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あの作品のキャラがルイズに召喚されました part66

1 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 23:31:56 ID:4RkCtjbP
もしもゼロの使い魔のルイズが召喚したのがサイトではなかったら?そんなifを語るスレ。


あの作品のキャラがルイズに召喚されました part65
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1190814454/l50

まとめwiki
http://www35.atwiki.jp/anozero/
避難所
http://jbbs.livedoor.jp/otaku/9616/

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    _              ■ 注意事項よ! ちゃんと聞きなさいよね! ■
    〃 ` ヽ  .   ・雑談、SS、共に書き込む前のリロードは忘れないでよ!ただでさえ勢いが速いんだから!
    l lf小从} l /   ちゃんと空気を読まないと、ひどいんだからね!
   ノハ{*゚ヮ゚ノハ/,.   ・投下をする前には、必ず投下予告をしなさいよ!投下終了の宣言も忘れちゃだめなんだからね!
  ((/} )犬({つ'    ・ 投下してるの? し、支援してあげてもいいんだからね!
   / '"/_jl〉` j,    ・興味のないSS? そんなもの、「スルー」の魔法を使えばいいじゃない!
   ヽ_/ィヘ_)〜′   ・まとめの更新は気づいた人がやらなきゃダメなんだからね!
              ・議論や荒らしへの反応は、避難所でやりなさい!

--------------------------------------------------------------------------------
     _
     〃  ^ヽ      ・クロス元が18禁作品であっても、SSの内容が非18禁である場合は本スレへの投下で問題ないわ。
    J{  ハ从{_,     ・SSの内容が18禁な展開をする場合はクロス元に関わらず、本スレではなく避難所への投下をお願いね?
    ノルノー゚ノjし      ・クロス元が型月作品のSSは、本スレでも避難所でもルイズの『錬金』のように危険よ。やめておいてね。
   /く{ {丈} }つ     ・クロスはお互いを尊重しなきゃだめ。一方的なのはモテないわよ?
   l く/_jlム! |      ・不要な荒れを防ぐには、sage進行もいいんじゃないかしら。
   レ-ヘじフ〜l         ・次スレは>>950から。お願いね?テンプレはwikiの左メニューを参照よ。



2 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 23:34:26 ID:yhcxh0X9
>>1おでれーた

3 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 23:34:30 ID:Oerz3Sgv
あえて言おう!乙であると!

4 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 23:34:42 ID:hcdWJQcV
>>1

5 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 23:35:41 ID:NGsnMhZA
おーーーーーーーーーーーーつ、乙。

6 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 23:40:07 ID:gGpLU/FP
>>1

7 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 23:41:23 ID:EJdVeIzd
巷に>>1乙の降るごとく

8 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 23:42:25 ID:op8tMcfc
                    / A \
               _/ ∀  `ー―vヘ、
            〃´  -゚-―‐゚―‐- 、0\
          l ̄` /            \ l
          | (0/               `ヽ、
          / y′  ./  j{    :.:.ヽ:.:.:.:ヽ :.:.:.:l
           ,' :/    .:.| .:八    .:.}.:.jl.::.:.:.|:. .:.:.:.|
.          | ,'.:.:..  .:./!.:./--\  :.jV-ハ.:.:.l.:.:.:j:. l
        j.:l.:.:.:{.: .:':{ ヽ{ _  ヽ.:./ _  ∨.:.:/∨
        /./\:.\::.:.l x==ミ  ∨ ィ=、 ,':.;.小   >>1乙でございますわ
.        /:.,':.〃lヽ:.{\{ ′           イ.:.:.:.l::ヘ  何て言うとでも思いまして?
      /.:.:l :.:.: |.:.:.:.:ヘ        `    } .:.:.:|.:.:.ヽ
.     /.:.:.:.!.:.:.:.:l.:.:.:.:.:.:\    (ア   /.:.:.:/l:.:lヽ:',
     {.:.:.:.::|.:.:.:.:.lヽ.:.:.:.:.:.,:> 、     ,.イ:l.:.:.:.:/.:.|:.:! l:.:l
       ',.:.:.:.l..:.{:.:.:!:.:\.:.:.:.{(!_.≧く|>!| l :./.:./l:/ V
      \∧:.ヽ:.|ヘ:.}\.:.:}厂X⌒}0 j:! ! .:.!:.:{' /
          ̄ ̄_二>!:人ノ__>'´ ̄Vヘ :.W>
         _, イ    j/  /   '´  ヽ{ `ヽ、
        /       // ゙̄ヽ         \
.       / {     o  |: 〈( !) 〉 o     {   ヽ
       l  /      |  ヽ_/        l   l
       │ j"      |            ヘ  |    |

9 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 23:42:37 ID:yjXKEKWz
乙テッカァァァァァァァァァァァァァ!!

10 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 23:44:35 ID:3kOTvY1t
>>1 乙!!!

11 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 23:51:17 ID:+z2tiLXn
>>1乙!

12 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 00:04:25 ID:UR/VZu1D
ちょっ……よりによって前スレ1000……

13 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 00:04:32 ID:Kua7ToA1
>1000 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 00:03:20 ID:xHoFOIT7
>>1000ならniceboat中だった言葉様+誠首召還

!?

14 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 00:04:32 ID:IbWdcRYR
>>1

>1000 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2007/09/29(土) 00:03:20 ID:xHoFOIT7
>>1000ならniceboat中だった言葉様+誠首召還

ヒィッ

15 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 00:04:47 ID:4RkCtjbP
1000 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2007/09/29(土) 00:03:20 ID:xHoFOIT7
>>1000ならniceboat中だった言葉様+誠首召還

なんて事を……。

>>1000なら夜明けの使い魔の人が≪勇気ある誓い≫と共にどんどん続きを書いてくれる。

と書こうとしたのに。

16 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 00:05:08 ID:op8tMcfc
1000 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2007/09/29(土) 00:03:20 ID:xHoFOIT7
>>1000ならniceboat中だった言葉様+誠首召還

お前は何てことをwwwwwwwwww

17 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 00:05:41 ID:EJdVeIzd
前スレ>>1000……
恐ろしい子っ!?

18 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 00:05:54 ID:nmDnA6rJ
前スレ>>1000wwwwやりやがったwwwwwww

19 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 00:06:16 ID:eM+NhJCf
お前ら前スレ>>993にも触れてやれw

20 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 00:07:33 ID:/NeuwC7d
1000 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2007/09/29(土) 00:03:20 ID:xHoFOIT7
>>1000ならniceboat中だった言葉様+誠首召還

契約はどっちとするんだ?誠の生首にキスをして
なぜか誠が復活なんて展開は嫌だな。

21 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 00:07:40 ID:FJDIzCdm
よし、逆に考えよう。
6000年前にブリミルが呼び出してしまったのが前スレ>>1000だったと。
だから語る事さえ憚られるんだ。

……きょぬーに刻まれたルーンとかなんかこうえろいよね?

22 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 00:08:16 ID:cwqSRurj
>993 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/09/29(土) 00:02:35 ID:qBRfvjfQ
>>1000なら災いのタバサを一ヶ月ぶりに投下する

を無視とな。

23 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 00:09:17 ID:r1XYHn7b
ツカイマグルイが気になる俺ガイル

24 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 00:09:39 ID:FJDIzCdm
災いの人は>>1000を取れなくてもきっと投下してくれる、そう信じてるからだぜ。

25 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 00:10:06 ID:bGD7YxoF
>>1000取れなかったから明日にするか

26 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 00:10:44 ID:brlBvB13
>>1000じゃなければ夜明けの使い魔がみんなのフレアの支援を受けてスランプという名のダスクフレアを打ち砕いて、大量投下。

27 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 00:11:04 ID:yZuendiK
ここは1000が成就する確率が低い代わりに
>>950が自分に次スレ立てを任せる伝統があるのだね

28 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 00:11:42 ID:8MA4uH0B
ポケスペよりイエローを召喚。
キュルケに襲われるシーンに期待

29 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 00:12:53 ID:nIPiQ83l
>>25
明日って今さ!

30 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 00:13:12 ID:FJDIzCdm
>>25
投下か?
ならば支援するぞ。

31 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 00:13:16 ID:c7YHdBJj
>>26なら、アムロ・レイ召喚

32 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 00:15:20 ID:bGD7YxoF
>>29-30
ごめんなさい30日に投下します

33 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 00:16:33 ID:ST3Kxz9/
>>27
正直あのピンポイントスナイプぶりも凄いよなw

34 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 00:17:13 ID:8MA4uH0B
ポケスペよりイエローを召喚。
キュルケに襲われるシーンに期待。

35 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 00:17:35 ID:FJDIzCdm
>>32
30日はローウィンのプレリリース行ってていないが……出来たら支援する。

36 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 00:18:36 ID:FJDIzCdm
>>34
姉妹スレから流れ着いたムーディー・ブルースによる>>28のリプレイか。

37 :34:2007/09/29(土) 00:18:51 ID:8MA4uH0B
うわ、誤爆orz

38 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 00:19:20 ID:bGD7YxoF
>>35
ではさらに1日伸ばして投下を(ry

39 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 00:20:44 ID:FJDIzCdm
そこは一日早く投下してくれる所じゃないかッ!?w

40 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 00:27:12 ID:wbZG4+s0
前スレ1000のネタをちょっと考えてみたんだが、
言葉様がアンドバリの指輪を取り返して誠を復活させるという展開を思いついた。

しかし誠は自分が首だけという現実に耐え切れず精神崩壊すると思いきや、
アンドバリの指輪で精神操られてるから言葉様の理想の彼氏を演じ続けるんだ。
最終的に言葉様はハルケギニア史に残る悲恋の使い魔として伝説になってブリミル級の知名度を得る。

もっとちゃんと筋道の立ったプロットを思いつければ書けそうだが、今の妄想力じゃ無理だなぁ。

41 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 00:30:50 ID:9oc4ny+p
その展開だとクロムウェルは……

42 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 00:31:52 ID:XAVRgfFG
俺が想像したのはルーンの効果によりルイズに妄信的な感情を持つ言葉様が浮かんだ

あれ?これなんてシェフィールド?

43 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 00:32:33 ID:ZJQfgc5h
誠にルイズが契約のキス
     ↓
それに嫉妬した言葉様覚醒
     ↓
ルイズが鋸で(ry

どうみても鮮血の結末です。本当にあり(ry



44 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 00:36:20 ID:9qDasHTu
ルイズが誠を、ジョゼフが言葉を召喚なら

45 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 00:37:51 ID:FJDIzCdm
というか何でこんな流れになってるんだろう。
固定化って死んだ人間にも効くんだろうか、効くとしたらかけそうだよな言葉。とか考えてる自分もアレだが。

46 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 00:37:58 ID:Ik54w26D
言葉はおおらかだよ
ちょっとの浮気ぐらい許してあげちゃいます

47 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 00:40:32 ID:QbHLNuqe
いや、そもそも誠は生首だぞw
すでに死んでいるならもっかい呼べるかもな
でも今度はめった刺しの体がでてきそうだ

48 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 00:41:03 ID:9oc4ny+p
雪の日のベランダで情事を窓に張り付いて見つめ続けたりするけどな

49 :ゼロの落花生:2007/09/29(土) 00:42:35 ID:DpnUpOtC
流れを切って悪いんですが、45分から投下してもいいですか?

50 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 00:42:42 ID:2aE8a2m6
誠復活→キュルケイベント→言葉様覚醒。

こうですか?
でも血縁関係以外では駄目なのかな。

51 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 00:43:07 ID:AETEt02A
それはそれで興奮する

52 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 00:43:13 ID:XAVRgfFG
言葉様は一番心が広い
でも一番狂気に走りやすい

53 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 00:44:15 ID:MmK+lfXU
Nice boat!

54 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 00:44:17 ID:ZJQfgc5h
>44
誠は生首だからデコにルーン→ミョズ

ということは言葉がガンダールヴということに・・・

覚醒言葉様が鋸を片手にトリステイン軍を切り刻んでる光景を想像した。

55 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 00:44:35 ID:XAVRgfFG
>>49
歩道が開いてるではないか

>>51
俺には血縁者以外があのヘタレに惚れると思わない

56 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 00:44:58 ID:2aE8a2m6
>>49
きゃもん。

57 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 00:45:11 ID:9oc4ny+p
支援するでピーナッツ

58 :ゼロの落花生:2007/09/29(土) 00:45:28 ID:DpnUpOtC
では、投下開始します




窓から注ぎ込んでくる日差しで、ルイズは目覚めた。
「うぅ〜ん…」
ルイズはベッドの上で起き上がった。
直射日光が入り込むので部屋の中は眩しい位だ。
この調子なら、今日は一日中晴れだろう。
きっと清々しい一日になるだろう…同級生に会うまでは。
いや、ちょっと待って…何かもう一つ……頭痛の種になるものがあったような気が…
それに、ぐっすり眠った筈なのに、何故だかあっちこっちの筋肉が痛い。
まるで昨日の夜、怒りに任せて同級生ごと爆破した廊下の瓦礫を一人で片付けさせられた様な…
い、いや、きっと気のせいね。
「とりあえず新鮮な空気を入れましょう」
外の冷たい空気で深呼吸すれば、謎にド〜ンと重いこの気分も少しは晴れるでしょう。
ルイズはベッドから立ち上がり、フラフラと窓へ進み、開け放った。
「ああ、やっぱり朝の空気は気持ちがいいわ」
そういいながら深呼吸をするルイズ。
深く息を吸い込み…
「?!ぐほ!!」
噴出すルイズ。
「ごほごほごほごほッ!」
ルイズの視線の先に居た物とは

(ジョー・クールが大学のキャンパスでブラついてるところ)
そう呟きつつサングラスを掛け、タートルネックのシャツを着て、腕組みしながら犬小屋によりかかっている、自分の使い魔だった。
「……あの犬!何やってるのよ!?」
答えは直ぐに出た。
(そこのお嬢さん、いっしょにカフェしないかい?)
近くを通りかかった黒髪のメイドに声を掛けるスヌーピー。
「え?あ、私ですか?すみません、今仕事中なので…」
頭を下げて去っていくメイド。
それを見送るスヌーピー。
(…こういう時はしつこく追わないものさ)
そんな光景を見て、使い魔の主人は頭を抱えてしまった。

59 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 00:46:25 ID:AETEt02A
支援するェ

60 :ゼロの落花生:2007/09/29(土) 00:46:40 ID:DpnUpOtC
しばらく【使い魔性偏頭痛】でうずくまっていたルイズ。
「…あのマヌケ犬!!絶対にとっちめてやるわ!!あんな所で朝っぱらから軟派してるなんて!!!
ご主人様の顔に泥を塗るような行為を!!!!ぜっっっったいにゆるさないわ!!!!」
頭痛は治まったが、今度は高血圧になってしまったらしい。
素早くネグリジェを脱ぎ、今までに無い速さで制服に着替えると、ドアを吹き飛ばさん勢いで開けて自室を出て行った。
ルイズが部屋を出ると、丁度隣の部屋からキュルケが出て来るところだった。
「あらルイズ、今日は朝からハイテンショ「おはよう!キュル!!」
そう叫んで地響きみたいな足音を立てながら、その場を去っていくルイズ。
残されたキュルケはキョトンとした顔をしている。
「おはよう…キュル?」
「きゅる?」
使い魔もキョトンとしていた。


「そ〜こ〜の〜馬〜鹿〜いぬ〜!!!!」
朝の喧噪の中、それを吹き飛ばす怒声が響く。
音の発生源たるルイズは、広場の真ん中の自分の使い魔の所まで、ドスドスと歩いてきているのだった。
歩いていた割に、なにやら息が荒い。
息どころか、火を吹きそうだ。
「…あんた!!一体何様のつもり!!!」
両手を腰にあて、叱り付けるルイズ。
(ジョー・クール)
サングラスを掛けたまま、涼しい顔で答える使い魔。
「何よ!ジョー・クールって!知らないわよそんなの!」
(知らない?)
ちょっと驚いた様子のスヌーピー。
(この大学では有名なんだけどな)
「はぁ!?ここは大学じゃないわよ!!トリステイン魔法学院よ!!!」
(そうかい?似たようなものさ)
「何であんたが決めるのよ!それよりも何よ朝っぱらから、そんな見っとも無い格好して!主人として恥かしいったらありゃしないわ!!」
(見っとも無い?女の子はタートルネックに弱いものなんだよ。知らなかったのかい)
「知らないわよそんなの!!!!!」
(怒ってると折角の顔が台無しだよカワイコちゃん)
そう言って鼻にキスするスヌーピー。
Chu
「キャッ!……キャアアアアアアアァ!!」
叫びまくるルイズ。
「またキスしたわ!!信じられない!……もういいわよ」
使い魔に背を向け、改めて深呼吸をするルイズ。
怒りは収まらないが、落ち着いてきた様だ。
「判ったわよ。そこでそのマヌケな格好で軟派していたなら、いつまでもしてればいいわ」
(そうさせてもらうよ)
「でもね、朝ご飯は貰えないわよ。朝ご飯が欲しかったらさっさとその格好を止めてご主人様の…」
そういって振り向いた時には、ルイズの使い魔は、普通の格好で口に自分のお皿をくわえて立っていた。
(食堂ってどこかな?)
「………(タメイキ)」
何もいう気になれないルイズだった。

61 :ゼロの落花生:2007/09/29(土) 00:47:45 ID:DpnUpOtC
食堂に到着した二人。
あるいは、一人と一匹。
(へえ、凄いなあ)
自分のお皿を頭に被りながら呟くスヌーピー。
「へー。あんたみたいな犬にもここの凄さは判るのね。ここは【アルヴィースの食堂】っていうのよ。
本当は犬は入れちゃいけないんだけど、特別の計らいで入れてあげるわ。感謝なさいよ」
(それにしても広いなあ)
「でしょ。トリステイン魔法学院の自慢の一つよ」
ちょっと鼻が高くなるルイズ。
(ショッピングモールのフードコーナーみたいだ)
「そう…それ褒めてるの?」
(バーガーキングがあればね)
「言ってる意味がわからないわ」
そういいながら奥に進むルイズ。
その後をトボトボと追従する使い魔。
自分の席までたどり着くルイズ。
すでに、そこにはおいしそうは朝食が準備されている。
「ちょっと!私の使い魔なんだから、イスぐらい引きなさいよ」
イスを引こうとするスヌーピー。
(…背もたれに手が届かないよ)
内心しまったと思うルイズ。
「…考えて無かったわ」
(でもイスの足を引いてあげる)
「う〜ん、これでいいのかしら?何か違うような気がしてならないわ」
(結果オーライさお嬢さん。さて、僕の食事はどれかな)
と、背伸びをしてテーブルの上を見回す使い魔。
フッフッフ、と笑い出すルイズ。
「残念だけど、あんたの食事はそこには無いわよ!」
(ないの?)
「そうよ!」
昨日の夜、同級生を爆破する前に仕込んでおいたのだ!
この生意気な使い魔に、下僕であることを思い知らせる惨めな食事を!!
「あんたの朝食はね、これ!この床に…って!どこ行ったのよ!!」
「やあルイズおはよう」
ギーシュがやって来た。
「何か朝から妙に頭痛がするんだけど、まあいや。君の使い魔なら、あそこだよ」
「どこよ!?」
ギーシュが指差す方を見ると、自分のお皿を咥えて厨房に入っていく使い魔が見えた。
「あいつ!何するつもりよ!とっちめてやるわ!!」
「止めときなさいよ」
と青い髪の子を連れたキュルケがやって来た。
「もう、食事の時間よ」
ギーシュもそれに頷く。
「そうだよ。でも僕は何故か食欲が無いんだけどね。頭のコブと関係があるのかな?」
二人に言われ渋々席に作るルイズ。
祈りを終えて、食べ始めたところで、空いていた隣の席に誰かが座った。

62 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 00:48:15 ID:LEit3GS+
やべえスヌーピーあなどれねえ支援

63 :ゼロの落花生:2007/09/29(土) 00:48:59 ID:DpnUpOtC
「…あんた!!!」
そこに居たのは、自分のお皿に貴族諸君と同じ食事を盛った、自分の使い魔が座っていた。
器用にナイフとフォークを使いながら食べ始めるスヌーピー。
「何やってるのよ!!」
(知らなかったんだ)
「何をよ!!」
(貴族の食堂がセルフサービスだなんて)
「あ…あ、あんたね〜!!」
食堂で怒鳴りはじめるルイズ。当然ながら、全員の注目を浴びている。
ちょっと恥ずかしい。
「だ、だだだ大体あんたみたいな平民は貴族と同じテーブルで食事しちゃいけないのよ!」
「なあ」
テーブルの向かいに座っている、太っちょの生徒が声を掛けてきた。
「いっちゃあ悪いんだが、彼は平民ですらないんじゃないか?」
「おだまり!」
太っちょは無い首をすくめて黙ってしまった。
「いいこと!今すぐその料理を返してきなさい!!」
(どの料理だい?)
「あ、あれ?」
既にお皿は空だった。
(失礼、ウェイトレス君)
近くに居た黒髪のメイドを呼ぶ使い魔。
「はい、何でしょうか?」
(僕、朝はワインを飲まない主義なんだ)
「申し訳御座いません」
頭を下げるメイド。
「ちょっと!何頭下げてるのよあんた!」
ルイズが怒鳴る。
(その代わり、ルートビアを一杯!)
「ルートビアって何よ!」
「かしこまりました。ルートビアですね」
「だからルートビアって何よ!!」
(ただの飲み物だよ)
「…訳がわかんないわ」

ちょっとしてから、泡立つ飲み物が、大きめのコップに入れられ運ばれてきた。
それを美味しそうに一気飲みするスヌーピー。
(ご馳走様)
といって席からヒョイと飛び降りる。
(コック長に美味しかったと伝えといてよ)
食堂から出て行きながら、さっきの黒髪のメイドに声を掛けた。
「ありがとう御座います」
(礼には及ばないよ。だけど…)
と立ち止まって振り返る。
(次からはドッグフードの方がいいな)
そう言って今度こそ去っていった。
それを眺めていたルイズは、全く食が進まなかったという。

64 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 00:49:29 ID:9oc4ny+p
腰痛がひどいが支援

65 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 00:50:07 ID:LEit3GS+
凄すぎる
流石マイペース

66 :ゼロの落花生:2007/09/29(土) 00:50:12 ID:DpnUpOtC
「うっかりしてたわ!」
殆ど手付かずの食事を残して食堂を出た時、ルイズは気がついた。
「授業に使い魔を連れて行かなきゃならないんだったわ!!」
慌てて探すが目の付く所には居ない。
犬小屋の方にも行って見たがやはり居ない。
「どうしよう…」
途方にくれるルイズ。
「そうだ」
が、直ぐに答えは出た。
「つれていかなきゃいいんだ。あの風竜を召喚した子だって、授業には連れていけないだろうし」
むしろ、連れて行かないほうが良い気がしてならなかった。
しかし、教室についてみると。
「……何これ?」
「あの子の使い魔よ」
とタバサを指しながら言うキュルケ。
教室の中には、体を屈めて窮屈そうに縮こまっている風竜が居た。
「…やりきれない」

トリステイン魔法学院のヴェストリの広場一角に、いつの間にか見慣れぬ屋台のような物がポツンと立っている。
屋台と言っても、上に掲げた看板と、テーブル代わりの台とイスが一脚あるだけである。
いや、四角い台の反対側にもイスがあるのだろう。
我らがスヌーピーがそこに腰掛、テーブルに足を乗っけて暇を持て余していた。
(誰か来ないかな?)
しばらくすると、一人の青い髪の女の子が歩いてきた。
メガネと本が良く似合う子だ。
その子が来た方向から、爆発音が響き渡った。
(なんだろう?)
スヌーピーはちょっと驚いたが、青い髪の子は驚かない。
きっと年中行事なんだろう。
青い髪の子ことタバサが、スヌーピーの屋台の前で立ち止まった。
「……」
上の看板を指差すタバサ。
「何?」
(精神分析 一回5セント、さ)
「5セント?」
(100分の1ドルの事さ)
「…わからない」
(なんだって!)
「こっちは?」
下を指差すタバサ。
(医師在院中…まさか読めないのかい?)
「読めない。私の知っている言語じゃないから」
(ここ人は皆英語が喋れるのに読めないのか!困ったな…どうしよう)
「…」
(ねえメガネの君、ここの字を書けるかい?)
無言で首をコクコクと頷くタバサ。
(読める字で書き直してくれないかな?)
「……わかった」
(ありがとう!)
そう言って鼻にキスするスヌーピー。
無表情なタバサもこれにはちょっと驚いた。
「…不潔」
ハンカチで鼻を拭き始めるタバサ。
(そうかな…今朝もちゃんと『水のみ』の水で洗ったんだけどな)
さらに力を入れてハンカチで擦るタバサだった。

67 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 00:50:26 ID:itidvdJw
マイペースなやつだからな、最強のツンデレ殺し。支援

68 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 00:51:58 ID:ZHwiLuVz
やばい、スヌーピーがかっこよすぎる……支援

69 :ゼロの落花生:2007/09/29(土) 00:52:13 ID:DpnUpOtC
以上です。
スヌーピーらしさとゼロ魔らしさを両立させようと思ったんですが、
なんだかスヌーピーに偏ってしまった気がします。
すみません。
後、本によって訳がちょっとづつ違うのが難しいところですね。
(タメイキ)とか「やりきれない」とか。
ちなみに、私は谷川俊太郎氏の訳した本を元にしております。
では。

70 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 00:54:07 ID:8MA4uH0B
GJ
先が読めません

71 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 00:55:20 ID:yZuendiK
スヌーピーのノリは超独特だよな

72 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 00:55:26 ID:9oc4ny+p


展開予想不可能wwww
マイペースすぐるwwwww

73 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 00:55:33 ID:BM0La/cX
スヌーピーのよさが出てて良いなァ

74 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 00:56:38 ID:aYK4WSuI
GJ。
スヌーピーがこんなに良いキャラしてるなんて知らんかったwww

75 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 00:57:26 ID:g1BygCZs
いや、すごいスヌーピーしてるよ
前回の
>(…これからどっちに吼えれば良いんだろう?)
これがジャストミートだった

76 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 00:57:34 ID:kLRSH0zA
スヌーピーと言えばラグビーのキック練習でボールを取り上げられるチャーリーと
ハロウィンでかりんとうしか貰えないチャーリーしか思い出せないぜ

77 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 00:57:44 ID:cwqSRurj
スヌーピーってこんな性格だったのか……何やら幼い日の思い出が打ち壊されたorz
しかしGJ

78 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 01:00:29 ID:GuNhNnsz
スヌーピーはジョンブル紳士だからなw

79 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 01:02:32 ID:M5HI/HEY
スヌーピーGJ!

シルフィードは教室の出入口を通り抜ける事が出来るのか?
出来る!出来るのだ!

出る時は簡単な悪寒

80 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 01:03:11 ID:gPX08099
>>69GJ!そして乙
いやピーナツのあの空気とゼロ魔の世界をうまく融合させています。
まさかこの2つの作品をクロスさせるなんて想像もしませんでした
ピーナツは好きで谷川俊太郎氏訳はよく読んでいます。
ルイズその犬は知名度においては比べ物にならないぐらいの大先輩なんだぞ。
もっと尊敬しろ(笑)
しかしガンダールブはどうするんだろう。
スヌーピーがデルフリンガーもって戦うのか、できそうだけど。
まとめておきたいのですが前の回はどこのスレッドにありますか。
教えてください。

81 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 01:07:24 ID:itidvdJw
>>79
誰もいないうちに「変化」を使って進入して元に戻る。
出るときは、誰もいなくなってから以下省略。

82 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 01:08:21 ID:yZuendiK
>>80
つい最近だ。前スレだったか

83 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 01:13:05 ID:itidvdJw
>>80
前々スレのかなり最後のほうだったはず。

84 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 01:30:57 ID:sv4tcDy2
投下よろしいでしょうか?

85 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 01:31:27 ID:r1XYHn7b
グリーンダヨ

86 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 01:31:34 ID:LEit3GS+
カモーン!

87 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 01:31:36 ID:9oc4ny+p
かもーん

88 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 01:32:18 ID:sv4tcDy2
タイトル:ハンマー



「宇宙の果(省略)」

召喚の際に生じた爆発の煙の中、蠢くものがあった。
注視してみるとそれは

「なんなの…これ?」

頭に灰色のヘルメットを被り背中に灰色の甲羅のついた服を来た人形(?)だった。
それが飛び跳ねていた。
何か得体の知れないものだったが危険な感じはしなかったので契約しようと飛び跳ねるそれを
追いかけ何とか捕まえ契約のキスをした瞬間だった…ルイズのまわりを
ボワワン
という音とともに煙が覆いつくした。
一応爆発とも見れるそれを見たほかの生徒はコントラクトサーヴァントまで失敗したか?と
ざわめく。
と、煙が晴れてくる

「ケホッケホッ!!なんなのよ!?って…え!?」

煙が晴れる…そこにいたのはルイズただ一人…ただその服装は先ほどの人形のもの…
来ていた人形自体はいなくなっていた。
混乱するルイズたちだったがコルベールがあることに気づいた。
服にルーンが刻まれていたのである。
そこからコルベールが考えたのはあの元々この服を着ていたものは付属品であり
この服こそがルイズの呼び出したもの本体ではないか?と。
そんな馬鹿なというルイズだったがその時服のルーンが光を放った。
そしてルイズは理解した。自分がアタリを引いたことを…

89 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 01:33:45 ID:sv4tcDy2
翌日、メイドを庇ったことでルイズはギーシュと決闘を挑まれた。
それを受け決闘の場所ヴェストリの広場に姿を現したとき…ルイズは昨日召喚した服に身を包んでいた。
笑うギャラリーとギーシュだがルイズは気にせずに口を開く。

「別にこの格好でもかまわないでしょ?」

「ああ、こちらもワルキューレを使わせてもらうけどね」

そう言ってギーシュもゴーレム・ワルキューレを出現させる。
ルイズもそれを余裕で了承し決闘が始まった。
開始して早々ルイズの手にはあるものが現れた。それはいわゆる金槌…ハンマーであった。
ルイズはそれをワルキューレへと投げつけた。それが当たったワルキューレはあっさりと崩れ去った。
なぜか宙に100という数字が数秒浮かんで消えた…
そのあっけなさに呆然となるギーシュであったが我に戻ると事態を察し6体のワルキューレを作り出し急いで
向かわせる。
あのハンマーがマジックアイテムの類かはわからないがあの服にはそう何個もしまえないであろう…と。
だが、その予想に反してルイズはハンマーを投げる。投げる。投げる。投げる。
けん制にまで使っている。馬鹿な!?とギーシュが思ったときにはワルキューレはすべて破壊されていた…





土くれのフーケ、マチルダ・オブ・サウスゴーダは困惑していた。
学院の宝物庫からマジックアイテム『炎の花』を盗んだはいいが使い方がわからなかったので
学院の人間に実践させよう思い学院長の秘書ロングビルとして学院に戻り嘘の報告をし討伐志願者を連れ出し
ゴーレムをけしかけたのだがそのゴーレムはルイズのハンマー一発で
崩れ去ってしまった。
とりあえずこのまま持ち帰られてしまうわけにもいかないので
ロングビルとして戻り帰路のどこかでうまく自分が預かり逃亡しようと思い
姿を現した矢先、ルイズが使い方がわかったと教えてくれたので奪い本性を現し、
教えてくれた通りの使い方…握り地を跳ねる炎を放った…
なんか使った瞬間、自分の服の色が赤と白に変わったがあふれ出てくる力に比べれば些細なことだ。
一緒についてきたあとの2人は距離が離れていたため避けられたがルイズには直撃だったはずだ。
無事ではあるまい。そう考えると彼女は笑みを浮かべた。

90 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 01:33:51 ID:KFVEPOLd
ちょwwwそれはもしやwwwww

支援

91 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 01:34:27 ID:9oc4ny+p
ハンマースーツw支援

92 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 01:34:56 ID:sv4tcDy2
だが、その笑みは炎が晴れたと同時に崩れ去った。
炎が晴れた後に見たのは体を丸めぴんぴんしているルイズの姿。どうなっている!?と困惑する。
彼女が困惑する中ルイズは体を元に戻し口を開いた…

「残念だったわね。ハンマースーツを着てなかったら焼け死んでたわ」

ハンマースーツ…それはある配管工とカメの化け物の一族が積極的に争いまだ体に厚みがなかった頃、
過去最大規模の戦力でカメの一族が行動を起こした時、配管工が使用したパワーアップアイテム。
屈んだ身に炎は効かず、無限に放てるハンマーは炎で破壊できぬものさえ粉砕する…幽霊だろうが鉄の犬だろうが
岩や炎の化け物だろうが…例え炎を克服したそれらを統べるカメの大王さえも…




余談だがその姿で戦うルイズを見たウェールズ皇子は

「そのふく、私にゆずってくれないか…だめか…しかたがない。」




投下終了。
マリオ3よりハンマースーツです。
ブロス召喚でもいいけど最近のペーパーシリーズでのブロスがなんかアレだったので…
少なくともスーファミのRPGまではワルな感じだったのになあ…

93 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 01:35:10 ID:r1XYHn7b
クッパか?

94 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 01:35:19 ID:G7GaWer+
こいつぁまさかwwww
支援

95 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 01:35:47 ID:ZHwiLuVz
ひげの親父の気配がするぜw 支援

96 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 01:36:54 ID:9oc4ny+p


カエルスーツやタヌキスーツ、ブーツとか懐かしいのぅ
クッパの声は和田アキコ

97 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 01:37:57 ID:KFVEPOLd
GJ!!
ハンマースーツとか懐かしすぐるwww

98 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 01:40:27 ID:zprHsHth

ファイヤーフーケは一体どうなったんだ!?

99 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 01:40:33 ID:aYK4WSuI
GJ。
久しぶりにファミコンやりたくなったwww

100 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 01:46:23 ID:ZHwiLuVz
>>98
そりゃあハンマーで小さくなったんだよ

101 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 01:46:43 ID:aeFslsD9
カエルモンモランシー
地蔵ギーシュ
マントワルド
バルーンマリコルヌ
でっていうシルフィード

102 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 01:48:14 ID:kLRSH0zA
よし、1エリアだけの実にマニアックなくつマリオのくつを召喚だ!

103 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 01:49:03 ID:itidvdJw
なんとなくたぬきタバサが思い浮かんだ。
キュルケは―――ファイアはとられたし、なんだろうな。
ギーシュはかえるだと思うんだが。

104 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 01:49:22 ID:gPX08099
GJ!

>>80
教えてくれた方ありがとうございます。
話数順はまとめきれたけど50音順ができませんでした。
誰かで切る方代わりにリンク張ってくれませんか。
お願いします。

105 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 01:52:15 ID:3UNcbUsM
隣の国に鉢植えの女神様の首が登場するゲームがあるじゃないか!
誠もあれと同じだと思えば!

106 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 01:53:24 ID:9oc4ny+p
いい加減sageれ

107 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 01:57:08 ID:+Nmxokhr
避難所に言葉様きてるな。

108 :ゼロの落花生の人:2007/09/29(土) 01:58:54 ID:DpnUpOtC
ハンマースーツww
これを集めるためだけに、6ワールドを2時間ぐらいやってたw

>>104
まとめていただき感謝します。
>しかしガンダールブはどうするんだろう。
すみません。
(性格的に)絶対無理だと思って勝手な設定を作ってしまいました。
どうか、ギャグだと思ってお見逃ください。
平にご容赦の程を。


関係ないけど、スーツの中ではハンマーの次に、カエルスーツでクッパ城挑むことが多かったです。
今思い出してもマリオ3は名作だったな…(タメイキ)

109 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 02:02:08 ID:jruYpCDY
お、お前ら!
避難所っ! 避難所っ! コッパゲが! コッパゲが!

110 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 02:03:00 ID:cwqSRurj
OK、まずは落ち着いてsageようか。

111 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 02:03:25 ID:2aE8a2m6
だからsageろっての。しかし仕事早いな。

112 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 02:03:28 ID:dGhhzwmw
>>109
分かってるから落ち着けsageろ

113 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 02:14:07 ID:3HQhMtc3
GJ!!
でも、
スター→無敵→転落のコンボ無しに配管工兄弟は語れないと思うんだ。

あと、メタルルイズや羽ルイズ、基本のスーパールイズもイイと思うんだ。

114 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 02:19:32 ID:M6OkImDM
あの当時アイテムが帽子は邪道だろうと感じたもんだ

115 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 02:20:16 ID:r1XYHn7b
>>109
バッ、バッ、ハズーカッ!そこのバズーカを寄越せッ!
コルトパイソンでも可ッ!

116 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 02:24:10 ID:ogLSJNB9
>>115
相手はタイラントかよw

117 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 02:24:16 ID:dGhhzwmw
投下覚悟完了、少々支援を求む

118 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 02:24:56 ID:r1XYHn7b
 覚 悟 完 了

119 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 02:24:59 ID:FJDIzCdm
その覚悟、受け止めるぞッ!

120 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 02:25:07 ID:gsctRgh4
>>109
デルフを!誰かデルフを貸してくれ!!
青銅の剣でも良い!とにかく何か武器を!!

121 :ゼロの少女と紅い獅子:2007/09/29(土) 02:26:10 ID:dGhhzwmw
 無限に広がる宇宙の片隅、生物はおろか恒星すら見当たらない辺境の場で追跡劇が繰り広げられていた。
 方や黒い球体。必死に追撃をかわし、巧みに減速加速を繰り返しながら時折怪光線を放って追っ手をけん制する。
 方や赤い球体。怪光線や巧みな回避行動をものともせず黒い球体を追撃する。その動きに、一切の無駄はなく赤い球体は
遂に黒い球体の直後に迫った。
 追撃を振り切らんと黒い球体は怪光線を乱射、続いて何処からともなく二匹の怪獣を呼び出しけしかけた。一瞬動きを止めた
赤い球体の隙を突いて、一目散にその場から逃れようとする黒い球体。一拍遅れて赤い球体が怪獣もろとも黒い球体に突っ込む。

 その時であった。
 突然、まったく突然に空間が乱れた。もっとも彼らだからこそ感知できたというべきか。突然開いた亜空への扉に、しかし黒い球体は
これ幸いとばかりに飛び込む。まるで予定されていたような行動に、赤い球体は罠を疑ったがそれも一瞬。迫り来る二匹の怪獣もろとも
赤い球体も時空の歪に飛び込んだのだ。
 赤い球体が飛び込むと同時に、時空の歪は役目は終わったとばかりに消滅した。後にはただ宇宙が広がるだけであった。


 ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールは春の使い魔召還の儀式で何十回かの失敗の後、遂に使い魔の
召還に成功した。しかし、彼女の眼前に現れたのは彼女の予想、いや、他の生徒達そして儀式を監督していたコルベールですら
予想だにしないものであった。

「……何、コレ。竜……なの?」
 
 ルイズが呆然と呟く。彼女らの前に姿を現したのは、体長五〇メイルにも及ぼうかと言う巨大な二匹の竜であった。いや、彼女ら
の常識からすれば竜かどうかは怪しい。これほど巨大なものは伝説の韻竜ですらありえない。
 召還された竜モドキはピクリとも動かない。ルイズは我に返ると、少し離れて二匹を観察し始めた。
 確かに竜には似ている。一方は黒、一方は赤、色自体は大した問題ではない。頭頂部と背中から生えた巨大な角は二匹の力強さを
物語っている。使い魔の使命の一つである、主を守る事に関してはまったく心配する必要はなさそうである。
 しかもこの超巨大な生物を同時に二匹も召還したのだから、日頃から自分の魔法に関して強いコンプレックスを抱いているルイズにしてみれば
喜ぶべき事態である、だが。
「何だろ、大きいし強そうだけど。でも……」
 ルイズは二匹から何ともいえない不気味さを感じていた。オーク竜とでも表現すればその顔の醜さが伝わるだろうか。濁り切った
眼は何処を見ているか見当もつかず、全身を覆うのは鱗の代わりに妙に凸凹した分厚い皮膚。その不穏さはルイズだけでなくほかの生徒も
感じ取ったようで、遠巻きに恐々ルイズと二匹を眺めていた。
 だが、ルイズには贅沢を言っている余裕は無かった。サモン・サーヴァントの儀式を無事終了させねば二年への進級が出来ない。
 第一、この二匹をほうって置く事など出来るわけも無い。
「あ、あの! ミスタ・コルベール」
「む、何かね、ミス・ヴァリエール」
「契約をしたいんですけど、あの、どうやってやれば……」
 ルイズがコルベールに訴えると、とたんに不穏な空気を忘れたように野次が飛ぶ。
「ハハッ、ゼロのルイズじゃアレの口には届かねえな!」
「レビテーションも出来ないなんて、呼び出された方も思わなかっただろうよ」
「ねえ、ルイズ。あの口の場所まで上ったらいかが? いい運動になるんじゃなくって」
 だが、野次を飛ばされるルイズはそれに構ってる場合ではなかった。契約の儀式『コントラクト・サーヴァント』は呪文を
唱えた後に、契約対象と口付けをかわさねばならない。つまり、ルイズは目の前の竜モドキとキスしなければならないのだが……。
「皆さん、静粛に! ミス・ヴァリエール、それについては仕方がないので私が『レビテーション』を唱えてあげましょう。しかし、見たまえ」
 そう言ってコルベールは手に持った杖で、竜モドキの頭上を指した。
「君が召還のときに作ったゲートがまだ閉じていない様だがね」
 その言葉にルイズがゲートに目を向けた時、今度は黒い球体が飛び出してきた。
「ええっ、まだ来るの!?」
 ルイズが流石に驚きを隠せず思わず叫ぶ。二匹だけでも異例なのに三匹目、しかも今度はまったく正体不明である。
 飛び出してきた黒い球体は暫らく竜モドキの頭上で制止していた。再び不気味な静寂が辺りを覆う。

122 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 02:26:31 ID:47D9qION
>>115
字楽先生何やってるんすかwww

123 :ゼロの少女と紅い獅子:2007/09/29(土) 02:27:19 ID:dGhhzwmw
 静寂は一瞬だった。
 
「ギゥアアアアアアア!!!!」
 突然二匹の竜モドキが咆哮を上げる、離れて成り行きを見物していた生徒達はたちまち恐慌状態に陥った。――例外は居たが。
 一方ルイズはその雄叫びにすくんでまったく動けなかった。だが、それを嘲笑するものは居なかった。竜モドキの一方がルイズにようやく
気づくと虫を踏み潰すような気軽さで一歩踏み出そうとした。
「コレはいかん!」
 咄嗟にコルベールがルイズに飛びつき間一髪彼女を救出する。
「さあ一旦逃げよう、ミス・ヴァリエール」
「あ、えと、でも、あの……」
 半ばコルベールに引きずられながら、ルイズは後方を気にする。
「召還の儀式については後日再度行えるように、オールド・オスマンに掛け合おう。だがここで死んでしまってはそのチャンスも
手にする事が出来なくなってしまうぞ」
 死という単語にルイズは身を強張らせた。もう、後方を気にする事はしなくなった。
 
 暴れだした二匹の竜モドキが二人に襲い掛かってきた。鈍重に見えてもその巨体ゆえに追いつくのも時間の問題である。黒い竜モドキが
二人の直後に迫ったその時、竜モドキの横っ腹に火炎のブレスが浴びせられた。
 唐突な炎の洗礼に幾らか怯む竜モドキ、その隙を突いて今度は全長六メイルの風竜がコルベールとルイズを空中へと持ち去った。
「いや、助かったよミス・タバサ」
 コルベールは風竜の主――タバサに礼を言った。だが、タバサはフルフル首をふって
「まだ、危ない」
 それだけ言うと風竜に指示を出して、先ほどの救いの炎の元へ向かう。そして赤毛の少女とその使い魔のサラマンダーを回収
すると再び空に上った。
「ったく、とんでもないのを召還したわねルイズ、どうするのよアレ?」
 赤毛の少女――キュルケが悪態をつく。
「わ、わたしだって好きで呼び出したんじゃないわよ! 来ちゃったんだからしょうがないでしょう!?」
「あー、そうねわたしが悪かったわ。アンタにあれどうにかしろって言っても無理よね」
 ルイズは更に言い返そうとしたが押し黙った。キュルケもそれ以上何も言わない。
「とにかく我々ではどうする事も出来ないな、アレの相手は軍隊だよ」
 コルベールが校舎の方に目をやると騒ぎを察知して何人かの教員が出てきたが、巨獣を目にするや一目散に退散した。
「賢明」
 それを見てタバサが呟く。そして、風竜を旋回させこの場から離脱しようした。
 その時である、竜モドキが頭の角から怪光線を放った。不意を突かれたものの抜群の運動性で風竜が回避する、しかしもう一方が回避した先に
再び怪光線を放った。
「うぬっ!」
 コルベールが予め牽制用に唱えていた呪文を発動させ火球を叩きつける。相殺したものの派手な爆発が風竜を襲い、堪らず風竜は
空中でバランスを崩してしまった。
「きゃっ!」
 叫びはほんの一瞬。バランスを崩した風竜から落ちたのはよりによって魔法がまったく使えないルイズだった。
「もう! 世話のかかる娘ね!」
 キュルケがレビテーションの魔法でルイズの落下は阻止する、だが迫る竜モドキが居てはうかつに近寄れない。
 二匹がゆっくり落ちるルイズに迫る。嬲り殺そうとゆっくりと近づいてきた。
『なんて最期、自分で呼び出した使い魔候補に殺されるなんて』
 ルイズの頭をそんな考えがよぎる、だが彼女は頭をぶんぶん振ってその考えを打ち消した。
『何考えてるのよ、わたしったら。そうよ、こいつらは失敗よ。偶々出てきただけ』
 ルイズは握り締めていた杖を振りかぶる。
『失敗したなら、また呼び出せばいいじゃないのよ! ゼロのルイズ!』
 そう自分に言い聞かせ、自分を奮い立たす。彼女は今日何十何回目かの呪文を唱えだした。
 
「宇宙の果てのどこかにいる私の下僕よ!」
 力強い呪文が小さな口から紡がれる。
「神聖で美しくそして強力な使い魔よ!」
 眼前に巨獣が迫ってもそれは止まらない。
「私は心より求め訴えるわ!」
 精神が集中する。
「我が導きに応えなさい!」
 ルイズは大きく叫び、杖を振るった。


124 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 02:28:01 ID:FJDIzCdm
支援

125 :ゼロの少女と紅い獅子:2007/09/29(土) 02:29:18 ID:dGhhzwmw
 同時に天上のゲートが激しく光った、というより爆発した。そしてそこからルイズの呪文に
応えるように赤い球体が飛び出してきた。

「まだ来るの? 今度は何なのよ!?」
 キュルケがあきれたように叫ぶ。コルベール、タバサの両人も新たな闖入者に警戒を向けた。
 赤い球体の登場に二匹の竜モドキがいきり立つ。赤い球体は構わず二匹の前に回りこむと黒の竜モドキの胴体に突進した。
 受け止める竜モドキ、だが球体はそのまま回転を止めず今度は垂直に急上昇し巨獣の顎をかち上げた。対応できずに黒い巨獣が
倒れこむ。間髪を居れず球体は動揺する赤い竜モドキに頭上に回りこむとそのまま頭の上に落下した。不意を突かれてこれまた
倒れる赤い巨獣。
 その時、それまで微動だにしなかった黒い球体が怪光線を放った、光線はルイズに向かう。
 彼女は咄嗟に目をつぶった。だが予想された痛みは来ない恐る恐る目を開けると、目の前には赤い球体がふわりと浮かんでいた。
「あ、助けて……くれたの?」
 赤い球体はそれには応じない。黒い球体とにらみ合うように静止している。
 暫らくして、上昇したかと思うと黒い球体は突然消滅した。それが合図だったように二匹の竜モドキは突然抱き合うと竜巻のような回転を
起こしながらこちらもどこかに消えて行った。
「ミス・ヴァリエール、無事かね!」
 脅威が去ったのを見計らって、コルベールたちが近くに降りてきた。
「はい、ミスタ・コルベール。大丈夫です怪我はありません。それより……」
 ルイズは目の前の赤い球体に目を向ける。
 球体は立ち去るでもなく、静かに彼女達の前で静止している。
「やっと危なくなさそうなのが来たわね」
 キュルケがいやみ半分といった風に声をかけてくる。ルイズはキュルケに一瞥をくれたが直ぐに気を取り直した。
「ミスタ・コルベール、この、えっと……。と、とにかく契約します」
 ルイズの言葉にコルベールは頷く。
「うむ。さあ、君が最後だよミス・ヴァリエール。ま、この状況では急かす必要もないだろうが」
 その言葉を受けて、ルイズは球体に一歩踏み出し、そっと球体に触れた。
 その瞬間、ルイズの意識が一瞬途絶えた。


 ルイズが一瞬の気絶状態から醒めると、そこは真っ赤な空間だった。上下の感覚が失われて、遠近も正確でない。
「ちょっと、何なの。また失敗?」
 その言葉に反応したのか何処からともなく声がした。
『怪我がなくて何よりだ』
 ルイズは驚いてあたりを見渡した。だがこえの主を見つける事は出来ない。
「誰、誰なの!? わたしをどうするつもり!」
『君に危害を加えるつもりはない、私は……L、いやM78星雲の戦士だ』
「えむ……、なんですって?」
『無理に理解する必要はない。私からも質問があるのだが、あの時空の歪を作ったのは君か?』
 聞きなれない言葉に一瞬思考が止まるルイズ。
『私が出てきた穴のことだ』
「ああ、そ、そうよ。貴方を呼び出したのはわたし」
『意図的に私を呼び出したのかな?』
「神聖で美しくそして強力な者を呼び出し立たつもりよ」
 ルイズの言葉に空間がユラユラうごめく。敵意はない、何処となく可笑しそうな雰囲気である。
『しかし何のためにそのような事を? ギラス達は同じ穴を通ってきた。奴らの襲来に対しての助けを呼んだ訳ではなさそうだが』
「使い魔を呼んだのよ」
『使い魔? それで私がその召還に答えたということか』
「そうよ、だから貴方にはわたしの使い魔になってもらうわ」
 そうは言ってみたものの、ルイズにしてみれば精一杯の虚勢を張った発言であった。あの竜モドキ――彼曰くギラスと
言うらしい――をあっさり撃退した謎の物体が相手では無理もない。
 学園中のメイジ、いやトリステイン王国の全軍が相手でも一歩も引かないかもしれない。気まぐれで彼女の命を奪うなど造作もないだろう。
 暫らくの沈黙を破ったのは赤い空間だった。
「いいだろう」
「え、あ、あの」
『本来なら干渉は極力避けねばならないのだが、君の身分を察するにまだ社会的影響はなさそうだ。それに、
君も見ただろう。二匹の怪獣と黒い物体、アレを放置するわけには行かない。私は暫らくここに止まる必要がある』
「わたしの使い魔に、なって、くれるの?」
『ああ、だが約束して欲しい事がある』
「何かしら?」
『私の力を頼りすぎないで欲しい』

126 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 02:29:21 ID:gsctRgh4
支援

127 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 02:30:31 ID:FJDIzCdm
宇宙にきらめくエメラルド支援

128 :ゼロの少女と紅い獅子:2007/09/29(土) 02:30:38 ID:dGhhzwmw
 ルイズが一瞬呆ける、だが気を取り直すと。
「フ、フン。主が使い魔に遅れを取るわけないでしょう!?」
『いい返事だ、その言葉を信じよう。で、どうすれば良い』
 どうすれば良いと返されて、ふとルイズは思い出し、とたんに慌てだした。
「あの、その、コントラクト・サーヴァントを行うには呪文を唱えた後、えっと、使い魔と口付けを交わさなきゃ成らないの、だから……」
 ルイズの言葉が終わる前に赤い空間が歪む。たちまち目の前に、先ほどの竜モドキに勝るとも劣らない巨人の半身が現れた。もっとも、
その像はぼやけていてハッキリと見えなかったが、ルイズはその像から遥か南の地に住むという百獣の王を連想した。
『これで、大丈夫か?』
 コクリと頷き、ルイズは呪文を唱え始めた。
「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。五つの力を司るペンタゴン。この者に祝福を与え、
我が使い魔となせ」
 そして、目の前の巨人に口付けをした。とたんに、視界が真っ白になる。


 視界が戻ると赤い空間は消え去って、元の場所に戻っていた。そして目の前には精悍な顔つきの青年が立っている。
「あ、えっと、ミスタ・コルベール。私はどれ位いなくなってました?」
 その言葉にコルベールは怪訝な顔をする。
「何言ってるのよルイズ。今、赤い球に触れたら突然光ってそこの彼が出てきたんじゃない。その人が貴方の使い魔?」
 キュルケが代わって応えるのを聞いてルイズはかつごうとしてるのかと怪しんだが、コルベールの方を見ても何かあったような
顔をしていない。タバサは――いつも通りである。
「ミス・ヴァリエール契約の儀を……」
「あ、終わりました。ねえ、体にルーン出てない?」
 そう言ってルイズは目の前の青年に向き直る。
「ルーン……この文様の事か」
 そう言って、青年は左手の甲を掲げてみせる。
「何時の間に……まあ、ルーンが刻まれてるという事は成功したのだろう。しかし、珍しいルーンだな」
 コルベールは興味深そうに観察していたが、やがて姿勢を正すと。
「まあ、大変な災難だったが。幸い犠牲者は出なかったのだからよしとしよう。君には色々聞きたい事があるがそれも後日としよう」
 そう言って、校舎に戻っていった。キュルケとタバサも続く。
「私たちも行くわよ」
 ルイズはそう言って青年を促した。そして、思い出したように立ち止まって、
「そう言えば名前を聞いてなかったわよね。貴方の名前は?」
 青年はほんの少し考えるそぶりを見せた後、
「俺の名は、おおとりゲンだ」

第一話 終わり

129 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 02:32:39 ID:r1XYHn7b
>>121
細かい事かも知れんが「召還」というのは送り返す時に使う言葉であって、「召喚」の方が正しい。

130 :ゼロの少女と紅い獅子:2007/09/29(土) 02:33:23 ID:dGhhzwmw
という訳で、おおとりゲンことウルトラマンレオです。まあ、変身するのちょっと先ですが。
興味のある方はぜひ見てくれると幸いです、遅筆なのでご勘弁を。

支援者全員に感謝しつつ、それではさいなら

131 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 02:34:05 ID:FJDIzCdm
乙。時間軸は地球から離れた終了後〜メビウスの前かな?
とりあえず楽しみに待ってる。

132 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 02:36:47 ID:dGhhzwmw
>>129
y=ー( ゚д゚)・∵;; . ターン
\/|  |)
ご指摘に感謝します
>>131
左様です

133 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 03:02:24 ID:ujEG+fDe
真夜中だってのにワクワクするものを呼び出したなw
ともあれ獅子の作者GJ!
次回を楽しみにまってます。


134 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 03:14:36 ID:5/ix8DPT
レオォォォォォォォォォォッ!?
メビウスでこの上なくカッコイイ人がktkrw

135 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 03:15:47 ID:3HQhMtc3
レオといえばアストラ、キング、セブンだよなぁ

136 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 03:23:19 ID:ZJQfgc5h
どうやら避難所で前スレ1000の願いがかなったようだ。

137 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 03:24:23 ID:cwqSRurj
だからsageろってもう何回目だこのやり取り?

138 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 03:52:33 ID:RdZkFrLA
>130
GJです!
まさかレオが来るとは…
レオ好きの自分にはたまらない展開ですよ^^
ゲンの姿が青年(?)という事は、レオ本編のイメージかな?
MAC戦闘服姿だったらうれしいな〜w

139 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 04:10:47 ID:UN/5nVFh
かつてジープで追い立てられた人ktkr!
今度はルイズが馬で追い立てるのかなぁ
取りあえずトリステイン魔法学院で誰かの誕生日を祝うとか言う展開が来ない事を
祈っとく

140 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 04:21:03 ID:vJKRj9Fp
ウルトラアイは「超越者の眼鏡」なのか?支援

141 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 04:30:52 ID:s7FhDJ/p
>>137
age嵐だろ、調子乗るから触るのヤメレ。

142 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 07:52:29 ID:zRtH02Hc
レオって王子様w

143 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 07:58:51 ID:ujEG+fDe
修業の成果でルイズキックが出来たり、劇中見ててびっくりした煙突ヌンチャクも出たらいいなw

144 :ゼロガー:2007/09/29(土) 08:07:00 ID:7oeK3zGx
投下開始

145 :ゼロガー:2007/09/29(土) 08:08:04 ID:7oeK3zGx
「ブラックスワン」は喧騒に包まれていた
鄙びた田舎町サットン・クラドックにある唯一のパブは町外れに基地を置く第633空中騎兵中隊の非番の兵士の溜り場となっている
トリスティン魔法学院を震撼せしめたルイズ拉致未遂事件に端を発する一連の騒動に政治的決着をつけるべく
トリスタニアの王宮ではガリア王国全権大使の訪問を受けて秘密会談の真っ最中であり
ルイズ達は
「ほとぼりが醒めるまでどっか行ってろ」との御言葉を受け、軍を辞めて「ブラックスワン」を買い取ったギーシュの叔父、
バレスター・グラモンの元にやって来たのだった
たわわに実った二つの果実を揺らし妖しい動きでオシリスが舞う
オシリスの背後では七体のワルキューレがバックダンサーを勤める
ワルキューレはいつもの無骨な甲冑姿ではなくより人間に近い造形だった
例えるならば海洋堂のアクションフィギュア(綾波レイ:プラグスーツver)1/1スケール版
素材は青銅とはいえ芸術的なウエストのくびれや男のリビドーを直撃する脚の付け根から太股にかけてのラインはまさに匠の世界
あるいは才能の無駄使い
キュルケは胸の開いたエプロンドレスを着て注文を取って回り
ルイズは背中を丸めオンザロックをちびちびと飲っている
最初はキュルケに張り合ってウエイトレスの真似事などをしていたのだが
ルイズはツンデレにしてドジッ娘
ある意味破滅招来体
「君は何もしなくていいから」
遂にテーブルに座らされスコッチの注がれたグラスを渡されたルイズ
その姿はさながら赤い雨に打たれて朽ち果てる敗残の騎兵
そして酔っ払いにトラウマのあるケルプは接客に向かないデュラハンとともに周辺のパトロールをしていた
「これをバレスター氏が?」
大皿の上で湯気を立てるカタツムリのクリームソースを前にしてワルドは言った
「グラモン家の男子は皆多芸でそのうえ趣味人なのですよ、又従弟のスペンサーなどは長年の研究の末“耳でパスタを食べる呪文”
を完成させたほどでしてね」
「ほお、是非拝見したいですな」
「それは無理です、最初の公開実験でクモ膜下出血を起こして三日後に死にました」
ではごゆっくりと言い残して厨房に消えるバレスター

146 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 08:10:29 ID:RRRoKjb9
支援


147 :ゼロガー:2007/09/29(土) 08:10:37 ID:7oeK3zGx
「はじめまして、だなガーゴイル君」
お目付け役としてついてきたワルド子爵がスツールを回してガーゴイルに正面を向けカウンターに正対したガーゴイルの前に置かれた
グラスにウイスキーを注ぐ
「いや、はじめてではないな」
「どういう意味かね?」
「学園にいた時から、そしてタバサの母上殿をガリアから連れ出す途中にも汝の気配を幾度か感じた。故に我は汝が何らかの意図を持って
ルイズを監視下に置いているものと判断している」
「婚約者が無茶をしないよう影ながら見守っているというのはどうかな」
「そうかもしれないしそうではないかもしれない、一つ確かなことはここで汝が下手を打てば我は汝の敵に回るということだ」
ラウンジでは酔った勢いで舞台に突撃しオシリスの胸に手を伸ばした下士官が触手でしばき倒されている
ギーシュもアルコールが入っているらしくワルキューレの動きがブートキャンプになっている
ワルドはカタツムリを一つ自分の皿に取ると声を顰めた
「僕はある私的なサークルに所属している、様々な国の様々な階級の人々が参加たした高い機密保持が要求されるサークルだ」
「世間ではそういうのを『秘密結社』と呼ぶのだ、知っていたか?」
ワルドはガーゴイルの前に置かれたグラスに目を向けた
グラスを満たしていた琥珀色の液体はいつの間にか半分になっている
「私が所属しているサークルはある伝承を研究している歴史好きの集まりなんだよ、問題はその伝承の存在が禁忌とされていることだ」
ワルドはナイフとフォークを使ってカタツムリの身を貝から引っ張り出しながらチラリとルイズを見た
すっかり出来上がったルイズはキューピーみたいな髪型の少年と肩を組んで“インターナショナル”を熱唱している
「その内容というのが“虚無の魔王ブリミル”から世界を救った四人の勇者と異世界からやって来た“人ならざる従者”の話なんだがね」

148 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 08:12:26 ID:0pnkCsBm
その目はなんだ!その顔は、その涙はなんだ!お前の涙でハルケギニアが救えるのか!支援。

149 :ゼロガー:2007/09/29(土) 08:12:55 ID:7oeK3zGx
ガーゴイルはワルドの顔を穴が空くほど見つめた
「我の聞いた限りではブリミルは汝らの世界では聖人のはずだが」
「そう、それが『実は魔王でしたHA!HA!HA!』なんてことになったらどうなるかね?数多の王族、数多の権威が
ブリミルへの信仰をその拠り所としている。少なくとも現在の体制は土台からひっくり返るだろうね」
「だから為政者によって伝承そのものの存在が否定された?」
「そう、スターリンの伝記からトロツキーが抹殺されたように」
ワルドはカタツムリを口に放り込んだ
ギーシュが薔薇の花弁を撒き散らしながらズボンを脱ぎ始めた
キュルケがスカートの中に手を入れようとした酔漢の頭に酒瓶を振り下ろす
触手だけではステージに殺到する酔っ払いを捌ききれなくなったオシリスが遂に光線を使い始めた
ルイズは体重1トンのカマキリとリアルシャドウをしている
階下の喧騒が段々大きくなってゆく
母の枕元で西村寿行の「帰らざる復讐者」を朗読していたタバサはこめかみに青筋を浮かべ能面のような表情で立ち上がった
居候の身ではあっても母の療養に差し障りがあるようなら一言言わずばなるまい
「少し頭冷やそっか…」
タバサは階段を降り始めた
「さすがにこれ以上は放置出来ぬな」
ガーゴイルは店の中央、二階に通じる階段を背にした踊り場に瞬間移動する
石の瞳が赤熱化する
熱光線を放つ前に最後の確認
射線上に人は居ない
「お主等、いい加減にせぬと」
タバサがドアを開ける
「五月蝿い」
勢いよく開けられたドアがガーゴイルの背中の石の翼を叩く
ずれた射線がピンクの髪を捉える
BOMB!!
黒焦げアフロと化して倒れるルイズ
一瞬にして静まり返る店内
非常にいたたまれない雰囲気の中、淡々とタバサは言った
「敵を倒すにはまず味方から」

投下終了

150 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 08:25:22 ID:+4CdwHB7
さすがタバサだ!引かぬ媚びぬ省みぬだぜ!(誤用)

151 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 09:25:32 ID:LEit3GS+
タバサー!?それ使い方間違ってるよ!

152 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 10:23:35 ID:Uu9XlS/V
さすがタバサだ!俺たちに出来ない事をやってのける!
そこにシビれるあこがれるゥ−!

153 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 10:28:41 ID:6/NcAD7t
避難所の言葉だが、ノコギリで人の腕をサクッと切り落とせるとは思えん

>>149
タバサワロスww

154 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 10:29:17 ID:UU8eZxHv
>>153
あれだろ
ガンダールヴの効果

155 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 10:37:22 ID:KFVEPOLd
>>153
一回引くだけで頸動脈裂けるんだから
ガンダールヴ補正なら腕くらいはいけるはず

156 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 10:38:35 ID:OG7brNMl
手コキで鍛えた高速ピストン運動でノコギリを動かしていたんだよ

157 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 10:43:15 ID:P9Kl06YE
避難所の何処で言った言葉か見当たらんが、避難所の話題は避難所でやっとけよ。
書き手が何の為に避難所に投下してくれたか察しろ。


つうか、青銅の剣で同じ青銅のゴーレムをズンバラリンと切り裂けるのがガンダールヴ。

158 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 10:46:01 ID:TjZ53IpM
ノコギリは普通に肉を裂くからなあ
バラバラ殺人事件とかでも時間こそかかるがノコギリでバラした例もあったそうだし
電動糸ノコで指が飛んだって話も聞く。
あれだ、適切な使い方すれば腕くらいザックリ落とせるんじゃね?
なんせ素人が剣一本で青銅ぶった切るガンダ補正。

159 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 10:47:07 ID:6RimAy67
>言った言葉
やっぱり勘違いする人がでたかww

160 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 10:50:12 ID:RRRoKjb9
そろそろまとめ50万か・・・

161 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 11:02:53 ID:8k9WcaAf
言葉さんはこんな人
ttp://nov.2chan.net/q/src/1191011003957.png

162 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 11:11:35 ID:pz8gP2TL
たまに、ガンダールヴ補正って武器にも掛けられるんじゃね?とか思う。
ガンダ発動させた使い手が武器持つとその武器の強度やら切れ味やらが増すの。
まあ、原作だとシュペー卿の剣があっさりへし折れたからそんなことはないんだろうが。

163 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 11:16:54 ID:TjZ53IpM
割り箸の袋叩き付けて割り箸自体をへし折る宴会芸とかあるらしいから本当に使い手の技量や腕力を底上げしてるんじゃないか?
武器に補正かけてそれが特殊なマジックアイテムだったりしたらなにが起こるかわからんし
とりあえずこれ以上は避難所だな

164 :夜刃の人:2007/09/29(土) 11:21:08 ID:ZfSDpBS3
ガンダ補正の凶器攻撃をどう扱うかで悩んでるオイラ参上!
・・・仕事が暇にならないよう・・・

165 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 11:25:33 ID:4+S56Nqo
レプリカ(TOA)>>
ルークがツンデレ化してる・・・・

166 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 11:31:10 ID:TjZ53IpM
>>164
凶器攻撃ってことはそこら辺の椅子で頭カチ割るのでもガンダ発動するかどうかって事?
作者次第でいいんじゃないかな

167 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 11:36:24 ID:Tzt9HeXP
>>166
椅子やハンガーを即興でトンファーにすれば有効だと思うぜ!

168 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 11:48:08 ID:ST3Kxz9/
>>159
だが言ってること自体は間違ってない

>>167
爆炎で椅子は武器にされてるがアレは判別つかんなw

169 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 11:51:32 ID:Tzt9HeXP
>>168
棍ってぶっちゃけただの棒だしな。

170 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 11:55:41 ID:yZuendiK
手ごろな石と長めのタオルだけでも凶器であります

171 :デュエルモンスターズZERO:2007/09/29(土) 11:56:29 ID:Hlj3CoTG
12:00に投下予約します。

172 :デュエルモンスターズZERO:2007/09/29(土) 12:00:08 ID:Hlj3CoTG
室内は緊迫した空気に包まれる。

コルベールは突如として部屋に現れた盗賊、土くれのフーケと対峙していた。

「さぁ『闇のゲーム』の始まりだぜぇ!」

フーケは叫びながら己のデッキからカードを6枚抜く。
コルベールは思い出した。
曰く、土くれのフーケは巨大な怪物を操り財宝の持ち主達を喰い殺した、と。
そして先ほどルイズが見せた悪魔と幻獣の召喚。
今しがたフーケが口走った『闇のゲーム』という言葉。

(間違いない。こいつは私を怪物の餌にする気だ!)

ちら、と先ほどのルイズが使っていたカードデッキを見やる。

(駄目だ。一回戦いを見ていとはいえ私には理解できないことが多すぎる。ここは“炎蛇”の名にかけて、土くれを倒す!!)

コルベールはこの盗賊を倒さなければ、と固く心に誓う。



炎蛇のコルベール ☆☆☆☆ 炎属性 
攻撃力1400 守備力1700
魔法使い族 特殊効果 唱える呪文によって攻撃力が上がる。



「オレ様は、モンスターゾーンにカードをセット。終了だ」

土くれは、巨大な札を一枚、出現させる。
それと同時、コルベールが唱えていた呪文の詠唱が終わった。

おそらくはルイズ同様、フーケの札にも魔獣や悪魔が封印されている。ならば、チャンスは唯一つ。相手がモンスターを出現させる前に、敵を無力化するしかない!


173 :デュエルモンスターズZERO:2007/09/29(土) 12:01:19 ID:Hlj3CoTG
「炎球!」

詠唱を最短で済ませ、火球を一つ、フーケに向かって発射する。殺しはしない。コルベールは誓っていた。例え相手が邪教徒だろうが、盗賊であろうが、破壊のために己の炎を使うまいと。

だが、その攻撃は、何者かによって遮られる。

「かかったな! 貴様の攻撃は、裏側表示のこのモンスターが代わりに受けるぜ!! 起きろ アステカの石像!!」

現れたのは石造りの巨大な像。
全体が四角い顔面でできていて、そこから申し訳程度に、腕が生えている。その像は、壁となって炎を受け止める。

アステカの石像 ☆☆☆☆ 土属性
攻撃力300 守備力2000
岩石族 効果 反射ダメージを倍にする。


「な! 召喚していないのに怪物が……!」

思わず、後ずさるコルベールを嘲笑し、盗賊は頼まれてもいないのに説明を始めた。

「バカなおっさんに説明してやるよ。モンスターには表側表示で行う召喚と、裏側表示で行うセットがあるのさ!」

フーケは、教師に向かって指を指す。

「そして、戦闘でモンスターを破壊できなかった場合、攻撃力の低いアンタは、オレ様のしもべの反撃を食らうぜ!」

コルベールの今の攻撃は呪文唱えたことでアップしていた。
だが、殺さずフーケを撃退しようとしたのが仇となる。
炎球はアステカの石像を貫くことが出来なかった。
故にダメージの幾割かがコルベール自身に返ってくる。

「反撃しろ! アステカの石像。そのオヤジを潰せ!!」

石像の目が光り、巨体には不釣合いな一回り小さい手が、コルベールを殴り飛ばす。彼は勢いよく壁に叩きつけられた。

「ぐっ、くぅ……」

ふらつきながらも教師は立ち上がる。
殴られた肩を押さようとして、コルベールは気がついた。
自分が殴られたはずの肩の一部が……むしり取られたように消えている。

「な、何だコレは!?」
「ヒャハハハハ! 言っただろうが! こいつは闇のゲームよ!! ライフが削られればその分俺たちの体も消えてゆく。先に相手を消滅させた者だけがこの空間から出ることができるのさぁ!」


174 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 12:02:29 ID:lHnqza+f
フーケがどんなデッキを使うのか期待しながら支援

175 :デュエルモンスターズZERO:2007/09/29(土) 12:02:57 ID:Hlj3CoTG
土くれの言葉と同時、彼の体から闇が噴き出した。
それは部屋を包み、周囲を暗黒へと染めてゆく。
狭い部屋が一瞬にして広大な空間へと変わった。
広大であるが、出口も無い闇の鉄檻へと。

「……貴様は狂っている」
「ハッ、好きにほざきな! てめぇを消したら次はこの学院全員を消してやるぜぇ!」

フーケはデッキからカードを一枚引く。
彼は再び、モンスターゾーンにカードをセットした。

「さあ、攻撃して来いよ。あんたの攻撃でオレ様の僕を破壊できると思うならなぁ!!」
「……」

コルベールは己の杖を見た。
杖から幻聴が聞こえる。

『焼け』『殺せ』『全てを灰燼に帰せ』

杖が語りかける誘惑を撥ね退け、コルベールは土くれに問う。

「先に言っておく。降参してくれる気はないか?」

当然というべきか、自称、盗賊王はそれを一笑に付した。

「腰抜けが、そんな台詞はオレ様のゴーレムを砕いてからいいな!」
「私は、もう誰も殺したくは無いのだ。頼む」
「はっ!そうかい。ならこっちは遠慮なく行かせてもらうぜ! 目を覚ませ! 精霊獣 ディアバウンド!!」

地中から巨大な白く濁ったような色の手が突き出た。
その腕は、フーケの場にいた二体のモンスターを粉々に握りつぶす。

腕の次に現れたのは巨大な顔。そして大蛇の頭。
時間をおいてその魔物の全容を見た瞬間、コルベールの顎を一筋の汗が伝った。

「……なんという魔力だ」

全身が白濁を固めた像のような魔物。
上半身こそ人間であるものの、肩からは刃のような羽根が生え、下半身は巨大な大蛇。

あまりにも禍々しいその姿。
ルイズが召喚した幻獣のキマイラでさえ、この怪物と比べればまるで子犬のようだ。

「俺様が二体の魔物を生贄に召喚するのは、精霊獣 ディアバウンド!!」


ディアバウンド 闇属性 ☆☆☆☆☆☆☆☆
幻神獣族 攻撃力 3000 守備力2500
効果??

魔獣 ディアバウンドは咆哮する。
その叫びは、コルベールに死を予感させた。
だが、死を感じた中年のメイジはその眼を細める。
盗賊 土くれのフーケはその眼を見た瞬間、自分の背筋に悪寒が走るのを感じた。



176 :デュエルモンスターズZERO:2007/09/29(土) 12:05:08 ID:Hlj3CoTG
まるで体を流れる血に熱の通っていない――冷血動物をおもわせる眼。
まさしく蛇。

「仕方ない。今一度――私は忌まわしき『昔』に戻ろう」

つい、とずれた眼鏡を人差し指で直しながら、トライアングルメイジ 『炎蛇のコルベール』は杖を振るう。

杖から生まれるのは闇を僅かばかりに照らす。炎の塊。
土くれの前に浮遊するそれは、ちろちろと寂しく燃えた。

「ハッ! さっきの炎球より小さいコイツで何が出来るっていうんだ!?」

不気味な視線も所詮はこけおどしか、と土くれが嘲笑った瞬間。
精霊獣 ディアバウンドは守護するかのようにフーケの体を包み込んだ。

そして爆発。
初めは小さな炎の塊。
それは宇宙が作られたビッグバンのように絶え間なく爆発を続ける。

切り札の名は『爆炎』

連鎖する炎はフィールドにある全てを燃やす。大気に満ちる酸素ですらも。
口元を押さえ、うずくまっていたコルベールは身を起こした。
爆炎を唱えて、あたりには硝煙が満ちている。
『爆炎』は本来相手の間近で使う呪文ではない。
相手の近くで炸裂させたが最後、骨も残さず爆破してしまうからだ。

煙は中々晴れない。その先――


177 :デュエルモンスターズZERO:2007/09/29(土) 12:06:29 ID:Hlj3CoTG
「ヒャハハハハハ!!」
「くっ!」

認めたくないことだが、哄笑が聞こえた。
禿頭のメイジは歯噛みをし、恐怖に身を震わせながらも鋭い眼でソレをにらみつける。

生きていた。
信じられないことに。
爆炎の直撃を受けて尚。

盗賊も、その僕も。

「ヒャハハハハ! やるじゃねぇか! オッサン!!」

土くれのフーケを守護するディアバウンドの周り、真空の渦が彼らを覆っていた。

『螺旋波動』

それが、ディアバウンドの攻防一体の技。
時にそれは、相手を消滅させる破壊の息吹。
時にそれは、相手の攻撃全てをかき消す鎧。

その渦を解いてフーケの笑い声はいよいよ耳障りさを増すように大きくなる。

「さあ、ゲームを終わらせようぜ!」
「まさか爆炎を防がれるとは、な」

炎のメイジは冷たい目を閉じて息をつく。
諦観のため息ではない。
決意を固めた者だけがだすことを許される、冷たい吐息。

「貴様に敬意を表すよ。土くれのフーケ。私が戦った中で君は間違いなく最強のメイジだ」

杖に再び、炎が灯る。
懐から懐中時計を取り出し、コルベールは呟いた。

「だが、もう夜が明ける。君の言うとおりだ。この馬鹿げた遊戯もそろそろ終わりにしよう」
「ハッ! じゃあ消えな! オッサン」

ガパリ、とディアバウンドの下半身である大蛇が口を開けた。
迫る精霊獣。


178 :デュエルモンスターズZERO:2007/09/29(土) 12:07:55 ID:Hlj3CoTG
それらを前にしてコルベールは今宵、終言をフィールドに残した。

「貴様を生かしておくわけにはいかない。この身を引き換えにしてでも、私は君を連れて逝く!」

彼の口からは、凄まじい勢いで呪文が漏れ出る。

(この状況を、打破できる方法が一つだけ、たった一つだけある。短期間で詠唱を唱えられ、目の前の怪物を屠る威力を持つ呪文が)

「アビシス・フランマ・イーゴ・ペリーテア……」

(私はかつて許されぬ罪を犯した。これで帳消しに出来るとは思っていない。)

トライアングルメイジ・炎蛇のコルベールは己の死に場所を決めた。
ここで土くれを討ち取らねば、害が他の場所にも及ぶ。
ならば、刺し違えても止めねばならぬ。

自分の限界を込めた魔力を杖に注ぎ込む。
可能限りの詠唱を破棄。
足りない魔力も、決められた詠唱の不足も、この肉体が一切のリスクを背負う。

(せめて、生徒の命だけでも守らねば。この手が血で汚れていようとも、今の私は教師なのだから)

「…ジァ・オムニス・オルヌス!」

コルベールの杖が真紅に輝く。
炎の粉塵が、勇ましい魔法使いの上に舞い散る。



179 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 12:08:15 ID:lHnqza+f
コルベールどうなるんだ支援

180 :デュエルモンスターズZERO:2007/09/29(土) 12:09:33 ID:Hlj3CoTG

「土くれ……貴様は私と共に死ぬのだ」
「ハッ! 生憎と中年のジジイと心中する趣味はねぇよ!! 食らえ! ディアバウンド!」

精霊獣の下半身の大蛇は1飲みでコルベールを飲み下す。
あまりにあっけない結末にフーケは笑いが止まらない。

「ヒャハハハハハハ! あばよメイジのオッサン! 少し寂しいだろうが安心しな! すぎにアンタの教え子も全員あの世におくってやるからよぉ!!」

『バゥン!』

突如、ディアバウンドの口から煙がもれ出た。
連鎖するように魔物の体からは爆発音が漏れ、まるで風船のようにその体は膨らんでゆく。

「な!?」
「……一緒に死んでもらうと言っただろう? 土くれ」

精霊獣の腹の中、くぐもったコルベールの声が聞こえる。

「てめぇ! なにをしてやがる!?」
「『錬金』をしているだけさ。君の魔物にも『肺』と『胃』があってよかったよ」
「何!?」

コルベールが使った魔法は本来、ドラゴンを初めとする巨大な魔物と戦うのを想定して作り出されたものだった。

「君を最強と認めたときから、この命捨てると決意していた」

あえて我が身をドラゴンの中に投じ、可能な限り体内の物質……体内の酸素や胃液を有毒な物質に錬金する。

「てめえ……」

無論、魔物の体の中に居るのだ。術者が長く持つはずが無い。

「きみは…罠に…かかったのだ……土くれ…炎蛇の毒というに…罠にな」

声が途切れ始めた。
ディアバウンドの周囲を有毒物質に錬金することでコルベールの体にも毒が回り始めている。



181 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 12:09:40 ID:TjZ53IpM
支援

182 :デュエルモンスターズZERO:2007/09/29(土) 12:11:25 ID:Hlj3CoTG
「周囲の空間を学院と隔離したのは……失敗だったね。おかげで加減することなく……『爆発』を起こせるよ」
「ッ! ディアバウンド!」

コルベールが錬金した有毒物質は全て可燃性のもの。
体内の酸素を揮発性の高い気体…揮発油に。
胃酸をニトログリセリンの原料…硝酸に変えたのである。

最後に、食われる前に詠唱を済ませた特別の炎を命が尽きるまで打ち出す。

「錬炎殺!」

その言葉を最後にディアバウンドの体が弾け、閃光と轟音、耳鳴りが、全てを燃やし尽くした!!







183 :デュエルモンスターズZERO:2007/09/29(土) 12:13:20 ID:Hlj3CoTG
投下終了です。
次回に引っ張る形になりましたがフーケや先生がどうなったかはまた次回に…
ちなみにディアバウンドのステータスは捏造ですので

184 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 12:13:23 ID:yZuendiK
コッパゲさーーーーーーーーーーーーーん!支援

185 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 12:15:43 ID:lHnqza+f
コルベール……無茶しやがって。
そして乙。好きな作品なんで続き期待してるぜ〜。

186 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 12:26:10 ID:2uIBY+TH
コルベール先生ー!?
……な、なんかブラックマジシャンフラグが立った気がするぞ。

187 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 12:28:12 ID:/S1+0L0y
デュエルの人乙です

>>96
懐かしいな、ピーチ姫が山瀬まみなヤツかw

188 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 12:32:12 ID:98I1ygt8
>>186
ブラマジガールは誰?

189 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 12:37:45 ID:uga/IswF
>>188
ブラマジガ−ルは・・・キュルケかなぁ

190 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 12:44:14 ID:nX9gCDGC
一瞬、コルベールってギーシュと200しか違わないのかって思った。

191 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 13:10:22 ID:Qh6dxNnc
ブリーチネタ、自分で書こうかと思ったが、
【シエスタの祖父母が任務中にハルキゲニアに飛ばされたブリーチキャラ二人】
とか思いついたw
シエスタが曽祖父譲りのマッドサイエンティストに……。

>>34
イエローのテレパシーと治癒は使い魔にもできるんだろうな。
使い方によっては戦術関連で活躍する予感。


192 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 13:37:10 ID:zI4eQ8H+
>>191
俺は俺が正義だの隊長の人で考えたことがあるな<シエスタ祖父

シエスタが二刀流の使い手にw

193 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 13:42:05 ID:QjW2iFuz
避難所のシエスタの祖父が毒電波のやつとか
姉妹スレのシエスタの祖父が殺人鬼のやつは続き読んでみたい

194 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 13:50:33 ID:3UNcbUsM
GS美神の世界から誰でもいいから召喚されればタバサが大変な事に!

195 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 13:52:09 ID:Gr96bfwu
前半バージョンおキヌちゃんが召喚されたら一発だな。

196 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 13:58:14 ID:Om+OeYcW
>>195
そこはポエム趣味の極道の幽霊を召喚だ!


197 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 14:01:57 ID:rfafnonm
シーマ様召喚してフーケさんと女傑タッグ組ませようぜ

198 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 14:10:20 ID:sv7RmAay
おキヌは後半でもなかなか
ネクロマンサーだし
アンドバリvsネクロマンシー

199 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 14:12:20 ID:OQeO/rAQ
>>195
なんだっけ、孫を怖がらせるのが大好きな婆の幽霊でw

200 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 14:13:24 ID:q2Oeuy9B
幽体離脱も普通に出来るしなー
たば茶が出来そうだ。

201 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 14:23:10 ID:cwqSRurj
>>195
演歌を歌う事で自分の存在を周りに認識させたアイドル幽霊でw

202 :BPZ:2007/09/29(土) 14:27:46 ID:OECv/yrA
トーカ予約をしてもよろしおすか?

203 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 14:28:34 ID:KsYEFn7S
未だにハル『キ』ゲニアと書く人いるんだな

204 :BPZ 1/8:2007/09/29(土) 14:31:45 ID:OECv/yrA
「見た?」
「見た」

燃えるような赤毛の少女の言葉に、好対照な印象の青い髪の少女は本をパタンと閉じて、こくんと頷いた。

周りは突然の爆発で使い魔がパニックを起こして、大騒ぎになっている。
冷静に会話できるものも、今の使い魔の不自然さを理解している者もいなかった。
例外はキュルケとタバサという名前を持つ青い髪の少女だけだった。
タバサが張った風の障壁で、二人はルイズの爆風から守られていた。

「さっき、あの使い魔は教室の後ろにいなかった?」

ルイズが杖を振る時までは、キュルケの視界のなかに彼女の使い魔の姿はなかった。
微かに縦に頷いた少女を横目にキュルケは表情を強張らせる。

「で、ルイズの呪文が始まって、杖を振り下ろす間に移動した……のよね、風の系統の魔法かしら?」

ルイズの使い魔は爆発の瞬間に、教室の上から下まで移動して彼女と教壇の間に割り込んで、
その身を挺してかばった。
ただの人間がそんなに速く動けるはずはない。何らかの魔法を使ったとしか考えられない。
しかし、魔法を使える人間となると、大半の国では貴族階級の人間となる。裏に回ったものは別にして。
キュルケはタバサに視線を向けるが、青い少女は静かに首を振る。
風の系統魔法に一瞬で転移する様な魔法はなかった。

「いったい何者?」

キュルケは、厳しい視線を爆心地に向ける。
そこには身を挺して主人をかばった黒い青年と、彼を見上げる桃色の少女がいた。

「うらやましそう」
「ばっ、バカね、何言ってるのよ」

呟くようなタバサの突っ込みに、慌てて首を振るキュルケだった。


―― BLOOD+ゼロ 5章――


ランプの明かりに照らされた部屋で、ネグリジェに身を包んだルイズがベッドの上で膝を抱えて座っていた。
壁際に置いた大きめの真新しいソファを見つめ、そこにかかったハジの上着を見つめながら、
昼間の出来事を思い出していた。

ミセス・シュヴルーズの錬金の授業での出来事。
いつものように爆発して、いつものように巻き込まれる。はずだった。
だけど、今日は違った。未だに実感の湧かない自分の使い魔。わたしを守ってくれる使い魔。
誰も聞いた事がない人間の使い魔だけど、ハジは身を挺して護ってくれた。

あんな怪我までして。

ハジの怪我の原因は、わたしの魔法の失敗による爆発と直前に行われたギーシュの錬金。
気取ったギーシュは青銅のバラの花束を錬金した。それがわたしの魔法失敗の爆風で跳ね跳んで、
ハジを傷つけた。
本体はどうもハジが叩き落としたみたいだけど、折れ飛んだ葉っぱの数枚が運悪く壁に跳ね返ってハジの
背中を襲った。
わたしをかばっていたハジは身動きもできずに、刃と化した青銅の葉っぱをその身で受けた。



205 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 14:32:32 ID:cwqSRurj
支援支援

206 :BPZ 2/8:2007/09/29(土) 14:33:03 ID:OECv/yrA
ハジが背を向けた時にその怪我に気づいた。表情からは気がつかなった、全然変わらないんだもの。
それを見た途端、わたしの足はがくがくと震えた。
どうしよう、わたしのせいで怪我をして……
真白になったわたしは、『大丈夫です。』と強がりを言うハジをひっ捕まえて、医務室につれて行った。

でも、医務室の水のメイジからは、もう治したんだったら、わざわざ医務室まで来ないでくれと、
お小言を言われ、わけがわかんないまま、ハジの背中を見たら医務室に行くまでの間に怪我が
奇麗に消えていた。
誰かが通りがけに治癒でも施してくれたの?
でも、そんな親切な友達なんて……いない。

で、困ったのが、服。

ハジにあう服なんて、持ってない。
っていうか服が必要な使い魔なんて想像の範疇を超えるわ。
昼間のアクシデントでハジの上着とシャツまでばっさりと切れちゃった。
学院にも巡回の業者がやってくる。けど、新しく服を仕立てるとなると、
やっぱりちゃんとしたものを着せたい。
ヴァリエール公爵家の使い魔として恥ずかしくないものを……。
わたしの使い魔としても。

「今度の虚無の曜日にでも町に仕立てにいかないとね」

抱えていた膝から手を離し、ぱたんとベットに倒れこむ。
寝ながら顔を横に倒し、ソファに目をやった。そこの主は今はいない。

「少し出てきます」

そう言っていつものように大きなチェロケースを持って、しばらく前に部屋から出て行った。

「もう、使い魔は主人のそばを離れちゃダメなんだから」

徐々に眠気が襲ってきた。
予想以上に疲れた一日。
他のクラスメイトも自分の使い魔とこんなに緊張する関係をもってるのかしら?
小鳥とか兎の使い魔は、かわいいだけなのにね。

何処からかチェロの音色が聞こえてくる。ハジが弾いてるのね。
がちがちに固まっていた心が、そよ風が吹く草原にいるように楽になっていく。
なんだか困ったような顔をして弾いているハジが浮かんで、クスッと笑った後に意識は急速に
深い海へと沈んでいった。

ま、いっか。

-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-

緊張するやら揶揄されるやら、露骨にからかわれるやらで、目まぐるしくも数日がたった。

例えば授業が終わった後の廊下で



207 :BPZ 3/8:2007/09/29(土) 14:34:11 ID:OECv/yrA
「やーい、ゼロのルイズ! 今日も平民の使い魔は金魚みたいについてるんだね、あ、ちがった金魚のフンだ」
「なによ、鼻ったれのマリコルヌ」
「ぼぼ僕は風邪っぴきだ!」
「あってるじゃない」
「あ、ちがった、風上だっ!」
「似たようなもんじゃない」
「なんだよ、平民捕まえて使い魔にした癖に!」
「ふん、それを言うんだったら、あんただってどこかのペットを買ってきて使い魔にしたんじゃないの?」
「なんだとー」
「なによ」
「……食事に遅れます」
「え、えぇそうね、行きましょう。鼻ったれの相手してたらきりがないわ。
悔しかったらこんな主人想いの使い魔でも召喚してみなさいよ」
「ぼぼぼ、僕を、ぶぶぶ、侮辱したな! けけけ、決闘だ!!」
「いいわよ、望むところよ!!」

こんな感じで。
口角を飛ばして、お互い真っ赤になって、廊下の真ん中で舌戦を繰り広げる少女達を周りは囃し立てながら
観戦していた。
もうすでに、ルイズの舌戦は学院の恒例行事になっていた。
結局、見かねたハジが「放してー!」と叫ぶルイズを肩に担いで、スタスタと食堂に連れて行ったことで
その場は収まった。ただ、そのままの体勢で食堂に入った為、直後に食堂は爆笑の渦が発生した。


「町、ですか?」

夜、出て行こうとするハジを呼び止めてルイズは言った。

ハジはルイズが着替えようとするのを察知すると、素知らぬ顔をして部屋から出て行く。
ルイズはルイズで、ハジがいる前で着替えるのはどうにも気恥ずかしいので、出て行っても何も言わない。
でもちょっぴり心の奥底では見てもらいたいような微妙な感情も入り混じる。

「ええ、明日は虚無の曜日で学校はお休みなの、だから町に出てあなたの服を仕立てるわ。
破けた服の代わりを何着か用意しておかないとね」
「いえ、そこまでしてもらうわけには」

ハジの服は顔見知りになったシエスタと言うメイドにとりあえず洗って繕ってもらい、急場を凌いでいた。
そう言えばハジの食事の準備もずっとシエスタがしていたような気がする。

そのシエスタがハジを見る視線にあらぬものを感じて、何よ! ハジは私の使い魔なんだからね!
と妙にやきもきして胸がざわめいたのも事実だった。
しかし、まともに繕い物なんてしたことがないルイズは、わなわなと震えながらも、ぴくぴくと
眉を引きつらせながらも、何故か勝ち誇ったようなシエスタにハジの服を渡して修繕を命じた。
なんとなく、自分の持ち物を他人にが勝手に触っているような不快感だったがどうしようもなかった。

「何言ってるの、使い魔の面倒を見るのは主人の役目でしょ? それにハジは無一文じゃないの」
「しかし」
「え〜い、つべこべ言わずにわたしの言うことを聞く」
「はぁ」
「そういえば、ハジは馬に乗れるの?」
「ええ」
「じゃあ、明日の朝から行くわ」

微かに戸惑った表情のハジだが、服がないのは事実なので不承不承ながらも納得したようだった。
その表情をみて、ルイズは明日という単語とお出かけという単語に心が躍るのを感じていた。
ちょっとした冒険みたいでわくわくする。


208 :BPZ 4/8:2007/09/29(土) 14:35:31 ID:OECv/yrA

上機嫌のまま鼻歌交じりでクローゼットに向かったルイズだが、ドアを見つめてじっと立っているハジに
気がついた。
どうしたの? と声をかけようとしたら、ハジが黙って人差し指を口の前で立てた。
無表情ながらも、真剣な気配を感じて、押し黙ってしまう。
ハジが右手を手刀のようにそろえて顔の横で構えて、ばっとドアを開けると、そこには
薄いベビードールの上に真っ赤なガウンを羽織ったキュルケが聞き耳を立てるような体勢で立っていた。

「何の用?」
「あら、ちょうどいまノックしようと思ったところよ」
「嘘ばっか。どうせ聞き耳でも立ててたんでしょ。何しにきたのよ?」
「あらぁ、親交を深めようとするのは変かしら?」
「そんな気なんてさらさらないくせに」

慌てたのも一瞬、即座に立ち直ったキュルケは、むちゃくちゃ胡散臭そうなルイズの視線を無視して、
手に持ったワインを掲げて艶然と微笑んだ
ご丁寧にも右手にはワイングラスを二つ持っていた。
年代物よ〜というキュルケに一人で飲めば? と心底嫌そうに迎撃したが、当の本人は、ルイズの
ささやかな反撃を柳に風と受け流し素知らぬ顔でずかずかと入ってきた。
ルイズにとっての不倶戴天の仇敵は豊かな胸を誇示するかのように、わざとらしくガウンを脱ぎ棄てる。

くっ。
密かに自分の胸を見下ろしたルイズはわなわなと、でも見えないように拳を戦慄かせる。

キュルケはわざとらしく、初めてハジに気がついたような表情をしたあと、ハジにしなだれかかって
鼻にかかった声を上げた。
その動作で、ルイズの右眉がぴくんと上がり、額にピキッと青筋が一つ浮かび上がる。

「あらぁ、ハジ、昨日は残念だわ。個人的にあの演奏を聞かせて欲しかったわ」

キュルケはハジの首に手をまわしながら、ちらりとルイズに流し目を送った。

「ハジッ! どういうこと!?」
「いえ、特には」
「私はいつでも待ってるわ」

キュルケの言葉に、弾けるように顔をあげたルイズは、ハジに詰めよった。
ハジは困ったような顔をしていたが、夜に中庭でチェロを弾いている時に、キュルケに誘われたことを
言葉少なに語った。
断ったんでしょうね? と見上げるルイズに苦笑を返したハジは「ええ」と静かに答えた。

「キュルケッ! 私の使い魔に手を出さないで!」
「仕方がないじゃない? 気に入ったんだもの」
「なんですって」

柳眉をあげるルイズに、微笑みながらキュルケは歌うように芝居がかった口調で続ける。

「恋は自由よ? ルイズ。 知ってるわよね? 私は『微熱』
微熱は情熱、情熱は炎、炎は燃え上がる愛。
松明が燃え上がる様に、火球が弾け飛ぶように、私の情熱の鼓動は舞いあがるわ。
この鼓動はどんな魔法でも抑えることができないわ。この身を焦がしていくの。
そして私はハジに恋したの。止めても無駄よルイズ。わたしは貴方の……って、あら?ハジは?」

キュルケは胸に手を当て、舞台女優の様に優雅に舞いながらハジに手を差しのべた……が、
そこには誰もいなかった。
きょろきょろと周りを見回すキュルケだが、ハジの姿はどこにも見えなかった。
燃え上がるような髪に手を突っ込んで耳の後ろをガシガシと掻く。


209 :BPZ 5/8:2007/09/29(土) 14:36:34 ID:OECv/yrA

「貴方が、何も飲まずに酔っぱらってるからさっさと出て行ったわよ」
「なーんだ、つまんないの。まあ、いいわ、そっけなくされた方がいざという時に燃え上がるわ。この胸が、
誰かさんと違って情熱が詰め込まれた、この胸が燃え上がるわ」

ネグリジェに着替えながら、憮然と答えるルイズの前で、これ見よがしに自分の胸を突き出す。
何かがプチンと切れた様な音がした。
あら、何の音? キュルケがきょろきょろと顔を動かす。

「こここ……」
「あら、やだルイズどうしたの? ニワトリの真似なんかして」
「こここ……」
「こここ?」
「ここここからでてけー」
「いやん」

わなわなと震えていたルイズが手近にあった枕をぶん投げて叫んだ。
キュルケは笑いながら枕をひょいっとかわして優雅に歩いて出て行った。
ルイズが荒い呼吸を繰り返して、キュルケが出て行った扉を睨んでいたら、ひょいっとキュルケが顔を
覗かせた。
何よ?というルイズの鋭い目に、顔だけ突き出して嫣然とほほ笑んだ。

「あ、そうそう、言い忘れてたけど、簡単に許しちゃだめよ? あんたってすぐ雰囲気に流されるんだから」
「うるさいっ!!」
「あはは、じゃあ、ごめんあそばせ〜」


-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-


「それでは、若奥様、旦那さまの採寸は終わりましたので、お好きな生地をお選びくださいませ」
「だだだ、誰が旦那様よ!!」
「え? 違うのですか?」
「もういいわ」
「はぁ」

トリスティンの城下町で最大であるブルドンネ街の、外れの広場に面した上品な仕立て屋。
貴族も時々利用するという珍しい店の主人はモノクルを掛けた侍従然とした初老の紳士だった。
物腰や言葉づかいから、どこかの貴族に仕えていたのだろうことは想像に難くない。
整然と壁一面に布地を掛けた如何にも仕立て屋という、あまり経験したことのない雰囲気に、
どこか落ち着かない様子のルイズは置いたばかりのカップに再び手に持った。

ハジの肩や背、裄丈に股下や胴、胸囲などありとあらゆる所を測っては記録し、いろんな方向から彼の服を
描いた紙を慎重に抱えて、老夫人が奥に引っ込んだ。

「こんなに採寸するものなの?」
「いえ、普通の仕立て屋はこんなにしませんよ。でも旦那さまの御衣裳は私も見たことがないくらい
繊細なものですし、型も初めて見るものですので、慎重に測らさせていただいております。」
「私にはよく分からないけど、そんなに繊細なの?」
「ええ、この素材の織の細かさや縫いの素晴らしさ。単純に見えますが最高級の職人を総動員して
作ったような服ですな。
正直、私どもの取り扱っている布地の中の最高級品でもここまで細かくはありません」
「へぇ」
「あと少なくともトリステインでは見たことがない型です、型から起こしますので、若奥様のおっしゃる
期日までとなりますと、1着できるかどうかです。」
「まあ、いいわ、とりあえず必要だから、出来上がり次第順次魔法学院まで届けて」


210 :BPZ 6/8:2007/09/29(土) 14:37:40 ID:OECv/yrA

手付として新金貨で50を払って、ぐったりしたハジを引きずって仕立て屋を出た。
当初の目的は終わったけど、このまま帰るのは勿体無いとルイズは思っていた。
せっかく街に来たことだし、案内がてらいろいろと回って帰ろうと繁華街の方へ歩き出した。


そんな姿を赤と青の少女達が木陰から見つめていた。
いや青い少女は、木陰に座って本を読んでる。

「ルイズったら、服なんか買ってあげて気を引こうとしちゃってさっ、
昨日の今日で速攻でプレゼント攻撃? やるわね」

キュルケは爪を噛んでいた。まさか奥手のルイズに出し抜かれるとは思わなかった。
こうなったらルイズよりもインパクトがあって、ハジが喜びそうなプレゼントで気をひかないと。
そう考えていたキュルケは、ルイズとハジが見えなくなってから、慌てて仕立て屋に飛び込んだ。
しばらくして消沈して出てきた彼女は、相変わらず木陰で本を読んでいるタバサの横にすとんと腰かけた。
はぁとため息をついた彼女にタバサが、問いたげな視線を向けた。

「だめらしいわ、お金がどうこうの問題じゃないんだって」
「楽器」
「楽器はだめねぇ、もう持ってるし、あのチェロって言う楽器だっけ? あれに執着してるみたいだし」
「そう」

タバサの提案も、あまりいいものとは思えなかったキュルケはぼーっと木にもたれかかっていた。
友人が力なく木にもたれかかるのを見たタバサは指を挟んで閉じていた本を開いた。
見目麗しくうら若き若い貴族が、二人も広場の木にもたれかかって座っていることなど、
見たこともない近隣住人達は腫物を触るように遠巻きに近寄っても来なかった。

「何読んでるの?」
「イーヴァルディの勇者」
「へぇ、珍し……そうだわ!」

キュルケはタバサの答えを聞いてがばっと立ち上がった。
先ほどとは打って変わって、燃えるような生気をほとばしらせたキュルケが、タバサの腕を掴んで
引きずるように駆けだした。


-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-


「うん、似合うわ。でもやっぱり場違いかしら」

ルイズは自室で、町で買ってきた服をハジに着せていた。
仕立て屋のやつではなく、当座の着替えとして買ってきた飾りっけの無い黒いフロックコートで
身を包んだ姿は宮廷楽師そのものに見える。
王宮にいるならば違和感がないが、魔法学院という状況にはふさわしくない。

仕方ないわよね、わたしも男の人の服なんて知らないし。ルイズは半分霧が掛った頭で考えていた。
往復で6時間も馬に揺られたルイズは、ともすれば閉じそうになる目を必死に開けていた。
ベッドの上にちょこんと内またで座り、両手でごしごしと目をこする仕草はまるで仔猫のようだった。

目を開けておくことがつらくなったので寝ようとすると、それを邪魔するようにドアがバンと開いた。

「ルイズ! ハジ! 起きてる?」



211 :BPZ 7/8:2007/09/29(土) 14:38:50 ID:OECv/yrA
相変わらず挑発的なベビードールを着たキュルケが後ろ手に長い布包みを持って入ってきた。
その後ろから白いネグリジェを着たタバサが静かについてきた。
寝ようとしていたルイズは不機嫌そうにキュルケをにらんだ。

「何よ、こんな夜遅くに」
「何が夜遅くよ、まだ宵の口じゃない」
「で、なんか用?」
「ミス・ヴァリエールに用はないわ、用があるのはハジよ」
「あんた、また人の使い魔にちょっかい掛けるつもり?」

眠気も一瞬で吹き飛んだのか、ルイズはベッドから降りて腕組みをしてキュルケを睨みつける。
キュルケは艶然と微笑んだ。

「ちょっかいじゃないわ、恋愛よ。昨日も言ったように恋愛は自由よ。はい、これはハジにプレゼント、
私のゲルマニアの錬金術師シュペー卿の最高傑作ですってよ、ほら、美しいでしょ。でも貴方が持つと
もっと素敵になるわ」
「私に、ですか」

ルイズを半ば無視して入口の壁近くに静かに佇むハジに向き直ったキュルケは、後ろ手に持っていた
布包みをほどいて押しつけた。
そこに現れたのは流麗なレイピアタイプのフランベルジュだった。
細かい意匠も、流れるような柄も炎のように波打つ刃も、まるで美術品として飾られてもおかしく無い程の
キラキラと輝く剣だった。

「ほらみて、この形、炎をイメージしてるの。 『微熱』の騎士にふさわしいものだと思わなくて?」
「返して、ハジ」

戸惑ったような、困ったような表情のハジを、楽しげに見ていたキュルケの耳に、微かに震える、
怒りを込めたルイズの掠れ声が聞こえた。
ハジが返そうとする剣を押しとどめて勝ち誇った表情のキュルケは、刺すようなルイズの視線を悠然と
受け流した。

「あら、嫉妬はみっともないわよ。ヴァリエール」
「なななななんですってぇ、だだだだだれが嫉妬してるのよ」

手の甲で口を隠したキュルケは、おほほと笑いながら揶揄した、もちろん挑発のため。
この言葉で怒りで血管が破裂するんじゃないか?というぐらい顔を真っ赤にして両手を握りしめる。
わなわなと震えるルイズを面白そうに見ていた。

「ほら嫉妬してるじゃない、ねえ、ハジ。やっぱり剣も女もゲルマニアの方がいいわよ?」
「困ります」
「ツェルプストーッ! 」

これ見よがしにハジに寄りかかって、胸に手をあてたキュルケに向かってルイズは叫んだ。

「トリステインの女って、ルイズみたいに嫉妬深くって、ヒステリーでどうしようもないんだから。
今からでも私の部屋に来ない?」
「ああああああんたなんか、ただの色ボケじゃないのっ! 知ってるわよ、夜な夜なとっかえひっかえ
男を連れ込んで!
ゲルマニアで相手されなくなったからトリステインまで留学してきて、トリステインの純粋な男を
漁ってるんでしょっ! 色ボケ!」



212 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 14:39:07 ID:STUqWflT
支援

213 :BPZ 8/8:2007/09/29(土) 14:39:54 ID:OECv/yrA
キュルケの言葉に、切れたルイズが声を震わせながらも冷たい笑みを浮かべて挑発する。
心底頭にきているらしく、全身が小刻みに震えている。
ただ、ルイズの言葉にどうしても許せないものがあったキュルケは表情を消した。
強張った顔のキュルケがルイズを燃えるような目で睨む。真っ向から睨み返すルイズ。
二人の視線が音を立てて絡み合う。

「言っていいこと悪いことがあるんじゃない? ヴァリエール?」
「ふんっ、やっていいことと悪いことがあるんじゃない? ツェルプストー」

ルイズはゆっくりと机に置いてあった杖を手に取る。
キュルケも足に括り付けていた杖を手に取った。

「言ったわね」
「そっちこそ」
「「決闘よっ!!」」

二人は同時に杖をかざそうとしたが、突如部屋の中に吹き荒れたつむじ風に杖を跳ね飛ばされた。

「室内」

隅っこの方で騒動を横目に本を読んでいたタバサが、本から目を離し二人よりより早く杖を振っていた。

「何よ、この子、さっきからいるけど」
「わたしの友達のタバサよ、いてもいいじゃない」

忌々しげに呟いたルイズの胡散臭そうな目を睨み返しながらキュルケは口を尖らした。

「いい方法がある」

読んでいたパタンと閉じたタバサが、そう言い残して部屋を出て行った。
ついてこい。という意味なのだろうか。ルイズとキュルケは顔を見合せて、慌ててタバサの後を追い掛けた。

すっかり忘れ去られ、一人部屋に残された渦中の人は、手に持った剣を持て余しながら溜息をついた。

「どうも、私は巻き込まれやすい体質のようです、小夜」

しばらくすると、窓の外から少女たちの声が聞こえてきた。外で決着をつけるらしい。
再び溜息をついたハジは、窓を開けそこから飛び降りた。

----------------------
投下終了です
5話掛けて、よ、ようやくここまで……

214 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 14:43:38 ID:jDxpm9hD
これだけ連投しても規制がかからないのかー

215 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 14:53:03 ID:cwqSRurj
乙したー。

規制対象は前の書き込みから1分以内で書き込む事じゃないかと。多分。
専ブラ使ってるからよく分からないけど。
連投自体は此処の場合問題無いっぽい。

216 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 14:54:56 ID:VFrQyJ4Y
GJ!! 確かに連投でこんだけ規制されないのも珍しいね。

>>192 正義の人ならキュルケのじーちゃんの方が良くないか?
二刀流の隊長がシエスタの祖父というのはなんかそれっぽくて良さげだ。
しかし、くたばりそうで中々くたばらない病弱な祖父なのか、
それとも祖母に毎日怒られている祖父なのか……。

217 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 14:59:08 ID:nX9gCDGC
GS美神……
小竜姫を召喚して、妙神山に括られているのでずっと角だけ……
というのを思いついた。

218 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 15:12:22 ID:q2Oeuy9B
投下乙であります

>>217
GS世界の神様とか魔族は異世界だとどーにもならないからなー
天界なり魔界なりと穴が開いてれば供給されるんだけどなー
魔力の塊である月が2個あるから、人間並みに能力落ちるけど動けます……トカ?

219 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 15:20:15 ID:cwqSRurj
>>218
ならば月神族でどうだ

220 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 15:21:17 ID:sv4tcDy2
某所で魔族入りして日が浅いのが召喚されてたなあ…

221 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 15:25:21 ID:qGSJ2GFp
お釜のことかー

222 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 15:26:53 ID:q2Oeuy9B
>>219
月面との魔力差で、浜辺に打ち揚げられたサカナのように
死にかけてる姿がGSの絵柄で想像出来て困る。

223 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 15:27:34 ID:sv7RmAay
原始風水盤で魔界化したときは人間も能力発揮しにくくなってたからなぁ
GS世界の存在は人間でも異界行きはきついかもしれない

224 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 16:15:06 ID:hMCivjx5
>195
誰もいないところで、挨拶している
頭の可哀相な平民って噂がたつな。


それに、死者を操る系のアンドバリの指輪の効果なら、本人の幽霊に
ネクロマンサーの笛で干渉して如何にか出来そうで怖い。

何気に情報収集系では最強のおキヌちゃん

225 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 16:34:33 ID:iAGxwiUM
カイジの次は黒沢を呼ばないか?

226 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 16:39:38 ID:ziIOw6kA
GSはオカルトありきの世界ながら、現代劇だからちゃんと
異世界モノの醍醐味があるよなぁ。

シャマナシャマナのミルディンが召喚されたら……てのを
捏ねてみたが、世界観のギャップが小さいのであんまり
面白く書けなかった。

やっぱ、非ファンタジーものから召喚した方が映えるね。
まぁ、キャラクターが濃かったら問題ないんだろうけど。

と、思って、らぶやんを召喚させてみたが、今度は話が
纏まらなかったわけだが。

227 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 17:54:00 ID:jDxpm9hD
ラブホールでカズフサも連れて来い
すげえ事になるぜ

228 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 18:06:24 ID:r1XYHn7b
ルイズのラブ電波をキャッチしたらぶやんがにゅるっと出てくるだけでいいんじゃね?
あとは適当に

229 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 18:08:20 ID:sDg8pVnW
カズフサ役はワルドしか考えられない

230 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 18:10:20 ID:Qh6dxNnc
>>216 キュルケが褐色の肌なのはあの隊長な孫娘だからなのか。
死神は歳取るのが遅いから現在表向きは【祖父に生き写し、ついでに祖父から盲目まで受け継いだ兄】
ってことになっていそうだ。

ネタに使わせてもらうかも。

231 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 18:12:47 ID:Ru59xsiT
>>227
逃げてータバサ逃げてー

232 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 18:27:45 ID:GkLWD0Iv
うむ、タバサとルイズの身が危険だ。
挿絵を見る限りベアトリス公女さまも危険だ。
逆にテファとかはちっとも危険じゃないが。

233 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 18:40:57 ID:8MA4uH0B
カズフサはタバサを委員長と言って崇めそうだ

234 :ゼロ=パペット・ショウ:2007/09/29(土) 18:50:14 ID:L+85jQzL
道が空いているようなので55分から投下しますー

235 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 18:54:56 ID:0Vtje6LZ
キタ─wwヘ√レvv〜(゚∀゚)─wwヘ√レvv〜─ !!

236 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 18:55:18 ID:KFVEPOLd
レオノフ来る!支援!!

237 :ゼロ=パペット・ショウ:2007/09/29(土) 18:55:33 ID:L+85jQzL

 痛い。熱い。怖い。辛い。悲しい。酷い。
 それは地獄のような責め苦だった。
 少なくとも、キュルケ・アウグスタ・フレデリカ・フォン・アンハルツ・ツェルプストーにはそう思えたのだ。
 気を抜くと目の前に異形がいる。怖い。
 魔法の届くぎりぎりの射程からは、見たこともない形の銃を持った女性≠人形がいる。痛い。
 目の前には、飛んでくる銃弾からキュルケ達を守ろうと、血塗れになりながらも身を盾にしているコルベールがいる。酷い。
 自慢の髪や肌は、幾度となく掠った銃弾により傷だらけに。辛い。
 気がつけば、五十人以上の人間≠人形が周囲を覆い尽くしている。

 しかし、そんな恐怖よりもさらに熱く、キュルケを焦がしているものが存在した。

 “それ”が存在している限り、キュルケは決して、屈しない。




 ゼロ=パペット・ショウ
   第五幕




238 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 18:55:48 ID:YwEHdDuf
キター支援

239 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 18:56:42 ID:e2cruWiD
パペット支援

240 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 18:57:04 ID:8MA4uH0B
恐怖の宴支援

241 :ゼロ=パペット・ショウ:2007/09/29(土) 18:57:36 ID:L+85jQzL
 エア・ストーム。エア・ハンマー。ウィンド・ブレイク。タバサの放つ様々な風が、人形達を吹き飛ばしてゆく。しかしそれは、断じて攻撃として使用されたものではなかった。
 人形は生物ではない。吹き飛ばされたところで痛みなど感じず、怯みもせず、ただ距離が離れるだけ。竜巻に巻き込まれ大地に叩きつけられても、指先ひとつで動き出す。
 切断系の魔法でも使わない限り、風では人形を倒せない。しかしそれでも、タバサは風の魔法を打ち続ける。何故か。

 微熱のキュルケが、彼女の前に立っているからだ。

 そう、キュルケは自覚している。それは紛れもない事実の一つであったし、キュルケ自身が自らを鼓舞するための願望でもあった。

 暴風に吹き飛ばされた人形に向かい放たれるフレイム・ボール。それは狙い通りに人形達を焼き尽くしてゆく。
 タバサが人形を破壊する必要はない。タバサは防御を担当し、キュルケが攻撃を担当すればよい。言葉一つ交わさずに顔を見合わせるだけで実行される連繋だった。

 召喚の儀。自身は滞りなくサラマンダーを召喚した。ルイズが呼んだ老紳士もまた、気になる存在ではあった。
 しかし、普段のキュルケならばこの場に残ろうとなどしなかっただろう。“ここ”に残って、ルイズを心配する義理など、キュルケにはなかった“はず”だった。
 ならば、なぜキュルケは此処に残ったのだろう。



242 :ゼロ=パペット・ショウ:2007/09/29(土) 18:58:53 ID:L+85jQzL

「貴方達は実に素晴らしい」

 ルイズを抑えつけている青年の人形が、口を開く。実に不快だ。あの人形も、老紳士も、纏めて灰になるまで焼き尽くしたくなる衝動をキュルケは感じている。

「誰もが生を諦めず、誰もが必死に生きている。貴方も、貴女も、アナタも」

 言葉と同時に飛んでくる銃弾。タバサの竜巻では逸らしきれず、また一つコルベールに銃創が増える。二十二。

「正直、あなた方は素晴らしい。誰もが自らの役割を、迷うことなく選択し続けている。まるで、一つの生命のように」

 後方から襲い掛かる異形に、ファイヤーボール。命中。しかし、破壊できたのは胸部のみ。命中する寸前に、空中でバラバラに解体され大部分を退避させられている。信じられない所行だった。

「安心してクだサい。子ノママ殺シは縞セン」


243 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 19:01:01 ID:0Vtje6LZ
支援

244 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 19:01:02 ID:YwEHdDuf
支援

245 :ゼロ=パペット・ショウ:2007/09/29(土) 19:01:04 ID:L+85jQzL
 今度は上から振り下ろされる刃。コルベールの火炎で大部分が燃え落ちながらも、それはキュルケの髪を切り裂いてゆく。二十三。

「孔タ方モ、人形ニ、四テアゲ魔粧!!
 (あなた方も人形にしてあげましょう!!)」

 人形。人形。人形!! 
 そんなものに、そんなものに、このキュルケ・アウグスタ・フレデリカ・フォン・アンハルツ・ツェルプストーを! 
 親友であるタバサを! 
 宿敵であるあのルイズを! 
 そして目の前で血塗れになりながら自分達を守ってくれているあのコルベールを!!
 命も心もなくした人形などに!!

 それはやはり、“微熱”だった。

 普段の彼女が感じ続けている微熱ではない。それは、目の前の老紳士に対する怒りという名の微熱だった。

 擦過音。詠唱の途切れるタバサ。左肩には醜い弾痕。二十四。

 そんな様を、ルイズが涙を流しながら見つめている。私のために泣くなんて、まるでヴァリエールらしくない、などと思いながらも、彼女の涙もまた、キュルケに“微熱”を与えてゆく。
 ああ、考えてみれば簡単だった。キュルケが此処に残った理由。妙にあの老紳士を警戒していたタバサとはまた別の理由。

 それはやはり、ルイズのことが心配だったのだ。


246 :ゼロ=パペット・ショウ:2007/09/29(土) 19:02:17 ID:L+85jQzL
 どこか放っておけないルイズ。魔法が一切使えないことに絶望せず、ただひたすらに努力を重ね続けるルイズ。恐らく、この学院で誰よりも貴族であろうと努力しているルイズ。キュルケにとって、ライバルであるに相応しいとまで判断させた、ルイズ。

 そんなルイズを、放っておけるわけがないじゃない。

 キュルケは思い至る。タバサという親友を得た時、自分はどれほど嬉しかったか。ならば、“あの”ルイズとも親友になりたいと思っても不思議などどこにもない。

 苦悶の声。コルベールが人形の突きだした刃に軽い傷を負った声だった。二十五。
 よく見ると、ルイズの首筋にも傷が付いている。二十六。
 二十六。そう、二十六。今まで皆が傷つけられた二十六回。その回数を執拗に数えていたキュルケは誓う。あの男は、二十六回焼き尽くす。

「フレェェイムッ!!」

 それは、必殺の言葉だった。

 コルベールが牽制し、タバサが防ぎ、キュルケが薙ぎ払う。しかしそれは老紳士の前では儚い抵抗に過ぎなかった。コルベールの炎も、キュルケの火弾も、人形の壁の前に届かない。老紳士には届かない。

 そう、思わせることが策だった。

 老紳士は気付いていない。戦闘が始まった一瞬。絶妙なタイミングで。風竜が火蜥蜴を乗せ大空へと舞い上がったことを。長い時間をかけ老紳士の背後へと回り込んだことを。

 キュルケの胸中を、熾火の様に“微熱”が焦がす。怒りという燃料をくべ、“微熱”は“灼熱”へと変化する。友人を傷つけた老紳士を、キュルケは決して許さない。


247 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 19:02:49 ID:8MA4uH0B
新刊まだ?支援

248 :ゼロ=パペット・ショウ:2007/09/29(土) 19:03:24 ID:L+85jQzL

 位置が、絶妙だった。老紳士の立ち位置が。
 老紳士の右前方には抑えつけられたルイズがいる。そして、老紳士の後方には。
 堆くそびえ立つ、棺の塔があった。

 シルフィードの先住魔法。歪に積み重なる棺の塔を崩す、裁きの風。
 棺は今や、雪崩であり津波であった。老紳士にはもう、避けることすら叶わない。
 なぜならば、キュルケの忠実なる使い魔が放った炎の壁が、逃げ場を無くすように老紳士を包み込んでいたからだった。

 降り注ぐ棺は、老紳士を埋め尽くした。
 彼の慟哭の言葉さえ、呑み込むかのように。

 イザベラ。それが、キュルケの耳に届いた老紳士の慟哭だった。





249 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 19:03:37 ID:ZHwiLuVz
実にいいチームだ支援

250 :ゼロ=パペット・ショウ:2007/09/29(土) 19:04:50 ID:L+85jQzL
5話目終了。投下予約が無いならこのまま次話も投下でー

251 :ゼロ=パペット・ショウ:2007/09/29(土) 19:07:11 ID:L+85jQzL
では続き行きますーー






 燃えて、ゆく。




 ゼロ=パペット・ショウ
   第六幕




 それは、幼い頃の思い出だった。
 子供の頃から、人形を見ることが好きだった。
 いつしか彼は疑問に思う。なぜ、この人形は“動かない”のだろう、と。
 頭がある。胴体がある。腕には指すらついている。両脚だって、ついていたのだ。
 ここまで人間と同じ形をしているというのに、なぜ人形は動かないのか。人間と人形、どこが違うのか。人間だから動くのか。人形だから動かないのか。

「そんなに動いているのを見たいんだったら、エミリオが動かしてみればいいんじゃない?」

 エミリオ。それは彼の名だった。
 そして彼に、人形は動くのを待つのではなく“人が操り動かすもの”と認識させた少女の名は、

 イザベラと、言った。





252 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 19:07:44 ID:qf5PUo49
しえーん

253 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 19:08:27 ID:8MA4uH0B
支援

254 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 19:08:36 ID:wCNV7OX7
プレイヤー支援

255 :ゼロ=パペット・ショウ:2007/09/29(土) 19:08:50 ID:L+85jQzL

 燃えてゆく。燃えてゆく。燃えてゆく。
 棺の群れが、燃えてゆく。炎に包まれ、燃えてゆく。

 燃えてゆく。燃えてゆく。燃えてゆく。
 彼女の髪が、彼女の服が、彼女の彼女の彼女の彼女が、彼女が、イザベラが燃えてゆく。

「阿ア……亜ァ……、何テ古都駄……
 (なんてことだ……)」

 自身を押し潰す棺桶≒瓦礫は、咄嗟の人形操作によって回避した。しかし、包み込むように放たれた炎までは回避できない。
 空を飛んでいた原住生物らしきものには気付いていたが、火を吐き風を起こすなどということは考えてもいなかった。
 考えてしかるべきだったのかもしれない。なぜなら敵対している三人も、風や炎で攻撃してきたのだから。
 しかし、レオノフにとっては今も自分を焼き続ける炎など、何の痛痒ももたらしてはいなかった。

 イザベラが、燃えている。

 彼女はいつもレオノフの中心にあった。
 他の記憶は定かではないが、彼女のことだけは一瞬たりとも忘れたことはなかった。
 いつも、手の届く場所に彼女を置いていた。この世で最も安全な場所に、彼女を置いていた。
 自らの武器≒人形達の、中心に。
 棺の塔の、頂上に。

 そのイザベラが、燃えている。



256 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 19:09:37 ID:gNT32tSS
しえ☆すた

257 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 19:09:46 ID:8MA4uH0B
おい、ヤベエぞ!支援

258 :ゼロ=パペット・ショウ:2007/09/29(土) 19:10:15 ID:L+85jQzL
 彼女≒人形は、ただ火をかけられただけで燃え尽きるようなことはない。
 そもそも棺に使われている材質も、ハルケギニアでは見ることも出来ない特殊な合金であったし、彼の作る人形も最低限の耐火処理はされている。
 そう簡単に燃え尽きたりはしない。そう、人形自身は。
 しかし、彼女の髪は? 目は? 肌は?
 焼けてゆく。焦げてゆく。燃えてゆく。愛しい彼女が、燃えている。

「イザベラ……イザベラ……イザベラ、イザベラいざべらイザベらぁぁあ」

 炎に包まれたままのイザベラ。必死で手繰り寄せる。抱きしめる。
 未だ消えない彼女の服の火は、レオノフ自身がその肉体を押し付けることにより消えてゆく。肉体が焼かれる音を聴きながらも、レオノフは彼女の炎を必死に消火する。

「ヨ蜘蛛……世ク喪ヨクモ翼モぉ!
 (よくもよくもよくもよくも!)」

 火は水で消える。道理だった。しかし、水などというものはここには存在しない。
 ならば何を持って消すべきか。レオノフは決して迷わない。

 小型の異形。今までルイズの首筋に刃を当てていた、人蜘蛛。
 その人形が、切り裂いた。レオノフの頸動脈を。

 噴水のように流れ出た血液は、劇的な効果をもたらしてゆく。少なくとも、弱まってきた人形一つ分の火を消すには、充分な量だった。

「イザベラ……」

 血と炎により見るも無惨な姿となった彼女の頬を、レオノフは優しく撫でる。それは酷く優しさに満ちていて。

 炎蛇のコルベールが放った爆炎により、その優しさごと消し飛んだ。



259 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 19:11:06 ID:0Vtje6LZ
コッパゲ自重ww支援

260 :ゼロ=パペット・ショウ:2007/09/29(土) 19:11:39 ID:L+85jQzL

「やった……か?」

 爆炎という魔法がある。
 錬金により空気中の水蒸気を気化した燃焼油へと変化、大気と攪拌させた上で火の魔法で着火するというトライアングルスペル。
 着火された火は気化した油を瞬く間に燃焼させ、巨大な爆発を起こす。その爆風と、“周囲の酸素を食い尽くす”という二次効果により対象を死に至らしめるという必殺のスペルである。

 今回行った魔法は、爆炎の応用だった。
 炎はサラマンダーのフレイムにより、初めから用意されていた。と、なれば後は水蒸気を燃焼油へと錬金すれば良かったのだが。
 爆炎が爆炎たりえる理由は、瞬時に起こる大規模な爆発にある。小規模の爆発では酸素を食い尽くすまでは行かないからだった。
 コルベール一人の錬金では、瞬時に用意できる気化油に限りがある。それを補うために、タバサとキュルケを含めた三人同時に錬金を行ったのが、今回の爆発の正体だった。

「また凄い効果ね。これならあの人形使いでもひとたまりもないと思うわ」

 既に疲労によって地に座り込んでいたキュルケ。タバサは辛うじて立ってはいるが、杖にもたれかかるような体勢からもその疲労が窺える。
 使い手を失ったからだろう。力の抜けた青年の人形から解放されたルイズは、泣きそうな顔でそんなキュルケ達を見つめていた。

 辛い、戦いだった。コルベールは心底そう思う。
 あの人形使いが風竜をあそこまで放置しなければきっと、この策は上手く行かなかっただろう。
 恐らく、風竜が先住魔法を使えるなどと、思ってもいなかったに違いがない。だからこそあそこまでの接近を許したのだ。風竜の正体を知っていたら、銃で撃退されていたに違いない。

 ということは、あの風竜は韻竜ということか。まあ、それも、あの老紳士と比べれば大した問題じゃないだろう。


261 :ゼロ=パペット・ショウ:2007/09/29(土) 19:12:55 ID:L+85jQzL
 そんな事を思いながらコルベールは、傷だらけの自身の身体を改めて検分する。
 左足に四発。右脚に二発。左手に三発。胴体部分には四発もの弾丸が着弾している。よくもまあ生きていたものだと、自嘲するしかない。
 生徒を守るという使命感により感じなくなっていた痛みが、今さらながらやってくる。穴の空いている内臓も、一つや二つで済めばいいが。
 正直、目の前が暗くなってきた。早く治療を受けなければ、それこそ命を失うだろう。

 と、泣きじゃくるようなルイズの声。振り向いてみると、キュルケがルイズを優しく抱きしめている。代々の確執を乗り越えた友情の誕生だ、などと暢気な気分で苦笑が漏れる。
 見ればタバサも同じような表情をしていた。きっと似たようなことを考えていたのだろう。それは、戦いが終わった平和な光景。老紳士という厄災が消えた、平和な光景。
 だったはず。

「ユル鎖ナ胃……
 (ゆるさない)」

 聞こえてしまった。大切な何かが欠けてしまったかのような、あの声が。

「小ムスメ共ガ、ヒト離モ、逃ガ屍マ閃――――!!
 (小娘共が、一人も逃がしません)」

 老紳士の左手には、使い魔の証=ルーンが輝きを放っていた。
 人形劇は第二部へ。これよりの演目は、老紳士の復讐。

262 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 19:13:41 ID:ZHwiLuVz
さすがにこれじゃ終わらないよな……支援

263 :ゼロ=パペット・ショウ:2007/09/29(土) 19:13:57 ID:L+85jQzL
今回の分は投下終了です。ありがとうございましたー。
日曜中に書き終わればいいなと思ってます

264 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 19:14:33 ID:wCNV7OX7
やっちまったー(´Д`;)
ルイズ人形化フラグ立った?

265 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 19:15:00 ID:8MA4uH0B
GJ!やはりイザベラがキーだったか・・・・

266 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 19:39:12 ID:jDxpm9hD
大迫力!!乙

267 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 19:48:29 ID:AETEt02A
投下乙!
>>247
ヘルシングスレみてたらトライガンの最終刊&ヘルシング最新刊は11月発売とのこと

268 :ウィザーズ・ルーン:2007/09/29(土) 19:49:04 ID:GrZOP/Gd
予約がなければ投下したいのですがいいでしょうか?

269 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 19:53:26 ID:g1BygCZs
指パッチン支援

270 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 19:53:35 ID:UVTm10gI
パペット師、太乙真人!
続いて>>268さんれっつらごー。支援仕る。
じゃあおいらはその次ね。

271 :ウィザーズ・ルーン:2007/09/29(土) 19:53:52 ID:GrZOP/Gd
 うわごとのように「幽霊……」と呟く顔面蒼白なタバサに、「これは艦の管制人格でメイジ風に言えばオレの使い魔だ」ということを分からせるのに小一時間。
 ようやく落ち着いたタバサに、「そういえばオレはどこで寝ればいいんだ?」と聞くと、「同じベッドでかまわない」、と抜け切っていない顔の強張りを隠しながらとんでもないことを言った。
 しかしそこはファンメイにも個室をで与えていたヘイズである。艦の自室で寝るから用があったらまた来てくれと言い残して部屋を出た。
 今までのやり取りから一人で眠るのが怖いのだろうと思い込んでいたゆえの行動だったが、それゆえに気づくことができなかった。


「母様……! それを飲んじゃ駄目……!」
 悪夢にうなされるタバサの声を。
 タバサから笑顔を奪った闇――ヘイズがこの世界に呼び出された本当の役割を。



 サイトは目覚めてまず真っ先に、なぜか下着が目に入った。
 あーそういえば洗濯しなくちゃならないんだっけ、といまだはっきりとしない頭をかきながらベッドへと近づく。
「起きろよ。お嬢様」
「な! 何よ何事!?」
 ルイズの声を聞いて、ああやっぱりこれは夢じゃあなかったんだなあと、サイトは切なくなった。
「誰よアンタ!?」
「平賀才人」
「使い魔……? ああ、そうか昨日召喚したんだっけ」
 ルイズはけだるそうに起き上がり、指をさしながら命令する。
「服」
 椅子にかかった制服を放り投げる。
 ネグリジェを脱ぎ始めたのをみて、サイトはそっぽを向いた。
「下着」
「じ、自分で取れよ!」
「そこのー、クローゼットのー、一番下ー」
 どうやらとことん雑用として使い倒すつもりらしい。
 下着を適当に引っつかんで後ろを向いたまま投げ込む。
「服」
「お前に今投げただろ!」
「平民のあんたはしらないでしょうけど、貴族は下僕がいるときは自分で服を着ないのよ」
 えいっと胸を反らし精一杯ご主人様であることを主張するルイズ。
 サイトはこれからの生活を案じ、(人間、ここまで貶められるものなのかよ)と心の中で泣いた。

272 :ウィザーズ・ルーン:2007/09/29(土) 19:55:26 ID:GrZOP/Gd
 部屋から出ると、向かいの扉が開き、燃えるような赤い髪の女の子が姿を現した。
「おはよう。ルイズ」
 ルイズはそれに顔をしかめながら挨拶を返した。
「おはよう。キュルケ」
「貴女の使い魔ってそれ? 本当に人間なのね! すごいじゃない!」
 サイトはまたもや切なくなった。何が悲しくてここまで貶されなくちゃならないのか。
 そういうお前は何なんだ。お前だってただの、おおお、おっぱい星人じゃないか。
 食い入るような目つきのサイトを知ってか知らずか、キュルケはさらに続ける。
「サモン・サーヴァントで平民呼んじゃうなんて、さすがは『ゼロのルイズ』ね」
 ルイズの顔が瞬く間に髪と同じ色に染まった。
 一瞬の思案ののちに、事実に頼るように言葉を吐き出す。
「ううう、うるさい! それを言うならタバサだって平民を呼んでたじゃないの!」
「あら。でもヘイズは元軍属のお偉いで、しかもあの船は個人所有らしいわよ? 相当に腕の立つメイジに違いないわ」
 ルイズの逃げ口上は一瞬で斬って捨てられた。
「元軍属がどうして個人所有して勝手に飛び回ってるのよ! どうせ空族か傭兵でもしていたにちがいないわ!」
「あらあら、話したこともないのに憶測で人を悪人扱い? 足りないのは胸だけじゃなくて、思慮もかしら?」
 余裕綽々という態度でにっこりと笑うキュルケ。
 傲慢なルイズがやり込められるのを見て、ざまあみろという思いがサイトの心に浮かび上がる。

「貴女お名前は?」
 急に話しかけられて、どきりとした。
「平賀才人」
「ヒラガサイト? 変な名前」
「うるせえ」
 ――今度は名前まで貶されるのかよ。
 サイトはいい加減にうんざりした思いになった。
「じゃあお先に失礼」
 そう言うと、炎のような髪をかきあげながら颯爽とキュルケは去っていった。
「くやしー! なんなのよあの女!」
 地団駄を踏むルイズを横目で眺めながら、サイトは(怒りたいのは俺のほうだっつの)と冷めた感情を転がしていた。

273 :ウィザーズ・ルーン:2007/09/29(土) 19:56:50 ID:GrZOP/Gd
 朝になったということで、ヘイズがタバサを迎えに行くと、そこには着替えを済ませた彼女の姿があった。
 「ファンメイ様の着替えを覗いてしまった時のヘイズは、それはそれは悲惨なありさまでしたよ」などというハリーの姿なき発言に、またもやびっくう! と目を見開いたタバサの醜態があったりしたのは、また別の話。

 朝食ということでタバサに連れられて、食堂にたどり着いたヘイズであったが。
 いそいそと席に着くタバサに、ふと気がついたことを告げる。
「なあ。こういうところって大抵身分の高い者、っつか貴族だけしか入れねえんじゃねえのか?」
「通常平民は入ることはできない。でもメイジということなら言い訳はきく」
 ぴっと指をたてながら、タバサが説明する。
 ハルケギニアでは貴族はすべからくメイジであり、貴族でないメイジも元をたどれば貴族だったということを、ヘイズは昨日の話から思い出した。
「なるほどな……。でもオレはどうもややこしい立場にあるみたいだしなあ。ここは大事をとってオレは別の所で食事をとることにしたほうがいいと思うぜ? 一応オレも知り合いに身分の高いヤツがいるから、その辺の機微は知ってるつもりだ」
「……そう」
 恐らくは肯定であろうその返答を聞いて、ヘイズは食堂を後にする。

 入り口にさしかかったところで、肩を怒らせながら歩く桃色の髪をした少女と、タバサとは別の意味で覇気のない表情の少年とすれ違った。
 これがヘイズとサイトの最初の接触だった。

274 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 19:59:47 ID:UVTm10gI
支援スキー

275 :ウィザーズ・ルーン:2007/09/29(土) 19:59:53 ID:GrZOP/Gd
 ――さてと、ああは言ったもののどこでメシを確保したものか。
 ヘイズが言った「機微は知ってる」は概ね嘘ではないが、それは政府高官に対するものであり、貴族に対するものではなかったりする。
 ついでに言えば、ただタバサの立場的によくないだろうと配慮してつい言ってしまったため、朝食をどこで取るかについては、完全に思考の外側であった。
 とはいえ早く目処をつけなければ空きっ腹で昼までを過ごす羽目になる。
 どうしたものかとなやんでいるヘイズに、突如メイド服姿の少女が話しかけてきた。
「あのー、メイジ様? 何か不具合でもあったのでしょうか」
 食事に対する文句があったのかと、怯えをみせながらたずねる少女。
「あー待て。俺は立場上メイジだが、貴族ってわけでもねえただの使い魔だからそんなにかしこまる必要はねえ」
 タバサの立場も考え、すぐにボロが出そうな貴族は否定し、メイジであるということは肯定しておく。
 メイジは平民にあまり好かれていないという話だが、自分ひとりが嫌われることでタバサの立場が守れるなら安いものだ。
「あのー。もしかしてタバサ嬢が召喚したっていう方ですか?」
「お? 知ってるのか?」
「だって有名ですよ。タバサ嬢が船に乗ったメイジを召喚したっていう噂」
 有名になるのはなんとなくやばい気がしたが、なるほど通常なら動物かおとぎ話の幻獣が呼び出されるところで船が現れたのだ。
 しかも中からメイジが出てくるおまけ付き。
 これでは有名になるなと言うほうが無茶であろう。
「じゃあ、その有名人のよしみっていうことでお願いしたいんだが、朝食をなんかもらえねえかな。平民は食堂でメシを食うわけにはいかないらしいから。あ、なんなら調理の仕込みとかの手伝いもやるからそれでどうかな?」
「あ、はいわかりました。ふふっ。でも不思議です。なぜかあなたからは悪い雰囲気がしません」
「ま、嫌われるよりはいいことだな。オレはヘイズと呼んでくれ」
「私はシエスタです。じゃあ案内しますね」
 元便利屋としてなんとも情けないことだが、まずはこの空きっ腹をなんとかするのが先決だ。
 それにこの程度は慣れたものだし。

276 :ウィザーズ・ルーン:2007/09/29(土) 20:01:18 ID:GrZOP/Gd
 ヘイズは学校というものに行ったことはないが、知識として頭の中にある。
 それに照らし合わせると、床が石でできているものの、ここは講義室として一般的なものに近い。
「皆さん。春の使い魔召喚は大成功のようですわね。このシュヴルーズ、こうやって春の新学期に様々な使い魔を見るのが楽しみですよ」
 あの女性が講師か、と横目で見ながら周囲を見渡す。
 その中に自分と同じく、人間の使い魔の姿を発見する。
 ――あのガキは今朝すれちがった……
「おやおや。随分とめずらしい使い魔を召喚したものですね、ミス・ヴァリエール。それにミス・タバサも」
 その発言と共に教室中がどっと笑いに包まれた。
「いくら召喚できないからってそこらの平民を連れてくるなよ『ゼロのルイズ』!」
 馬鹿にしたセリフに、ルイズと呼ばれた少女は椅子を倒しながら立ち上がった。
 そしてルイズを馬鹿にした少年と言い合いになる。
 ふと隣のタバサを見る。無表情な横顔からは何もつかめないが、あの落第生的な少女と同列にされるのに何を感じているのだろうか。
 ゼロという二つ名に疑問が湧いたが、いつこちらにとばっちりが来るか分からない。ここは少年に助け舟を出して場を収めるとしよう。

「まあ待て」
 一声に周囲の視線がヘイズへと集中する。
「メイジに種類があるように使い魔にも種類があってしかるべきだ。オレなんかは船を使い魔にしてるしな」
「昨日もそうですが勝手に人を使い魔扱いですか。せめて私に了承を取ってからにしてくださいよ、ヘイズ」
 どこからともなく聞こえた声に、生徒が騒然となる。またタバサが怯えた目をしているのだが、この少女はいつになれば慣れるのだろうか。
 襟元の通信機を見せて、このマジックアイテムでどこからでも連絡が取れるんだよ、と説明し、
「まあそんなわけでだ。その少年も平民平民と言われてるが、とんでもねえ力を隠し持ってるかも知れねえ。誰にも隠し玉の一つや二つ持ってるだろうしな」
 そこまでで一旦言葉を切り、少年を見る視線にそれまでと異なるものが混じり始めたのを確認し、
「それにだ、お前らも貴族って言うならそれなりの品性を身につけねえとな。オレの知り合いに身分の高い奴がいるんだが、そいつは偉ぶりもしねえどころか、妹思いのとんでもなく礼儀正しいやつだぜ? ……まあ若干腹黒いんだけどな」
 最後にオチもつけて場を収めることに成功。口先が上手いのも便利屋をやってきた成果だ。

277 :ウィザーズ・ルーン:2007/09/29(土) 20:02:30 ID:GrZOP/Gd
 場も納まったところで授業が始まる。
 コルベールとタバサに聞いた知識とあわせて、この世界に関する技術力はほぼ把握できた。
 どうやら魔法が発達しすぎたせいで、工学技術は著しく劣っているようだ。
 銃はゲルマニアで製造しているということだが、ヘイズが納得できるレベルのものがはたしてあるかどうか。
 さきほどの通信機をマジックアイテムと言って誤魔化せたことといい、ヘイズの船の中にある道具はこの世界には似つかわしくないものばかりだろう。
「錬金の実技をしてもらいましょう。それではミス・ヴァリエール、あなたにしてもらおうかしら」
 その言葉と共に教室の空気が一変する。おおむねマイナス方向に。
「あのー、ミス・シュヴルーズ? それはやめたほうが……」
 おずおずと手をあげながら、告げるキュルケ。
「おや、どうしてですか?」
 何故? という風に訪ねるシュヴルーズ。
「ルイズを教えるのは初めてですよね?」
「ええ。しかしミス・ヴァリエールが努力家だということは聞いています。失敗を恐れていてはなにもできません。さあやってごらんなさい」
「やめて……」
 蒼白になりながら呟くキュルケ。
「やります!」
 しかしルイズは立ち上がる。と同時にタバサは教室を出て行く。
 ヘイズは懐から取り出した本を開き始めたタバサの後をついてゆき、
「なあ、なんで外に出る必要があるんだ?」
 と当然の疑問を口にする。
「すぐに分かる……」
 と言い残し、また本のページへと没頭したタバサに、それはどういうことだとシュヴルーズと同じ質問をしようとした瞬間だった。
 教室が爆発した。
 中をのぞくと窓が割れ、天井は吹き飛び、使い魔が暴れまわるという暗澹たる惨状を晒していた。
 錬金っていうのは炎使いがやる原子配列変換みたいなもののはずだ。しかし爆発物を合成するという授業ではなかったはず。
 そこで生徒の一人が発した言葉によって、二つ名の由来と爆発の謎が氷解する。
「いつだって成功の確率、ほとんどゼロじゃないかよ!」
 ――なるほど、名は体を表すというが、まさしくそのまんまなんだな。

278 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 20:05:06 ID:qf5PUo49
ブレイン支援

279 :ウィザーズ・ルーン:2007/09/29(土) 20:05:21 ID:GrZOP/Gd
投下終了です。

私はおりがみの作者ばりに計画性がないですが、このペースだと1巻分終わるのに何話かかるんでしょう。
そして未だにゆびぱっちんでなにも解体してない。ギ、ギーシュ戦でみれるはず!

280 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 20:09:42 ID:TjZ53IpM
乙!
>>279
> そして未だにゆびぱっちんでなにも解体してない。ギ、ギーシュ戦でみれるはず!
なにその素晴らしきスキル

281 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 20:12:39 ID:UVTm10gI
素晴らしき乙。じゃあ、松下ですが15分後ぐらいから投下いたします。
何が出るかな?

282 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 20:20:57 ID:gPyFZGEK
ok、カム!


283 :ゼロのガンパレード:2007/09/29(土) 20:21:37 ID:WbSCrzDv
ではその次に予約いたしまするるるるー

284 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 20:21:38 ID:LEit3GS+
エロイムエッサイム
エロイムエッサイム支援

285 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 20:22:34 ID:s7FhDJ/p
  _ _∩
( ゚∀゚)彡 <……!
(  ⊂彡

286 :『使い魔くん千年王国』 第二十五章 地獄の門 1/4:2007/09/29(土) 20:28:36 ID:UVTm10gI
それでは参る。さあバランガバランガ呪文を唱えよう。



大気の生霊を呼び出すため、外界に出る松下。太陽が地平線の上に出るまでに、呪文を唱えなくては。
しかし、眼下遠くの闇には、燃え盛る炎が見えた。タルブの村の方角だ。轟音も聞こえる。
「あっ! あれは、フネ(飛行船)ではないか……空襲か!」
さしもの松下も仰天し、寺院に戻って二人に急を知らせる。

「何てこと! あれは、アルビオンの艦隊ではないですか」
「奴らめ、不可侵条約などとはおこがましい。覚悟はしていたが、全くの奇襲ですぞ」
まあ、不可侵条約など破られるために存在する。日本とソ連のように。
「ど、どうしましょうメシア! 村が……!」

「ミスタ・コルベール、シエスタ。火竜たちに乗って、急いで村人をここまで誘導しましょう。
 それから『悪魔』を呼び出します」
山の麓には、すでに村人の姿も見られた。火竜に追われている者もいる。
「はい、ミスタ・マツシタ! 一刻を争いますな!!」

艦隊からは、凶暴なオーク鬼やトロール鬼も降下し、人間を貪り喰らう。
松下とコルベールは魔法でそれらを撃退しつつ、村人たちを山の上へと導く。
シエスタも村人たちを宥め、いくらか死傷者は出たものの、数十人が寺院へと避難できた。
村はなお、燃えている。


287 :夜天の使い魔 ◆Rein4tm63s :2007/09/29(土) 20:29:48 ID:gNT32tSS
我が支援は、連投規制への防御にして、投下予約への世界を兼ねた!!

という訳で最後尾に並んでみる

288 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 20:30:46 ID:isGNhLh8
支援

289 :『使い魔くん千年王国』 第二十五章 地獄の門 2/4:2007/09/29(土) 20:31:33 ID:UVTm10gI
「エロイムエッサイム、エロイムエッサイム、我は求め訴えたり!
 朽ち果てし大気の生霊よ、眠りから覚めよ!
 気体より踏み出でて、万人の父の名の下に行う、我が要求に答えよ!!」

火竜の山の崖上。松下は全身に汗をかきながら、一心不乱に呪文を唱える。
地水火風の激しい変動が起こり、黒雲は渦を巻いて雷雨が降り出す。落雷が火竜を撃墜する。
もうすぐ夜明けだ、早く召喚を完成させなければ。
やがて黒雲の中から白く巨大な『生霊』が現れ、ザワザワと音を立てて近づく。

「天地万物を混乱に陥れている地獄の悪鬼よ!!
 陰気なる棲家を去りて、三途の川の此方へ来たれっ!!」

地下の魔法陣の中の大地が鳴動し、生臭い空気がたちこめる!
コルベールとシエスタの眼前で、円形の魔法陣の中の大地は、ドロドロの溶岩のように廻り出した!
松下に誘導された『生霊』は、バーーーンという物凄い音とともに魔法陣の中へ飛び込む!!
ずるり、とその中から、人間の形をしたものがせり上がる。
いや、さらにその下にも……。

「おおっ」
召喚されたのは、いくつもの彫像が刻まれた、巨大な青銅の『門』であった。
その上には松下しか読めない文字で、こう書いてあった。

『Per me si va ne la citta dolente, per me si va ne l'etterno dolore,
 per me si va tra la perduta gente. Giustizia mosse il mio alto fattore; fecemi la divina podestate,
 la somma sapienza e 'l primo amore.
 Dinanzi a me non fuor cose create se non etterne, e io etterno duro.
 Lasciate ogne speranza, voi ch'intrate' 』

すなわち、

『我を過ぐれば憂ひの都あり、我を過ぐれば永遠の苦患あり、
 我を過ぐれば滅亡の民あり。義は尊きわが造り主を動かし、
 聖なる威力、比類なき智慧、第一の愛我を造れり。
 永遠の物のほか、物として我よりさきに造られしはなし、しかしてわれ永遠に立つ、
 汝等こゝに入るもの一切の望みを棄てよ』

……と。


290 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 20:31:49 ID:gPyFZGEK
今日は個人的に豊作で嬉しいぞ!!
支援

291 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 20:34:21 ID:98I1ygt8
うげ〜っ!地獄門!!

……本物じゃなくてロダンの彫刻だったら笑う支援

292 :『使い魔くん千年王国』 第二十五章 地獄の門 3/4:2007/09/29(土) 20:35:14 ID:UVTm10gI
翌朝。トリステイン魔法学院にも、早くも急報は伝わっていた。
「たたた、大変だ! 戦争だ! 諸君! アルビオン軍が攻めてきた!」
「「ええっ!?」」
生徒や教師の間に、動揺が広がる。

「ラ・ロシェールとタルブの村を奇襲で占領して、戦艦が次々と降下しているらしい」
「やっぱり! 『レコン・キスタ』は最初からトリステインを攻める気だったんだ!」
「でもゲルマニアからの援軍は間に合いそうにない……けど、どうなるんです?」
「うむ、それで、アンリエッタ姫殿下が、おん自ら軍を率いて出陣するとかしないとか」
「姫様が!?」
「マザリーニ枢機卿はお止めしたらしいけど……」

タルブと聞いて、ルイズは飛び出す。
「タバサ! シルフィードを出して! タルブの村へ行くわ!」
「了解」
「あらルイズにタバサ、私も行くわ。確かマツシタくんも行っているんでしょ?」
いつもの面々が集まり、空へ。しばらくすると、ルイズのポケットから声が聞こえてきた。
松下から預かっていた、遠隔通話用のマジックカードだ。

『ぼくだ、ルイズ! 松下だ! タルブにアルビオン艦隊が攻めて来た!!』
「ええ、知っているわ! 今、タバサの風竜でそっちに向かっているの! 無事でしょうね!?」
『今は山奥の寺院にいる! 村人のいくらかはここに避難させた。
 これからぼくは「悪魔」を召喚し、艦隊にぶつける!! なるべく離れていろ!!』

簡潔に用件を伝え、通話を終える。松下は全身の力を使い果たし、ぐったりしている。
「め、メシア、この『門』は何なのでしょう。ひょっとして……」
「『La Porte de l'Enfer』……これは『地獄の門』だよ、シエスタ。これを開けられるのは『罪と死』か、『神とメシア』かだ。
 今からこれを開け、悪魔の力でアルビオン艦隊を滅ぼしてやろう。肩を貸してくれ」


293 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 20:36:17 ID:gPyFZGEK
えっさほいさ、えっさほいさ、と
支援

294 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 20:36:22 ID:isGNhLh8
門きたwwwwwwwwwwwwwwwwww
支援

295 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 20:37:17 ID:s7FhDJ/p
支援。

296 :『使い魔くん千年王国』 第二十五章 地獄の門 4/4:2007/09/29(土) 20:37:49 ID:UVTm10gI
「今の、マツシタくんから?」
キュルケが問い、ルイズは肯く。シルフィードに乗り、最大速度でタルブへ向かう。
早くも煙と炎、そして巨大な艦隊が平原に集まっているのが見えてきた。
黒雲から雷雨が降りしきっているが、炎が弱まる様子はない。

「この調子じゃ、私たちにはできることもなさそうね。それとも艦隊に突っ込んでみる?」
「あるわよ、できること! 村人だって生き残りがいるでしょうし、多少の損害を与えて足止めとか……」
「焼け石に水ね。とりあえずマツシタくんと合流しましょう」
「同意見」
冷静なキュルケとタバサに、トリステイン人のルイズはつい激昂する。
山の方に、寺院らしき建物が微かに見える。あそこにマツシタたちがいるのだろう。
「さ、行くわよ。『ゼロ』のルイズに、何ができるっていうの」

「ッッッ! ツェルプストー!! 馬鹿にしないで! 私は、私は、『ゼロ』なんかじゃ……!!」
その時、ルイズの脳に直接声が響く。指にはめた『水のルビー』が輝き、『始祖の祈祷書』と共鳴し始める。
白紙のページに、文字が浮かび上がる。


《否、お前は『ゼロ』だ。偉大なる『ゼロ』なのだ》
《おお、『虚無』よ。大いなる『虚空の蔵』よ》
《万物の最小の微塵は汝のものなり》
《開け、その力で『虚無の門』を開くのだ》

―――『ゼロ』という二つ名もそう悪いものでもない。
    『東方』でゼロは『0』と書くのだが、これはプラスにもマイナスにもなる
    無限の可能性を持った円環であり、未分化の力である『ウロボロスの蛇』を象徴する。
    また無尽蔵の扉である時空間の子宮でもあり、仏教における……
    ……だから現代量子力学における『ゼロ』というのは、無限大と無限小の……
    エネルギーがどこから湧き出すかと言えば、つまりさっき説明した次元間の断裂が…―――


地上で詠唱される松下の呪文にあわせ、トランス状態になったルイズは『虚無の門』を開く呪文を唱え始めた。
「エロイムエッサイム、我は求め訴えたり……」

(つづく)


297 :『使い魔くん千年王国』:2007/09/29(土) 20:40:26 ID:UVTm10gI
投下終了。ヤバそうなモン(門)が来ました。
イメージ的にはロダンの青銅彫刻だけど、もっと禍々しい感じ。
次回、アルビオン艦隊に審判が下る……?

ではお次、どうぞー。

298 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 20:41:34 ID:4jSrwv9P
GJ!
妖怪大戦争に巻き込まれる一般兵と住民が気の毒なw

299 :ゼロのガンパレード:2007/09/29(土) 20:46:25 ID:WbSCrzDv
乙です。
では、50分くらいから投下いたしますですー

300 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 20:48:04 ID:4jSrwv9P
こちらも期待しつつ支援です

301 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 20:50:23 ID:isGNhLh8
GJ
しかし門は戦艦やメイジはともかく普通の兵士が哀れ過ぎる


302 :ゼロのガンパレード:2007/09/29(土) 20:51:27 ID:WbSCrzDv

楯代わりのテーブルを飛び越えて出てきた少女を見た時、傭兵は思わず舌打ちをした。
その少女の顔には見覚えがあった。
昨日、自分たちの常宿としている『金の酒樽』亭にやってきて、
賭博でこちらの有り金を全て巻き上げていった相手である。
確かに恨みはあるが、それとこれとは別だ。
剣を持ち、首輪なんぞをしていたから貴族の従者なんだろうと思ってはいたが、
どうもそれは違うらしい。
昨日も一緒にいた貴族はまだテーブルの向こうにいるようだ。
少女を囮にしようと言うのか、それとも少女一人で傭兵を迎え撃てと理不尽な命を下したか。
おそらく後者だろう。
あんな小柄な娘に、あんな大剣を持たせている時点でおかしいと気づくべきなのだ。
だがどちらにせよ、と男は口内に沸いた酸っぱい唾液を飲み下した。
あの赤毛の貴族はあの娘が死のうが生きようが構わんらしい。
つまりは従者ですらない、奴隷以下の存在というわけか。
痛々しげに一瞬だけ目を伏せ、そして目を開ける。

――――まさに瞬間。
    しかしタバサが接敵するには、その一瞬で充分だった。

自身の身の丈ほどもある大剣デルフリンガーを振るい、傭兵を弾き飛ばし、思う存分に蹂躙する。
彼らは知らなかったのだ。
傭兵たちが、いやアンリエッタ王女さえもが従属の証だと思って疑わなかったタバサの首輪。
それは従属ではなく友愛の証。
所有者の能力を増幅する猫神族の神器の一つだと言うことを。

「距離を! 距離をとれ!」

誰かが叫ぶ。
悪いことに傭兵たちの多くが弓を構えていた。
弓はその場で捨てるにしても、剣を抜く前に切られてはおしまいである。
慌てて武装を変更しようとしてももう遅い。
タバサはその動きに片手を突き出すことで答えとした。

「ラグーズ・ウォータル・イス・イーサ・ウィンデ」

断片的に少女の身体を支配した“地下水”の放った魔法が生み出した氷の矢が傭兵たちに飛ぶ。
タバサ自身も得意とする“ウィンディ・アイシクル”の呪文である。

「馬鹿な、杖も使わず!?」

驚愕の声が傭兵たちから洩れる。
貴族は杖を持ち魔法を使う。故に杖を持っていなければ魔法は使えない。
それが彼らの常識であり、世界の法則であった。
だが眼前の少女は、それらをいとも容易く打ち砕いたのだ。

303 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 20:52:21 ID:gNT32tSS
しえーん

304 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 20:52:51 ID:5XVUrsAF
支援

305 :ゼロのガンパレード:2007/09/29(土) 20:53:32 ID:WbSCrzDv

「なんと……!」

目を見張ったのはワルドである。
それ以外にも、テーブルの陰からタバサの戦いを見た客や店員たちが興奮に頬を染めていた。
自分よりも大きな剣を携え、それ自体の重さと慣性を利用して縦横無尽に振り回す小さな少女。
それはタバサが戦神より伝えられた戦闘法。
身の丈よりも巨大な武器を振るい、あしきゆめと戦い続ける小神族や猫神族の戦術だった。
誰かが陶然として洩らした吐息が室内に溶ける。
剣を持ち、魔法を振るい、ならず者たちを倒していく小さな姿。
一歩歩を進めれば一人が倒れ、剣を振るえば二人が倒れ、魔法を放てば数人が纏めて吹き飛ぶ。
踊るがごとくに敵を倒していくその姿のなんと麗しいことよ。
御伽噺か英雄譚の中にしか存在しない筈の戦姫がそこにいた。

「いくわよ、タバサ!」
「承知。任せた」
「おっしゃぁ!」

弓矢が途絶えるのを待っていたキュルケが呪文を解き放った。
狙いはタバサと敵集団の中心である。
一瞬で消える爆発ではなく、時間が経たねば消えぬ炎の海を作り出す。
傭兵たちがその熱に悲鳴を挙げるが、
デルフリンガーに守られたタバサには火傷一つ負わせることは出来ない。

「――――あ」

傭兵たちの誰かが喉の奥で悲鳴を挙げた。
これはなんだ。
こいつはなんなんだ。
自分たちは何と戦っている?
青い髪。白い肌。血を塗られたかのように朱い唇。
身の丈よりも巨大な剣を振るい、杖も使わず魔法を使う。
そして味方の魔法に巻き込まれた筈なのにその身体には傷一つなく、
未だ燃え続ける炎の海の中にあって無表情にこちらを睥睨するその視線。
炎が表情のない少女の顔に呪いの仮面のような紋様を映しだす。
誰か唾を飲み込む音が大きく聞こえた。
得体の知れぬ寒気が傭兵たちの背筋を這い登る。
御伽噺か法螺話の中にしか存在しない筈の魔物が、そこでこっちを見てやがる――――!

「さぁ、行こうか」

ギーシュに頷き、主人を乗せた大猫が机の陰から進み出る。
その背に跨り、ルイズは胸を張って閲兵に望む将軍のように前方を見据えた。
背後を守るかのようにあとに続くのはワルドとキュルケ。
殿軍を勤めるギーシュが造花を振って作り出した青銅のワルキューレがその横を守る。
本来ならば切りかかり、矢を放つ筈の傭兵たちの誰もが気を呑まれ、我知らず後ずさった。
遠い昔に捨てた筈の恐怖という名の感情が、彼らの手足を縛っていた。


306 :ゼロのガンパレード:2007/09/29(土) 20:55:43 ID:WbSCrzDv
「――――く」

苦鳴が洩れた。
魔物のような剣士一人でも苦戦していると言うのに、あの炎の使い手に土のメイジ。
髯を生やした男も杖を持っているからにはメイジに違いあるまい。
最後の一人、猫に跨った少女もおそらくメイジだろう。
それも中心にいるからにはよほどの実力者と見て間違いない。
腹の中で、この依頼を持ってきた白仮面の男を口汚く罵る。
なにが簡単な仕事だ、ふざけやがって。

「あの髪の色……まさか、まさか……」

一人の傭兵が、ありえないものを見たかのように目を見開いた。
髪にも白いものが混じり始め、そろそろ引退を考え出す年齢の男である。
傭兵仲間からは親爺さんと呼ばれて親しまれている人物だった。

「どうした?」

周囲の訝しげな視線も気にはならない。
遠い遠い戦場の中での思い出が、彼の記憶の時計をさかしまに回し、
遥か昔に一度だけ見たあの英雄の姿を脳裏に克明に甦らせていた。
彼が若い頃に傭兵として参加した反乱鎮圧。
寄せ集められた一個連隊と共に向かったカルダン橋で見たその姿。
ただ一人で反乱を鎮圧した大英雄。
跨るのはマンティコアではなく大猫であり、顔半分を覆う鉄仮面もしてはいなかったが、
老いたる傭兵は、眼前の少女に確かにその人の面影を見て取った。

「……“烈風”カリン殿……!?」



/*/



その日、ラ・ロシェールに住む人々は実に不思議な光景を目にした。
その光景はそれからしばらくはただ不思議なだけであり、
住民の茶飲み話に時折顔を覗かせる程度でしかなかった。
しかし、ある時を境にそれは一変する。
それは男たちが酒を片手に話す際の話題となり、
あるいは親が子供に語る物語となった。
彼らは自分がそのときに居合わせたことを、
そしてそれを目にすることが出来たことを始祖ブリミルに感謝した。
男たちは杯を手にする度にそれを思い出し、
女たちは子供にせがまれる度にそれを語った。
ラ・ロシェール中から集った傭兵たちを尻目に、
『女神の杵』亭から『桟橋』までを一直線に駆け抜けた、
猫に跨った少女とその仲間たちの物語を。
今もラ・ロシェールで続く火蜥蜴や竜、土竜やグリフォンを模した山車で街中を駆け回る大祭の、
これがその起源である。





307 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 20:56:10 ID:gNT32tSS
し☆え☆ん

308 :ゼロのガンパレード:2007/09/29(土) 20:57:28 ID:WbSCrzDv
/*/



『女神の杵』亭の屋上に立ち、男は『桟橋』を離れて上昇する船を見送っていた。
その顔には抑えきれぬ怒りの色がある。
ルイズたちを逃したのが悔しいわけではない。
そもそもここで捕らえるつもりは毛頭ない。
傭兵たちを差し向けたのも、邪魔になるかも知れぬ三人を引き離す為だった。
その企てが失敗したのが悔しいわけではない。
むしろよくぞと賞賛してもいいくらいである。
剣士の力を見せ、魔法を打ち込み、傭兵たちの戦闘意欲を奪う。
店から脱出すれば使い魔に分乗し、一直線に『桟橋』を目指した。
傭兵たちを相手にせず、白仮面の男を無視し、
自分が最後の敵だと腰を振る白衣の道化師を黙殺して駆け抜けた。
なにが一番大事なのか、なにが自分たちにとって勝利なのかを知り、
それに向けて全力で行動した結果である。
傭兵たちは怪我こそすれ死んだ者は一人もおらず、
その瞳には今やあの一団に敬意を払う色すら見える。
それはいい。むしろ歓迎すべき事態だ。
ルイズとその仲間たちは貴族に相応しい力を持っているのだと言う事を、
そしてトリステインの貴族とはどのような存在なのかを、
言葉ではなく行動で示してくれたのだから。

「知っていたか、あの娘の力」
「いや、姫殿下は何も言ってはいなかった」

答えたのは、『フライ』の呪文で屋上に上がってきた白仮面の人物である。
横に立ち、苦々しげに遠ざかる船を見つめた。

「マザリーニ枢機卿もだ。それどころか、あの娘をなるべく守れと言ってきた。
 没落したとはいえガリアの王族に傷をつけてはならんと」
「してみると、鳥の骨殿も知らなかったか。だが……」

沈黙が降りる。
彼らは今まで、今回の件はアンリエッタ王女のただの我が侭なのだと思っていた。
考え無しの王女が、幼馴染に重大事を任せただけなのだと。
だが、偶然それを任せられた筈の少女とその仲間たちの実力を見るにつけ、
本当にそうなのかという疑念を抑えることが難しくなってきていた。
あるいはアンリエッタ王女は、全てを承知でルイズにこの任務を任せたのではないかと。

「どう思う。姫殿下は知っていたと思うか」
「解らん。解らんが、もし知っていて、それであの少女たちに任せたというのなら」

男は大きく息を吸って、そして吐いた。

「俺は、姫殿下を許せんだろうよ」

309 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 20:58:43 ID:4jSrwv9P
伝説というか民話になってしまいましたね支援

310 :ゼロのガンパレード:2007/09/29(土) 20:59:09 ID:WbSCrzDv
男は下級の貴族の家の出身である。
魔法が使える故に貴族を名乗ることを許されてはいるが、
実質は地方の郷士に過ぎない家柄であった。
しかしそれでも、いやそれ故にこそこの国を愛していた。
権力を持たず、国政に関わることもできぬ故に、
なんらの欲得なしでこの国を愛することが出来た。
アンリエッタ王女についても同様で、
若くして重責を担う少女にごく素朴な敬意を払っていた。
なるほど今は確かに枢機卿の傀儡かも知れぬ。
だが成長し、経験を積めば必ずこの国を良き方角に導いてくれると信じていた。
そう、信じていたのだ。

「確かに、な」
「ああ。もしも本当に魔法学院が彼女たちのような人材を育てているのなら。
 そして姫殿下のみがそれを知っていたというなら」

沈黙が降りた。数週間前に湧き上がり、身を焦がした怒りが胸中に蘇る。
王女とゲルマニア皇帝との婚姻の儀。
それはすなわちトリステインをゲルマニアの属国にすることに他ならない。
怒りが男の、男の仲間たちの胸を焼いた。
畏れ多くも始祖ブリミルの御子が建国したトリステインが、
成り上がり者の集団であるゲルマニアの下風に立つなど、
真に国を愛するものとして到底許容できるものではなかった。
アンリエッタの子がトリステインを継ぐと説明されても、
その怒りは収まらなかった。
漁色家としても有名なゲルマニア皇帝には未だ正妃がいない。
故にアンリエッタは正妃としてゲルマニアに嫁ぎ、その長子は皇位継承権第一位となる。
その場合、トリステインを継ぐのは第二子である。
だが、もしも子が一人しかいない時にアンリエッタが謀殺されたならば?
王家直系である以上、トリステインはゲルマニアの次期皇帝を王と仰ぐことになる。
そのような事態は断じて許されるものではなかった。
そして男とその仲間たちは決意する。
ゲルマニアの属国化を防ぎ、自分たちの手でこの国を正そうと。
だがこれはどうしたことだ。
トリステインにあの知略を駆使する参謀がいるのならば、数に頼らずとも戦い抜けるだろう。
ガリアの姫戦士がいるのならば、その武勇で兵を鼓舞することもできるだろう。
そしてそれを率いるのがあの英雄の娘となれば、
ゲルマニアに頼らずともトリステインは戦うことができた筈なのに。
アンリエッタ王女がそれを知っていたならば、なぜマザリーニ枢機卿にそれを言わなかったのか。
なぜ戦おうとせず、婚姻の儀を進めようとしているのか。
怒りが男の口から問いとなって流れでる。。
今回の件を聞いてからというもの、何度も問いかけ、口に出さずにはいられなかった疑問であった。

「なぜだ。なぜ、この国をゲルマニアに売ろうなどと考えた!?」

繰り返すが、男は下級貴族の生まれであり、その仲間たちもまた同じであった。
そのような家柄の者が国を変えようと思えば、謀略を持ってする他はない。
署名を集めて訴えかけはしたが、一考するとだけ言われて黙殺された。
故にこそ、男たちはレコン・キスタと密約を交わした。
アルビオン王家を滅ぼしてもトリステインには攻めては来ぬと。
真の貴族を持って任じるレコン・キスタの大部分にとってはゲルマニアの貴族はただの成り上がりであり、
同盟すら結ぶに値しない。そこに始祖ブリミルの血統が混じるなど考えるだけでもおぞましい。
ここに、彼らの利害は一致した。一致したと信じた。

311 :ゼロのガンパレード:2007/09/29(土) 21:01:44 ID:WbSCrzDv
「ぼくはそろそろ戻るとしよう。
 なに、するべきことに変わりはない。
 いや、より重要度が増したというべきか」
「ああ、そうだな。
 あの少女が全ての鍵だ。
 ガリアの剣士も、ゲルマニアの魔女も。
 グラモン元帥の息子までが彼女を中心に動いている。
 彼女を手に入れれば、この戦は勝てるな」

空気に溶けるように消えていく白仮面を見送り、
彼が使命を果たした時のことを夢想する。
その時こそ、この国は変わる。変わる筈だ。
おそらく自分たちの名は一人を除いて歴史には残らない。
あるいは数年が過ぎて後に謀略家としての汚名が着せられるかも知れぬ。
ただの捨て駒として見捨てられることになるかも知れぬ。
死した後でも安息は得られず、永久に地獄の炎で焼かれることだろう。
だがそれでもと男は思った。
この国を正しき姿に戻すことが出来たのならば、自分は笑って地獄に行けるだろう。
目蓋を閉じれば来るべき未来がそこに見える。
レコン・キスタを仮想敵として一丸となるトリステイン王国。
その中心にいるのは恋人を戦争で失った悲運の王女アンリエッタ。
その先頭に立つのは、戦雲渦巻くアルビオンから帰還したワルドとルイズ。
虜囚の辱めを受けながらも決死の脱出行を成功させた若き英雄たち。
しかもそれがあの“烈風”カリンの娘と娘婿だとなれば尚更だ。
未だ年若い二人の姿に国民は熱狂し、ヴァリエールの名は大貴族たちをも黙らせるだろう。
そしてこの国は、かつての誇りと栄光を取り戻すことが出来るのだ。
古き良き時代。他の国に頼らずとも済んだ時代。
王が力を持ち、貴族がそれに従い、平民がそれを助けた時代。
今や時の流れの果てに消えうせた黄金の時代を、トリステインは再び取り戻すことが出来るのだ。
目を開き、未だ闇に包まれた東の方角をみやる。
覚めぬ夢がないように、明けぬ夜もまたありえない。
アルビオンの弔いの鐘は、同時にトリステインの目覚めの鐘となるだろう。
男は踵を返して歩き出した。
この愛する祖国に、自分たちの信じる正しき夜明けをもたらすその為に。


312 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 21:03:18 ID:SCZBPqsl
 読むのがおいつかんが支援

313 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 21:03:22 ID:YZFvM1Xr
国士ってやつかな支援

314 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 21:05:31 ID:4jSrwv9P
愛国者ですが、ルイズ達はその上を行くんでしょうね、支援

315 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 21:05:47 ID:yZuendiK
THE☆とびっきりの勘違い 支援

316 :ゼロのガンパレード:2007/09/29(土) 21:05:52 ID:WbSCrzDv
今回は以上です。


以下、余韻をぶち壊すかもしれない今回の没ネタ。






おまけ:その頃の某王女さま

「いいこと、カステルモール! これは極秘任務なのよ。
 だから、お前がわたしを姫と呼ぶことは禁止します。
 わたしはお前をバッソと呼ぶわ。いいわね!」
「しかし、姫殿下」
「禁止だったら!」
「解りました、イザベラ様。これでよろしいでしょうか?(ああ、あんなに顔を赤くして怒っていらっしゃる)」
「………………」
「………………」
「……け、敬語も、禁止よ。普通の言葉で話しなさい。あとわたしの事はよ、呼び捨てで」
「しかし」
「(無言で上目遣いで睨みつける)」
「――――解ったよ、イザベラ。これでいいかい?」
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!」

イザベラは赤面した!
イザベラは奇妙な踊りを踊った!
カステルモールは逃げ出した!
しかし回り込まれた!




あじゅじゅしたー






317 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 21:06:45 ID:hbxrWdRO
GJ!
ツンデレあじゅじゅしたー!


318 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 21:07:13 ID:5XVUrsAF
再びなんという朴念仁www

GJでしたー!

319 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 21:07:54 ID:LEit3GS+
ツンデレGJ!

320 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 21:08:12 ID:4jSrwv9P
これは良いカップルですね、GJでした!

321 :夜天の使い魔 ◆Rein4tm63s :2007/09/29(土) 21:08:19 ID:gNT32tSS
乙じゅしたー。
では自分は15分から投下しま。

322 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 21:09:46 ID:SCZBPqsl
奇妙な踊り自重www

323 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 21:10:56 ID:8MA4uH0B
支援の準備開始

324 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 21:12:41 ID:/HPYQCvk
初めて夜天の人の投稿に見合わせたなあ
支援準備〜

325 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 21:14:08 ID:98I1ygt8
>>324
居合わせたっしょ。

wktk全裸待機

326 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 21:14:17 ID:GkLWD0Iv
GJ&しえんー
しかし岩田、ナニやってんだw

327 :夜天の使い魔 1/7 ◆Rein4tm63s :2007/09/29(土) 21:15:13 ID:gNT32tSS
 オリヴァー・クロムウェルという男の名が広く知られるようになったのは、そう遠い昔の事ではない。一回の司教でしかなかったこの男の存在ははゆっくりと、しかし確実に、アルビオンの一部の貴族の中に浸透していった。
 最初彼は「奇跡を起こす者」として知られていた。どんな重病人も怪我人も、彼の使う魔法にかかればたちどころに治ってしまう。それどころか、死者を蘇らせたという話まである。

「私は天啓を得たり」
 男はそう語った。
「始祖は、私に秘められし力『虚無』を与え給う。この力を用いてエルフ達より聖地を取り戻さんと欲す」
 数々の奇跡の前を見せられた貴族達は、皆彼の言葉を信じた。やがてその集団は大きくなり、アルビオン貴族の多くを取り込むに至った。

 ある時、その者達の中からこのような声が上がった。
 ――虚無とは王家に連なる血より生まれいずるという伝承がある。ならば今のアルビオン王家は一体何なのだ?
 それは王家に伝えられる伝承の一つであった。しかし長い歴史の中次第に外に漏れ出し、一部の貴族達の間にもそれは伝えられていた。
「私の中に、王家の血が流れている、という事なのだろう」
 クロムウェルは柔らかな笑顔と共に答えた。
「今の王家は、虚無を受け継ぐに足るものではなかった。始祖はそう判断されたのかもしれません」
 ならば、とその者達は叫ぶ。今の王家は、このアルビオンの主たるに相応しくないのではないか? このアルビオンを納めるのは、偉大な虚無を持ったこの方こそ相応しいのではないか?と。
 男もまたその声に答えた。
 聖地を回復し、この手に取り戻す為。まずその第一歩として、この国から取り戻すべし。
 こうしてアルビオン貴族派――レコン・キスタ――は産声を上げた。
彼等の強みは鉄の結束だ。それは、クロムウェルという男の見せた奇跡によって作られた繋がり。それを体感した者達は互いに共感し、強い連帯感を持っていたのだ。これが、レコン・キスタ軍の強さの一つであった。
 彼らは一斉に蜂起し、所詮より破竹の勢いで勝ち続け、そして遂にアルビオン王家を倒すに至った。彼等は遂に、聖地回復への第一歩を踏み出したのだ。
 
 ワルドは今、そんな偉大な力を持った男の前に立っている。
一見すると聖職者にしか見えない――彼は、どのような地位になろうとも、司祭服を脱ぐ事を拒んだのだ――その男こそ、今や神聖アルビオン帝国初代皇帝となったクロムウェルである。
年の頃は三十半ばであろうか、やや神経質そうな細面ではあるが聖職者の出らしく目元は優しそうな雰囲気があり、人を包み込むような眼差しを持っていた。
「この度は本当にご苦労であった、子爵! 流石トリステインに名高き『閃光』、余の望みを全て叶えてしまうとは。君こそ英雄と呼ぶに相応しい男だ!」
「勿体無いお言葉で御座います、陛下」
 ワルドが頭を垂れる。彼もまた、他の貴族同様にこのクロムウェルという人物に心酔していた。虚無の力を目にしたその日から、彼の心はこの男に捧げられていた。この力ならば、我が宿願も叶う。きっと、聖地へ――。
 礼を取るワルドに対し、満足ながらも何処か困ったような顔をこの皇帝は見せた。
「しかしだな、このような大きな働きに見合う褒章を、余は与える事が出来ぬ。
出来るならばその無くしてしまった腕を与えてやりたいのだが……虚無の力を持ってしても、失った腕を新たに生やすという事は不可能なのだ。せめて切り捨てられた元の腕があるならばなんとかなったのだが」
「既に十分な地位を与えられております。あとはただ聖地へと赴く事が出来るのならば、これ以上の何も望むつもりはありません」
 先の働きにより、アルビオン空軍竜騎士隊隊長の地位をワルドは与えられていた。これは外様であるトリステイン貴族に与えられるものとしては、望外のものであった。
「本当に謙虚だな君は。だが約束しよう、余は必ず君を聖地に連れてゆく。君の大いなる忠義に報いる為にもな」


328 :夜天の使い魔 2/7 ◆Rein4tm63s :2007/09/29(土) 21:16:20 ID:gNT32tSS
「ですが宜しければ一つだけ、私の質問に答えては頂けないでしょうか」
「何なりと聞くが良い」
「私が手に入れた手紙を用いてトリステインとゲルマニアの同盟締結を阻止する、というのが陛下の策であったはず。それをなさらなかったのは何故なのですか?」
 トリステインとゲルマニアを分断し、まずはトリステインを下す。それが当初の方針だったはず。しかしクロムウェルはそうしなかった。命を賭けてまで手に入れたものが無駄になってしまうというのは、あまり気分の良いものでは無い。
「ああそれはだな、『杖とパン』と言ったところなのだよ」
「杖とパン……でございますか?」
「つまりだ……」
「それは私から説明致しましょう」
 クロムウェルの言葉を引き継いだのは、彼の傍に控える黒いコート姿の女性であった。どの国のものとも思えぬ奇妙ななりをした女の年の頃は二十そこそこと言った所か。
表情も視線も怜悧な印象を与える姿は温和そうなクロムウェルと並ぶと一層冷たいものに見える。しかし彼女こそ、クロムウェルが虚無の使い手であるというもう一つの証。
現代に蘇った伝説の始祖の使い魔、「ミョズニトニルン」、その名をシェフィールドと言った。神の頭脳と称される彼女の力は、虚無の力に劣らず凄まじいものであった。
 絶対的な虚無の力と伝説の使い魔。これこそがクロムウェルが伝説の担い手である事の証明であった。
「まずは一先ず同盟を締結させ、安心を与えるのです。しかし彼等の一部は痛感しているはず、王女の恋文が敵の手にある限り、この同盟は何時崩れてもおかしくないものなのだと。
その不安は真綿で首を絞めるよう、徐々に徐々に心を苦しめて行くでしょう。皆が陽気に浮かれている間もそれは続き、やがて限界を超えた時、彼等の心はずたずたになってしまう。
仮にそれに耐えられたとしても、最も最悪の瞬間にこの毒を投下される手筈になっています。そこで絶望しながらトリステインの命運は尽きる。
何れにせよ、即座に手紙を流し単に破談に持っていくよりも効果的な使い道が出来ると、貴方が任務に赴いている間我が主はお考えになったのです」
「なるほど、そのような深いお考えがあったとは、このワルド感服致しました」
 実に悪辣だ、とワルドは関心した。首脳部に精神的な責め苦を与え、その上で同盟を破棄させ丸裸にし、完膚なきまでにトリステインという国を叩き潰すつもりらしい。
確かにプライドだけに凝り固まったトリステイン首脳部の性根は脆い。マシなのはマザリーニだけだ。これはあの箱入り王女、気が狂うかもしれんな、と思うとワルドは笑いを堪える事が出来なかった。
弱いものは滅べば良い。それがワルドの本音だった。
「君の働きがあったからこそ、こうしてトリステインを自由に追い詰める事が出来るのだ。本当にご苦労であった」
 そういうとクロムウェルは疲れた様子で椅子に倒れこむ。
「済まぬ子爵、最近疲れが溜まっているようなのだ。少し休む事にするよ」
「どうかご自愛を、陛下。貴方様こそが我等の望みそのものなのですから」
「うむ、重々承知している」
 
 優雅に一礼し去ってゆくワルドの足音が聞こえなくなった頃、二人の様子ががらりと変わる。クロムウェルの威厳と慈愛に満ちた表情は一気に崩れ、不安げに目をうろうろさせる気の弱そうなものへと変わってしまった。
余りの雰囲気の変化に、彼を知るものであっても同一人物とは判らないのではないかと思える程だ。
シェフィールドの方は一見何も変わりないように見えたが、忠誠を見せていた目の色が今は激しい侮蔑に彩られていた。彼女のクロムウェルを見る目は、紛れも無く汚物を見るそれであった。
「こ、これで良いのですねミス・シェフィールド。全てあのお方の筋書き通りに」
 クロムウェルの声色は、明らかに怯えを含んでいた。それはシェフィールドに対してでもあったが、彼の称する「あのお方」に対するものが主であるのは疑いようがなかった。
「ええ、これで良いの。お前はせいぜい派手に暴れまわってくれれば良いのよ。あのお方の準備が整うまで、ハルケギニア中の視線を釘付けにしなさい。それがお前の役目。
偽りの虚無の使い手として、ハルケギニアを脅かす侵略勢力として、派手に表舞台で暴れまわるのがね。いわばお前はあのお方の囮なのよ」

329 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 21:16:37 ID:4jSrwv9P
支援!

330 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 21:17:12 ID:8zwz9Kas
支援&予約
一昨日チョロッと言ったジョゼフ主人公モノだけど

331 :夜天の使い魔 3/7 ◆Rein4tm63s :2007/09/29(土) 21:17:29 ID:gNT32tSS
 シェフィールドの言葉には、何処か棘が含まれているようだ、とクロムウェルは何時も感じる。それは自分の存在へと向けられたものではない。この筋書きを書いた誰かに対してであるように思えてならないのだ。
しかしこの筋書きを書いたのは「あのお方」であるはず。だがシェフィールドは「あのお方」へ心酔しているのは長くない付き合いで良く知っていた。ならば、この筋書きを立てたのは他の誰かだと言うのだろうか?
「ミス・シェフィールド」
 クロムウェルは一先ずその疑問には触れない事にした。これに触れる事は彼女の逆鱗を刺激する事だと、心の何処かで感じていたのだ。故に彼が口にしたのはもう一つの疑問。それは常々彼が抱えていた、彼に深く関わる疑問であった。
「貴方は今『偽りの虚無の使い手』と仰いました。ならば私に授けられたこの力は虚無なのですか?」
「ええそうよ、力の一部は紛れも無い『虚無』」
 憎々しげな様子を滲ませ、シェフィールドは答える。
「お前が使う『幻影』と『忘却』の魔法は伝説と謳われた虚無の魔法よ。真の使い手より写し取られた偽りの虚無ではあるけど」
「なんと……」
 6000年間歴史の表舞台に姿を現さなかった伝説をこの手で行使している。クロムウェルの心は畏れで満たされ、僅かに体を振るわせた」
「だからこそ貴方の存在は格好の囮となる。特に本物の虚無と先住の力を操って見せる奇異な存在は、虚無を熟知するロマリアを混乱させるでしょう。貴方が真の虚無の担い手なのか、それとも偽りであるのか、彼等はきっと大いに悩むに違いないわ」
 虚無の次は先住魔法! 次々と信じ難い言葉が続いて行く。今の言葉からするなら、二つの魔法以外の、命に関する魔法は全て先住の魔法であるらしい。
虚無に先住魔法、共に人が扱うには大きすぎる力ではないか、とクロムウェルはさらに畏れを増す。一体自分はどうなってしまったのだろう?
 
 彼は己の体に纏っている装飾具を見た。手や首にじゃらじゃらと付けられたそれは、彼の法衣に合わせたように宗教的な祭具のようなデザインをしていた。
これを与えられた時の記憶は、何故かあまりはっきりとしていない。だが自分に投げかけられた言葉だけは、鮮明に覚えていた。
「自らの幸運に感謝しなさい、貴方はそれを扱うだけの素質が備わっていた」
 深い、深い女の声だった。地の奥底より響き這い出てきたような、おぞましい情念をその声は含んでいた。
「それは貴方に力を与える。伝説と言われた力を。しかし所詮試作品、それは貴方に力を与える代わりに、貴方の身を苦しめ、傷つける。それでもこれが欲しいかしら?」
 その言葉に、クロムウェルは肯いた。朦朧とした意識と、心の底に積もったアルビオン王家への怨嗟が自然と首を縦に振らせたようだった。女はその様子に満足したのか、楽しげに言葉を続ける。
「おめでとう、これで貴方は『伝説』となった」
 辺りに響き渡る女の哄笑。喜びと嘲りとが一体となったそれは、男にはとても不快なものに感じられてならなかった。

 今思えば、何故このような事に同意してしまったのだろう、と己を責めた。自らの扱う力の余りの大きさに、畏れが恐れへと変わって行き、男の心を傷つけて行く。
まるで始祖の権威を侵してしまったように思えて、それが聖職者の彼にとっては大きな罪に感じられたからだった。
 それに――最近、体の調子が酷く悪い。慢性的な頭痛に苛まれ、その痛みを皆の目から隠し通すのも一苦労だった。これが、「身を傷つける」という事なのだろうか? それとも、やはり始祖を冒涜した罰というものなのだろうか?
 
「判ったかしら? クロムウェル」
 冷たく投げかけられる言葉で、クロムウェルの意識は引き戻された。
「お前は最高の囮なのよ。だからしっかり働きなさい?」
 冷ややかに投げかけられる言葉を聴きながら、彼は後悔していた。あの時「王になりたい」などと戯れに言わなければ、こんな事にはなっていなかったはずなのに。
だがもう止まれない、神聖アルビオン帝国の皇帝となった彼の身は、既に一人のものでは無いのだ。
 
 オリヴァー・クロムウェルという男の名が広く知られるようになったのは、そう遠い昔の事ではない。しかし、その男の本心を知るものは、この新たな帝国の中に一人も居なかった。


332 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 21:18:27 ID:s7FhDJ/p
支援。

333 :夜天の使い魔 4/7 ◆Rein4tm63s :2007/09/29(土) 21:18:36 ID:gNT32tSS
 キュルケは頬杖を突きながら、退屈そうに授業の風景を眺めていた。
常に気に入った男子を隣に置きながら楽しく授業を受けるのが常である彼女であったが、今日は気分が乗らないのか知らないが男達のアプローチも軽く受け流し、タバサの隣に腰掛けて実に物憂げな表情でぼぅっと教卓の方を見つめ続けていた。
 キュルケの隣ではタバサが黙々と授業の内容を紙に筆記し写し取っている最中だ。走らせるペンの速度は並大抵では無く、その内容には教師が喋った言葉を一文字も書き漏らしては居ない。
さらに黒板に書かれた内容も写し取っているのだから、ペン捌きは神懸っていると行っても過言ではないだろう。
「もう大分溜まってきたんじゃないの、それも」
 視線を外さずに、キュルケが問いかける。
「あれから何日位経ってたっけ?」
「一週間」
「もうそんなに? 早いわね、ほんと」
 はあ、と溜息一つ。それと共に物憂げな表情がさらに憂鬱な色合いを増して行くのがありありと見て取れた。
 
 この筆記作業は最初キュルケ自身がやろうとしていた事だった。しかし元々授業内容など紙に写し取った事の無かった彼女には些か荷の重い作業であった。
なにせそのの性分は気の赴くまま情熱の赴くまま、であるからして授業を聞く態度も自らの感性に任せている奔放なものであった。故にこのような細かい作業はまったくした事なかったのだ。
 作業開始初日、四苦八苦していたキュルケの惨状を見かねてか、タバサがその作業を肩代わりすると申し出た。普段からこまめに筆を取っているタバサなら確かにこの作業も幾分楽であろう、と折角の好意に甘える事にしたキュルケであったのだが――。
(これは凄いわよねえ)
 机の上に積まれた紙の束を見れば、キュルケでなくともそう思うだろう。まさか「授業内容を写し取って欲しいの」と言った言葉をそのままに実行してしまうとは。頼まれた事を確実にこなす義理堅さは周知のものであったが、ここまでやるとなると驚きを隠せない。
 しかしそれは、単なる義理堅さだけに止まる事は無いのだろう。おそらくタバサ自身もそうしたいからしているのだと、なんとなく察していた。
表情を変えないこの友人は、何もかもに無関心な振りをしていて、本当にどうしようもない時には無言で手を差し出す人間なのだと、キュルケは知っていた。
 
 周りを見渡せば、キュルケと同じように長い授業に飽いて来た生徒達が教師に見つからぬように盛んに噂話に興じている。その話題は凡そ一つ、トリステインの華であるアンリエッタ王女の婚姻についてだ。
先日発表されたゲルマニア皇帝・アルブレヒト3世との婚姻は、同時に彼の国とトリステインが同盟を結ぶ事の証でもあった。
名を変えたアルビオン――神聖アルビオン帝国――からの侵攻に怯えていた一部の者達にとっては、この上も無い吉報である。
先日婚姻に先駆け軍事同盟の締結が行われ、これに恐れをなしたようにアルビオンより送られてきた不可侵条約の打診は、二国の同盟の効果の表れだろう、とトリステイン王室の者達は思っていた。
強大な空軍力を持つアルビオンとてゲルマニアとトリステインの二国を相手取って真正面から攻める力は無い。王室内にはいきなり弱腰になったとアルビオン帝国の姿勢を嘲笑うものもあった。
 
 最も大半の生徒達はそんな難しい国際情勢の事など念頭に無く、ただ麗しい王女の婚姻とそれに伴う街の盛況さについてと、その直後にやってくる長く楽しい夏休みについて思いを巡らし胸を高鳴らせていたのだった。
お祭り気分を引き摺ったまま休みに入る格好になるので、トリステイン出身の子女が多いこの魔法学院では皆が浮かれるのも無理は無いと言えた。
 しかしそんな活気も、砂上の楼閣でしかないとキュルケは知っていた。
トリステインの命運を切り崩す猛毒は、既に敵の手に渡っている。それが使われれば、トリステインは瞬く間に孤立し、アルビオンから攻め入られ、抵抗する事も出来ずに滅亡するだろう。そう、先に滅んだアルビオン王国のように。
 卑劣にて狡猾な子爵が奪った手紙がどのようなものなのか、キュルケもタバサもその仔細を既に知る立場にあった。
知ってしまったが故に、この日常が儚く崩れ去る日が来るのではないかと、心の隅に恐れを持って生活しなくてはならなくなってしまった。いっそ知らなければ良かったと思う。
しかしあの手紙が何であったのか、何故ルイズがアルビオンへ赴く事になったのかを知る事は、ニューカッスルでの一夜を経験した彼女達にとっては、権利でもありまた義務でもあった。
今何が起こっているのか、目を逸らす事は許されない立場であったのだ。

334 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 21:18:49 ID:1XDNK0ni
>308
>自分が最後の敵だと腰を振る白衣の道化師を黙殺して駆け抜けた。
何か混じってるー!支援

335 :夜天の使い魔 5/7 ◆Rein4tm63s :2007/09/29(土) 21:19:40 ID:gNT32tSS
 再びキュルケの口から溜息がついて出る。
 何時戦争になるか、という事実が憂鬱さを運んでくるのもあるが、彼女の心配事はそれだけでは無い。
 ぽっかりと、穴のように開いた席がひとつ、教室の中にあった。何時も必死に頑張って授業を聞いている、小さな少女の姿が、そこには無い。
「一週間も、経っていたのね……」
 アルビオンの危険な旅路より帰還して一週間。ルイズ・フランソワーズの姿は、どこにも無かった。
 
 同じ時刻――トリステインの華と誉れ高く称されるアンリエッタ王女の顔もまた同様に憂鬱なものであった。トリステイン王家に伝わる秘法「始祖の祈祷書」を手に、暗い表情で物思いに耽る。
「せめて、親友の手で婚姻を祝って欲しかった。でも……」
 トリステイン王室の伝統では、王族の婚姻の際に貴族から選ばれた巫女を選出する慣わしとなっていた。その巫女が始祖へ祈りを捧げ、式を祝福する役割を担うのだ。
望まぬ婚姻ならば、せめて親友の手で祝福を得たい。ゲルマニアとの同盟の話が持ち上がってから、ずっと心に決めていた事だった。
 しかし今のルイズの姿を見てしまっては、そのような事はとても頼めないと思う。身も心もぼろぼろに傷付いた彼女。
元はと言えば、その原因となったのは自分の軽はずみな行動なのだ。この上、さらに何かを押し付けるなどと、そのような恥知らずな真似は流石に出来ようも無い。
 
 たった一人の友人がアルビオンから帰ってきて、城を訪ねてきたという報せを聞いた彼女は心に覚悟を備えながら出迎えに赴いた。きっと自分の想い人は亡命を受け入れてはくれないだろう。
そういう人なのだと、彼女は知っていたし、それだからこそ愛したのだという事もまた知っていた。
友人からの報せでその事をはっきり突きつけられる、きっとそれはとても辛い事なのだと、覚悟を決めていた。しかしそんな覚悟など何の役にも立たない程――現実は過酷で、残酷だった。
 
 ルイズの姿を見た時、もう既に頭は真っ白だった。友人二人に付き添われて――いや、支えられて、の方がより正しい表現だろう――やってきた彼女の姿は全身包帯まみれで、一目で重症であると判った。
そしてその身を省みずに膝を折り頭をこすりつけて言うのだ、ただ「ごめんなさい」と。涙に濡れながらそう繰り返す友人の姿に、かける言葉など無かった。
労を労う事も、同情する事も、何かを問いただす事も、そんな事は一切頭に浮かばなかった。ただ、自分がした事が如何に軽率であったか、それがどれ程友人の体と心を苛んだか、それを知った。

 ごめんなさい。その言葉がアンリエッタの耳にこびりつき、離れない。ルイズは全ての咎が自分にあったと思い込んでいた。自分の力が至らなかったからウェールズを助ける事も、手紙を取り戻す事も出来なかったのだと、そう思っていたのだ。
王女が幾らそれは違う、咎があるのなら軽挙な自分にあるとそう言っても、彼女はそれを聞き入れなかった。
 そっと水のルビーを取り出し去っていくルイズの後姿はあまりにも悲しかった。なんの罪も無い者が己に咎があると責めたてるのなら、一体どうやってそれを雪げば良いと言うのか。
 
 アンリエッタは拳を強く握り締めた。わたくしの小さな不幸意識が、より多くの悲しみと苦しみを生んだのなら――それこそが真に罪なのだ。決して友人に罪咎は無い。
 わたくしは子供だった、そうアンリエッタは痛感した。籠の鳥と悲劇ぶっていても現実はどうにもならない。きっとこれからのトリステインは激動を迎えるだろう。
せめて、どのような事が起きようと、今度はきちんと目を伏せずに現実を見つめようと、彼女は決心した。それが、必死に自分の願いを叶えようとしてくれた友人に対して、唯一の報いになると、そう思ったから。


336 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 21:20:17 ID:qf5PUo49
ワルドも道化だな支援

337 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 21:21:07 ID:4jSrwv9P
ウェールズの生き様が無駄にならないと信じて支援

338 :夜天の使い魔 6/7 ◆Rein4tm63s :2007/09/29(土) 21:21:55 ID:gNT32tSS
 魔法学園の本塔の天辺、学院長室でもまた一人の老人が頭を悩ませていた。
「本当に困ったもんじゃのう」
 オールド・オスマンの口から溜も息が漏れて止まない。今年はどうも気苦労ば多い気がする。こりゃ厄年か?
「ミス・ヴァリエールが授業に出なくなってから何日かね?」
「もう一週間になります」
 そう答えたのはコルベール。彼の秘書ぶりも大分板についてきた。最初は渋っていたこの仕事だが、「やってくれたら研究費あげる」という甘言には敵わず、忙しい中こうしてオールド・オスマンの補佐に回る日々を過ごしていた。
「まさかここまでショックを受けているとはのお……予想外じゃったわ」
 アルビオンへの旅で何があったのか詳しくは知らない。しかしそれが彼女にとって辛いものであったのは、ぼろぼろになった体と一切部屋から出てこようとしない様子で一目瞭然であった。
色々と心の整理も必要だろうと暫くは放置しておく方針だったオールドオスマンであったが、流石にそれが一週間も続くとなると心配せずにはいられない。
 
「まずは友人達に説得でも頼んでみようかの?」
「既に何人かが部屋を訪ねたそうですが、幾ら呼びかけても返事が無いそうです。本当に部屋に居るのか怪しいほど、まったく物音がしないと」
「むむむ……」
 完全に心を閉ざしている、と言う事か。オールド・オスマンは頭を抱えた。まさか無理矢理押し入る訳にも行くまい。押し入った所でどうする事も出来ないのだ。
彼女自身が自分の心に向き合い、自ら外に出てこない限り、問題の解決にはならないのだ。我々がすべきはその手伝いだ、そうオスマンは考えた。
「しかしだからと言って静観ばかりしている訳にも行きませんよ」
 オールド・オスマンの考えを汲み取ったように、コルベールが言葉を紡ぐ。
「同じクラスの生徒に聞いたのですが、どうやら食事も満足に取ってはいないという話です。これ以上放置しておけば……」
「身体の衰弱を招く、か」
「はい」
 老人は暫し思考を巡らす。滅多に見せない難しい表情を見せながら、如何すべきか必死に模索を続ける。その沈黙が大分続いた後、彼はようやく口を開いた。
「ならとりあえずミス・ヴァリエールを補佐する者でもつけるとしようかの?」
「補佐……ですか」
 コルベールはその言葉の意図を計りかねているようだった。
「うむ。身の回りの世話をし、彼女が立ち直れるまで生活を助ける。そういった者じゃ。言うなれば専属のお手伝いさんじゃな」
「成る程、そういう事ですか」
「学院に奉公に来ている平民の娘の中から、歳の近い者を誰か寄越すよう手配してくれんか、ミスタ・コルベール」
「判りました、今すぐにでも」
 踵を返し、学院長室を出ようとする男の背中に、「なあ、ミスタ・コルベール」と声がかけられる。コルベールは立ち止まりながらも、振り返らずにその言葉の続きを待った。
「魔法を使えず、誰からも馬鹿にされていた少女がやっと魔法と使えるようになった矢先にこれじゃ。世の中は随分と理不尽だと思わんか?」
「人生は、何時も理不尽ばかりです」
 コルベールの言葉には、昔を懐かしむような、そして何かを悔いるような、そんな響きが含まれていた。
「ですがそれを乗り越えようとするからこそ、人は成長して行けると、そう信じていますよ。私が知るミス・ヴァリエールは何時も諦めずに前に進む生徒でした。
どれだけの屈辱を味わおうと、努力を踏み躙られようと、それでも歩みを止めない。今回もきっと、立ち上がってくれると信じていますよ」

 コルベールはそう言い残し、学院長室を去って行く。遠ざかる足音を聞きながら、オールド・オスマンは誰かに言い聞かせるように、言葉を続ける。
「確かにそうかもしれんな。理不尽を超えるからこそ人は成長して行ける。……だがそれはきっと楽でも幸せでも無い生き方なのじゃろうよ。できるならわしは、皆には幸せに生きて欲しいんじゃ」
 老人の嘆くような呟きは、石造りの塔の中、誰にも聞かれる事無く消えていった。

339 :夜天の使い魔 7/7 ◆Rein4tm63s :2007/09/29(土) 21:23:03 ID:gNT32tSS
 トリステイン魔法学院の人間を分類するのなら、大きく三種類に分ける事が出来るだろう。
 まずは教師。一人前のメイジであり、皆を導く役目を担う存在。
 次に生徒。トリステイン中、さらには外国からの帰国の子女達がここには集い、日々一人前のメイジとなるべく勉学に明け暮れている。
 そして最後が平民。給仕や雑用を行う為に、この学院には多くの数の平民が雇われていた。
 そんな平民の中に、変わった風貌の娘が居た。トリステインでは滅多に見られぬ黒い髪、異国を感じさせる愛嬌のある顔立ちにはそばかすが浮かび、独自の魅力を放っていた。専ら食堂で給仕を行うのが仕事のこの娘の名は、シエスタと言った。
 シエスタは今日も何時もと変わらぬように仕事をこなしていく。もうすぐ昼食の時間が迫っていた。横に50人もの人数が腰掛ける長いテーブルに次々にナイフとフォークを並べて行く手際は見事なものだった。

 滞りなく仕事を終え厨房に戻り、次に移ろうとしたシエスタを「おい」と呼び止める声がする。彼女を呼び止めたのは料理長のマルトーだった。つまりこの厨房の主である。シエスタにとっては、直接の上司と言っても言い人物であった。
「残りの仕事は良い。なんでか知らんが、学長先生がお前をお呼びだそうだ」
 そう言うマルトーの顔は不安げな表情を浮かべている。
「なあシエスタ、お前さん何かやらかした訳じゃないよな?」
「いいえ、全然心当たりが……」
 そうは言うものの、平民の立場は弱い。何か知らぬ間に粗相をしでかしていて、それが貴族様達の怒りを買ったのではないかと、シエスタは怯えた。
「ともかく、至急来てくれって事だ。食堂の外に先生が一人向かえに来てる。すぐに行ってくれ」
 食堂の入り口の方を覗き込むと、頭の禿げ上がった中年の教師の姿が見て取れた。確か名前は――コルベール先生、だったっけ? 教師の中でも物腰柔らかく接し易い人物だとシエスタは記憶していた。
「すみません、それじゃあ行ってきますマルトーさん」
「おう、仕事の事は心配するな。一人くらい抜けてもなんとかなるからな」
 シエスタは不安を抱えながら中年教師の下へ向かっていった。始祖へ必死に祈りを捧げながら。
 ――どうか、悪い知らせじゃありませんように、と。

340 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 21:23:09 ID:4jSrwv9P
オスマンとコルベールがそれぞれ大人ですね、支援

341 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 21:23:13 ID:ciHm2VlZ
支援

342 :夜天の使い魔 ◆Rein4tm63s :2007/09/29(土) 21:24:41 ID:gNT32tSS
以上で投下終了。
繋ぎ回は難しい……その内手を入れたいと思う程微妙な出来にorz

ちなみに次回からはTHK(トリステインひきこもり教会)へようこそ!と題名を変えてお送りします。

343 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 21:25:45 ID:wbZG4+s0
引きこもるのか!
これはギーシュがウェールズの像を作ってその上にルイズが(ry

344 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 21:26:09 ID:4jSrwv9P
投下お疲れ様でした。
ルイズがあまりにも不憫ですが、不屈の心で立ち上がると信じてます!
良い友人と師を持ったのが救いだと思います。

そしてアンリエッタ、しっかりしろと。

345 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 21:27:29 ID:fI6THnIL
最近知ったんだが、ブータって赤のオーマなんだなGJ

346 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 21:28:50 ID:F3vYd0Hv
不屈ルイズ支援。

347 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 21:29:31 ID:8zwz9Kas
GJ!
クロムウェルも何気に苦労性ですな
自業自得だけど

次の投下を予約していましたが、ちょっと家を離れるので取り消します
30分ほどしたらまた

348 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 21:29:54 ID:GkLWD0Iv
GJ!
人生はいつだって「こんなはずじゃなかった」ことばかりなんだよルイズ!

349 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 21:30:21 ID:1HdAE4bT
投下乙。偏在倒した時の様子からするとリーンフォースも魔力使い切ってそうだからなぁ。
また動かぬ本になってたりしたらルイズのダメージ倍増だね。

350 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 21:35:56 ID:SCZBPqsl
>>334
はてこの場面こんなキャラいたっけなー、とスルーしてたwww
まさかこれが伏線か!

351 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 21:44:53 ID:ZfSDpBS3
遅れたけどガンパレに夜天の人GJ!

>自分が最後の敵だと腰を振る白衣の道化師
ちょ、岩田が居るwww

352 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 21:46:51 ID:puJBth4p
予想はしていたがルイズ……
不屈の心で立ち上がれ。祝福の風はいつだって見守ってくれてるぞ

353 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 21:49:55 ID:wCNV7OX7
風は空に、星は天に、輝く光はこの腕に、不屈の心はこの胸に!

354 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 21:55:35 ID:55wQZzHe
夜天の人GJ。色々と他の人が動いてますがルイズはどん底か。
だが落ちる所まで落ちた、ならば後は這い上がるだけ。
ルイズ(&リイン)はきっと立ち上がってくれると信じてるぜ。

355 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 21:55:35 ID:u51Lip9Y
つまりシエスタの曾祖父はクライド・ハラオウンで、竜の羽衣はエスティア。

356 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 22:02:12 ID:3PNueZo/
ガンパレの人はイザベラが可愛すぎると思うんだ……
奇妙な踊り自重、朴念仁杉だろ常識的に考えて

357 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 22:04:37 ID:wCNV7OX7
>>355
アルカンシェルがあるのかよ!?

358 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 22:09:22 ID:aDtcE1Mj
投下乙!
ガンパレの人も夜天の人もおもしろかったっすー。

で!!
俺のほうはよォーー、絵ぇ描いてたらよォォーー。
いきなり止まっちまったんだよッ!!
あ゛ーー、がっぺムカつくぜェェーーー!!
もういい!今日はもう寝る!!

359 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 22:11:58 ID:IfcXS/fV
いつになるかわからんが、老師召還ものやるぞ!
いいな?答えろ!

360 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 22:13:50 ID:KFVEPOLd
>>359
よくないです

361 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 22:15:20 ID:0UL8lbsZ
>>359
老師 に一致する日本語のページ 約 1,600,000 件中 1 - 50 件目 (0.29 秒)
関連検索: 武天老師, 無転老師, シーモア老師, 魔法老師, 心山拳老師, クー老師

DBなのか、FFなのか、命A生活なのか、ねぎまなのか

362 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 22:16:52 ID:ZfSDpBS3
>>361
ごひの機体作った人も老師だぜ!

363 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 22:17:46 ID:xXILmuSN
>>361
伊東岳彦も老師だぜ!
【実在人物です】

364 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 22:19:11 ID:8HqnfNrZ
>>355
テロの際、こちらに飛ばされてきた『御神』と『不破』の皆様かも。

365 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 22:20:43 ID:8zwz9Kas
荒海を乗り越えて やってまいりました ジョゼフ短編でございます
心を込めて投下いたす 末代までの恥 君は退j……『ジョゼフと鋼鉄の女神(ミューズ)』

投下、イイかなー?

366 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 22:21:09 ID:hbxrWdRO
>>365
一向に構わんっ!!!

367 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 22:23:13 ID:8MA4uH0B
GO!GO!

368 :ジョゼフと鋼鉄の女神(ミューズ):2007/09/29(土) 22:24:00 ID:8zwz9Kas

ガリア王国、王都リュティス。
ヴェルサルテイル宮殿『グラン・トロワ』。
その一室に、男は独り佇んでいた。
古惚けた日記帳を愛しげに撫ぜ、穏やかな瞳で窓の外を見遣る。
本日のリュティスは晴天、暖かい日差しが降り注いでいた。
男は椅子へと腰掛けると、日記帳を開いてその内容へと目を落とす。
其処にはおぞましいとしか言い様の無い、呪いの言葉が書き連ねられていた。
男は目を細め、口の端に笑みを浮かべて小さく呟く。

「よくもまあ……ここまで恨めたものだ」

苦笑しつつ、再び視線を窓の外へと移す。
窓には何時の間にか黒い影が落ち、眩い日差しを遮っていた。
それを視界に認めると、男―――ガリア王ジョゼフは、ふと溜息を吐く。

「我が事ながら、随分と見苦しいとは思わんか? なあ、余の女神(ミューズ)よ」

影は次第に面積を増し、やがて部屋全体を覆う。
禍々しく巨大なそれは、太陽を覆い隠すかの様にグラン・トロワ上空を横切って行った。



ジョゼフが使い魔を召喚したのは18の頃。
魔法が使えず、常に周囲からの声無き嘲笑に晒されていた彼は、生きる事自体が苦痛で仕方が無かった。
自ら命を断てればどれほど楽だろう。
そう考えた事すら一度や二度ではない。
彼を真に理解し、励ましてくれたのは、弟であるシャルルと婚約者だけ。
しかしそれすらも、その頃となっては彼の惨めさを際立たせるものでしかなかった。

そんな時、彼はサモン・サーヴァントを行った魔法学校の生徒達の姿を見た。
召喚した己の使い魔の姿に浮かれはしゃぐ生徒達。
それは彼の自尊心を傷付ける光景に過ぎなかった。

どうせ自分がサモン・サーヴァントを行っても、爆発が起こるだけだ。
自分には魔法の才能など『ゼロ』。
爆発しか起こせない落ちこぼれなのだ―――

そう考えた彼ではあったが、使い魔への憧れが無い訳ではなかった。
彼とて強大な使い魔を召喚し、周囲を見返してやりたいとの想いは在る。
しかし、それを為すだけの実力が無い。
呪文は、空でも紡げる。
知識だけなら、誰にも負けはしない。
しかし、その内容を実現する才能が無いのだ。

悔しさに唇を噛み締め、空を見上げる。
視界に映る雲は歪に歪み、鼻の奥がツンと痛む。
そして―――

「……我は心より求め、訴える……」

その言葉を紡いだのは、無意識だった。
諦めの色を滲ませた、飯事の様な形だけの呪文。
しかし、呼び掛けるその心だけは、何よりも必死で―――



気付いた時には、天空に巨大な鏡が浮いていた。


369 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 22:24:45 ID:gNT32tSS
支援じゃー!

370 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 22:25:09 ID:jpXpmDpg
支援

371 :ジョゼフと鋼鉄の女神(ミューズ):2007/09/29(土) 22:25:32 ID:8zwz9Kas



……その使い魔は、異様としか形容出来なかった。
青い外殻に覆われ、細長い背鰭と腹鰭を持った、何らかの『魚』。
ただ普通の魚と違うのは、大きさが100メイルほども在り、身体は強固な金属で構築され、極め付けは空を飛んでいるという事であった。

召喚の直後、王都はパニックに陥った。
無理も無い。
突然、自分達の頭上に得体の知れぬ怪物が現れたのだから。
ただ、その怪物は大きさに反して大人しく、静かに王都の郊外へと着地した。
その様子を唖然として眺めていたジョゼフもまた、止める衛兵たちを振り切って郊外へと馬を走らせる。

あれは、宙に浮かんだ巨大な鏡から出てきた。
ならばあれは、使い魔として召喚されたものと考える事が出来る。
誰の?

ジョゼフは、己の心臓が早鐘の様に鼓動を刻むのを感じていた。
それは恐怖であり、興奮であり、不安であり、歓喜だった。

決まってる。
俺のだ。
俺の使い魔だ。
俺だけの使い魔だ!

口が緩むのを押さえ切れず、ジョゼフは馬を潰さんばかりの速さで郊外へと駆ける。
やがて、王都を眩い光が包み込み―――



結論から言えば、その使い魔はジョゼフに新たな蔑称を授けただけだった。
契約後もルーンが刻まれる事は無く、冷たい装甲が浮かぶだけ。
巨大で宙に浮かぶ事以外、何の取柄も無い木偶の坊。
視覚の共有が出来る訳でもなし、命令に従うでもなし、戦う訳でもなし。
見た目ばかりが立派な、無能な皇太子に相応しい無能な使い魔。
周囲の貴族達は、そう言って陰からジョゼフを嘲った。

ジョゼフもまた、己の使い魔を毛嫌いし、視界に入れる事すら拒んだ。
空を見上げれば、嫌でもその巨体が目に入る。
自然と顔は下を向き、常に視線を落として歩く姿は、人々の冷笑を招いた。
そんな彼を必死に励ますシャルルすら拒絶し、甲斐甲斐しく世話を焼こうとする婚約者すら遠ざける日々。
そしてある日、彼は空を漂う己の使い魔に向かい、叫んだ。

「失せろ! 二度と俺の前に現れるな、この役立たずめ!」

その日を境に、巨大な魚はリュティスの空から姿を消した。




372 :ジョゼフと鋼鉄の女神(ミューズ):2007/09/29(土) 22:27:00 ID:8zwz9Kas

3年後―――
ガリア南部にて旗を掲げた叛軍は、規模を拡大しつつその手を王都にまで伸ばしつつあった。
父王に付き添い、前線の慰問に出掛けたジョゼフとシャルルは、叛徒による奇襲を受ける。
父王の避難こそ済んだものの、シャルルは手傷を負い、自身は足手纏いでしかない。
魔法衛士隊も巧妙に計画された奇襲に対応し切れず、死傷者が続出していた。

最早これまでか。
思えば、輝かしい記憶など数える程しかない。
苦痛と屈辱に塗れた、詰まらない人生だった。
これから先もこんな事が続くのなら、いっそ此処で死んだ方が楽やも知れぬ。

そんな事を考えた、その時。



天から降り注いだ無数の光条が、叛徒達の陣を消し飛ばした。



叛軍、王軍、共に呆然とする中、ジョゼフは降り注いだ光条の跡を眼で辿り、その先に在り得ないものを見出す。
それは、3年前に自身が否定した―――失せろと、二度と姿を現すなと命令した―――あの、使い魔の姿だった。
その姿は、3年前のそれとは似ても似付かず。
頭部より生え揃った5本の角、左右2対の鰭、禍々しく光る瞳、重厚さを増した外殻装甲。
木偶の坊と揶揄された3年前とは余りにも異なるその姿に、シャルルを含めた周囲の面々はひたすら呆然と空を見上げていた。
やがて使い魔は細かな光の束を無尽蔵に撃ち放ち、空、そして地を埋め尽くす叛徒達の軍を文字通り殲滅してゆく。
そして、遂に叛軍が降伏を示す旗を掲げた頃、ゆっくりと戦場に降下した異形の使い魔へと、ジョゼフはふらつく足で歩み寄った。
そして、一言。

「ずっと……見守って、いたのか?」

そうだ、とでも言うかの様に、使い魔の双眸が光を放つ。
ジョゼフは震える手でその装甲に触れ、何とか平静を装った声を放った。

「俺を守る為に……『成長』したのか?」

双眸が光る。

「あの様な物言いをした俺を……見限らずにいてくれたのか」

双眸が光る。

「……また、俺に仕えてくれるのか」

鰭が、そして顎が広がり、天をも貫かんばかりの咆哮が上がる。



この日、ジョゼフは己の使い魔へと誓いを立てた。
それを誰かに伝える事は生涯無かったが、彼自身の心の内で、密かに、しかし何よりも強く誓った。


373 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 22:27:23 ID:nX9gCDGC
支援

374 :ジョゼフと鋼鉄の女神(ミューズ):2007/09/29(土) 22:28:31 ID:8zwz9Kas

『成長』してやる。
魔法が使えなくたっていい。
無能と蔑まれてもいい。
何としても『成長』してやる。
己の使い魔が見せてくれた。
他人にどれだけ蔑まれようと、近しい者に見限られようと、確固たる意思さえ在れば『成長』出来るのだ。

俺は、この使い魔の忠誠に応えよう。
この使い魔の様に、誰もが思い描かきもしなかった『成長』を遂げてやる。
こいつに相応しい男になってやる。

それが―――無能と蔑まれてきた俺の、この世界に対する復讐だ。



この日より、ジョゼフは己の知識を磨く事に全霊を注ぐ。
魔法が使えないのならば、それ以外の全てを修めてやる。
己の誓いに従い、怒涛の勢いであらゆる知識を詰め込むその姿に、王宮の者達は次第に彼を見る目を改めていった。
魔法が使えないという事で、ジョゼフを見下す視線が完全に消える事はなかったが、それも既に彼の心を揺さぶるものとはなり得ない。
そして彼は、自身を心から気遣う者達の存在に気付いたのだ

ずっと自分の才能を信じ、励まし続けたシャルル。
例え邪険にされても、静かに己を見守ってきた妻。
ジョゼフは初めて、彼等の存在に心より感謝した。
そして同時に、ある決意が彼の胸中に芽生える。



次王には、シャルルこそが相応しい。
俺は俺のやり方で『成長』してみせる。
王座には、真に民を思い遣る事の出来るあいつが着くべきだ。



やがて父王が崩御する際、王位継承を告げられた彼は、シャルルこそが王に相応しいと主張したが、父王はその言葉を受け付けなかった。
彼は最期に死の床で、必死に嘆願を繰り返すジョゼフへとこう言い放ったのだ。

「お前が魔法を使えない事を気に病んでいた事には気が付いていた。親として、誇れる事など何一つ出来なかった私が遺せる、たったひとつの贖罪だ。ジョゼフ、最早お前に敵う知謀を持つ者など、このハルケギニアには存在せん。
自信を持て。お前以上に次王に相応しい者など居ない。紛れも無く、お前こそがこの国、ガリアの『王』だ」



本来ならばシャルルの手に渡る筈だった王座。
それが何の因果か、王座になど欠片も興味の無かった自分の手に委ねられた。

シャルルはどんな顔で己を迎えるだろうか。
嫉妬に狂った顔だろうか。
恨みに歪んだ顔だろうか。
それもいい。
寧ろ、恨んで貰った方が気が楽だ。
国の事など欠片ほども考えてなどいない俺が、優秀なあいつを押し退けて玉座に着くのだから。

そして、自室にて彼を迎えたシャルルの放った言葉は―――




375 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 22:28:51 ID:nX9gCDGC
支援

376 :ジョゼフと鋼鉄の女神(ミューズ):2007/09/29(土) 22:30:02 ID:8zwz9Kas

「おめでとう」



純粋な笑みを浮かべ、心からの賛辞を述べるシャルル。
呆然とするジョゼフの目の前で、彼は更に言葉を続ける。
ジョゼフの心を抉る、綺麗な、残酷なまでに綺麗な言葉を。



「兄さんが王になってくれて、本当に良かった。僕は兄さんが大好きだからね。僕も一生懸命協力する。一緒にこの国を素晴らしい国にしよう」



その瞬間、ジョゼフの胸中にどす黒い殺意が沸き起こる。

こいつは何を言っているのだ?
俺が王になって良かっただと?
お前まで、お前までそんな事を言うのか。
玉座を否定する事が、俺にとっての『成長』だったというのに。
お前は俺に、魔法も使えない無能王との蔑称を抱えて生きろというのか。

殺意が、弟への愛情を塗り潰してゆく。
どんなに己を磨こうとも、決して消え去りはしなかった僅かな嫉妬。
それが牙を剥き、あらゆる情を喰らい尽くす。

そして激情に任せ、ジョゼフが一歩を踏み出した瞬間―――

窓の外、彼方の空より此方を見詰める、一対の目に気付いた。

冷たく光る、巨大な双眸。
それは無言のままに、ジョゼフへと問い掛けていた。



『其処で終わりか?』、と。



踏み出した足が、元の位置へと戻る。
上がり掛けた手が降り、荒れ狂う感情が無風の湖面の様に凪ぐ。
そして、一言。



「……ありがとう」



この日、ガリア国王ジョゼフ一世が誕生した。






377 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 22:31:15 ID:xXILmuSN
踏みとどまったァーッ!?支援

378 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 22:31:23 ID:qf5PUo49
これはきれいなジョゼフ支援

379 :ジョゼフと鋼鉄の女神(ミューズ):2007/09/29(土) 22:31:30 ID:8zwz9Kas

日記を閉じ、麗らかな日差しが部屋へと差し込んでいる事に気付いたジョゼフは、徐に窓へと歩み寄った。
彼方の空には、悠々と大空を舞う、巨大な影。
己の使い魔。

王となって暫くの後、ジョゼフは些細な事から自身の系統を知った。
更に成長した使い魔、その巨体と比して小さな額に、これまた小さく使い魔のルーンが浮かび上がったのだ。
それは、伝承にのみ記されたルーン。
神の頭脳『ミョズニトニルン』。
そして伝説の系統である『虚無』。
世の理さえ支配する、『ゼロ』の系統。

公には、ジョゼフは火のラインであるという事になっている。
これはコモンマジックの使用が可能になった事を誤魔化す為の方便であったが、今のところ疑いは持たれていない。
トライアングルやスクウェアとしなかったのは、ちょっとした意地の様なものだ。
自身がこの座に着いたのは、決して魔法の実力などによるものではないとの証明。
これだけは誰が何と言おうと、変えるつもりなど無かった。

今、ガリアは嘗て無い程の平穏の中に在った。
長らく続いた内戦を平定し、平和を謳歌している。
アルビオンで少々きな臭い動きが在る様だが、これもガリアにとって脅威とは為り得ない。
己の使い魔を聖地奪還に利用しようと近付いてきたロマリアの連中には、丁重に御引き取り願った。
気違いの宗教家どもにくれてやるガリア国民の血など、一滴たりとも在りはしないのだ。



やがて、ドアの向こうから賑やかな足音が響いてくる。
それを聴き留め、ジョゼフは小さく笑みを浮かべた。

さて、我が愛しのレディは、今日は何と言ってくるのだろうか?
シャルロットが羨ましい、か?
何で自分は魔法が使えないの、か?
それとも単にラグドリアン湖に行きたいの、か?
どれでもいい。
娘と語らう時間は、政務に比べればずっと楽しいのだから。

だが、もし彼女の自尊心が余りにも傷付いている様であれば、ひとつ昔話をしてやろう。
魔法が使えず、出来た弟を羨み、世界を憎んでいた男の話を。
魚の姿を取った女神(ミューズ)と出会い、全てを乗り越えて『成長』する事の尊さを知った男の話を。
計り知れぬ才能を秘めた、未だ目覚めぬ我が娘に伝えよう。



お前にもまた、『成長』の先に輝かしい未来が在るのだと。






380 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 22:32:24 ID:55wQZzHe
支援

381 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 22:33:03 ID:xXILmuSN
ダライアスかしら 支援

382 :ジョゼフと鋼鉄の女神(ミューズ):2007/09/29(土) 22:33:30 ID:8zwz9Kas

ガリア王国、王都リュティス。
その上空を、巨大な魚の姿をした使い魔が悠々と泳ぐ。
ジョゼフ一世の即位と時を同じくして最後の『成長』を果たしたそれは、角にも似た威容を誇る上下の鰭と、黄金色に輝く胸鰭と尾鰭をゆっくりと動かしつつ、今日もまたガリアの地を見守るかの様に空を舞い続けている。
王と共に各地の内乱を平定し、周辺国家への牽制をも兼ねるその存在を、人々は王と併せて『ガリアの守護神』、『王の女神』と崇め称えた。
魔法の才に恵まれないながらも賢王と呼び称えられるジョゼフと、天舞う鉄の女神。
永きに渡りガリアの民に謳われる事と為る、2つの伝説。



彼等も、そして主たるジョゼフも、それを知る事は無い。
果たしてそれは『魚』でも、『女神』でも、『守護神』ですらなく。
遥か宇宙の彼方、たった一つの星を巡り始まった、二大勢力間の戦争。
その一方の陣営、『ベルサー連合軍』により機械生命体を基に生み出された、有人、無人を問わず、種々の海洋生物をモチーフとした、重装甲重火力、有機的柔軟性を兼ね備えた多数の巨大戦艦郡。
無数に存在する艦の中―――次元の狭間で、『鷹』の名を冠する戦闘機へと挑んだ、数十隻の無人艦。
その内の1隻が、突如として出現した巨大な鏡に呑み込まれ戦域を離脱し、このハルケギニアへと召喚された事など。
その艦が『成長する戦艦』だった事など。



『PRICKLY ANGLER』―――刺々しい釣り人。



此処に、虚無の王とその使い魔、1人と1隻の伝説が始まった。






383 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 22:34:57 ID:hbxrWdRO
GJ!
ああ、ジョゼフの才が正しい形で発揮されている……
先代ガリア王は、本来こういう状況を求めて王位を継がせたんだろうなぁ……

384 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 22:35:05 ID:no7KyYTj
<・ ))><支援

385 :ジョゼフと鋼鉄の女神(ミューズ):2007/09/29(土) 22:35:30 ID:8zwz9Kas

同時期、ロマリア皇国。

「ぬうぅおおぉぉォォッッ!」

気合の雄叫びと共に、高位神官の服に身を包んだ青年が『それ』へと吶喊する。
しかし―――

「ご! ぐふゥッ!」
「ああっ、教皇さま!」

彼は見えない壁へと激突し、血を吐いて床へと倒れ伏す。
慌てて駆け寄る神官達。
しかし彼は、震える手でそれを制すると、再び立ち上がって『それ』を睨む。

「ふ、ふふふ……流石は余の使い魔! そう易々と契約させてはくれぬか!」
「教皇さま! もうお止めください! 御身体が保ちませぬ!」
「戯け! 此処で諦めて何とする! あの忌々しいエルフどもから聖地を奪還する為……何としても、私にはこの使い魔が必要なのだァァッ!」
「きょ、教皇さまぁ―――――ッ!」

そうして何度目かの契約の儀式へと臨むべく、これまた何度目かのダッシュを掛けるロマリア教皇―――聖エイジス三十二世、ヴィットーリオ・セレヴァレ。
そしてまたまた、彼が見えない壁へとぶち当たる鈍い音が、半ば崩壊した神殿内に響き渡った。

「ごふゥ―――――ッ!?」
「ああっ、またッ!?」



彼が召喚した使い魔、これまた巨大な魚は、その様子を眺めながら呑気に欠伸などしてみたりして。
重い使命から開放されたお魚さんは、何気にイイ性格らしかった。
もし彼の思考を読む事が出来たのなら、こんな声が聞こえてきた事だろう。



誰が『オス』の口吻なんか受けるか。



『ABSOLUTE DEFENDER』―――絶対防衛者。

彼はまたひとつ、お気楽太平に欠伸を吐いた。



「ごバァ―――――ッッ!?」
「ああッ、耳血がッ!?」
「(バリア展開を)もうやめて! 教皇さまのライフはとっくに虚無(ゼロ)よ!」

だ が 断 る 。






386 :ジョゼフと鋼鉄の女神(ミューズ):2007/09/29(土) 22:37:00 ID:8zwz9Kas

んでもってまた同時期、トリステイン王国。

此処からは音声ダイジェストでお送りします。

「クジラですが、何か?」
「クジラは飛ばないし、眉毛も無いでしょ」

「ちょっと! それイカじゃない! 空賊船よ!」

「主砲、一斉……やっぱ撃っちゃダメー!」

「赤いアレはダメって言ってるでしょ!? アルビオンごと落としてどうすんの!」

「手紙……? ……? ……! あ、ああ! はいはい、あー手紙ですね、あはは……」

「まあ、古来から終わり良ければ全て良しと申しまして……」



『G.T.』―――偉大なるもの、もしくはデカブツ。

その名の示す通り、主ともども何気に大雑把な性格であった。



「ワルド? あれ? 憑いてきてたんですか?」






387 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 22:37:30 ID:/6CfdZ+M
しえ☆すた

なんかスゴイ事になってるなロマリア
さあ、トリスティンもあるか?

388 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 22:37:36 ID:0r2sU+uh
www

389 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 22:38:15 ID:55wQZzHe
元ネタはわからんが
>「ワルド? あれ? 憑いてきてたんですか?」
ワルド死んでるー!?

390 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 22:38:30 ID:xXILmuSN
うはwwww テファは、テファはー?
【上目遣いで舌ったらずな口調で】

391 :ジョゼフと鋼鉄の女神(ミューズ):2007/09/29(土) 22:38:30 ID:8zwz9Kas

もひとつ同時期、アルビオン王国、サウスゴータ地方ウエストウッド。

「おお……」
「おっぱい様じゃ……おっぱい様のご降臨じゃ……」

森の中から浮かび上がるは、妖艶な体躯を悩ましげに捻りポーズを取る、青く光る透明な体躯。
その中心には生命を司るコアが宿り、制御を司る兜の様な頭部が、麗しい乙女の顔、その造形を模したゲル状物質の内部に浮かんでいた。
完璧なプロポーション、そしてその前面に宿るは2つの果実、恐るべき質量兵器と化した二つの頂。
その神々しさの前には、人間にしては少々長い耳の造形など取るに足らぬ問題。

そして、何より―――

巨大でありながらプルプルと忙しなく揺れるそれは、正に胸革命。
4つの王家に伝わる古き言葉で表すのならば『BUST REVOLUTION』。
その威光はいがみ合う王党派と貴族派の垣根を取り払い、平和の内に両者を和解させるに十分なものだった。
更にはアルビオン国王ジェームズ1世が、『おっぱい様の祝福の前に人間とかエルフとか関係ないよねー』と発言した事により、アルビオンを皮切りにハルケギニアからエルフに対する敵意が払拭されたのは言うまでも無い。
無論、それはハーフエルフについても例外ではなく、むしろ『基本ナイムネの純エルフよりステッキーじゃね?』と神の如く称えられるまでになったのであった。



『THE EMBRYON』―――生み出す者。

全ての生命を司る母なる存在は今、1つの悲劇をこの世界から消し去ると同時、『羞恥』という名の感情の昂りと共に放たれた爆発によって、一時的にその機能を停止した。



なお、何故この機械生命体の母ともいえる存在が、羞恥に狂ったおっぱいハーフエルフの突発性エクスプロージョンを受ける危険を冒してまでその姿を模したのかという疑問については、筆者としては1つの仮説を提唱したい。
恐らく彼女は、そのおっぱいの造形に無限の愛を見出したのではなかろうか。
自身の生み出した恐るべき機械生命体と共に宇宙の平和を守ってきた彼女は、壊すのではなく内包するその優しさに救いを見出したのではなかろうと愚考する次第である。
事実、筆者としてもあの感触は極上の(以下、血痕により解読不可)

『自称ウエストウッドの流浪人 ヒラガ・サイト氏の日誌より抜粋』






392 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 22:38:55 ID:hbxrWdRO
げぁあ!?
終わったと思ってたらすごいことになってたぁ!?

393 :ジョゼフと鋼鉄の女神(ミューズ):2007/09/29(土) 22:40:00 ID:8zwz9Kas

そんでもって1年後。

ガリア王国、王都リュティス。
『グラン・トロワ』の庭園にて、2人の少女がいがみ合っていた。

「あの使い魔の何処が魚だって言うのよ!」
「い、一応魚だもん!」
「魚は歩かないわよ!」
「歩く魚だっているもん! 『おねえさま』のバカ!」
「あふッ……い、居る訳無いじゃない。現実を見るのね、シャルロット」
「『おねえさま』の使い魔なんか蟹じゃない! 空だって飛べないくせに!」
「ふぅんッ!?……し、失礼ね、ちゃんと『跳べる』わよ!」
「私のだって『跳べる』もん!」
「なら見せてみなさい! そこまで言うからには私の『ネーナ』より高く『跳べる』んでしょうね?」
「当たり前じゃない! 『おねえさま』の使い魔には負けないわ!」
「あふぅンッ!……い、い、いいわ、『跳び』なさい! 『ネーナ』ッ!」
「『跳んで』!」
「跳ぶな―――――ッ!」

ジョゼフの叫びも空しく、最愛の娘と姪の使い魔は天高く『跳び』上がった。



お天道様の光を遮る、『蟹』と『魚(仮)』の影。
上昇を止め、空高く静止したそれを眺めながら、ジョゼフの傍らに佇むシャルルはぽつりと呟いた。

「兄さん」
「何だ?」
「こうなるとさ、どうにも気にならないかい?」
「何が?」

『蟹』と『魚(仮)』が、ゆっくりと降下を始める。
重力に引かれてどんどんと加速する、鉄製の甲殻類と魚類(仮)。
薄れゆく己が意識を感じつつも何とか言葉を返したジョゼフへと向かって、シャルルは無邪気に言い放った。



「僕がサモン・サーヴァントをやったら、一体何が出てくるんだろうね」
「お願いだから止めてください」

そいつまで『跳ぶ』やつだったら洒落にならんし。



2体の着地と同時、ガリア全土を揺るがす地震と共に、ジョゼフは意識を手放した。



『HYSTERIC EMPRESS』―――ヒステリーな女帝。
『TRIPOD SARDINE』―――三脚鰯。

妖しいくらいに仲の良い従姉妹たちの使い魔は、やっぱり怖いくらいにそっくりだった。

連日の地震対策に追われるジョゼフ。
彼の胃に穴が開く日は、近い。



余談だが、シャルルの使い魔は『シャコ』だったらしい。

394 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 22:40:13 ID:xXILmuSN
ちょwwww才人wwww
おま、どんだけ超人病にwwww
 
GJ!

395 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 22:40:21 ID:8MA4uH0B
なんか凄いことにww

396 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 22:40:26 ID:IbWdcRYR
>(以下、血痕により解読不可)
サイトォーッ!

397 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 22:41:56 ID:pH20dxLJ
なんか凄いことになってるwww支援

398 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 22:42:32 ID:QTEqp7dB
アルビオン国王とサイトはマジ自重しろw

399 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 22:42:51 ID:/6CfdZ+M
支援でGJGJGJ どこまでやる気だこの作者

400 :ジョゼフと鋼鉄の女神(ミューズ):2007/09/29(土) 22:43:29 ID:8zwz9Kas
投下しゅーりょー

おまけがやりたくて書いた、後悔はしていない
つー訳で『ダライアス外伝』と『Gダライアス』から海洋生物型戦艦召喚でした

んでもってもしよければ、11時過ぎにもう一個投下したいんですが、よろしいでしょうか?

401 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 22:43:38 ID:yZuendiK
此処までくるといっそ清々しいなwww

402 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 22:44:21 ID:GkLWD0Iv
途中まで「イイハナシダナー」だったのにww
あとシャルル自重。

403 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 22:44:37 ID:0r2sU+uh
>>400

次は何だww


404 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 22:45:00 ID:gNT32tSS
ナイスジョゼフ!

と言いたかったが後半すげえwww
いやあハルケギニアが大変だ。
鯨さんとかもう勘弁してな世界だろうw

405 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 22:46:08 ID:aYK4WSuI
GJ。






普通に感動させてくれよwww

406 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 22:47:07 ID:55wQZzHe
乙。ハルケギニアが色々とぶっ壊れたなw

407 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 22:47:52 ID:MghyRlKX
GJ!(ぐっどジョセフ)

と思ってたのにオマケw
笑わせていただきました!

408 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 22:48:47 ID:TjZ53IpM
GJ!
一匹……もとい一体?一機?でもハルケギニアいっぱいいっぱいなのにどんだけ呼んでんだwww
ところで姉と呼ばれ悶えるイザベラかあいいなあ
巨大ロボットが跳んだり跳ねたりをやってるわけだからそりゃ地震も起こるわな
あとシャルル自重

409 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 22:49:36 ID:55wQZzHe
>>407
誰がうまい事言えとry

410 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 22:51:04 ID:8MA4uH0B
ダライアスとはまたマニアックなw
次にも期待!

411 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 22:52:18 ID:Va6+jV4J
GJ
クロス元分かった瞬間吹いたわww

>>407はもっと評価されて良い

412 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 22:54:25 ID:UN/5nVFh
GJ!
でもやはり助けて銀色の鷹のえらい人ーw

413 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 22:54:46 ID:UVTm10gI
ぐぼはぁっ、乙! 全部えらいことになっとるwww
>>407 GJ(ぐっどジョゼフ)藁田

414 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 23:01:04 ID:jpXpmDpg
GJ!乙!
この作者は化け物か!?
次は何が出るんだ?

415 :ジョゼフと鋼鉄の女神(ミューズ):2007/09/29(土) 23:08:49 ID:8zwz9Kas
ちょっとPCから離れるんで、予約が無ければ15分から投下します
べ、別にトイレなんかじゃないんだからね!

416 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 23:09:52 ID:55wQZzHe
それが>>415の残した最後の言葉だった……

417 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 23:10:55 ID:q2Oeuy9B
>>416
それって、どんな生殺し

418 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 23:11:56 ID:zprHsHth
ハルケギニアは遠いぜ……

419 :ディセプティコン・ゼロ:2007/09/29(土) 23:15:00 ID:8zwz9Kas

止めてくれ、と悲痛な声が上がったのは、2隻の戦列艦へとミサイルが撃ち込まれた直後だった。

既に地表は焔に覆われ、『レキシントン』及び随伴艦の周囲は、艦体から立ち上る黒煙と3艦の砲煙に覆い尽くされている。
だが風のメイジによるものか、砲撃を行っている舷側の煙は瞬く間に晴れ、次の砲撃までの僅かな時間、20mmとミサイルによって蹂躙された無残な姿を晒していた。
もう一度、止めてくれ、と声が上がる。
それが自身に向かって放たれたものであるとルイズが気付いたのは、ブラックアウトが一斉射を受け転倒した直後だった。

「ヴァリエール嬢! もう良い! もう沢山だ! 止めてくれ!」
「あ……で、殿下?」

自身の肩を掴み揺さぶる、ウェールズの鬼気迫る形相に、ルイズは我に返ると同時に顔色を変えた。
彼は悲哀、焦燥、憤怒の感情が入り混じった表情を浮かべ、必死にルイズへと訴え続ける。

「これ以上……これ以上、アルビオンの民を殺めないでくれ!」
「……!」

その言葉に、ルイズは彼の言わんとするところを理解した。



ウェールズは、目前で繰り広げられる戦闘―――――否、『殺戮』を望んではいない。
彼が望んだのは、誇り在る『戦い』。
例え叛徒に与する者達であろうと、彼等の大多数はこのアルビオンに暮らす民である。
その中には少なからず、心ならずもレコン・キスタに与する兵達も居るに違いない。
彼等の為にも、ウェールズ達は戦いの果てに死す事を選んだのだ。
しかし―――――

ブラックアウトが、それを気に掛ける事は無い。
彼の目的は主を守る事。
その為に目前の敵、その全てを狩り尽くそうとしているのだ。

……只の一兵も残さず。



その瞬間、ルイズは悲鳴の様な声を上げた。

「止めなさい、ブラックアウト!」

間違いなくブラックアウトには、デルフを通して此方の声が聞こえている。
そう考えての行動だったが、どうやら的を射ていた様だ。
ブラックアウトは攻撃行動を中断し、城へと振り返る。

―――――しかしそれは、既に4本の矢が放たれた後の事であった。

空中に巨大な、想像を絶する程に巨大な火球が、轟音と共に出現する。
吹き飛ぶ戦列艦。
炎を纏い降り注ぐ木片。
死体すら残さず消し飛んだ、勇敢な乗員達。
彼方に不時着した艦より無数に轟く、怨嗟の声と砲声の二重奏。
それらを気に留める素振りすら見せず、悠然と戦場に背を向ける金属の巨人。
そして―――――



その胸部、縦に割れたコックピット。
中央に刻まれた紋章を取り囲む、細かな文字列―――――使い魔のルーン。
通常のルーンとは明らかに異なるそれはガラスの下を通り、鎖が囚人を拘束するかの様に四肢の一部にまで延びている。
否、それは正しく『拘束』の為に刻まれたものだった。

420 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 23:15:28 ID:yZuendiK
―――アンタかよッ! 支援するぜ

421 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 23:15:45 ID:55wQZzHe
識別コード確認……ディセプティコンに栄光あれ。支援する

422 :ディセプティコン・ゼロ:2007/09/29(土) 23:16:30 ID:8zwz9Kas



轟沈した戦列艦、焔に埋め尽くされた戦場、余りにも異様なルーン。
様々な理由で硬直する面々の中、デルフはただ1人、異なる理由から全身を硬直させていた。
彼の視界に映り込むのは、ブラックアウトの胸部に刻まれたルーンと、擬似視界の隅で変形を終えた同じ形のそれ。
瞬間、彼の思考中枢に遥か過去の記憶がフラッシュバックする。

「畜生……よりにもよって……」

その呟きは誰の耳にも届く事無く、中空へと掻き消えた。
デルフはゆっくりと、自身の主へと視線を移す。

相棒のルーンが、あの忌まわしい4人目―――――『4体目』と同じという事は。
予想はしていたが、やはりこの娘は。
そして―――――

記憶の奥底から拾い上げた場景。
そこからデルフ自身が忘れ去っていた……否、『忘れ去ろうとしていた』記憶達が津波の様に押し寄せる。



神の左手『ガンダールヴ』  神の右手『ヴィンダールヴ』  神の頭脳『ミョズニトニルン』  記す事すらはばかれる『4体目』
エルフと人間  先住魔法と系統魔法  機械文明と魔法文明
暴走する機械  自らの意志で動き出す『電子機器』
『聖地』  地の底に息衝く巨大な『遺跡』
舞い踊る『剣』  人を狩る『銃』  猛り狂う『車』  街を薙ぐ『船』
淘汰される『有機生命体』  反撃するエルフと人間  灰燼と化す『聖地』
先住魔法  系統魔法  科学技術  三者によって生み出された滅びの場景



逆流する記憶の波は更に勢いを増し、物理的とも認識されかねない衝撃となって思考を侵す。



追い詰められた『4体目』  鋼鉄の鞭  巨砲  撃ち出される凝縮された『破壊』そのもの  焔を吐き空を切り裂く機械の翼  赤く光る双眸
傷付いたブリミル  腕を失ったガンダールヴ  聴力を潰されたヴィンダールヴ  光と声を奪われたミョズニトニルン
開かれた『ゲート』  自らの命と引き換えに『4体目』を放逐したブリミル  ゲートの先に拡がる暗黒の空間  其処に浮かぶ青い星
機械文明の再生を拒むエルフ  代を重ね惨劇の記憶を忘れた人間  科学技術の奪取を巡る戦い  忘れ去られた侵攻の目的  摩り替えられた目的『聖地奪還』
『4体目』の身体に刻まれた紋章  『彼等』の名称  死と破壊を司る者





―――――『ディセプティコン』






423 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 23:16:33 ID:wCNV7OX7
ちょっ?!マジカ?!待ってたよ?!
支援

424 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 23:16:51 ID:Jhl96MrS
GJ!
誰かが言うと思ったのにまだ誰も言ってないから言うが…蟹が跳ぶな!

425 :ディセプティコン・ゼロ:2007/09/29(土) 23:18:00 ID:8zwz9Kas

「クソが……」

悪態を吐きつつ、デルフは戦場を眺める。
視線の先にはヘリへとその姿を変え、秘密港へと帰還するべく戦場を後にするブラックアウトの姿。
その装甲の一部、露出したルーンの端が、意味を成さない模様を描いている。

「ブリミル……お前さんの命、無駄になるやも知れんぜ……」

遅れて上がる悲鳴と絶叫の中、デルフは嘗ての同士へと言葉を紡ぐ。
そしてウェールズへと歩み寄ると、惨劇を前に放心する彼の様子を無視し、決断を迫った。

「ホレ、王子サマ。さっさと兵を集めな。ロサイスまでは1時間だ」





「……どう?」
「爆発音はもう止んだって……戦闘は終わったみたいだ」
「そう……」

厚い灰色の雲が垂れ込め始めたウエストウッドの午後。
自身の膝を枕に眠る子供の頭を撫ぜながら、テファは暗い表情で返事を返す。
今は昼寝の時間。
子供達は安らかな寝息を立て、夢の世界へと旅立っている。
しかし幾人か、年長の子供達は不安げに窓から空を眺めており、時たまテファと言葉を交わす才人へと視線を投げ掛けていた。



事の起こりは数時間前。
日課である見回りへと出掛けていた才人が、血相を変えて村へと戻ってきた事から始まった。
何事かと慌てるテファに、彼は一言。

「北から……爆発音が……」

その言葉にテファは、何が起こっているのかをおぼろげながら理解した。
遂に―――――遂に始まったのだ。
貴族派による、王党派への総攻撃が。

「おねえちゃん……」
「大丈夫よ、何でもないの」

不安がる子供達に微笑み掛け、テファは才人へと視線を戻して問うた。

「……聴いたのは、『彼』?」
「ああ」

頷く才人に、テファはその表情に憂いを浮かべる。
爆発音を聴いたというのが才人なのだとすれば、気の所為という事も在り得た。
事実、人間に比べれば幾分優れているテファの耳にさえ、そんな音は届いていなかったのだから。
しかし、音を捉えたのが『彼』なのだとすれば、それが間違いであるという事はまず無い。
『彼』の五感は―――――果たして自分達と同じく、五感と呼べるものかはともかく―――――脆弱な自分達のそれとは、比べ物にならない精密さを誇っているのだから。

「取り敢えず、こっちに飛び火する事は無いだろうけど……」


426 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 23:18:28 ID:55wQZzHe
まさか放逐された4体目は破壊大帝なのか支援

427 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 23:18:36 ID:8MA4uH0B
すげえ温度差だ!だがそれがいい支援

428 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 23:19:09 ID:ccitESOJ
ジャズ山支援

429 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 23:19:30 ID:MghyRlKX
彼らの戦い選ばれたのは―ハルケギニア―支援

430 :ディセプティコン・ゼロ:2007/09/29(土) 23:19:30 ID:8zwz9Kas

何とか不安を表に出さずに呟く才人に、テファも曖昧な笑みで応える。
恐らく、戦いは貴族派の圧勝を以って幕を下ろす事になるだろう。
それは良い。
初めから解りきっていた事だ。
問題はその後―――――彼等に、この地の調査に余力を注ぎ込む余裕が出来る事。
幾ら才人と『彼』が常軌を逸した戦闘能力を秘めているとはいえ、万を超える敵に立ち向かう事など出来る筈も無い。
かといって自身には、他に行く当てなど在りはしないのだ。
せめて子供達だけでも避難出来れば……



「テファ?」

先程の遣り取りを思い返していたテファの視界に、才人の顔が大映しとなる。
どうやら反応の無いテファを心配し、様子を伺うべく顔を近付けてきたらしい。
我に返ったテファは突然の接近によって瞬時に赤面し、わたわたと慌てふためく。
その様子を怪訝に思いつつも、才人は彼女を安心させるべく優しく言葉を紡いだ。

「あんまり心配するなよ。前にも言ったろ? 俺達が居れば大丈夫だって」
「で、でも……」
「あんなオンボロ船が何隻来たって結果は同じさ。『アイツ』なら瞬きする間に片付けちまうよ」

そう言ってからからと笑う才人ではあったが、その手が僅かに震えている事をテファは見逃さなかった。

彼は自分が何を言っているのか、それを理解している。
貴族派の本隊が攻めて来れば、後は力尽きるまで戦うしかない。
自身が死ぬかもしれないという事は元より、その手が多くの命を奪う事になる―――――彼はそれを恐れている。
この世界に召喚されるまで平穏の内に暮らしてきたであろう彼にとって、人を殺すという事は重大な決断を要するものだ。
しかもその理由は彼自身の安全の為ではなく、自分と子供達を守る為。
そして、その重責を押し付けているのは、他ならぬ自分―――――

「……サイト、あのね」

テファが何事かを口にしかけた、その時―――――

「……ッ!?」
「な……」



窓の外、重い地響きと共に、南西の空が紅く染まった。






431 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 23:20:02 ID:8MA4uH0B
オォゥジャーズ・・・・支援

432 :ディセプティコン・ゼロ:2007/09/29(土) 23:21:00 ID:8zwz9Kas

「ッ撃ぇーッ!」

降り出した雨の中、轟音と共に発射された砲弾が、1隻の戦列艦へと降り注ぐ。
停泊中のその艦は特に反撃する事も無く、甲板では着々と出帆の準備が整えられつつあった。
しかし良く見れば―――――甲板を走り回る者達の足元には、幾つかの死体が転がっている。
一刀の下に斬り伏せられたもの、魔法に引き裂かれたもの、全身を穿たれたもの。
各々異なる傷を晒すそれらの間を、複数の人影が行き交っているのだ。
その彼等目掛け、十数発の砲弾が襲い掛かる。
しかしそれらは、突如として戦列艦との間に割り込んだ、灰色の巨人が構える武器によって弾かれた。

一帯を覆う煙、粉塵、木片。
その全てを捲き込み高速で回転する、巨大な鋼鉄の6枚羽。
周囲に響き渡る不気味な風切り音は、時折吸い込まれる何らかの破片、もしくは有機体の弾ける音に彩られ、宛らパレードの様な賑やかさを演出している。
尤もそれを更に彩るものは歓声や笑い声などではなく、逃げ惑う住民と兵士達の上げる阿鼻叫喚の悲鳴であったが。

「敵、上昇ーッ!」
「退避ーッ!」

そして巨人―――――ブラックアウトは一瞬にして飛行形態を取ると、砲撃を続ける敵艦の頭上へと舞い上がる。
それを目にし、直ちに退避命令を下す仕官。
彼の下した命令は非常に的確であり、この状況に於いては最善の選択であったろう。
しかし―――――この事で彼を責めるのは酷であろうが―――――その命令を発した時期は、ブラックアウトの動きに対応するには些か遅過ぎた。

敵艦直上50メイル。
ブラックアウトはローターを畳み、一瞬にして鋼鉄の巨人へと変貌を遂げる。
再びローター基部を手に取り、折り畳まれた6枚の羽もそのままに、重力に任せ敵艦へと落下。
そして敵艦の舷側を掠める際、手にした折り畳まれたままのローターを『剣』の様に敵艦へと振り下ろす。

呻りを上げ、大気を切り裂いて振り下ろされる剛剣。
甲板からそれを見上げていた貴族派兵士達には逃げる間も、それ以外の何かを行動に移す間も無かった。

鼓膜を破らんばかりの凄まじい音と共に、木製の艦体が半ばから両断される。
破片、砲弾、食料、人間。
引き裂かれた艦体からはありとあらゆるものが零れ落ち、それらの一部が上げる耳障りな悲鳴が雨天の空に空しく響く。

ブラックアウト、ローター展開。
落下速度を緩めると同時、反動で回りだす身体もそのままに20mmを連射。
擬似視界内を流れ行く場景の中、複数の敵艦へと正確に弾雨を浴びせ掛ける。
緩やかに降下、一瞬だけローターを畳み、更に下方に位置する敵艦甲板へと強行着艦。
複数の乗組員を踏み潰し、マストと甲板の一部を破壊して停止。
浴びせられる魔法と銃弾すら無視して、展開したローターを回転させつつ甲板上の構造物全てを薙ぎ払う。
中甲板が抉れ飛び、マストが根元から吹き飛ばされ、逃げ惑う兵達が次々に紅い華と化す。
更にブラックアウトはローターを前面に構え、後甲板の段差をカタパルトに艦体前方へと向かって突進。
艦体の半分以上をローターで解体しつつ、更に周囲の敵艦へと向かってミサイルを発射、その戦闘能力を奪うと共に敵総戦力の低下を狙う。
そして爆発音。



その一連の戦闘を、奪い取った戦列艦『ビクトリー』号の後甲板より眺めつつ、ウェールズ・テューダーは心底より湧き上がる恐怖と嫌悪、そして敵愾心を抑える事に腐心していた。
しかし新たに3隻の敵艦が火を噴いた時、その努力もかなぐり捨てて喚きだしたいという衝動に駆られる。




433 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 23:22:03 ID:55wQZzHe
正に破壊の為の魔神支援

434 :ディセプティコン・ゼロ:2007/09/29(土) 23:22:30 ID:8zwz9Kas

『アレ』は味方だ。
ヴァリエール嬢の使い魔。
我等の退路を確保するべく、敵戦力の減衰に力を注いでいるのだ。



そう、強く己に言い聞かせる。
でなければ今にも、己の横で死神の狂宴を見詰める亜人へと掴み掛かってしまいそうだった。

『……、……』

人のものではない言語にて、何事かを呟いている異形の亜人―――――デルフリンガー。
その目に映るのは炎上する敵艦か、倒れ行く製鉄所の煙突か、それとも絶望と怨嗟の声を上げて息絶えてゆく人間達か―――――

「おい」

突然の呼び掛け。
ウェールズは瞬時に我へと返り、それまでの内心での葛藤を微塵も滲ませずにデルフへと言葉を返した。

「何かね」
「出帆まではまだ掛かるのか? 残る目標っつーと、後は市街しか無ぇんだが」
「……!」

デルフが言葉を吐き終えると同時、ウェールズは射殺す様な視線を傍らの亜人へと向ける。
しかし、視線を向けられたデルフはそんな事など気にも留めず、ただただ燃え逝く造船施設を眺めていた。
ウェールズは何とか心を落ち着けると、押し殺した声で状況を伝える。

「……あと5分も掛かるまい。風石も弾薬も、十分に積み込まれている」
「そりゃ良かった」

それだけの遣り取りの後、沈黙する2人。
暫しの後、口を開いたのはウェールズだった。

「民間人に……」
「あん?」

突然の言葉に怪訝そうな声を上げるデルフ。
ウェールズはそれを無視し、呟く様に言葉を繋げる。

「民間人に、被害は?」

それこそが、ウェールズにとって目下最大の関心事だった。
何せ戦場となっているのは、軍港とはいえ町なのだ。
当然の事ながら、其処には多くの民間人が犇いている。
事実、ウェールズの視線の先、造船所を越えた先の市街では、無数の人々が焔から逃げ惑っていた。
彼等を戦闘に巻き込む事は、極力避けねばならないのだが。

「今んトコ大した数じゃねぇな。3,40人ってトコか」
「……」
「そう睨むなよ。墜ちた船や敵の流れ弾まで責任持てねーっての」

ウェールズから発せられた殺気を飄々と受け流し、デルフは小さく声を洩らして笑う。
その様子を目にしたウェールズは自身の中で、何かが在るべき場所へと落ち着くのを自覚した。




435 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 23:23:43 ID:qf5PUo49
オデレータ支援

436 :ディセプティコン・ゼロ:2007/09/29(土) 23:24:00 ID:8zwz9Kas

嗚呼、そうか。
自分は何を憤っていたのだろう。
この奇怪な姿をした亜人に、一体何を求めていたのか。
彼の本質は『剣』なのだ。
人を殺す為に創造された、純然たる『武器』なのだ。

周りを見ろ、ウェールズ・テューダー。
お前の足元に転がっているものは何だ?

肩口から腰に掛けて、一刀の下に両断された死体。
心臓、喉、額と、3箇所を見事なまでに規則正しく、銃弾によって撃ち抜かれた死体。
構えた杖ごと、顔面を左右に断たれた死体。
お前はそれらが、この亜人によって作り出される瞬間を目の当たりにしたではないか。
一欠けらの躊躇も慈悲も無く、ものの数秒で6人のメイジを惨殺する瞬間を。

そんな存在が自らの意志を持ち、自らの思想のままに闊歩する。
そんな存在が矮小な人間を遥かに超える実戦経験を基に、敵を打ち破るべく行動しているのだ。



そんな存在が―――――人の道徳など解するものか。



ウェールズの目が、冷然とした光を帯びる。
聴き慣れた砲声と共に、数十発の砲弾がブラックアウトへと降り注いだのは、その時だった。





黒く焼け焦げた中甲板、薄汚れた羽帽子で身体に付いた煤を掃おうとしたその人物は、既にそれが雨によって服へとこびり付いている事に気付き、諦めの吐息と共に帽子を被り直した。
そして眼下の光景―――――燃え盛る業火の熱に傾いた桟橋の根元、停泊していた戦列艦の残骸上に立ち此方を見上げる巨人へと目を遣る。

「効かないか」
「ええ」

独り言の様な呟きに、隣に立つ砲術長が声を返す。
数時間前に地獄の様な戦闘を潜り抜けてきたばかりにも拘らず、彼等の表情には恐れも怒りも無く、眼下の怪物を如何にして仕留めるか、ただそれだけに思考を傾けていた。
周囲を見渡せば、甲板上には無数の兵士達が臨戦態勢にて待機している。
彼等の目もまた、恐怖など微塵も浮かべては居なかった。
そして、それは階下の砲兵達も同様だろう。
彼等の目に浮かぶのは、純粋な闘志と殺意。
今、この艦―――――『レキシントン』―――――に乗り組んだ兵達の心を占めるものは、ただひとつ。



―――――報復を。



「砲は一時的に動きを封じるのが精々、魔法は言わずもがな。さて、どうする」

無感情に言葉を繋げる羽帽子の男―――――ジャン・ジャック・フランシス・ド・ワルド。
そちらに目を向ける事すらせずに、実質上『レキシントン』最高指揮官となった砲術長は、此方も感情の伺えない声でもって答えを返した。

「友軍艦の砲撃にて敵の行動を制限、後は……」


437 :ディセプティコン・ゼロ:2007/09/29(土) 23:25:30 ID:8zwz9Kas

続く声は砲声に遮られ、周囲の兵達には届かない。
しかしワルドはその言葉を正確に受け取り、砲術長へと視線を移した。

「正気か?」
「他に手は在りますまい」

大気を切り裂き、手負いのレキシントンへと数百発の砲弾が襲い掛かる。
弾け飛ぶ舷側、折れ落ちるフォアマスト。
しかし悲鳴は上がらず、誰もが持ち場から5メイル程離れ、冷静に状況の推移を観察している。

如何なる状況にも即座に対応し、冷静な観察眼で以って状況を見極め、尤も効率的な戦法で戦況を有利に運ぶ。
嘗てのアルビオン王立空軍に於いて、末端の兵士に至るまで叩き込まれていた戦闘理念である。
この艦の乗組員達は、その理念を骨の髄まで染み渡らせた猛者達だった。
上官が反乱に加担する事さえなければ、最後までアルビオン王家に殉じたであろう、誇り高き兵士達。
王国より託されたこの艦に乗り組んだ事を、何よりも誇りとする空の男。
それを理解しているからこそ、ワルドはこう問うた。

「艦を失う事になるぞ」

返されるは、決然とした声。

「敵を撃ち滅ぼせぬ軍艦など、それこそ無用の長物」

暫しの沈黙。
何故か砲弾の嵐は鳴りを潜め、鉄の巨人は『レキシントン』を見上げたまま動きを停止している。
数秒後、ワルドは視線を逸らし、やはり感情の感じられない声で呟いた。

「私は艦隊戦に関しては門外漢だ。君に任せよう」
「言われずとも―――――」

巨人を見据えつつ、答えを返す。
その時、再び砲術長の言葉が途切れ―――――

「……化け物め、やってくれる!」

ややあって、彼は忌々しげに吐き捨てる。
そして隣に佇むワルドの内心もまた、彼と同じ様なものだった。



……どうやら、決着はお預けの様だ。



周囲が閃光に埋め尽くされ、次いで鼓膜が破けんばかりの轟音が響き渡る。
彼等の視線の先には紅く染まるロサイス郊外の森と、青く光る砲身を町へと翳し微動だにしないブラックアウトの姿が在った。





ロサイスを離れ東へと向かう『ビクトリー』号の甲板で、ウェールズはデルフと向かい合っていた。
その目には最早隠しようも無い程の怒りと嫌悪が浮かんでおり、語気も荒く目の前の亜人へと食って掛かる。

「……ヴァリエール嬢は『あの兵器』の使用を禁じていた筈だ! 何故撃った!」
「脅しだ。次は町に撃ち込むってな。お蔭で1発も撃たれずにロサイスを出られただろ」
「惚けるな! 見えなかったとは言わせん! あそこには避難する住民の一団が居たのだぞ!」
「知ってるよ」


438 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 23:25:37 ID:8MA4uH0B
ブラックアウト、実は臆病者という設定支援

439 :ディセプティコン・ゼロ:2007/09/29(土) 23:27:00 ID:8zwz9Kas

掴み掛かるウェールズの腕を払い除け、デルフは心底から褪め切った声を返す。
興醒めと言わんばかりのその様子はまるで、劇の趣向を理解しない観衆を見下す評論家にも似た空気を纏っていた。

「ならどうしろっていうんだ? 幾ら相棒でも全方位から撃ち掛けられる砲弾から、何時までもアンタらを守り切れるほど万能じゃねぇ。かといって敵艦の撃沈も娘っ子から禁じられている。八方塞だ。牽制の1発くらい大目に見て欲しいもんだな」
「その為に……その為に無辜の民を殺めてもか」
「たかが16人だろ?」

その言葉に、思わず収めた杖を抜き掛けたウェールズだったが、何とかその衝動を押さえ込む。

「大体な、他の方向に撃ったらあんなもんじゃ済まなかったぞ? あとはどっちを向いても住人だらけだ」

デルフの声を耳にしつつ、ウェールズは必死に暴れ出しそうな己が心と闘っていた。



彼の言っている事は正しい。
あの状況下で、しかもニューカッスルより撤退した『レキシントン』までが敵艦隊に加われば、通常の方法での脱出は困難を極めたであろう。
ヴァリエール嬢の使い魔が、『あの兵器』―――――青い光の壁を生み出す砲―――――の威力を見せ付けた上で恫喝を行ったからこそ、『ビクトリー』は砲撃を受ける事も無く、ロサイスを飛び立つ事が出来たのだ。

しかし、だからといってその行動が許容出来るかと問われれば―――――答えは否。
認められる訳が無い。
無関係の住民達を死体も残さず消し去り、更にその事を欠片も気に留めていない、この亜人。

彼等が己とは異なる概念を持つ存在とは理解しつつも、抑え切れない嫌悪感が心身を埋め尽くしてゆく。
全身全霊が目の前の存在を否定しろと、声高に叫んでいる。



これは、『敵』だ。
人間の―――――否、命在るもの、その全ての。
決して共存など出来ない、同じ世界に存在してはならない『何か』。
消さねばならない。
何れの事となるかは解らないが―――――確実に、必ず。



不穏な空気に包まれたまま、『ビクトリー』号は雲海へとその姿を沈め行く。
数分後にその場を通り過ぎ、直線航路でニューカッスルへと向かうブラックアウトの擬似視界内には、ロサイス郊外50リーグ地点にて観測されたエネルギーについての分析結果が表示されていた。






440 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 23:28:10 ID:55wQZzHe
語ることさえはばかられるというに相応しい支援

441 :ディセプティコン・ゼロ:2007/09/29(土) 23:28:30 ID:8zwz9Kas

アルビオンへと向かう『アケロン』号の船上で、フーケは沸き起こる嫌な予感を捻じ伏せる事に苦労していた。
宛がわれた船室内を落ち着き無く歩き回り、苛々と頭を掻き毟る。
凡そ淑女とは言い難い振る舞いだったが、当の本人はそんな事に構っていられる心境ではなかった。

何も無いのならいい。
先の不安こそ在れど、ともかく今は無事でさえいてくれれば。
だが―――――

フーケは無意識に、己の喉へと手を遣る。
其処には、白い肌に薄く浮かび上がる、横一文字に引かれた細い線の痕。
何者かによって引き裂かれた、喉の傷。

―――――この傷痕が疼いて仕方が無いのだ。
何か異常な事が―――――自身には計り知れない異常な何かが、あの子を襲う予感。
それが思考に付き纏って離れない。
今のウエストウッドは、異常な状況に置かれている。
否、ウエストウッドだけではなく、アルビオン全土が。

奇妙な確信と共に、フーケは無理やりベッドへと潜り込むとローブで顔までを覆い尽くす。
その姿はまるで、嵐の音に怯える幼子の様であった。



そして翌日の早朝―――――『アケロン』号はスカボローへと入港する。





王党派の全てを乗せた『ビクトリー』号が縦穴へと消えてゆくのを見送り、ルイズ達はローターを回転させたまま待機していたブラックアウトの機内へと乗り込む。
しかし一同の動きは幾分ぎこちなく、まるで巨大な怪物の腹にでも入り込むかの様な緊張に包まれていた。
機内には既に乗り込んでいたギーシュの姿と、その傍らに置かれた2つの銃。
ルイズはコックピットへと乗り込む事を躊躇し、他の3人と同じく兵員輸送室へと腰を下ろした。
スコルポノックの回収は、既に終えている。
そして、離陸。

「……」

誰も、何ひとつ言葉を口にしない。
口にすべき事など無い。
ただ1体、床へと転がるインテリジェンスソードを除いては。

「相棒が恐ぇか、娘っ子」
「……」

デルフの声に、言葉が返される事は無い。
誰もが沈黙し、金属音を鳴らす剣を瞬きすらせずに見詰めている。

「他に方法は無かった。迎撃の件も、ロサイスでの件もな。それでも相棒のやり方が気に入らないってんなら―――――」
「デルフ」

酷く冷たい声で語り掛けるインテリジェンスソードの声を遮り、ルイズは穏やかにその名を呼んだ。
続けて発せられたのは、デルフが予想だにしなかった言葉。

「見縊らないで。私はアンタ達の御主人様なんだから。ただちょっと……驚いただけよ」
「……」


442 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 23:29:14 ID:55wQZzHe
ブラックアウトがジャズに気付いた?支援

443 :ディセプティコン・ゼロ:2007/09/29(土) 23:30:02 ID:8zwz9Kas

沈黙するデルフ。
ルイズは軽く息を吐き、中空を見詰めながら言葉を繋げる。

「アンタは剣だし……ブラックアウトも異世界の兵器だって事は解ってた……いえ、解っていたつもりだったのよ。アンタ達にとっての敵って、打ち破るべきものでしかないって……その事を理解してなかったのね」
「ルイズ……」

キュルケが、痛ましげにルイズの名を呼ぶ。
しかしルイズは、彼女へと安心させる様な笑みを返すと、力強く声を発した。

「でもね、だから何だっていうの? アンタもブラックアウトも、私を守る為に全力を尽くしてくれた。感謝こそすれ、恐がる理由なんて無いわ。他の誰が何と言おうと、アンタ達は私にとって最高の使い魔よ。他の人間の評価なんて『知ったこっちゃない』わ」

その言葉にデルフは一度だけ鍔を鳴らし、沈黙を保った。
人間に例えれば、予想外の言葉を聞き、口をあんぐりと開けている様子にも見える。
そしてルイズのその言葉に、追従する様に声を放つ者が在った。

「同感だね」

ギーシュである。

「僕はアルビオンの人間じゃないからね……正直、皇太子達の気持ちは理解出来るけど、かといって君達を敵視する理由が無い」

彼はにやりと笑みを浮かべ、悪戯小僧の様な口調で言葉を続けた。

「……何より、君達とつるむのは楽しいしね。身勝手だけど、彼等が君達の事を幾ら敵視しようと、そんな事は『知ったこっちゃない』」

更に、タバサまでもがそれに続く。

「……別に、アルビオンがどうなろうと『知ったこっちゃない』」

そんな彼等を呆然と眺めていたキュルケだったが、大きく溜息をひとつ、彼女もまたそれに続いた。

「ま、言われてみればそうよね。この子はルイズを、延いては私達を守ってくれただけだし。確かにイイ男だけど、皇太子の心境なんか『知ったこっちゃない』わね」

一同が言いたい事を言い終えると、機内は沈黙とローター音に埋め尽くされる。
皆、この空飛ぶ鋼鉄の巨人と、一振りのインテリジェンスソードの反応を、ただ静かに待っていた。
やがて―――――

「ふ、ふふふ……」

小さな吐息に続き、盛大な笑い声が上がった。
かちゃかちゃと五月蝿く鍔を鳴らし、デルフは可笑しくて堪らないと言わんばかりに笑い続ける。
それを見遣る4人の顔にも、薄い笑みが浮かんでいた。


444 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 23:30:53 ID:UVTm10gI
感謝するぞ……この作品に『支援』できたことをッ!

445 :ディセプティコン・ゼロ:2007/09/29(土) 23:31:31 ID:8zwz9Kas

「ははは……バ、バカだぜオメェら! 底抜けのバカだ!」
「何よ、失礼ねー。本心を言っただけじゃない」
「全くだ。失敬にも程が在る」
「バカって言う方がバカ」
「この『微熱』を掴まえてバカとは言ってくれるじゃない」
「ああ悪ィ、俺もオメェらも大バカだ!」

くすくすと笑いながら、彼等もまた笑みを深くする。
やがてそれは声高な笑い声となり、ローター音を掻き消した。



ブラックアウトは雲を突き破り、アルビオンの上層へと躍り出る。
そして昨日の戦闘からどうにか持ち直した貴族派が、ニューカッスル城へと向かい決死の突撃を行う頭上を悠々と飛び抜け、そのまま南へと進路を変更した。
途端に恐慌に陥る貴族派陣営を無視し、ブラックアウトは最高速度にまで加速する。
やがて、大陸の端に沿って飛んでいる事に気付いたキュルケが、デルフへと疑問の声を投げ掛けた。

「ねえ、何処に向かってるの? こっちは南よ?」
「嘘!?」

その言葉に、慌ててコックピットへと駆け込もうとするルイズ。
しかし、デルフはそれを制す。

「まあ待て、娘っ子。今、説明してやる……この大陸に来た時な、相棒の感覚におかしな反応が在ったんだ。んで、昨日ロサイスから戻る時も、ほぼ同じ地点に反応が在った。しかもそいつの波長はな、相棒の発するエネルギーの波長にそっくりだったんだ」
「それって……」

デルフの言わんとする事を察したのか、ルイズ達は驚愕に目を見開く。
その反応に満足したのか、デルフは楽しそうに続けた。



「ひょっとすると、相棒の『お友達』かもしれんぜ」





今朝方までの雨に濡れた森の中、テファと才人は彼方の空を見詰め、無言のままに佇んでいた。
昨日の午後にロサイス近郊で発生した突発的な戦闘は収束したらしく、雲に覆われた空を照らしていた紅い光も深夜に消え、今は不気味な静寂のみが周囲に垂れ込めている。
幼い子供達は怯えて部屋から出ようとせず、年長の子供達が何とか宥めている有様だ。

無理も無い。
戦闘の際、ロサイスから響いてきた振動と轟音は、テファと才人ですら一度たりとも経験した事が無い程のものだった。
一度、青い光が瞬いた瞬間など、余りの振動にガラスが砕け散った程だ。
一時は戦域が拡大しているのかと危惧したが、程なくして振動が止んだ為、子供達を寝かし付けて2人はそのまま様子を窺い続けた。
爆発音などが止んだ後も地鳴りの様な音は響き続け、彼方の空は紅く染まったまま。
子供達の前でこそ不安など微塵も無いかの様に振舞ってはいたが、内心では2人とも先の展望に暗い影が浮かぶのを抑えられず、眠りに就く事も出来ずに時間が過ぎるのを待っていたのだ。
しかし、そんな2人を勇気付けてくれる者が居た。




446 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 23:32:22 ID:ccitESOJ
ルイズらに順調にメガトロン魂が植えつけられてるようで
支援

447 :ディセプティコン・ゼロ:2007/09/29(土) 23:33:00 ID:8zwz9Kas

才人とテファが腰を下ろす銀のボディ。
力強い響きと共に伝わる、高出力エンジンの駆動音。
地を駆ける鋼の騎馬。
ポンティアック・ソルスティス。



その真の名を―――――



「様子はどうなんだ、『ジャズ』?」



―――――『ジャズ』。



『……』

返事は無い。
普段は陽気で楽天家な彼が、まるで途轍もない危機的状況下にでも在るかの様に、何処か張り詰めた沈黙を保ったままエンジンの音だけを響かせている。
流石に才人とテファも異常を感じ取ったのか、訝しげな表情で問い掛けた。

「なあ、ホントにどうしたんだよ」
「ジャズさん?」

次の瞬間、ポンティアックの車体が跳ね上がり、一瞬にして人型へと変形すると、宙返りをして地面へと降り立った。
余りに瞬間的な出来事に、才人達は呆気に取られてジャズを見上げる。
そんな2人に向かって、機械音声の警告が飛ぶ。



『ここから離れろ! 急げ!』



その言葉に2人が反応する間も無く、ジャズはその右腕より、彼の全高の半分程も在る砲身を伸ばし、肩膝を突いて彼方へと狙いを定める。
擬似視界内に映り込むのは、此方へと一直線に向かい来る飛行物体の姿。
自らと同じく、この世界に存在する筈の無い、科学によって構築された鋼鉄の鳥。
それだけならば、まだ良い。
不幸にもこのハルケギニアに迷い込んだ、憐れな遭難者という可能性も在る。
……しかし。



この視界の端に映る、頭部を模した紋章が。
失われた記憶の片隅に巣食う『何か』が。
目標の傍らに表示された、己のものとは異なる禍々しい紋章が。

こう、囁くのだ。



『滅ぼせ』、と。




448 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 23:33:09 ID:IfcXS/fV
破壊大帝の復活は近いのかも…
支援!

449 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 23:33:29 ID:8MA4uH0B
私にいい考えがある!支援

450 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 23:33:34 ID:55wQZzHe
悪役となるかルイズ支援

451 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 23:34:29 ID:Va6+jV4J
お友達じゃねぇww支援

452 :ディセプティコン・ゼロ:2007/09/29(土) 23:34:30 ID:8zwz9Kas

「ジャズ!?」
「ぅあッ!?」

閃光の様な砲火と共に、高エネルギー体の銃弾が放たれる。
大気を揺るがす砲声、そして木々が薙ぎ倒される音の後、遥か彼方の空に紅蓮の華が咲き―――――



ウエストウッドの空を、轟音が埋め尽くした。


453 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 23:34:35 ID:MghyRlKX
このデルフはもはや『武器』ではなく『兵器』だな支援

454 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 23:34:46 ID:UN/5nVFh
遂にジャズが喋ったー! 支援

455 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 23:35:07 ID:55wQZzHe
本編でとうとう名前が出た台詞も出た支援

456 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 23:35:24 ID:IfcXS/fV
おぉおおぉおぉお!
不死身の男ジャズ推参!
ザ・ムービーで死ななかったから安心してたのによ
劇場版じゃしんじまって悲しかったぞコンチクショウ!

457 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 23:36:26 ID:YwEHdDuf
ルイズどうなる支援

458 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 23:37:05 ID:fz0ybAgx
支援
ところでブラックアウトも喋れんの?

459 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 23:37:36 ID:IfcXS/fV
ディセプティコンズ・ルイズ対オートボッツ・サイト
原作ヒロイン対原作主人公の異色の対決!
支援!

460 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 23:38:38 ID:8MA4uH0B
君が選ぶ君だけのヒーロー支援

461 :ディセプティコン・ゼロ:2007/09/29(土) 23:40:18 ID:8zwz9Kas
投下終了。
個人的な意見だが、曙蓬莱武術協会副会長平賀才人氏なら素手でブラックアウトを解体できると思うんだぜ?

長らくお待たせしました。
しかし、次の投下にも少し時間が掛かりそうです。
ご容赦を。

そして白状しよう……ダラ外はEASYの蟹しかノーミスクリアできないんだぜ?
GダラはEASYのクリオネで死ねるんじゃぜ?

>>424
跳ぶんだぜ……あの蟹はよ……

462 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 23:40:37 ID:KFVEPOLd
なぜかブラックアウトのオモチャだけ売ってなかったんだ支援

463 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 23:40:59 ID:ccitESOJ
才人、ティファニアを通じてフーケに言い包められそう。
ジャズ山は言わずもがな。
そしてGJ!


464 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 23:41:06 ID:IfcXS/fV
正直、プリテンダージャズとか見てみたい俺Jガイル
プリテンダーTFが出てきたらエライ事になるだろうな
鎧着た馬鹿でかいオッチャンが真っ二つに裂けてロボがでてくんだしw

465 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 23:42:15 ID:qf5PUo49
乙。GJ!

皆オデレータを待っていた!

466 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 23:42:18 ID:55wQZzHe
乙。余りにも無慈悲余りにも冷酷余りにも危険、これがッ!これがッ!ディセプティコンかッ!!
そして次回とうとうブラックアウト&ルイズたちvsジャズ&サイト&テファっぽくてどきどきが止まらぬ俺。

しかしさっきのダライアスとは180度空気が違うなおいw

467 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 23:42:39 ID:9F3R5wHx
ジャズ!今度は死ぬな!

468 :ディセプティコン・ゼロ:2007/09/29(土) 23:43:49 ID:8zwz9Kas
>>438
マジで?
ゴーストオブ・イエスタディじゃ真っ向からスタースクリームに挑んでたんですが。



速攻で伸されたけど。

469 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 23:44:53 ID:MghyRlKX
GJ!(ぐっどジャズ)
つか怖い、怖いよブラックアウト
喋って、映画前日譚の如く喋って!
大量破壊兵器じゃなくて超ロボット生命体だから!


470 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 23:47:03 ID:isGNhLh8
GJ
凄いことになりつつある・・・

471 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 23:49:47 ID:KFVEPOLd
GJ!GJ!

472 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 23:50:30 ID:8MA4uH0B
>>468
映画のキャラのCGを纏めた本に確か書いてありました。
まあ輸入書を訳したものだし、だいたいトランスフォーマーは性格違って当たり前なんで(笑)

それにしても、貴方は神か?

473 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 23:52:53 ID:IfcXS/fV
玩具設定と
コミック設定と
アニメ設定がまったく違うグリムロックの例もあるんだし
ソレハソレ

>>468
GJ!(ぐっどじゃぁーず)

474 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 23:54:56 ID:TAFq0M+7
GJ。

そして実家のPCでコツコツと書き溜めていた拙作が、機種変更と同時に
奇麗さっぱり消し去られていたorz

専用のPCが無いので、実家に戻るたびに少しづつ書いて、
もうすぐまとめて投下できるかと思っていたのに・・・。
チクショウ・・・チクショーーーーー。

475 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 23:55:44 ID:+bRqpe/1
お前は今、泣いていい!

476 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 23:57:15 ID:55wQZzHe
だが生きろ、生きる(そして書く)事が戦いだ!

477 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 23:58:50 ID:mXN7hOiz
>>474
ちゃんとバックアップしなきゃ駄目だよね・・・

478 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 23:59:40 ID:fc5Wxacz
忘却を苦しみから逃れる手段に使ってはならない。
だが、474だけにはそれが許される……いや、許されるような、気がする。


479 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 00:02:53 ID:B8RGU4e+
>>468
人が涙を流すなら、ディセプティコンは血を流す支援

480 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 00:04:54 ID:FeWKHee6
>>474
PCが自分のものじゃないならデータだけでもUSBメモリとかに入れて確保しとかなきゃ駄目だぜ

481 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 00:06:25 ID:9NlXnbrM
>>474
生きろ(´;ω;`)

482 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 00:06:30 ID:1XDNK0ni
凄まじくGJ
機械生命体?繋がりだったか…。
にしたって振れ幅違いすぎ。
でも両方面白かった。

483 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 00:06:39 ID:myo181uj
トランスフォーマーといえば、はるか昔に人間が変身するのがあったと思う。
フレスレットを使って戦闘服(?)に変身、さらに車に合体、変形した奴が。
これなら他のイベントをつぶさないで済むかな?とか思ったけど、
記憶が薄れすぎてジンライというキャラが居たことしか覚えていないので挫折しました。

484 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 00:06:57 ID:kQzIr2RP
>>474
一度書いた以上、プラス割り増しにして書きなおせるさ

485 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 00:09:12 ID:/jGxu0nF
>>483
ゴッドマスターかな?
頭に変形するのはヘッドマスター。
もとネタは鋼鉄ジーグだそうで。

486 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 00:12:20 ID:ZQUe9r/d
乙ーゥ、ジャァズ…

487 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 00:13:46 ID:ii5KEpdF
>>483
これだね、マスターフォース

http://jp.youtube.com/watch?v=CHFWTfPKwJI

トイの出来が非常に良いシリーズ
これにでてくるのは「ヘッドマスタージュニア」だ

488 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 00:17:18 ID:Olv1BJo+
トライガンキャラでこれと相性がいいのはなんだろう…


489 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 00:17:22 ID:PR0dZo8/
答エハ超神ダ
答エハ超神ダ
答エハ超神ダ

490 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 00:18:00 ID:m1bh2nO5
FFシリーズからならヴィンセント辺りが後腐れなくて良さそうかな・・・。
武器は銃だがそれだけが武器でないし。

491 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 00:19:50 ID:nVBUCjJS
>>488
ミリィあたりが面白そう

492 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 00:21:39 ID:/jGxu0nF
ああ、ゴルドランとか召喚したい・・・・

493 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 00:25:44 ID:rcczikzT
>>492
子持ち勇者め!

494 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 00:26:15 ID:bd6r+LmD
ワルドがワルター化する事になるのか?

495 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 00:26:56 ID:B8RGU4e+
>>492
なんだかんだあって改心したワルドがキャプテンシャークと契約して、
“正義の空賊イード船長”
を名乗ると申したか?

496 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 00:28:41 ID:bd6r+LmD
>>495
せ、拙者そのような事は決して……

497 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 00:29:03 ID:Ks0qGOJT
>>487
483読んだときはダグオン?と思ったがそんなの有ったのか、知らなかった

498 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 00:29:57 ID:2CNme/Ti
ガーディアンヒーローズから不死英雄戦士(アンデッドヒーロー召喚)

ウォォォォォ!!!!

499 :虚無の王:2007/09/30(日) 00:31:35 ID:BMuoO1yG
今、いけますー?

500 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 00:31:57 ID:c1hs95Xg
ジェイデッカーからデッカードを召喚するタバサ。
最初、勇太と違うミリキにハァハァするデッカードであったが、タバサが少女と気づき・・
【マックスキャノンモードで蒸発したと言う】

501 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 00:32:03 ID:ii5KEpdF
ダグオンのダグベースも
サンダーダグオンも
元々はTFトイなんだぜ

勇者シリーズはTFのリペイント・リデコレーションが結構多い
デスギャリガンもそーだし、轟龍もそうだ

502 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 00:32:16 ID:KAxiUKOH
>>488
泣き虫リヴィオとか良いんじゃないか?またはラズロの精神だけルイズに入るとか
ルイズは多分あのまま何にも対処しなかったらリヴィオみたいになってるような感じがする

503 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 00:34:31 ID:bd6r+LmD
>>499
あいてるよー

504 :虚無の王 Trick5 1/4:2007/09/30(日) 00:35:23 ID:BMuoO1yG
 “空”は風が積み重なって出来ている。空気の密度差、気流の隙間。その境界面に力が作用する時、風はいとも容易く、その流れを変える。
“翼の道〈ウイング・ロード〉”の走り手は、常人が決して気付く事の無い、僅かな兆しを頼りに風の流れを読み、面で捉え、“空”を掴む。
本塔の食堂へ向かう道中だ。空に向かって、小石が飛んだ。
 マントを羽織った少年が二人、下卑た笑みを交わしている。一人の手には、短い杖。性悪の餓鬼はどんな階級にでも居る者だ。やれやれ――――空は手を翳して、風を操作する。“空”は柔らかい壁へと形を変え、小石を受け止める。
 悲鳴は数秒遅れて聞こえて来た。声を上げたのは、“レビテーション”で小石を飛ばした当人では無かった。
「何?ねえ、何か有った?」
「なーんも、あらへん」
 体調を崩したのだろうか。生徒が一人倒れている。まあ、既に何人か駆け寄っている様だし、大丈夫だろう。この時、ルイズは少年の額に突き刺さった小石に気付かなかった。
 一方、空は無言で左手を見つめる。
 悪餓鬼に少しばかりお灸を据えてやるつもりだった。軽く石をぶつけようと、風を押し出した。所が、風に乗った小石は、弾丸に化けた。控え目に見ても、あの小僧の頭蓋骨には罅が入っただろう。
 手背部の文字列を撫でる。一瞬、左手のルーンが見せた輝きを、空は見逃していなかった。


 食堂の豪華さは、空を驚かせるよりも、寧ろ呆れ返らせた。その表情を都合良く解釈したルイズは、自慢気に講釈する。曰く、この学院で教えるのは魔法だけでは無い。『貴族は魔法をもってして、その精神となす』のモットーの下、貴族たるべき教育を存分に受けるのだ、と。
「で、その精神ちゅーのは体重の事か?」
「え?」
「ま、肥満は富と偉大さの象徴、なんて社会は別段珍しゅうないけど、朝にこの量はえげつ無いわ。胸焼けがしよる」
「貴族としての作法を身につける為に、必要なのよ」
「太るで?それとも、まさか、とりすていんは太ってる程美人、なんて悪夢の国やないやろな。もし、そうやったら、ワイ耐えられへん。今、この瞬間にも、ヨソに亡命させて貰う」
「ふ、太らないもん。魔法はエネルギーを使うんだから」
 ルイズに椅子を引いてやりながら、改めて食堂を一瞥する。学年別の、豪奢な長テーブルには、巨大な鳥のローストや、鱒形のパイ、果物を山と盛った籠が、所狭しと並んでいる。
 ルイズは二年生だ。一年、この食生活を続けて来て、この体型。なるほど。魔法は莫大なエネルギーを消費する、と言う御主人様の言葉には極めて説得力が有る。ハルケギニアも質量保存則に縛られている点では、変わりが無いのだろう。
「胃腸が弱いと貴族は務まらんのやな。相撲部屋の新弟子みたいな話や」
「あんた、何言ってるの?」
 と、給仕に飛び回るシエスタが目に止まった。混み合う食堂を、飛翔の靴でスルスル走り抜ける姿は必要以上に目立つ。男子生徒が次々と振り向き、後から脚を覗き込む。
「あんたも、あー言うの好きなの?」
「あの娘が履いとんのと、よー似た物がワイの国にあってな。ちょい、気になっとる」
「あんたの国、て、聞けば聞くほど、ヘンだわ」
「あれ、なかなかいい腕持っとるで」
「玩具でしょ。ただの。あんな物に皆はしゃいじゃって。馬鹿みたい」
 そうこう話している間にも、シエスタは飛ぶ様に近付いて来た。なるほど、飛翔の靴とはよく言った物だ。手にする盆には、丁度、ホテルの朝食に並ぶ様な料理が乗っている。
「はい、どうぞ」
「おう。さんきゅー」
 クルリと一転、料理を盆ごと手渡すと、シエスタは笑顔で走り去った。
 アルヴィーズの食堂に平民の席は無い。空は盆を膝の上に乗せて、食事を始める。
「使い魔の食事としては、贅沢が過ぎるんじゃない?」
「この体を維持するには、こん位は要る」
 そんな風にして肉体を鍛えて、どうするのか――――ルイズはそう聞こうとして、止めた。最後には、空の脚に言及せざる得なくなりそうな気がしたからだ。
 一方、しつこく追求されなかった事に、空は安堵した。例え、元の世界に戻った所で、その時、戦える体でなければ意味が無い。十分な食事は、決して譲る事の出来ない一線だった。


505 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 00:35:31 ID:c1hs95Xg
>>499
カモン!
 
It’s!(はじまるよ!)

506 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 00:36:55 ID:nVBUCjJS
スペインあたりはふくよかな方が良いんだっけ?支援

507 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 00:37:23 ID:elvQtFnm
>>502
その場合キュルケ、タバサ、ギーシュがパニッシャーの運び屋になるのか?

508 :虚無の王:2007/09/30(日) 00:40:23 ID:BMuoO1yG
と、スンマセン

計算したつもりでしたけど、本文容量でひっかかりました。

修正してから、後で投下します。

509 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 00:41:12 ID:kpdSdM98
食文化っつーか食料が不安定だったりする地域じゃ太ってるほうが美人に見えるとかなんとか
現代日本人でも腹空かした時と満腹でどんな女性を美人と感じるか変動したそうだ
支援

510 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 00:41:25 ID:SzECVf/K
しえん

511 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 00:42:07 ID:/s0Hf7s1
>>506
そこで平安時代の日本

しかしシエスタのご先祖の正体は?支援

512 :虚無の王:2007/09/30(日) 00:47:00 ID:BMuoO1yG
思ったより早く、修正済みました。予約入らなければ続けます。

513 :虚無の王 Trick5 2/8:2007/09/30(日) 00:47:58 ID:BMuoO1yG
 魔法学院の教室は、大学の講義室を思わせた。ルイズと空を、失笑が出迎える。嫌な笑い方だった。ハウス名作劇場なら、不幸な境遇から一転、幸福を掴んだヒロインを、臍を噛みつつ見送らねばならない、そんな端役の臭いがする。
 生徒達は各々の使い魔を連れている。カラスが居る。フクロウが居る。窓の外には大きな蛇。キュルケのサラマンダーが、机の下で眠っている。

「本日未明、トリステイン魔法学院に通う二年生ソレナンテ=エ=ロゲ君が、使い魔である熊に襲われ死亡しました――――」
「……何言ってるの、あんた?」
「大抵の使い魔はケダモノやろ。そないな事件起きても不思議やないなあ、て……」
「あんた、馬鹿?使い魔が主人を襲う訳が無いでしょ」
「なんで?」
「なんで、て……そう言う物なの!召喚した途端、暴れ出されたら大変でしょ。だから暴れ無い状態で呼び出すの」

 なるほど。自分は失神状態で召喚された。だが、その後は?見た所、使い魔は必ずしも知性が期待出来る生き物ばかりでは無い。どうやって主人の安全を保証する?
 左手のルーンを見つめる。どうも、これには色々と秘密が有りそうだ。
 その点に付いて尋ねようとした時、教師と思しき女性が現れた。紫のローブに帽子を被った女性だ。
 ミス・シュヴルーズは教室を満足そうな笑顔で見回した。春の新学期、生徒の新たな使い魔達を目にするのは、彼女の大きな楽しみなのだ。
 その目が、空で止まった。劣等感に駆られて、ルイズは俯く。だが、中年女性教師が見せた反応は、彼女の想像を絶した物だった。

「あ……お、おはようございます。ミスタ・空」
「ん。おはよーさん」

 シュヴルーズはポっと顔を赤らめ、目を逸らした。教室にどよめきが走る。

「あ、あんた、ミス・シュヴルーズと何時知り合ったの?」
「今朝」
「で、一 体、何 を し た の?」
「なーんも」

 シュヴルーズは生徒の様子に気付いて、一つ咳払いをすると、教室に向き直った。

「み、皆さん。春の使い魔召喚は、大成功の様ですわね――――特に、ミス・ヴァリエールはす、素敵な使い魔を……――――」

 また、顔を赤らめて口籠もるシュヴルーズ。生徒達のどよめきが大きくなる。なんだ、何事だ、何が起きている。

「あああ、あんた、いい一体、何したのよっ!」
「だから、なーんも。なーんもしてへん」
「うう、嘘おっしゃい!だ、だってミス・シュヴルーズの様子、ヘン!完全にヘンよ!ヘンじゃない!」
「言うたやろ。ワイも年食って落ち着いたさかい。ガキとおばはんには興味あらへん」

 昔は法律家が卒倒する様な年齢から、米寿まで、ストライクゾーンが球場全体よりも広かったのは秘密だ。

「ここ、子供です、て!い、言うに事欠いて子供です、て!ドサクサに紛れて何言うのかしら、この使い魔は!」
「ミス・ヴァリエール。私語は慎みなさい」

 シュヴルーズは態とらしく咳をする。生徒達のどよめきと、囁き声は、物理的に収まっていた。右も左も、生徒と言う生徒の口に、赤土が詰まっている。


514 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 00:49:32 ID:t/tY2EHg
しえーん

515 :虚無の王 Trick5 3/8:2007/09/30(日) 00:50:38 ID:BMuoO1yG
 何とも表現し難い空気の中で、授業が始まる。赤土が外された後も、生徒達がそろって無言だったのは、決して彼等が真面目な優等生揃いだから、と言う訳では無かった。
 まず、魔法の四代系統について簡単なおさらい。社会における、土の系統の役割と、その重要性。そして、自ら練金の魔法を実践。小さな石コロが、ピカピカと光る金属に変わる。

「ゴゴ、ゴールドですか?ミス・シュヴルーズ!」

 キュルケが身を乗り出す。女は光り物に弱い。これはどんな世界でも、変わらない様だ。

「違います。ただの真鍮です。金を練金出来るのはスクウェア・クラスのメイジだけです。私はただのトライアングルですから……」

 さて、次は誰かに実践して貰いましょう――――ルイズは嫌な予感がした。他の生徒達もそうだった。授業が始まってから、シュヴルーズは殆ど一箇所しか見ていない。すると、指名されるのは……

「そうですね。ミス・ヴァリエール。貴女にやって貰いましょう。この石ころを、望む金属に変えてごらんなさい」

 予想通りの一言に、生徒達は騒然となった。

「先生!止めた方がいいと思います!寧ろ、止めて下さい!」
「危険です!」

 血相を変える生徒達に、シュヴルーズは怪訝な顔をした。ルイズは努力家と聞いている。メイジとして優秀か、と言うと、コルベール辺りは、「というか、むしろ無能というか……」と、言葉を濁すフリをして、かなり酷い事を言う。
 だから、なんだ。失敗を恐れていては何も出来ない。コルベールの教師にあるまじき言い種への反感も有って、シュヴルーズは再度ルイズを促した。

「ルイズ。止めて」

 顔面蒼白のキュルケに、空は訝しむ。今朝の様子からは、信じられない態度だ。ルイズが立ち上がり、教壇へ進むと、生徒達は銃撃戦にでも備えるかの様に、机に身を隠す。どうなっている?我が御主人様は馬鹿にされているのか、恐れられているのか……

「ミス・ヴァリエール。練金したい金属を、強く心に思い浮かべるのです」

 生徒達の様子に、空は念の為、左手を翳し――――右手に変えた。左手は動かさず、ルーンを目の片隅に捉えておく。
 ルイズが杖を手に、呪文を唱えている。

 祈り……詠唱……囁き……念じろ……

 石が光り――――爆発が教室の窓を突き破った。


516 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 00:51:38 ID:c1hs95Xg
*おおっと!* 支援

517 :虚無の王 Trick5 4/8:2007/09/30(日) 00:52:29 ID:BMuoO1yG
 平和な教室は、一転、阿鼻叫喚の地獄絵図と化した。爆発にただ驚いたのか、その衝撃で野生を取り戻したのか、大人しかった使い魔達が次々と暴れ出す。火炎の吐息が飛び交い、紫電が走り、突風が狭い教室を駆け抜ける。

「目が!目がぁーっ!」
「誰か来て!お願い、誰か……!」
「俺のラッキーが!俺のラッキーが蛇に食われた!」
「落ち着け!クヴァーシル !落ち着け!」
「眼鏡、眼鏡……」

 なるほど――――風の壁により、唯一人惨事を免れた空は、生徒達の不可解な態度に納得した。魔法が成功しないから馬鹿にされる。惨事を引き起こすから、恐れられる。よく二年に進級出来た物だ。
 どうも自分は、とんだババを引いたらしい。空は失笑した。
 もう一つ、気付いた事が有る。右手で風を操った時も、やはり左手のルーンが光った。一体、これはなんだろう?

「だから言ったのよ!だから言ったのよ!あいつにはやらせるなって……!」
「誰か、あいつを退学にしろ!」

 粉塵の中で蠢く影が、次々と罵声を上げる。まあ、無理も無いだろう。苦笑を浮かべた時、一つの声が耳朶を打った。

「ゼロのルイズ!」

 召喚されてから、何度も聞いた言葉だ。今まで、意味が判らなかった。

「ゼロ!」
「ゼロのルイズ!」
「ゼロ!」
「ゼロ!」
「ZERO!」

 生徒達は口々に叫ぶ。空の顔から、表情が消えた。


518 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 00:53:50 ID:kpdSdM98
ささやき いのり えいしょう ねんじろ しえん

519 :虚無の王 Trick5 5/8:2007/09/30(日) 00:54:18 ID:BMuoO1yG
 SA−503Bは“研究所”で生まれた。そこだけが、世界の全てだった。
 SA−503Bは名を持たなかった。そんな物は必要と認められなかった。
 SA−503Bは人間では無かった。そう見なされていなかった。
 研究には莫大な費用がかかる。成果の出ない研究に資金は出せない。実験体の“選別”が決まった。出来損ないは処分する。

「ふざけるなっ!!勝手につくっておいて、いらなくなったら捨てるのかっ!!」

 誰かが叫んだ。重力子〈グラビティ・チルドレン〉随一の能力を持つ仲間が体を張った事で、選別は阻止された。
 その様子を、SA−503Bは壁陰から見ていた。一人の男が気付いた。無闇にガタイの良い男だ。カタギでは無いだろう。
 男はさも、つまらない物を見つけた顔で言った。

「Hey!zero boy〈よう、チンカス〉」


520 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 00:56:01 ID:c1hs95Xg
そう言えば日付で言えば昨日、エア・ギア5巻まで買ったぜ支援。

521 :虚無の王 Trick5 6/8:2007/09/30(日) 00:56:29 ID:BMuoO1yG
 至近で爆発を浴びたルイズが立ち上がるには、少し時間が必要だった。顔は煤でまみれていた。ブラウスは破れていた。スカートは裂けていた。白い肩と、白い下着が覗いていた。
 ルイズは教室の惨状も、着衣の乱れも意に介した様子を見せず、ハンカチで顔の煤を拭き取った。

「ちょっと失敗したみたいね」

 淡々と言いながらも、内心で身構える。ここで罵声が飛んで来る。続いて嘲笑だ。その展開には慣れている。だからと言って、悔しさに慣れる訳では無い。どうしても、情けない気持ちになる。
 予想に反して、罵声は無かった。聞こえて来たのは、愉快そうに手を打つ音と、笑い声だけだ。異様な沈黙の中で、その両者はいやに高らかに響いた。

「ハ、ハ、ハ……!サイッコーや、ルイズ!」

 空だ。嘗ては机だった木材が散乱する真ん中で、陽気に手を叩いている。

「これで失敗、て。成功したらどないな威力になるねん。建物吹っ飛ぶで!」

 空は大げさに両腕を開く。使い魔が自分の失敗をあげつらい、笑っている。普段のルイズなら怒り狂い、存分に“躾”をしてやる所だ。
 だが、今は“普段”とは違った。ルイズでは無く、教室の様子が違った。口を揃えて自分を侮辱する筈の生徒達は、皆、一様に目を伏して、顔を逸らしていた。使い魔達まで信じられない程、大人しい。

 一体、どうなってるの――――?

 茫然としている間に、空が目の前までやって来た。

「あーあー。髪、ぐしゃぐしゃやんか」

 ルイズに前屈みをさせると、取り出した櫛で桃色の髪を整える。事態が飲み込めないメイジの少女は、使い魔のされるがままに身を任せた。

「今、着替え持ってくる。待っとき」

 空は笑顔で教室を去る。重苦しい沈黙だけが、後に残された。


522 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 00:58:22 ID:jzbxMSrM
空支援

523 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 00:58:30 ID:/jGxu0nF
いい展開支援

524 :虚無の王 Trick5 7/8:2007/09/30(日) 00:58:52 ID:BMuoO1yG
 ルイズが爆砕した教室は、どこから片づけて良いのか、判らない有様だった。罰として魔法の使用は禁止されたが、どの道、室内を破壊的な意味で一掃する気が無い限り、どうでも良い事だ。

「魔法、苦手なんか?」

 その問いに、ルイズは答えなかった。無惨に変わり果てた教室の後片づけを始めてから、一言も発していない。

「虚無とか言うんは、失われてる。今有るのは、土、水、火、風。今朝の姉ちゃんは火が得意やってな――――ルイズは何が得意や?」

 ルイズは答えない。振り向きもしない。空は嘆息した。

「しっかし、一度の失敗でこの有様か。一年の教室とか、大変な事になってそうやな。街から離れた所に建ってるのも、よう判るわ」
「随分、遠回しな嫌味ね」

 背中越しに、冷たい声がした。感情を押し殺した声だ。それきり、またルイズは黙り込んだ。

「なるほど。こないな事になるのは、お前だけか。ま、そやないかと思ったわ――――」

 失敗=爆発なら、実習は必ず屋外で行うだろう。他の生徒達がルイズを嘲りながら、恐れる態度にも説明がつかない。

「そいで、多分、四つの系統はどれも得意や無い。もっとはっきり言うと、どれも使えない。違うか?」

 沈黙――――空は肯定と判断する。系統を一つも足せないからゼロ。成功確率ゼロ。どちらが二つ名の根拠かは判らない。両方かも知れない。どちらにしても、出来損ないの烙印だ。子供と言う奴は純粋故に、平気で残酷な事をする。

「得意な系統は無し。出来る魔法は一つだけか」
「……―――― 一つも無いわよ」
「有るやろ。召喚、契約抜きで」
「何が有る、て言うの?」
「爆発が有るやろ」

 乾いた音が鳴った。振り向き様に、繊手が空の頬を張っていた。

「ああ、あんた、どどどどこまで人を馬鹿にすれば……――――っ」

 怒りのあまりに、声が震えている。再び、手が振るう。空はその細い腕を、正面から受け止めた。


525 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 01:01:04 ID:kpdSdM98
あの爆発って人間に丁度当たれば冗談抜きに消し飛ぶよな支援

526 :虚無の王 Trick5 8/8:2007/09/30(日) 01:02:09 ID:BMuoO1yG
「は、放しなさいよっ!」
「言うとくけどな。ワイは一つも馬鹿にする気なんてあらへんで」

 そのまま、強引に引き寄せられた。息が届かんばかりの距離だ。間近から目を覗き込まれて、ルイズは身を強張らせる。

「他の連中は爆発起こさへん。いや、起こせへん。なら、それはお前にしか出来へん、お前だけの魔法やろ。お前だけの“道”やろ」
「何が私だけの魔法よ……」

 小さい頃から、誰も自分には期待しなかった。誰もが自分を馬鹿にした。そんな物が、自分の唯一の特性であり、道だと言うのなら、そんな物は要らない。平凡でも良いから、きちんとしたメイジになりたい。

「ワイの国の伝承、お前には話した事無かったな。“トロパイオンの塔”の頂に、八人の“王”と八つの“玉璽〈レガリア〉”が揃う時、伝説の“空の王”が降臨する――――」
「また、“王”?――――あんたが元王?そんなの、信じられない」
「誤解すんの当然やけど、“王”ちゅーのはお前が考えとる様な、“国王様”やない。“道”を極めた者の称号や。この国に譬えるなら、それぞれの系統でハルケギニア一番の使い手が、“王”てことや」
「あんたの国には、系統が8つ有るの?」
「それや――――なして、“王”は八人やと思う?」
「だから系統……その“道”が8つだからでしょう」
「そないな事、別に誰が決めた訳でもあらへん。ソイツの特色と、極めようとする意志さえあれば、それが“道”や」

 極端な事を言えば、ライダーの数だけ“道”が有り、“王”が居る、と言って良い。では、何故、八人なのか。

「“道”は数有れど、“塔”の頂の更に上、“空”にまで至る“道”を持つ“王”は、今ん所、八人しか居らん。それだけや」

 それは、系統も同じではないのか。系統魔法が生まれたその瞬間から、現在の形であった筈が無い。成立の過程で、必ず試行錯誤があり、取捨選択が行われた筈だ。最終的に4ついずれかに統合され、或いは廃棄された魔法・系統も存在しただろう。

「メイジかてそうや。同じ系統、同じクラスのメイジは全く同じ物や無いやろ。個々で特色は違う筈や。ただ、大抵の奴らの特色は、4つの系統に収まる程度の物で、お前はそうや無い。それだけの話や」
「だから、何よ……そんな物が何になるの?得意気に爆発を起こしたって、馬鹿にされるだけよ……誰も認めてくれないわ」
「なら、認めさせればええ。“道”を“塔”の上まで伸ばせばええ。お前の爆発が、四系統に匹敵すると証明すればええ。六つ目の系統にすればええ」
「そんな事、出来る訳無いじゃないっ!」
「小さい頃から言うたな。今まで、四系統練習しとって、一度でもピンと来た事あるんか?」

 得意な系統を唱える時、体の中に何かが生まれ、循環し、リズムとなる。両親は、姉達はそう言っていた。自分に、そんな体験は一度も無い。

「その面見れば判るわ。無いやろ。今まで10年かけて、何一つ成果上がっとらん物が、これから10年やったかて巧く行くかい。コッパゲもシュヴセンセも、お前が努力家やて褒めてたけどな、身にならん努力なんて、ただの“フリ”やで」
「!――――放して!」

 ルイズは空の手を振り払った。手首に痛みが残った。情けない気分になって、ルイズは目を伏せた。

「お前、めっちゃナメられとんで。悔しないんか?」
「……あんたなんかには、判らないわよ――――」
「ワイ、魔法の事はなーんも、判らへんけどな。爆発には詳しいで。その原理、応用技術。その気になったら言えや――――」

 空はルイズを真っ直ぐに見据えたまま、天を指す。

「ワイが“空”の飛び方、教えたるっ」


 ――――To be continued


527 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 01:02:17 ID:zNpFnjAA
そこでレビテーションですよ支援

528 :虚無の王:2007/09/30(日) 01:04:25 ID:BMuoO1yG
今回はここまでです。

途中、トラブッてしまって、すみません。
60行使えるからって、ギリギリで計算しちゃダメですね。
やはり、事故防止には遊びがないと。

ともあれ、御支援アリガトございましたー

529 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 01:05:50 ID:iplrTKBb
かっこええ
さすが空の王

530 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 01:10:21 ID:KDQIZyNw
このルイズは祈祷書にかかれてるような真面目な詠唱の虚無じゃなくて自己流で試行錯誤させて自分の魔法を作るのかな。

531 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 01:17:34 ID:kQzIr2RP
教室で何があったのか気になるねえ

532 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 01:26:24 ID:Ks0qGOJT
平安時代と聞いて佐為召喚をふと思ったが囲碁無いから無意味?

533 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 01:31:07 ID:ZBE4C+R3
月島瑠璃子を召喚

ルイズちゃんすごい才能あるよ・・・電波の

チリチリチリチリチリチリ

ルイズ、地球破壊爆弾を習得

534 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 01:34:10 ID:zAmCWb+J
>>532
「ハルケギニア大陸において囲碁は全てである。
 俺の白石を取ってくれはプロポーズの言葉は最早使われすぎて陳腐であるにも係わらず〜」
ぐらいの改変を加えればなんとかw

535 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 01:34:25 ID:FeWKHee6
>>532
丹下&サイト召喚のように世界観そのものを変えちゃえばありじゃね?
丹下召喚は魔法じゃなくてボクシングをブリミルが広めたことになってたし

ブリミルが碁を広めたことにして魔法学園じゃなくて院生にしちゃえばいい

536 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 01:35:01 ID:dJbN8OyN
>>533
避難所にあるぜ。

537 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 01:35:24 ID:I1DIhq9a
空の人GJ!
ルイズの爆発は普通に人殺せると思います。

538 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 01:35:52 ID:zAmCWb+J
ぐはぁ! ケコーンww

539 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 01:37:04 ID:FeWKHee6
ぎゃ〜
バージンロードを一緒に歩きますか……

540 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 01:38:55 ID:Q1x5QZgi
ボルト・クランクを召喚

というか、超人ロックに並ぶ何でも有りなボルトの場合、
ブリミルと面識有ってもおかしくなかったりするから困る

541 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 01:42:34 ID:NNUA4674
小ネタ投下よろしいでしょうか?

542 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 01:42:37 ID:Ldwy/aHV
>>540
むしろ無いほうが不自然な気がする。
それがボルトマジック。

543 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 01:43:34 ID:+rYLHcRq
ハルケギニアってネジあんのかな……?
それはそれとして支援

544 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 01:45:42 ID:fEulJgcG
超人と言われるとどうしてもフランクさんが思い浮かぶから困る
あの人ならガンダールヴ無しでも七万相手に勝ちそうだ
何、オレンジジュースが二十本もあれば十分だろう

545 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 01:46:09 ID:twTy3i+t
火縄銃ですらネジが使われていたからあっても不思議ではない支援

546 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 01:46:46 ID:0TeX8OAD
ネジが無ければマスケット銃が造れません
支援

547 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 01:47:00 ID:m+yH/PmC
食卓にビールをから『わたし』を召喚。
しかし、比較的短時間で『わたし』を回収しないとらしさがでないので難しい。

548 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 01:48:55 ID:xoFWt3KJ
>>541
カモン

549 :名無しさん@お腹いっぱい:2007/09/30(日) 01:49:44 ID:GFQRYL4E

 ボルト・クランク召喚は難しくね?

 コブラ召喚ネタといっしょで滅茶苦茶ハードル高くなってまう・・・・。

550 :ゼロのルイズ:2007/09/30(日) 01:50:45 ID:NNUA4674
 まったく同じ言葉、あるいは名称であっても、時としてそれはまるで正反対であったり、または異なる意味となることもある。
 ここに一人の少女がいる。
 名をルイズという。
 メイジでありながら、魔法が使えない。
 成功率ゼロ。
 そんなところから、ひと呼んでゼロのルイズ。
 この二つ名は生涯変わることはなかったけれど、ある時期から、それはまったく異なる意味を持つようになる。
 それは何かというと…………。


 「……あんた、何?」

 召喚した使い魔と契約を終えた後、ルイズは引きつった表情で、己の従者となった生き物に向かってつぶやいた。
 珍しい生き物ですな、などと教師は言っていたが、ルイズ自身はあまり喜べずにいた。
 召喚したその生き物はどこをどう見ても、すごそうには見えなかったからだ。
 一言で言うなら、丸い魚チックな生き物だった。
 本当に真ん丸いのだ。
 よく言えば可愛いが、悪く言えば間抜けな姿だった。

 ほえええ……。

 鳴き声もひどく間抜けだった。
 ふよふよと空中に浮かんでいるが、動きも鈍そう、というかちいとも動かない。
 使い魔のルーンが刻まれている時もぬぼうっとしたままだった(ちなみにルーンは額あたりに)。
 有効性を期待するのは恐ろしく不毛な予感がする。

 「あんた、なんて生き物?」

 ルイズはこのおかしな使い魔の顔(というか、体全体が大きな顔みたいでもあるが)をのぞきこみながらつぶやく。

 ――……くーよん。

 「へ?」

 その時、ルイズの頭に何か声のようなものが響いた。
 驚いてキョロキョロとしていると、とんでもないことが起こった。
 使い魔が。
 召喚したばかりの使い魔が、消えてしまったのだ。
 まるで、煙か何かのように。

 「……はい?」

 ルイズは事態が飲み込めず、しばらくぼーぜんとしていた。
 他の生徒たちから、嘲笑を投げつけられるまで。

551 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 01:52:19 ID:PZIak/PB
クーヨンktkr

552 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 01:52:20 ID:xoFWt3KJ
元ネタ分からんが支援

553 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 01:52:48 ID:bd6r+LmD
丸い魚ちっくと言われて一瞬金魚注意報思い出したわ支援

554 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 01:52:49 ID:ZB+RSqn+
使役すると死ぬぞw

555 :ゼロのルイズ:2007/09/30(日) 01:52:59 ID:NNUA4674
 朝になって、ルイズは重苦しい気分でベッドから目を覚ました。
 気分だけでなく、体全体も重苦しい。
 ベッドで泣き伏し続け、そのまま眠ってしまったようだ。
 自分ではわからないが、目が真っ赤になり、その下には痛々しい隈ができている。
 せっかく召喚したはずの使い魔。
 それが、逃げてしまった。
 というより、どこかへ消えてしまった。
 そこまで思い出し、ルイズは思考を止めた。
 頭の中を、毒蛇がのたくっているような、嫌な気分になってきたのだ。
 胸がむかむかして、吐き気もしてくる。
 そのくせ、心がざわつき、落ち着かない。
 ゼロ。
 成功率ゼロ。
 ゼロのルイズ。
 そんな言葉が頭の中でぐるぐるとまわっていた。
 何だか、わけのわからない気持ちになってきた。
 悔しいのか、悲しいのか、それとも情けないのか。
 あるいはその全てなのか、そのどれでもないのか。
 ルイズはのろりのろりと身を起こして、何気なく机の上を見た。
 ペン刺しのペン。
 するりと抜いてみる。
 先がとがっている。当たり前だが。
 ルイズは、ぼけっと手にしたペンを見ていたが、ふと妙な気持ちになった。
 急に、ペンを自分の腕に突き刺してみたくなったのだ。
 手の甲でも平でも、どこでもいい。
 とにかく自分の体を傷つけたい衝動に駆られた。
 そして、ぐいとペンを振り上げてから、そのまま動かなくなった。

 (何やってんのよ……!)

 すんでのところで、行動を制止する。
 そんなことをして何になるのか、自分が痛いだけである。
 ルイズはいらだつ気持ちを抑えきれず、ペンを床に叩きつけた。
 これというのも、あの忌々しいボールのせいだ。
 いきなり幽霊みたいに消えやがって。
 契約したご主人様を無視して。
 おかげで、自分がどれだけ恥をかいたか。
 覚えていろ。
 もし見つけたら、

 (どっかにいるってんなら、出てきなさいよ!! ただですまさないんだから!!!)

 ルイズは心の中で、叫んだ。

 ぼうん。

 「うひゃ!」

 いきなり、間抜けな音がした。
 ひっくり返りそうになりながら、ルイズは何事か目を凝らす。
 そして、本当にひっくり返った。
 そこには消えた使い魔が、相変わらずの間抜け面でふよふよ浮かんでいたからだ。

556 :ゼロのルイズ:2007/09/30(日) 01:54:20 ID:NNUA4674
 「出てきなさい」

 小声でルイズは呼びかけた。

 ぼうん。

 音を立てて、ルイズの前に使い魔が現れる。

 「うーーん……」

 何回かのテストの後、ルイズは3つのことを理解した。

 1、使い魔は逃げたわけでなかった。
 2、使い魔はしばらくすると消えてしまう。
 3、使い魔はルイズの声(正確には意思)に応えて姿を現す。

 「けっこうすごい感じではあるんだけど……」

 しかし、だからどうだという気もする。
 呼び出せばすぐに出てくるところは便利だが、

 (こいつに何ができるか、よねえ?)

 ただそこでぬぼっとしているだけなら、普通の猫や鼠でも召喚したほうがまだましである。

 (でもまあ、ここは……)

 ひとまず契約は成功していたというところが大事だろう。

 (このことを、ミスタ・コルベールに説明しとかないと)

 そう考えるとじっとしてはいられない。
 ルイズは乱れた髪を簡単に整え、部屋を飛び出した。
 途中でキュルケと出くわしたが、無視する。
 今は相手にする気分でなかったし、そんな暇もない。

 コルベールのもとに向かいながら、ルイズが先ほどと異なる棟のざわめきを感じていた。
 先のそれが暗いマイナスなものなら、これはプラス。
 これから、いいことが起こりそうな気がする。
 そんな予感がむくむくと膨らんでいた。
 ただし、そのいいことが、ルイズにとってはよくても、他の人間にはどうであるのか。
 ルイズはそんなことは考えもしなかったのだけれど。


557 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 01:54:43 ID:Tgu8bDMo
穀潰しキタコレ。
ハルケギニアの魔法はマナによるものなのか。支援

558 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 01:54:50 ID:KAxiUKOH
獣魔術のクーヨンかw
死ねるなルイズ…

559 :ゼロのルイズ:2007/09/30(日) 01:57:47 ID:NNUA4674
 きっかけは何だったのか。
 思い出せばくだらない言い争いが原因だったのかもしれない。
 気がついた時には、食堂でギーシュと言い争いになっていた。
 だが、決定的なスイッチとなってしまったのは、このやり取りだろう。

 「君のその、丸っこい使い魔に何ができるというんだい?」

 「さあね? でも、あんたの死ぬほど不細工なモグラよりは可愛いんじゃない?」

 売り言葉に買い言葉とはいうけれど……。
 それはギーシュをぷっつんさせるには十分すぎる威力を持っていた。
 何だかかんだで、ルイズはギーシュと決闘することになってしまった。
 ルイズは、不思議と負ける気はしなかった。
 それは予感というよりも確信に近かった。
 何故そんなことを思ったのかは、謎であるが。
 決闘の前にギーシュが何か言っていたが、ルイズは聞いていなかった。
 それよりも、早く使い魔を呼び出したくてうずうずしていたのだ。
 そんなルイズのなめきった態度に、ギーシュはマジ切れしたのだろう、お得意の青銅ゴーレムを呼び出し、いきなり突進させてきた。
 ルイズは目の前に出されたご馳走を出され、さあどうぞと言われたような気分で、

 「出てきなさい!!」

 使い魔を呼んだ。
 主人の呼びかけに応じた使い魔は、この時通常とは異なる行動に出た。
 いや、今までは呼び出しても何もしなかったのだが。

 ほええええええええええええ!!

 使い魔はその口から、何かきらきらと光る粒子のごときをものを吐き出したのだ。
 その美しい、宝石の雪のようなものが周囲に降り注いだ瞬間、ギーシュのゴーレムはぼろりと崩れた。

 「え? な? なんで??」

 うそだろという顔つきで、ギーシュはまたゴーレムを出そうとする。
 が、無駄だった。
 形を形成する前に、ゴーレムはぼろぼろと土くれになってしまう。
 しまいには、それさえも起こらなくなった。
 硬直するギーシュの真横を、強烈な爆裂が通り過ぎた。
 ルイズの失敗魔法。
 普段ならば嘲笑の対象であるそれは、この時のギーシュには悪魔の凶器であった。

 「……まいった」

 「な〜に〜? 聞こえんな〜〜〜」

 かすれる声でいうギーシュに、ルイズは死ぬほど邪悪な笑みを浮かべながら、ゆっくりと広げた右手を突き出す。

 「具合でも悪いのかしら〜〜? じゃ、下手糞で悪いけど、回復の魔法かけたげるわ」


 煙をあげながら倒れるギーシュを見下ろしながら、ルイズは自分の使い魔の能力を理解しはじめていた。
 何故、負ける気がしなかったのか。
 それは、もしかすると契約を通じて、無意識ながら、使い魔の能力がルイズに伝えられたのかもしれない。
 いずれにしろ、

 (これはいけるかも……!!)

 ルイズは笑った。

560 :ゼロのルイズ:2007/09/30(日) 02:00:16 ID:NNUA4674
 ルイズが使い魔の能力の、本当の凄まじさを理解するのは、のちにフーケ事件と呼ばれる騒ぎでのことだった。
 土くれのフーケと呼ばれる盗賊。
 それが学園の宝物庫を狙ってきたのだ。
 とはいえ、その時ルイズはそんなことなど知るよしもなかった。
 ただ、夜散歩をしていたら、いきなりばかでかいゴーレムに出くわしたのだ。
 最初はかなりびびっていた。
 けれど、それだけにその後はかなりリラックスしてしまった。
 使い魔の吐き出す輝く粒子。
 それはあっという間に空中高く舞い上がり、ゴーレムをギーシュと時と同じように土に戻してしまった。
 もっとも粒子は風の流れのせいか、宝物庫までとんでいき、防御のためにかけられている魔法も消してしまったが。
 ちなみに、何か怪しい人影がいたので失敗魔法でぶっ飛ばしたらそれはミス・ロングビルだった。
 ロングビルは爆発をまともに食らって全治三ヶ月の怪我をおい、ルイズはギーシュの一件もあり、謹慎処分をくらう羽目になる。
 宝物庫の中は無事だったので、謹慎は短くてすんだのだが。
 謹慎を食らっても、ルイズはちっともこたえてなかった。
 何故ならば、自分の使い魔がどれだけすごいか、頭ではなく魂で理解できたから。

 (メイジの実力を見るなら、使い魔を見ろ……か。なるほど、私にぴったりじゃない!)

 部屋でじっとしてても、ニヤニヤと笑いが止まらない。
 あの使い魔、原理はわからないがあれの吐き出す粒子は魔法を消去してしまう力がある。
 ドットクラスのギーシュくらいのものなら、それなりでしかないだろうが、あの馬鹿でかいゴーレムさえ苦もなく無効にできるのだ。
 自分の魔法が消された時の、ギーシュのあの顔!
 思い出すだけでも傑作だ!
 翼をもがれた鳥みたいにぶざまな姿だった。
 ゼロのルイズ。
 その二つ名は大嫌いだった。
 でも、これから思い切り好きになれそうだ。

 「そうよ、私はゼロのルイズ」

 ルイズはくすくすと笑う。

 (でも、ゼロなのは私じゃない……。ゼロになるのは……)

 自分以外の、あらゆるメイジだ。


 後年、ゼロのルイズの名は永く広く語り継がれることになる。
 いかなるメイジも、彼女の前ではゼロになる。
 ただ、虚無の属性をのぞいては。

 ※これで投下終了です。粗品を失礼しました。

561 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 02:01:39 ID:PZIak/PB
デルフはただの剣に戻り、アルビオンでは船が落ち、あげくエルフはただの人か……

極悪すぎるwww

562 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 02:02:52 ID:bd6r+LmD
乙。このルイズは正に凶悪。

563 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 02:04:01 ID:dJbN8OyN
GJ!
まさに「ゼロ」のルイズ
凶悪www

564 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 02:04:30 ID:xoFWt3KJ
乙ー。
虚無のみが通用する……凶悪だw
しかし虚無同士の戦いになると拙いか?

565 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 02:06:19 ID:KAxiUKOH
乙なんだぜ
ルイズは10年分の精神力があるから生気を吸われなかったのかな
獣魔術は生気を吸い取って運用されるから

566 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 02:06:46 ID:FfY3+Jbr
何で獄長かw

でも獣魔術って普通の人間が使うと悲惨なことになるんだよね。哭蛹って結構燃費悪いらしいし。
メイジは精が豊富なのかしらん。短編でこんなん気にするのも野暮だけど。

567 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 02:12:07 ID:+rYLHcRq
GJ
なんか懐かしいわー
確か獣魔って人間でも精気がある程度あれば一体なら何とかって感じだったような
クーヨンはそれでもきつそうだが、まあルイズは精気が豊富だったんだろう、胸がない分

……あれ、こんな時間に誰だr(爆発音が鳴り響く)

568 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 02:16:03 ID:FeWKHee6
>>564
他者の虚無のコントラクトサーバントを無効化できるかどうかで変わってきそうだが……>虚無同士
無効化できないなら負け確定かと(自分を守る使い魔(クーヨン)が対虚無以外に特化しすぎてるから)
ただ相手が虚無でない限り魔法使い相手ならまず負けなさそうだな……
虚無で防御とか命中とかを完全無視した攻撃が可能で相手は魔法が使えなくなるからな治癒も出来ないし

569 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 02:27:40 ID:0TeX8OAD
…コントラクトサーバントを無効化出来たらまず実験としてヴェルダンテにやりそうな…
ギーシュ泣くな

570 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 02:27:44 ID:JFp1WpQB
しかし、ここのSS見てると見た目が動物系=普通の使い魔っぽい、使い魔を
召喚したルイズはどこも生き生きとしてるな。
なんか、本編の才人が外れだったように思えてならないw

571 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 02:30:46 ID:Gz8+mUxT
このルイズが万が一平民側についたら革命が起こせるな。
魔法を封じられたメイジVS魔法の使えない平民なら勝算は十分だ。

572 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 02:31:37 ID:ZBE4C+R3
つか本当に外れ引いたら話が創り難いだろ

573 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 02:35:31 ID:/kX728K4
本気ではずれ引くと死ぬからな

574 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 02:37:02 ID:4fWn1Jkh
あたりを引いたら「私の使い魔Tueeeee」にしかならないし。

575 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 02:39:53 ID:Up4r1XT0
そりゃあ、これまで鬱屈した人生送って来たんだし、ちょっとやそっとの増長も仕方ないさ。

576 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 02:59:38 ID:upU1iONq
FF6からエドガー・ロニ・フィガロを召喚。

ギーシュと比べるまでもない数の女性を口説き、
「機械」でコルベールを骨抜きにして、
フィガロ王として貴族以上の貫禄。

青銅、土くれ?そんな物ドリルのまえでは防御無視。
バイオブラストで毒をばらまき、サンビームで目を潰し、
ブラストボイスで混乱させ、オートボーガンで狙い撃ち。
とどめにエアアンカーを撃ち込んで「動いたら死ぬぞ!」

ヤバくね?


577 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 03:03:11 ID:/s0Hf7s1
>>569
想像しただけで可哀相だ
哀れ過ぎでwww

578 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 03:12:02 ID:nVBUCjJS
哭蛹に吸収されたら戻って来ないんだよな
コネリーのマウス便利だったのに、主に剣とトンボがw

579 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 03:19:23 ID:EfXRvGQr
>>578
あれは虚しかったな。
せっかく受け継いだコネリーの術やら知識やら武装やらがほとんど使えなくなった。

580 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 03:21:21 ID:5BuH2bCu
かと言って使わないと100%負けてたところを
勝ち? って、ところまで引き上げたから哭蛹いないと終わってたんだよなー

581 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 03:27:05 ID:U0GHeBiW
>>576
FFキャラは超巨大モンスターにもガチで勝つのでエドガーじゃなくてもヤバすぎ。
ビジュアル的に弱そうなリルムが召喚されてもフーケゴーレムの攻撃を受けても低ダメージ、
逆に素手で粉砕、7万相手でもメルトン一発で全滅☆ぐらいの事はやれるはず

582 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 03:50:10 ID:xoFWt3KJ
リディア(小)とか。まず間違いなくヴィンダールヴか。

583 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 04:00:23 ID:cBO84OFk
ガラフ(死んでたのに復活で…)はどうだろう?
ジョブの方はクリスタルはクルルに託してるからそれなりになるんじゃね?
といっても暁の四戦士としてのスペックがどれほどかわからんが…
とりあえず、時魔法は記憶喪失時にテレポ忘れたらしいからある程度使えるみたいだが…

584 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 04:07:41 ID:WwcwPjd5
富竹

585 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 04:34:15 ID:kAPavEXj
>>561
下手したらアルビオンそのものが落ちたりして……


586 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 05:09:32 ID:Zz2nNp3B
>>デルフはただの剣に戻り、アルビオンでは船が落ち、あげくエルフはただの人か……

で、イノセントブレード・アンヴェイルを思い出したのは俺だけでいい。
そこでふと、「悪魔狩り」のウリエルをタバサが召喚するという電波を受信したが……
どうやって書けっちゅーねん。二人とも何もしゃべらないからメッチャ地味だし
ウリエル、「虚無」扱えちゃうし。一発ネタならいけるだろうか?

587 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 05:31:27 ID:qd1eQOgx
デュエルセイヴァーから神倒してアヴァター戻るところの大河呼ぼうとしたけど
真の救世主状態での活躍シーンが少なすぎて
剣の形変えて攻撃する以外何できるかわからないことに気づいた

588 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 05:52:14 ID:NgeH4WCb
今日はグレンラガン最終回か………

589 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 06:11:13 ID:Q1x5QZgi
>真・救世主
最強スレによれば、『世界の創造ができない他は多次元宇宙において全能。』らしい

つーかさ、何が出来るかとかはともかく、その段階だとタルブ会戦だろうが、vs7万だろうが、
ビダーシャルだろうが、ヨルムンガルドだろうが軽く無双出来るやろ

……ルイズの見せ場が……w

590 :ゼロの答え 7話:2007/09/30(日) 06:21:57 ID:WCSoBGGC
随分久しぶりになりましたが、投下してもよろしいでしょうか?

591 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 06:22:59 ID:ubCY8Vn2
シエ☆スタ

592 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 06:23:18 ID:EqmnYZ6a
支援

593 :ゼロの答え 7話:2007/09/30(日) 06:23:22 ID:WCSoBGGC
では投下です。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
深夜の中庭。二つの月が照らす中、デュフォーとそれを見つめるルイズとキュルケ、そして自らの使い魔に乗って上からそれを見るタバサの姿がそこにあった。
あの後、中庭に出たところキュルケとタバサも来て何をしているのかルイズに追求してきた。
そしてとうとう根負けしたルイズが事情を話し、キュルケとタバサは半ば押しかけ気味に見届け人として参加すると言ってきたのだ。
デュフォーは我関せずと他人事のようにそれを静観していた。
最初はまったく興味なさそうだったタバサだったが、"ガンダールヴ"という言葉を聞くと積極的に参加の意を示してきた。
「あそこの壁を傷つければいいんだな」
そういうとデュフォーは本塔の壁を指差した。
「ええ、そうよ。あんたが本当に"ガンダールヴ"ならそのくらい楽勝でしょ?」
腕組みをしてルイズが答える。
本塔の壁にどれだけの傷を付けられるか?それがルイズたちの出したデュフォーが本当に"ガンダールヴ"なのかどうかを知るためのテストであった。
本塔の壁は非常に頑丈にできている。その上、指定した場所は地面からかなりの高さである。
普通の人間ならとてもではないが手出しできないような位置を指定していた。
仮に本当に"ガンダールヴ"だとしても地面からそれだけ高さのある場所なら、多少の傷しかつけられないとはタバサの弁であった。
タバサがウィンドドラゴンに乗っているのは、指定した場所が場所であるので、宙に浮いて見ないと正しく判別できないだろうとのことからである。
デュフォーはルイズたちの指定した場所の後ろが宝物庫だと知っていたが何も言わなかった。
どうでもいいことだからである。

ルイズが合図をすると同時に、デュフォーの左手のルーンが光り輝いた。
そしてデルフを持って振りかぶり、投げる。
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
「「「「「えっ!?」」」」」
デルフから伸びる悲鳴と、五つの驚きの声が夜の中庭に響いた。
ルイズたち三人以外の声の内、一つは植え込みの植え込みの中、もう一つはタバサの方から聞こえたのだが、叫んだ当人たちは誰もそのことに気が付かなかった。
そしてデュフォーはそのことに気づいてはいたものの、最初からそこに人がいたり、タバサの使い魔は風韻竜で喋れるということを知っていたので特に反応はしない。
(タバサは自分の使い魔が喋ったことには気が付いていたので、杖で軽く頭を叩いた)

悲鳴をなびかせながら、デルフは見事に根元まで、本塔の壁に突き刺さった。
ルイズたちが指定した場所に寸分の狂いも無く埋まっている。

「これでいいんだろ?」
ごくり、とその場にいた全員が息を呑んだ。
一瞬間を空けて、フーケは我に返るとすぐさま詠唱を始めた。目の前で起きた光景は信じられないが、チャンスであることには違いは無い。
長い詠唱であったが、その場にいたデュフォー除く全員が壁に突き刺さった剣に目を奪われていたので完成まで誰にも邪魔をされることは無かった。
デュフォーは別にどうでもいいといった感じでフーケを邪魔することも無く、ルイズたちが剣を見るのを眺めていた。

594 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 06:24:25 ID:EqmnYZ6a
支援

595 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 06:24:40 ID:ubCY8Vn2
しえしえしえシエスタああああああああああああああ!!


支援

596 :ゼロの答え 7話:2007/09/30(日) 06:25:05 ID:WCSoBGGC
巨大なゴーレムが現れるとデュフォーはとりあえず近くにいるキュルケとルイズの肩を叩いた。
「「きゃっ!?」」
突然の刺激に驚いたのか二人が身を竦める。
「な、何するのよ!」
「ダーリンったら。触りたいなら前もって言ってくれれば」
まるで別々のことを言ってくる二人だったが、二人とも同じようにデュフォーに無視された。
あれを見ろ、デュフォーはそう言ってルイズたちの後ろを指差すと小石を拾ってタバサに軽く投げる。
こつんと頭に当たり、惚けたような表情で剣を見ていたタバサが我に返る。
そして石が飛んできた方向を見て、固まった。ルイズとキュルケも同様にデュフォーが指差した方向を見て固まっていた。

土でできた巨大なゴーレムがそこに居た。
いち早く硬直が解けたキュルケが悲鳴を上げて逃げ出す。
タバサがウィンドドラゴンでキュルケを拾った。
ゴーレムはデュフォーたちのいる場所。本塔の方へと向かっているため、キュルケのようにその場を離れなければウィンドドラゴンで拾うことは難しい。
だがルイズは逃げようとしない。それどころかゴーレムに向けて呪文を唱える。
巨大な土ゴーレムの表面で爆発が起こる。"ファイヤーボール"を唱えようとして失敗していつもの爆発が起こったのだろう。
当然ゴーレムには通じない。表面がいくらか爆発でこぼれただけだ。
それから何度もルイズは呪文を唱えた。そのたびに爆発が起こる。だがゴーレムはびくともしない、爆発のたびに僅かに土がこぼれるが、それだけだ。

「逃げないのか?」
冷静な声で隣に居るデュフォーがルイズに訊ねた。
ゴーレムはもうすぐ近くまで来ている。
「いやよ!学院にあんなゴーレムで乗り込んでくる奴なのよ。そんな奴を捕まえれば、誰ももう、わたしをゼロのルイズだなんて……」
真剣な目でルイズが言いかけた言葉をデュフォーは遮った。
「お前、頭が悪いな。あいつを捕まえようがお前がゼロのルイズと呼ばれることに関係はないだろう」
息が詰まる。怒りで目の前が真っ赤になった。許せない。ただその言葉だけがルイズの頭の中に浮かんだ。
「ふふふふ、ふざけるなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
その叫びに、ゴーレムも驚いたのか動きが止まる。
「ななな、なんでわたしがゴーレムを捕まえても関係ないってあんたにわかるのよ!」
怒りのあまり呂律の回らなくなった口調で叫び、ルイズがデュフォーに掴みかかる。
「お前がゼロと呼ばれているのは魔法が使えないからだろう?例えこいつを捕まえようがお前が魔法を使えないことに変わりはない」
まったく熱を感じさせない声でデュフォーがルイズに告げる。
「だから逃げろって?こいつを倒しても扱いは変わらないから。……はっ、冗談じゃないわ!」
ルイズは短く吐き捨てるとこう叫んだ。
「敵に後ろを見せない者を、貴族と呼ぶのよ!たとえゼロのルイズと呼ばれるのが変わらなくてもわたしは決して逃げないわ!」
再び動き始めたゴーレムがルイズを踏み潰そうと足を振り下ろした。
その足に対してルイズが杖を振る。爆発が起こり、土がこぼれた。まったく変わらないゴーレムの足がルイズへと迫る。
ルイズの視界がゴーレムの足で埋め尽くされる。そこで横から引っ張られた。
地面に投げ出され、尻餅をつく。横を見上げるとそこにデュフォーが立っていた。ギリギリのところでデュフォーが踏み潰される前にルイズを助けたのだ。

ゴーレムの方はルイズを踏み潰したと思ったのか、それとも興味をなくしたのかその場で止まった。
そして腕を引くと、本塔の壁。それも壁に突き立っているデルフを殴り飛ばした。当たる瞬間にフーケの魔法により、ゴーレムの拳が鉄に変わる。
デルフを楔として、本塔の壁に亀裂が走る。一瞬の沈黙の後、壁が崩れた。
ゴーレムの肩からフーケが降りると壁の中へと入っていく。壁の後ろにあるのは宝物庫。フーケの狙いはその中にある破壊の杖だった。

597 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 06:25:44 ID:Jq5sYaAd
携帯から支援させていただく!

598 :ゼロの答え 7話:2007/09/30(日) 06:26:24 ID:WCSoBGGC
助けられたことで張り詰めていた糸が切れたのか、ゴーレムが壁を破壊していくのを見上げながら、ルイズの目から涙がこぼれた。
自分の力が通じない悔しさにルイズは泣きながら拳を握りしめる。
そんなルイズに対してデュフォーが声をかけた。
「お前、頭が悪いな。逃げないのは構わないが無駄なことをして何がやりたいんだ?」
思いやりのまったくない言葉に更に涙が溢れる。
「だって、悔しくて……わたし……いっつも馬鹿にされて……だから見返したくて……」
嗚咽で途切れ途切れに言葉を紡ぐルイズ。
そんなルイズをデュフォーは一刀両断で切り捨てる。
「お前は本当に頭が悪いな。見返したいのなら、何故無駄なことをする?」
ナイフのようにデュフォーの言葉はルイズを切りつける。
泣きながらルイズはそれに反論した。
「わかってる……わかってるわよ、わたしじゃどうしようもないことくらい……でも、じゃあどうしろってのよ!」
その言葉に対する返事はすぐにデュフォーから返ってきた。

「オレが指示を出す」
ルイズは顔を上げた。
今聞いた言葉が信じられなかったからだ。
「どうやったらあいつを倒せるのか?その『答え』が欲しいんだろ?」
普段と変わらない冷静な表情でデュフォーはルイズにそう告げた。

「―――え?」
目に涙を浮かべたまま、告げられた言葉の真偽を確かめるかのようにルイズはデュフォーを見つめる。
いつもと変わらない表情。嘘でも慰めでもなく、ただ単純に事実のみを伝えたという様子でデュフォーはルイズを見ていた。
「……本当に、あいつを倒せるの?」
おずおずとルイズがデュフォーにそう訊ねた。
まるで目の前の希望に縋り付いて裏切られるのが怖いという様子でデュフォーの提案に乗ることを躊躇している。
だがそれもデュフォーが口を開くまでだった。

「お前、頭が悪いな。『答え』が出せるから、『指示する』と言ったんだ」

ビキッという音があたかも実際にしたかのような勢いでルイズの顔に青筋が浮かぶ。
同時にデュフォーの提案に対して躊躇させていた気持ちは跡形も無く吹き飛んだ。
「やるわよっ!やってやるわ!」
それを聞くとデュフォーはルイズに向けてこんなことを言った。
「そうか。だったら今から奴を追う。そして術者に対して直接"ファイヤーボール"を唱えろ」
あまりといえばあまりに突飛な提案にルイズの目が丸くなる。
「ちょっ、ちょっとデュフォー!何で"ファイヤーボール"であのゴーレムが倒せるのよ?防がれて終わりでしょ!」
「何を言っている?お前が魔法を使えば爆発が起きるだろう。それでゴーレムを操っている術者を直接倒せばいいだけだ」
「んなっ!ははははは、初めからわたしが魔法を失敗することが決まってるみたいに言わないでよ!ひょっとしたら成功するかもしれないじゃない!」
しかしデュフォーはルイズの怒声を無視すると、ウィンドドラゴンに乗って上空を飛んでいるタバサへと声をかけた。

599 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 06:27:17 ID:ubCY8Vn2
シエ☆スタ

600 :ゼロの答え 7話:2007/09/30(日) 06:27:47 ID:WCSoBGGC
「何?」
タバサはデュフォーの近くまで来ると、自らの使い魔の上から降りて何の用なのか訊ねた。
ルイズが対して何やら騒いでいるのは互いに完全に無視している。
「今からあのゴーレムを倒しに行く、だからその風韻竜で後を追ってくれ」
告げられたゴーレムを倒すという言葉よりも、風韻竜という言葉に驚いてタバサは息を呑んだ。
そしてデュフォーに対して警戒の目を向ける。だがデュフォーはこちらもあっさり無視してまだ騒いでいるルイズに向き直った。
その様子にタバサはこの場でそのことについて言及することを諦めた。
幸いなことに今デュフォーが言った風韻竜という言葉を聞いていたのは恐らく自分しかいない。
キュルケは風韻竜の上にいるから、今の会話が聞こえていた可能性は低い。ルイズは騒いでいるからこれもまた今の言葉が聞こえていた可能性は低い。
だがこの場で下手に追求したら、近くにいるルイズと自らの使い魔の風韻竜―――シルフィードの上に乗っているキュルケにも聞かれるかもしれない。
そう判断するとタバサはシルフィードに戻った。
そして"レビテーション"でデュフォーたちをシルフィードの背に乗せる。
デュフォーたちが乗ったことを確認すると、指示通りゴーレムを追いかけ始めた。

「ねえタバサ、あなたさっきダーリンから何を言われたの?」
シルフィードでゴーレムを追い始めて間もなくして、キュルケはタバサにそんなことを訊ねた。
デュフォーとルイズはピリピリとした空気を発していて、とても声をかけられる雰囲気ではない。
正確にはルイズだけがそんな空気を発しているのだが、デュフォーは平然とした顔でその近くにいるため同様に声をかけられる雰囲気ではなくなっている。
そのため親友であり、今のところ何もしていないタバサに聞くことにしたのだ。
「今からゴーレムを倒すって」
タバサはそれに対して短く答える。
「あ、それで私たちにも手伝うようにってことかしら?でもあんなゴーレム相手にどうやって?」
その返答に対しキュルケが訝しげな表情を顔に浮かべた。
当然だろう、あんなゴーレムをどうやったら倒せるというのだ。
「違う。今からあのゴーレムを操っている術者を吹き飛ばすから、そうしたら捕まえろって言われた」
その言葉に対してキュルケは息を呑む。
「ちょっ、ちょっと本気!?どうやったらそんなことができるのよ。ここから魔法を撃ってもあのゴーレムが防いで終わりに決まっているじゃない!」
タバサは叫ぶキュルケに眉根を寄せた。
「わからない。でも……」
そう言うとタバサは首を後ろに向けてデュフォーたちを見る。
「彼はできないなんて微塵も思っていない」

ゴーレムと風韻竜では速度において圧倒的に差がある。
そのためフーケのゴーレムに追いつくまでにはさほど時間はかからない。
丁度城壁を越えたところで追いつき、その上空を旋回する。
それを確認するとデュフォーは隣にいるルイズに声をかけた。
「ルイズ。あそこだ」
その指の先にはフーケの姿があった。
「そろそろ詠唱を始めろ。このままの位置を保ち、奴を吹き飛ばす」
その言葉にルイズが息を呑んだ。
そして意識を集中し、呪文を唱え始める―――が数秒もしないうちに詠唱は尻すぼみになり、途中で消えた。

601 :ゼロの答え 7話:2007/09/30(日) 06:29:08 ID:WCSoBGGC
「……やっぱり、無理よ」
消えてなくなりそうな声がルイズの口からこぼれた。
「何故だ?」
何を言ってるんだこいつは?という顔で聞き返すデュフォー。
「動いてる的に直接当てるなんて今までやったこと無いのよ!無理に決まってるわ!」
ヒステリックに叫ぶルイズ。
それに対してデュフォーは呆れたような顔をしてルイズに向けて言った。
「オレが言ったことはお前ができる範囲のことでしかない。不可能だというのなら、それはお前自身に問題がある」
ルイズは歯を食い締めた。自分に問題がある?そんなことは最初からわかっている。
「今更なに言ってるのよ!わたしに問題があるなんて最初からわかってるでしょ!」
その言葉にデュフォーはますます呆れたような表情になった。
「お前、頭が悪いな。オレが言っていることを理解できていない」
ルイズは顔を上げるとデュフォーを睨みつけ、そして叫んだ。
「なにが理解できてないっていうのよ!あんたなんかにわたしのことはわからないわ!」
その叫びを受けてもデュフォーは微動だにしなかった。何の感情も浮かび上がらっていない瞳で睨みつけるルイズを見返す。先に目を逸らしたのはルイズだった。
デュフォーはそんなルイズに対して追い討ちのように言葉を投げつける。
「オレはお前の能力を理解した上で、できると言っている。できないと思い込むのはお前の自由だ。だがそれはお前自身ができないと思い込むことで、自分の能力を下げているからだ」
それはまったく温かみを感じさせない冷徹な言葉。
だがその言葉は不思議とルイズの中に染み渡る。
その言葉の重みは今ままでルイズが感じたことのある誰のものとも違った。
失望でも、期待でもない。ありのままの事実。ルイズに対してそれができて当たり前だからやれと要求するだけの言葉。
ルイズの胸の中で何かが溶けて消えた。代わりに熱いものが溢れる。
「もう一度聞く。あいつを倒すための『答え』が欲しいか?」
そして再び、デュフォーがルイズに訊ねた。

デュフォーの問いかけに対し、恐らくそれが最後の確認だとルイズは理解した。
ここで断ればきっとデュフォーはルイズにさせることを諦めるだろう。
だからルイズは答えた。今まで生きてきた中で培っていた勇気を全て振り絞り、ルイズはデュフォーに答える。
「……欲しい。わたしはあいつを倒すための『答え』が欲しい!」
気圧されることも無く、それを受けてデュフォーは一度頷いた。
聞き返しはしない。デュフォーからしてみれば最初からできるとわかっていたことに何故悩んでいたのかと不思議に思うだけだ。
だから後は互いにやるべきことをやるだけでしかない。
短くデュフォーが合図をする。
「今だ。詠唱を始めろ」
軽く頷き、ルイズはゴーレムの肩にいるフーケを見つめると深呼吸をした。
息を吸い、吐く。
呼吸を落ち着かせ、標的を見つめる。
さっきまで荒れ狂っていた心臓が、今は静かに鼓動を奏でているのがわかる。
自分と標的。世界に存在するのはその二つだけ。
集中する。一度限りの大博打。外せば次のチャンスはないと警告はされた。
詠唱を始める。かつてないほど集中しているのが自分でもわかる。外す気なんて欠片もしない。さっきまであれほど不安だったことが嘘みたいに感じる。
悔しいがあの使い魔の言っていることは全て正しいのだろう。
思いやりとかそういうものはまるでないが、それだけに事実が痛いほど突き刺さる。

602 :ゼロの答え 7話:2007/09/30(日) 06:30:18 ID:WCSoBGGC
だけどそのおかげでわかったことがある。
ただ悔しく思うだけじゃ何も変わらない。悔しいからって無謀なことをしても何も意味が無い。
そして劣等感から自分の能力を低く評価したら、ますます駄目になるだけだ。
まず自分にできることをしっかりと見つめる。その上で、できることをやる。
そうでなければ前には進まない。
たぶん今までの自分は無いものねだりをしていただけの子供だったのだろう。

そんな自分に対してできると断言したデュフォー。
信頼とか暖かい気持ちなんて微塵も感じない。ただ事実を告げただけという感じの言葉。
だけどそれだけに―――信じられる。
純粋に自分の能力を評価してくれているとわかるから。
思いやりや盲信からの過大評価も、蔑みからの過小評価もしない、ありのままの自分の能力を見てくれてると信じられるから。

だからわたしはあいつの言うことを信じる。
ありのままのわたしを見てくれる人間として、あいつを信じる。

―――だからこれは絶対に成功する。失敗なんてするはずがない。

"ファイヤーボール"の詠唱が終わる。
瞬間、フーケの真横で爆発が起きた。
人形のように吹き飛ぶフーケ。
タバサが杖を振り、"レビテーション"をかけて落下するフーケをシルフィードの上に運ぶ。
術者が気を失ったためかゴーレムが崩れ土の塊へと戻る。
ルイズは安堵すると大きく息を吐いた。
やりとげたことを実感すると、途端に全身から力が抜けてその場に崩れ落ちる。
シルフィードから落ちないようデュフォーが襟を掴んだ。
「ぐえっ!」
襟が引っ張られ首が絞まる。
「何すん――」
文句を言おうとルイズは鬼のような形相でデュフォーを睨んだ。
が、いつもと変わらないその顔を見ると怒りは急速に萎んで何だか笑いがこみ上げてきた。
「ふ、ふふふ、あははは!」
キュルケが『凄いじゃない、ルイズ!』と褒めてきたが、それよりもデュフォーのよくやったなと褒めるでもないその態度が今は無性に嬉しかった。
そのまま学院に戻るまでルイズは笑い続けた。

603 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 06:30:44 ID:ubCY8Vn2
一回下げ忘れてる…ウチュ 支援

604 :ゼロの答え 7話:2007/09/30(日) 06:31:46 ID:WCSoBGGC
以上です。
前回から随分間が空いてすみません……

605 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 06:49:28 ID:lizObEK9
GJ!
ルイズは”答え”を得ましたね。

606 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 07:29:33 ID:LwCCqSdL
ナイスアシスト?
しかし一言で完成するコモン・マジックでも別によかったんでは?

607 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 07:33:42 ID:FeWKHee6
>>606
殺すんじゃなく倒すことを求めてるという答えを知ってる上で
コモンだと絶対直撃なので殺さずに捕らえるのが困難だからわざと外れるファイヤーボールを選択したんでね?
答えを知ってるからこそ
いつどこで何をやればどうなるかの答えがわかってるんだからな

608 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 07:34:36 ID:zAmCWb+J
デルフリンガー! 死ぬなあぁぁぁww


609 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 07:58:43 ID:r05uBULZ
GJ!
>>608に言われるまでデルフのことが頭からすっぽ抜けてた。

610 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 08:11:13 ID:zAmCWb+J
電波受信嘘予告

トリステイン魔法学院の生徒・ルイズ・フランソワーズが召喚した使い魔は、掟破りの「平民」だった!

「使い魔の契約か……よかろう。だがその代わりに服を脱げ! あ、靴下だけは履いたままでな!」

その男は「平民」の上に「変態」だったのだ!

「おいキサマ、俺と決闘しろっ!」
「なんだと! それはボクのセリフだろう!」
「美少女二人と付き合っていたお前が許せん! 少女にモテるヤツは敵だっ!」

その男は「変態」の上に「馬鹿」だった!

「謝っちゃいなさいよ! 平民は貴族に絶対勝てないのよ! こんなボロボロにされて……」
「クククククッ……ルイズ、心配する必要はねぇ」
「ほう、まだ立ち向かうつもりかい? ならばせめてもの情けだ、この剣を取りたまえ」
「必要ないねナルシー小僧。お前のスペルはもう―――『覚えた』」
「ばばば馬鹿な!? なんでお前が僕のワルキューレを作り出せる!?」

「平民」で「変態」で「馬鹿」なその男は、あらゆるメイジのスペルをコピーする、
掟破りの使い魔だったのだ!!

「フーケ! テメェのゴーレム、『覚えた』ぜぇ!!」
「う、うそっだ!? 私のゴーレムと寸分違わぬゴーレムを生み出すなんてぇ!?」
「判決―――死刑!!」

男は戦う。ゼロの使い魔として。
そして戦うたびにその力は強大になってゆくのだ!

「これでトドメだ。死ねっ、伝説の使い魔よ!」
「ブレイドが消え……いやあーっ!?」
「ぬっ―――これは遍在!?」
「お前の遍在は『覚えた』と言ったはずだぜ、ヒゲ野郎」

男は救世主のコピーとして生み出された、荒廃した社会を生きる「無用者(ニードレス)」
あらゆる力の断片を集め、いずれ全てを掌中に収める無限の可能性たる無(ゼロ)の力。

「馬鹿な、これは『爆発』のスペル! 貴様、まさか――――」
「ああ、『覚えた』ぜ、虚無の力もな」

その者は、記すことさえはばかられる、忌まわしき人造の始祖ブリミル。

「タバサたんの靴下。モンモンのタテロール。ケティのうなじ。ルイズのおっぱい……
 うおおぉぉぉぉぉぉ! 燃えてきたぁ!! ブッ潰してやるぜ7万――エクスプロージョン!!」

絶対無敵のロリコン魔人―――アダム・ブレイド!

『ニードレス×ゼロ』カミングスーン―――は、しないけどな。

611 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 08:14:04 ID:WAnrpoh/
wwwww乙

612 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 08:29:31 ID:r05uBULZ
…ケティってぺたん娘だったっけ?

613 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 08:47:15 ID:07ElDlFd
ぺたん娘かはともかくロリっ娘です。
ぺたん娘とロリっ娘は正しく等価っ!!
何故ならょぅι゙ょは浪漫にしてマロン! もう甘栗並みに剥いちゃいたいのであるっ!
そしてうっかり剥いちゃった暁には一口に戴き、且つきっちりとあj(ry

とまあ、>>610はこういった具合に心が奮えるというわけですね。
( ^ω^)このスレ変態ばっかりだけど元気だお。

614 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 09:08:16 ID:g7vthl60
>>613
変態じゃないよ。
仮にもし変態だとしても、それは変態と言う名の紳士だよ。

615 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 09:17:16 ID:BpieRkmg
BLEACHからルキア召喚、
シエスタの祖母は50年前にハルギケニアに流れついた時には既にシエスタの母親を身籠っていて、実は……
ってのを思いついた。
これはブリミルからの書けってお達しだな。

616 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 09:33:00 ID:KAxiUKOH
>>613
そうやって代弁できるお前は凄いなw
そして何よりもお前はドクターウェストかwww

617 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 09:34:40 ID:cBO84OFk
>>587
それ以前に時間移動とかまでできるから呼んで早々自分で帰ろうとする気が…
トレイター越しで子持ちになってることも知ってるから最終的には絶対帰るだろうし…
というか大河は個別ルートでくっついてるのと一緒に呼ぶでもせん限り
シスコンor恋人が理由で帰還しようとするだろうなぁ…
610見てたら外伝のナナ子が惚れ薬失敗してできたアノ薬だけとかなら浮かんだが…

618 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 09:49:20 ID:9zVOzAvn
なんか急に「けんぷふぁー」の瀬能ナツルが召喚される
妄想が頭にきた

619 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 09:56:12 ID:rfDJrV2R
>>610
まさに変態という名の神父

620 :サイヤの使い魔:2007/09/30(日) 09:58:21 ID:IIR6fQdV
10時になったら投下

621 :サイヤの使い魔:2007/09/30(日) 10:00:46 ID:IIR6fQdV
「あんた、武器は扱える?」

食堂への移動中、ルイズが悟空に尋ねた。

「ガキの頃に如意棒って武器使ってたけど、成長してからは使ってねえなあ」
「明日、街に出てあんたの武器買うから、一緒に来なさい」
「オラ別に武器なんて無くても戦えるぞ」
「そうじゃなくて、コルベール先生に頼まれたのよ。何か思うところがあるみたい」
「コルベールって…あのクリリンみてえな頭のヤツか?」
「誰それ」
「オラの友達でよ、背はこれくれえで、鼻と髪の毛が無えんだ」

悟空が手で示した身長は、大体ルイズと同じくらいだった。

「どんなバケモノよそれ…」

思わず自分の鼻と髪が無いところを創造して、ルイズは呻いた。

「あ、そうだ。オラ武器なんかよりも他に欲しいものがあるんだけど、いいか?」
「なに?」
「フトンもう一枚貰えねえか? 毛布だけだと身体痛くなっちまってよ」
「だったら、下に藁でも敷いた方がいいんじゃないの?」
「あ、そっか。おめえの世界だと床にフトン敷かねえんだ」
「だって汚いじゃない」
「じゃあおめえはオラをそんな汚えとこで寝かせてたってのか?」

思わず悟空がジト目でルイズを見る。

「う…その、ごめん」

反射的にルイズが謝る。どうもこの使い魔に対して高圧的に出られない。

「ま、オラが掃除してるから、最近はそんなに汚くはねえと思うけどな」
「どういう意味よそれ……。…まあいいわ。そんなに言うならマットかなんかも買ってあげるわよ」
「ホントか? サンキュー!」
「その『39』ってどういう意味?」
「『ありがとう』っつう意味なんだけど、おめえの星じゃあまり使わないのか?」
「初めて聞く表現ね。…でも何か気に入ったわ」

ルイズと悟空が食堂に入ると、ギーシュが待ち構えていた。

「おはよう」
「オッス」
「何の用? まさかまた喧嘩売ろうってんじゃないでしょうね」

ルイズに警戒され、ギーシュが大げさな身振りで肩をすくめる。

「まさか。彼と僕とは友人だ。争う気なんて全く無いよ。ただ挨拶に来ただけさ」
「ふーん…。あんたらいつの間に仲良くなったの」
「ギーシュ。おめえに聞きてえ事があんだけど」
「何だい?」
「おめえの魔法で作る青銅は、決まった形のものしか作れねえんか?」
「いや、材料さえあればある程度は自由に作れるよ」
「それじゃ、昼休みになったらちょっとオラの修行に付き合ってくれねえか」
「僕で役に立てる事があるのかい?」
「多分な。やってみなきゃわかんねえけど。場所は昨日と同じ所でやろうと思う」
「快く引き受けよう。ではまた、昼休みに」


622 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 10:01:05 ID:PZIak/PB
支援

623 :サイヤの使い魔:2007/09/30(日) 10:01:52 ID:IIR6fQdV
ギーシュが去った後、ルイズが悟空に尋ねる。

「何を始めるつもり?」
「あいつの青銅で、ちょっと作って欲しいもんがあるんだ」



昼食後、昨日同様ヴェストリの広場にやってきたルイズは、そこにギーシュと悟空の姿を認めた。
悟空は両腕に巻いた布とブーツを脱ぎ、代わりに青銅製の巨大な枷を嵌めている。
だからギーシュが必要だったのか、とルイズは納得した。

「これくらいでいいかい?」
「今着いてるやつの3倍は要るなあ」

呆れ顔のギーシュが薔薇の造花を振るい、花びらで新たな枷を上乗せする。
それはもはや枷どころか、四肢に巻き付いた青銅製の「何か」だった。
何層にも巻かれ、寸胴鍋をくっ付けているようにも見える。

「そんなに着けてよく平気な顔してられるな君は。驚きを通り越して呆れるよ」
「いったい何をしようっての?」
「よう、ルイズ」
「来たのか。見ての通りだ。彼に頼まれて『重し』を着けてるところさ」

悟空が二、三度空中に突きを繰り出す。

「ギーシュ、両腕にあと1回分くれ」
「しょ、承知した」

満足できる重さに達したのを認め、悟空が架空の敵を相手に幾つもの突きや蹴りを繰り出し始めた。
一突き毎に鞭がしなるような風切り音が鳴り、風圧で周囲に土埃が立つ。
ルイズはギーシュを見た。引きつった顔に冷や汗を浮かべている。

「ギーシュ、あれどのくらいの重さなの?」
「両腕にそれぞれ500キロ、両足にそれぞれ700キロくらいかな」
「はあ? 何それ馬鹿じゃないの!?」
「全く、僕のワルキューレが歯が立たない訳だよ……」

二人は呆れ顔で悟空の修行を眺めた。
コツを掴んだのか、突きを繰り出すだけではなく、一定の法則の元に移動をしながら攻撃を繰り出している。
ギーシュはそれが「型」だと判った。
貴族の剣術同様、悟空の武術にも「型」があるらしい。
初めて見るが、無駄の無い流れるような動きは剣術とはまた違い、ある種芸術的ですらある。
ルイズとギーシュは、しばし時間を忘れてこの美しい「型」に見入った。



「ルイズ、使い魔って必ず授業に出てなきゃなんねえのか?」
「え? 基本的には主人に付き従う事になってるけど、どうして?」

午後の授業に向かう途中、悟空がルイズに尋ねた。
授業中、悟空は授業を聞きながら生徒と使い魔の数を数えていたのだが、どうも数が合わない。

「授業に出てるヤツと使い魔の数も合わねえんだ。いねえヤツは何処に行ってるんだ?」
「身体の大きさが合わないとか、主人に用事を言い付かってる最中とかかしらね、大体は」

中には主人ともどもどっか行っちゃってるようなのもいるけどね、とルイズは眼鏡を掛けた小柄な青髪の少女を思い出した。

「まあ、基本的にはそんな感じだけど、何処か行きたいの?」
「オラ、ここを移動する時は瞬間移動かおめえの後ついてくだけだったから、まだ何処をどう行けば何処に出るかってのがよく判んねえんだ」


624 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 10:03:24 ID:07ElDlFd
ここは支援。

625 :サイヤの使い魔:2007/09/30(日) 10:03:41 ID:IIR6fQdV
「つまり、探検してみたいわけね。それくらいならいいわ、使い魔に学院内の間取りを覚えさせる生徒も結構いるし。先生には私から言っといてあげる」
「サンキュー」
「夕食までには戻ってきなさいよ。あと、宝物庫とかには近づかないように」
「何処にあるんだ?」
「本棟の最上階一つ下、ちなみにその上は学院長室よ」
「わかった」



夕方、学院内を探検していた悟空は、タバサの気が膨れ上がるのを感じた。
ギーシュとの戦いで、系統呪文を唱える際に術者の気が上がる事を知った悟空は興味を覚えた。
更に気の発生源を探る。学院内ではない。タバサの気は、学院から遠く離れた所にあった。
タバサの近くにも、もう一つ、断続的に上下している気の存在を感じる。
そこから導き出される結論はひとつ。タバサは今、誰かと戦っている。
相手は誰だろう。ギーシュより強いヤツだったら、ちょっと戦ってみたい。
悟空は瞬間移動でタバサの元へと向かった。



元ガリア王国北花壇騎士、セレスタン・オリビエ・ド・ラ・コマンジュは笑みを浮かべた。

「温室育ちの花壇騎士さまにしちゃ、やるじゃねえか」

構える杖に力を込める。
その視線の先にいるのは、やはり同じように構えた杖を彼に向けているタバサ。

「昨今の花壇騎士さまときたら、どいつもこいつも親の七光りで叙された、能無しばかりだからなあ」

そのセレスタンを光の刃が襲う。
体術とレビテーションを駆使した動きで、セレスタンはタバサの刃をかわした。

「でもな、北花壇騎士はちがうぜ? 名誉とは縁がねえ分、その実力は折り紙つきだ。それにこんな事もできる!」

セレスタンは呪文を唱えた。倒れている少年、オリヴァン・ド・ロナルに向けて炎の球が飛ぶ。
タバサはそちらにウィンディ・アイシクルを放った。
――ピシュン
タバサが呪文を放った直後、耳慣れたあの音がタバサの耳に届いた。
発生源は、オリヴァンのすぐ隣。つまり、今タバサが放ったウィンディ・アイシクルとセレスタンが放った炎の球の延長線上。
あの使い魔が、立っていた。
炎の球と氷の矢がぶつかり、ジュッと音を立てて両方とも消える。
一瞬、オリヴァンと悟空に気を取られたタバサの隙をセレスタンは見逃さない。彼はオリヴァンに呪文を放った後、ずっとタバサの動向を伺っていた。
すぐさま二撃目の炎の球を生成し、タバサに向けて放つ。
だが、完璧にタバサの隙を突いたと思ったそれは、直撃する寸前にボン、と破裂音を立てて跡形も無く消えた。

「何だとっ!?」

タバサが呪文を詠唱した様子は無い。
明らかに地面の方に気を取られ、その証拠に、炎の球が消えた音で初めて二撃目に気付いた様子だった。
セレスタンはタバサの視線の先を追った。
あのオリヴァンとかいうガキ――ではない。
その傍らに、男が立っている。奇妙な格好と髪型をして、頭の上に輪を浮かべた平民だ。
杖は持たず、開いた右手をタバサの方に向けている。

「タバサー、何だかわかんねえけど大丈夫かー?」

あの小娘の知り合いのようだ。
タバサは悟空の傍らに駆け寄った。信じられないといった顔で呟く。


626 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 10:03:57 ID:PZIak/PB
支援

627 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 10:05:07 ID:EqmnYZ6a
しえん

628 :サイヤの使い魔:2007/09/30(日) 10:05:30 ID:IIR6fQdV
「どうして、ここに」
「おめえが戦ってるみてえだったからさ、様子を見に来たんだ」
「そう…。詳しくは後で話す。貴方はその子の安全を確保」
「わかった。任せとけ」
「任せる訳にはいかねえなあ」

あの小娘の味方という事は、自分にとって敵だ。
セレスタンは二人に向けて、再び炎の球を放った。
だが、あの男が手のひらを球に向けただけで、やはり破裂音を立てて消し飛ぶ。

「またか! 何なんだあいつは?」
「おめえ、ちょっとしつけえぞ」

水系統の魔法か? だが、杖も詠唱も無しに自分の炎を消し飛ばす魔法などあっただろうか?
先住魔法という考えがちらりとセレスタンの脳裏を掠めたが、あの男がそんな大それた存在には見えない。

「貴様何者だ! 一体何をした!?」

悟空はその問いに答えず、タバサに質問する。

「あいつ何なんだ?」
「私の決闘相手」
「あ…悪い、邪魔しちまったみてえだな」
「別にいい」

タバサがセレスタンに向き直る。

「貴方の相手は私だけのはず。彼らに危害を加える事は許さない。もっとも…」

タバサの口元に、某SOS団の団員でもなければ判別できないほど微かな笑みが浮かんだ。

「貴方が彼に危害を加えられるとは思えないけど」
「言うじゃねえか」

セレスタンが完成させた呪文を開放する。悟空とタバサとが会話している最中、ルーンを唱えていたのだ。
巨大な炎の嵐が、杖の先から舞い起こる。
回転する竜巻のような炎が、タバサと悟空を押し包もうとした。
その瞬間、閃光と共に、二人の周りに蒼い渦が巻き起こる。渦は、まさに天空を目指す竜のように空高く駆け上がって行った。
氷の粒を含んだ風の渦。タバサの青い髪が、猛り狂う風で乱れた。
タバサの気が、更に大きくなっていたのを悟空は感じた。
確か今のは、風と水の系統を組み合わせた「アイス・ストーム」という呪文だ。
組み合わせる系統が多くなればなるほど、気も上がるらしい。
襲いかかる炎の嵐を、一瞬で雪風の渦が飲み込んだ。その雪風の渦に捲かれて、二人の姿が掻き消える。

「ちッ!」

風を吹かせて雪粒を飛ばし、視界を確保しようとした瞬間……。
小柄なタバサが、いつの間に唱えたのか、フライで自分の懐まで潜り込んでいることに気付き、セレスタンは絶句した。


629 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 10:06:03 ID:Q2VSaZtk
支援

630 :サイヤの使い魔:2007/09/30(日) 10:06:36 ID:IIR6fQdV
「は、はぇ…」

そう呟くと同じに、タバサが手のひらを突き出す。
セレスタンの腹にタバサの唱えたエア・ハンマーが炸裂し、衝撃でセレスタンの意識が遠のく。
地面に崩れ落ちたセレスタンは、タバサの実践一辺倒の戦闘スタイルから、この小娘の正体を悟った。

「あの雪風……。そうか、お前『七号』………」

最後まで言い終える事無く、セレスタンの意識が途切れる。
悟空は素直に感心していた。
魔法というものは、使い方によってはこんな戦いもできるのか。
タバサが決闘の終了を告げ、後始末を追えて自身の使い魔を呼び寄せた。

「あの炎」
「ん?」
「どうやって消したの?」
「ああ、気合いで衝撃波を飛ばしたんだ」
「気合い?」
「んーと…口で説明した方が早えかな。例えばあそこに木があるだろ」

悟空が指差した先、茂みの中に一本の太い木があった。
その木に向けて、手のひらを向ける。

「はっ!」

ドン、と空気が揺れ、悟空が指し示した木の幹が木端微塵に砕け散り、地鳴りをたてて倒れた。

「本当はいちいち手出さなくてもできるんだけどな」
「先住魔法…?」
「いや、オラ魔法は使えねえぞ」

悟空の実力の一端を垣間見たタバサは、この男が味方になってくれたらどれだけ心強いか、と考えた。
学院の誰にも頼れず、自分一人――と使い魔――で何度も死線をくぐり抜けてきたタバサにとって、悟空は一筋の光明だった。
タバサは意を決し、悟空に説明した。

「今から説明する事は、学院の皆には内緒。絶対」
「わかった。安心して喋ってくれ、オラは口の堅い方だ」
「私はたまに、こうして王国からの命を受けて仕事を行う」
「王国?」
「ガリア王国。つまりこの国」

少し迷い、言葉を続ける。

「私の本名はシャルロット・エレーヌ・オルレアン。ガリア王国とは親戚の関係にある」
「そうなんか」
「王国は私を疎んでいる。だから私に任務を課す。真の目的は私の殉死」


631 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 10:07:28 ID:Nc8iMdjB
紫煙支援

632 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 10:08:27 ID:EqmnYZ6a
支援

633 :サイヤの使い魔:2007/09/30(日) 10:09:57 ID:IIR6fQdV
悟空は絶句した。
「国」がその惑星全てを束ねる権力を意味する世界からやってきた彼には、たかだか一人の人間をわざわざ国ぐるみで殺そうとする事が信じられなかった。
まして、この星にはドラゴンボールなどありはしない。
死んだらそれで終わりなのだ。

「おめえ、そんなに嫌われるようなことしたのか?」
「していない。根本的な原因は嫉妬」
「どういうことだ?」
「私に任務を課す人物は、王族でありながら魔法が使えない」

タバサの顔が微かに歪む。それは同情と嘲笑を含んでいた。
同情は、王族でありながら魔法が使えない人物、ガリア王国王女イザベラと、彼女によく似た境遇の桃色の髪をした同級生へ。
嘲笑は、他ならぬ自分自身へ。
今話した事は、唯一の友達であるキュルケにすら話した事はない。
なのに何故、この男には話せてしまうのだろう。

「なるほどなー…。そういえばよ、オラの名前も本名じゃねえんだ」
「どういう事?」
「オラはサイヤ人だっつったろ? そっちでの名前は『カカロット』って言うらしいんだ」
「カカロット…」
「でもオラは地球人として育ってきたから、あんまりそっちの名前は好きじゃねえ」

その名前で自分を呼ぶ者は全員が敵だったからだ。
唯一の例外を除いて。

「だから、今じゃオラをカカロットって呼ぶヤツはベジータしかいねえんだ」
「ベジータ?」
「地球に来たサイヤ人の一人で、惑星ベジータの王子だったんだ。最初に会った時はすっげえ強さで、オラ一人じゃ全然歯が立たなくてよ、仲間の助けがあってようやく追い返したんだ」
「それから?」
「色々あって、その後仲間になった。プライドの高いヤツで、いつもオラより強くなりたがってたな」

タバサは悟空に僅かながら親近感を覚えた。
経緯は違うものの、自分同様に偽名を名乗っている。そして、自身を本名で呼ぶ者の中には、自分と敵対している者もいる。
もうタバサは、悟空の事を怖いとは思わなくなっていた。

「貴方の事をもっと知りたい」

シルフィードの背に乗りながらタバサが言った。
昨日はギーシュとの決闘のせいで、あれから悟空の話を聞く事ができなかったので、いい機会だ。

「乗って」

自分の背後を指差す。
悟空はタバサに倣って風韻竜にまたがり、背ビレにもたれかかった。


634 :サイヤの使い魔:2007/09/30(日) 10:11:11 ID:IIR6fQdV
「ははっ、ハイヤードラゴンみてえだな」
「それは何?」
「オラの息子の悟飯が友達にしてた竜の子供だ」
「子供がいるの?」
「ああ。オラより強えぞ」

タバサの顔に、珍しく驚きの表情が浮かぶ。全く、このルイズの使い魔には驚かされることばかりだ。
それからトリステイン魔法学院に着くまでの間、タバサと悟空はお互いの事を語り合った。
二人を乗せたシルフィードは、主人の普段からは想像できないほどの饒舌振りに驚いていた。

「…ひとつ、教えて欲しい」
「何だ?」
「貴方は幽霊?」
「みてえなもんかな? 死んでっから」
「幽霊にも肉体があるの?」
「いや、オラは爆発で粉微塵になって死んだんだけど、一緒に死んだ界王様がオラにあの世で修行できるように、身体をつけてくれたんだ」
[あの世? ……で、修行?」
「ああ。死んだ後も天国で修行を続けてる強えヤツが一杯いるらしくてよ、オラもそこに行くはずだったんだけどな、途中でこっちに来ちまった」
「天国……」

タバサは父親を想った。
誰に対しても優しく、いつも思いやりに溢れた、私の大好きな父様。

「私の父様も、天国に行けただろうか……」
「閻魔のオッチャンは、よっぽど悪いヤツじゃねえと地獄には落とさねえからな。おめえのとうちゃんが悪いヤツじゃねえんなら、きっと天国に行けたさ」

この時、あの世でそれはでっかいクシャミが轟いたとか。

「うん……」

タバサの胸が一杯になった。唇が震え、目元に涙が溢れるのを堪えられない。タバサはそれを背後の悟空に気付かれないようにそっと拭った。
この日、タバサに新しい友達ができた。


635 :サイヤの使い魔:2007/09/30(日) 10:13:47 ID:IIR6fQdV
以上です。支援ありがとうございました。

…あと、今回ギャグが無くてごめんなさい

636 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 10:13:51 ID:l+0Kf8Py
しえーん

637 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 10:14:51 ID:+rYLHcRq
今回はしんみりシリアスGJ

638 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 10:17:01 ID:07ElDlFd
バランスですよと粗茶を出してみる。
片方だけを書き続けるのも大変そうだし。

つ旦~~

639 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 10:24:34 ID:/jGxu0nF
よかったなタバサGJ

640 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 10:42:45 ID:qcpVi8dO
GJ。
こういうのも結構好きよ。
ただ、ギーシュがあの量を錬金できるのかだけ疑問に思った。

641 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 10:44:24 ID:1C9oebBr
サイヤの人GJ。
そういや、悟空って現在大体28〜29歳くらいだから
父親と面影重ねてもおかしくはないわな。

642 :ウィザーズ・ルーン:2007/09/30(日) 10:47:01 ID:JGMcDkco
えーと予約がなければ投下に入りますけどいいですか?

643 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 10:51:15 ID:Q2VSaZtk
フィンガースナップ支援

644 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 10:51:20 ID:l+0Kf8Py
サイヤ乙
>>642支援

645 :ウィザーズ・ルーン:2007/09/30(日) 10:52:09 ID:JGMcDkco
 今までの悔しさ、恨みつらみをこめてルイズを馬鹿にしたのがそもそもいけなかった。
 食堂にきて、あーまた固いパンと汁だけのスープかよ、と思いながら床――席にあらず――につく。
 そこでルイズが顔を真っ赤にいて、肩をぶるぶる震わせながら「ごごご、ご主人様をばばば、馬鹿にするなんてイケナイ使い魔ね!」とかなんとかいいながらサイトのエサ――朝食にあらず――をとりあげてしまった。
 しかたなく外をうろうろしていると、メイドのシエスタに賄いを食べさせてもらえるということで、ついてきたのだが……
 そこには先客がいた。しかも結構見覚えのある顔の。



 シチューの美味さ、シエスタの優しさに感激しながら、サイトはシチューを貪った。
 この世界で始めて人の優しさに触れた気がする。
 この世界の人間は、サイトを雑用扱いしたり、使い魔扱いしたり、ろくでもないものばかりだった。
 それと比べてシエスタのなんと優しいことか!

 食事が終わったところで、何故か紅茶まで飲んでいる男――ヘイズと名乗った――に何故か手が汚れていたことを訊ねると、
「コック長のマルトー親父が人手不足だって言うからな。こっちとしても賄いとはいえ食事を貰う身なんで、仕込みの手伝いをやらせてもらってたんだ。働かざるもの食うべからずってな」
 じゃがいもの皮むきなんて何度やったかわからねえ、などとぼやくヘイズを眺めながら、実はこいつもなんだかんだ言って雑用してるのかと同情する。
 けれど同時に反発もする。つまりは俺も何か食べたければ、何か手伝えってことか? と。
 それでも毎日なにか手伝いをしていれば、紅茶までもらえるほどの待遇になるのなら、それは魅力的だな、とヘイズに対抗心を燃やしながら、
「じゃあさ、シエスタ。俺にも何か手伝えることはないかな?」
 と提案する。
「なら、デザートを運ぶのを手伝ってください」

 そして事件は始まる。

646 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 10:52:32 ID:0XQqCLuW
ルイズ→釘宮の発想で終わりのクロニクル佐山…とか思ったけど。


647 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 10:53:27 ID:Q2VSaZtk
今回もヘイズの手番はなさそうかな支援

648 :ウィザーズ・ルーン:2007/09/30(日) 10:53:28 ID:JGMcDkco
ヴェストリの広場は今や、生徒達で埋め尽くされていた。
 事の始まりはギーシュが落とした香水をシエスタが拾ってしまったことで、ギーシュの二股がバレてしまったことだ。
 そこで下級生のケティと同級生のモンモランシーに同時にフラれたギーシュは、あろうことかその責任をシエスタに吹っかけたのだ。
 当然サイトは抗議した。「お前の責任じゃねえか」と。
 初めて優しくしてくれたシエスタに、ここ数日で不満が募りまくっていた貴族が無理難題を言っているのだ。
 つい反骨心が芽生え、売り言葉に買い言葉でああだこうだと言い争った挙句、「決闘だ!」ということになった。

 サイトは生徒達の後ろにシエスタを、片隅の木の陰にキュルケとタバサとヘイズを見つけた。
 みんなに見せてやりたかった。貴族だろうがなんだろうが、自分がぶっ倒してやる姿を。
 そうすれば自分に対する待遇も変わるだろうと信じて。
「ギーシュが決闘するぞ! 相手はルイズの平民だ!」
 生徒達がはやし立てるのを聞きながら、俺にも名前ぐらいあるんだよ! と心の中で毒づく。
 ギーシュは薔薇の花を手元で弄びながら、周囲に答えている。
 ――このキザ野郎め。
 貴族に馬鹿にされるフラストレーション、貴族に対する嫌悪感。
 サイトの我慢はすでにほとんど限界であった。
「逃げずに来たことだけは、誉めてあげようじゃないか」
 ギーシュが言葉を発するたびにそれは大きくなっていく。
「誰が逃げるかよ」
「そうか、では始めよう」
 その言葉と同時、サイトは駆け出す。
 ケンカは先手必勝だ。
 それに先日ヘイズが言った「とんでもない力」というものが自分にも備わっているかもしれない、とサイトはそう思ったのだ。
 左手の変なルーンが自分にパワーを与えてくれると信じて。
 鼻っ柱に拳をぶち込めば、あの鼻持ちならない野郎もおとなしくなるだろう。
 しかしその思いはあっさりと打ち砕かれる。
 ギーシュの振った造花の花びらが地面から、女性型の甲冑を呼び出しサイトの顔を殴り飛ばしたのだ。

649 :ウィザーズ・ルーン:2007/09/30(日) 10:55:22 ID:JGMcDkco
 不意打ちを悪びれないように、芝居がかった仕草でギーシュは言う。
「僕はメイジだ。だから魔法で戦う。よもや文句はあるまいね?」
「て、てめえ……」
「僕の二つ名は『青銅』! だからこの青銅のゴーレム『ワルキューレ』がお相手するよ」
 サイトが反応するまもなくゴーレムの拳が、今度はサイトの腹にめり込む。
 たまらず吹っ飛ばされるサイト。
 殴られて痛む腹部を押さえ、よろめきながら、立ち上がろうともがく。
 ――ちくしょう、俺にはなんの力もないのかよ!
 期待させたヘイズを恨むが、それよりもあのゴーレムをなんとかしなければ。
 そう思いながらも動かない体に焦燥を募らせる。
 そこに桃色の髪を振り乱して、ルイズが駆け出してくる。

650 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 10:55:49 ID:Q2VSaZtk
支援

651 :ウィザーズ・ルーン:2007/09/30(日) 10:57:18 ID:JGMcDkco
「ギーシュ! いい加減にして! 決闘は禁止されているはずじゃない!」
「おや、ルイズ? 禁止されているのは貴族同士の決闘のはずだよ? 貴族と平民の決闘に関する取り決めなんてない」
「そ、それは今までそんなことがなかったから……」
 しどろもどろになりながら答えるルイズを横目に、大げさな身振りで
「それとも何かい? 君はよもやその平民が好きなのではあるまいね?」
「う、うるさい! 私は自分の使い魔が勝手に決闘して、勝手に怪我するのが嫌なだけよ!」
 真っ赤な顔で否定するルイズ。
「うるせえな……」
 勝手に盛り上がっている二人を尻目に、ふらつきながらも立ち上がる。
 そしてその目はまだ死んでいない。
「誰が怪我するって? 勝手に決めんなよ」
「サイト!?」
「やっと名前で呼んでくれたな」
 なんだ慌てたら、結構可愛い顔をするんだな、とどうでもいいことを考える。
「バ、バカッ! なんでたちあがるのよ! 立ち上がらなければ、殴られずにすむのに!」
「貴族だかメイジだか知らねえけどよ……そんなもんがなんだってんだよ、くだらねえ。そろいも揃って威張り散らしやがって」
 そしてギーシュを睨みつける。
「もはや、やるだけ無駄だと思うがね」
 ギーシュは造花を弄りながら答える。

652 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 10:58:08 ID:Q2VSaZtk
支援

653 :ウィザーズ・ルーン:2007/09/30(日) 10:58:21 ID:JGMcDkco
 ヘイズはその様子をタバサとともに見守っていた。タバサの友人であるキュルケもいっしょである。
「ねえ? あの子勝てるの? どう見ても勝てそうにないんだけど、本当にあの子特別な力なんてあるの?」
 キュルケが疑問をぶつけてくる。
「「無理」だな」
 タバサとヘイズが同時に答える。
 ヘイズは服装から、サイトがこの世界の平民ではないと見抜いていた。
 仮にあの少年がヘイズと同じ世界から来たのなら、先天性魔法士か情報制御技術かそれに準ずる技術を持った人物であると考えていたのだ。
 だからこそ、「隠し玉」という言葉を使った。
 しかしどうやらシティかプラントに住んでいただけの、ただの少年だったようだ。
 誤算だった。
「……あのままでは彼は死ぬ」
「わたしにもそう見えるわ」
 立ち上がってからのサイトはと言うと、一方的にやられ放題で、第三者からみればどうみてもリンチにしか見えない。
 少年がその身をくの字に折るたびに、「うわ……」というキュルケの呟きが聞こえた。
 完全にヘイズの誤算だった。
 手助けするつもりで放った言葉が、あのリンチを煽ってしまったのだと思うと、申し訳なくなってくる。
「もう見てられねえ。オレが出るぜ。いいよな、タバサ?」
 タバサはただぽつりと、
「絶対に怪我しちゃダメ」
 とだけ言った。珍しく本を片付けて、最後まで見守るつもりのようだ。
「もちろんだ。ついでにタバサの使い魔がただの平民じゃないってところをみせてやる」
 ヘイズは一息に立ち上がると、キュルケの「え?」という言葉や、タバサの視線を背に浴びながら、決闘の中心地へと向かった。

654 :ウィザーズ・ルーン:2007/09/30(日) 11:00:09 ID:JGMcDkco
 ギーシュは嘆息していた。
 タバサの連れている自称メイジの使い魔が言う「隠し玉」を見せようともせずに、平民は無様に攻撃を食らい続けている。
 ――実は隠し玉なんて何も持っていないのではないのかね?
 ギーシュはこれまでの戦いでそう判断していた。
 元々二股がばれたことの、腹いせ程度のものだったのだ。
 ルイズの使い魔が、本当にただの平民かどうか確かめたい気持ちもあったが、見せしめに痛めつけられればそれでよかった。
 もはやあの平民の使い魔に勝ち目はない。
 ルイズには可哀想だが、あとは適当に痛めつけて、それで終わりだ。
 考えをまとめると、ギーシュはサイトにとどめをさすべく、ゴーレムに命令を出そうとした。
 が、それは一人の男の乱入によって妨げられる。
「あー……、降伏してくれるとうれしいんだが。……無理だよなやっぱ」
 頭をがしがしと掻きながらけだるそうに呟く、タバサの使い魔の姿がそこにあった。

655 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 11:00:46 ID:Q2VSaZtk
支援

656 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 11:00:54 ID:EqmnYZ6a
支援


657 :ウィザーズ・ルーン:2007/09/30(日) 11:01:56 ID:JGMcDkco
以上で投下終了です。

原作以上にサイトが精神的にフルボッコだったのは今回の布石?
というかまたヘイズはなんもしてないな……

658 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 11:02:48 ID:Q2VSaZtk
乙。

659 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 11:06:02 ID:2gGQQJ7D
>>657
乙!
いよいよ次回、破砕の領域のお目見えですな。
ワクテカがとまらないですw

660 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 11:50:39 ID:EqmnYZ6a
>>659
ヘイズなら予測演算+銃だけで何とかなりそうな気もする。

それはそうと、デルフはインテリジェンス騎士剣なのか?
語呂悪いけど……

661 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 12:06:06 ID:07ElDlFd
>>616
ふん……! 大きさだけが取り柄のおっぱいなど、著しく美学に欠けるのである!
やはりおっぱいは美麗! かつ滑らかぺったんお山はナッシン!
そう! 例えば我輩の主ルイズ嬢のやふに!

こうですか分かりません!><

662 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 12:45:02 ID:xVJm5lwC
>>657
乙!

>>661
一言だけ。
オッパイはオッパイであるだけですばらしい!

663 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 12:54:02 ID:BwRP/sSG
乙πです。

664 :ほしをみるひと:2007/09/30(日) 12:58:41 ID:Ztfwyuae
13:05頃に投下よろし?

665 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 13:05:09 ID:Ztfwyuae

 ───眠れない。

 瞳を閉じるたびにあのゴーレムが脳裏に浮かぶ。
 抗いようのない圧倒的な暴力に叩き潰される幻影。
 巨大な拳が自分の頭蓋骨を叩き潰す瞬間、恐怖に瞼がこじ開けられ、現実に引き戻される。
 今夜だけで何度繰り返したことだろう。

 身が震える。
 べっとりとした嫌な汗が全身にまとわりつく。
 吐き気が収まらない。

「うっ……」
 刻み込まれた恐怖に蝕まれ、震える体を抱きしめてキュルケは一人呻いた。
 一人で眠ることがこんなに怖いと思ったのは、何年ぶりだろう。
 誰でもいいから、傍にいて欲しい。
 何でこんなときに限って、一人きりなのかしら───

 ───コン、コン

「ひゃっ!」
 タイミングの良すぎるノックの音に、思わず身をすくめる。
 こんな夜中に、一体誰だろう?

「キュルケ、僕だ」
「え、ダーリン?」
「大事な話があるんだ、開けてくれないか?」
 先ほどとは別の意味で心臓がきゅんと締め付けられる。

「えっ……ちょ、ちょっと待って!」
 いやん、ダーリンったら大胆!
 そんなこといきなり言われたって、女の子には準備ってものが……

 服装、よし! 髪の手入れ、よし! 肌のつや、よし!
 深呼吸、すーはーすーはー。良いオンナってのは余裕を忘れちゃいけないのよ。
 意を決してぇ……さあて、ご開門ッ!

「やあ、キュルケ。夜分遅くにごめんね」
「遅い」
「期待にそえなくて悪かったな、娘っ子」
「……」






666 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 13:06:00 ID:wYaYNUHA
しえん

667 :S−02 星の使い魔 14話:2007/09/30(日) 13:06:41 ID:Ztfwyuae

(ふ、ふふふ……解ってた……解ってたのよ……
 ダーリンがそんな人じゃないってことくらい……むしろそこが良いんだけどね……)
 どこぞの世界チャンプよろしく真っ白になって窓の外、星空を眺めるキュルケ。
 そして、キュルケの部屋に上がりこんで顔を見合わせる二人と一振り。

「……どうしたんだろ、キュルケ?」
「……そっとしといてやれ、相棒」
「……勘違いの産物」
 クロードとデルフの気遣いとタバサの毒、それら全てが胸にブスリブスリと突き刺さる。
 痛い、痛いよ。ご自慢のバストがちっとも役に立たないよ。
 よよと流れる心の血涙を誤魔化すように、半ばヤケクソ気味にキュルケは尋ねる。

「で、何の用なの、ダーリン?」
「フーケの正体と今後の行動について、さ」

 サッと二人の表情が変わる。
 先んじて人差し指を立てて制し、クロードは言葉を続ける。

「まず、何故フーケはわざわざ壁をブチ破るような乱暴な手段をとったんだ?
 相当な厚さがあるだろうことは予想できていたはずなのに」
「入り口の鍵は『固定化』がかかっていて開かないわよ、他に方法が無いじゃない」
「問題なのは、フーケがどうやってそれを知ったかってことさ。
 それに、どうしてピンポイントで宝物庫だけを襲撃できたんだ?」

 クロードの指摘に、タバサの眼鏡がキラリと光った。
「学園内に、入り込んでいる?」
「或いは内通者が、だな」

 タバサの回答にデルフが付け加える。
 ただならぬ空気に、息を呑むキュルケ。
 冗談の介在する雰囲気ではない。
 クロードの言葉は続く。

「それを踏まえたうえで、次だ。
 怪盗ってのは、えてして盗むことよりもその先のこと、
 つまり逃走経路・手段に作戦の重点を置くことが多い。
 そこで問題。目立つ秘宝を抱えて脱出する際に、最も足の付きにくい方法は?」
「捜索隊に紛れ込んで、全員まとめて行方不明。
 あのゴーレムを使えば難しいことではない」

 即答でとんでもない内容をさらりと答えるタバサ。
 要は全員まとめて身元不明になってもらおうという意味である。
 後者のケース、つまり内通者がいる場合の証拠隠滅としても完璧だ。
 凍りつくキュルケだが、クロードは無言で頷く。デルフも黙ったまま。
 つぅっ、と嫌な汗が頬を伝う。

668 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 13:07:02 ID:rfDJrV2R
支援開始

669 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 13:08:00 ID:genak4OP
さすがは士官学校出支援

670 :S−02 星の使い魔 14話:2007/09/30(日) 13:08:24 ID:Ztfwyuae
「ま、マジ?」
「白昼堂々、テロ同然の強奪劇をやってのけた相手だ。
 今になって手段を選ぶような相手じゃないと思う」
 そう言って両手を広げるクロード。

「フーケ本人としても内通者としても、捜索隊には関わってくるはずだ。
 行方不明になっちまえば探しようがねーからな。
 足跡を消すには、もってこいだろうよ」
 最後にデルフが付け加える。

 嫌な沈黙が場を支配する。
 誰か信用できる人間に相談すべきだろうか。

 だが、誰に相談する?
 誰を信用すればいいのだろう。

「そう言えばダーリン、どうしてルイズには伝えないの?
 一応、あの子の使い魔なんでしょう?」
 重すぎる空気に耐えられず、キュルケが口を開く。

 その言葉を聞いて、ああ、もうこれで召喚されて以来何度目だろう。
 拳を額にぶつけ、溜息を交えていつもの表情でクロードは答える。

「……ルイズがこの話を聞いて、大人しくしていられると思う?」
「……」
「……」

        絶  対  無  理  で  す  。


 チェンジ、スイッチオン。1、2、3。真竜でも皇帝でもドンと来い。
 三つの心は一つになり、キュルケとタバサはこめかみを押さえた。






「……成る程、大体の事情は飲み込めたわい、ケビーシ君」
「クロードです、オールド・オスマン」
 この状況でボケないで下さい、疲れます。
 顔に書いたメッセージを受け取ったのか、オールド・オスマンが表情を引き締める。

 翌朝、ここは学院長室。
 第一発見者であるタバサ、キュルケの両名、
 そして目撃者であるルイズとクロードが呼び出され、
 一連の事件のあらましを話し終えたところである。

 なお、昨夜の考察についてはまだ話していない。
 誰が信用に足るか解らない現状で、迂闊に情報を漏らすわけにはいかないからだ。

671 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 13:10:25 ID:Ztfwyuae
「よもや白昼堂々、この学院に賊が入り込もうとはのう。
 ここに居る人間は殆どがメイジ、好んで虎穴に飛び込む者は誰もおらぬと高を括っていた。
 その隙を、物の見事に突かれたというわけじゃ」
「申し訳ありません、もう少し早く僕らが気付いていたら……」
「君らが責任を感じることではない。
 むしろ本来ならば、我らが率先して解決に当たらねばならぬことじゃからの」

 頭を下げようとするクロードを手で制しながら、
 その後ろへと目をやり、オールド・オスマンは溜息をつく。
 そこには、喧々諤々と議論を交わす教師たち。
 しかしてその実態は、ただの責任の擦り合いに過ぎない。
 情けないことよ、これが格調高きトリステイン魔法学院の教師とはな。

 うおっほん、とわざとらしく咳払いを一つ、教師たちは口論をやめてこちらに向き直る。
 呼び出された生徒たちも同様である。

「ミス・ロングビルは昨晩から、この件について調査をしておったらしい。
 まずは彼女の報告を聞こうではないか───あだっ!」
 秘書の胸に伸びかけた掌を、説明のために一歩前に出ていたクロードが手刀で打ち落とす。
 真面目にやらんか、狒々爺。
 軽く殺気が篭った二つの視線をうけ、不服そうに唇を尖らせるオールド・オスマン。
 ガキか、あんたは。それにちっとも可愛くないぞ。

「コホン、それでは……」
 ミス・ロングビルの説明によると、念入りな聞き込み調査の結果、
 学院から徒歩で半日、馬で4時間ほどの森の中の廃屋に、
 怪しげなローブを纏った人間が入っていくのを目撃したという情報を得たとのこと。

 一晩で集めたにしては随分と具体的な情報だな、とクロードは思った。
 それだけ彼女が優秀と言うことなのか、それとも……?

「それでは早速、王室に連絡して衛士隊の手配を───」
「馬鹿者! 王室なんぞに知らせている間にフーケは逃げてしまうわ!
 頭の固い奴らのこと、手続きだけで何日かかるやら知れたものではない!
 それに、己に降りかかる火の粉も払えずして、何が名門と謳われたトリステイン魔法学院か!」
 オールド・オスマンの一喝に静まり返る一同。
 やはり、こういうところでは学院長としての威厳を感じさせる。

「では、捜索隊を編成しよう。我をと思うものは杖を掲げよ」
 沈黙。
 オールド・オスマンの表情に明らかに失望の色が映る。
 クロードも同様である。

「おらんのか? おや、どうした?
 悪名高き土くれのフーケを捕らえ、名を上げんとする貴族はおらぬのか!」

「私が行きます!」

 凛とした声に、視線が集中する。
 それは、この場において最も意外な人物と言っても過言ではあるまい。
 誰あろう、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ヴァリエールその人であった。

「あなたは生徒ではありませんか、ミス・ヴァリエール!」
「けれど、先生方はどなたも杖を掲げないではありませんか、ミセス・シュヴルーズ!」
 教師の諌めを毅然と切り返すルイズ。
 その一言だけで、彼女は場の空気を完全に支配してしまった。
 彼女が述べたのはぐうの音も出ない正論、もはや口を出せるものは一人もいない。

672 :S−02 星の使い魔 14話:2007/09/30(日) 13:12:44 ID:Ztfwyuae
 ルイズは憤っていた。
 生徒の規範足るべき教師たちが、貴族の誇りも矜持も無く、
 ただただフーケを恐れ、責任逃ればかりに終始していることに。

 貴族とは何ぞや。
 理不尽な暴力を前にして何も出来ず、逃げ腰で遠吠えばかりを繰り返す負け犬か。

 誇りとは何ぞや。
 責任を他者に押し付け、保身を図ることか。

 力とは何ぞや。
 宝を奪い、命を奪い、魂を奪い、それだけか。それだけのものでしかないのか。

 ……ふざけるな。

 そんなものが、そんなものが私が問い、求めてきた真実であってたまるものか。
 たとえそれが真実であったとしても、世界全ての人がそうだと言ったとしても、私は認めない。
 己の魂と世界に問い続けてきた答えが、こんな虫唾の走る薄汚れたものであるなど、
 たとえ畏れ多くも始祖ブリミルが許したとしても、私は決して許しはしない!

 この場にいる者たちが答えを出せぬと言うならば、自分の手で掴み取って見せる。
 その中途で倒れるならば、所詮自分はその程度の存在だったということ。
 否、こんなところで終わりはしない。終わるものか。
 何故ならば、私は貴族なのだから。
 ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ヴァリエールなのだから。


 凛々しき主の姿を見て、クロードは思いを巡らせる。
 掲げた杖の下で目立たないが、膝が微かに震えている。
 怖くないわけが無い。彼女もあのゴーレムを見ていたのだから。

 ───いや、そうか。だからこそ、なんだね。

 目を伏せ、クロードは静かに笑みを浮かべる。
 今の彼女はあの時と、ギーシュと決闘していたときの自分と同じなのだ。

 命よりも大事な誇りがある。
 自分が自分であるために、逃げられぬ戦いがある。
 自分が誰なのか。自分に何が出来るのか。
 答えを追い求め、足掻き続ける哀れな道化。
 だが、その姿が何故こうも眩しく映るのだろう。

 何のことは無い。ずっと根本的なところで、二人は似ているのだ。
 クロードはルイズの影。ルイズはクロードの夢。
 同じコインの表と裏。
 既に砕けた己と比して、折れぬ彼女の何と眩しいことか。
 いいや、そうじゃないと頭を振る。
 砕けたと言い聞かせ、足を止めていただけだ。


673 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 13:13:21 ID:genak4OP
鏡面刹支援

674 :S−02 星の使い魔 14話:2007/09/30(日) 13:15:14 ID:Ztfwyuae
「……だったら、使い魔である僕が行かないわけにはいかないな」
 そう言ってクロードが杖を掲げる代わりに手を上げる。
 ルイズは一瞬戸惑う様子を見せたものの、すぐにいつもの調子に戻って鼻を鳴らす。

「ふ、ふん、使い魔なんだから当然よ! しっかり付いてきなさい!」
 仰せのままに、と言わんばかりに大仰な礼をするクロード。

 足場を組むための手は動く。
 昇るための足は無事だ。
 その背に翼を持たぬならば、翔ぶことが叶わぬと言うならば、
 残された足で歩き続け、手を伸ばし続ければいい。

 そうだ。君と一緒ならば、僕はもう一度あの空を目指せる。
 ならば、僕は全てを賭して君を守ろう。小さな体に気高き魂を宿した我が主よ。

「ああもう、ルイズってば本当に考えなしなんだから……
 仕方ないわね、私も志願しますわ。ヴァリエールには負けられませんから」
 溜息混じりに、そして不敵な笑みを浮かべてキュルケも杖を掲げる。
 未だ恐怖は残れど、悪夢は晴れた。
 何故なら、彼女もまた貴族だったから。
 そして、真に貴族たらんとする、ルイズの友人であったから。

「私も行く。心配だから」
 傍らにいたタバサも同様に杖を掲げる。
 感激したらしいキュルケが思わず抱きしめ、豊満な胸に小さな顔が埋まる。
 はいはいお爺ちゃん、羨ましそうに指をくわえるんじゃありません。みっともない。

「コホン。では、捜索隊はこの4名とする。
 彼らに『破壊の宝玉』の行方とフーケの捕縛を託そう」
 改めて宣言するオールド・オスマン。
 コルベールが沈痛な面持ちで目を伏せ、シュヴルーズが手布で目元を拭う。
 どうか我らが誇り、いと気高き生徒たちに始祖ブリミルの加護があらんことを。

「ミス・タバサは『シュヴァリエ』の称号を持つ騎士と聞いておる。
 若いながらも、その実力は確実なものじゃ」
 驚いてクロードはタバサを見る。
 色々と只者では無いと思ってたけど、本当に只者じゃなかったんだ。

「ミス・ツェルプストーは、数々の優秀な軍人を輩出した家系の出身で、
 彼女自身も優秀な炎のメイジだそうではないか」
 ふふん、と言いたげに胸を張るキュルケ。
 軍人、ね。意外な接点ったら接点だな。

「ミス・ヴァリエールは……うむ。
 数多くの優秀なメイジを輩出したヴァリエール家の息女であり、
 その、将来有望なメイジと聞いておる」
 思いっきり言葉選んでますね、学院長。
 本人はっと、うん、怒ってない怒ってない。どっちも流石です。

「そして、ミスタ・ケニーはミス・ヴァリエールの使い魔にして、
 平民ながらギーシュ・ド・グラモンを破ったなかなかの手練れ。
 魔法が使えぬとは言え、足手まといになることはあるまい」
 回りのどよめきからして、この世界において魔法抜きでメイジに勝つのは結構凄いことらしい。
 そう言えば、ファミリーネームで呼ばれることってあんまり無かったなぁ。あんまり関係ないけど。

 老人は決意に燃える目を一人一人見据え、厳かに、高らかに宣言する。
「魔法学院は、諸君らの努力と、貴族の義務に期待する!」

「杖にかけて!」
 真実誇り高き貴族の少女は、凛々しく、力強く答えた。

675 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 13:16:42 ID:FfY3+Jbr
検非違使 ?支援

676 :ほしをみるひと:2007/09/30(日) 13:17:04 ID:Ztfwyuae
今回は以上です。
なんか物凄い勢いで一同のルイズへの感情値が上がってる気がします。
ED調整のために執筆でもしてもらいましょうかしらん。
キュルケとタバサはともかく、ルイズが何書くのかは想像つかんなあ。

PS.明日から大学が始まるんで多分執筆ペース落ちます。
学校のPC室、21:00に閉まっちゃうんだよなあ……

677 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 13:18:19 ID:rfDJrV2R
GJ!

678 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 13:26:25 ID:uEDnu/MO
ルイズが
ハヤテのごとくのナギサを召喚したら…
灼眼のシャナの
サカイユウジを
召喚したら…

679 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 13:31:10 ID:uEDnu/MO
ルイズが
ハヤテのごとくのナギサを召喚したら…
灼眼のシャナの
サカイユウジを
召喚したら…

680 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 13:34:07 ID:UCOwAYi9
サイヤの人が来てるときいて脱衣(クロスアウッ!!)しにきました
フォォォォウ!!

681 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 13:46:07 ID:LnrLrvox
トライACE GJ

682 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 13:54:39 ID:n6scLb61
蔵人と検非違使の令外官つながりふいた

683 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 14:07:36 ID:bxtoXbER
まとめwiki見てたら女神転生ものがあったから俺も書いてみようかな
SS書くのははじめてだけどw

684 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 14:08:37 ID:qd1eQOgx
・・・正直真の救世主状態の強さ舐めてたわw

685 :ウィザーズ・ルーン:2007/09/30(日) 14:25:42 ID:JGMcDkco
今日は2回目ですね。
投下してもよろしいでしょうか?

686 :ウィザーズ・ルーン:2007/09/30(日) 14:31:18 ID:JGMcDkco
 学院長室は穏やかでない雰囲気に包まれていた。
「して始祖ブリミルの使い魔『ガンダールヴ』にいきついたということじゃな?」
 コルベールが慌てた様子で学院長室に入ったのが、事の始まり。
 それから学院長室は、コルベールの独演会場と化した。
 春の使い魔召喚で、ルイズが平民の少年を呼び出したこと。
 ルイズが契約した時に現れたルーン文字が気になって調べたこと。
 それを調べていたら、その結論として出たのが、
「あのルイズが呼び出したのは伝説の使い魔『ガンダールヴ』です!」
 ふむ、とオールド・オスマンはヒゲを撫で付ける。
「確かにルーンが同じ、となればあの少年は『ガンダールヴ』なのじゃろうな」
「どうしましょうか」
 コルベールは心配そうに吐き出すが、
「しかし、それだけであの少年を『ガンダールヴ』と決め付けるのは、いささか早計かもしれんのう」
「それもそうですな」

687 :ウィザーズ・ルーン:2007/09/30(日) 14:32:31 ID:JGMcDkco
「誰じゃね?」
 扉の向こう側から、ミス・ロングビルの声で答えた。
「私です。オールド・オスマン」
「何事じゃ」
「ヴェストリの広場で決闘をしている生徒がいるようです。止めに入った教師もいましたが、生徒達に邪魔されて、止められないようです」
「ふうむ。で、暴れておるのは誰じゃ?」
「一人はギーシュ・ド・グラモン」
「あのグラモンとかのバカ息子か。どうせ女がらみのことじゃろうて。で相手は?」
「それが、ミス・ヴァリエールの使い魔の少年のようです」
 オスマン氏とコルベールは思わず顔を見合わせた。
「そこにミス・タバサの使い魔が割り込んでいます」
「何?」
「彼はメイジという噂もあり、教師陣は『眠りの鐘』の使用許可を求めています」
 オスマンは杖を振って、壁にヴェストリ広場の様子を写し出した。
 なにやらミス・ヴァリエールやその使い魔と会話をしているようだが、ミス・ヴァリエールと共に決闘の傍から離れた。
「いや、待て。どうやら彼は決闘に参加しないようじゃな。これでは子供のケンカに逆戻りじゃ。使う必要はなかろうて」
「わかりました」
 ミス・ロングビルが去っていくのを確認して、
「オールド・オスマン」
「うむ」
「彼がガンダールヴかどうか証明される瞬間ですよ」

688 :ウィザーズ・ルーン:2007/09/30(日) 14:33:40 ID:JGMcDkco
「すまねえな。オレが適当なことを言ったばっかりに、こんな目に合わせちまって。平民のよしみだ。後はオレに任せろ」
 ジャケットから、銃を取り出しながらサイトに謝罪した。
 決闘を受けたのはサイトの責任だが、決闘にいたる道筋を作ったのは完全にヘイズのミスだ。
「オレは前の世界でもああいうのとやりあった経験があるんでな。あそこまででけえのはなかなかいなかったが」
「そんなことどうでもいい……」
 満身創痍。右手は明らかに折れているし、左目は腫れ上がってふさがっている。
 それでも……それでもサイトは立ち上がる。
 その姿にルイズは慌てた。
「な、何馬鹿なことやってんのよっ! あとはこの人に任せればいいでしょっ! メイジである貴族に平民が勝てるわけないじゃないの!」
「それも関係ない。俺はただ平民とか貴族とか、メイジだとかそうでないとか、そんなの関係ないってあのキザ野郎に分からせてやりたいだけだ」
 足ががくがく震えながらもサイトは続ける。
「それなのに、平民だからってメイジに頼んだら、それができなくなっちまう。そんなのは俺にはできねえよ!」
 その言葉を聞いてヘイズは気づいた。
 サイトはヘイズと違い、平民というだけではなく、メイジの肩書きもない。
 便利屋として世界を渡っていたヘイズとは違って、ただの一人の少年として生活していたはずなのだ。
 それなのに突如、なんの頼りもない異世界に放り出される。
 ヘイズにはハリーがいる。無愛想ながらもコミュニケーションがとれつつあるタバサがいる。
 タバサの友人であるキュルケや、厨房のマルトー親父も。
 サイトにはいない。
 平民と足蹴にし、使い魔と罵倒するルイズしか。
 だからこそ、ここで貴族に勝つことで皆に分からせたかったのだ。
 俺は平民でも使い魔でもなくて一人の人間だ! だから俺のことをちゃんと認めてくれ……!
 ――オレの出る幕じゃないってことか……まったくしょうがねえな!

689 :ウィザーズ・ルーン:2007/09/30(日) 14:35:11 ID:JGMcDkco
「ちょっと待て」
 ヘイズは軽くサイトの状態を確認する。
「右腕と左目以外は、擦り傷打ち身がひでえが、動けない傷じゃないな」
「ちょっと!? 何言ってるのよ!」
 いきなりのヘイズの言葉にルイズは慌てて叫んだ。使い魔をこれ以上怪我させるなんて冗談じゃないと。
 これにはサイトも驚いたが、すぐに平静になると、
「その銃を貸してくれよ。丸腰じゃ歯が立たなくても、武器さえあれば何とかできるかもしれない」
「こいつは電磁射出式だ。見た目はごついが、反動はそれほどでもねえ。あのゴーレム、狙うなら間接部だ」
 銃を渡しながら、頑張れよとヘイズ。
 受けとった銃を構えながら、歩き出したサイトを見ながらルイズは、怒りと共に言い放った。
「どうして止めてくれないのよ! 私の使い魔が死んじゃったらどうするつもりなの!?」
 それにヘイズは指をぱちんと打ち鳴らし、
「誰でも一人は自分を認めてくれる人がほしいもんだ。お前にはそういう人はいないのか?」
 と静かな口調で言った。
 ルイズは真っ赤になった顔を見せたくないように俯きながら、ずっと肩を震わせていた。

690 :ウィザーズ・ルーン:2007/09/30(日) 14:36:39 ID:JGMcDkco
 サイトは自分の体の変化に驚いていた。
 まず銃を受けとった瞬間に体中の痛みが消えた。
 そして何故か、体が羽のように軽くなった。
 ゴーレムの動きが遅く感じる。それも自分が速くなっているから?
 銃が体の延長線上のように馴染む。銃なんてモデルガンしか触ったことがないのに、だ。
 ――なんだよ、俺ってやれるじゃん!
「へえ、銃か。平民が貴族にたてつく為の牙! それを握り締めて、このギーシュ・ド・グラモンにここまで楯突くことに、素直に敬意を表してやろう!」
 ギーシュはそう言いながら、手に持った薔薇を振る。どこまでも芝居がかってキザなやつだ。
 体はボロボロなのに、あいつの杖はあの薔薇か、とそんなことを考える余裕までできていた。
 青銅のゴーレムが襲ってくる。
 遅い、こんなやつに俺はあしらわれていたのか。

691 :ウィザーズ・ルーン:2007/09/30(日) 14:37:55 ID:JGMcDkco
 ルイズは、周囲の歓声とともに勢いよく顔を上げた。
 そして信じられない光景を目にする。
 まずサイトが先ほどまでとは比べ物にならない速さで、ゴーレムの懐に飛び込んだ。
 そのときとなりで「身体能力制御だと……?」という声が聞こえたが、そんなことはルイズの頭に入らない。
 ゴーレムが拳を振り上げるが速いか、サイトの銃がゴーレムを首元から吹っ飛ばした。
 ぐしゃり、とマヌケな音をたて、首無しのゴーレムが転がった。
 ギーシュがひいっと、情けない声をあげて、ゴーレムを六体生成する。
 元々ギーシュのワルキューレは六体まで作ることができる。平民相手と思って、一体しか作らなかっただけだ。
 五体のゴーレムがサイトを取り囲み、いっきに打ち倒そうとする。
「……ああっ!」
 打って変わって危機に陥ったサイトに、思わず声が上がってしまうルイズ。
「うおおおぉっ!」
 サイトは裂帛の叫びを上げ、むしろその最中に突撃する。
 ルイズが瞬きをした次の瞬間には、一瞬にしてゴーレムの数が一体になっている。
 残る一体を楯として自分の前に置くギーシュ。
 最後のワルキューレを倒す瞬間、
「やべっ!」
 舌打ちと乾いた音が聞こえたが、ルイズはそれに気づかない。
 ただサイトを凝視しながら見守るだけだ。
 ゴーレムを全て倒されたギーシュは、顔面を蹴られて吹き飛んだ。
 そしてサイトがギーシュの額に銃口をポイントし、
「まだ続けるのか?」
「ま、参った」
 完全にギーシュが戦意を喪失したのを確認し、サイトはルイズのほうに向けて歩き出したのだが、
「ちょ、ちょっと!」
 急に力を失ったようにサイトが倒れこんでしまったのを見て、堪らずルイズはサイトに駆け出した。

692 :ウィザーズ・ルーン:2007/09/30(日) 14:39:28 ID:JGMcDkco
「……あれはどういうこと?」
 ヘイズのほうに寄って来たタバサが、納得できないという風に疑問を吐露する。
 キュルケはどうやらルイズのほうに行ったらしい。あの二人、仲がいいのか悪いのか。
「確実にギーシュは射線に入っていたはず。でもギーシュに被弾はない。よく見えなかったけどその時、たしかにあなたは何かをしていた」
 無口なタバサにしては、珍しく饒舌になっている。
 ヘイズは、「こいつはなるべく使いたくなかったんだがな」と前置きし、
「いわゆるオレの『隠し玉』ってやつだ」
 とそれだけ言った。
 それだけの説明に、タバサはまだ納得しきれていないようだったが、この力のことを教えるのは、もう少し後になってからにしよう。
 サイトは必死すぎて気づいていないところだったが、もう少しで死人が出るところだった。
 そのサイトたちのほうを見れば、倒れたサイトをシエスタが抱きかかえて泣いている。
 ルイズは真っ赤な顔でそれに何か口出しして、それをからかったキュルケと言い合いになって……。
 みんなサイトのことを心配しているのが見て取れる。
 少年が望んでいたものが、意識のない少年の傍で繰り広げられている。
 あの雰囲気に水を差すのも悪いし、お小言は暇なときでいいか、とヘイズは指をパチンと鳴らした。

693 :ウィザーズ・ルーン:2007/09/30(日) 14:40:30 ID:JGMcDkco
 オスマン氏とコルベールは一部始終を見終えると、顔を見合わせた。
「あの平民、勝ってしまいましたが……」
「うむ」
「あのギーシュはドットメイジですが、それでもただの平民に後れを取るとは思えません。やはり彼は伝説の『ガンダールヴ』! ここは王室に報告して意見を仰がなくては」
「それには及ばぬよ」
 オスマン氏は白い髭をなでながら、
「あの少年が本当に『ガンダールヴ』だったとしてもだ、そんなものを王室のボンクラどもに渡してみろ。また戦をおこす原因になるだけだろうて」
「ははあ。恐れ入ります」
「この件はわしが預かることにする。このことは他言無用じゃ」
「わかりました」
 とそこまで話したところで、
「ところで、ミス・タバサの使い魔のルーンはどうなっておるのじゃ? 彼もなにか特別な力が?」
 オスマン氏は少年に銃を貸し与えた赤髪の青年を思い出し、疑問を口にした。
「いえ、それが……」
 コルベールは言いにくそうに言葉を濁した。
「なんじゃ? 彼も伝説のなにかが?」
 オスマン氏の期待の声に、コルベールは居心地悪そうにしながら、
「実は、彼のルーンは記述に多少の変則的なところがありながらも、基本的な使い魔のルーンでして」
 と実にばつが悪そうに答えた。

694 :ウィザーズ・ルーン:2007/09/30(日) 14:43:46 ID:JGMcDkco
投下終了です。

当初ヘイズが予測演算一本で立ち回る、対エド戦の縮小版にする予定でしたが、
やっぱりここはサイトがやらないと、ガンダールヴとして魔法の杖奪還に着いていけないので。
なんだかんだ言ってサイトもギーシュもいい子だと思います。

695 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 14:45:31 ID:wIApxHd2
だからこのスレにサイトは要らないんだよ

696 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 14:49:23 ID:BJvvSi2h
投下乙〜

>>695
彼は居てもイインダヨーグリ(ry

697 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 14:51:01 ID:lY6s8L0M
>>684
地味にエンジェルブレスのたたるも凄いぜ。
神に気付かれないレベルで『世界創造』レベルの歴史改変をこなすし。
たたるの召喚器も単独で覚醒トレイター(主付き)と同レベルのチート性能だし。

698 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 14:51:41 ID:bs7UVJaN
>>694
せーの、乙でーす!
>なんだかんだ言ってサイトもギーシュもいい子だと思います。
同感。
育ちの違いはあれど、二人ともスケベでいい奴らなんです。

699 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 14:53:22 ID:6Hlj85Wq
6?7まで作れたのでは

700 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 14:54:14 ID:9yDfwJK+
設定を活かしきれるか不安な展開だなぁ

701 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 15:01:44 ID:nREa8Au5
喧嘩っ早いギーシュが多いな
大した理由なく向かっていってるぞ
まぁ負けるのはお約束だが

702 :ゼロの黒騎士:2007/09/30(日) 15:10:02 ID:oTW+xs/2
投下、よろしいでしょうか?
進路クリアならば、15:15分から第七回の投下を開始します。

703 :ゼロの黒騎士 第七回 1/7:2007/09/30(日) 15:15:31 ID:oTW+xs/2
その朝、ルイズは、小熊ほどもあるモグラに未練がましい流し目を送られるという珍しい体験をしていた。
ノワールは、ルイズの横で何があっても対処出来るように身構えている。
どうやら、眼前のジャイアントモール――ギーシュの使い魔であるヴェルダンデ――を、
マリコルヌよりもレベルの高い脅威とみなしたらしい。

「……ちょっとギーシュ。あんたの使い魔、一体なんなのよ」

「おかしいな。いや、僕のヴェルダンデは何時もはもっと慎ましいんだけど……」

暫く考え込んだ後、ポンと手を叩く。

「宝石の指輪か何か持っているだろう、君。それも、かなり石の大きな奴を」

「え? ええ、殿下から頂いた水のルビーがあるけど、それがどうしたのよ?」

ギーシュは、気障な仕草で髪をかきあげる。
ミステリーならば、ここで犯人を指摘しそうな勢い。

「ヴェルダンデは宝石が大好きだからね。
 きっと、君が嵌めている水のルビーの匂いが気になるんだろう。
 この良く効く鼻で地中の鉱石や宝石を見つけてきてくれるヴェルダンデは、
 土系統のメイジである僕にとって、最高の相棒さ」

自慢げに言い放つギーシュの姿に、何処か疲れたような眼差しを送るルイズ。

「分かったから、あんまりこっち見ないように言い聞かせてくれない?
 なんか落ち着かないんだけど……っていうか、何であんたの使い魔がここにいるのよ」

「いや、一緒に連れて……」

「ダメ」

「つ……」

「ダメ」

ものすっごい恨みがましい目でルイズを睨むギーシュ。
そんな視線をルイズは鼻息一つで吹き飛ばす。
何処をどう見ても、ギーシュの貫禄負けだった。


704 :ゼロの黒騎士 第七回 2/7:2007/09/30(日) 15:16:42 ID:oTW+xs/2
「大体、急ぎの旅だって言うのに、モグラを連れて行く余裕なんて無いわよ。
 わたしだって、今日ばっかりはノワールじゃなくて馬に乗っていくつもりなんだから、一人だけ我侭言わないでよね」

自分の使い魔だけ連れて行くのは我侭ではないと心の底から信じている声音。
ギーシュは、誰だよ、ルイズが淑やかになったとか与太飛ばしてた奴は、と一人理不尽さをかみ締める。
くそ、これで許されるんだから、美人は得だ。男だったら絶対顔に一発入れてる。勿論グーでね!

「それに……途中で置き去りにする羽目になったら、その子が可哀想よ。
 大事な使い魔なんでしょ? 必ず帰ってくるって約束して、学院に残ってもらう方が良いわ
 ……なによ、まじまじとこっち見て」

「あ、い、いや……」

まさか気遣われるとは思わなかったとは、口が裂けてもいえない。

「いや、ノワールは大丈夫なのかい?」

なので、話題を強引に摩り替える。

「大丈夫よ。ノワールは凄いんだから」

応えた声には力がなかった。
いつもなら誇らしく胸を張るはずのルイズが、何処か悄然とした姿に見えるのは気のせいだろうか?
迷うような、躊躇うような、一瞬の間。

「それに、わたしはノワールがいないと……」

何も出来ないんだから、という言葉は喉の奥に仕舞い込む。
それを口にするのは、あまりにもみじめだった。
そんなルイズの気持ちを知ってか知らずか、ギーシュは途切れた台詞を鮮やかに無視する。

「それを言うなら、僕のヴェルダンデだって、大丈夫さ。
 こう見えても素早いんだ。馬相手なら、地面を掘り進めながら併走できる」

それ、本当? と、目を丸くするルイズに向かって、ギーシュは得意げに胸を張る。

「凄い使い魔を召喚したのは、何も君だけじゃないんだぜ。
 確かにちょっと太陽光は苦手だけど、船に乗る間は、船倉で我慢してもらうさ」

そろそろ行こうか、急ぐんだろう? と促すギーシュに、ルイズが頷こうとしたその時、
朝靄の向こう側から、一人の長身の貴族が姿を現した。


705 :ゼロの黒騎士 第七回 3/7:2007/09/30(日) 15:17:46 ID:oTW+xs/2
「ミスタ・グラモンと……ミス・ヴァリエールかな?」

声を聞いたルイズの眼が、驚きのあまり見開かれる。

「誰だ!」

ギーシュが誰何の声を飛ばすが、羽帽子をかぶるその貴族は、動じた様子を見せない。
それどころか、悠々と帽子を脱ぎ、優雅に一礼する。

「失礼。君たちに協力するように姫殿下から命じられてね。
 僕は、魔法衛士隊、グリフォン隊隊長……」

「……ワルド様!?」

知り合いかい? と驚くギーシュを尻目に、髭も凛々しい青年貴族はルイズに駆け寄ると、
あたりを憚らず抱き上げた。

「久しぶりだな! ルイズ、僕のルイズ!」

「や、おやめください、ワルド様。もうわたしは子供ではないのですよ?」

「ははは、これは済まない。しかし、相変わらず君は軽いな。まるで羽のようだ」

「もう、お恥ずかしいですわ……」

羞恥に頬を赤く染めるルイズ。
誰だこのルイズ似の女の子、という驚愕が張り付いたまま表情が固定されたギーシュ。
爽やかに、朗らかに笑い続けるワルド。

ノワールだけが、その光景を何処か覚めた目で見つめている。
まだ、旅は始まってすらいなかった。



706 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 15:18:01 ID:Ut8D2b99
支援

707 :ゼロの黒騎士 第七回 4/7:2007/09/30(日) 15:18:53 ID:oTW+xs/2
何でこんな事になったのかといえば、話は先日にさかのぼる。
ゲルマニア訪問の帰途にある王女アンリエッタが、トリスティン魔法学院を行幸する。
思えば、それが全ての始まりだった。

急遽準備された歓迎式典もおさおさ滞りなく終わったその夜、アンリエッタが一人ルイズの部屋を訪れた。
何故? と言われても困る。来てしまったのだから仕方ない。
忘れられがちなのだが、一応ルイズは、トリスティン屈指の名門貴族ラ・ヴァリエール公爵家の息女である。
幼い頃は、歳の近いアンリエッタの遊び相手として、王宮やラ・ヴァリエール公爵領で一緒に遊んだ仲だった。
昔から、よく言えば気取りが無い、悪く言えば王女だろうと全く遠慮しないルイズは、
機嫌をうかがうばかりの大人に囲まれていたアンリエッタにとって、いつも新鮮な驚きを与えてくれる大事な人だった。
幾ばくかの年月を経て、否応もなく二人の関係は変化していったが、それでも友情に変わりはないと、
この純真な王女は信じている。

そんなアンリエッタにしてみれば、たまの息抜きとして、幼馴染にして親友であるルイズに会いたかっただけなのだが、
話がどう転がったのやら、気が付けば、ルイズは密書を携えてアルビニオンに赴くという事に。
この時点で、アンリエッタは大分慌てている。
まさかこんな事になるとは思わなかったのだ。
確かに、土くれのフーケを捕えた功労者としてルイズの名前があったのは覚えていた。
魔法が使えなかったはずの友人が、数人がかりとはいえ、
トライアングルメイジを捕縛できるほどに実力をつけた事を嬉しく思っていたのは事実だ。
だが、大事な、本当に大事な友人を、自分の我侭に巻き込みたくはなかった。
しかし、付き合いが長いだけに、ルイズの気性を良く知ってもいる。

ルイズは、一度言い出したら絶対に、そう、絶対に止まったりしない。

どうしようどうしようとパニックに陥りかけるアンリエッタに、ふと名案が思い浮かぶ。
言うなれば、頭の上に“明かり”の魔法がひらめく感じ。ぴかーん。

かくして、言いだしっぺのルイズと、立ち聞きをしていた所をノワールにふん捕まったギーシュ、
運良くだか悪くだか、前日直衛任務についていた関係でアンリエッタに顔を覚えられていたワルドという、
見るからにチームワークとかに縁の無さそうなトリオが完成した。



708 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 15:19:06 ID:WAnrpoh/
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709 :ゼロの黒騎士 第七回 5/7:2007/09/30(日) 15:20:05 ID:oTW+xs/2
「よろしかったのですか?」

例え旅先であろうとも、宰相マザリーニの一日は、まだ夜も明けやらぬ早朝から始まる。
恐らく、同じ学院の違う部屋では、アンリエッタ王女が、密かに親友の出発を見守っているはずだ。

「構わん。恋文に関しては、すでにゲルマニアと対応を協議済みだ。
 ……それに、姫殿下には必要なのだ。自分にはまだ自由があるという幻想がな」

しかし、王女の微かな希望も、願いも、全ては枢機卿の掌の上。
あからさまな発言に、さすがに秘書が鼻白むが、
地獄の特等席はすでに予約済みだと覚悟した、この聖職者の表情は微塵も揺るがない。

「それでは、ワルド子爵の件に関してですが」

「軍籍を抜いておけ。
 万一、事あった場合は、一民間人が婚約者と共に個人的にアルビオンへ向かっただけと強弁する。
 後任には副長を充てよ」

しかし、彼はもう少し賢い男だと思ったのだがな、と呟くと、
ふと気づいたように羽ペンを止める。

「君、念のためにワルド子爵の身辺を洗いなおしておいてくれないか」

一礼した秘書が部屋を退出するのを確認して、ようやくマザリーニは重い溜息を吐く。

「……姫殿下、罪な事をなされましたな。
 例えミス・ヴァリエールが成功したとしても、徒にウェールズ殿下を苦しめるだけと、何故お分かりにならないのです」

窓の外は朝靄にけぶる魔法学院の風景。
校門の辺りに、グリフォンが舞い降りる。

「旅路の幸運を祈らせてもらうよ、ミス・ヴァリエール。
 もっともわたしの祈りになど、始祖ブリミルは応えたまわぬかもしれないがね」

その呟きは、がらんとした沈黙に吸い込まれるように消えた。



710 :ゼロの黒騎士 第七回 6/7:2007/09/30(日) 15:21:12 ID:oTW+xs/2
その一日は、強行軍の一日となった。
グリフォンにはワルドとルイズが騎乗して先導し、ノワールと馬上のギーシュがこれに続く。
全速で走り続け、馬を乗り潰しかける事、すでに数度。その度に、駅で馬を乗り換えて更に走る。
目指すは、港町ラ・ロシェール。
早馬でさえ二日掛かる行程を、一日で疾駆する強行日程。

ようやく日が西の山に掛かり、辺りを夕暮れが赤く染めあげる頃、
峡谷に挟まれたラ・ロシェールの灯りが、ぽつぽつと目に飛び込んできた。
精も根も尽き果てたという風情で、馬の首にへばりついているギーシュは、
ただひたすらに、今日取る宿のベッドの柔らかさに思いを馳せている。

故郷の父上、母上、軍務に就いているはずの大兄上、中兄上、小兄上、申し訳ありません。
ギーシュは異土に果てるさだめだったのでしょう。もう、尻と腰と背中が死にそうです。
……いや、待てよ? 土の上というわけではないのだから、異土という表現はおかしいな。
やはりここは鞍上というのが正しいのか。

ようやく見えてきた街の灯りに、多少正気づいたのか、二度目に馬を乗り換えて以降、
始めて論理的思考とでも言うべき物が蘇る。

それにしても、まさか魔法衛士隊の隊長が、ルイズの婚約者とはね。
朝、出発の際に聞いた驚愕が、再び頭を過ぎる。
婚約は十年前だというから、当時のワルド子爵は、才気煥発なれども、海の物とも山の物とも付かない少年だった筈だ。
魔法衛士隊グリフォン隊隊長という、今日のワルド子爵の姿を予め見通して、
末娘との婚約を進めたのだとしたら、ラ・ヴァリエール公爵の人物眼は、なるほど大貴族の名に恥じない代物だろう。

首を持ち上げて、前方を走るグリフォンを視界に入れる。
もはや手綱を繰る気力さえない自分と違い、ワルド子爵の騎乗姿勢は、朝と何も変わらず、スマートで優雅に見える。
それどころか、抱かれるようにして前に跨るルイズを気遣う余裕すらあるようだった。
クソ、魔法衛士隊の連中は、化け物か何かか。
口から出る悪態にも、力が無い。もはや、込めるだけの余力がないのだ。
こんな自分が、曲がりなりにも脱落せずに済んだのは、ワルドのグリフォンが先導している事もあるが、
ノワールが居てくれたお陰だ、とギーシュは考える。
馬が脚を緩めようとすると、それを察したノワールが、背後に回って威嚇し、決して馬を休ませない。
もしも、ノワールの助けがなかったら、とうの昔に置いてきぼりを食っていただろう。
全く、大した使い魔だよ、ルイズ。ま、僕のヴェルダンデには敵わないけどね。
何しろ、この速度に追随できるモグラは、ハルケギニア広しといえども、ヴェルダンデだけさ。


711 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 15:22:00 ID:WAnrpoh/
支援

712 :ゼロの黒騎士 第七回 7/7:2007/09/30(日) 15:22:28 ID:oTW+xs/2
灯りはどんどん近く、大きくなってくる。
この分ならば、陽が落ちきる頃には、街に辿り着くだろう、と安堵した次の瞬間、
ギーシュの馬の目前に、幾つもの松明が投げ込まれた。
突然の出来事に、怯えた馬は一声いななくと棹立ちになる。
手綱を握る事さえままならないギーシュは、そのまま地面へと投げ出され……なかった。
飛び上がったノワールが、ギーシュのベルトを口に咥えると、そのまま、手近な岩陰に引き擦り込む。
次の瞬間、ギーシュが目にしたのは、飛来した矢によって、針山のようになって倒れ付す馬の姿だった

時刻は折りしも黄昏時と夜の狭間。
夜の闇は、早くも辺りを覆い始め、奇襲を仕掛けてきた賊の姿を隠している。
対して、こちらは赤々と燃える松明によって、何処に身を隠したのかあまりにもあからさまだ。
案の定、隠れている岩陰に向かって矢が雨のように降り注ぐ。
しかし、頭を抱えるギーシュをよそに、ノワールが岩陰から走り出した。
矢ぶすまが途切れる一瞬の隙を突き、松明の光が届くホンの僅か外側を大回りする。
汗に混じるアドレナリンの匂いで数を嗅ぎわけ、殺戮の予感に興奮する呼吸音で隠れ場所を特定する。
賊は崖の上。数は三十五。
矢が飛んでこないところ見ると、岩陰から飛び出したノワールの影に気づいた者は皆無。
後方から響く異様な金属に、ちらりと後ろを返り見る。
二メイルほどの金属製の人型が、降り注ぐ矢を物ともせずに、松明を踏み消していた。
恐らく、ゴーレムとかいう奴を、ギーシュが魔法を使って作り出したのだろう。
思ったよりも、気がきく。それでこそ連れてきた甲斐があったというものだ。

平地を駆ける速度そのままに、一気に崖を駆け上る。
崖の上には、矢をつがえる男たち。
奇襲のために、灯りを控えたのが裏目に出た。
優位を作り出すための、夜の闇と森の影が、今度は傭兵たちに牙を剥く。
四人殺されるまで、自分たちが攻撃されていることにさえ、気が付かなかった。
弓を捨て、剣を抜くまでに、更に三人が喉笛を食い破られている。
すでに全戦力の五分の一が殺害されながらも、パニックに陥らずに武器を構えた事実は賞賛に値しよう。
しかし、それは致命的なミスだった。この時点で逃げていれば、損害はここまで大きくはならなかったはずだ。
結果から言おう。この奇襲に参加した三十五人のうち、生き残った傭兵は五人に過ぎない。

三十人目がどうやら隊長格だったらしく、それまで何とか維持していた士気が崩壊した。
すでに五人まで減らされた賊は、重荷になるものを全て投げ捨て、一目散に逃げ出す……ただし、崖の下に。
森の奥の闇に逃げ込む度胸の持ち主は、一人としていなかった。
結果として、重力に引かれた生き残りは、十メイルの距離を一瞬で縦方向に移動し、
しこたま身体を打って悶絶する事になる。

崖の下では、ギーシュが目を丸くしている。
上空から、異変に気づいた風竜が、何事かと降下してくる。
その背に乗っているのは、印象的な青と赤の、見慣れた二人組だ。
先行していた二人乗りのグリフォンが、今頃きびすを返してこちらに向かってくるのが見える。
崖の上で、その全てを見ていたノワールは、安堵の溜息に似た何かをこぼすと、
中天に昇ろうとする双つの月に向かって、雄叫びを上げた。
それはようやく姿を見せた“敵”に対する、宣戦の咆哮だったのかもしれない。

713 :ゼロの黒騎士:2007/09/30(日) 15:23:37 ID:oTW+xs/2
以上です。
ご支援、ありがとうございました。

714 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 15:25:44 ID:WAnrpoh/
ノワールかっこいいなGJ

715 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 15:27:34 ID:0g9sijxx
黒騎士の人GJ!ノワールかっこいいよノワール

716 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 15:34:09 ID:iaMbuoMG
夜ノワールと戦うのは恐怖そのものですね。

GJでした。

717 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 15:50:38 ID:9Qdf0XzO
極めて駄作かもしれないが、GTA絡みのキャラで
投下してよいですか?

ペース遅いけど

718 :GTA:LCS-0 第一回:2007/09/30(日) 15:54:15 ID:9Qdf0XzO
「アメリカ最悪の都市」・「Great place to leave(脱出するのに最適な場所)」等と呼ばれている
リバティーシティだが、俺らのような人種には実に過ごしやすい。日本か何処かでのことわざでは、
「住めば都」そのもので、特にポートランドはママのレストランもあり、中国人ギャングのトライアドと
ナワバリ争いをしている事を目を瞑れば気に入ってはいる。だからとある『大物著名人』を消して
リバティーシティをずらかり、ほとぼり醒まして早く戻る事を望んでいる。


Grand Theft Auto: Liberty City Stories 0
トニー・シプリアーニがルイズに召喚されました。

リバティーシティを離れたものの、逃亡先でも人間には生活はある。例え食事の用意をする為だけの外出で
あっても、何時襲われても対処出来るようにピストルにウージー、ショットガンはたまた火炎放射器、手榴弾、
さらにはM−16、スナイパーライフル、ロケットランチャー(!)とそれらの弾丸をしこたま持って外出する
必要が生じてしまう訳だ。逃げる時に乗っていたレオーネ・センチネルに積み込んで常に行動していた。
この不思議な経験をした時も、丁度こんな時だったのを覚えている。俺は雨が降り視界が悪い中をセンチネルを
駆って走る。目的は他愛も無い話で、食事を外食でぱっぱと済ませて隠れ家に戻る途中……まぁ視界が悪かったし
はっきりと確認出来た訳ではないが、鏡のような物体、それも見た事も無いような特大サイズを見た気がする。
気がすると言うのも、ほんの一瞬視界に入った感覚しかなく、反射的に急ブレーキを掛けたわけだから。

719 :GTA:LCS-0 第一回:2007/09/30(日) 15:55:49 ID:9Qdf0XzO
最後の最後までぶつかったかどうかの感触を味わう事は無かった。それどころか少々気を失ったらしい。しかし
目を覚ますと自分では想像できない光景が広がっていた。センチネルの窓越しから見ると、清々しい位の青空に
良く整備の行き届いた緑の芝生、何よりも四方を取り囲んでいる中世の城のような城壁。特筆すべきは全てに
於いてそれが生活感があり、加えて全て芸術的な域にあるところ。
「……どう見ても、アメリカじゃあないな……」
自分とは思えない程に目玉を引ん剥いて眺めていた。それ位、この光景が真にもって現実離れしている。しかし、
センチネルその他諸々は変わりなく、自分自身にも怪我が無いのは驚いた。
「×××××××××!!」
だがそれ以外にもおかしな異変はあった。車の周りには人、人、人。しかも喋っている言葉は英語でもイタリア語
でもない意味不明で何を言っているのかは分からなかった。加えて服装もおかしい。全員が黒いマントを羽織り、
まるで中世のような服を着ているのかと思うが、それにしては現代じみていて奇妙な感じをさせる。何とも目立つのが
褐色色のやたら胸を強調した女で、色っぽさはあるものの何故か青臭い雰囲気があるのがギャップがあった。


720 :GTA:LCS-0 第一回:2007/09/30(日) 15:57:26 ID:9Qdf0XzO
「……×××……×?…×…×××××……?」
最もおかしいのは目の前には地毛なのかウィッグなのか判別つかないピンク色の髪をした女……と言うには少々無理がある
少女がM字に股を開いた実にはしたない格好で尻餅を付いており、何か呟きながらこちらをじと眼で睨みつけていた。
周囲を見渡すと聞こえてくるのは大凡笑い声であり、雰囲気からしてこのピンク色の髪をした少女を笑っているのだろう。
轢いた覚えも無いし睨み付けられる覚えも無いので、試しに強くクラクションを押してみた。
「×××××!!!」
するとどうだろうか。このピンク色の髪をした少女が、素で驚いた様子でまるでコメディーのドラマのようにいい感じに
飛び跳ね、笑い声を上げていた周囲の人間も驚きの声に変わる。この連中は車と言うものが分からないのだろうか?
「×××××××××××××××××××××?」
「×××××××××××××××××××××!!」
それも束の間、このピンク色の少女は気が強いのか何なのかは定かではないが、褐色色の女に何か言われたこのピンクの少女は、
訳の分からない言葉で捲くし立て、センチネル、如いては俺の前で喚き散らしている。流石にここまで来るとイライラしてきた
気の短い俺はピストルを手に持ち、おもむろに外に出る事にした。


721 :GTA:LCS-0 第一回:2007/09/30(日) 15:58:57 ID:9Qdf0XzO
――…一方のルイズ。
「……あんた……誰?…ど…どこの平民……?」
使い魔を召喚してみたら、訳の分からない鉄の塊と……平民ってどう言うことよ……おまけに腰抜かしちゃったじゃない!!
―――ブッブ――!!
ひぃっ!!!何なのよもう!!けたたましい音を鳴らして!!
「お…大見栄切っただけあるわね……へ…平民を呼び出す……なんて」
キュルケはこの鉄の箱の中にいる、少々声を切らしているがちょっとハンサムだけどいかつい男を一瞥しながら私を馬鹿にする。
こいつもけたたましい音に驚いたのだ。
「ちょ…ちょっと間違えただけよ!!」
「さ…流石……《ゼロのルイズ》……期待を……裏切らないや」
……うるさい、うるさい!!ビビりながら喋るんじゃないわよ!!Mrコルベール、もう一度召喚を……
「おお!男が出て来たぞ……!」
奇妙な声があがると鉄の塊からいかつい男が出て来た。手には何か持っている。べっ別に…こ…怖くなんてないんだからね!!

722 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 15:59:42 ID:Hd5l2Q9M
支援?

723 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 16:00:27 ID:rfDJrV2R
GTAだと車ごと召喚するのがデフォなのか支援

724 :GTA:LCS-0 第一回:2007/09/30(日) 16:00:28 ID:9Qdf0XzO
「……なんなんだここはよ……よく見りゃガキばっかじゃねぇか」
場違いとも思える程に清々しい空気に包まれつつ俺は車から出ると、意味の分からない言葉を口走りながら周りの群集は何か
異端な物を見るような目で見据えている。まったく訳が分からない。正直言ってヤバイと言えばヤバイこの状況。ガキ共轢いて
とっとと逃げるなんて選択肢もあったが、状況把握の為に車から降りてしまった。
「……仕方ない、あのオッサンに聞いてみるか」
群衆の中心に禿げたオッサンがいる。これもまぁ妙な法衣を纏ってるな……おまけに妙なバット持って……司祭か?まぁいいさ、
多分こいつら束ねている奴だろう。詳しく話を聞いてみようか。俺は歩みを進め、禿げたオッサンの所まで進んでいく。その時
まるでモーゼの様に道が開いたのは多少なりと驚いた。
「俺はトニー・シプリアーニ。なぁここは何処なんだ?」
だが、この禿げたオッサンも何を言っているのか分からなかった。本気で頭を抱えて困惑する俺だが、周囲ではどんどん状況が
流れている。その一つは俺のレオーネ・センチネルをガキ共が取り囲んでいるのだ。取り囲んでいるだけではない。物珍しい様子で
舐める様に見ているのだ。それだけではない。頭を抱えている横でハゲに説教されたピンク少女が、何かを呟きながら棒切れを
オーケストラの指揮者の如く振り回してる。


725 :GTA:LCS-0 第一回:2007/09/30(日) 16:02:18 ID:9Qdf0XzO
『か…感謝しなさいよね……貴族にこんな事をされるなんて…一生無いんだから』
「よ…寄るなっ!!」
頭を抱えている俺を見上げながら何かを呟く少女。思わず俺は声を出し、持っているピストルを少女に向ける。初めての経験だ。
俺はレオーネファミリーに入って子供に銃なんて向けたことなど無かったが、どうしてだろうか、何かの悪寒だろうか、気が付い
たら銃口を少女に向けていた。
「これ以上近寄ったら、子供でも撃つぞ!」
状況の変化を察知したピンク少女はジリジリと間合いを取るが、その歩みは間違い無く俺を捉えている。これが大人なら躊躇無く
撃っているだろうが、撃てない。やはり子供と分かってしまうと、幾ら俺でも二の足を踏んでしまうのか。
「!!」
だがこの瞬間が最悪だった。何と言うか俺の直ぐ横で行き成り何かが爆発、爆風で前に吹っ飛ばされた。リバティーシティでも
エイトボール絡みでこんな爆発結構日常茶飯事だが、これはない。まるで狙い定めたように、俺にそうさせるかのようにスタントで
使うような地を爆破するなんて到底想像も出来なかった……ボディアーマーのお陰で多少助かったが……やれやれ、生憎こんな手を
使うギャング、リバティーシティじゃ見たことねぇしなぁ……エイトボールでもここまでは無理だぜ……。

726 :GTA:LCS-0 第一回:2007/09/30(日) 16:04:06 ID:9Qdf0XzO
――…一方のルイズは。
「なんて事を!!」
この男は私に何かを向けながら叫んでいる。これが何かは分からないけど……ハンサムなのは認めるけど……どれだけ年上よ……。
しかも人相悪いし……うう、こんなのにファースト・キス捧げるなんて……。この際だから黙らせ、動かなくさせる麻痺の魔法を
掛けたつもりが、この男の足元を爆破してしまった。また魔法に失敗してしまったのだ。巻き起こる爆笑……と思いきや、巻き
起こってるのは悲鳴と怒号だ。
「やってくれるぜ『ゼロのルイズ』!!自棄起して使い魔殺しに掛かるんじゃないよ!!」
「これは退学もんだぜ!」
爆風で飛ばされた男にMr.コルベールと数人の人間が駆け寄り、急いで治療に取り掛かった……筈だが、何故か彼を見て全員首を
傾げてる。まぁ、死ななかっただけ良かったじゃない。
「良く無いわ!」
「痛っ!!!」
痛っ!!!いたたた……間髪入れずにキュルケが私に拳骨を落としやがった。手加減しなさいよ……脳天直撃して……いてて……。
見なさいよ……あの男気が付いたじゃない……うう、まだ頭が……。

727 :GTA:LCS-0 第一回:2007/09/30(日) 16:05:15 ID:9Qdf0XzO
「……衝撃はボディアーマーで助かったが、もう役に立たんな……」
爆風で吹っ飛ばされた俺は気を失い、中庭のど真ん中で寝かされていた。周りには黒いマントを着た幾人かの子供とハゲが俺を
治療している。幸い殆どボディアーマーで防ぎきった為に怪我が無く、擦り傷ばかりな事に子供達とハゲは首を傾げている。更に
その横では、ピンク少女が多分大人なのだろう幾人かの人間に囲まれた挙句日本でいう所の『正座』で座らされ、説教をされていた。
「大丈夫ですか?」
ハゲは気が付いた俺にこんな風に声を掛けた……待て、なんで言葉がわかるんだ?さっきまで雑音にしか聞こえなかったのだが。
「怪我はボディアーマーで何とか防いださ……でもだ、何故言葉が通じてるんだよ……さっきまで通じてなかったぞ」
空を見ながら喋る言葉は何とも格好悪い物だ。気の短さもあってつい口をついて出たのだろう。だが、そんなうわ言のような言葉も
このハゲは聞き漏らさなかった。
「魔法を使ったんですよ」
このハゲはっきり言い切った。魔法?馬鹿な事言うな。シンデレラや指輪物語じゃねぇんだぞ。
「もう一度、頼む」
「なるほど…えーと」
「アントニオ・シプリアーニ……世間からはトニー・シプリアーニと呼ばれてる」
補足するように俺はこう答えると、彼は割と穏やかな様子で説明を続けた。

728 :GTA:LCS-0 第一回:2007/09/30(日) 16:06:39 ID:9Qdf0XzO
「Mr.シプリアーニ、恐らく貴方の世界では魔法が存在しないのでしょう……しかし、我々の世界では魔法は普通に有りますからな
 ……ミス・ヴァリエールが間違った魔法を使って貴方の足元を爆発させたのも、魔法」
ヴァリエール……多分あのピンクの少女か……それにしても全く末恐ろしい話だな……この連中は本当に魔法を信じているらしい。
この世の中、そんなもの有ったら苦労しねぇぜ。
「……なぁ、最初下りた時、真っ先に聞きてぇ事があったんだが……えーとあんたの名は?」
「私はコルベール。この学院の教師をしている」
ここは学院だったのか……それだけでも驚きだ。しかしそれを考えると、この先の質問は心底恐ろしく感じてくる。
「Mr.コルベール、ここは何と言う州で何と言う町だ?」
「州……とは言いませんが……ハルケギニア大陸トリステイン王国首都トリスタニア。因みにここはトリステイン魔法学院です」
すらすらと出て来た以上、これは現実なんだな……実感させられた。背中に気持ちが悪い程汗をかく。しかし何だって俺がこんな訳の
分からぬ場所に……いや待て、そもそも何故俺はこんな場所に居るんだ?
「核心的な質問をするが、俺は何でこんな所に居る?」

729 :GTA:LCS-0 第一回:2007/09/30(日) 16:08:50 ID:9Qdf0XzO
「な…何!?すると何か、あのピンクガキが俺を引っ張って来たって言うのか!」
足を中心にピリピリと痛みを感じるが、思わず起き上がってしまった。要はこのコルベールが言う所には、俺はこの奇妙な世界に言わば
《強制的に》あのピンクガキに吸い寄せられたのだ……フルネームをルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールとクソ
長い名前らしいのだが、俺の腹の立ち具合から併せ持って今はピンクガキと呼ぶ事にする。そう言えばこのコルベールが言うに『貴方の世界』
何て言い方していやがったな……!
「起き上がってはいけません!!」
「うるせぇ!」
俺はよろよろと立ち上がり、正座して説教されているピンクガキを後ろからウェーブの掛かったピンクの髪をまるで兎の耳を掴むかのごとく
引っ張り上げた。
「痛っ!!痛い!!使い魔の分際で主人の髪引っ張るんじゃないわよ!!」
使い魔?主人?とうとうヤキでも回ったかこのガキ。余りに口数の減らない事に腹を立てた俺は、このピンクの髪をまるでロープでも持つ
ように拳でぐるぐる巻きにして掴み、更に引っ張り上げた。
「訳のわからねぇ事抜かしてねぇで俺の質問に答えろピンク……俺に何をしやがった?」
「ルイズよ!イタタタ!!……うう……何と言う……イタタタ!!どうやら…それなりの……『躾』が…必要……ね……イタタタタタ!!!」
「いかん!!全員で止めるんだ!!」
余りにもあんまりなこの状況に、コルベールはたまらず場に居る男女種族不問の連中全員に指示を出し、何人居るのか分からなかったが、
全員が俺にしがみ付き必死にピンクガキから離そうとしている。所々噛み付く奴まで現われ、堪らず手を放してしまった。

730 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 16:09:03 ID:pHoGxkRs
しえーん

731 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 16:09:29 ID:I73jAFud
60行だからもうちょっとまとめられるかも支援

732 :GTA:LCS-0 第一回:2007/09/30(日) 16:12:12 ID:9Qdf0XzO
それから暫く喧騒が続いたが、結局コルベールの指示で俺と半べそのピンクガキ、コルベールを除く全員が飛ぶなりなんなりして帰っていった。
ああ、魔法が本当にあるんだなと心底実感させられた。何せ青い色で短髪のガキなんて、書物に目を通しながら涼しい顔して飛んで行ったしな。
しかしながらそれ以上に不快なのは俺はこのピンクガキ……いや、このルイズの『使い魔』に成り下がっているらしい。手の甲には訳の分から
ない紋様が刻み込まれており、悪夢はとうとう現実のものになってきてしまったようだ。加えて実に余計な知識だが、キュルケが言う所では契約は
キスなのだという。だが、あまり嬉しくねぇよなぁ……。
「確認するが、元の世界に帰る術は今の所無いんだな?Mr.コルベール」
「はい、残念な事にMr.シプリアーニ」

『LOUISE OF ZERO......Give Me Liberty』

辺りはまるで絵に描いたように素直にすばらしいと思える夕焼けに彩られていた。この世界に来る前に飯を食ったばかりだった筈だが、自然と
腹が減る錯覚を感じる。偶然にも来ちまったとは言え、帰る術の無い今暫くはここでの生活を余儀なくされるだろうから、今後の事を取り敢えず
コルベールに尋ねてみた。
「仕方ない。Mr.コルベール、取り敢えず当面のねぐらが欲しいのだが」
「実は、メイジと使い魔はほぼ一緒に行動する事が常で、ミス・ヴァリエールと同室と言う事で……」
冗談じゃねぇ!!俺は何か、貧乏クジ引きまくってるなぁ!!

733 :GTA:LCS-0 第一回:2007/09/30(日) 16:13:43 ID:9Qdf0XzO
だが、今にも泣きたそうなのは俺よりも寧ろこのピンクガキ……いや違う、ルイズだろう。だが俺としては知ったこっちゃねぇが。俺はこの
ルイズを無視してコルベールと話を続ける。
「この車を納めるガレージ……いや、倉庫なんかあるか?」
「たいしたものは無いが……その『クルマ』に乗せてくださったら考えましょう」
どうやらコルベールはクルマに興味を持ったらしい。本当にこの世界には車なんて存在していないんだな。それ位で引き受けてくれるなら
安いものだ。
「Mr.コルベール……私はこれにて」
がっくりとした様子でルイズは体位を反転して帰ろうとする。あれ?おかしいな、こいつ魔法使いだろ?さっきの連中見たく飛んで……
ははぁなるほど……こいつ魔法からきしなんだな。
「乗れよ」
「!?」
俺の言葉に少々嫌な方面で反応した。ああ、こいつ俺が髪を引っ張ったのまだ根に持ってるな。
「どうせ戻る場所は一緒なんだ。手間じゃないだろ」
「べっ別に乗りたいなんて言って無いからね!!」
素直じゃねぇな!捨て台詞の如く言い放った割にはずかずかと乗り込んでくる当り、こいつ本当に捻くれているなと実感した。先が重いぜ。


734 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 16:15:39 ID:/s0Hf7s1
支援

735 :GTA:LCS-0 第一回:2007/09/30(日) 16:15:42 ID:9Qdf0XzO
今日はここまでです。
ご支援、ありがとうございます。

736 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 16:40:39 ID:BpieRkmg
GJ!!


朽木ルキア召喚&シエスタがの祖母は…ネタ、今夜中には投下予定。

737 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 16:49:03 ID:iQEY73+w
GTAの作者GJ!

兄弟、次回も楽しみにしてるぜ。

738 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 17:22:16 ID:2VLQyRx9
>>640
やられればやられるほど強くなる現象がギーシュにも発生したと思われ

739 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 17:27:40 ID:/s0Hf7s1
>>738
ギーシュがサイヤ人にw

740 :地上最強の使い魔:2007/09/30(日) 17:27:59 ID:gTE4pOtB
サモンサーヴァント――
トリステイン学院の生徒達が二年生に進級する場合、使い魔召喚の儀式が行われる。
使い魔を召喚した場合、その使い魔は自分を呼び出した主たるメイジに仕える、文字通り運命共同体となる。
呼び出すことがうまくいったらの話だが・・・
そして、ルイズという桃色の髪の、若干の幼さの残る小柄な少女もまた自らの使い魔を召喚せんと奮闘しているのだが…
「あーあー、まーた失敗してやんの」 「まったく!何回失敗してんのよ!」
「ゼロのルイズ!早く終わらせろよ!」
彼女はサモン・サーヴァントの儀式に何回も失敗していて、使い魔を召喚できた者から、散々な言われても仕方ない。
「いい加減にしろ!ゼロのルイズ!」
「仕方ないわよ。だってゼロだし」
いくら本当の事とはいえここまで罵られればゼロのルイズでも頭の熱くなってしまうのは仕方のないことだ。
そもそも、彼女はあまり気の長い方ではない。
「何よ、あんた達なんかのよりものすごい強くて、美しくて、気高い使い魔を召喚してしてやるわ!いい?私の召喚する使い魔をその目で見てらっしゃい!」
ルイズは今一度儀式にかかる
しかしみんなは笑っている。ルイズにはどうせ召喚なんてできないだろうと思っているのが、ルイズにも手にとるように分かる。
無駄だと分かりながらも一応召喚の呪文を叫んだ。
「宇宙の果てのどこかにいる私のシモベよ!神聖で美しく、そして強力な使い魔よ!私は心より訴える…我が導きに、応えなさい!」
ルイズが杖を降り下したと同時に、チュドオン!
彼女が魔法を使おうとすればいつも大爆発しか起こらない。儀式は失敗かと思われたが…
煙の中から人影が!
煙が収まり、中の人物姿がよく見えてきた。
真っ黒の服に、赤くてボサボサした長髪、はちきれんばかりに鍛えあげられた筋肉。
(ルイズ、一体どこの王様を呼び出しちゃったのよ・・・)
学院一スタイルのいい少女、キュルケのの思うように、まさにこの男の第一印象は王様。
メガネをかけた少女、タバサは見向き燃せずに本を読んでいた。
「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。5つの力を司るペンタゴン。この者に祝福を与え、我が使い魔となせ」
あろうことか、ルイズはこの男と契約を交わそうとしていた。
その男に口付けをしようとルイズが迫った。
「いになりキスなんて大胆な御嬢ちゃんだぜ。」
その男は自分の方から唇を近づけて来たのだった。
ルイズはその男の予想もつかない行動に戸惑ってしまった。
普通、契約の口付けをされたものは『使い魔のルーン』を刻まれて、体十がひどく熱くなるものなのだが、その男は平然と立っていた。
「・・・体、熱くないの?」
「暑い?そういえば真夏みてェに汗が流れてくるんだがなァ」
「・・・・」
ここまで熱がらない使い魔を見たことはないと、みんなはその男にあっけにとられていた。
「いい?あなたは私の使い魔になったのよ。使い魔っていうのはご主人様に使えるシモベ・・・」
ドガッ!
ルイズはその男にグーで殴られてしまった。
体重の軽いルイズは遠くまで飛ばされてしまった。
「この俺が貴様のような子娘に使えるだァ?舐めやがって、ここのやつらは全員皆殺しだッッ」
「王様なんかじゃない、こいつは鬼よ!」
そう言うとキュルケは杖から炎を発射した。
本ばかり読んでいたタバサも、危険事態と気づき、真空の刃を男に向けた。
しかしこの男はそんな魔法などものともせず彼女二人をなぎ倒した。
炎と風により、男の服が破れ、その背中はまるで鬼の形相のようだった。

741 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 17:29:14 ID:EqmnYZ6a
支援

742 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 17:29:16 ID:46ML7LVW
ちょwww支援

743 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 17:30:59 ID:q8IkV9Rb
ついにエライがの来ちゃった支援w

744 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 17:31:19 ID:6uhEV3mx
ついにやっちまったッwww
頼むピクルぶっ殺してくれおとーたま支援

745 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 17:32:14 ID:FfY3+Jbr
ついに来たか、という感じだな。
ただ暴れさせたいだけのようにも見えるが、さて。

746 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 17:32:55 ID:2F9qMaGb
オーガ?

747 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 17:34:31 ID:wIApxHd2
史上最強じゃなくて良かった(汗

748 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 17:36:45 ID:Pwbpld29
>>739

――ズン!
「今の一発はコッパゲのうらみだ!」

――バカッ!
「サイトの恨み!」


「こいつはベルダンデのうらみだ!!」
――ドゴッ!

「レイナールのうらみ!!」
――バキッ!




「これはマリコルヌのうらみ」

ぺしっ



749 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 17:39:12 ID:UOUa8hsX
地上最強の〜 って地球割の男かとオモタ

750 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 17:40:30 ID:Xvl9P32s
>>748
桜木wwwww

751 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 17:40:52 ID:scRf6ovS
>>748
何その落差w

752 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 17:43:40 ID:FeWKHee6
オーガktkr

753 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 17:55:13 ID:qd1eQOgx
地球割りっていったらメガトンパンチで最高数値出したときのカービィだろ

754 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 17:57:38 ID:kpdSdM98
アラレちゃんも地球割れるよな
あれはギャグだから無しか?

755 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 18:00:43 ID:KAxiUKOH
>>749
武器は持たない!空手だ!の人?

756 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 18:02:21 ID:2VLQyRx9
>>753
201Mt

757 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 18:08:22 ID:WrFsVK16
つーか、オーガってコッパゲ先生に負けるんじゃ……

758 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 18:10:35 ID:LPfOAnou
近代火器が雨霰と降り注ぐ戦場で素手で勝ち抜いてきたやつだぜ?

759 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 18:16:34 ID:WrFsVK16
うん。でも麻酔銃で眠らせて捕まえることは出来るわけだし、殺そうと思えば殺せるんじゃね?
あの世界の戦場は少し変。

コッパゲの炎浴びりゃ普通に死ぬと思う。

760 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 18:18:09 ID:m+yH/PmC
オーガの場合銃を撃つ人間の行動を察知して対処してる節があるからな。
魔法とかの初見のものはさすがに無理だろ。

761 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 18:18:59 ID:kpdSdM98
>>759
マワシウケで対抗
ちょっと厳しいな

762 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 18:27:59 ID:hwUacaqn
使う魔法によるかね。
最初は手加減してレビテーションくらいじゃないかと。

あ、もうオーガ詰んだか。素手だもんなあ。

763 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 18:29:26 ID:nNYDnajd
それだとサイトも詰む。

764 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 18:32:15 ID:Yor8+RyK
というか大半のキャラがつんじまわないか?

765 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 18:32:32 ID:kmyZ96QB
オーガなんて西洋の認識じゃ巨大で人食いで人間10人分だかに相当する強さの狂暴生物だけど
ちょっと知恵を使った村人その1にぶっ殺されて財宝獲られるおとぎ話に出てくる雑魚の代名詞だからな

766 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 18:34:45 ID:Yor8+RyK
>>765
いくらなんでも勇次郎を悪く言いすぎ。ここは特定キャラをヘイトする場所じゃないぞ。

767 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 18:34:53 ID:kQzIr2RP
レビテーション最強説浮上

768 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 18:38:56 ID:kmyZ96QB
>>766
いや、勇次郎じゃなくて実際西洋のおとぎ話に出てくる一般的なオーガのことなんだが…

769 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 18:40:29 ID:ap+TZ2B2
肉弾オンリーだと魔法に勝てる通りがないからなぁ。
アニメ版サイトみたいに宙に持ち上げられてボコられて終了。

770 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 18:41:21 ID:avyKGllj
ところで誰もルイズとキュルケとタバサの心配をしてない件について
下手すると一発殴られた時点で十分致命傷を負っている可能性もあるのに
あとこれで終わりなんかな?

771 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 18:41:47 ID:Yor8+RyK
>>768
どう考えてもそれに託けて勇次郎を馬鹿にしているだけにしか読めない。

772 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 18:44:25 ID:LPfOAnou
でもさ、オーガっつーかあの世界ってガイアさんでも戦車破壊出来るんだぜ?

773 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 18:47:12 ID:Yor8+RyK
>>768
「オーガは雑魚wだから勇次郎も雑魚www」
それが君の書いていることだろ、他作品に対する配慮が全くない下衆だね。

774 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 18:48:03 ID:0Y49v29g
>>767
大抵の戦士とか異能系は遠距離攻撃くらい持ってておかしくない。
剣士でも一回なら投げつけられるし。
勇次郎はあの格好だからなあ…靴でも投げるか。
意外とイケルかも。

775 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 18:48:23 ID:OhxeauH/
取り敢えず、もちつけ。

776 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 18:48:52 ID:T/cszIy4
>>769
アニメなんて『なかった』

777 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 18:49:40 ID:Tgu8bDMo
>>770
多分来ないんじゃね?
もう目的を達成したんだろう。
スレのふいんきが変わってるし。
よし皆の者、引き上げじゃあ!

778 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 18:50:21 ID:TIXZ9OY7
>>770
勇次郎召喚で戦慄するゼロ魔キャラが書きたかっただけなので続きはありません

779 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 18:51:31 ID:kpdSdM98
たしか初期アンチェインは至近距離でショットガン食らって数時間で快復してたな
この頃はナイフで刺されて普通に怪我してた(腹部)
話が進んだらナイフに匹敵する貫手を防げるようになってたな(同じく腹部。普段は刺さるけど腹筋を本気で締めたら銃弾も通さないとか)

780 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 18:52:02 ID:dJbN8OyN
>>748
ハルケギニアオワタwwww
てかsageろ

781 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 18:53:43 ID:7JLGBzBA
レビテーションで勝てるのなら第5巻でアニエスがメイジにタイマンで勝つのが不可能になるな。

782 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 18:53:48 ID:93PFdEHH
バキは消力出たときに
冷めて見なくなったなぁ

783 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 18:54:37 ID:07ElDlFd
石原裕次郎がどうかしたかい、と空気をまったく読まない発言をしてみる。
とりあえず毒吐く時は避難所該当スレへ行こうぜ。

784 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 18:55:32 ID:CcS88z2v
レビテーション?
ノボルが深く考えてないだけに決まってる

785 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 18:57:14 ID:kpdSdM98
>>782
最近岩塩の中から原始人が出てきたぞ
ストライダムが裸で語りかけてた

786 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 19:01:37 ID:5BuH2bCu
>>781
地下道で銃を持った平民相手にかける魔法ではないと思う。

787 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 19:03:54 ID:2uUAHm59
>>786
頭ぶつけそうだな。

788 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 19:05:34 ID:zANgwdLS
>>786
銃だけ浮かせて離させればよくね?

789 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 19:05:41 ID:zAmCWb+J
流石に銃持った相手にレビテーションかけてたら、フツーに射殺されるだろう。
それだけで一手損だし、お互いに姿見られてる状態なら射程内だし。
ハルケギニアの系統魔術はレビテーションかけながらエアカッターとか出来ないんだし。
先住魔術は反射しながら岩パンチとか出来るけど。

790 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 19:06:47 ID:0Y49v29g
狭い空間だったら浮かせても壁や天井走ったりするだろな、超肉弾系って。
サイトはデルフさえいりゃ大丈夫だろし。

791 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 19:06:53 ID:XhQ93C20
レビテーションにどの程度体の動きが必要かによるな。
ある程度体の動きが必要ならその機先を制して銃を撃てれんこともないかと。

792 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 19:08:34 ID:c7x9IRcR
ゼロ魔の銃だと離れててしかも浮いてる状態からじゃ主人公の仲間補正抜きでヒットさせれるとは思えん

793 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 19:08:36 ID:zANgwdLS
>>789
できるんじゃね?
使用中に他の術が使えないのはフライなんだから。

794 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 19:13:03 ID:zAmCWb+J
1巻で本探すのにレビテーション使ってたコルベールが、
「あっ」と驚いた瞬間に集中が乱れてあやうく落ちそうになってた。
本は読めるらしいから、簡単な呪文なら使えるのかもしれないけど、
集中が必要なのは間違いない。

795 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 19:13:21 ID:5BuH2bCu
>>793
レビテーションは、集中が必要な魔法で
コッパゲでさえ集中を乱すと落ちそうになるような魔法。
同時に魔法を使うのはほぼ不可能かと。
(原作1巻の書庫で探すシーン参照)

796 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 19:13:53 ID:zANgwdLS
>>790
レビテーションてデルフで吸いこめるのか?

797 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 19:14:21 ID:5BuH2bCu
>>794
けけけ結婚しないかっ!

798 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 19:17:35 ID:Hd5l2Q9M
>>796
自分に峰打ちとか

799 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 19:17:36 ID:zAmCWb+J
>>797
僕のセコンドに入ってくれないか?

800 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 19:17:49 ID:zANgwdLS
>>795
その頃のコッパゲは過去設定がなかったんだからしょうがないだろ。

801 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 19:19:32 ID:cwEaNMBo
>>795
実戦じゃ使えないな。

802 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 19:20:43 ID:Ztfwyuae
落ちながら戦えばいいじゃない。

803 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 19:21:19 ID:zAmCWb+J
そもそも実戦で飛行じゃなくて浮遊するヤツは「的」と言う。

804 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 19:23:13 ID:mNVLVOLD
>>796
吸い込めない方がおかしいと思うよ。

剣繋がりで某ヴァンパイアハンターの場合を想像してみたが…間違いなく魔法でも何でも斬るだろなw
そういう点で中途半端に常識的なキャラは相性が出るねえ。

805 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 19:26:10 ID:FfY3+Jbr
オーガならレビテで落とされても鉤ロープ投げたり五点着地で無事な気もする。

806 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 19:26:18 ID:kQiPhQyQ
>>804
ほとんどのキャラはその前に魔法かけようとして見つめた時に力が抜けて何も出来なくなるな
しかも斬らなくても左手が吸い込むし

807 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 19:27:13 ID:m+yH/PmC
あれ?>>804
ってドノヴァンの事じゃないのか!?

808 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 19:36:14 ID:LPfOAnou
レビテーションやフライ中に魔法は同時に二つ使えないわけじゃない、ただ恐ろしく困難なだけ
タバサの冒険の60Pにそう書いてある、とてつもない修行と精神集中が必要とあるけどな

809 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 19:41:23 ID:5BuH2bCu
>>808
同じタバサの外伝でも記述がびみょーに揺れてるんだよな

しかし、『フライ』の呪文で飛んでいる間は、他《ほか》の呪文を詠唱することができない。
タバサは翼人の攻撃を避けながら地面に降り立つ。



フライで飛びながら攻撃をかわすには大変な集中力が必要なのであった。
同時に別の呪文を唱えることは、不可能ではないがとてつもない修行と精神集中を要するのだ。

で、少なくとも風のトライアングルでも同時には使えない、事実上使える可能性の有るのは
風のスクウェアのワルドorカリンくらいか?

810 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 19:42:40 ID:kpdSdM98
>>808
そのうちそのとてつもない修行と精神集中をこなす馬鹿が出てきそうだな

811 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 19:47:16 ID:avyKGllj
>>807
煎餅屋に匹敵する美形で、吸血鬼の神祖の息子で、左手に四元素を喰らって主を回復させる化け物を飼っているダンピール

812 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 19:54:33 ID:kQiPhQyQ
>>811
左手は神祖と対決した某有名ヴァンパイアハンターの教授らしいが本当かね

813 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 19:57:24 ID:u3GsCxVp
某所にSSあるぞ。


……召喚するのはオリキャラで、呼ばれたのは“にせ”だがな。

814 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 19:57:45 ID:H2F7VHLM
強すぎる非常識キャラを召還するとシリアスな話としてはキツイな。
意外と、勇次郎がビミョーな結果になってるがw

815 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 19:57:58 ID:43zQhPyU
>>811
あのお方か

816 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 19:58:12 ID:iplrTKBb
ユージローはガンダールブ効果をどう思うんだろ
それが気になる

817 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 19:58:36 ID:qd1eQOgx
真っ暗闇の空間の中で1500時間過ごせるぐらいの精神力がいるよ

818 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 20:09:00 ID:Pwbpld29
勇次郎がとある貴族の娘を犯す → ジャン・ジャック・フランシス・ド・ハンマワルドの誕生
勇次郎がギーシュとモンモンが睦み合う寝所にいつの間にやら押し入る → 喰らえッ!! →アッー!

819 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 20:33:27 ID:oggzu2ZI
ところでメイジの杖って
サイズの大小に制限があったりする?あと形とか

820 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 20:36:41 ID:8pMkOcw0
>>816
武器使おうとしないのでずーーーっと気づかないとか。

なんかレビテーションが意外と恐ろしいので、今後T-0の人以外は戦闘に使っちゃダメな。

821 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 20:37:12 ID:/FFcIml7
僕のオリジナル手淫「ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール」

用意するのはペットボトルのお茶とストロー一本
お茶は初心者は500mlのやつがいいかな
まずお茶の蓋を開けて床に置きます この時にはズボンとパンツは脱いでおくように
脱がなきゃ何も始まらないからねw
そしたらお尻がちょうどお茶の真上になるように立ちます
ここでゆっくりと深呼吸 リラックスしてね
だいぶほぐれたなと思ったら気合一発腰を落とす!
門に先がズヌと入るのでそのまま括約筋をしめて逆立ちに行きます
この状態ではボトルの中身はそのままです
ここからが本番
ボトルの口が入った門にストローも刺します
その瞬間ボトルにストローから空気が入りボトルの中身が腸内を駆け巡ります
ストローの本数を増やせば入っていく勢いも増えるのでお好みで増やしてみてください
注意としては絶対にいきまないでください ストローから中身が出ちゃいます

822 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 20:38:35 ID:+bDGFjs6
>>821
そうか、帰りたまえ

823 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 20:39:55 ID:BioGAltv
>>819
タバサの杖は身長ほどもあるしルイズの杖はタクト程度。

今のところ一番小さいのはギーシュの薔薇の造花かな?

824 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 20:42:34 ID:v7tFzujA
キュルケの杖もかなり小さくないか?
胸の谷間に不自然なくしまえるぐらいだし。

825 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 20:42:49 ID:WEPPG4ll
>>819
杖は貴族のシンボルだからあまり変なものは―――とも考えたが、
フーケなんかも「杖」を持っていることから察して、
ある程度大きさと形に制限はあると思う。

あるいは、相性のようなものがあるとか。

826 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 20:43:45 ID:avyKGllj
>>823
>タバサの杖は身長ほどもある
アニメの方しか知らないんだが、ひょっとしたら父親か母親の肩身の杖なんだろうか?
それともここぞという時の武器?

827 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 20:44:16 ID:xoFWt3KJ
ハリー・ポッターの様に入学前には杖作りを。

828 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 20:45:33 ID:5BuH2bCu
フーケの杖は伸縮自在(小型の時は使用出来ないポイが)だったり
ワリルドの杖はデルフとまともに打ち合えたりと
同じ杖と火ュ浮きされてもえらい性能とか特性に差はあるぽい。

829 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 20:45:50 ID:zAmCWb+J
ティファニアの杖は「ペンシルのように小さくて細い」らしいから、
シャーペンサイズなのかね?

830 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 20:48:03 ID:FfY3+Jbr
棒状じゃないのはまだない……よな?

831 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 20:48:34 ID:l8htzrKf
>>826
きっと仕込み杖になっているんだよ

832 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 20:48:53 ID:WEPPG4ll
>>827
そうすると、ワルドの「杖剣」の設定と矛盾する。
まぁ、自分にあっていない杖で十二分に戦えてこその魔法騎士団なのかも知れんが、
それにしては剣に対する比重が軽すぎる。
ねぎまのように、魔法使いタイプと魔法戦士タイプに別れるのならわかるが。

ともあれ、これ以上は避難所にいかないか?

833 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 20:49:56 ID:x/6Nso8z
デッカイ鉄の棒持ってた奴いなかった?メンヴィルだっけか

834 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 20:51:16 ID:GRX31UND
杖は棒状の物で手に持っていないといけないのかな?

835 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 20:55:53 ID:pfWmUDaX
ソードワールドだと棒状の物、もしくは手の動きを阻害しない物って制限があるな
だから杖の代わりになる剣や指輪なんかがある
斧とか弓とかはダメらしい

836 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 20:59:32 ID:LPfOAnou
こっぱげ先生の杖は身長ぐらいの真っ直ぐな棒だったっけ?

837 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 21:05:23 ID:Fj4mgKpb
ピーター・ジャクソン版「指輪物語」のレゴラス(オーランド・ブルーム)
が召喚されると…。
原作並みにモテたとしても納得いくなぁ。

838 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 21:10:29 ID:WAnrpoh/
>>827
オリバンダー?

839 :男達の使い魔:2007/09/30(日) 21:28:08 ID:rbJ2zFk4
完成したのですけど、道は空いてますか〜?

840 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 21:28:29 ID:I1DIhq9a
かもんな〜〜〜〜う

841 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 21:28:42 ID:Hd5l2Q9M
そりゃもう!パレード行進が出来るほどに!

842 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 21:29:11 ID:q8IkV9Rb
日本男児の生き様は 色なし恋なし情けあり支援

843 :男達の使い魔:2007/09/30(日) 21:29:19 ID:rbJ2zFk4
「プロペラ、回します!」

その一言と同時に、シエスタが真空殲風衝を放ち、ゼロ戦のプロペラを回す。
その事実に、江田島は少しだけ驚いた。まだ年端もいかない少女が、真空殲風衝を使うとは思わなかったのだ。
しかし、その目を見て納得する。外見は全く違うとは言え、確かに彼女の目は「大豪院」に連なるものの目であったのだ。
だから、江田島は

「大義である!ルイズとやら、準備は良いか?」

そう言ってルイズを見つめた。その目には、深い海のような優しさがあった。そして威厳があった。
その様子に、ルイズは一瞬言葉に詰まる。しかし、彼女はやはり誇り高いトリステインの貴族であった。

「誰に向かっていっているのよ!それよりとっとと追い払って、帰ってくるわよ!」

初対面にも関わらず、ルイズは江田島の目を見つめ返してそう言った。

その様子に江田島は大きくうなずく。おそらく彼女にとっては初めての戦場であるのだろう。その瞳にはほんの少しの恐れがあった。
しかし、それを遥かに上回る大きさの、純粋な何かがあった。

ルイズはずっと考え続けてきたのだ。自分は魔法を使えない、シエスタや使い魔達のように強くはない。
考えて考えて考え抜いた結果、今のルイズがある。

(私は貴族よ。ならば決して後ろを見せない!取り乱さない!それに……)

ルイズは親友のアンリエッタのことを考える。
今の彼女ならば、自分から先頭に立つに違いない。そして敗北が決まるまで決して退くまい。
そう、ウェールズの死を告げた時、アンリエッタがそう心で誓ったのをルイズは見ていたのだ。
ならば、今のルイズは、自分がアンリエッタのためにできることをするだけである。

そんな気持ちが江田島にも伝わったのか、江田島はにやりと笑って大きく叫んだ。

「道を開けーい。ゼロ戦、発進するぞ!」

その瞬間、ゼロ戦に命が舞い戻る。
ふわりと浮き上がったとき、ルイズは興奮を隠せなかった。
そう、これほど巨体が魔法によらずして空を飛び始めたのだ。

数十年ぶりに命を取り戻したゼロ戦は、一瞬で遥か彼方へと消えていった。
その瞬間塾生達は、確かに塾長の声を聞いた気がした。

「わしが男塾第三の助っ人である!」


「むう。少し送れたようだな。」
「王大人!」

桃が驚いて振り向くと、そこには王大人がいた。
富樫の治療はいいのかと詰め寄る桃に、王大人はにやりと笑って振り返る。
そこには、助っ人二号の肩を借りて地面に降りる富樫の姿があった。
そのことに安堵の表情を浮かべる桃達に、王大人は真剣な顔をして言った。

「それよりも、早く江田島殿を追いかけるぞ。少々気になることがあってな。」

王大人と、ルイズの使い魔達は、戦風吹き荒れるタルプの村を目指すことになった。

844 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 21:29:21 ID:WEPPG4ll
道は空いているかだと?
否、己の手で空けるのだ。

845 :男達の使い魔:2007/09/30(日) 21:30:51 ID:rbJ2zFk4
時は数分前に遡る。

江田島平八が意識を取り戻したとき、そこには最近行方不明になっていた一号生達の姿があった。
そのことに江田島は安堵する。そう、彼らは無事生きていたのだ。
彼らは、一様に呆けたように江田島を見つめていた。そう、まるでこれが白昼夢であるかのように。
だから、江田島は応えることにした。

「わしが男塾塾長江田島平八である!」

その言葉に、周りにいたシエスタとルイズは思わず耳を押さえてうずくまる。
頑丈に作られたはずの新男根寮すら、大きく震えていたのだ。

だが、効果は抜群であった。

見る見る内に一号生達の顔色に生気が戻る。それと同時に虎丸などは感極まって泣き出しそうな顔をしていた。
それを見届けた江田島は、桃の方を見ると声をかけた。

「状況を報告せい!」

「押忍!一号生筆頭剣桃太郎、状況を報告します。」

そして桃は手短に状況を報告した。
ここが異世界のハルケギニアであることを。自分達がこのルイズなる少女の使い魔をしていることを。
そして今は戦争中であり、この少女の手助けをしようとしていることを。

それらの言葉一つ一つを江田島はかみ締める。
桃は、意味もなく嘘を言うような男ではない。おそらく言っていることは全て真実であろう。
そう判断した江田島は、まずはルイズの方へと向き直った。

「こいつ等が世話になった。この江田島、礼を言おう。」

「え、いえこちらこそ。」

思わぬ江田島の言葉にルイズは困惑していた。
この男からは、ルイズ自身の母である「烈風カリン」から感じるものと同じものをルイズは感じていたのだ。
そんな怖い時の母と似た雰囲気を持つ江田島に頭を下げられたルイズが思わず困惑してしまうのも無理はなかろう。

そうして礼を言い終わった江田島は、ゼロ戦と幻の大塾旗を見上げる。
かつての友、佐々木武雄が己の命をかけて守ったものだ。決して粗略に扱えるものではない。

(お主の故郷を守るため、今しばらく借りるぞ。)

そうして心の中の佐々木に語りかけた江田島は、先ほど話を聞いていた通りにルイズを乗せると空高く舞っていった。

「「「塾長!ルイズ!御武運を!!」」」

一号生達が敬礼をしてその様子を見送っていた。

846 :男達の使い魔:2007/09/30(日) 21:32:32 ID:rbJ2zFk4
江田島は怒りを隠そうとはしていなかった。
ギリギリと歯をかみ締める。怒りの炎の宿った目で眼下のタルブの村を見つめる。

そこにはかつて美しかったであろう平原が移っていた。
アルビオン軍は、官民の区別なくこの平原を焼き払おうとしているようであった。

(塾長。後は頼みます。)

そんな時、江田島の耳に、ふと大豪院邪鬼の声が聞こえたような気がした。
そう、ここは大豪院邪鬼が、その生涯の果てに命をかけて守り抜いた地でもあるのだ。
そんな大切な場所を汚すようなやつ等を、江田島平八は許しはしない。

その時、江田島の視界の端に、敵竜騎兵の姿が映った。

「ルイズよ。あのでかぶつの前には必ず送り届けるゆえ、今しばらく辛抱せい!」

「へっ?」

まだ竜騎兵を捉えることのできていないルイズが一瞬間抜けな声を上げる。
しかし、江田島はそれを無視して急上昇を開始した。後ろから、苦しそうな呻き声が響いていた。


「三匹目だ」

そうしてブレスを放とうとした竜騎兵は己が目を疑った。
信じられない速度で敵竜は急上昇をすると、次の瞬間には自分の後ろにいたのだ。
江田島が、かつての友人坂井某から教わった必殺技『ひねり込み』である。

(ば、ばかな!)

そう思った瞬間、その竜騎兵は爆散した。


ゴホゴホと咳き込んだルイズは、荒っぽい運転に文句を言おうとして思いとどまる。
そう、ここはすでに戦場であるのだ。

「右下から三騎来ているわよ。いい?絶対にわたしを『レキシントン』まで送り届けなさい!」

その言葉に江田島は不敵な笑みで応えると、続いて襲いかかってきた三騎へと逆に襲い掛かった。

天下無双江田島平八、それを止めるに足る技量が、知力が、そして何より度胸がレコンキスタ軍には足りていなかった。

そう、この男を除いては。
次々と味方が落とされていくのをワルドはじっと眺めていた。
そうして分析する。今の竜では、真正面からでは勝てない。
たとえ不意を突いても、一対一では手傷を負わせるのが精一杯に違いない。
だからこそワルドはじっと勝機を待っていた。

847 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 21:32:46 ID:EqmnYZ6a
支援

848 :男達の使い魔:2007/09/30(日) 21:34:10 ID:rbJ2zFk4
見渡す範囲の敵騎を打ち落とした江田島は、再度『レキシントン』へと侵攻を開始した。
しかしその時、予期せぬトラブルが襲う。

ガクン、とゼロ戦がぶれる。

「きゃあ!」「ぬう!」

かつての大戦の後、ほとんどメンテナンスされることのなかったこのゼロ戦である。
また、韻竜とすら戦った歴戦の機体でもあるのだ。
いかに魔法によって劣化をとどめてあるとはいえ、修理には限界がある。
このハルケギニアにおいて、これ程壊れかけたゼロ戦を修理しきることはできなかったのだ。
韻竜との戦いで負った損傷部からパーツが一部剥がれ落ちる。
機体が不安定そうに空で揺れていた。

その瞬間を見逃すワルドではなかった。


「勝機!」

ワルドは思わず叫んでいた。
完全無欠に思えた敵が、思わぬトラブルか何かで手間取っているようであった。
これを見逃しては、おそらく自分に勝機はあるまい、そうワルドは考えていた。

(それに)

その竜の中には、ピンク色の髪をした人物が乗っていたのだ。
ならば、一緒に乗っているのはルイズの使い魔に違いない。
ワルドの左腕がうずいていた。その顔には残忍な笑みが浮かんでいた。

今、エア・スピアーがゼロ戦を襲う。


ドン!

硬い何かが機体をたたく音がする。計器が次々と警報を告げる。
ついに、ルイズは死を覚悟した。この高度から落ちて助かるはずはない。
ただ、アンリエッタの力になれそうにないことだけが残念であった。
最後にルイズは、憎き敵を見つめた。
そこには、残忍な笑みを浮かべるワルドの姿があった。

何とか機体を立て直そうとする江田島であったが、もはや機体は制御を受け付けなかった。
コクピットが爆発する瞬間江田島は、今は亡き友、佐々木武雄の声を聞いた気がした。

849 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 21:34:22 ID:WEPPG4ll
十人いれば日本がアメリカに勝てたとさえ言われる男だ。
レコンキスタごときに遅れをとる理由はないな、支援。

850 :男達の使い魔:2007/09/30(日) 21:36:21 ID:rbJ2zFk4
「やった!」

人が乗っている部分が爆発するのを確認したワルドは、思わず右手を握り締める。
あれでは乗っていた人物は生きてはいまい。

しかし、それでもまだゼロ戦は飛んでいた。
パイロットを失って、致命的な損傷を受けて、それでもまだ『レキシントン』へと飛んでいた。

往生際が悪い、そう思ったワルドは地面へと叩き落すべく、己の竜をゼロ戦へと進めた。

ドスン

ワルドの耳に、何か重いものが着地する音が響いたのはその時であった。


(江田島よ。後は任せろ。)

確かに江田島にはそう聞こえた。その瞬間江田島はルイズを抱えて空へと飛び出していた。
男の、友の言葉である。二言はない。
ならば自分は眼前の露払いをするだけである。

そう考えた江田島の下に、敵竜の姿があった。


振り向いたワルドは、一瞬己の目を信じることができなかった。
確かに殺したはずの敵が、自分の竜へと乗り移っているのだ。無理もあるまい。
しかし、その一瞬が致命傷となった。
慌てて呪文を唱えようとする。

「ライトニング……」

「遅い!」

素早く懐にもぐりこんだ江田島の拳が一閃する。

次の瞬間ワルドは、自分が凄まじい速度で水平に飛んでいくのを感じた。
そしてワルドの意識は闇へと落ちていった。

「わしが男塾第三の助っ人である!」

ワルドを遥か彼方へと吹き飛ばした本人は、そう名乗っていた。

851 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 21:38:06 ID:I1DIhq9a
支援するだけで妊娠しそうな漢臭さ!

852 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 21:38:42 ID:EqmnYZ6a
支援

853 :男達の使い魔:2007/09/30(日) 21:38:58 ID:rbJ2zFk4
ようやくルイズは我に帰ったとき、江田島は竜を手なずけていた。
『何故か』『拳状に』頭部を変形させていた竜は大変従順であった。

「佐々木武雄少尉に敬礼!」

江田島の声が走る。思わずルイズは手を頭のところに上げていた。
見ると、江田島も見事な色気のある敬礼をしていた。
その視線の先には、黒煙をあげながらも『レキシントン』へと突撃をしていくゼロ戦の姿があった。


『レキシントン』から次々と魔法の火が飛ぶ。
一撃一撃とゼロ戦はその姿を削られていくが、勢いは止まらない。

(馬鹿な!何故落ちない!)

『レキシントン』にて砲撃を担当していた士官は、そう思ったところで意識を失った。


ルイズはその様子をじっと眺めていた。
ただの機械仕掛けのゼロ戦に、何故かシエスタや自分の使い魔達のことを重ねてしまったのだ。

ボロボロになりながらもゼロ戦は進軍していく。その勢いは微塵たりとも衰えない。

ついにゼロ戦が『レキシントン』へと突撃して爆散する。
その時、ルイズに耳には、見知らぬ男の雄叫びが聞こえていた。

気づくと、ルイズの口からは呪文が漏れていた。

「エオルー・スーヌ・フィル・ヤルンサクサ……」


『レキシントン』では消火活動が続いていた。
敵竜の突撃によるダメージは決して少なくはない。しかし、それでもまだトリステインと戦える。
ボーウッドはそう判断していた。
そしてそれは正しかった。その瞬間までは。

854 :男達の使い魔:2007/09/30(日) 21:40:17 ID:rbJ2zFk4
相変わらずルイズの視線の先では、『レキシントン』が黒煙をあげ続けている。
しかし、徐々にその煙は治まりを見せていた。
そのことを確認したルイズは、最後の呪文を唱えることにした。
あのゼロ戦が作った隙を逃すわけにはいかないのだ。

「エクスプロージョン!」

その瞬間膨大な魔力がルイズの体を駆け巡る。
そうして発動したエクスプロージョンは、空間にすら歪みを与え、敵艦隊を炎上させた。


アンリエッタと、ようやく到着したルイズの使い魔達は、その瞬間を見ていた。
凄まじいまでの閃光が走り抜けた次の瞬間、全敵艦隊が炎上していたのだ。
全員事態の変化についていけない中、アンリエッタだけが祈りを捧げていた。

「ありがとう、ルイズ。わたしのお友達……」

そう言って、彼女は進軍を宣言した。
トリステインの勝利は目前へと迫っていた。

855 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 21:40:24 ID:y0otiHCU
ちょwww竜涙目wwwwwな支援。

856 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 21:41:05 ID:Hd5l2Q9M
拳骨で従えたな・・・支援

857 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 21:41:55 ID:ocija4SB
流石10人でアメリカと対等になりうる男支援。

858 :男達の使い魔:2007/09/30(日) 21:42:03 ID:rbJ2zFk4
そんな中ルイズは、息を荒くしながら江田島にもたれかかっていた。
エクスプロージョンはルイズの全精神力と引き換えに莫大な成果を挙げていた。
見れば、まだ空間が歪んでいるのが分かる。
その時、

「ぬう!」「きゃあ!」

白い光が彼らを包んでいた。


「お、おいアレを見ろ!」

虎丸が思わず空を見上げて叫ぶ。
そこでは、ルイズと塾長を載せた竜が白い光に包まれているのが見て取れた。

次の瞬間、そこには何も残ってはいなかった。
ただ、その光の先には、懐かしい男塾の校舎があったのを、彼らは見ていた。
状況が全くつかめないまま、飛燕が皆の気持ちを代弁するかのように呟いたのが印象的であった。

「……我々は恐ろしい人を塾長に持ったようです。」


しかし、王大人だけはその様子を真剣な様子でじっと見つめていた。

(さすがは江田島殿。これで手がかりがつかめた!)

男達の使い魔 第一部 完

859 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 21:44:00 ID:y0otiHCU
ちょwwww塾長、ルイズを連れ帰っちゃったwwww

860 :男達の使い魔:2007/09/30(日) 21:44:25 ID:rbJ2zFk4
NGシーン

雷電「むう、あの技は!」

虎丸「知っているのか雷電!?」

雷電「あれぞまさしく周の時代に失伝したとされる飛念離個魅(ひ・ねんりこみ)!」

周の時代、最強と謡われた拳豪に風魯経羅(ふう・ろへら)なる人物がいる。
彼が最強と謡われた理由の一つにその技があった。
風魯経羅は、己の手に持った二つの棒をまわして自由自在に空を飛びまわったという。
時には遥か上空へ、時は急旋回を。
念を駆使して飛び回るその姿はとても一個人の保有する念の量では不可能と言われるほど人間離れしていたという。
しかし、その姿は優美を極めて人々を魅了した。
そんな人々が尊敬の意を込めて、彼の技を飛念離個魅と呼ぶようになるまでそれほど時間はかからなかった。
なお、このような故事に明るい坂井氏が、己のゼロ戦での技をひねり込みと呼ぶようになったのは、極めて納得のいく理由である。
また余談ではあるが、この話がシルクロードを伝わって欧州とハルケギニアに伝わり、
回転するもの一般をプロペラと呼ぶようになった、というのは今やもう常識である。

民明書房刊 「古代中国に学ぶ一般常識百撰」(平賀才人撰)

861 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 21:44:52 ID:rfDJrV2R
かw帰ったwww

862 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 21:45:32 ID:q8IkV9Rb
佐々木武雄少尉に敬礼!支援

863 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 21:46:01 ID:Hd5l2Q9M
塾長行き来できるんすかwww

864 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 21:46:38 ID:WEPPG4ll
相変わらず古代中国は人外魔境だな。

865 :男達の使い魔:2007/09/30(日) 21:47:06 ID:rbJ2zFk4
という訳で投下終了です。
本日も皆様ご支援いただきありがとうございました。
今回はひたすら塾長に振り回されましたが、開き直って振り回されきることにした途端話が進みました。
なお、今回で第一部は完です。
次回からは、ゼロのルイズが塾長に拉致されました(通称避難所)でしばらく連載することになりますが、よろしくお願いいたします。
それでは皆さん、また近いうちにお会いしましょう。

追伸 展開はこれから考えるのでご安心ください。

866 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 21:48:39 ID:FfY3+Jbr
考えとらんのかいwwもう好きにやってくれ
大好きだ!

867 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 21:49:02 ID:lY6s8L0M
サイト編始まる! GJ!!!

868 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 21:49:45 ID:7GHIMeQE
盛大に噴いたわw俺のコーヒー返せwwww

GJ!

869 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 21:49:58 ID:/srJjg6A
さすが塾長だ、世界を超えてもなんともないぜ。

>展開はこれから考える
これからかよwww楽しみにしてます。

870 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 21:50:19 ID:iplrTKBb
塾長ーーーー!?
どうなるんだこれから
GJだよ!

871 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 21:50:40 ID:2VLQyRx9
>展開はこれから〜
BS漫画夜話のインタビューによると宮下先生自身行き当たりばったりで書いているそうだwww

872 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 21:51:27 ID:WEPPG4ll
GJ!!
サイトとつるむ事になるのは規定事項として―――
ほかのキャラなら、地球でやりそうなことが思いつくが、ルイズはなにすんだ?

873 :代理:2007/09/30(日) 21:52:54 ID:/uG5K2hr
ソーサリー・ゼロさんの代理投下します

874 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 21:53:13 ID:EarDUDG0
曙蓬莱武術協会副会長平賀才人氏!
曙蓬莱武術協会副会長平賀才人氏が満を持して登場か!?

875 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 21:53:30 ID:xoFWt3KJ
とりあえず豊胸エステ

876 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 21:53:32 ID:pf9wi3Pr
GJ!
ところでワルドは死亡確認? 飛行してる竜から殴り飛ばされて気絶したら
本人にはどーにもならんし。

877 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 21:55:04 ID:WEPPG4ll
>>876
いちおー重要人物だから、気がついた人がいたらレビテーションで拾ってくれるんじゃね?

878 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 21:55:18 ID:f73mP621
>>876
学院に登校すると、「お、お前らー!」

879 :代理:2007/09/30(日) 21:55:47 ID:/uG5K2hr
449 :ソーサリー・ゼロ:2007/09/30(日) 21:18:03 ID:6P4F0TZM
四七
 
 武器を抜いて、この水そのものでできた怪物と闘うか(二八八へ)?
 それとも、使えるものがないか背嚢の中を探してみるか(二五八へ)?


450 :ソーサリー・ゼロ:2007/09/30(日) 21:18:50 ID:6P4F0TZM
二五八
 
 背嚢にある品のなかで、使えそうな物はあるか?
 
 油の小瓶・三一七へ
 幸運の護符・二七〇へ
 羊皮紙の巻物・三二七へ
 
 いずれも持ち合わせていなければ、武器を抜いて水大蛇と闘わねばならない。二八八へ。

880 :代理:2007/09/30(日) 21:57:26 ID:/uG5K2hr
451 :ソーサリー・ゼロ:2007/09/30(日) 21:19:50 ID:6P4F0TZM
三一七
 
 大蛇は透明な牙を剥き出しにして降下してくるが、君とフーケはすばやく左右に飛びのく。
 君は小瓶の栓を抜くと、すぐそばを通過する怪物の胴体に瓶の中身を振りかけ、期待の目で見守る。
 この怪物の弱点は覚えている。
 水大蛇は油によってその肉体を分解され、無害な水しぶきに変わってしまうはずだ。
 しかし、怪物は空中でもがき苦しみこそすれど、まだ生きている!
 驚くべきことに、以前にイルクララ湖で闘ったときにくらべ、より大きく、より強くなっているのだ。
 水大蛇は憤怒に眼をぎらぎら輝かせると、再び襲いかかってくる。
 フーケは、足元の岩場からゴーレムを作って迎え撃とうとしているが、岩ゴーレムはようやく上半身ができあがったところだ。
 堅い岩からゴーレムを作り出すには、土にくらべて余計な時間がかかってしまうようだ。
 水大蛇はフーケめがけて舞い降りるが、彼女は身を屈めてそれをかわす。
 空を飛び回る怪物が相手では、君の武器もフーケの岩ゴーレムの拳も、たいした効果を期待できない。
 君はどうする?
 術を使うか(七へ)?
 フーケに、なにか手はないかと尋ねるか(二四九へ)?

881 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 21:57:42 ID:JSGRSSt3
>>872
ttp://www.mmv.co.jp/special/game/ps2/zero2/images/story_05.jpg
世界観が男塾なので残念ながらこの場面は見られません

882 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 21:58:12 ID:XpkKClu1
空のエース坂井三郎の必殺技「ひねりこみ」をここで見られるとは

883 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 21:58:26 ID:WEPPG4ll
代理とはいえ投下宣言はしようぜよ。
ソーサリーの中に人への敬意として支援

884 :代理:2007/09/30(日) 21:58:51 ID:/uG5K2hr
452 :ソーサリー・ゼロ:2007/09/30(日) 21:21:15 ID:6P4F0TZM
二四九

 フーケは身の丈十八フィートにも及ぶ巨大な岩ゴーレムを完成させるが、その拳は空を舞う水大蛇には届かない。
 君は、なにかあの怪物に有効な魔法はないのかとフーケに尋ねるが、
「わたしに訊かないでよ!あいつと因縁があるのは、あんたでしょ!」と怒鳴られる。
 フーケはふと、なにかに気づいたような表情を浮かべ、
「…さっきあんたが使ったのなに?あれがもっと大量にあれば、奴を倒せるんじゃないの?」と問いかけてくる。
 君は、あれはただの油だが、もう品切れだと答える。
 それを聞いたフーケは
「それなら役に立てそうね」と笑顔を見せ、
「来なさいよ、化け物!お仲間と同じように始末してあげるわ!」と、
空中を旋回する怪物を挑発する。
「ほざけ人間!鈍重なゴーレムごときで、わしから身を守ることなどできぬわ!」
 怒りの声をあげて降下してきた水大蛇に岩ゴーレムが組み付くが、簡単にその手のあいだをすり抜けられてしまう。
「見よ、岩ごときで水をくい止めることは…」
 水大蛇の言葉は最後まで発せられることはなく、その姿はみるみるうちに崩れていき、油混じりの水と化して、
滝壺に降り注ぐ!
 眼を丸くしている君に、フーケは微笑み、
「≪錬金≫よ。ゴーレムの体の表面を、あらかじめ油に変えておいたってわけ」と言う。
 見事な機転だと褒めそやす君を手で制し、フーケは
「ところで、あの油の入っていた瓶、どこかで見た覚えがあるんだけど?」と尋ねてくる。
 君は返す言葉に詰まる。
 あの油の小瓶は、以前に意識を失ったフーケの雑嚢から奪い取ったものなのだから。
 返答に窮した君に、フーケは小さく笑う。
「悪い人ね…盗賊相手に盗みをはたらくなんて」
 そう言って、君の胸に掌を当てる。
 闘っている最中は気にならなかったが、月明かりの下で見る彼女は、はっとするほど美しい。
 風に揺れる緑色の挑発、象牙のように白くきめ細やかな肌、怪しく輝く瞳。
 ただの美貌ではなく、妖艶と言ってもよい容姿だ。
 フーケは言葉を続ける。
「でも、その盗みのおかげでふたりとも助かったんだから、許してあげる…これでね!」と言うや否や、
君の胸を突き飛ばす。
 君のすぐ後ろは滝壺だ!
 運だめしをせよ。
 吉と出たら一六四へ。
 凶と出たら一六へ。


885 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 21:59:16 ID:VHlTdrIY
>>883 宣言してるじゃないか支援

886 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 21:59:24 ID:rbJ2zFk4
死援!!

>>881
頭の中で宮下絵に変換すれば、それに近いシーンはあるかも。

887 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 22:00:28 ID:VHlTdrIY
まぁチャームなんて使ったら後が怖い支援

888 :代理:2007/09/30(日) 22:00:37 ID:/uG5K2hr
453 :ソーサリー・ゼロ:2007/09/30(日) 21:21:52 ID:6P4F0TZM
一六四
 
 危うく滝壺に転落しそうになる君だが、ぎりぎりのところで踏みとどまることに成功する。
 周囲を見回してフーケの姿を探すが、もはや誰も居ない。
 君は溜息をつくと踵を返し、宿に戻って眠ることにする。
 
 君は『黒水晶亭』に戻り、床につく。
 そのまま一晩よく休んだので、体力点二を得る。九九へ。


889 :代理:2007/09/30(日) 22:02:13 ID:/uG5K2hr
454 :ソーサリー・ゼロ:2007/09/30(日) 21:22:42 ID:6P4F0TZM
九九
 
 翌朝、君とルイズ、ギーシュの三人は、宿屋の一階に設けられた酒場で、これからの予定について話し合う。
 君は、≪土塊のフーケ≫と水大蛇に関する昨夜の一件を、ふたりには伝えぬことに決める。
 すでに問題が山積みなのだから、もはや済んだことで彼女たちをわずらわすこともない。
 朝一番で桟橋の管理所まで出向いたギーシュによると、今日は三隻の船―――もちろん空を飛ぶ船だ!―――が
アルビオンの港町・スカボローへ向けて出港するという。
 最も早く、二時間ほど後に出港するのは貨客船『ウィップアーウィル』号。
 船賃は破格の安さだが、乗客の大半は反乱軍に加わるつもりの傭兵たちらしい。
 やや遅れて飛び立つのが、鉱石運搬船『マリー・ガラント』号。
 反乱軍に売るための硝石を満載しているが、客室もいくつか備えており、まだ空きがあるという。
 船賃は他の二隻の中間程度。
 最後に、正午ごろに出港するのが客船『ブラックバーン』号。
 勝ちの見えた反乱軍に取り入ろうとするトリステインの商人や、アルビオンに居る親族の安否を確かめに向かう貴族など、
比較的裕福な乗客が多いそうだ。
 『ブラックバーン』号の船賃は、『ウィップアーウィル』号のそれの三倍近いという。
 
「姫殿下のためにも一刻も早くアルビオンに向かいたいところだが、いちばん早く着く『ウィップアーウィル』号は、
下劣で野卑な反乱軍の傭兵どもでいっぱいだ」
 ギーシュは渋面を作って言う。
「ぼくとしては、貴族にふさわしい『ブラックバーン号』にしたいところだが、これに乗ろうと思ったら、宝石を売り飛ばさないと…」
「アルビオンにどれだけのあいだ居ることになるかわからないんだから、路銀は節約しなきゃね」
 ルイズも真剣な表情で、三隻の船のどれにするのが最善かを考えるが、なかなか答えが出ない。
「ああ、もう!駄目、わかんない!」
 そう叫ぶと、両手で頭をくしゃくしゃと掻く。
 どの船に乗るか決めかねたルイズは、君のほうを見る。
「ねえ、あんたはどれがいいと思う?」
 君はどう答える?
 
『ウィップアーウィル』号・一八九へ
『マリー・ガラント』号・一二五へ
『ブラックバーン』号・一五一へ

890 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 22:03:33 ID:rbJ2zFk4
支援

891 :代理:2007/09/30(日) 22:03:48 ID:/uG5K2hr
455 :ソーサリー・ゼロ:2007/09/30(日) 21:27:53 ID:6P4F0TZM
今回は、以上です。
えらく短いですが、乗るフネによってこれからの展開が大きく変わってくるので、
ぜひ皆様に選んでいただきたいと思いまして。
 
あ、水場での闘いなのにフーケさんどころか主人公さえ濡れなかったのは、
エロス規制が発動しているためです。
My脳内で。


892 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 22:04:59 ID:WEPPG4ll
>>885
む? ホントだ。 すまんかった支援

893 :代理:2007/09/30(日) 22:05:30 ID:/uG5K2hr
代理投下終了しました

894 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 22:07:25 ID:WEPPG4ll
GJ!!
そして進路は一八九に一票。
あえて火中の栗を拾うのが俺の流儀だ。

895 :夜天の使い魔 ◆Rein4tm63s :2007/09/30(日) 22:08:01 ID:pHoGxkRs
ここは原作通り一二五を選んでみる。
すまん、チキンなんで冒険出来ないんだ。

そして投下予約をしておく。
15分辺りから。

896 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 22:08:09 ID:kpdSdM98
そんな規制はいらないよ!
でもグッジョブ
とりあえずウィップアーウィルに一票

897 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 22:08:42 ID:VHlTdrIY
乙。エロス規制とは残念だ。
そしてこのまま独自展開を見て見たいので一八九で。
……デッドエンドフラグかな。


898 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 22:09:45 ID:2VLQyRx9
>>897
イングラム「呼んだか?」

899 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 22:10:30 ID:VHlTdrIY
世界で一番幸せな魔導書支援準備

900 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 22:10:40 ID:FfY3+Jbr
ダッシュの使い方が英文っぽい感じですげえと思うよマジで。

物資をこっそり拝借できそうな一二五でどうだろう。
他の二船より客が少ないことがどう働くかが気になるな。

901 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 22:12:57 ID:VHlTdrIY
>>898
久保と一緒に何処か彷徨っててくれ、帰って来るな。

902 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 22:12:59 ID:+CqoE1vV
ソーサリー・ゼロの人、代理の人乙であります!

うーむ、主人公君がフーケのチャームされかけてる?
しかも壺のこともバレてるしw
選択肢は…悩むけど『ブラックバーン号』で!
高くつきそうだけど金を払うのはギーシュだしw

そういえばタバサとキュルケの出番はあるのかな?


903 :夜天の使い魔 1/6 ◆Rein4tm63s :2007/09/30(日) 22:15:10 ID:pHoGxkRs
 一介の奉公人でしかないシエスタが魔法学院の本塔を登るのは、この学院に来てから初めての事だった。基本的に仕事は厨房と食堂、それと敷地内に広がる広大な中庭位。
平民用の宿舎も塔内には存在しないので、石造りの建物の内部を上へ上へと上がる体験はかなり新鮮なものだった。
螺旋階段の途中で備え付けられた小さな小窓から望む光景はまるで自分が鳥になったような気分にさせられる。高い塔の上から下を覗いたらどんな感じなんだろう?と思った事はあったが、まさか本当に体験する事が出来るとは思ってもみなかった。
 長く長く続く螺旋階段はやがて終わりを迎え、続く短い廊下の先には一際大きく立派な扉があった。おそらくここが学院長室なのだろう、とシエスタは当たりをつけた。
 シエスタを先導していた中年教師、ミスタ・コルベールがドアノッカーを二回鳴らすと「入りなさい」という年老いた男の声が聞こえた。間違いなく、この学院の長、オールド・オスマンの声であった。
 
 招き入れられた室内は、彼女が想像していたものより質素なもで、石造りの部屋の中には執務用の机と資料を納める為なのだろう小さめの本棚が備え付けられている他に装飾品の類は無く、
敢えて特徴的な部分を挙げるなら部屋に似合わぬ大きな鏡が置いてある位か、とにかく簡素な印象を与える部屋だった。
 執務机にはこの部屋の主、オールド・オスマンが座っていた。髪も顎鬚も長く伸ばし、いかにも平民達が思い浮かべる「魔法使い」といった老人の姿がそこにはあった。パイプを片手に、それなりに立派な椅子の上でゆったりとくつろいでいる様子だった。
 何度か見かけた事はあるが、このように学院の主と対面するなどという事は、シエスタにとって初めての経験だった。自然と体に緊張が走り、身を固くさせる。
 
「緊張しているのかの? お嬢さん」
 老人は少女の内面を見抜いたのか、安心させるような声色でそう呼びかけた。
「なに、不安がる事は無い。別にお前さんをどうこうする為に呼んだのではないのだからの」
 どうやら、処罰を受ける訳では無い。そう判明して、シエスタの緊張が幾らか和らぐ。しかしそれと同時にまた疑問が浮かび上がってきた。それならば、一介の奉公人に過ぎない単なる平民の娘である自分が呼ばれたのは一体どのような用件なのだろう?
「今日お前さんをここに呼んだのはな、仕事を頼みたいからなんじゃよ」
「はあ……」
 仕事と言っても自分が出来るのは給仕と多少の雑用程度でしかないと思う。絶大な力を持つ貴族様が自分達がこうやって何かを頼む、というのは平民のシエスタにとってなんとも意外な光景であった。
「今、ある生徒がちょいと大変な事になっていてのう、ずっと部屋に閉じこもりっきりになっておるのじゃよ。お前さんには、その生徒の身の回りの世話をして欲しいんじゃ。済まんが、今やってる給仕は暫くお休みしてもらう事になるじゃろ。その旨はマルトーに伝えておく。
勿論、色々無理をしてもらう以上給金は弾むつもりじゃ。もしどうしても嫌というなら他の娘に代わってもらうが……どうじゃ、この仕事、引き受けてはくれんか?」
 口調には軽いものがあったが、その視線は真剣そのものであった。是非引き受けて欲しい、と目が語っている。
 
 シエスタの答えは決まっていた。
「わかりました、お引き受けいたします」
 どういう理由かは知らないが、自分は選ばれた。ならその期待に応えられるよう精一杯がんばりたい。それがシエスタの答えだった。
「おお、そうかそうか、引き受けてくれるか」
 オールド・オスマンが嬉しそうに笑う。本当に嬉しそうに笑う老人の姿に、引き受けて良かった、とシエスタは思う。
「お前さんが世話する生徒は、年の頃も同じ女の子じゃ。きっと仲良くやれると思う」
 一体どんな方なんだろう?とシエスタは想像を膨らませる。貴族の子女達は皆堂々としていて、自分達平民にとっては高嶺の花だった。そういった方の身の回りの世話など、初めての経験。粗相をしでかさないようにしなくちゃ、と心に固く誓う。

904 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 22:15:31 ID:VHlTdrIY
不屈の心はこの胸に支援

905 :夜天の使い魔 2/6 ◆Rein4tm63s :2007/09/30(日) 22:16:13 ID:pHoGxkRs
 外壁にそびえる五つの塔のうち一つ、寮塔の内部をコルベールの案内の元進む。ここは学院生徒の女子達が住む建物で、もちろんここに入るのもシエスタにとっては初めての事だった。
「その……ミスタ・コルベール。質問をしても宜しいですか?」
「なんだい?」
 気安く答えを返すコルベールの姿を見て、この人が案内役で良かった、と思う。殆どの教師は平民と口を聞く事をあまり好まない。身分違いだと、判っているからだろう。
しかしこのコルベールという教師はそういう事には拘らない性分らしく、自分を遠ざける雰囲気を微塵も感じさせなかった。故に、こうやって話しかける事にもあまり躊躇は無かった。
「これから私がお世話をするのは、どんな方なのでしょう?」
「ミス・ヴァリエールはとても努力家で、真面目な子だよ。ちょっと気難しい所もあるけどね」
 そう言われたものの、今一人物像がぴんと来ない。コルベールの嬉しそうな口ぶりからすると、生徒としては優秀なのだろうという事位は察せられたが。
 
 塔を幾階も上り、やっと目的の階層に辿り着く。学院長室へと赴いた高さよりは大分低いが、それでも随分な高さまで登ったようだった。
「ここが、ミス・ヴァリエールの部屋だ……ミス・ヴァリエール、私だ、コルベールだ」
 そう呼びかけながら杖でドアをノックするが、一向に返事が無い。
「聞いていた通りか……」
 渋い顔をしながら、もう一度ドアをノックする。しかしやはり返事は返ってこなかった。
「ドアは……やはり鍵がかかっているか」
 ドアノブに手をかけたコルベールは、そこにロックの魔法がかけられている事を察した。
「仕方ない、ここは強制的に開けさせてもらう」
「あの、宜しいのですか?」
 うろたえるシエスタに、コルベールは苦笑した。
「本来ならこういった礼を失した行為は気が進まないのだがね……既にこのまま放置しておける状況ではない。無理矢理にでも、君とミス・ヴァリエールを会わせなければね」
 これから行う行為に対し気乗りしていないというのは、傍目のシエスタにも良く判った。しかしそれでも彼は呪文を紡ぎ、杖を振る。
ドアノブが仄かな光を放ち、シエスタは魔法が使われたのだと理解する。直に魔法を目にする機会が余り無かったシエスタは、これが魔法なのかと興味深げにその光景を見つめていた。
「これは……凄いな」
 やがて光が消えた時、コルベールが驚きの声をあげる。
「一体どうなさったんですか?」
「鍵を外すのに失敗したんだよ」
 驚きの表情を崩さぬまま、シエスタの疑問にコルベールが答える。
「まさか、ここまで強固な『ロック』をかける事が出来るなんて。ミス・ヴァリエールの実力は想像以上だったようだ」
 自惚れでは無いが、コルベールは自分自身の魔法の実力をそれなりに高いものだと評価していた。この学院の教師陣の中に於いても、上位に位置するだろう。その自分が、まさか生徒のかけたロックを破れないとは。それは軽い衝撃だった。
「もう一度やってみるよ」
 再び呪文を唱えるコルベール。しかし先程とは様子が違い、目を瞑り深く集中しながら力強く呪文を唱え、額にはうっすらと汗も浮かんでいる。全力を以って魔法を使おう、という事なのだとはっきり判った。
 再び光を放つドアノブ。
「今度はなんとか成功したよ」
 疲労を隠せない様子で、それでも嬉しそうにコルベールは言った。実際彼は嬉しかったのだ。自分の生徒がこのように成長した事が、堪らなく嬉しかった。この疲労は、彼女の努力の証に相違無いのだから。

906 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 22:16:29 ID:WEPPG4ll
古代ベルカ式支援

907 :夜天の使い魔 3/6 ◆Rein4tm63s :2007/09/30(日) 22:17:26 ID:pHoGxkRs
「すまない、入らせて貰うよミス・ヴァリエール」
 コルベールは静かにドアノブを回し、物音を立てないように静かに部屋に入って行く。シエスタもその後を慎重について行った。
 部屋の中はカーテンが閉められたままであったので、昼間だと言うのに薄暗い。しかしそんな暗い中でもはっきりと判る立派な天蓋付きのベッドの片隅に、少女は居た。
壁にもたれかかるようにして背を預け、膝を抱えてその中に顔を埋めるようにして俯いている。二人が部屋に入ってきたのにも気付かないように、ただじっとそうしていた。

 コルベールは躊躇うようにどうしようか、と思案していた様子だったが、意を決すると口を開く。
「ミス・ヴァリエール。聞こえているかい、私の声が」
 間近からかけあれた声に、ルイズはやっと顔を上げる。それは初めて彼等二人の存在に気付いたといった風で、意外なものを見るような表情が浮かんでいた。
「ミスタ……コルベール?」
 コルベールは、己の情動を表に出さぬよう勤めなければならなかった。ルイズの顔はやつれ果て、泣きはらしたであろう目が腫れぼったく膨れていた。
何時も浮かべていた覇気のある表情はなりを潜め、全ての気力が尽きたような表情を浮かべている彼女の顔を、彼は初めて見た。自分の生徒のこのような姿を見るのが、コルベールは何より辛かった。
 しかしその内心を微塵も感じさせないよう、彼は笑顔を浮かべる。ルイズを元気付けようと必死に自分の心を覆い隠し、こんな暗い雰囲気を吹き飛ばしてしまおうとでも言うように陽気に言葉を続けた。
「最近授業に出てきていないからね。心配になって様子を見に来たんだ。調子はどうだい?」
「すみません、勝手に授業を休んでしまって」
 ルイズはそう言って力なく笑う。
「いや、良いんだ。今はゆっくり休みたまえ。存分に、ゆっくりと」
 今のルイズには力が無い、とコルベールは思う。それは前に進む気力だ。かつて彼女が溢れんばかりに持っていたものが、微塵も無く霧散している。
それが元に戻る為に必要なのは、休息だ。きっと自分が納得する答えを見つけるまでその力は戻らない。ならば私は余計な事は言わずにいよう、ただ静かに見守るのみ、そうコルベールは決意した。
「だが部屋に閉じこもりきりだと何かと大変だろう? 一人身の回りの世話をする者を連れてきたから、彼女の助けを借りると良い。君はゆっくり静養していたまえ。さ、ミス・シエスタ。ご挨拶を」

 促されるまま、シエスタはおずおずとコルベールの前に出る。そこで初めて、彼女は少女の姿をはっきりと見た。年の頃は自分と同じ位、という話であったが、見た目は自分よりも幾分幼い印象を受けた。
力なく落ち込んだ表情にシエスタは深い同情を覚えた。そして同時に、改めてこの仕事へのやる気を持つ。
例え貴族が相手でなくとも、このような状態の者を放っておける程彼女は薄情な性分をしていなかった。早くこの貴族の少女が元気になれるように精一杯がんばるぞ!と密かに心の中で鴇の声をあげるのだった。
「本日よりヴァリエール様のお世話を仰せつかりましたシエスタと申します」
 淀みなく紹介の口上を述べられた事に対し安堵して、シエスタは深々と礼をする。
「身の回りの雑事は彼女に任せ、君はゆっくり静養に専念するといい。ではミス・ヴァリエール、私はこれで失礼さえてもらうよ。何か我々に用があるなら彼女に言伝を頼みたまえ」

 そうしてコルベールが部屋より退出し、ルイズとシエスタの二人っきりになった。礼をしたは良いものの、どうしたらいいのだろう、とシエスタはうろたえる。彫像のように固まったままその場に立ち尽くすのみだった。
「……シエスタ、だっけ?」
「は、はいヴァリエール様」
 いきなり投げかけられた言葉に少々どもりながらシエスタは応える。
「ルイズ、で良いわ。その方が呼び易いでしょう?」
 覇気が無い様子でルイズは苦笑しながらそう訂正した。どうやら話は通じ易そうな相手だ、とシエスタは安堵する。貴族の中には平民を家畜と同じようにしか捉えていない者も存在する。目の前の少女がそうでない事に彼女は感謝した。
「シエスタ、早速だけどお願いしたい事があるの。それを、洗ってきて貰えないかしら?」
 そう言ってルイズが指差した先にあったのは、うず高く積まれた下着と洋服の山であった。バスケットに入れられた色とりどりの布の山はかなりの日数を溜め込んだ事を容易に想像させた。

908 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 22:17:55 ID:VHlTdrIY
終わらない夢はない支援

909 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 22:18:23 ID:WEPPG4ll
引きこもっていても着替えはちゃんとしていて安心した支援

910 :夜天の使い魔 4/6 ◆Rein4tm63s :2007/09/30(日) 22:18:31 ID:pHoGxkRs
「それから……軽いもので良いから、食事もお願い。お腹空いちゃって」
「判りました、お任せ下さい」
 よっ、とバスケットを抱え部屋を出る。布のみとは言えこの量だと中々の重量であるが、田舎育ちで力仕事にも慣れているシエスタにはどうという事の無い重さだ。
 
 寮塔の脇に備え付けら得た水場で、一時間少々の時間をかけ洗濯を終える。シエスタはこういった雑事は得意中の得意だ。こうして奉公に出る前は家事の手伝いを良くしていたのでたいした苦労も無い。
物干しを半ば占有する形で山盛りの洗濯物を干すと、食事も持ってきて欲しいと言われていたのを思い出す。大分時間も経ってしまっていたので怒られるかもしれない、と思い急いで食堂に向かった。
マルトーにパンとワイン、それと少々のサラダを渡されて厨房を出たのが約10分後。申し訳ない気持ち一杯で部屋に戻るシエスタだったのだが――。
 
「申し訳ありません、遅くなってしまって」
 息を切らせて戻ってきたシエスタに、彼女が部屋を出た時のままの姿勢で居たルイズは特に怒った風もなく、こう言った。
「大分早かったわね。そんなに急がなくても良かったのに」
 一時間半近く待たせてしまったのに、と思いながらも、きっと彼女は寛容な心の持ち主なのだろうとシエスタは納得した。
 ルイズはシエスタの持ってきた軽食を受け取ると、部屋に備え付けられたテーブルへゆるゆると移動し、ちびちびとそれを食べ始める。
食欲はあるようだが弱った腹ではあまり一気に多くの食物を入れる事は出来ないようだ。大した量を持ってきた訳では無いのに、結局ルイズはそれを残す事となった。

「ありがとう、助かったわ。多分昨日辺りから何も食べてなかったから、とてもお腹が空いていたのよ」
「あの、差し出がましいようですが、お食事はきちんと取られた方が宜しいのでは」
 そう言いながらシエスタは思い出す。そういえばここ最近食堂では何時も同じ席が空いていた。その席の主がきっと目の前の少女なのだろう、と納得する。その様子から考えると、随分と長い間食事には不自由していたのではないだろうか。
「わたしも別に食べたく無い訳じゃないんだけど」
 ルイズはシエスタのそんな嗜めに苦笑を浮かべる。
「何時も気付くと食事の時間が終わっちゃってて、結局食べそびれるのよね。ここ最近はずっとそう」
「気付くと、ですか?」
「ずっとずっと、頭の中の考えが纏まらないの。だから必死に考え続けるんだけど、そうしていると何時の間にか一日が終わってる。もう何日繰り返したか判らないけど、最近はそうやって一日を過ごしてる」
 そう語るルイズの瞳は、何処か遠くを見ているようだ、とシエスタには思えた。今の彼女には目の前の光景は写っていない。自分には見えない何かを凝視しているのだと、そう感じた。
「ねえシエスタ、貴方は失敗をした事がある? それも、どうしても取り返しがつかない様な失敗を」
 そう言われたシエスタが思い出したのは、この学院に来た当初の事だった。まだ仕事に不慣れであった彼女は様々な失敗をした。最初の三ヶ月位はマルトーさんにずっと怒られていたな、とシエスタは懐かしく思う。
その中でも一番の失態は彼女の給金ではとても弁償すら出来ないような高価な食器を割ってしまった事だ。あの時は目の前が真っ暗になって、とにかく謝り倒した事を良く覚えている。
でもルイズの語る失敗は、そんなものよりもっと酷いものなのだろう、彼女の表情を見る限りそうとしか思えなかった。

「あの時、本当はどうするべきだったのか、ずっとずっと考えてる。でもどれだけ考えても答えが見つからない。何千何万と、あの時の光景を繰り返して、どうにかしようとするけど、何時も何時もわたしは失敗する。無様に無能にどうすることも出来ないまま悲劇が起きる」
 ルイズは再び顔を伏せる。外界から全てを閉ざすように、再び殻に閉じこもる。
「わたしは無力でしかないと、ただ思い知らされる」
 シエスタは何も言う事が出来なかった。彼女はその人生で初めて、心からの嘆きというものを聞いた。余りに暗い感情の発露は音の暴力となって彼女の心に進入し、僅か脈を早めて行った。
「ごめんなさいシエスタ、今は一人にして。……さっきの食事は美味しかったわ、ありがとう」

911 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 22:19:50 ID:cX2VozCZ
男たちにソーサリーに夜天の黒いかもしれない三連星。
憂鬱な日曜の夜と月曜の朝も、これにゃあ吹き飛ぶぜ支援。

912 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 22:19:56 ID:VHlTdrIY
想像してたより悲惨ではなかった支援

913 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 22:20:09 ID:WEPPG4ll
ここですばらしき助言をして百合フラグ支援

914 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 22:20:16 ID:RsiUoYXW
夜天師支援! というか塾長帰ったーーー!!?
深夜0(ゼロ)時過ぎごろに投下したいが、とりあえずザ・ニュースレが立ってからかな?
皆様、ごゆるりと……

915 :夜天の使い魔 5/6 ◆Rein4tm63s :2007/09/30(日) 22:20:25 ID:pHoGxkRs
 シエスタは無言で部屋を出た。ルイズの意向を汲んだのもあるが、あの言葉に対しいったいどういう反応を示せば良いのか戸惑っていたという方が理由としては大きかった。
仕事は大変でちょっと辛いけれど、それなりに充実している毎日を過ごしていたシエスタにはまったく考える事も及ばない世界がそこにはあった。
きっとあのルイズという歳も自分と余り変わらぬ彼女は、自分よりも遥かに多くの事を体験しているのだろう。正直ルイズの語った事を理解出来たとは言い難い。
それでも、ただあの姿は酷く悲しいものだと、それだけは直感のように感じる事が出来た。

「あら? こんな所にメイドが居るなんて珍しいわね」
 ぼーっとしていたシエスタは、不意打ちのようにかけられたその声にびくり、と体を振るわせる。
「ごめんなさい、驚かせるつもりじゃなかったんだけど」
 声の主はシエスタよりも若干背の高い、褐色の肌をした生徒だった。長く靡く燃えるような赤い髪と着崩した制服に同性から見ても整った体型が妖艶な魅力を醸し出している。
授業から帰ってきた所なのか、手には何冊かの本と何かを包み込んだ紙包みを抱えていた。
「新しく入った子かしら? ここは寮塔、あなたのような給仕が来る場所じゃなくてよ?」
「あの、私本日よりヴァリエール様のお世話を仰せつかった者でございます」
「へえ……ふうん……」
 その紹介に、何か腑に落ちたように肯く。
「ルイズの様子はどうなの? 元気?」
「最近お食事をあまりとっていなかった所為か、少々やつれてはおりますが、体調の方は問題無いようです。先程も食事を所望されたので、運んできたところです」
「そ。なら良いわ」
 それ以上興味は無い、と言いたげに赤毛の女性はその場を後にする。向かった先はルイズの部屋の隣、どうやらルイズの隣人らしかった。
「あのう、貴方様はルイズ様のご友人でらっしゃいますか?」
「友人? そうねえ」
 女性はその問いかけに面白そうに笑う。
「どっちかって言うと、ライバルって感じかしら」
 じゃあね、と振られる手、そして閉じられる扉。
 
 心配そうな様子を見せていたから、友人なのと思ったのだが、違うのだろうか? ライバルという事は、逆に仲が悪いとか? でも今の口ぶりからして、そんな感じはしなかったな、とシエスタは思う。
 それにしてもルイズ様にしても今の女性にしても大分話しやすい。貴族はもっと恐ろしい存在だと思っていたが、シエスタのその認識が少々和らいだ。もしかしたら厳しい仕事になるかもしれない、と覚悟もしていたシエスタだったが、それも杞憂だったようだ。
 ひとまず厨房に戻ろう。厨房の仕事を手伝って、夕食時になったらまた食事を届ける。ひとまずシエスタはそう決めた。
 
 ばたん、と閉じられた扉の内では、キュルケが安堵の溜息を漏らしていた。
 どうやらあのボケ老人は、きちんとした対策を取ってくれたらしい。どんな仕事してるのかと常々思っていたが、意外にやる事はやってるようだ。その事に少しだけ学院長への印象を改めた。
 キュルケもこの一週間、何度かルイズの元を尋ねた。しかし返ってくるのは沈黙のみ、その様子に彼女も心配を募らせていた。
 とりあえず、ああやって世話を焼いてくれる人間がついたのなら餓死する心配は無いだろう。その事にほっとする。部屋に引きこもって死んでしまったなんて最後、惨めすぎる。
 少しあのメイドが仕事に慣れてきたら、一緒に部屋に行ってみようか、とキュルケは思う。何をふさぎ込んでるのか知らないが、一発発破をかけてやらなければ気がすまない。
ルイズ・フランソワーズという少女は何時だって胸を張って馬鹿みたいに前に進み続ける、そんな姿が似合ってる。今みたいな状態は彼女に相応しくない。
「それにしても……」
 彼女は手に持った包みを弄ぶ。その隙間からは、香ばしい臭いが漂ってくる。
「食べすぎると体重が気になるんだけどねー、残すのも勿体無いわよねこれ」
 今日の夕食は少し控えめにしましょ、と食事制限を誓うキュルケだった。

916 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 22:20:47 ID:RcdIjaQE
ソーサリーの人&代理人さん乙!
ここは裏をかいて一番出発が後の一五一を!

917 :夜天の使い魔 6/6 ◆Rein4tm63s :2007/09/30(日) 22:21:59 ID:pHoGxkRs
 空は暗雲に覆われ、一部の隙間も無く天空を埋め尽くしていた。漏れる光は一条もなく大地は暗闇に閉ざされている。風も音も無く静かに暗闇に満たされた凪の世界の中に、彼女は居た。
 大きな湖の中央、小さなボートの上で伏せる少女。それは紛れも無くルイズ・フランソワーズの姿だった。波紋すら立てず浮かぶ小船の上で、彼女もまた微動だにせずに居た。
 
 遠景には、大きく立派な屋敷が見える。所々に尖閣が存在する様相は、まるで屋敷と言うよりも城に近い。屋敷の周辺は広大な森に囲まれ、庭には美しい花々が咲き誇っていた。これこそが、ルイズの生まれ育ったヴァリエール邸である。
おそらくトリステインのどの貴族の屋敷であろうと、ここまで立派なものはあるまい。それはラ・ヴァリエール家の力が如何に大きいものであるのかを良く表していた。

 ここは本物のヴァリエール邸では無い。ルイズが作り出した、今の彼女の心を映し出した夢の中の風景。その証拠に、湖の大きさは邸宅に備えられたものとは思えぬ程に大きく、それは広大なラグドリアン湖に匹敵するのではないかと思われる程だった。
 
 そんな夢の中の湖の辺で、そんなルイズの姿を見つめる一人の女性の姿があった。彼女は銀髪を靡かせ、ただ少女を見守り続ける。
 湖の大きさは、今の自分と主との心の距離だ、と彼女は思う。誰であろうと拒絶し心の奥底には近づけたくないというルイズの気持ちがこの湖には現れていた。
その中心で一人ルイズは泣き続ける。己を責め、悔やみ、絶望する。それをどれだけ繰り返したのだろうか。
 
 しかし彼女――リインフォースにはどうする事も出来ない。彼女は受動的な存在であった。リンク機構を破損した彼女には、積極的に主とコンタクトを取る能力が失われている。
僅かばかり、睡眠によって意識が深層に埋没した時のみ不安定ながら意思の疎通が出来る、それだけの関係。
しかし今その僅かな繋がりも主は否定している。夢の奥底ですら、ルイズはただ一人慟哭し続けるのだ。
 それは誰かを支える為に生まれてきた彼女にとって、どれだけ辛い光景であっただろうか。彼女にとって一番の喜びは自らの主の願いをかなえる事。何も出来ぬ無力にまたその使い魔も嘆き悲しんでいた。

 僅かばかりの動きも見られぬ世界は、ルイズの思考が過去に囚われ動いていない事の証明であった。そこで彼女はずっとニューカッスルでの悪夢を反芻し、その光景に苦しむのだ。無力感が彼女を捕らえるくびきとなり、あの湖の中央に縛り付けている。
 
 リインフォースは空を仰ぎ見た。余りに厚い暗雲は既に黒い天井と言っても差し支えの無い質量と禍々しさを持ってこの世界を封じ込める。だが何時かきっとこの空に光差す日が来る、リインフォースはそう信じる。
ずっと身近に居た彼女は知っている、ルイズが如何に強い少女であるかを。彼女の心は尽きぬ炎で形作られた太陽であった。どんな困難が目の前に現れようと燃える心火がそれを焼き尽くす。そして溢れる光は、誰もが目を眩ませる輝きを持っていた。
今はそれが雲に隠されてはいるが――決して無くなってしまった訳では無い。だからきっと、再びこの場が光で満たされる日が来ると確信していた。
 何時かその日が来たならば、と彼女は思う。次こそは共に手を取り進みたいと。ルイズは自分に深く愛情を注いでくれている。自分もまた、それに答えたかった。私は彼女の、使い魔なのだから。
 
 リインフォースはただ一人、主の帰還を信じ湖の辺でその姿を見守り続ける。凪の世界の中、幸運の追い風は、まだ吹かない。

918 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 22:22:09 ID:VHlTdrIY
やっぱキュルケは良い女だよ支援

919 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 22:24:21 ID:VHlTdrIY
乙。幕間……かな。
シエスタやキュルケがルイズの心の暗雲を晴らしてくれると信じて、次回も待ってる。

920 :夜天の使い魔 ◆Rein4tm63s :2007/09/30(日) 22:24:22 ID:pHoGxkRs
以上で投下終了。
今回は久々に20kb行かない短い話でした。
日常シーンはあんまり文章が膨らまないのか、それとも自分が日常シーンを膨らませられないのか。

921 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 22:24:22 ID:LfuLDMZP
動きの無い話を面白く読ませるのが凄い
夜天さんGJです

922 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 22:30:25 ID:rbJ2zFk4
投下乙です!
やはり毎回面白逸すね

923 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 22:34:30 ID:I1DIhq9a
おちゅ!

924 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 22:47:50 ID:rfDJrV2R
GJ!GJ!

925 :ZEROMEGA:2007/09/30(日) 22:55:28 ID:a3zy2MNv
毎度美しい文章をありがとうございます。
そして、今度はわたくしめの拙い文章を投下させていただきます。
例によってオリジナル炸裂ですが、よろしくお願いします。

926 :ZEROMEGA(1/9):2007/09/30(日) 22:57:54 ID:a3zy2MNv

窓や扉から火を吹き上げるテファの家を見た時、五宇の中で焦燥感が爆発しそうになった。
一瞬、テファを救出するためにこのまま重二輪で家の中に突入しようとさえ考えた。
しかし、家の近くの草むらから立ち上がった小さな影が沸騰する頭に冷静さを取り戻した。

「ジムかっ!」

泥と煤、そして乾きかけた血のせいで見る影もなく汚れていたが、それは間違いなく村で一番ティファニアに懐いていた男の子、ジムだった。
急いで重二輪から跳び下り、傷ついた小さな体に駆け寄る。
自分の車体から救急医療パックを取り出したタイラがその後に続く。
ジムは五宇たちの姿を認めると崩れる落ちるように雨水でぬかるんだ地面に膝をついた。

「どこへ行っていたんだよ、ゴウ! ゴウがいないから、ティファニアお姉ちゃんがさらわれちゃったじゃないか!」

弱々しい泣き声が異形の人形の爪よりも鋭く心に突き刺さる。
五宇はジムの体を支えながら聞いた。

「すまない。何があったか教えてくれ、ジム」

金髪の少年は汚れた裾で涙を拭いながら、ティファニアの家で起きたことを少しづつ話始めた。


927 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 22:58:12 ID:D+kM/7cP
支援

928 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 22:58:15 ID:pHoGxkRs
バトンタッチ支援

929 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 22:58:37 ID:TTWMATKT
連邦の量産機支援

930 :ZEROMEGA(2/9):2007/09/30(日) 22:59:58 ID:a3zy2MNv

その日ジムは他の子供たちと別れ、泉の岸辺に咲く青い百合の花を取るためにこっそり森の奥にある小さな泉に向かった。
以前、泉の側を通った時にティファニアがその花に見取れていたことを少年は覚えていた。
ジムはずっと前からティファニアに対して家族以上の愛情を抱いていた。
だから、五宇という強力なライバルが登場した時は酷く動揺した。
ティファニアに対する思いを諦めようかと迷ったこともあった。

しかし何故か分からないが、昨夜ティファニアと五宇は大きな喧嘩をしたらしい。
このチャンスを逃す手はない!
今、ティファニアを慰めれば、自分の株は大いに上がる!
ませた少年は青い花を手に意気揚々とティファニアの家に向かった。
帰り道の途中で降り始めた雨も小さな胸の中で燃える幼い恋心を鎮める事は出来なかった。

だがティファニアを驚かせようと裏口から家の中に入ろうとした瞬間、甲高い悲鳴が聞こえた。
慌てて悲鳴の源に向かう。
そこで少年が見たのは表玄関を塞ぐ司祭服の怪人。
そして、その怪人に襲われている少女の姿だった。


931 :ZEROMEGA(3/9):2007/09/30(日) 23:02:28 ID:a3zy2MNv

司祭服の裾から伸びる二本の触手が少女の足にまとわりつき、腰に絡まり、ジムが顔を埋めたあの柔らかな果実を絞り上げる。
恐ろしく、しかしどこか奇怪な美しさを備えた光景を前に少年は悲鳴をあげることも忘れてただ見詰めるしかなかった。
呆然と立ち尽くすジムを正気に戻したのは触手に襲われているティファニアの声。

「逃げて、ジム! 逃げて……」

触手がついに喉までかけ上がり、ティファニアの口を塞いでしまった。
怪人がゆっくりと顔を上げ、ジムの方を見た。
その目を覗き込んだ瞬間、少年は痛いほどの恐怖とともに自分の股間が暖かく濡れるのを感じた。
ジムの父や母、幼い兄弟たちを焼いた炎が赤く濁った瞳の中で燃え盛っていた


932 :ZEROMEGA(4/9):2007/09/30(日) 23:04:08 ID:a3zy2MNv

そいつは一瞥しただけでジムに対する興味を失ったのか、『片付けろ』と言い残してティファニアを連れ去った。
入れ違いに目深に頭巾を被った亡霊みたいな男が現れた。
外套の裾から黒い金属の棒のような腕を少年に向ける。

ジムはとっさに背を向け、裏口目掛けて走り出した。
戸口を潜ろうとした瞬間、真っ赤な熱い光が視界を埋め尽くした。
小さな体が衝撃波に煽られて、木の葉のように宙を舞う。
目の前に迫る灰色の水溜り。
冷たい衝撃を体中に感じながら、ジムの意識は真っ暗な闇の中に飲み込まれた。


ジムは泣きながらティファニアがさらわれた時の経緯を最後まで話し終えた。
五宇は少年の肩に手を置いた。
片手で容易に包み込めるような小さな肩だった。
その小さな肩で少年は大の大人ですら耐えられないような重荷に耐えた。

傷の痛みを堪え、雨の冷たさを我慢し、いつ戻って来るか分からない襲撃者の恐怖に耐えながら待った。
ジムは五宇が必ず帰って来ることを信じていた。
今度は五宇が少年の信頼に応える番だった。

「ジム、皆はどこに?」
「森の中にある避難壕に隠れてる。おれはゴウを待つために残ったんだ」
「じゃあジム、お前も皆のところへ行け」
「ゴウは? ティファニアお姉ちゃんはどうするの?」

ジムは顔を上げて五宇を見た。
青年はそのまなざしを真っ直ぐ受け止め、

「ティファニアは、俺たちが連れ戻す」

鋼よりも硬く強い声で言い切った。


933 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 23:04:28 ID:EqmnYZ6a
支援

934 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 23:04:28 ID:c1hs95Xg
( ゜∀゜)o彡○触手!触手! 支援

935 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 23:04:37 ID:kpdSdM98
触手増長しろ支援

936 :ZEROMEGA(5/9):2007/09/30(日) 23:06:09 ID:a3zy2MNv

豪雨が幾億の矢のように激しく大地を叩く。
全身に雨を浴びながら、ティファニアをさらった一団が馬以上の速さで走り続けていた。
少女は集団の先頭を走る司祭服の巨漢の背中にまるで荷物のように吊り下げられていた。
泣いたり、叫んだりする元気があったのは最初の三十分だけだった。
乱暴な扱いと冷たい雨水があっという間に少女から抵抗する体力と気力を奪ってしまった。
触手に縛られた少女は空に垂れ込める雨雲と同じぐらい曇ったまなざしで地面を眺めていた。

ふいに傍らを流れる冷たい空気と水滴が何かに遮られる。
後ろを走っていた配下の一人が速度をあげて司祭服の巨漢に並んだのだ。
そいつは微かな焦りを含んだ低い声で巨漢に囁いた。

【―――六時方向、約十リーグの距離に動体反応。速度、時速三百七十リーグ。奴です!】

その言葉を聞いた途端、どんよりと曇っていたティファニアの目に光が宿った。
死人のように青ざめていた頬が血の色を取り戻す。

彼だ!
あの時と同じように彼が助けに来てくれたんだ!
氷のように冷たい絶望に押し潰されそうになっていた心に希望の小さな火花が散った。
だが、司祭服の巨漢の声は少女の心に宿る微かな温もりを握りつぶすほど冷たく、揺るぎなかった。

【やはり、急拵えの駆除系では大した時間稼ぎにならなかったか。あの丘の上で迎え撃つぞ。総員戦闘準備!】

急に尾内臓を見えない腕で揺さぶられたような感覚がティファニアを襲った。
今まですぐそこにあった地面にあっという間に小さくなっていく。
司祭服の巨漢が跳躍したと悟った時、少女の身体は既に傍らに聳え立っていた崖の上にあった。
巨漢は十リーグあまりの高さを一息に跳躍したのだ。


937 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 23:06:12 ID:o/s8zCEx
支援

938 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 23:06:25 ID:EqmnYZ6a
支援

939 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 23:08:04 ID:EqmnYZ6a
しえん

940 :ZEROMEGA(6/9):2007/09/30(日) 23:08:24 ID:a3zy2MNv

黒く濡れた外套を怪鳥の翼のようになびかせながら、配下たちが巨漢の後に続く。
崖の上に着地すると次々に外套を地面に脱ぎ捨てた。
分厚い布の下に隠された身体を目にした瞬間、ティファニアは触手の轡の下でくぐもった悲鳴を上げた。
集団の中で、ただ一人衣服を身につけたままの巨漢が少女の耳に囁きかけた。

【…・…くくく、混沌の殉教者たる我等、珪素生物の美しさに声も出ぬようだな】

もし触手に拘束されていなかったら、ティファニアは首を思いっきり横に振っていただろう。
露わになった怪人たち、巨漢が言うところの珪素生物たちの姿は少女が知る美とはあまりにかけ離れたものだった。
例えるならば人間大の甲虫の群。
珪素生物達の身体は人間の髑髏に似た真っ白な顔を覗いて、全て漆黒の外骨格に覆われていた。
巨大な銃のような手をぶら下げている者もいれば、本物の甲虫のように四本以上の手足を持つ者もいる。
一人として同じ肉体をしているものはいなく、その姿はまさに彼らが崇める混沌そのものであった。

珪素生物たちは丘の上にある森の中に飛び込み、木々の後ろに身を隠して敵の襲来に備えた。
司祭服の巨漢もティファニアを連れて森の中に入り、部下たちの配置について細かい指示を飛ばす。
そして、自分たちが丘の上に作った陣地を満足げに眺めた。

この高さならいくら重二輪といえども、一瞬で駆け上がることはできない。
例え崖を駆け上がることが出来たとしても、森の木々が重二輪の機動力を殺す。
スピードを落とした相手をまずワイヤーガンを持った配下が絡め取り、次に重火器を持った者が動きを止める。
そして、止めを刺すのは……


941 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 23:09:33 ID:Dl17Fpb3
がんばれ触手支援

942 :ZEROMEGA(7/9):2007/09/30(日) 23:10:05 ID:a3zy2MNv

集団の中で司祭服に次いで大きな体を誇る二体の珪素生物が前に進み出た。
一体は長大な剣のような腕を持ち、その腕の縁には鮫の刃に似た棘が無数に生えていた。
もう一体は馬上槍のような腕を持ち、その腕には螺子釘のような螺旋状の溝が刻まれている。
二体が腕を構えるとそれぞれの武器が餓えた獣のような唸り声を上げて猛回転し始めた。

【さあ、来い黒騎士とやら。その五体を解体して、ダフィネル卿とジョセフ陛下に献上してくれる】

雷鳴のようにゴロゴロと低い笑い声を上げる司祭。
ティファニアは口を触手で塞がれているにも関わらず、彼方にいる五宇たちに必死に叫んだ。
ゴウさん、来ちゃ駄目っ!!と。

しかし、彼方に見える小さな影はティファニアの声など全く聞こえていないかのようにどんどん大きさを増していく。
そして重二輪の輪郭がはっきりと見えるほど近づいた時、

【いない……】

陣地の先頭にいる珪素生物が呆然と呟いた。
司祭服の巨漢が怪訝そうに尋ねた。

【どうした?】
【いないのです! 走ってくるのは重二輪だけで、やつが座席にいないのです!】
【なんだとっ!?】


943 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 23:10:26 ID:D+kM/7cP
支援

944 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 23:10:53 ID:7GHIMeQE
し、触手は? 支援

945 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 23:11:18 ID:EqmnYZ6a
しえん

946 :ZEROMEGA(8/9):2007/09/30(日) 23:12:12 ID:a3zy2MNv

配下の言葉の真偽を確かめようと身を乗り出そうとした。
その時、巨漢は足元の水溜りに小さな波紋が繰り返し走っている事に気付いた。

【これは、高周波? 一体どこから……】

突然、真っ黒な霧のような森と大地の影から飛び出し、珪素生物たちに襲い掛かった。
黒い霧と見えたのは何千、何万と言う虫やネズミなどの群だった。
小動物たちは瞬く間に珪素生物たちの体を覆い尽くし、歯や爪で黒い身体を削り取ろうとする。
この奇襲に異形の魔人たちも肝を潰して半狂乱になった。
まるで奇妙なダンスを踊るように自分の身体にまとわりついた虫や小動物を払い落として踏み潰そうとする。

たった二人だけがこの騒ぎの中で冷静さを保っていた。
一人は小さな襲撃者たちの正体を知っているティファニア。
もう一人は司祭服の巨漢だった。

【くっ、これは虚無の使い魔の力! 奴はヴィンダールヴだったのか】

自分の顔に張り付いたとびっきり大きなネズミを毟り取って握りつぶす。
まだ混乱している仲間たちを一喝した。

【落ち着け! この程度の虫けらに我等の身体を傷つける力はない! 感覚システムを研ぎ済ませろ! 奴は近くに……】

ふいに巨漢は言葉を止めて、頭上の雨雲を睨みつけた。
赤く濁った瞳に焼け付くような怒りの火が燃え上がる。

【空……そうか、雲に隠れて我等に近づこうとしたのか】


947 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 23:13:04 ID:EqmnYZ6a
支援

948 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 23:13:36 ID:2uUAHm59
触手の人気っぷりは異常
支援

949 :ZEROMEGA(9/9):2007/09/30(日) 23:14:11 ID:a3zy2MNv

分厚い雨雲の上、五宇はライダースーツのセンサーを最大限に開放して地上の様子を伺っていた。
タイラーを囮にして敵の目をひきつけ、その隙に老竜ヤーガッシュに乗って敵の頭上に忍び寄ると言う作戦は見事に成功した。
巨大な老竜が火花つきの唸り声を漏らす。

「おぞましい視線を感じる。奴らめ気付いたぞ!」
「構わない、ご老体! このまま降ろしてくれ!」

老竜は火炎のブレスを吹きながら咆哮を上げると分厚い雨雲の膜を突き破って地上の珪素生物たちにその巨体を見せつけた。
たちまち、数え切れないほどの対空砲火が細い柱のように森から立ち上る。

老竜は歌うように咆える。
韻竜の歌声は風の精霊の魂を震わせる。
精霊魔法の歌に誘われた風が鎧のように、衣のように老竜の身体を余すところなく覆い尽くした。
風の精霊に守られた竜は細かい銃弾を風の鎧で弾き返し、大口径の砲弾は航空力学を無視したような機動力を軽やかに回避する。

地上の珪素生物は再び雲の中に身を隠した竜を打ち落とそうと懸命に銃弾を天空に送り込む。
だが、天の竜に意識とセンサーを集中し過ぎたために、珪素生物たちは気付かなかった。
竜の背中にもはや黒騎士がいないことに。
竜が身を翻した瞬間、何かが空気を切り裂きながら落ちてきたことに。
そして、背後に何かが地響きを立てて着地したと気付いた時に―――

三百メートルの高さを飛び降りた合成人間は既に敵をその可殺領域(キルゾーン)に納めていた!
既に抜き放っていた弾体加速装置を構え、無防備な背中に狙いをつけ、神速のスピードで引き金を弾く!

「BLAME!!!」


950 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 23:16:09 ID:D+kM/7cP
支援&おつ

951 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 23:16:59 ID:zco1Kv7E
>>950
次スレよろ〜

952 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 23:17:15 ID:D+kM/7cP
あの作品のキャラがルイズに召喚されました part67
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1191161817/

次スレ

953 :ZEROMEGA:2007/09/30(日) 23:19:04 ID:a3zy2MNv

以上、投下終了!
触手珪素の活躍に期待していた皆様、ご免なさい。
やはり、前年齢スレッドではこれが限界です(汗)
あと、この触手さんは珪素な女体しか興味がないのです。

でも、次回は合成人間の残虐と一緒にもうちょっとはちゃけた触手さんをお届けする事に…しようかな?

954 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 23:27:24 ID:qVQRVvSa
夜天の人GJ!
ルイズもリィンも切ないな
このまま行くとタルブ戦かあるいはそれをすっ飛ばしてウェールズ戦か……
早くユニゾンインで復活してくれ

955 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 23:32:12 ID:j8LCERHh
夜天の人、MEGAの人共に乙でした!
ルイズガンがれ!超ガンガれ!!
そして、やはり触手は浪漫よのぉ・・・

956 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 23:39:33 ID:I1DIhq9a
MEGAっさ乙〜
テファを助ける事より触手のがんばりをみんなが期待しててワロタw

957 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 23:40:00 ID:2uUAHm59
MEGAの人GJ。
危機的状況ですが、
正直触手に目が行(ry

958 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 23:40:12 ID:b3osPpuO
さて、んではそろそろ恒例のアレはじめますか・・・

959 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 23:40:54 ID:c1hs95Xg
触手は、入りそうで入らないカメラワークに期待してます 
乙っしたー


960 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 23:42:09 ID:lTRVGL+r
>>1000ならハルケギニアでベルサイユの薔薇

961 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 23:42:32 ID:b3osPpuO
sage忘れた。
スマソ

962 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 23:42:59 ID:D+kM/7cP
>>1000ならハルケギニアでラセーヌの星


「アンアンを殺せ〜!」

963 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 23:44:05 ID:0TeX8OAD
>>1000なら字楽先生召喚

964 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 23:47:38 ID:c1hs95Xg
>>1000ならみさくらぽんこつ召喚。
召喚されたキャラは無実なのにみんながみさくら化するみさくらの使い魔開始

965 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 23:47:40 ID:Ztfwyuae
500kbに収まるか?

966 :代理:2007/09/30(日) 23:47:47 ID:/uG5K2hr
>>1000ならペコロス召喚

967 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 23:48:12 ID:2CNme/Ti
>>1000なら
エースコンバット5の(対戦車警官こと)チャーリー11を召喚。

968 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 23:48:22 ID:VHlTdrIY
>>1000なら……どうしようか?

969 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 23:48:38 ID:zvfN/bu9
>>1000ならハルケギニアに浪漫の嵐

970 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 23:49:52 ID:kQiPhQyQ
>>1000なら闇のイージスから蝶召喚

971 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 23:50:57 ID:VHlTdrIY
>>1000なら機甲都市から片眼義眼の風水師召喚

972 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 23:52:57 ID:fEulJgcG
>>1000なら空のACE達を召喚

973 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 23:53:49 ID:DHbBngVS
>>1000ならオルフィーナからファーナ・リソル召喚
あの世界の火竜も火力が強烈だよね

974 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 23:54:57 ID:a3zy2MNv
>>1000取ったなら、コルベール先生の使い魔を書くぜ!

975 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 23:56:00 ID:5dbiW5Hg
>>1000なら初代アメリカ皇帝ノートン一世召喚

976 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 23:57:13 ID:y/9bEKT2
>>1000なら
ビィト召喚でデルフ出番なし。

977 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 23:58:07 ID:b3osPpuO
>>1000ならネギを召喚して使い魔になると同時にルイズを従者にする

978 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 23:59:21 ID:FQvWaKWS
お前ら絶対1000取る気ないだろwww
ということで>>1000なら連載中のSSが停滞、停滞中のSSが再開

979 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 23:59:30 ID:a3zy2MNv
皆、>>1000取る可能性がないものだから、
好きなこと言っちゃって……

ところで、ドラゴンランスから誰か召喚された事ってありましたっけ?

980 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 00:00:24 ID:VHlTdrIY
んじゃこうするか。ラスレスならお前のドリルで天を突け!

981 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 00:00:25 ID:c1hs95Xg
レイストリンなら死なせて上げて。ソス卿はヤンデレって言うレベルじゃないから!
>>1000なら仮面ライダーアギトから召喚

982 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 00:01:25 ID:9AlAhgGZ
>>1000なら
ルイズが猟犬、キュルケが二丁拳銃、タバサが大佐を召喚して、トリスタン魔法学院がグラウンド・ゼロと化す。

983 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 00:02:23 ID:X6LesucB
ume

984 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 00:03:05 ID:vHO/0WeG
1000ならルイズが世界の覇者に

985 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 00:03:08 ID:0st2RVUe
>>1000なら東京魔人學園から九角天童を召喚してトリステインで百鬼夜行

986 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 00:03:32 ID:COo/TIRk
ソス卿召喚だと、タバサが面白いことになりそうだ。
レイストリンがジョセフに召喚されたら、もっと面白いことになりそうだ。

レイストリン「弟より優れた兄などいない!」
ジョセフ  「兄より優れた弟などいない!」

というわけで、>>1000取れたら俺以外のだれかがレイストリン召喚を書く!

987 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 00:03:35 ID:pTRPn8EW
>>1000ならグラウンド・ゼロはグラウンド・ゼロでも
迷宮キングダムのキャラ召喚を投下。

988 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 00:04:18 ID:XHLYe77r
埋め

989 :sage:2007/10/01(月) 00:04:13 ID:mdiFMRc9
>>1000ならアンとアンアン

990 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 00:04:32 ID:VHlTdrIY
ume

991 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 00:04:45 ID:wnDLnmHk
>>1000ならファイナルセーラークエストから森田先生を召喚
熱血教師でニンジャー!
※低レベルならモザイクが入ります

992 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 00:05:14 ID:0/21fFoi
>>1000なら瀬戸の花嫁の瀬戸燦を召喚。


993 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 00:05:25 ID:T+vVs7Ne
1000ならガノトトス再登場

994 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 00:05:27 ID:+CqoE1vV
499KBなら瀬戸の花嫁の政さん召喚

「つかぬ事をお聞きしやすが、ここは一体どこですかい?」

995 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 00:05:33 ID:aW8g/S7F
>>1000ならノエル召喚

996 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 00:05:33 ID:pT8GrzoX
>>1000なら
召喚師召喚

997 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 00:05:45 ID:gkIJKgKg
>1000なら植木耕介召喚ッ!!
文句は「ダメだ」以外で頼む。

998 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 00:05:51 ID:sgAyIyO3
1000ならさぼてん君召喚、をかく

999 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 00:05:52 ID:odzTNe9X
>>1000ならポケスペからイエロー召喚

1000 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 00:05:57 ID:kQiPhQyQ
>>1000なら菊池キャラ召喚を書く

1001 :1001:Over 1000 Thread
このスレッドは1000を超えました。
もう書けないので、新しいスレッドを立ててくださいです。。。

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