときにはそんなことは考えなかった、というか、感じなかった
試しに『マガタマ』を『マサカドゥス』から『マロガレ』に変えてみる
これと言って変わった感じがしない
風が吹く
「寒いな・・・」
向こうにいたときには感じなかった
常に太陽が輝いていたためだろうか
自分の体を見てみる
苦笑が漏れる
上半身は裸だ
「服が欲しいな・・・」
ボルテクス界に行く前の自分を思い浮かべる
ゆっくり、体が暖かくなっていく
「あれ?」
気が付けば、上半身にジャケットがあった
おぼっちゃまからの好意です・・・
そんな老婆の声が聞こえた気がした
そして理解する
これは悪魔が取る『人間の姿』だと
この姿で有れば『覇気』は押さえ込めるだろうと
今の自分の姿は昔の悪魔になる前の自分の姿なのだと

「そう言えば、夜も久しぶりだな。」
空を見上げる
暗闇にほのかに光る星
それすらも懐かしく、頬が歪む
そして、見つける
「月が・・・ 二つ?」
ここが異世界だと言うことは理解していた
しかし、月が二つだとは思わなかった
「でも・・・ 綺麗だな。」
ドアの開く音が聞こえた



時をほぼ同じくして、男を遠くから覗く眼が4つ
「なんなのね、あの人間。とりあえず、お姉さまに報告なのね。」
身を翻し飛んでいく竜
「・・・・・・メイジの実力を見るには使い魔を見よ・・・か。」
水晶に映った男を見る老人
彼らが男と出会うのにはもう少し時間を要する
二人に共通するのは、男を脅威と感じること


622 :カラッポの使い魔 第二話 4/7:2007/10/05(金) 04:30:30 ID:J4MFd7QC
場所を変えて、男と別れた後コルベールはルイズを医務室まで連れていき治療を受けさせていた
と、言ってもルイズは気絶しているだけだったので、彼女はすぐに目を覚ました
「良かった。気が付きましたかミス・ヴァリエール。」
「ミスタ・コルベール・・・」
焦点の定まっていない瞳でコルベールを判別するルイズ
その声はいつもの声でなく、かすれ、弱々しい
「はっ!ミスタ!私!私の使い魔は!!」
「落ち着きなさい、ミス・ヴァリエール。貴方は『サモン・サーヴァント』を成功させました。」
「そうですか・・・」
自分が『サモン・サーヴァント』を成功させたと聞き、ルイズは安堵のため息を漏らす
だが、同時に理解する
「ミスタ、私は『コントラクト・サーヴァント』を行っていません。」
コルベールが首を縦に振った
「その通りです、ミス・ヴァリエール。貴方は『コントラクト・サーヴァント』を行わなければなりません。」
ルイズが頷いた
「ですが、私は貴方にやり直しをさせても良いと思っています。」
「!!」

ルイズは悟った
春の使い魔召喚の儀式は失敗したのだ、と
『サモン・サーヴァント』すら成功しなかった、そうに違いない
幾らコモン・ルーンとはいえ、あれほどまでに大量に呪文を唱えたのだ、気絶しない方がおかしい
何か呼んだような気がしたのは気のせいだったのだ
そして、気絶したことを良いことに、『サモン・サーヴァント』は成功したが、やり直しを認めると言う特例で・・・
情けか、同情か
確かに自分は『ゼロ』だ
魔法成功率、ゼロ
そんなことは分かっている
ここで、受け入れなければ自分は留年だろう
怒る母親の顔が浮かんだ・・・・やめようかな
そうではない、自分はそう言う情けを掛けられるのが嫌いなのだ
いつか、必ず魔法を使いこなせるようになってみせる
決めた

「ミスタ・コルベール。」
「なんだね。」
「春の使い魔召喚の儀式は神聖な儀式だと聞いています。
 それに参加したメイジは、呼び出した相手と『契約』しなければならないことも。」
「ミス・ヴァリエール、それなんだがね。」
「ミスタ!」
コルベールのやり直し発言は、けっしてルイズに同情したモノではない
男の力と、今のルイズの力が明らかに不均等だからだ
使い魔の強さはメイジのステータスとも言って良い
だが、強すぎる力は、時に狂気を生む事がある
魔法と言う力を追い求める少女にとって、ここであの男のような強い力を与えるのを忌避したからだ
しかし、彼は教師だ
生徒にはっきりと言われ、信じてみようと思った
「わかりました。ミス・ヴァリエール、動けますか?」
「はい。」
「では、ついてきなさい。」


623 :カラッポの使い魔 第二話 5/7:2007/10/05(金) 04:33:05 ID:J4MFd7QC
ルイズは困惑していた
自分は『サモン・サーヴァント』に失敗したはずだ
なのに、ミスタ・コルベールはついてこいと言う
もしかしたら、本当に召喚は成功していたのだろうか
かぶりを振ってその考えをうち消す
そうであるなら、『やり直し』何て事にはならないからだ
そうか、このまま学園を放逐になるのだろう
お父様、お母様、ごめんなさい、ルイズは駄目な子でした

建物の出口に二人はついた
「よろしいですか、ミス・ヴァリエール。心を強く持つのです。」
ルイズが訳が分からない顔をするが、頷く

扉を開ける

一人の男の人が空を見上げて立っていた
「ミス・ヴァリエール、彼が貴方の使い魔です。」
男はルイズの方を見て、笑った






始祖ブリミルよ
私、貴方に何かしましたか?
正直、こんな事だとは予想外でした
平民を使い魔として呼んじゃったのですね私
泣いて良いですか?

「ミス・ヴァリエール。彼と『契約』を。」
ミスタ・コルベールが『契約』を促してくる
なるほど、心を強く持てと言ったのはこう言うわけだったの
『やり直し』って言うのも、こう言うわけだったのね
でも、『やり直し』を自分は拒否したわけで・・・・・・

いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ


624 :カラッポの使い魔 第二話 6/7:2007/10/05(金) 04:35:07 ID:J4MFd7QC
ちょっと、絶望しかけたわ

ミスタ・コルベールを見る
良い笑顔だ

「せめて鷲とか・・・ 犬でも良かったのに・・・」

仕方ない
それに、進級できないと困るし
それに・・・・・・『契約』なんだからノーカウント!ノーカウントなんだから!
よし、 覚 悟 未 完 了

男の人に近寄る
「本当に私が呼び出したの?」
「ああ、そうだよ。」
軽く応えてくる
「使い魔のことは知っているの?」
「其処の先生に聞いた。」
なんで私は時間を延ばそうとしているのかしら
すーはーすーはー
良し
背、高いわね
「しゃがみなさい。」
「?」
目線を合わせるようにしゃがんできた
少なくとも、命令を聞く気はあるようね
じゃあ・・・やるわよ

「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。
 五つの力を司るペンタゴン。
 この者に祝福を与え、我の使い魔となせ。」
んっ                   甘い


「終わりました。」
ルイズはコルベールに告げる
「うん。『コントラクト・サーヴァント』は上手くできたようだね。」
そう言って、コルベールは男を見る
男は左腕を押さえ、息を殺して、何かに耐えている
「大丈夫だ、君に『使い魔のルーン』が刻まれているだけだ。すぐに収まる。」
コルベールはその理由を察し、告げる
「・・・・・。」
男が息を吐く
その左手の甲にルーンが刻まれていた
「珍しいルーンですな。」
コルベールが左手を取り、確認し、ルイズに向かい直る
「ミス・ヴァリエール、おめでとう。」
「有り難うございます。」
通算666回の召喚が身を結んだ瞬間だった


625 :カラッポの使い魔 第二話 7/7:2007/10/05(金) 04:37:02 ID:J4MFd7QC
その後、男とルイズは部屋に行くこととなった
コルベールは報告があるから、と、急ぎ足で出ていった

部屋につくと、ルイズはベッドに腰掛け、男に向かう
男が部屋に入ってくるのを確認
「で、なんであんたみたいな平民が私の使い魔なのよ!」
不機嫌を露わに言う
「そんなこと言われてもね。・・・・・えっと、ルイズ・・・で、いいんだっけ。」
「ルイズ様、もしくはご主人様よ。
 それと、私の名前はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール、覚えておきなさい。
 はぁ、もう・・・しかたないわ。諦めるわよ、貴方が私の使い魔って事に。」
「それは良かった。」
男は軽く返してくる
この態度がルイズを不安にさせる
「ちゃんと働けるんでしょうね。」
「使い魔のこと?秘薬の採取は無理だけど、身を守るって事はできると思う・・・たぶん。」
たぶん と付いたのは単純に男が守る戦いをしていなかったからだ
「嘘、貴方、悪いけどそんなに強そうに見えないわよ。他の使い魔どころか烏にも負けそう。」
何で、こんなはずれくじを引いたのかとルイズは頭痛を覚えながらベッドに倒れ込む
そして、重要なことを思い出し、体を起こす
「で、貴方、名前は?」
そこで、男は自分が名乗っていないことを思い出す

「名前・・・か。」

悪魔の名乗り方
『彼女』に教わった名乗り方
『彼女』を思いだし、少し悲しくなる
けれども、すこし、心が温かくなる

世界が冷える





「我は 人修羅 ヒラガ・サイト コンゴトモヨロシク。」


626 :人修羅の人の代理:2007/10/05(金) 04:38:11 ID:J4MFd7QC
 以上で終了
 失礼しました

627 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 04:39:26 ID:y1W3nx37
しまった、支援出遅れた
GJ!

628 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 06:20:05 ID:ChJ1/xka
少し遅くなりましたが、薔薇乙女も使い魔:第3話、更新GJでした。

じみぃ〜な展開とおっしゃりますが、次回以降のつなぎに必要な話でしょうし、
お話自体はほのぼのしていて、俺は好きですよ。
ジュンたちが積極的に動いているせいか、原作でのサイトが、後で触れる情報や事柄に、
さりげなく関わりを持ち始めている事に、おもわずにやりとしてしまいます。
前回の話を読んだ時も思ったけれど、ジュンたちの扱いって、サイトより随分優遇されてますね、
まあ、いきさつがいきさつだから、当たり前と言われれば当たり前なんですが。

>そんな彼らの姿は周囲には、主と使い魔、というよりは、姉弟に見えていた。
俺もそういうイメージで想像していました。ジュンはサイトより年下の子供ですからね。
でも>なんでもないという風に厨房を出て行ったジュンを、シエスタはキラキラ輝く瞳で見つ
めていた。
……シエスタはジュンの事を、少なくとも最初は弟みたいな感覚で見るのかな〜と思ったのですが、
どうやら初期からギアが入っちゃっているようでw
いや、これはこれで後が楽しみですが、いいのかシエスタw

この後も、続き楽しみにしています。頑張ってください。

629 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 06:25:45 ID:SVL6TUXg
GJッて…人修羅ー!?

>>557 雛森召喚ネタは今書いてる。
ギーシュとの戦闘で感情大爆発の予定。

630 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 07:16:46 ID:mKYUPv7o
死なずの醍醐召喚。
杖と羽衣はそのままでいける。ロケットランチャーの5発や6発撃ってるだろうし。
インテリジェンスチェーンソーのデルフ君は、彼の心が震えるほど回転速度が上がってよく切れます。
問題は「死ぬ」たびに再契約が要りそうなことか。

631 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 07:26:57 ID:TYJ3gGi2
醍醐と言うとジャス学しか思い浮かばない。
……あきらー!!(咆哮)

632 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 08:43:26 ID:HMbOFmeP
もしも、ルイズが召喚したのが平民みたいな服だけど実は貴族でした。とか、
エルフや亜人の王子様・お姫様です。とかだったら
ルイズはどんな反応をするだろうか。

舞乙の舞衣とかTOTのカイウスとか、TORのアガーテとか。

633 :サイヤの使い魔:2007/10/05(金) 08:45:01 ID:0+q97Fa0
今なら大丈夫かな
8時50分頃に投下します

注:今回、悟空の言動や設定にかなりの「俺解釈」が含まれます

634 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 08:46:07 ID:1nTwBhti
ていうか将門様かよ人修羅。

そりゃ万能属性以外のあらゆる攻撃が無効だから
攻めの戦いにもなるわww

635 :サイヤの使い魔:2007/10/05(金) 08:50:54 ID:0+q97Fa0
魔法学院へと帰ってきた悟空は、タバサと別れ、自室に居るであろうルイズの元へと向かった。
部屋の前まで来た時、向かいにあるキュルケの部屋の扉が音を立てて開いた。
中から、キュルケのサラマンダーが姿を表す。

「うわっ、なんだおめえ?」

悟空はキュルケの使い魔であるフレイムを見るのはこれが初めてだった。
授業中、フレイムはその炎を纏う尻尾が机や書物、生徒の服などに引火するのを危惧され、いつも教室の隅へと追いやられているので、他の使い魔と一緒にはいないのだ。
サラマンダーはきゅるきゅる鳴きながら悟空のほうへと近付いてきた。思わず悟空は後じさったが、敵意が無いらしいと判ると、しゃがみ込んで頭をなで始めた。

「ははっ、おめえ、トカゲなのにあったかいなあ」

悟飯が小さい頃、トカゲは変温動物だから夜や朝方は体温が低い、と悟空に教えてくれた事があったが、フレイムは下手をすれば火傷しそうなほど身体が熱かった。
フレイムが嬉しそうに喉を鳴らす。やがて、ついてこいというように悟空のリストバンドを咥えて引っ張った。
どうやらキュルケの部屋へと引っ張り込むつもりのようだ。

「何だ? 部屋に来いってのか」

フレイムが肯定するかのように一声鳴く。

「わりいけど、オラルイズのところに行かなきゃなんねえんだ。キュルケのところに行くのはそれからにしてくんねえか」

フレイムの口から手首を抜き、ルイズの部屋の扉をノックする。

「ルイズー、いるか? オラだ」

とてとてと足音が聞こえ、鍵を外す音がしてドアが開いた。

「けっこう早かったわね。まだ夕食まで少し時間があるわよ?」
「ああ、ちょっとタバサ…」

言いかけて口をつぐむ。タバサの件は本人に口止めされていた。

「タバサがどうかした?」
「ああ、ええと、タバサがな、オラのことまだ疑ってるみてえだったから、色々説明してたんだ」

何とか誤魔化す。タバサに色々訊かれたというのは本当の事だし、これくらいなら問題は無いだろうと悟空は思った。

「ふーん…。それで、仲直りできた?」
「ああ、多分できたと思う」
「そう、ならいいわ。実を言うとわたしもあんたに話があったのよね」
「オラに?」
「立ち話もなんだから、入りなさい」

ルイズはベッドの縁に腰掛け、悟空は寝床にしている毛布の上に胡座をかいた。

「私、思うのよ。あんたは本当は生きてるんじゃないかって。ううん、本当の意味じゃなくて」
「どういう事だ? オラ確かに死んでっぞ。頭の上に輪っかついてるし」
「うん。それは聞いた。でもね、『サモン・サーヴァント』は、ハルキゲニアの生き物を呼び出すのよ。普通は動物や幻獣なんだけど。ここがまず矛盾1。人間を喚び出しちゃった点」


636 :サイヤの使い魔:2007/10/05(金) 08:52:48 ID:0+q97Fa0
ルイズが右手の指を一本立てる。

「次に矛盾2。『生き物』である以上、当然喚び出される使い魔は生きてなければいけない。何故かというと、使い魔が死んだら『サモン・サーヴァント』をやり直して新しい使い魔を呼ぶからよ」
「でも、死んだ人間であるオラが喚び出されちまった、と」
「そう。それでね、わたし今日こっそり『サモン・サーヴァント』をやり直してみたのよ」
「そしたら?」
「なーんにも。爆発すら起きなかったわ。これがどういうことか判る?」
「あんまし」
「使い魔が死んだら『サモン・サーヴァント』をやり直すって事は、逆に言えば、使い魔が死ななきゃ『サモン・サーヴァント』が唱えられないって事なのよ。つまり、少なくともこの世界において、あんたは生きてる人間と何ら変わらないって事」
「……かもしれねえな。それならよ、オラにもひとつ思い当たる節があるんだ」
「何?」
「オラ達が居たとこじゃ、死んだヤツがこの世に少しだけ戻ってくる事ができる方法ってのがいくつかあるんだ。もしかしたら…」

左手に刻まれたルーンをルイズに見せる。

「こいつが刻まれてる間は、オラは生きてる人間だっつう扱いになるんじゃねえか?」
「そんな話聞いた事無いわよ。第一、ルーンが刻まれてたって死ぬ時は死ぬのよ」
「だからよ、死にかけだとか死んでる人間喚び出して契約した事は今まで無えんだろ? だったら、何が起こったっておかしくねえんじゃねえか?」
「それは、そうだけど……。…うん。そうね。何が起こったっておかしくないわ。あんたなら」
「だろ?」

二人は顔を見合わせ、互いに笑いあった。
メイジの実力を見るには使い魔を見ろ、と言われる。
悟空の強さは半端なものではない。そして、妙な勘違いから一部を除く生徒からは「天使」だの「化け物」だのと噂されている。
平民からはその食欲と大らかさで人望を集めつつある。
そして何より、面白い。
悟空が来てからまだ二日だというのに、ルイズはもう何日分もの体験をしたような気さえしていた。
過去において、1日1日がこれほどまでに充実した学校生活は無かったと言っていい。
ルイズは、初めて学校生活が楽しいと思い始めていた。



夕食時、悟空が17杯目のシチューを空にしようとしている頃、厨房にタバサがやってきた。
手にはトゲトゲのついた菜っ葉を大量に抱えている。

「おう、嬢ちゃんか! 毎度毎度すまねえな」
「いい」

ガリア王国での任務の帰り、現地付近の山林でタバサが大量に収穫していたハシバミ草だった。
一部は帰りのおやつに少しずつ齧り、残りは厨房での肉料理に使う添え物として消費する。
タバサにとって、読書の次に位置する数少ない楽しみのひとつだった。
マルトーに野菜を手渡し、悟空をちらりと見る。

「よう。あれ、帰りに摘んでったやつか?」
「そう」
「見た事ねえ草だけど、何ていうんだ?」
「ハシバミ草」
「うめえのか?」

タバサの眼鏡がきらりと光った。


637 :サイヤの使い魔:2007/10/05(金) 08:54:53 ID:0+q97Fa0
「私の好物」
「オラもちょっと貰っていいか?」

こくり、とうなずき、マルトーに渡した中から葉を数枚千切って悟空に渡す。

「おい、そいつは苦くて好みは個人差が――」

マルトーの忠告を聞く前に、既に悟空はハシバミ草を口に入れていた。
そして、

「うぎゃああああああ―――――!!!!!」

悟空の断末魔の絶叫が厨房を通り越して食堂まで聞こえてきた。

夕食を食べ終え、食後の紅茶を楽しんでいたルイズは、厨房の方から聞こえてくる使い魔の絶叫で盛大に茶を吹いた。
飛沫で濡れた顔を拭く間ももどかしく、全速力で厨房へと駆け込む。

「な、何事? ゴクウ!?」

そこには、地面に倒れて喉元を掻き毟る使い魔の姿があった。
傍らにはタバサが呆然と立ち尽くし、その背後には涙目のシエスタと動揺するマルトーがいた。

「ちょっと! 私の使い魔に何したの!!」
「ハシバミ草を食べた」
「は…? ハシバミ草……」

その一言で合点がいった。
ハルキゲニアの住人ですら、あれを好んで食べる者は少ない。ルイズも駄目な口だ。
それを異世界の人間が口にしたとあっては、その衝撃たるや推して知るべしである。

「そりゃご愁傷様ね……」

心底同情して悟空を見つめる。ハシバミ草は後味も強烈なのだ。
悟空は未だもがいていた。
まるで超神水を濾過してできた残りカスを更に凝縮したような味である。とにかく苦い。
あの味を体験していなかったら、とっくに吐き出していたことだろう。
ようやく喉を抉るような苦味が引いてきた頃、悟空の胃に驚くべき変化が起こった。
空腹感が消えている。
あまりにも強烈な味にびっくりした胃が生命の危機を訴え、過剰反応を起こした悟空の中枢神経が、胃にこれ以上この劇物を投入させないために猛烈な勢いで満腹感を伝達していたのだった。
大飯食らいのサイヤ人の胃でさえも降伏させるハシバミ草の苦味。
ゆい姉さんもびっくりだ。

「な、何かわかんねえけど、オラ腹いっぱいになっちまった……」

荒い息をつきながら悟空が呟く。

「ええっ!? まだまだこんなに用意してあるのに!」

傍らに置かれた、自分の胸ほどもある高さの大鍋にまだ半分以上残っているシチューを指してシエスタが訴えるが、入らないものは入らない。
勿体無いので、残りはタバサとルイズ、そして何事かと集まってきていた生徒達の中からの希望者によって消化され、その殆どはタバサの胃に収められた。



ルイズを先に帰し、ようやくハシバミ草のダメージから回復した悟空が寮に辿りついたのは、それから2時間後のことだった。
ルイズの部屋に入ろうとすると、またもあのサラマンダーが姿を表した。
今度は悟空のズボンの裾を咥えて、再びキュルケの部屋に連れ込もうとする。


638 :サイヤの使い魔:2007/10/05(金) 08:57:47 ID:0+q97Fa0
「お、またおめえか…。何だってんだ、一体……?」

今度は悟空もキュルケの部屋に入ってみる事にした。

入ると、部屋は真っ暗だった。サラマンダーの周りだけがぼんやりと明るく光っている。
暗がりから、キュルケの声がした。

「扉を閉めて?」
「何の用だ?」
「いいから、まずは扉を閉めて欲しいの」

悟空は、警戒しながらも言われた通りにした。
ツェルプストーには気をつけろ。ルイズの記憶が、そう警告している。

「ようこそ。こちらにいらっしゃい」

悟空はいつ襲ってきても大丈夫なように、気配を殺し、静かにキュルケの気の方へと歩を進めた。

「来たぞ」
「きゃあ!?」

暗闇の中でキュルケが驚きの声をあげる。
本当は、入り口から彼女の元まで並べられた蝋燭に順繰りに火を点けていく演出のはずだったが、暗闇だろうと何だろうと気さえ感じられれば問題無い悟空の前では児戯にも等しかった。
気を取り直して、指を弾く。
入り口からキュルケの元まで、蝋燭の火による道標が燈された。
悟空の眼前、ぼんやりと、淡い幻想的な光の中に、ベッドに腰掛けたキュルケの悩ましい姿があった。
身に着けているのは殿方を誘惑するためのベビードール。
キュルケは魅力的な男なら、平民だろうと幽霊だろうと宇宙人だろうと構わず食っちまう女だった。
にっこりと笑って、悟空に隣に座るよう促す。
だが、悟空は相変わらずキュルケの前に立ったまま動こうとしない。

「おめえ、何企んでんだ?」

ムードもへったくれもない台詞を悟空が吐く。
キュルケは大きくため息をついた。そして、悩ましげに首を振った。

「あなたは、あたしをはしたない女だと思うでしょうね」
「はしかの女?」
「思われても、仕方がないの。わかる? あたしの二つ名は『微熱』」
「風邪でも引いてるんか」
「あたしはね、松明みたいに燃え上がりやすいの。だから、いきなりこんなふうにお呼びだてしたりしてしまうの。わかってる。いけないことよ」
「オラと戦いてえのか」

いまいち会話がかみ合ってない気がするが、キュルケは構わず続ける。

「でもね、あなたはきっとお許し下さると思うわ」

キュルケは潤んだ瞳で悟空を見つめた。どんな男でも、キュルケにこんな風に見つめられたら、原始の本能を呼び起こされるに違いない。
普通の人間なら、だ。
人間には、一般的に「食欲」「性欲」「睡眠欲」の三つに分類される「三大欲求」というものがあり、生理機能が酷似しているサイヤ人にも似たようなものはあるが、その内訳は少々異なる。
サイヤ人の場合、「食欲」「戦闘欲」「睡眠欲」が三大欲求とされ、「性欲」は発情期の雌を除き、極めて微小である。
故に、サイヤ人の繁殖は基本的に女性主体で行われる。悟空もベジータも、ベッドの上では基本的にマグロと化すのだ。
尤も、ベジータの場合「寝込みを襲われた」という方が適切かもしれない。

「許す? 何をだ?」
「恋してるのよ。あたし。あなたに。恋はまったく、突然ね」
「悪いけど、オラ結婚してんだ」
「え?」


639 :サイヤの使い魔:2007/10/05(金) 08:59:06 ID:0+q97Fa0
全く予想外の発言にキュルケが固まる。が、すぐに気を取りなおす。

「そんなの関係ないわ。恋の前では全てが意味を失うのよ」
「いや、そうはいかねえ。オラはチチと結婚すっ時に、死んでも互いを愛する事を誓うって約束したんだ」

チチが言うには、夫婦は結婚している間はもちろん、相手が死んだ後も一生その相手を愛し続けなければならないのだという。
根が素直な悟空は、律儀にそれを守った。
そして、チチもそれを守っていた事は、後年第二子が生まれた後の話によって証明される事となる。
そんなやり取りなど知るはずもないキュルケが追い込みにかかる。

「でも仕方ないじゃない、恋は突然だし、すぐにあたしの身体を炎のように燃やしてしまうんだもの」

キュルケがそう言った時、窓の外が叩かれた。
そこには、恨めしげに部屋の中を覗く、一人のハンサムな男の姿があった。

「キュルケ…待ち合わせの時間に君が来ないから来てみれば……」
「マホニー! ええと、二時間後に」
「話が違う!」

キュルケは煩そうに、胸の谷間に差した派手な魔法の杖を取り上げ、相手を見ようともせずに杖を振った。
蝋燭の火から炎が大蛇のように伸び、窓ごと男を吹き飛ばす。

「全く、無粋なフクロウね」

悟空は唖然としてその様子を見つめていた。
こいつ、ブルマよりもっと男に対して見境が無えのか。

「でね? 聞いてる?」
「今の誰だ?」
「彼はただのお友達よ。とにかく今、あたしが一番愛してるのはあなたよ、ゴクウ」

一向に自分の隣に座ろうとしない悟空に業を煮やしたキュルケが立ち上がり、キスしようと顔を近付ける。
その時、今度は窓枠が叩かれた。
見ると、野性的な風貌の男が怒り心頭といった表情でこちらを睨んでいた。

「キュルケ! その男は誰だ! 今夜は俺と夜戦時における戦略的立ちまわりについて討論するんじゃなかったのか!」
「タックルベリー! ええと、四時間後に」
「そいつは誰だ! キュルケ!」


640 :サイヤの使い魔:2007/10/05(金) 09:01:28 ID:0+q97Fa0
怒り狂いながら、タックルベリーと呼ばれた男は部屋に入ってこようとした。キュルケが再び杖を振る。
最初の男と同じように、彼もまた、火にあぶられ地面に落ちていった。

「……今のも友達なのか?」
「彼は、友達というよりはただの知り合いね。とにかく時間をあまり無駄にしたくないの。夜が長いなんて誰が言ったのかしら! 瞬きする間に、太陽はやってくるじゃないの!」

キュルケは、悟空に唇を近付けた。
窓だった壁の穴から悲鳴が聞こえた。窓枠で、三人の男が押し合い圧し合いしている。
三人は同時に、同じ台詞を吐いた。

『キュルケ! そいつは誰なんだ! 恋人はいないって言ってたじゃないか!』

こいつらはこの場に集まった時点でそれを疑問に思わなかったのだろうか。

「マルティン! ダグラス! ハイタワー! ええと、六時間後に」
『朝だよ!』

三人仲良く唱和する。キュルケはウンザリした声で、サラマンダーに命じた。

「フレイムー」

きゅるきゅると部屋の隅で寝ていたサラマンダーが起き上がり、三人が押し合っている窓だった穴に向かって炎を吐いた。三人は仲良く地面に落下していった。

「…もういい。おめえがどんなヤツなのか、オラよーく判った」
「あ! 待って!」

悟空もまたウンザリしていた。
踵を返し、キュルケの静止も聞かず、入ってきたドアを開ける。
そこには、今まさにドアを開けようとしていたルイズがいた。

「あ…」
「よう」

呆気に取られていたルイズだが、ここが何処で、自分の目の前にいるのが誰なのかを再認識すると、その顔が怒りで赤くなった。

「あ、あんた、こここんなところで何やってんのよ……!」
「いや、あいつに引っ張り込まれてよ」

肩越しにキュルケの使い魔を指差す。
それで事態を悟ったルイズが、今度はキュルケに吼えた。

「ツェルプストー! 誰の使い魔に手を出してんのよ!」
「まだ出してないわよ。それに仕方ないじゃない。好きになっちゃったんだもん。
 恋と炎はフォン・ツェルプストーの宿命なのよ。身を焦がす宿命よ。恋の業火で焼かれるなら、あたしの家系は本望なのよ。貴女が一番ご存知でしょう?」

キュルケは両手をすくめてみせた。ルイズの手が、わなわなと震えた。


641 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 09:01:46 ID:vh41rqAM
支援

642 :サイヤの使い魔:2007/10/05(金) 09:02:49 ID:0+q97Fa0
「来なさい、ゴクウ」
「ねえルイズ。あたしは本当に彼になにもしてないわよ。ていうか、させてくれなかったの」
「は?」
「彼ってばとっても身持ちが堅いのよ。もう難攻不落もいいとこ。既婚者でこんなに真面目なヤツ、今まで見た事無いわ」
「ええーっ!? あ、あんた、結婚してたの!?」
「ああ、そういや言ってなかったっけか」
「言ってないし聞いてない!」
「ま、そういうわけだから、痴話喧嘩するなら自分の部屋でやってね」
「誰と誰が痴話喧嘩よっ!」

ルイズは悟空の手を握ると、さっさと歩き出した。



部屋に戻ったルイズは、身長に内鍵をかけると、悟空に向き直った。
着衣が乱れた様子も、あの忌々しいツェルプストーの唇が触れた形跡もない。

「本当に何もしてないんでしょうね」
「してねえって。それにしても一体何なんだあいつ。最初部屋が真っ暗だったから、襲ってくんのかと思ったぞ」

ルイズは長い溜息をついた。

「いい、あいつはね……」

ルイズによる、ヴァリエール家とツェルプストー家の間に繰り広げられる、二百年の長きに渡る諍いの歴史についての講義が始まった。


643 :サイヤの使い魔:2007/10/05(金) 09:04:50 ID:0+q97Fa0
今回は以上です。支援ありがとうございました。
デルフ購入までを書くはずが、脱線してもうた…

644 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 09:10:26 ID:W3gr60XB
乙!
途中のキュルケとの会話が噛み合ってねえwww
GJ!!そして今度はデルフに期待。折れないよね?

645 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 09:34:19 ID:qX91Na6w
投下乙です。
悟空に色仕掛けはとことんまで意味ないよなw


>>644
自分を知れ……、そんなオイシイ話があると思うのか? お前のような駄剣に。

646 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 09:36:33 ID:PPKLTQl2
GJ
個人的には間違いなくデルフ要らない子なんで折れても構わないと思ってる(w

647 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 09:37:54 ID:VLIyO5lV
悟空でもアレはだめだったか……w

648 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 09:50:40 ID:FRWkV4xm
デルフと如意棒だったらどっちが硬いんだろうか

649 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 09:53:25 ID:KbuvS9hS
むしろデルフが伸びる。
のちの如意デルフである。

650 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 09:54:12 ID:TYJ3gGi2
如意棒は意外と『しなる』からな、折れ難い点で言えばデルフ以上じゃないか?
って言うか腹一杯って仙豆かよハシバミ草。

651 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 10:04:07 ID:W3gr60XB
デルフが伸びるってそれなんてガンツソード?

652 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 10:16:20 ID:OHBTW5f/
マホニーだのタックルベリーだのハイタワーだのって、ポリスアカデミーかよw

653 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 12:00:33 ID:WQEIyu1a
遅レスだけどゼロと竜の世界の人GJ!
次に彼女が竜を釣る時、側にいるのは誰なんだろう?
普通に考えたらアンリエッタだけど、アンアンとルイズは既に知り合いだし・・・
続きが気になるぜ!

654 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 12:01:06 ID:zhbkQeT0
悟空もベジータもマグロだという事実に戸惑いを隠せません

655 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 12:14:59 ID:vpcMDoBy
性欲にかられて動いたら、つい力入って殺しちゃいそうじゃん?w

656 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 12:22:36 ID:9IIFEgPf
攻めもイケるユリア100式VS基本マグロな悟空
どちらもゼロ魔クロスにあるから

657 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 12:29:14 ID:W3gr60XB
本気でやったらチチが死んでしまうw

658 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 12:31:24 ID:VRgtamsV
キュルケの誘いにのったキャラって今までにいったけ?

まあ、のっても板の都合上書けないか。

659 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 12:33:55 ID:xSDVCZrp
誘いに乗ったってていうのはどこまで行くんだ。
キュルケが誘って、OK出せば後からルイズが来ておじゃんになってもいいのか。
それとも、やることやっちまわないと誘いのに乗ったに入らないのか

660 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 12:40:27 ID:VRgtamsV
>>659
漠然とした疑問だったからあんまり明確に考えてなかったけど、とりあえず前者で。

661 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 12:53:53 ID:W3gr60XB
>>659
ルイズが来たらルイズも混ぜるんだ!


ごめん自重するわw

662 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 13:04:38 ID:+7X/CLnd
早漏王ならルイズが来る前に終われる
3クリックだ!

663 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 13:11:36 ID:FRWkV4xm
>>658
自分から誘いに乗ってキスした奴がいたはず

664 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 13:18:39 ID:WQEIyu1a
どうでもいいけどお勧め2ちゃんねる見るとこのスレではシン・アスカ大人気だな、おいw


665 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 13:21:11 ID:07Qkrpqy
IEで2ch見てる奴ってなんなの

666 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 14:07:11 ID:/LQ5peWF
未だにブラウザがIEのままなのもどうかと。

667 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 14:08:04 ID:9DxBPxN3
>>665
基本IEですが何か

668 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 14:08:54 ID:oIdb3zDI
そういえば今日IE7への強制更新こなかった?

669 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 14:38:59 ID:b5WjyOD7
そういや、VF5やろうとしたら「カード作らないんすか」とか言われたなぁ。
作らなければ、やっちゃいけないんだろうか・・・

670 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 14:43:37 ID:9IIFEgPf
>>669
新規かと思った古参が対戦で自分の勝率稼ぎたいからカード作らないかって聞いたんじゃない?


671 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 14:57:26 ID:b5WjyOD7
なるほど(苦笑 サンクス!

672 :金剛石 の人:2007/10/05(金) 15:17:43 ID:Av7HK5ko
サイヤの人、乙でした!
ところで、小ネタの投下よろしいでしょうか?

673 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 15:19:45 ID:lXgjeEsN
カモン

674 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 15:20:24 ID:M8OkHcie
歩道が

675 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 15:21:37 ID:9IIFEgPf
いやここはむしろ車道を

676 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 15:22:13 ID:TYJ3gGi2
歩行天国だ

677 :金剛『板前服を着たネコ』1:2007/10/05(金) 15:23:29 ID:pNhPBt85
それでは、小ネタと言うにはちと長めですが、投下です。

『板前服を着たネコ』


 カシャッ……。

 周囲の生徒たちの羨ましそうな視線の中、ルイズはナイフとフォークを置いた。

 「ごちそうさま。ペロ、今日も美味しかったわ」

 礼を言うと、給仕を兼ねてそばに控えていた彼女の使い魔は嬉しそうに頭を下げた。

 「ニャハッ、そう言ってもらえると、料理人冥利に尽きますニャ」

 全寮制のトリステイン魔法学院に所属する生徒達は、通常はこのアルヴィーズ食堂で食事をとることになっている。
 コック長のマルトーは、王都でも知る人ぞ知る有名な料理人だったのを、院長のオスマン自らが引き抜いてきたほどの腕前だ。腕に比例してプライドの高い彼は、自分が選んだ以外の者を厨房に入れようとはしない。
 そういった環境の中で、例外的に調理を許されているのが、ルイズの使い魔だった。
 召喚されてほどなく厨房へと出入りするようになった"彼"は、マルトーにその技量を認められ、(稀に彼女が友人達をもてなす時を除いて)唯一ご主人様のために朝晩食事を作っているのだ。
 マルトーが認めるほどの腕前の料理人が、ルイズの細かい好みに合せて腕を振るっているのだ。美味しくないはずがない。
 しかも、この使い魔は、地図にないほどの異郷の地から来たらしく、珍しい料理をたくさん知っているのだ。暇を見つけては、マルトーとレシピの交換をしているようだし、まだまだ腕を上げてくれるだろう。
 さらに、栄養面のバランスも考慮してあるとのことで、実際この1ヶ月でルイズの身長は2サント近く伸びていた。それでいて、腰回りは変わらず、ヒップは緩やかな丸みを帯びてきている。
 この調子で成長すれば、半年もすれば貧弱なお子様だなどとは呼ばれなくなるだろう。バストの発達がいまいち芳しくないのはちょっと悔しいが……。

「あっ、ご主人様、今日は秘境に行けそうな予感がするニャ」

 食堂を出る前に、彼女の使い魔が声をかけてくる。

「あら、久しぶりね。……そうね、ちょうど薬の材料もそろそろ心もとないし、先生に許可をもらって出かけましょ。ペロ、アンタも用意しておいて」

 ルイズはちょっと考え込んだのち、本日は自主休講をとることに決める。幸い、今日の午前はコルベールの授業だ。事情を知る彼なら、ルイズのサボリも黙認してくれるだろう。

「了解ですニャ!」

 元気よく返事する彼の頭をちょっと撫でてから、ルイズは部屋に向かった。

678 :『板前服を着たネコ』2:2007/10/05(金) 15:25:21 ID:pNhPBt85
「ちょっと、ルイズ! 今日は久しぶりに遠出なんですって?」

 自室のドアを開けようとしたところで、声をかけられた。

「そのつもりよ。で、何か用かしら、キュルケ?」


 以前なら、こんな時、数少ない友人(まぁ、家同士の因縁上、おおっぴらに認めるわけにはいかないが)である、キュルケに対してさえ、ケンカ腰で「なんか文句ある!?」とでも噛みついていただろう。
 しかし、春の召喚でペロ――まるでおとぎ話のように、服を着て直立2足歩行するネコを召喚して以来、不思議と心に余裕が生じているのがわかる。

 ペロはドラゴンやグリフォンなどのように強力な使い魔ではないが、非常に多芸なネコ(本人は"アイルー"と自称していたが)だった。
 以前働いていたところでも小間使い兼料理人のようなことをしていたらしく、ルイズの身の回りの世話から掃除、洗濯、さらには料理まで、何でも器用にこなしてくれる。
 そして、有能である以上に、その愛くるしい仕草やおどけた物言いでルイズの心をやさしく暖めてくれる、素敵なマスコットでもあった。
 残念ながら、感覚の共有はできなかっだが、それでもルイズは、この小さな執事の存在に十分満足していた。

 そして、召喚して数日後。さらにペロの株を上げるような出来事が起こる。
 些細な行きがかりから、ギーシュと決闘することになったのだ。
 ちょうど間の悪いことに、ルイズが昼食を食べて満足して部屋に戻ったところでの騒ぎだった。
 一応、ギーシュの名誉のために言っておくと、彼とてこの人語を話すちっぽけな使い魔を殺したり過剰に傷つけたりする気はなかった。
 ペロはほんの数日で学院(主に女生徒)のアイドルとなっていたので、そんなことをすれば、彼の愛する花(女性)たちから総スカンをくらうだろう。それが理解できないほど、彼も愚かではない。
 ギーシュとしては、この小生意気なネコをちょっと脅しつけて、いい気になるなよと軽くお仕置きしてやるだけのつもりだったのだ。
 実際、直立したネコが、先端にネコの肉球を模したようなもののついた棒(後で聞いたところ、ねこ?ぱんちと言う、見たまんまの名前らしい)を片手に懸命に戦おうという様子は、けなげを通り越して愛らしくすらあった。

679 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 15:25:40 ID:t4yeK588
アイルー?

680 :『板前服を着たネコ』3:2007/10/05(金) 15:26:31 ID:pNhPBt85
 ところが。
 蓋を開けてみれば、ぺロは予想外のすばしこさを披露して、ギーシュの作った青銅のゴーレムの足下をかいくぐり、ギーシュの元へと走り込んできたのだ。
 すかさず、その手にしたねこ?ぱんちをギーシュに叩きつける。

「ははは、なかなかやるね、ネコ君」

 ギーシュにはまだまだ余裕があった。
 目の前の使い魔の意外なはしっこさにはちょっと驚いたものの、所詮はネコ。
 現に、1発目の打撃は、ちょっと強めのデコピンをされたくらいの痛みしかなかった。
 あと2、3発叩かせてやってもいい。隙ができたら首根っこを文字どおりネコ掴みにして持ち上げてやればいいだろう。

 そんなことを考えていたギーシュだったが、ねこ?ぱんちの2発目が当たった瞬間、なぜか全身に電撃でもくらったかのようなショックが走る。
 いや、雷のようなダメージはないのだが、全身が痺れて動けないのには変わりはなかった。その隙に、右手の杖をはたき落とされてしまう。

「降参するかニャ?」

 一方、ぺロの方も、いつもに比べて何倍も身体が軽いことに驚いていた。
 手にしている武器は本来人間のハンター用のもので、前に仕えていたハンターから餞別代わりにもらったものだったが、まさか自分に使いこなせるとは思わなかった。
 先刻から彼に刻まれた使い魔のルーンがほのかに輝いていたのだが、そのことには、遠見の鏡越しに成り行きを見守っていたオスマンとコルベールしか気づいていない。

「ま、参った……」

 表が騒がしいのを聞きつけて出て来たルイズは、ちょうどぺロがギーシュの杖を叩き落としたところを目撃する。

 すごい! 自分の使い魔は、ネコ(アイルーにゃ!)でありながらドットメイジに勝てる戦闘力も持っているんだ!

 実のところ、これはルイズの完全な買いかぶりだ。武器に付属する麻痺効果がうまく決まったマグレに近い幸運なのだが、その場に居合わせた者は皆同様の感想を抱いた。
 結果的に、ぺロは大いに株を上げ、またギーシュは「ネコに負けたメイジ」として大いに評判を落とす。
 もっとも、彼自身、「戦いでは油断大敵」という得難い教訓を得られたし、どんな形にせよ決闘で負けたからと、平民を含む3人の女性に潔く頭を下げたことで、逆に驕り高ぶったところが減って、人間的に成長できた。
 意中のモンモランシーには「手加減していて不意を突かれたのだ」と説明して、なんとか復縁することはできたので、一応結果オーライだろう。
 いまでは、ルイズ自身を除けば、キュルケ&タバサに次ぐぺロの理解者なのだから、世の中というのはわからないものである。

681 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 15:28:51 ID:t4yeK588
モンハン支援

682 :『板前服を着たネコ』4:2007/10/05(金) 15:29:14 ID:Av7HK5ko
 ……などと言ったことをツラツラ考えながら、ルイズはキュルケの答えを待つ。

「水臭いわねぇ、あたしも連れて行きなさいよ」

「別にいいけどね……」

 彼女の顔を見たときから、こうなることは予測してはいた。
 目の前のゲルマニア女の背後にいるガリア少女にも声をかける。

「あなたも来るの、タバサ?」

 こくこく。

 無口な少女の応えに、ま、いつもの事かと肩をすくめる。

「いいわ。それじゃあ、半時間後に、学院の門の前に集合ね。遅れたら容赦なく置いていくわよ」

 授業をサボってまで、彼女たちがどこに出かけようとしているのか?
 ルイズ&ぺロ、キュルケ、タバサの4人が学院の門から一歩足を踏み出した瞬間、それは明らかになる。
 魔法学院は、トリステインの王都から少し離れているとは言え、別にとんでもにない辺境の地にあるわけではない。周囲の立地はごく有り触れた広野とまばらな森林。それだけのはずだ。
 ……しかし、それなら、今4人(3人と1匹?)の目の前に広がる、昼なお薄暗い、湿った空気に覆われた広場は何なのだろう?

「今回は沼地みたいね」

「ちょうどいいわ。麻酔薬と元気ドリンコの手持ちが少なくなってたし」

「ボクも、マルトー親方から厳選キノコとトウガラシの仕入れを頼まれていたところニャ」

「確かここ、黄金のかけらが採れるところよね。しまった、ピッケル多めに持ってくればよかったわ」

「……」 ←マイペースに採取を始めている。

 思い思いに雑談しながら(約1名、言葉を発していない者もいるが)、慣れた仕草で広場のそここに散らばり、貴重な薬草や鉱石などを採集する。

 信じられない話だが、ぺロの作った食事を食べたあと、学院の門から出ると、低い確率だが、このような見知らぬ場所(ぺロ曰く「秘境」)に飛ばされる現象が起こるのだ。
 もっとも、見知らぬとは言っても、それはルイズたちにとってのこと。ぺロ自身にとっては、ここは故郷に比較的近い土地らしい。
 最初は、どんな先住魔法が発動したのかと慌てたものの、どうやらこれがぺロの特製料理に秘められた特殊効果らしい。
 ぺロが常備している「ネコタクチケット」と言うものを使えば、一瞬で学院に戻って来れることも判明したので、すぐにルイズは観光気分を楽しむようになっていた。

 しかも、”秘境”と呼ばれるだけあって、飛ばされた先にはいつも、ハルケギニア全土を捜しても珍しい、貴重な薬草、キノコ、鉱石その他諸々のレア素材が眠っているのだ。
 また、ぺロのアドバイスに従ってそれらの素材類を調合することで、ルイズも秘薬に匹敵する高価な薬やアイテムを作り出すことができるようになった。
 袋に詰めたそれらの物品を王都の然るべき場所で売るだけで、ルイズの1ヵ月分の小使いの数倍、下手すれば10倍近いお金を得ることができた。

 しかしながら、突然金回りがよくなったルイズに不審を抱いたキュルケの追求によって、このことはすぐに彼女とその親友にもバレてしまう。
 仕方なく、ときどき彼女たちを連れていくことで、秘密を守らせることにしている。
 金儲けに聡いゲルマニア貴族のキュルケは勿論承知したし、タバサも貴重な薬の材料などが得られるということで異論はないようだ。

683 :『板前服を着たネコ』5:2007/10/05(金) 15:30:59 ID:Av7HK5ko
 さらに、この秘境(と言っても、実は4種類ほどあるのだが)に来るようになってから、ルイズは自分の魔法について、後ろ向きに考えるのは止めるようになっていた。
 それと言うのも、失敗して爆発しかしないとはいえ、逆に敵と対峙しているときには、このうえなく有効な攻撃手段になることを実感したからだ。

 秘境の中には、この土地の生物が棲息しているものもある。
 とくに火山の秘境には、体高がルイズの身長ほどもある大きなイノシシが住んでおり、人間を見つけるとすぐさま攻撃してくるのだ。
 初めて火山に出たとき、ルイズは驚いたものの、ぺロの援護を受けて何とか最初の突撃を躱すことができたのは幸運だった。
 イノシシ(ブルファンゴと言うらしい)の動きは単調だがその迫力は圧倒的で、一度でも当たれば重傷を負うだろうことは想像に難くない。
 半ばヤケっぱち気味にルイズが唱えたファイヤーボールはやはり失敗したが、それでもブルファンゴに傷を負わせ、ひるませることはできた。
 さらに2度、魔法―と言うか爆発を当てることで、見事にルイズは自分の何倍も体躯を持つブルファンゴを倒すことに成功したのだ。
 初めて己の手で生き物を殺してしまったことに僅かな罪悪感を覚えつつ、同時にルイズは幾許かの自信を得ていた。

 ――自分はまったくのゼロ(無能)じゃないんだ。
 ――もし戦場に出れば、ドットの火メイジに比肩するくらいの働きはできるはずだ。

 実際の戦場を知る者からすれば噴飯物の思い上がりだろうが、それでも相手が獣だったとはいえ命のやりとりをしたことで、彼女が一皮剥けたことは事実だった。
 いまなら、正面からギーシュと決闘しても、互角に近い戦いができるかもしれない。
 ……まぁ、ぺロに負けて以来、彼も彼なりに研鑽を積んでいるみたいだから、勝つのは難しいかもしれないが。
 とりあえず、ルイズは己の"爆発魔法"の威力と命中精度を上げられるよう、工夫するようになった。すると、おもしろいほどに効果が現われ、最近ではブルファンゴくらいなら一発で倒せるくらいに上達してきている。
 その副次的効果か、先週はついに簡単なコモンマジックを使えるようになったのだ!!

 ぺロが使い魔になってから、様々な状況が好転してきている。
 ルイズは心底自分の使い魔に感謝していた。

684 :『板前服を着たネコ』6:2007/10/05(金) 15:32:20 ID:Av7HK5ko
「うーん、大分採りつくしたかしらね。みんな、そろそろ帰りましょ」

 パンパンに膨らんだリュックを背負いながら、ルイズが声をかける。
 ぺロがチケットを掲げると、どこからともなくアイルーたちが引くネコタクが現れる。
ルイズたちを乗せて凄いスピードで走ったかと思うと、あれよあれよと言う間に、学院の門の前に放り出されていた。
 最初の頃こそしたたかに腰を打ったりしたが、最近ではルイズたちも慣れたもので、軽やかに受け身をとって、すっくと立ち上がる。

「まったく、相変わらず乗り心地は最低ねぇ、アレ。で、ルイズ、お目当ての物は採れた?」

「ん〜、まぁまぁね。毒テングタケが予定より少なかったけど。あんたはどうなの?」

「んふっふっ、コレよ、コレ」

「ニャアッ、それは黄金のかけらじゃにゃくて塊ですニャ!?」

「ホッホッホッ、これ1個で100エキューはかたいわね」

「う〜、守銭奴めぇ。タバサはどうだったの?」

「これ」

「えーと、ノヴァクリスタルと修羅原珠ね。こっちは何かしら。ぺロ、わかる?」

「おおっ、これは……落とし物の傘ですニャ! こんにゃ見かけですが、しかるべき鍛冶屋の手にかかければ、かにゃりいい性能の弩が作れますニャ」

「へー、ホント意外ねぇ。じゃあ、そっちはミス・ロングビルに頼みましょうか」

 拾い物の中には普通のルートだと売りさばきにくいものもあったが、ひょんなことで親しくなった学院長の秘書、ミス・ロングビルのツテをたどって(何でも、元貴族の傭兵に知り合いがいるらしい)、それらも相応の値段で処分することが可能になった。
 もちろん、仲介に立っているミス・ロングビルも、いくらかは手数料を取っているはずだが、それにしても貴族とは言え、一介の学生とは思えぬ金額がルイズ達の懐に入ってくる。

「ボクの方は、厳選タケがいっぱい取れましたニャ。今夜はごちそうしますニャ!」

「ねぇ、ルイズ、物は相談なんだけどさぁ……」

「あー、はいはい、今晩の食事でしょ。いいわよ、ぺロ、頼める?」

「ニャッ! もちろんですニャ。腕によりをかけますニャ!」

685 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 15:32:39 ID:lXgjeEsN
支援

686 :『板前服を着たネコ』7:2007/10/05(金) 15:34:03 ID:Av7HK5ko
 そんな風に、ルイズたちが和気あいあいとした会話をしているころ、教師のコルベールと学院長のオールドオスマンは、ひとつの懸案に頭を悩ませていた。

「すると、君は、ミス・ヴァリエールの使い魔に刻まれたルーンが、始祖ブリミルの4体の使い魔のひとつ、”ガンダールヴ”の証だと言うのかね」

「いえ、最初はそう考えていたのですが、よく見ると細部が違っているようです。
 ホラ、ここのところとここが伝承とは逆になってますし、この部分はむしろミョズニトニルンに近いようですし……」

 スケッチと古書を示しながら、オスマンに説明するコルベール。

「ふーむ。ところで、かのブリミルが最初に成功した魔法は何だか、君は知っているかな?」

「えーと、おとぎ話によれば、巨大な岩山を跡形もなく吹き飛ばしたとか……」

「そう、広範囲爆破魔法”エクスプロージョン”じゃ」

「――まさか!?」

「うむ。どんな魔法を唱えても失敗して爆発するのではなく、彼女の使える一番初歩的な魔法が”爆発(エクスプロージョン)”なのだとしたら?」

「ミス・ヴァリエールが虚無の担い手である……と?」

「可能性の問題じゃがな。直接的な証拠はないが、状況証拠は固まりつつつあると言ったところかのう」

――といった深刻な話し合いがされていたのだが、話題の主はいたってお気楽極楽に、学生生活をエンジョイしている。知らぬが仏とはこのことだろう。

 とは言え、間もなく学院を訪れる王女アンリエッタの密命に始まる一連の騒動を経て、ルイズと使い魔ペロ、そして彼女達の仲間の名前は、否応なしにハルケギニア中に鳴り響くことになるのだが……それはまた、別のお話。

687 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 15:35:15 ID:9IIFEgPf
支援

688 :『板前服を着たネコ』8:2007/10/05(金) 15:36:15 ID:Av7HK5ko
 ――神の左手”ガンダールヴ”。勇猛果敢な神の盾。左に握った大剣と、右に掴んだ長槍で、導きし我を守りきる。

 ――神の右手”ヴィンダールヴ”。心優しき神の笛。あらゆる獣を操りて、導きし我を運ぶは地海空。

 ――神の頭脳は”ミョズニトニルン”。知恵のかたまり神の本。あらゆる知識を溜め込みて、導きし我に助言を呈す。

 ――そして最後にもう一体。小さな胸に勇気と忠誠刻みしは、神の愛猫。記すことさえはばかれるその名は……”ニャンダールヴ”。


<終わり>

689 :『板前服を着たネコ』end:2007/10/05(金) 15:39:00 ID:Av7HK5ko
以上です。
すべては最後の一行が書きたくてやった。あとは蛇足。ダラダラ長くなって、申し訳ない。

<おまけ>
ペロ:アイルー(マスカット)
 得意料理 肉★★ 野菜★★
 気まぐれスキル ネコの火薬術、ネコの秘境探索術、ネコの調合術(大)
・ニャンダールヴの刻印
 虚無の担い手の使い魔に刻まれるルーン。ただし、刻まれるのは猫か、アイルー、メラルーなどそれに類する生き物に限る。なお、ニャンダールヴの力が発動すると、使い魔及びその主には、以下のような12の特性が発揮される。
 ネコの医療術−回復系の薬の使用時、回復量が上昇し、解毒草の解毒率が100%になる。
 ネコの火事場力−体力が激減すると、攻撃力&防御力が大幅に上昇する。
 ネコの火薬術−爆弾や爆破系術の威力が大幅に増大する。
 ネコの拳闘術−素手によるの攻撃力が大幅に上昇する。
 ネコの交渉術−市場でレアな商品を見つけやすくなる。
 ネコの蹴脚術−キックの攻撃力が大幅に上昇する。
 ネコの体術−身ごなしが全体に速くなる。また、回避、ガードが巧みになる。
 ネコの胆力−大型モンスターや強敵と遭遇してもひるまなくなる。
 ネコの投擲術−各種投擲武器のダメージがある程度上昇する。
 ネコの逃走術−敵からの逃走時、かなり長時間息が切れずに走り続けられる。
 ネコの特殊攻撃術−各種状態異常攻撃の利きがよくなる。
 ネコの防御術−一定の確率で、攻撃によって受けるダメージを軽減する。

690 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 15:39:48 ID:W3gr60XB
ニャンダールヴ乙!
俺もあのにゃんこ飼いたいぜ。

691 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 15:40:51 ID:9IIFEgPf
>――そして最後にもう一体。小さな胸に勇気と忠誠刻みしは、神の愛猫。記すことさえはばかれるその名は……”ニャンダールヴ”。
それは無いわw

嘘。
GJ!
ナイスガイな猫万歳

692 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 16:13:28 ID:yQfd0M8e
だめだ。
猫と言うだけでにやけて崩れてしまう……作者さん、貴方はなんという卑怯者だw
こんな飛び道具使ってGJをかっさらうとか鬼ですか。
細かな設定やイベントの料理のしかたまで手が行き届いてるとか反則物でしょうw

693 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 16:15:05 ID:bS+XjNTn
一言言わせてくれ

あんた最高だwww

694 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 16:20:12 ID:9JdVtffk
アイルーは一匹でいいからわが家に欲しいぜ…

695 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 16:28:12 ID:ywkjZmis
ぬこ〜(´Д`*)

・・・ハッ!じ、GJッ!


696 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 16:39:43 ID:Y2RQA0Gu
こ、これは、萌え死ぬ……
GJ!!
アルビオン編も期待する!

697 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 16:55:47 ID:lXgjeEsN
夜のおさんぽで秘境に出向いてすれ違うアンとルイズ→アルビオン編スルー
……さすがに無いか

ぬこGJ!

698 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 17:26:03 ID:T28DRtBL
やっぱり‘ゼロ魔二次創作’世界では、ネコは大当たりの部類ですね^^
GJッ!

699 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 17:38:17 ID:n5b52pVq
ちょwww猫ォォォォ!?wwwww

つーかコレは長編で見てみたい気がするw
GJ!!

700 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 17:54:28 ID:Pe3cRSdD
GJ!!
かわいすぐるw

701 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 18:03:06 ID:dlY2ba0z
失敗してアイルーでなくメラルー召喚……あ、ルイズの為に盗みまくるからゲリョスと変わらんかw

702 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 18:03:53 ID:mlFWVkAH

   ∧,,,,,∧
  ミΦÅΦミ ぬこ〜!! ぬこらぶり〜!!
   〃 ;;;;;ミ
 ヽ(,, JJノ

703 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 19:44:21 ID:20pBHTo/
止まった?

704 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 19:45:46 ID:n5b52pVq
それにしても既に400KBオーバー…。
前スレと同じで、このままだと1000番行く前に500KBになってしまうかもですなぁ…。

705 :ゼロのgrandma:2007/10/05(金) 19:47:41 ID:avz/AGJt
すみません。今IEなんで、容量が判らないんですけど。

予約しても大丈夫ですか?
何とか仕上がったので、連休前にいっちゃおうかな、と。

706 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 19:48:23 ID:n5b52pVq
道は開いているかと。

707 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 19:48:43 ID:5PiFF+qN
やっぱり、スレの容量って専ブラ入れないと分かんないのかな?
火狐に馴染んでるから、ブラウザ変えたくないんだけど。

そんな悩みと共に、にゃんこGJ!!

708 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 19:49:49 ID:ifKEqply
それでは支援開始

709 :ゼロのgrandma 1/6:2007/10/05(金) 19:49:54 ID:avz/AGJt
白い光。
軽い浮遊感と共に感じる、外界への柔らかな誘い。
(……あーあ。もう少しだったのに)
意識が徐々に覚醒していく時には、つい愚痴ってみたくなる。
夢の内容は覚えていない。多分、大したことのない寓話。
それでも、なんとなく惜しく思えるのはいつものこと。

顔に当たる日差しが眩しい。
まさか昼過ぎということもないだろうから、今日は快晴なわけで。
目を開けるのがもったいないほどの陽気。
もう少しゴロゴロしてもいいような気はする。どうせ休みは明後日までとってあるから。
午後からは久々に家族で出かける予定にしたけど、昨晩遅くまで起きていた子供たちは、まだ寝てるはずだ。

世間様は月曜日。
どこにいっても空いている。でも、子供たちは大人がついてないと補導されちゃうから外出出来ない。
せっかくの休みなのに、それではちょっと可哀想だ。
孫のうち上の子二人は、結構大人びてはいても、こういう時はまだまだ遊び足りないところを見せてくれる。
五月晴れの空の下、みんなでのんびりと歩き回ろう。
遊園地にいって、海辺の公園を散歩して、最後は友人の喫茶店で食事会。
来れる人はみんな呼びたい。
(そう言えば、レティも夜は空いてたはずよね)
過度のお酒を無しにすれば、何でも語り合える同僚を思い浮かべる。
お酒。
全く無い場合、落胆する顔しか想像出来ない。
(少しくらいは用意してもらおうかな)
ワインの一本くらいなら大丈夫かも。
そう考えて、リンディは楽しそうな笑みを浮かべた。

「――あ」
不意に思い出す。
(洗濯物、結構溜まっちゃってる)
昨晩はそんな暇は無かったし、家族が勢揃いしている分、相当な量が積まれているはず。
晴れた空に干した布団や肌着には、乾燥機で乾かしたのと別の魅力がある。休みの時にしか味わえないし。
(よし!)
起きる決心をする。
そしてリンディは体を捻り、
「うひぇ?!」
ビシリ、と走った痛みに悶絶した。

710 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 19:50:59 ID:n5b52pVq
支援であーる!

711 :ゼロのgrandma 2/6:2007/10/05(金) 19:51:09 ID:avz/AGJt
「うあ痛たたた。何なの?!」
寝違えたのだろうか? 首筋が無茶苦茶痛い。背中が痛い。肩が重い。――というよりも。
「〜〜〜〜っ!!?」
もう何だか、体中がやたらと痛い!
全身まとめて筋肉痛?
なんで?
ジタバタのたうち回って、出来る限り痛くない姿勢を探す。
あうぅぅぅ、と涙声を出しながら何とか落ち着いたのは、うつぶせで枕に顔を埋めてからだった。両手でそれを抱え込む。
「――あれ?」
この枕、自分のとは違うような?
首筋の痛みにびくびくしながら、そっと横を見る。何故か年代モノっぽいタンスが一つ。
(えーっと)
口元が引きつりそうになる。が、続いて体を仰向けにしてみたり。いや、やたらと痛いのはとりあえず無視で。
豪奢なベッドだった。
部屋はそれなり。ベッドを含めてしっかりとしたアンティークが並んでいるから、実際の広さの半分に感じられるかもしれない。
長い長い沈黙の後、リンディは大仰に頷いた。
「うん」
納得した。
これは、完全に見覚えの無い部屋だ。
体が痛くなければ、このまま二度寝したいところだったが、
「……不思議と、生きてるのよね」
残念ながら、全て思い出してしまっていた。

「あ」
「あら」
いきなり開いた扉に視線を向けると、慌てた顔のルイズと目が合った。
にっこりと微笑みかける。
「おはよう。いい朝ね?」
「……もう昼過ぎよ」
部屋の入口に立ったまま、呟くように言う彼女。
そのまま、口を閉じて睨み付けてくる。
不意打ちだったからだろう。部屋に入るタイミングを逃した、という態度が露骨に見える。
「ここ、あなたの部屋?」
「そうよ」
ぶすっとした顔と声で言い、ルイズはどかどかと足音を立てて近寄ってきた。
ベッド脇からじろじろと無遠慮に眺めてくる姿にも、リンディは笑顔を崩さない。
見れば、ルイズの目の下には薄く隈が浮いている。
本人が直接看病してくれたのかどうかは知らないが、寝不足になるまで付き合ったのは、間違いなかった。

712 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 19:51:37 ID:ifKEqply
支援

713 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 19:52:20 ID:pbTHLkTi
支援&現在411KBで2話は17KB前後でしたので問題なし

714 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 19:52:42 ID:ifKEqply
支援

715 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 19:53:22 ID:c7W9z+h0
IEでも容量表示出るよね?支援

716 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 19:54:26 ID:ifKEqply
<<715
僕のところでは出てる。支援

717 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 19:54:51 ID:fp4WaoIR
>>707
画面の一番下まで行けば見られる。

こんな風に↓表示されてる筈



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718 :ゼロのgrandma 3/6:2007/10/05(金) 19:56:25 ID:avz/AGJt
「思ったより元気そうね。昨日は死んじゃいそうな顔してたのに」
「そう?」
手のひらを顔に当てようとして――やめる。
「うーん、まだ体中が痛いんだけどねー」
「どこか怪我残ってるの? 一応、全部見てもらったはずなんだけど」
「全部?」
気付けば、清潔そうな寝巻きに着替えさせられていた。肌触りの良さからすると、それなりに高価なのかもしれない。
そう言えば、下着も上下換えられている。
自分の胸元を見ている姿に、ルイズが顔を背けながら怒鳴る。
「か、感謝してよね。急いで用意させたんだから。そんなサイズなんて無いから、わざわざあんなヤツにまで聞きにいったんだからね!」
(可愛い……!)
顔を赤くした様子に、リンディは抱きしめたい欲求を必死にこらえた。
欲望に忠実に従ったあげく、筋肉痛による悶絶死という結果は願い下げだ。

「?」
ふと、視界の隅に、赤いものが映る。
「後ろに、何を持ってるの?」
「う」
動きを止めたルイズ。
やがて渋々と『それ』を差し出してきた。綺麗に洗われた、見覚えのあるフライパン。
「……これ、昨日の夜、あんた――リンディを運んだ後、見に行ったのよ。なんか大事そうにしてたから」
「そう」
「最初は、なんか光るものに囲われてて触れなかったんだけど、しばらくしたら、いきなり落っこちて」
その時のことを思い出したのか、ルイズは顔を青ざめさせた。
「急いで戻ったら何も変わってなくて。でも、顔色は真っ青で」
絶句し、俯いて震えるルイズに、リンディはそっと語りかけた。
「死んだ、と思ったのね?」

719 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 19:57:35 ID:1xjvUdYq
投下速度凄すぎるだろ!支援。
このスレも1000まで行かなさそうだな……凄いぜ最近の密度は。

720 :ゼロのgrandma 4/6:2007/10/05(金) 19:57:54 ID:avz/AGJt
「思ったわよ!」
ルイズは勢いよく顔を上げた。目尻に、微かに浮かぶ滴。
「何回も何回も失敗して、やっと呼び出せた使い魔が、結局わたしの失敗で死んじゃうのよ? そんなのあんまりじゃない!」
怯えた顔には、悲しみよりも恐怖の色が濃い。
コントラクト・サーヴァント。どこを間違ったかなんてわからない。だけど、自分はおそらく大失敗したのだ。
そのせいで、目の前の人を死なせる――いや、殺してしまうかもしれなかった。
そうだ。
使い魔になると言ってくれたリンディは意識を失い、綺麗に輝いていた羽も無くしてしまった。
何て言えばいいのかわからない。謝ってどうにかなるとも思えない。
結局、使い魔にする前だったのだから、主人としての責任を感じる必要は無い?
そういうことではないのだ。
自分、ルイズ・ド・ラ・ヴァリエールは、誇りを捨てるような逃げ方なんて、絶対にするわけにはいかないのだから。

ぽろぽろと涙をこぼしながら俯くルイズを、リンディは、ただ黙って見つめていた。

「ふぅ」
大きく溜息をつくと、リンディは軽く目を閉じた。
沈黙に耐え切れなくなったのか、ルイズは「飲み物を取りに行く」と言って駆け出していった。しばらく戻るまい。
「少し、反省、かな?」
申し訳無さそうに呟く。
ルイズが何を悲しんでいるのかは理解出来る。失敗した悔しさに罪悪感、自責や悔恨等々。
その多くが的外れなものだ。
彼女の儀式は成功している。多分、完璧に。あのまま行けば、無事に使い魔を得られていただろう。
それを阻んだのは自分なのだ。
自分勝手な都合、それも半ば騙すような形で。
もしあのまま死んでいたら、彼女の心に、取り返しのつかない傷を残すところだった。

721 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 19:58:14 ID:fp4WaoIR
おっと、支援

722 :ゼロのgrandma 5/6:2007/10/05(金) 19:59:30 ID:avz/AGJt
「だからと言って、本当のことを話すわけにもいかないか」
そう割り切るしかない。
昔はもっと冷徹な判断を出来ていたとは思うが、やはり随分と甘くなったのだろうか。
痛みをこらえて体を起こす。深呼吸し、自己分析用の魔法陣を、慎重に描いていく。
しばらくその状態を維持したあと、リンディはゆっくりと目を開けた。
そっと胸に手を当てる。
「やっぱりね」
リンカーコアが、通常時より大きく減衰している。
昔、あるロストロギア関連事件で見られた、外部からダメージを与えられた状態に、よく似ているのだ。
おそらくは、異質だが親和性の高い魔力に、短時間で大量に触れた結果だろう。過負荷を重ねた挙げ句、縮退稼動に入ったということだ。
その結果として。
今現在、自分は高濃度の魔力が満ちたこの場所で、何とか生き長らえている。
ついでに言えば、この状態でもそこそこ魔法は使えそうだ。

(まあ、それにしても)
よくぞ身体が崩壊しなかったものだ。
結果だけ見れば最良。過程だけ見れば最悪。
頭の中で怒鳴り散らすレティに苦笑する。これだから自分は、いつまで経っても怒られ癖が抜けない。
それに、これは一時しのぎに過ぎない。リンカーコアが回復してくるとどうなるかわからないからだ。
回復中に環境に馴染んでくれれば良いが、そうでないと、どこかのタイミングでまた過負荷状態を作り出さねばならないか?
(それはゾッとしないわね)
次も上手くいくとは限らないから。幾らなんでも、そこまで幸運に頼れるのは、楽天家というよりただのナルシストだ。

「とにかく、今最重要なのはこれよね」
ベッドを見渡す。この部屋の主、ルイズの精神的負担を減らしてあげないといけない。
それは自分の義務である。
うーん、としばらく唸った後、何とか頭の片隅に残っていたことを強引に引っ張り出す。昨晩に聞いた、ルイズとコルベールの会話。
(使い魔のルーンを刻む、って言ってたわ。と言う事は、儀式が成功したら、何らかの文字が体のどこかに刻まれるってことかしら)
完全な成功の場合なら、正式な書式通りでなければならないだろう。が、自分の場合は、既にイレギュラーなことは明白なのだから。
要は、それっぽければいいはず。

(なんでもいいわよね。後で直せるくらいのを火傷かなんかで。あんまり痛いのはヤダから、薄ーく)
皮膚に適当なミッドチルダ文字を刻もうと、リンディが小さな魔法陣を描いたとき――
いきなり、部屋の扉が開いた。

723 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 20:03:18 ID:n5b52pVq
支援!!

724 :ゼロのgrandma 6/6:2007/10/05(金) 20:03:26 ID:avz/AGJt
「あら、ルイ……ズ?」
「え、と」
そこに立っていたのは、ルイズではなかった。
黒髪の、下働きのような服装をした少女。腕にはティーセットを掲げている。
ぽかん、とリンディは魔法陣を消すことも忘れ、少女の顔を眺めていた。同様に、少女もリンディと、その手の魔法陣を凝視している。
「…………」
「…………」
しばらくの沈黙の後。
「ええっと、どなたかしら?」
「え、あ。はい!」
少女は慌てて居住まいを正すと、部屋の扉を閉めて一礼した。
「シエスタと申します。こちらを持っていくよう仰せつかりました」
「そ、そうなの。ありがとう」
ルイズが頼んだのだろうか? ややぎこちなくなったが、リンディは納得したように頷いた。
「ノックが聞こえなかったから、びっくりしちゃって。ごめんなさいね?」
「申し訳ございません。その、何度か叩いたつもりだったんですけど」
「あー、そう言えば聞こえたような聞こえなかったような」
考え事にふけっていたから、聞き逃したのかも知れない。最近、気を抜き過ぎだと反省する。
「そちらの机に置いておいて。後からルイズさんも来るんでしょ?」
「はい。それで、あの、それは」
「え? ああこれは何でもないの」
シエスタの視線が魔法陣に向けられているのに気付き、リンディは持ったまま腕を隠した。消滅させると言い訳が難しい。
魔法がどれだけ一般化してるかは知らないが、ミッドチルダ式魔法陣なんて、出来る限り人目に触れない方がいい。
「装飾品の一種よ。高価なものだから、つい眺めるのに夢中になって。そ、それでノックに気付かなかったのね」
あはは、と笑うリンディの様子に、シエスタは首を傾げる。
「でも、今の、宙に浮いていたような」
「あー、えーと、その。そ、そう! 魔法の品物なの。魔法の。ね?」
我ながら苦しい言い訳かとも思ったが。
「ああ、マジックアイテムなんですね。凄く綺麗なものもあるんですねえ」
意外と、通じたようだった。どうやらこの世界のマジックアイテムとは、様々な種類があるらしい。

「それでは失礼いたします」
深々と頭を下げると、シエスタは扉を閉める。頭を上げ、一歩だけ後ろに下がった。
大きく息を吐く。
嘘を見破られなかったことに安堵したからだ。彼女はノックなどしていない。
それが良かったのか悪かったのか。
震える腕を抑えつける。カチカチと歯が鳴っているのは仕方が無い。あんなものを見た後では。
昨晩、学院のすぐそばで起きた恐ろしい光景。眠れなかった自分が門の側から見たものは、先程の女性が原因だったのだ。
「――リンディ・ハラオウン、さん」
それは、部屋を退出する寸前に聞いた彼女の名。緑色の光。長い髪。持っていた不思議な丸い板。そして。
シエスタは踵を返した。頭に残ったことと、残すべきではないことを整理するために。

725 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 20:03:32 ID:PPKLTQl2
支援

726 :ゼロのgrandma:2007/10/05(金) 20:05:24 ID:avz/AGJt
投下完了です。

残容量…ああっホントだ。こんなに大きいのに?!
ありがとうございました。

今回リンディさん、ベッドから一歩も動けず。 ……すみません。
どうにも進行が遅くて。

次は連休明けくらいに。多分、きっと。

727 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 20:08:59 ID:n5b52pVq
シエスタ、リンディさんを恐れていますなぁ…まぁ、無理も無い気がしますけど。
ともあれGJ!

728 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 20:40:22 ID:/LQ5peWF
>>707
専用ブラウザって、要は2ch用のブラウザって事だから、
IEや火狐とはまた用途が違うよーな。

火狐はそのままに2ch用に別に立ち上げる感じ。

729 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 20:47:32 ID:DL7JR7Pb
リンディさんはPCの原作じゃユーノのポジションの妖精。
ユーノがフェレットになっていたのと同じ理由(体力消耗と魔力適応)で、リインUと同サイズになれますぜ。

なにはともあれGJ

730 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 20:54:56 ID:QGziSrdT
なのはSSって好きじゃなかったんだけど、ここのゼロ魔&なのはクロスは、三つとも面白いと感じるから不思議

731 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 21:09:17 ID:Th0t9pkj
乙。

732 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 21:13:49 ID:DqwIlFkY
IEなら壺でも使ってけばいいさ

733 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 21:22:33 ID:QjsAqNSY
きっと世界に対応するため妖精リンディさんになるんだな

734 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 21:28:10 ID:fjaTX2bD
そのリンディさんお持ち帰りしたい

735 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 21:39:25 ID:PPKLTQl2
>>733
そしてハートマークに羽の付いた魔法の杖「レイジングハート」をルイズに渡すんだな
リリカル マジカル テクニカル

736 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 21:45:58 ID:VHs3RVPK
最後にリンディさんが自ら、あるいはルイズの力で帰還するのなら
良いがミッドチルダから迎えがきたらある意味最悪だ。
ハルケギニアには人道的の名の下に言いがかりつけられる材料が山ほどあるからな

737 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 21:48:25 ID:fjy5zbE1
しかも、ハルケギニアはリンカーコア系列の魔法使いが足を踏み入れると死にかねん魔境だからな。
下手をすると、迎えに行った魔法使いが皆殺しを受けた! と、戦争状態になるかもしれん。

738 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 21:50:11 ID:DL7JR7Pb
そこは文明発達してないから管理外扱いじゃね?

739 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 21:51:03 ID:5PiFF+qN
>>717

把握した。
感謝。

そして、フェアリーお茶魔人乙

740 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 21:51:16 ID:FRSx5B9H
管理外じゃなくて観測外世界なきもするが

741 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 21:55:30 ID:qxG3yrgV
正直ハルケギニアに干渉するとは思えん

742 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 21:57:14 ID:dlY2ba0z
だが目を付けそうな人達はいる。スカリエッティさんとか

743 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 21:57:26 ID:5oLrIoIe
まあ、数多の管理局員の犠牲の後にリンカーコア対策を完成させたら
圧倒的な工業技術格差に魔法技術格差を武器に
数多の各種資源とミッドチルダ魔法技術の更なる発展を目指して
管理の名の下にハルキゲニアを経済殖民世界として…

ま、ここじゃ論外の展開だな

744 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 21:58:14 ID:Q9igSla4
トップがあの三脳なんだぜ?

745 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 21:59:52 ID:c7W9z+h0
つまりハルケギニアだと魔王様のあの呪文は全力でなくても全壊?

746 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 22:00:42 ID:0cf2W/uT
>>717
新シャアばっかだな

747 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 22:11:30 ID:FRWkV4xm
そういえば、70スレ目か75スレ目あたりでなんか企画みたいなのやらないのかね

748 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 22:12:44 ID:UzzJ2Tm5
何かやりたいのなら運営で提案してきたら?

749 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 22:13:48 ID:jnhxcqNV
ちょっと前にいきなりポケモン作品だらけになってビックリしたら企画だったって事があったな

750 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 22:16:53 ID:+qVLKqob
やるなら100スレ目だろ
この調子で進めば一ヶ月くらいには行ってるだろうし

751 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 22:22:44 ID:ifKEqply
>>750
最近ペースが落ちてきてるから100スレ目はまだ先でしょう。
このスレ三日も持っているし。

752 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 22:25:48 ID:fp4WaoIR
ま、今から企画を練って、現在抱えてる連載と平行して企画用SSを書くってのなら1ヶ月でも足らんのじゃないか?

753 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 22:31:19 ID:xicHws0S
小ネタなら三日で作りますよ(´・ω・`)

754 :夜天の使い魔 ◆Rein4tm63s :2007/10/05(金) 22:36:42 ID:1xjvUdYq
何時も雑談が面白そうな時に限って水を差しに来る俺。
誰も予約してる人が居ないなら投下したいんだが良いだろうか?

755 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 22:36:50 ID:UzzJ2Tm5
企画なんだから一人だけ先駆けても意味無いんじゃね?

まぁやるにしても、やっぱり準備期間は必要だわな。

756 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 22:38:02 ID:GBr5e7Xu
ハリーハリーハリーハリーハリー

757 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 22:38:39 ID:u46cxP6a
ばっちこーい

758 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 22:39:54 ID:rzz/7C8G
そういや今日から風魔の小次郎やるんだな

759 :不敗の使い魔:2007/10/05(金) 22:39:57 ID:g24OxU7N
>>754どうぞ。
夜天さんの後予約させていただきます。

760 :夜天の使い魔 1/7 ◆Rein4tm63s :2007/10/05(金) 22:40:27 ID:1xjvUdYq
 先に終結したアルビオン内戦を、勝利者であるレコン・キスタ――アルビオン帝国では「革命戦争」と称していた。悪しきアルビオン王家を制し正しき姿に立ち戻らせた、そのような意味合いがその名には籠められているのだろう。
アルビオン新政府の者達は好んでこの名称を用い、先の戦いを語っていた。
 
 さて、その革命戦争で活躍した一隻のフネがある。名を「レキシントン」号、嘗て「ロイヤル・ソヴリン」号と呼ばれ、アルビオン王家の象徴ともなっていたフネだ。しかし先の戦争の折にレコン・キスタ軍が王党派より奪い取り、自分達の旗艦として使用していた。
船体の大きさは他のフネのゆうに倍を超え、その巨体と舷側に居並ぶ砲門が威圧的な印象を与える。ロイヤル・ソヴリン――「王権」という名をこのフネは存在そのもので示している、そのように見えた。
 この巨艦は先の戦いでイーグル号の特攻にあい、船首部分が粉々に砕けて致命的な損傷を負っていた。その為、今日まで突貫工事で修理が行われていたのだ。
アルビオン王家が自らの力を誇示するためにこのフネを用いたように、またアルビオン帝国の者達も同じようにこのフネを用いようとしていたからだ。
故に、一日でも早くこの無様な姿を晒さなくて済むよう全力で修理が行われていた。その甲斐あってかたった二週間でレキシントン号は元の姿を取り戻し、再び威容を以って鎮座していた。
 しかしこの巨艦を見慣れていた者は気付いただろう、レキシントン号が僅かに姿を変えている事に。
改修を受けたレキシントン号の舳先、そこには巨大な衝角の代わりに長大にして巨大な砲門が備え付けられていた。舷側に突き出たものよりも遥かに巨大で、その形は単純な円筒形ではなく、鋭角であるようでありながら曲面をも併せ持った不可思議な造型をしていた。
 儀装主任――船長となるものは先に儀装主任に任命されるのがこのアルビオンでの慣わしであり、つまり次期艦長――であるヘンリー・ボーウッドもこの巨大砲門の存在に疑問を持つ一人であった。
船首に砲門などつけた所で艦隊戦にはなんの役にも立たない。確かにこれだけの巨大砲なら威力も桁外れで射程距離も長いはず。しかしだからといってそれがなんなのだ? たかが強力な砲門一つが付いたところで劇的に戦闘能力が上がる訳では無い。
元の衝角の方が断然にマシだ。何を考えてこのような改修を行ったのだろう? 聞けばこれを指示したのは皇帝クロムウェルらしい。素人が口を挟む問題でもなかろう、と心の中で毒づいたところで――。
 
「何故、あんな所に砲門を付けたのか……疑問かね? ミスター・ボーウッド」
 まるで彼の心を見透かしたかのように放たれたクロムウェルの言葉に身を震わせる。本日は姿を新たにした旗艦の姿を皇帝陛下が視察に訪れていたのだった。そしてもちろんその供として主任であるボーウッドが案内についていたと言う訳だ。
「いえ、決してそのような事は……」
 ボーウッドは言葉を濁す。自らの独白を悟られたしまったかのように感じられて、ばつが悪すぎた。
「何、隠す事は無い。顔に出ているぞ? 君は先の戦いで戦艦二隻を落とした優秀な艦長だ。このような奇妙な改修に疑問を持つのは最もな事!
 だがな、余とて伊達や酔狂でこのようなものを取り付けたのではないぞ。これこそが、余の君への信頼の証! 東方のロバ・アル・カリイエの技術を用いて作られたこの砲は戦局すら変えうる我々の切り札だ」
「戦局を、変えるですと?」
 それはまた大袈裟な、と一笑しようとしたボーウッドであったが、目の前の男の態度はまったく冗談を言っている風ではなかった。本気で、この砲は戦局を変える事が出来ると、そう信じている様子だ。
遥か東方、サハラを超えた先のロバ・アル・カリイエには未知の技術があるというのは彼も聞いた事があったが、しかしそれが戦局を左右する程のものであるとはどうしても信じられなかった。
 たかが砲門一つである。一発は一発、所詮どんなに威力があろうが落とせるのはどうやってもフネ一隻、そして打てば装填に時間を取られる為連射は出来ない。どこまで行っても砲は砲だ。
「改修が済み次第、主砲の試射を行う予定だ。ミスター・ボーウッド、そこでこの砲の力を見ると良い」
 クロムウェルがにやりと顔を歪める。そこに満ちた自信が、逆にボーウッドに不安を与えてならなかった。
「その時、君は余の言葉の意味を知る事になるだろう」

761 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 22:40:36 ID:ehcrg5W+
ミットチルダからの迎えで
ルイズがベーダー卿を召喚した奴を思い出した。

やっぱ、誘拐と洗脳は不味いよね。

762 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 22:40:44 ID:uWEyaE/6
勇敢なる支援

763 :夜天の使い魔 2/7 ◆Rein4tm63s :2007/10/05(金) 22:41:39 ID:1xjvUdYq
 シエスタがルイズお付のお世話係になって三日が過ぎた。この三日で、シエスタは何故自分がルイズに付けられたのか、嫌と言うほど思い知らされていた。
 話しかければ受け答えもするし、簡単な世間話もする。一見普通に見えるルイズの様子であったが、それは極短い時間しか接していないから出てくる感想に過ぎない。一日中一緒に居るシエスタには今のルイズが異常な状態であるとはっきり理解出来ていた。
 今のルイズは基本的に自分から能動的に行動を起こす事は無い。食事を持ってきて欲しいとか掃除や洗濯をして欲しい、そう一日の最初に言う事はあっても、あとは基本的に何も訴えかけては来ない。指示を出したら最後、思考の中に埋没してまったく反応を示さなくなるからだ。
ベッドの上で膝を抱え、そのままで何時間も同じ姿勢のまま微動だにしない。極稀に意識を覚醒させると気紛れのようにまた食事を所望して、食後はまた同じような事を繰り返す。
眠るのは、それに疲れて限界が来た時だ。余りにも変化の無い生活は、まるで植物の一日を見ているようだ、とシエスタには思えた。
 確かにこんな状態で放置しておくのは不味い。今のルイズは放置しておけば食べる事も寝る事も忘れて思考の迷宮にはまり込んでいれば、何れ死を迎えてもおかしくないのだから。
 シエスタには、何故こんなにルイズが思い悩むのか、まったく理解が及ばなかった。こんなにも長い時間人は悩めるのか、と驚かされる。寝食を忘れる程に悩み、悔やむ。それは一体どのような気持ちなのだろう?
 ルイズの懊悩に引き摺られるように、シエスタもまた徐々に悩みを持つようになっていった。この傷付いた少女をどうやったら癒してあげられるのだろうと。
 
 シエスタは寮塔の廊下をゆっくりと歩いていた。手に持ったトレイには貴族向けの食事一食分を綺麗に纏めたものが乗せられていた。
マルトーは「まったく面倒をかけやがって」と文句を言いながらも何時も持って行き易く栄養のある特別なメニューで食事を作ってくれる。口先とは裏腹なその行為に笑みを漏らしながら、シエスタは進む。
 ルイズの部屋に近付いた時、彼女は部屋の前で誰かが待っている事に気が付いた。赤毛に褐色の肌の女性の姿は見覚えがある。確かルイズ様の隣人の――。
「何か、ルイズ様に御用でしょうか? ええと、――」
「キュルケよ。キュルケ・フォン・ツェルプストー」
 そう名乗りながら髪を掻き揚げる仕草は、同性から見ても色香を感じさせるものであった。この学校に居るという事は自分とそう年齢は変わらないはずなのに、なんでこんなに違いが出るんだろう?とシエスタは驚きを感じずにはいられなかった。
「ちょっとあの子と話でもしようと思ってね。だからあなたを待っていたの」
「私を、ですか?」
「こういう状態だと、勝手に入るのも気まずいでしょ? 使用人のあなたと一緒に入った方が都合が良いのよ」
 普段ならお構いなしに部屋に侵入する所だが、流石に今のルイズの状態でそれをする程キュルケは恥知らずでは無い。
「そういう事なら。では、どうぞお入り下さい、ツェルプストー様」
 中に通されたキュルケは、ベッドの上でうずくまるルイズの姿を見止めた時、僅かに歩みを止めたものの、大股でずんずんと歩いて行くと備え付けのテーブルの脇にあった椅子に腰を下ろす。
「ルイズ様、お食事をお持ち致しました。それと、お客様がお見えになってます」
 ルイズはシエスタの呼びかけに顔を上げる。
「ああ、もうそんな時間だったのね。ところでお客様って……」
 そこまで言いかけてルイズは初めて部外者の存在に気付いた。いつもの調子で軽く手を上げているのは紛れも無い仇敵の姿だった。
「ツェルプストー。あんたなんでここに居るの?」
「あら、随分なお言葉ねヴァリエール。あんたが授業サボりまくってるから様子を探りに来たのよ。どんな容態かと思ったら随分と元気そうじゃないの」
「別に病気とかしてる訳じゃないんだから当たり前でしょ。あんたに心配される程落ちぶれちゃあいないわよ」
 そのやり取りを見て、シエスタは驚いた。
 ――この人は、こんな顔も出来るんだ。
 シエスタが今まで見てきたルイズの表情は、何時もとらえどころの無い視線と虚ろな雰囲気を漂わせたものだけだった。
しかし今目の前のルイズは、皮肉げではあるもののどこか楽しそうな顔で、言葉の応酬を交わしている。それは初めてみる、ルイズの歳相応の少女としての顔だった。

764 :夜天の使い魔 3/7 ◆Rein4tm63s :2007/10/05(金) 22:43:00 ID:1xjvUdYq
「それで、一日中部屋に閉じこもってなにやってんのよあんたは」
 テーブルに座ったルイズは食事を取りながら、それに向かい合うキュルケはシエスタの煎れたお茶を飲みながら話を続ける。
「別に……ちょっと考え事を」
「考え事ぉ?」
 キュルケがずずい、と身を乗り出す。
「この十日間、ずっと悩んで閉じこもってたっての? 飽きないわね、あんたも」
「だって、仕方無いじゃない」
 そう言ってルイズは俯く。僅かにさざなみを立てるスープの水面が、彼女の感情の昂ぶりを表していた。
「考えないようにしても、ずっと頭に浮かんでくるのよ、あの時の事が。
夢の中ですら忘れられない程に、ニューカッスル城での出来事が頭の中に詰まってる。どうやっても、忘れられないのよ」
 やはり、とキュルケは思った。あの激動の一夜はルイズの心に深い傷跡を残していた。それは、一緒に体験を重ねたキュルケの想像をも超えて、少女の心を蝕んでいたのだ。
「あんた……皇太子さまが死んだのは自分の所為だって思ってる?」
「それだけじゃないわ。わたしは姫さまの頼みも果たせなかった。何一つ満足に出来なかった……魔法が使えるようになっても、結局わたしはゼロのルイズでしかないのよ」
 ルイズが己の二つ名を自虐的に用いるのを、キュルケは初めて聞いた。
周りの者がゼロと言おうとなんだろうと、彼女はそれに負けず何時も堂々とした振る舞いで努力を続けていたし、決してゼロだと自分を卑下するような素振りを見せる事はなかった。
だからその物言いが無性に悲しく、そして苛立たしくキュルケには思えて、気づけば言葉が口から突いて出て来ていた。
「そうね……あんたはゼロのルイズよ。成功率ゼロで、何時だって失敗ばかり。でもね」
 そして思わず椅子から立ち上がり、そうまくし立てていた。
「例え失敗だったとしても、それが全部無駄だったなんてあたしには思えないわ。それに目を背けて何も出来なかったって悲嘆に暮れるなら勝手にしてなさい」
 怒る様子を隠そうともしないまま、キュルケは部屋を出て行った。後に残されたのはただ俯くルイズと状況が飲み込めずおろおろとうろたえるシエスタの姿だけだった。
「食事はもう良いわ、片付けてくれない?」
「は、はい!」
 ルイズの声に弾かれるようにしてシエスタが動き始める。そんなシエスタの様子を尻目に、ルイズは再びベッドに戻っていった。
何時も通り、蹲るのか――そう思ったシエスタであったが、ルイズは蹲らずにベッドで大の字になって呆けたように天井を眺めているようだった。
何時もと同じようで、僅かに違う行動。それがどういう事を意味しているのか、シエスタには判らなかった。
 
 ルイズは先程のキュルケの言葉を反芻する。
(失敗だったからって、全部が無駄じゃない、か)
 本当にそうなのだろうか? 結果が伴わない行動に意味等有ると言うのか。嘗て自分は、魔法を使えないからゼロと言われ蔑まれた。それは魔法を行使するという結果を残せなかったからだ。
結果が出せなければ意味が無い。例えどれだけの努力を重ねようと、それが実らなければしないのと同じではないのか? 何事も為さない者が、一体何を残せると言うのか。
「判らない、判らないわよ……」
 結果こそが「1」なのだ、そうでなければ「0」でしか無い。それはゼロと呼ばれる彼女自身が良く知っていた。そしてその意味の無さもまた良く知っていた。ゼロは所詮ゼロでしか無い。
 混乱する思考の中、それでもキュルケの言葉だけがやけにはっきりとルイズの頭に焼き付いていった。

765 :夜天の使い魔 4/7 ◆Rein4tm63s :2007/10/05(金) 22:44:35 ID:1xjvUdYq
 部屋の外に出てから、キュルケは激しく後悔した。勢いに任せて行動してしまう性分が裏目に出た。まだ録に話もしてないのに、と軽い自己嫌悪に陥る。本当はもっと話をして気を紛らわせてあげたいと思っていたのに。
 でも、彼女は悔しくて仕方が無かったのだ。あのような事を言うルイズ・フランソワーズというものが赦し難かった。キュルケが知るルイズは何時だって歯を食いしばって前に進む少女だった。
そんな彼女が、あんな弱気で情けない言葉を吐く所を見たくはなかったのだ。自分の知るルイズがルイズで無くなってしまったように思えて、辛かった。
 
 キュルケは誰よりもルイズの頑張る姿を見つめてきた。一人で必死に魔法の練習に明け暮れるところも、フーケのゴーレムを相手に引かなかった事も、ニューカッスルで自分の身を省みずに戦ったところも。余すことなく、彼女は知っていた。
あの姿を知って尚、それが無価値だと――認められるはずがなかった。確かにルイズ・フランソワーズという少女は向こう見ずで無鉄砲かもしれない。でもその行動には何時も誰にも真似が出来ないような芯の通ったものがあったように思う。
決して引かず、諦めない。自分の知る他の誰も、あのような振る舞いが出来るとは思わなかった。そこには正視する事も憚られる程に眩しい確固たる価値が存在していたはず。
「例え誰もが、自分自身ですらその価値を認められなくたって」
 キュルケの独白は、まるで祈りにも似ていた。
「あたしだけは、認めてあげるから……だから、早く戻って来なさいよ」

 シエスタが食べ残しを片付けて部屋に戻ってきた時、ルイズは相変わらずベッドの上に居たが、ごろごろと転がり「あー」とか「うー」とか奇妙な声で唸っていて、それがやけに滑稽で思わず笑ってしまった。
「……なによ、なんかおかしい?」
 シエスタの笑い声に、不満げにルイズが抗議の声をあげる。
「いえ、その……とってもおかしいです」
 今までずっと蹲っている姿ばかり見ていたシエスタにとって、このようなルイズの姿は新鮮味に溢れていた。それもいきなり奇妙な言行を見せられては、今までの印象とのギャップもあいまって笑いが出るのも無理からぬ事であっただろう。
「ルイズ様、少し元気になられたような気がします」
「そうかしら?」
 仏頂面で答えるルイズであったが、表情に変化の乏しかった今までと比べたら表情が変わっているという事実自体が彼女の変化を如実に表していた。
「ツェルプストー様は良い友人ですね。ルイズ様の事、励ましに来てくれたんですよ」
「暇だからからかいに来ただけでしょ。それとわたしとツェルプストーは別に友達でもなんでもないわ」
 心外ね、と言いたげな口調のルイズ。
 そういえば、ツェルプストー様もルイズ様とは友達じゃないって言ってたっけ、とシエスタは思い出す。
どこからどう見ても仲が良いようにしか見えないのにお互い違うと否定する。二人とも似たもの同士なのかもしれない。多分、素直じゃない所なんか良く似てるんだろう。そう思うと自然とまた笑いがこみ上げてきた。
「いい加減に笑うの止めなさいよ」
 ああ、今度は拗ねた様な表情をしている。それがまたおかしくて、シエスタはさらに笑った。きっと本当のルイズという少女は、こうやって多感に表情を表に出すのが普通なのだ。
今まで見てきたのは偽りの姿でしかない。これが本物のルイズ様の姿なんだと彼女は悟った。幾日かを経て、やっと本当に私達は出会うことが出来たと、シエスタにはそう思えてならなかった。

766 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 22:45:08 ID:Th0t9pkj
支援

767 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 22:45:29 ID:N59YLcfZ
≪これより支援にかかる≫

768 :夜天の使い魔 5/7 ◆Rein4tm63s :2007/10/05(金) 22:45:43 ID:1xjvUdYq
 ルイズは毎夜、悪夢を見る。
 内容は決まっていた。あのニューカッスルでの一夜、それも皇太子との別れの場面だ。悪鬼のような婚約者に追い詰められ、ずたぼろにされ、何も出来ない自分。殿下を守らなくてはいけない、そう思うのに為す術は無く、守るべき皇太子に逆に命を救われるのだ。
 その時のウェールズの笑顔が、辛い。
 
「お願いです、そのような顔をしないで」
 ルイズは慟哭し、叫ぶ。
「何も出来なかった、こんなわたしに……そんな顔を向けないで。わたしには、それを向けられる資格なんか」
 アンリエッタの願いである手紙の回収も、ウェールズの望みである勇敢に死ぬ事も叶える事が出来なかった。そんな自分に、何故笑顔を向けるのだろう? 何も出来なかった、無価値な自分。受けるべきは罵声や叱咤が相応しいはずだ。それなのに、何故――。

「その資格が無いと、君はそう言いたいのかい? ミス・ヴァリエール」
 何時もの夢ならばゆっくりと落ちて行く体が、今日は誰かに抱きとめられた。それは、もう二度と聞くことの出来なかったはずの声。自分が守れなかった人の声だった。
「殿下……」
 ルイズはさっと身を離すと、傅き礼を取ると頭を垂れた。顔を仰ぎ見る事など出来るはずも無かった。ただ俯き、じっと地を見る。
「殿下、わたくしは殿下の願いを果たす事が出来ませんでした。そればかりか、姫さまの願いまでも。無能な我が身は誹りを受ける事こそ相応しい。そうではないのですか?
 幾ら頭を擦り付けても贖えぬ罪、この命を捧げて赦しが得られるというなら喜んで差し出す覚悟でございます」
「ああ、ミス・ヴァリエール」
 そうやって頭を振るウェールズの声は、悲しげな音色を含んでいた。
「君は大変な思い違いをしている」
「思い違い? 一体何を違えていると言うのですか? わたくしは何も出来なかった、これだけがはっきりと残る事実では無いですか」
「それは確かに目に見える事実だ。だが真実ではない。君は、何よりも大ききなものを私に残してくれた」
「そんなもの、どこにも」
「あるさ、ここに」
 ウェールズは、己の胸を指し示す。
「君はワルド子爵の魔手から必死に私を守ろうとしてくれた。傷付き、血にまみれ、苦痛に苛まれながらも君は決して倒れる事無く戦い続けた。その姿が、どれだけ私に力を与えてくれた事か。君の誇りがあったから私は最後まで戦い抜けたんだ」
 ルイズははっと顔を上げる。そこにあったのは、あの時と変わらぬウェールズの笑顔であった。
「マリー・ガラント号を守った時の事を覚えているかい? あの時、我々は口々にこう言ったものだ。あのような高潔な貴族があと十人居たならば、この戦の行く末は変わっていたかもしれないと。
あの場に居た誰もが皆君達に賞賛を送ったのだ。己を省みずにフネを逃がそうとするその姿に、真の貴族を見たのだ。そしてそれは彼等にも力を与えた。最後まで戦い抜き、貴族としての義務を真っ当するという鋼の意思を与えたのだ」

 ウェールズは空を仰ぎ見た。先程まで夜であったはずのそこにあったのは淡い光を放つ双月ではなく、激しく輝く太陽の姿であった。周りの光景もあのニューカッスルから変化し、爽やかな風の吹く草原となっていた。
「あの太陽のように、常に変わらず光り輝き人々を遍く照らす。そんな意思の事を誇りと言うのだ。決して消えない、永遠の炎のようにそれは心にあり続ける。そしてそれは、他人の心にもまた燃え移り力となるのた。
私は君から貰ったのだ。誰よりも強い輝きと、何よりも燃え盛る熱い炎を。もしこれが無ければ、私は子爵の凶刃の元容易く倒れていたであろう」
 ウェールズはルイズに手を伸ばす。何かを促すように、それは差し出された。
 ルイズは幾許か逡巡したものの、迷うようにしてその手を取る。ウェールズはその手を力強く握り締めるとルイズを優しく導き、その身を立たせる。


769 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 22:46:33 ID:Pe3cRSdD
支援

770 :夜天の使い魔 6/7 ◆Rein4tm63s :2007/10/05(金) 22:46:58 ID:1xjvUdYq
「もう一度、君にこの言葉を伝えよう。ありがとう、ミス・ヴァリエール。君が居たから、私は戦う事が出来た。誓いの通り、勇敢に戦い死ぬ事が出来たのだ。本当にありがとう」
 ルイズはその言葉に声も無くただ泣いた。涙は頬を伝い続け、地へと落ちて行く。
「だから君が罪を感じる必要なんて、無い。君は立派に私を救ってくれたのだから」
 その言葉と共に、ウェールズの姿が段々薄れてゆく。草原に舞う風に紛れるように、段々と色と輪郭を失い、まるで溶けていくかのようであった。
「殿下!」
「願うなら――」
 ウェールズの姿は最早僅かに人型を留めるのみであった。しかしその声だけは、はっきりとルイズの元に届いてくる。
「その輝きで、もっと多くの人々を照らして欲しい。きっと君なら出来ると私は信じているよ」
 ウェールズは言葉だけを残し、消えた。
 草原に一人、ルイズは立つ。しかしもう涙は流していない。瞳に宿るのは嘗てのような揺ぎ無い意思。
「殿下……ありがとうございます」
 彼女もまた、ウェールズがしたように天を仰ぎ見る。そこにある太陽は眩しく彼女を照らしていた。熱く激しく、溢れる輝きで。
 もう、泣かない。もし、私が殿下に誇りを与えられたというのなら、その大本の自分がこんなざまでどうする。
それはきっと、ウェールズを始め自分を認めてくれた人への侮辱に他ならない。彼等の誇りを穢さぬ為にも、もう涙は流さないと、そうルイズは決めた。
「私はもう、大丈夫です」
 その独白に応えるように、ウェールズの声が風にのって聞こえたような気がした。

 ルイズは目を醒ます。まだ辺りは薄暗く、日の出には僅かに早い頃合であるようだった。頬に濡れた感触があるのは、きっと現実でも涙を流したからなのだろう。だが悲しみは無かった。
長い悪夢から目を醒ましたように、今の彼女の気分は晴れやかで澄み渡っていた。
 その時、窓の外に光が現れた。太陽が山陰より顔を出し、地を照らし出したのだ。
ルイズはその光景を、感慨深げに見守る。彼女の前で太陽はだんだんと姿を明確に現し、その輝きもそれにつれてだんだんと増してゆく。照らし出される大地の輝きを、とても美しいと――そうルイズは思った。
 
 まだ誰も起きていないであろう寮塔の中、動いている人間はおそらく自分だけだろう、とシエスタは思った。
きっとルイズ様もまだ寝ているだろう。まずは先に洗物を済ませてから朝食を運ぼうかしら、一日の行動スケジュールを頭の中で組みながら音を立てないようにドアを開け、ルイズの部屋へと入っていったのだが――。
「おはよう、シエスタ。あなたって朝早いのね」
「おはようございます、ルイズ様」
 反射的に挨拶を返してから気付く。このようにルイズから挨拶をされるのは初めての事ではないか? 何時もなら泥のように眠りこけている時間だ。
 驚きと共にベッドの方を見やる。そこに居たルイズの姿は、何時もの様に小さく蹲っているものでは無い。ベッドの端に腰掛けながら、少し疲れたような表情をしてシエスタをじっと見つめている。
「今日は随分と早いお目覚めですね……」
「ええ、目が覚めたのよ」
 開け放たれた窓から見えるのは、空に昇り行く太陽の姿だった。朝に相応しい激しい白光が部屋に差し込み、明るく照らし出す。その光景を、ルイズは目を細めながら眺め続ける。
「やっと、目が覚めたのよ」
 輝きに照らし出される横顔は、これまでのどの表情よりも彼女に相応しい。シエスタはその横顔から、目を離す事が出来なかった。


771 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 22:47:29 ID:Th0t9pkj
支援

772 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 22:47:38 ID:fp4WaoIR
支援

773 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 22:47:45 ID:PPKLTQl2
支援の王

774 :夜天の使い魔 7/7 ◆Rein4tm63s :2007/10/05(金) 22:48:08 ID:1xjvUdYq
 革命戦争にて更地に等しくなったニューカッスルにてそれは行われた。廃棄艦を用いての、レキシントン号主砲の試射。皇帝クロムウェルも直々に艦に乗り込み視察をする程の力の入れようだ。
たかが砲の試射に何故そこまで?とその場に居る者達の誰もがおもわずには居られなかったが、その疑問も直ぐに氷解した。

「どうだね諸君! この主砲の威力は! これさえあればトリステインもゲルマニアも赤子の手を捻るようだと思わないかね!」

 驚喜を全身で表すクロムウェルに追従する者は誰も居ない。誰もが目の前の光景に目を奪われ、言葉を失っていたからだ。
 ボーウッドは体が震えてくるのを自覚していた。これは恐怖か、畏れか。人知を超えた光景を目撃し、彼はただ呆然と目の前の廃棄艦を――否、そうであったものを見つめていた。粉々に砕け散り木屑と化したそれは元が戦闘艦だと誰が信じるだろう。
今なら判る、「戦局をも変える」というクロムウェルの言葉の意味が。いや、これはそんな生易しいものでは無い。もしこの砲門が量産でもされたならば、文字通り世界を統一する事も出来るだろう。レコン・キスタが旗印として描いた物語が、現実になるのだ。
 この時初めて、ボーウッドはクロムウェルが恐ろしいと思った。伝説の系統「虚無」を操り、東方よりの知識を転用するこの男の底知れなさ。
「一体、この世界をどうしようと言うのだ、あの男は」
 私は今、何か得体の知れない恐ろしいものに与しているのではないか。ボーウッドの心の奥底が、警鐘を鳴らしていた。
 
 目の前では、クロムウェルが一人高笑いを続けている。それがさらに体の振るえを助長していくのを感じて――ボーウッドは自分の体をきつく抱きしめた。

775 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 22:50:03 ID:u46cxP6a
しえーん

GJ

776 :夜天の使い魔 ◆Rein4tm63s :2007/10/05(金) 22:50:20 ID:1xjvUdYq
以上で投下終了。
もっと長々とルイズを鬱らせようと思ったが、鬱ってくれませんでした。
もうちょっとヤワい女の子に描写しておけばよかったか……。

しかしこの話で念願の21P達成。
良くこれだけの分量を書けたもんだと自分でも関心しちゃったり。

777 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 22:52:07 ID:Th0t9pkj
GJ。ルイズ、遂に復活。キュルケは相変わらず良い娘だし、ウェールズは死んでも良い男だ。
……そしてラスト、普通の大砲なのか。本当に?

778 :不敗の使い魔:2007/10/05(金) 22:55:10 ID:g24OxU7N
GJ!
一体これからどうなるのか、全く先が読めません。
このスレの中のウェールズで一番いい男。
投下してもよろしいですか。

779 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 22:59:17 ID:dVSZilpa
まじかっちょいいぜ!!痺れた!
水樹奈々が脳内で流れた!
GJすぎる!
今のルイズには決意を決めたなのは並に燃えた!

780 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 23:01:50 ID:qxG3yrgV
>>778
どぞ

781 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 23:01:54 ID:1xjvUdYq
>>778
バトンタッチ支援するぜ
バッチコイ

782 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 23:07:20 ID:CzB9dD5o
アルカンシェルか、ひょっとして……。
そして支援。

783 :不敗の使い魔:2007/10/05(金) 23:08:04 ID:g24OxU7N
夜が明ける少し前。
 東方不敗は目を覚まし立ち上がる。
 日課であるあれをやるためだ。
 その前にルイズを起こすことにした。
「ルイズ、起きんかー!!」
 ルイズのかぶっていた布団を無理やりに剥ぎ取った。
「きゃああ!?何?なにごと?」
 突然布団を剥ぎ取られてルイズは混乱する。
「ってあんた誰!?人の部屋で何してんのよ!!」
「貴様が召喚した東方不敗マスターアジアだ」
「そういえば昨日召喚したんだっけ」
「そんなことより見ろ!!」
 東方不敗は窓をバンと開ける。
 そこから見えるは山から朝日がさしている風景だった。
「今日も東方は赤く燃えているぞ」
 東方不敗の日課、毎朝朝日を確認することである。
 ルイズは寝ぼけ眼でそれを見る。
「朝日・・って今何時よ、5時過ぎ!!」
 ルイズは時計を見て驚いた。
「信じられない、2時間後に起こしなさいよ」
 ルイズは再び眠りについた。
 東方不敗にとっては朝日が出る前に起きるのは当然のことである。
「仕方ない奴だな、ふうぅぅ、やはりこの星の空気はうまい」
 汚染された地球に比べてハルケギニアの空気は数段うまかった。
(やはりどこの星でも朝日は東方より昇るか)。
 東方不敗は死ぬ(?)間際に見たあの朝日を思い出した。
 あれには劣る物のハルケギニアの朝日も美しかった。
(一体この世界はわしに何を見せてくれるのだ)
 まだ見ぬ世界に東方不敗の胸は年甲斐も無く高まり打ち震える。

「洗っておけと言っておったな・・」
 東方不敗はルイズの下着をとった。
 大変不本意ではあるがまだあって間もないのでサービスという意味もある。
 いずれはルイズ自身にやらせるつもりだ。
「とぅ!」
 東方不敗は窓から飛び降りる。

784 :不敗の使い魔:2007/10/05(金) 23:09:16 ID:g24OxU7N
学院のメイドであるシエスタは思わず洗濯籠を落としそうになった。
 上からいきなり人が降って来たら誰だって驚くだろう。
「む、そこの西洋女中」
「え?」
「いやメイドといったほうが良いか」
「あの私のことですか?」
「他に誰がおるか」
「ひっ、申し訳ありません」
 シエスタはすっかり萎縮してしまった。
 目の前のお下げの初老の男性は今まで見てきたどの貴族よりも威厳があり威圧感がある。
「別に謝らんでもいい、洗濯できる場所は知らぬか」
「あ、はい、こちらです。あのもしかしてミス・ヴェリエールの使い魔ですか」
「ああ、知っておるのか」
「はい、噂になってますから平民のお爺さんを使い魔にしたと」
(お爺さんと呼ばれる歳ではないのだが・・)
 見た目やその威厳で老けて見えるが東方不敗はまだ50である。
「わしの名前は東方不敗マスターアジアだ。以後よろしく頼む。お主の名は?」
「私こちらでメイドをさせてもらっているシエスタと申します。トウホウフハイマスターアジア様ですか。
 変わったお名前ですね、もしかして貴族の方なんですか?だとしたらとんだご無礼を」
 丁寧にお辞儀をしたシエスタは東方不敗の長い名前に貴族だと勘違いした。
「いやわしは貴族ではない、かといって平民でもないが」
「え?」
 平民でも貴族でもないと言われシエスタは混乱する。
「わしは武闘家だ、あとわしの名前はマスターと呼ぶが良い」
「?・・はい、わかりました、マスターさん」
 シエスタは意味をあまり理解していないようだったが又丁寧にお辞儀をする。
(しかし貴族の娘よりメイドのほうが礼儀をわきまえているのはどういうことだ)
 東方不敗は疑問に思った。
 
 洗濯場につくルイズに渡された洗濯物を取り出す。
 シエスタの持っている洗濯籠を見た。
 かなりの量の洗濯物が詰め込まれている。
「それを一人でやるのか」
「はい、今日はこれでも少ないほうですよ」
「わしもマスタークロスを洗っておくか、どれ、かしてみなさい、わしがやっておこう」
「え?そんなわけには・・それにこの量ですよ」
「何、遠慮はいらん、案内してくれた礼だ」
 シエスタから洗濯籠をとり、洗濯場の横に置かれていた一番大きい樽を取った。
「あのマスターさん、洗濯板は使わないですか」
 樽に水を張る、水は春とはいえ手がかじかむように冷たい。
 東方不敗はそこに手を突っ込み気の力で熱を放出し少し暖かくする。
 水が急にお湯になったのはシエスタは驚いてみていた。
 それに洗濯石鹸を入れ溶かした後、洗濯物を放り込む。

785 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 23:09:49 ID:WvEqo1lZ
流派東方不敗的には窓からの出入りはデフォなのか支援

786 :不敗の使い魔:2007/10/05(金) 23:10:43 ID:g24OxU7N
「ふん、はぁぁぁぁ!!」
 東方不敗は樽に手を入れかき混ぜ始めた。
 樽の中の水は回転をはじめ渦潮のようになった。
「ええぇぇ!?」
 シエスタは驚く。
 こんな洗濯方法今まで見たこと無いからだ。
 樽に再び手を入れ今度は逆に回転させる。
 それを繰り返し、それでも汚れが落ちないものを東方不敗は
 回転する樽の中で見極め、一瞬で手もみする。
「はっ!!」
 きれいになったら水を抜き樽を持ち上げ人差し指一本で支え樽を回転させ脱水する。
 東方不敗の指の上で高速で回転する樽を見つめながらシエスタは唖然とした
「す、すごい、普通に手もみするずっと早い時間でこんなにきれいになっている」
 洗濯物はいつも異常にピカピカしていた。
「いやまだ終わりではない」
 今度は洗濯物だけ入った樽の中で手を入れて気の力で熱を放出しながらかき混ぜる。
 今度は樽の中に小さな竜巻が起こる。
 熱で温風になった竜巻は洗濯物を乾かしていく。
 東方不敗はさらに樽を三つ用意し後から来る洗濯物まで洗濯し始め同じ工程を繰り返した。
 その結果普通洗濯して乾かすまで半日はかかる量の洗濯物を一時間もかけずに終わらせてしまった。
「ふう、これで最後か」
「はい、す、すごいですこれだけの量の洗濯物一時間もしないで洗えるなんて、しかも皆乾いてる?」
「大したことは無い、洗濯機と乾燥機の真似事をしただけだ」
 東方不敗は乾いた洗濯物の中からマスタークロスを取り出す。
 しわくちゃのマスタークロスに2本指ではさみすーと伸ばすと、しわがみるみるとれていく。
 指に気を集中させ熱を与え、アイロンのようにしわを伸ばしたのだ。
「ふえええ!!」
 シエスタはさらに度肝を抜いた。
 東方不敗は綺麗になったマスタークロスを腰に巻いてギュッと締める。
「うむ、やはり洗い立ては良い、気合が違ってくる」
「マスターさんは本当にメイジではないのですか?」
 東方不敗のやった魔法のような芸当にシエスタは目を白黒させている。
「わしは武闘家といったであろう、さてまだ時間があるな、鍛錬でもするとしようか」
「あの、ここまでしていただいてぜひ御礼を」
「かまわん、たいしたことはしておらぬでな」
 そういった東方不敗は一瞬でそこから姿を消した。
「あれ?マスターさん」
 一人残されたシエスタは呆然とする。

787 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 23:10:56 ID:1xjvUdYq
し☆え☆す☆た

788 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 23:11:40 ID:qxG3yrgV
>>782
あんなの大気圏内で撃ったら地殻が剥れちゃう支援

789 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 23:11:45 ID:1nTwBhti
ドモンの方もそうだったが洗濯機の原理もデフォらしいなw支援

790 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 23:12:27 ID:fp4WaoIR
洗濯だって流派東方不敗

791 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 23:12:33 ID:c7W9z+h0
ディバインバスターかも?

792 :不敗の使い魔:2007/10/05(金) 23:14:40 ID:g24OxU7N
 東方不敗は塀を軽々と飛び越え学院の外に出ていた。
「うむ、学院の周りを軽く百周走るとするか」
 常人ではありえないスピードで学院の周りを走る東方不敗。
 それでも東方不敗にとってジョギング程度の早さである。
 百週走り終えた東方不敗は朝日を見た。
「そろそろ時間だな、一応部屋に戻るか」
 そのまま塀をつたい、ジャンプして又窓からルイズの部屋に入る。
 ルイズはまだ寝ていた。
「まだ、寝ておるのかこやつは」
 朝早い東方不敗にとってこんな時間(といっても朝の7時)まで寝ているのは
 信じられなかった。
 自分が起こさなくてもすでに起きて準備しているものだと思っていた。
 部屋に戻ったのも確認のためだ。
(考えてみれば、何故こやつを起こさねばならん、わしは使い魔だが
 目覚ましではないのだぞ、一人で起きれんようではろくな大人にならんな)
 このまま寝かすのもためにならんが、優しく起こしても癖になり一人で起きれように
 なるのではと東方不敗は心配になった。
 東方不敗はある方法を思いついた。
 ルイズの寝ているベッドの頭を東方不敗は片手で軽くひょいっと持ち上げた。
 大の大人が両手でも持ち上げられるかどうかわからないぐらい重いベッドだが
 東方不敗にとってみれば羽のように軽かった。
 もちろんルイズは床にまっさかさまに落ちる。
「きゃああああ!!?なに地震!!何が起こったの!!」
 いきなり床に落ちたルイズは当然混乱する。
「ようやく起きたか、ルイズ、おはよう」
 ため息をつきながら東方不敗はベッドを元に戻した。
 それを見たルイズは怒り始めた。
「なんて起こし方するのよ!!」
「起こせといわれたが起こし方までは指定されとらんかったからな。
 そもそも二度寝する貴様が悪い」
「なんて奴なの!!」

793 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 23:17:17 ID:ifKEqply
>(やはりどこの星でも朝日は東方より昇るか)
「東から朝日が昇るのか、朝日が昇る方を東と呼ぶのか」なんて事を考えてしまった。
支援

794 :不敗の使い魔:2007/10/05(金) 23:17:36 ID:g24OxU7N
「それよりルイズ、わしに言うことはないのか」
 突然のそんなことをいわれたルイズは顔をしかめる。
「言う事って、そうだ服とって」
「違う、朝はまず『おはようございます、マスター』であろうが。
 挨拶もできんのか、貴様は!」
「使い魔の平民になんで挨拶なんかしなきゃいけないのよ」
 その言葉は東方不敗の逆鱗に触れることになる。
「馬鹿もんがぁぁ!!挨拶は人としての基本だぞ。
 それもできん奴は人としてなっとらん奴だ!!」
「ひっ!!」
 ルイズは東方不敗の後でゴゴゴという音がなってるように聞こえた。
 空気がまるで固定化されたように息苦しい。
 東方不敗の発する威圧感で鳥肌が立つ。
 この感じは母親である烈風カリンが本気で怒った時、いやそれ以上のものを感じた。
 東方不敗は指をボキボキと鳴らす。
「今まで会ったばかりの幼い女子だから大目に見ておったが
 どうやら貴様には躾、いや修正が必要のようだ」
「な・・何よ・・ご・・ご主人様に・・ぼ・暴力ふるほうってわけ・・」
 ルイズは体の震えを押さえながらどうにかのどから声を出す。
 ここで舐められたらこの使い魔には一生頭が上がらないような気がしたからだ。
 東方不敗に追い詰められてたルイズは後にぶつかった鏡台の引き出しを開ける。
 そこには乗馬用の鞭が入っており、ルイズはそれをとる。
「そんな使い魔にこそ躾が必要ね、えい!!」
 ルイズは勝ったと思った。
 この使い魔も少し痛い目を見れば自分には逆らわなくなるだろうと思った。
 しかしすぐにそんな考えは甘い幻想だと思い知らされることになる。
 ピシッ
 鞭は東方不敗が指二本で挟むように止めたのだ。
「え!?」
 ルイズは驚く、そして鞭を引き抜こうとするがピクリとも動かない。
 東方不敗はルイズから鞭を取り上げると、窓のほうに投げた。
 鞭は空のかなたに消えていき星になった。
「嘘!?」
 ルイズは目の前に事実が信じられず目を白黒させる。
「わしに抵抗しようとするとは、それ相応の覚悟はできているということか」
 東方不敗からは殺気すら感じ始めた。
「あの、おはようございます、マスター」
「もうおそいわ!!今回は尻叩き百辺で勘弁してやろう」
 東方不敗にとって尻叩き百辺で一番軽いのだ。
「いやあああ!!!」
 ルイズは叫び声を上げ逃げようとするが東方不敗はお構いなしにルイズはふんずかみ
 パンツを脱がす。
 そして・・・
「痛い、痛い」「ごめんなさい、ごめんなさい」「許して、許して」「すいません、すいません」

795 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 23:18:09 ID:1xjvUdYq
SIEN

796 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 23:18:37 ID:8f4XOMwB
>>785
むしろ廊下より
人などの障害物が少ない
視界良好
目的地まで直線で移動可能

な便利ルート


797 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 23:18:47 ID:WvEqo1lZ
あの弟子にしてこの師あり支援

798 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 23:18:47 ID:1nTwBhti
かわいそうなルイズwwww

799 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 23:18:50 ID:/0CzgiMv
支援

800 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 23:19:02 ID:ifKEqply
支援

801 :不敗の使い魔:2007/10/05(金) 23:19:02 ID:g24OxU7N
 ルイズの尻を叩きながら東方不敗は思った。
(そういえば幼い頃のドモンも悪さしたらこうやって尻を叩いたものだ)
 東方不敗は昔を思い出し郷愁の念に浸るが、それでも叩くスピードはおちるどころか
 ますます早くなる。

「ううう・・信じられない、ヴェリエール公爵家三女のこの私が・・親でもここまでされたこと無いのに・・」
 赤くはれたお尻をさすりながら、ルイズは涙目になっている。
「よし、決めたぞ、貴様が真人間になるまでわしが教育してやろう」
「いえ、結構ですから」
「ふふ、遠慮するではない」
「遠慮なんかしてないわよ!!」

 ルイズの絶叫は当然ながら無視された。
 着替えも自分で用意して自分で着替えた。
 着替えさせてと言おうものなら今度は何されるかわからない。
 この時点でルイズと東方不敗の力関係は逆転した。

802 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 23:19:14 ID:LQO0rzQ1
>「あの、おはようございます、マスター」
可愛いなルイズw 支援

803 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 23:19:23 ID:+qVLKqob
気のせいかドモンとまったく同じことしてるような……支援

804 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 23:19:54 ID:1nTwBhti
>>803
>>797ってことだなw

805 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 23:21:31 ID:fp4WaoIR
>>793
そもそも東って漢字は木と太陽から作られた象形文字だし、
英語のEASTも曙という意味から来てるからな。

806 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 23:22:15 ID:/0CzgiMv
師匠に教育されると真人間どころか(肉体的に)非人間になっちゃう気がする……支援

807 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 23:22:16 ID:8f4XOMwB
>>803
流派東方不敗は
科学者一家からやってきたドモン君が
ああなる教育方針ですから…


支援

808 :不敗の使い魔:2007/10/05(金) 23:23:23 ID:g24OxU7N

 ルイズは身も心もボロボロになりながら部屋を出た。
 すると隣の部屋のドアも開き豊満な胸を持つ赤毛の少女が出てきた。
「おはよう、ルイズって、どうしたのあんた顔真っ青よ」
「おはよう、キュルケ、私使い魔に殺されるかも・・」
 ルイズは半べそかきながらキュルケに抱きついた。
 普段のルイズからしてありえない行動にキュルケは戸惑う。
「ちょっと、ほんとにどうしたのよ」
「ルイズ、何をやっとるか、遅刻するぞ」
 部屋の前でとまっているルイズに向って部屋から出てきた東方不敗は言った。
「あ、貴方が・・」
 キュルケは最初平民を召喚したルイズを馬鹿にしてやろうと思ったが、ルイズの様子が尋常ではない。
 そういえば隣の部屋が妙に騒がしかった。
 この出てきたルイズの使い魔は妙に存在感があり、ルイズに対して完全に上からものを言っている。
 それに対してルイズは反論するどころか、子犬のように怯えている。
「ほう、ルイズの学友か、わしは東方不敗マスターアジアだ、お主の名はなんと言う」
 東方不敗はキュルケに対しても上からものを言ってきた。
 キュルケは正直カチンときたが一応冷静な対応をとる。
「キュルケ・アウグスタ・フレデリカ・フォン・アンハルツ・ツェルプストーですわ。
 ルイズの使い魔さん、トウホウフハイマスターアジアなんて随分変わったお名前ですわね」
 とりあえず嫌味の一つも入れておくことにした。
「わしのことはマスターと呼べ、後この名前の良さがわからぬとはおぬしにはセンスが無い」
「んな・・」
 東方不敗のセンスは著しく一般人とかけ離れている。
 何せ第13回ガンダムファイトに優勝した暁には
 東西南北中央不敗スーパーアジアに改名すると本気でいっていた人物だ。
(何なのよ、このジジイ)
 命令形でものをいわれ、嫌味を逆にセンスが無いといわれたのだからキュルケの怒りも当然だろう。
 そんなキュルケの後から赤く大きなトカゲが出てきた。
「ほう、やはりこの星では生物は独自の進化を遂げたのか、このようなトカゲ地球では見たことが無い」
 東方不敗は興味深そうにそのトカゲに近づいた。
(お初お目にかかります、私ミス・ツェルプストーが使い魔、サラマンダーのフレイムと
 申す者です。相当なご武人とお見受けしましたが・・)
 東方不敗頭の中にフレイムの言葉が響いた。
 他の2人には聞こえないらしい。
(わしはミス・ヴェリエールが使い魔、東方不敗マスターアジアだ。
 同じ使い魔として以後よろしく頼む)
(もったいないお言葉です、こちらこそよろしくお願いします)
 2人いや1人と一匹が意思の疎通を図っている間にルイズとキュルケは何かしゃべっている。
 キュルケがルイズに対して自分の使い魔を散々自慢している。
「そうよかったわね」
 ルイズは遠い目をしながらそう言うだけだった。
 それにキュルケは拍子抜けした、普段だったら言葉には出さないものの
 全身から悔しいというオーラが出るはずなのだが今日は心底羨ましいという感じだ。
 キュルケは東方不敗を見た。
(この使い魔のせい・・)
 さっきからフレイムは東方不敗に対して随分恭しい態度をとっている。
 もしかしたら主人である自分以上に。
 これ以上ここにいてもつまらないと感じたキュルケは先に行くことにした。
「じゃあ、お先に失礼」
(それではマスター、失礼します)

809 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 23:23:36 ID:/NNfTOw0
ラオウはいつ召還されますか?

810 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 23:23:49 ID:qxG3yrgV
ルイズは改造人間になるな性格的な意味で

811 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 23:25:22 ID:ifKEqply
>>805
おお、ありがとう。
支援

812 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 23:26:07 ID:LQO0rzQ1
ツンデレだったルイズは見納めか……支援

813 :不敗の使い魔:2007/10/05(金) 23:26:28 ID:g24OxU7N
 キュルケたちを見送ったルイズと東方不敗。
「うむ、主より使い魔のほうがよっぽど礼儀がなっているな」
「はあ、何であの女がサラマンダーで私が・・・」
 殺気を感じたルイズは東方不敗をチラッと見た。
 東方不敗はルイズを睨んでいる。
「何だ、貴様はわしでは不満というのか」
「イエ、ソンナコトハアリマセンヨ」
 ルイズは思いっきり棒読みで答える。
「あのフレイムもたいした使い魔だが、わしから見ればばまだまだだ。
 おぬしは誇っても良いぞ、この東方不敗マスターアジアを召喚したのだからな」
「・・・・」
 これ以上は何も言わないほうが無難だとルイズは悟った。
「さて急ぐぞ、遅刻するでな」
 東方不敗はルイズより先に歩き始めた。
 主より先に歩く使い魔も前代未聞だがルイズは最早何も言う気は無かった。
「そういえばあ奴お主のことをゼロといっていたがどういう意味だ」
「う・・それは・・」
「言いたくないのならあえては聞かぬがな・・」
 そう言って東方不敗は廊下を先に歩いていった。

814 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 23:26:44 ID:9ROWGAW1
フレイムかわいいよ支援

815 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 23:27:17 ID:jWiZ7cOc
弟子も師匠も周りを引っ掻き回すな支援。

816 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 23:28:11 ID:rzz/7C8G
天上天下唯我独尊支援

817 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 23:28:49 ID:yPh2ihak
支援。

チキショウ。洗濯手伝いのシーンは自分も考えていたが、
爆熱といい不敗といいこれじゃあ明らかに負けちまってるぜ・・・。

818 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 23:29:26 ID:8f4XOMwB
>>806
ルイズ「石破天驚エクスプロージョン!」
マスター「うむ!見事じゃ!」

他にもヒートエンドで爆破したり…

支援

>>808
これでデルフが折れる危険は回避されたか…
そもそも不要だしね…

>>809
むしろ黒王号召喚
影響を受けたルイズが世紀末覇者に…
ルイズ「北斗豪掌波!」(失敗魔法)
フーケ「たわば!」

ワルド「私が強くなったのは全て君を手に入れるため」
戦闘終了後
ルイズ「レコンキスタのワルドは死んだ ここに居るのは…」



819 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 23:30:08 ID:QjsAqNSY
それにしても無駄に偉そうな師匠支援

820 :不敗の使い魔:2007/10/05(金) 23:31:20 ID:g24OxU7N
投下終了です。
支援ありがとうございました。
ああ、書いているうちにどうしてもドモンと同じことをしてしまう。
自分のオリジナリティーの無さが心底憎い(笑)
ではまた

821 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 23:32:26 ID:u1iuRiJ8
“偉そう”?違うな、“偉い”のだ!支援

822 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 23:33:03 ID:QjsAqNSY
〜ハルゲニアニュース速報〜
今日午前七時ごろトリスティン魔法学院において
50歳ごろの独身男性が主であるメイジの少女(16)に
尻を触るなど淫らな行為を行ったことが判明しました。
当局では少女に事情を聞くとともに付近に警戒を呼びかけています。

>>820GJ!
彼ならいろんなものをぶち壊してくれそう(いい意味で)

823 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 23:33:07 ID:VfE5VLXg
これは良い師匠
師弟そろって読めるなんてとても嬉しいジャン!

824 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 23:35:38 ID:RsvL3il8
まさか本編で出番のなかったアインヘリヤルとか?

825 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 23:36:10 ID:/0CzgiMv
GJ! これからの展開も楽しみにしてるZE!

826 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 23:36:21 ID:LQO0rzQ1
まあ馬鹿師弟は似たもの同士だしね乙

>>822
にげてー、けいさつにげてー(棒読み)

827 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 23:38:35 ID:daqCsZM7
>>820
書いてみると解るけど
投稿がメチャ多いからシチュエーションが被らないように書くのって難しいよね
俺は好きだぜ続き読みたい!!

828 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 23:38:52 ID:U5EF+4Tm
ルイズどころかトリステインごと再教育しちまいそうな勢いだ。
grandma、夜天、不敗まとめてGJ!!

829 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 23:44:24 ID:jWiZ7cOc
東方先生は愛馬がいなくて寂しいかも……。
爆熱を読み返すと(良い意味で)めちゃくちゃだwww

830 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 23:46:49 ID:u1iuRiJ8
>>820
GJ!です
>ドモンと同じことを

弟子:洗濯→脱水

師匠:洗濯→脱水→乾燥

と何気にグレードアップしてるので無問題かと。

しかし、この師匠、「己の不始末は己自身の手でどうにかせい!」
とばかりに、アンアン本人を手紙回収に行かせかねないような気が
するのは私だけですか?

831 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 23:57:29 ID:1nTwBhti
>>830
か、影から見守るぐらいはしてくれるよ、たぶん(棒読み)

832 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 23:59:07 ID:4QGfsLAo
>自分のオリジナリティーの無さが心底憎い(笑)
そこは笑うべきところではないと思います。

833 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 00:01:26 ID:VfE5VLXg
毒吐きスレが釣れて釣れて(笑)

834 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 00:03:03 ID:+ioML+rV
>>831
本当に危なくなったら物影から布が伸びてきて助けてくれます。
もしくはネオドイツの覆面を被った謎の男が…


ゲルマン忍法壁抜けとかシュバルツ登場は魔法を越えている…

835 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 00:03:26 ID:Q9igSla4
>>833
荒らし乙

836 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 00:03:48 ID:0JbAdR1W
そのうちキョウジ(正確にはその影)兄さんも召還されそうだ…常に影から見守るのがデフォで、シェスタも覆面メイドで。

837 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 00:04:36 ID:sPGBwC27
最速>>兄貴、微妙に口調が変わってる

838 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 00:05:58 ID:DeeJyJqh
>>728
ミッチルダにはあれがあるじゃないか
地上本部の切り札となるはずだったのに出落ちをした質量兵器っぽいものが

839 :838:2007/10/06(土) 00:10:11 ID:DeeJyJqh
728じゃない >>782でした

840 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 00:12:14 ID:B5kduM9E
>>836
まあ、本物のキョウジ兄さんが来てもそれはそれで大変な事になりますが。

841 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 00:14:11 ID:M8sSC1Yb
すみません。避難所にも書き込んだのですが、PCの方が公開規制中なので避難所に投下……
と思ったのですが、投下しようとすると(書き込もうとすると)「ERROR:該当スレなし」となってしまいます。
それなので、投下は再度改めてしようと思います。お騒がせしてすみませんでした。

842 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 00:15:21 ID:M8sSC1Yb
名前忘れ。
「ルイズのおかあさん」の中の人です。

843 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 00:16:19 ID:KcSePJbd
今はしたらばが重いみたいだな。

844 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 00:16:53 ID:OLfupEef
投下したいのですが
190行あります
次がいいでしょうか

845 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 00:18:13 ID:c8tA5B6Z
もう475kbだからそろそろ次スレがあった方がいいんじゃない?

846 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 00:18:40 ID:Y4Ur6OIo
それだと(次にだと)微妙に他が余ってしまいそう・・・むぅ

847 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 00:19:53 ID:JA2ylKPh
いっそのことシャッフル同盟全部召喚とか。

ルイズとドモン以外には、
アルゴとタバサ(無口つながり)
チボデーとキュルケ(ファン(取り巻き)が多い)
ジョルジュとギーシュ(薔薇)
んで、なぜかシエスタの所にサイサイシーを召喚される、とか。

まあ、最強すぎて話が展開しませんな。

848 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 00:20:39 ID:Y4Ur6OIo
あ、ホントだ。容量が。
失礼しました。

849 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 00:22:59 ID:b2xNtGpy
東方不敗はドモンに負けたから、正しくは東方一敗だよな。

850 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 00:23:20 ID:+Nr3rx3u
シャッフルTUEEEEEで終わるのはまずいしな

851 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 00:25:22 ID:X5uUf1K6
んじゃ、キリが良いし>>850スレ立て頼んだ。

852 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 00:25:50 ID:nLBebgx+
お、475kを超えたか

853 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 00:26:17 ID:SmdaqhRP
シャッフル以外を召喚すればいいじゃない
ミケロとかチャップマンとか

854 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 00:26:52 ID:5CZCVXU2
初めての投下をしようと思ったのですが、
次スレでした方がいいですかね?

855 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 00:27:42 ID:c8tA5B6Z
>>854
申し訳ないが、次スレが立つまでもう少し待ってください。

856 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 00:27:49 ID:X5uUf1K6
>>854
残り22KBって所だし容量的に厳しいと思う。

857 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 00:27:51 ID:KcSePJbd
>>854
そんなに巨大じゃないならこのスレでおねがい。

858 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 00:27:57 ID:+ioML+rV
>>847
無能王にデビルガンダムを召喚させよう。
DG細胞でパワーアップしたドラゴンとかならそれなりに超人相手でも通用しそう。

今川繋がりで10傑集でも召喚させて対抗するとか…

859 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 00:32:46 ID:X5uUf1K6
>>850の反応がない……俺が立てて来ようか?

860 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 00:33:36 ID:xJ77HmMn
東方先生以外の死んだ筈の四人の旧シャッフルが四人の虚無の使い手の元にそれぞれ使い魔として召喚されます。
そしてハルケギニアの自然を破壊させない為、お互いの首を切りあわないようにそれぞれの国の代表による代理戦s(ry

最初はエルフやメイジが猛威を振るうが鍛え抜かれた肉体と拳こそが最強!という流れにいきつくのはお約束だw
そしてそれぞれの虚無の使い手は魔法に頼ることなく使い魔を師として鍛えられた肉体で雌雄を決するww
そして明日のルイズに微妙に被ってる気がするのは秘密だww

861 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 00:35:30 ID:7a6FAMss
むしろ、HOLICから四月一日君尋を召喚
もちろん、ルーンはウィンダールヴw

もれなく、四月一日の突っ込み気質とおさんどん気質が発揮されますwwww

862 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 00:35:31 ID:d9zulOj3
シャッフルつながりで
ルイズのサモンサーヴァントが原因で神界&魔界が開門、とか

863 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 00:36:03 ID:c8tA5B6Z
すまん、>>859頼む。

864 :859:2007/10/06(土) 00:37:53 ID:X5uUf1K6
規制かかった……すまんが>>865頼む

865 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 00:38:17 ID:HHsbJjbu
>>862
ひぃぃぃぃぃぃぃぃ!シエスタが空鍋を!

866 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 00:39:18 ID:RB6M7/JV


867 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 00:39:29 ID:nLBebgx+
>>864
では、俺が

868 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 00:42:09 ID:nLBebgx+
あ、スマンでしゃばった。
でも立った
次スレ
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1191598852/

869 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 00:43:23 ID:OLfupEef
次スレ立ったようなので投下しますね
入らない分は向こうにします

870 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 00:44:30 ID:QVHI7dQP
500kbだったら、空の軌跡キャラ召喚か、嘘予告キャストカレイドゼロを書く

871 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 00:45:24 ID:OLfupEef
悔しい、魔法さえ使えれば
もう誰にも馬鹿にされたくない
力が欲しい
みんなに認められるような、強い力が


広場に、7回目の爆発が響いた
自分以外はもう全員がコントラクト・サーヴァントまで済ませて高見の見物を決め込んでいる
さっきまでヤジを飛ばしていた連中も自分の使い魔を愛でる方に興味が移ったようだ
ルイズはもう半ばやけなりながら8回目になる呪文を叫ぶ
「宇宙の果てのどこかにいる私の僕よ! 神聖で美しく、そして強力な使い魔よ! 私は心より求め、訴えるわ! 我が導きに、応えなさい!!」
杖を振り下ろすと、爆音と共に光が炸裂した。
一際大きな爆発が起こり、あたりをもうもうと煙が包む
と、その時、ルイズの瞳に煙の向こうの何かが映った。
(何か出た!)
まさかと思い、すぐに爆発の中心に駆け寄るルイズ。
するとそこには―――

肘から先、杖を握ったままの人間の腕が落ちていた

(え?何コレ 何なのコレは 腕が使い魔?・・・もしかして、他の生徒を吹き飛ばしちゃったのかしら)
嫌な汗が背中を流れる。
とにかく本物かどうか確かめるべく杖でつついてみようとして・・・
自分の右腕が、途中から無くなっているのに気付いてから、気絶した
「ミス・ヴァリエール!」 
コルベールがあわてて駆けつけて来てピュ、ピュ、と間欠泉の様に血を吐き出す右腕を素早く縛り上げ止血する
「早く医務室へ!」
水メイジを引き連れながら、コルベールはルイズと右腕を運んでいく
「うーわ・・・あれは流石にかわいそうねぇ」
サラマンダーの頭を撫でながら壁にもたれていた少女が呟くと
風竜に背を預けて読書に没頭していた少女が少しだけ視線を上げる
「・・・・・・」
運ばれていくルイズを一瞥したが、やはり興味がなかったのか視線を戻しページをめくる
ページをめくる際に一瞬だけ自分の脚を撫でた
本人すら気付いていない無意識の仕草だった


どこか部屋の中で魔法使い達と戦っている
唸り声を上げる自分の手は獣のように太くなり鋭い爪が生え口からは炎を吐き出している
ああ、これは夢だな、と思った
割れたステンドグラスと十字架が見える。教会の中なのだろうか?
周りにはたくさんの兵士たちの死体
おそらくこの場合化け物である自分がやったものだろう
(憎い!憎い!憎い!)
何故だか目の前の魔法使い達が憎くてたまらない
噛み殺したい殴り殺したい踏み殺したい焼き殺したい刺し殺したい
その願いそのままに4人目を殺したところで
最後の一人が銃に似た銀色の筒を懐から取り出し
その銃で撃たれた途端に

872 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 00:47:41 ID:OLfupEef
ルイズは飛び起きた
「目が覚めましたか?ミス・ヴァリエール」
ベッドの傍にはコルベールが付き添っていた
「酷くうなされていたようですが。あ、まだ動かさない方がいい」
右手で額の汗をぬぐおうとして、硬い布でぐるぐる巻きにさているのに気が付く
「幸い、うまくくっついたようですね。傷口は焼けた所もなく綺麗なものでしたから。どうぞ」
差し出されたコップの水を一気に飲み干すと、何故自分がここにいるのかを思い出した
「あ、あの、ミスタコルベール。それであのサモン・サーヴァントは、いや、確かに失敗はしましたがもう一度」
「残念ながら、やり直しを認めるわけにはいきません」
あくまでも穏やかな、落ち着かせるような口調だった
「次は腕で済むとも限らない。学院長を交えた協議の結果、少なくとも1年は修行に励んでもらうのがいいという結論に至りました」
ルイズは目の前が真っ暗になった
「そう・・・ですか・・・」
自然に涙が溢れてきてシーツにいくつのもシミを作っていく
コルベールは精一杯ルイズを励ました
一年ぐらい遅れても大成した魔法使いはいくらでもいるとか
1年生での留年ならまた新入生ばかりだからすぐに友達ができるとか
そもそも魔法学院に通ったことのないメイジでも王宮で働いたりしているとか
結局の所、今のルイズの心に響く言葉はひとつも出てこなかった

魔法は必ずしも万能ではない。
ただの骨折や裂傷ならまだしも、完全に切断された場合もしくっついたとしても
握力が弱くなったり指が動かせなくなったり、なにかと以前よりも不自由になるのが普通である
にも関わらず、わずか一夜で完治したルイズの腕は後遺症が残ることもなく絶好調であった
そしてルイズの心の中は今にも屋上から身を投げんばかりの絶不調であった
ゼロ。
失敗。
留年。
落第。
手紙。
見合いさせるから帰って来きない。父。以上。
またまたまたヴァリエール家の顔に泥を塗ってしまった
そろそろ実家は完全に泥に埋まってしまっただろう
帰った時には泥地になっていてさぞ見つけるのに苦労するに違いない
いや、屋敷を一目見る前に泥だらけの姉か母あたりにくびられてしまうだろうか



873 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 00:48:32 ID:QyPGkg5C
支援

874 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 00:48:44 ID:WVKOVg8a
支援

875 :865:2007/10/06(土) 00:49:16 ID:HHsbJjbu
次スレ立ててきました

あの作品のキャラがルイズに召喚されました part69
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1191599178

876 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 00:49:47 ID:0NuC8d45
むぅ、なんのクロスなんだろうか。
気になるぜ支援。

877 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 00:50:31 ID:OLfupEef
しょぼくれたまま食堂に入り、力なく席に着くとすぐにあたりからヒソヒソと囁きあう声が聞こえてくる
もうみんな知っているのだ。来年は、この中からわたしだけがいなくなる。
「偉大なる始祖アザゼルと女王陛下よ。今朝もささやかな糧を我に与えたもう事を感謝いたします。」
(最後の唱和。最後の晩餐・・・か。朝食だけど)
いつもは舌鼓を打つ学院の料理なのにまったく味がしない
それでも機械的に口に運んで咀嚼していると、ワイン片手に今一番会いたくない女が近づいてきた
「よかったわねヴァリエール。腕、ちゃんとくっついてるじゃないの」
「あらツェルプストー。ごきげんよう。さようなら。あたし、学院をやめるから」
「ええ?あのさあ、何もやめる事無いんじゃないの?」
もう話す事はない。とばかりにもくもくと食事をするルイズ
「いいじゃないのよ来年また頑張れば」
ポンと肩に手をおかれる。気安く。留年ぐらいでくだらない。とばかりに
「うるさいわね、どうせあんたも心の中では笑ってるんでしょ!せいせいしてるんでしょ!」
肩の手をテーブルの食器ごと払いのけたルイズの手にナイフが当たる
右手の中指のあたりがざっくり切れて血がクロスを汚した
「さぞ嬉しいでしょうね!もう憎っくきヴァリエールの顔を見なくてすむんですから!」
「ちょっと落ち着きなさいあんた血が出てるわよ」
「ほっといてよ!キライ!キライ!みんなだいっ嫌い!!」
思いっきり叫んだ後、少女は逃げるように食堂から駆け出していった
(なによ!魔法が使えるからって、みんな馬鹿にして哀れんで哂って噂してやりたい放題!)
目に涙をいっぱいに溜めながら、それでもこらえて部屋へ向かうルイズ
(魔法が使えるだけで・・・あいつら・・・あいつらが・・・憎い・・・)
『・・・・・・・・か』
誰かの声が聞こえた気がしてハッと辺りを見回す
が、誰の姿も見えない
(ふん!どうせ物陰から哂ってるんでしょう!)
荷物をまとめるためにズンズンと部屋へ歩き出す
指の傷はもう消えていた

荷物をまとめ終わり、トランクを引きずって校庭に出た時
ちょうど庭では使い魔との親睦を広めるお茶会が行われていた
その様子を色のない瞳で横目にみながら門をくぐろうとした時
食器の割れる音と怒鳴るような声が聞こえてくる
紅葉を両頬に咲かせたキザったらしい少年がメイドを叱責している
メイドの方はもうただひたすらに平謝りで泣き出す寸前だ
ふと、気付く。魔法が使えない自分と、そこで頭を下げている平民と何が違うというのか
炊事も、洗濯も、草刈もできない自分は平民以下なのではないか
「やめなさいよ、みっともない」
(なら、せめて)
「なんだいルイズ、まだいたのか。君には関係ない事だ」
「女の子をいじめてみっともない、わたしが相手になるって言ってんのよ」
「いえ、あの、わたしがいけないんです。グラモン様の香水を」
「いいのいいの、そんなの口実なんだから。どうせ八つ当たりしたいだけなんでしょう。この甲斐性無しは」
図星を突かれて少年のこめかみにピキっと青筋が浮く
「生徒同士の決闘は禁じられてるけど、もうわたしは魔法学院の生徒じゃないわ」
「いいだろう」
ギーシュの怒りの矛先が落ちこぼれへとシフトした
「正直、魔法も使えないのに一人前に貴族を気取っている君は好かなかったんだ」


878 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 00:51:39 ID:WVKOVg8a
もしかしてARMS?支援

879 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 00:51:44 ID:QyPGkg5C
アザゼルと聞いて何で同人エロゲ思い出すんだ俺……支援

880 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 00:51:45 ID:xa0zB3nl
始祖アザゼル?さすがにブリミルまでなくしちゃうのはどうなんだろう?

881 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 00:51:47 ID:rQCpBNeq
アームズか!
支援支援

882 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 00:52:39 ID:OLfupEef
騒ぎをききつけて、めったに無い決闘騒ぎに一応は観衆が集まってきたようだ
「まったく、なにがしたいのかしらあの子ってば・・・ねぇタバサ?」
「・・・・・・」
返事はページをめくる音だけ。つまりは「興味が無い」ということだ
人垣でできた即席の闘技場の中、ギーシュはバラを模したキザったらしい杖を取り出し、無意味に口に咥える
「これから魔法に縁のない人生を送る君への最後の手向けだ、治療費は僕がもとうじゃないか。魔法の力、存分に味わいたまえ!」
杖を一振りすると、バラの花びらがゴーレムに変化して緩慢な動きでルイズの腹を殴る
「ぐっ!」
ただの少女にはそれで充分すぎるほどのダメージだ
「いいんです。ミス・ヴァリエール、やめてください!」
メイドがルイズにしがみついて泣きながら謝ってくる
「勘違いしないで。別に、あなたのためじゃないわ」
メイドを突き放し、口をぬぐいながら立ち上がる
「ただ、魔法使いが憎いだけよ」
「ルイズ、魔法が使えないものは魔法が使える者に従うのは当たり前の事なんだ。そうやってこの国は回っているんだ。世界のシステムなんだよ?」
「だからって、無意味に暴力を振るわれるいわれはないわ。八つ当たりがしたいならその辺の塀に頭突きでもしてなさいよ」
「心が痛むよ、ルイズ」
ゴーレムに頭を捕まれ、地面に頭突きさせられた
メイドはもう青い顔になって傍でガタガタと震えるだけだ。魔法が怖いから
腹を蹴り上げられてさっき食べた朝食が大地に還元されていく
素晴らしきかな食物連鎖
ゴーレムに叩きふせられ、投げ飛ばされ
口の中に入った砂がジャリジャリする
「いい加減、降参したらどうだね。もう充分だろう」

声が聞こえる
ギーシュのじゃない
メイドのでもない
観衆のでも

『・・・が欲しいか』

体の奥から自分以外のモノの鼓動を感じる

トク トク トク

『力が欲しいか』

トクン トクン トクン

(欲しいわよ・・・こんなゴーレムなんか叩き潰せる力が・・・魔法なんかいらない、どんなメイジより、使い魔より、
この世の誰より。皆に認められるような強い・・・力が・・・)

ドクン ドクン ドクン

(・・・力が欲しい)

『力が欲しいのなら』

暗闇の中 

鋭い牙がズラリと並んだ魔獣の口 

その端が持ち上がり 

邪悪に歪む様を 

ルイズは確かに見た

『くれてやる』

883 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 00:53:02 ID:0NuC8d45
まじかよ!
やっべぇのきたな。
しかも感じからして最強の魔獣?
私怨支援

884 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 00:53:34 ID:WVKOVg8a
右腕……ジャバウォックが来た!支援

885 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 00:53:58 ID:OLfupEef
1話終わりす
全国80万人のデルフファンのみなさんごめんなさい
出ません。

886 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 00:54:36 ID:WVKOVg8a
>>885
乙!期待がむくむく膨らむぜ。

887 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 00:54:39 ID:QyPGkg5C
ここで切るのかアンタはー!?

888 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 00:55:00 ID:dG59p6l/
むしろ変身解除後が気になる支援

889 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 00:56:21 ID:/cFIvfTi
>>888
素っ裸ですな!

890 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 00:58:27 ID:WVKOVg8a
そういえば序盤で何回か暴走してたな。
女の子がマッパはまずいなwwww

891 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 00:58:30 ID:rQCpBNeq
>>888
この段階で考えるなら右袖が肩近くまで破れるだけだ
最初から全開だと……我々にとってはご褒美です!

892 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 00:59:48 ID:D6O4iaV/
逆に考えるんだ貧乳だからそれなりに大丈夫だと!!

893 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 01:03:49 ID:pPVYYKwX
>>885
乙!てっきりデルフは岩みたいに射出されるのかと思ってた

894 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 01:04:34 ID:kMlB5YqU
一番不憫なデルフって・・・・・・・・結局存在すら触れられないデルフじゃないか?

895 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 01:05:48 ID:0NuC8d45
>>894
他にも居なかったっけ?
影も形も触れられなかったデルフ。
それはそうと投稿乙。GJでした

896 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 01:05:52 ID:duVLO4ko
作者に忘れ去られるデルフ

897 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 01:06:16 ID:rQCpBNeq
>>893
俺は取り込まれて何がどうなったかジャバウォックとデルフがルイズの中で同居するのかと

898 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 01:07:52 ID:aIXMPv5W
タバサが白兎?

899 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 01:10:57 ID:SATXQpZJ
500KBならトップ2のノノが召喚

900 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 01:11:11 ID:+WyWDBOl
>>898
タバサの白ニーソが弾け飛ぶ演出なんて来たら鼻血もんですがな(性的な意味で

901 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 01:11:34 ID:V/7FT4P+
>>898
オリジナルARMSは4体なので、虚無の使い手では。

902 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 01:13:21 ID:z/rAPkvs
>898
なんかそんな気がするね
となるとナイトとクイーンは誰になるのか…
いや、ナイトは彼女だろうな、きっと

903 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 01:14:47 ID:2HF6a001
496KBなら誰か汁婆を召喚してください。

904 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 01:15:50 ID:IwyP5exD
>>903
惜しい。
あと1KB足りなかったw

905 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 01:18:39 ID:rQCpBNeq
>>858
遅レスだが
ルイズ・土鬼(ガンダ)
キュルケ・アルベルト
タバサ・バンテス
ギーシュ・ヒィッツ
モンモン・十常寺
マルコメ・カワラザキ
フーケ・赤影
テファ・樊瑞(ミョズ)
教皇・幽鬼(ヴィン)
ジョゼフ・DG(語る事すら憚られる)
こんな感じか

906 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 01:18:44 ID:QyPGkg5C
>>903
というか何でまだ出てない物のキャラを呼べと……MtGだよな?

907 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 01:19:47 ID:UH9Mh5mH
しかし覚醒時期がまずすぎるな。
子供の頃からあの最強夫婦に精神・肉体共に鍛えられた高槻ですら、
仲間達とすがりつく希望があって辛うじて制御できたものを
今のルイズ精神状態で解放したらマジでハルケギニア滅びね?

908 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 01:21:30 ID:ZE8xNZeV
ルイズは化けるからな
心配はいらんさ
姉妹スレの仮面なんてとんでもなく格好良いんだぜ?

909 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 01:21:39 ID:IwyP5exD
>>907
BADENDを狙って書いてんじゃない?

910 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 01:22:06 ID:GzcGXMP/
>今のルイズ精神状態で解放したらマジでハルケギニア滅びね?
逆に考えるんだ、滅ぼしちゃえばいいと。

911 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 01:23:06 ID:IwyP5exD
>>910
卿、自重してくださいw

912 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 01:25:29 ID:IHmal+p0
500kbなら紅の王カイ・シンク召喚でアルビオン崩壊

913 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 01:25:48 ID:Dq/qk+OE
500ならアゼル=イブリス召喚

914 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 01:25:52 ID:NAD5jey5
残り3KB切ったか……。

915 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 01:26:49 ID:2HF6a001
>>906
いや、俺も実は良く知らないんだけどズシヲって漫画に二足歩行する馬が(ry

916 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 01:27:19 ID:RB6M7/JV
>>916ならタバサの冒険2買って読むまで投下しない

917 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 01:27:29 ID:NAD5jey5
500ならなのは魔々召喚。

918 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 01:28:00 ID:HR8AHgXF
おまいらそんなにハルケギニア滅ぼしたいのかw
500kなら、アリアンロッドのベネットが召喚される


919 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 01:28:28 ID:+ioML+rV
>>905
樊瑞「我ら十傑集がその気になればDGの一つや二つ」

何とかなりそうだから怖い。

今連載中の漫画版でも
ロボは人相の悪い乗り物と化してるし…

920 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 01:28:35 ID:Dq/qk+OE
>>915
トコトコトコトコ男の子!
ヅカヅカヅカヅカ宝塚!!






でも500ならアゼル=イブリスとベール=ゼファーとリオン=グンタ召喚

921 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 01:28:41 ID:QyPGkg5C
>>915
そりゃすまんかった。ズシヲは確か短編なかったか。

>>916
タバサ関係の作者さん……煉獄の人かヘイズの人かな?

さてそろそろこのスレも終わりか。
これで500KBなら皆「悲しみの向こうへ」。

922 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 01:29:04 ID:/cFIvfTi
>>915
ドリフト走行する汁婆のことかー!!

923 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 01:29:28 ID:9VNQv9wZ
500なら魚雷先生降臨

924 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 01:29:34 ID:ZVflg1bP
次スレ

http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1191598852/

925 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 01:29:34 ID:ymvsDy2t
500kならシャンゼリオン召喚

926 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 01:29:36 ID:SATXQpZJ
500KBならトップ2のノノが召喚


927 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 01:29:37 ID:Dq/qk+OE
500ならアゼル=イブリスとベール=ゼファーとリオン=グンタ召喚






もしくは「トマホーク・ナギ」召喚。

928 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 01:29:41 ID:NAD5jey5
500kbなら、スレイヤーズのリナ=インバース召喚。

929 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 01:29:51 ID:WVKOVg8a
500kbならスネーク召喚

930 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 01:29:55 ID:z/rAPkvs
500KBならサモン3のアティ先生召喚
7万に対して抜剣するアティが見たい

931 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 01:29:56 ID:IwyP5exD
500KB取りって、なんかチキンレースかロシアンルーレットやってる気分。

932 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 01:29:57 ID:QyPGkg5C
500KBなら……中に誰も居ませんよ?

933 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 01:30:31 ID:/9d4/dyS
>>921
ギャオスの人だと嬉しい

934 :これで500?:2007/10/06(土) 01:30:37 ID:Q58VNaP/
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