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あの作品のキャラがルイズに召喚されました part54

1 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/08(土) 21:33:27 ID:y2x709XZ
もしもゼロの使い魔のルイズが召喚したのがサイトではなかったら?そんなifを語るスレ。

あの作品のキャラがルイズに召喚されました part53
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1189094163/
まとめwiki
http://www35.atwiki.jp/anozero/
避難所
http://jbbs.livedoor.jp/otaku/9616/
--------------------------------------------------------------------------------

    _              ■ 注意事項よ! ちゃんと聞きなさいよね! ■
    〃 ` ヽ  .   ・雑談、SS、共に書き込む前のリロードは忘れないでよ!ただでさえ勢いが速いんだから!
    l lf小从} l /   ちゃんと空気を読まないと、ひどいんだからね!
   ノハ{*゚ヮ゚ノハ/,.   ・投下をする前には、必ず投下予告をしなさいよ!投下終了の宣言も忘れちゃだめなんだからね!
  ((/} )犬({つ'    ・ 投下してるの? し、支援してあげてもいいんだからね!
   / '"/_jl〉` j,    ・興味のないSS? そんなもの、「スルー」の魔法を使えばいいじゃない!
   ヽ_/ィヘ_)〜′   ・まとめの更新は気づいた人がやらなきゃダメなんだからね!
              ・議論や荒らしへの反応は、避難所でやりなさい!

--------------------------------------------------------------------------------
     _
     〃  ^ヽ      ・クロス元が18禁作品であっても、SSの内容が非18禁である場合は本スレへの投下で問題ないわ。
    J{  ハ从{_,     ・SSの内容が18禁な展開をする場合はクロス元に関わらず、本スレではなく避難所への投下をお願いね?
    ノルノー゚ノjし      ・クロス元が型月作品のSSは、本スレでも避難所でもルイズの『錬金』のように危険よ。やめておいてね。
   /く{ {丈} }つ     ・クロスはお互いを尊重しなきゃだめ。一方的なのはモテないわよ?
   l く/_jlム! |      ・不要な荒れを防ぐには、sage進行もいいんじゃないかしら。
   レ-ヘじフ〜l         ・次スレは>>950から。お願いね?テンプレはwikiの左メニューを参照よ。



2 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/08(土) 21:49:06 ID:zrXnwjlc
>>1

3 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/08(土) 21:51:22 ID:/AApwghT
本スレでは言えない、言いたい事等を言ってしまうスレ。

毒吐きスレ Part5
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/9616/1188898998/

4 :とあるの人 ◆3WQsphoeLI :2007/09/08(土) 22:03:45 ID:KmH1wCSy
それでは投下しますねー

5 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/08(土) 22:05:19 ID:/UOcNSky
支援開始

6 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/08(土) 22:05:25 ID:EmQ+EORH
紫煙

7 :とあるの人 ◆3WQsphoeLI :2007/09/08(土) 22:07:29 ID:KmH1wCSy
「えぇ!? 姫さまがさらわれた!?」
「あくまで可能性だけど、畜生ッ、状況があまりにも悪すぎるぞ!」
 王宮に出来るだけ早く行く為に、シルフィードに乗った当麻はその間、同じく乗っているルイズ達に自分が考えている事を説明した。
 クロムウェルがウェールズに偽りの命を与えたという事を。
 当麻の話を聞いたルイズは、顔色を変えてまだ目的地につかないかとタバサに迫る。
「ねぇタバサ! 王宮まではまだなの!?」
「もうすぐ」
 一分にも十時間にも感じられた空の旅は、タバサの一言で終わりを告げた。
 王宮にたどり着いた一行は、以前と同じように中庭に降り立った。
 当麻の予想通りと言わんばかりに辺りは騒然としている。しかし、それでも本来の職務を忘れてはいない。彼らは素早く立ち入り禁止区域に侵入してきた人間を取り囲んだ。
「なにやつ!」
「姫さ……いえ、女王陛下はご無事ですか!?」
「ええぃまたお前たちか! 貴様らに話すことはなにもない。早く立ち去れ」
 ルイズはシルフィードから飛び降りると、一番偉そうな人間に尋ねる。
 それは、以前も同じような会話をしたマンティコア隊の隊長であった。
 しかし、隊長はこっちと会話をする気はないようだ。周りの貴族やら兵士やらが、灯りの魔法やタイマツを使って何やら探している。その慌てぶりからそうとうまずいようだ。
 隊長も、周りを囲んでいる隊員も早く他の人と同じような事をしたいのだろう。ルイズ達を一蹴する。
 その態度に、ルイズはピキリとこめかみを動かす。溢れる怒りをなんとか押さえながらも、ポケットから一つの証を取り出した。
「わたしは女王陛下直属の女官です! これは陛下直筆の許可証よ! わたしには陛下の権利を行使する権利があります! ただちに事情の説明を求めるわ!」
 なにを馬鹿な……、と呟きながらもとりあえずルイズが差し出した紙を手にやる。しかし、それはルイズの言葉のとおりであった。

『ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。右の者にこれを提示された公的機関の者は、あらゆる要求に応えること』

 なぜこのような少女が……、と目を丸くする。一体この少女と女王陛下はどんな結びつきがあるのだろうか?
 しかし、悩んでいる暇はない。
 彼とてマンティコア隊の隊長、自分より上の立場の命令は素早く応えるべきだ。
 隊長は直立すると、今までの出来事を手短に報告した。

8 :侍の使い魔:2007/09/08(土) 22:08:07 ID:HV5Cvl5Q
とある人のファンとしてなんとしても支援

9 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/08(土) 22:09:15 ID:3dg1bP0g
新スレ記念支援

10 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/08(土) 22:10:23 ID:HV5Cvl5Q
上条当麻は姫になんと言うのか支援


11 :とあるの人 ◆3WQsphoeLI :2007/09/08(土) 22:11:53 ID:KmH1wCSy
「今から二時間ほど前、女王陛下が何者かによってかどわかされたのです。警備のものを蹴散らし、馬で駆け去りました。現在ヒポグリフ隊がその行方を追っています。我々はなにか証拠がないかと、この辺りを捜索しておりました」
 最悪な事に、当麻の予感は見事的中した。ルイズは落ち着かせようと深呼吸をするが、顔色みるみるうちに悪くなっていく。
「……どっちに向かったの?」
「賊は街道を南下しております。どうやらラ・ロシェールの方面に向かっているようなのでアルビオンの手のものと見てまず間違いありません。ただちに近隣の警戒と港を封鎖する命令を出しましたが……。
 先の戦で竜騎士隊が全滅してるゆえ、ヒポグリフと馬の足で賊に追いつけるかどうか……」
 隊長の話を、ルイズは途中できった。場所がわかれば一秒も早くそちらへ向かうべきだ。
 幸い、タバサのシルフィードはヒポグリフよりも早い。追いつける可能性は十分にある。
「急いで! ラ・ロシェールに向かっているわ! 逃がしちゃダメ!」
 皆が頷き、タバサがシルフィードに命令する。バサッと、羽を動かし再び闇へと飛び上がった。
 そこでルイズはある事に気付き、タバサに伝える。
「低く飛んでッ! 敵は馬に跨がっているわ!」
 轟ッ! とシルフィードの速度が上がっていく。いつの間にか城下町を抜けて、低空飛行へと切り替える。
 いつも以上に闇が深い。このようなスピードで大丈夫なのだろうか? と思う。しかし、シルフィードは鼻先で空気の流れを掴むと、障害物がないルートをうまく見つけ飛び続けた。

 敵との距離は確実に縮まっていった。


「うぅ……ここは……?」
 アンリエッタは目を覚ますと、そこは草むらのベッドに倒れ込んでいた。
 まだぼんやりとする視界、うまく働かない思考、とりあえず今どこにいるかを知ろうとするため辺りを見回した。
 瞬間、

 ウェールズがヒポグリフ隊の隊長を殺す光景を目に入れてしまった。

「え…………?」
 竜巻の魔法に、隊長の手足が切断される。一瞬で絶命したのだろう、倒れたまま起き上がってこない。
 あまりの展開ぶりに目を見開き、小さく開いた口はしかし、決して閉じる事がない。
 彼女の光景は一定の方向しか向いていないが、それでも他の死体であろうヒポグリフ隊の面子が何人も転がっていた。

12 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/08(土) 22:12:47 ID:qTmYf25f
家名で高位の貴族とわかりそうだが支援

13 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/08(土) 22:13:31 ID:KA9nQoa/
まずは支援を支援する

14 :とあるの人 ◆3WQsphoeLI :2007/09/08(土) 22:14:04 ID:KmH1wCSy
 すると、ウェールズがこちらへと近づいて来た。まるで何事もなかったかのように尻餅をついているアンリエッタに手を差し出す。
「ウェールズさま。あなた……、いったいなんてことを……ッ!」
「驚かせてすまなかったね」
 平然過ぎる態度に、アンリエッタは腰に下げた杖をウェールズへと突きつけた。
 キラリ、と杖の先端にある水晶が光る。
「あなた……誰なの?」
「ぼくはウェールズだよ」
「嘘ッ! よくも魔法衛士隊の隊員を……」
「仇をとりたいのかい? いいとも。ぼくをきみの魔法でえぐってくれたまえ。きみの魔法でこの胸を貫かれるなら本望だ」
 そういうと、両手を水平に広げた。敵意も戦意もない、本当に死んでもいいかのような態勢である。
 あ、う……、とアンリエッタは戸惑い、杖を持つ手が震え出した。
 この人はウェールズじゃない。ウェールズであったとしても、大切な魔法衛士隊の人達を殺したのだ。
 それは許されるべきではない。
 なのに、

 手の震えが止まらない。

 かたかた、と杖の照準がぶれる。慌てて両手で杖を持ち直すが状況は変わらない。
 たとえ目の前の人間が魔法衛士隊の人達を殺したとしても、
 彼女には、ウェールズに向かって魔法が放てない。
 わからなかった。
 自分がどうするべきなのか、自分が何を信じるべきなのか。
 今の彼女は、女王陛下でもなんでもない。
 己の歩く道をわからぬ、ただの女の子であった。

 カラン、と杖を落とし、少女は小さな鳴咽の言葉を吐いた。
「なんで……こんなことになってしまったの?」
「ぼくを信じてくれるねアンリエッタ」
「でも……、こんな……」
「わけはあとで全部話す。お願いだ。今は黙ってぼくについてくればいい」
「わからない……わからないわ……。あなたのすることも、考えてることも……」
 すると、ウェールズはそんなアンリエッタを抱きしめた。
 優しく、全てを包みこんでくれるような感覚を少女は覚えた。
「わからなくてもかまわないよ。ただ、きみはあの誓いの言葉どおり行動してほしいんだ。覚えているかい? あのラグドリアンの湖畔で、きみが口にした誓約の言葉。水の精霊の前で、きみが口にした言葉」
「忘れるわけがありませんわ。それだけを頼りに、今まで生きて参りましたもの」
「お願いだ。言ってくれないか?」

15 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/08(土) 22:15:52 ID:VUuFXOA5
支援
トラウマ化した鬼教官の娘と知って係わり合いになるのを
避けようとしたんですよきっと

16 :とあるの人 ◆3WQsphoeLI :2007/09/08(土) 22:16:31 ID:KmH1wCSy
 忘れる事のないあの言葉。たとえ十年経とうと二十年経とうと、一字一句間違える事なく正確に言う自信があった。
「トリステイン王国王女アンリエッタは水の精霊の身許で誓約いたします。ウェールズさまを、永久に愛することを」
「その言葉の中で変わったものといえば女王になっただけさ。あとは変わらないだろう? いや、変わるわけがないだろう?」
 少女は小さな子供のように小さく頷いた。今の彼女ならば、人の言うことならなんでも聞くであろう。それほどまでに、彼女一人じゃ事の状況を理解できなかった。
 誰かが、彼女の歩く道を教える必要があった。
 そして、それが今まで愛していた人であったら?
 こうやって抱かれる日をずっと夢見て生きていた自分がいたら?

 きっとその道を信じて歩くのであろう。

「どんなことがあろうとも、水の精霊の前でなされた誓約がたがえられることはない。きみは己のその言葉だけを信じていればいいのさ。あとは全部ぼくに任せてくれ」
 少女は頷く。それが正しいのだと、子供のように何度も言い聞かせる。
 ウェールズはそんな少女を見て、小さく笑った。


「いたわ!」
 キュルケが指差し、シルフィードに跨がった当麻達は一斉に目をやった。
 そこには、無残にも人の死体が無造作に転がっていた。シルフィードは飛ぶのをやめ、地面へと降りる。それぞれが彼らに近寄るが、タバサだけが周りに注意しながら見張った。
「くそ……ったれが!」
 叫ばずにはいられなかった。
 敵とは戦争をしている。自分達もまた、生と死の境目に立っている事も頭の中ではわかっている。
 だけど、そうだとしても黙っていなければならない理由にはならなかった。
 当麻は生存者がいないか確認する為、走る。
 焼け焦げた死体、手足がバラバラにされた死体、心臓の所にぽっかり穴が開いている死体がたくさん転がっている。彼らの近くには馬やヒポグリフも同じように絶命していた。おそらく先に追っていたヒポグリフ隊なのであろう。
 ギリッと当麻は奥歯を噛み締める。彼にはこのような経験がない。
 だから許せない。理解しようともしない。
 ただ、このような事をした奴を絶対に許さないと誓うのみだけだ。
「生きてる人がいるわ!」
 キュルケの声が、当麻とルイズを駆けつけさせる。
 腕に酷い怪我を負っていたが、他に怪我は見当たらない。おそらくたった一人の生存者なのだろう。
「大丈夫?」

17 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/08(土) 22:16:46 ID:+/3+R4oU
>>1乙!あぁんど支援!


18 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/08(土) 22:17:29 ID:kutJKCD5
支援

19 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/08(土) 22:17:35 ID:ZAXn3NAU
支援

20 :とあるの人 ◆3WQsphoeLI :2007/09/08(土) 22:19:49 ID:KmH1wCSy
 このメンバーで、水の魔法を使える者はいない。ゆえに彼の傷を治す事は不可能だ。
「だ、大丈夫だ……。あんたたちは味方か?」
「えぇ、同じように女王陛下を誘拐した一味を追ってきたのよ。いったいここでなにがあったの?」
 途端、兵士は震え出した。傷のない手の方で頭を抱え、怯えながらも話す。
「あいつら、致命傷を負わせたはずなのに……」
「どういうこと?」
 しかし、続きは沈黙であった。その恐怖にうち負けたのか、気絶してしまったようだ。
 三人は目を合わす。どういう事なのだろうか? と思っていると、

 瞬間、四方八方から魔法の攻撃が四人めがけて襲いかかった。
 周囲を警戒していたタバサが誰よりも早く反応すると、頭上に空気の壁を作り上げた。バチィ! という音と共に跳ね返される。
 すると、草むらからゆらりとなにかが現れる。
 それは、『アンドバリ』の指輪によって再び生を得られたアルビオンの貴族たちであった。
 しかし、ただ現れただけで次なる攻撃を仕掛けてこない。その間にもタバサが三人のもとへと駆け寄る。
 その貴族の中に、忘れる事のない人影がいた。
「ウェールズ!」
 当麻の予想は的中した。
 クロムウェルの策のもと、死んだウェールズを蘇らせ、アンリエッタをさらったのだ。
 許すわけにはいかない。そう思った当麻は、奥歯を噛み締めるとウェールズに怒鳴り散らした。
「いいか、テメエに交渉を与える余地はねえんだ! さっさとアンリエッタを返しやがれ!」
 いつ手が飛び出てもおかしくない勢いだが、対するウェールズは微笑を浮かべ、落ち着いたままである。
「おかしなことを言うね。返せもなにも彼女は彼女の意思でぼくにつきしたがっているのだ」
「テメエの冗談を聞いてるつもりはねえんだよ、さっさとアンリエッタをだしやがれ!」
 しかたないな……と呟くと、ウェールズは自分の体を一人分横にずらした。そこには、ガウン姿のアンリエッタが現れた。
「姫さま!」
 悲痛な思いでルイズは叫んだ。
「こちらにいらしてくださいな! そのウェールズ皇太子はウェールズではありません! クロムウェルの手によって『アンドバリ』の指輪で蘇った皇太子の亡霊です!」
 しかし、アンリエッタはこちらへと来ないどころか一歩も踏み出さない。ただ、唇を噛み締めているだけだ。
 その様子にウェールズは満足したのか再び口を開く。

21 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/08(土) 22:21:27 ID:HV5Cvl5Q
当麻そのビッチ言ってやれ支援


22 :とあるの人 ◆3WQsphoeLI :2007/09/08(土) 22:21:42 ID:KmH1wCSy
「理解してくれたかな? さて、取引と行こうじゃないか」
「ッ! 取引だと?」
「そうだ。ここできみたちとやりあってもいいが、ぼくたちは馬を失ってしまった。朝までに馬を調達しなくてはいけないし、道中危険もあるだろう。魔法はなるべく温存指したいしね」
 だから、わかるかい? という返答として、タバサは呪文を唱えた。
 何本もの氷の矢がウェールズの体を貫く。
 しかし、不思議な事に致命傷なはずのウェールズは倒れない。
 それどこれか、傷口があっという間に塞がっていく。
「無駄だよ。きみたちの攻撃ではぼくを傷つけることはできない」
 その不気味な光景がアンリエッタを一歩ウェールズから離れさせる。その隙をルイズは逃がさない。
「見たでしょう! それは王子じゃないわ! 別のなにかなのよ! 姫さま!」
 しかし、もう一歩離れる事はなかった。僅かに怯えながらも、その目は何かに決心している。
 アンリエッタは気持ちを落ち着かせるため深呼吸をとると、ルイズに告げた。
「お願いルイズ。杖をおさめてちょうだい。わたしたちを、行かせてちょうだい」
「姫、さま? なにをおっしゃるのですか! それはウェールズ皇太子じゃないのですよ! 姫さまは騙されているんだわ!」
「そんなことは知ってるわ。わたしの居室で唇を合わせたときから、そんなことは百も承知。でも、それでもわたしはかまわない。ルイズ、あなたは人を好きになったことがないのね。本気で好きになったら、何もかもを捨ててもついて行きたいと思うものよ。
 嘘かもしれなくても、信じざるをえないものよ。わたしは誓ったのよルイズ。水の精霊の前で誓約の言葉を口にしたの。『ウェールズさまに変わらぬ愛を誓います』と。世のすべてに嘘をついても、自分の気持ちにだけは嘘はつけないわ。だから行かせてルイズ」
「姫さま!」
「これは命令よ。ルイズ・フランソワーズ。わたしのあなたに対する、最後の命令よ。道をあけてちょうだい」
 ギリッと奥歯を噛み締め、ルイズは構えていた杖を降ろした。
 ダメであった。
 ここまで説得しようとしたのに、彼女は彼についていくと宣言したのだ。
 ルイズにもアンリエッタの気持ちはわかる。もし、自分が同じような立場であったら、全てを捨ててついていきたいと思うかもしれない。
 その可能性が、ルイズをもう一歩踏み込ませなかった。
 ここまでウェールズを愛しているアンリエッタを止める事ができるのだろうか?

23 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/08(土) 22:22:48 ID:bssNbHBb
スレ立て乙アーンドゥとあるの人支援アーンドゥ予約

24 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/08(土) 22:22:54 ID:ZNLXosMA
まさに邪悪支援

25 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/08(土) 22:25:03 ID:Fc8aHtMP
2秒…あと二秒遅かったらぶるぶるできたのに……
前スレ1000GJ!続けて支援。

26 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/08(土) 22:25:10 ID:KA9nQoa/
>>1000ならマリアベル・アーミティッジを召喚して桃色の冒険連載開始。
そしてアンリエッタ支援。但し悪い方向に転がる。

27 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/08(土) 22:25:23 ID:kutJKCD5
支援

28 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/08(土) 22:25:59 ID:HV5Cvl5Q
>>1スレ立て乙

29 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/08(土) 22:26:12 ID:kLNtM9Mc
まさにゾンビ支援

30 :とあるの人 ◆3WQsphoeLI :2007/09/08(土) 22:26:54 ID:KmH1wCSy
 無理だ。少なくとも、自分には。
 ルイズに戦意がなくなったのを確認して、アンリエッタと死者の一行は先へと進もうとする。

 しかし、

 ただ一人、少年は彼らの前に立ち塞がった。
 暗闇に呑み込まれる少女を救うため現れた一つの光のように、立ち塞がった。


「そこをどきなさい。これは命令よ」
言葉に迷いがない。もう何を言われても自分の意見を変える気はない、そんな思いをこめてアンリエッタは言った。
「…………」
当麻は歯を食いしばる。
アンリエッタの気持ちはわからなくもない。誰よりも愛してた人が再び現れて、一緒に行こうと言われたら行くのかもしれない。

 だけど

 それが当麻をもう一歩踏み込ませない理由にはほど遠い。
 なぜなら、そんなものは幸せでもなんでもないのだから。
「どかねえよ」
 わかる。恋愛をしたことのない当麻でもわかる。
 こんなのは間違っている。絶対に間違っている。
「え?」
 アンリエッタは思わず聞き返してしまった。
 ここまでして、まだ目の前の少年は説得しようとするのだろうか?
「わかっているのか? ウェールズがあんたのためにやったことを本当に正しく理解してんのか?」
 当麻は続ける。
「生きようと思ったら生きることはできたはずだ。逃げようと思ったら逃げることはできたはずだ。けどな、あいつは死んだんだ。
 皇太子だからとか、軍人だからとか、メイジだからとかんなちっぽけな理由じゃねえ! あんたに幸せな時間を手にして欲しかったんだよ! 他の誰でもない、あんたのために!」
 それは、結果的には意味がなかった。ウェールズがトリステインに亡命しなくても、貴族派は攻めてきてしまった。
 だが、だからと言ってそれが無意味な行為とは、当麻は死んでも言わせない。
「うるさい……」
「そこにどれだけの決心があったか! どれだけの決意があったか! あんたはその気持ちをわかっているのかよ!?」
「うるさいうるさいうるさいッ!!」
初めて、アンリエッタは声を荒げた。
「あなたに何がわかるのよ! 愛する人間を失った気持ちがッ! 生きて会えるならなんでもすると願ったその覚悟を! 人の気持ちも知らないくせにわかった口聞かないで!」
 当麻は知っている。その辛さを、その苦しみを押し付けてしまった事があるからこそ、答えられる。
 そして、反論できる。
「だからって、あんたがそいつについていくのは間違っている。絶対にだ」

31 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/08(土) 22:29:08 ID:KA9nQoa/
支援?

32 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/08(土) 22:29:47 ID:V039e+WO
支援支援

33 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/08(土) 22:30:12 ID:NEb5lQqr
私怨

34 :とあるの人 ◆3WQsphoeLI :2007/09/08(土) 22:31:13 ID:KmH1wCSy
 当麻は、今まで見てきた人達を思い出す。
「王宮にいた人たちはあんたの手がかりを捜すために一生懸命探してた。魔法衛士隊の人たちはあんたを助けだすために命を賭けた! 王宮前の大通りではあんたを祝ってみんなが幸せそうに賑わっていた!」
 この国の人間じゃない当麻でもわかる。
 この国の人間は本当にアンリエッタを快く思っている。
 兵士達だって、アンリエッタを本当に慕ってるからこそあそこまで必死に探している。
 それだけ彼女は必要とされているのだ。
 きっと彼女がいなくなったらどれだけみんなが悲しむかは想像できない。
「あんたがどうしようがよ、それに誰かが傷ついたり! 悲しんだら幸せでもなんでもねえんだよッ!!」
「そんなことないッ! わたしはウェールズさまについていくことがなにより幸せなの!」

 瞬間、当麻の中で何かがキレた。

 例えどんな理由があったとしても、誰かを犠牲にしてまで掴みたいものなど当麻にはいらない。
 だから、告げる。
 それが、『上条当麻』として生き続けた価値観であるから。
「ふざけんなよ!! なんかのために誰かを傷つけていい世界なんて存在しねえんだよ! それに言ったじゃねえか! あんたは『勇敢に生きてみよう』って。
 これがそれなのかよ! 偽物のウェールズについていくことが、一度失敗したからって他人に全てを任せることが勇敢に生きることなのか!? 違うだろ! 立ち上がって乗り越えるんだろうが!」
 すっ、と当麻は右手を前に突き出した。
「それでもあんたがそいつについていくって言うなら――――」
 開いていた五本の指を強く、強く握る。
 その目に、その拳に、力が宿る。
 意思という名の力が。
「――――まずはその幻想を、ぶち殺すッ!!」

35 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/08(土) 22:31:48 ID:csIMTA8F
『水面の騎士』


崖に佇む青い影があった。
マントを身にまとう彼を、人は魔王と呼ぶ。
その魔王に復讐を誓った人間の数は数えることすらばからしい。
そんな人間達の中の一人が今、魔王との再戦に命を燃やしている。
人間としての、いや人間だった時の誇り、蛙人間に代えられてからの復讐心、それだけを考え剣を振るうが、ことごとくあの忌々しい死神のような鎌によって塞がれる。
水の魔法もはじかれ、電撃をくらわされ、斬撃で切り刻まれ、足で蹴り飛ばされ地面に横たわる。
全ての怪我を治すはずのケアルガも打ち止めだ。
自分は、復讐も果たせずにここで力尽きるというのか?
仲間とともに時代を超え、確実に復讐の相手に近づいていたと思っていたのはうぬぼれだったというのか?
呪いによって蛙に変えられてからの諦めていた日々を、チームのリーダーであるクロノに誘われるまでのあの自堕落な日々を鍛練にあててさえいればどうにかなっただろうか


最後の魔力でヒールを唱え、ぼろぼろの体で無理に立ち上がり、剣を構える。
魔王は、余裕の姿勢を崩さない。
かといって油断しているわけでもない。
圧倒的な戦力の差、そして決して油断をしない相手にどうやって勝てというのか。
闘って、勝てる相手ではなかったかもしれない、そもそも戦いを挑むことすら間違いだったのかもしれない。
それでも引くわけにはいかない。
最後の力で跳躍し飛びかかる。
魔王は動かなかった。
動く必要がなった。
自分に復讐をせんと闘いを挑んできた剣士、グレンは、宙に浮く自分との距離さえ分からず崖の下に落下していった。
最後まで油断していなかった魔王ではあるが、確実にしとめようという気概がなかったのかもしれない。
確実に死ぬだろうと思っていたその者は、突然出現したゲート、時空のはざまに飲み込まれて消えた。
それを見た魔王は、蟻に大砲を撃つ必要性を初めて理解した。


『細波の少女』


相手が悪かったのかもしれないと、少女は後悔していた。
緑のショートヘアから見える触覚はくたびれ、蛍の羽のようなマントや青いズボンはぼろぼろだ。
彼女がもう少し頭が良ければ、戦いを挑める相手ではなかったと理解できただろうが、もう遅い。
虫の妖怪であるリグル・ナイトバグは、蟲を操り道で出会った白い服に白い帽子の妖怪に戦いを挑んだのだが、あっさりと負けてしまった。
相手にすらされなかった感じだ。
勝者である彼女が「一生後悔してなさい」という発言とともに境界を操り異次元への扉を開いた時は絶望に顔が歪んだ。
もう駄目だと泣き始めたところで彼女が意地悪く笑い、言った。
「安心したら?一生っていってもあなたが死ぬまでじゃないわ。私は鬼とは違うもの。いずれ迎えに行くわよ」
頭の悪い彼女にはその言葉の意味がわからなかったが、迎えに来るという一言は理解できた。
具体的な意味を聞いてみようとしたところで異次元に放り込まれてしまったのでそれ以上のことは分からなった。


36 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/08(土) 22:31:50 ID:kutJKCD5
支援

37 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/08(土) 22:31:59 ID:+/3+R4oU
前スレ埋まった!
千取りお疲れ様でした。


38 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/08(土) 22:31:59 ID:yUR5nwL9
支援
アンドバリの指輪対幻想殺しはどうなるんだろう

39 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/08(土) 22:32:34 ID:HV5Cvl5Q
原作でもこの当麻の力強い言葉が良い支援

40 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/08(土) 22:33:22 ID:Fc8aHtMP
熱い。熱いよ支援。

41 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/08(土) 22:33:31 ID:/UOcNSky
当麻カッコいいよ当麻



>>35
何をやっているこのクズ

42 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/08(土) 22:33:55 ID:pqgW7p4Q
このタイミングで決めセリフ出すの分かってても燃える支援

43 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/08(土) 22:33:56 ID:3vgi5dLj
>>35
誤爆乙w

44 :とあるの人 ◆3WQsphoeLI :2007/09/08(土) 22:33:57 ID:KmH1wCSy
原作通りうまくいかない……orz
今日はここまでですー、次回はバトル、バトル、バトルといきたいと思います

45 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/08(土) 22:33:58 ID:OZKWzGD+
乙 支援

前スレ>>949
三巻でギーシュとサイトが正座してるから問題ないんじゃね?

46 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/08(土) 22:35:05 ID:csIMTA8F
最悪なタイミングで誤爆しました
避難所に投下するはずが…
本当にすいません

47 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/08(土) 22:35:23 ID:ZNLXosMA
おちかれ

>>46
ドンマイ

48 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/08(土) 22:35:58 ID:Fc8aHtMP
乙&GJ!
熱い展開は嫌いじゃないぜ。バトルバトルバトルでがんばって!

49 :ゼロ・HiME:2007/09/08(土) 22:36:12 ID:AZ6LwKAK
えっと、これから投下いいですか?

50 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/08(土) 22:36:34 ID:kutJKCD5
別に紛らわしくも無かったしいんじゃね?

51 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/08(土) 22:37:03 ID:V039e+WO
>>23が予約してるかな

52 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/08(土) 22:37:14 ID:aFzBzC/O
リグルん支援!

53 :侍の人:2007/09/08(土) 22:37:30 ID:HV5Cvl5Q
>>44乙&GJ!!でしたー
やっぱりあの決め台詞が来ると心が震える。
そうだ当麻このアバズレにもっと言ってやれ(笑)
ことあと作家専用チャットで一杯どうですか(笑)

54 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/08(土) 22:37:46 ID:yUR5nwL9
GJ!
むう、魔法で稼働するアンデッドには天敵だな
効かないのはウィルスで動くゾンビくらいか?


55 :ゼロ・HiME:2007/09/08(土) 22:37:51 ID:AZ6LwKAK
>>51
あい、んじゃ次で

56 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/08(土) 22:38:02 ID:3vgi5dLj
>>23 >>49だね

57 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/08(土) 22:38:20 ID:Hb1OX8Qh
>>前スレ983

是非、是非にっ!!
【バカは血涙を流した】
>とあるの人
乙っした

58 :Mr.0の使い魔:2007/09/08(土) 22:38:25 ID:bssNbHBb
とあるの人乙です。

そして>>23で予約しておきながら名前入れ忘れたよorz

気を取り直してトゥーカしたいと思います。

59 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/08(土) 22:38:40 ID:ZNLXosMA
支援

60 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/08(土) 22:39:54 ID:Fc8aHtMP
かも〜ん


61 :Mr.0の使い魔 第十七話(1/6):2007/09/08(土) 22:40:25 ID:bssNbHBb
 アンリエッタ一行はそのまま一泊し、翌日宮殿に戻るらしい。教師達
は王女や枢機卿、そして護衛の衛士隊の寝床を確保する為に四苦八苦し
ていた。全ては書類の処理を滞らせたオスマンに責任がある、のだが、
誰もその事には触れなかった。学院長室に女っ気がないと仕事が遅れる
のはいつもの事だからである。
 生徒達には、王族に何か粗相があってはならぬ、と翌朝まで寮内待機
が命じられた。当然ながら、使い魔も出歩く事はできない。というより、
主人が命じれば、基本的に使い魔は言う事を聞いておとなしくしている。
 あくまで“命じれば”であり、“基本的には”であるのだが。


 Mr.0の使い魔
  ―エピソード・オブ・ハルケギニア―

     第十七話


「なぁ、旦那。部屋を出るのはまずいと思うんだが」
「指示があったのは生徒に対してだけだ。それに、ルイズは何も言わなかっただろう」

 デルフリンガーを携え、クロコダイルは寮を抜け出していた。
 先ほどの青年は姫の護衛であるから、明日になればこの学院を去って
しまう。それはつまり、相対して評価するチャンスを一つ失うという事
だ。こうして巡り会った機会をフイにするのはもったいない。
 なお、この独断行動にルイズが何も言わなかったのは、部屋に戻って
からも相変わらず惚けたままだったからである。決してクロコダイルの
行動を容認したわけではないと、彼女の名誉の為に付け加えておこう。

「次の機会があるかどうか、怪しいからな。とりあえず挨拶ぐらいはしておきたい」
「理由はどうすんだ? 役に立つかどうか試しに来ました、なんて直球だと間違いなくキレるぜ」
「主人を見ていたのが気になった、とでも言えばいいさ。これでも一応、使い魔だからな」


 月明かりに照らされた中庭の一角。
 件の青年は、思ったよりも早く見つかった。

「やあ、ミスタ・クロコダイル。こんな所におられましたか」

 というより、向こうもクロコダイルの事を探していたらしい。笑顔で
手を挙げる様子はいたって普通の好青年であるが、裏で何を企んでいる
かわかったものではない。野心の一端を垣間見た事もそうだが、対外的
にはルイズの使い魔で通る筈のクロコダイルに、わざわざ敬称をつけて
呼びかけたのだ。おまけにどこで聞いたのか、名前まで知っている。

「これはこれは。まさか姫殿下直属の護衛の方に声をかけていただけるとは」
「そう畏まらないでください。第一僕の方が若輩のようですし、遠慮は不要ですよ」
「そうか……では、まず名前を教えてもらえないか。こちらだけ知られているのも不公平だろう」
「これは失礼。僕はワルド、ジャン・ジャック・フランシス・ド・ワルド。
 魔法衛士隊でグリフォン隊の隊長を任されている、風のスクウェアメイジです」

62 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/08(土) 22:40:43 ID:WMJtJMiO
トゥーカってどこのぼっちゃまやねん支援

63 :Mr.0の使い魔 第十七話(2/6):2007/09/08(土) 22:41:27 ID:bssNbHBb
 羽帽子を脱ぎ、優雅に一礼するワルド。
 一方で、クロコダイルは聞き覚えのある名前に記憶を手繰った。

「ワルド……確か、一年前のワイバーン討伐の候補も同じ名前だったな」
「おや、その話をご存知でしたか。恥ずかしながら、僕なのですよ」

 照れくさそうに笑ったワルドは、一転してまじめな顔つきになった。

「実は、少しお手合わせ願えないかと思いましてね」
「手合わせ?」
「強いと噂の人がいると、どうにも自分より上か気になってしまって。
 スクウェアの【固定化】を打ち破ったあなたの力、ぜひ見せていただきたい」


 朝方デルフリンガーの検証を行った平原で、クロコダイルとワルドが
対峙する。彼我の距離、およそ10メイル。
 いち早くサーベルのような杖を抜き放ったワルドは、全く身構えない
クロコダイルに眉根を寄せた。

「杖を構えないのですか?」
「残念ながら、おれはメイジじゃない。期待に添えるよう努力はするがね」
「……わかりました。手加減は、なしですよ」
「いいだろう」

 冷たく静かな夜の空気に包まれた二人は、互いに闘気を滲ませ、眼前
の敵を睨みつける。
 溢れる気迫を汲み取ったデルフリンガーが、鞘の中でぶるりと震えた。

――……ォーン

 澄んだ風に乗って、どこからか獣の遠吠えが響く。
 それが、引き金。

「はぁッ!」

 風を纏ったワルドが飛び出した。【フライ】を使い、地表すれすれを
滑るように飛ぶ。二つ名の『閃光』のごとき鋭い突きが、クロコダイル
めがけて繰り出された。

「ふん!」

 突きが胸に達する寸前、クロコダイルが左手を振るう。あまりに遅い
迎撃は、普通ならばよくて相打ちだ。しかしクロコダイルにとっては、
この距離こそが必殺の間合い。
 杖の切っ先が、クロコダイルの胸を貫く。
 ワルドは目を見開いた。杖は一切の抵抗を感じさせる事なく、相手の
体を貫通したのだ。しかも左手のかぎ爪は止まる気配を見せない。

64 :Mr.0の使い魔 第十七話(3/6):2007/09/08(土) 22:42:57 ID:bssNbHBb
「くっ!」

 慌ててもう一度【フライ】を唱えながら、ワルドは全力で前に飛んだ。
互いの体がぶつかる寸前、クロコダイルの上半身が弾ける。未だに形を
保つ爪がマントに引っかかった所で、ようやく【フライ】が発動。砂塵
を突っ切って間合いを広げたワルドは、着地と同時に大きく息を吐いた。

(話半分だと思ったが……確かに、化け物じみた能力だな)

 背筋を冷たいものが奔る。【フライ】が少しでも遅れていれば、鋭い
かぎ爪がワルドの体に食い込んでいた。幸いにマントの裾が少し破れた
程度ですんだものの、へたをすれば致命傷だ。
 視界の中央に捉えたクロコダイルの体は、再び砂を集めて復元を終え
ている。ワルドは、まるでサンドゴーレムでも相手にしているような錯
覚を覚えた。それもとびきり強力なヤツを。

 振り向き様、クロコダイルが右手を振り上げる。

「【砂漠の宝刀】!」
「【ウィンド・ブレイク】!」

 攻撃は全くの同時。二人の中央で砂の刃と空気の波がぶつかり合い、
一瞬の拮抗が生まれる。しかし“面”を押し流す【ウィンド・ブレイク】
と“線”で切り裂く【砂漠の宝刀】が力のバランスを保ったのは、ほんの
僅かな時間だった。二つに分断された風がクロコダイルを、多少勢いを
減じた砂がワルドを襲う。

「ちぃ!」

 サンドバッグを殴ったような音が響き、クロコダイルの両腕、肩から
先が吹き飛んだ。瞬時に砂と化した腕はすぐに復元できたものの、受け
流していなければ肩や腕の関節を破壊されていただろう。普通の人間は
まず間違いなく戦闘不能である。

「ぐぅッ!」

 馬に体当たりされたような衝撃を喰らって、ワルドは数メイルも後ろ
に弾かれた。地面を切り裂く切っ先が、先ほどの激突で幾分鈍っていた
のが幸いだ。放たれた直後のあれを受けていたら、今頃左右真っ二つで
転がっている。

「やり、ますね。ミスタ」
「子爵もな」

 どちらからともなく、獰猛な笑みが浮かぶ。まだ、幕引きには早い。
クロコダイルが右手を、ワルドが杖をそれぞれ構え――。

「そこまでだ、御両人」

 岩陰から現れた老人の一声が、二人を止めた。



65 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/08(土) 22:43:01 ID:y2x709XZ
紫煙をくゆらせ支援

66 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/08(土) 22:43:50 ID:yUR5nwL9
そういやクロコダイルって何歳だ支援

67 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/08(土) 22:43:58 ID:ZAXn3NAU
支援

68 :Mr.0の使い魔 第十七話(4/6):2007/09/08(土) 22:44:51 ID:bssNbHBb
「初めまして、と言うべきだろうな。私はマザリーニ、この国の枢機卿を務めておる」

 そう自己紹介した老人――マザリーニは、一切の表情を浮かべない顔
をクロコダイルに向ける。唯一感情を読み取れる彼の目は、国の利害を
追求する冷たい眼光が見え隠れしていた。

「なるほど……貴様の差し金というわけか」

 殺気の混じるクロコダイルの視線にも動じず、マザリーニは平然とし
たものだ。随分と肝の据わった老人である。

「この年でも耳は健康でね。陰口から何から、いろいろと聞こえてくるのだよ。
 その中に、『メイジを上回る異能の平民』などという話があった。
 正直どこのほら吹きが流したかと思ったが、それでも少し気になったのだ」

 以前の本塔破壊事件については、今や学院で知らぬ者はない。出入り
する人間がその話を聞きつけたとしても、またその者が外部に噂を持ち
出したとしても、別段おかしな事ではないのだ。
 国の上層部にまで伝わっている、というのは少々驚きだが。
 この世界の情報網を甘く見ていたと気づかされ、クロコダイルは奥歯
を噛み締めた。

「そう身構えてくれるな。別に君を害するつもりはない」
「今の所は、だろう」
「そうだな。今の所は、だ」

 プレッシャーの応酬で、周囲の空気が蜃気楼のように歪む。横で二人
の対話に耳を傾けるワルドの目には、確かにそう見えた。全身が鉄の鎧
でも着せられたように重い。
 それに気づいたマザリーニが、軽く息を吐いて苦笑した。

「少しおふざけが過ぎたか。失礼した、ミスタ・クロコダイル」
「……いや。それより、用件は何だ。あまり遅くなると、主人の癇癪が爆発するんでな」

 無断で部屋を出た時点で癇癪も何もないのだが、実際がどうであれ今
のクロコダイルにはどうでもよかった。何かしら軽口を叩けるのは余裕
がある証拠で、見せ方次第では相手の対応も変わってくる。
 クロコダイルの言葉をどう受け取ったか、マザリーニはくるりと踵を
返した。

「ここでは落ち着いて話し合いもできまい。続きは部屋の方でしよう」



69 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/08(土) 22:45:34 ID:ZNLXosMA
しえん

マザさんがこんなに早く出てきたのって珍しいよね

70 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/08(土) 22:45:58 ID:3/1neclL
>>62
No.2なおかま道の人の方でしょ支援

71 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/08(土) 22:46:07 ID:yUR5nwL9
風呂入るために全裸で支援

72 :Mr.0の使い魔 第十七話(5/6):2007/09/08(土) 22:46:10 ID:bssNbHBb
 マザリーニに宛てがわれていた客間は、ベッドと机と椅子があるだけ
の質素な部屋だった。生徒の部屋でももう少し何かしら物があるのだが、
彼にとってはどうでもいいようだ。木製の椅子に腰掛け、マザリーニは
ワルドに視線を送る。

「さて……ワルド子爵、説明を頼めるかね」
「かしこまりました」

 今まで沈黙を通していたワルドが、杖を手に【サイレント】の呪文を
唱えた。壁や床、天井に限定するよう効果を調整するその技術は、風の
スクウェアの面目躍如といった所か。最後に【ディティクトマジック】
で効果のほどを確かめると、ワルドは鋭い目つきでクロコダイルに向き
直った。

「ミスタ・クロコダイルには、僕と一緒にアルビオンに赴いていただきたい」
「アルビオンだと?」

 召喚された直後のオスマンとの対話の中で、クロコダイルはその名を
聞いた事がある。あの時目にした地図には、北西の海の上に島国として
描かれていた。

「アルビオンは、現在紛争の真っ最中です。
 王家を主君にする王党派と、その王家を叩き潰そうとする貴族派とのね。
 現在は貴族派優勢で戦況が推移しており、王党派が潰えるのも時間の問題でしょう」
「まさか、その負けそうな王様を助けろ、なんて言うんじゃあるまいな」
「いえ、これはあくまで知っておいてほしい情報です」

 あからさまにアルビオンの王を見下したクロコダイルの物言いだった
が、ワルドは気分を害した様子はなく、淡々としている。マザリーニも
同様だ。

「内紛すら手に負えない王家ではその先もたかが知れている。
 それより問題は、貴族派がアルビオンの政権を手にしてからだ」
「国としては、このトリステインよりも小さかろう。何が問題になる」
「確かに、国土や人数ではこちらが多少優位です。
 しかしかの国の軍備は、残念ながらトリステインを凌ぐ優秀な物が多い。武器も、人も。
 我が国は、連中がこちらに矛先を向けた場合に備え、隣国ゲルマニアと同盟を結ぶ事にしました」
(ゲルマニア――あのお姫様が訪問していた国だな)

 なるほど、国同士の同盟を結ぶというのは悪くない。利害関係の一致
さえ確定すれば、政治や軍事である程度の融通が利く。仮にアルビオン
がトリステインを攻めたとしても、利益が認められる間はゲルマニアが
援護してくれるだろう。過剰な期待は禁物だが、少なくとも牽制ぐらい
にはなる。

73 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/08(土) 22:46:37 ID:SsyCt2mf
支援

74 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/08(土) 22:46:47 ID:y2x709XZ
支援

75 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/08(土) 22:46:58 ID:y2x709XZ
しええんん

76 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/08(土) 22:47:20 ID:y2x709XZ
 

77 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/08(土) 22:47:25 ID:y2x709XZ
 

78 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/08(土) 22:47:36 ID:yUR5nwL9
支援支援

79 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/08(土) 22:47:51 ID:y2x709XZ
 

80 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/08(土) 22:47:58 ID:y2x709XZ
 

81 :Mr.0の使い魔 第十七話(6/6):2007/09/08(土) 22:48:09 ID:bssNbHBb
「このパレードは、ゲルマニアと同盟を結びに行った帰りというわけか」
「そうです。が、この同盟締結にあたって懸念事項が見つかりました」
「懸念?」
「実は、同盟にあたってゲルマニアの皇帝と、姫様が結婚する事が条件となったのですが」
「政略結婚ぐらい、別に珍しくもなかろう……まさか、御破算になるようなスキャンダルでも?」
「その火種が、アルビオンに眠っているのですよ。姫様の愛を綴ったラブレター、という形でね」

 アンリエッタがアルビオンの皇太子、ウェールズ王子に宛てた手紙。
それを回収しに行くのだ、とワルドは言う。現在ワルドは貴族派の内部
にスパイとして潜り込んでおり、潜入はそう難しくない、とも。
 たかが手紙と侮るなかれ。邪魔な人間のマイナスイメージを強調して
追い落とす、というのは、意外に役に立つ戦術なのだ。クロコダイルの
アラバスタ乗っ取り計画――【ユートピア作戦】でも、偽の王と王軍を
仕立てて町を破壊させ、反政府感情をとことん煽った。
 だが、とクロコダイルは考える。その程度の事は相手も考えつく筈。
仮にその手紙が存在していなくとも、偽の手紙をでっち上げれば同盟の
妨害は可能である。実物がない場合でも、口先三寸で揺さぶりをかける
程度の事は簡単にできるのだ。
 処分が容易いならそうするにこした事はないが、わざわざ戦地に潜り
込んで回収するほどのものではない。クロコダイルが自分の考えを口に
すると、ワルドは「う」と言葉に詰まった。

「どうした、子爵」
「いや、その……まいったな。枢機卿、申し訳ない」
「どういう事だ」

 クロコダイルの鋭い視線が、マザリーニを貫く。
 しかしマザリーニはまるで気にした風もなく、笑みを浮かべた。

「見事。そこまで考えが及ぶとは……少々君を侮っていたようだ」
「一度ならず二度までもおれを試した、というわけか。
 それで、認めてくれたのか? これ以上試験を続けるつもりなら、おれは降りるぞ」
「わかった、わかった。正直に話そう」

 両手を挙げて降参の意を示したマザリーニの顔から、表情が消える。

「本当に回収して欲しいのは手紙ではなく、王党派が持つ指輪とオルゴールなのだ」
「婚約指輪や恋人からの贈り物、なんて笑えん冗談じゃあなかろうな?」
「そんなガラクタではないさ。
 各国王家に伝わる始祖の秘宝……『風のルビー』と『始祖のオルゴール』だ」


   ...TO BE CONTINUED

82 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/08(土) 22:49:05 ID:Rrs2fX63
獣王支援
>>54
そういえばバイオ4から召喚の2つ、1話から後は続きが来ないなぁ

83 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/08(土) 22:49:23 ID:eU7ElTO6
これはよいワルドですね。

84 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/08(土) 22:50:09 ID:Fc8aHtMP
>>71
キミは風呂に入った時全裸でルイズに召喚されるよ。
乙&GJ!

85 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/08(土) 22:50:24 ID:ZAXn3NAU


86 :Mr.0の使い魔:2007/09/08(土) 22:51:33 ID:bssNbHBb
以上で第十七話終了です。支援ありがトゥーございました。


87 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/08(土) 22:52:53 ID:yUR5nwL9
乙J!
>>84
さすがに風呂の最中は勘弁してもらいたいなあ
風呂上がりならいいけど

88 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/08(土) 22:53:13 ID:gtgDTj91
>>86
お疲れ様です、閣下。


89 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/08(土) 22:53:33 ID:Rrs2fX63
投下おトゥーです。

90 :ゼロ・HiME:2007/09/08(土) 22:53:34 ID:AZ6LwKAK
であ、続いて投下します。
今回短いです。

91 :Mr.0の使い魔:2007/09/08(土) 22:55:12 ID:bssNbHBb
追記。クロコダイルの年は、少なくともワルド(26)より年上、と考えてます。
理由1:社員集めからユートピア作戦発動までに数年かけた
理由2:ロビン勧誘時とアラバスタ編で見た目の変化がない(老けたような感じがしない)

92 :「ウエストウッドの黒騎士」:2007/09/08(土) 22:55:19 ID:vBUZUrhc
ミスターゼロの作者さん、お疲れ様でした。
相変わらず、駆け引きの描写が上手ですね。
あたしが一番苦手な分野だよ(苦)

ところで、皆さんこの次の予約ってどうなっていますか?

93 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/08(土) 22:55:33 ID:1ppOHGiq
乙ー

政治怖いよ政治ww

94 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/08(土) 22:56:45 ID:bssNbHBb
変なタイミングでの追記を御詫びしつつ支援

95 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/08(土) 22:57:03 ID:kutJKCD5
>>92
>>90の人だけだと思う

96 :「ウエストウッドの黒騎士」:2007/09/08(土) 22:57:45 ID:vBUZUrhc
>>90
>>95

分かりました。
では、私はHIMEさんの後に投下することに致します。

97 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/08(土) 23:04:39 ID:Rrs2fX63
規制かな。

98 :「ウエストウッドの黒騎士」:2007/09/08(土) 23:13:05 ID:vBUZUrhc
どうしましょ……。
後10分たっても、HIMEさんの投下が無かったら、
私が投下してみますね。

99 :ゼロ・HiME:2007/09/08(土) 23:13:59 ID:AZ6LwKAK
なんか投下できない;;
今日はやめときます;;

100 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/08(土) 23:14:50 ID:yYiis4S9
避難所の代理投下スレにも書き込まれてないから、ちょっと待って先に投下してもいいんじゃない?

101 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/08(土) 23:15:30 ID:Fc8aHtMP
それじゃ黒騎士さんカモン!

102 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/08(土) 23:17:05 ID:Rrs2fX63
投下できないってどういう意味だろう?書き込み自体はできてるみたいなのに。

103 :「ウエストウッドの黒騎士」:2007/09/08(土) 23:17:16 ID:vBUZUrhc
では、投下をさせていただきます。



ティファニア・ウエストウッドと合成人間、丁五宇(ひのと ごう)の出会いは三ヶ月ほど前に遡る。
三ヶ月前、前線から逃亡した傭兵たちがウエストウッド村を襲った。
ティファニアはいつものように父の形見であるオルゴールから受けついた忘却の呪文で戦おうとした。
彼女は今まで、何度もその呪文で村を襲おうとする山賊たちを退けてきたのだ。

しかし、ティファニアにとって運の悪い事に、その時村を襲った傭兵のリーダーはメイジくずれだった。
しかも蛇のように用心深いその元貴族は事前の情報収集を通してウエストウッド村に記憶を操る魔術師がいることを探り当てていた。
魔法の腕こそはライン級でしかなかったが、いや三流のメイジであったからこそ傭兵たちのリーダーは魔術師の弱点を突く戦い方を良く心得ていた。

魔法とは詰まるところ、精神の具現、想像力の現実化。
その威力は絶大だが、常に使い手の認識力という限界がついて回る。
傭兵たちのリーダーは手下達を六つの班に分けて、波状攻撃をかけることでティファニアの魔法に対抗しようとした。
一度に認識できる数が五つと言う人間の頭脳の弱点をついた古典的な対メイジ戦術。
戦い慣れていないティファニアは、リーダーの思惑通り六方から押し寄せる敵に混乱し、みるみる魔力を消耗していった。

消耗は疲労を呼び、疲労は失敗を呼びこむ。
限界まで精神を酷使したせいで、ティファニアはとうとう忘却の魔法を使えないほど追い込まれてしまった。
後一歩で傭兵たちの手に落ちそうになったとき、とっさに唱えた「サモン・サーヴァント」の呪文で呼び出したのが丁五宇とヒノト・タイラのコンビだった。

次元の門から姿を表した黒い騎士はティファニアがあれほど梃子摺っていた傭兵たちを瞬く間に追い払ってしまった。
盗賊たちが逃げ去った後、五宇はティファニアの警戒心を解くために、ヘルメットを脱いで彼女に近寄った。
そして、五宇が少女の様子を伺おうと顔を近づけた瞬間、ティファニアは一瞬の隙を突いて彼に「コントラクト・サーヴァント」の術を―――



104 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/08(土) 23:19:30 ID:DA3GCql/
>>102
行数制限か、一行の文字数制限か、容量制限に引っかかってるんだと思う。
そして支援体制。

105 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/08(土) 23:19:32 ID:MEDBj5e/
支援

106 :「ウエストウッドの黒騎士」:2007/09/08(土) 23:20:02 ID:vBUZUrhc


「どうしたの? おねえちゃん、お顔が真っ赤だよ」

少女の無邪気な声で、ティファニアはようやく五宇たちと始めて会った日の(そして、自分の初めての接吻)の回想から現実へ帰還した。

「あ、な、なんでもないの! ちょっとシチューが熱かったから、びっくりしちゃって……」
「さっきから、ずっとスプーンでかき回して一口も飲んでいないのに?」

ぐっと言葉に詰まった。
その小さな女の子言うとおり、ティファニアは思い出にふけるあまり、さっきから一口も食事に口をつけていなかった。
しかも無意識にずっとかき回していたせいで、彼女のシチューはすっかり冷めている。

「そ、そ、そうね。それじゃ、きっとお魚の骨が喉に刺さったせいね!」

喉に骨が刺さっていると言うにはあまりに流暢な言葉で新しい言い訳を口にするティファニア。
それを聞きつけた五宇は椅子から立ち上がり、

「それはいけない。小さな骨でも喉の傷は危険だ。ちょっと俺に見せてくれ」

ティファニアの顎を掴んで口の中を覗き込もうとする。
またしても、「コントラクト・サーヴァント」の記憶が鮮やかにフラッシュバックする。
初めて(見た目だけは)年上の異性に触れたあの時。
興奮しすぎてその味も覚えていない初めての口づけ。
視界一杯に広がる彼の顔。
穏やかな、しかし強い意思の光を秘めた黒い瞳が自分の眼を覗き込み―――

「だだだ、大丈夫よ。もう痛くなくなったから。そ、そんな事よりシチューが減ってるみたいね。 い、今お代わりを持ってくるから!」

青年の手を振り払い、返事も聞かずに彼のシチューの器を持って台所の中に飛び込んだ。
後に残されたのは、不機嫌な顔でシチューを掻き込む男の子たちとくすくす笑い声を漏らす女の子たち。
そして……

「あ、テファ? 俺のシチューはまだ半分以上残っているんだが?」

一人だけわけがわからないまま取り残され、呆然とする青年であった。
その様子を外から覗いていたタイラは立体映像の肩をがっくり落として溜息をついた。

「もう、あれで分からないなんて。五宇はどこまでニブチンなのかしら?」


107 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/08(土) 23:21:31 ID:MEDBj5e/
支援

108 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/08(土) 23:21:48 ID:Fc8aHtMP
テファなかなか出てこないよね支援。

109 :「ウエストウッドの黒騎士」:2007/09/08(土) 23:22:16 ID:vBUZUrhc


台所に飛び込んだ後、ティファニアは壁に手をついて荒い息を吐いた。
頬に触れて見る。びっくりするほど熱くなっていた。
大きな胸に触れて見る。まだドキドキしている……。
頬を真っ赤に染めたまま、ティファニアは青年の器に新しいシチューを注いだ。

五宇たちが来てから、毎日が楽しくて仕方が無い。
足元は雲の上を歩いているようにふわふわするし、回りの景色まで急に鮮やかになったような気がした。
最初は年上の友人が出来たお陰だと思っていたが、この胸のトキメキはそれだけじゃとても説明がつきそうに無い。

あっという間に縁まで一杯になったシチューの皿を見ながら、ティファニアは今自分の心を満たしている感情をこっそり声にしてみた。

「…………すき…………」

声に出した途端、納まりかけていた胸の鼓動が一気に跳ね上がった。
もう一度、今度は少し大きな声で呟いて見る。

「…………五宇さん、好き…………」

痺れるような幸福感が全身に広がっていく。
瞼を閉じ、両手に余るほど大きな胸を抱きしめ、甘酸っぱくも心地よい感情を味わった。
ティファニアは姉と慕う女性が、マチルダが早く帰ってくれば良いのにと思った。
自分が手に入れた使い魔を彼女に紹介し、子供たちには話せないこの気持ちを打ち明けたかった。
そして、この幸せが何時までも続く事を強く、強く願った。


110 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/08(土) 23:22:22 ID:qTmYf25f
BLAME!のセウだと思ってた支援

111 :「ウエストウッドの黒騎士」:2007/09/08(土) 23:24:15 ID:vBUZUrhc

子供たちを寝かしつけ、ティファニアの家事の手伝いを終えた後、五宇は一人で家の外に出た。
生身のティファニアたちと違い、五宇はそれほど睡眠を必要としていない。
本当のことを言えば、食事をとる必要もあまりないのだ。
あくまで仕様上だが、五宇たち合成人間は水分補給だけでも五年は生存できる。

それでも毎日、子供たちと一緒に食事の席についているのは、ティファニアの料理を食べる時に彼女が浮かべる笑顔を見たいからだった。
食料を無駄に消費しているのはやはり気が引けるので、毎日多めに食材を取って帰るのだが、それを見たティファニアは五宇を食いしん坊だと勘違いしたのか、さらに彼の食事の量をふやした。
この悪循環は五宇たちがティファニアの家に住むようになってからずっと続いている。

流石に明日辺りから食事の量を減らすように頼んだ方が良いかもしれない。
すっかり重たくなった腹をさすりながら、五宇は野外に止めてあった重二輪の隣りに腰を降ろした。

「星が綺麗だね……」

重二輪の上に浮んだ少女の立体映像が夜空を見上げながら呟いた。

「ああ、そうだな」

五宇も頷いてそれに同意した。
五宇たちが生まれた世界の空は分厚いスモークに覆われ、とてもこんなに綺麗な星空を拝む事はできない。

「ハルケギニアは良いところだね」
「ああ、そうだな」また頷いた。
「テファはとても良い子だね」
「ああ、そうだな」頷く。
「五宇は何時までもここにいたいと思う?」

五宇は―――頷く事ができなかった。
少し迷った後、青年は静かに首を横に振った。

「いや、できるなら早くもとの世界に、地球に帰りたいと思う」


112 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/08(土) 23:24:39 ID:Rrs2fX63
東亜重工支援。
くまさん召喚とかの小ネタ書いてた人かな?
>>104
ああそれか。
何行・何文字までですってテンプレに追加した方がいいんだろうか。

113 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/08(土) 23:25:28 ID:Fc8aHtMP
すごく……エロぃです…
支援

114 :「ウエストウッドの黒騎士」:2007/09/08(土) 23:25:31 ID:vBUZUrhc

ハルケギニアにも戦乱はあるが、五宇たちが生まれた世界は比べ物にならないほど酷いところだった。
N5Sウィルスと呼ばれる恐ろしい病気が世界を席巻し、人々はゆっくりとドローンと呼ばれる生ける死体に置き換わろうとしていた。
人類をウィルスから守るはずのDRF(技術文化遺産復興財団)と公衆衛生局は、人々を保護するどころか彼らにしかわからない目的のためにN5Sウィルスを利用しようとしていた。
企業国家「東亜重工」はDRFの陰謀を阻むために、五宇たち合成人間を作り上げたのだ。
それなのに……。

初めての任務に赴く途中で五宇たち、丁班は銀色の鏡のようなものに吸い込まれ、見たことも無い異世界の中に放り込まれてしまった。
N5Sウィルスの適応者を求めて人工島【9JO】に向かった長兄、庚造一はどうなったのか?
壬二銖やシン、他の兄弟たちは無事に任務を達成する事が出来たのか?
母や祖父のいる東亜重工本社はまだ無事なのだろうか?
DRFと公衆衛生局は……。
N5Sウィルスは……。
世界は今一体―――。

足元に落ちている岩を拾って握り締めると、硬いはずの岩石はあっさり崩れてチリになった。
目的を持って生まれてきたはずなのに。
任務を果たすため、生きているはずなのに。
何も出来ないばかりか、今自分が置かれている状況すら把握できない。
それは人型の道具として生を受けた合成人間にとってこの上なく歯がゆい事だった。

「元の世界に戻る鍵はトリステインの魔法学院にあるような気がする。あそこの学院長は三百歳を超える賢者だと聞いた。彼に尋ねればきっと何か手掛かりが得られるはずだ」
「そうだね。多分そうだね……」

返事をするタイラの声は重たい。
二人がこの会話をするのは今夜が始めてではない。
実を言えば、トリステインまで旅をする準備はとっくの昔に出来ていたのだ。
言葉の問題は既に解決しているし、文字もティファニアに教えてもらった。
地理や文化の違いなどは、使い魔になった時に手に入れた能力があれば何とかなるはずだ。
今、アルビオンを吹き荒れている戦乱の嵐も合成人間の力と重二輪の機動力を持ってすれば切り抜けることは難しくない。


115 :男達の使い魔:2007/09/08(土) 23:27:19 ID:h0e+FlwL
支援!そして予約!

116 :「ウエストウッドの黒騎士」:2007/09/08(土) 23:27:20 ID:vBUZUrhc

だが、何時でも出かけられるはずなのに、五宇たちは何時まで経ってもウエストウッド村を出発することが出来なかった。
ティファニアから離れることを考えるだけで凄まじい精神的な抵抗を感じるのだ。
これが使い魔になったことによる副作用なのかどうかはわからない。
しかし、この拒否感のせいで五宇は決断を躊躇うと言う合成人間にあるまじき感情に悩み、もう一カ月近くも時間を無駄にしている。

「……それにこのままテファたちを置いて行って大丈夫なの? もうロサイスも戦争に巻き込まれていると言うし、このままじゃ何時ウエストウッドに戦火が飛び火するか分からないよ?」
「この村は大丈夫さ。テファには忘却の魔法がある。戦い方次第ではあの子は俺よりも強くなることができる」
「じゃあ、トリステインに行く時はなんて言うの? 黙って出て行くことはできないよ?」
「何とかなるさ。俺たちもテファも子供じゃないんだ」

言葉の内容とは裏腹に、五宇の声には力が無かった。
彼自身、自分の言っている事を信じきれていない事は明らかだった。
ふいに枯れ枝を踏み折る音が小さく響いた。
顔を上げた五宇は驚きのため言葉を失った。

「……本当なの……」

悩みに没頭していたせいか、それとも思っていた以上に身近な存在だと受けれ入れていたせいか。
五宇は愚か、人工知能であるタイラでさえ彼女がこんなに近くまで接近していることに全く気付かなかった。

「五宇さんたちがここを出て行くって、本当なの!!」

両手に焼いたばかりのクッキーを載せた皿を持ち、もともと大きな眼をさらに大きく見開きながらティファニアは自分の使い魔である青年に問い掛けた。

117 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/08(土) 23:30:09 ID:Rrs2fX63
支援すた

118 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/08(土) 23:31:56 ID:ZNLXosMA
ぢえん

119 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/08(土) 23:32:07 ID:qSbjwhYn
ならば支援だ

120 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/08(土) 23:32:41 ID:Fc8aHtMP
あああもう!かわいいなあああテファアアアアア!!!!

支援

121 :「ウエストウッドの黒騎士」:2007/09/08(土) 23:33:44 ID:vBUZUrhc
以上!
投下終了!

そして、ちょっと登場人物の紹介をば。

「丁五宇」
東亜重工の合成人間。
登場から僅か6ページで退場。
と言う他の兄弟たちの追随を許さない誇るナイスガイ。
ちなみに私の作品出てくる彼の能力はほとんどオリジナルになる予定です。

「ヒノト・タイラ」

五宇の相棒、巨大バイク重二輪に搭載された人工知能。
登場3ページにして自分の車体を失う。
作者の力不足により、拙作に登場する彼女はほとんど別人…(。。;

「ヒグイデ」

五宇を登場から3ページで瞬殺した最強のイケメン。
今のところ、原作では最強の白兵戦能力を誇る。
残念ながら拙作には登場しない。

122 :男達の使い魔:2007/09/08(土) 23:34:13 ID:h0e+FlwL
次いっていいですかぁ〜?

123 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/08(土) 23:34:50 ID:Fc8aHtMP
乙&GJ!
テファが出てくる作品はなかなかないから期待してるぜ。


124 :「ウエストウッドの黒騎士」:2007/09/08(土) 23:37:08 ID:vBUZUrhc
書き込み失敗……。
上の五宇の紹介は……。
「他の兄弟たちの追随を許さない影の薄さを誇るナイスガイ」ですわ。

>>112
はい、その通りです。
ルイズに召喚されたサナカンのお話を書くつもりでしたが、
先にまとまりの良い五宇とテファのお話を書くことにしました。

さあ、次は男達の使い魔に期待だ、支援!!

125 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/08(土) 23:37:53 ID:ZNLXosMA
おちかれ&支援

126 :男達の使い魔:2007/09/08(土) 23:38:04 ID:h0e+FlwL
それでは黒騎士の人乙でした!以下投下!

桃たちは、シルフィードに乗ってアルビオンを目指していた。

とうとうアルビオンがその目に捉えられた。

「……っ!」

思わず桃は絶句してしまった。
巨大な、そうまさしく大陸が空に浮いていたのだ。
ところどころから水が流れ落ちるその威容は、まさに白の大陸に相応しかった。

みなその光景を見つめている。
かつて訪れたことのあるキュルケとタバサは懐かしそうに。
桃とJは、心底感嘆したように。

そうして、静かに進んでいたところで、シルフィードが急にがたんと揺れる。
何があったのかと一同シルフィードを見ると、ある一点を凝視していた。

(一体何が?)

そう思って、シルフィードの見つめる方向に視線をやった桃は、不覚にも唖然とした。
Jもキュルケも、そしていつも冷静なタバサでさえも大きく口を開けて、間抜け面をさらしている。

「ひ、人が空を飛んでいるのねぇーー!」

全員の心を代弁するかのようにシルフィードが絶叫した。
しかし、だれもそのことに驚くほどの余裕はない。

視線の先では王大人が、棍をまるでプロペラのように回転させて、悠々と空を飛んでいた。

「おでれーた。人間って魔法によらなくても空を飛べるんだな。」

どこかのどかなデルフリンガーの声が響いた。

127 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/08(土) 23:38:42 ID:G5UzMLBa
支援の影武者

128 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/08(土) 23:39:51 ID:3vgi5dLj
きゅいきゅい喋ったw

129 :男達の使い魔:2007/09/08(土) 23:39:54 ID:h0e+FlwL
一方そのころ、ルイズ達は空賊に捕まっていた。
暴れようとした虎丸は、シエスタの一言で抑えられた。
ルイズ様たちまで危険にさらすつもりですか、と。
ギーシュは、己の使い魔と隔離されて寂しそうだ。
ワルドは積荷を眺めていた。

虎丸が、これからどうする?とでも言いたげな視線を向けてきた。
もちろん、ルイズはその視線の意味を誤解したりはしない。
確かに、現在ルイズたちの手元には杖も武器となるものもない。
海賊達はこれで安心したのだろう。杖さえなければ無力であると。
しかし、それは間違いであることをルイズは知っている。
虎丸は桁外れの怪力で、シエスタはその磨きぬかれた技でもって脱出できるのだ。

(でも)

とルイズは続ける。
それでもこの船の頭までたどり着くのは難しいだろう、と考える。
そこまで考えが及んだルイズは、

「しばらくチャンスをうかがいましょう。」

と言った。
虎丸にシエスタ、ギーシュはそれぞれ了解したようだ。
一方ワルドは軽く目を見張っていた。
この境遇にも関わらず、堂々と振舞うルイズに多少驚いたのだ。

130 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/08(土) 23:41:28 ID:3vgi5dLj
支援する

131 :男達の使い魔:2007/09/08(土) 23:41:28 ID:h0e+FlwL
ドアが乱暴に開かれる。痩せた男が部屋に入ってきた。
貴族派なら港まで送ってやるぜ、という男に対して、ルイズは胸を張って言った。

「誰が薄汚いアルビオンの反乱軍なものですか。バカ言っちゃいけないわ。」

そして、トリステインの大使としての扱いを要求する、と続けた。
いつの間にかルイズの横に立っていた。虎丸は、その男臭い顔に笑みを浮かべていた。

「チャンスをうかがうんじゃなかったのかよ?」

「それとこれとは話が別よ!」

そう断言するルイズに、虎丸が声を立てて笑う。
一瞬バカにされたのかと虎丸を見るルイズだが、認識を改める。
虎丸は獰猛な笑みを浮かべていた。そしてその拳は、いつでも戦えるように握りこまれていたのだ。
ルイズの後ろにはシエスタが立っていた。
ギーシュでさえもなんとかして闘おうと、腰を低く構えていた。

その光景にワルドは驚いていた。
言葉を交わすことすらなく一瞬で戦闘体勢を整えたその有様は、とても学生とは思えない。

(面倒なことになりそうだ。)

そう、一人考えていた。

「頭に報告してくる。その間にゆっくり考えるんだな。」

空賊の男は去っていった。

そうして虎丸が声をかける。

「そろそろ暴れても良いか?」

「まだよ!どうせなら頭とやらに合わせてもらおうじゃない!」

ルイズもまた獰猛な笑みを浮かべて答える。
ルイズには自信があった。
ただ王党派かどうか確認して始末するだけなら、わざわざ頭に報告に行く必要などないのだ。
それをわざわざ言いにいったということは、理由はわからないが、自分達に興味があるということだ。
そのルイズの説明に、一同はじっとチャンスを待つことにした。

「頭がお呼びだ。」

チャンスがやってきた。

132 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/08(土) 23:41:35 ID:Fyb2f5+U
支援である!

133 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/08(土) 23:41:46 ID:3dg1bP0g
塾生を代表して支援

134 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/08(土) 23:42:07 ID:KA9nQoa/
別働隊は王大人やテファたちと接触かな支援

135 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/08(土) 23:42:13 ID:ZNLXosMA
だいごういん しえんすた

136 :男達の使い魔:2007/09/08(土) 23:42:41 ID:h0e+FlwL
「大使としての扱いを要求するわ!」

開口一番、ルイズはそう告げた。
その後もルイズと頭の問答は続く。
ふと、ギーシュは思った。

(魔法のろくに使えないはずのルイズがこれ程頑張っているのに、自分はいったい何をやっているんだ!)

しかし、今のギーシュにルイズの話に割り込むほどの考えはない。
そこで、ギーシュはルイズの左隣に黙って立つことにした。
いざというときは、男は女の盾になるものである。
そうギーシュは習ったのだ。父親と、そしてルイズの使い魔たちに。

一方ルイズは不思議な感覚を覚えていた。

(私、ちっとも怖くない。)

これ程の空賊達に囲まれながら、啖呵を切っているルイズ。
かつての自分なら、無理やり怖さを押さえつけて言っただろう。
同じ行動を取るにしても、考えた末の行動でないに違いない。
そこまで考えたルイズは、チラリと左右を見た。

左にはギーシュがいる。
最初はただの女たらしかと思っていたが、今はどうして!いつの間にか頼れる男になっているではないか。

右には虎丸が腕を組んで立っている。
今ならJが虎丸を選んだ理由がわかる。彼は、そこにいるだけで不思議と安心感を与えてくれるのだ。

見えないが、後ろにはシエスタが静かに立っているに違いない。
彼女がいる限り、自分は後ろのことを気にする必要はないのだ。

そして

姫さまが、親友のアンが自分の無事を祈ってくれているのがわかる。

だからこそ、ルイズは震えることもなく冷静に空賊の頭とやりあえているのだ。

137 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/08(土) 23:43:46 ID:KA9nQoa/
人という字は支え合っている漢字なんだよ支援

138 :男達の使い魔:2007/09/08(土) 23:44:06 ID:h0e+FlwL
その様子を見た空賊の頭は、笑いをこらえることができなかった。
彼らの姿は、あまりにも鮮烈であったのだ。

突如笑い出した空賊の頭に、ルイズを除く一行は怪訝な表情を浮かべていた。
ルイズだけは、会話の端々から推測がついていたのだ。彼らが王党派に関わりがあることに。
しかし、そのルイズも続く頭の台詞に驚きの表情を浮かべる。

「トリステインの貴族は、気ばかり強くって、どうしようもないな。」

突然頭が、その髭やかつら、眼帯などをむしりとり始めたのだ。
そうして、さっぱりとした男はこう名乗った。

「アルビオン王国皇太子、ウェールズ・テューダーだ。
 アルビオン王国へようこそ。大使殿。さて、御用の向きをうかがおうか。」

彼らは、アルビオン王国王党派であった。

一瞬驚いたルイズであったが、即座に気を取り直すと、前に出ようとしたワルドを遮って名乗りをあげた。
今のルイズには、アンリエッタの思いもまた背負っているのだ。
いつまでも呆けているわけにはいかない。

「ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールと申します。殿下。
 失礼ではありますが、何か証拠はございますでしょうか。」

そう言って優雅に一礼をした。
その様子に、短く感嘆のため息を漏らしたウェールズは、この勇敢な使者をねぎらうと、懐から指輪を取り出した。
アルビオン王家の秘宝、風のルビーである。
本物であると確信したルイズは、自分の非礼を謝ると、アンリエッタから授かった手紙を差し出した。

その場で封を切り、その手紙を読み出したウェールズは、途中で一度溜息をついて尋ねた。
アンリエッタは結婚するのか、と。

ルイズとワルドは、無言で頭を下げることでそれに応える。

そうして、文章を読み進めたウェールズは、最後の一文で視線を止めた。
その目線はどこか悲しげであったが、手紙の主の成長を喜んでいるようにも見えた。
読み終えたウェールズは、顔をあげると、一同に告げた。
ニューカッスルまで来て欲しい、と。

139 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/08(土) 23:45:06 ID:3dg1bP0g
支援確認

140 :男達の使い魔:2007/09/08(土) 23:45:13 ID:h0e+FlwL
幾つもの難所を潜り抜けて、イーグル号はニューカッスルに到着した。
流石にウェールズが自慢するだけのことはある、見事な船員の腕前であった。

ニューカッスルに到着したウェールズ達は、陽気に話し合っている。
しかし、その言葉の端々からは死の香りが漂っていた。

その会話にルイズの顔が少しだけ暗くなる。
ルイズは悟ったのだ。彼らが死ぬつもりであることを。

そこへ、ウェールズと話し込んでいた男がやってきた。
パリーと名乗ったその男は、今から祝宴を開くので参加して欲しい、と話しかけてきた。

パリーと話し終えたルイズ達は、ウェールズの部屋へと向かった。
彼の言によれば、アンリエッタの手紙は、ウェールズの自室にあるという。


「宝箱でね。」

そう言ってボロボロの手紙をウェールズは大切そうに取り出した。
その手紙を受け取ったルイズは、礼を述べると、大切そうに懐にしまった。
アンリエッタとウェールズの想いが詰まった手紙は、ズシリと重かった。

明日の朝一番に出る船で帰りなさい、というウェールズに、ルイズは一つ質問をした。
王軍に勝ち目はないのか、と。

「ないよ。」

ウェールズはあっさりそう告げた。元より三百対五万では相手になるはずがないのだ。
ここまで持ったこと自体、奇跡であったのだ。

昔話が進む。

その話の内容に、思わずルイズは亡命を勧める。
アンリエッタも手紙にそう書いてあるはずだと。
しかし、ウェールズは答えた。
そんな文句など一行たりとも書いていない、と。
そうして、ルイズに手紙を見せる。

確かに、そこには何も書いてはいなかった。
ただ、字がずいぶんと震えていた。なぜか水分でにじんでいた。
そして最後に、自分の使いの者たちをよろしく、と添えてあった。

141 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/08(土) 23:45:16 ID:y2x709XZ
うむ、ワルド眼中に無しだなw

142 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/08(土) 23:47:17 ID:ZNLXosMA
ワルド涙目支援

143 :男達の使い魔:2007/09/08(土) 23:47:47 ID:h0e+FlwL
そのことにルイズは愕然とする。ウェールズが声をかける。

「私の可愛い従妹は、私に死して後心配するようなことなど何もないと教えてくれた。
 だからこそ、私は安心して死ねるのだよ。」

あの時だ。あの時、アンリエッタは書かないことを決めたのだ。
ルイズの頭には、この手紙を受け取った時の情景が浮かんでいた。

そう。ルイズの、自ら危機に赴く親友の言葉に少しでも報いるために、アンリエッタは自分の思いを殺したのだ。
ルイズは自分の手を見つめた。水のルビーが光っている。
そのことにルイズは今の自分の決意を思い出していた。

(私は何でここにいるの?姫さまに依頼されたから?
違うでしょ!私はアンの、親友の頼みだからこそここまでやって来たのよ!)

ならば、言葉にならない思いまで汲み取るのが親友というものだろう。
ルイズはなおも言葉を続けようとする

ウェールズが優しくそれを静止した。

「そうか、思い出した。君がアンリエッタが親友だといっていたルイズだね?
 一つだけ忠告しよう。そのように正直では大使は務まらぬよ。しっかりしなさい。
 ただ……」

そういってウェールズはひどく魅力的な笑みを浮かべると言った。

「アンリエッタのために怒ってくれてありがとう。」

最後にウェールズは彼らをパーティに誘った。
彼らは王国最後の客であるのだ。是非とも歓待せねばならぬ。

全員が退席したのちも、ワルドは残っていた。
ウェールズに一つ頼みごとがあったのだ。
ウェールズはそれを快く聞き届けた。ワルドの目の光に気づかぬままに。

144 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/08(土) 23:47:55 ID:KA9nQoa/
アンリエッタ……。

145 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/08(土) 23:49:09 ID:3dg1bP0g
ワルドに死亡フラグ支援

146 :男達の使い魔:2007/09/08(土) 23:49:25 ID:h0e+FlwL
パーティは華やかに行われていた。
ジェームス一世の宣言どおり、みな踊り、食し、笑っている。

次々と料理や酒を勧めてくる貴族たちに対して、虎丸は全て平らげることで応えた。
その様に感嘆して彼らは去っていく。虎丸も貴族たちもみな笑顔であった。
とうとう誰かが歌いだした。大変楽しげな歌である。
虎丸も一緒に歌いだすが、どうも音程が取れないようだ。
周りからは、明るい失笑が漏れる。

対抗するかのように、今度は虎丸が男塾塾歌を歌いだす。
その歌詞に感じ入った何人かの貴族たちが一緒に歌いだした。

……明日の道を魁よ!明日の道を魁よ!


その様子をルイズにギーシュ、シエスタは黙って見つめていた。

「……どうして、どうして彼らはあんなに明るく振舞えるの?」

ルイズが搾り出すように声をあげる。
その言葉にシエスタが柔らかく、諭すように答える。

「本当はお分かりなのでしょう、ルイズ様。彼らには義務があり、責任があります。
 そして、」

シエスタが一呼吸間をおいた。

「全てを投げ打ってでも守らねばならないものがあるのでしょう。」

そう、ルイズにだって本当は分かっているのだ。
少なくとも、アンリエッタの頼みを受けたときには分かるようになったのだ。

今の苦しんでいるアンリエッタのためになるのなら、ルイズは喜んで毒杯でもあおる決意がある。
彼らもまた、それだけの決意をこのアルビオンという国に抱いているのだ。

そう悟ったルイズは、天を見上げた。
二つの月が優しく微笑んでいるように思えた。

「……シエスタ。少し胸を貸して。」

返事も待たずにシエスタの胸にルイズは顔を埋める。
シエスタは、それを優しく抱きとめていた。

147 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/08(土) 23:50:06 ID:0App4Q1/
支援

148 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/08(土) 23:50:20 ID:V0jybgnJ
Mr.0のこの展開は上手いな

149 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/08(土) 23:50:25 ID:Fc8aHtMP
俺もシエスタの胸をかりたい支援。

150 :男達の使い魔:2007/09/08(土) 23:50:59 ID:h0e+FlwL
そんな二人の様子に、自分は席を判断したほうが良いと考えたギーシュは、虎丸と合流することにした。
その前に、

「今顔を出すのは流石にどうかと思いますよ。ワルド子爵。」

「失礼な。私はメイドに嫉妬するほど狭量ではないよ。それに、私は明日彼女と結婚するのだよ。」

ワルドに声をかけておくことにした。
この男は、釘を刺しておかねば、平気でそういうことをやりかねない男だ。
短い経験からギーシュはそう判断していた。
しかし、ワルドの思わぬ台詞に慌てて振り返るが、既にワルドは立ち去った後だ。

ワルドの台詞の真偽は明日判断すれば良いことだ、そう考えて首を一つ振る。
気を取り直したギーシュは、今度こそ虎丸のほうへと足をすすめた。


虎丸と合流したギーシュは、自分も騒ぐことにして、酒をのみ始めた。
そこにウェールズも加わり、場はますます騒がしくなっていった。

そんな中、ウェールズが

「少し夜風にあたらないかい?」

と誘ってきた。そうしてテラスの方へと足をすすめるウェールズを二人は追いかけた。

テラスでは、ワイングラスを片手にウェールズは下界を見下ろしていた。
虎丸はもとより、その表情にギーシュも何もいえない。

「……君達はなにも言わないんだね。」

ウェールズが話しかける。

「俺は口下手でしてね、殿下。」

虎丸はそうとだけ告げ、黙って空いたグラスに酒を注ぐと、ウェールズとギーシュに勧めた。

「それに、こういう時は騒ぐものと相場が決まっているでしょう。」

慣れない敬語を使い、男らしく深い笑みを浮かべる。
その言葉にウェールズも笑みを浮かべた。

「それでは三人の出会いと、今後の前途を祝して乾杯!」

ウェールズが音頭を取った。

カチン、とグラスを合わせる音が響いた。

男達の使い魔 第九話 完

151 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/08(土) 23:52:36 ID:qSbjwhYn
シエスタの胸かぁ・・・支援

152 :男達の使い魔:2007/09/08(土) 23:52:49 ID:h0e+FlwL
NGシーン

雷電「あ、あれはまさか!」

虎丸「知っているのか雷電!」

雷電「うむ。あれこそまさしく、古代中国においてその名を知られた亜瑠微温!」

アルビオン。浮遊大陸としてハルケギニア全土にその名は知れ渡っているが、その起源を知るものは少ない。
かつて周の武帝の時代、亜瑠微温なる仙道達の都があったという。
それは、栄耀栄華を極めたというその都の最大の特徴は、空に浮かんでいたことなのだ。
しかし、その都にもついに落日の日がやってきた。ある仙道使った術が暴走したのだ。
詳細は不明であるが、羽流守(ぱるす)というその術によって生み出された光は、
瞬く間に亜瑠微温を死の大陸に変えてしまったという。
僅かに生き残った仙道たちは、己の全ての力を用いて、その光が世界に漏れるのを防ぐことに成功した。
しかし、代償は大きく、全てが終わった時亜瑠微温は雲の彼方に消え去ってしまった。
この亜瑠微温の一部が、シルクロードを渡って当時の欧州へと伝わり羅比輸多(らぴゅた)になり、
大陸のほとんどがハルケギニアへと渡ってアルビオンへと名前を変えた、というのが近年研究者達の間で定説となっている。
〜「アルビオンについて語る!」曙蓬莱武術協会副会長平賀才人氏の談話より引用

153 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/08(土) 23:53:52 ID:0E6rfqwZ
乙です
・・・シエスタの胸とテファの胸の間に挟まれてみたいぜ

154 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/08(土) 23:54:02 ID:Fc8aHtMP
乙&GJ!
あとがきのサイトは暴走族の名前みたいな名付けばっかしだなwww

155 :男達の使い魔:2007/09/08(土) 23:54:22 ID:h0e+FlwL
以上で投下終了です。
皆様ご支援ありがとうございました。
ようやく第二巻もクライマックスがせまってきました。
書くキャラが多すぎて大変ですが、次回はできる限り早く仕上げる予定なのでヨロシクお願いします。

……しかし、才人を書くのが一番楽しいです

156 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/08(土) 23:54:40 ID:KA9nQoa/
乙。ワルドが割りを喰ってる分他が輝いてるなw
そして今日の民明書房……じゃねぇ。何処まで逝く気だよ平賀才人w

157 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/08(土) 23:54:40 ID:bzljaRmO
才人が何か肩書きをwww

158 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/08(土) 23:55:16 ID:yYiis4S9
ラピュタじゃねえええええ!
乙です!

159 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/08(土) 23:55:37 ID:HomPPSEw
>曙蓬莱武術協会副会長平賀才人氏

おいっ! GJ!

160 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/08(土) 23:55:50 ID:6PT/MyBE
ラピュタまでwwwwwwwwwww乙wwwwwwwww

161 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/08(土) 23:56:56 ID:qSbjwhYn
副会長てwww

162 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/08(土) 23:58:56 ID:3dg1bP0g
パルスって GJ!!

163 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/08(土) 23:59:20 ID:HomPPSEw
この才人、確実に男塾的戦闘能力を身に着けているな。

164 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 00:03:43 ID:yCQlhNEu
この才人、桃達の代わりに残りの男塾イベントをクリアしたんじゃなかろうか……

165 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 00:04:57 ID:1vT8bR46
GJ!

才人wwww
この才人は間違いなくM拳法の使い手wwwww
殴られれば殴られるほどに強くなるwwwwwwwww

166 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 00:20:44 ID:UF+tNj0d
新参者ですが。投下してもよろしいでしょうか。

167 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 00:21:19 ID:Jgc7sQ08
支援する


168 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 00:21:42 ID:+FOYytLh
>>166
投下するではない!
投下したならいいぞ!

169 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 00:21:48 ID:n24nvJaj
道は空いているか!

170 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 00:22:35 ID:JgL5gGyR
お前は投下しろ
俺は支援する

171 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 00:22:52 ID:+FOYytLh
>>169
一応>>166が先かと

172 :零魔娘々追宝録(1) 1/4:2007/09/09(日) 00:23:07 ID:UF+tNj0d
では遠慮なく。
-------------------------

           異世界ハルケギニアに召喚された
                    静嵐刀はいかにして
                      『ゼロの使い魔』
                         となったか?


 煙の中から現れたのは一人の男だった。
 背はルイズより頭二つほど高い。大柄なほうだと言えるだろう。
 だが長身の割には細身で、高いというよりは長いと表現するべきだとルイズは思った。
 顔立ちはまぁまぁ整っていて少なくとも不細工ではない。
 だがどうにも締りの無い笑顔をへらへらと浮かべているため、それらが全て台無しとなっている。
 服装は動きやすそうな袖つきの外套を羽織っている。藍色をしたその外套には精緻な雄牛の刺繍が施されている。
 だが雄牛の刺繍が放つ荒々しい雰囲気にこの男は全くといっていいほど似合っていなかった。
 ようやく煙が晴れ、男は口を開く。

「あーあー、酷い目にあったよ。
人間界に降りてくる途中に何か変な光にひっかかったと思ったらいきなり体が痺れるし。
僕が宝貝でなかったら気絶していただろうなぁ。それくらい痺れたし。雷かなんかかな?
まぁ何はともあれ無事に逃げおおせてよかったよ。
他のみんなが逃げ出すんでなんとなく逃げてみたはいいけど行くあてもなかったし、
無事に人間界に降りられるかどうかもわからなかったからなぁ。
うん、そうだ。途中で『虚無』の空間にでも引っかかっていたら大変だったよ。
そう考えるとこうして無事に地面に立てるのも幸せというものかな。
ねえ、君もそう思うでしょう? ――あれ? 君はどちら様?」

 男は長々と独り言を続け、そしてようやくルイズの存在に気づいたのか、にこやかにルイズに問いかける。
 問いかけられたルイズは。
「それはこっちの台詞よ!」
 激怒して怒鳴り返した。

173 :零魔娘々追宝録(1) 2/4:2007/09/09(日) 00:24:06 ID:UF+tNj0d
 サモン・サーヴァント。それは一人前の『メイジ』が己の『使い魔』を得る儀式のことだ。
 使い魔は己を呼び出したメイジと契約し、己の主人に全てをかけて尽くす。
 メイジもまたそんな使い魔に報いるために己の力を磨いていく。
 サモン・サーヴァントとはそんな使い魔とメイジの関係を決める神聖なものである。
 故にその儀式はメイジにとって一生を決めるほどの重要なものであり、呼び出した使い魔は一生の伴侶となる。
 メイジは使い魔を選べない。使い魔もまた主人を選ぶことはできない。つまり主人と使い魔は運命で繋がっているとも言える。
 だが時として運命はメイジに、そして使い魔に数奇なる出会いをもたらすこととなる。

 男は困ったようにポリポリと頭をかく。

「何だと仰られても困るんですがね。ああ、とりあえず名前を名乗りましょうか。僕の名前は静嵐(せいらん)と言います」
「名前なんて聞いちゃいないわよ。なんでアンタが、アンタみたいな平民が出てくるのよ!」
「平民? はぁ、そりゃあ僕は皇族でも無けりゃ仙人でもないですが。
でもですね、僕はこんなナリをしてますがこう見えても――」

 何かを言いかける男、静嵐刀を制してルイズは怒鳴る。

「アンタが何かなんてどうでもいいわ! ――ミスタ・コルベール!」
「何かねミス・ヴァリエール?」
「儀式のやり直しをお願いします。平民を使い魔になんてできません」
「……それは無理だ、ミス・ヴァリエール。この儀式はメイジの一生を決める神聖なもの、やり直すことなど許可できない。
それでも嫌だというのであれば退学処分となるがよろしいかね?」
「う……」

 コルベールの言うことは正論であった。
 儀式の神聖さ、使い魔の重要性、それはメイジ(落ちこぼれであるが)であるルイズが誰よりも自覚していることである。
「わかり、ました……」
 覚悟を決め、ルイズは厳かに呪文を唱え始める。


174 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 00:24:11 ID:4YeMCr9R
支援

175 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 00:24:54 ID:+FOYytLh
ろくごまるに?
支援

176 :零魔娘々追宝録(1) 3/4:2007/09/09(日) 00:25:16 ID:UF+tNj0d

 静嵐は「何をぶつぶつと言ってるんだろう?」と思いながらルイズに話しかける。

「お話は済みました? さっきは言いそびれましたけど、僕は何を隠そう――え? 何ですか? しゃがめ?」
 呪文を唱え終えたルイズがちょいちょいと手招きをする。背中を曲げた静嵐がルイズに顔を寄せる。
 ルイズはそんな静嵐の頭を両手でがしっと掴み、固定する。

「え? あれ、何を」
 驚いた静嵐は逃れようとするが、ルイズの手はがっちりと静嵐の頭を抱え込んでいる。
 無論、本気で抵抗すれば非力な少女のアイアンクローごとき逃れられないことはない。
 だがそんな抵抗は、ルイズは気迫――怒りとも言うが――で許さない。
 そして、身動きできない静嵐にキスをする。
「むぐ!?」
 いきなり口を塞がれ、静嵐は危うく舌を噛みそうになる。
 数秒間のキスの後、ルイズは静嵐を解放する。静嵐は後ろにひっくり返った。

「び、びっくりするなぁもう。会ったばかりの男にいきなり口付けなんてお嬢さんのすることじゃ――
――あれ? 何コレ? 熱い! 熱くて痛い!」

 まるで体の内側から熱い釘を打ち込まれたような痛みを感じ、静嵐は左手をおさえてうずくまる。
「契約の証よ。我慢しなさい」
 憮然としてルイズは言い放つ。さきほどの契約のキスは当人にとってもやはりショックなことなのだ。
 涙目になり、だんだん痛みの収まってきた左手をさすりながら静嵐は聞き返す。
「契約? 何と何との契約ですか?」
「…不本意ではあるけれど、アンタと私の契約よ」
「その契約内容とは?」
「……アンタが私の使い魔になって一生私の言うことを聞くこと」
「はぁ。なんでまたよりにもよって僕なんですか?」
「召喚したのがよりにもよってアンタだったからよ!」

 静嵐は冷静に、彼女の言い分を整理する。
 一つ、自分は彼女に召喚されてここにやってきた。
 一つ、自分は彼女と契約というのを結んだ(しかも一方的に)。
 一つ、自分は彼女の使い魔というやつになり、彼女のために働かなくてはいけない。
 静嵐は驚き、叫んだ。

「ええーっ!? じゃあ僕は貴方に呼び出されて貴方と契約を結び使い魔というのになってしまっていて、
さらにこれから一生貴方の言うことを聞かなくてはいけないんですか!?」
「さっきからそうだって言ってるでしょうがー!」



177 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 00:25:48 ID:wuLWMWhR
やっぱり支援デルフは支援要らない支援子

178 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 00:25:49 ID:U93tvSmN
セイランならユウナ召還も見てみたいぞ支援

179 :零魔娘々追宝録(1) 4/4:2007/09/09(日) 00:26:28 ID:UF+tNj0d
 ところが静嵐はそんな常識を知ってか知らずか、あっさりとルイズとの使い魔関係を受け入れた。
 使い魔には給料も無ければ休日も無い。メイジにとってはただの下僕だ。
 無論、それなりの働きをすればメイジとて彼らに褒美(一般的な使い魔の場合、良質なエサなど)を与えるが、
 それは必須のものではない。ご主人様の匙加減一つである。これはどう考えても割りに合わない。
 知性のない獣たちであるならばいざ知らず、まともな人間ならばそんな契約には断固として反対するだろう。
 そうルイズは思ったのだが、静嵐は相変わらずの笑みを崩さず答える。

「僕にだって『道具』の業がありますからね。使用者もいないまま世界を彷徨うよりは誰かに使ってもらいたいんですよ」
「道具の……業?」
 またしても卑屈な発言かと思ったが、何かがひっかかる。
 そう、さきほど静嵐は『人間』に仕えるのに抵抗はないと言った。『ルイズ』にではなく『人間』にだ。
 まるで自分が人間ではないかのような言い草ではないか?

「ああ、そう言えば言いそびれてましたね。さっきから僕のことを平民平民とおっしゃってますが、それは間違いです」
「どういうこと? 自分が貴族だとでもいうの?」
「いえ。もっともっと根本的に、僕は人間じゃありませんから」
 あっさりと静嵐は言う。

「天地の理を知り、存在としての高みに至らんとする者、『仙人』。
そしてその仙人が作る尋常ならざる力を持った道具、『宝貝』。
僕は、僕の名は静嵐刀。宝貝製作において右に出るものはいないと言われる仙人、
龍華仙人が手ずから鍛え上げた武器の宝貝の一つ。――刀の宝貝なんですよ」
 そう言って再び静嵐は、間抜けで気の抜けた……だが何処か底の見えない笑みを浮かべた。

180 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 00:28:30 ID:UF+tNj0d
短いですが以上、元ネタは「封仙娘々追宝録」シリーズの静嵐刀です。お目汚しにならなければこれ幸い。
なんというか、いろいろと不安材料は多いですが頑張りますんで長い目で見てくださるとありがたいです。

181 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 00:30:15 ID:VoVJF9Cn
静嵐大帝キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!

182 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 00:30:45 ID:+FOYytLh
乙です!
それでは続いて>>169支援

183 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 00:31:38 ID:n24nvJaj
GJ。期待している。

>171
済まんが時間的に今日は無理そうだ。
家のネット環境が復旧次第orz

184 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 00:32:32 ID:LaNslVOM
青嵐か
原作のメンバーの中では出番が多い割にいなくてもかまわない人だしいい選択ですね。

性格的にもオレtueeeeにならないし。


185 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 00:32:45 ID:U93tvSmN
宝貝とか仙人の概念ないから一から説明しなけらならんだろうな刀の人。

186 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 00:34:44 ID:vi0SKNox
変形機構が動作不良起こして魔法学院がカオスになる予感w

187 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 00:35:57 ID:VoVJF9Cn
混沌制御に不備があるのが欠陥だけども、性格の方がよっぽどだよなぁw

188 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 00:36:23 ID:HC+y6z44
宝貝か。藤崎竜版封神演義の宝貝人間召喚とかもいいね。あと央華封神とか。
封神演義からスープーシャンを召喚した長編もあったな。更新止まってるけど。

189 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 00:38:20 ID:h/p835nv
>>188
おちつけ。お前はこのスレに毒されすぎている。
普通は一月二月に一話が正常だ。
たかがこの程度の連絡無しで、更新停止とか言うなよぅ。
悲しくなるじゃないかよぅ。

190 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 00:39:07 ID:aDrYnsbF
た、大帝きちゃったー!?
混沌洩らしちゃダメだぞ大帝。

191 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 00:39:08 ID:vi0SKNox
あ、でも特殊能力は凄いぞ。
糸切りバサミに匹敵する威力の風の刃を自由自在に操れる!
あと刀の形態ならそこらの武具なんぞ紙切れ同然だ。

192 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 00:40:31 ID:aDrYnsbF
あと、物事の本質を理屈無しに見抜く能力はあるらしい。
問題はぼんくらだからその見抜いた事の重大さに気がつかないという事だが。

193 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 00:45:31 ID:yCQlhNEu
大帝なんか伏線あるっぽいんだよね?
大丈夫かな?

194 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 00:49:26 ID:6XoeeSfI
中国ものなら龍狼伝の天地志狼とか。
西遊記の堺正章とか。

195 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 00:52:29 ID:4YeMCr9R
>>194
マキャアキはキャラじゃねえw

196 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 00:55:57 ID:jMGG0qec
ルイズがブルーから、次のソルジャーに任命される話書いてくれよ
虚無=サイオニック

197 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 00:57:47 ID:t4dNmvth
聖地へ…
とかになっちゃうだろw

198 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 01:00:18 ID:OOdlz2b/
前に、シャンク! ザロードストーリーからブリアンを召喚したものだけど、
ルイズたちが寝るところまで書いたけど投下してもいいですか?

199 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 01:04:18 ID:tpWNBCeM
GOですよ
支援支援ー

200 :ルイズ! ザ・使い魔ストーリー ◆NPqig7Jvw. :2007/09/09(日) 01:05:29 ID:OOdlz2b/
それじゃ、失礼します。多分改行大丈夫だと思う

「それ、ほんと?」
ルイズが、疑わしげに自分の使い魔――つまり自分のことだ――を見つめながら言った。
今、使い魔とその主、ブリアンとルイズはルイズの部屋にいた。ルイズは椅子に、ブリアンはテーブルに。
キュルケとタバサにこの部屋まで運ばれてきた二人は気絶から覚め、覚めたブリアンは早速先ほどの一連の行為に対し抗議をまくしたてた。
そのうちの一言に、ルイズが聞きとがめたのである。
「そうとも。不死秘法に到達せし偉大なる12人のイモータル、そのうちの一人が月光館のミンシストル。
 実は、ジャジャーン! そのうちのひとりはぼくの母上だ」
「……ってことはつまり、あなたメイジってこと? ネコが?」
「ネコじゃない!」
ルイズがさらに疑わしい視線を強めて、指差して言った。
「いや、ネコだし」
「だからネコじゃない! 呪いでこんな姿になってるだけだ!」
「呪い……」
そんな呪いが存在しただろうか? 勉強熱心でそれなりに知識も豊富なルイズだが、特にそんな話は聞いたことが内容に思う。
「じゃあ、何か魔法つかってみてよ。杖貸すから」
「杖は別に要らないけど、まあそういうんならやってやろうじゃないか」
そして一息吸い込むと、ブリアンは詩のような呪文を唱える。
「我、羊の群れの中に購える者の位置を示しその力に乞う」
ほんの少しドギマギして待つが、特に何も起こらない。わずかに期待した自分が馬鹿に思えて、口を尖らせて指摘する。
「何も起こらないじゃない」
「まあ、それは明日の朝になればわかる」
「はあ?」
よくわからないことをいう。

201 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 01:07:14 ID:jMGG0qec
>>197
かむ ふぉおー とぅ せいちぃ〜 

かむ ふぉおー とぅ せいちぃ〜

あいのばしょぉ〜 そのなは せぇ〜いちぃ〜ぃ〜ぃ〜〜

202 :ルイズ! ザ・使い魔ストーリー(2/5) ◆NPqig7Jvw. :2007/09/09(日) 01:07:33 ID:OOdlz2b/
通し番号入れ忘れorz

「どっちにしろ、君もシーカーなんだろ? だったら、魔女の名前ぐらい知ってるだろう」
「シーカーってのがよくわからないし、魔女って女の魔法使いのこと」
「これだから田舎者は……」
ぶちぶちとなにやらつぶやいた後、その黒猫はなにやら講釈をたれてきた。
「シーカーというのは、魔法使いのことだ。ムーンウォークをたどり、真の魔力を追跡しいずれは不死秘法へといたる。
 魔法を使うものはすべからく不死秘法を追い求める」
「別に私そんなもの追い求めてないけど」
「これだから田舎者は……」
再び恨みがましく不平をたれる黒猫だったが、気を取り直したように顔を上げ続けてくる。
「で、だ。魔女は別に女とは限らない。魔女は魔力とともにある、真性の魔法使いだ。そのすべてが魔法のためにあり、魔法は
 無制限に魔女に報いる」
ネコの語る話は、全く意味がわからなかった。ムーンウォークという単語にも、不死秘法という単語にも聞き覚えがなかった。
しかし、妙にでまかせと断定しがたい猫の語り口調に、ふとある可能性を提示してみた。
「ひょっとして、先住魔法?」
「なんだそれ?」
「東方の地、聖地に住まうエルフが使うという魔法よ。私たちの使う四系統魔法とは異なる魔法らしいけど」
「いや、ぼくはエルフなんかじゃないし、たぶんここの世界の住人でもない。多分、ここも多項宇宙のどこかだろうな?」
「ここの世界? 多項宇宙?」
またよくわからない単語が飛び出てきた。なんだかふとネコの言うことをまじめに聞いてる自分が馬鹿らしく思えてきたが、それでもなんとなく聞き続ける。

203 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 01:08:08 ID:4YeMCr9R
>>201
あれ? 見てないから知らんのだけど、新しいやつもその主題歌なの?

204 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 01:08:48 ID:f93Aohyi
聖地がどういう場所なのか、エルフたちがどういう生態なのか原作で披露されれば書けないこともないな

205 :ルイズ! ザ・使い魔ストーリー(3/5) ◆NPqig7Jvw. :2007/09/09(日) 01:09:04 ID:OOdlz2b/
「そうさ。かつて最初の不死者、賢者ガンバンワロウンが不死秘法に至り、弾劾の図書館を作り上げると同時に多頁宇宙への道を開いた。
まあようするに世の中には宇宙というものがいっぱいあるんだって程度の認識で別にいいんだけど」
「ガンザンワロウン?」
「ガンバンワロウン」
黒猫が訂正してくるが、その名前には聴き覚えがあった。どこで聞いたのかまでは思い出せなかったが……
「まあとにかく、あなたは別の世界から来た、魔法使いのネコっていいたいわけ?」
「ネコじゃないけど、そのとおりだ」
なんだか本格的にばかばかしくなってきた。よく考えたら自分はネコ相手に何を真面目になっているのだろうか。
「まあ何であれ、とにかく今の貴方は私の使い魔なのよ」
「……そこだ。なんで君なんかがぼくを使い魔にできたんだ?」
さすがにその言葉にはむっときた。ようやく初めて魔法を成功させたのに、その成功した魔法で呼び出した使い魔にそんなことを言われては立つ瀬がない。
「何よ。私なんかにコントラクト・サーヴァントがつかえるわけがないって言いたいの?」
「そうじゃない。どんな強力なシーカーであれ、魔女を縛り付けるなどということができるはずがないんだ。魔女を縛り付けられるのは、魔法だけなんだから」
何故かそう呟く使い魔の顔に、苦いものを噛み締めるような、そんな表情が浮かんだのをルイズは見て取った。ネコなのでわかりづらいが。
「よくわからないけど、できるはずがなくてもなんでも、もう貴方は私の使い魔なのよ。契約しちゃったんだから」
「……」
ネコは答えず、じっとして身体を震わせていた。怒ったのかとも思ったが、どうも違うようだ。だが結局何をするもなく肩の力を抜き、一言応えた。
「そうみたいだね」
「使い魔なので、使い魔らしいことをしてもらわなければ困るのよ」
「使い魔らしいことって?」
何かいろいろ諦めたらしいその黒猫にそうね、とルイズは呟き一つ一つあげていった。
「まず、使い魔は主人の目、耳となる。使い魔が聞いたり見たりしたものは主人も感じることができる……はずなんだけど、無理みたいね」
「見られてたまるか」
毒づくネコに続ける。

206 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 01:09:41 ID:mBDNYrV5
>>203
ニコニコじゃ地球へはこの歌詞だぜ!!

207 :ルイズ! ザ・使い魔ストーリー(4/5) ◆NPqig7Jvw. :2007/09/09(日) 01:10:31 ID:OOdlz2b/
「それから、主人の望むものを見つけてくること。まあ、いろんな秘薬とかね。」
「まあ、大概のものはわかると思うけど……」
不満そうながらにかえす黒猫に少し満足そうにうなずきながら、最後の一つをあげた。
「それから、主人を守ること。ホントはこれが一番なんだけど、まあ貴方にそれは期待しないから安心して」
「随分いってくれるね」
歯をむき出して、うなるように言うブリアン。そんな顔をするとネコがもともと猛獣であることを意識させられる。
「じゃあ、守ってくれるの?」
「君よりは強いけど、期待しないでもらいたいね。どちらかというと君にいなくなってもらうほうが都合がいいんだし」
「ひどいこというわねー」
手を腰に当てて憤慨するルイズ。しかしふと気になってたずねる。
「でも、ひょっとしてその元いた世界とやらに誰か待っている人とかいるの?」
「……」
それには何も答えずにぷいとそっぽをむいてしまう。そんなネコの様子に少しばかり哀れみの感情が生まれた。
「じゃあ、とにかくその世界に帰る方法ぐらい探してあげるわよ。でも、それまでは私の使い魔でいてよね」
「……帰るだけだったら、多分いつでも帰れる。問題はこの使い魔の刻印だ」
苦々しく前足で自分の額をこするブリアン。
「そうなの?」
「ああ。でもそれには、この刻印が消えないと無理みたいだ。それに、これが消えないと戻っても意味がない」
「でも、使い魔の契約は主人か貴方が死なないと解けないのよ? いやよ、私死ぬの」
「ぼくだっていやだ。まあ、それが一番簡単なんだろうけど、他にも必ず方法はあるはずだ。ぼくはそれを探す」
「ふーん……」
そうしてると、ひとつあくびがでた。話し込んでて気づかなかったが、もう夜も遅い。

208 :ルイズ! ザ・使い魔ストーリー(5/5) ◆NPqig7Jvw. :2007/09/09(日) 01:13:32 ID:OOdlz2b/
「じゃあとにかく、探す手伝いと当面の世話は私が見るから、それまでは使い魔として仕事してちょうだい」
「……不本意だけどしょうがないね」
不承不承といったかんじでうなずくブリアンに満足するとルイズはネグリジェへと着替えた。ベッドにもぐりこもうとしたところでふと思いついて、
ブリアンのほうを振り返り言葉をかけた。
「ねえ、あなたに洗濯物を頼んだりしないけど」
「洗濯物? まわすの? まわしちゃだめだよかわいそうだよ」
「いやまわさないけど。ってどっちにしろあなたに頼まないってば」
「そう……」
わけのわからない安堵をする黒猫に続けて言う。
「とにかく、そのかわりに貴方に一つ大事な仕事を命令するわ」
「何?」
何か感じとりでもしたのかいやそうに聞き返す黒猫に、わくわくしながら命令した。
「一緒に寝るの」


ルイズが寝静まったのを見計らってそっと腕から抜け出し、ブリアンは窓際に座り込み月を見上げた。
(まさか、よりによってこのぼくが使い魔なんかになるとはね……)
魔法は無制限に魔女に報いなければならない。
魔女は無制限に魔法に報いなければならない。
魔女の髪の毛一本にいたるまですべて魔法に捧げられ、魔女を縛ることができるのは魔法を置いて他にない――その心さえもだ。
ふとちくりとした痛みを胸に覚え別のことを考えた。ブリアンは呪いをうけ、このネコっぽい姿でしかいられない。しかし、あいつがこの場にいない以上、
短い時間であれば本来の姿に戻り、本来の力を振るうことができるはずだった。しかし先ほどこの鼻持ちならない少女のシーカーと話をしている際に試してみたが、
戻ることができなかった。恐らくはこの使い魔の刻印のせいだろう。
つまり、現状ではちゃちな魔法しか使えないということだ。先ほど使用したように。
次元門を開いて元の世界に帰れるか試してみようかとも思ったが、やめておいた。贖いの魔法で開く次元門は精度が高いとはあまりいえない。
それに、この状態で戻っても意味がない。
使い魔の契約を解く方法。本当にあるのだろうか?
本来の姿であれば簡単である。もっとも、本来の姿であればそもそも使い魔などにされないのだが。
もしないのであれば、この主人を殺すしかない。
ブリアンはルイズのほうを見やった。あどけない寝顔ですーすーと寝息を立てている。のんきなものだ。その気になれば、何度でも殺せるだろう。
彼女を見つめていると、ふとブリアンがいた世界の少女――の姿をした魔力結晶のことを思い出した。
ふん、とひとつ鼻を鳴らすと、ブリアンはそのまま窓のそばで丸くなり、まぶたを閉じた。


なお、ブリアンの魔法の効果については、翌朝ルイズの部屋を訪れたキュルケがルイズの頭上に
「↓こいつは馬鹿」という文字と矢印が燦々と輝くのを見て大笑いしたことで判明した。

209 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 01:15:52 ID:OOdlz2b/
お目汚し、失礼しました。とりあえず今日はここまでです。では。

210 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 01:16:21 ID:tqjqgZ5O
乙!
呪いは鼻から小麦粉かと思ってたぜ

211 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 01:18:58 ID:OOdlz2b/
まぁそれもどこかのつ……誰かさんに使う予定です、はい>鼻から小麦粉

212 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 01:21:43 ID:tpWNBCeM
乙でした。
やはりツンデレ猫となるのだろうか?

213 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 01:22:56 ID:ipEJJIID
乙です。

自分も試しに書いているモノが少しずつ形になってきたが、
菊地作品のキャラを再現するのはムズい。

そしてツンデレを書くのはその百倍もムズい。根本的に理解が足りないようだ。

214 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 01:24:44 ID:Wv/zMqrr
>本来の姿に……戻ることができなかった。
エルフを狩るモノたちのセルシアさんが「呪文のかけら」で変身解除できなくなったようなものか

215 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 01:32:25 ID:yCQlhNEu
>>214
頭の中の猫のイメージが謎のおもしろ生物になったw

216 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 01:32:46 ID:U93tvSmN
ガンダールヴの紋章だったらこれ以上ない位いみないな

217 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 01:40:27 ID:1b9kmRtp
ブリアンって
『恋する女の子はスキな人のことを思うと内蔵ズタズタ告ると即死』
のツンデレ猫か
作者の信念に従い強大な力に比例したリスクを負ったキャラだが、
ぶっちゃけシャンクがいなけりゃ最強だからな。当然制限をかけるか

かなり好きなキャラなんで期待

218 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 01:44:52 ID:7hse/gj5
個人的に秋田のあのポリシーはめっさ好きなんだが、此処ではブリアンはシャンクと幸せになってもらいたいぜ。
でもやっぱ主人公は血まみれでたたずまなきゃ。

219 :ディセプティコン・ゼロ:2007/09/09(日) 01:44:54 ID:CXb4oZ+L
いやあああ消えたーーー!!
今夜中に投下するつもりだったのにッ……!

220 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 01:47:33 ID:Ws6wsOAI
>>219
煤I? ご、ご愁傷様です……orz

221 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 01:47:59 ID:+CYLgBys
>>219
よし、徹夜だ

222 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 01:48:16 ID:QD0fr2Hk
>>219
残念ダッタネェ…

223 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 01:48:39 ID:vzqQLl8+
残念無念。
オォゥ、ジャァズ……

224 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 01:50:48 ID:cEX0t7UT
エクスプロージョンじゃ!エクスプロージョンの仕業じゃ!

225 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 01:51:35 ID:lkin048l
虚無…なんて恐ろしい魔法なんだ……

226 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 01:53:23 ID:BOWrB+KL
謎の原稿を召喚して呆然とするのか

227 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 01:54:19 ID:Q41L/SR5
>>221
鬼だなw

>>219
だが徹夜す(ry
いや冗談だけど。
…まあ、書くこと決まってるから労苦は2倍にはならないさ。
同じ事二回書く方のがだるかったりするけどw
気を落とさず、これからはバックアップに気をつけて…

228 :ディセプティコン・ゼロ:2007/09/09(日) 01:54:20 ID:CXb4oZ+L
愚痴ってゴメンね……orz
何とか今日中に書き直して投下する所存ッ!
どうかお待ちくだせえッ!

229 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 01:56:22 ID:d8QOqKr0
なに、徹夜はベイダー卿のお陰で耐性がある
慌てず急がず良作を仕上げてくだされ

230 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 01:56:51 ID:Yz0K1iZW
ティオが召喚されたのって有るかい?

231 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 01:58:19 ID:cEX0t7UT
原稿は…ルイズの胸より無くなって死んdうわなにをするやめ

232 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 01:58:30 ID:vzqQLl8+
待ってますー。
サイトとテファコンビの活躍をきたいしてまさぁ

233 :ディセプティコン・ゼロ:2007/09/09(日) 02:00:12 ID:CXb4oZ+L
>>220>>232
くっ……声援が身に沁みますぜッ……
20時だ!
狂の20時までに投下したらァッ!

234 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 02:08:53 ID:pY6po2n9
狂の20時! 座して待つ!

235 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 02:11:36 ID:cEX0t7UT
物書き道は死狂いである

236 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 02:20:49 ID:xn0yl7O6
新人だけど投下していいかな?……かな?

237 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 02:22:35 ID:HcLGDyZn
止める理由が何処にある?
さあ投下したまえ

238 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 02:22:42 ID:b0QQjldT
どーぞ。

239 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 02:23:59 ID:cEX0t7UT
歩道がすいてるではないか

240 :され虚無:2007/09/09(日) 02:25:27 ID:xn0yl7O6
されど罪人は虚無と踊る



「宇宙の果てのどこかにいる」
私の意識と魔力が仮想力場を通り、魔力が杖に収斂、そして移送転移。
「我が下僕よ、召喚に」
杖により増幅された魔力は触媒にされた精霊に干渉し物理干渉。
「応えなさい!!」
 紡いでいた呪文が発動し、杖の切っ先に魔導式を描いた。
 爆発しない……あれ、もしかして、成功したの?
 一瞬の静寂。


そして、やっぱり爆発した。
……というか、人生で一番の爆発だった。
 広場は爆煙につつまれる。
 辺りは一面煙が舞い視界は封じられる。 
 耳に聴こえてきた音は何かが焼け、炭火を起こすような音。
 そして嗅覚……噎せるほどの血の臭い、肉の焦げた臭い。
やがて風が吹き、白煙が晴れた。そして眼前に広がる光景。
 それは私の想像しえない、凄惨な光景だった。
そこには体長10メルテルは優に越す巨大な黒鱗の竜、いや龍が横たわっている。
 ただし、龍は所々内臓がこぼれ、千切れ、焼け焦げ炭化した肉片と科している。


241 :され虚無:2007/09/09(日) 02:27:49 ID:xn0yl7O6
 そして竜の象徴である長い首は半ば千切れかけ、皮のみでくっつくように頭を垂らしていた。
 だが龍の眼は死んでおらず溢れでる殺意を疫病の様に振り撒く。
 そして爬虫類特有の動きで緩慢に活動を開始した。
 龍は視認すら許す圧倒的な魔力を治療に費やし。
 全身の傷という傷から赤黒い血漿を飛び散らしながらも立ち上がる。
「ル、ルイズ…ちょ、ちょっとヤバいんじゃなくって、コレ」
「……危険」
近くに駆けつけてくれたキュルケとタバサが私に問う。
 その間にも溢れた内臓は時間を巻き戻した様に体内に戻る。
そんな事など当に承知している、私はもう軽口を叩くしか無かった。
「……大丈夫、ヤバさ的にはアンタのおっぱいの勝ちよ。――主に私的にっ」
 號っ!!
龍は私達を睨み付け、大きく咆哮した。
それだけで……怖い、死ぬほど怖い。
 膝が笑う、精神支配の魔法でも掛かっているのかと、キュルケ達が居なかったら発狂してたと、そう思うくらい怖い。
 だがキュルケは苦笑いしながら軽口を返してきた。
「そうねぇ、じゃあ十段階評価にするとどうなりますの?」


242 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 02:28:00 ID:lkin048l
され竜支援

243 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 02:28:24 ID:Ws6wsOAI
鬱支援

244 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 02:29:20 ID:+ezNLCTm
おぱ支援

245 :され虚無:2007/09/09(日) 02:30:12 ID:xn0yl7O6
「胸が10、龍が7、かしら。でも安心して写し世では貧乳はステータスだってばっちゃが言ってたから」
「……mjk?」
「そう、それだけでスキル欄が8つ位埋まりそうね。 ―――――ところでルイズ?」
私はキュルケを見る。
「私達は龍を足止めする。貴女は龍にキスをする、OK?」
「失敗したら?」
「……高確率で全員死亡」
「さ、行きますわよ。そろそろ行かないと、あそこで孤軍奮闘してるコルベール先生が危ないわ」
「……主に頭皮とかが」
キュルケは私に笑い、タバサは無表情、でも心配してくれるのは解る。
 余りの成功率の低さに私は俯き、二人を見る。
 ――――二人共、震えていた。
「……ごめんね」
私の口から出た言葉は謝罪。
「謝るのなら全員死んでから、謝って欲しいですわ」
微笑みながら憎まれ口を言われた。
「……ありがと。 ――じゃあ、行くわよ」
そして私は地面をけりつけ、走る。
誰も死なせない為に。



246 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 02:30:20 ID:Ws6wsOAI
……待て、ハルケギニアだとメートル単位はメイルじゃないか?
メルテルはされ竜側の単位だったような。支援

247 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 02:32:56 ID:xn0yl7O6
とりあえずおしまいです。

あれ?主人公まだでない?ふしぎ?
主人公でない、爽やか、ふしぎ!

248 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 02:37:04 ID:Ws6wsOAI
乙。だが短すぎる気がする。ついでに上で挙げたけど単位の間違いとか。
……後、これの主人公っててっきりこの竜だと思ったのは俺の早とちりか。

249 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 02:37:46 ID:xn0yl7O6
>>246
申し訳ない、間違えた

250 :ゼロの大魔道士:2007/09/09(日) 02:40:46 ID:Lt1bvc3R
投下予約しても構わないですよね?
とりあえず三時から投下予定。

251 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 02:54:12 ID:qI1qLITJ
こんな時間でも支援支援

252 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 02:56:17 ID:cEX0t7UT
今際の支援

253 :ゼロの大魔道士(1/4):2007/09/09(日) 02:57:27 ID:Lt1bvc3R

シャナク――破邪呪文の一種で、アイテムや武具、もしくは生命体にかけられた呪いを解除する魔法である。
解除の成功率、そして解除後の影響に関しては使い手の力量がそのまま影響する。
呪いとは何か?
ポップの世界において呪いという言葉の定義はない。
何故なら、原因がわからない不都合を起こす現象はほぼ全て呪いとされているからだ。
ただ、一説によれば呪いとは総じて魔法の別に形ではないかと言われている。
不思議な現象に魔法が絡んでいなければおかしいというのが根拠だった。

コントラクト・サーヴァント――術者と受術者の間にルーンを刻むことによって主従契約を生み出す魔法である。
始祖ブリミルが生み出したとされるこの魔法はメイジであれば大抵のものが扱える。
いわゆる初級魔法に分類されるこの魔法は、ある種の強制力を持つ。
ルーンを刻まれ、使い魔とされた生物は主人に対するある程度の忠誠心を代表とする色んな能力が強制的に付加されてしまうのだ。

さて、ここで話は本題に戻る。
前述の通りシャナクは呪いを解除する魔法だ。
そしてコントラクト・サーヴァントは魔法ではあるが、その効力上呪いといっても差し支えはないものだろう。
つまり、シャナクはコントラクト・サーヴァントに対して十分効力を発揮すると言っても良いのである。



(くっ!? 思ったより強固な…っ!)

話を聞く限りでは初級魔法のようだから解除も簡単だろうと臨んだポップだったが、意外な苦戦を強いられていた。
効力は外道といえども、そこは始祖ブリミルの魔法である。
戒めという呪いを砕かんと襲い掛かるポップの魔力を押し返さんとばかりに抵抗力を発揮する。

(こりゃ、師匠のアレ並だな…)

アレ、つまりポップがマトリフのお下がりでもらった、バックルにマトリフの顔が彫ってあるダサいベルトのことである。
装備すると外れなくなるという呪いがかかっていた恐るべき一品。
なお、バーン打倒後ポップが必死にシャナクの修得に励んだ理由がここにあるのは言うまでもない。


254 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 02:58:49 ID:xn0yl7O6
支援

255 :ゼロの大魔道士(2/4):2007/09/09(日) 02:58:49 ID:Lt1bvc3R

「ちょっとアンタ、何してるの!?」

ポップが悪戦苦闘しているその時、ルイズがその様子に気がついた。
流石に契約を解除しようとしているとは気がついていないが、ルーンが激しく光り輝いているとなれば主人としては気になるのは当然。
同様の心境のコルベールと共にルイズはポップへと近づいていく。
と、その瞬間。

「こっ…の……消えろぉぉーっ!!」

ポップの渾身の叫びと共に後押しされた魔力がルーンへと襲い掛かる。
シャナクの力がルーンよ砕けろと奔流。
しかしこの瞬間、ルーンが自己防衛とも言うべき力を発した。
始祖ブリミルが使役したといわれる伝説の四なる使い魔の一体の力は、己の存在の消滅を防がんと動いたのである。

バシュゥッ!

そして次の瞬間。
ルーンは砕け散ることなく、ポップの体から出て行き――そして『乗り移った』



「なっ…!? ぐっ、ぐあ…!?」

ここで不幸だったのは、彼が一番位置的にポップに近かったということがある。
周囲の生徒たちは既に彼自身の言によって解散していたということも不幸の一因だっただろう。
ルイズも同程度の位置だったのだが、彼女はコントラクト・サーヴァントの行使者。
条件的には当てはまらなかった。
それはつまりどういうことかというと――

「こ、コルベール…先生?」

炎蛇のコルベール。四十二歳。独身。
ポップから追い出されたルーンをその体で受け止める羽目になった彼は

――この日、この時を持って教え子の使い魔になることが確定した。


256 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 02:58:53 ID:0PBH2cvt
シャナク支援!

257 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 02:59:55 ID:xn0yl7O6
すまんsage忘れた

258 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 03:00:12 ID:FRqlV2PB
これは新しいw
ルーンの種類がミョズニトニルンだったら目立つことこの上なし支援

259 :ゼロの大魔道士(3/4):2007/09/09(日) 03:00:19 ID:Lt1bvc3R

『………』

痛いほどの沈黙が場を包んでいた。
場にいる人間は五人。
ぽかん、と口を大きく開けて固まっているルイズ。
自身の左手をまるで悪夢を見るかのように眺め続けるコルベール。
とある事情によりこの場に残っていた微熱と雪風の二つ名を持つ二人の生徒。
そして、どうコメントしていいのかわからず目をそらすポップだけだった。

「じゃ、そういうことで!」

キッカリ三秒後、最初に動き出したのはポップだった。
ぶっちゃけ、ルーンが砕けずに他人に移ったのは予想外の出来事だった。
しかし話の限りでは命にかかわることではないらしいし、そもそも自分は火の粉を払っただけである。
自己欺瞞を完成させたポップは素早く身を翻すと飛翔呪文を唱え

「あ、ま、待ちなさい!」

背に降りかかるルイズの罵声を無視して逃走を開始するのだった。



「随分と…め、珍しいルーンだね。私の左手にあるルーンは…」

ひゅうう、と風がコルベールの少なくなった髪の毛をなびかせる。
彼の目の前には罵声を上げ続ける桃色の少女の姿がある。
ミス・ヴァリエール。
いや、ご主人様?
どちらで少女を呼ぶべきかコルベールは闇に染まりそうな思考の中、他人事のように考えるのだった。


260 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 03:00:43 ID:8mljxjCn
コレは超予想外支援

261 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 03:00:48 ID:zfcY7AtB
ちょwww前人未到のコッパゲ使い魔支援

262 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 03:01:08 ID:pmZB8p7j
これは予想GUYwwwwwwww

263 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 03:01:17 ID:operRL4C
ちょコッパゲがwwwwこれは予想の斜め上wwwwwwww

しかもポップがシャナク使える理由が恐ろしいほど自然w

264 :ゼロの大魔道士(4/4):2007/09/09(日) 03:01:45 ID:Lt1bvc3R

「さて、これからどうしたもんだか…」

ポップは一度ルイズ達の視界から消えた後、こっそりと身を隠しつつ近くに戻ってきていた。
まだ完全に確信したというわけではないが、ここが異世界である可能性が高い以上無闇に動き回るわけにもいかない。
言葉が通じて人間がいる以上、町なども存在はしているであろうが、法律や常識が大幅に違う可能性は大いに高い。
となると下手すればうっかり犯罪者になってしまうということも考えられる。
現時点ではハルケギニアの知識がないに等しいのだから。

「お、移動するようだな」

ポップの視線の先には、宙に浮いて移動を開始するルイズ達の姿があった。
何故かコルベールがピクリとも動かないルイズを抱えて飛んでいたのだが、そこは気にしてはいけない部分だろう。

「トベルーラ…じゃないよなぁ。やっぱ異世界となると魔法体系も違うのか?」

少なくともポップの知る限りではサモン・サーヴァントやコントラクト・サーヴァントなどという魔法は存在しない。
類似している魔法や現象はあるにはあるのだが、彼らの様子を見た感じでは広く浸透している魔法のようだ。
となると、自分の知る魔法と、ルイズらの扱う魔法は全く別のものである可能性は高いといえる。

「とりあえず、あいつらに着いて行ってみるか。まずは情報を集めないことにはどうしようもないしな」

またぞろ厄介なことになったぜ、とポップは髪をガシガシとかきむしりながら飛翔呪文を唱える。

(ま、流石に大魔王を倒すよりはマシだろ)

そうポジティブに考えることができたのはポップの成長の証だったのかもしれない。
それが楽観的な考えだったのかは、未来のポップのみが知ることではあったのだが。


265 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 03:03:03 ID:0PBH2cvt
ちょwwwwwコッパゲ先生使い魔支援wwwwwww

266 :ゼロの大魔道士:2007/09/09(日) 03:03:18 ID:Lt1bvc3R
投下終了。
シャナクやら呪いについて自己解釈全開っす。

267 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 03:04:30 ID:zfcY7AtB
乙! コッ禿しく乙!!

こんな展開見たことねぇw

268 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 03:05:03 ID:FRqlV2PB
投下乙です。
地味にハルケギニア最強クラスの魔法剣士誕生の瞬間じゃね?w

269 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 03:05:15 ID:sGrVP0+Y
GJ!
コッパゲ先生気の毒すぎだw
そしてやはり解けてないんだろうなベルトの呪い

270 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 03:06:46 ID:qLYmQ9Vy
はげがんばれ。
で、ふーせんにゃんにゃんがきてるーウボア
今書いてるのともとねたかぶったけどいいか。凶鎖丸だし

271 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 03:07:43 ID:51mS0QRA
短編投下予定3:10…ノリで読んでくれ。
そしてハゲに糞ワロタw

272 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 03:09:06 ID:8mljxjCn
炎のトライアングルでガンダールヴか……授業とかギーシュとかどうなるんだろう?wktk

273 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 03:09:33 ID:operRL4C
まてよ?この展開だとルイズのファーストキスはハゲの物?

274 :ゼロの奇妙な冒険:2007/09/09(日) 03:10:20 ID:51mS0QRA
幾度の爆発を繰り返し、幾度の詠唱を繰り返し、ようやくルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールは、ようやくサモン・サーヴァントに成功した。
真白い爆炎と共に煙が充満する。しかし、その手には確かにこの魔法を成功させたという確信がある。
そう。必要なのは失敗を恐れる心ではない!成功を確信し突き進む勇気!
この一歩は誰にも評価される出来事ではないのかもしれない。しかし、ルイズにとっては大いなる躍進への一歩になる!
やがて煙が晴れ、己の呼び出した使い魔が姿を現すはず!
そう思いを馳せながら…現れたのは、幻獣でもない、動物でもない、生命ですらない、矢じりだった。
大量の煙が晴れ、その矢を見た同級生たちは口々に嘲りの言葉を発する。
しかし、ルイズはそれに耳を傾けず召喚の儀式の監督を務めていた教師へと詰め寄った。
なにかの間違いだ、もう一度のチャンスを、そう嘆願するも徒労に終わる。
神聖な儀式のやり直しなど利かない。呼び出したものが何であれ、契約は果たさねばならない。
奥歯が砕けるかと思った。悔しさに全身が震える。
せめて生物だったら。たとえどんなちっぽけな物だったとしても。
全身が悔しさと自虐に震える。だが、それでも彼女はその唇で矢へとくちづけを交わした。
「痛っ…!」
涙に濡れた双眸が距離を間違えたのか、唇が鏃の鋭さに耐え切れず裂ける。
物でしかない使い魔にすら反抗されるのか。
さらに自虐の念を募らせる彼女だったが、その考えは数秒しか保てなかった。
熱い。ひたすらに熱い。
唇から広がる正体不明の高熱。
今まで体験したことの無い痛みと熱さに、ルイズはその意識をあっさりと手放した。


ゼロの奇妙な冒険


ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールが目を覚ましたのは、サモン・サーヴァントを行った日から一週間の時が流れたころだった。
原因不明の高熱を発し、医務室で水の治癒魔法を幾度と無くかけられ、ようやく体の調子が安定した。
ずるりと重い体を引きずり、ベッドから這い出る。
まだどことなく動きの鈍い右手を持ち上げ……それに、気付く。
自身の手に重なるように浮き上がる、何か。
最初は目の錯覚だと思った。体が疲れているんだろうと思い、目を擦りもう一度自分の腕を見る。
今度は何も無かった。うん、やっぱり目の錯覚だ。
「……疲れているのよね、やっぱり」
体は万全な状態と言い難いが、精神的な疲労が溜まっているのだろう。
夢と思いたかったが、唇をなぞれば僅かな張り。
鏡を見て確かめると、うっすらと傷跡が上唇になぞるように浮かんでいる。
僅かながらも自信を持っていた容姿を傷つけられたことに自嘲の笑みを浮かべ、ルイズは自分の部屋へと足を向けた。

275 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 03:12:25 ID:TZAZmvjE
>274
こちらへどうぞ。

【ジョジョ】ゼロの奇妙な使い魔【召喚64人目】
http://sports2.2ch.net/test/read.cgi/entrance2/1189273706/

276 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 03:12:45 ID:OLr06+6z
………これは姉妹スレでは?
と思いつつ支援

277 :ゼロの奇妙な冒険:2007/09/09(日) 03:13:20 ID:51mS0QRA
一週間という時はルイズにとっては長いものであることを痛感させられる。
部屋の机に鎮座している矢じりと、メモ書き。
『ルイズ・フランソワーズの使い魔です』
簡素なそれを幾度燃やし尽くしてやろうかと思ったことか。
しかし、自身が呼び出した物だ。一週間ぶりにその矢を観察してみることにした。
鏃以外は木材による簡素な物に過ぎなかった。
しかし、問題はその鏃にあった。
鉄ではない。触れた感触は、まるで『生物』だった。
もちろん鉱物であることは確かだ。とルイズは確信していた。
しかし触れた掌から感じるエネルギー、唇の傷から伝わる鼓動。
その全てが、この鏃が単なる矢とは思うことはできなかった。
「ねえ…何なのアンタ」
動くことも語ることもできない鏃は、沈黙を持ってルイズの答えを返す。
矢は何も答えない。ただ、覚醒を促すのみ。
知ってか知らずか、ルイズはその問いの答えを聞くことを諦め床に就いた。
 
きっかけは、ルイズにとっては些細なものだった。
食堂で同じ学年のギースだったか、ギルだったか、そういう名前の二股野郎の浮気が暴露された。
その発端を作り出したのが、学園勤めのメイドの…名前は忘れた。
自身の責任を棚上げし、メイドをただただ罵倒する滑稽さに吹き出しただけだ。
それに目ざといというかなんというか、気づいたギ何とかはメイドそこのけでルイズに矛先を向ける。
無論そんな幼稚な責任転嫁なんぞに耳を貸さないルイズであったが、
「はっ!所詮ゼロだな!!臆病者が僕に口を挟まないでくれたまえ!!」
その一言であっけなくキレた。
貴族同士では禁止されている決闘をギ何とかに投げつけ、食堂を後にした。
途中でメイドが何か言っていた気がするが、それすらもルイズの血の上った頭には届かない。
かくして、ゼロと呼ばれた少女の初めての戦いは幕を切ったのである。


278 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 03:13:45 ID:6/OtT8DE
もしかしたらフェイクでまったく違うものとか?

279 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 03:15:06 ID:lkin048l
多少それを期待している

280 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 03:16:11 ID:HPSSU+BC
ちょw確かに奇妙だがwwwwwwwww

281 :ゼロの奇妙な冒険:2007/09/09(日) 03:16:53 ID:51mS0QRA
>>275
そんなのあったのかYO!!知らなかったからこのまま続けさせてくれ。


ルイズは魔法を使えない。全て失敗に終わり、爆発のみを残す。
それがゼロという二つ名をつけられた少女の評価だった。
だがその二つ名を呼ぶ者は総じて彼女の本当の資質に気付いてはいなかった。
あらゆる魔法で爆発を起こす。しかし、自身の失敗で『爆発』を起こしたことはあるのだろうか。
コモンであろうと属性を持とうと、必ず爆発という結果を起こした少女の資質は、果たして無能であるのか。
答えは、否である。
それをドットであるが、そのレベルで最高峰であることを自他共に認めるギーシュ・ド・グラモンが痛感していた。
錬金したゴーレムが片っ端から爆散し、杖を自身に向けてくる。
その恐怖の如何ほどか。杖を向けられるたびに咄嗟にワルキューレを錬金し盾にする。
レビテーション、と呟かれる。そして自身の生み出したゴーレムが爆散する。
ここにきてようやくギーシュはルイズの失敗魔法の恐ろしさに気付いた。
爆発、爆発、爆発。
炎の玉が飛ぶわけでもなく、風の塊が降り注ぐわけでもなく、氷の礫が撃たれるわけでもない。
ただ対象が唐突に爆発する。その程度の魔法が、限りなく恐ろしかった。
杖を向けられ、簡単な呪文だけで確実に戦闘不能…いや、再起不能になる一撃。
ひたすらに杖から逃げ惑うギーシュに野次が飛ぶ。しかし、そんなものは耳に届かない。
右に、左に、前に後ろに上に下に無様に必死に生きるために、杖先からその身を避け続ける。
それでも血に流れるグラモンの歴史が勝利のために道筋を模索し続ける。
ルイズの一撃は確かに致命的だ。しかし、弱点は無いとは言えない。
『杖を向け』、『詠唱し』、『魔法名を唱える』。
それがメイジの基本である。どんな実力者でもこの縛りを外す事はできない。
ルイズの場合は『詠唱し』の部分が限りなく短い。しかし、『杖を向け』が致命的に遅かった。
それは仕方ないと言える。学園のメイジは、大多数が本当の戦いを経験していない。
一部の例外を除き、万全の準備を持って全力で魔法を詠唱できるのだ。
だからこそその隙が見える。そして、それが見えることこそ、ギーシュ・ド・グラモンがドット最強と言われる由縁でもあった。
詠唱を短略化し、単なる青銅の成りかけをルイズの目の前に創りだした。
それに当然のようにルイズは『錬金(失敗)』を仕掛ける。
しかし細かい土を多量に含んだそれは、失敗魔法により派手に土煙を上げた。
視線が遮られる一瞬。ルイズは『杖を向け』を完全に封じられた。
ギーシュの居場所が一時的であれ、完全に見失ってしまったのだ。
その隙を突き、自身が生み出せる最大の数、7体のワルキューレをルイズの周りに『錬金』した。
それぞれの武器をルイズの急所へと突きつける。正しく勝負有りの光景であった。
簡単なコモンマジックですら唱え終わる前に確実に制圧できる位置である。
周りから歓声が上がる。しかし、ギーシュは素直にそれに答えることはできなかった。
一瞬ですら気が抜けることができない戦いを終え、ようやく冷静になった頭に過ぎるのは羞恥のそれだった。
自分は何をやっていたのか。二股がばれてそれをメイドに責任転嫁して窘めてくれたヴァリエールに逆ギレした。
赤面の至りである。貴族としてではなく、人間として最悪な行動ではなかったのか。
しかしここまでやって意地を引っ込めることは出来ない。なんとか恥に染まる頭を働かせようとしたところで―――それに、気付いた。

282 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 03:17:16 ID:Ws6wsOAI
やっぱり姉妹スレ向け……だよな?支援

283 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 03:19:35 ID:OLr06+6z
投下し終わったら姉妹スレに投下し直すと良いかも支援

284 :ゼロの奇妙な冒険:2007/09/09(日) 03:20:06 ID:51mS0QRA
ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールは悔しさに奥歯を噛み締めていた。
あれだけ啖呵を切って決闘を売った結果がこれか。
完全に動きを封じられ、敗北を認めざるを得ない状況。
やはり自分はゼロでしかないのか。理不尽に立ち向かう貴族として不完全なのか。
泣き出しそうになる目を抑えることも出来ず、刃の切っ先を向けてくるワルキューレを見やり、
『ワタシヲ呼ビマスカ?』
震えるような声が、自身の奥底から響いた。
 
思考していた時間は一瞬だった。
どうこの場を収めようかと考えていたギーシュは、突然起こった爆発に意識を追いつかせられなかった。
詠唱は聞こえていない。そもそも魔法を使おうとする前兆が無かった。
ただ完全にルイズを囲んでいたワルキューレが、一瞬の遅れも無く全て爆発に巻き込まれた。
未だルイズの実力を見誤っていたか、とギーシュが気概を持ち直したところで―――
「……そう、そうなの、そうだったんだ。それが私の能力―――」
恐らくその声は、ギーシュが生涯忘れえぬ言葉になる。
その確信に伴う恐怖が体の動きを封じる。
動け、動け、動け。
体の全てを錬金されたように動かぬ全身を必死に揺らす。
しかし動かない、まるで、眼前の少女と、その後ろに幽鬼のように立つナニカに金縛られたように。
それはこの場に不釣合いな、桃色に輝く巨体。
硝煙をその身に纏い、全てを爆発霧散させる未だ完成せぬ暴力の化身。
「ねえ、ギーシュ・ド・グラモン」
鈴のような声が響く。
そう言えば彼女に名前を呼ばれるのは初めてだな、とか場違いな感想。
「私のことを散々ゼロとか言ってくれたのは…まあいいわ。でもね」
彼女の言葉に続くものがわからない。
しかし少しずつ自分が十三階段を登って行っているのは間違いではないだろう。
「ねえ、私の名前。ちゃんと覚えている?」
「あ、ああ。も、もちろんだとも」
そう答えるのが精一杯だった。
それほどまでに笑顔を浮かべる目の前の少女には、凄みがあった。
「じゃーあー、言ってみようか?」
「え、えと…ル、ルイズ…フランソワーズ…」
何故だろう。名前を言っているだけで死へと近づいている気がする。
「…ル・ブラン……」
「そう、そして私の名は……!!」

「ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン!!」


285 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 03:21:17 ID:Ws6wsOAI
そしてギーシュが出せるワルキューレは7体まで。8体目以降は無理。
……これ言うの何回目だろう。支援

286 :ゼロの奇妙な冒険:2007/09/09(日) 03:22:04 ID:51mS0QRA
ドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラ
ドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラ
ドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラ
ドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラ
ドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラ
ドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラ
ドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラ
ドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラ
ドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラ
ドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラ
ドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラ
ドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラ
ドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラ
ドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラ
ドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラ
ドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラ
ドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラ
ドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラ
ドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラ
ドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラ
ドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラ
ドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラ
!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

287 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 03:22:52 ID:OLr06+6z
オリジナルスタンドなら姉妹スレでも避難所向きだが支援

288 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 03:23:44 ID:FRqlV2PB
ドラドラ噴いたw

289 :ゼロの奇妙な冒険:2007/09/09(日) 03:23:51 ID:51mS0QRA
VAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA
AAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA
AAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA
AAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA
AAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA
LLIIIIIIIIIIIIIIIIIIEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEE
EEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEE
EEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEE
EEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEE
EEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEE
EEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEE
EEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEERE!!!!!
!!!!!!!!!!!!!!!

  そ れ が 私 の 名 だ ッ !!
『Louise francoise le blanc de la Valliere!!』

「ヤアアアアダッパアアアアアアアア!!!!!!」
 
 

「ねえ、そう言えば貴方の名前を聞いていないわよね?」
すでに黒炭と成ったクラスメイトを無視し、傍らに立つ幽鬼へ問いかける。
『<ボンバー・ガール>ト、オ呼ビ下サイ』
「そう…ハジケてるわね」
 

ギーシュ・ド・グラモン 再起「可」能


スタンド名:ボンバー・ガール 本体:ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール
破壊力:A スピード:B 射程距離:E
持続力:D 精密動作性:D 成長性:A
人型 無条件発動 自由操作型 技能系
スタンドのあらゆる箇所から爆発を起こすことが出来る。遠隔爆破などはできない。
爆発による本体へのダメージは無い。しかし二次産物である破片などではダメージを受ける。


290 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 03:24:52 ID:TZAZmvjE
避難所行きだったね。

291 :ゼロの奇妙な冒険:2007/09/09(日) 03:25:34 ID:51mS0QRA
以上、投下終了。
ジョジョスレあったんですね…知らんかったわ…

292 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 03:25:45 ID:OLr06+6z
一瞬クレDかと思った

293 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 03:25:50 ID:Ws6wsOAI
乙。オリジナルスタンドはあっちでも避難所行きだなぁ。
……それも余程の腕がないと忌避される。

294 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 03:28:13 ID:95oAEQwk
ヘルシングネタとかジョジョネタとか、関連スレ書いといた方がいいんじゃね?

295 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 03:28:27 ID:OLr06+6z
向こうでもオリスタンドは今のところ避難所の「ギーシュの奇妙な決闘」のフェンスオブディフェンスのみ。
よほど上手く書かないと辛いかも……

296 :サムライスピリッツ・ゼロ:2007/09/09(日) 03:28:30 ID:Pyzq0WBi
ジョジョ投下乙でした。

さて、そんな所で今日のサムスピ。
投下予約なければ30分より投下します。

297 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 03:29:39 ID:TZAZmvjE
他の関連スレといえば、あとはシグルイくらいかな?

298 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 03:30:24 ID:lkin048l
投下前しえーんっ

299 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 03:30:24 ID:3nHdy6J5
この時間に予約が有る訳ない。支援する。

300 :真説サムライスピリッツ・ゼロ 章之参『食』:2007/09/09(日) 03:30:56 ID:Pyzq0WBi
章之参 『食』



『炎蛇の』コルベールが空腹を感じたのは、皆が起き出し、食堂に集う時間になってからであった。
今日も徹夜してしまったな、と肩をコキリと鳴らし、快感を得る。
間接を鳴らし、微妙な痛みを快感として、疲れをだます。
段々と無理が効かない体になっているのがわかるが、しかし、それはそれで心地よいものだ。
平和的な研究に自らの体を捧げられるとするのであれば、それは本望である。
などと、コルベールは思い、机の上にある機械に目を落とす。
愛しげに撫でるその姿は、まるで自らの幼子を愛でる父親のような姿であったが、しかし、それが機械では格好はつくまい。

くぅ、む。と背伸びを行い、猫背となり、痛みを覚える背中を調整する。
機械の如き体になれればいいのだが、とは思うものの、それを作っているのは己なのだな、と苦笑をした。
しかしながら、コルベールにとってみればこれが幸せなのだから救いようが無い。
空腹というものは気付けば気付いただけ来るもので、徹夜明けであるコルベールもそれは例外ではない。
眠気こそ確かにあるが、自分の受け持つ授業は昼前である。
食事をした後、一眠りできるだろう、とたかをくくる。

尤も、食事をしたところで学院長であるところのオスマンなどに出会えば、昨日の使い魔召喚の儀式の報告書を出せとせっつかれるのだろうと思うと
余り寝る暇は無いのかもしれない。
生徒にとってみれば自分ひとりで終わりなのだが、コルベールにしてみれば、生徒一人一人の使い魔と、それに描かれたルーンをスケッチし
職員会議にかけて、生徒の受け持ちを判断させなければならないのだ。

はて、とここまで考えてコルベールが首をかしげた。
なにやら忘れているような、思い出したくないような、そんな感覚。
例えるならば、買ったはいいが、仕舞い込んで忘れておいた饅頭のような――
あ、と気付いたが、コルベールはなんとなく、食べたくも無いハシバミ草のサラダを付き合いで食べたかのような顔をした。

唸りながら思い出すのは、ルイズが召喚した使い魔の事である。
可憐な少女ではあったのだが、このコルベール、何と彼女のルーンを記録し忘れていたのであった。
しかしながら、あの時の動揺では仕方ないといわざるを得ないのだが、それにしてもお粗末といえよう。
これがばれれば、オスマンの叱責は免れまい。

ルーンの記録忘れ自体は別段、後々記録できるので問題ないといえばないのだが、その場での監督責任を果たせなかった、という意味合いが大きい。
減俸になるような重い罰則ではないが、風当たりは少し強くなってしまうだろう。
尤も、オスマンはコルベールに対して信認がある程度とはいえ、ある。
これしきの事で、とは思うが、だからこそコルベールは自らの任務を果たせなかった事に苦悩を覚えるのだった。
さて、そうなると、朝食のときにでもオスマンに報告を済ませ、早急にルーンの記録をする他あるまい。

無論、ルイズ等に先に会ってルーンを記録し、何食わぬ顔で報告するという手もあるし、それならばばれる事もないだろう。
だがしかし、それをしないからこそのオスマンの信認であり、コルベールの真面目さなのだ。
自らの失態を認め、次に生かすことが出来るかどうかで、生き様というものは変わってくる。

ならばコルベールにとって、この失態はあの時うろたえた己への叱責にもなろうというものだ。
勉学は年を取ると難しくなるが、しかし、自らの失態を認めるのは更に難しい。
四十を超え、未だに向学心を持てることの素晴らしさといえばどのようなものか。

さて、とコルベールが立ち上がる。
行動が決まったのならば即座に移すべきだ。
自らの研究物品を仕舞い、燃え移るような物を隔離する。
別段見られて困る物はないし、むしろこの学院で自分の研究に興味をもたれるのは嬉しいが、それと安全は別の問題だ。
コルベールは徹夜で余り回らぬ頭を無理やり動かし、自分の物品を片付けていったのだった。

――余談ではあるのだが、コルベールは物品を片付けるよりも先にする事を忘れていた。
彼は研究で徹夜をしており、更に言えばオイルまみれだったのだ。
加齢集に加え、徹夜による汗、そしてオイルの臭い。
食堂への入室を断られ、朝から一人だけ隔離されて風呂に入る羽目になったのも、当然といえるだろう。

301 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 03:31:20 ID:JELDoF9Q
ポップモノは須くつまらんなぁ

302 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 03:31:57 ID:JcLmR/UY
ドラドラwwwwwww
こりゃ思いついた以上はついつい1本書いちゃうタイプのネタだなwwwww

303 :真説サムライスピリッツ・ゼロ 章之参『食』:2007/09/09(日) 03:32:24 ID:Pyzq0WBi
さて、その日のオールド・オスマンは客人を出迎えるとの事で、妙に真面目な顔をしていた。
何時もならば性的嫌がらせを行ってくるのに、と思うロングビルであったが、何事もないのならばそれでよしと
安心して職務を始めようとしていたのだった。

ロングビルはオスマン付きの秘書であるために、食事は早めに取ってしまう。
授業が始まる前に片付けなければいけない書類が山とあるからだ。
なればこそ、普段の性的嫌がらせ――何やら生々しいのでセクハラとするが――は、邪魔な事この上ないのだ。
何せそれだけで数分とられるのだから、仕事の順番が丸つぶれである。
それがない、というのは大変好ましいし、もうすぐ虚無の曜日なので浮かれようというものだ。

はて、しかしオスマンが真面目な顔をする客人とは一体誰だろう。
ここに来て暫く経つが、そのような客人は見た事が無い。
オスマンのみが対処するような重要な客人であれば関係はないが、茶や菓子の手配をするのは自分なのだ。
万が一、何かしら好みがうるさいようであれば秘書としてそれを確認しておくのは当然である。

オスマンに一体どのような人物が来るのか、と尋ねたロングビルだが、するとオスマンは驚いた事に
東方伝来の茶葉があればそれを用意するように、と伝えたのだった。
これには全く以って驚きを隠せぬロングビルであった。
東方伝来の茶葉ともなればめったに手に入らぬ嗜好品である。
その味を好む物は少ないので、値段こそ余り張らないが、それにしても貴重品である。
一体どのような重要人物だというのか。

余りに重要人物であれば、警備が増え、ロングビルの正体である『土くれの』フーケには余りよろしくない。
フーケは貴族専門の怪盗であり、今度の獲物はこの学院に存在するお宝なのだ。
警備が増えれば盗み出す下調べにも支障が出るし、お宝の場所を移動されてしまうかもしれない。
生半なメイジなど相手ではないが、スクウェアクラスが護衛に来れば厳しい。

さて、どうしたものかと考え込んでいると、オスマンはロングビルが悩んでいる事に気付いたのか
安心させるように、二十年も前に自分の命を救ってもらった恩人なのだ、とつぶやいた。
照れくさそうに語るその顔は、偉大なる魔法使いとは思えぬほど柔和な顔であった。
しかし、ロングビルはそうすると余計に考え込んでしまったのだ。

304 :真説サムライスピリッツ・ゼロ 章之参『食』:2007/09/09(日) 03:34:01 ID:Pyzq0WBi
オスマンが命の危機に陥るとはどういったことか。
もし戦闘で助けられたのだとしたら、オスマンよりも実力が上の可能性がある。
だとすれば厄介だ。オスマンだけでも懸念材料だというのに、これ以上面倒を抱え込みたくは無い。
せめてどういった属性のメイジだけかだけでも尋ねたロングビルであったが、オスマンの答えはまたしても予想以上であった。

「彼は、メイジではない。
尤も、この学院において彼に敵う者などおるかどうか」

――何とも愕然とする笑い話ではないか。
メイジでもないというのに、学院において最高の魔法使いが敵うかどうかだと。
笑い話も良いところだ。

しかし、オスマンの語った話は、ロングビルの興味を大いに引くものだった。
二十年前、ワイバーンに襲われたオスマンは、奇襲という事もあり、迎撃はしたものの、精神力も尽きて瀕死の重傷を負った。
だがそこに突如として現れた男が、なんと剣の一刀を以ってワイバーンを両断したのだという。
傷だらけの姿ではあったが、彼の生命力はまるでオーク鬼のように強靭で、瞬く間に体を癒していった。

爾来彼とオスマンは親交を深め、その時の剣が学院に奉納されたのだという。
『覇者の剣』と名づけられたそれは、ロングビルの狙いを明確にさせるものであった。

恐らくは強力なマジックアイテムなのだろう。
でなくば、メイジでもない平民がワイバーンを一刀に伏せる事など出来る筈がない。

ロングビルはオスマンに知られぬように、ぬるりと唇を舌で舐めた。
口紅が唾液によってぬらりと光り、その妖艶さを演出する。
では、茶葉を用意してくるとロングビルはオスマンに伝え、ゆっくりと部屋を後にした。

――しかし、オスマンにはロングビルのその顔がまるで正面にいるかのように見えていた。
びっしりと顔面に張り付いた口を引き裂くような笑みに、まるで心臓を引き抜いた後に吹き出る血の如き紅さを持つ唇。
魔に魅入られた者の――姿であった。

はて、ここでまた余談ではあるのだが、オスマンが客人を迎える一時間ほど前に、朝食を取り損ねたことを思い出し
こっそりと客人用の茶菓子を失敬したのは、また、物語に関係の無い話である。

305 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 03:34:59 ID:tD57NN/A
静止にも関わらずおくりものやっちゃったよ支援

306 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 03:35:19 ID:lkin048l
生きてる?支援

307 :真説サムライスピリッツ・ゼロ 章之参『食』:2007/09/09(日) 03:35:30 ID:Pyzq0WBi
厨房においての権力者というのは、コック長であることに異論を挟む者は少ないと思われる。
無論、その上に予算を配分する者などがいるのは確かなのだが
それでも作るという事においてならばコック長の権力は絶大である。
況して、その実力が国でもトップクラスなのだとすれば、最早その偉大さはオスマンにも及ぼうという物だろう。

尤も、このコック長、マルトーはしかし、貴族の召抱えになる事はない。
ここで働いているというのも、オスマンに対して恩義があるからでしかなく、それでなければ彼にとってここは地獄にも等しい場所だろう。
貴族とメイジが嫌いだと公言して憚らない彼は、時に生徒と敵対する事すらあるのだ。
そうすると厨房に尋ねてくる生徒も教師もおらず、厨房の中だけは平民の場所、というのが彼らの認識であったのだ。

しかしながら、そこに尋ねてくる貴族がいた。
扉を三度鳴らし、はて、誰であろうとコックが扉をあけると、そこにはルイズが立っていたのだ。
一体何事かと慌てるコックとメイドたちであったが、コック長に話があるのだ、というとすんなりと通した。
下手に逆らって何かあってもつまらないし、コック長のマルトーであるならば貴族に対しても物怖じしないからだ。

はて、マルトーが出てくるとルイズは後ろに控えていた少女の事を紹介した。
傲慢な物言いで何ぞ料理に文句でもつけてくるのかと思っていたマルトーは肩透かしを食らったような気分になる。
何でも、昨日の使い魔召喚で呼び出した東方よりの客人なのだというではないか。
すると平民か、とマルトーは思う。

ここで好奇心がむくりむくりと、まるで蛇が獲物を狙うときが如く擡げ出した。
東方といえば、時々手に入る茶葉や料理法の話だ。
見れば大人しそうな子である、とすれば、家庭的である可能性もあるのだ。
だとすれば東方の珍しい料理法を聞けるかもしれないではないか。

308 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 03:35:43 ID:3nHdy6J5
読みながら支援

309 :真説サムライスピリッツ・ゼロ 章之参『食』:2007/09/09(日) 03:37:37 ID:Pyzq0WBi
だからこそ、マルトーはルイズのこの子に料理を厨房で食べさせてあげてもらえないか、という要望に快く応じたのだ。
ルイズの態度が傲慢ではなかった、というのも大きいだろう。
ナコルルもマルトーに深々と頭を下げる。

ルイズが食べ終えたら厨房の外で待つようにと伝え、厨房から出て行くと、マルトーが自己紹介を始めた。
ナコルルもそれに応じると、ふと、一人のメイドが目に入ったのだ。
自分と同じような黒髪の少女である。

ナコルルが名を尋ねると、シエスタである、と微笑む返すメイドの少女。
綺麗な髪だと褒めるナコルルだが、シエスタにはそれが謙遜にしか思えなかった。
確かにシエスタも流れるような黒い髪ではあったが、ナコルルのそれは長く伸びているのにかかわらず、絡まず、まっすぐなのだ。
まるでそれこそが黒髪の本質である、といえるかのように、髪には天使の輪が浮かんでいる。
赤いリボンは黒髪に陰気さを持たせず、何ともはや、シエスタにはため息をつくことしか出来なかった。

しかし、ナコルルにしてみればそれもまた違う。
凹凸などほとんど無いに等しいナコルルからしてみれば、女性らしい母性を体現したといえるシエスタは羨ましい事この上ないのだ。

そんな二人を見ていたマルトーだが、はて、ならばとナコルルに仕事を頼む事にしたのだ。
恐らく、貴族関係で食堂に入れないのならば今後も厨房に来る事になるだろうし、それなら手伝ってくれないか、という事だった。
お世話になるのだから当然だ、とばかりに快諾したナコルルは、シエスタに引き連れられて更衣室へと入っていった。

――十分後に、コックたちは全員ため息をつくことになる。
彼らに少女趣味というものは無かったが、神聖さを持つ巫女がメイド服を着るとこうなるのか、というものを視認してしまったからだ。
とはいっても、ナコルルが来たのは既に生徒達の食事が始まろうかという時間である。

とりあえず、朝は食事をして、後片付けを少しだけ手伝ってくれればいい、とマルトーが笑った。
貴族を待たせちゃいけないからな、と言うと、ナコルルは言葉に甘え、先に休憩を取るメイドたちと一緒に朝食をとったのだった。

はて、それはまさしくナコルルの舌を躍らせるかのような出来であった。
元より粗食であるカムイコタンや江戸の世では考えられぬ味の濃さに、肉の量。
確かに舌には合わぬとはいえ、美味である事には違いないだろう。

――尤も、濃い味というのは、確かに強烈な味のインパクトを与えるが、飽きるのも早いのだ。
ナコルルはもったいないと思い、無理やり出された物を食べ終えたが、サラダが一番美味しいと思ったことには間違いは無いだろう。
マルトーはナコルルのその表情を見たのか、自分の料理を改めて食べてみた。

うむ、するとやはり濃いことに気付く。
味のインパクトはあるし、美味とはいえるが、これは大量に食べる事は出来ないだろう。
東方の茶葉を齧った事のあるマルトーであったが、あれは苦みばしった味であった。
恐らく察するに、東方の味というものは薄味なのだろう。

ふぅむ、とマルトーは唸る。
確かに最近は貴族の口にあわせ、ソースをふんだんに使う料理が多かったかもしれない。
素材の味という物を殺し、自慢といえど、ソースで全てを覆う。これでは料理といえまい。

マルトーはナコルルに、とりあえず昼から手伝うように、と伝え、元の服に着替えさせたのだ。
その顔は研究者の顔であり、そのような思惑などしらぬナコルルは首を傾げるばかりであったのだが。

310 :真説サムライスピリッツ・ゼロ 章之参『食』:2007/09/09(日) 03:39:12 ID:Pyzq0WBi
何度目だろうか、目が覚める。
腕の痛みは治まったようだ、と才人は一息ついた。
未だ飛び出ていた頭と首を鉄格子から引き抜く。
首をコキリコキリと鳴らし、何とか痛みを取った。

さて、どうしようかと悩む。
これ以上こんなところにいたら、何をされるかわからない。
壁をよじ登ろうかとも思ったが、上を見る限り暗闇で、光があるとも思えなかった。

鉄格子を開こうにも、見る限り扉のような切れ込みは入っていなかった。
念のため全力で蹴り飛ばしてみたが、間抜けな音が響き、自分の足を抱えて転げまわるだけの結果になってしまったのだ。
足の裏だからよかったものの、スネなら拗ねてるだけじゃすまねえなぁ、などと下らぬ事を考える才人であったが

さて、どうしたものかと悩む。
出たいのは確かなのだが、どうすれば出られるのかが全く以ってわからないのだ。
噛み付いてもみたのだが、歯が痛いし、舌に鉄の味が染み渡ってまずい事この上ない。
畜生、とばかりに座り込んでみたが、本当に方法がないのだ。

しかし、ふと思いつく才人。
恐らく食事がいずれ運ばれてくる事だろう。
その時に隙をついて逃げ出すのはどうか。

たとえあのロボット――ゴーレムだが――がいても、あの大きさなら鈍重だろう。
きっとそうだ、そうに違いない。
ならば、余り運動が得意でない自分でも逃げ出せるだろう。
あの幽霊がいたら厄介だが、念仏でも唱えればきっと逃げ出す、と思い、才人は覚悟を決めた。

――さて、追記しておくならば、才人が使い魔のルーンを刻まれたのは午前一時ごろの話であったのだ。
無論、気絶を続ける才人には時間の認識はなく、故にそれを綴る事もなかったが、事ここに至っては綴らねばならぬだろう。
そして今は午前三時である。
既にフーケはロングビルとなり、学院への帰路へとついている。

――――それから六時間後、狼から逃げる全力疾走を含め、半日以上食事を取らず、また、食事が運ばれてくる気配も無く
才人は空腹の余り床に突っ伏して泣き続けていた。



真説サムライスピリッツ・ゼロ  章之参 『食』・終

311 :真説サムゼロ:2007/09/09(日) 03:40:55 ID:Pyzq0WBi
といったところでサムスピお開き。また来週のお楽しみ。
来週いいつつ隔日くらいで投下しているのは、言わないお約束だよおとっつぁん。

312 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 03:42:06 ID:lkin048l
GJ
隔日はむしろおいしい

313 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 03:43:19 ID:QAvT1UTi
このスレじゃ一週間じゃ遅い部類に入ってしまうんだよな。
乙&GJ!

314 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 03:43:58 ID:3nHdy6J5
GJ。オスマンの恩人はあの男か……。そして才人哀れ。

315 :くろいあくま(仮) 改め ゼロの黒騎士:2007/09/09(日) 03:53:59 ID:MVFZOBA2
大分良い時間ですが、投下よろしいでしょうか?
よろしければ、4:00から投下したいと思います。

316 :ゼロの双竜:2007/09/09(日) 03:55:24 ID:OLr06+6z
かなり遅くなってしまったが第二話の続きの投下を予約したいんだ。
でも、今回も途中までなんだぜorz

文が進まねえんだよぅ……

317 :ゼロの双竜:2007/09/09(日) 03:58:17 ID:OLr06+6z
んじゃあ黒騎士の人の後に投下します。
支援。

318 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 03:59:34 ID:QAvT1UTi
夜遅くご苦労様!支援するぜ。

319 :ゼロの黒騎士 第二回 1/4:2007/09/09(日) 04:00:09 ID:MVFZOBA2
>>317
では、お言葉に甘えて。

 ―――

気が付くと、彼は毛布で作った簡単な寝床の上に横たえられていた。


情報を求めて、脳内に仕込んであるデータロガーをチェック。
最後に記録されていた状態と現在のそれを比較する。
身体中に複数の裂傷と骨折がロガーに記録されていることを確認。
今更ながら、自分が死の一歩手前に居た事を認識する。
特に額と首の裂傷は、あと数mm深ければ、即死しかねない危険な代物だ。
……よく生き延びたものだと感心する。
主要な臓器に深刻なダメージが無かったとはいえ、あのまま放置しておけば、程なくして出血死していたはずだ。
思う。死んでいたはずの自分が、まだ生きている。しかも、運動レベルに支障が無いほどに回復して。
更に思う。いや、放置されていなくとも、普通、助かる傷ではない。
あの時点での出血量は、間一髪とか紙一重とかいう言葉の介在を許さないものだった。

結論。ということは、おれは人間に助けられたのか? それも、尋常ではない何かの手段で。
高知性化された脳髄の奥、彼が認識できない何処かから、それを認めるなと喚く声が聞こえる。
それを認めたが最後、お前はお前ではなくなると。
その声を打ち消すように、最後に見た、あの女の顔が思い浮かんだ。
ただでさえ大きな目を見開いて、涙を一杯にこぼしながら、誰かに助けを求めていた姿。

――あいつが、おれを助けたのだろうか?

各部のチェックを終え、意識の焦点を感覚器官に返す。
並列処理出来れば、自己診断と周辺情報の取得が一度に出来るのだが。
どうも目を覚まして以来、この身体にどうしようも無い違和感を感じる。
敢えて言うならば、そう、使い慣れていないとでも言うべきか。
あるべき物が幾つも無く、しかも、無くしている事を自分が知らないはずだという奇妙な確信。
かつて呼吸と同じように当たり前に行っていた事が、今の自分には出来ない。
しかも、何かのきっかけが無ければ、出来ないという事それ自体に気が付かないという事実。
もっと大事な何かを取りこぼし、そして、その事を見過ごしているのではないかという獏とした不安。

――おれが、不安? それはおれにとって最も縁遠い感情ではなかっただろうか?
――まあ、良い。傷が治っているなら、今は現状を把握する事のほうが先だ。


320 :ゼロの黒騎士 第二回 2/4:2007/09/09(日) 04:02:34 ID:MVFZOBA2

20uほどの部屋には、寝台が一つと幾つかの家具が置かれている。
日の差し込み方から察するに、窓が一つある方角が南。北側に扉が一つ。
集合住宅の一室だろうと推測する。
分厚い石組みの壁の向こう側から、隣人と思しき声が漏れ聞こえてくる。
そして、目の前では人間の女が目を丸くしている。
濃い色の髪を肩口で切り揃えてある。
頭の上には――彼の知り得ない知識だが――サーヴィングキャップがちょこんと乗っている。
恐らくは白と黒で纏められ袖を大きく折り返したユニフォーム。
見る人が見れば、ビクトリア朝の正統的メイドだと言っただろう。
その横には、突っ伏すようにして寝ている女が一人。長い薄い色の髪、全体的に小作りな身体。
やや大きすぎるように見えるマント。ミニスカートからは、やや肉付きの薄い脚が無造作に投げ出されている。
彼はそのどちらも脅威足りえないと判断。
確かに本調子とは言いがたいが、その気になれば、悲鳴をあげる暇さえ与えず始末する自信がある。
自身の絶大な戦闘力の優越を信じるがゆえに、彼はこの場は静観する。
行動を起こすのは、目の前の人間が敵か味方か判別した後でも遅くは無い。

――敵か、味方か?
――待て、人間がおれの味方に……

「ミス・ヴァリエール! ミス・ヴァリエール! 起きました!
 ノワールが起きましたよ!」

いまいちまとまりに欠ける彼の思考を断ち切るように、目の前のメイドが声を張り上げた。

「起きて下さい、ミス・ヴァリエール! ルイズ様!」
「ごめん、シエスタ……あと五分だけ……」

実にベタな寝言だと思う。
いや、無論彼が人間の寝言を聞いたのは初めてなのだが、
彼の知識の中では、まだ眠い人間はそういう弁明をするのだという事になっている。
ちなみに次点は「う〜ん……むにゃむにゃ」と「もう食べられないよー」。
この辺りの軍務には全く関係の無い知識が、軍研究所時代の彼が博識と言われた所以だが、所詮は軍用兵器の博識。
一般常識の無さでは、アルビオン在住の乳革命(仮名)さんと大差無い。
ともかく、今の会話から、二人の名前は把握した。
固体識別名を割り当てる。
髪の色の濃い方がシエスタ。
薄い方がヴァリエール、或いはルイズ。しばし逡巡した後、ルイズで固定する。
謎が一つ残った。
……ノワール?

シエスタは暫くルイズを揺さぶるものの、当のルイズに全く反応が無い。
やがて諦めたのか、ルイズを未練の残る視線で一瞥した後、シエスタはろくでもない爆弾を落とした。

「もう、ミス・ヴァリエールったら。でも、仕方ありませんよね、この3日間、全然寝ていないんだから。
 ずっとあなたの看病をしていたのよ、ノワール。良いご主人様ね」

――おれの事かっ!


321 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 04:03:44 ID:3nHdy6J5
支援かな

322 :ゼロの黒騎士 第二回 3/4:2007/09/09(日) 04:04:01 ID:MVFZOBA2


ルイズが召喚した使い魔が目を覚ましたのは、あの日から3日後の事だった。
何故か傷ついた状態で呼び出された使い魔を助けるために、
ルイズは今まで溜め込んでいた仕送りを全て使って、学園中の水の秘薬をかき集めた。
動物に詳しいメイドが居ると聞けば、直接頭を下げて助力を頼んだ。
容態が安定したと言われたので、医務室から自室まで運んだ。
どういう訳か、一度だけコルベールが部屋まで見に来た。
動物に詳しいメイド――シエスタという名前だった――を紹介してくれたのも、そもそもはコルベールだった。
コルベールは、使い魔の左前脚にあるルーンを暫く難しい顔で眺めた後、帰った。
土産代わりに水の秘薬を一本奢ってくれたのは、本当に助かった。

シエスタと一緒に使い魔の名前を考えた。
黒い犬だからからノワールというと、シエスタがすっごく微妙な表情をしたのはちょっとカチンと来たが、
その辺りのセンスのなさは、ルイズ自身もよく承知している。
「変に捻って外しちゃうよりマシでしょ! べべべべ、別に他に名前が思い浮かばなかったからじゃないんだからね!」
シエスタの眼差しが生暖かくなったような気がした。むきゃー。

シエスタの指導の下、折れている骨に添え木を当てた。
中々止まらない血で包帯が汚れる度に取り替えた。
授業に出席する事も眠る事も拒んだ。
新学期の頭で、始まっていないも同然の授業は兎も角、
眠らないのは身体に障ると、シエスタは交代で休むように薦めたのだが、
ルイズは頑として首を縦には振らなかった。
流石に三日目の払暁、糸が切れるように崩れ落ち、そのまま眠り込んでしまったが。

怖かった。怖かった。怖かった。
目を離した隙に、せっかく呼んだ使い魔がそのまま消えてしまうような気がした。
精一杯、自分に出来る努力をしたけれど、ルイズにとって、努力とは常に裏切られる物だった。
少なくとも、魔法に関わる諸々の事毎に関しては、そうだった。
とても信用できたものではない。

しかし、その努力は、今、正しく報われた。
すっかり傷の癒えた使い魔がルイズの目の前に居る。
あきれた事に、あれだけあった傷が、殆ど残らず綺麗に治っていた。
唯一名残を残すのは、特に深かった額の傷跡だけ。
眉間に奔るその傷跡は、犬としては飛びぬけて大きな身体と相まって、一種異様な凄みを漂わせていた。

「……良かった、良かったぁ」

目を覚まして一番に無事に意識を取り戻した使い魔を見たルイズは、咄嗟にどうして良いのか分からず、
立ったり座ったりを落ち着き無く数回繰り返した後、辺りを憚らず大泣きした。
後ろからその姿を見守るシエスタの目にもうっすらと涙が浮かんでいる。

――始祖ブリミルよ。卑小なわたしの祈りに応えてくださったことに、心からの感謝を捧げます。


323 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 04:05:02 ID:lkin048l
ルイズかわいいよ支援

324 :ゼロの黒騎士 第二回 4/4:2007/09/09(日) 04:05:58 ID:MVFZOBA2


まだ開いている傷口は無いか、接いでない骨は無いか十分に確かめた後、
シエスタは仮眠用に持ち込んだ毛布を手に、ルイズの部屋を去った。

「じゃあ、仕事があるので、私はこれで……その、失礼かもしれませんけど、この三日間、楽しかったです」

別れ際、シエスタはこう言って微笑んだ。

「……あ、あのね……」

扉を閉めようとするシエスタに向かって声をかけた後、暫くもじもじするルイズ。

「……?」

「色々、アドバイスしてくれて、ありがと。えっと、その……ノワールが助かったのは、あんたのお陰よっ!
 本当に感謝してるわっ!」

一気にまくし立てた。頬が赤い。
照れ隠しなのか、何だか目つきまで悪い。睨んでいる様にも見える。
事情を知らない第三者が見たら、叱責してるように見えたかもしれない。
だが、シエスタもこの三日間でその辺りの機微はよく弁えていた。
どうにも素直になれない人なのだ、と。
そういう所が、ちょっと可愛いんですよね、という呟きは、心の中に収めておく。

「はい。光栄ですわ、ミス・ヴァリエール。こちらこそ、過分のご厚意、感謝に堪えません」

「ルイズで良いわ。あんた、この3日間、うっかり何度かそう呼んだし……それに、あんたには散々世話になったもの」

ぷいす、と横を向いた。すでに耳まで真っ赤に染まっている。

「そ、その勘違いしちゃダメなんだからねっ?
 貴族をファーストネームで呼べるからって、思い上がったりすると、痛い目見るんだから!」

意訳:他の貴族も同じような感覚で付き合うと、相手の逆鱗に触れちゃう可能性が高いし、
   そうじゃなくても、この事を鼻にかけて自慢すると、同じ平民から妬まれるかもしれないから注意しなさい。

ああもう何でわたしこう素直じゃないなというかシエスタだったらこんな事言われなくてもわかってるはずでしょ
素直じゃないっていうか一言多いのよねしかも言ってから気づいても遅いのよわたし怒らせちゃったらどうしよう……

内心自己嫌悪でグルグルするルイズ。そんなルイズをシエスタは驚いたように見つめる。
驚きが覚めていくにつれて、シエスタの身体にじんわりと暖かい何かが広がっていく。

「はい、承知いたしました……ルイズ様」

何かあったら、すぐ相談にいらして下さい、と言って、花開くようにシエスタは笑い、
そして、今度こそ扉を閉める。

パタン、と音がして、部屋には、一人と一匹が残された。

325 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 04:06:03 ID:QAvT1UTi
人外を召喚したときのルイズのかわいさは異常。
支援

326 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 04:06:22 ID:2oW9Zci2
このスレって深夜の方が活気がある気がするんだけど気のせいかな? 支援


327 :ゼロの黒騎士:2007/09/09(日) 04:07:23 ID:MVFZOBA2
以上です。
夜分遅くにというか、朝早くから、支援ありがとうございました。
次辺りから、話が進み始めると思います。

328 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 04:09:39 ID:lkin048l
GJ
ルイズのトゲが抜け切ってない感じが好きだ

>>326
毎日20時〜24時くらいで貯めつつ、
最後今日投下できるかなって感じで書き始めると推敲あわせて3時だの4時になるんだ…。

329 :ゼロの双竜:2007/09/09(日) 04:10:44 ID:OLr06+6z
投下終了確認ですGJ。
では、続きの投下を開始しますGJ。

ルイズのむきゃーにめたくそ萌えたのは秘密だ。

330 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 04:10:58 ID:QAvT1UTi
乙!
ルイズが非常にかわいいな。

331 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 04:11:22 ID:U93tvSmN
>>225
>バシュゥッ!
遅レスだが竜の騎士の紋章かよw

332 :第二話:聖なる左腕:2007/09/09(日) 04:12:16 ID:OLr06+6z

学園に到着し、氷竜から降りて寮まで歩く。氷竜も炎竜も私の早さに合わせてついてきてくれた。
寮の前まで戻ると、ミスタ・コルベールがいた。何でも、二人に頼まれごとがあったらしい。
私も買い物したり財布を盗られたりしたせいで疲れがあったから、二人に自由にするように言って、部屋で休むことにした。二人はミスタ・コルベールについて行ったようだ。

「……………ふぅ……」

部屋に戻るなりベッドに身体を横たえつつ、私はさっき氷竜の中で見聞きしたことに思いをはせた。

先ほど彼らから伝えられたのは、本当に凄まじい事実だった。

未知の敵。宇宙人『EI-01』の襲来。ゾンダーの驚異。
それに対抗するために組織された『ガッツィ・ジオイド・ガード』(後に改名されて『ガッツィ・ギャラクシー・ガード』になったらしい)。通称『GGG』。勇者の組織。
そして、GGGによって市民を守るべく作られた二人の勇者。それが私の使い魔『氷竜』『炎竜』。

私は、星を守るために戦う勇者を二人も召還出来たことをうれしいと思う反面、もしかしてとても酷いことをしてしまったのではないかとも思った。
私に召還され、使い魔になったということは、彼らはもう母星を守るために戦うことが出来ないことを意味する。
彼らは………地球に帰りたいんじゃないのだろうか。
そう思っていると、窓の外からなにやら急ぐような話し声が聞こえた。

「おい、聞いたかよ…!ギーシュの奴がヴェストリの広場で決闘やるんだってさ!」
「へぇ……相手は誰なんだ?」
「それがよ……あの『ゼロ』の使い魔だってさ!どうなるか見に行こうぜ!」
「………ッ!?」

どういうこと?何で彼らが決闘を!?
私はすぐにベッドから飛び降り、ヴェストリの広場目指して走り出した。



333 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 04:13:47 ID:3nHdy6J5
宇宙がつながってるならゾンダリアンの襲来が有るかもしれないぞルイズ支援

334 :第二話:聖なる左腕:2007/09/09(日) 04:14:23 ID:OLr06+6z

コルベールにSPパックを預けた後、炎竜はビークルモードで散歩をしていた。
ルイズに自由にして良いと言われているので、ちょっと散策してからルイズの部屋の前に帰るつもりだ。二人で移動すると道が狭いから氷竜は別の道から戻るという。

「……うーん、ギーシュさま、何処にいるのかしら……」
「お?」

ふと、炎竜の前方から一人の貴族の少女がとてとてと走ってきた。息を切らして、誰かを捜しているようだ。
疲れているようなので、炎竜はとりあえず少女に話しかけてみることにした。

「君、誰か探しているのか?」
「え、ひゃぁあっ!?」

炎竜が話しかけると、少女は非常に驚いた様子で飛び退いた。
どうやら、目的の人物を捜すのに夢中で炎竜が視界に入っていなかったらしい。いきなり真っ赤に塗装された謎物体に話しかけられて驚いたのだ。
なので、炎竜は自身を彼らにとってわかりやすい形態、人型に変形した。

「システムチェンジッ!」
「きゃっ……うわぁ………ゴーレム……?」

先ほどよりも驚かない。ビークルモードと比べると迫力や威圧感は段違いに上のはずなのだが、やはり少しでも知っている物の方が気が楽なのだろうか。

「ゴーレム……まぁ、そうだ。ルイズ……あー…と、ミス・ヴァリエールの使い魔をやってる」
「まぁ、使い魔の方だったのですか!いやだ、わたしったらはしたないところをお見せしてしまって……」

この少女、ケティ・ド・ラ・ロッタは、ギーシュ・ド・グラモンという恋人の少年を捜しているという。だが、長い時間探していたので疲れてしまったようだ。

「金髪に薔薇ねぇ……悪いが、見てないな」
「そうですか……ごめんなさい、お時間を取らせてしまいましたわね。では……」
「おっと待った。どうも君は疲れているようだし、僕に乗っていくと良い」
「え……?」

そう言って、炎竜はもう一度システムチェンジを行い、ビークルモードに変形する。
自身が鉄の馬車であること説明すると、ケティは物珍しそうに炎竜の車体を眺め始めた。
炎竜の装甲の一部が開き、内部の座席が現れる。ケティは恐る恐る座席に着くと、装甲が閉じ、モニターに光がともった。

「君は座って休んでいるといい。僕が見る物がこの画面に映るから、見つけたら言ってくれ」
「すごい…でも、何だか申し訳ないですわ。あなたの時間を取ってしまって」
「いいってことよ、困った人を助けるのも、僕たち『勇者』の仕事だからな!」
「勇、者……?あなたは勇者さまなのですか?」
「あ」



335 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 04:15:25 ID:MVFZOBA2
新機軸の予感支援

336 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 04:15:51 ID:tD57NN/A
何故こんな巨大な奴に決闘を申し込むんだ支援www

337 :第二話:聖なる左腕:2007/09/09(日) 04:16:27 ID:OLr06+6z


「……えーと、ここにはいないようですわ、エンリュウさま」
『そうか、じゃあ向こうの広場にも行ってみようか、ケティちゃん』
「はい、お願いします」

炎竜とケティは、ギーシュという少年を捜して校舎外の広場を探し回っていた。校舎内は炎竜とあった時点ですでにケティが探し回ったらしい。
先ほどうっかり口を滑らせてしまった炎竜だったが、ルイズに言われた通りに東方『ロバ・アル・カリイエ』から来た、と誤魔化しておいた。
なんでも、『別の星から来た』等と知られたら『アカデミー』という研究集団が黙ってないとのこと。
厄介事はご免なので、素性はなるべく隠すようにと先ほど氷竜と決めたのだ。決めてから遭遇二人目でバレたが。

『お、該当者一名発見』

次の広場についたとき、炎竜の視界に一人の人物が写った。何人かの少年と話している、金髪の少年。胸ポケットには薔薇の造花がさしてある。
炎竜のモニターに映るその少年を見たケティが、あっ、と呟いた。

『どうした?』
「あの方がギーシュさまですわ、エンリュウさま」
『ほー。ああ、ちょっと待ってな、今開けるからさ』

外に繋がる扉である装甲が、稼働音を立てて開き始める。
と、そのとき、モニターを眺めていたケティが何かに気づいたような声を上げた。


「ぇ……あれはッ!?」
『ん……?どうしt「もっと、大きく映してくださいッ!!」お、おう、わかった』

炎竜はケティの指示通りにモニターの画像を拡大する。
言うとおりに拡大すると、ギーシュの足下に液体の入った小瓶が落ちているのが映った。ケティは、その小瓶を食い入るように見つめている。

「この色………これは……まさか、そんな」
『あー、と……ケティさん?』

小瓶を見続けるにつれて、ケティの表情が絶望に染まっていく。
状況が読めず、どうしたらいいかと思案する炎竜の視界に、一人のメイドの姿が映った。
昨晩、彼が洗濯物を頼んだメイド、シエスタだった。
彼女はギーシュが落とした小瓶に気づくと、拾ってギーシュに手渡した。だが、拾ってもらったにもかかわらず、ギーシュは渋い顔をしている。

「(どういうことだ?せっかく拾ってもらったっていうのに……)」



338 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 04:16:55 ID:3nHdy6J5
というか待て、約18メイルのゴーレムに挑むのかギーシュッ!?支援

339 :第二話:聖なる左腕:2007/09/09(日) 04:19:05 ID:OLr06+6z

いまいち事態が飲み込めない炎竜は、単純な好奇心で自身の聴覚センサーの感度を上げた。そして次に聞こえてきた会話によって、彼の疑問は解決することとなった。

『おや?これは、ミス・モンモランシの香水ではないか!』
『知 っ て る ぞ……!これはミス・モンモランシが自身の為だけに調合している秘蔵の香水……!』
『それをギーシュ!お前が持っていると言うことはッ!お前が今付き合っている相手はミス・モンモランシであるということを意味するッ!!』
『ちょっと待ちたまえ、君たち!いいかい、彼女の名誉のために言っておくが……』
「………そん、な……ギーシュさま………」
『…………ッ…』

炎竜の聴覚はコックピットに繋がっているため、炎竜が傍受した少年たちの会話はケティにも聞こえていた。
瞳に涙をためながら、ケティは力無い動作で炎竜のコックピットから降りた。
そして、炎竜もこの状況を理解するに至っていた。
つまるところ、このギーシュという少年は『二股』をやらかしたのだ。

『炎竜』
『…氷竜?』

唐突に氷竜から通信が入る。周囲を確認すると、広場の反対側の入り口から向かってくる、見慣れた青い車体が視界に入った。
氷竜は炎竜より少し離れた場所に停車し、自身の装甲を開く。そしてそこから出てきたのは、金髪の巻き毛の少女だった。

「…ッ、ミス・モンモランシ……!」

この少女こそ、先ほどの会話に出ていたギーシュのもう一人の恋人、モンモランシー・マルガリタ・ラ・フェール・ド・モンモランシであった。




340 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 04:19:45 ID:lkin048l
支援
何この展開w

341 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 04:20:37 ID:yz+k/Zaa
さすが兄弟w
やる事は同じかw支援

342 :第二話:聖なる左腕:2007/09/09(日) 04:23:10 ID:OLr06+6z

ギーシュ・ド・グラモンは今、危機に瀕していた。明らかに自業自得だが。
普段の彼からすれば、今のように少女二人から迫られるというのは幸福に分類されるはずである。
「ギーシュさま……(光の宿らない瞳で)」
「ギーシュ………?(満面のイイ笑顔で)」

こんな感じのシチュエーションでなければ、だが。こんな感じとは何だ、と問われれば、二股がばれてピンチだ、と返すほか無い。
有り体に言えば、修羅場である。なんというか、少女たちが二人で一つの大きな凶器っぽい物を引きずってきているあたりが特に。

「ねぇ……さっき二人で相談したの。ギーシュ、あなたの処遇についてね」
「モ、モンモランシー?ケティ?そ、その錆び付いた剣はいったい何だね?」
「錆び付いた剣じゃねぇ!デルフリンガー様だ!」
「ヒッ、い、インテリジェンスソード?」

モンモランシーとケティが協力して持っているその剣は、炎竜の背部のミラーシールドに括られていたはずのデルフリンガーだった。
氷竜と炎竜は、少女たちの後ろから様子をうかがっている。

何故こんな状況になっているのか。時間は少しさかのぼる。



氷竜と共に現れたモンモランシーは、ギーシュの浮気癖に少々業を煮やしており、ケティに『一緒にギーシュを痛い目に遭わせてや ら な い か(かなり物理的に)』と、申し出てきたのだ。
ちなみに氷竜と出会った経緯は、炎竜がケティに出会った時の状況とほぼ同じであった。

モンモランシーにギーシュの浮気歴を聞かされ、何だか完全に表情の消えてしまったケティはこれを了承した。
そして、少女たちがやれワインの瓶で思い切り殴ってやろうだのいいえ先輩の水で息を塞いでわたしの火で足下から焼くべきですだのと、どうやってギーシュを痛めつけるかというだいぶ黒い議論を始めたところで、

「娘ッ子たちィィ!俺を使えぇぇェッ!!」

王都の入り口で拾われて以来喋るタイミングを逃し続けていたデルフが痺れを切らして立候補したのだった。



343 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 04:24:25 ID:2oW9Zci2
>>328
なるほど 支援

344 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 04:24:56 ID:3nHdy6J5
何やってんだデルフゥゥゥゥッ!?

345 :第二話:聖なる左腕:2007/09/09(日) 04:26:13 ID:OLr06+6z

錆び付いているとはいえ結構大きめの剣なので見た目的にも威圧感があり、なおかつ重さもあり打撃力も申し分ないということで、デルフはめでたく採用されることとなった。
ただ、結構な重量があるため少女一人では上手く持てないので、二人で協力して扱うこととなったのだ。
まぁ二人的には、二人で一つの武器を使ってギーシュをしばくのは何だか共同作業のようで胸が躍る、とのこと。

何かがおかしいのは仕様だ。


ともかくそういうわけで、二人は炎竜の背部のミラーシールドに括られていたデルフを取り外して引きずりながらギーシュの前に現れ、冒頭に至るのであった。


怯えて狼狽えるギーシュの前でモンモランシーとケティはゆっくりとデルフを持ち上げる。

「あ、ああ…何をする気だね?そそ、そんな錆びたk「デルフリンガー様」で、でるふりんがーさまを高々と振り上げて……や、やめておくれ二人とも……う、あ……」

もはや呂律が回らないギーシュにモンモランシーが一言「駄・目♪」と返し、少女二人は頭上に掲げたデルフの側面を、目の前の男の脳天めがけて力の限り振り下ろした。

「「ギーシュ・ド・グラモン……光にぃなぁぁぁれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇむしろ死ねー」」
「ひ、ちょ…や、やめ……い、いィィけませェェェェェェェnがふァッ!!?」

しばらくの間、皆がお茶を楽しむ平和な広場に、スイカをバットで叩き割るような音が断続的にぐっちょんぐっちょん鳴り響いたのだった。
同時に少女たちのキャッキャウフフといった笑い声が聞こえてきたのは幻聴だと信じたい。




346 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 04:26:15 ID:HcLGDyZn
なんぼ出番が少ないからってそうやってチャンスを作るのはどうよデルフ支援

347 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 04:28:02 ID:aDrYnsbF
ちょww
決闘にすらなってねぇwww

348 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 04:28:28 ID:3nHdy6J5
ぎゃ、ギャグで良かったなギーシュ……というかそこでキャッキャウフフされても支援

349 :第二話:聖なる左腕:2007/09/09(日) 04:28:52 ID:OLr06+6z


「……ふぅ、今回はこのくらいで勘弁してあげるわ、ギーシュ」
「これに懲りたら、もう浮気なんてしないでくださいませね、ギーシュさま」

一通り事が済むと、モンモランシーとケティの二人は晴れ晴れとした笑顔で氷竜と炎竜のもとに戻ってきた。
先ほどまで死んだ魚のような目をしていたケティも、すっかりもとの笑顔を取り戻し、モンモランシーと笑いあっている。
どうやら共同作業を経て、二人の少女の間に友情が芽生えたらしい。
二人の頬や服のあちこちにに付いていてはいけない液体というか体液が付着しているが、誰もが見ないふりをしている。

「ミスタ・エンリュウ。今、剣をお返しいたしますわね」
「お……おう」

水の魔法でデルフに付着した赤黒い何かを洗い流しながら、女神のような笑顔で話すモンモランシーに、どもりつつ返事をする炎竜。

「……おでれーた」

洗われているデルフは、こんな展開になるとは予想していなかったらしい。


と、血の海に沈んでいたギーシュがゆらり、と立ち上がった。モンモランシーの治癒魔法で一応傷はふさがっているが、見てくれは未だ血達磨である。
立ち上がったギーシュは、辺りを見回すと、一人のメイドを睨みつける。
事態について行けずに呆然としていたそのメイドは、シエスタであった。
ギーシュはシエスタに薔薇の造花の杖を突きつけると、

「きみが軽率にも香水の瓶を拾ってくれたせいで、二人のレディの名誉が傷ついた。どうしてくれるんだね?」

などと因縁をつけ始めた。
シエスタは酷く怯えた様子で尻餅をつく。
平民である彼女にとって、貴族の怒りを買うことは即ち死刑と同義とも言えるのだ。たとえ、それがどんな理不尽な理由であろうとも。
周りの貴族は皆『こいつは何を言ってるんだ』というような冷ややかな目線でギーシュを見ているものの、誰も止めに入ろうとしない。
この世界に置いて、平民とは須く弱者であり、貴族によって虐げられるモノであると、ここにいる誰もが理解しているのだ。



「「シス!テム!チェェェェンジッ!!」」



ただし、この二匹の竜は例外であった。



350 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 04:31:29 ID:3nHdy6J5
八つ当たりするなら危険な凶器を貸してしまった炎竜たちの方にすればまだねぇ……どっちにしろギーシュが危険だ支援

351 :第二話:聖なる左腕:2007/09/09(日) 04:32:28 ID:OLr06+6z
さてと、ここで中断ですorz
次回で……次回で第二話が終わると信じたい。
自分執筆速度が遅いのよこんちくしょー

ぎーしゅ は (決闘から)にげだした !

にげられない !

352 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 04:32:46 ID:aDrYnsbF
シエスタがおびえたのは
ギーシュのあまりにあまりっぷりにじゃなかったのか支援

353 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 04:33:50 ID:3nHdy6J5
乙。にげてーギーシュにげてー。

354 :ゼロの双竜:2007/09/09(日) 04:37:05 ID:OLr06+6z
ついでに

ギーシュボッコシーンのモデルはアニメ版某鳴く頃にの第一話冒頭の撲殺シーン。

355 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 04:57:15 ID:Gn8P8723
深夜乙。

ちょっと教えてほしいんだけど
ウエストウッドの黒騎士とゼロの黒騎士は別作品なのかな?
名前似てるから登録にちょっと迷ってるんだけど。

356 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 04:59:38 ID:BTcSy7iC
双竜の人乙。

しかし人間サイズ青銅人形x7VS20m級ロボットx2か……
これなんていうイジメ?w

357 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 05:09:39 ID:N2I2wUKS
シンメトリカルドッキーーンッ!!
あるかな?かな?

358 :ゼロの双竜:2007/09/09(日) 05:11:34 ID:OLr06+6z
来週中には第二話終わらせれると思います。
今日は朝から代ゼミなもんでもう寝まszzzzzzz....

359 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 05:13:00 ID:3nHdy6J5
>>355
別作品のはず。

360 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 05:18:38 ID:r8mUDglY
>>359
なるほろ。

じゃあ登録は別項目作らないとだな。
誰か頼む。


361 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 05:28:29 ID:haerCLE7
シンメトリカルドッキング……個人的に真ん中にギーシュを挟んでのシンメトリカルドッキングが見てみたい

362 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 05:37:11 ID:95oAEQwk
いやゴッドマーズ式かも
胴体になるワルキューレの中にギーシュが

363 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 05:45:50 ID:tD57NN/A
地球監視者はもういるから、そちらでやりかねないなwww

影響されてその名は101を読んでみたが
「よくも僕の善意をっ」ガッシャンガッシャン
笑い所じゃないのに後のビッグファイア様との落差に爆笑してしまった

364 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 05:48:59 ID:haerCLE7
>>362
つまりワルキューレが空洞なのは将来ギーシュが中に入ってゴッドワルキューレになるための壮大な伏線だったと言う訳か

365 :真白なる使い魔  第04話:2007/09/09(日) 05:53:08 ID:nUnh6mtz
投下予約状況どうなってますか?

366 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 05:54:57 ID:3nHdy6J5
流石にこの時間は空いてるかと。

367 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 05:54:58 ID:6kE6lIdg
今のところございません。
作者様の投下をお待ちしております。

368 :真白なる使い魔  第04話:2007/09/09(日) 05:57:34 ID:nUnh6mtz
では6:05から参ります
皆様支援の程、お願いいたします。

尚、今回分より、こじつけ設定部分がありますのでそういうのが合わないというかたは、
読み飛ばしてください。

369 :真白なる使い魔  第04話:2007/09/09(日) 06:05:10 ID:nUnh6mtz

 学院長の執務室は中央棟の最上階にある。中央棟は1階から大食堂、舞踏会場、
宝物庫、そして長い長い階段を経て、ようやく頂上階の学院長室へと到達するとい
う構造だ。
 さすがにトリステインを代表する施設の中枢だけあり、その姿は流麗にして優雅
であるといえよう。
 ルイズに案内されて訪れたマシロは、半ば緊張しつつその扉を潜った。部屋の形
は半円、入ってすぐの所にある受付の先、部屋の中央のソファーの辺りに、コルベ
ール教師と妙齢の女性、そして立派な白髭を蓄えた貫禄ある老人の姿がある。おそ
らくこの老人がこのトリステイン魔法学院の学院長オールド・オスマン翁なのだろ
う。

「ほうほう。コルベール君から聞いてはおったが、これはなかなかのべっぴんさん
じゃのう。わしがこの学院の長を勤めるオスマンじゃ。」

 開口一発、出会い頭のオールド・オスマンの言葉は他の何でも無く、そんななに
げない一言だった。かかる非常の事態において尚、こうした平常心を保てるとは流
石は一機関の長とでも言うべきか。
 その時、足下に小さい影が走るのに気付き、思わず飛び退くマシロ。一瞬秘書と
おぼしき女性が眉をひそめる。オスマンは、その小さい影に手を差し出すと、影の
主である一匹のハツカネズミを手に乗せ耳元に近づけると、ふむふむと頷いた。

「白か。うむ、実に似合っておるのお。ほっほっほ」

 訂正。ただのエロ爺の様だ。オスマン学園長の隣に控えていた緑の髪の妙齢の女
性が、この好色老人をけたくり回す様子を見ながら、本来ならば悲鳴を上げるべき
なのだろうが、性別がいきなり変わってしまった衝撃もあって、すっかり気疲れを
していたマシロは、余りにも余りなその光景に、ただあっけに取られるばかりだっ
た。
 その脇では召喚の際に立ち会っていたコルベールが困惑と共にメガネを直してい
る様子が見受けられ、この人物の若禿は、この上司による心労の賜であろうかとマ
シロには思われてならないのであった。

「え、えーと。ミス・ヴィントブルーム。まずは身の証というワケで、装身具を貸
してはいただけないでしょうか?」
「あ、はい」

 ようやく平静にもどったのだろう彼の言葉に、3つのマスタージェムの指輪とティ
アラを差し出すマシロ。コルベールはソレを受け取ると、情け容赦なくオスマン学
院長を蹴り続けていた女性、ミス・ロングビルに声を掛け制止すると、起きあがっ
た学院長にそれらの品を手渡す。

「では、まずはこれらの品を鑑定して、質を確かめてみるかの。大体こうしたモノ
は、品質を視れば、その所有者の社会的な階級なども見えてくるものじゃからな。


 わざとらしく咳をして体裁を整えると、そう言いながらオスマンはまず、受け取
った品の内ティアラを手に取り、目に細工師が使うようなレンズを填め込んで注意
深く観察を始めた。

「ほう・・・・」

 時折、感心するように呟きつつティアラを一通り眺めると、今度は杖を片手に何
かしらの呪文を唱えた。そして、ゆっくりと机にティアラを置いて、オスマンはレ
ンズを外し、顔を上げる。

「確かに、この品であれば王族の証たり得るのう。」

 ニヤリと口元に笑みを浮かべる老魔法使い。

370 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 06:05:48 ID:3nHdy6J5
TS支援

371 :真白なる使い魔  第04話:2007/09/09(日) 06:06:14 ID:nUnh6mtz

「一見これは銀にも見える。だが正真正銘のプラチナじゃ。それも粉末冶金ではな
く鋳造で形成されておる。すなわち、本来トライアングル級の火のメイジの協力が
得られねば作り得ぬ高温で作成されたと言うことじゃ。さらにこの施された細工や
填め込まれたサファイアも一級品。少なくともかなりの大貴族でなければこれだけ
の装飾品は得られぬじゃろうのう。ティアラですらこれだけとんでも無いわけじゃ
が、さて、もう一方の指輪はどの様なモノか、楽しみじゃて。」

 彼はそう言い、先程と同じ手順で指輪を調べ始めた。

「台座は同じプラチナ製か、しかし問題はこの石じゃ。それぞれサファイア クリ
ソベリル 紅水晶なのは解る。しかしその結晶の内部にごく微少な、それも目に見
えぬサイズの文様のようなモノが規則的に刻まれている。正直、これ程の物はスク
ウェア級のメイジでも、いや、そもそも作成の手段すら解らんな。」
「と言うことはどうなるのでしょう?」

 コルベールの問いにオスマンが答える。

「つまりは、どこぞの王侯貴族なのは確実。ただしこのハルケギニアにおいて、我
々の知る地域とは情報の隔絶された、我々よりも遙かに進んだ工作技術を持つ国の
出と言う事になる。」

 そこまで一息で言うと、改めてマシロの方へ向き直る。

「そこでじゃが、ミス・ヴィントブルームよろしいか?」
「はい?」
「おまえさんの国、ヴィントブルーム王国の場所を教えて貰いたいのじゃ。」

 そう言って、オスマンが杖を振るうと、脇に立てかけられていたスクロール状の
大きな紙が机の上に広げられ、宙に浮いたペンが、そこにトリステイン ゲルマニ
ア といったこの辺りの主要国と未到達地であるサハラまでを、広げられた紙の上
の中心の辺りに描いていった。
 本格的な魔法の発動する姿を初めて見たマシロが、好奇心もあってただ見つめて
いると、やがてそのペンはごく自然に彼女の手に収まる。

『多分違う世界なんだけど、どう説明したらいいんだろ』

 そう思いつつ、改めて描かれた地図を見下ろしたとき、マシロの胸の鼓動は高ま
った。それまでマシロはこのハルケギニアという大陸は、月が2つもあるという事
で別の惑星ではと見当を付けていた。しかし、同じなのだ。海岸線の形状がエアル
のそれと全く。
 そう気付いた時、昼間のルイズの言葉が脳裏に蘇る。

『月はどちらも魔法にとって重要な意味を持つのだけど、小さい月の方は「より魔
法に関係が深いのでは?」っていう学者も居るようね。』

372 :真白なる使い魔  第04話:2007/09/09(日) 06:07:16 ID:nUnh6mtz

 そして自分が思い出した失われしエアルの第二の月『媛星』の伝説。共に魔の月
であり、伝承に従えば、従来の月より小さかったという類似点。さらには今地図で
目にしたハルケギニアの海岸線。マシロはその事実に気付くと、一心不乱にその指
に握られたペンを走らせていた。
 まず彼女の白魚のようなしなやかな指が描き出したのは大陸全域の海岸線。オス
マンやコルベールは、真剣な眼差しで見つめ続ける。そこに描かれるのは、もはや
行き来の途絶えた東方世界の姿。それだけでこの地図には相当の価値があると言っ
て良いだろう。
 次いで書き込まれたのは国家名とおおまかな国境線だった。
 マシロが名称をハルケギニアのモノとは異なる文字で書き込みながら、その名を
読み上げていく。

 大陸の東端の先にある弓状列島『ジパング』
 その対岸の広大な土地を支配する大国『大趙(タイユアン)』
 タイユアンの南方、東端からを領土とする『安南(アンナン)』
 アンナン及びタイユアンの西方、大陸中央南部に『エアリーズ』
 エアリーズの西方、南部半島からサハラに至るまでを支配する『マウリヤ』

 慌ててオスマンが別のペンを地図に走らせ、ハルケギニアの文字でその発音を記
す。
 そして次に少女が書き込んだ内容に、オスマン達は絶句する事となる。

 ロマリア北部に『ルーテシア・ロムルス連合王国』
 ロマリア南部に『ルーテシア・レムス連合王国』
 ゲルマニア帝国に『アルタイ公国』
 ガリア東部に『フロリンス王国』
 ガリア西部に『カルデア帝国』

 そしてマシロによって最後に書かれた国名とその位置こそが、この事態をさらに
悪化させるのであった。

373 :真白なる使い魔  第04話:2007/09/09(日) 06:08:19 ID:nUnh6mtz

 すなわち、トリステイン+ガリア中央の北部に記された『ヴィントブルーム』とい
う国名が。

 目を見張るオスマン。そしてコルベールや同行していたルイズまでもが息を呑む


「ミス・ヴィントブルーム。そここそがこの国、トリステインなのですよ?」
「ボクも、まさかとは思うんですけど、ボクの国ヴィントブルームは確かにココな
んです。そして、ボクの予想が正しければ、この世界はボクの知る世界の過去なの
かもしれない。そう思えて来るんです。」

 老人の目付きが鋭くなる。オスマンは呪文を唱え、マシロの額にうっすらと燐光
を帯びた手をかざした。

「続けてくれんか。」

 厳たる態度のオスマンに気圧されることなく、マシロは強い眼差しで答える。

「最初にそう思ったのは、ハルケギニアの海岸線の形を見ての事でした。これはボ
クの居た世界であるエアルのとある地域のそれに酷似していたんです。
 それを見てふと思い出したのが、ルイズちゃんが昼間に教えてくれた二つの月に
ついての事でした。
 『月は魔法にとって重要な意味合いがあり、特に小さい月については、より深く
魔法に影響を与えるという考えがある』という事。これはボクの世界エアルにある
伝承とかなり合致するモノなんです。」

 少女の澄んだ声が森厳たる静寂をもたらす。ソレを破るのは老人の声。

「だが、それだけでは、そのエアルと呼ばれる世界とこの世界が同一とは言い切れ
まい。そもそも、おぬし等の世界には魔法は存在しないという話じゃったが。?」
「そうですよ、エアルという世界がこの世界の未来だとして、この時代の事がエア
ルに残っていないと言うのはどうしても考えられない。さらに言えば貴女の使う文
字と我々の使う文字の違いです。同じ世界と考えるには、余りにも違う部分が多い
ではありませんか。」

 オスマンに続き、コルベールも口を開く。疑問点があまりに多すぎるのだ。

「とりあえずは、その『伝承』とやらについて教えてはくれんか?」
「はい」

 マシロは、コクリと頷く。

374 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 06:08:43 ID:3nHdy6J5
追いついてないけど支援。

375 :真白なる使い魔  第04話:2007/09/09(日) 06:09:33 ID:nUnh6mtz

 それは一部のモノのみに知らされた伝説。

 一般には移民星とされる惑星エアル。 
 しかしそのエアルこそが母なる人類発祥の惑星『地球』であるという。
 そして地球と呼ばれていた時代のエアルには、かつて従来の月の他にもう一つの
魔力を秘めた月があった。
 その月は、かつて『蛭子(ヒルコ)』と呼ばれ、後には『媛星』と呼ばれた。
 しかし、その月が媛星と呼ばれた時代に起こった、HiMEと呼ばれる媛星から高次
物質化能力を得た少女達が相争った争いで、媛星は二つに切り裂かれ、一つは『漆
黒の金剛石』と呼ばれる物となり、もう一方が『真白なる金剛石』となった。
 後に『真白なる金剛石』ヴィントブルーム王家に伝わり、正当な王位の証となり
、もう一方の『漆黒の金剛石』は歴史の闇の中で行方不明になったという。
 そしてその伝承はこう伝える。

『ヴィント王家に伝わる真白なる金剛石と、失われし漆黒の金剛石。
 この二つが再び一つになったとき、媛星の力である世界を作り出す魔力が蘇るで
あろう』と。

 そして時は下り、真実を知って二つの貴石を求めたものが現れた。
 しかし彼は失敗し、世界は滅びの危機に瀕した。
 生き残った人々は、過去の歴史を封印し、移民星エアルという偽りの歴史をねつ
造し、新たなる歴史を歩み出したのだという。

「・・・・そうして移民歴という年号が始まり数千年。さらにボクの時代の300年前
に起こった十二王戦争によって、地球時代・・・・表向きは移民星エアルにやってくる
以前の時代の記録の全てが失われました。ですから、過去にハルケギニア大陸とい
う名称があったかどうか、そしてどの様な文明が栄えていたのか、どんな歴史的出
来事があったのか、それらは一切解らないんです。」

 マシロが長い説明を終え、息をつく。オスマンはソレを見て、長い間マシロの前
にかざしていた手を戻し、マシロとルイズの二人をソファーへと誘うと、秘書ミス
・ロングビルに合図して少女達に水を差し出した。

「ウソでは無いのは確かなようじゃ。そして内容的にも理屈が通っておる。まあ、
かなり高い確率で、このお嬢さんの国ヴィントブルームが未来のトリステインなの
は確かじゃろうて。」

 マシロを安心させるという為もあるのだろう、オスマンの顔から厳しさが消える


「で、質問なんじゃが、ミス・ヴィントブルーム。魔力の源たる月『媛星』の断片
である『真白なる金剛石』はヴィントブルーム王家に王位の証として伝えられてい
るんじゃったな。」
「はい。」
「でじゃ、そうした物が伝わっている王家にあって、『魔法』ないし『魔力』とい
う言葉に聞き覚えは無いじゃろうか?あるのであれば、是非とも聞かせて欲しい。


 『魔力』そして『魔法』。それらの言葉がマシロに思い出させるのは己の半身た
る血を分けた双子の妹の顔。そしてこのハルケギニアへと通じる扉を潜る前に交わ
した言葉。自然、マシロの顔に温もりある優しさが浮かび、そして消える。

「ボクの双子の妹が魔力を持っているというウワサがありました。でも妹は・・・・・・
。」
「いや、それ以上話したくないのなら話さずとも良いぞ。」
「すいません。」

 オスマンは愛用の水パイプを咥え、紫煙を深く吸い込むと続ける。

376 :真白なる使い魔  第04話:2007/09/09(日) 06:10:35 ID:nUnh6mtz

「つまり、ヴィントブルーム嬢の双子の妹さんには魔力が有ったらしいのはわかっ
た。ならば、お主自身にも有ってもおかしくは無い。少し調べてみるとしよう。」

 そう言って壁際の戸棚からオスマンが持ってきたのは、一個のランプであった。
 真鍮の金色の鈍い輝きが、落ち着いた空気を演出している。これならばアンティ
ークとしてもまずまずの一品と言えるかもしれない。
 マシロ達の前のテーブルにそのランプが置かれる。

「これは『魔力の灯火』というマジックアイテムでな。本来は使用者が魔力を宝玉
に溜め込んで、それをここの蓋から入れる事で、長時間光を灯し続けるという、ま
ぁ他愛の無いマジックアイテムじゃ。もっとも、ここにあるコイツは少々壊れてい
てな、ほれ、そこの棒をじゃ、こうして摘んで直接蓋の中に突っ込んで魔力を送り
込み続けてやらんと光りゃせん。」

 オスマンの指が触れた棒が押し込まれると同時に、ランプは光を放ち始める。
 やがて光は収束して一つの像を結び始める、それは何なのだろうかと、マシロと
ルイズの二人が目をこらしたその時、オスマンは唐突に指を棒から離した。

「あ〜まあ、長く触れていると、時折自分の心象風景やら魂の姿とでもいうモノが
像として結ばれる事もあるんじゃが、人に見せるのも照れくさいからな。」

 ぽりぽりと頭を掻きながら、明後日の方向を見つつのたまう。余程見られたくな
いものでも写りかけていたのだろうか。

「と、とりあえずじゃ。これで魔力の有る無しや、場合によっては属性も解ったり
する。そうそうさっきのような事態にはならんと思うから、これで調べてみようか
の。」

 オスマンに促されるままに棒に触れるマシロ。すると小さな灯火程度ではあるが
、確かにランプは輝き始めた。

「これは、一応魔力はあるという事でよろしいのでしょうか?オールド・オスマン
。」
「うむ、全く魔力の集中の方法を知らない以上、まあこんなもんじゃろう。」

 コルベールの問いに答えるオスマン。そんな中でコツでも有るのかと興味を持っ
て色々と試すマシロ。そしてそれを見た老爺はマシロの棒を持つ手に触れる。

「息は深く、指先に意識を集中して、水が身体の中を指先に向かって流れるのをイ
メージするんじゃ。そう、徐々にゆっくりとおちついて・・・・・・。」

377 :真白なる使い魔  第04話:2007/09/09(日) 06:11:56 ID:nUnh6mtz

 マシロのイメージの中で、小さな流れが集まりつつ、そしてやがて川となり、そ
こへと流れ込んでゆく。大きく息をゆっくりと吸い、それを思い浮かべつつ、指先
に意識を集中。するとやがて、意識していないのにより多くの力のようなモノが、
指先に集まっていくのが感じられた。ランプはそれに併せて次第に輝きを強めてい
き、周囲を閃光で包む。

『もうかまわん、十分じゃ、止めなさい!』

 オスマンがそう叫ぼうとした時、それは圧倒的な存在感で、巨大な像を結んだ。
 それは龍だ。それも全身に炎を纏う白い龍。何故であろうその眉間には剣の様な
モノが突き立てられているが、それは一切痛々しいなどというイメージもなく、そ
の龍の肉体の一部であるかのように、その身体に調和して存在している。

「キレイ……。」

 それまで、この部屋に入ってからずっと発言を控えていたルイズが声を漏らす。
それはその場に居合わせた者のうち、マシロを除く一同に共通した感想だった。そ
してマシロにとってはそれ以上に印象深い存在であった。

「あのときの黒い龍?いや、でも白い・・・・。」

 もしマシロがもっと過去の存在『チャイルド』に詳しければ、ソレをこう認識し
たであろう。
 それこそが真の『カグツチ』であると。
 カグツチはオスマンやコルベールといったその場に居合わせる者達の存在に気付
くと、大きく首を伸ばし起立し、その胸から首へと烈光が立ち上る。

『いけない!!』

 マシロには、何故かソレが何をしようとしているのかが、手に取るように解った
。それが、その龍カグツチにとって最大の攻撃手段である、プラズマ球の放出の準
備態勢である事に気付き、マシロは驚きのあまり思わずそう叫んでいた。
 しかしその声を聞いたハズのオスマンの態度は落ち着いたモノ。「安心せい。」
と声をかけて、むしろマシロを落ち着かせる程。
 そしてマシロやオスマンといったその姿を見ていた者達に、カグツチのプラズマ
球は放たれた。

「ほう、属性は『火』か」

 平然とそう評価を下すオスマンや、一瞬険しい表情になるもすぐにいつもの表情
に戻り、微動だにせずその光景を観察するコルベールとは対照的に、ミス・ロング
ビルは思わず杖を構え、ルイズもマシロと繋いだ手に力が入る。そしてマシロも、
友となったこの少女を抱きしめんと、ランプに突っ込まれた棒から手を離す。
 その瞬間、白い身体に火炎を纏わせた巨大な龍カグツチの姿が吐きだしたプラズ
マ球諸共にかき消える。
 呆然として惚けるのはロングビル、マシロ、そしてルイズの三人。それに対して
コルベールやオスマンは予想の範囲とばかりに、そんな三人の姿を見て微笑んでい
た。

「げ、幻影か。」

 マシロがただそう一言漏らす。

「まあ、この『魔力の灯火』の結ぶ幻影はやたらにリアルじゃからな。時には頭で
解っていても、勘違いしてしまうこともあるわい。」

378 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 06:12:16 ID:3nHdy6J5
更に追いついてないけど支援

379 :真白なる使い魔  第04話:2007/09/09(日) 06:13:03 ID:nUnh6mtz


 そんなオスマンの言葉に赤面する三人。ふとルイズが何かに気付いたかのように
コルベールの顔を凝視しているのに気付き、話しかける。

「どうしたの?」
「ああ、あのね。オールド・オスマンはともかく、ミスタ・コルベールもあのとき
落ち着いてたなって。もしかしてミスタ・コルベールも実はスゴイ人なんじゃない
かって、ふと思ったわけなのよ。まあ、あり得ないけどね。」

 その声が聞こえたのか、コルベールは照れて鼻の頭を掻いていた。

「なに、私の場合は、最初からそういう物だと知っていたから、とりだててキケン
と思う必要もなく最初から最後まで平然としていられたんですよ。」
「まあ、そういうことじゃ。」

 マシロはふと二人の言葉に違和感を感じたが、取り立てて気にする必要もないか
と、手元のコップに手を付けるのであった。

380 :真白なる使い魔  第04話:2007/09/09(日) 06:14:05 ID:nUnh6mtz

 それからの時間は、両者にとって気楽な時間であった。
 マシロが魔力を持ち、魔法の習得が可能と解った事もあり、『1学年への編入生』
というありふれた身分に確定した事で、ごく事務的な内容の作業が残ったが、それ
もすぐに済み、あとはマシロが居た世界の話をいくばかりか交わした程度。話の途
中で用事を言いつけられたコルベールが名残惜しそうに中座したのが印象的ではあ
ったが、同じ場所にいれば、言葉を交わすこともあろうという考えに至り、とりだ
ててマシロはなんら行動を起こそうとも思えなかった。

「まあ、そういう事で、しばらくはミス・ヴァリエールから文字を習うなりして待
っておるように。やがて王宮の方でもう一度審問があるじゃろうが、ソレさえ済め
ば比較的自由に行動する事が可能となるじゃろうしの。あと、制服についても近い
うち用意するんで待っていてくれると助かる。とりあえず、元の世界に戻る方法は
こちらで探しておくんで安心していてくれ。」

 締めの言葉とばかりにオスマンが語りかけるのを聞き、ふと、重要な事を言い忘
れていたと気付く。

「あの、戻るまでの事なんですが。」
「ん?どうしたんじゃね」

 緊張からか、ゴクリと唾を呑むマシロ。

「戻るまでの間、ルイズちゃんの使い魔をやらせてはもらえませんか?
 なんでも『使い魔が居ないと落第』って事みたいじゃないですか。ボクが来たせ
いでルイズちゃんに迷惑が掛かるのはちょっと‥‥。」

 あきれ顔のオスマン。ぷっと吹き出し返事を返す。

「いや、重要なのは『呼び出す』という事の方じゃからまあ落第にはならんよ。も
っとも使い魔の役割を果たしてもらえると言うのならば、こちらとしては感謝こそ
すれ、断る意味など無いからのう。」

 二人の顔がぱっと輝く。

「ありがとうございます」

 どちらともなく声を合わせ、二人は頭を下げた。オスマンはそんな二人を見てヨ
イヨイと手を振り、学院長室から送り出し、かくして、学院長によるマシロ・ブラ
ン・ド・ヴィントブルームの審問は終了した。



 夜の闇の中ランプの光がオスマンの顔を照らし出していた。すでにミス・ロング
ビルも退室した頃、コルベールが学院長室に戻る。

「用件は済ませてくれたかね?」
「ええ、二人とも快く引き受けてくれましたよ。」
「そうか、では酒宴とでもいくか、二人きりのではあるが」
「いいですね。」

 指でメガネを直すコルベール。
 オスマンは口元に笑みを浮かべ、戸棚から年代物のワインの瓶を取り出す。もう
片手には二つのワイングラスが握られていた。



つづく

381 :真白なる使い魔  第04話:2007/09/09(日) 06:17:21 ID:nUnh6mtz
投下終了であります。

ちなみに地名のあてはめかたはエアリーズの位置が原作通りなの以外は
ぶっちゃけ地名の由来からのこじつけです。

382 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 06:17:38 ID:3nHdy6J5
乙。超展開……か。超展開かな。
最後のコルベールの台詞も少し気になるが。

383 :ゼロの使い魔〜我は魔を断つ双剣なり〜 ◆vJSgYFYC6o :2007/09/09(日) 06:21:51 ID:SJCrHlLR
覚悟完了!当方に投下の用意あり!!

384 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 06:26:10 ID:3nHdy6J5
作者に支援仕るッ!

385 :ゼロの使い魔〜我は魔を断つ双剣なり〜 ◆vJSgYFYC6o :2007/09/09(日) 06:28:28 ID:SJCrHlLR
日の差さぬ広場、いつもならば人気のないそこは人で溢れかえっている。
血を血で争う闘いの場がそこにあった。
弐者が決闘場に立つ。
周囲を囲むのは貴族の子弟たちと、遠巻きに怯えた目で見つめる平民達。
力ない者は牙を持たぬ。
力ある物は牙を持たぬ人の為に闘う。
己のためでなく人のために牙を振るう。
だが、逆ならば?
牙ある者が牙を持たぬ人を害するならば?
その牙を力なき者たちに向けるのならば?
鉄風雷火の如く彼等を襲うとするならば?
そんな、非道を許しておけるのか?
否、断じて否である。
故に彼は立ち上がる。
彼はそうした者の祈りであるからだ。
彼がほんの少し他人より優しいからだ。
さあ、戦いの場に繰り出そう、誰かの願いを背中に受けて。


「やってきたぞ」
九朔は草を踏み締める。
目の前にはあの貴族の少年が頭部に包帯を巻いて構えている。
不遜な表情は崩れない。
「逃げずに良くやってきた、褒めてあげるよ」
「汝に褒められても嬉しくはないな」
交差する視線に火花が散る。
互いに交わす怒りに周囲の人間はどれだけ気づいたか。
お互いが熾烈な怒りを胸に宿していた。
ギーシュは薔薇の増加を掲げた。
「諸君! 決闘だ!」
決闘の宣誓だ。
歓声は大きく、嬉々として騒ぎ始める。
それにギーシュは笑んだ。
その笑みに隠れた紅蓮の怒り、胸に宿したそれは凄まじかった。
眼前の少年、聞けばあのルイズの使い魔だという彼の言葉はギーシュの
プライドを大いに傷つけた。
彼とて軍人の息子である、誇りにかけて国を守る意味は知っている。
しかし彼はそれを侮辱した。
与えられた地位を振るい脅す大馬鹿者とのたまったのだ。
このような侮辱を捨て置くことなどできない。
だからこそ、その身に刻んでやるのだ。

―――己を侮辱したこの平民にその愚かさを

「決闘はどちらかが負けを認めるまで、もしくはこの僕の杖である
 薔薇の造花を落とすまでだ―――では、始めるとしようか!」
闘いの開始が宣言された。
歓声が囲む観衆から沸きあがった。
「仕る!」
その歓声を合図と九朔は決闘場をギーシュへと直線に駆けた。
戦い方など毛頭も覚えてなどいない、記憶の失った己ができるのはただ
直(じき)に駆けこの拳で相手を打ち抜くのみ。
胸にあるこの熱い何かを叩き込むのみだ。
「破ァァアアァァ!!!!」
壱拾歩の距離を零にして拳を振りぬく。
しかし、
「甘いね!」

386 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 06:29:46 ID:3nHdy6J5
ニ闘流支援

387 :ゼロの使い魔〜我は魔を断つ双剣なり〜 ◆vJSgYFYC6o :2007/09/09(日) 06:30:28 ID:SJCrHlLR
ギーシュの腕が振るわれ薔薇の花が壱枚散った。
その瞬間、甲冑の腕が虚空より顕現したのだ。
「ワルキューレ!!」
口訣と共に甲冑の拳が零距離の九朔を打ち抜く。
「がはッ!?」
因果、勢いのついた肉体から繰り出されるはずの威力が九朔の脇腹に
逆流して破壊する。
吹き飛ぶ九朔、大地に無残に転がる。
「ぐ……はっ………」
喉の奥から酸いものがこみあげる。
痛みは尋常ではない、脈打つたびに脇腹に激痛が走る。
耳をわずらわしい笑い声が突く。
「あはははははは! メイジが戦いで魔法を使う事に依存はないだろ?
 僕はギーシュ・ド・グラモン。系統は土の二つ名は『青銅』。
 人呼んで青銅のギーシュ、この青銅のゴーレム『ワルキューレ』が
 君の相手をしよう!」
見下す目つきで己を睨むギーシュに九朔は歯噛みする。
芝居がかったその口調も気に入らない、しかし、倒れて何もしない己は
尚更に気に入らない。
両の腕に力を籠めて、一息に立ち上がる。
脇腹に走る激痛、痛みを堪えるのではなく、忘れる。
己の痛みなど瑣末なもの、胸糞の悪いこの気分をぶちかます。
先ほどのシエスタの顔を思い出し、何故かルイズも思い出した。
それだけで脚は力強く大地を踏み締める事が出来た。
「下らぬな。そんな軟いもので我を打ち倒せると思うてか?」
「なんだと?」
口端に不敵な笑みを浮かべ相手を見下してやる。
「青銅などで我の刃金を打ち倒せると思うなよ、腑抜けが!」
ギーシュの顔から笑みが消えた。
ゾっとするほどの冷気が周囲に漂う。
観衆の貴族の少年少女たちもその危険な空気に気づき声を殺した。
「言ってくれるじゃないか、君………望みどおり――――打ち倒してやる!!」
轟ッ、その身からは想像出来ない俊敏な動きで甲冑の女騎士が
九朔に迫った。
打ち出される青銅の拳が九朔の顔面を捉える。
「ちッ!」
間一髪飛び退いたその場に鎚のような一撃が通り抜ける。
遅れた蒼銀の髪が数本ちぎれ、大地が拳の形に陥没した。
当たればまず只ではすまない青銅騎士の拳に周りが青ざめた。
戯れの決闘が真意の決闘に変わっている。
ギーシュの眼は常の優男のそれではなかった。
「くッ!」
突進と拳を交互して打ち出すワルキューレの猛攻をぎりぎりで交わし
続ける九朔。
単調なだけまだかわせる一撃一撃だったのだが如何せん手数が多い。
あの金髪に迫ろうにも動くに動けない。
「難儀な事だ―――なッ!」
顎下を狙う右の拳を横様にかわして飛ぶ。
脇腹を狙う左の拳を後ろに飛んでかわす。
凡そ数壱拾手はこの青銅騎士の攻撃を交わし続けただろうか。
しかし、その隙は少しずつ小さくなっている。
「あやつ………やりおる」
九朔はギーシュへと視線を向けた。
こちらを冷たい目で睨む少年の瞳は食堂で見た軟派男のものではない。
腐っても男だったか、真剣になれば並ではなかったようだ。
再び迫ったワルキューレの突進をかわしつつ九朔はそう感じた。
眼前の戦いを離れた思考、一瞬ではあったがそれが九朔に決定的な
隙を生み出していた。

388 :ゼロの使い魔〜我は魔を断つ双剣なり〜 ◆vJSgYFYC6o :2007/09/09(日) 06:31:42 ID:SJCrHlLR
「クザクッ!!」
ルイズの悲鳴じみた叫びが遠くから聞こえた。
目の前の突進を飛び退き着地した九朔の背筋に冷たいものが走った。
はっきりと知覚できる濃厚な殺意のそれ。
全神経が、脳が、迫るそれをかわせと命令する。
だが、既に手遅れだった。
「がは………ッ!」
首筋に叩き込まれる焼け付くような感覚、意識を断絶させるような衝撃。
金属の冷たい感触と抉りこまれる激痛が遅れてやってきた。
脳髄がゆさぶられ、視界がぶれた。
四肢から力が抜ける、操り人形の糸が切れたように九朔の体が
崩れ落ちた。
攻撃はかわしたはず、なのに崩れ落ちる?
脳内、走る疑問はすぐに解決された。
混濁する意識の端に二体の青銅騎士を視認する。
「1体………ではなかった………か」
苦々しく口走るが、その脇腹に新たな痛みが加わる。
1体の騎士が九朔を蹴り上げていた。
「ごはッ!」
胸腔内の空気が一気に吐き出される。
背に熱が走る、両手を組んだ騎士の鎚が振り落とされる。
叩きつけられ、顔面が泥に汚れる。
「ぐぁ………ぁ…………くっ」
立ち上がらねば、そう思うが腕に力が入らない。
先ほどの首筋にうけた衝撃で四肢が麻痺している。
腹部に激痛、胃に爪先が深くめり込んだ。
「がッ!………ぐ……はッ……がはッ!」
口から胃液が零れた。
酸い匂いが漂う。
しかし、それでも青銅騎士の猛攻は止まらない。
腕、脚、脇腹、肋骨、顔面、次々にその拳が穿っていく。
痛みは激しく、衝撃はままならない。
しかし、それも少しずつ遠のいていく。
少しずつ意識が朧になっていく。
微かに眼を見開けばルイズがギーシュに向かって何かを叫んでいる。
頭に感じる重み、どうやらあの青銅騎士が自分を踏みつけているらしい。
ルイズが叫んでいる、だが、聞こえない。
まったく、何をそんなに必死になっているのか。
別段関係がないというのに、まったく困ったものだ。
払いのけられ、ルイズがこちらを確かに見た。
鳶色に涙を見た。
そして、その向こうにルシエスタを見た。
蒼黒に涙を見た。
「――――ッ!!」
鼓動が大きく高鳴った、これほどまでないほどに熱を持った。
こんなのは嫌だ、これではまったく駄目だ。
胸糞悪い、誰かが泣いているのはこれほどなく気分が悪い。
痛みが消える、激痛が吹き飛ぶ。
しびれていたはずの四肢が漲る、血潮が猛る。
思考が明確になる、澄み切る。
脳内を何かが疾走する。
魂が昂ぶる、だというのに、精神は凪。
意識が広がる、どこまでも広がる。
人間の知覚を遥かに凌駕した領域が見えた。
左手に刻まれた術式(ルーン)が煌めいた。


―――どこかで頁(ペヱジ)をめくる音がした



389 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 06:31:54 ID:3nHdy6J5
クトゥグア&イタクァ支援

390 :ゼロの使い魔〜我は魔を断つ双剣なり〜 ◆vJSgYFYC6o :2007/09/09(日) 06:33:57 ID:SJCrHlLR


******


「ヴェストリの広場で、決闘をしている生徒がいるようです。大騒ぎになっています。
 留めに入った教師がいましたが、生徒達に邪魔されて止められないようです」
ミス・ロングビルの言葉にオスマンが溜息をついた。
今さきほど目の前のこっパゲことコルベールに、ミス・ヴァリエールの召喚した
平民の使い魔がガンダールヴかもしれないと話を聞いていたところだ。
それだけでもなかなかな問題だというのに、それに加えて更に問題を
持ち込まれては辟易とした気分になるのも仕方ない。
「まったく、暇をもてあました貴族ほど性質の悪い生き物はおらんわい。
 で、誰が暴れておるんだね?」
「一人は、ギーシュ・ド・グラモン」
「あのグラモンとこの馬鹿息子か………おおかた女の子の取り合いじゃろうな。
 で、相手は誰じゃ?」
そこでミス・ロングビルの表情がやや困惑したものになった。
嫌な予感がする。
いや、期待か?
こういうときの予感ほど当たるものとは言うが。
「………それが、メイジではありません。ミス・ヴァリエールの使い魔の
 少年のようです」
やはり、か。
目の前のコルベールとオスマンは眼を合わせた。
彼もまた同じことを考えていたのは手に取るようにわかった。
「教師たちは決闘を止めるために『眠りの鐘』の使用許可を求めていますが?」
「構わん、放っておきなさい。秘法を使うまでのことではあるまいて」
「………わかりました」
部屋を去るミス・ロングビルの足音を聞き、コルベールがうなずく。
「オールド・オスマン」
「ああ」
杖を振ると、『遠見の鏡』にヴェストリの広場が映し出される。
そこで見るのは彼等の想像を凌駕した光景だった。



*****


――何も、超人に至る道は魔術だけではないのですよ


誰が言った言葉だろうか。
その人の姿はとても輝いていた気がする。
胸に去来する懐かしく熱い思い。
彼を自分は識っている。
魂に彼は刻まれている。
黒衣のスーツに身を包んだ長身痩躯のその姿、だが決して脆弱ではない。
その身体から滲み出る鬼気は溢れんばかりの力を秘めていた。
その瞳は正しく真っ直ぐに視界を収めていた。
その身のこなしは数多くの修羅場を潜り抜けた武士のもの。
彼は護る者。
その拳は数多くの外敵を大地に沈めた。
音速を超え、神速にまで鍛え上げられた拳闘術が彼の刃。
己が主の為に振るったそれは芸術にまで極められた最強の武器。
そして、自分は彼の技を識っている。
自分は彼との記憶を識っている。
「ウィン………フィールド」

391 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 06:34:32 ID:3nHdy6J5
執事支援

392 :ゼロの使い魔〜我は魔を断つ双剣なり〜 ◆vJSgYFYC6o :2007/09/09(日) 06:36:25 ID:SJCrHlLR


■■破損記憶 再構築   ■■6%
■■■破損術式再構築………………術種選択:強化術式(ブーストスペル)



周りを見渡す。
そこには大地に倒れたあの青銅騎士が在る。
胸に穿たれた拳の痕。
己が刻んだ一撃だ。
周囲の人間は沈黙していた。
踏みつけていた青銅騎士がまばたく間もなく吹っ飛んだのだ。
そして、胸についたそれを見て知った。
彼が刻んだのだと。
「な、なんなんだ………何なんだお前はァァァァァア!!!!」
咆哮、その瞬間二体の青銅騎士が七になった。
ギーシュは知った。
その魂で彼が己を遥かに凌駕した何かを持っていることを識った。
故に全力を投じなければならないと理解した。
「ワルキューレッッ! や、殺れェェェェッッッ!!」
七の騎士が九朔に向かい駆けた。
その手に大地から練成した槍、剣、斧といった得物を手にして。
九朔を前周囲から囲み迫る。
今、ここで一気にやらねばならない、強迫観念めいた何かがギーシュを
追い込んでいた。
しかし、九朔はそんなギーシュを見てはいない。
広がった認識が迫る敵の挙動を知覚する。
明鏡止水と言う言葉がある、これはそれだというのだろうか。
昂ぶる魂と裏腹に凍りつくほどに澄み渡った精神、五臓六腑が賦活する。
吸い込む大気が細胞の一つまで、いや、『字祷子』までも活性化させる。
傷が癒えるのを感じる、血流が再構成されるのを感じる。
激痛が生命力へと転換される。
この力が何か、それを九朔は知らない。
自分が何者かなどは知らない。
記憶は未だ失われたまま。
「だが、この力を己(オレ)は識っている―――!」
青銅騎士の刃が零距離に迫った。
しかし、それはもはや致命ではない。
常人を凌駕した知覚にはその一撃までの刹那は無限であった。
踏み締める大地、そして跳躍。
虚空に九朔の体が舞う。
蝶の如く軽やかに宙を跳び、大地へと舞い降りる。
消えたその場に刃が突きたてられた。
「なッ……!?」
ギーシュの驚愕が決闘場に響く。
当然だった、確かに刃は九朔を捕らえたはずなのに一瞬でその姿が
掻き消えたのだ。
その驚愕は伝播したように周りの観衆へと、ルイズ、シエスタへと続く。
「な、なんなの……?」
「クザクさん……!」
今、彼の姿はゴーレムの背後にある。
その瞳は先ほどと全く変わらない
「さあ、どうした? かかってこい」
「い、言われるまでも!!」
ワルキューレは思い出したように九朔へと一気に襲いかかった。
斧が迫る、剣が迫る、槍が迫る。
一撃でも当たれば即死も免れない。

393 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 06:37:54 ID:3nHdy6J5
ロイガー&ツァール……の出番はないか支援

394 :ゼロの使い魔〜我は魔を断つ双剣なり〜 ◆vJSgYFYC6o :2007/09/09(日) 06:38:37 ID:SJCrHlLR
しかし、九朔は退くどころか
「仕るッ!」
突撃した。
七体の堅牢な青銅の鎧騎士へと九朔は突貫する。
迷いはない、ただ真っ直ぐ突き進むのみ。
先ほどと何も変わらない。
ただ違うのは、その身に溢れんばかりの力が漲っている事だけ。
剣を持ったワルキューレ二名が迫る。
横薙ぎと縦薙ぎ、十字の斬撃が九朔を襲う。
しかし、
「遅いッ!」
それが到達するより前に九朔は懐に入り込んだ。
拳を握り締める、力が拳を覆うのを感じる。
「覇アアアァァァァァァァ!!!」
爆砕する大気、音速を超えた一撃がワルキューレを2つ同時に打ち抜いた。
そのまま吹き飛ぶ鎧騎士は金属片へと還る。
背後に迫る参の気配。
剣のワルキューレが握っていた刃を両手に握りしめ振向く。
二の槍のと一の斧が同時に襲いかかる。
しかし、無意味だ。
何故なら彼は二闘流、二刀と二挺の使い手なのだから。
「温いッ!」
奔る右一閃、槍が細切れになる。
「甘いッ!」
翻る左二閃、槍が刃先ごと真っ二つになる。
得物を失ったワルキューレを見逃すはずもない。
しかし、斧を持ったワルキューレが突進を仕掛ける。
「受けよ………剣征の舞!」
突いて出た口訣、身に刻まれた記憶が九朔を動かした。
それは双刃を構えた彼が放つ必殺技、半人半書の身に流れる魔力が成す事
のできる身体強化による必滅奥義の一つ。
「斬魔!」
横薙ぎ一閃が、
「破邪!」
交差一閃が、
「天魔覆滅!」
左右の同時一閃が、爆砕する大気を伴い参体を駆け抜けた。
ワルキューレは音もなく微塵になった。
それを見届けるように砕け散る青銅の剣、並でない威力に耐え切れなかったのだ。
「な……なぁぁっ……!」
ギーシュはいよいよ顔を青ざめた。
周囲の観衆はその凄まじさに言葉を失っていた。
ルイズとシエスタはただ見守っていた。
「まだだッ! まだ……まだ2体あるんだ! や、やれ、やるんだ!!」
残り二体のワルキューレはその剣を更に倍の大剣に持ち替えた。
振り回し、九朔を間合いに入れさせない。
しかし、それすらも今の九朔には意味をなさない。
脳内を映像が疾走する。
それはウィンフィールドの姿、そして彼の美技。
拳闘術を極めた彼の超超超速度のフットワークが繰り出す必殺技。
護る者が生み出した、超音速を超えた神速の一撃必殺。
フットワークを刻む、刻む、刻む、刻む。
鼓動(ビート)鼓動(ビート)鼓動(ビート)鼓動咆哮(ビートウォークライ)。
鼓動(ビート)が咆哮(クライ)し、心の臓は超速脈動(フルドライブ)する。
構え、狙う。
振り回される大剣は竜巻の如く。
その中心点のワルキューレを視界に捉える。
それは決して彼の技には及ばない。

395 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 06:39:26 ID:3nHdy6J5
しかし俺は何時まで一人で支援してるんだ?支援

396 :ゼロの使い魔〜我は魔を断つ双剣なり〜 ◆vJSgYFYC6o :2007/09/09(日) 06:40:31 ID:SJCrHlLR
これはただの劣化模造品だ。
しかし、
「………え?」
「………クザク、さん?」
この二人のために振るう一撃ならばそれでも充分に真の威力を持つ。
握り締める拳、脈動する術式(ルーン)が煌めいた。

「秘拳――――即興拳武(トッカータ)!!」

第二の口訣、九朔の肉体が揺らぐ。
音速を超える。
超速を超える。
刹那を超える。
認識を超える。
大気を超える。
知覚を凌駕した認識領域で九朔は疾走(はし)る。
九朔の姿が消える。
大気が決闘場のあらゆる場所で爆砕する。
爆砕した大気が暴風を生む。
質量を伴った残像が大剣に顕現する。
繰り出す拳は無限数、穿たれ抉られ大剣は塵になる。
得物を失ったワルキューレを九朔『達』が囲む。
そして、
「終止(フィーネ)!」
咆哮、ワルキューレは宙空へと打ち上げられ砕け散った。
砕けた青銅片が決闘場へと散らばる。
沈黙が流れた。
そこにいるのは最初と同じく決闘する二人と観衆のみ。
勝負は決した、しかし、まだ終わりではない。
「どうする、汝?」
互いに仁王立ち、ギーシュと九朔は睨みあう。
尾の表情はどちらも硬い。
しかし、
「参ったよ……僕の、負けだ」
薔薇が地面に落ちる。
歓声が上がった。
見物していた観衆、特に後方から眺めていた平民達は大きな歓声を上げて
九朔を祝福した。
貴族たちもまた平民のくせにここまでやった九朔に感心し、ただの優男で
なかったギーシュを見直していたりした。
「信じられない強さだったよ。一体、君は何なんだい?」
九朔と拳を組み、ギーシュは尋ねる。
ただの平民、いや、メイジでもこのような技を持つ者は居ない。
だとすれば、彼は一体?
「九朔だ」
「え?」
「我は大十字九朔―――騎士だ」
「騎士? それってシュバリエ……って平民の君がまさか!」
「そうではない。我は誰かを―――あ?」
ルーンの輝きが消えた。
ギーシュの後方から駆け寄ってくるルイズとシエスタが見える。
だが、声をかける間もなく意識が断絶する。
そして、九朔はそのまま後方へと倒れた。
「クザク!」
「クザクさん!」
いきなり倒れたクザクに二人は駆け寄り体を揺さぶった。
「ぅ………」
どうやら、気を失っただけらしい。
口から微かに漏れる吐息、静かに眠っている。

397 :ゼロの使い魔〜我は魔を断つ双剣なり〜 ◆vJSgYFYC6o :2007/09/09(日) 06:41:50 ID:SJCrHlLR
それにほっと一息をつくと、ルイズは目の前で九朔を見下ろすメイドを見た。
顔を赤らめて、良かった、良かったと呟き真珠のような大粒の涙を
ぽろぽろと流している。
その表情に在るのは恋する少女のそれ、複雑な気分になる。
胸に何ともいえない気持ちがいっぱいになるのだが、ルイズの前に
ギーシュの顔が現れ思考は中断される。
「彼、気絶したのかい?」
「ええ。そうみたい」
「そうか……しかし、彼は一体何者なんだろうな」
「知らない、ただの平民でしょ」
「そうなのかな? 闘って思ったが、彼はただの平民じゃない気がする」
「そう。殺そうとしたくせに口が良く廻るわね」
それにうっと呻きギーシュの顔がすまなさ気に小さくなった。
「わ、悪かったよ………でも、彼は自分を騎士だと言ったんだ」
「騎士? 冗談でしょ、こいつ平民なのよ?」
「ああ、僕もそう思うけど……まあ、いっか。それより、だ」
ギーシュはそのままシエスタの元へとやってくる。
それに微かに悲鳴をあげたシエスタだったが、ギーシュが頭を垂れた事に
驚き、そのまま停止してしまった。
「君に謝罪する。牙なき平民を守るはずの貴族である僕の行いを許して欲しい」
それに驚くシエスタとルイズ。
ギーシュは眠る九朔に視線を向け微笑んだ。
今までに見た事の無い笑顔だった。
「彼の、君を守ろうと闘った様に心打たれたよ。
 あそこまでぼろぼろになっても立ち上がろうとする彼の姿に感服したんだ。
 力なき平民たちの為にその身を賭して闘う彼にね」
立ち上がり『レビテーション』の術をかける。
「さて、それでは僕はこれでさよならとしよう。ケティとモンモランシーに
 謝りにいかねばなぁ」
それだけ言うとギーシュはまたも気障ったらしいポーズで去っていった。
振向くとき一瞬恥ずかしげにした表情はなんだったろうか。
そんなギーシュを見送るルイズのすそを掴む手。
見ればそこにはあのメイド。
「お、お部屋に運ぶのをお手伝いさせてもらって宜しいでしょうか?」
「………好きにしたら?」
はい、と喜んで浮かんだ九朔の体を押すシエスタ。
その隣で一緒に押しながらルイズは浮かない顔をしていた。
あの時、ギーシュと闘う前に言っていた事が耳に残っていた。
『後味の悪い真似はしたくない』、ただそれだけのためにコイツはこんなに
ボロボロになった。
見捨てるのが嫌だと戦い、傷つき、それがとても痛々しかった。
見ていて辛かった。
あの時、いきなり強くなって勝ってしまったが、それでも下手すれば死んで
いた。
見ていて何も出来ない自分、止めようとしたのにとめられなかった自分、
無力だった自分が酷く情けなかった。
魔法を使えないだけでない、使い魔を守ることも何も出来なかった。
自分の弱さと無力さが悔しかった。
「私…………無力ね」
誰にも見えないように、隣で慈しむ様に九朔を眺めるメイドにも気づかれぬように
ルイズは呟いた。
広場から抜けた青空はどこまでも青く澄んでいた。


398 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 06:42:03 ID:3nHdy6J5
それでも支援続行支援

399 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 06:42:08 ID:2Ajs8NLD
支援

400 :ゼロの使い魔〜我は魔を断つ双剣なり〜 ◆vJSgYFYC6o :2007/09/09(日) 06:43:06 ID:SJCrHlLR
投下終了なのであ〜る!!

お前のハートに突撃ジェノサイドクロスハリケーンファイアッ!!

401 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 06:44:21 ID:3nHdy6J5
乙。そして就寝。

402 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 06:45:34 ID:2Ajs8NLD
乙!
しかしギーシュがなんかムカツク。


403 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 06:46:44 ID:mQlcI9Ql
支援。
でも幾ら記憶喪失になったとしても
実戦経験皆無なボンボンに九朔が気絶するまでおいこまれるかな、と一寸だけ思った。

俺つえー回避と
まあ魔力使わなきゃ見た目どおりのスペックってことなのかな?

404 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 06:47:24 ID:gPr5ONyY
このギーシュは西博士化するに違いない

405 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 06:50:45 ID:2Ajs8NLD
>>403
実戦経験皆無なはずないぞ?
いろんな魔術結社と戦ってたし、しかも邪神とかだぜ?
あと生身でサンダルフォンのコピー倒してたじゃないか。

406 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 06:53:37 ID:gPr5ONyY
なんか、色々封印されてるっぽいあたり■■■■■■■■■■の陰謀を感じる

407 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 06:56:23 ID:rgSP35Vq
乙……なんだが、やっぱ弱すぎる感じがする。
テリオンや旧支配者に戦いを挑むような奴が記憶がないとはいえ苦戦しすぎだろ。
バランス難しいとは思うけどさ。

408 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 06:57:48 ID:HPSSU+BC
>>405
よく読め
ギーシュのことだ

409 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 06:58:53 ID:gSF+DXlX
>>405
実戦経験皆無なボンボン
これギーシュな。

410 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 06:58:57 ID:7u4oquvz
>405
 >>403の言う実戦経験皆無というのはギーシュの事だろ?
 
 まぁ、しかし知識が初期化同然だとこんなものかもな。
 まともな魔術一個でも使えりゃそりゃジェノサイドパーティだしな

411 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 07:01:01 ID:gPr5ONyY
ロイガーとツァール投げるだけで下手すりゃタルブ戦が終わるしな

412 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 07:08:39 ID:Jd9i5bOn
あいつ鬼械神サイズで武器召喚しますもんね

413 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 07:20:10 ID:gPr5ONyY
クトゥグア出したらアルビオン艦隊消滅するぜ

414 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 07:22:54 ID:tklR3E6w
代理投下スレにゼロHiMEが来てたから代理でいくぜー

415 :ゼロHiME 嬌嫣の使い魔 第二話 1/2 代理:2007/09/09(日) 07:25:03 ID:tklR3E6w
 「――じゃあ何、シズルは異世界の日本という風華学園という場所で戦って死んだけど、何故か生きて私に召喚されたっていう訳?」
 「ええ、多分そうやと……と言うても、うち自身も信じられへんのやけども」

 自分の話を聞いて、疑るように聞き返してきたルイズに、静留はそう答えて肩をすくめた。

 (まあ、信じろ言うても無理な話やろけど)

 召喚の後、ルイズと共に彼女の自室に帰った静留は、彼女に自分が異世界から来たこと、HiMEとそれに纏わる『星詠みの舞』の結果、毒を飲んで自殺したということを説明した。
 他に行く当てもない以上、なるべくルイズから信頼されるようにしておいた方が得策だろうと判断したからだ。

 (別に話さなくてもええんやけど……これも何かの縁やろしね。それにうちも誰かになつきのこと話したかったことやし)

 「確かに『星詠みの舞』とか高次物質化能力なんて聞いたこともないけど――そうだ、その高次物質化能力って奴を見せてよ。そしたら異世界から来たってのは信じてあげる」
 「ええけど、できるかどうかは保障できまへんえ」

 静留は疑るようなルイズの視線を受けながら精神を集中させると、右手の掌中に一振りの薙刀を具現化させる。

 「ちょ、い、今何したの!? さっきまで武器なんか持ってなかったのに!」
 「これがさっき説明した高次物質化能力、うちらHiMEの武器――エレメントを作り出す力」
 
 目を丸くするルイズの目の前で自らのエレメント『殉逢』をくるりと一回転させ、瞬時に消し去る。

 (予想通り清姫の気配は感じられへんわ……力の流れは感じるんやけど、安定しとるわけやない。使いどこを考えんとえらい目にあいそうや)

 「いいわ、異世界から来たって信じてあげる。でも、凄いわね、武器を自在に取り出せるなんて」
 「出来るのはこんぐらいやし、魔法にくらべればたいしたことあらへんよ」
 「まあ、魔法は万能だし、気にすることないわ」

 ルイズは静留にそう言うと、何故か得意そうにうんうんと頷く。

 「そういえば聞くの忘れとったけど……使い魔っていうんは具体的に何すればええの? 召使いとは違うみたいやけど」
 
そばにあったテーブルにもたれると静留は使い魔についてルイズに尋ねる。

 「うーん、そうね。まず、その一、使い魔には主人の目となり耳となる能力が与えられるわ。つまり、感覚の共有なんだけど――無理みたいね。私、何も感じないし」
 「うちも感じませんえ。でも、お互い何もかんも筒抜けいうんは気持ちのええもんやないし、その方がええかと」
 「そういうものかしら……で、その二、主人が望むものを見つけてくること――要は秘薬とかの原料の採取ね。これも異世界の人間じゃ、無理よね」
 「そうどすな。ここらの地理もしらんし、そういう知識もあらしまへんから」

416 :ゼロHiME 嬌嫣の使い魔 第二話 2/2 代理:2007/09/09(日) 07:26:45 ID:tklR3E6w
 ルイズは予想していたとはいえ、使い魔の義務三つのうち二つも無理だということに少々気落ちしたものの、異世界から呼びだして期待する方が間違ってるだろうと思い直す。

 「とりあえず、この2つはいいとして、一番重要なのはその三、使い魔は主人をその能力で敵から守るってことなんだけど――シズルはさっきの武器で戦えるのよね? 能力的には期待していいのかしら?」
「そやね、『星詠みの舞』ではオーファンいう化け物の相手もしとったし、普通の人間やそこらの獣ぐらいには負けへんよ。魔獣やら幻獣とかが相手やと分からんけど」

 静留の答えから、三つ目はある程度はこなせそうだと分かってルイズはホッとするが、それを悟られないように冷静さを装って話を続ける。

「まあ、シズルは元の世界じゃ学生だったっていうし、別にそれで構わないわ。あとはそうね、身の回りの世話でもしてもらおうかしら」
 「そういうことなら任せておくれやす。うち、こう見えても掃除や洗濯とかの雑用は得意なんよ」

 静留は胸に手を当ててそう言うと、ルイズに向かって柔らかく微笑む。

 「え、ええっと、その、な、なんか色々あって疲れちゃったし、もう寝ましょうか。ベッドは1つしかないから一緒でいいわよね。寝巻きは私のは入んないだろうし、今日はその服で我慢してね」

 何故か頬を赤らめたルイズは一気にまくし立てると、寝巻きに着替えるために静留に背を向け服を脱ぎ始めた。

 「……?」

 ふと背後の不穏な気配を感じて振り返る。そこにあったのは悪戯っぽい表情を浮かべて両手をワキワキさせる静留の姿だった。
 
 「えーっと……シズル、その手は何?」
 「いや、着替えを手伝った方がええかなと思うて」
 「け、結構よ。着替えぐらい自分で出来るわ」

 (こんくらいで慌てるなんて、かいらしいとこもあるんやね。まあ、ろくでなしの男にでも呼ばれとったらどないな目にあったか分からへんし、この娘で良かったのかもしれへんわ)

 静留はルイズの反応を好ましく感じて目を細める。もっともそれはルーンの影響なのだが、静留に分かるはずもない。

 「着替えたし、寝るわよ――ただし、変なことしたら遠慮なくベッドから蹴り出すから、わかったわね!」
 「いややわ、さっきのはほんの冗談どすえ。なんもしまへんから安心して眠っておくれやす」
 「いまいち信用できないけど……おやすみ、シズル」
 「はい、おやすみやす、ルイズ様」
 
 ルイズはベッドに入って警戒するように静留に背を向けると、疲れていたのかすぐにぐっすりと眠り込んでしまう。

 「ふう、ほんまに遠いとこきてしもたんやね……」

 静留は窓の外に見える二つの月を見ながら寂しげにポツリと呟くと、ゆっくりと瞳を閉じた。


417 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 07:30:40 ID:D9Pf2I9p
支援

418 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 07:38:10 ID:QAvT1UTi
転載乙

419 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 07:54:51 ID:4qUVcLSO
代理乙ー。

420 :眼つきの悪いゼロの使い魔 オーフェン:2007/09/09(日) 09:36:24 ID:UVWYkpoB
予約がないようなので投下させてもらいます。
今話でストック切れ。
次の投下はかなり先になりそうです。

421 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 09:38:11 ID:IbnOSipr
やくざ支援

422 :眼つきの悪いゼロの使い魔 オーフェン1:2007/09/09(日) 09:40:27 ID:UVWYkpoB

「うっとうしい」
「いきなりだなおい」
「迷惑だ」
「あんたの可愛い妹のお願いだぜ?」
「邪魔だ」
「猫でも拾ったと思ってくれ」
「……」
「ほらほら、俺がいると何かと便利だぞ? 手からビーム出るし」
「…………」
「無理をすれば目からも出せるぞ?」

 オーフェンがマチルダに追いついてからの道中は、控えめに言っても険悪なものだった。
 明らかに厄介者を見る目で扱うマチルダと、それをどうでもよさそうにやり過ごすオーフェン。
 だが、マチルダも妹の名を出されると弱いらしく、王都へ到着するまでの間は、しぶしぶながらも
同道を許した。



 オーフェンは足を止め、到着した王都をぐるりと見回す。老若男女が入り混じった雑踏。石造りの
堅牢な建築物。大通りに並ぶ整備された店舗の数々。王都の名に比してはこじんまりとした印象を
受けるが、それでも懐かしい文明の香りがする。ようやく街と呼べる場所を目にすることができた。
 都会で生活することの多かったオーフェンは、少し上機嫌になり、気安い口調で前を行く同行者に
声をかけた。

「マチルダ、今日の宿はどこにするんだ?」

 ぴたりとマチルダの歩が止まる。そのまま振り返り、オーフェンの目前まで近づく。そして無言で
オーフェンの脛を蹴り上げた。
 がいん。金属音がする。片足を抱えてぴょんぴょん跳ね始めた。

「あー、俺のブーツ鉄骨が入ってるから、そういうことはあまりしないほうがいいぞ」
「先に言いなよ!」

 涙目で無茶なことを口にする。オーフェンは親指でこめかみを掻きながら、気の毒そうな顔で
オーフェンは訊ねた。

「んで、何事だ?」
「家以外じゃ私のことは……そうだね、ロングビルと呼ぶように」
「ふーん」

 しばしマチルダの瞳を見つめる。オーフェンの脳裏にいくつかの推測が浮かぶが、それを確認する
ことは躊躇われた。
 思案の時間は短く、まあいいかと曖昧な結論を下し、オーフェンは頷く。

「ずいぶん物分りがいいんだね」

 お前の言うことは全て疑うからな、という意思を隠そうともせず、マチルダが棘のある口調で告げる。
 対してオーフェンは、妹を見習えという願望を瞳に込めつつ、

「名前については、俺は人にあれこれ言う資格がないからな」

 その奇妙な台詞に、マチルダは思わずオーフェンの顔を覗き見た。いつもの口調、いつもの表情の
はずだ。何も変わりはない。
 けれどマチルダには、今の言葉に、ひどく重い感慨が含められているように感じられた。


423 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 09:40:51 ID:jFgqAtyZ
年上にいいように扱われる、女難黒魔術士支援

424 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 09:41:31 ID:kJZfqAY9
名前には意味がこめられている支援

425 :眼つきの悪いゼロの使い魔 オーフェン2:2007/09/09(日) 09:42:44 ID:UVWYkpoB

 宿は比較的短時間で見つかった。マチルダが王都でよく利用するところらしい。安っぽすぎることも
上等すぎることない、平均的な宿である。
 慣れた様子で入り口の扉を開くマチルダに、物珍しげに辺りを見回すオーフェンが続く。
 マチルダはそのまま宿の主人の前まで歩み寄り、

「ご主人、今晩のお部屋をお願いしたいのですが」
「腹話術か?」

 気色の悪い声音を出す彼女へ、オーフェンが真面目に聞く。
 主人に見えぬ位置でマチルダの左ひじがごすごすとオーフェンの腹に突き刺ささる。
 そんな二人の様子に気づかぬまま、宿の主は台帳をしばらくめくった後、すまなそうな顔を上げた。

「大変申し訳ありません。今晩は一部屋しか……」

 そこまで言ってから、たった今気がついたと言わんばかりにオーフェンとマチルダに見比べ、

「いや、これは重ね重ね失礼いたしました。一部屋でも問題」
「あります」

 笑顔でばっさりとマチルダが断ち切る。そのままオーフェンへ品のあるほほ笑みを向け、

「廊下で寝てくださいね?」
「うわー、いつもの口調よりも打撃力高いな」

 魔術士は基本的に性差廃絶主義なんだが、という本音は、今後のために沈めておくととした。



 金銭以外の荷物を2階の部屋に運んだ後、オーフェンは1階の食堂兼酒場へ足を向ける。マチルダが
適当な食事を注文しているはずだ。
 板張りの廊下にブーツの足音が響く。一定の拍子を保つそれを聞き流しながら、オーフェンは思考を
遊ばせていた。

(ティファニアの話では、生活費はマチルダが賄っているとのことだ。だが、彼女は何か定職に就いて
いるわけでもないらしい)

 首をかしげる。しかしそれにしては、彼女は明確な目的を持って、この王都へ向かっていたように
見えた。何か当てがあるのだとしたら、その当てとはなんだろうか。
 不審な動きを見せたのならば、後をつけるという判断もある。しかし、

(こっちの『魔法使い』さんは、空飛ぶんだよなー)

 フライによって移動されれば尾行しようがない。どうしたものかと悩んでいるうちに、食堂へ着いて
しまった。
 そこで、オーフェンは視界に映った光景に片眉を上げてみせる。マチルダは一人ではなかった。
 王都での知り合いだろうか? 幸いまだこちらには気づかれていない。オーフェンは少し身を隠し、
聞き耳を立てることとする。雑然とした周囲の喧騒に紛れつつも、二人の会話がなんとか流れてきた。


426 :眼つきの悪いゼロの使い魔 オーフェン3:2007/09/09(日) 09:43:56 ID:UVWYkpoB

「かーわいいのー」
「その、困ります」
「ねーねー、名前は、名前。わしオスマンー」
「は、はあ。ロングビルと、」
「かー! いい! なんと麗しい名前じゃぁ! オスマンとロングビル。全く似とらんがわし的には
超そっくりじゃ! これはもう運命としか思えんの! のう!?」
「同意を求められても……」

 オーフェンはこめかみを左手で揉み解しながら、適当な手つきで近くにあった花瓶を掴む。水も
入っているので適度に重い。微塵も迷いが見えぬ歩調で進み、マチルダの隣で管を巻く老人の背後に
立った。
 ごす。躊躇いなく老人の頭部へ花瓶を落とす。意外と頑丈だった花瓶は割れずに役目を果たした。
 おおー、という歓声が周囲から湧く。ひょっとしたらこの爺さんはしょっちゅうこんなことをやって
いるのかもしれない。

「あ、ありがと」

 若干引いた様子でマチルダが礼を言う。オーフェンは軽く首を振ってから、この気絶した爺さんの
処置に頭を巡らしていたが、

「あんた、勇気あるなあ!」

 両手一杯に空の食器を抱えた少年が、感動の面持ちでオーフェンを見つめていた。給仕に雇われて
いる子供のようだ。

「あん?」
「だってさ、その爺さんメイジだぜ? 今までも鬱陶しそうに見るお客さんは山ほどいたけどさ、
まさかいきなりどつくとはな! 痺れたぜ!」
「……メイジ?」

 改めて、オーフェン老人に目を落とす。老人が着込んでいるローブにはいかにも高級そうな生地が
使われていた。素人のオーフェンでも分かるほどの物である。

「あー、ひょっとして偉い人なのか?」
「うん。人格はともかく地位はね。すっげー名門貴族の子供ばっかりを集めた、魔法学院のトップ
だってさ」
「…………」


427 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 09:44:33 ID:kJZfqAY9
フェミニスト支援

428 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 09:44:53 ID:jFgqAtyZ
少なくとも、姉二人や無能警官やその姉より真人間だし手術もしていないぞ
フーケ嬢

429 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 09:45:46 ID:HcLGDyZn
つくづく駄目人間なんだなぁ、オスマン支援

430 :眼つきの悪いゼロの使い魔 オーフェン4:2007/09/09(日) 09:45:53 ID:UVWYkpoB

 いつのまにか静まり返っていた食堂内で、左右を見回す。ザッと音を立てて視線を逸らされた。
いや、唯一マチルダのみが、目を見開いていたが。
 しばらくの沈黙の後、オーフェンは静々と花瓶を(まだ爺さんの頭に立ったままだった)手に取り、
元の場所へ戻す。
 それを計ったかのように、老人は唐突に目を覚ました。混乱した様子で頭を抑え、

「な、なんじゃ!? 突然まるで花瓶で殴られたかのような衝撃が!? まさか、女房をわしに口説
かれたロマリー君の報復か!?」

 やはりしょっちゅうやっていたらしい。と、老人はたまたま眼のあったオーフェンの腕を掴み、

「君! わしを襲った犯人を見なかったかね!?」
「見ました。雲をつく巨漢です。たった今玄関から逃げ出したところです」

 ものすごく普通に嘘をつく。フフフ俺の面の皮を見くびるなよ。

「おおそうか! すまんな青年、これは礼じゃ。取っておきたまえ」

 チップまでくれた。いい人だ。躊躇いなく受け取ってオーフェンは懐に収める。
 怒り心頭な様子で老人が立ち上がった。恐らく真犯人の巨漢を追うのだろう。やれやれ丸く収まった
かとオーフェンは胸を撫で下ろしていたが、意外な伏兵が状況を変えた。

「いけませんわオールド・オスマン。いきなり立ち上がっては」

 洗練された所作で、マチルダが老人、オスマンの体を支える。

「う、うん?」
「あの卑劣な男など、オスマン様のお手を煩わせる価値さえありません。さあ、ハンカチをお水で
冷やしてまいりました。どうぞお使いください」

 言いながら、マチルダは自らオスマンの頭部へハンカチを当てる。マチルダの肢体が顔に触れそう
な位置に近づいたことで、オスマンは笑み崩れ腰を戻した。

「す、すまんのう」
「お気になさらず。オスマン様の叡智に万が一のことでもありましたら、学院のみならず国家の損失と
なりましょう。きっと生徒方も哀しまれます」
「あれ? わし、そんなことまで話したっけ?」
「魔法学院長オールド・オスマン様のご高名を耳にせぬものなど、この国にはおりませんわ」
「おーおーそうかそうか! いやあ有名すぎるのもつらいのう!」

 わははと笑うオスマンと、ほほ笑みながら介護するマチルダ。
 さすがに展開についていけず、オーフェンは唖然とする。状況がつかめない。
 そのオーフェンに、マチルダがどっか行けという意を込めて目配せをしてきた。
 半眼でそれを見返し、オーフェンは少しだけ離れたテーブルに落ち着いて、適当に食事を注文する。
 マチルダが何の打算もなく、このようなことをするはずがない。恐らくこれが、ティファニアの懸念
に繋がることなのだろう。ならばいい。どのような話に落ち着くのか、せいぜい最後まで見学させて
もらおう。
 届いた料理に舌鼓を打ちながら、オーフェンはそう結論付けることとした。

 ――もちろん、それが甘すぎる判断だったと、すぐにオーフェンは思い知らされる。


431 :眼つきの悪いゼロの使い魔 オーフェン5:2007/09/09(日) 09:47:03 ID:UVWYkpoB

 名高い(らしい)魔法学院の学院長室。
 なぜかそこで、オーフェンはマチルダから学院長および各教師達へ紹介されていた。

「このたびは私のみならず弟までお雇いくださり、感謝の言葉もございません」

 弟?

「弟は幼いころ家を飛び出し、裏街で荒んだ生活をしておりました。オスマン様のご配慮により
こうして更正の機会が得られたことについても、重ねて御礼申し上げます」

 すごい初耳な設定である。

「いたらぬ点は多々ございますが、姉弟力を合わせて頑張ってまいります。どうかご指導ご鞭撻のほど
よろしくお願いいたします」

 ぱちぱちと拍手が、特に男性教師陣から熱烈におこる。そんな連中をオスマンが視線で威嚇していた。
 見慣れない上品な笑顔を保持するマチルダの横で、一人オーフェンは、

 用務員オーフェンて語呂が悪いよなぁ、と現実逃避を行っていた。


432 :眼つきの悪いゼロの使い魔 オーフェン:2007/09/09(日) 09:48:04 ID:UVWYkpoB
投下終了です。

433 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 09:48:28 ID:HcLGDyZn
すげぇ、なんて速やかで自然な流れだ(無謀編的に)支援

434 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 09:48:41 ID:k8GKpfA2
支援

435 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 09:49:04 ID:IbnOSipr
投下乙〜。
今まで見たこと無い立ち位置のお話になりそうで期待してるよ〜

436 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 09:49:56 ID:kJZfqAY9
投下乙!
しばらく読めないのは残念で仕方ないが、気長に待たせてもらうぜ。

437 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 09:54:33 ID:tklR3E6w
オーフェンは読んだこと無いんだが、興味が湧いてきた。
いい展開だなぁ……続きが気になるけど、焦らず頑張って書いてください。

438 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 10:05:47 ID:J+3F+gAX
あーふと思った
オーフェンにとっちゃギーシュみたいな変わり者のほうが付き合いやすいんじゃないかって
何だかんだで牙の塔やトトカンタ時代から変人ばかりに囲まれてたし

439 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 10:08:07 ID:jFgqAtyZ
 いや、ギーシュもまともな部類だと思うぞ、彼基準では
あとマルコメの水兵服姿をみたらトラウマを抉られると思う

440 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 10:15:00 ID:QumoikJz
基本的にオーフェンにとっての変人っていうのは何よりもまず会話が通じないことだからなw
挑発したらちゃんとむきになるギーシュはかなり常識人だなw

441 :異世界BASARA:2007/09/09(日) 10:16:14 ID:miMlJ/hL
投下乙、オスマンったらw
予約がないなら投下してもいいですか?

442 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 10:17:40 ID:lXxOF9Os
お久しぶり!

443 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 10:19:02 ID:XMUbrLbW
なんか、ギーシュが「夢魔の貴族・ブラックタイガー!」とかやってる姿を幻視した。

444 :異世界BASARA 1/4:2007/09/09(日) 10:20:59 ID:miMlJ/hL
使い魔の品評会というのがある。
ここトリステン魔法学院で使い魔を召喚した2年生が学院中にお披露目するという行事である。
今年はトリステインの姫君も拝見するとあってか、2年生は皆張り切って使い魔と披露する芸を練習していた。

「ふんっ!はぁっ!」
そんな中、中庭から気合の入った声が聞こえてくる。真田幸村だ。
幸村は得物の二槍を振り回しており、それを少し離れた所からルイズが見ていた。
「うおおらあぁ!大車輪っ!!!!」
何度か槍を振り、最後に飛び上がって技を決めると、幸村は着地して構えを解いた。

「ルイズ殿!如何でござったか?」
「うーん…悪くはないんだけど…もっと派手な技とかないの?キュルケをギャフンと言わせるような…」
一通りの槍捌きを見たルイズは少し考えながら言った。


ルイズと幸村が出流腐…じゃなくてデルフリンガーを買った昨夜…
キュルケが幸村にちょっかいを出した事が原因で喧嘩に発展したのだ。
「いい機会だから教えてあげる。私ね、あなたの事が大っ嫌いだったのよ!」
「奇遇ねぇツェルプストー、私もあんたが気に食わなかったわ!」
お互い対峙するルイズとキュルケ。
鼻血を吹いて気絶している幸村。
自分に矛先が向いている訳でもないのに正座している利家。

「「決闘よ!!」」
しばらく睨み合っていた2人は同時に杖を抜いて叫んだ。

「ま、待てキュルケ殿。お前達が決闘するのは駄目だったんじゃないか?」
「…あ、そうだったわね…」
貴族同士の決闘は禁止…だがそれでは収まらなかったキュルケはある提案を出したのだ。
「…ならこうしましょう。今度開かれる使い魔の品評会、それでどっちの使い魔が優れているかで勝負よ」
「…いいわ。見てなさいツェルプストー、あんたなんかより凄い演技をしてみせるんだから!」

445 :異世界BASARA 2/4:2007/09/09(日) 10:24:03 ID:miMlJ/hL
ゴオオオォォ…

昨日の夜の事を思い出していると、別の場所から大きな音が聞こえてきた。
そう、まるで竜が火を吐くような音だ。
「いいわよトシイエ!凄いじゃない!」
音の聞こえる方に目をやると、利家が口から大きな炎を吐き出していた。
あれなら火竜のブレスにも匹敵する威力だろう。
それを見てキュルケは喜んでいる。

一方別の方からは誰かのやり取りが聞こえてくる。
声を聞くと1人は若く、1人は年老いた感じの声だ。
「それでウジマサ、本当にその…凄い技が出来るのかい?」
「人を信用せん若造じゃのう!まぁ見ておれ」
ギーシュとその使い魔の北条氏政である。
氏政は槍を頭上で構えると、精神を集中し始めた。
「…ぬおおおぉぉーっ!北条家代々伝わる秘奥義!見るがよいわぁ!!」
氏政はそう叫ぶと、槍を勢いよく地面に突き刺した。
「……………」
「……………」
だが何も起こらない。
2人の間に沈黙が続き、しばらくして氏政が口を開いた。

「………はて?どうやってやるんじゃったかのぅ…」
「ええぇぇー!?そ、それじゃあ困るよ!品評会で見せるものが無いじゃないか!」
「や、やかましいわい!老人じゃから物忘れする時だってあるんじゃ!」
結局2人はまた喧嘩を始めてしまった。

446 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 10:25:48 ID:p8pvjSRx
支援ー!

447 :異世界BASARA 3/4:2007/09/09(日) 10:28:32 ID:miMlJ/hL
「ギーシュ様〜!」
だがそれもケティという少女によって終わりを告げる。
ケティはバスケットケースを持って2人の元に駆け寄った。

「ギーシュ様、私スコーンを作って参りましたの。おじいちゃんも一緒にお茶にしましょう」
「おおケティか!若いの、とりあえず喧嘩は止めじゃ。菓子でも食えばきっと思い出すわい」
ケティがお菓子を用意するのを見て、氏政は奥義を思い出すのを止めてしまった。
こんな事で大丈夫なのだろうか…ギーシュは頭がズキズキと痛むのを感じた。

「前田殿も北条殿も張り切っておられますな!」
「あんたねぇ、そう思うんなら派手な技の1つでも考えておきなさいよ!」
「承知!この幸村、見事皆の注目を集めてみせましょうぞ!」
そう言うと幸村はまた槍を構え直し、自分の持つ技を繰り出していった。

(キュルケに勝つだけじゃない…下手な失敗なんて出来ないのよ…だって姫様も見に来るんだから!)

448 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 10:30:05 ID:zfcY7AtB
合いの手支援! 3連を阻止せよ!!

449 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 10:31:45 ID:kJZfqAY9
支援支援

450 :異世界BASARA 4/4:2007/09/09(日) 10:33:00 ID:miMlJ/hL
「やれやれ…急な事であったが、これで何とかなるじゃろう」

その日の夕方、学院長室では品評会の取り決めがようやく完了し、オスマンはチェスを楽しんでいた。
相手はギーシュの使い魔の氏政である。彼はちょくちょくこの学院長室に遊びに来るようになっていたのだ。
「将棋と似たようなものじゃが…中々面白いもんじゃのう。これならどうじゃ?」
「ですがオールド・オスマン、宜しいのですか?宝物庫の守備まで姫の護衛に回してしまって…」
ロングビルは書類を片付けながら問い掛ける。
「例の…“土くれ”のフーケの心配かの?」

土くれのフーケとは、ここ最近トリステインで噂になっている盗賊の事である。
強力な土系統のメイジであり、固定化のかかった扉などをただの土くれに変えて侵入する手口からその二つ名が付けられた。
特にマジックアイテムに目がないようで、貴重な宝を保管しているこの学院も狙われるのではないかとロングビルは心配しているのだ。

「何、大丈夫じゃ。あそこにはスクウェアクラスの呪文でしっかりと守られておるからの」
オスマンはそう答えると、チェスの続きを始めようとした。
だが駒を置こうとした手がふと止まる。
「ただ……物理的な攻撃が加えられたらどうなるか分からん…」
「ほぅ、なら忠勝が突っ込んだら破られるのではないか?」
物騒な事を言いながら氏政は最後の一手を決めようとした。

「そりゃあ!これで王手じゃ!」
「待った」
「な、何じゃと!待ったは無しじゃろう!?」
「おお知らんのかウジマサよ、チェスでは経験者は待ったを使ってよいのじゃ」
「そんな初心者狩りみたいな決まりがある訳ないわあぁー!」


ぎゃーぎゃー騒ぐ老人2人を余所に、ロングビルは笑っていた。
オスマン等から見えないように、妖しい笑みを…

451 :異世界BASARA:2007/09/09(日) 10:34:48 ID:miMlJ/hL
投下終了です。
久しぶりの氏政登場でした。

452 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 10:34:48 ID:p8pvjSRx
チェスで待った使うなww

453 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 10:36:31 ID:22KR37Mi
ちょ、何気なく「このスレを見ている人はこんなスレも見ています」を見てみたら、
なんかえらいのがあるな・・・大丈夫なのか?

454 :デュエルモンスターズZERO:2007/09/09(日) 10:39:04 ID:7qrnHw0H
予約がないなら投下しま〜す

455 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 10:40:56 ID:p8pvjSRx
折角の日曜日がwww

来いッ!

456 :デュエルモンスターズZERO:2007/09/09(日) 10:41:31 ID:7qrnHw0H
遠見の鏡に決闘者 ルイズが映っている。
彼女が失血し地面に倒れると同時、赤い髪を持つ生徒と黒い髪のメイドの少女がルイズを介抱しどこぞへ連れて行くのが見えた。
おそらく医務室へと連れて行かれるのだろう。

オスマンはため息をついて杖を振った。
鏡が跡形もなく空に溶けて消えてゆく。
鏡が消えると同時、教師 コルベールが鬼気迫る表情で学園長に詰め寄る。

「見ましたか? オールド・オスマン」
「見たとも。ミスタ・コルベール」
「でしたら……!」
「彼女らしい、清純な『白フリル』じゃ。あとでモートソグニルに頼んで……っあだ!!」
「真面目にやってください! オールド・オスマン! ミス・ヴァリエールは悪魔を召喚しました。彼女をこのままにしておくのは危険すぎます!」

額にたんこぶをこさえながら、オスマンは自分のあごひげをしごいた。

「確かにのう。だが、わしが見る限り ミス・ヴァリエールはあの魔獣たちを使いこなしているようじゃったが」
「それが、そもそもおかしいのです。ミス・ヴァリエールは努力家ですが、実技の成績は決して良いとは言えません。その彼女がいきなり、あんな高位の魔物を召喚し、あまつさえ『融合』させるなどと……」
「彼女の頑張りが、先ほどの決闘で才能を開花させたというのは――」
「そんな都合の良すぎることがありますか! 大体、彼女が彼らを使い魔にしたというのなら、何故 ルーンが出現しないのです!」

最もな言葉である。
目頭を、親指と人差し指で押さえオスマンは重く呟いた。

「しかたない。ミスタ・コルベール 少々鬼畜な手段になるが、手伝ってもらうぞい。生徒を守るためじゃ」

コルベールは黙って頷く。
鬼気迫るモノが、2人の顔に表れていた。


457 :デュエルモンスターズZERO:2007/09/09(日) 10:43:45 ID:7qrnHw0H
ルイズはマントをつけ、制服を着たまま闇の中にいた。
ちなみに黄金錘もデュエルディスクもつけたままだ。
周囲のどこにも光は差していないのに自分がどんな服を着ているのかが見えるというのは不思議であった。

「私は……どうしたのかしら」
「よくやったな。相棒」

声のした方に振り向く。

夢で幻視した姿がそこにあった。
自分とは違う派手な髪に意志の強そうな瞳。
自分とは対を成す真っ白いマントと自分が身につけたものと同じ錘と円盤。

肘を組み、何も無い空間に仁王立ちする少年。
ルイズ自身の肉体を借りず具現化した自分の使い魔。

彼の姿を見た瞬間、ルイズはいままで何をしていたのか思い出し、ここがどこかを使い魔に問うた。

使い魔は答える。
ここは、ルイズの『心の中』だと。
何もないこの『虚無』の空間こそが、少女が何者であるかを示す部屋なのだと。

ルイズと使い魔は、足場はおろか 高低の感覚すらないその場所でしっかりと足を付け会話をしている。
二人は知らない。ルイズの心の中にとどまり続けることがどれだけ過酷なことか。
『虚無』の中では息をすることすら常人には筆舌しがたい苦痛だというのに。
そんなことは露とも知らず、使い魔は主の労をねぎらった。

「やったじゃないか相棒」
「………すごいのはあなたの方じゃない。あのカードを自在に操るなんて」

台詞だけならば照れ隠しにも聞こえなくも無いだろう。
育った環境ゆえか、賞賛されると、彼女は素直に喜べない。

だが、今ルイズが放った台詞は、照れ隠しではなかった。
彼女は心底、目の前の使い魔に畏怖を抱いているのだ。

「私はキマイラを召喚するだけで精一杯だった」
「始めて決闘したんだ。無理も無い」
「……前にも言ったわよね。私、あなたのことを夢に見たの。貴方はこのカードに眠る僕たちを使いこなしていたわ」
「最初の決闘であれだけ使いこなせればたいしたものだと言っただろう。それに、俺はデッキを使いこなしているわけじゃない。デッキが俺に応えてくれるだけさ」

少年はひと息ついた。


458 :デュエルモンスターズZERO:2007/09/09(日) 10:44:53 ID:7qrnHw0H
「第一、相棒がデッキを使いこなせないのは当たり前なんだ」
「……なによそれ! アンタ 私が下手くそだっていうの!?」

使い魔の言葉を挑発と受け取り食って掛かるルイズ。
食って掛かられた方は冷静に釈明した。

「そうじゃない。言っただろう相棒。アレは『俺』のデッキなんだ。俺のデッキを使いこなせるのは俺だけだ。例え体を共有していてもその事実は変わらない。俺には俺の、相棒には相棒の、信じるべきカードが、デッキがある」

「バカを言わないで。アンタが使っている札は今まで見たことも聞いたこともないわ。手に入れるなんてどうやってよ」

口を開き、何かを語ろうとするルイズの使い魔。
だが、彼は伝えようとした言葉を飲み込み、別の事項を伝えた。

「相棒、そろそろ目を覚ました方がいい」
「なんで? 私、もっと聞きたいことが……」

だが、ルイズにも聞き取れた。上から響く何者かの声が。

「………かね。起きているかね?ミス・ヴァリエール」
「呼んでいるぜ。相棒」
「仕方ないわね。また来るわ」
「ああ、次は……」

次の瞬間、とうとつに景色が断線した。
思わず目を閉じるルイズ。
一瞬、真の暗闇が移り、まぶた越しに明かりが差し込む。
少女は目を開けた。

気づいたとき、そこはやけに薄暗かった。

「目を覚ましたかね? すまんのう。そんな窮屈な所に閉じ込めてしまって」

自分はベッドに仰向けに寝かされていた。
視線の先には2人の教師、

だが、教師たち――オスマンとコルベーは危険を避けるがために、ルイズとの間に鉄格子を隔てている。彼女が手足を動かすたびに――否、動かそうとするたびジャラ……と鎖の音が聞こえた。

手足に鎖が巻かれ束縛されていることに気づくと同時、自分の身につけていたデュエルディスクがなくなっていることにも気がつく。
慌てて胸元を確認するもそこにあったはずの黄金の三角錐も消えていた。
自分の宝ともいえる使い魔たちを視線だけで探すルイズ。
コルベールの手に少々大きい革袋が握られている。
そこからは自分のデュエルディスクが顔を覗かせていた。
彼女は叫んだ。

「どういうことなんですか!? 先生方!!」

鉄格子に、手枷と足枷。
荷物は没収。
まるで囚人に対する扱いだ。
というよりも。

自由を奪われた少女は、辺りを見回した。
ベッドをのぞけばそこは牢屋そのもの。

「すまない。生徒の安全を考えてのことなんだ」
「ミス・ヴァリエール 実はのう、先ほど君が悪魔を召喚したことで邪教の信者ではないかとの噂がたっておるのじゃ」
「そんな! 誤解です!!」



459 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 10:45:50 ID:p8pvjSRx
ありがちありがち
支援

460 :デュエルモンスターズZERO:2007/09/09(日) 10:46:24 ID:7qrnHw0H
なんとか体を動かし、コルベールとオスマンに嘆願するルイズ。
2人はそれに答えない。コルベールは黙って詠唱を開始した。
呪文の名はディティクト・マジック。

事の真偽をあらためる事の出来る呪文。
禿頭の教師はそれを教え子に施し、尋問を開始した。

「ミス・ヴァリエール。貴方はゲルマニアで謎の新興宗教が流行していたのはご存知ですか?」
「いえ、知りませんでした」

問1はシロ。ルイズは嘘をついていない。

「では、あの黄金の三角錐は何なのか貴方は知っていますか?」
「あれは私の使い魔です」
「では、あの札に封じられていた幻獣や悪魔は?」
「あれは私の使い魔の使い魔です」

問2、問3もルイズは嘘を言っていない。

「……最後の質問です。ミス・ヴァリエール。あなたは、召喚した悪魔や三角錐に封じられたというあなたの使い魔と、【死後の自分の魂を明け渡す】などのような契約はしていませんね?」
「していません!」

オスマンは安堵のため息をつく。
大雑把ではあるが、とりあえず自分の生徒が邪教の信者でないことは確認できた。
老いた魔術師は杖を振った。
がちゃりと音を立て、ルイズを縛りつけていた枷が破壊される。


「ミス・ヴァリエール すまんのう。もう少しだけこの狭い牢で我慢してほしい。君の所持していた、黄金錐と札の解析が終わったらすぐにここから出すからの」
「そんな。待ってください! オールド・オスマン!!」

切羽詰った表情で2人を見つめるルイズ。彼女は鉄格子にしがみつき、必死に手を伸ばす。
ギーシュとの決闘以来、デッキと黄金錐が彼女の中で己の一部となっているのは明白であった。

「お願いします! ソレは私にとって命より大切なものなんです! デッキと黄金錘を奪われたら私は……!!」

最後の声を聞くことなく2人は牢を後にする。
後にはやりきれない罪悪感だけが残った。

「一刻も早く彼女に、ソレを調べて、返してやらねばなるまい。ミスタ・コルベール」
「はい」

2人は、それきり無言のままそれぞれの部屋へと戻る


461 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 10:46:36 ID:8SxUP+Xp
オーフェンならコルゴンなんかも召喚したら楽しいかもな。もしくは女神とか。

魔法使いと魔術士の立ち位置も真逆にして同一なのがおもしろいな。
かたや権力の象徴にして、かたや迫害の対象。魔術に対抗するために進化を続け
遂に魔術の発動速度、精度、射程を凌駕した施条銃(ライフル)が宝物庫に納められてたりして。

462 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 10:47:45 ID:8SxUP+Xp
おっと失礼
さるさん規制阻止支援

463 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 10:47:48 ID:p8pvjSRx
sageたまえ

464 :デュエルモンスターズZERO:2007/09/09(日) 10:48:07 ID:7qrnHw0H
コルベールは、自分の部屋の扉を開けた。

通常の貴族の部屋からはしない、鉄錆と油の匂いが鼻につく。
他の人は顔をしかめるかもしれないが、中年のメイジはこの匂いが気に入っていた。

何故なのかはコルベール自身にもよく分からない。
ひょっとしたら何かを生み出すことで、破壊しか出来なかった過去を忘れられるような気がしたからかもしれない。

そこまで考えて彼は自嘲気味にわらった。

「バカなことを。 さぁ、早く解析を終えてコレをミス・ヴァリエールに返してあげなくては」

机に載っていた無骨な鉄の塊を横に除け、彼はまず、円盤に差し込まれていたカードを一枚、一枚手にとって調べてゆく。
だが――

「そのカードを返すのは、あのガキじゃねぇ。この盗賊王よ!」

女性とも、少年とも取れる少々低い声を背後に感じ、コルベールはバッと身を翻した。返す力でどこから出したのか、杖を相手に向ける。
彼の眩い額の先には黒いローブに身を包んだ怪しい人物。
その胸には邪教のシンボルとされている、黄金の円環。
そして腕にはルイズフランソワーズがつけていた物と同じ、円盤が。

コルベールは思い至る。
『闇の救い』を壊滅させた一人の盗賊を。

「土くれのフーケか!」
「ご明察。千年錘と神のカード。戴くぜ!」

警告するより先に、コルベールは炎の呪文を詠唱する。

(油断していた。まさか、学院内に忍び込んでいたとは)

「ハッ! これだからメイジって奴は楽でいい! さぁ『闇のゲーム』の始まりだぜぇ!」

教師 コルベールの命を掛けた決闘が行われようしている。
彼を見守る者は……誰もいない。


465 :デュエルモンスターズZERO:2007/09/09(日) 10:49:49 ID:7qrnHw0H
投下終了です。何気に、ルイズ オリジナルのデッキフラグを(無理やり)立てました。
あとコッパゲ先生の死亡フラグも。

466 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 10:51:00 ID:p8pvjSRx
コッパゲ先生ーーーーーーーッ!!

467 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 10:52:39 ID:d8QOqKr0
GJ

死したコッパゲ先生が炎蛇のカードとかになるんだろうかww

468 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 10:53:26 ID:kWXQC2IL
フーケがバクラかww
まさかコッパゲがデュエルするのか?www

469 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 10:53:36 ID:8SxUP+Xp
乙っパゲ先生ー!

470 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 10:56:00 ID:aFYrlJQe
乙っした。
GXで十代がネオス空間彷徨う辺りで白紙のカード
に新しいカードが出てくるのがあったけど、
あれの要領でルイズオリジナルデッキ登場かな?

471 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 10:57:29 ID:qeQNLIF3
ルイズがオリジナルデッキ組めるようになったら、やはりルイズにも王様みたいなチートの領域に達しているカードの引き能力が備わるのだろうか

472 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 11:01:20 ID:KtHQZWnM
実際にデッキ作って試した人の話だと社長がなんであんなに負けるのかわからんって話らしいな
王様のツキは哭きの竜か赤木しげるクラス

473 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 11:01:41 ID:zxy11y3a
ドラえもんとのび太とかDBの悟空はない

474 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 11:08:46 ID:p8pvjSRx
突然何を

475 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 11:09:14 ID:/lODWCbm
>>470
あれはカードが見えなかっただけだよ
新しいデッキを使ってる途中で見えるようにんなっただけ

476 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 11:12:15 ID:qLYmQ9Vy
学院の生徒が次々とカードになるのかこれはwktk

477 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 11:17:52 ID:9H0SdsFU
装備魔法カードにされて退場するデルフと
神に装備されて1ターン後に消えるデルフの姿が浮かんだ。

478 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 11:25:53 ID:cuuGPsF7
>>472
相手は願えば引きたいカードが山の上に来るんだから仕方ないよ

479 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 11:43:17 ID:tfxaoEm7
>>478
それだとゲームとして面白くないよな
「来い来い来いッ!駄目か!!」みたいな焦りみたいなの楽しいんだが


480 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 11:44:27 ID:a3ZNN67x
>>440
なら、ルイズは資格十分だな。
コギーと同じで言った事に対してムキにはなるが、会話は通じない。
アンリエッタはボニーポジションかな?

481 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 11:54:40 ID:kJZfqAY9
キースポジションを考えたところで、本人がいてもおかしくないことに気がついた。

482 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 11:59:11 ID:SA2ZLQnf
>>479
カイジだとそういう時は大抵
来い来い来いッ…!<ぐにゃ〜〜だなw

483 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 12:00:03 ID:p8pvjSRx
残念・・・!はずれっ・・・!

484 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 12:00:13 ID:NQehtypc
>>479
いやいや、社長は別にゲーム楽しむつもりなんて無いのよ。
入れ込んでるガキを玩具にして嬲るのが楽しいの。

――自分でいっといてなんだがこれではまこと最低以下じゃのう……

485 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 12:02:14 ID:VmXFfDSL
>>482
カイジの場合は何かに祈った時点で高確率で負けだからな。

486 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 12:45:59 ID:t/iqr7zq
>>465
ルイズのオリジナルデッキか。
彼女の好みを考えると、ドラゴン、獣戦士、恐竜、天使族あたりの見栄えがするモンスターを主力に使っていきそうだ。
アンデット、戦士、昆虫、悪魔、機械、魚族あたりは使いそうに無い気がするな。
あと三ツ星以下の攻撃力防御力が低いモンスターも、あまり特殊効果を重要視せずデッキに入れなさそうな。

それとコッパゲ先生は機械族モンスターが召喚されたら大喜びだったんだろうなぁ。
……クロノス先生が召喚されたら、なんか面白い事になりそうな気がしてきた。

487 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 13:09:22 ID:8r8houfO
型月叩きしてる連中がいるが
某理想郷に並みのU-1なんぞ軽くぶっ飛ぶゼロ魔厨によるフェイト蹂躪踏み台SSがトウカされてて吹いたwww

488 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 13:11:24 ID:JlzUKMXO
>>482 >>485
カイジの場合イカサマ合戦で、いかに相手の裏をかく戦いだしな。
デュエルの途中でトイレに立つカイジ、必死にカードの山を調べる社長w

489 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 13:18:14 ID:UF+tNj0d
ルイズって魔法できないだけで頭は悪くないんだっけ?

490 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 13:20:35 ID:p8pvjSRx
むしろ魔法が出来ない分そこらの同級生よか頭は良さそうな気がする

491 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 13:21:56 ID:b0QQjldT
>>489
ただし短気で賭け事に向かない性格

492 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 13:22:25 ID:tmOyYRfG
しかし貴族全般が誇りとかに拘って頭悪く見えるからなんとも

493 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 13:24:10 ID:h/p835nv
原作を見る限り、頭は悪くないし、知識の持っている。
しかし、短気。思慮が浅い(これは若いのもある)。etcと、
精神的な成熟面でそれらの能力が持ち腐れになっている。

494 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 13:24:49 ID:4YeMCr9R
ルイズはギャンブルで身を持ち崩すタイプ、つうか、一度やらかしてたもんな。

495 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 13:25:21 ID:sD9/lDPk
ルイズは知識溜め込んでるけど知恵があーさっぱりさっぱりなイメージ

496 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 13:29:28 ID:hQ/gRcHS
>>494
アレ最悪だろ。
王女から預かった調査費用をギャンブルにつぎ込んで全部スッたんだからな。

497 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 13:34:29 ID:3K4sm7VU
知識とか勉強って意味での学習はともかく、自分が体験して来たことから何かを学ぶ学習能力は低い気がする。
いや、サイトもだけど、何回お前ら同じようなことしてるのかと

498 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 13:40:21 ID:a3ZNN67x
>>489
正確には頭の良いアホの子
SLGのユニットで例えると
1巻
「近接戦闘能力皆無で魔法を習得していないのに、大型ユニット目掛けて馬鹿の一つ覚えの様に突進して行く『黒魔術師』」
3巻以降
『魔法を習得していない』が『無茶苦茶長い詠唱の魔法を習得しているが』に変わるだけ。

基本的に人の言う事を聞かず、マイルールを押し通すタイプ。それが矛盾していても気にしない、それが彼女のジャスティス。
<例>
1巻でゴーレムの前で宣言した「敵に後ろを見せない者を、貴族と呼ぶのよ!」と2巻で最後の晩餐の際、サイトにもらした「どうしてウェールズ皇太子は死を選ぶの?」

499 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 13:42:02 ID:p3X+1Xoz
つまりはザラキを止めないクリフト

500 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 13:45:34 ID:8LWdQ3Mm
>>499
なんて(味方にとって)恐ろしい子…!

501 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 13:49:38 ID:fNaQ5nS/
ゼロ魔キャラ叩き厨の大暴れがまたまたまた始まったか

502 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 13:49:39 ID:3I89tMiK
でも冷静沈着だと虚無は弱くなるんだよな

503 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 13:53:00 ID:Y8XcLGA1
つまり、そんな性格のルイズだから虚無の才能を持ったと。
むしろ、虚無の才能が有るゆえに、そんな性格になったとか?

まあ、いずれにしろ、ツンデレでカワイイ貧乳は正義。

504 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 13:53:11 ID:ysLikIhM
>>501
では、いいところを探そうじゃないか。
ルイズのいいところと言うと……見た目が可愛いとか、社会的身分が高いとか、
貧乳はステータスだとか……後はなんだろう。

505 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 13:53:16 ID:lXxOF9Os
>>498
加えて生粋のドS。でも、そこが…(ビクッビクッ

506 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 13:57:15 ID:JgL5gGyR
>>502
世の中にはブッツリ切れながら冷静に判断出来る人種がいます
というのはおいといて心の震えを原動力にするのなら怨み憎しみ怒りに殺意と言ったマイナスまっしぐらな感情でもいいんだっけ?

507 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 13:57:18 ID:h/p835nv
>>505
おちつけ、そこの生粋ドM。

まあ、意地っ張りってのもある……か?

508 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 13:58:47 ID:+OUfsEVQ
>>504友人を大切にする
平民に対して貴族ゆえに傲慢だが優しい所がある
正義感がある

509 :ほしをみるひと:2007/09/09(日) 13:59:43 ID:bs0jJ09q
真っ直ぐな心根と愚直なまでの真摯さは嫌いじゃない。
さて、14:05あたりから投下してもよろし?

510 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 13:59:46 ID:TiWtSdwc
正直、精神的には人間としても貴族としてもまだまだ未熟としか・・・肉体的にはあれでいいって人が多いみたいだけどw
10代の子供だけどあの世界では一応大人扱いだったような

511 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 13:59:53 ID:eF7FxJ5W
ジャック・バウアーがルイズに召喚したら…


周囲に裏切り者が出たり、死にまくったり…

大混乱の極みだ

512 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 13:59:57 ID:7hse/gj5
>>1000ならデュマデュオ召喚

513 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 14:00:49 ID:U93tvSmN
原作よく知らない俺が聞いてみる。
使い魔の魔法って系統に関係なく使えるものがあるよな飛行とか明かりとか。
何でルイズはそういう魔法も使えないんだ?

514 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 14:01:22 ID:3K4sm7VU
優しい、優しいか……?
鞭で叩くぞ?
股間を強打するぞ?

515 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 14:02:43 ID:hQ/gRcHS
>>506
別にそれでも良かった筈。
つか、わざわざ欲求不満や嫉妬、性的興奮なんかを
エネルギー源に利用するほうが普通じゃない

516 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 14:03:51 ID:h/p835nv
>>513
虚無に目覚めた後なら使えるみたいだな。
アニメでは使ってたし。

517 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 14:04:06 ID:Y8XcLGA1
>>509
投下かもーん

518 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 14:04:20 ID:lXxOF9Os
ハア、ハア…さてそろそろ支援だ、雑談やめるべさ

>>513
避難所の設定スレで聞いてみたら?

519 :S−02 星の使い魔:2007/09/09(日) 14:04:39 ID:bs0jJ09q

(……)

 ルイズは馬上で硬直していた。
 目の前にはでっけえ丸っこいピンク色の兎が一匹、その背には使い魔が約一名。
 兎の背には金髪の少年と、併走する馬上にはガチガチに表情を強張らせた貴族の令嬢。
 傍から見ているとかなり異様な光景ではある。


 ぴょ〜ん ぴょ〜ん ぴょ〜ん
(何よ……あーんなずんぐりむっくりの……)

 ぴょ〜ん ぴょ〜ん ぴょ〜ん
(ず、ずんぐりむっくりの、むっちゃらもっちゃらの……)

 ぴょ〜ん ぴょ〜ん ぴょ〜ん
(つぶれアンマンみたいな、ウサギ、なんて……)


 ぴょ〜ん
「……もきゅ?」
(はぅあぁぁぁぁぁ〜っ……!)

 振り返って小首を傾げるバーニィに悶絶するルイズ。
 はっきり言ってこの可愛さは凶器だ。
 可愛いは正義だ。ズール様は正義だ。ズール様は可愛い。もうワケ解らん。
 ちい姉さまが居たら自分の体調も省みず即座にお持ち帰りしていること間違いなしである。

「……ルイズも乗る?」
「い、いいわよっ! 私は乗馬が好きなんだからっ!」
 ムキになって拒否するルイズに対し、ああそう、とバーニィを宥めつつ前へと向き直るクロード。
 既にこのやりとり、道中で5度目である。
 それとなく乗り物を交換するくらいの機知や甲斐性は無いのかね、クロード君。

 結局、さらに3度ほど同じやりとりを繰り返して町に着いた。
 労うように微笑んでバーニィの頬を撫でるクロード。
 その後ろでは、ルイズが凄まじい形相で両手をわきわきさせている。

(せ、折角だから、撫でるくらい……ぎゅ〜ってするくらい……ふかふかするくらい……ッ!)
「ありがとう、バーニィ。帰りもよろしくね」
「もきゅ」

 最後にクロードが挨拶を済ませると、一声鳴いて風のように去っていくバーニィ。
 後には中途半端な体勢で固まったルイズが残された。

「まさかと思って試してみたけど、ここにも生息してるなんて……
 あれ、ルイズ? どうかしたの?」


 ルイズは激怒した。
 必ず、かの邪知暴虐の使い魔を除かねばならぬと決意した。




520 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 14:04:44 ID:U93tvSmN
>>514
わかってないな〜そこがいいんじゃないか

521 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 14:06:13 ID:TiWtSdwc
何故ごひとメロスがwww
カモンバーニィは両親譲りか支援

522 :S−02 星の使い魔:2007/09/09(日) 14:06:14 ID:bs0jJ09q

 王都トリスタニア、ブルドンネ通り。
 トリステインでも指折りの大通りというが、道幅はせいぜい三、四人が手を広げたくらい。
 馬車の行き違いでもあればそれだけで詰まってしまいそうな道路だが、
 それらしい事態が発生しないところを見ると、それなりに交通規制は行われているらしい。
 魔法が発達しているこの世界では、この程度の道路でも十分に事足りるのだろう。
 交通や運送の概念が根本から違うと考えれば、そこまで驚くようなことでもないかとクロードは納得する。
 そう言えば交通といえば、キュルケとよく一緒に居る背の低い眼鏡の女子が風竜を使い魔にしていたっけ。
 機会があれば、一度乗せてもらえないかな。気持ちよさそうだ。

 本日は虚無の曜日、いわゆる安息日ということもあって、
 通りの脇には露天や商店が並び、人々は忙しげに行き交っている。
 待ち合わせ場所も考えずに下手に単独行動を取れば、一発で迷子になりそうだ。

「何キョロキョロしてんのよ、山出しの奉公人じゃあるまいし」
「ああ、ごめんごめん」
 あんまり間違っているわけでもない、ご機嫌斜めな主の言葉にクロードは苦笑する。
 そういえば召喚された直後もこんなこと言われたっけな。

(それにしても、バーニィを触りたいんだったら一言言ってくれたらよかったのに)
 そらアンタ、それが出来たらルイズじゃありませんって。

「そうそう、ここはスリが多いから気をつけなさい。
 特にあんたなんて、ボンヤリしてるから危ないわよ」
「こんな感じで?」
「へ?」

 素っ頓狂な声をあげるルイズ。
 クロードの手には、見覚えのある財布が一つ。
 慌てて自分の懐をさぐってみれば、あるはずの財布が無い。

「……」
「……」


(メルヒェン時空が展開されました!)


          +
     +            +
  ウフフフフ        +
   +        アハハハハ
         +        +  
                   

「こぉら、クロード! 返しなさぁ〜い!」
「僕はここだよ、ルイズ。捕まえてごらん〜?」


     +      +
  ウフフフフ        +
   +        アハハハハ
        +         +  
 +             +      +   


(メルヒェン時空が消滅しました!)




523 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 14:06:14 ID:n+735cBq
基本的に善人だからな、ルイズ。
短所がそのまま長所でもあるタイプといえるだろうし、
なんだかんだで知識と能力はあるわけだから、補佐する人ががんばれば歴史に名を残せるタイプじゃないか?

524 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 14:07:57 ID:3K4sm7VU
支援

525 :S−02 星の使い魔:2007/09/09(日) 14:08:07 ID:bs0jJ09q

「この、この、この、泥棒犬〜ッッ!!」
「いや、その表現はおかしい」

 ルイズの無呼吸連打をクロードは肉のカーテンで受け流す。
 所詮は深海から生身で脱出する死刑囚でもないルイズの小さな体では数分と持たず、
 チアノーゼを起こしかけてゼェゼェと肩を上下させる。
 その背を撫でつつ、やれやれと苦笑するクロード。
 流石に毎度毎度似たようなパターンを繰り返していれば慣れたものである。

 果てさて、そんなこんなで二人がやって来たのは武器屋。
 大通りを外れた路地裏、いかにも怪しげな雰囲気がプンプンしている。
 それなりに平和な情勢において、正規品にしてもそうでないものにしても、
 人を傷つける道具を取り扱う店というものは肩身が狭くなるものなのだろうか。

 ルイズ曰く、使い魔たるもの、主を守るのが本分であり、そのためには武装も必要。
 決して先の決闘騒ぎを受けてクロードの身を案じたとか、そんなわけではない。
 彼女がそう言うのだからそうなのである。そうなんだってば。

 さて、クロードはクロードでもう一つ別の目的がある。
 自身の左手に刻まれたルーン『ガンダールヴ』の正体を見極めること。
 あらゆる武器を使いこなすという伝説の使い魔。
 果たして、自分が本当に件の存在であるのかどうか。
 それを確かめるには、実際に武器に触れてみるのが最も手っ取り早いというわけだ。

 何はともあれ、二人はドアを開ける。

「はぁい、ダーリン♪」
「……」

 思わぬ先客が二人。
 もりもりと脱力するルイズと、引き攣った顔のクロード。
 くねくねと体をよじらせるキュルケに、表情に変化の見られないタバサ。

「なんであんたらが居んのよ……」
「先回り」
「え、ええと、キュルケ、この間は、その、ホントに……」
「いやんダーリンったら! あれは悪いのはルイズよ、貴方が謝ることじゃないわ」

 わざわざ遠出してきたのに、これじゃ学院と変わらないじゃない。
 湧き上がる頭痛にこめかみを押さえずには居られないルイズであった。


526 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 14:08:18 ID:derutyq/
蝶・支援!!

ルイズは釘宮声のツンデレってだけで充分です。ダメな子ほど可愛い…正直ウザイが。
あと、全く脈絡なくマルコメがファーザー(キムタク)を召喚するのを夢想した。

527 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 14:08:53 ID:n+735cBq
投下にかぶった、すまない支援

528 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 14:10:05 ID:JgL5gGyR
支援
スペックも大概化物だな
ところでバーニイとやらはスターオーシャンの方で出てくるのかい?

529 :S−02 星の使い魔:2007/09/09(日) 14:10:31 ID:bs0jJ09q
「ほぉら、このレイピアなんてダーリンにぴったりだと思わない〜?」
「じゃかまっしい! コラ店主、もっと太くて大きくて立派なのを持ってきなさい!」
「はいはい、ただいま!」

 どこぞの猫と鼠よろしく仲良く喧嘩しているルイズとキュルケを尻目に、黙々と店内を物色するクロード。
 この二人のペースに巻き込まれては、何を掴まされるか解ったものではない。
 一通り見て回ったところ、基本的に品揃えの大半は剣であるが、銃も幾つか混ざっている。
 その一方で、鈍器や槍などは殆ど扱っていないようだ。
 この世界では剣以外の白兵戦用の武器は発達しなかったのだろうか。

「あ、この銃なんか良いね。これなら他の品も期待できそうだ」
 何気なく置いてある一つの短銃を手に取るクロード。
 するとその刹那、トリガーや反動の重さ、照準やリロードの癖など、
 まるで自分の体内に書き込まれるように、脳が、全身が理解してゆく。
 左手に目をやれば、件のルーンが静かな光を放っている。
 成る程、コルベールの言っていた『ガンダールヴ』の力とは、こういうことか。
 一方のルイズはキュルケとの闘争を一時中断し、目を丸くしてクロードに尋ねる。

「あんた、銃なんてわかるの?」
「うん、少しくらいならね。他のと違って随分作りがしっかりしてる。
 実弾はあまり撃ったこと無いけど、これなら何とかなるかな。
 すいません、これの予備弾とか、メンテ用の部品の在庫ってありますか?」
 何の含みも無く尋ねるクロードだったが、
 店主の表情が強張っているのを、タバサは見逃さなかった。

「その銃、ゲルマニア製の最新式」
 ポツリと呟くタバサ。
 すいません、ホントにこれ以上はカンベンしてください。

「あれ、このモデルって確か……まだゲルマニアでも量産されてないはずよ?」
 首を捻るキュルケ。
 先生、泣いてもいいですか?


 どう見ても違法な横流し品です。
 本当にありがとうございました。


「う〜ん、良い銃だったんだけど、しょうがないな……」
 結局、部品の在庫が無かったことと、予算の都合でこの銃に関しては諦めるしかなかった。
 カラシニコフでもあるまいし、予備部品も無しに銃を運用するのは無茶に過ぎる。
 金属の加工技術が殆ど発達していないトリステインでは尚更である。
 まあ、結果的にとは言えこの店でイニシアチブを握ることが出来たのだから悪くはないだろう。
 少なくとも、この先吹っかけられる心配はあるまい。

 他の銃も見てみるが、どうにもサイズが大きすぎて取り回しが良くなかったり
 部品の錬度が良くなかったりでイマイチしっくり来るものが無い。
 酷いものでは、軽く振り回すだけで螺子がガタガタに緩むものまであった。
 これは剣を使うしか選択肢が無いだろうか。
 だが、使うにしてもどれを選べばよいのやら─────

「けーっ! 若ぇ兄ちゃんなら銃なんかじゃなくて剣使えっての、剣!」
「偉そうなこと言ってんじゃねぇ!『刃無しのデルフ』が!」
 クロードでも店主でもない男性の声と、誰も居ない方向に怒鳴り返す店主。

「やかましい! 俺ァそんじょそこらのナマクラとは訳が違ぇーんだよ!」
「あーもう、てめーの法螺は聞き飽きた!
 ったく、マトモな剣ならとっくに潰して作り直してやってるところだぜ!」
「はッ、テメーみたいな三文武器屋に潰されるデルフリンガー様じゃねえやい!」


530 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 14:11:54 ID:3K4sm7VU
支援

531 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 14:12:25 ID:KUEtghMr
メルヒェン支援

532 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 14:12:26 ID:tmOyYRfG
ゲーム設定が適用された瞬間カオスにwww

533 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 14:12:42 ID:JgL5gGyR
支援

>>515
つかえるのか
サンキュー
> つか、わざわざ欲求不満や嫉妬、性的興奮なんかを
> エネルギー源に利用するほうが普通じゃない
おい誰かクロウリー呼んでこい
リアルの方で

534 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 14:13:00 ID:n+735cBq
銀河連邦に実弾式の銃ってあるのかな支援。

535 :S−02 星の使い魔:2007/09/09(日) 14:13:49 ID:bs0jJ09q
 たちまち巻き起こる激しい罵り合い。
 一同がキョトンとしていると、それとなくタバサが呟く。

「……インテリジェンスソード?」
「へえ、左様で。ただ、この野郎は普通の品とはちょいと毛色が違いやして……
 ま、現物を一度見てくださった方が早いでやしょう」

 タバサの問いにへどもどして答え、ちょいちょいとある一角を指す店主。
 一番近くに居たのはルイズだったため、声の聞こえてきた方向に目星を付けて当たりを探す。

「お〜い、ここだここ。ここだよ、娘っ子」
「ええっと、これかしら……って、何これ。柄だけで刃が付いてないじゃない」
「へえ、いかにも。
 何しろ珍しい品ですから、好事家のお方にでも高く買って頂けると踏んで拾って来たはいいものの……
 どうにも口の減らねえ野郎でして、こちらとしてもほとほと困り果ててるんで、はい」

 頭を抱え、掻き毟る店主。
 刃の無いインテリジェンスソード、確かに珍品中の珍品だ。それも、実用性皆無の。
 こんなものをわざわざ作るのは相当な変わり者、なおかつ余程の暇人だろう。
 よほどの物好きでもないと買わないだろうし、逆にその手の人間なら吹っかけることも出来そうだ。

「確かに、こんなもん飾りにしかならないわよねえ……子守兼お稽古にでも使うのかしら?」
「あン? ふざけんな、小娘。
 何が悲しくて俺様がテメーみたいなちんちくりんの面倒見なきゃいけねーんだ」
「なぁんですってぇッ! 融かして潰して作り直……せないわね、そのザマじゃ」
「へッ、テメーらなんぞに潰されるデルフリンガー様じゃねえっての」
「あら、じゃあ私が試してみようかしら」
「ほ〜う、そっちの嬢ちゃんは火のメイジかい。
 だったら先に、その腹やら二の腕やらに付いた要らねえ脂を燃やした方がいいんじゃねえのか?」
「……駄目、キュルケ。店の迷惑になる」

「……どうした、兄ちゃん?」
 会話の輪に加わろうとしないクロードに、店主がそれとなく声を掛けた。 
 クロードは輪の中心、喚き続ける柄をただ凝視し続けている。
 その表情は、まるで恐ろしい化け物でも見るかのよう。
 兄ちゃん、まさかコイツの法螺を真に受けてるんじゃないじゃないだろーな。

「まあ、確かに珍しいもんだとは思うが、
 こいつぁそんなに深刻になるほどの代物かね?」
「ええ、実は……その、少し気になることがあるんです。
 ルイズ、ちょっと見せてくれないかな?」
「え? ええ、別に良いけど……何でこんなもんが気になるのよ」

 ホント、何をそんなにビビってるんだか。ただの騒がしい飾り物でしょうに。
 怪訝に思いながらもルイズは喚き続ける柄をクロードに手渡す。
 するとどうだろう、途端に柄は必要以上に達者な口(?)を噤み、
 いやに神妙な様子で話し始めたではないか。

「ほう、おでれーた。お前さん……『使い手』か。
 とすると、お前さんが『観測者』だな」
「『使い手』? それに『観測者』だって?」
 クロードが眉を顰める。

「さあな、俺にもよく解らん。忘れちまったよ。
 まあ、それはそれとして、だ。お前さんになら俺をどうすればいいのか……解るよな?」
 デルフの問いに対するクロードの回答は、沈黙。
 無言のまま鍔のところをちょちょいといじってスライドさせると、
 ディスプレイが現れて文字の羅列が踊りだす。
 思わぬ細工に一同が驚くが、その様子も目に入らぬとばかりにクロードは作業を続ける。
 浮かび上がる文字は読めなかったが、その意味と為すべき事は理解していた。

536 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 14:14:03 ID:KtHQZWnM
>>528
SO界でのチョコボと思えばおk
カモンバーニィのスキルってパーティメンバーが複数ないと使えないんだよね支援

537 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 14:15:16 ID:n+735cBq
やいば無き剣支援
あれはどう考えても光の剣だよな

538 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 14:15:28 ID:3K4sm7VU
支援

539 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 14:16:10 ID:JgL5gGyR
支援
>>536
サンキュー
スターオーシャンにも興味が出てきた
DODもクリアしてないのに……

540 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 14:16:39 ID:PTE952zx
支援


541 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 14:16:43 ID:d8QOqKr0
このデルフはハイテクか!?支援

542 :S−02 星の使い魔:2007/09/09(日) 14:16:57 ID:bs0jJ09q
 それは遥か古の昔に失われた楽園。
 世界の始まりと終りたらんとするほどの力と知恵を持ち、
 その巨大さ故に自ら世界という舞台から退いたものたち。

「──────プロテクト解除コード『N・E・D・E』」


「んなっ!?」
「ええっ!?」
「嘘っ!?」
「……!?」

 その場に居た全員が目を剥いた。
 柄だけの剣から、忽然と光輝く刃が現れたのだ。
 タバサかルイズの背丈近くもある、それは見事な大剣である。
 まるで飾り気の無いその刀身は、むしろそれが純粋な武器としての美しさ、神々しささえ感じさせる。
 ワケのわからない刃の具現といい、実はこれってメガトン級の掘り出し物?

「何だこれは……たまげたなあ」
「へへっ、おでれーたか! これが俺、デルフリンガー様の真の姿よ!」
 店主はポカンと口を開け、デルフの言葉に反論も出来ずに呆然と見上げている。
 他の3人も大体似たような表情、タバサさえもが目を見開いて言葉を失っている。

 方向性に若干の違いがあるにせよ、驚いているのはクロードも同じである。
 白兵戦の訓練で多少の剣術は齧っていたものの、それは高々刃渡り60cmほどの一般的な長剣によるもの。
 彼の手元にあるのは、それに倍するほどの、両親の戦友である豪放なハイランダーの我流剣士が扱うような大太刀である。
 それがまるで、長年の修練を積んできたかのようにしっくりと手に馴染む。
 短銃のときと同様に左手に目を落とせば、やはりと言おうか、ルーンが力強く光り輝いている。
 どうやら、想像以上にこのルーンは強力な代物らしい。

 そしてそれ以上に、この剣の秘めた恐るべきポテンシャル。
 現在の地球の技術力では、物理的な特性を兼ね備えたレーザーブレードはまだ作れないはずだ。
 その一点だけでも既にクロードの常識を超えているというのに、
 こんな代物が何故こんな辺境の未開惑星に存在している?
 オーバーテクノロジーどころの話ではない。

 しかも、それに自我と意識を持たせている、だと?
 一体誰が、何のために、どのような意図を込めて、こんなものを作ったのだ?
 自律型兵器ならばまだしも、何故わざわざこんな形をとる必要がある?

(それに、さっきの『観測者』という言葉……まさか、僕がこの星にやって来たのは、偶然じゃないとでも?)
 運命の神の悪戯か、或いは見えざる絶対たる存在に、クロードは戦慄した。

「ふ〜っ、しっかしこの姿も随分と久しぶりだぜ……
 どれ、一つ格好でも付けてみてくれねーか、相棒?」
 そんな一同の様子など何処吹く風と、浮かれた調子でデルフは言葉を紡ぐ。
 デルフの促しを受。、それも一興とクロードは小さく頷き、ブゥンと刃を走らせる。
 ひっ、と店主が喉を鳴らすが、光は空を切り裂いただけ。商品にも店にも傷一つ無い。


 それからの数分は、曰く言いがたい、恐ろしくも幻想的な光景であった。
 雑然とした店内を流星が縦横無尽に走り抜け、時にルイズたちの髪や服すらも揺らす。
 そんな嵐のごとく吹き荒れる剣閃の渦中にありながら、
 店内の何一つ傷つくどころか、乱れすら生じていない。

 そして、荒れ狂う流星の尾には、まるで余韻のように煌く星屑。
 思わず捕まえようとしたルイズだったが、指に走る衝撃に思わず手を引っ込める。
 何らかの魔力を秘めているのだろうか、どうやらこの星屑にも攻撃力があるらしい。

 ───掘り出し物などというレベルではない、これは途轍もない魔剣だ。

543 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 14:17:36 ID:n+735cBq
>>536
ロニキスパパンから、バーニィホイッスルでももらったんじゃないか?支援

544 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 14:18:26 ID:lXxOF9Os
やっぱりビーム?ソードか支援コーホー

545 :S−02 星の使い魔:2007/09/09(日) 14:18:38 ID:bs0jJ09q
 やがて光の奔流は次第に終息へと向かい、後には一振りの大太刀を携えた少年が残された。
 肩で息をするクロードに、やがて4つの拍手と賞賛の声が降り注ぐ。

「こりゃ凄え、剣舞としてもなかなか見られるもんじゃねえぞ!」
「信じられない……あんた、意外と才能あるんじゃないの?」
「凄いわダーリン、私ったらもう蕩けちゃいそう〜!」
「足運び、太刀筋、体捌き……非の打ち所が無い」

 その拍手を、歓声を、クロードはひどく醒めた心で聞いていた。
 まるで、コンサート会場に取り残された迷子のように。
 その心を感じ取ったデルフが、申し訳なさそうに尋ねる。

「……なあ、相棒。何がそんなに気に入らねえんだ? 何か俺に不満でもあったか?」
「……お前のせいじゃないさ」
 そう。何時だって、僕をこんなに苛立たせられるのは、苛立たせ続けてきたのは、僕だけだ。
 心の底で吐き捨てるクロード。
 未だ力強く光り輝くルーンに目を落とし、胸を残る割り切れない感情に表情が曇る。

 この魔剣は確かに強力な武器だ。
 しかし、これを操るのは自分の力でなく、このルーンの力に過ぎない。

 強大な力でもって、親しい人を守ることが出来るのは悪いことだとは思わない。
 でも、所詮これはルイズとのコントラクト・サーヴァントの際の副産物、『貰い物の力』でしかない。
 己に属さぬ、己が振るいうる圧倒的な力。
 それがまるで、これまで19年間背負い続けてきたものを思い起こさせるようで。
 自分の考えすぎだと解っていても、そう感じずにはいられないのだ。

「……」
 今のクロードの胸にあるのは、どうしようもない虚脱感と不安だけだった。
 それに伴い、左手のルーンからも光が消えていく。
 幸いにも、演舞の興奮の余韻に紛れてこちらの様子は気付かれていないようだ。
 出すもの出してさっさと帰ろう。
 そう考え、懐から財布を取り出そうとするクロード、だったのだが。


 カシャンッ
「あ」

 預かっていた財布と一緒に入れていた通信機を、うっかり落っことしてしまった。

 コツンッ
「あ」

 そして、さらに弾みで蹴飛ばしてしまった。

 コツンッ
「あ」

 さらに、たまたま転がってきたポイントの近くに居たキュルケが蹴飛ばし、半開きのドアから店の外に飛び出してしまった。

 コツンッ
「「「「「あ」」」」」

 さらに、通りすがりの見知らぬ足が見えないところにまで蹴飛ばしてしまった。





「あ───────────────ッ!!!」

546 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 14:18:59 ID:tmOyYRfG
なぜネーデの武器が支援

547 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 14:20:13 ID:KUEtghMr
ちょ、偶然重なり呆然の「あ」乱舞www
支援

548 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 14:20:17 ID:JgL5gGyR
支援
文中の表現的になんか終盤で手に入る専用装備とかそんな勢いだなデルフ

549 :ほしをみるひと:2007/09/09(日) 14:20:19 ID:bs0jJ09q
以上、今回はここまで。
すまん、デルフ。 や っ ち ま っ た よ 。
一体彼はどれだけの伏線を握っているのか、こっちでも把握しきれやしません。
ちゃんと生かせるかなあ。生かせたらいいなあ。ま、ちょっとは(ry
デルフの刀身はライトセーバーかゴルンノヴァか、お好きな方で脳内再生くださいまし。
なお、バーニィの鳴き声は超適当。
しかし、2より1のネタが多い気がするのは何故だろう。

では、またお会いしましょう。
さよなら、さよなら、さよなら。



(おまけ)

デルフリンガー

謎のテクノロジーで作られた、自我を持つ魔剣。
光学兵器でありながら物理的な特性も併せ持っている。
対紋章術、魔法戦闘に特化した特性を持つが、詳細は不明。

攻撃力:1080 防御:50 回避:30 GUTS:50
攻撃属性:無・星  防御属性:全属性半減

:備考:
攻撃時に星屑(属性なし)が飛び散って追加ダメージ。
魔法(紋章術)によるダメージの5%をMPに変換する。
ただし、その際に偶にコントロール不能になる。

550 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 14:20:53 ID:Nc+RyOuT
メガトン級がメガトロン級に見えて
ああ、そりゃ掘り出し物だなと思ったよ支援

551 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 14:22:12 ID:tmOyYRfG
何その化け物性能wwwwwww

552 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 14:22:40 ID:n+735cBq
GJ!!

>しかし、2より1のネタが多い気がするのは何故だろう。
問題なし、俺は2より1のほうが好きだ。
ロニキス提督がすばらしい。

553 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 14:22:49 ID:7hse/gj5
ただし刀鍛冶(1仕様)でなまくら剣になる。

554 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 14:23:09 ID:KtHQZWnM
GJ
てかデルフがラスト近くで貰える最強剣より性能いいじゃねーかw

>>539
好みの問題もあるだろうけど買うなら1か2がいいと思う
3は色々とアレ

555 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 14:23:15 ID:d8QOqKr0
GJ

ゲームで星が飛び散るといえばエターナルスフィアだっけか?

556 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 14:23:54 ID:U93tvSmN
KUROUDOもといDERUFU降臨支援。
ビーム刃のえねるぎいはどこから供給しているんだ。

557 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 14:24:06 ID:/9nmuWKj
おいおい試練の洞窟ってレベルじゃねーぞwww

558 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 14:25:25 ID:U93tvSmN
ようこそ厨房の世界へ

559 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 14:25:55 ID:lXxOF9Os
GJ!しかし、ゲームにこの手の非実体剣ってあったっけか?

560 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 14:26:26 ID:n+735cBq
>>554
正しくはアイテムクリエーションでのみ手に入る最強武器だな。

561 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 14:27:58 ID:gu+ai3CT
クリエーションで苦労して作るのより隠しダンジョンで拾えるのの方がはるかに強いのは当時驚愕した

562 :ほしをみるひと:2007/09/09(日) 14:29:47 ID:bs0jJ09q
なお、デルフの数値はセイクリッドティア(反物質剣・攻撃力1250)、エターナルスフィア(最強剣・攻撃力1600)、
フォースソード(ネーデで出回ってる一般的なレーザーソード・攻撃力908)辺りを比較対照としています。

流石にレヴァンテインとファーウェル出すわけにもいかんわなあ……

563 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 14:31:14 ID:3K4sm7VU
>>520
そこがいいのか!
俺にはわからん。

564 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 14:35:13 ID:/9nmuWKj
>防御属性:全属性半減
>偶にコントロール不能
この辺が厨っぽさを加速させてる要因な気がする。

565 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 14:38:35 ID:DbjzHE0Q
デルフがチンケスレイヤー辺りになってりゃ面白みも出たんだろうが…
何たるDERUFU。

566 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 14:39:58 ID:l9hDtHOe
むしろワルドスレイヤーでレイドアタックしかけてくるワルドの群れをだな

567 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 14:40:07 ID:h1xw366d
>>515
>>わざわざ欲求不満や嫉妬、性的興奮なんかを
>>エネルギー源に利用するほうが普通じゃない

性的興奮を力にするエロルイズや嫉妬力の黒ルイズを見たい俺は少数派ですか?

568 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 14:41:18 ID:p8pvjSRx
気合をエネルギー源にすればいい。

569 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 14:42:46 ID:LbKiSFkI
>>568
なんという螺旋力

570 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 14:43:32 ID:7hse/gj5
んじゃいまふった6を取り除いて気合にするよ。

571 :ほしをみるひと:2007/09/09(日) 14:44:52 ID:bs0jJ09q
デルフのスペックは調子に乗りすぎたか。
今更言い訳がましいですが、一発ネタのつもりだったんです……

スレを荒らしてしまったようで申し訳ない。陳謝。

572 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 14:46:40 ID:kK6a6P9+
何も知らずに隠しダンジョンに挑んでしまいラスボス戦が数分で終わっちゃったのはいい思い出。

573 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 14:51:36 ID:n+735cBq
まぁ、SOシリーズ自体最高ランクの武器はふざけているものが多いからなぁ。
普通にそのクラスの武器が手に入ると萎えるのは確かだが、
デルフが伝説の武器である以上、その手の武器に引けをとられても困るのも確か。

そういう意味で、原作はべただが上手いよな。

574 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 14:52:35 ID:/9nmuWKj
>>571
外伝とかならともかく本編、しかも今後もしっかり使っていく武器で一発ネタは厳しいと思うぞ。

575 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 14:54:46 ID:7hse/gj5
とりあえず知の場のボス戦にエターナルスフィアで突っ込んでリンクコンボ数が凄いことになったのもいい思い出。

フィアの飛翔剣、レイヴンソードをクロードが使えるようになったか凄いことになりそうだ。
スリーウェイとスリーバレイをリンクコンボで乱打するだけで勝てる。
むしろ通常攻撃だけでも勝てる。武器弱いから最強武器がフォースソードになるんだが。

剣術系に関わりそうなスキルって、
エダール剣技、がりゅうけん、エダール剣技+、レイヴンソード、かくとうじゅつ、
四聖獣奥義、ねこ奥義、七星奥義、皇竜奥義、八卦奥義、裏桜花、武神奥義以外に何か在ったっけ?

576 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 14:55:33 ID:KtHQZWnM
>>568
ダンクーガ?

577 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 14:56:35 ID:l9hDtHOe
>>573
一応理論上は小惑星を破壊出来るとかだからねぇ、シナリオ上で手に入る最強武器で

578 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 14:57:41 ID:4sk/hw1f
小ネタ投下行きます!

579 :ギーシュと幕張猿人ゴリ:2007/09/09(日) 14:59:01 ID:4sk/hw1f
結論から言うと僕、ギーシュ・ド・グラモンの
春の使い魔召喚の儀式は最悪の結果に終わった…
そしてこれは僕の人生最大の危機の序曲だったのかもしれない。

僕の召喚で現れたのは人間だった。いや、それだけだったらただの想定外だし、
可愛い女の子だったらむしろ嬉しかったんだろうけど
今、僕の目の前に居るのは眼光も鋭く、むやみと彫りの深い
ゴリラの凄みをさらに増強したような顔つきの
オーク鬼すら視線を合わせれば気合負け確実のバーバリアンだったからさ。
着ている物からして女なんだろうけど
きっと元居た場所では名のある戦士として名を馳せていたに違いない。
だってあの眼光は平民であれメイジであれそうそう会得できるものじゃない、
相当な修羅場を切り抜けてきた猛者のそれだろう……
ハハハ…実に強い使い魔になりそうだよ…

でもミスタ・コルベール、そして始祖ブリミルよ。
これは実用本位って言うレベルじゃありません…第一、人間の使い魔なんて
前例がありませんじゃないですか!?

だがそんな僕の血の叫びは即座に否定を持って答えられた。
「あ〜…一人の同性、いや、人間として君に同情したいのは山々なんだが
これはお約束、もとい、伝統なので私の一存でやり直しは許可できないんだ…」

ああ、ミスタ・コルベールの、というか同情の視線の視線が痛い。
あのルイズですら僕に哀れみの視線を送ってきてるし。
頼む、そんな目で僕を見ないでくれ…余計に惨めなだけじゃないか。
しかもゴリ(仮名)は空気も読まずに恋知り染めし乙女の目で僕を見つめているし…

結局はやるしかないのか…
僕は今、コントラクト・サーヴァント為に
無実の罪で処刑場に連れて行かれる囚人のような気分で
自ら呼び出したそれの元へと歩き出す。
足が足枷でもつけているかのように重く、
周囲の視線は同情しつつも何も出来ない大衆のそれに感じられたよ……

580 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 15:00:20 ID:4sk/hw1f
そして気が付くとそこは医務室だった。
なんでもコントラクト・サーヴァントの直後に倒れたとの事だ。
それとルイズは平民の男を呼び出したらしい。平民ねぇ。
まあ、ゼロのルイズにしては良い方だと思うよ。
少なくとも僕よりはね…

そして僕の隣にはあの使い魔が居る…名前はスズキチエコ。
頬を赤くしながらそう名乗った彼女はヒロスエリョウコ似らしい。
っていうかヒロスエって誰だ?君に似ているって事はそれって本当に人間なの?
もう何もかもどうでも良くなった僕は再びベッドで目を閉じた。
少なくとも夢の世界でまで彼女に会わない事を祈りつつ…

「早く良くなってね♪ギーシュ♪」

チエコが僕の耳元でそっと囁く…
うう…何も考えたくない、見たくない…

終わり

581 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 15:02:50 ID:tfxaoEm7
ギーシュマジ泣きw

582 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 15:05:22 ID:ZxOS4VnE
哀れギーシュww そのうちいいことがある………はず

583 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 15:07:07 ID:kVwyKA7E
ギーシュ君;;

584 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 15:07:40 ID:tmOyYRfG
懐かしいなwww
最終的にコイツどうなったっけ

585 :星界の使い魔:2007/09/09(日) 15:13:18 ID:kVwyKA7E
次、投稿させてもらいますね!
前回は皆さんに大変ご迷惑をおかけして、申し訳ない;;
今回はあのようなことはございません。

586 :星界の使い魔:2007/09/09(日) 15:16:25 ID:kVwyKA7E
今回はラフィールの種族、アーヴについてかなり詳しく説明してます。
時間系列は0話と1話の間の0,5てな感じの出来事です。
どうか、よろしくおねがいします。

587 :星界の使い魔:2007/09/09(日) 15:17:58 ID:kVwyKA7E
星界の使い魔 0.5




アーヴとはなにか。
機械の部品である。
彼らにとって子供とは交換用部品にすぎない。
自らが摩擦し果てる前に、
機能を引き継がせる対象だ。
では、その機械とはなにか。

『アーヴによる人類帝国』という巨大でしかも邪悪な機械である。
なおその存在を許せば、ついには人類社会がすべて呑み込まれてしまうであろう。
破壊しなければならない。

―― 『人類統合体』のとある議員の演説より抜粋





名乗ってはみたものの、どうも重大なモノをすっぽりと忘れている様な気がする。
う〜ん、もう少しで思い出せそうなのだが――
「もう一度言うけど、ここはハルケギニア大陸のトリステイン王国のトリステイン魔法学院って所よ」
ラフィールが何か思い出そうと頭を捻っているとルイズが説明しだした。
二人はルイズの部屋へと向かっている途中である。
「トリステイン王国のほかには帝政ゲルマニア、ガリア王国、アルビオン王国、ロマリア皇国などがあるわね」
「ほう、そうなのか」
まずは世界事情をと、ルイズは語り始めた。
ときおりラフィールは魔法のトレーニング中の学生をみては、おーだとか凄いなと呟いた。

「おお!れびてーしょんとやらは何度見ても凄いな!!」
ラフィールの視線の先には、女学生が4階の部屋に文字通り飛び込んで行った。バフッて効果音がしてきそうであった。
「あれは『レビテーション』じゃなくて『フライ』よ、それにあんなの普通なんだからね!」
ルイズは心底悔しがった。自分もフライやレビテーションを使えたら、ラフィールを喜ばす事ができるのに。
それに、憧れの『あれ』、つまり窓の外から自分のベッド目掛けて思いっきりダイブする事ができるのに!!


ルイズが色々と説明している内に、ルイズの部屋の前まで着いた。
「あ、言い忘れてたけど魔法を使える者は『メイジ』と呼ばれ、尚且つ『貴族』でもあるの。だからこの学院生と
教師は皆が『貴族』なの。くれぐれも粗相の無いようね?」
ルイズはそう言いながら鍵で自分の部屋の扉を開けようとした。


588 :星界の使い魔:2007/09/09(日) 15:19:17 ID:kVwyKA7E

貴族―― 貴族―― 地上人の貴族―― ・・・・!!
「そうだ、ジント!!」
ラフィールは思い出した。ルイズのその言葉で。
なんでそんな重大な事をいきなり忘れていたのであろか――
くそっ、私としたことが!任務がいかに神聖かを!そしてこれが私の初めての任務だということを!!
あの者を!ジントを!リン・スューヌ・ロク・ハイド伯爵公子を帝都に送り届けることを――
ラフィールは走り出していた。自分が目覚めた場所、あの平原へと。
何か手がかりがあるはずだ――

「あれー?なかなか開かないわね、っと開いた!ラフィール、これが私のへ―― 」
ルイズが振り向く先にラフィールは居なかった。
「あれ、ラフィール?」
ルイズがキョロキョロしていると、モンモランシーが尋ねて来た。
「ルイズ、あ、あなたの使い魔のえ、エルフだけど、物凄い勢いで階段を下って行ったわよ?」
恐怖と不安のさなか、モンモランシーは勇敢にもルイズへ知らせに来たのだ。
「えぇ!?それってどっちの階段?」
「に、西階段の方よ」
「ありがとう、モンモランシー!」
「つ、使い魔くらいちゃんと躾ときなさいよー!!!」
ルイズはラフィールを探しに出かけた。


「はぁ、はぁ」
ラフィールは全速疾走で女子寮を飛び出し、ルイズと共に歩いてきた道を逆走する。
流石に疲れるな――
アーヴは大体において、その一生を宇宙空間で過ごすのである。
アーヴの標準重力は0,9から1『デモン<標準重力>』であり、その標準は大抵の地上世界の半分である。
つまり、今ラフィールは普段より二倍近い重力下の中全力で走っている。
しかし、もともとアーヴの体と言うのは超重力に耐えれるように構想されている。
だが、これがラフィールにとっての初の地上世界なのだ。やはり、慣れないものは疲れる。
「まさか、空気に臭いがあるなんて気づかなかった―― 」
ルイズと一緒に居た時には気づかなかったそれを今感じる。
宇宙空間で過ごすアーヴにとって、空気とは純粋な酸素であり、土や海などの臭いがついていない無臭のことを指す。
もちろん、アーヴは庭園を持つものもいれば、花園を営むものも居る。
ラフィールの住むクリューブ王宮にも立派な庭園がある。しかし、こんなに濃くは無かった。
纏わりつく風が、空気が、草木の香りが、何もかもがラフィールにとっては不快に感じる。
どうもルイズ、あの者の近くに居ると調子が狂うらしい。自分がアーヴでは無いような気がしてくる。
そもそも、私が任務をあんな簡単に忘れるわけがない――
洗脳魔法の類にでも掛けられたのか?まさかあの使い魔のルーンとかいうのではなかろうな!?
左腕の裾をめくりそれを見やる。
どことなくアーヴ語に似ている文字が刻み込まれている。しかし読めない。
「くっ。まさか、奴隷の印とでも刻まれているのではなかろうな?」
そう思いながらラフィールは目的地まで駆けていく――

「はぁ、はぁ、何か、何かあるはずだ―― 」
目的の平原についた。日は降り始めている。
「あったぞ!!」
遠くの方で横たわる何かを見つけたラフィールは駆け寄る。
「こ、これは!!はぁ、はぁ」
ラフィールがスファグノーグに着陸する前に用意しておいた緊急避難用バッグだった。
荒い息のまま中身を確認するラフィール。
多数の非常食と凝集光銃の光源弾倉、薬品とちょっとした用具が入ってあった。
「よし!」
これでしばらくは身の危険からは免れると確信したラフィールの歓声。
「とりあえず、もうすこしこの辺で探して見るか 」
黝い髪のアーヴ少女は瞳に希望を宿しながら周囲を探索し始めた――

589 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 15:21:16 ID:5vGNB03J
支援


590 :星界の使い魔:2007/09/09(日) 15:21:57 ID:kVwyKA7E

ルイズは学院内を駆け回った。ラフィールが突然どこかへ行ってしまった所為か、普段の冷静さを失っていた。
ラフィールが行きそうな所を思い浮かべてはそこへ行く。一通り学院内を回り終えたルイズは、
ラフィールが既に部屋に戻っているのではないかと思い、寮へと一度戻った。
しかし、ラフィールはそこには居なかった。寮内にいた生徒にも聞きまわったが返事は皆、知らないの一点張り。
ただ一人、一年生の娘がずっと前に、青い髪のエルフが寮を勢い良く出て行ったのを見たと言っていただけだった。
嫌な予感がした。頭に過ぎるのは、周囲に馬鹿にされ虐げられる自分。
『ルイズ、ゼロのルイズ!!使い魔にも逃げられた、まさに使い魔『ゼロ』のルイズ!!』
しかし、ルイズの妄想はすぐに掻き消された。ラフィールの顔が浮かんだからである。
ラフィールは、ラフィールは私から逃げる様な娘じゃない!!
だって、あんなに嬉しそうに名前を教えてくれもの!
ルイズはもう一度ラフィールを探しに寮を出る。


ちょうど学生寮を出てすぐ先の噴水の麓にギーシュとケティがいた。
沈み行く夕日をバックに美男子と美少女が優雅に会話を楽しんでいる。
「ギーシュ様、この前のラ・ロシェールでの散歩はとても楽しかったです」
ケティの可愛らしい微笑がギーシュを見やる。
「そうかい、ケティ。君のためなら僕はどんな所だって連れて行ってあげるよ!」
両手を広げてギーシュは叫ぶ。その仕草は正に精錬された舞台俳優の様だ。
「まぁ、ギーシュ様ったら!たとえ嘘でもそのように言ってくださってケティは幸せです♪」
「嘘なもんか!このギーシュ・ド・グラモン、ケティに頼まれれば例え火の中、水の中―― 」
ギーシュがまるでバレエを舞う様な仕草で言っていると、ケティがそっと近づきギーシュの頬に軽くキスをする。
「あ、あの。これも受け取ってもらえませんか!」
キスをした後すかさずケティは言いながらペンダントを取り出す。
「これは?」
頬を少し赤く染めたギーシュが尋ねる。
「はい、我が家に伝わるお守りのペンダントです」
ケティは頬を赤く染めながら言葉を続ける。
「その、は、初恋の相手にこのお守りのペンダントを渡すのが我が家の伝統なんです!!」
カーっと真っ赤に頬を染めるケティをそっと胸に寄せ、それを受け取るギーシュ。
「ありがとう、ケティ。そうだ、僕からも贈り物をあげよう」
そう言うとギーシュは、自分の持っていた少し小さめの造薔薇をケティの左耳付近にそっと挿す。
「とっても良く似合っているよ、ケティ。ペンダントに比べたら大した物じゃないけど、今はこれで我慢しておくれ?」
「そ、そんな!!私は大変うれしゅうございます!」
そんな甘く切ない青春の一ページを二人がしているさなか、
学院中走り回って血走った目をしたルイズが行き荒げに近づいてきた。

「ど、どうしたんだいルイズ!?」
「どうなさったんですか、ミス・ヴァリエール!?」
二人がハモった。
「ら、ラフィール知らない?私の使い魔の・・はぁ、はぁ」
「ひっ」
その血走った目のルイズの顔が恐ろしかったのか、ケティはギーシュの背に隠れてしまった。
「ぼ、僕は知らないけど。ケティは?」
ケティはギーシュの後ろで横に小さく顔を振った。
「そ、そう。あ、ありがとうね。はぁ、はぁ」
日ごろ走ったりしないルイズは、慣れないのに学院中を長時間走り回ってくたくたなのである。
「君の使い魔、え、エルフだっけ?どうしたの?」
ギーシュは、思い出したくない事実を思い出し尋ねる。
「と、突然いなくなっちゃったの。そ、それに誰かが、勢い良く寮を出て行ったのを見たって言ってたわ。はぁ、はぁ」
「あ、それってもしかして使い魔さん、自分が召喚された所に行ったのかも。落し物でもしたんじゃないですか?」
ギーシュの後ろでケティが人差し指を上げて言った。


591 :星界の使い魔:2007/09/09(日) 15:23:05 ID:kVwyKA7E

「「それよ!!!はぁ、はぁ」」

「ひっっ」
ルイズの叫びにまたもやギーシュの背にしがみつくケティにギーシュはおろか、ルイズまでもが『発芽<萌え>』した――
「そ、それじゃあ、私は行くわね。ありがとね。はぁ、はぁ」
「あ、ああ」
そう言うと、ルイズは走り去って行った。
「『ゼロ』のルイズなだけに、使い魔に逃げられたのかな?」
「もう!ギーシュ様、学友を罵ってはいけませんわ!」
ギーシュの言葉に、頬を拗ねるケティ。
「ごめん、僕の可愛いケティ」
そういうと、ギーシュは軽くケティのおでこにキスをした。
「もう、ギーシュ様ったら♪」



「はぁ、はぁ。ほかに何も見つからぬか」
ラフィールは平原一帯をくまなく探したが、バッグ以外のものは何も無かった。
となると―― ラフィールは平原の西を見やる。そこには森があった。
「いってみるか、何かあるかも知れぬであろ―― 」
ラフィールには、ルイズの元へ帰る気はさらさらなかった。
任務を盛大に妨害された上、変な洗脳じみた魔法を自分に掛けてきたのだ。次に会ったら、タダでは済まさぬ。
そう思いながらラフィールは森へと移動していた。
ラフィールは軍人である。まだ修技生<見習い>ではあるけれど。
ラフィールが所属する軍の名は『帝国星界軍<フリューバル・ラブール>』である。
『アーヴによる人類帝国』の軍事力を担うと同時に、政治、行政の大部分を動かす、帝国そのものといえる組織である。
それ故に、星界軍の任務は神聖であるとすべてのアーヴ<星たちの眷属>は心得ている。

では、アーヴ<星たちの眷属>とは何者であるか――
『アーヴ』という言葉には社会的な意味と種族的な意味の二つの側面がある。
社会的な意味とは、皇族、貴族、士族などの総称を言う。
もう一つは『遺伝的な意味』をなす。それは、『地球人類』を遺伝子的に改良し、宇宙空間での生活に適用させた変異人類を指す。
地上世界出身者がアーヴになるにはどうしたらいいのか?
手っ取り早いのは、星界軍に入り、『翔士』にまでなることで『士族』の位を授かる。位を授かった者は種族を問わず『アーヴ』と呼ぶ。
もちろん、さらに昇格していくことで『爵位』を授かれる。こうした、社会的に『アーヴ』となった地上人には、
子供を遺伝的な『アーヴ』に作りあげることが義務付けられている。地上人は二代かけて完全な『アーヴ』になるのだ。


592 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 15:23:53 ID:p8pvjSRx
・・・・・・・・・支援・・・・・・・・・・

593 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 15:24:04 ID:OBBvsZt3
アイドルマスターXENOからインベル召還。










・・・ル、ルイズとタバサ逃げてー

594 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 15:24:10 ID:U93tvSmN
設定はキャラで語るな文で語るな筋で語れ支援

595 :星界の使い魔:2007/09/09(日) 15:24:10 ID:kVwyKA7E

次に種族的なアーヴの特徴について。
平均寿命は250歳。すべてのアーヴが『青系統の髪』で『美系』かつ『不老』である。遺伝子工学の賜物である。
彼らは誕生から15歳くらいまでは普通の人類と同じ速度で成長する。それから25年ほどかけて、人類的に言う10歳ほどの
外見的成熟をする。そして、生涯をそのまま老いることなく過ごすのである。
基本的に人工子宮で子供を作る。自然受胎もできるが、遺伝子が大きく改変されている為、約2%の確立で子供に障害が生まれる。
アーヴ以外の種族との間の自然受胎はほぼ不可能である。故に、シエスタ一族がいかに始祖ブリミルに愛されているのかが分かる。
次は結婚制度について。アーヴ社会において結婚制度というのは無い。従って、親は一人である。
しかし、男女が恋をし愛し合って子供を作るのが一般的である。


では、アーヴ<星たちの眷属>とはいかにして生まれたのか――
それは、時を遥か二千年ほど遡る。
地球人類の文明が発展。交通機関の発達、経済圏の広がりにより文化的混淆が進む中、
とある火山性弧状列島出身者の一部が文化の独自性を守るため、小惑星帯に軌道都市『トヨアシハラ市<母都市>』を建設。
しかし、『トヨアシハラ市<母都市>』に植民地を探索する必要性が生じた。
対策の一つとして、深宇宙探索が計画され、
探査船の乗員として、予測不能な事態に耐用できるよう人間の遺伝子を元にした30体の『作業生命体』が作られた。
彼らは、人間ではないとされ人類的にはありえない青い髪を遺伝的に与えられ、
『宿命遺伝子』という強い帰属意識を本能に刻み込まれた。それは、本来『母都市』を裏切らないよう刻まれたものだった。
この二つは現在にまで及ぶ。アーヴには自分の子供の遺伝子を人的に手を加える事を義務付けられている。
一体が訓練中に身篭り、残る29体で探査船は出港した。
この29体の『生命作業体』がのちの<アーヴ根源二十九氏族>である。
彼らは探索先で新種の資源『ソード・レーザ』を発見。それを期に『母都市』と決別、のちに『アーヴ』と名乗る。
『宿命遺伝子』は『母都市』にではなく彼ら自身の種族<アーヴ>に見事働いたのである。
以後、宇宙を漂流する商人として、アーヴは宇宙を翔けめぐる。

『宿命遺伝子』は今も尚、効力を発揮しつつある。
なぜなら、『アーヴによる人類帝国』には血塗られた革命や謀反が起こったことがないのだ。
もっとも、それは帝国内のことであり、帝国の華麗なる遠征劇には禍々しいほど血塗られている。
しかし、正確には過去2度だけあった。
一つ目は、一時期、帝都まで占領されるという大規模な反乱であったが、参加者がすべて地上人であったこと。
二つ目は、まだ『アーヴによる人類帝国』が建国される前の出来事である。
根源29氏族のとある氏族が、その氏族全員で氏族の誇りを賭けたささやかな謀反を起そうとした。
しかし、その騒動は死者なしですぐに取り押さえられた。この場合、『宿命遺伝子』は種族ではなく、一族へと発揮したのである。


「ラフィール〜、どこいっちゃったのよぉ?」
ルイズはうな垂れながら平原を見回す。誰一人としていない。日ももうすぐ完全に墜ちる。
「も、もしかして森の方にいっちゃったのかな?」
トリステイン魔法学院の周りには自然が豊かであった。まさに、山あり谷あり森ありである。
そうした所には、魔物が生息している為、基本的には生徒のみでの立ち入りは禁止されている。
過去、幾度となく禁を破り単独で魔術の素材を集めに行った生徒が二度と帰ってこなくなった事は少なくは無い。
そんな危険な所に、ルイズは己の使い魔を探しに足を踏み入れる――



596 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 15:25:11 ID:p8pvjSRx
投下が終われば黙ってひとこと「投下終わりッ!」で良いんだよッ!!

597 :星界の使い魔:2007/09/09(日) 15:25:19 ID:kVwyKA7E

ペチッ!!ペチッ!!森に中で肌を叩く音が鳴り響く――
「あぁもお、鬱陶しいわね!!虫多すぎ!!!」
季節はすっかり春なのである。活気の付いた虫たちは、次々と瑞々しい腕をたわわにしたルイズの血液を吸おうと集ってくる。
「いいかげんにしてよねっ!!!」
パチーーン!!
ルイズはとうとう集ってくる虫たちに我慢が出来なくなり、思いっきり自分の腕を叩いてしまった。
「「痛っ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!」」
その痛みで思わず叫ぶルイズ。しかし、そのおかげで冷静さを取り戻す。
すぐに周囲の異変に気が付いた。
「・・・・?」
周囲を見渡しながら、耳を澄ますルイズ。

ところで、ルイズは魔法が使えない事以外は、まさに淑女の中の淑女である。
趣味は、鳥たちが奏でる唄と共にお茶を頂くのが近頃のお気に入りである。
学院内で他の生徒たちに虐げられ、挫けそうになったり、泣きそうになった時は必ず、学院の敷地内にある
ルイズの秘密のお気に入りの場所、一本の大きな木がある丘へ行く。
その一本の大きな木には、なぜかいつも鳥たちが居て、綺麗な声で囀っているのである。
その囀りを聞きながらルイズは、心を癒していく。
お昼の後の、大好きなクックベリーパイと紅茶をその丘で頂くのがルイズにとっての幸福な時間なのであった。
しかし、そんな所にルイズが居ることを他の生徒たちにバレないはずがなかった。
ギーシュを含む、数人の男子が噂を聞きつけ、ルイズをからかいに行ったことがあるのだが、
おいしそうにパイと紅茶を頂きながら、目を閉じ、鳥たちの囀りを楽しんでいるルイズの幸せそうな姿を見た時、
彼らは思ったのである。せめて、せめてこの時間ぐらいは、この麗しい淑女をそっとしておこうと――

あるていどしてからルイズは気づいたのだが、日によって木に止まっている鳥たちの種類が異なっているのだ。
それからルイズは鳥に興味を持ち出し、鳥たちについて調べるようになったのである。
学院が長期の休みになると、かならずルイズは鳥観察の旅行に出た。もちろん、一人ではない。
貴族たちの中にも、鳥観察を趣味とした者は多い。その趣味を皆で分かち合う為の組合があり、そこでささやかな
ツアーが開催されているのである。ルイズはそのツアーへ休みごとに参加するのであった。
しかし、鳥たちの観察というのは控え身に言っても子供の趣味ではない、隠居した貴族やお年寄りがもっぱら楽しむのであると――
ルイズはいつも、ツアーでは最年少であった。しかし、ルイズは孫又は娘のように、皆から親しまれた。
そして、いろいろと熱心に励むルイズに人生の先輩方は、優しくいろいろとルイズに知識を施していった。
そうこうしている内に、ルイズは鳥に関しては学院一詳しいといっても良いほどにまでなった。



598 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 15:25:22 ID:U93tvSmN
原作読めばわかることを…ちと残念支援

599 :星界の使い魔:2007/09/09(日) 15:27:34 ID:kVwyKA7E
その知識が告げる。何かがおかしいと――
どうやら鳥たちは威嚇をしているようだ。
ガサガサと草たちが擦れ合う音が聞こえてきた。しかも複数。

バサバサバサバサ――
鳥たちがもうすぐ完全に日が暮れる夕日に向かって一斉に飛び出した――
そして、ルイズを取り囲むように無数の陰が現れた。
オーク鬼である。その数、3。
ルイズは驚いた。まさか本当にオーク鬼が学院の近くの森に生息していることに。
教師たちが生徒を行かせないように吐いた狂言ではなかった事に。
3匹はじりじりと前方から寄ってくる。
ルイズはギュっと自分の杖を握り締めた。
いいじゃない。やってあげるわよ。このルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールが!!
ラフィールを、ラフィールを見つけるまでは死ねない!!
ルイズはすばやくルーンを呟く――

『ふぁいあーぼーる!!』
ちゅどーーーん!!!

中央のオークの上半身が爆発した。破片が周りの木や草の飛び散る。
「やった!成功って、してないじゃない〜〜〜!」
一瞬、ファイアーボールを放てたと思ったルイズが叫ぶ。
まぁ、この際失敗魔法でも敵が倒せるならなんでもよかった。
残る二匹のオークは一瞬うろたえた。今までに見たことが無い魔法だったからである。
オークたちは冷静さを取り戻し、すぐさまルイズに向かって突進する。
しかし、ルイズはその時すでに次の詠唱を終えていた。

『えあ・かったー!!』
ちゅどーーーん!!!

両方のオークの下半身が吹き飛んだ。今度は密集していたせいかまとめて倒せたのである。
「も、もしかして、私って強いのかな、かな!?」
ルイズは喜んだ。自分の失敗魔法が実は結構強いのではないのかと。
そして、さすがルイズ、今の二回で自分の魔法の特徴について気づく。
『どんな魔法を唱えても同じ爆発が起こる』というのは、学院に居たうちから把握していた。
しかし、今それ以上の事にルイズは気づいたのである。
ファイアーボールとエア・カッターとでは、若干後者のほうが詠唱は短いのである。
この二つの意味するモノとは、つまり詠唱の短い魔法でお手軽殺傷魔法が使えるということなのである。
でも、やはり失敗魔法は失敗魔法である。恥ずかしい。特にラフィールには知られたくない!ルイズは思うのであった――
ガサガサガサガサ
「あ・・・・・」
今の爆音で他のオークを引き寄せてしまったようである。
しかし、ルイズはにやりと微笑む。己の自信がそうさせるのである。
「さぁ、狩を始めるわよ・・・!!」


600 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 15:29:22 ID:QD0fr2Hk
……

601 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 15:29:47 ID:p8pvjSRx
最早語るに及ばず

602 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 15:30:39 ID:+CYLgBys
もう避難所に行け

603 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 15:31:00 ID:U93tvSmN
狂言(きょうげん):人をあざむくために仕組むたくらみ。お芝居。嘘。 「引用ググる」
言葉の使い方に難あり支援。

604 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 15:32:25 ID:h/p835nv
つーか、わざわざ前回とID変えてるあたりもなんと言うか

605 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 15:34:43 ID:+nLpTl2z
続きを書く姿勢は認めるけど前回の投下でルール違反したんだから、せめて避難所に投下してくれ

606 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 15:35:48 ID:p8pvjSRx
郷に入らば郷に従わなあかんねんで、あんちゃん

607 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 15:37:32 ID:3+7DQFwZ
煽ってるつもりで馬鹿を晒してる>>604が憐れ過ぎるww

608 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 15:37:37 ID:QD0fr2Hk
単発が叩きに来なくなった変わりに住民から文句が出てくる辺り
イロイロ終わってる気がする

609 :星界の使い魔:2007/09/09(日) 15:38:01 ID:kVwyKA7E
すみません、避難所にいきます。
ほんとにすみません;;


610 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 15:38:46 ID:cAUQEsEZ
別段読めないってレベルの文章でもないしなんで叩かれてるのかわからんのはクロス先を知らないせいか?

611 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 15:39:59 ID:p8pvjSRx

―――行け

612 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 15:41:20 ID:0WTRd6Ko
そういえば八神和馬召喚って無いですね。
作品としては結構相性言いと思うのですが

呼ばれた場合・・・ワルドはともかくギ−シュ逃げて−

613 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 15:41:47 ID:U93tvSmN
>610 前回の悪行
詳しくは過去ログ倉庫へどうぞ

614 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 15:42:42 ID:tfxaoEm7
>>610
クロス先を知らない以前の問題では?

615 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 15:52:25 ID:RxYkGdq/
避難所にいっても
歓迎はされないだろうけどな

616 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 15:54:06 ID:OckE8rMq
>>612
まずキスなんてさせない上に、鼻で笑って学院を出てくだろうな

617 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 15:54:56 ID:vi0SKNox
>>612
それは風の聖痕のしゅじんこうのことを言ってるのか?
ラノベ板でどーいう評価の作品か知ってれば大抵の人は躊躇するぞー。

618 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 15:57:01 ID:0WTRd6Ko
>>617
まあムテキなまでにフリ−ダムな人ですからね。
しかし「才能が無いのに諦めずもがく」ルイズを見ると
手助けくらいはするのでは・・・やっぱしないかな?

619 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 15:57:34 ID:S6hYt/XC
思い浮かべてください、もしも海の大陸NOAからもしも魔王召喚されたら
そして始まるゼロ魔キャラ総出VSもしも魔王の不幸合戦

620 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 15:58:26 ID:p8pvjSRx

NOAか。懐かしいな

621 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 15:59:06 ID:S6hYt/XC
>>618
無敵なまでにフリーダムって言うか、作者の俺キャラTUEEEEと厨が作る厨性格の塊みたいなものだからなぁ……

622 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 16:00:13 ID:4Juh5ypv
やっぱここは大魔王バーン様をだな

623 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 16:01:09 ID:S6hYt/XC
ルイズがコモンマジックを成功させて「爆発はどうしたぁっ!」とか叫ぶのか

624 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 16:01:28 ID:p8pvjSRx
いやいやルイズの影に魔王を縫い付けてだな

625 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 16:01:33 ID:umZyKf9b
>>609
消えろ豚

626 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 16:03:46 ID:U93tvSmN
NOA+は去年からだしさほど古いネタじゃない。
もっともNOAの本は古本屋の100円棚の常連。

627 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 16:04:11 ID:0WTRd6Ko
>>俺キャラtueeee&厨性格
南雲慶一郎もそんな理由で嫌われますよね。
自分はその点さほど鼻につきませんが

628 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 16:06:01 ID:p8pvjSRx
>>625掘り返すな

NOA+より元祖のが好きだったなー

629 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 16:06:19 ID:SeA73gsq
>>627
とりあえずsageな。


630 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 16:07:06 ID:/9nmuWKj
>>627
リアルバウトハイスクールの主人公は一見南雲だけど、
実際の所は静馬と涼子と大作だからじゃないか?

631 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 16:07:57 ID:0WTRd6Ko
空気読めないといわれそうですが質問です。
初心者なのでsageの意味がわかりません。
教えて頂けますか

632 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 16:09:08 ID:SeA73gsq
E-mail覧にsageと入れろ。
わからなければ名前にも入れろ

633 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 16:09:26 ID:/9nmuWKj
>>631
メール欄に半角英数でsageって書き込む。そんだけ。
この説明で分からないようなら定番だけど半年ROMるとよい。

634 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 16:09:35 ID:S6hYt/XC
まあ、風の〜は中学生から高校生までの女子には受ける作品だと思うよ。主人公がそんな感じ。
あとメール蘭にsageって書き込め。

635 :メール蘭に半角でsageと入れるんだ:2007/09/09(日) 16:09:47 ID:QD0fr2Hk
>>631
半年ROMってろ

636 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 16:10:37 ID:p8pvjSRx
要するに周りの人の真似をしろと

637 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 16:11:17 ID:+CYLgBys
もう全部にsageって入れてりゃいいよ

638 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 16:11:40 ID:l9hDtHOe
というかsageも分からん人って何で結構いるんだ

639 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 16:11:58 ID:nStoHwjQ
>>631
2ch総合案内に今すぐ行きなさい
自分も最初はよく分からずに迷惑かけてたから偉そうな事は言えんけど

640 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 16:13:07 ID:0WTRd6Ko
ではやってみます。

641 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 16:18:30 ID:qjAwCcmf
それでOK。

642 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 16:20:07 ID:QD0fr2Hk
優しいなお前ら

643 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 16:21:37 ID:/9nmuWKj
>>642
あんたも相当優しいよw

644 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 16:22:52 ID:0WTRd6Ko
すみません。みなさまご迷惑お掛けしました。
そして教えて下さった方々、ありがとうございました

645 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 16:23:00 ID:QAvT1UTi
規約見ろ!

って言っても俺も最初上げ下げ聞いたクチだし人の事いえねww


646 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 16:25:14 ID:tfxaoEm7
>>644
やればできるじゃあないですか!
で、あなたのSSの投下開始時刻は何時ですか?

647 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 16:32:54 ID:0WTRd6Ko
>>646
アイデア多少暖めていますが、残念ながらちと今日は出来ません
近日中に投稿したいと思っております。
その際は罵倒ツッコミその他諸々お願い致します


648 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 16:33:46 ID:QAvT1UTi
ま、がんばってなー。原作熟知するんだぞー。

649 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 16:36:40 ID:p8pvjSRx
推敲して確りと鍛え上げるんだぞー

650 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 16:37:58 ID:mOfosfsk
>>618
>>まあムテキなまでにフリ−ダムな人ですからね
    ,-─‐‐-、
 ,--‐|__CD___|-‐-、  
( (⌒l  ´・▲・`l⌒) ) 
 ヽ.ニ'ゝ _∀_ 人ニノ     私よりフリーダムかい?
 _, ‐'´  \  / `ー、_
/ ' ̄`Y´ ̄`Y´ ̄`レ⌒ヽ
{ 、  ノ、    |  _,,ム,_ ノl
http://jp.youtube.com/watch?v=HC1XZVkyfCI

651 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 16:42:48 ID:/8cmGpA0
>>593
実は竜の羽衣ならぬ黒の鉄巨人とか言ってタルブの秘宝をヌービアムにするネタかんがえてたw
んでシェスタの曾祖母か祖母が雪歩なw
まあもう少しで最終回なんでそれから書いてみようかと思う

652 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 16:46:55 ID:qjAwCcmf
敵(クロスする作品)を知り、己(ゼロ魔原作及びアニメ)を知れば百戦危うからず(平穏無事に投下できる)。
その心を忘れるな……。

653 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 16:47:15 ID:03FQNmu2
トリステインのがばいルイズさん



ゴメン、何でもない

654 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 16:48:46 ID:auXSBmjl
ヘボ作品みんなで叩けば怖くない

655 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 16:49:50 ID:mWeQusya
パンツァードラグーンのオルタと子ドラゴンが召喚されたりしたらどうなるだろう。
既に向こうでの役割は終えているから無理に帰る必要もないし、ドラゴンはまだ子供だからさして戦闘力は無い。
成長しきってたらフーケのゴーレムもアルビオン艦隊も単独で殲滅できるからなー。
ルイズ出番なしw

656 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 16:50:14 ID:lczzYlA2
アニマスかぁ…
何となくだが、ルイズならインベルじゃなくネーブラなイメージが。ロリコンマシンだし

657 :使い魔定光:2007/09/09(日) 16:51:19 ID:R7UvXQo3
続きが書きあがったので投下したいが、今あいてる?
あいてたら5時ぐらいに投下したいんだけども

658 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 16:53:26 ID:/8cmGpA0
>>656
中の人の原案ゲームの方の中の人がくぎみーだからなw

659 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 16:54:52 ID:p8pvjSRx
多分大丈夫かと。

660 :使い魔定光:2007/09/09(日) 17:01:11 ID:R7UvXQo3
流刑体。
宇宙に無限に存在する数々の惑星において重犯罪を犯し、流刑とされた異星人の総称。
その刑罰として、永久に宇宙をさまようはずであったその一団が、まるで何かに呼び寄せられるように、ひとつの軌道を描きある惑星へと向かっていた。
さながら、卵子に向かい進む精子のように。ただ一点を目指し進むのだ。

だが、一部の者は惑星に到達する前に、まるで気が変わったかのように方向を変える。
かまわずその惑星、「地球」に直進する者、急に地球に興味が失せたかのように軌道を変える者。
後者の数は決して少ないものではなく
地球に降り立つ流刑体は、最初に予想されていたものの半分ほどになっていた。


「ちょ!ちょっと待って!じゃぁ、なに?今日出たあの化け物や、あんたはその、あの空に浮かぶ星から来たって言うの?」

ここは、コルベールら教員が主に利用している個室。撃針の一件が一段楽したところで
そのあまりの事件に、学院は一時騒然としていたが、比較的冷静であったタバサ、キュリケが生徒達に呼びかけ校舎に帰し、一応事なきを得た。
ちなみに彼女らは撃針に対して率先して杖を向けた二人である。

しかし、発端と思われるルイズと、彼女が呼び出してしまったのかは定かではないが
撃針を「回収」し、事態を収束させた「彼」はそのまま、と言うわけにはいかず
こうして特別室にて質問攻めにあっていた。

『浮かぶ、と言う表現は正しくない。さらに厳密に言えばこことは別の銀河系なのだが、まぁ、そう言った方が理解が早いのなら、そう解釈してくれて問題はない』
「とてもじゃないけど、し…信じられないわね…」
『撃針、それに加えて私自身がなりよりの証拠だ。君達の…』
「? な、なによ?」
『そういえば先ほど、一部のものが飛行しながら建物に向かっていた。
この惑星でも重力制御は一般的な技術なのか?』

さきほどから、イスに座ってうんうんうなりながら頭をひねっているルイズに対して、部屋の中央で
その大柄な身体を直立不動させながら淡々と難解な説明をしていた「彼」がふと、疑問を投げかけた。
しかし、魔法を満足に扱えないルイズにとって、基礎中の基礎である「フライ」について触れられるのはおもしろくない。

「う、うるさいうるさいうるさいっ!じゅーりょくなんちゃらなんて知らないわよ!」
『不適切な回答だ。回答の再入力を』

「彼」の返答に、ルイズがさらに鼻息を荒げようとしたそのとき、後ろの扉が開き
コルベールが姿を見せた。

「おや、何の騒ぎです?」
「コルベール先生!」

ルイズは表情を一変させると、イスから立ち上がり、コルベールに詰め寄った。

「あぁ、安心しなさい。オールド・オスマンも君に責任を問う気はないようだ。
それよりも皆無事でなにより、とおっしゃっていたよ」
「そうですか…」

あからさまにホッとするルイズ。考えても見れば、あれほどの騒ぎを起こしたのだ
よくて停学、悪ければ退学なんてことも充分にありえるだけに、彼女は幸運だった。
オールド・オスマンの判断は、コルベールの弁護が合ってなされた部分も大きいことを彼女は知らない。


661 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 17:01:51 ID:sBoCJAqO
>>651
ヌービアムは巨乳好き臭いからシエスタの言う事は良く聞くだろうなw

662 :使い魔定光:2007/09/09(日) 17:02:37 ID:R7UvXQo3
『まったくだ。あれだけの数がいて死傷者ゼロとは奇跡に近い。君達の対応と
援護があってこそだ。協力に感謝する』
「いえ、それよりも先ほどの話の続きをぜひ聞かせほしい!えぇーと…」

コルベールにとって、「彼」の話す技術の説明や薀蓄はよほど興味深いのか、「彼」がこの教室についてからオールド・オスマンのところへ出向くまでの間、色々と根掘り葉掘り聞き出していたのだった。

と、そこでコルベールは熱心に聞くあまり、「彼」の名をまだ聞いていないことに気がついた。

「ミス・ヴァリエール、「彼」の名前はなんと?」
「いえ、それが…」
『私はパワータイプと呼ばれる無人デバイスに、公務に就かせるべく「義務」を付加させた「データ生命」だ。
我々のようなタイプに固有の名称はない』
「さっきからこの一点張りで…」

ルイズがまず聞いたことは「彼」の名前だった。名前は万物の存在を表す重要なもの
加えて使い魔との契約を結ぶ儀、コントラクト・サーヴァントにも必要不可欠なのだ。

なので、名前を無理に聞き出そうとしたのだが、今まで生きてきて聞いたこともないような言語や横文字を唱えられ、もはやお手上げ状態であった。

『シリアルナンバーでよければ教えるが―――』
「あー!もういい!それはもういいわ!」

また、あの恐ろしく長い意味不明な呪文を唱えられてはたまらない、とルイズが大声で静止した。

「ふーむ…では何と呼べばいいのかな?」
『データ生命。随行体。あえて呼称するとすればこのあたりだな』

でーたせいめい、ずいこうたい、るけいたい…今日一日で嫌になるほど聞いた単語に
ルイズは整った眉をゆがませた。
まったくもってこいつの説明はまわりくどくてわかりにくい。
理解できなくて聞き返せば融通の利かない返答ばかり。
まさにああ言えばこう言うである。

「まぁ、呼び名はおいおい決まるだろう。ところで、話の続きを…!」

コルベールは目をキラキラ少年のように輝かせ、「彼」に催促する。
彼の場合頭も同じぐらいに輝いているのだが、あえて言うまい。

『うむ。話を戻そう。流刑体、その大群がこの星に押し寄せている』
「大群って、どれぐらいなの?」
『総数二千万体。おそらくそのすべてがこの惑星へと流れつくだろう』
「!? 馬鹿な…!今日の…あの撃針のような怪物が2千万も!?」
「そ、そんなのって…!」

これにはさすがの知識欲旺盛なコルベールも度肝を抜かれたようであった。
ルイズも目を見開き驚いている。


663 :使い魔定光:2007/09/09(日) 17:03:39 ID:R7UvXQo3
『彼らのほとんどは君達が今日見た撃針のように、破壊と殺戮を好む戦闘サイボーグだ』
『さすがに私だけではどうにもならない数だ。増援を要請はしたが、それもいったいいつになるか見当もつかない』

淡々と説明する「彼」。しかしながら聞く側にしてみればとても冷静ではいられない。
今日、あの一体でも脅威であった流刑体。
それが、あと2千万体は確実に現れるのだ。冗談ではない。

地獄――――そんな言葉がルイズの脳裏によぎった。

「そ、それで…その大軍勢が、ここに降り立つのはいったいいつ頃に…?」

先ほどまでの口調とは一転して、まるで覇気のない声で尋ねるコルベール
その問いかけは、なにかすがるようなニュアンスも含まれていた。

『この惑星の時間の概念と単位の入力を』
「一年384日。あの月が満ちてから欠けるまでが一ヶ月よ」

窓から顔を出していた2つの月を見つめながら答えるルイズ。
あたりはすっかり暗くなっていた。



『9億8千300万日…260万年後だな』



「へ…?」
「なっ…なんとも気の長い話のようだ…あはは」

あまりの単位に思わず拍子抜けしてしまう二人。
変な笑いまでこみ上げてくるほどだ。

『宇宙は広大だからな』
「広大すぎてとても実感わかないわ…」

そんな二人の反応など意に介せず、相変わらず直立したまま微動だにしない「彼」。

『2千万の流刑体。現状からすれば、君達の現地語で言う「魔法」や「使い魔」に頼るほかない』
『滅ぶのか滅ぼすのか…凄惨(せいさん)を極める闘いになるだろ……』
「ど、どうしたのよ?」

急に口ごもる「彼」に不安を感じたのか、ルイズが問いかける。

『その「使い魔」の件で、私に話があるのでは?』
「あ」





「では、ミス・ヴァリエール」
「はい」

直立不動であった「彼」をイスに座らせ、その前に立つルイズ、そしてその後ろに陣取るコルベール。
自分が召喚したものを生涯使役し、「使い魔」とするための儀式、コントラクト・サーヴァントが今執り行われようとしていた。


664 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 17:04:21 ID:SeA73gsq
桁違いだよな、平行宇宙の順だけいるんだもの……支援するぜポンコツ

665 :使い魔定光:2007/09/09(日) 17:04:39 ID:R7UvXQo3
「えーと、でーたせーめー?ずいこーたいだっけ?」
『そのどちらもだ。しかし、なにをはじめるつもりだ。言っておくが私にハッキングすることは不可能だぞ。強固なプロテクトが何十にも―――』
「いいから黙ってなさい!って、その兜とってよ…」
『カブト?データ生命の現地語か。着脱は可能だが…理由の入力を』
「なんでもいいからとっとと脱げー!」

ついに業を煮やしたルイズが「彼」の頭部を握り、無理やり脱がしにかかった
が、当然少女一人の力ではずせるわけもなく。

『無駄だ。その程度の外的要因ではロックははずれない』
「いいから脱ぎなさいよ!こっちだって遊びじゃないんだから!」
『聞けないコマンドだ』

「私からも頼みます。これは彼女にとってとても重要なことなのです」

見かねたコルベールが口を開く。それは、さきほどの知識欲にとらわれギラギラとした目ではなく、一教師として、大人としての目と口調であった。

『…こちらも「回収」に協力してもらった手前。むげには断れないか』
『手を離してくれ。今取り外す』
「あ、ええ、はい」

素直に手をどけるルイズ。
コルベールに一礼した後、彼女は杖をとり、兜から出てくるであろう彼の頭部に近づけた。
だが

『これでいいのか』

声は「彼」の両手にがっしりと固定された兜から発せられていた。
バシュ!と音がなると同時に、左右前後に展開したヘルメットは、まるで「彼」の頭ごと
抜き取るようにはずされた。
そこに残ったのものは顔の形をしたメカニカルな、頭部と言うのも戸惑われる代物。
人間の顔の皮をはぎ、それを機械化したようなグロテスクものであった。


らんらんと目を輝かせるコルベールをよそに、ルイズは後者中に響き渡るような絶叫を上げた。


666 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 17:04:49 ID:7QZXE54d
遅レスだがスターオーシャン面白そうだな。
もうすぐPSPでフルリメイクらしいし。
よーし、自家栽培もやしで節約しつつ金貯めるかー。

667 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 17:04:57 ID:sBoCJAqO
割り込んでしまった支援

668 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 17:05:53 ID:/9nmuWKj
随行体の中身の顔はマジ怖いw

669 :使い魔定光:2007/09/09(日) 17:05:55 ID:R7UvXQo3
ルイズは「彼」つれて自室に戻っていた。
もう深い時間であったし、なにより壮大な終末論とその壮大なオチに脱力してしまい
彼女自身も相当疲れていた。
コントラクト・サーヴァントの儀の後でもひと悶着あり、あからさまにテンションを上げるコルベールと、涙目になりながら早く被りなすように叫ぶルイズ。
ユマノイドなんとかの不具合で、自分ひとりでは不可能だと告げられ、あのグロテクスな頭部に兜をかぶさせられたときなど
本当に泣きそうになった。

とにかく今日はとてつもなく神経をすり減らした一日だった…
彼女は部屋に入るなり無造作に服を脱ぎ捨てると、下着姿のままベットへともぐりこんだ。
一刻も早く寝たい。できれば目が覚めて起きたら、化け物騒ぎも、今部屋の隅で直立不動のまま自分を見据えるあいつも消えていますように、と淡い願いをかけて。
そう、そして私はサモン・サーヴァントをやり直して、誰にも馬鹿にされない凄まじい使い魔を召還するのよ!
間違っても平民だったり、人をむしゃむしゃ食べる怪物だったり、魔王だったりじゃなく
強く、高貴で、美しい。三拍子そろった究極の―――

『就寝前にすまない。ひとついいか?』

ベットから結構離れているにもかかわらず、よく響く声で、ルイズは寝る前のささやかな妄想から現実に引き戻された。

「…なによ?また長話は勘弁してよね」
『いや、長くはない。先ほどの君の行動。あれにはどういった意味が?』
「さっきって…なっ!なっ!あ、あんた、まさか…!」

「彼」が言っているのは、おそらくルイズが「彼」の口と思われる部分にくちづけをしたことだろう。
はじめてが兜と…などと軽く自己嫌悪していたルイズにとっては、今最も触れてほしくない話題であった。
だが「彼」にとってそんなことはおかまいなしだ。

『私のデータバンクによると、あれは惑星ネメリスの知性体が行う求愛行動に酷似しているのだが、回答の入りょ――――』
「うるさい!ポンコツ!」


ルイズはそばにあった枕を「彼」、ポンコツに向かって投げるのだった。


670 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 17:06:19 ID:p8pvjSRx
本体は兜の方だと気づかないのも無理は無いか・・・

671 :使い魔定光:2007/09/09(日) 17:07:04 ID:R7UvXQo3
投下終了
ゼロ魔世界の時間の概念がよくわかんなかったから、そこは完全に俺解釈です

では


672 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 17:08:19 ID:SeA73gsq
乙。ポンコツ可愛いよ

673 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 17:09:04 ID:OckE8rMq
投下乙。
いいねいいね。両方の作品をうまくミックス出来てると思う。ポンコツと名付けるタイミングも良い感じ。

でも、ダミーの体の方にキスして、うまくコントラクトに成功したんだろうか。

674 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 17:10:37 ID:/9nmuWKj
流刑体はアクティヴデバイスで圧縮されて飛ばされてるから、
最初に勢い付けられた方向にカッ飛んでるだけだと思うんだが、
ひょっとして自分の意思で方向転換してる?

675 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 17:28:36 ID:rgSP35Vq
召喚の鏡でスイングバイっぽく……

676 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 17:31:14 ID:tfxaoEm7
テンションが下がるまくるルイズに対してテンションを上げまくるコルベール自重w


677 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 17:38:35 ID:p8pvjSRx
下がるまくると来て上がるまくるのかと思ったら上げまくるで吹いた

678 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 17:48:16 ID:PK0pftOM
>>674
重力とかの問題じゃね?
ポンコツたちのテクノロジーって基本重力制御だし影響受けやすそうだ。
あと2千万てのもききっと『一部』なわけだし
その一部がなんらかの重力異常で当初の軌道をそれてハルケギニアに墜落する
てな風に考えるのがいいんじゃないかな。

679 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 17:52:43 ID:U93tvSmN
結局、定光ルイズは召還には失敗しているわけだ。

680 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 17:55:41 ID:OckE8rMq
そういえば、サモンサーヴァントに応じた訳じゃないんだよな。
ある意味新機軸?w

681 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 18:03:12 ID:3Vl2sfj1
>>679
「宇宙の果て」から召還してる訳だから成功じゃない?


682 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 18:05:50 ID:tfxaoEm7
>下がるまくる

うはwなんだこの誤字
やっぱコルベール先生って、あーゆー機械っぽいナニかが好きなんだなw
コッチの世界でなら間違いなく工業高校の先生だなw


683 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 18:21:22 ID:4liF44BG
おまいら1つ言っておくが「召還」じゃなくて「召喚」だからな。

684 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 18:24:08 ID:PK0pftOM
還せないもんな。

685 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 18:53:50 ID:5Jo0X4oi
てっきり後日召喚の儀をやり直して定光と契約かと思ってた

686 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 18:57:34 ID:zjaQeFsS
DQM+のロラン召喚したら面白そう

687 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 19:01:27 ID:UF+tNj0d
ロランといえばロラン・セアック。違和感無く使い魔生活を送れそうだな。使用人的に考えて。
もちろんラストはカトレアと二人で隠棲生活。残されたルイズは月に向かって「うああああああああ」と吠える。

688 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 19:02:05 ID:q2CGyfRp
だが既出

689 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 19:03:58 ID:U93tvSmN
>>687
ワルドが女装させてローラvローラvて呼ぶのかw

690 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 19:07:38 ID:rgSP35Vq
>>687
それだとカトレアが衰弱死してしまう。

>>689
そしてワルドはマチルダと一緒に海の向こうに……

691 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 19:07:49 ID:3+7DQFwZ
セスタスを召喚

鞭で打たれるのも下僕扱いの屈辱も慣れっこだぜ
教養面ではハルケギニアの住人以下だけど

ただ、多対一の戦いには慣れてないからギーシュにはフルボッコかもしれんなあ

692 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 19:10:19 ID:BhFkJZ4j
ガンソードのカギ爪の男を召喚。

ルイズよりもジョゼフに召喚されたほうが
あってるかもしれんが。

693 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 19:15:38 ID:OQCEk9YU
ロラン召喚で思いだしたが、富野節のゼロ魔を読んでみたいよな
サイト「それが大人のやる事かあ!」
フーケ「大人だから出来るんだろ!」

694 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 19:18:00 ID:nUnh6mtz
ぶっちゃけターンAなら、ガリア王国を月の異名としてのガリアと混同してくれるキャラに来て欲しいな。
ついでにぶっちゃけMSは不要。ターンAキャラなら無くても十分濃いし。

695 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 19:20:58 ID:rgSP35Vq
コレン?

696 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 19:22:13 ID:d8QOqKr0
御大将だろw

697 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 19:22:13 ID:nUnh6mtz
むしろギャバン隊長♪

698 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 19:25:39 ID:s8TJ39+V
富野節というと

ルイズ「サイトなんて顔も見たくないの!嫌いなの!」
サイト「へぇ、俺のこと嫌いで顔も見たくないんだ?」
ルイズ「いちいち人のいうことを額面どおり受け取らないで欲しい!」

デルフ「イリュージョンの魔法は使いたかったんだが使わなかったってな」
ルイズ「その理由を聞いてみてよ」
デルフ「どんな理由なんだ?」
ルイズ「お答えできません」

ルイズ「この虚無は見られたものではないので発動してはいけません」

699 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 19:28:40 ID:KtHQZWnM
>>697
ギャバンの文字を見ただけでルイズが宇宙警察の宇宙船を召喚して
それの主になったルイズがその中の備品のコンバットスーツを爆着して
『宇宙刑事ルイズがコンバットスーツを爆着するのに必要とするタイムはわずか1ミリ秒に過ぎない!』
の正宗さんボイスとともにポーズ決めてるシーンが浮かんできた俺は多分どっかおかしい

700 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 19:30:26 ID:vSJDnk3u
>>697
すまん、連想ゲーム的に
ギャバン隊長→宇宙刑事ギャバン→ケロロの556
となってしまった。
…駄目だ。展開的に普通のヒーローになる可能性がある

701 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 19:31:25 ID:5DfKsxhk
お前らの連想力は異常

702 :ディセプティコン・ゼロ:2007/09/09(日) 19:31:34 ID:CXb4oZ+L
あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!
『消えた11話を書き直したら、書き直す前より2000字ほど増えていた。しかも知らないシーンまで入っていた』
な… 何を言ってるのか わからねーと思うが おれも何をされたのかわからなかった… 頭がどうにかなりそうだった…
ヴァン・ヘルシングのサントラを聴きながら書いたからだとか 朝飯兼昼飯代わりにベルギーチョコソフトを3つ食って腹を壊したからだとか
そんなチャチな理由じゃあ 断じてねえ
もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ…




つじつまが合わないッ!
これは現実ではないッ!
俺の心が見ている『幻覚』だッ!


という訳で投下、宜しいでしょうか?

703 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 19:31:55 ID:AYrlGqYh
電子星獣ドル召喚?

彼が星獣戦隊に出ると思っていたのは俺だけでしょうか?

704 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 19:32:04 ID:nUnh6mtz
>>699
それはもう書けっていう事なんだよ。きっとね。
なんかゼロ魔逸脱して宇宙警察アカデミーにルイズが入学しそうな気がするが、まあよし。
書くなら俺は応援するぞ。

705 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 19:34:02 ID:VmXFfDSL
>>702
どうぞどうぞ

706 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 19:34:13 ID:KtHQZWnM
>>702
字が増えてるのが幻覚じゃないよね支援

>>703
いまだに凱の中の人が激獣コンドル拳使いとしてゲスト出演してくれると信じてる俺に比べればマシ

707 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 19:34:19 ID:LWd+V22c
TFスーパーリンクからレーザーウェーブ召喚
でもってミョズニトニルンがシックスショットなので
ハルケギニアは壮大な兄弟喧嘩に巻き込まれることに

そういやさ、ガルバトロン様って胸に
デストロンマーク入ってるよね

708 :ディセプティコン・ゼロ:2007/09/09(日) 19:34:49 ID:CXb4oZ+L
では投下します。
それと、今回の話は少し長めです。

709 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 19:35:50 ID:+CYLgBys
>>702
お前さん……流石だよ

710 :ディセプティコン・ゼロ:2007/09/09(日) 19:36:00 ID:CXb4oZ+L

秘密港は今、喧騒の最中に在った。
ウェールズを含め王党派のメイジ、兵士達が呆然と見据える先に黒く勇壮な巡洋艦の姿は無く、黒々とした闇だけが拡がっている。
至る所に飛び散った血痕、そして転がる死体。
無残に歪み、今は吹き飛ばされて彼等の足元に在る扉。
それらが示すものは、何者かがこの港を襲い、『イーグル』号を沈めたという事実だ。

「『イーグル』号が……何という事だ……」
「これでは……女子供の避難が……」

愕然と呟くウェールズ、そしてパリー。
周囲の惨状を見渡していた2人の目に、物言わぬ巨大な鉄塊が映り込む。
その瞬間ウェールズの脳裏に、桃色の髪を持つ少女の姿が浮かんだ。

自身に、トリステインへの亡命を懇願した少女。
本心からの言葉で、王党派の最後を憂いた心優しきメイジ。
そして―――――目前の鉄塊、その主。

「ラ・ヴァリエール嬢……」
「は?」
「メイジとその使い魔は視覚を共有出来る……そうだったな、パリー? ならば彼女が何か知っているやも知れぬ」

言うや否や、ウェールズはメイジを2名引き連れ、ルイズの部屋へと向かうべく港を後にする。



通路の奥へと消えてゆくウェールズの背後、物言わぬ鉄塊は主を守るべく、静かに胎動を始めていた。





「……どうして?」

ルイズは呆然と、その言葉を口にした。
疑問、混乱、恐怖、諦観。
それら全てを何とか言葉へと変えたそれは、簡潔ながらも直接的な質問となって対象へと投げ掛けられる。
しかしそれを受けた当の者は、一切の答えを返さない。

「……どうして?」

もう一度、同じ言葉を繰り返す。
その声は先程とは違い、僅かな震えを含んでいた。
ルイズの頬には鮮血が細かな点を打ち、純白の服には赤い斑点が滲んでいる。
傍らのベッドにも血の染みが拡がり、それは未だに拡大を続けていた。
彼女の手が頬へと触れ、赤々とした血の筋を指でなぞり、次いで目の前へと翳される。

「……答えて」

震える手、震える声。
それらを打ち払う余裕すら無く、ルイズは搾り出す様に絶叫した。



「答えなさい……デルフッ!」




711 :ディセプティコン・ゼロ:2007/09/09(日) 19:38:00 ID:CXb4oZ+L

彼女の目前には、刃の付いた腕を振り切った体勢で床に手を着く、亜人型のデルフ。
そして右手と首の『在った』箇所から血を噴き出す、ワルドだったものが佇んでいた。
床に転がるワルドの右手は杖を握り、落ちた首は信じられぬとばかりに目を見開いている。

「……」
「デルフッ! これは……これはどういう……きゃ!」

無言のデルフを問い詰めようとルイズが一歩を踏み出した瞬間、デルフは彼女の腕を掴みそのままベッドの上へと放り投げた。
そしてルイズが血塗れのシーツに沈んだ瞬間、室外より扉を切り裂いて飛来した無数の風の刃が、デルフへと殺到する。
しかし、それらは悠然と佇むデルフに触れた瞬間、微風の如く霧散して失せた。
デルフは床に転がる死体の胸倉を掴むと、それを大きく切り裂かれた扉へと人間離れした膂力を以って投げ付ける。
その暴挙にルイズが目を瞠った、その瞬間―――――

「デルフ!?」

残る扉の残骸と宙を舞う死体を微塵に打ち砕きつつ、暴風を纏った杖がデルフを吹き飛ばす。



―――――ワルドだった。



その姿を捉えたルイズは、瞬間的に全てを理解する。

「『遍在』……!」

見れば部屋全体を朱に染めた鮮血も、たった今微塵と化した死体の破片も、その全てが幻の様に消え失せていた。
それは紛う事無く、彼女が身を以って味わった『風の遍在』の特徴。
死した遍在は、風となって空へと還る。

「貴方……まさか」

ルイズが言葉を紡ぐより早く、ワルドは彼女へと杖を振る。
しかしその杖は半ばから断ち切られ、柄より離れた先端は金属の腕によってワルドの胸、肋骨の隙間を縫って刺し込まれた。
ルイズがひっと悲鳴を洩らすが、デルフは構わずワルドの喉を貫くべく腕を振り上げる。
だがワルドは、心臓を貫かれながらもデルフへと密着、抱え込む様にしてその動きを封じた。
デルフはワルドを振り払おうともがくが、残された力の全てを注ぎ込んで押さえ付けるそれを引き剥がす事は叶わない。
その時、既に扉の吹き飛んだ出入り口より、新たに2人のワルドが飛び込んだ。
1人は遍在に押さえ込まれるデルフへ、もう1人はベッドにへたり込むルイズへと踊り掛かる。
しかし、状況を理解したルイズは既に杖を構え、ワルドの杖が届く直前に詠唱を完了させた。

「……『錬金』ッ!」

ルイズが知る限り、自身の魔法で最も威力と発動までの時間が優れたそれを、ワルドの手袋へと掛ける。
瞬間、爆発が起こり、遍在は跡形も無く消失した。
しかし対象との距離が近かった事も在り、ルイズ自身も爆風の余波を受ける。
服が切り裂かれ、杖を手放し、ベッドへと叩き付けられるルイズ。
その破れた着衣の間から、一通の封筒が零れ落ちる。
この旅の目的である、アンリエッタがウェールズへと宛てた手紙。
咄嗟に手を伸ばしたルイズの視界に、部屋に飛び込んでくる人影が映り込んだ。

「……! ワルドッ!」


712 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 19:38:14 ID:n+735cBq
オデレータ支援

713 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 19:39:37 ID:9H0SdsFU
支援

714 :ディセプティコン・ゼロ:2007/09/09(日) 19:40:00 ID:CXb4oZ+L

ルイズ達には知る由も無いが、正真正銘のワルド本体。
彼は『閃光』の二つ名に恥じぬ速度でルイズとの距離を詰め、その胸を貫くべく杖を握る腕に力を込めた。
ルイズの手に杖は無く、デルフは死に掛けの遍在に抱え込まれたまま、もう一体の遍在と死闘を繰り広げている。
最早、打つ手は無い。
ワルド、そしてルイズまでもが決着を予感する中、機械仕掛けの魔剣が電子音の叫びを上げた。

『……!』

人間には決して理解出来ぬ、耳障りな電子の雄叫び。
それと共にデルフは腕部のトーチを展開し、3000℃を超える高温の炎を斬り掛かる遍在の顔面へと浴びせ掛けた。
瞬時に瞼と眼球を炙られ、鼻の肉を気化され、上唇を焼き切られた遍在は、聴くに堪えない絶叫と共に床へと転がる。
その瞬間、デルフは反対の腕を半ばから放射状に展開。
其処から覗く銃口を、今まさにルイズの心臓を貫かんとするワルドへと向けた。
そして、銃声。

「ッ!?」

瞬間的に発射された数発の銃弾がワルドの肩を貫き、彼が突き出した杖はルイズの頭の横、石壁を抉るに留まった。
デルフは更に発砲、ワルドを射殺せんとする。
しかし彼は驚くべき速さで窓へと奔り、空中へとその身を躍らせた。
しがみ付く遍在の首を切り飛ばし窓へと飛び付いたデルフは、置き土産とばかりに放たれた『エア・ハンマー』を文字通り斬り裂き、トーチを収納した側の腕までをも展開して、墜ち行くワルドへと向かって銃弾を連射する。
その数発がワルドへと命中したが、彼が超低空飛行で城へと接近した風竜の一団に回収されたのを見るや、デルフは銃口を収納して拳を石壁へと叩き付けた。

「ひうっ……!」
『……! ……、……!』

砕け散る壁の破片に思わず声を洩らすルイズにも構わず、デルフは電子音にて何事かを呟く。
それは主の命を狙ったワルド、そしてその敵をみすみす逃した自身に対する悪態であったが、ルイズにそれを理解する術は無く、またデルフにも自身がこのハルケギニアのものとは異なる言語を口にしているという自覚は無かった。
暫くして落ち着いたのか、デルフはルイズへと声を掛ける。

「……娘っ子、無事か?」
「え、ええ……」

ルイズは恐る恐る声を返すと、部屋の惨状へと目を向けた。
既に遍在の死体や血は消え失せているものの、扉は粉砕され、壁は抉られ、ベッドにはワルド本体の血が飛び散り、ルイズの着衣は至る所が裂けている。
正に散々たる有様であった。
ルイズは深呼吸をひとつ、落ち着いた声でデルフへと問い掛ける。

「ワルドは……レコン・キスタだったのね」
「そういうこったな。大方、口封じでもするつもりだったんだろう」
「そんな……」

はっきりとそう告げられ、ルイズは力無く視線を落とす。
そしてルイズは、視界に入ったベッド上の光景に顔色を変えた。

「無い……」
「あ?」

デルフが訊き返すと同時、ルイズは絶望の叫びを上げる。



「手紙が……姫さまの手紙が無いッ!」



ウェールズ、そして騒ぎを聞き付けたキュルケ達が部屋へと駆け付けたのは、その直後だった。


715 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 19:41:35 ID:9H0SdsFU
支援

716 :ディセプティコン・ゼロ:2007/09/09(日) 19:42:00 ID:CXb4oZ+L





「子爵殿、傷の具合は……」
「大事無い、気遣い感謝する」

そう言葉を返せば、竜騎兵は視線をワルドから前へと戻した。
真昼とはいえ、高度3000メイルに位置するアルビオンの気温は低い。
その上高速で飛ぶ風竜の背に居るのだから、吹き付ける冷たい空気が身に沁みる。
ワルドは血を流す肩口を押さえながら、小さく身震いした。
そして自身に手傷を負わせた、あの奇妙な亜人の姿を脳裏に浮かべる。

一体あの亜人は、何処から現れたのだろう。
遍在の杖がルイズを貫く直前、一瞬にしてその右手と首を落とし、更に扉の外に控えていた此方に気付いた。
それだけならまだしも、あの『剣技』。
あの鋭さは、並の達人どころではない。
歴史に名を残すメイジ殺しと呼ばれた剣士達の中にも、果たしてあれ程の剣の使い手が居たかどうか。
あの流れる様な、それでいて計り知れぬ力を秘めた動き。
まるで、自身が剣そのものであるかの様な―――――

その時ワルドの脳裏に浮かんだのは、ルイズの部屋に置かれていた一振りの長剣。
しかし彼は、自嘲気味に首を振る。
余りにも馬鹿げた妄想に、自身の事ながら呆れ果てたと言わんばかりに。

剣が亜人になり、3体の遍在を手玉に取った?
子供だって、もう少しましな想像をする。
そもそもあれが亜人であったのか、ゴーレムだったのか、はたまたガーゴイルだったのか、それすらも不明なのだ。
今はあれやこれやと考えたところで無駄だろう。

やがて彼等の眼前に、旗艦『レキシントン』号の黒々とした巨体が姿を現す。
竜騎士達は見事な腕でその甲板へと降り立ち、回収した手紙を艦長へと手渡す為、ワルドは後甲板へと向かった。
彼は精一杯の威厳を取り繕う『仮』の艦長へと手紙を渡し、心にも無い賛辞を二つ三つ告げると、治療を受ける為に船内へと消える。



その遥か下方、原形を留めぬ人間の破片が散乱する、貴族派陣地の一画。
巨艦へと降り立つ風竜の一団を見上げる、地中から覗く4つの眼が在った事に、彼等が気付く事はなかった。






717 :ディセプティコン・ゼロ:2007/09/09(日) 19:44:00 ID:CXb4oZ+L

ニューカッスル城内、簡易的な玉座の間と化したホール。
その空間は今、重い空気に満たされていた。

「まさかワルド子爵が、レコン・キスタに組していたとは……」
「我等は『イーグル』号を失い……アンリエッタ姫殿下からの手紙も奪われたという訳か」

それらの言葉に、再び場に沈黙が下りる。
ウェールズも、ジェームズ1世も、同席を許されたルイズ達も。
誰もが口を噤み、絶望を滲ませた表情を浮かべていた。
しかし数分後、幾分明るい声でウェールズが声を発する。

「ヴァリエール嬢。君は今すぐにでも、ご学友と共にトリステインへと戻るべきだ。貴国に我等の不始末を押し付けるのは心苦しいが、此処に残って我等の最後に付き合う道理は無い」
「殿下……!」
「ただ出来れば、可能な限り女子供を乗せてはくれまいか。たとえ全ては無理であろうとも、出来得る限りの者達は助けたい」

ウェールズの言葉に反対する者は居ない。
誰もが彼と同じ、真摯な瞳でルイズを見詰めている。
それに戸惑い、友人達へと視線を送るルイズ。
ギーシュは神妙な顔で頷きを返し、キュルケは肩を竦め、タバサは無表情。
結局はウェールズへと視線を戻し、了承の言葉を口にしようとした、その時。

「ちょっといいか、王子サマ」

キュルケの傍らに在ったデルフが、唐突に声を発した。
ホール中の視線が一振りの剣に注がれる中、デルフは一瞬で変形を終えてルイズの隣へと歩み寄る。

「……何かね、デルフリンガー君」

ウェールズは驚く事も無く、デルフへと声を返した。
彼は既に、ルイズの部屋にて変形した彼の姿を目にし、このインテリジェンスソードがどういった存在なのか説明も受けている。
そしてこの場に居る全員が、デルフがワルドの凶刃からルイズを守り抜いた事を耳にしていた。
しかしウェールズとルイズ達以外の者達が亜人型のデルフを目にするのは初めてであり、流石に驚きを隠せない様子である。
デルフはそれらの反応を無視し、ウェールズへと言葉を紡いだ。

「お前さん方はそれで良いかもしれんがね、こっちはそうもいかねーんだ」
「デ、デルフ! アンタってばまた!」

慌てて彼を抑えようとするルイズだったが、意外にもそれを押し留めたのはウェールズだった。

「ヴァリエール嬢」
「で、殿下……」
「続けたまえ」

デルフはルイズを指差すと、王族に対するものとは思えぬぞんざいな口調で言葉を続ける。

「姫さんはよォ、『ゲルマニアとの同盟締結の為、何としてでも手紙を回収してこい』って言ったんだぜ? 失敗したとあっちゃあ、この娘っ子の命がアブねーのよ」
「ア、アンタ何を……ッ!?」

デルフの言葉にそんな事は無い、と講義し掛けたルイズだったが、背中を抓られて押し黙った。
ウェールズはそんな彼女を訝しげに見遣ったが、すぐにデルフへと視線を戻して言葉を返す。

「……それで、君は何が言いたいんだね」
「簡単な事さね。代わりになる成果が欲しいのさ。後々王宮からヘンな言い掛かりを付けられねぇようにな」
「……それは、どういったものかな」

硬い声で先を促したウェールズに、デルフはさらりとその言葉を口にした。



718 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 19:44:57 ID:9H0SdsFU
支援

719 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 19:45:30 ID:HcLGDyZn
このデルフはプロフェッショナルだ支援

720 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 19:45:57 ID:9H0SdsFU
支援

721 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 19:46:58 ID:UF+tNj0d
支援ヌ

722 :ディセプティコン・ゼロ:2007/09/09(日) 19:47:59 ID:CXb4oZ+L

「アンタらを生きてトリステインへと亡命させる。無論、女子供も含めてな」
「なっ……!?」
「構わねーだろ? どうせゲルマニアとの同盟は決裂なんだ。いずれトリステインとレコン・キスタは一戦おっ始めるぜ」
「ふざけるなッ!」

次の瞬間、ホールに詰めた貴族達が口々に怒声を放った。
彼等の声は怒りに満ち、その視線には侮蔑の光が入り混じる。
ウェールズすらも憤怒の視線をデルフへと送り、今にも爆発しそうな怒りを寸でのところで抑えていた。

「此処まで……此処まできてッ……恥知らずどもに背を見せろと申すかァッ!」
「此処で逃げたとあっては、先に逝った勇者達に合わせる顔が無いわッ!」
「我等は此処に! 王家の誇り、そして名誉を示しつつ! 栄光と共に死を」
「もうよい!」

一喝。
あれ程までに騒がしかったホールが静まり返り、貴族達が呆然とした表情で玉座へと視線を向ける。
彼等の視線の先に座する年老いた王は、何処か疲れた様な雰囲気を纏いつつも、威厳ある声を張った。

「陛下……」
「諸君。諸君はこれまで、この無能な王に良く仕えてくれた。厚く礼を述べる。しかし、もうよい。諸君がこの忌まわしき大陸で、滅び行く王家に最後まで付き従う必要は無い。彼等と共に、トリステインへと逃れるがよい」
「陛下! 何を仰る!」
「そうです! 我らも此処に、陛下と共に栄光在る敗北を……」
「敵は! 叛徒どもはこの大陸を統一した後、トリステインへと攻め入るだろう。その時、精強なるアルビオンの艦、そして竜に相対する彼の国の軍、その導き手となるのは誰だ?
 トリステインの将軍か? ロマリアの神官か? 始祖ブリミルの導きか? 否! 諸君だ! 諸君こそが、叛徒どもを打ち破る最後の希望だ!」

その叫びを終えるや否や、ジェームズ1世は激しく咳き込む。
ウェールズが咄嗟に駆け寄り、その身体を支えた。
それでも王は何とか顔を上げると、穏やかな笑みを浮かべて言葉を続ける。

「……その為にも、何としても生き延びるのだ。彼の国の王女はまだ若い。この老いぼれへの忠誠心、我が姪の為に使ってやってはくれぬか」

その言葉に、ホールの至る所からすすり泣く声が洩れる。
ルイズ、そしてギーシュも歪む視界に上を向き、キュルケは飄々とした態度が鳴りを潜め、タバサは何時も通りの無表情。
そしてウェールズが何事か言葉を発そうとした矢先、またもやデルフの声が場の空気を打ち砕いた。

「話は最後まで聞けよ、ジイさん。誰がアンタを置いていくって言ったよ? 全員だ。文句の付け所も無く、全員連れてトリステインに亡命するんだぜ」
「な……!」

その無礼どころではない言葉に、貴族達が再び色めき立つ。
しかし更に続く言葉に、ホール中の人間が絶句した。

「大体な、誰も尻尾巻いて逃げろだなんて言ってねぇだろうが。真正面から堂々と、連中を足腰立たなくなるまでブチのめして悠々と去るのさ」

目を丸くする一同に構わず、デルフはホールの中空に簡易的なアルビオンの地図を投写する。
驚きの声を無視しつつ、彼は誰へともなく問い掛けた。

「この城には何人居る? 貴族、平民、戦える奴、戦えない奴、全部含めてだ」
「947名だが……」
「それだけ乗り込める船ってのは?」
「……そうなるとやはり、戦列艦クラスだな。しかしそんな船は……」
「ロサイスには?」
「確かにロサイスならば、戦列艦は山ほど在る。しかしあそこは貴族派の本拠地だ」
「そんな事はいい。ロサイスなら戦列艦が在るんだな?」
「う、うむ」
「動かすには、最低で何人必要だ?」
「魔法の補助が在れば、30名程で……」


723 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 19:48:29 ID:n+735cBq
デルフ、かっこいいよデルフ支援

724 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 19:48:46 ID:89NEb8z5
破壊大帝ルイズ支援

725 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 19:49:07 ID:9H0SdsFU
支援

726 :ディセプティコン・ゼロ:2007/09/09(日) 19:50:00 ID:CXb4oZ+L

デルフの問いに、貴族達が代わる代わる答えてゆく。
その様を呆然と見ていたルイズ達であったが、デルフが張り上げた声に我へと返った。

「決まりだ。護衛も含めて50人、相棒でロサイスに飛んで戦列艦を分捕る。大陸の下を通って城へと戻りゃ、後はそのままオサラバだ」

それは、余りに無謀な作戦だった。
たった50人で敵の本拠地に攻め入り、戦列艦1隻を盗み出すという、成功する見込みなど皆無の作戦。
少なくともルイズはそう考え、それは他の者達も同様だった。

「ま、待て! たった50名でロサイスに!?」
「おう」
「馬鹿な! あの地はレコン・キスタの総本陣なのだぞ!? 50名ばかりの戦力で何が出来る!」
「誰もアンタ方だけでやれなんて言ってねぇさね。敵本隊を引き付けるのは相棒、船上の敵を始末するのはアンタ方と俺だ」

今度はその言葉に、ルイズが目を瞠る。
同時に、タバサの視線が僅かに動いた。

「相棒って……ブラックアウト? それともスコルポノック?」
「蠍の方は残さにゃならんだろ。あいつが守りの要だ」
「なら……」
「そういうこった」

その時、伝令の兵がホールへと駆け込んできた。
報告の内容は、『レキシントン』が接近、砲撃の構えを見せているとの事。
一同に緊張が走る中、デルフはブラックアウト、スコルポノック双方からの通信を受け、ウェールズへと問いを発した。

「なあ、王子サマ」
「何かね」
「お前さんなら、重要な書類ってのは船の何処に仕舞う?」

その問いにウェールズは、その意図が読み取れないながらも『艦長室』と答える。
更に『レキシントン』の艦長室、その正確な位置を聞き出したデルフは、画像を消し去りつつルイズへと振り返った。
映像がぶれて消える際、何者かの頭部を模したらしき紋章が映り込んだが、余りに一瞬の事に気付いた者は居ない。
彼はルイズへと、何処か楽しげに語り掛ける。

「『お披露目』だぜ、娘っ子」
「え?」
「ずっと疑問だったんだろ? 相棒が一体何なのか。それを今から見せてやる」

言いつつ扉へと歩み寄り、それを開け放った。
その先に続く通路の先から響くのは、ルイズ達にとって聴き慣れた重々しいローター音。
思わずデルフへと視線を集中させる面々に、彼は打って変わって低く、昏い怒りに満ちた声で言葉を吐く。



「誰に喧嘩を売ったのか……そいつを思い知らせてやらねーとな」



赤く染まる擬似視界、顔の紋章と変形を始めたルーンが、互いを喰らい合うかの様に侵食を始めた。






727 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 19:50:37 ID:AND6dUx5
νオデレータは伊達じゃない!支援

728 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 19:51:05 ID:9H0SdsFU
支援

729 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 19:51:56 ID:KtHQZWnM
CV:高木渉な感じなデルフだな支援

730 :ディセプティコン・ゼロ:2007/09/09(日) 19:52:00 ID:CXb4oZ+L

「砲撃位置に付きました。艦長、ご命令を」
「ふむ……では、王家の最後を華々しく飾り立ててやろうではないか。なあ子爵」

無駄口を叩いている暇が在るのなら、さっさと下命しろ。
口には出さず、ワルドは内心で侮蔑の言葉を紡いだ。
一時的なお飾りの艦長だが、それにしても無能に過ぎる。
まともに言葉を交わすのも苦痛な為、ワルドは適当に言葉を返して会話を切り上げ、下方の陣を見遣った。
何故か蠍のゴーレムが姿を眩ました結果、貴族派の陣は昨夜より1リーグ程前進している。
未だに兵達は警戒しているとの事だが、上層部は『数で押せば問題は無い』と判断していた。
よって、捨て駒として傭兵どもが先行させられていたのだが、如何なる理由か迎撃を受ける様子は無い。
城に引き上げたのか、と訝しむワルドの視界に『それ』が映り込んだのは、視線を城へと移す途中の事だった。

「あれは……」

それは自身がこの大陸を訪れた際に乗っていた、ルイズの使い魔だった。
何時の間に現れたのか、それは貴族派の前線から僅か5,60メイル程の位置に着地し、その翼を回転させたままその場に鎮座している。
周囲が騒然とする中、ワルドはその状況を好機と捉えた。

ルイズは始末し損ねたが、此処であの使い魔を片付ければ彼女達は帰還の術を失い、事がトリステインに洩れる事は無くなる。
何故この場に現れたかは知らないが、このまま砲撃してしまえば―――――

その時ワルドの視線の先で、回転していた使い魔の羽が唐突に停止した。
慣性を無視し、基部を破損させかねない強烈な制動。
何事か、と細められたワルドの目は、続く変化に限界まで見開かれた。
周囲の兵達が何事かを口々に喚き、地上では銃弾と魔法が変貌を始めた異形へと放たれる。
しかし異形の変化は止まらない。
貴族、平民の区別無く、地上の人間達が本能からの警鐘に従い、必死の攻撃を加える中―――――



鋼鉄の悪夢は、遂にその本性を曝け出した。





ルイズ達がバルコニーへと辿り着いたその時には、既にブラックアウトは貴族派の前線近くに着陸していた。
無防備にも敵の眼前に鎮座するブラックアウトにルイズ達は心底から驚愕し、今すぐ逃げるよう伝えろと、デルフへと食って掛かる。
しかし沈黙を保ったままにデルフがブラックアウトを指したその瞬間、一同の脳裏からその様な言葉は跡形も無く消え去った。






731 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 19:52:56 ID:ngKrfFva
紫煙

732 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 19:53:05 ID:9H0SdsFU
支援

733 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 19:53:53 ID:HcLGDyZn
ついにお披露目支援

734 :ディセプティコン・ゼロ:2007/09/09(日) 19:54:00 ID:CXb4oZ+L

鋼を打ち合わせた様な音と共にローターの回転が止まり、基部が一段上昇。
6枚のローターブレードが尾部方向へと折り畳まれ、其処で一旦全ての動きが止まる。
そして数秒後、ローター基部が更に一段上昇。
それが引き金だったかの様に、無数の金属音と共に壮絶な変貌が始まる。
吸気口カバーが90度回転すると同時、惰性で回転していたテールローターが停止。
垂直尾翼が縦に割れ、内側に折り畳まれる様にして収納。
装甲という装甲がジグソーパズルの如く分割、コックピットまでが左右に二分され、覆い被さる様に展開した内部機構に呑み込まれて下方を向く。
最早原形を留めぬ尾部は半ばから左右に分かれ、分割された装甲が内部機構を覆いプロテクターを形成。
コックピットの左右からは一対の機構が分離、巨大な5本の指が展開される。
ローター基部が後方へと90度回転し、その下から歪な『狂戦士』を思わせる鋼鉄の頭部が出現し―――――



高圧のエアと共に、双方の腕から瞬時に展開した多連装砲身が、20mmの弾雨を敵に浴びせ掛けた。



重々しい雷鳴の様な音が轟き、最前線から十数メイル後方まで、百数十名の貴族派兵士が一瞬にして細切れの肉片と化す。
その瞬間的な殺戮に、時間にすれば僅か1,2秒だが、魔法と銃撃の嵐が途切れた。
信じられない光景にスペルを唱える口が、引き金を引き絞る指が、持ち主の意思を離れ硬直したのだ。

そして彼等が我に返るより先に、ブラックアウトは次の攻勢を繰り出した。

上空より接近するも、20mm弾幕による虐殺を目にした竜騎士達が思わず降下の勢いを緩めたその瞬間、ブラックアウトを中心に青い衝撃波が爆発。
100メイル以内の人間が軒並み電磁波に焼かれ襲い来る灼熱感にのた打ち回り、竜達は方向感覚機能を破壊されて互いに衝突、或いは狂った感覚に任せ突き進んだ結果、騎手を振り落とし20mmの弾幕に絡め取られ四散する。
此処で漸く後方の兵、そして指揮官達は状況を理解した。

余りの惨事に、レコン・キスタ陣営全体が後退を始める。
しかし、ブラックアウトの攻勢は衰えるどころか、更に苛烈さを増した。

次いでブラックアウトの腕、内蔵された砲身より放たれたのは、直径2メイル程度の青く光る球体。
多少鍛えていれば十分に眼で追える速度。
地面へと突き刺さる見当違いの射出角度。
数多の戦場を潜り抜けてきた傭兵達の目に、迫る魔法を叩き落してきたメイジ達の感覚に、それは脅威度の低いものと認識された。
そして、光の球体が地面へと接触した瞬間―――――



青い光を放つ巨大な壁が、直線上に存在する全てを薙ぎ払った。






735 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 19:54:05 ID:9H0SdsFU
支援

736 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 19:54:07 ID:89NEb8z5
ディセプティコンに支援あれ

737 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 19:54:47 ID:AYrlGqYh
衣装直し 支援

738 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 19:55:23 ID:9H0SdsFU
支援

739 :ディセプティコン・ゼロ:2007/09/09(日) 19:56:00 ID:CXb4oZ+L

「……何なのだ、『あれ』は」

それは、誰の言葉だったか。
城のバルコニーより戦場を見詰めるルイズ達、そして王党派一同の視線の先では、鋼鉄の死神による一方的な殺戮劇が繰り広げられていた。

雷鳴の様に轟く砲声。
絶叫。
『壁』が大気を穿つ音。
悲鳴。
爆発音。

ハルケギニア全土が悲鳴を上げているのではと錯覚する程の声が、無数に折り重なってはアルビオンの大地に轟く。
それは圧倒的な力に蹂躙される弱者の叫び。
抵抗を試み、その勇気さえも踏み躙られる力無き者達の断末魔。
ニューカッスル城のテラスというテラス、窓という窓からその光景を見詰める、900人超の王党派陣営。
彼等は歓声を上げる事も無く、ただただ目前の惨劇に戦慄していた。
そしてルイズは、先程の誰かと同じ言葉を紡いだ。

「……何よ……何なのよ、『あれ』……」

返されるのは、無機質な魔剣の言葉。

「使い魔さ」

ルイズはゆっくりと、傍らのデルフへと視線を落とす。
ギーシュ、キュルケ、タバサまでもが呆然と戦場の光景を見詰める中、四肢持つ魔剣は無感情に言葉を繋げた。



「『あれ』がお前の使い魔だ、『ルイズ』」



惨劇は、続く。





秒速1000メイル超の弾速を持つ20mm弾が、回転する6連装砲身より毎分6000発という発射速度で戦場へとばら撒かれる。
砲弾が死体の山を量産する傍ら、20メイルを優に超える鋼鉄の巨人からは更に、幅50メイル、高さ25メイル程の、半球状の青い光の壁―――――『プラズマ』が放たれる。
更に足元を動き回る者達に対しては、展開し高速にて回転するメインローター及びテールローターによる『斬撃』が繰り出される。

肉片が残っている者はまだ幸運だ。
殆どの者はプラズマに呑まれ蒸発し、縦しんばそれを避けたとしても、プラズマの通過痕より一拍遅れて起こる爆発に巻き込まれるか、20mmによって跡形も無く消し飛ばされる。
生きてブラックアウトの足元まで距離を詰めたとしても、攻撃に移るより先に回転する巨大なローターブレードの斬撃により、挽肉どころか血煙となって掻き消える。
しかも遠方よりその様を見る後方の陣は、撤退を試みる端からスコルポノックによる強襲を受けていた。
狙いも付けずに放たれる無数の砲弾と、地中より襲い掛かる、回転する爪と尾による刺突。
土のメイジが生み出すゴーレムは瞬く間に砲撃に削られ、周囲の人間ごと地中へと引き摺り込まれる。
退路すらも塞がれ、レコン・キスタ勢は今や、絞首台上の死刑囚も同様だった。


740 :男達の使い魔:2007/09/09(日) 19:56:23 ID:aFYrlJQe
支援!
ついでに予約!

741 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 19:56:23 ID:n+735cBq
陽動というものはできる限り派手に行うものだが―――
ここまま押し切れないか?支援

742 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 19:57:40 ID:9H0SdsFU
支援

743 :ディセプティコン・ゼロ:2007/09/09(日) 19:58:00 ID:CXb4oZ+L

そう、正しく死刑囚。
ブラックアウトは誰1人として、敵をこの戦場から生かして返すつもりは無かった。

プラズマが連続して放たれ、その通過痕が凄まじい爆発を起こす。
約6リーグに渡る業火の線が幾重にも引かれ、数千の命が断末魔を上げる事すら許されずに消し飛ばされた。
しかしブラックアウトは満足しない。
20mmを広域にばら撒きつつ、戦場を練り歩く。
時折、背面にローターを展開しては数リーグを飛び、地点を変えて更なる破壊を撒き散らす。
それらを繰り返し、戦場の3分の1が業火に埋め尽くされた頃―――――



プラズマを放ち続けるブラックアウトの周囲に、50発を超える砲弾が落着した。





「撃て!」

その声と共に、地上を徘徊する化け物へと無数の砲弾が降り注ぐ。
十数発が命中、化け物は背面から地面へと叩き付けられた。

「砲撃の手を緩めるな! 撃ち続けろ!」

『レキシントン』―――――否、『ロイヤル・ソヴリン』が誇る優秀な砲術長は、実に的確な指示を下す。
そして、それに従う砲手達もまた優秀な部下であり、発射の間隔をずらして間断無く放たれる砲弾は、化け物を土柱の中へと封じ込めた。
更には随伴する2隻の戦列艦からも、猛烈な砲撃が地表へと叩き込まれる。
お飾りが何事かを叫んでいる様だが、それを気に留める者は1人として存在しない。
ワルドもまた、砲撃の正確さに舌を巻いてはいたものの、背後で喚く置物の言葉など欠片も聞いてはいなかった。

そろそろ死んだか。

弾着が200を超える頃、ワルドは改めて後甲板より地上を見下ろした。
着弾点は土煙に覆われ、化け物の姿は視認出来ない。

しかし、あれ程の砲撃を受けたのだ。
最早、欠片も残っては―――――

その瞬間、土煙の中に光が瞬き、大気を切り裂いて飛来した数百発の砲弾が、『レキシントン』左舷を蹂躙した。
巨大な左翼が布切れの様に引き裂かれ、大砲が小枝の様に吹き飛び砕け、人間がグレナデンの実の如く弾け飛ぶ。
更にはミズンマストが半ばから吹き飛ばされ、他のマストとの間に張られたロープにより、メインマスト、ジガーマストを巻き込んで甲板へと落下を始めた。
このままでは、全てのマストが崩壊を始めるだろう。
しかし甲板上からそれを見た風系統のメイジ達が、咄嗟の判断で『エア・カッター』を放ち瞬時にロープを切断。
ミズンマストのみが落下し、全体の崩落は免れた。
落下した部位は右舷を直撃、舷側の一部を破壊して地上へと落下する。
見れば随伴艦までもが弾幕に呑み込まれ、未だ浮いているのが奇跡とすら言える有様へと成り果てていた。

「ぐ、ぬッ……化け物め……ッ!」
「し、子爵! こ、此処は、此処は任せるッ! わわ私は手紙を守らねばならんッ!」

払い切れなかった破片を受け呻くワルドの背後から、置物の喚く声が響く。
ワルドが振り返った時には既に、後甲板にその姿は無かった。
恐らくは艦長室に逃げ込んだのだろう。
先程の台詞が、それを物語っている。
舌打ちをひとつ、地上へと視線を移したワルドの目に、またしても信じられない光景が飛び込んだ。




744 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 19:58:43 ID:89NEb8z5
アルビオンが消し飛んでしまうw

745 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 19:59:21 ID:ngKrfFva
ずっとブラックアウトのターン!!!支援

746 :ディセプティコン・ゼロ:2007/09/09(日) 20:00:00 ID:CXb4oZ+L

化け物の肩部横に突き出した小さな翼の下、太く長い棒状の物体。
ワルドには知る由も無いが、『スポンソン』と呼ばれる、本来は燃料タンクの役割を持つそれ。
その側面が上下に開き、内部より2本、棒状の物体が化け物の横へと射出される。
射出後の一瞬、それらは重力に従い落下を始めたが、直後に尾部から噴出した炎により、重力を振り切って『レキシントン』へと突撃を開始した。
燃焼音、そして大気を切り裂く飛翔音。
白い尾を引き『レキシントン』へと迫る、2本の鋼鉄の矢。
それらを目にしたワルドは雄叫びを上げ、反射的に後甲板より飛び退いた。
2本の矢は艦体後部側面を貫き―――――



爆発。
後甲板が根こそぎ吹き飛ぶ。
爆発は、艦体内部から。
ワルドは中甲板に叩き付けられ、苦痛に呻く。
他にも数名が、間一髪で後甲板より飛び退いた様だが、彼等もまた中甲板へと打ち付けられ、苦痛の声を上げている。
その時、ワルドは爆発の起こった部位に気付き、思わず声を荒げた。

「……『艦長室』ッ!」



艦長室は跡形も無く吹き飛び、残る部位には業火が燃え盛る。
其処に置かれていたアンリエッタの手紙もまた、炎に呑まれて塵と消えた。





炎上し、高度を落とす『レキシントン』を捕捉しつつも、ブラックアウトは更にミサイルを発射、随伴艦を撃沈せんとする。
其々1発ずつミサイルを受けた2隻の戦列艦は殆どのマスト、そして翼を失いながらも、その砲撃の手を緩める事は無かった。
今だにブラックアウトの周囲には数十発の砲弾が降り注ぎ、時折数発がその胴へと直撃する。
防御フィールドを貫く程ではないものの、重力による加速を受けた砲弾の衝撃は相当なものだ。
警戒し、移動しつつ攻撃を繰り返すが、敵の錬度は異常なまでに高く、足を止めれば間髪入れずに集中砲火が襲い、移動を始めれば面制圧砲撃へと移行する。
各艦がコンタクトを取る時間的余裕は無い事から推測するに、砲手達が各々状況に合わせて砲撃を行っているのだ。
最早、優秀などという言葉で表し尽くせるものではない。
砲撃精度に関しても、エレクトロニクスの存在しない世界としては考えられない程の精密さである。
彼等が放つ砲撃の苛烈さに、ブラックアウトはプラズマによる対地攻撃を断念し、20mmとミサイルによる対空戦闘に専念せざるを得なかった。

だがその時、激しい砲声が唐突に鳴りを潜める。
見れば『レキシントン』が大陸の端へと到達しており、そのまま眼下の雲海へと逃走を図る最中であった。
その光景にブラックアウトは腕を翳し、プラズマの発射体勢を取る。
あと数秒で、『レキシントン』は地面と同高度となる。
其処に、プラズマを撃ち込もうというのだ。
そして、『レキシントン』の底部が地面に重なる寸前―――――



『レキシントン』、そして随伴艦からの一斉射がブラックアウトを襲った。



『レキシントン』が舷側を晒し、今まさに大陸下へと消えようとするその瞬間に合わせ、3艦の全砲門が同時に火を噴いたのだ。
『レキシントン』による側面からの砲弾幕と、随伴艦による頭上からの砲弾幕。
ブラックアウトの行動を読み、互いに意思の交換を行う事無く同じ戦法を採った、『レキシントン』を除く2艦の指揮官、そして3艦全ての乗組員による、芸術的ともいえる砲撃であった。

90発を超える砲弾の雨。
内、30発前後がブラックアウトへと直撃し、その巨体を半回転させ地面へと叩き付ける。
そして、ブラックアウトが身を起こすまでの僅かな時間の内に、『レキシントン』は焔を吹き上げつつ雲海へと姿を消した。

747 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 20:00:05 ID:d8QOqKr0
爆熱の俺TUEEEとはベクトルが違いすぎて寒気が奔るぜ…支援

748 :ディセプティコン・ゼロ:2007/09/09(日) 20:02:00 ID:CXb4oZ+L

手負いの敵を逃がした。
その事実はブラックアウトの思考中枢に、極めて重要な問題として記録される。

技術的、文明的、共に格下の相手に不覚を取ったのは、これで『3度目』だ。
それは敵に対する、認識の修正が十分でない事を意味する。
それだけではない。
敵旗艦を逃した事によって、戦果によるトリステイン王宮への牽制が失敗し、主に害が及ぶ可能性すら在る。
それを避ける為には、現状に於いて得られる最大の戦果が必要。

今後のシミュレーションを終えたブラックアウトの擬似視界に、炎を上げつつ不時着した随伴艦の姿が目に入る。
頭上では消化に成功したらしきもう1艦が、今尚ブラックアウトへと砲撃を続けていた。
どうやら『レキシントン』の撤退を確認した後、僚艦を援護する為に留まったらしい。



左右のスポンソンが開き、計4発のミサイルが空中の随伴艦へと向け飛翔する。
発射を阻止しようと、不時着した艦が砲撃を開始するが、もう遅い。
デルフを通し、攻撃中止の命令を下すルイズの絶叫が届いたのは、ミサイルの着弾とほぼ同時の事だった。





轟音と共に空を埋め尽くす爆発を背に、6枚羽の死神が城へと振り返る。
その胸部、彼等自身の頭部を模ったディセプティコンのマークを取り囲む様に、細かく長大なルーンが光を放っていた。



749 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 20:02:01 ID:BTcSy7iC
まさに蹂躙以外の何者でも無い支援

750 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 20:03:47 ID:n+735cBq
ここまで大打撃を与えたら、王族の名で
「今降伏すれば反逆の件は不問にする」といえば、傭兵は寝返るんじゃないか?支援

751 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 20:04:05 ID:9H0SdsFU
支援

752 :ディセプティコン・ゼロ:2007/09/09(日) 20:05:12 ID:CXb4oZ+L
投下終了。

国土は小さいけど空軍最強とか、アルビオンは俺的ツボに嵌まり杉。
馬鹿デカイ空中帆走戦艦とか浪漫杉。

次回、上手くいけばサイト&テファと遭遇です。

753 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 20:05:18 ID:9H0SdsFU
しえん

754 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 20:06:54 ID:QAvT1UTi
乙ふううう

755 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 20:07:12 ID:AND6dUx5
鳥肌が立つほどGJ!

756 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 20:08:01 ID:HcLGDyZn
乙でした
ブラックアウトも格好良いがロイヤル・ソヴリンクルーも格好良すぎ。
こういうの見てるとほんとトリステインって弱小国なんだなぁ…

757 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 20:08:21 ID:RqVKFlnZ
ODERATOR投下乙
べらぼうに強いな!
存外に強いな!

758 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 20:08:37 ID:AYrlGqYh
このオデレータ、絶対タバコくわえてる

759 :男達の使い魔:2007/09/09(日) 20:09:39 ID:aFYrlJQe
次OKですか?

760 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 20:10:58 ID:ILH2iKTk
オデレーター渋すぎるぜ支援

761 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 20:11:02 ID:KtHQZWnM
フレーフレー>>759

762 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 20:11:53 ID:93IFbLX0
オデレータカッコヨス!

そして支援である!

763 :男達の使い魔:2007/09/09(日) 20:11:59 ID:aFYrlJQe
それでは投下!

急いでいかねばならぬところがある、と王大人は言った。

なぜあんたがこんなところに、と問う桃とJに、わざと焦点をすこしずらした返事が返ってくる。
桃たちが聞きたかったのは、何故王大人がハルケギニアにいるのか、ということだ。

しかし、王大人の目を見た桃は、その問いを発することができなかった。
強い光を放つその目は、その問いを拒絶していた。

ようやく驚きから立ち直ったタバサは、王大人に一つ尋ねることにした。

「どこへ向かっているの?」

「ニューカッスルなる場所だ。」

その返答にキュルケとタバサは少し目を丸める。
彼らが向かう場所もまた、王党派に残された最後の拠点、ニューカッスルなのであった。

「でも、ニューカッスルは貴族派に囲まれて、今は入れないわよ。」

キュルケが問う。
王大人はにやりと笑って答えた。

「中国四千年をなめるでない。あてならある。」

そう言って懐から書物を取り出した。
そこには、ニューカッスルの抜け道が記されていた。


「きゅいきゅい。人って片手でも空を飛べるなんてすごいのねー。」

シルフィードは、頭上で棍を回しながら書物を取り出す王大人に、心の底から感心していた。

764 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 20:12:32 ID:f3d9C8QV
王大人、支援確認

765 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 20:12:48 ID:LWd+V22c
これのオデ……、デルフの活躍は群を抜いてるな
ディセプティコンの方乙でした!
つかヤバイ怖い。
ルーンの洗脳効果が解けませんよーに!

766 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 20:13:25 ID:QD0fr2Hk
ディセプティコンGJ!!
今日TF見てきたぜ


そして男塾支援

767 :男達の使い魔:2007/09/09(日) 20:13:46 ID:aFYrlJQe
朝になった。

シエスタは歯噛みしていた。
彼女が撤収の準備をしている隙を突いて、ワルドがルイズを連れ出したのだ。
朝に弱いルイズ様のことだ。きっと寝ぼけ眼で付いていったに違いない。
そう確信したシエスタは、慌てて捜索を開始していた。
すぐに行く手を突き止めたシエスタであったが、そこで行動を止めざるを得なかった。
己の唇をかみ締めたシエスタの視線の先には、礼拝堂があった

虎丸とギーシュは、正装を着て、礼拝堂に座っていた。もちろん虎丸の正装は学ランだ。
二人には嫌な予感がしていた。
しかし、それを表情に出したりはしない。
ただ、いざという時に動けるようにだけはしていた。

ウェールズは皇太子の礼装に身を包み、新郎新婦を待っていた。
自分の人生の終わりに、予想外の晴れ舞台ができたことに嬉しさを感じながら。
既に死ぬことを決めていたウェールズは意図的に無視していた。
自分に危険が迫っているという勘を。

ルイズは戸惑っていた。
朝早くいきなりワルドに起こされて、気がついたら礼拝堂にいたのだ。
昨日ずいぶんとないたため疲れていたのかしら?とルイズは思う。
でも今は、
そうして思考をようやく整えたルイズは、今の出来事に対処することにした。

礼拝堂での結婚式は既に始まっていたのだ。

768 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 20:14:02 ID:OckE8rMq
クロスは数あれど、ここまでドハデにこのシーンで反撃したのは初めてじゃないだろうかw

769 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 20:14:29 ID:U93tvSmN
>>758
紙巻じゃなくてパイプのほうだな

770 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 20:15:24 ID:n+735cBq
硝煙のにおいを堪能したので汗のにおいを支援

771 :男達の使い魔:2007/09/09(日) 20:16:04 ID:aFYrlJQe
ウェールズが祝詞をあげる。
それに、ワルドが一言、誓います、と告げた。
次はルイズの番だ。ウェールズの視線がルイズを指した。

「今は、わたしはこの結婚式を望みません。」

ルイズははっきりと言い切った。
ルイズは考えていた。親友のアンのことを。
もし自分がこの場で好きな相手と結婚を挙げるなら、きっと彼女は喜んでくれるだろう。
それは間違いない。でも、

そこまで考えたルイズは、愕然としているワルドをチラリと見た。

この神聖な場で、最後のアルビオンの地で、流されて結婚したならば、彼女はとても悲しむだろう。
ルイズのことを攻めはしないかもしれない。しかし、

(わたしは、きっと自分を許せないわ。)

そこまで考えたルイズは、自分に詰め寄るワルドに対して、毅然として対峙した。

ウェールズは、そのルイズの表情に驚いていた。
意志の強い少女であることは知っていた。だが、この目は

(アンリエッタ。君が何か決意した時の目にそっくりだよ。)

ウェールズはひどく優しい気持ちになっていた。
自分が司祭役をつとめる結婚式が台無しになったにも関わらずだ。
そうしてウェールズはワルドに、結婚式の取りやめの声をかけることにした。

しかし、ワルドは止まらない。
なおもルイズに言い続ける。

「世界だルイズ。僕は世界を手に入れる!そのためにきみが必要なんだ。」

その言葉にルイズは、己の中のワルド像が崩壊したのを感じた。
この旅の途中、どこかワルドの様子が変に思えていたが、ようやく納得したのだ。
彼が、もはや昔の優しいワルドではないことを。
そのことに、少し悲しみを覚えたルイズ。
だが、彼女は言葉にして告げることにした。自分の今の思いを。

「わたし、世界なんていらないもの!」

ルイズが欲しいのは世界なんてありふれたものではない。
望まぬ結婚を強いられ、自分の思いさえも封じ込めたアンリエッタの悲しげな表情が頭に浮かぶ。
アンリエッタが、家族が、シエスタが、学友達が、使い魔たちがみな幸せに暮らせる日常が欲しい。
強く、とても強くそう思っていた。

その言葉に一瞬能面のようになったワルドが告げる。

「残念だよ。」

その言葉に不吉なものを感じたウェールズに虎丸、ギーシュは慌てて飛び出そうとするが、時既に遅し。
ワルドは、素早く当身をルイズにくれると、意識を失ったルイズを抱え、後方に飛び去っていた。

772 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 20:16:09 ID:KtHQZWnM
王大人支援確認

773 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 20:16:15 ID:QAvT1UTi
汗臭い!いやああああ!!!!支援

774 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 20:16:58 ID:HcLGDyZn
>>769
紙巻でも雰囲気出ると思うんだが
葉巻は何か違うよな

あと、虎丸学ラン持ってきてたのか支援

775 :男達の使い魔:2007/09/09(日) 20:17:36 ID:aFYrlJQe
一方そのころ、学院にいた一号生達は、全員新男根寮の前に集まっていた。
みな顔が一様に張り詰めている。
その表情に田沢は確信を持った。誰かが危機に陥っていることを。
彼らはみな、同じ釜の飯を食べた仲間だ。共に命を預けた仲間だ。
その仲間の危機がわからないハズがない。

今ここで彼らにできることはただ一つ。
大鐘音のエールを切ることだけである。

秀麻呂が塾旗をあげる体勢に入ろうとする。
そこへ

「それは僕にあげさせてくれ!」

マリコルヌが割り込んできた。

マリコルヌは嫌な予感がしていた。
ギーシュが危ない!直感的にそう思ったマリコルヌは、思わず新男根寮の前までやってきてしまったのだ。
そこでマリコルヌは見たのだ。残ったものが、己ができる方法で闘おうとしていることを。
ならば自分も勇気をだそう。

その友を思う姿に、秀麻呂は黙って旗手を譲った。

776 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 20:17:42 ID:KtHQZWnM
ワルドは今自分にどれだけの死亡フラグがかかってきてるか気づいていない支援

777 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 20:18:50 ID:5rNnUJwQ
マルコメヌ・・・漢ぜ・・・

778 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 20:19:30 ID:n+735cBq
5万人を一人ずつぶちのめせそうなやつらだからな。
ブラックアウトとは別のベクトルで恐ろしい。支援

779 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 20:19:44 ID:p8pvjSRx
血のにおい、汗のにおい、次は何のにおい? 支援

780 :男達の使い魔:2007/09/09(日) 20:20:24 ID:aFYrlJQe
「貴様!何が目的だ!」

ウェールズの怒声が飛ぶ。その手には既に杖が握られていた。
それに恐れる様子もなくワルドは答えた。

「一つはルイズ。一つはアンリエッタの手紙。そして最後は……」

「貴様の命だ!プリンス・オブ・ウェールズ覚悟ぉ!」

まさしく閃光のごとき詠唱速度で唱えられたライトニング・クラウドがウェールズを襲う。

「殿下!危ない!」

間一髪ギーシュに突き飛ばされたウェールズは、なんとか命を拾うことに成功した。
素早く体勢を立て直すと、ウェールズに向かい魔法を唱えようとする。しかし、

「卑怯な!」

ワルドがルイズを巧妙に盾にしていた。
その様子に、ワルドが歪んだ笑いを浮かべた。そこへ

「ワルド子爵。あなたはレコンキスタということで間違いないですね。」

落ち着き払った声でギーシュが声をかけてきた。
あまりに場違いなその様子に、ワルドは思わず返事を返してしまう。

「それが、どうしたというのかね?」

「いえ。ただ確認したかっただけです。ということだ。やれヴェルダンテ!」

その瞬間ワルドの足元が爆発した。
そうして土の中から一頭のジャイアントモールが飛び出てきた。
不意打ちのアッパーをなんとか交わすことに成功したワルドは、
冷静に右手に杖を、左手にルイズを抱えなおし対処しようとする。
ヴェルダンテの不意打ちは不発に終わった。
多少の隙はできたとはいえ、その隙を突くには虎丸たちは遠すぎたのだ。

781 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 20:21:13 ID:KtHQZWnM
大塾旗って重量300kgだぜ支援

782 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 20:21:32 ID:kJZfqAY9
男根寮ってすごい名前支援

783 :男達の使い魔:2007/09/09(日) 20:22:01 ID:aFYrlJQe
しかし、シエスタには十分であった。

「がっ!」

ワルドが短い悲鳴を挙げてルイズを取り落とす。
その左手には、槍の穂先のようなモノが刺さっていた。
大豪院流気功闘法繰条錘である。
その穂先は、まるで意志を持つかのようにワルドの手から抜けると、シエスタの手と穂先を結ぶ針金をルイズに巻きつけた。

ルイズが空を飛ぶ。それを無事受け止めると、シエスタは叫んだ。
正直限界であった。この技を使うには、気の絶対量がまだ足りなかったのだ。
しかし、それでも

「ルイズ様はお任せください!」

女の意地があった。

その台詞に三人は、弾かれたように突撃を開始した。
この卑劣漢を倒すために。


ルイズを奪い返されたワルドだが、それでも余裕の表情を崩さない。

(皆殺しにすればいいだけのこと。)

そう考えたワルドは、彼らに告げた。

「さて、ではこちらも本気を出そう!何故、風の魔法が最強と呼ばれるのか、その所以を教育いたそう!
 ユピキタス・デル・ウインデ……。」

呪文が完成したとき、そこには五人のワルドがたたずんでいた。
ワルドの必殺、風の偏在である。

二体がウェールズに、二体が虎丸とギーシュに、一体がシエスタに襲い掛かった。

784 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 20:23:19 ID:n+735cBq
己の戦っているものが何かがわからないやつって、これほど滑稽なんだね支援

785 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 20:23:28 ID:KUEtghMr
支援

786 :男達の使い魔:2007/09/09(日) 20:23:33 ID:aFYrlJQe
うおおおおおお!
マリコルヌの雄叫びが上がるが、幻の大塾旗はピクリとも動かない。
重さは軽く三百キロを超える、まさしく大塾旗だ。
人間の力で挙がる代物ではない。

そのことを塾生達はわかっている。
それでも、誰一人としてマリコルヌを手伝おうとはしない。
これは、彼が一人で挙げねばならぬのだ。
一人で挙げねば、真の大鐘音は完成しないのだ。
そのことを知っている男達は、血が出るほど拳を握り締めると、それぞれの準備に入った。
マリコルヌがあげる事を信じて。

マリコルヌの心に、これを説明してくれたときの秀麻呂の声が響く。

(これは体力であげるものじゃない。友を思う気持ちであげるものだ。
 だからマリコルヌ、お前ならあげられるさ!)

マリコルヌはその思いに応えねばならない。
しかし、現実は非情である。

ピクリとも動かない大塾旗に、マリコルヌの心は砕けそうになる。

(ぼくでは無理なの?こんなぼくでは……)

そこへ秀麻呂の怒声が飛ぶ。
その檄に、マリコルヌが秀麻呂を見ると、そこには男達が並んでいた。
静かにマリコルヌを見つめていた。そこには、信頼があった。
彼らは、マリコルヌが幻の大塾旗をあげきると信じているのだ。

「一世一代の根性、見せてみろ!」

秀麻呂が叫ぶ。

マリコルヌの鼻から血が噴出す。また、力を入れすぎたこめかみからも血が流れ出る。
それでも大塾旗は上がらない。
さらに力を込める。筋肉が限界を超えて盛り上がり始める。
それでも大塾旗は上がらない。
そして、

雄たけびを挙げたマリコルヌの服が弾け飛ぶ!
ついに幻の大塾旗があがり始めた。

それを見届けた秀麻呂は、自分も大鐘音に加わり始めた。

(これからが本当の命がけだぜマリコルヌ!)

彼らの体に刻まれたルーンが静かに光りだしていた。

787 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 20:24:00 ID:AYrlGqYh
必要な分身の数が一桁どころか二桁は足らんよな・・・

788 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 20:24:27 ID:f3d9C8QV
五万人、単純計算で一人当たり50人、普通に勝てそうだな一号生100人なら
とにかく支援

789 :男達の使い魔:2007/09/09(日) 20:25:12 ID:aFYrlJQe
本性を現したワルドは恐るべき敵であった。
ワルドが作り出した偏在は、一体一体が魔法を使い、その体術の腕前も恐るべきがものがあった。

(やべえ!これじゃあジリ貧だ!)

虎丸はそう思う。自分達には、ワルドの魔法を防ぐ方法がほとんどない。
今はギーシュのゴーレムがなんとか魔法を代わりに受けてくれているが、直に限界が来るだろう。

(どうにかしないとな。)

虎丸はそう考えつつもワルドに猛虎流の拳打を放っていた。
しかし、良い案は浮かびそうになかった。


シエスタは焦っていた。偏在が一体とは言え、その大元は閃光と異名を取る程のメイジである。
今のシエスタには一体といえど、難しい相手には違いがなかった。

(でも!)

シエスタは思う。他はもっと不利な戦いを強いられているのだ。
せめてこの一体だけでも自分が倒さねばならない。

だが、杖による攻撃と魔法を巧みに組み合わせてくる相手に、攻撃をする暇がない。
シエスタは覚悟を決めた。

「はぁっ!」

左手を盾にして『エア・ニードル』を受け止める。
杖そのものに貫通力を帯びさせたその魔法があだとなった。
シエスタの左手の筋肉が、その杖を絡みとり離さない。
一瞬、偏在が杖を離すべきか逡巡する。
その一瞬が命取りとなった。
激痛がシエスタを襲う。だが、シエスタは痛みを無視すると裂帛の一撃を込めた。

「大豪院流!真空殲風衝!」

その風についに偏在の一体が砕け散った。
それを確認したところでシエスタの意識は途切れた。

その瞬間、全てのワルドが、思わず驚愕の表情を浮かべていた。
その隙を逃すほど、ウェールズは落ちぶれてはいない。
偏在の一体を風で切り裂くと、残りのワルドに向き合った。

虎丸とギーシュもまた、その隙を逃さなかった。慌ててライトニング・クラウドを唱える。
流石は閃光と名乗るだけのことはある。
詠唱が遅れたにも関わらず、その一撃は虎丸の一撃よりも早かった。
そうしてライトニング・クラウドが虎丸に走る。

「ぼくを忘れてもらっては困る!」

ギーシュが最後の力を振り絞ってゴーレムを作り出す。
そのゴーレムは虎丸の全身を覆いつくすと、ライトニングクラウドの身代わりとなって消えた。

うおおおおおおお!
ついに虎丸の渾身の拳が偏在の一体を捉えた。

残すは本体と偏在のみである。

790 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 20:25:16 ID:ILH2iKTk
マリコが命がけで!支援

791 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 20:25:19 ID:KtHQZWnM
たかだか五人じゃ弱体化した卍丸先輩にだって出来るしねえ支援

792 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 20:25:37 ID:kJZfqAY9
なんて男らしいマリコル支援

793 :男達の使い魔:2007/09/09(日) 20:26:43 ID:aFYrlJQe
その時、ウェールズの目は、予想外の事態を捉えていた。
他の者は気づいていない。
ならば!

「ライトニング・クラウド!」

シエスタ達の方から声が聞こえる。
慌てて虎丸が振り返ると、その視線の先で、ウェールズがゆっくりと崩れ落ちていった。

「切り札とは最後まで取っておくものだよ。」

最後の一人、気を失ったシエスタを始末しようとしたワルドが、
本体のワルドが姿を表していた。


虎丸が吼える。
ウェールズは、こんなところで薄汚い暗殺者などに殺されていい人間ではなかったのだ。
その勢いに不意を突かれたワルドが振り向く。
そこの虎丸の鉄拳が飛んだ。

ガキィーン

ワルドが杖を盾にガードするが、大きく後ろに吹き飛ばされた。

「くっ!このバカ力が!食らえ必殺!「「ライトニング・クラウド!」」」

三方向からのイカヅチが虎丸を襲う。
直撃を受けた虎丸は、ついに倒れこんだ。

「三点同時のライトニング・クラウドをくらってまだ生きがあるとは、貴様本当に人間か?」

その台詞に、かろうじて意識の残っていた虎丸は、悪口で返す。

「てめぇみてぇな外道にこたえることは、何一つねえよ。」

「まだ、喋れるとはな。ここは確実に止めを刺させてもらうとしよう。」

三体のワルドがゆっくりと近寄ってくる。
その手には、『エア・ニードル』を発動させた杖があった。

794 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 20:27:03 ID:NxgqH+2R
男を見せたマリコルヌ支援
とっさに被害を最小限に抑えた風メイジといいライフリングもなく
鉄の塊を打ち出すだけの大砲でブラックアウトを足止めする技量といい
ディセプティコン・ゼロのアルビオンは虚無の使い魔さえいなければ
世界征服できそうだ背筋がぞくぞくする

795 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 20:27:43 ID:9H0SdsFU
>>788
500人

796 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 20:27:59 ID:HcLGDyZn
こんなに格好良いマリコはポッポ召喚以来じゃね?支援

797 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 20:28:05 ID:KtHQZWnM
さすがに火の海を泳ぎきるだけはあるな虎丸支援

798 :男達の使い魔:2007/09/09(日) 20:28:11 ID:aFYrlJQe
一号生達の大鐘音は止まらない。
だが、マリコルヌが限界を迎え始めていた。
徐々に大塾旗が下がり始める。
男たちが声をかけるが、マリコルヌの薄れ始めた意識には届かない。
その時

「「わたしも闘います(闘うわよ)!」

ケティとモンモランシーが姿を表した。
悪い予感がした二人は、己の直感の赴くまま行動し、ギーシュの不在を知った。
そして、同じようにギーシュの危機を感じたマリコルヌが何かしているのを知って、慌てて追いかけたのだ。

二人は、旗の下に座り込むと一心不乱に祈り始めた。
その光景に場の時間が止まる。

再び動かしたのは秀麻呂だった。

「あの姿が見えるか、マリコルヌ!見えるならば、無様をさらすな!
 最後のバカ力、振り絞ってみろ!」

マリコルヌの声にならぬ雄たけびがあがる。
再び大塾旗が高く、高く舞う。

そうして真の大鐘音が完成した。
主のために!友のために!

799 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 20:29:13 ID:ILH2iKTk
エールに答えろギーシュ!支援

800 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 20:29:17 ID:Vuhr4Nas
男塾支援!

801 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 20:29:18 ID:KUEtghMr
熱いぜ!真の大鐘音支援!

802 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 20:29:34 ID:9H0SdsFU
支援

803 :男達の使い魔:2007/09/09(日) 20:30:02 ID:aFYrlJQe
ルイズはようやく目を覚ました。
自分を守るように立ったまま意識を失ったシエスタ。同じく意識を失っているギーシュ。
傷だらけで倒れて、それでもまだ闘志衰えない虎丸。
ゆっくりと崩れ落ちたウェールズ。

彼が最後に誇らしげに微笑んだような気がした。
その時、ルイズは全てを悟った。
そうして思う。あの男だけは許してはいけない。
さらに、
ルイズは己の中に、熱い、熱い何かが流れ込んでくるのを感じていた。
かつて、シエスタとギーシュの決闘で感じたときと同じものを。
しかし、もっと純度の高い別のものが。
その思いを言葉に乗せる!
呪文は何でも良かった。どうせ結果は同じなのだから。

「ファイアーボール!」

ルイズのファイアーボールが炸裂した。


少しの間ギーシュは意識を失っていた。
ふと、マリコルヌにケティ、そしてモンモランシーの声が聞こえた気がしたギーシュは、意識を取り戻すことに成功した。
そうして見た。
ワルドが虎丸に止めを誘うとしているのを。

だからギーシュは、最後の力を振り絞ってゴーレムを作った。

「行け!ワルキューレ!」


シエスタは不思議なだった。
こんなに離れているのに、あの大鐘音の声が聞こえているのだ。
ならば、きっともう一撃だけなら、加えられるはず。
誇り高い祖父の技を受け継いだ自分が、こんな声援を受けて這い蹲っているわけにはいかない!
だから、

「大豪院流奥義!真空殲風衝!」

正真正銘最後の一撃を放った。

804 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 20:30:16 ID:QAvT1UTi
熱いよお〜〜むさいよお〜〜〜

だがそれがいい。

805 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 20:31:05 ID:9H0SdsFU
支援

806 :男達の使い魔:2007/09/09(日) 20:31:29 ID:aFYrlJQe
そこからのワルドの反応は芸術的ですらあった。
二人の偏在が風で障壁を作り、ルイズとシエスタの攻撃を防ぎきる。
そして本体が、『エア・ニードル』をかけた杖でワルキューレを切り裂く。
神業的な集中力と反応であった。
おそらく、ワルドにも二度とはできないであろう。
だが、

「くっ!」

その反動から、ワルドの膝が一瞬落ちた。


虎丸は考えていた。
ワルドを倒すためには、偏在を含めた全員を倒さなければならない。

(Jとか卍丸なら、こういう相手も得意そうなんだけどなあ。)

虎丸にはそういう手札がない。
しかし、ルイズが、シエスタが、ギーシュが死力を振り絞った一撃が、ついにワルドの膝を折ることに成功する。
ならば、

(あれこれ考えるのは俺らしくねぇ!今はこれだ!)

応えるのが虎丸龍次というものだ。

「食らえ!大放屁火炎放射!」

あたり一面が炎に包まれる。そう、屁は燃えるものなのだ。

そんな中、虎丸のルーンが静かに光っていた。

807 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 20:31:35 ID:KtHQZWnM
やばいこの展開は燃える支援

808 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 20:32:08 ID:/9nmuWKj
おならぷう支援

809 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 20:32:11 ID:9H0SdsFU
支援

810 :男達の使い魔:2007/09/09(日) 20:32:33 ID:aFYrlJQe

「うぬおーーーー!目が!目がーー!」

ワルドは思わず顔を抑えていた。
爆風にのまれて偏在は姿を消していた。

必死で魔法をかけて、己の顔の火を消す。
左目が潰れたその顔には、かつての色男など、かけらも残っていなかった。

なんとか、応急処置を完了したワルドは、虎丸を睨もうとする。

「貴様!男子の面体に屁などかますとは!」

そこでワルドは気がついた。
虎丸が既に動いていることに。

「どこをお探しだい?俺はここだぜ!」

既に懐近く入り込んでいた。


虎丸は久しぶりの感触に驚いていた。これはまさしく大鐘音だ。
力尽きたはずの自分なのに、力が湧いてくるのがわかる。
他の一号生達からは今の自分の様子などわかるはずもない。
それでも、今この時に大鐘音をしてくれる仲間に、虎丸は深く感謝の念を込めると

「お前なんざぁ、屁とこれで十分じゃあ!」

渾身の頭突きをワルドに食らわした。

ワルドの顔面が大きく陥没した。

811 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 20:32:36 ID:n+735cBq
男には支援せねばならんときがある

812 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 20:32:50 ID:HcLGDyZn
>大放屁火炎放射!
あまりに虎丸らしい技の選択に思わず吹いた
だが燃えるぜ支援

813 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 20:32:59 ID:pfpuI8zL
フレー!フレー!作者!
 フレー!フレー!ものかき

814 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 20:33:17 ID:p8pvjSRx
最も屈辱的に熱く倒されたワルドか

815 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 20:33:25 ID:9H0SdsFU
支援

816 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 20:33:38 ID:KUEtghMr
本当に燃えた!支援!

817 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 20:34:37 ID:kJZfqAY9
ワルドがまた一人伊達にされた支援

818 :男達の使い魔:2007/09/09(日) 20:34:52 ID:aFYrlJQe
「終わったのね。」

ルイズがそう呟いたその時!

「貴様ら、許さん!」

声が響く。ワルドがまだ生きていたのだ。
顔を焼かれ、片目を潰され、そして鼻の部分は陥没し跡形もなくなっている。
それでもまだ、生きていた。

流石はスクウェアクラス魔術師、閃光のワルドである。

しつこい!
そう思って魔法を唱えようとしたルイズは気がついた。
ワルドは、怒り狂っていてために、気づくのに遅れた。
それが命取りとなった。

「心眼剣、一之太刀!」

シルフィードから飛び降りた桃の一閃に、ワルドの左腕が落ちた。

「遅いわよ!」

ルイズの一声が飛ぶ!
その目は涙でにじんでいた。
すまんな、とだけ桃は返した。
キュルケにタバサ、J、王大人もそこにいた。

ワルドは、かすれる意識の中で、グリフォンを呼び出すと逃走した。
これほどの屈辱はなかった。

819 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 20:37:53 ID:HcLGDyZn
ここで逃がしてやるなんて、桃たちはなんて優しいんだ支援

820 :男達の使い魔:2007/09/09(日) 20:37:53 ID:aFYrlJQe

傷ついた一同を、王大人が簡単に見てまわる。
最後にウェールズ王子を見ると、眉をしかめた。
その様子に不安を覚えたルイズは尋ねる。

「ねぇ。ウェールズ王子は大丈夫なの?」

しかし、王大人は無情にも首を横に振ると、短く答えた。

「死亡確認」

と。

その言葉に、一同静まり返る。
大体の事情をギーシュから聞いたキュルケやタバサもまた、悲しそうな顔をしていた。

その時、外が騒がしくなってきたのが聞こえた。
どうやら、貴族派の兵士たちがここまで攻め込んできたようだ。
もはや、脱出までに許された時間の猶予はほとんどない。
最後にルイズは、ウェールズの手から、風のルビーを抜き取った。
アンリエッタに形見として渡そうと考えたのだ。
そして、

「ウェールズの遺体はわしが埋めよう。」

その亡骸は王大人が背負って脱出することになった。

その時、Jが立ち止まると、先に行けと指示を出した。
間に合わなくなる、というルイズに、下で待っていろとだけ言うと、Jは後ろを振り向いた。

Jが殿を務めようとしているとしていることに気がついたルイズは、立ち止まろうとする。
しかし、立ち止まったところを、虎丸に抱えられてしまった。

「虎丸!あんたJのことが心配じゃないの!」

泣きそうな顔でルイズが言い募る。
これ以上、知り合いに死人がでて欲しくないのだ。
その言葉に虎丸がニヤリと笑って返す。

「あのかっこつけが、そんな殊勝なことするかよ!それに、」

そう言って桃の方を見つめる。

「ああ!Jは『下』で待っていろと言っていただろう。ならば『下』で待っていようじゃないか!」

桃もまた、不敵に微笑んでいた。

821 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 20:37:56 ID:ov5pv9at
支援確認!

822 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 20:38:40 ID:rGfvz9+r
> しかし、王大人は無情にも首を横に振ると、短く答えた。
> 「死亡確認」
生きてるとしか思えねえ!

823 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 20:38:48 ID:cuuGPsF7
助っ人フラグ立ったー!支援

824 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 20:39:01 ID:KtHQZWnM
生きてるなこれは支援

825 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 20:39:11 ID:kJZfqAY9
ウェールズ生存フラグ支援

826 :男達の使い魔:2007/09/09(日) 20:39:22 ID:aFYrlJQe
Jは一人礼拝堂に立っていた。

「いいかげん姿を現したらどうだ?」

その台詞に反応して、上空から計三十二人の男達が落ちてきた。
リーダー各の男が感心したように話し出す。

「ほう!良くぞ我々の殺気に気がついたな!
 我々こそは!」

その名乗りを遮るかのように、Jが声を重ねる。

「貴様らの名乗りなどいらん!
 今のオレは機嫌が悪い。とっとと立ち去るかここでぶちのめされるか選べ!」

その台詞にリーダー各の男の眉間が細まる。

「この人数に勝てると思っているのか!」

「そうか。」

そうとだけ呟いたJの右手が異様に膨れ上がる。
まさしく異形そのものの姿に、男達の腰が引ける。
あれで殴られたならば、そういう想像が頭をよぎるのだ。

Jは高く、高く跳躍すると、その右手を地面に打ち込んだ。


ピシリ。

その様子に、呆気に取られていた男達がわれにかえる。

ピシリ。ピシリ。

こけおどしをしやがって!そう口々に罵り男達はJに近づいていく。

ピシリ。ピシリ。ピシリ。ピシリ。

「フライング・クラッシュ・メガトン・パンチ」

Jが短くそう告げたその瞬間、地面が崩壊した!

アルビオンの一角が崩壊する。
礼拝堂は、大陸の一部ごと粉々になって、地面へと落ちていく。

そんな中、Jは慌てる様子もなくこういった。

「You're Not My Match!(相手が悪かったな)」

Jの視界には、自分の下を悠々と飛ぶ風竜の姿が捉えられていた。

男達の使い魔 第十話 完

827 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 20:39:39 ID:KUEtghMr
死亡確認
支援

828 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 20:39:39 ID:n+735cBq
生存フラグ支援

829 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 20:40:13 ID:cuuGPsF7
また三十二人ww

830 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 20:40:16 ID:f3d9C8QV
全てのウェールズの死亡で、一番信用できないなこれは

831 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 20:40:17 ID:p8pvjSRx
GJ!

大陸削っちまったww

832 :男達の使い魔:2007/09/09(日) 20:40:51 ID:aFYrlJQe
NGシーン

雷電「あ、あの術はまさか!」

虎丸「知っているのか雷電!」

雷電「あれぞまさしく古代中国において最強の暗殺術と恐れられた辺坐威(へんざい)!」

偏在、風のメイジが好んで使用する術であり、その知名度は高い。
しかし、実はその起源が古代中国に由来するものであることを知るものは少ない。
秦の時代、辺坐威という集団があった。
彼らは、己の秘術で持って、五つ子以上を好んで産んでいたという。
こうしてこの世に生を受けた彼らは、時には一人の影武者として、
時には暗殺者のアリバイを立証するために八面六臂の活躍をしたという。
五つ子として生を受けた彼らにとって、兄弟に成り代わるのは難しくなかったのだ。
そんな彼らがハルケギニアに渡った後、風のメイジとして偏在を編み出したであろうことは想像に難くない。
〜曙蓬莱武術協会副会長平賀氏と風のメイジマリコルヌ氏の談話より引用

833 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 20:40:56 ID:KtHQZWnM
やりやがったw支援

834 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 20:41:08 ID:vPAf06hA
さすがはJ!

835 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 20:41:23 ID:QAvT1UTi
た、大陸砕いたwwww
今回特に熱かったな。GJ!

836 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 20:42:09 ID:/9nmuWKj
>曙蓬莱武術協会副会長平賀氏と風のメイジマリコルヌ氏の談話より引用
サイトとマルコメが出会ってるー!?

837 :男達の使い魔:2007/09/09(日) 20:42:14 ID:aFYrlJQe
ということで投下終了です!
とりあえず、マリコルヌは俺の嫁(大嘘)

今回で、ようやく一区切りついたので、しばらくプロットを練り直してますね。
ということで投下は少し遅れます。

皆様ご支援ありがとうございました!

838 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 20:42:18 ID:eYiYBFXL
ちょwwww
何その談話の組み合わせw

839 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 20:42:29 ID:nStoHwjQ
>曙蓬莱武術協会副会長平賀氏と風のメイジマリコルヌ氏の談話より引用

ちょっと待て、いつ知り合ったんだお前らw
まさか才人も来るのか?

840 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 20:42:58 ID:p8pvjSRx
しまった!まだ残ってたかー

GJ!!

841 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 20:43:17 ID:vPAf06hA
>>832
なんで談話できてんだよwww

842 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 20:43:18 ID:n+735cBq
GJ!!

そしてマリコルヌは風だったのか、初めて知った気がする。

843 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 20:45:19 ID:22KR37Mi
ディセプティコンといい、男塾といい、GJすぎるwwwww
鳥肌モンだわ

844 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 20:45:29 ID:nStoHwjQ
>>842
ギトー「マルコリヌ、奴は我ら風の魔導師においては一番の小物…」

845 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 20:46:37 ID:U93tvSmN
>>839
逆に考えるんだ来るのではなく行くのだと!

そうこれは帰還を予告する伏線フラグなのだ!!!

846 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 20:47:33 ID:HcLGDyZn
NGシーンまで含めてGJ極まりねぇ。

マリコルヌが風メイジというのは実は1巻から出てきてたり。
でも盛大にスルーされてた。目立つようになったのは戦争に行ったあたりからだったっけ
そしてケティってナニ系統だっけ?



847 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 20:48:06 ID:p8pvjSRx
帰還っつーか「開通」しそうな気がしてならない

848 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 20:48:37 ID:BTcSy7iC
さあどの場面で復活するのかGJ

849 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 20:50:21 ID:d8QOqKr0
マルコメの漢っぷりに支援も忘れて読みふけったwww

850 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 20:51:43 ID:HcLGDyZn
>>847
SO☆RE☆DA!
江田島塾長と王大人がそれぞれ別世界にいるんだ。
それくらい出来てもなんら不思議は無いぜ。

851 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 20:53:55 ID:N86Fl2/U
>>846
"熾火"だから火じゃね?

852 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 20:54:27 ID:yJwDKjYG
ttp://www.nicovideo.jp/watch/sm1027178

ディセプティコン支援……と今更言うのも何だかなあ。
以前誰かがUpしていたけど今は消えてた動画をニコ動にあげてみた。

853 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 20:56:30 ID:s/2j8OFc
やっと読み終わった
オデレータ格好良いよオデレータ
マリコ格好良いよシエスタも良いよ虎丸やっと大放屁だよJの決め台詞もやっと出たよ
死亡確認→背負って帰るの助っ人コンボまで出て今日はお腹一杯だよ

854 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 21:01:03 ID:OckE8rMq
ちょっとディセプティコンの中の人を甘くみてたな。
あの糞複雑なTFの変形シーンをここまで上手く描写してくれるとは思わなかった。

855 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 21:01:57 ID:p8pvjSRx
どーだ!って俺が威張っても駄目か!

856 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 21:04:42 ID:HcLGDyZn
>>851
なるほど、火か。サンクス。
てか、出番がほとんど無い癖してやたら格好良い二つ名のよーな…

857 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 21:09:58 ID:OckE8rMq
すげー粘着質で陰湿な印象の二つ名だと思うがw>熾火

858 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 21:10:02 ID:TnLS3WyA
追いついたぞッ!
最初にディセプティコンの人GJ。TF……ディセプティコンの恐ろしさ、魅せて貰った!
こうもとんでもないと、いずれ訪れるだろう才人&ジャズとの邂逅が楽しみでならない。
……後、ルイズのブラックアウトたちへの拒絶フラグが立った気がするのは気のせいか?
ワルドはワルドで良いんだけど……災難でした。
そして男塾の人GJ。
塾生&マリコルヌたちの漢気を魅せて貰った。
ウェールズがどう考えても生きてるだろう事は置いておいて、次回も楽しみにしてるッ!

859 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 21:13:27 ID:JgL5gGyR
TF乙!
変型をキッチリ書ききるとは予想外過ぎた
男塾乙!
この連中ひょっとして下手に武器構えるより素手でぶん殴るほうが早いんじゃなかろうか
ところでマリコルヌってフルネームでた?
家名にグランドプレがあるのはたしかでてたよな

860 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 21:21:55 ID:HcLGDyZn
>>857
>すげー粘着質で陰湿
いやまあそーなんだが劇中の言動見てるとそうは見えんでなぁw
ぶっちゃけミーハー気質だよな、シュヴァリエになったサイトにあっさりなびくし

>マリコルヌ
フルネームはマリコルヌ・ド・グランドプレ
実はアンリエッタもフルネームが出ていなかったり

861 :つかわれるもの:2007/09/09(日) 21:23:59 ID:P5L4fQ7N
男塾かっこいいなぁ……乙です

さて、他に投下予定無いですよね?
無い場合はトウカ行きます。

862 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 21:25:49 ID:n+735cBq
熾火って、要するに赤くなった炭のことだろ?
嫉妬深そうだが、粘着質なイメージはないような。

863 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 21:25:59 ID:9a9LLLHr
>>861
投下とトウカをかけたつもりかー!

864 :第02話 交わされるもの:2007/09/09(日) 21:27:14 ID:P5L4fQ7N
無いようなので行きます。
――

ルイズは恐る恐るといった面持ちで、目の前の亜人達に近付いて行った。
コルベールは例外を認めない、と言った。ならばどちらかと契約を交わすほか無いだろう。

(……やってやろうじゃないの!女は度胸よ!)

もう形振り構ってはいられない。両手で顔を思い切り引っ叩き、前を見据えた。
そしてゆっくりとその女性達に近寄り、声を掛けた。

「あなた達、名前は?」


辺りを見回しながら座っていたカルラとトウカには、たった今自分達に掛けられた少女の声に聞き覚えがあった。

「カミュ殿?」
「カミュ?」
「質問を質問で返すなー!って言うかカミュって誰よーっ!!」

だってくぎみーだしとか聞こえて来た気がしたが、今それは特に関係無い。
良く見てみれば、髪の色も違う、羽根も生えていない、それにボリュームが違いすぎる。
人違いだと言う事を瞬時に悟ったカルラは、意に介さず返答した。

「単なる人違いですわ。それはそうと、相手の名を聞く時はまず自分から名乗るのが礼儀ではなくて?」

相手がただの平民ならば……特に気にする事無く、質問攻めを行っただろう。
しかし目の前に居るのは「亜人」、しかもどこか気品がある上に言っている事は正論だ。
その状況で反論する余地も無く、ルイズはあっさりと折れた。

「そ、それもそうね……。いいわ、私の名前はルイズ。で、あなた達の名前は?」
「わたくしの名前はカルラ。そっちがトウカですわ」

そう言って彼女は、自身と隣の女性を指さした。
一先ず安心した。そうそう気性が激しそうでは無いし、礼儀も弁えている。
これで安心して、契約できる。そう考えたルイズは目を瞑り、杖を掲げた。


865 :第02話 交わされるもの:2007/09/09(日) 21:29:27 ID:P5L4fQ7N

「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。五つの力を司るペンタゴン。この者に祝福を与え、我の使い魔となせ!」

そう叫ぶと、目を瞑ったままカルラに顔を近付けて行く。
「使い魔」というセリフから、カルラは直感で理解した。これが契約の為のキスだと言う事を。

(あるじ様以外とキスする気も、契約する気もありませんのに……)

カルラはあくまで冷静に、しかし素早くこの状況を脱する術を模索する。
ふと、前にハクオロから聞いた苦い思い出の話が脳裏によぎった。

(トウカには悪いけど……あの技を使わせて貰おうかしらねー……イメージは良くありませんけど)

そう考えると、カルラは「あの技」を実行に移した。

ルイズが口付けをする寸前、カルラは即座に身を引く。
横に居るトウカを引っ掴み、思い切り前方に押し出し固定する。
そして―――叫んだ。

「 ト ウ カ 防 壁 ! 」

この間、僅か一秒。
カルラの行動を認識する事など、不可能であった。


当のルイズは困惑していた。頭に浮かぶのは何故?やどうして?といったフレーズのみ。


(あ……ありのまま今起こったことを話すわ!
『私はカルラと契約をした、と思ったらいつの間にかトウカと契約をしていた』
な、何を言ってるか判らないと思うけど
私も何をされたか判らなかった……
頭がどうにかなりそうだったわ……
間違えたとか、避けられたとか
そんなチャチなものとは断じて違う
もっと恐ろしいものの片鱗を味わったわ……)

866 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 21:30:22 ID:TnLS3WyA
カルラ姐さんは酷いなぁ支援

867 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 21:30:39 ID:JgL5gGyR
なにこの人間バリヤーwww
支援

868 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 21:30:58 ID:kK6a6P9+
トウカかわいそす支援

869 :第02話 交わされるもの:2007/09/09(日) 21:32:43 ID:P5L4fQ7N

ふと前を見ると、カルラが妖艶に笑い……呟いた。

「わたくし、同姓と口付けする趣味はありませんの」

ルイズが地面に膝を着くのと、トウカが叫び声を上げるのは、ほぼ同時だった。

「カールーラーァァァァッ!!!!」
「良いじゃありませんの、減るものじゃありませんし」
「だからといって某を盾にするなぁぁぁぁ」

トウカは既に、泣いていた。
矢継ぎ早にカルラに苦言を呈していくが、カルラに一切の効果は無い。

「大体カルラ!お前は某をからかって何が楽しいん……熱ッ」

興奮冷めやらないトウカの口を止めたのは、当然熱くなった全身。
トウカは訳の判らないまま、身体を抑えて蹲り、ルイズに向かって叫んだ。

「貴様!某の身体に何をしたッ!!」
「つ、使い魔のルーンが刻まれてるだけ。大丈夫よ、すぐ済むから」

その剣幕に内心動揺しつつも、ルイズは表面上は冷静に返答した。
ルイズのその言葉通り、徐々に熱は収まっていった。
コルベールがトウカに近寄り、ルーンの刻まれた場所を覗き込む。

「ふむ、珍しいルーンだな……」

トウカの右手の甲には見たことも無い文字が躍っていた。
コルベールはそのルーンをスケッチすると、遠巻きにその場を見ている生徒達に向かって言った。

「さてと……じゃあ皆、教室に戻るぞ!」

そう言ってコルベールは宙に浮いた。
他の生徒も同様に宙に浮き、校舎の方に向かって飛んでいく。
流石のカルラもこれには驚きを隠せず、トウカは唖然とした表情で生徒達の飛んでいった方向を見つめていた。



870 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 21:35:08 ID:TnLS3WyA
ルーンはヴィンちゃん(ヘタレ)か。そして翼無しで飛ぶのが珍しい、という事かね支援

871 :つかわれるもの:2007/09/09(日) 21:35:34 ID:P5L4fQ7N
さて短かった気もしますがトウカ完了です。
脳内にネタが蓄積されてますが、自分では消化速度が間に合いませんね……

872 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 21:36:12 ID:TnLS3WyA
乙。しかしもうちょっと先で切った方が切りが良かったんじゃないかと思う所存。

873 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 21:38:44 ID:QD0fr2Hk
GJ!
だが関係ないパロネタは入れ過ぎると嫌われるかも知れん

874 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 21:43:14 ID:QAvT1UTi
ルイズとカミュ同じ声だったな。くぎみゅだったっけ。
GJ!オボロ防壁のトウカバージョンキタw

875 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 21:52:47 ID:iIFwMukZ
>>871
名前欄にはその話数のタイトルじゃなくて作品タイトルを入れるといいよ

876 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 21:57:36 ID:+CYLgBys
声優は同じなのにルイズとカミュは色んな意味で正反対だな……

877 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 22:00:28 ID:r1dNyy93
勢いだけで書いた単発ネタだけど投下OK?

878 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 22:01:19 ID:Vuhr4Nas
かもんかもーん

879 :ゼロと獣化兵:2007/09/09(日) 22:03:54 ID:r1dNyy93
では投下いきます

 この時、ゼクトールは丘の上から七万の大群が迫っている光景を見ていた。
「よお、相棒。いい感じに震えてるじゃねえか」
 腰に下げたデルフリンガーがゼクトールをからかうような言葉で話す。
「元々拾った命だ。ここで派手に捨てさせてもらう。お前はそれを見届けていろ」
「冷てえぜそりゃ。でも相棒は俺なしでも恐ろしく強えってのはわかってるぜ」
 ルイズは知らず、デルフリンガーだけがゼクトールの正体を知っている。
 ゼクトールが超獣化兵だということを。
 それ以上の遣り取りはなしにデルフリンガーを足元へと置いたゼクトールは、
 深呼吸をするように息を大きく吸い込んだ。
 そして自身のもう一つの姿である超獣化兵形態に己の体を変貌させる。
「頑張れよ相棒!」
 デルフリンガーの声に返事をすることなくゼクトールは地中へ潜行を開始する。

880 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 22:04:03 ID:HcLGDyZn
小ネタも大歓迎さブラザー
そんなわけで支援だ


881 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 22:05:28 ID:HcLGDyZn
しまったageてしまった…orz
でも支援は諦めない!なにせ大好きな超獣化兵ゼクトールさんのターンだからな!

882 :ゼロと獣化兵:2007/09/09(日) 22:05:38 ID:r1dNyy93
「俺はあの時死んだと思っていた」
 ゼクトール自身はファイナルブラスターテンペストを放った所で消滅したと思っていた。
 だが、ルイズの使い魔となることで命を拾う結果になった。
 始めは戸惑っていたが、人間だった頃に感じられたような穏やかな生活にも徐々に慣れつつあった。
「しかしこれだ」
 それが、アルビオン戦線で主のルイズが撤退作戦の殿を命令されることとなり、
 主を危険に晒さないためにもゼクトールはルイズを眠らせてジュリオとか言う小僧に預けた。
「後顧の憂いはない。暴れるのみだ!」
 地中を進みながら戦闘への決意を露にするゼクトール。
 すでに頭上からは進軍の振動が感じられる場所にまでやってきた。
「おおおおおおおお!!」
 ここでゼクトールは地中から地上へと一気に躍り出るとすぐさま翅を展開する。
「なんだこの化け物は!」
 どこからともなく上がったその声が引き金となり、七万の大群は混乱の坩堝に叩き込まれた。
 これ幸いとばかりにゼクトールはガスターから受け継いだ生体ミサイルの全弾発射を敢行。
 広範囲に散らせたミサイルによって発生する悲鳴、
 そして散発的な爆音を耳にしながら新たなミサイルを生成し、
 襲い来る兵隊をなぎ払うようにダーゼルブから受け継いだ超高熱放射を全身で行う。
 それに巻き込まれた兵隊はあまりの熱量に声をあげることも、
 痛みを感じることもなく一瞬で焼死した。

883 :ゼロと獣化兵:2007/09/09(日) 22:07:19 ID:r1dNyy93
「あいつを狙え!」
 続けて上がってくる敵指揮官からの指示と魔法や弓矢による攻撃。
 そんな物はゼクトールにとって蚊に刺されているような物だった。
 声の聞こえてきた方角から指揮官と目される人物に目をつけたゼクトールは一瞬にして彼に接近し、
 ザンクルスから受け継いだ高周波ブレードを展開させると胸の中心に突き立て、
 エレゲンからの放電でトドメを刺すと同時にミサイルを全弾発射して周囲へ攻撃を加える。
「まだまだ!」
 瞬く間に数を減らしていく敵兵にゼクトールは喚起の声でもってそれを迎え、
 敵兵は戦慄の声でそれを迎えた。
「押しつぶせ!」
 どこかから上がる指示。同時にメイジや騎兵、傭兵に亜人を問わずゼクトールに殺到する。
 それはゼクトールにとっても好都合だった。
「はああああああ!!」
 最大出力の電撃でゼクトールは殺到した敵兵を迎え撃つ。
 それでもバタバタと倒れ行く屍の山を越えるようにして敵兵の進軍は続く。
「これでもくらえ!」
 殺到する敵兵とは別に輪の外にいる敵兵に向かってミサイルの一斉射を行い、
 輪の中にいる兵には超高熱放射の二段構えで圧倒する。
 そして全身のレーザー発射口を展開するとそれの一斉射も行いつつ、
 なぎ払うように振り回して射線上の兵隊を蒸発させる。
 さらに動きの止まった敵兵の中心へ突貫したゼクトールは、
 両腕の高周波ブレードを展開して迫り来る敵兵を切り裂き、ミサイルの一斉射に超高熱放射、
 全身からの放電やレーザーを織り交ぜながら圧倒的戦力で敵を瞬く間に減らしていく。
「逃げろ! 人間の敵う相手じゃない!」
 三分の一近い損害を出した頃になり、どこからかようやく撤退の声が上がった。
 恐慌状態に陥っていた兵隊は獅子奮迅たるゼクトールに構わず我先にと撤退を開始する。
「存外に苦戦しなかったものだ」
 翅を展開しながら戦っていたゼクトールには、
 ブラスターテンペストのエネルギーは十分に蓄積されていた。
 だが、残りを殲滅するにはまだ足りない。
 撤退する敵兵を横目にゼクトールはエネルギーの吸収に全力を傾けた。

884 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 22:07:34 ID:d8QOqKr0
ゼクトールとは面白いチョイスだ支援

885 :ゼロと獣化兵:2007/09/09(日) 22:08:27 ID:r1dNyy93
「まだだ。まだ足りぬ!」
 その一撃を放てば拾った命をもう一度捨てることになる。
 だが、ゼクトールに後悔はなかった。
「ルイズ。お前が主となったおかげで俺は命を拾った」
 躾と称して叩かれることもあったが、それもゼクトールにとっていい思い出となっている。
「それを捨てることになるのは許してくれ」
 元々長くは保たない体だったゼクトールには、こちらでの生活は夢のような物だった。
「ガスター、ダーゼルブ、エレゲン」
 アプトムに吸収はされたが、己の体に息づく能力をくれた仲間の姿を思い浮かべるゼクトール。
「ザンクルス」
 続けてガイバーIIIによって真っ二つにされてはいるものの、
 能力を受け継ぐことはできた仲間の一人の名を呟く。
「お前達の所へは一度行きそびれたが、今度こそ迷わずに行くぞ」
 ここに来てようやく殲滅するだけのエネルギーは十分に蓄積した
「くらえ! ファイナルブラスターテンペスト!」
 撤退する敵兵に向けてゼクトールから一条の閃光が放たれる。
 数秒間に渡ってその光は放たれたが、光が消えた後には文字通り何も残っていなかった。

「やっちまったぜ相棒。本気で殲滅しやがったよ」
 ゼクトールの最後の戦いを見届けていたデルフリンガーの呟きは誰も聞く人がいなかった。

886 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 22:10:49 ID:r1dNyy93
以上で投下終了です。
穴だらけな上に短いですが枯れ木も山の賑わいと思ってください。
ただファイナルブラスターテンペストがやりたかっただけなんです。

887 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 22:12:03 ID:HcLGDyZn
うわぁお、流石ネオ・ゼクトールさんだ
レコン・キスタなんて目じゃないぜ!

あれ、何だろう。この目から流れ落ちる液体は…。

888 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 22:13:08 ID:s/2j8OFc
それでも…それでもテファならなんとか…

889 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 22:13:51 ID:MyRqm0gA
トウカ防壁吹いたw
ところでトウカがヴィンダールヴになってるけどいいの?
ルーンの場所を間違えてる人が多いから、ヴィンならヴィンだと補足してもらえるとありがたい。

890 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 22:17:45 ID:QD0fr2Hk
トウカにガンダールヴは無敵すぎるだろう
素で強い上に心もふるふる震えるし

891 :つかわれるもの:2007/09/09(日) 22:23:25 ID:P5L4fQ7N
ヴィンダールヴでOKです。
ガンダールヴだと後々に影響が出るんで……

892 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 22:23:43 ID:n2fdvt/4
>>890
しかし、うっかりは治らない
まあ、それがいいんだがw

893 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 22:24:05 ID:derutyq/
うおおおお、追いついた! 昼にも来たけどこんばんわ。9/5ぶりに松下でげす。
皆GJ! 特に男塾とか。

忙しい合間を縫って『松下』の幕間がちみっと出来たので、暇なうちにトウカします。
またワッルベアード様は出ますが、松下自身は出ません。
そしてこれでしばらくネット落ち。その間スレはどこまで進むのかなあ。

前回のあらすじ:このロリコンどもめ!!

894 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 22:25:00 ID:UF+tNj0d
支援です、父さん。

895 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 22:25:37 ID:JgL5gGyR
>>893
支援するぜ
> 前回のあらすじ:このロリコンどもめ!!
おい晩飯の春雨返せ

896 :『使い魔くん千年王国』 幕間2・『悪魔』 1/3:2007/09/09(日) 22:27:34 ID:derutyq/
浮遊大陸アルビオンの北東部、岬の先端に聳え立つ名城ニューカッスル城は、
激しい敵艦からの砲撃と、百倍を超える大兵団の前に、遂に陥落した。
ウェールズ皇太子は、混乱の最中に『味方の裏切り』で死亡。
老王ジェームズ1世は、城を枕に討ち死に。アルビオンのテューダー王朝は断絶した。

略奪が始まるも、もはや目ぼしいものは軍資金として売り払われ、非戦闘員は逃れた後。
腹いせのように、残った将兵は嬲り殺しにされ、仲間同士の醜い争いも始まる…。

「おおミスタ・ワルド、不用意に『あの姿』を現さないで頂きたい。こちらの兵にも死者が出たぞ」
「いやいや、済まないね、クロムウェル閣下。ちと面白い奴らがいたもので」
部屋に入ってきた青年貴族はジャン・ジャック・フランシス・ド・ワルド――――
今は彼を乗っ取った『魔眼のバックベアード』が、にたりと笑いながら答える。
松下の放った『照魔鏡』の閃光で右目を焼き潰され、隻眼だ。
相手は三十代半ばの痩せた男。法衣を纏い、カールした金髪に聖職者の帽子を載せている。

ここは陥落した城内の一室。時は深夜。忌まわしい者たちの策謀が巡らされていた。

「まあ、『ウェールズの命』と『アンリエッタの手紙』は私が奪った。
 この恋文があれば、トリステインはゲルマニアと同盟を結べず孤立するだろう。姑息な作戦だがね」
「どちらにせよ侵攻するのに変わりはないさ。『聖地』に攻め込む前に、少し地上基地を作るだけのこと。
 遅かれ早かれ、地上の諸国は皆我ら『レコン・キスタ』の下にひれ伏す!! 忌まわしきエルフさえも!!」
『レコン・キスタ』の代表者、貴族会議議長オリヴァー・クロムウェルは、興奮して諸手を天に掲げる。
彼は人間であり、魔法さえ使えない『平民』の司教に過ぎなかった。だが…。
「そうなれば、私の野望も叶うというものだ。協力は惜しみませんぞ」
部屋の隅で声がした。低い嗄れ声ながら、巧みに人心を捉えるような魔性の声。

「ふっはははは、感謝しますぞベリアル閣下。あなたが水の精霊から『アンドバリの指輪』を奪い、
 古臭い王家を倒せるほどの強力な軍勢と権勢を私に授けて下さった。
 あなたこそ私の救世主、いや、神かもしれない!」
そこにいたのは、白髭の老いた貴族の姿をした『悪魔ベリアル』。
偉大な公爵、炎の王、虚偽と殺戮の貴公子、隠れた賄賂と暗殺の魔神。
闇の王にしてこの世の王。『無価値・邪悪』がその名であり、堕天使のうちで最も美麗にして卑劣。
悪魔の王サタンの別名。クロムウェルは司教でありながら、『悪魔』と結託したのだ…。


897 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 22:27:49 ID:Gd0ZNuvF
俺はロリコンじゃねぇよ支援
侮辱すんな

898 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 22:30:31 ID:n+735cBq
世界同時革命支援

899 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 22:30:33 ID:9H0SdsFU
しえん

900 :『使い魔くん千年王国』 幕間2・『悪魔』 2/3:2007/09/09(日) 22:31:19 ID:derutyq/
「どれ、雌犬(ビッチ)の姫様の恋文を拝見させてもらおうか。ひひひひ」
クロムウェルが下品に笑い、亡きウェールズが遺した古い手紙の封を切る。
すると封筒の内側から『青い炎』が立ち昇り、彼の手を焼き焦がした!
「ぎゃあっ!? 何だと!?」
炎は手紙自身をも焼き捨て、白い灰が残る。
「ふふん、魔法の封印かな。どうもあの『東方の神童』のにおいがするぞ」
『ワルド』とベリアルは、呻いてうずくまるクロムウェルをゲタゲタと嘲笑した。

「さてクロムウェル閣下、アルビオンは滅び、その空中艦隊も接収できた。
 準備が出来次第、難癖をつけてトリステインに侵攻することになろう。
 その前に私はゲルマニアとガリアを巡り、援軍が送れないよう宮中に細工をしてこよう」
ベリアルが提案する。
「戦場の後始末と軍需物資の徴発には、私の部下をお付けしよう。アルビオンの貴族より有能だよ」

ベリアルの足元の影から、二体の『悪魔』が現れる。
片方は二つの鴉の頭を備え、黒い体と鉤爪を持つ。
もう片方は猿のような顔に黒猫の耳と尾を備え、小役人の制服を着ている。
「『富の魔神』マンモンと、『地獄の出納係』メルコム。力はたいしたことないが、
 地下資源や金銭に関わることならお手の物だ。きっとお役に立つことだろう」
悪魔たちは人間に姿を変え、相手を軽蔑しきった笑顔でクロムウェルに恭しく一礼した。

クロムウェルは歯ぎしりしながら立ち上がる。
「ああ、頼みますベリアル閣下。陰謀にかけてはあなたの右に出る者はいない」
「そうだともクロムウェル閣下。私は『人の子』に虚偽と悪意と怒りを吹き込み、
 それを大きく育て上げるのが何よりの愉しみなのだからね……」
ベリアルはこの上なく邪悪な笑みを浮かべ、闇の中へ姿を消した。
『ワルド』も同様に部屋から立ち去り、クロムウェルと二人の悪魔が残された…。

「新国家は、『神聖アルビオン共和国』とでも名づけよう。私の、私の国だ。
 わ、私は『神聖皇帝』だ。平民も貴族どもも、この指輪で支配してやる」
クロムウェルは、『アンドバリの指輪』の妖しい輝きを見ながら、呟いた。
心を操り、死者にさえ仮初めの生命を与え、傀儡とする指輪。その使い手もまた、傀儡であった。
「ではお二方、まずは『皇太子のご遺体』を探し出して欲しい…」


901 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 22:31:29 ID:B1H2EHYN
タイトルでネウロのシロタが出ると思った支援

902 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 22:32:12 ID:JgL5gGyR
ベアード様支援
真女神転生が手元にあったので外道バックベアードを作ってパーティにいれてみた

903 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 22:32:39 ID:9H0SdsFU
支援

904 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 22:32:51 ID:n+735cBq
共和国の皇帝とはこれ如何に支援

905 :『使い魔くん千年王国』 幕間2・『悪魔』 3/3:2007/09/09(日) 22:33:35 ID:derutyq/
「ご苦労だったな、『土くれのフーケ』。いや、マチルダ・オブ・サウスゴータ」
ラ・ロシェールの町に取り残され、場末の酒場で不貞腐れていたフーケのもとに、再び『白い仮面の男』が現れる。
「おかげさんでね、ワルド子爵。小童たちの足止めくらいにはなったかい?
 ……あたしは年増じゃない、二十三歳は女ざかり…ブツブツ」
よく分からないが、精神的に何かショックを受けている。ちょっと眼がうつろだ。

『ワルド』が仮面を外し、隻眼になった素顔を見せる。
本体は雲の上のアルビオン、ここにいるのは『遍在』の分身だ。
「ふふふ、『トライアングル』メイジは結構な戦力だ。もうすぐひと働きしてもらうさ。
 なあ、年増、小母さん、オールドミス、お肌の曲がり角、熟女、更年期。ウワッハハハハハハハハ」
「ブチ殺されたいかい…と言いたいが、あんたとは『格』が違う。やめとくよ。
 …第一人間かどうか、怪しいしね。命と自由とが保障されて、カネさえ貰えりゃ文句はないさ」
フーケ、いやマチルダも、『ワルド』の漂わせる冷たい妖気に引いている。

彼女はアルビオン貴族の出身。家はサウスゴータの太守で、かつて王家により家名を取り潰された。
アルビオン王家が滅んだと聞いても、『ざまあみろ』と思う以上の感慨はない。
いまさら貴族様に戻る気もないし、盗賊稼業が性に合っている。守りたいものもある。
…でも、一応結婚願望はあるのだ、やっぱり。

(ああ、始祖ブリミル様。どうかあたしに、いい男をお与え下さい。ロリコンの妖怪とかじゃなくて)

(つづく)


906 :『使い魔くん千年王国』:2007/09/09(日) 22:34:47 ID:derutyq/
投下終了。ジョゼフの秘書の人は一応います。

水木漫画でベリアルというとやっぱり鬼太郎に出てきたアレ。からす天狗にしてやられたりする微妙な人。
『悪魔くん世紀末大戦』とかにもちらっと出ます。
ちなみにマンモン(マモン)は地獄帝国の『英国大使』だそうで。(ベリアルはトルコ=オスマン帝国大使)
メルコムは『地獄帝国の公務員の給与支払い係』という下っ端でやんす(デビルサマナーに出ていたなあ)。
では今度こそ20日までさらば〜。


907 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 22:34:59 ID:HcLGDyZn
ロリコンであることは否定しない…
だがなっ!私をその程度だと思ってもらっては困るな支援っ!

ぶっちゃけ巨乳も大好きだぜ?

908 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 22:37:52 ID:Vuhr4Nas
松下くん、抜け目がねえ…GJ!

909 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 22:41:11 ID:Gd0ZNuvF
>(ああ、始祖ブリミル様。どうかあたしに、いい男をお与え下さい。ロリコンの妖怪とかじゃなくて)
なるほど!婚期を気にしていらっしゃるのですね!

910 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 22:41:53 ID:Fle5z166
ネオゼクトールは羽化した蝉より寿命が短い……

911 :「ウエストウッドの黒騎士」:2007/09/09(日) 22:50:34 ID:Cw+FVBHE
ディセプティコンはとにかく、素晴らしすぎるな。
ところで、他に投下したい方いませんか?
私の今回の投下はかなり長いので、下手をするとこのスレ最後の投下になるかもしれません。

912 :「ウエストウッドの黒騎士」:2007/09/09(日) 22:56:14 ID:Cw+FVBHE
大丈夫そうですので、投下してみますね。



その夜、ティファニアの幸せは一つの絶頂を迎えた。
長い間、研究していたクッキー作りについに成功したのだ。
思えばここまで至る道筋は長かった。
そして、その道は数え切れないほどの小麦粉と砂糖の屍によって塗装されていた。
しかし、ロバ・アル・カリイエの諺でも言っているようにラスト良ければ全て良し。
使い魔の青年に気付かれないように夜こっそりクッキー作りの練習をしたことや一人でほろ苦い失敗作を処分したこと、焦げた焼き菓子を食べ過ぎて食事の量が減り、子供たちに心配されたことも今となっては良い思い出である。

恐る恐る口にしたクッキーは文字通り蕩けるように甘かった。
速くこのお菓子を彼に食べさせてあげたい!
その一心でティファニアは焼いたばかりのクッキーをお皿に載せて、家の外で夜空を眺めている彼の元に赴いた。
しかし、大好きな彼をちょっと驚かせてやりたいと言う少女らしい悪戯心で五宇たちの背後に忍び寄った結果、ティファニアは彼女の一番聞きたくない言葉をその長い耳で捉えてしまうことになった。

彼の口にしている言葉はわかったが、言っている意味は全く理解できなかった。
村は平穏で、夜空は美しく、この閉じた小さな世界はこんなにも幸せに満ち溢れていると言うのに。
どうして……。
どうして――っ!

「……ゴウさんたちはこの村を出て行くって言うのっ?」
「待って。落ち着いて、テファ。すぐに私たちが出て行くといっているわけじゃ」
「そのとおり、俺たちはできるだけ早くこの村を出て行かなければいけない」
「ゴウ――――っ!!!」


913 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 22:57:02 ID:Vuhr4Nas
ゆっくり支援するぜ

914 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 22:57:51 ID:n+735cBq
長いらしいので適度に支援

915 :「ウエストウッドの黒騎士」:2007/09/09(日) 22:59:05 ID:Cw+FVBHE
ティファニアを宥めようとしたタイラの重二輪を押しのけ、五宇は前に出る。
クッキーの皿を胸元に掲げている金髪の少女と向かい合うように立つ。

「旅の準備は既にできている。俺たちは近いうちにトリステインに向かう予定だ」
「どうして……」

信じられないと言うように首を振りながら、ティファニアが言った。
クッキーの皿を持つ手は危ういほど震え、大きな目の端には既に涙の水滴が浮んでいる。

「どうして、出て行くの。ウエストウッドにいるのが嫌になったの?」
「いや、ここは素晴らしいところだと思う。俺たちがいた世界にはこんなに自然の美しい場所は無かった」
「そ、それじゃ……わ、私が嫌いになったの? ゴウさんたちを勝手に呼び出したから、怒っているの?」
「それも違う。君が意図的に俺たちをこの世界に呼び出したんじゃないことは分かっている。それに文字を教えてくれたことや屋根を貸してくれたことには感謝している」
「じゃあ、どうしてっ!?」

自分でも驚くほど甲高い声でティファニアは五宇を問い詰めた。
青年はすぐに彼女の問いに答えてくれた。

「果たさなければならない使命があるからだ。俺はその使命を成す為だけに生まれてきた」
「そ、それなら、そのやらなくちゃいけない仕事が終ったら、私たちのところに帰ってきてくれる?」

まるで藁を掴もうとする遭難者のような目でティファニアは五宇を見た。
ハラハラしながら、二人を見守っていたタイラが重二輪の触手で青年の背中を突っつく。
五宇は一瞬目を瞑って考え込んだ後、

「いや、それは無理だ。元の世界に何時帰れるか分からないし、仮に帰れたとしても俺たちの世界はあまりに危険で、敵はあまりに強大だ。俺が生きてこの村に戻ることはない―――」

青年が最後まで言い終える前に乾いた音が夜空の下に響き渡る。
立体映像の少女は「あちゃ――」と言いながら、手の平で顔を覆った。
ティファニアは五宇の頬を張り飛ばした姿勢のまま、火を吹くような眼差しで彼を睨みつけた。


916 :「ウエストウッドの黒騎士」:2007/09/09(日) 23:00:19 ID:Cw+FVBHE

「どうせ出て行くなら、何故この村に留まったの! 結局失望させるなら、どうして期待なんて持たせたの! 私、楽しかったのに。今までこんなに楽しいと思ったことはなかったのに! こ、こんな思いをするぐらいなら、わ、私―――」

溢れる嗚咽に喉を詰まらせ、少女はそれ以上何も言えなくなった。
白い指で口元を抑え、五宇たちに背を向け、真っ暗な家の中に駆け込んだ。
後に残されたのは、月明かりにきらめく涙の雫と押し殺した泣き声だけ―――
恨みがましい目で隣りの五宇を睨みながら、タイラが言った。

「テファ、泣かせちゃったね」
「ああ……」

青年は無表情に頷いた。

「これってゴウのせいだよね」
「ああ……」
「明日からどんな顔でテファに会うつもりなの?」
「……わからない」

もう一度、パチーンと威勢の良い音が夜の大気を震わせた。
金属の触手で青年の頭を叩いた後、タイラは「わたしはもう知らないわよ」と言って重二輪の立体映像を切ってしまった。
一人取り残された五宇は無言でその場に立ち尽くす。

ウエストウッドを出て行くと決めた時から、何れこんな日が来ることは分かっていた。
しかし、現実のティファニアの涙は想像以上の衝撃を青年に与えた。
鳩尾と心臓の辺りが焼けた刃物で抉られるように激しく痛む。
この激痛はボディスーツの耐久試験の時に機関砲の直撃を受けたときと同じ―――いや、それ以上かもしれない。

気分が落ち込んでいる時は、視線も自然と地面を向く。
すると少女が苦心を重ねて焼いたお菓子が夜露に濡れた草の上にばら撒かれているのが見えた。
無残な有様に成り果てていた一枚を手にとり、口に運ぶ。
甘いはずの焼き菓子は、何故か酷く塩辛い味がした。


917 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 23:01:44 ID:N86Fl2/U
はちみつ(が苦手な)くまさん支援

918 :「ウエストウッドの黒騎士」:2007/09/09(日) 23:02:14 ID:Cw+FVBHE


星も見えない夜空の下。
深海のように濃い闇を掻き分けながら男は走り続けていた。
息を吸い込む度に焼けるような痛みが胸を走り、肺は陸に上がった魚のように酸素を求めている。
深夜の路地裏を全力疾走するのはとても危険だ。
何時ゴミか死んだ浮浪者に蹴躓いて転ぶか分かったものではない。
そうやってできた傷は間違いなく化膿する。
路地裏の汚物塗れの泥には戦場の土と同じくらい嫌らしい毒が含まれているのだ。

しかし、男は足を止めることができなかった。
闇の中から迫る恐怖から逃げるためには、心臓が破裂するまで走り続けるしかない。
耳元に追いすがる乱れた息とバラバラの足音は部下たちのものだ。
その音に耳を澄ませれば、豚のように歪んだ顔まで目に浮かぶ。
そして、部下たちの背後には―――。

男は必死に「奴等」のことを頭から締め出そうとした。
しかし、それは間違いだった。
かえって想像力を刺激してしまい、脳裏に「追跡者」たちの姿が鮮やかに浮かび上がる。

奴等はまるでおとぎ話に出て来る亡霊のように薄汚い外套をまとい、顔が見えないほどフードを目深に下ろしている。
外套から覗く手足は真っ黒な鎧に覆われ、悪趣味なことに指先には獣のような鋭い鉤爪が付いている。
その爪先が触れる度に石畳は赤い火花を散らす。
カチ、カチ、カチ、死神の時計のように正確なその音。


919 :「ウエストウッドの黒騎士」:2007/09/09(日) 23:03:48 ID:Cw+FVBHE


奴等は影のように密やかに息をし、猫のように獲物を追い詰める。
ちくしょう、なぜ俺がこんな目に会わなきゃならないんだぁっ!
怯えた鼠のように泣きわめきながら、男は自分がこんな境遇に陥った経緯を思い返した。

今から三か月前、男は人生の春を謳歌していた。
その頃、彼は百人を超える荒くれたちを束ねる傭兵団の長だった。
傭兵団の中では決して規模の大きい方ではなかったが、業界での評判は悪くなかった。元貴族で魔法の使い手だった男はメイジたちの裏を掻く術に長けていた。
そのお陰で彼の率いる赤犬(グール)団はメイジ殺しの傭兵団として名を馳せることができた。

アルビオンの内戦が始まると、男たちはレコンキスタと言う名の追い風に乗って大いに活躍した。
ある時は名のある魔法戦士を暗殺し、またある時は大貴族の子弟を捕虜にして身代金を取った。
捕虜の女の時はさらに楽しみが増える。
もしその女の家が身代金も払えないような貧乏貴族の時は仲間内で弄んだ後に奴隷商人に売り飛ばした。
メイジの女はよほどのお古でない限りいつでも高く売ることができた。

時には身代金を受け取った後で捕虜を売り飛ばす事もあった。
メイジの力を持ちながら、貴族として認められなかった男は高貴な女性を奈落の底に突き落とすことに無上の喜びを見出していた。
しかし、積み重なる勝利は男の目に分厚い膜を張り、何時しか彼は死神よりも厄介な存在に取り付かれた。
その存在の名は慢心、または無謀。


920 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 23:05:06 ID:9H0SdsFU
支援

921 :「ウエストウッドの黒騎士」:2007/09/09(日) 23:05:46 ID:Cw+FVBHE

男が傭兵の記憶を奪う呪われた土地に関する噂を耳に挟んだのはその頃だった。
迷信深い同業者たちの怯えを彼は鼻で笑い飛ばした。
人殺しを生業とする者が亡霊を恐れてどうする?
誰もが忌避する場所に金儲けのチャンスを見出す事こそ傭兵の醍醐味ではないか?

男はさっそく部下達を使って、呪われた土地の情報を集めた。
そして、間もなくそこがロサイスの北東にあるウエストウッドという名の村であることを知った。
そこまで分かれば、その村にエルフの血を引く少女がいることを探り出す事は簡単だった。

美少女のメイジは稀少品だ。
しかも、そこにハーフエルフと言う付加価値がつけば、これはもうとてつもないお宝である、
変態貴族相手に花売りをさせれば――トリステインのモットー伯辺りなら、処女だけで十万はかたい――城の一つや二つ買える金がすぐに手に入る。
その金でゲルマニアの爵位を買い、昔のコネで奴隷商人を始めればもう一生左団扇だ。

部下たちを引き連れて、ウエストウッドを襲撃した時、男は後一歩と言うところまでハーフエルフの少女を追い詰めた。
しかし、彼の手がようやく獲物に届いた瞬間、少女は「サモン・サーヴァント」の術を使ってあの恐ろしい黒騎士と鉄の獣を呼び出したのだ。
男は騎士の一撃であっさり気絶し、部下たちも獣に威嚇されてあっさり男を見捨てて逃げ去った。
結局、彼は少女と黒騎士が「コントラクト・サーヴァント」の儀式について一悶着している隙にほうほうのていで逃げ帰った。


922 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 23:05:53 ID:WuqbhHAo
支援。

ウエストウッドの黒騎士をwikiに登録しておきましたが
あんな感じでいいですかね?
登場人物とかまだそろってないんでバイオメガとだけ入れといたんですが。
サナカン出てきたらいちおう多重クロスなんでそこらへんどう注意書きいれましょ?
んー。

923 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 23:06:30 ID:9H0SdsFU
支援

924 :「ウエストウッドの黒騎士」:2007/09/09(日) 23:07:02 ID:Cw+FVBHE

その日からひたすら惨めな毎日が続いた。
傭兵と言う人種はツキと能力のあるリーダーに従う習性がある。
そしてツキと能力、どちらが重要かと聞かれれば前者と答えるものが大半なのだ。
部下の前で無様な姿を見せてしまった男は荒くれ男たちの信頼を失ってしまった。
男自身も自分を見捨てて逃げた部下たちを以前のように信じることはできなかった。

信じあえない者たちがいくら集まってもそれはただの烏合の衆だ。
あの日を境に男の作戦は失敗が続き、串の歯が抜けるように彼の周りから人が消えていった。
気がつけば、男が半生をかけて築いた傭兵団は五分の一まで数を減らしてしまった。

怒りと憎しみに脳みそが煮え滾った男は残った部下たちを酒場に送り、ウエストウッドに住むエルフの噂を流させた。
自分の没落の原因を作ったハーフエルフと黒騎士にせめての意趣返しをしてやりたかったのだ。
しかし、その命令こそ本当の転落の始まりだった。


925 :T-0+平面:2007/09/09(日) 23:07:38 ID:I6P3BKAZ
久しぶりに来た、次スレに落とす。 支援する。

926 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 23:08:16 ID:lkin048l
支援

927 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 23:08:51 ID:9H0SdsFU
支援

928 :「ウエストウッドの黒騎士」:2007/09/09(日) 23:09:16 ID:Cw+FVBHE
>>922さん

ありがとうございます。
だらしない作者に代わって登録していただき本当に助かりました。
題名については、後で自分なりに編集しておきます。
いちおう、それなりに相応しい名前が思いつきましたので。

929 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 23:10:03 ID:JgL5gGyR
支援
ハーフエルフってファンタジーではよくきくがハルケギニアにゃどのくらいいるのかね

930 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 23:11:50 ID:JgL5gGyR
支援

931 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 23:11:51 ID:HOc2C0Ze
ゴウの記憶を消して一緒にいようとするヤンデレティファ

932 :「ウエストウッドの黒騎士」:2007/09/09(日) 23:12:33 ID:Cw+FVBHE


ある日、突然酒場に送った部下たちが姿を消した。
また逃げ出したのかと思ったが、それにしては姿を消した後の消息が全く伝わってこないのが不気味だった。
やがて、ぼろ宿で部下たちの帰りを待つ内に、フードで顔を隠した奇妙な輩が彼の身辺で見え隠れするようになった。
傭兵の嗅覚で危険を嗅ぎつけた男は残り少ない配下たちをかき集めてすぐさま逃げ出した。
しかし時既に遅し、彼らは今袋小路に入ったネズミのように追い詰められようとしていた。

突然背後でけたたましい悲鳴が上がった。
「追跡者」がついに部下たちに追いついたのだろう。
激痛を現す悲鳴はやがて弱弱しく慈悲を乞う声に変わり、最後にはごぼごぼという血なまぐさい断末魔と化した。
男は涙を流しながら、始祖ブリミルに祈った。
もちろん、部下たちの安息を願ったわけではない。
自分の幸運を喜んだのである。

自分のケツも拭けないような愚図どもだったが、最後の最後に役に立ってくれた。
やつらが腑分けされている時間が長ければ長いほど、男が生き延びる可能性は大きくなるのだ。
「追跡者」たちを振り切るために最後の力を振り絞ってダッシュに入る。
しかし、十字路の角を曲がった瞬間、男は鉄よりも硬い胸板に弾き返された。

「て、てめえ、どこを見て…やが、るぅ?」

威嚇の声は尻すぼみになって喉の奥に消える。
二メイルを超える巨体が目の前に聳え立っていた。
男を跳ね返した逞しい体は奇怪な司祭服に覆われ、その上に乗った顔は山羊の頭蓋骨でできた仮面で隠されていた。
空っぽの眼窩の中から赤く光る隻眼が怯えきった男の顔を見下ろす。


933 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 23:12:45 ID:BTcSy7iC
>>929
どっちの種族からも迫害の対象だから、相当少ないんじゃないかな。
テイルズオブファンタジアみたく、一時期は友好的な関係だったってわけでもないし。

934 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 23:14:52 ID:9H0SdsFU
>>929
さすがに歴史上ティファニアしかいないということはないと思うが、
それでもかなり少ないと思う。

935 :「ウエストウッドの黒騎士」:2007/09/09(日) 23:14:57 ID:Cw+FVBHE

男は呆然と巨体を仰ぎ見ながら聞いた。

「……金に興味がないだって? じゃ、じゃ一体なんでこんな真似を?」
【赤犬(グール)団、最後の男よ。汝らがウエストウッドにて邂逅せし黒騎士と妖精の子供について話すがいい】

またあいつらか!!
男の腹の中から黒騎士と妖精の少女を呪い、憎んだ。
皮肉なことに、怒りと憎しみが彼を恐怖の呪縛から解き放ち、一瞬男は冷静な思考を取り戻した。

「は、ははは、お、思い出したぜ。あんたら「教団」の人間だろ? ゲルマニアやトリステイン、最近はロマリア辺りに布教しているって言う。エルフの子供なんかどうするんだい? 神様の生贄にでも捧げるの……あ、いやいや分かった。分かった」

後ろから「追跡者」たちが爪をカチカチ鳴らしながら近づいてきたのを聞いて、慌てて話題を変えた。

「……依頼人のプライベートには干渉しない。傭兵の大原則だもんな。最近、不景気なもんでつい忘れていたよ。ああ、ちょっと待ってくれ。確かここらにあいつの事を書いたメモが――――『ファイアーボール』!」


936 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 23:15:45 ID:+nK+vAiM
>>933
ゼロ魔は完全に敵対だもんな。

937 :「ウエストウッドの黒騎士」:2007/09/09(日) 23:16:42 ID:Cw+FVBHE

隠しポケットの中に入っていた小さな杖を取り出し、男は目の前の司祭に子供の頭ほどの火球を放った。
男は敵を出し抜いたことに目を輝かせたが、その喜びは長続きしなかった。
全身を火に包まれながら、司祭が笑い声を上げた。
全く苦痛を感じさせない声で言った。

【愚か者が! 我/我々の体は混沌の聖なる力で護られている。貴様如きの魔法では傷一つ付けられぬわ!】

司祭の外套から黒い紐のようなものが飛び出し、男の腕に絡みつく。
一瞬鞭かと思ったが、よく見ればそれが蜥蜴の尻尾のような触手だとわかった。
触手が軽く腕を締め上げると、男の骨は朽木のようにあっけなく砕け散る。

「や、やめろ! お、俺を殺せば、黒騎士たちのことは何も分からな―――ぐもぉ!」

二本目の触手が男の口をふさいだ。
さらにもう一本が残った腕の動きを封じる。

【俗世の輩の言葉は偽りに満ちている。信用できぬ者の言葉など最初からあてにしておらん】



938 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 23:16:43 ID:WuqbhHAo
作者さん、了解ですー。

なお、作品名の変更時は告知するのは当然として
すでにwiki内に登録されてしまったページについての題名変更は
管理人さんしか行えないので、
避難所wiki変更等のスレにて管理人さんに依頼をする必要があります。
そのあたりの作業はよろしくです。

939 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 23:16:55 ID:JgL5gGyR
美人ならそれでいーやってのはやっぱ現代人のそれも結構マイノリティなのかね
支援だ支援

940 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 23:17:20 ID:9H0SdsFU
支援

941 :「ウエストウッドの黒騎士」:2007/09/09(日) 23:18:20 ID:Cw+FVBHE


なら、一体どうやって聞き出すつもりなんだ?
そう疑問に思った時、「追跡者」の一人構えに出た。
外套の裾から細長い長方形の腕を突き出す。
腕の縁には鮫の歯のような鋸刃が生えており、突然唸り声を上げたかと思うとその刃が物凄い速さで回転し始めた。
男は恐怖に目玉がこぼれるかと思うほど目を見開き、体を捩る。
しかし、どんなに暴れても司祭の触手はびくともしない。
男の隣りに立った「追跡者」が髪の毛を掴んで彼の頭を固定し、

【さあ、祈りを捧げ。懺悔するが良い。真の福音にその身を捧げる時が来たぞ】

司祭の重厚な笑い声とともに、くぐもった悲鳴と骨を削る音が路地裏に響く。
血が目に流れ込み、自分の体がどうなったのか見ずに済んだことが男にとって唯一の救いだった。



942 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 23:19:19 ID:BTcSy7iC
何というスプラッタ支援

943 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 23:20:07 ID:9H0SdsFU
支援


944 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 23:21:25 ID:JgL5gGyR
しかしキャラがさっぱりわからん
弐瓶作品とはいってもなんてタイトルの作品探せばいいんだろうか
支援支援

945 :「ウエストウッドの黒騎士」:2007/09/09(日) 23:22:14 ID:Cw+FVBHE

以上、投下終了!
長かった!
そして、それ以上重かった!

ていうか、これ書いていて、テファのファンに殺されるんじゃないかと恐くなってきましたよ。
今回もテファよりも●●●●たちの出番の方が多いし。
ところで、今回登場した司祭服の彼、実は下手をすると五宇以上に影の薄い弐瓶キャラなのですが、
果たして分かる方がどれぐらいいらっしゃるのか……

>>938さん

じゃあ、早速変更スレに書き込みをさせていただきますね。
ご指摘、そしてご助言ありがとうございました。

946 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 23:22:40 ID:Gd0ZNuvF
>>944
バイオメガ

947 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 23:24:43 ID:JgL5gGyR
投下乙J!
テファのクッキー食べたい
>>946
てんきゅー
探してみるよ

948 :「ウエストウッドの黒騎士」:2007/09/09(日) 23:26:15 ID:Cw+FVBHE
>>944

ま、まいなーなキャラばかり束ってごめんなさい。
とりあえず、補足までに各キャラの登場作品をのせておきます。

丁五宇、ヒノト・タイラ→「バイオメガ」シリーズ

●●●●たち(というか触手司祭)→「BLAME!」シリーズ

ちなみに原作の司祭さん(仮)は一言も喋っていません。




949 :ディセプティコン・ゼロ:2007/09/09(日) 23:28:29 ID:CXb4oZ+L
ゴウ×テファGJ!

思ったんだけど、弐瓶作品のキャラって最大級にヤバい連中ばかりじゃないだろうか
珪素生物なんか出る度に武装がやばい事になって、BLAME!の最後の方は戦略級の攻撃をポンポンぶっ放してたし
バイオメガは読んだ事無いけれど、サナカンとか重力子放射線射出装置持ってるし、針飛ばして駆除系インストールするし

950 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 23:29:10 ID:gPr5ONyY
外伝のアイツらか

951 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 23:32:48 ID:BXn3h1wO
>950
次スレヨロ

952 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 23:32:50 ID:QD0fr2Hk
>>950
次スレヨロ

953 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 23:35:18 ID:JgL5gGyR
>>948
BLAME!って……
もしかしてシャキンとかシャリとかそんな感じの音のする食い物が出る漫画?
ひょっとして読んだことがあるかもしれん

954 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 23:35:43 ID:gPr5ONyY
今、ケータイからなんだ

955 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 23:38:18 ID:n2fdvt/4
じゃあ>>960だな


956 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 23:38:35 ID:r5DJsauK
>>954
代理の人を安価指名してね

957 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 23:38:51 ID:ByM2AdT7
>>953
BLAME!は延々と構造体が続く中をネット端末遺伝子を求めて主人公が旅する話
カロリーメイトみたいなのを食べるときにそんな擬音があったな


958 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 23:39:02 ID:GxfRPVP0
この司祭はNOiSEに出てきた奴か
珪素系の出現フラグ立ちまくってるな

959 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 23:39:18 ID:F3o8A9Q4
960が次スレよろ。
1000取りは自重だぜ。

960 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 23:42:41 ID:d2d39qHH
>>960
次スレマダー?

961 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 23:43:10 ID:n2fdvt/4
>>960
よろしく

962 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 23:43:29 ID:6/OtT8DE
>>960
君だよ

963 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 23:44:27 ID:IThPPXF7
ノイズの教団も着てたのか
ということは俺の嫁の女刑事さんも参戦かな?

>>949
アルビオンを物理的に落とせそうな連中が結構いるからなぁ>弐瓶作品

964 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 23:44:55 ID:JgL5gGyR
もうこれは確実に狙ってるとしか思えない
ともかくよろしく
それにしてもあの不思議カロリーメイトどうにか再現できないかな


965 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 23:44:58 ID:d2d39qHH
/(^0^)\ナンテコッタイ
運営議論でジョジョスレへの案内入れるとか見えたけど今のテンプレでいいんだよな?

966 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 23:47:49 ID:mIOtQHtn
いいよー。
決まったらこっちでも告知にくるだろうし。

967 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 23:48:06 ID:/9nmuWKj
>>965
まだ意見出してる段階だから今のテンプレでおk。

968 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 23:50:10 ID:Zg+ppp3w
あのカロリーメイトもどきは、実は食い物じゃなくて固形燃料の一種だとか
って設定をどこかで呼んだような。

969 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 23:51:03 ID:d2d39qHH
把握
そして立てたhttp://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1189349325/l50


970 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 23:51:52 ID:G10V/0o5
>>969

971 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 23:52:15 ID:/9nmuWKj
>>969
乙デース

972 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 23:52:24 ID:GxfRPVP0
たしかあれグリスって設定らしい

973 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 23:53:28 ID:4YeMCr9R
>>939
現代人ですら、そして同じホモサピエンスですら人種差別ってモノが根深く存在してるからな。
人種の違いってのは埋め難いものがあるだろう。

974 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 23:53:29 ID:r5DJsauK
>>969
乙〜

さて1000取りか・・・

975 :ディセプティコン・ゼロ:2007/09/09(日) 23:53:58 ID:CXb4oZ+L
死ぬまでに一度は『シャキ サク』なる歯応えのカロリーメイトを食してみたい
無論フルーツ味で

そして霧亥&ドモチェ&サナカンの嫁マダー?

976 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 23:54:34 ID:HcLGDyZn
>>969
立て乙でぃーっす。

977 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 23:55:41 ID:GDYc6KEI
>>1000ならアラストール召喚

978 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 23:56:15 ID:kJZfqAY9
1000なら…何にしようかな。

979 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 23:56:23 ID:mIOtQHtn
>>975
シボさんか
やはりここは学園編のキャラでだな……

980 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 23:56:28 ID:TnLS3WyA
スレ立て乙

981 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 23:57:02 ID:9Ye4SVYJ
>>1000なら住人全員にエアリード機能がつく

982 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 23:57:30 ID:r5DJsauK
1000なら休載中の作品すべてが連載再開

983 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 23:58:07 ID:kJZfqAY9
1000ならメタルスオデレータ登場

984 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 23:58:09 ID:YHw35lX/
1000ならラーメンマン(戦えラーメンマンの方で)召還

985 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 23:58:41 ID:4YeMCr9R
>>1000なら暴れん坊将軍を召喚

986 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 23:59:00 ID:BhFkJZ4j
>>969

>>1000ならイース1・2のアドル召喚。

TO MAKE THE END OF BATTLEをBGMにハルケギニアへ召喚。


987 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 23:59:16 ID:ysLikIhM
1000なら忍術学園の某五年生召喚を題材に短編を書く。

988 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 23:59:30 ID:UF+tNj0d
>>1000なら天誅の力丸召喚

989 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 23:59:34 ID:f/KW7uWO
1000ならハドラー召喚
超魔生物の方で

990 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 23:59:45 ID:HcLGDyZn
>>1000ならいおの様召喚
ハルケギニアでも側女ちゃんあさりに精を出すいおの・ミト・アルシュライン女王平価

991 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/10(月) 00:00:01 ID:gY7gExrv
1000なら乳革命がパクマンさん召喚
oppa!

992 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/10(月) 00:00:33 ID:r5DJsauK
1000なら剣客商売の秋山小兵衛召喚

993 :ス○ースクリーム:2007/09/10(月) 00:00:37 ID:jPeQaAVy
>>1000なら次スレッドからのリーダーはこの俺様!!!! だといいなぁ…

994 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/10(月) 00:00:41 ID:0vU7uB+o
>>1000ならグラーフ船長召喚

995 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/10(月) 00:00:49 ID:4YeMCr9R
>>1000ならエムゼロの大賀召喚。

たぶんえM0のプレートは何処でも使えるだろう

996 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/10(月) 00:00:50 ID:pVokkgiO
1000なら
キリゾーとモッコロ召喚

997 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/10(月) 00:00:54 ID:PjysQqRv
1000ならデスラー召喚
総統の方で

998 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/10(月) 00:00:58 ID:PzKq5b1x
>>1000なら魔槍グラムザンバー召喚+夏が終わる

999 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/10(月) 00:00:59 ID:T4PCLrcP
>>1000なら次のスレで住人が大絶叫する事が起こる

1000 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/10(月) 00:01:01 ID:3gcXChYo
1000なら作家チャットの全員がチャットしながらでも執筆できるようになる
特に一日中居る人とか

あと>>987は有言実行

1001 :1001:Over 1000 Thread
このスレッドは1000を超えました。
もう書けないので、新しいスレッドを立ててくださいです。。。

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